JP2009014928A - レーザ転写装置の転写ヘッド - Google Patents

レーザ転写装置の転写ヘッド Download PDF

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Abstract

【課題】 レーザリペア装置などのレーザ転写装置において、転写材料と転写対象物との距離を適切な距離に維持することができ、かつ転写作業が正確に行えるレーザ転写装置の転写ヘッドを提供する
【解決手段】 下面には転写板が保持される転写板ホルダと、転写板ホルダ収容用の空所を有し、水平・垂直方向における位置基準を与える転写ヘッド機体と、転写ヘッド機体の空所内に収容された転写板ホルダを、転写ヘッド機体に対して上下動可能かつ水平動不能に支持するホルダ支持機構と、転写板ホルダ下方へ圧気を噴射することにより、被転写面に対し転写板を転写板ホルダごと浮上させる転写板浮上手段と、転写板ホルダの転写ヘッド機体に対する上下動を任意の上下位置にて停止させかつその上下位置に保持させることが可能な転写板保持機構と、転写板浮上手段における圧気噴射をオンオフするための圧気噴射制御弁とを有する
【選択図】 図2

Description

この発明は、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等の表示装置において、回路パターンの欠陥修復を行うレーザリペア装置等として好適なレーザ転写装置の転写ヘッドに関する。
従来、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどの表示装置において、回路パターンの欠陥修復を行うためには、レーザCVD法を利用したレーザリペア装置が採用されている。
このレーザCVD法を利用するレーザリペア装置は、レーザによる化学気相成長法を利用するものであって、具体的には、レーザを原料ガス中に置かれた基板に照射し、レーザ照射面での原料ガスの化学・物理反応を促進することによって、基板上の修復箇所に原料ガスの被膜を成長させるものである。
しかしながら、このような従来のレーザCVD法を利用するレーザリペア装置にあっては、修復材料として、ガス化できる材料(W、Cr、Mo)しか使用できないことに加え、レーザ照射面での原料ガスの化学・物理反応を利用するため、修復速度が遅いといった問題点が指摘されている。
一方、このような問題点を解決できるレーザリペア装置としては、レーザ転写法(LMT:Laser Metal Transfer)を利用したレーザリペア装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このレーザ転写法を利用するレーザリペア装置の原理が図18に示されている。図において、aは石英ガラス板、bは修復材料となる導電性金属の薄膜、cは基板、dは回路パターン、eはレンズ、fはレーザビーム、gは回路パターン上の欠陥箇所、b´は飛ばされた金属薄膜である。なお、この例では、石英ガラス板aと薄膜bとを合わせたものが、転写板となる。
このレーザ転写法にあっては、まず、同図(a)に示されるように、欠陥箇所gを有する基板cの上に、対物面に修復材料の薄膜bを有する石英ガラス板aを距離Lを隔てて対向させ、同図(b)に示されるように、レンズeを介してレーザビームfを所定のスポット形状に絞り込んで、照射する。すると、同図(c)に示されるように、レーザビームfが照射された薄膜部分b´が飛ばされて、同図(d)に示されるように、回路パターンd上の欠陥部分gの上に付着する。このとき、修復部分の線幅を2〜5μmとした場合、距離Lとしては5μ〜20μ程度となる。
特開2000−31013号公報
このような従来のレーザ転写法を用いるレーザリペア装置にあっては、修復材料となる金属被膜として、Al、Ni、Ta、W、Ti、Au、Ag、Cu、Cr等のような様々な金属が選定できることに加え、転写板に対してレーザで照射するのみで修復できるため、修復速度が速いという利点がある。
ところで、この種のレーザリペア装置において、リペア対象物となる表示デバイス等の表面に、必要な線幅の転写膜を得るためには、転写対象物表面と転写材料被膜との距離を常にミクロンオーダ(例えば、5〜20μm)に維持することが要請される。
しかしながら、この種のリペア対象物(表示装置の基板等)の表面には、そもそも、ミクロンオーダの凹凸が存在するため、リペア対象物上のどの位置においても、表面との距離を常にミクロンオーダ(例えば5〜20μm)に維持することは、サーボモータ、リニアモータ等を利用した通常のサーボ制御技術では困難とされる。
加えて、この種のリペア対象物(表示デバイス等)は電気・磁気的な影響を受けやすいために、静電気や磁気を利用した浮上制御方式を採用することもできない。
この発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、レーザリペア装置に代表されるこの種のレーザ転写装置において、転写材料の薄膜と転写対象物との距離を常にミクロンオーダ(例えば、5〜20μm)に維持することが可能なレーザ転写装置の転写ヘッドを提供することにある。
この発明のさらに他の目的並びに作用効果については、明細書の以下の記述を参照することにより、当業者であれば容易に理解されるであろう。
上述の技術的な課題は、以下の構成を有するレーザ転写装置の転写ヘッドにより解決することができる。
すなわち、このレーザ転写装置の転写ヘッドは、レーザ透過性を有する板状小片の対物面に転写材薄膜を被着させてなる転写板を、両者間に微細なほぼ一定間隙が保持されるようにして、転写対象物のほぼ水平な被転写面に転写材薄膜を対面させた状態で支持するためのものである。
