JP2009015228A - 画像形成装置に搭載するプリントヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】プリントヘッドのハウジングの個体差や、レーザ光源と光学素子の相対姿勢の誤差があっても、レーザ光の集光点を簡単かつ確実に適正位置に調整できるプリントヘッドを提供する。
【解決手段】
プリントヘッド内の光源10と光学素子20を一体化して光源ユニット100として構成する。光源ユニット100からの射出光軸と回転偏向器の回転軸との両軸に直交する直線に平行な軸を第1回転中心Xとして、光源ユニットを揺動可能に支持する揺動支持体130が、ハウジングに設けられている。光源10からレーザ光を発射しながら、回転偏向器の受光面上または光学経路中に設けたターゲット上で集光位置を確認しながら、揺動支持体130上で、光源ユニット100の主走査方向および副走査方向における姿勢を調整し、最後に、当該調整した姿勢に光源ユニット100を固定する。
【選択図】図3

Description

本発明は、レーザプリンタやカラー複写機等の画像形成装置におけるプリントヘッドに関する。さらに詳しくは、そのようなプリントヘッド内において、レーザ光源および光学素子の姿勢調整および固定を行う機構に関する。
プリントヘッドにおいて、レーザ光源や光学素子の位置を調節する機構は、従来から多数知られている。
特許文献1では、半導体レーザおよびコリメータレンズを円筒ホルダ内に一体化してレーザユニットを構成し、V字ブロック上に保持している。円筒ホルダの外周面に立設した突出部を操作することで、V字ブロック上の円筒ホルダは、射出光軸を中心として回転調整される。
しかし、特許文献1の円筒ホルダは、V字ブロック上で、射出光軸を副走査方向にチルト調整することはできない。
特許文献2に開示された光学調整機構は、リング状の突起を周囲に備える円筒状のレンズホルダでコリメータレンズを保持し、リング状突起をV字ブロックで支持することで、円筒状レンズホルダのチルト調整およびフォーカス方向の調整を可能としている。
また、レーザ光源に対するコリメータレンズの位置調整は、光源ユニット全体をレーザ光源に対してスライドさせて行われる。このように、特許文献2では、光学素子とレーザ光源を独立して個別に調整する必要がある。
特開2004−34608号公報 特開2006−194972号公報
本発明の目的は、プリントヘッドのハウジングの個体差や、レーザ光源と光学素子の相対姿勢の誤差があっても、レーザ光の集光位置を簡単かつ確実に適正位置に調整できるプリントヘッドを提供することである。
本発明のプリントヘッドは、ハウジング内に、光源、光学素子、回転偏向器、光学経路を収容し、光源から発せられたレーザ光を、光学素子で整形し、回転偏向器で向きを変え、光学経路を経て、外部へ射出するものである。
そして、光源と光学素子を一体化して光源ユニットとして構成し、「光源ユニットからの射出光軸」と「回転偏向器の回転軸」との両軸に直交する直線に平行な軸を第1回転中心として、光源ユニットを揺動可能に支持する揺動支持体が、ハウジングに設けられていて、当該揺動支持体上で光源ユニットが所望の姿勢で固定されていることを特徴とする。
また、本発明において、プリントヘッド内での光源ユニットの姿勢調整は、次のようにして行う。
(a)まず、光源ユニットをハウジング内の所定位置に置く。
(b)次に、光源からレーザ光を発射しながら、回転偏向器の受光面上または光学経路中に設けたターゲット上で集光位置を確認しながら、主走査方向および副走査方向における光源ユニットの姿勢を調整する。
(c)そして、当該調整した姿勢に光源ユニットを固定する。
上記工程(c)においては、光硬化性接着剤を用いて光源ユニットの姿勢を固定することが好ましい。光硬化性接着剤は、工程(c)以前の任意の段階で固定箇所に塗布されており、工程(c)では、当該接着剤に光を当てて硬化させる。
上記構成を備えた本発明のプリントヘッドにおいては、光源と光学素子を一体化した光源ユニットを採用し、この光源ユニット全体が、ハウジング内で姿勢調整される。調整は、光源からレーザ光を発射しながら、回転偏向器の受光面上または光学経路中に設けたターゲット上で集光位置を確認しながら行う。
したがって、個々のハウジングに個体差(寸法誤差)があっても、各ハウジング内で光源ユニットの姿勢調整を行うことができるので、当該個体差は実質上問題とはならない。
また、光源ユニット内で光源と光学素子の相対姿勢に誤差がある場合であっても、光源ユニット全体としての射出光の集光位置を調整するので、当該誤差も実質上問題とはならない。
本発明の実施形態を添付の図面を参照して以下に詳細に説明する。
≪プリントヘッドの全体構成:図1≫
図1は、本発明が適用されるプリントヘッドの全体構成を説明する分解斜視図である。プリントヘッドを構成するハウジングを図1中に破線で示しており、このプリントヘッドが、レーザプリンタやカラー複写機に搭載される。
