JP2009013612A - 透明開閉装置 - Google Patents

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輝雄 尾澤
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寛明 武正
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Abstract

【課題】
ケース本体および当該ケース本体の開口部を開閉する開閉扉のそれぞれが透明部材で形成され、かつ開閉扉が自動的に開閉駆動されるものでありながら、閉じ動作中の開閉扉によって人体の手首等が挟み込まれる危惧のない安全性を確保することができる信頼性の高い透明開閉装置を得ることにある。
【解決手段】
透明のケース本体1と、このケース本体1の開口部を開閉する透明の開閉扉2と、この開閉扉2を自動的に開閉駆動する扉駆動手段11とからなる透明開閉装置において、開閉扉2の閉じ動作時に当該開閉扉2による人体等の挟み込み危険因子を検知し、該検知時に扉駆動手段11を自動停止させる危険因子検知手段30を備えたものである。
【選択図】 図1

Description

この発明は、例えば貴金属や宝石等の高価商品を収納展示するショーケースとして最適な透明開閉装置に関するものである。
貴金属や宝石等を収納展示するショーケースにおいて、その美的外観を得るために全体をガラス製としたものは周知である。このような従来のガラス製ショーケースでは、ガラスケースの開口部に取り付けたガラス扉を片開き式や両開き式あるいは引き違い式とした構造となっているのが殆どである。したがって、前記ガラス扉は、蝶番や上下平行のガイドレールによる取り付け構造となっており、また、防盗の点に関しても南京錠や組込錠機構などによってロックする構造としているのが実状である。
このような従来のガラス製ショーケースでは、ガラスケースの開口部にガラス扉を取り付けている蝶番やガイドレール等がガラスを透して外部に露出する結果となるため、ショーケース自体の美的外観が損なわれ、かつ商品価値が低減するという問題があった。さらには、防盗の点でも南京錠や組込錠機構によってガラス扉をロックするのでは、容易にピッキングされ易いという問題があった。また、ガラス扉開閉の都度、人為的なキー操作によって施錠及び解錠を行わなければならず、このような施錠・解錠操作は面倒という問題もあった。
また、美術館や博物館などの展示ケースにおいて、その前面上部に昇降パネルを設置し、展示物があるときは前記パネルを展示ケースの上部に上昇退避させ、展示物がないときは前記パネルを下降させて展示ケースを隠蔽すべく、前記パネルをワイヤロープやチェーン等の索条で吊持し、この索条を機械的に巻き上げ・巻き戻すことによって、前記パネルを昇降駆動する構造としたものも既に知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示された昇降パネルの昇降機構をガラス製ショーケースのガラス扉に適用することも考えられるが、この場合、前記昇降機構自体が大がかりで大型化するのみならず、特にガラス扉をワイヤロープやチェーン等の索条で吊持したのでは、その索条がショーケース前面に露出する結果となるので、特許文献1のパネル昇降機構をガラス製ショーケースに転用することは全く不可能である。
そこで、ガラス製ショーケースにおいて、ガラスケースとガラス扉以外の別部材が外部に露出しないように工夫し、かつガラス扉をリモコン操作等によって自動的に昇降開閉駆動する構造としたものも既に提供されている。
特開平9−98855号公報(第2頁、図1,2)
リモコン操作等でガラス扉を自動的に開閉駆動する構造としたガラス製ショーケースにおいては、ガラスケースおよびガラス扉が透明であることから、前記ガラス扉が閉じ動作しているにもかかわらず、それに気付かずに人体の手首等をガラスケース内に差し込むと、閉じ動作中のガラス扉によって手首等が挟み込まれる危険性があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであって、ケース本体および当該ケース本体の開口部を開閉する開閉扉のそれぞれが透明部材で形成され、かつ開閉扉が自動的に開閉駆動されるものでありながら、閉じ動作中の開閉扉によって人体の手首等が挟み込まれる危惧のない安全性を確保することができる信頼性の高い透明開閉装置を提供することを目的とする。