このレーザ転写装置の転写ヘッドは、下面には前記転写板が保持され、かつ上面側へと前記転写板を露出させる転写窓が開口された転写板ホルダと、前記転写板ホルダ収容用の空所を有すると共に、水平方向及び垂直方向における位置基準を与える転写ヘッド機体と、前記転写ヘッド機体の転写板ホルダ収容用の空所内に収容された転写板ホルダを、前記転写ヘッド機体に対して上下動可能かつ水平動不能に支持するホルダ支持機構と、前記転写板ホルダの下方へと圧気を噴射することにより、前記被転写面に対して前記転写板を前記転写板ホルダごと浮上させる転写板浮上手段と前記転写板ホルダの転写ヘッド機体に対する上下動を任意の上下位置にて停止させかつその上下位置に転写板ホルダを保持させることが可能な転写板保持機構と、前記転写板浮上手段における圧気の噴射をオンオフするための圧気噴射制御弁とを有する。
ここで、『圧気』としては、リペア対象物の性質に応じて様々な種類の気体を採用することができる。リペア対象物が回路パターン等の酸化を嫌うものである場合には、圧気の種類としては不活性ガス(例えば、窒素ガス等)を採用することができる。圧気として窒素ガスを採用すれば、リペア箇所の冷却を速やかになすことができる。
このような構成によれば、転写対象物の被転写面と転写板との距離を微細な値に維持するための制御は、サーボモータ、リニアモータなどを使用した電気的サーボ制御によるのではなくて、転写板ホルダの下方へと噴射される圧気を介して行われるものであるから、転写板と被転写面とを微細距離を隔てて対向させたまま、両者を相対的に移動させたとしても、転写板は被転写面上の凹凸に追随して適宜上下動することとなるため、転写板の水平移動中に、被転写面上の大きな隆起に触れて、被転写面を構成するリペア対象物を損壊するなどの虞を未然に防止することができる。
殊に、この種のレーザ転写装置がレーザリペア装置として実現される場合、回路パターン上の欠陥を修復するためには、転写板を所定ピッチずつ水平方向へずらしながら、回路パターン上の同一欠陥箇所に複数ショット分の転写を行う必要があるが、その際に、リペア対象物の表面にミクロンオーダの凹凸が存在すると、これに衝突して回路パターンを損壊する虞がある。つまり、電気的なサーボ制御によって、距離を維持しつつ水平方向へ移動した場合には、精度の粗さや応答速度の遅れから、転写板がリペア対象物と衝突する虞が高いのに対して、本発明のように、常にリペア対象物と転写板又は転写板ホルダとの間に吹き込まれた圧気により、両者間の距離を維持するといった相手合わせの制御によれば、そのような隆起が存在しても、それに追従して転写板も上下動するため、複雑なサーボ制御を用いずとも、両者間の距離を常に最適値に維持することができる。
また、レーザリペア装置として本発明を実現する場合、リペア工程のタクトタイムを短縮するためには、もしも、電気的な制御のみによるとすれば、その都度リペア対象物との距離を計測しながら、リペア対象物に転写板に注意深く接近させねばならず、1回の接近の度に比較的長時間を要するのに対し、本発明のような相手合わせの自力浮上制御を利用すれば、大雑把にオープンループ制御で、転写板をリペア対象物の表面まで近づけた後にあっては、圧気による浮上制御に任せることができるため、接近の度に距離制御を行う必要がなくなり、タクトタイムを短縮することが可能となる。
更に、圧気によって転写板ホルダが均衡状態となったときに、転写板ホルダを保持機構にて保持し、圧気を停止させた後で転写処理を行うことにより、転写時にレーザにより飛ばされた転写材片が圧気の吹き出しによる影響を受けることがなく、また、圧気の吹き出しによる転写台ホルダの振動も抑えられる。このため、レーザにより飛ばされた転写材片が目標位置からずれることなく、転写作業を正確に行うことが可能となる。
ここで前記転写板保持機構としては、転写ヘッド機体側に支持されて、転写板ホルダをその両脇から挟み付けることで上下動を停止させる一対の流体駆動式挟持片を用いてもよい。また、減圧ポンプなどを用いて吸引を行う吸引装置を用いてもよい。
上述の本発明において、前記転写ヘッド機体の転写板ホルダ収容用の空所内に収容された転写板ホルダを、前記転写ヘッド機体に対して上下動可能かつ水平動不能に支持するホルダ支持機構としては、様々な構成を採用することができる。
前記ホルダ支持機構の一例としては、前記転写板ホルダ収容用空所の内周縁部を固定端、前記転写板ホルダ収容用空所に収容された転写板ホルダの外周縁部を自由端として、前記転写ヘッド機体に対して前記転写板ホルダが上下動可能となるように両者間を支持する板バネにより構成することができる。
このような構成によれば、転写板ホルダと転写ヘッド機体との隙間を跨るようにして板バネを両者に固定するだけで、上下動可能かつ水平動不能といった機能を実現できるため、組み付けが容易で低コストに製作することができ、しかも板バネ上に適宜打ち抜き孔を形成することで、片持ち状板ばね部分をバランスよく配置することができ、転写板ホルダの外周を均等に支持することによって、歪みなく転写板ホルダを昇降動させることが可能となる。
前記ホルダ支持機構の他の一例としては、前記転写板ホルダ収容用空所の内周面と前記転写板ホルダ収容用空所に収容された転写板ホルダの外周面との間に介在されて、前記転写ヘッド機体に対して前記転写板ホルダが上下動可能となるように両者間を支持する鋼球ガイドにより構成することができる。
このような構成によれば、球軸受けの一種である鋼球ガイドが採用されることから、鋼球の真球度の精度に準じて、スムーズな転写板ホルダの昇降動を実現することができ、転写板と被転写面との間の気圧によく追従して、転写板ホルダを被転写面上の隆起に応じて昇降させることができる。
前記ホルダ支持機構の他の一例としては、前記転写板ホルダ収容用空所の内周面と前記転写板ホルダ収容用空所に収容された転写板ホルダの外周面との間に介在されて、前記転写ヘッド機体に対して前記転写板ホルダが上下動可能となるように両者間を弾性的に押圧支持する圧縮バネにより構成することができる。