LD(レーザダイオード)1からのレーザ光は、光学素子2を通過し、回転偏向器3によって進行方向を変え、結像光学系4a、4bおよびカバーガラス5を通って、感光体ドラム6に至る。
≪光源および光学系の位置ズレ:図2≫
レーザ光を適切に感光体ドラム6に導くためには、LD1および光学素子2の姿勢を高精度に維持する必要がある。図2は、これを説明する模式図である。なお、図2では、光学素子2として、コリメートレンズ2mとシリンドリカルレンズ2nをユニット化したものを示している。
コリメートレンズ2mは、LD1から出るレーザ光を平行化するもので、シリンドリカルレンズ2nは、平行化されたレーザ光を一点に向けて絞るものである。この結果、LD1から出たレーザ光は光学素子2により整形されて、主走査方向に延びるライン状の光となって感光体ドラム6上に到達する。
図2(a)は、LD1と光学素子2とが適正に位置合わせされた状態を示している。LD1の光軸と光学素子2の光軸とが、基準線Rに一致しており、集光点もこの基準線R上に存在する。基準線Rは、図示の例では、水平線に一致するように設定されているが、プリントヘッドの種類によっては、これと異なることもある。
図2(b)では、LD1と光学素子2とは相対的には一直線上に並んでいるが、全体として、基準線Rからズレて傾いている。すなわち、LDの光軸1aと、光学素子の光軸2aは、一直線状にあり、かつ、基準線Rに対して傾いている。
図2(c)では、LD1の光軸は基準線Rと一致しているが、光学素子2の光軸2aが基準線Rからズレて傾いている。すなわち、LD1と光学素子2とは、相対的に一直線上に並んではいない。
図2(b)および図2(c)では、集光点が基準線Rからズレており、いずれの場合も、集光点が基準線R上に位置するように修正を加えることが必要となる。本発明のポイントは、この修正を容易かつ確実とするための機構にある。
なお、図2(c)のようにLD1の光軸と光学素子2の光軸にズレがあったとしても、両者を1つのユニットとして構成し、当該ユニット全体として傾きを調節して、集光点を基準線R上に位置させれば、LD1と光学素子2の相対的なズレの存在は問題ではない。本発明では、そのような考えに基づいて、LD1光軸と光学素子2をユニット化し、当該ユニット全体の姿勢を調整して、集光点を基準線R上に位置させる。
≪単一光学素子:図14≫
図2では、「レーザ光を平行化するコリメートレンズ2m」と「平行化されたレーザ光を一点に向けて絞るシリンドリカルレンズ2n」とが別体であって、両者をユニット化したものを光学素子2として使用している。
このような光学素子2に代えて、コリメートレンズおよびシリンドリカルレンズの機能を単一の素子で実現した光学素子20を使用してもよい(本明細書において、これを単一光学素子と呼ぶ)。
これは、本願出願人による特開2002−287062号公報にも開示されたものであるが、図14に参照して簡単に説明する。
レーザ光源Pから出たレーザ光は、入射面20aから単一光学素子20内に入って、素子内の反射面20b、20cで反射した後、出射面20dから出ていく。入射面20aおよび出射面20dは回折面とされていて、温度変化に伴うデフォーカスを抑制している。
入射面20aから入ったレーザ光は、単一光学素子20内を進行する際に、主走査方向には略平行に、かつ副走査方向には一点に集光するように整形され、図14に示したような、主走査方向の幅(長さ)がWで直線状に集光するレーザ光が作り出される。
≪第1実施形態:図3≫
図3(a)は、第1実施形態に係る光源ユニット100の分解図を示している。図3(b)は、ユニット100中の光学素子20を取り出して正面側から示したもので、図3(c)は、組立図である。
光源ユニット100は、LD10と光学素子20とをベースホルダ110に固定することでユニット化している。図示の例では、光学素子20として、図14に示したような1つの素子でコリメートレンズとシリンドリカルレンズの機能を併せもつ単一光学素子を採用している(ただし、本発明において、光学素子は単一光学素子である必要はない)。
LD10は、放熱板11に対して溶接・接着・圧入等の適宜の方法で固定され、これがベースホルダ110に固定される。一方、光学素子20は、図3(b)に示したようなコ字状のホルダ21に固定され、これがベースホルダ110に固定される。
光学素子20を保持するホルダ21の材質としては、ポリカーボネート系樹脂、ステンレス、アルミ等を採用することができる。なお、LD10の温度上昇が許容範囲内である場合には放熱板11を省略してもよい。
各部材の間の連結・固定は、ビス等の機械的手段で行ってもよいが、接着剤や融着を利用する方が、部品点数を削減することができるので好ましい。
ベースホルダ110の底面には、揺動ブロック120が固定されている。揺動ブロック120は、その下面が円弧状で、図3中、紙面に直交方向に同一断面形状で延在するブロック体である。