この発明に係る透明開閉装置は、透明のケース本体と、このケース本体の開口部を開閉する透明の開閉扉と、この開閉扉を自動的に開閉駆動する扉駆動手段とからなる透明開閉装置において、前記開閉扉の閉じ動作時に当該開閉扉による人体の手首等の挟み込み危険因子を検知し、該検知時に前記扉駆動手段を自動停止させる危険因子検知手段を備えたことを特徴とするものである。
また、この発明に係る透明開閉装置は、ボックス基台上に設置された透明のケース本体と、このケース本体の開口部を当該ケース本体とは非接触状態で開閉する透明の開閉扉と、前記ボックス基台の内部に収納設置されて前記開閉扉を開閉駆動する扉駆動手段と、前記開閉扉の閉じ動作時に当該開閉扉による人体等の挟み込み危険因子を検知し、該検知時に前記扉駆動手段を自動停止させる危険因子検知手段を備えたことを特徴とするものである。
さらに、この発明に係る透明開閉装置は、扉駆動手段の操作系統に、扉開閉操作者が予め生体認証された専従操作者か否かを判断して判断結果が専従操作者本人の時にのみ前記扉駆動手段を開閉扉の開方向に起動させる生体認証手段を設けたことを特徴とするものである。
さらに、この発明に係る透明開閉装置の生体認証手段は、専従操作者本人の指紋,声紋,手・指の静脈形状,瞳の虹彩等の何れかによる人体的特徴の生体情報が予め記憶・登録された記憶手段と、扉開閉操作者の生体情報を読み取り検知する生体情報検知手段とを備え、前記生体情報検知手段で検知された検知生体情報と前記記憶手段から読み出した登録生体情報とを照合して、前記検知生体情報と登録生体情報とが一致した時にのみ扉駆動手段を開閉扉の開方向に起動させる生体認証システムからなっていることを特徴とするものである。
さらに、この発明に係る透明開閉装置の扉駆動手段は、停電時にバックアップ電源に接続されるようになっていることを特徴とするものである。
さらに、この発明に係る透明開閉装置の危険因子検知手段は、開閉扉の上端両側部に実装された光センサ、開閉扉の上端面に実装された透明な反射式センサ、開閉扉の上端面に実装された透明なタッチセンサの何れかよりなっていることを特徴とするものである。
この発明の透明開閉装置によれば、開閉扉の閉じ動作時において、当該開閉扉の閉じ方向の端部とケース本体との間に手首等の挟み込み危険因子があると、これを危険因子検知手段が検知して扉駆動手段を自動停止させるので、ケース本体および開閉扉のそれぞれが透明部材で形成され、かつ開閉扉が自動的に開閉駆動されるものでありながら、閉じ動作中の開閉扉によって人体の手首等が挟み込まれる危惧のない安全性を確保することができて透明開閉装置の信頼性が向上するという効果がある。
また、この発明の透明開閉装置によれば、透明の開閉扉を有する透明のケース本体をボックス基台上に設置すると共に、該ボックス基台の内部に扉駆動手段を収納設置したので、透明のケース本体および開閉扉以外の扉駆動手段やガイド部材等がケース本体側に一切露出しない透明のショーケースとして適用でき、このため、ショーケース全体(ケース本体と開閉扉)をガラス製としても外観上ガラス以外の余分な部材の露出がないガラス特有の美的外観を向上させることができるという効果がある。また、開閉扉の閉止位置ではボックス基台内部の扉駆動手段のインターロック機能によって前記開閉扉が自動的にロックされた状態となるので、従来のような南京錠や組込錠機構を一切必要とせずに防盗性を確保できると共に、前記開閉扉をリモコン操作のみで容易に開閉させることが可能になるという効果がある。しかも、前記開閉扉はケース本体に対して非接触状態で開閉駆動されるので、ケース本体および開閉扉のそれぞれがガラス製であっても開閉扉の開閉時にガラス相互の接触に起因した軋み音や破損等が生じるようなことがなく、開閉扉をスムーズに開閉駆動することができるという効果がある。特に、これらの効果に加えて、開閉扉の閉じ動作時に当該開閉扉の閉じ方向端部とケース本体との間に手首等の挟み込み危険因子があると、これを危険因子検知手段が検知して扉駆動手段を自動停止させるので、閉じ動作中の開閉扉によって人体の手首等が挟み込まれる危惧のない安全性を確保することができて透明開閉装置の信頼性が向上するという効果がある。