このような構成によれば、圧縮バネの拡張圧力を介して、転写板ホルダはその外周から中心に向けて均等に押圧されるため、転写板ホルダの水平方向への移動は確実に規制され、転写板ホルダは転写板と被転写面との間の圧力を受けて、上下動することとなる。
前記ホルダ支持機構の他の一例としては、前記転写板ホルダ収容用空所の内周面と前記転写板ホルダ収容用空所に収容された転写板ホルダの外周面との間に介在されて、前記転写ヘッド機体に対して前記転写板ホルダが上下動可能となるように両者間を摺動可能に支持する樹脂軸受けにより構成することができる。
このような構成によれば、樹脂軸受けは比較的構造が簡単でかつ比較的滑らかに転写板ホルダを上下動させるため、比較的良好な上下動を低価格に実現することができる。
以上述べた一連の発明において、前記転写板を前記転写板ホルダに保持させる手段としては、接着剤を使用したり、真空吸着手段を使用したり、カップリング機構を利用したりすることができる。
接着剤を使用すれば、剥離の手間は必要なものの、別途吸着配管やカップリングが不要となる利点がある。一方、真空チャック機構を使用すれば、交換の際の着脱が容易となる。他方、カップリング機構を使用すれば、カップリング機構の交換のみで、転写板ホルダから転写板を離脱させることができる。
本発明によれば、転写対象物の被転写面と転写板との距離を微細な値に維持するための制御は、サーボモータ、リニアモータなどを使用した電気的サーボ制御によるのではなくて、転写板ホルダの下方へと噴射される圧気を介して行われるものであるから、転写板と被転写面とを微細距離を隔てて対向させたまま、両者を相対的に移動させたとしても、転写板は被転写面上の凹凸に追随して適宜上下動することとなるため、転写板の水平移動中に、被転写面上の大きな隆起に触れて、被転写面を構成するリペア対象物を損壊するなどの虞を未然に防止することができる。
殊に、この種のレーザ転写装置がレーザリペア装置として実現される場合、回路パターン上の欠陥を修復するためには、転写板を所定ピッチずつ水平方向へずらしながら、回路パターン上の同一欠陥箇所に複数ショット分の転写を行う必要があるが、その際に、リペア対象物の表面にミクロンオーダの凹凸が存在すると、これに衝突して回路パターンを損壊する虞がある。つまり、電気的なサーボ制御によって、距離を維持しつつ水平方向へ移動した場合には、精度の粗さや応答速度の遅れから、転写板がリペア対象物と衝突する虞が高いのに対して、本発明のように、常にリペア対象物と転写板又は転写板ホルダとの間に吹き込まれた圧気により、両者間の距離を維持するといった相手合わせの制御によれば、そのような隆起が存在しても、それに追従して転写板も上下動するため、複雑なサーボ制御を用いずとも、両者間の距離を常に最適値に維持することができる。
また、レーザリペア装置として本発明を実現する場合、リペア工程のタクトタイムを短縮するためには、もしも、電気的な制御のみによるとすれば、その都度リペア対象物との距離を計測しながら、リペア対象物に転写板に注意深く接近させねばならず、1回の接近の度に比較的長時間を要するのに対し、本発明のような相手合わせの自力浮上制御を利用すれば、大雑把にオープンループ制御で、転写板をリペア対象物の表面まで近づけた後にあっては、圧気による浮上制御に任せることができるため、接近の度に距離制御を行う必要がなくなり、タクトタイムを短縮することが可能となる。
更に、圧気によって転写板ホルダが均衡状態となったときに、転写板ホルダを保持機構にて保持し、圧気を停止させた後で転写処理を行うことにより、転写時にレーザにより飛ばされた転写材片が圧気の吹き出しによる影響を受けることがなく、また、圧気の吹き出しによる転写台ホルダの振動も抑えられる。このため、レーザにより飛ばされた転写材片が目標位置からずれることなく、転写作業を正確に行うことが可能となる。
以下に、この発明に係るレーザ転写装置の転写ヘッドの好適な実施の一形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明に係るレーザ転写装置の転写ヘッドの第1実施形態の構成図が図1,3に示されている。なお、図1(a)は平面図、図1(b)はA−A’断面図、図3はB−B’断面図である。
それらの図から明らかなように、このレーザ転写装置の転写ヘッド1は、レーザ透過性を有する板状小片(例えば、石英ガラスの板状小片)の対物面(図では下面)に転写材料(例えば、Al、Ni、Ta、W、Ti、Au、Ag、Cu、Cr等)の薄膜を被着させてなる転写板101を、両者間に微細なほぼ一定間隙が保持されるようにして、転写対象物102のほぼ水平な被転写面102aに転写材薄膜(図示せず)を対面させた状態で支持するためのものである。
この転写ヘッド1は、下面には転写板101が保持され、かつ上面側へと転写板101を露出させる転写窓103aが開口された転写板ホルダ103と、転写板ホルダ収容用の空所104aを有すると共に、水平方向及び垂直方向における基準位置を与える転写ヘッド機体104と、転写ヘッド機体104の転写板ホルダ収容用の空所104a内に収容された転写板ホルダ103を、転写ヘッド機体104に対して上下動可能かつ水平動不能に支持するホルダ支持機構(詳細は後述)と、転写板ホルダ103の下方へと圧気105を噴射することにより、被転写面102aに対して転写板101を転写板ホルダ103ごと浮上させる転写板浮上手段(詳細は後述)と、転写板ホルダ103の転写ヘッド機体104に対する上下動を任意の上下位置にて停止させかつその上下位置に転写板ホルダ103を保持させることが可能な転写板保持機構107と、転写板浮上手段における圧気の噴射をオンオフするための圧気噴射制御弁112とを有する。