一方、ハウジングの底壁(不図示)上には、V字ブロック状の揺動支持体130が設けられていて、この揺動支持体130上に光源ユニット100が支持される。すなわち、揺動支持体130のV字面上に、光源ユニット100の揺動ブロック120が位置し、その結果、光源ユニット100は、揺動支持体130上で矢印A方向に揺動可能となる。
なお、揺動支持体130は、個別の部材ではなく、ハウジングの底壁と一体的に形成されたものであってもよい。
LD10および光学素子20は、ベースホルダ110に固定する際に、互いの位置を調整して調芯およびフォーカシングを完了しておく。これは、一般的に知られた方法で行うが、両者の相対位置調整が正確でない場合、あるいは、相対位置調整は正確であるが光源ユニット100全体がハウジングに対して傾斜している場合には、図2(b)や図2(c)に示したように、光ビームの集光点が基準線Rからズレてしまう。
しかし、第1実施形態では、光源ユニット100全体を揺動支持体130上で揺動可能であるため、首振り調整して光源ユニット100の姿勢を調整することで、集光点を基準線R上に位置させることが可能である。この首振り調整を以下に説明する。
≪首振り調整(姿勢調整)≫
光源ユニット100は、図3(c)中において、点Xを回転中心(第1回転中心)として揺動可能であるが、この点Xは、図1中の仮想直線Xに対応している。
図1において、仮想直線Xは、「光学素子からの射出光軸2a(本実施形態における光源ユニット100からの射出光軸に対応)」と「回転偏向器の回転軸3a」との両軸に直交する直線に平行である。すなわち、光源ユニット100を揺動させることによって、レーザ光が偏向器に当たる位置を調整することができる。
調整作業は、目視あるいは測定器を利用して行う。目視の場合、LD10からレーザ光を発射しながら、回転偏向器の受光面(あるいは、他の適当なターゲット)上での集光位置を確認しながら、指先で光源ユニット100を揺動させていき、所望の姿勢で光源ユニット100を固定する。
固定には、光硬化型接着剤を使用することが好ましい。すなわち、姿勢調整の前に接着剤を塗布しておき、所望の姿勢が得られた時点で光(紫外線または可視光)を当てて接着剤を硬化させる。
接着剤以外にも、ビス等を用いたネジ止めや、弾性部材を用いてクリップ式に固定することも考えられる。
目視以外の例として、光学経路中の適当な位置(ハウジング外であってもよい)に配置した測定機器を利用してもよい。
≪第2実施形態:図4≫
図4に示した第2実施形態は、図3の第1実施形態に対して次の点が異なる。
すなわち、V字ブロック状の揺動支持体230がハウジングの底壁13と別部材ではなく一体的に構成されている。また、光源ユニット200のベースホルダ210の底面において、揺動ブロック220が別部材ではなく一体的に構成されている(1ピース構造)。
光源ユニット200の姿勢調整や機能は、第1実施形態と同じである。第2実施形態では、1ピース構造を採用することで、部品点数および製造工程数を削減し、コストダウンにつなげることができる。
一方、第1実施形態のように2ピース構造を採用した場合には、揺動ブロック120に対するベースホルダ110の相対位置を変更することで、LD10および光学素子20を揺動軸X(揺動の回転中心)に対して一体的に移動することが可能となり、光源ユニット全体としてのフォーカス調整が可能になるというメリットがある。
なお、第1実施形態および第2実施形態において、「揺動支持体」と「揺動ブロック」の形状を逆にしてもよい。すなわち、ハウジング底壁側に固定される「揺動支持体」を膨出したドーム形状とし、ベースホルダの底面側の揺動ブロックをV字溝状としてもよい。
≪第3実施形態:図5≫
図5の第3実施形態は、ベースホルダ310上で、光学素子20が矢印B方向に揺動可能に構成されている点に特徴がある。図5中に矢印Bで示した揺動方向は、図3中の矢印Aと直交する方向である。すなわち、光学素子20の回転中心Y(第2回転中心)は、当該光学素子20からの射出光軸(すなわち、光源ユニット300からの射出光軸)に一致しており、図3(c)中の回転中心Xと直交している。
このように、第3実施形態においては、ベースホルダ310が矢印A方向に揺動可能であるだけでなく、光学素子20がそれと直交する方向Bに揺動可能となっている。
ベースホルダ310上にV字ブロック状の第2揺動支持体340が固定され、この第2揺動支持体340上に、光学素子20を保持するホルダ25が支持される。ホルダ25は、円柱を略4分割してなる如き形状の揺動部26を両サイドに備えていて、第2揺動支持体340上で、B方向に揺動が可能となっている。
B方向に揺動可能とすることにより、光学素子20をその射出光軸Y回りに回転調整することが可能となる。
図示の例では、光学素子として、コリメータレンズとシリンドリカルレンズの機能を1つにした単一光学素子20を使用している(図14参照)。単一光学素子20では、当該素子を射出光軸回りに回転させると、図14において直線状に集光されたレーザ光も回転して、主走査方向および副走査方向の両方において集光位置が変化する(主走査方向と副走査方向との間に相関がある)。