さらに、この発明の透明開閉装置によれば、扉駆動手段の操作系統に設けられた生体認証手段によって、扉開閉操作者が予め生体認証された専従操作者であるか否かを判断して判断結果が専従操作者本人の時にのみ扉駆動手段を開閉扉の開方向に起動させるので、貴金属や宝石等の高価商品を収納展示するショーケースのセキュリティをいっそう高めることができるという効果がある。
さらに、この発明の透明開閉装置によれば、扉駆動手段が停電時にバックアップ電源に接続されるので、開閉扉の開放状態で停電になった場合でもバックアップ電源によって前記開閉扉を閉じ駆動させることができるので、高価商品を収納展示するショーケースの停電時においてもセキュリティを高めることができるという効果がある。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による透明開閉装置として例示したショーケースの斜視図、図2は図1の縦断側面図、図3は図1の縦断正面図、図4は図3のA−A線に沿った断面矢視図、図5(A)はショーケースに危険因子検知手段を取り付けた状態を示す斜視図、図5(B)は図5(A)の危険因子検知手段の取付部を示す拡大図、図6(A)はショーケースから危険因子検知手段を取り外した状態を示す斜視図、図6(B)は図6(A)の開閉扉の部分正面図および部分側面図である。
この発明の実施の形態1によるショーケースは、前面が開口した透明なケース本体1と、このケース本体1の開口部を昇降開閉する透明な開閉扉2とからなり、前記ケース本体1は不透明なボックス基台3上に載置固定されている。前記ケース本体1と開閉扉2のそれぞれは強化ガラス板からなり、前記ボックス基台3は金属板等の剛性板から構成されている。そして、ボックス基台3の上面壁には、ケース本体1の前面開口部に対して開閉扉2を昇降出入させるための扉出入口4が設けられている。前記開閉扉2は、ケース本体1の前面開口部の高さ寸法よりも上下方向に長く形成されており、その開閉扉2がボックス基台3の扉出入口4に対して昇降スライド自在に挿入されている。ボックス基台3内には、開閉扉2の下端部を保持して当該開閉扉2を昇降方向にガイドする伸縮ガイド機構5と、この伸縮ガイド機構5をを介して開閉扉2を昇降駆動する扉開閉駆動機構(扉駆動手段)11が収納配置されている。
前記伸縮ガイド機構5は、ボックス基台3の内部両側に直立配置された左右一対のガイドレール6と、当該ガイドレール6にそれぞれ昇降摺動自在に嵌合されて縦方向(昇降方向)に延びる第1のスライド部材7と、このスライド部材7に昇降摺動自在に嵌合されて縦方向に延びる第2のスライド部材8とからなり、第2のスライド部材8に対して開閉扉2の下端部を一体的に連結保持させるためのブラケット9を取り付けた構成となっている。さらに詳述すると、前記ガイドレール6は断面コ字形状に形成され、そのコ字形状の開放端側をボックス基台3の内部両側で対向させて開閉扉2の昇降軌線に沿って直立するように配置されている。このような左右のガイドレール6内をそれぞれ昇降摺動する第1のスライド部材7は幅方向中心部に縦レール部7aを有しており、この縦レール部7aに第2のスライド部材8が昇降自在に嵌め込まれている。その第2のスライド部材8には、当該スライド部材8の下降位置で左右のガイドレール6のそれぞれの外側に位置する左右のブラケット9が取り付けられている。左右のブラケット9には、両者に跨る扉取付用のブラケット10が水平に取り付けられている。扉取付用のブラケット10は垂直面を有しており、その垂直面に対して開閉扉2の下端側裏面が面接触状態で強力接着剤やネジ止め等の手段で一体的に結合してある。したがって、前記開閉扉2は、前記伸縮ガイド機構5およびブラケット10によって常に垂直姿勢に保持され、前記ケース本体1に対して非接触状態で昇降するようになっている。