この例にあっては、ホルダ支持機構は、転写板ホルダ収容用空所104aの内周縁部を固定端、転写板ホルダ収容用空所104aに収容された転写板ホルダ103の外周縁部を自由端として、転写ヘッド機体104に対して転写板ホルダ103が上下動可能となるように両者間を支持する板バネ106により構成されている。なお、図においては、板バネ106として、横長長方形状の単なる板片として示されているが、当業者には容易に理解されるであろうが、実際には、適当な打ち抜き孔乃至切り抜き線が複数形成されて、複数の部分が局部的に板バネとしての作用を果たすように構成されている。
一方、転写板浮上手段としては、所定の圧気源(図示せず)からの圧気を転写板ホルダ103の圧気入口孔103bへと供給するための圧気供給手段として機能する可撓性チューブ108と、可撓性チューブ108上に設けられ、圧気の導入と遮蔽を切り替える為の圧気制御弁112と、転写板ホルダ103の圧気入口孔103bと転写板ホルダ103の下面の複数の圧気出口孔103cとを連通するホルダ内圧気通路103dとから構成され、それにより、圧気源(図示せず)からの圧気を、ホルダ内圧気通路103dを経て、転写板ホルダ下面の圧気出口孔103cを介して、転写板ホルダ103の下方へと噴射することにより、被転写面102aに対して転写板101を転写板ホルダ103ごと浮上させることとなる。なお、この例では圧気は圧気出口孔103cを介して転写板ホルダ103c下方へ噴射されるように構成されているが、転写板101に転写板ホルダ103の下面の複数の圧気出口孔103cと位置整合する複数の圧気噴射孔を設け、この転写板に設けられた圧気噴射孔より圧気が噴射されるように構成してもよい。
本願において、転写処理を行う際には、転写板ホルダ103を保持機構107にて保持し、圧気噴射制御弁112にて圧気を停止した上で転写作業を行うことが好ましい。ここで、保持機構107の具体的な構成としては、エアーハンドなどの流体駆動式の装置、減圧ポンプを用いて減圧吸引を行う吸引装置などが考えられ、図1〜3の例においてはエアーハンド本体部107cとアーム107a,107bとからなるエアーハンドを採用している。エアーハンドは、内蔵エアシリンダを作動させることによってアーム107a,107bによる挟み込み動作と復帰動作とを行うようにしたものである。
保持機構107の一例であるエアーハンドにて転写板ホルダ103を保持した状態の説明図が図2に示されている。転写作業時の状態についてより具体的に述べると、転写板101と転写対象物102との距離が適切な距離となった時点、もしくは、圧気による浮上と下降とのバランスが釣り合い転写板ホルダの位置が均衡した時点で、エアーハンド(保持機構107)が作動してアーム107aとアーム107bとが転写板ホルダ103を挟み込み、これにより転写板ホルダ103が上下方向に動かないように固定される。転写板ホルダ103が保持機構107にて固定されたことにより転写板ホルダ103が現在位置から上下動することがなくなり、圧気105の噴射なしでも転写板101と転写対象物102とが衝突する虞がなくなる。そのため、圧気噴射制御弁112にて圧気の噴射を停止して転写作業を行うことが可能となるため、レーザ照射により飛ばされた転写材片101bが、転写板101と転写対象物102との間に入り込んだ圧気105の吹き出しにより影響(例えば、転写材が圧気の吹き出しにより目標転写位置からずれてしまう等)を受けることなく転写作業をスムーズに行うことができ、転写性能への影響を防ぐことができる。また、圧気の噴射による転写板ホルダの振動もなくなるため、転写板ホルダが安定し、転写作業時の精度が向上する。また、転写板ホルダ103が保持機構107にて保持され安定していることにより、リペア対象の修復箇所が端部であっても、転写板101を安定的に配置できる。
また、転写板101を転写板ホルダ103に保持させるための手段としては、接着剤や真空吸着手段などを用いることができる。ここで真空吸着手段とは、転写板ホルダ103の下面に設けられた複数個の吸引孔と転写板ホルダ103の外周面に設けられた吸引孔とを連通させるホルダ内吸引通路を設け、真空源に接続された吸引チューブにより転写板ホルダ103の外周面に設けられた吸引孔より吸引を行い、転写板101を吸着するように構成した手段のことである。
以上の構成によれば、転写板ホルダ103は、板バネ106を介して転写ヘッド機体104に支持され、水平方向への移動は規制されつつも、垂直方向については自由に移動が可能となる。そのため、複数の圧気噴射孔101aから圧気105が噴射されると、転写板101と被転写面102aとの間には圧気による浮上作用によって微細距離Lが保たれる。従って、転写ヘッド1の全体を電気的なオープンループ制御によって例えば100μm程度の距離まで近づけた後、複数の圧気噴射口101aから圧気105を噴射させた状態とすれば、そのまま放置したとしても、転写板101と被転写面102aとの距離は微細距離Lに保たれ、転写板101が被転写面102aに衝突する虞はない。また、転写板101と被転写面102aとが転写作業に適した距離になった時点で、保持機構107を作動させてアーム107a,107bにて転写板ホルダ103を保持すれば、転写板ホルダ103は上下動不可に固定されるため圧気の噴射を停止しても転写板101が被転写面102aに衝突することはなくなる。このため、転写作業を行う際に圧気噴射制御弁112を操作して圧気噴射を停止させて作業を行うことが可能となり、転写作業時にレーザにより飛ばされた転写材片が圧気の吹き出しにより影響を受ける虞がなくなり、目標位置への正確な転写が可能となる。
次に、本発明に係る転写ヘッドの第2実施形態の構成図が図4,5に示されている。なお、図4及び図5において、図1〜3と同一構成部分については同符号を付して説明は省略する。