このような単一光学素子20を使用する場合には、この第3実施形態のように回転中心Y(第2回転中心)の回りにも回転調整できる構成が有利である。すなわち、光源ユニット300の作成に際してベースホルダ310上でLD10と光学素子20の調芯およびフォーカシングを行うとともに、光学素子20を射出光軸Y回りに姿勢調整することで、主走査方向および副走査方向における集光位置の調整を同時に行うことができる。
その後で、光源ユニット300全体としての首振り調整を第1実施形態の場合と同様にして行う。また、首振り調整の後で、Y軸回りの調整を行うことも可能である。
なお、射出光軸Y回りにおける光学素子20の姿勢調整の具体的な手順は、第1実施形態で説明した≪首振り調整(姿勢調整)≫の手順と同様である。
≪第4実施形態:図6≫
図6(a)は、第4実施形態に係る光源ユニット400と揺動支持体430を示す側面図で、図6(b)は、その正面図である。図6(c)は、揺動支持体430のみを上方から示す平面図である。
第3実施形態と同様に直交するA、B2方向への揺動を実現するために、第4実施形態では球面を利用している。
すなわち、ハウジングの底壁13に柱状の揺動支持体430を立設し、その頂面に球面状の凹部431を設けている。一方、光源ユニット400のベースホルダ410の底面には、凹部431にフィットする球状の揺動ブロック420を形成している。ベースホルダ410は、凹部431で揺動ブロック420を受け入れるようにして、揺動支持体430上に配置される。
ただし、球面を利用する場合、光源ユニット400は、A、B2方向だけでなく、あらゆる方向への自由回転が可能となる。したがって、揺動支持体430上での光源ユニット400の姿勢調整に際しては、直交する2方向から軸支する等して、光源ユニット400がA、B2方向のみに揺動可能となるように、適宜の規制手段を設ける必要がある。
姿勢調整が終了した後、光源ユニット400は、第1実施形態と同様に、光硬化型接着剤、ビス、弾性部材等の適宜の手段を用いて、揺動支持体430上に固定される。
なお、第4実施形態において、「揺動支持体」と「揺動ブロック」の形状を逆にしてもよい。すなわち、ハウジング底壁側に固定される「揺動支持体」を膨出した球面状とし、ベースホルダの底面側にこれとフィットする球面状の凹部を設けてもよい。
≪第5実施形態:図7≫
第3実施形態と同様に直交するA、B2方向への揺動を実現するために、第5実施形態では、傾斜面を頂部に備えた4つの板体531、532、533、534からなる揺動支持体530を採用している。
図7(a)は、揺動支持体530のみを示す側面図で、図7(b)はその正面図、図7(c)はその平面図である。
図7に示したように、ハウジングの底壁13上に立設した4つの板体は、その上面が中央に向かって低くなる傾斜面531a、532a、533a、534aとされていて、全体として、中央が凹んだ揺動支持体530が構成される。
図7では、光源ユニットの図示は省略しているが、第4実施形態(図6)に示したのと同様、底面に球状の揺動ブロックを備えた光源ユニットが、揺動支持体530上に配置される。
光源ユニットの姿勢調整および固定については、第4実施形態(図6)の場合と同じである。
≪第6実施形態:図8≫
第6実施形態では、光源ユニット600を、球体ベアリング640を介して、揺動支持体630上に配置している。図8(a)は分離状態を、図8(b)は設置状態を、それぞれ示している。
光源ユニット600のベースホルダ610の底面には、球面状凹部611が形成されており、揺動支持体630の上面には、球面状凹部631が形成されている。光源ユニット600は、球体ベアリング640を挟み込むようにして、揺動支持体630上に位置している。
球面状凹部611、631は、それぞれ、半球よりも浅くなるように構成することが好ましい。これにより、設置状態において、光源ユニット600と揺動支持体630との間にスペースを設けることができる。そして、必要がある場合には、球体ベアリング640の材質を適宜選択することで、ベースホルダ610と揺動支持体630との間における「熱的絶縁」や「電気的絶縁」を実現できる。
≪第7実施形態:図9≫
第7実施形態では、突起と凹部の係合を利用して、揺動支持体730が光源ユニット700を揺動可能に支持している。球面を利用する場合と比べて加工が容易であるため、既存の光源ユニットを改造することによっても、容易に当該構成を実現することができる。
図9(a)は、第7実施形態を説明する部分断面分解図であり、図9(b)は、組立後の正面図である。
揺動支持体730は、光源ユニット700のベースホルダ710の両サイドに立設された一対の対向壁740、740を備えている。光源ユニット700は、一対の対向壁間に若干の隙間を残して、挟み込まれるように位置している。
ベースホルダ710の両側面には、外方に突出する突起711、711が形成されている。一方、対向壁740、740の壁面には、突起711、711を受け入れる凹部741、741が形成されている。