前記扉開閉駆動機構11は、前記ボックス基台3内に配置された電磁ブレーキ付き開閉機(以下、電磁モータという)12と、この電磁モータ12によって同期回転駆動される左右の無端ベルト(無端回転部材)21,22とを備え、それらの無端ベルト21,22に対して伸縮ガイド機構5上部側の第2のスライド部材8を連動させた構成となっている。さらに詳述すると、図2に示す伸縮ガイド機構5の最大伸長状態において、その最上部となる第2のスライド部材8の近傍には、当該スライド部材8をブラケット10との間で挟む位置に水平回転軸14が配置されている。この水平回転軸14には、前記でも12の出力軸に嵌着された主動スプロケット13に対応する従動スプロケット15が嵌着され、それらのスプロケット13,15に伝動チェーン16が噛合巻回されて水平回転軸14が電磁モータ12で回転駆動されるようになっている。その電磁モータ12はリモコンによって起動・停止制御されるようになっている。
また、前記水平回転軸14の両端側にはベルト巻回用の上部プーリ17,19が嵌着され、これらの上部プーリ17,19のそれぞれの真下には下部プーリ18,20が軸支配置され、その上部プーリ17及び19と下部プーリ18及び20は、1基のでも2によって垂直方向に同期回転駆動されるようになっている。そして、前記無端ベルト21,22のそれぞれと、前記伸縮ガイド機構5の最上部となる第2のスライド部材9に取り付けられたブラケット9とが接続具23によって連結されている。なお、図2〜図4において、符号24,25はアイドラである。
以上のように構成されたショーケース(透明開閉装置)は、前記開閉扉2の閉じ動作時に当該開閉扉2による人体の手首等の挟み込み危険因子を検知する危険因子検知手段30(図5参照)を備えている。この危険因子検知手段30は危険因子検知時の出力信号で前記扉駆動手段11を自動停止させるものである。図5に示す危険因子検知手段30は、前記開閉扉2の上端両側部に左右一対の発光器31と受光器32とを実装してなる光センサからなっている。ここで、開閉扉2の上端両側部には図6(A)に示すように切欠状をなす左右のセンサ取付部2Aが設けられ、これらのセンサ取付部2Aに前記発光器31と受光器32のそれぞれを嵌め込み実装している。また、開閉扉2の上面には図6(B)に示すように円弧凹状の溝部2Bが設けられており、この溝部2Bに沿って前記発光器31からの光線を受光器32に受光させるようにしている。なお、危険因子検知手段30として光センサの受光器32は扉駆動手段11に配線接続されるが、この場合、その接続配線としては透明フィルム状のものにプリント配線されたものを適用し、それを開閉扉2の側面に設けられた縦溝内に配線して扉駆動手段11に接続することが好ましい。
次に、上記実施の形態1のショーケースにおける開閉扉2の動作を説明する。
図2に示すように、開閉扉2が閉じた状態において、リモコン操作により電磁モータ12を図2中で反時計回り方向に回転起動させると、その回転駆動力が伝動チェーン16を介して水平回転軸14に伝達させることで左右の無端ベルト21,22が図2中で反時計回り方向に同期回転する。このとき、無端ベルト21,22の下降側ベルト部に接続具23で連結されたブラケット9が下降することにより、そのブラケット9と一体に開閉扉2が下降する。これによりケース本体1の前面開口部が開かれる。ここで、前記ブラケット9の下降時には、これと一体に第2のスライド部材8が下降し、これに伴って第1のスライド部材7が自重下降し、そのスライド部材7の下端がガイドレール6の内底部に当接した後においても、第2のスライド部材8が下降を継続することにより、その第2のスライド部材8と一体のブラケット9,10を介して開閉扉2がケース本体1の前面開口部の全開位置までボックス基台3内に下降収納される。