この第2実施形態の前記第1実施形態との相違点は、転写板を保持するための保持機構として吸気口107dを有する真空吸着機構を採用した点にある。転写作業を行うために転写板ホルダ103が下降し、転写板101と転写対象物102との距離が適切な距離となった時点、もしくは、圧気による浮上と下降とのバランスが釣り合い転写板ホルダ103の位置が均衡した時点で、吸気口107dとチューブ(図示せず)を介して繋がれた吸引装置(図示せず)にて吸引が開始され、吸気口107dにおいても図面上方向に向けて吸引力が働き、これにより転写板ホルダ103が吸着固定される。このため圧気の噴射を停止しても転写板ホルダ103が上下動せず、転写板101と転写対象物102とが衝突する虞がなくなるため、圧気を停止して転写作業を行うことが可能となり、転写作業時に圧気による影響を受けなくなる。
次に、本発明に係る転写ヘッド1の第3実施形態の構成図が図6に示されている。なお、図において、第1,第2実施形態と同一構成部分については同符号を付して説明は省略する。
この第3実施形態の特徴は、ホルダ支持機構が、転写板ホルダ収容用空所104aの内周面と転写板ホルダ収容用空所104aに収容された転写板ホルダ103の外周面との間に介在されて、転写ヘッド機体104に対して転写板ホルダ103が上下動可能となるように両者間を弾性的に押圧支持する圧縮バネ109を採用した点にある。
この第3実施形態によれば、平面視正方形状を有する転写板ホルダ103は、転写ヘッド機体104に形成された略正方形状の転写板ホルダ収容用空所104a内に収容され、かつその四辺のうち2箇所において圧縮バネ109を介して圧接しつつ支持されることとなる。そのため、転写板ホルダ103は水平方向への移動を規制された状態において上下方向へと移動自在となり、保持機構107にて保持された時のみ上下動が制限される。
本発明に係る転写ヘッドの第4実施形態の構成図が図7に示されている。なお、同図において、前記第1〜3実施形態と同一の構成部分については同符号を付して説明は省略する。
この第4実施形態に係る転写ヘッド1の特徴は、ホルダ支持機構が、転写板ホルダ収容用空所104aの内周面と転写板ホルダ収容用空所104aに収容された転写板ホルダ103の外周面との間に介在されて、転写ヘッド機体104に対して転写板ホルダ103が上下動可能となるように両者間を支持する鋼球ガイド110により構成されている点にある。
このような構成によれば、平面視正方形状をなす転写板ホルダ103は、転写ヘッド機体104に形成された正方形状の転写板ホルダ収容用の空所104a内に収容され、かつその四辺のうち2カ所において鋼球ガイド110を介して上下動自在に支持される。
そのため、転写板101の下面から圧気105が噴射されると、転写板101は転写板ホルダ103と共に鋼球ガイド110に案内されつつ上下動して、転写板101と被転写面102aの間の距離Lがミクロンオーダー程度に維持されることとなる。なお、保持機構107にて転写板ホルダ103が保持されたときには、転写板ホルダ103の上下動は当然にして規制される。
本発明に係る転写ヘッドの第5実施形態の構成図が図8に示されている。この第5実施形態の特徴は、ホルダ支持機構として、転写板ホルダ収容用空所104aの内周面と転写板ホルダ収容用空所104aに収容された転写板ホルダ103の外周面との間に介在されて、転写ヘッド機体104に対して転写板ホルダ103が上下動可能となるように両者間を摺動支持する樹脂軸受け111を採用した点にある。なお、同図において、先の実施形態と同一構成部分については同符号を付して説明は省略する。
この第5実施形態によれば、転写板ホルダ103は転写ヘッド機体104の転写板ホルダ収容用空所104a内に収容されると共に、樹脂軸受け111を介して上下動自在に支持される。そのため、圧気105が転写板101の下面から噴射することにより、転写板101と被転写面102aとの距離Lはミクロンオーダーで保持されることとなる。なお、保持機構107にて転写板ホルダ103が保持されたときには、転写板ホルダ103の上下動は当然にして規制される。
最後に、本発明が適用された配線パターン修復装置の要部(レーザ転写ユニット100)に関するより具体的な外観斜視図が図9に示されている。配線パターン修復装置(「レーザリペア装置」とも称される)は、修復対象となる液晶表示デバイスやプラズマ表示デバイス等を回路パターン面を上に向けて載置するためのステージ(図示せず)と、このステージの上方にあって、水平面内の任意のXY座標に位置決め可能となされたXY位置決め機構(図示せず)と、このXY位置決め機構により吊り下げ支持されるレーザ転写ユニット100とを含んで構成されている。
レーザ転写ユニット100は、上述のXY位置決め機構によりステージ上に吊り下げ支持されるユニット機枠(図示せず)と、ユニット機枠に対して取り付けられる三次元位置決め機構2と、三次元位置決め機構2により位置決めされる転写ヘッド1と、ユニット機枠に対して昇降自在に取り付けられるレーザ照射光学系3とを含んで構成されている。
三次元位置決め機構2は、X方向駆動部21と、X方向駆動部21を支持するY方向駆動部22と、Y方向駆動部22を支持するZ方向駆動部23とを含んでおり、転写板ホルダを支持する転写ヘッド1はX方向駆動部21に取り付けられている。
レーザ照射光学系3は、図示しない上部レーザ源から到来するレーザビーム4を入射口37から導入すると共に、そのビーム断面を整形して、修復対象となる回路パターンの線幅対応の細長長方形状ビーム断面を形成するビーム整形機構34と、ビーム整形機構34により整形されたレーザビームを垂直下向きにビーム分離器31へと案内するレーザ照射用光路C2と、ビーム分離器31で分離された撮影光を水平方向に電子カメラ37側へと案内する撮影用光路C3と、レーザ照射用光路C2を介して到来するレーザビームを垂直下向きに対物レンズ32へと案内すると共に、対物レンズ32から到来する撮影光を垂直上向きにビーム分離器31へと案内する共用光路C1とを含んでいる。なお、35はカメラの視野を照明するためのLED照明器である。