凹部741は対向壁740の上端縁にまで達しており、図9(a)に示したように、光源ユニット700は、上方側から、一対の対向壁740、740間に挿着することが可能である。突起711、711は、凹部741、741内に揺動可能に係合され、これにより、光源ユニット700の首振り調整を可能としている。
この実施形態では、光源ユニット700は、その姿勢が最終的に固定される前においては、フリー回転できる状態にある。この特性を利用して、ビス等のネジ手段を用いた姿勢調整が可能である。すなわち、光源ユニット700の鉛直下方側から上方に向かって繰り出し調節可能なネジを設け、当該ネジの突出量を調整しながら、光源ユニット700の姿勢調整ができる。
最終的な姿勢の固定は、第1実施形態と同様に、光硬化型接着剤、ビス、弾性部材等の適宜の手段を用いる。
≪第8実施形態:図10≫
図10(a)は、第8実施形態に係る光源ユニット800のみを示す側面図であり、図10(b)は、第8実施形態に係る揺動支持体830のみを示す正面図である。この第8実施形態は、第7実施形態における突起711と凹部741との位置関係を反対にしたものである。
すなわち、揺動支持体830の両サイドに設けた対向壁体840、840の対向する面には、内方に突出する突起841、841が形成されている。一方、光源ユニット800のベースホルダ810の両側面には、凹部811、811が形成されている(図10(a)中、紙面向こう側の側面にも、同様の凹部811が形成されている)。
図10(a)の状態から光源ユニット800を手前側に90度回転させ、その状態で、図10(b)の揺動支持体830に対して上方から組み付ける。このとき、突起841が凹部811内に受け入れられて、光源ユニット800の姿勢調整が可能となる。
≪第9実施形態:図11(a−1)≫
第9実施形態の光源ユニット901は、第8実施形態と同様、ベースホルダの両側面に設けた凹部とこれに外部から嵌合する突起とを利用して姿勢調整を可能としている。ただし、光源ユニット901のベースホルダ910では、その両側面に各2つの凹部911、912を形成している(図11(a−1)において、紙面向こう側の側面にも、同様の凹部911、912が形成されている)。
これらに対応させて、揺動支持体930の両サイドに設けた対向壁940、940にも突起が2個づつ形成される。図11(b)では、そのうち手前側の突起941、941だけが現れている。図では突起941の向こう側に隠れて現れないが、同様の突起がさらに形成されていて、これらの不図示の突起が凹部912に受け入れられる。
突起941は直線溝状の凹部911の上端911aに当接して、首振り調整の際の中心軸を構成する。そして、円弧溝状の凹部912内で上記不図示の突起をスライドさせることで、姿勢調整を行う。
凹部と突起との係合を2組利用する例においては、各凹部および突起のサイズを適宜調整することによって、摩擦係合力を利用した姿勢の仮固定が可能となる。したがって、首振り調整時における微調整が容易になるというメリットがある。
最終的な姿勢の固定は、第1実施形態と同様に、光硬化型接着剤、ビス、弾性部材等の適宜の手段を用いる。
≪第10実施形態:図11(a−2)≫
図11(a−2)は、第10実施形態に係る光源ユニット902を示している。この第10実施形態では、第9実施形態とは異なり、光源ユニット902のベースホルダの側面に設ける2つの凹部をともに円弧状としている。すなわち、図11(a−2)において、右側の凹部913が円弧状となっている点のみが、図11(a−1)の第9実施形態と異なる。
この光源ユニット902も、図11(b)と同様の2組の突起を有する揺動支持体930に支持される。
円弧溝状の2つの凹部913、914を、その円弧中心が偏向器3(図1参照)の受光面上のポイントに略一致することとなるように形成することが好ましい。これにより、光学素子20から出る光ビームを常に偏向器3の受光面に当てながら、首振り調整することが可能となる。
≪第11実施形態:図11(a−3)≫
図11(a−3)は、第11実施形態に係る光源ユニット903を示している。この第11実施形態では、第10実施形態における後方(図11(a−2)中左側)の凹部914に代えて、ベースホルダ自体の後端部915を円弧状の輪郭を有するように構成している。後端部915の円弧形状は、第10実施形態における円弧溝状の凹部914の円弧形状に対応している。
なお、図示していないが、この光源ユニット903を受ける揺動支持体側には、円弧状の後端部915をスライド可能に受ける凹状の受面が形成される。したがって、図11(a−2)の第10実施形態の場合と同様に、光学素子20から出る光ビームを常に偏向器3の受光面に当てながら、首振り調整することが可能となる。
≪第12実施形態:図12≫
