JP2009013432A - 表面性状にすぐれた高Si熱延鋼板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】含有する高Siに起因してファイアライトの生成が避けられないために、そのファイアライトが残留して熱延鋼板の表面性状を阻害する結果となるので、このファイアライトによる熱延鋼板の表面性状の劣化を来たすことがないようにしてすぐれた表面性状の熱延鋼板を製造すること。
【解決手段】Si:0.2〜3.0%を含有する鋼のスラブを、加熱炉の温度(T℃):1173〜1250℃および加熱炉内の酸素濃度(Xvol.%):X≦−0.0260T+32.468の雰囲気条件下で、20〜60分間均熱した後、加熱炉から抽出して少なくとも最初のデスケーリングを1173℃以上の温度で行なってから熱間圧延する方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱間圧延により製造される高強度ならびに成形性のよい高Siタイプの鋼板であって、とくに全面にわたって表面性状にすぐれた熱延鋼板の製造方法に関する。
熱延鋼板はスラブ等を熱間圧延して製造されるが、加熱炉で加熱されたスラブには必然的にスケールが発生してその表面に付着しているから、圧延前にデスケーリングしなければならない。ところが、自動車等に広く使用される高強度鋼板のように、強度を確保するためにSiが添加された鋼の場合は、ファイアライト(Fe2SiO4)が必然的に生成する。このファイアライトは、母材鋼/スケール界面に生成して鋼に対するスケールの密着性を高めてデスケーリング効率を低下する。その結果、一部のスケールが取れ残され、これが圧延時に押し込み疵を発生する原因となり、鋼板の表面性状を著しく悪化させる。
しかも、このようなスケールの取り残しは、鋼表面に生成するスケールの厚みがばらつく状態となって冷却特性にムラが生じ、材質ムラや酸洗性悪化の原因となる別の問題を残している。
以上の問題点を少し詳しく説明する。Si含有鋼を通常の雰囲気下で酸化すると、Fe系単独酸化物(FeO、Fe3O、Fe23)と鋼の界面に上記のファイアライトが生成する。このファイアライトはその融点である1173℃を境に、熱延鋼板の表面性状に対して異なった弊害を引き起こす。すなわち、1173℃以上での加熱酸化はファイアライトを液相化して鋼側に浸潤してくさび状の疵を生成し、鋼板の表面性状を著しく悪化する。しかも、このくさび状の疵に由来するくさび型スケールは、圧延前のデスケーリングで取れ残されることが多く、脆化誘発の起点となる危険がある。
他方、1173℃未満の加熱酸化の場合に生成するファイアライトは、その硬度が非常に高く、鋼とスケールとの密着性を強固にするため、この場合もデスケーリングによってスケールの取れ残りが発生し、それが圧延時に鋼側に押し込まれ、熱延鋼板の表面性状を悪化する。
これらファイアライトの発生にともなう問題点については、当業界にあって、その解決なり改良が継続しておこなわれており、すでに剥離性のよいスケール性状の実現に貢献するような熱延鋼板の製法がいくつか特許出願されている。
たとえば、特許文献1は、成形性を向上するために2%程度に増量したSiを加えて熱延鋼板を製造する場合、1290℃以上の均熱により、島状疵の原因になる粒界酸化を阻止する。そして、粗圧延は1150℃以上で実施することで同じく島状疵の原因になる島状スケールの発生をおさえ、仕上圧延は1100℃以下にして島状スケールによる表面疵の発生を防止しようとする。しかし、1290℃以上の均熱は、既述したように、ファイアライトが液相化して鋼にくさび状に浸潤し、デスケーリング時の取り残しによる表面性状を劣化するとの視点が考慮されていない。
特許文献2は、島状スケールが発生しやすい1200〜1240℃の高温加熱をおこなう場合、単に在炉時間を制限するだけでは、ファイアライトの部分剥離あるいは島状スケール散発の防止が十分でないとの観点から、同温度での均熱時間を30〜90分の範囲とし、加熱パターンを厳密に管理するとしている。この方法によれば、ファイアライトが液相化しないようにできても、これだけではデスケーリング性向上にはなお不十分である。特許文献3も同様の発明である。
特許文献4は、3%SiにNiとCuを含有させた鋼片を1170℃以上に加熱し、第1回目のデスケーリングを1200℃以下の温度範囲で行い、地鉄とウスタイトとの間にFeO−FeSiO共晶化合物を形成する方法である。つまり、全面に赤スケールを発生させる方法であるが、加熱雰囲気について何等考慮されていないため、熱延時に押し込み疵が多数発生し、均一なスケール性状とならないことが疑問視される。