換言すれば、レーザ照射光学系3は、垂直なレーザ照射用光路C2と、水平な撮影用光路C3と、それらの光路を結合一体化する垂直な共用光路C1とを有する同軸落射型光学系を構成している。
対物レンズ32から垂直下向きに出射されるレーザビームは、対物レンズ32の集光作用により、出射光路上の所定距離において集光されて集光点が生ずる。レーザ照射による薄膜転写処理は、この出射光路上の所定距離に生ずるレーザ集光点において行われる。
一方、電子カメラ37は、常に、このレーザ集光点に位置する物体にピントが合うようにピント合わせが行われている。加えて、電子カメラ37には、映像信号に基づいてピントが合った状態か否かを外部へ判定出力する機能が内蔵されている。レーザ照射光学系3の全体は、図示しないボールネジ機構と駆動モータとの作用により、Z方向ガイドレール38に沿って任意距離だけ垂直方向へと上下動可能になされている。
したがって、レーザ照射光学系3の全体を上昇又は下降させながら、電子カメラ37のピント判定出力を監視すれば、レーザ照射対象物に集光点が合致しているか否かを知ることができる。また、ある基準高さからの降下距離を計測しつつ、電子カメラ37のピント判定出力を監視すれば、ピントがあったときまでの降下距離計測値に基づいて、基準高さからそのレーザ照射対象物までの降下距離を知ることができる。後述するように、この実施形態においては、上述のレーザ照射光学系3の作用を利用することで、転写板の高さ方向位置決め制御を実現している。
なお、図9において、36は複数の対物レンズを円周上に支持する回転ディスク、33は回転ディスク32の回転角度制御に使用されるロータリエンコーダであり、これらにより対物レンズの自動交換を可能としている。
転写ヘッドの外観斜視図(その1)が図10に、同分解斜視図(その1)が図11に、同上下反転状態の外観斜視図(その1)が図12に、同平面図(その1)が図13にそれぞれ示されている。
それらの図から明らかなように、転写ヘッド1は、転写ヘッド機体11を主体として構成されている。この転写ヘッド機体11は、X方向駆動部21に対して取り付けるための取付部11aと、転写板ホルダ13を支持するための支持部11bとを有している。
支持部11bの中央には空所11cが形成され、この空所11c内にホルダ13と保持機構17が収容される。ホルダ13を空所11c内に支持するためには、この例では、板バネ12が使用される。板バネ12は略正方形状を有し、その中央には開口12aが形成されると共に、開口12aの外周には打ち抜き孔12b,12c及びネジ孔12d,12eが形成されている。これらの打ち抜き孔12b,12cによって局部的なバネ性が付与されることは当業者であれば容易に理解されるであろう。
板バネ12とホルダ13との結合は、板バネ12側のネジ孔12eとホルダ13側のネジ孔13bとを介して行われる。また、板バネ12と支持部11bとの結合は、板バネ12側のネジ孔12dと支持部11b側のネジ孔11dを介して行われる。
これにより、ホルダ13は、空所11c内において水平方向への移動を規制されかつ上下方向への移動については板バネ12の弾性範囲内において許容されるように構成されている。なお、保持機構17が作動すると、アーム17a,17bによりホルダ13が両側から挟み込まれて固定され、これによりホルダ13の上下動は規制される。
ホルダ13の外周面上の2箇所には、圧気入口孔(図示せず)が設けられ、その下面には転写板上の圧気噴射孔と整合させて複数の圧気出口孔が環状に整列配置されている。これら入口孔と出口孔との間には円環状の内部通路が形成されている。コネクタ15e,15fは、ホルダ13側の圧気入口に固定されている。
支持部11bに設けられた空所11cの内周面には、2個のコネクタ15c,15dが固定され、支持部11bの外周面には2個のコネクタ15a,15bが固定されている。ここで、コネクタ15aとコネクタ15cとが連通し、コネクタ15bとコネクタ15dとが連通する。コネクタ15eとコネクタ15cとは可撓性チューブ16aを介して連結され、コネクタ15fとコネクタ15dとは同様に可撓性チューブ16bを介して連結される。コネクタ15aとコネクタ15bにはそれぞれチューブ接続用のプラグが形成されているから、ここに可撓性チューブを差し込むことによって、支持部11bからホルダ13の内部へと圧気を供給することが可能となる。
ホルダ13の中央部には転写窓13aが開口されており、この転写窓13aから下面側に保持された転写板14が露出される。この例では、転写板14はホルダ13の下面に接着剤で固定される。ホルダ13の裏面には、外周に沿って適当な間隔で複数個の噴射口13bが配列されている。コネクタ15a,15bから圧気を供給すると、この供給された圧気は、ホルダ13裏面側の噴射口13bから転写対象物へ向けて噴射される。これにより、転写板14はホルダ13と共に浮上する。
本願に係る転写ヘッドの別の一例について、転写ヘッドの外観斜視図(その2)が図14に、同分解斜視図(その2)が図15に、同上下反転状態の外観斜視図(その2)が図16に、同平面図(その2)が図17にそれぞれ示されている。なお、図14〜17において、図10〜13と同一構成部分については同符号を付して説明は省略する。
図14〜17に示された転写ヘッドと、図10〜13にて示された転写ヘッドとの相違点は、図14〜17の例においては転写板を保持するための保持機構として吸気口17dを有する真空吸着機構を使用した点にある。