第12実施形態は、これまで説明した第1〜11実施形態とは異なり、揺動支持体が存在しない。この実施形態の光源ユニット1200は、図3の第1実施形態と比べて、揺動ブロック120を備えていない点のみが異なる。LD10および光学素子20は、ベースホルダ1210に固定する際に、一般的に知られた方法で、互いの位置を調整して調芯およびフォーカシングを完了しておく。
光源ユニット1200は、接着剤1220を用いて、マウント台14上に固定される。この場合における光源ユニット1200の姿勢調整手順は、次の通りである。
≪調整手順≫
(1)ハウジング底壁13上に配置したマウント台14上の所定位置に、光源ユニット1200を置く。マウント台14は、光源ユニット1200を設置すべき位置に予め配置されたものであるが、これを省略して、ハウジング底壁13上に光源ユニット1200を直接設置するような設計としてもよい。
(2)適宜の治具(不図示)を利用して、マウント台14上で光源ユニット1200を仮の姿勢で固定する。そして、LD10からレーザ光を発射しながら、回転偏向器の受光面(あるいは、他の適当なターゲット)上での集光位置を確認しながら、主走査方向における光源ユニット1200の姿勢を調整する。同様にして、副走査方向における光源ユニット1200の姿勢を調整する。
なお、図示の例では、コリメートレンズおよびシリンドリカルレンズの機能を併せ持つ単一光学素子20を使用しているので、射出光軸回りに回転調整することによって、主走査方向と副走査方向における姿勢調整を同時に行うことができる(個別のコリメートレンズおよびシリンドリカルレンズを使用する場合には、主走査方向と副走査方向における姿勢調整を独立して行う)。
回転偏向器に対するレーザ光の入射角度が一定範囲内に制限される場合には、垂直方向へのシフト移動を組み合わせて光源ユニット1200の姿勢を調整することで、当該入射角度の制限を満たすことができる。
姿勢調整における集光位置の確認は、第1実施形態の場合と同様、目視または測定機器を用いて行うことができる。
(3)主走査方向および副走査方向における姿勢調整が完了すると、使用している調整治具に当該姿勢を記憶させて、光源ユニット1200を一旦、マウント台14上から退避させる。
(4)退避させた光源ユニット1200の底面またはマウント台14の表面に光硬化型接着剤を塗布して、再度、光源ユニット1200をマウント台14上の上記記憶した姿勢位置に設置する。LD10からレーザ光を発射しながら、調整済みの集光位置にズレが生じていないかを確認しながら、接着剤に光(紫外線または可視光)を当てて、光源ユニット1200を最終的に固定する。
≪調整手順の別例1≫
上記では、光源ユニット1200の姿勢を仮調整した後、一旦、光源ユニット1200を退避させて接着剤を塗布しているが、これに代えて、上記(1)の手順に入る前に最初から接着剤を塗布しておき、上記(2)の手順で姿勢調整が完了した時点で接着剤に光を当てて硬化してもよい。こうすれば、光源ユニット1200を一旦退避させたり、再度配置した後で位置ズレがないか確認するという作業を省略できる。
≪調整手順の別例2≫
また、上記(3)の手順において、光源ユニット1200を退避させるのではなく、マウント台14と光源ユニット1200との間の隙間に接着剤を注入し、その後、光を当てて硬化させることとしてもよい。
このようにすることでも、別例1の場合と同様に、光源ユニット1200を一旦退避させたり、再度配置した後で位置ズレがないか確認するという作業を省略できる。
≪第13実施形態:図13≫
図13に示した第13実施形態は、第12実施形態に対して、接着剤による固定位置が異なる。すなわち、ハウジング底壁13上には、対向壁16、16を備えたマウント台15が配置されていて、2つの対向壁16、16の間に挟み込むようにして、光源ユニット1300が配置される。
対向壁16、16と光源ユニット1300のベースホルダ1310との間には若干の隙間が確保されていて、この隙間に接着剤1320を適用することで、光源ユニット1300は、マウント台15に固定される。
光源ユニット1300の姿勢調整方法は、第12実施形態において説明したのと同じである。
本発明が適用されるプリントヘッドの全体構成を示す分解斜視図。 プリントヘッド内でのLDおよび光学素子の姿勢調整を示す説明図。 第1実施形態を示す説明図。 第2実施形態を示す説明図。 第3実施形態を示す説明図。 第4実施形態を示す説明図。 第5実施形態を示す説明図。 第6実施形態を示す説明図。 第7実施形態を示す説明図。 第8実施形態を示す説明図。 第9〜11実施形態を示す説明図。 第12実施形態を示す説明図。 第13実施形態を示す説明図。 コリメートレンズとシリンドリカルレンズの機能を併せ持つ単一光学素子を説明する斜視図。
符号の説明
1 LD
2 光学素子
2m コリメートレンズ
2n シリンドリカルレンズ
3 回転偏向器
4a、4b 結像光学系
5 カバーガラス
6 感光体ドラム
10 LD
11 放熱板
13 ハウジング底壁
20 光学素子
21 ホルダ
25 ホルダ
26 揺動部