このような開閉扉2の全開状態から電磁モータ12をリモコン操作で逆回転起動させると、無端ベルト21によって伸縮ガイド機構5最上部の第2のスライド部材8と一体のブラケット9,10が引き上げられ、これに追従して第1のスライド部材7が第2のスライド部材8で引き上げられることにより、開閉扉2が上昇してケース本体1の開口部を全閉する。その開閉扉2の上昇による閉じ動作時において、当該開閉扉2の閉じ方向端部(上端部)とケース本体1との間に手首等の挟み込み危険因子があると、この挟み込み危険因子によって危険因子検知手段(光センサ)30の発光器31と受光器32との間の光線が遮られることで前記挟み込み危険因子を検知し、その危険因子検知信号によって扉駆動手段11が自動的に停止する。これにより、閉じ動作中の前記開閉扉2による手首等の挟み込み事故が防止される。
なお、ボックス基台3内には、伸縮ガイド機構5の最大伸長位置(開閉扉2の全閉位置)および伸縮ガイド機構5の最短縮小位置(開閉扉2の全開位置)を検知するリミットスイッチ(図示せず)が配置され、このリミットスイッチが伸縮ガイド機構5のスライド部材8もしくは7等の昇降可動部でONされることにより、電磁モータ12が自動停止するようになっているものである。
以上説明した実施の形態1によれば、ボックス基台3上に載置固定されたケース本体1の前面開口部を昇降開閉する開閉扉2を、ケース本体1の前面開口部の高さよりも上下方向に長く形成し、その開閉扉2をケース本体1の扉出入口4に昇降スライド自在に挿入し、かつ前記ボックス基台3内には、前記開閉扉2の昇降方向に沿って伸縮可能な伸縮ガイド機構5を収納配置し、この伸縮ガイド機構5の最上部(スライド部材8)にブラケット10を介して開閉扉2の下端側を連結保持させると共に、ボックス基台3内における伸縮ガイド機構5の近傍には当該伸縮ガイド機構5に沿って回転駆動される縦型の無端ベルト21を配置し、この無端ベルト21に伸縮ガイド機構5のスライド部材8を連結し、その無端ベルト21にでも12で正逆回転駆動するように構成したので、前記ボックス基台3上にはケース本体1と開閉扉2とが存在するのみであって、それら以外の部材等は何ら存在しないので、前記ケース本体1と開閉扉2のそれぞれを透明ガラスとした場合、ケース本体1内の展示物を鮮明に透視させることができ、ショーケースの美的外観が向上するという効果がある。
特に、この実施の形態1のショーケースによれば、開閉扉2の閉じ動作時において、当該開閉扉2の閉じ方向端部とケース本体1との間に手首等の挟み込み危険因子があると、これを危険因子検知手段(光センサ)30が検知して扉駆動手段11を自動停止させるので、ケース本体1および開閉扉2のそれぞれがガラス等の透明部材で形成され、かつ開閉扉2が自動的に開閉駆動されるものでありながら、閉じ動作中の開閉扉2によって人体の手首等が挟み込まれる危惧のない安全性を確保することができて透明開閉装置の信頼性が向上するという効果がある。
また、この実施の形態1のショーケースでは、開閉扉2の上下方向の長さをケース本体1の前面開口部の高さよりも長くしてボックス基台3の扉出入口4に昇降スライド自在に挿入したことにより、ケース本体1の前面開口部を全閉状態の開閉扉2の下端側はボックス基台3内に垂下した状態となるので、その開閉扉2の下端側をボックス基台3内の伸縮ガイド機構5に連結することができ、ボックス基台3上にはケース本体1および開閉扉2とは別の部材を必要のない意匠的美観に優れたショーケースを実現できるという効果がある。しかも、開閉扉2は、その下端側が伸縮ガイド機構5の最上部のブラケット10の垂直面に面接触状態で結合されているので、前記開閉扉2を常に垂直状態でスムーズに昇降させることができるという効果がある。また、前記開閉扉2はケース本体1に対して非接触状態で昇降させるので、その両者がガラス製であっても両者の摺接に起因した軋み音や破損等が生じる危惧もないという効果がある。なお、上記実施の形態1において、伸縮ガイド機構5の伸縮摺接部には軸受ボール(図示せず)が設けられており、これによって、伸縮ガイド機構5の昇降負荷が大幅に軽減されると共に、当該伸縮ガイド機構5の伸縮摺接部が金属軋み音を発することもないという効果がある。
実施の形態2.