支持部11bの中央に設けられた空所11c内にはホルダ13と吸気口17dが収容されており、吸気口17dはホルダ13に接している。吸気口17dはコネクタ15gと連通しており、コネクタ15gは取り付けられたチューブ(図示せず)を介して吸引源(図示せず)と繋がっているため、吸引源にて吸引が開始されると、チューブ、コネクタ15gを介して吸気口17dにて吸気が行われ、これによりホルダ13が吸着固定されてホルダ13の上下動が規制される。なお、吸引源としては真空ポンプなどがあり、真空ポンプにて減圧が行われると吸引が開始される。
以上の構成よりなる配線パターン修復装置によって、修復作業を行う場合には、まず、リペア位置の座標を取得して、図示しないXY位置決め機構を作動し、レーザ転写ユニット100に含まれる対物レンズ32をリペア箇所の真上に位置決めする。この位置決めには、リペア箇所のXY座標と対物レンズ32の光軸のXY座標とに基づくオープンループの位置決め制御、並びに、電子カメラ37の映像を画像処理して得られるリペア箇所の位置と電子カメラ視野内の基準点との距離を計測しつつ行うサーボループの位置決め制御が併用される。
リペア箇所の真上に対物レンズ32の光軸が位置決めされたならば、次に、三次元位置決め機構2を作動して、対物レンズ32の光軸を遮ぎる重なり位置から同光軸を遮らない待避位置へと転写ヘッド1を待避させたのち、レーザ照射光学系3k全体を降下させつつ、電子カメラ37のピント判定出力を監視し、ピントがあった時点までの降下距離から、所定の基準高さからリペア対象物上面までの距離(A)を取得する。
次に、転写板の位置データを取得して、三次元位置決め機構を再び作動し、対物レンズ32の光軸を遮らない待避位置から対物レンズ32の光軸を遮ぎる重なり位置へと転写ヘッド1を復帰させたのち、先ほどと同様にして、レーザ照射光学系3の全体を降下させつつ、電子カメラ37のピント判定出力を監視し、ピントがあった時点までの降下距離から、所定の基準高さから転写板下面までの距離(B)を取得する。
次に、距離(A)と距離(B)とに基づいて、転写板下面とリペア対象物上面との距離(X){(A)−(B)}を算出したのち、リペア対象物表面からの転写板101までの高さ(H1:約5mm程度)を第1の目標高さとして、それまでの降下距離(X−H1)だけ転写ヘッド機体104をオープンループ制御で降下させる。降下距離(X−H1)だけ転写ヘッド機体104をオープンループ制御で降下させたならば、続いて、リペア対象物表面からの転写板101までの高さ(H2:約100μm程度)を第2の目標高さとして、それまでの降下距離(X−H1−H2)だけ転写ヘッド機体104をオープンループ制御で降下させる。
このとき、第2の目標高さ(H2)は、圧気噴射による自力浮上作用が作動し始める高さ領域内に設定されているため、転写ヘッド機体104が第2の目標高さ(H2)まで降下する途中で、転写板ホルダ103は転写ヘッド機体104に対して自力浮上する。そのため、第1及び第2の目標高さへ接近するためのオープンループ制御に多少の誤差があったり、リペア対象物側の理由で表面高さが変動したりしても、転写ヘッド1の降下する過程で、転写板101がリペア対象物に衝突して表面を損壊する等の虞を確実に回避することができる。
転写板101とリペア対象物102との距離は、圧気噴射による自力浮上作用により、圧気の圧力乃至流量を適切に設定することで、最適範囲で均衡することとなる。ここで、保持機構107を作動させてホルダ103を保持させると、ホルダ103が圧気噴射なしでも現在位置から上下動しないように固定される。ホルダ103が保持機構107にて保持された後、圧気噴射制御弁112を操作して圧気噴射を停止する。
その後、図示しないレーザ源を駆動することによって、レーザビームをワンショット照射すると、照射スポット(例えばライン上)に対応する転写材料の薄膜がリペア対象箇所へと転写され、必要であれば、その近接距離を維持したまま転写ヘッド1を所定ピッチ水平方向へシフトさせては、以上のワンショット照射を複数回繰り返す。
すると、修復対象箇所には、転写材料の薄膜が複数層積層されて、必要な積層厚が得られる。この水平方向へのシフト中にあっては、窒素ガス等の圧気の噴射が行われているため、転写箇所の冷却作用と間隙保持作用とが同時になされ、転写板が不用意に修復対象物に衝突してこれを損壊させるといった事態を未然に防止することができる。
このように、本発明の転写ヘッド1によれば、圧気を噴射することによって、転写板101と転写対象物との距離を向こう合わせで所定の微細距離に保持することができるため、Z方向駆動部23を介する電気的な制御については転写板が転写対象物まである程度近づくまでのおおよその制御をするだけでよく、以後は気体の噴射による向こう合わせの浮上作用が作用して、転写板を安全に転写対象物に近接させることができる。
また、転写板と転写対象物とが近接した後は保持機構にてホルダを保持することで圧気噴射が不要となるため、転写作業を行う際に圧気を停止して転写作業を行うことが可能となる。これにより、転写作業時に転写材片が圧気の吹き出しによる影響を受けることがなく、また、圧気による転写台ホルダの振動も抑えられるため転写作業を正確に行うことが可能となる。また、修復対象となる表示デバイス等の上に多数の欠陥箇所が存在するような場合でも、それらの箇所に順次高速で移動しては、転写ヘッド1を降下させる処理を高速に繰り返すことができ、この種の作業のタクトタイムを大幅に短縮できる利点がある。
本発明によれば、レーザリペア装置に代表されるこの種のレーザ転写装置において、転写材料の薄膜と転写対象物との距離を常にミクロンオーダーに維持することが可能となる利点がある。また、転写作業時にはホルダを保持機構にて固定して圧気を停止することにより、圧気の吹き出しによる影響を受けず転写作業を正確に行えるという利点がある。