(第1実施形態)
100 光源ユニット
110 ベースホルダ
120 揺動ブロック
130 揺動支持体

(第2実施形態)
200 光源ユニット
210 ベースホルダ
220 揺動ブロック
230 揺動支持体

(第3実施形態)
300 光源ユニット
310 ベースホルダ
340 第2揺動支持体

(第4実施形態)
400 光源ユニット
410 ベースホルダ
420 揺動ブロック
430 揺動支持体
431 凹部

(第5実施形態)
530 揺動支持体
531、532、533、534 板体

(第6実施形態)
600 光源ユニット
610 ベースホルダ
611 凹部
630 揺動支持体
631 凹部
640 球体ベアリング

(第7実施形態)
700 光源ユニット
710 ベースホルダ
711 突起
730 揺動支持体
740 対向壁
741 凹部

(第8実施形態)
800 光源ユニット
810 ベースホルダ
811 凹部
830 揺動支持体
840 対向壁
841 突起

(第9、10、11実施形態)
901、902、903 光源ユニット
910 ベースホルダ
911、912 凹部
913、914 凹部
915 後端部
930 揺動支持体
940 対向壁
941 突起

(第12実施形態)
14 マウント台
1200 光源ユニット
1210 ベースホルダ
1220 接着剤

(第13実施形態)
15 マウント台
16 対向壁
1300 光源ユニット
1310 ベースホルダ
1320 接着剤

Claims (10)