図8(A)はこの発明の実施の形態2による透明開閉装置として例示したショーケースを示す概略的な斜視図、図8(B)は図8(A)の点線部分を上から見た平面図であり、図1〜図7と同一または相当部分には同一符号を付して説明を省略する。
前記実施の形態1では、危険因子検知手段30として光センサを適用したが、この実施の形態2では、ケース本体1の底面側に複数の反射式センサ33を所定の間隔で配置し、これらの反射式センサ33を危険因子検知手段30として適用したものである。なお、前記反射式センサ33は、光線又は超音波を紙面上で上方に放射し、その反射を計測し、該計測値の差分によって挟み込み危険因子を検知し、該検知時に扉駆動手段11を自動的に停止させるものである。
この実施の形態2によれば、前記実施の形態1の場合と同様の効果に加え、反射式センサ33をケース本体1側に実装するので、開閉扉2にセンサ取付部を加工する必要がないという効果がある。
実施の形態3.
図9(A)はこの発明の実施の形態3による透明開閉装置として例示したショーケースを示す概略斜視図、図9(B)は図9(A)のB−B線矢視図であり、図1〜図7と同一または相当部分には同一符号を付して説明を省略する。
この実施の形態3では、開閉扉2の上面に静電式タッチパネルからなる透明の電極34を実装することにより危険因子検知手段30として適用し、その電極34に手指等が触れた際に危険因子検知信号を発して扉駆動手段11を自動的に停止させるものである。したがって、この実施の形態3の場合も前記実施の形態1の場合と同様の効果が期待できる。
実施の形態4.
図10はこの発明の実施の形態4による透明開閉装置として例示したショーケースの概略的な斜視図であり、図1〜図7と同一または相当部分には同一符号を付して説明を省略する。この実施の形態4では、ケース本体1の開口部に透明電極35を実装して誘導コイルとして使用し、手指等の接近によって変化する共振周波数の変化の度合いを共振用コンデンサ36で収集して発振・検出回路37で検知し、共振周波数の変化の度合いが設定距離に近づいた際に扉駆動手段11を自動的停止させる検知手段30として適用したものであり、この実施の形態4の場合も前記実施の形態1と同様の効果がある。
実施の形態5.
図11はこの発明の実施の形態5による透明開閉装置として例示したショーケースの概略的な斜視図である。この実施の形態5では、危険因子検知手段30として、開閉扉2の全面にシート状の透明電極38を貼り付け実装すると共に、その透明電極38に静電容量検出回路39を接続したものである。この実施の形態5における前記静電容量検出回路39は、透明電極38とアース間の静電容量を測定し、開閉扉2の閉じ動作中に人体(手指等)が透明電極38に接触した際に生じる静電容量の変動時に扉駆動手段11を自動停止させるものである。
したがって、この実施の形態5によれば、格別のセンサを必要とせずに、閉じ動作中の開閉扉2によって人体の手指等が挟み込まれるを防止することができるという効果がある。なお、この実施の形態5では、通常の手袋を着用した者が透明電極38に接触した際に静電容量検出回路39には静電容量の変動が生じないので、この場合、作業従事者に炭素付きの手袋を着用させるようにすれば、その炭素付き手袋が透明電極38に接触した場合でも前記静電容量の変動が生じるので、その変動時に扉駆動手段11を自動停止させることができる。
実施の形態6.