第1実施形態の構成図である。 第1実施形態におけるホルダ保持状態の説明図である。 図1(a)のB−B’断面図である。 第2実施形態の構成図である。 図3(a)のD−D’断面図である。 第3実施形態の構成図である。 第4実施形態の構成図である。 第5実施形態の構成図である。 本発明が適用された配線パターン修復装置の外観斜視図である。 転写ヘッドの外観斜視図(その1)である。 転写ヘッドの分解斜視図(その1)である。 転写ヘッドの上下反転状態の外観斜視図(その1)である。 転写ヘッドの平面図(その1)である。 転写ヘッドの外観斜視図(その2)である。 転写ヘッドの分解斜視図(その2)である。 転写ヘッドの上下反転状態の外観斜視図(その2)である。 転写ヘッドの平面図(その2)である。 本発明の前提となるレーザ転写法の説明図である。
符号の説明
1 転写ヘッド
2 3次元位置決め機構
3 レーザ照射光学系
4 レーザビーム
11 転写ヘッド機体
11a 取付部
11b 支持部
11c 空所
12 板バネ
12a 開口
12b 打ち抜き孔
12c 打ち抜き孔
12d ネジ孔
12e ネジ孔
13 転写板ホルダ
13a 転写窓
13b ネジ孔
13c 噴射孔
14 転写板
15a コネクタ
15b コネクタ
15c コネクタ
15d コネクタ
15e コネクタ
15f コネクタ
15g コネクタ
16a 可撓性チューブ
16b 可撓性チューブ
17 保持機構
17a アーム
17b アーム
17c エアーハンド本体部
17d 吸気口
21 X方向駆動部
22 Y方向駆動部
23 Z方向駆動部
31 ビーム分離器
32 対物レンズ
33 ロータリエンコーダ
34 ビーム整形機構
35 LED照明器
36 回転ディスク
37 電子カメラ
38 Z方向ガイドレール
39 入射口
100 レーザ転写ユニット
101 転写板
101a 転写材片
102 転写対象物
102a 被転写面
103 転写板ホルダ
103a 転写窓
103b 圧気入口孔
103c 圧気出口孔
103d ホルダ内圧気通路
104 転写ヘッド機体
104a 転写板ホルダ収容用空所
105 圧気
106 板バネ
107 保持機構
107a アーム
107b アーム
107c エアーハンド本体部
107d 吸気口
108 可撓性チューブ
109 圧縮バネ
110 鋼球ガイド
111 樹脂軸受け
112 圧気制御弁
C1 共通光路
C2 レーザ照射用光路
C3 撮影用光路

Claims (6)

  1. レーザ透過性を有する板状小片の対物面に転写材薄膜を被着させてなる転写板を、両者間に微細なほぼ一定間隙が保持されるようにして、転写対象物のほぼ水平な被転写面に転写材薄膜を対面させた状態で支持するためのレーザ転写装置の転写ヘッドであって、
    下面には前記転写板が保持され、かつ上面側へと前記転写板を露出させる転写窓が開口された転写板ホルダと、
    前記転写板ホルダ収容用の空所を有すると共に、水平方向及び垂直方向における位置基準を与える転写ヘッド機体と、
    前記転写ヘッド機体の転写板ホルダ収容用の空所内に収容された転写板ホルダを、前記転写ヘッド機体に対して上下動可能かつ水平動不能に支持するホルダ支持機構と、
    前記転写板ホルダの下方へと圧気を噴射することにより、前記被転写面に対して前記転写板を前記転写板ホルダごと浮上させる転写板浮上手段と、
    前記転写板ホルダの転写ヘッド機体に対する上下動を任意の上下位置にて停止させかつその上下位置に転写板ホルダを保持させることが可能な転写板保持機構と、
    前記転写板浮上手段における圧気の噴射をオンオフするための圧気噴射制御弁とを有する、
    ことを特徴とするレーザ転写装置の転写ヘッド。
  2. 前記転写板保持機構が、
    前記転写ヘッド機体側に支持されて、転写板ホルダをその両脇から挟み付けることで上下動を停止させる一対の流体駆動式挟持片を含む、ことを特徴とする請求項1に記載のレーザ転写装置の転写ヘッド。
  3. 前記ホルダ支持機構が、
    前記転写板ホルダ収容用空所の内周縁部を固定端、前記転写板ホルダ収容用空所に収容された転写板ホルダの外周縁部を自由端として、前記転写ヘッド機体に対して前記転写板ホルダが上下動可能となるように両者間を支持する板バネにより構成される、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザ転写装置の転写ヘッド。
  4. 前記ホルダ支持機構が、
    前記転写板ホルダ収容用空所の内周面と前記転写板ホルダ収容用空所に収容された転写板ホルダの外周面との間に介在されて、前記転写ヘッド機体に対して前記転写板ホルダが上下動可能となるように両者間を支持する鋼球ガイドにより構成される、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザ転写装置の転写ヘッド。
  5. 前記ホルダ支持機構が、
    前記転写板ホルダ収容用空所の内周面と前記転写板ホルダ収容用空所に収容された転写板ホルダの外周面との間に介在されて、前記転写ヘッド機体に対して前記転写板ホルダが上下動可能となるように両者間を弾性的に押圧支持する圧縮バネにより構成される、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザ転写装置の転写ヘッド。
  6. 前記ホルダ支持機構が、
    前記転写板ホルダ収容用空所の内周面と前記転写板ホルダ収容用空所に収容された転写板ホルダの外周面との間に介在されて、前記転写ヘッド機体に対して前記転写板ホルダが上下動可能となるように両者間を摺動可能に支持する樹脂軸受けにより構成される、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザ転写装置の転写ヘッド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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