  1. ハウジング内に、光源、光学素子、回転偏向器、光学経路を収容し、光源から発せられたレーザ光を、光学素子で整形し、回転偏向器で向きを変え、光学経路を経て、外部へ射出するプリントヘッドにおいて、
    光源と光学素子を一体化して光源ユニットとして構成し、
    光源ユニットからの射出光軸と回転偏向器の回転軸との両軸に直交する直線に平行な軸を第1回転中心として、光源ユニットを揺動可能に支持する揺動支持体が、ハウジングに設けられていて、当該揺動支持体上で光源ユニットが所望の姿勢で固定されている、プリントヘッド。
  2. 上記光源と光学素子は、それぞれをベースプレートに取り付けることで光源ユニットとして一体化されており、
    上記揺動支持体はその上部がV字溝状またはドーム状とされており、
    上記ベースプレートの底部には、一体または別体の揺動ブロックが設けられていて、当該揺動ブロックは、揺動支持体の上部と揺動可能に当接するドーム状またはV字溝状とされている、請求項1記載のプリントヘッド。
  3. 上記光源と光学素子は、それぞれをベースプレートに取り付けることで光源ユニットとして一体化されており、
    光源ユニットからの上記射出光軸を第2回転中心として、光学素子を揺動可能に支持する第2揺動体が、上記ベースプレートに設けられていて、
    第2揺動支持体上で光学素子が所望の姿勢で固定されている、請求項1記載のプリントヘッド。
  4. 上記光源と光学素子は、それぞれをベースプレートに取り付けることで光源ユニットとして一体化されており、
    上記揺動支持体はその上部に球面状凹部を有するか、揺動支持体が膨出する球面状に形成されており、
    上記ベースプレートの底部には、一体または別体の揺動ブロックが設けられていて、
    当該揺動ブロックは、揺動支持体上部の凹部と揺動可能に当接する球面状とされているか、揺動ブロックに球面状の揺動支持体と揺動可能に当接する球面状凹部が形成されている、請求項1記載のプリントヘッド。
  5. 上記光源と光学素子は、それぞれをベースプレートに取り付けることで光源ユニットとして一体化されており、
    上記揺動支持体は十字状に配置された4つの板体で構成されており、各板体は、十字中央が低くなる凹部を構成するよう上面が傾斜しており、
    ベースプレート底部には、揺動支持体の凹部と揺動可能に当接する球面状の揺動ブロックが設けられている、請求項1記載のプリントヘッド。
  6. 上記光源と光学素子は、それぞれをベースプレートに取り付けることで光源ユニットとして一体化されており、
    上記揺動支持体の上部およびベースプレートの底部には、それぞれ、球面状凹部が形成されていて、
    両方の球面状凹部内に当接する球体ベアリングを介して、光源ユニットが揺動支持体上で固定されている、請求項1記載のプリントヘッド。
  7. 上記光学素子として、上記光源から出たレーザ光を、主走査方向には略平行に整形し、かつ副走査方向には一点に集光するように整形する2つの整形機能を併せ持つ単一の光学素子を採用した、請求項3〜6のいずれか1つに記載のプリントヘッド。
  8. 上記光源と光学素子は、それぞれをベースプレートに取り付けることで光源ユニットとして一体化されており、
    上記揺動支持体は一対の対向壁を備えており、当該対向壁の間にベースプレートが位置していて、
    両対向壁の向かい合う面に設けた凹部または突起と、ベースプレートの両側面に設けた凹部または突起とが揺動可能に係合している、請求項1記載のプリントヘッド。
  9. ハウジング内に、光源および光学素子を一体化した光源ユニット、回転偏向器、光学経路を収容し、光源から発せられたレーザ光を、光学素子で整形し、回転偏向器で向きを変え、光学経路を経て、外部へ射出するプリントヘッド内で、光源ユニットの姿勢を調整する方法であって、
    (a)ハウジング内の所定位置に光源ユニットを置き、
    (b)光源からレーザ光を発射しながら、回転偏向器の受光面上または光学経路中に設けたターゲット上で集光位置を確認しながら、主走査方向および副走査方向における光源ユニットの姿勢を調整し、
    (c)当該調整した姿勢に光源ユニットを固定する、方法。
  10. 上記工程(c)において光硬化性接着剤を用いて光源ユニットの姿勢を固定する請求項9記載の方法であって、
    光硬化性接着剤は、上記工程(c)以前の任意の段階で固定箇所に塗布されており、上記工程(c)で当該接着剤に光を当てることで接着剤が硬化する、請求項9記載の方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012212009A (ja) * 2011-03-31 2012-11-01 Mitsutoyo Corp 光学装置、及び光学式測定装置
JP2015064478A (ja) * 2013-09-25 2015-04-09 日本電産コパル株式会社 フォーカルプレンシャッタ
US10427406B2 (en) 2016-02-05 2019-10-01 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Print bar sensors

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