図12(A)はこの発明の実施の形態6による透明開閉装置として例示したショーケースの概略的斜視図、図12(B)は図12(A)のC−C線に沿った概略的な矢視図、図12(C)は図12(A)中の開閉扉を拡大して危険因子検知手段との関連で示す斜視図である。この実施の形態6では、危険因子検知手段30として、開閉扉2の周縁部に2枚の透明導電性シート40a,40bを離して貼り付け実装すると共に、それらの透明導電性シート40a,40bに跨って電圧検出回路41を接続したものである。電圧検出回路41は、開閉扉2の閉じ動作中に人体の手指等が透明導電性シート40a,40bに接触した際の電圧の変化(抵抗値の低下)を検知し、該検知時に扉駆動手段11を自動停止させるものである。
この実施の形態6によれば、安価な透明導電性シート40a,40bを開閉扉2の周縁部に貼り付けて電圧検出回路41を接続するだけの簡単な構成でありながら、開閉扉2の閉じ動作中に人体の手指等が透明導電性シート40a,40bに接触した際の電圧の変化(抵抗値の低下)によって扉駆動手段11を自動停止させることができ、これによって、閉じ動作中の開閉扉2による人体の挟み込み事故を防止することができるという効果がある。
実施の形態7.
この発明の実施の形態7では、前記実施の形態1から前記実施の形態6のショーケースにおける扉駆動手段11の操作系統に生体認証手段(図示せず)を設けたものである。この生体認証手段は、扉開閉操作者が予め生体認証された専従操作者か否かを判断して判断結果が専従操作者本人の時にのみ前記扉駆動手段11を開閉扉2の開方向に起動させるものである。このような生体認証手段は、専従操作者本人の指紋,声紋,手・指の静脈形状,瞳の虹彩等の何れかによる人体的特徴の生体情報が予め記憶・登録された記憶手段と、扉開閉操作者の生体情報を読み取り検知する生体情報検知手段と、この生体情報検知手段で検知された検知生体情報と前記記憶手段から読み出した登録生体情報とを照合する照合手段とを有し、前記照合手段による情報照合の結果、前記検知生体情報と登録生体情報とが一致した時にのみ扉駆動手段11を開閉扉2の少なくとも開方向に起動させる基本構成とした生体認証システムによって実現可能である。
以上説明した実施の形態7によれば、扉駆動手段11の操作系統に設けられた生体認証手段によって、予め生体認証された専従操作者でしか開閉扉2を開くことができないので、貴金属や宝石等の高価商品を展示するショーケースのセキュリティをいっそう高めることができるという効果がある。
実施の形態8.
前記実施の形態1から前記実施の形態7のショーケースにおける扉駆動手段11は停電時にバックアップ電源に接続されるように構成することも可能である。このような構成とすることにより、ショーケースの開閉扉2の開放状態で停電となった場合でも、その開閉扉2を扉駆動手段11によって閉じ駆動させることができ、このため、高価商品を収納展示するショーケースの停電時においてもセキュリティを高めることができるという効果がある。
なお、前記実施の形態1によるショーケースでは、開閉扉2を昇降開閉させる構成としたが、その開閉扉2は水平方向や斜め方向に開閉駆動される構成とすることも可能であり、この場合も前記各実施の形態と同様の効果を得ることが可能である。また、前記各実施の形態によるショーケースのケース本体1および開閉扉2には、防盗手段としてテープ状またはシート状などの振動感知部材を実装し、これを警報器や防犯監視システムに接続しておくことも可能であり、これによって、侵入者がケース本体1や開閉扉2を破壊しようとした際の振動を感知して警報を発することができるので、セキュリティをいっそう高めることができるという効果がある。
なお、前記各実施の形態ではショーケースについて説明したが、その開閉扉2は、ショーケース以外の例えば建造物の開口部を開閉する開閉装置としても適用可能である。
この発明の実施の形態1による透明開閉装置として例示したショーケースの斜視図である。 図1の縦断側面図である。 図1の縦断平面図である。 図3のA−A線断面図である。 図5(A)はこの発明の実施の形態1によるショーケースに危険因子検知手段を取り付けた状態を示す斜視図、図5(B)は図5(A)の危険因子検知手段の取付部を示す拡大図である。 図6(A)はこの発明の実施の形態1によるショーケースから危険因子検知手段を取り外した状態を示す斜視図、図6(B)は図6(A)の開閉扉の部分正面図および部分側面図である。 動作説明図である。 図8(A)はこの発明の実施の形態2による透明開閉装置として例示したショーケースの概略的な斜視図、図8(B)は図8(A)の点線部分を上から見た平面図である。 図9(A)はこの発明の実施の形態3による透明開閉装置として例示したショーケースの概略的な斜視図、図9(B)は図9(A)のB−B線矢視図である。 この発明の実施の形態4による透明開閉装置として例示したショーケースの概略的な斜視図である。 この発明の実施の形態5による透明開閉装置として例示したショーケースの概略的な斜視図である。 図12(A)はこの発明の実施の形態6による透明開閉装置として例示したショーケースの概略的斜視図、図12(B)は図12(A)のC−C線に沿った概略的な矢視図、図12(C)は図12(A)中の開閉扉を拡大して危険因子検知手段との関連で示す斜視図である。
符号の説明
1 ケース本体
2 開閉扉
2A センサ取付部
2B 溝部
3 ボックス基台
4 扉出入口
5 伸縮ガイド機構
6 ガイドレール
7 第1のスライド部材
7a 縦レール部
8 第2のスライド部材
9,10 ブラケット
11 扉開閉駆動機構(扉駆動手段)
12 電磁ブレーキ付き開閉機
13 主動スプロケット
14 水平回転軸
15 従動スプロケット
16 伝動チェーン
17〜20 プーリ
21,22 無端ベルト
23 接続具
24,25 アイドラ
30 危険因子検知手段
31 発光器
32 受光器
33 反射式センサ
34 電極
35 透明電極
36 共振用コンデンサ
37 発振・検出回路
38 透明電極
39 静電容量検出回路
40a,40b 透明導電性シート
41 電圧検出回路

Claims (6)

  1. 透明のケース本体と、このケース本体の開口部を開閉する透明の開閉扉と、この開閉扉を自動的に開閉駆動する扉駆動手段とからなる透明開閉装置において、前記開閉扉の閉じ動作時に当該開閉扉による人体等の挟み込み危険因子を検知し、該検知時に前記扉駆動手段を自動停止させる危険因子検知手段を備えたことを特徴とする透明開閉装置。
  2. ボックス基台上に設置された透明のケース本体と、このケース本体の開口部を当該ケース本体とは非接触状態で開閉する透明の開閉扉と、前記ボックス基台の内部に収納設置されて前記開閉扉を開閉駆動する扉駆動手段と、前記開閉扉の閉じ動作時に当該開閉扉による人体等の挟み込み危険因子を検知し、該検知時に前記扉駆動手段を自動停止させる危険因子検知手段を備えたことを特徴とする透明開閉装置。
  3. 扉駆動手段の操作系統には、扉開閉操作者が予め生体認証された専従操作者か否かを判断して判断結果が専従操作者本人の時にのみ前記扉駆動手段を開閉扉の開方向に起動させる生体認証手段が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の透明開閉装置。
  4. 生体認証手段は、専従操作者本人の指紋,声紋,手・指の静脈形状,瞳の虹彩等の何れかによる人体的特徴の生体情報が予め記憶・登録された記憶手段と、扉開閉操作者の生体情報を読み取り検知する生体情報検知手段とを備え、前記生体情報検知手段で検知された検知生体情報と前記記憶手段から読み出した登録生体情報とを照合して、前記検知生体情報と登録生体情報とが一致した時にのみ扉駆動手段を開閉扉の開方向に起動させる生体認証システムからなっていることを特徴とする請求項3記載の透明開閉装置。
  5. 扉駆動手段は停電時にバックアップ電源に接続されるようになっていることを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の透明開閉装置。
  6. 危険因子検知手段は、開閉扉の上端両側部に実装された光センサ、開閉扉の上端面に実装された透明な反射式センサ、開閉扉の上端面に実装された透明なタッチセンサの何れかよりなっていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の透明開閉装置。
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