加熱雰囲気を考慮した方法として、特許文献5は、加熱炉において2%以下の酸素分圧のもとで1170〜1300℃に加熱し、ついで5〜10%の酸素分圧のもとで10〜100分間均熱したのち熱間圧延し、Ar3以上の圧延終了温度で仕上げ圧延する方法を記載している。しかし、この方法が対象とする鋼板は、Si量が0.05%以下で、ことさら高Siの高強度熱延鋼板に適用できるものではなく、もとよりファイアライトを制御するようなことが意図されたものではない。したがって、かりに本法の思想を高Si含有鋼の加熱圧延に適用しても、上記のような条件では、ファイアライトが鋼に浸潤して表面性状を著しく悪化することは明らかである。
特許文献6は、ファイアライトの融点を意識して1173℃以上の第1段加熱でFeO-FeSiO4の溶融相を形成したのち、溶融して鋼材に浸潤した凝固層を1173℃未満の第2段加熱により消失させて平坦にし、スケールの剥離性を向上させている。しかし、この方法では、第2段加熱で溶融相を十分に消失させる作用効果が不明確であり、表面性状のよい高Siタイプの熱延鋼板を得ることは難しいと考えられる。
特開平4−247829号公報 特開平6−192728号公報 特開平6−346145号公報 特開平7−34137号公報 特開2000−54028号公報 特開2005−297008号公報
既述したように、高Siタイプの高強度、成形性良好な熱延鋼板を製造する場合、含有する高Siに起因してファイアライトの生成が避けられないために、通常の商業ベースでの加熱炉が使用される限り、そのファイアライトが残留して熱延鋼板の表面性状を阻害する結果となる。本発明は、このような問題点を解決し、ファイアライトによる熱延鋼板の表面性状の劣化を来たすことがないようにしてすぐれた表面性状の高Siタイプの熱延鋼板が製造できるようにすることを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するために、下記の各手段を特徴とする熱延鋼板の製造方法である。
(1)Si:0.2〜3.0%(質量%、以下同様。)を含有する鋼のスラブを、加熱炉の温度(T℃):1173〜1250℃および加熱炉内の酸素濃度(Xvol.%):X≦−0.0260T+32.468の雰囲気条件下で、20〜60分間均熱した後、加熱炉から抽出して少なくとも最初のデスケーリングを1173℃以上の温度で行なってから熱間圧延する表面性状にすぐれた高Si含有熱延鋼板の製造方法。
(2)Si:0.2〜3.0%を含有する鋼のスラブを、加熱炉の温度(T℃):1173〜1250℃および加熱炉内の酸素濃度(Xvol.%):X≦−0.0260T+32.468の条件下で、20〜60分間均熱した後、加熱炉から抽出して少なくとも最初のデスケーリングを1173℃以上の温度および酸素濃度(Xvol.%):X≦−0.0260T+32.468の雰囲気条件下で行なってから熱間圧延する表面性状にすぐれた高Si含有熱延鋼板の製造方法。
(3)Si:0.2〜3.0%を含有する鋼のスラブを、加熱炉の温度(T℃):1173〜1250℃および加熱炉内の酸素濃度(Xvol.%):X≦−0.0260T+32.468の雰囲気条件下で、20〜60分間均熱した後、加熱炉から抽出して最初のデスケーリングを行なった後、1173℃以下の温度で、粒径100μm以下のミスト水が存在する湿潤雰囲気中に0.1秒間以上導入する工程を1回以上実施した後、デスケーリングして熱間圧延をする表面性状にすぐれた高Si含有熱延鋼板の製造方法。
(4)加熱炉から抽出して最初のデスケーリングを行なった後の粗圧延前、もしくは粗圧延後仕上げ圧延前、またはその両方における各デスケーリング時に、ミスト水が存在する湿潤雰囲気中にスラブを導入する上記(3)に記載の表面性状にすぐれた高Si含有熱延鋼板の製造方法。
(5)Si:0.2〜3.0%、C:0.02〜0.6%、Mn:0.2〜3.0%、S:0.005%以下、Al:0.05%以下、Cr:0.3%以下およびCa:0.003%以下を含有する鋼を使用することを特徴とする上記(1)(2)(3)または(4)に記載の表面性状にすぐれた高Si含有熱延鋼板の製造方法。
本発明は、鋼中の高Si含有に由来するファイアライトの発生を温度と加熱雰囲気との両面から制御することにより、剥離性良好なスケール性状が得られ、さらに熱間圧延時に生成する2次スケールの剥離性が向上し、鋼板全面にわたって、スケールによる押し込み疵がない表面性状が良好な高Si含有熱延鋼板を得ることができる。また、鋼板全体で均一なフェライト粒径の熱延鋼板を得ることのできる利点もある。
本発明は、成形性が良好で高強度の熱延鋼板を対象とし、高Si含有鋼であってもすぐれた表面性状の熱延鋼板の製造を意図するので、含有するSiは0.2〜3.0%の範囲とする。Siは強度を確保できる重要な元素であるから、SF鋼板に最低限必要なSi量としてその下限を0.2%とする。しかし、過剰添加は延性が劣化する恐れがあり、また、本発明の製造条件である低酸素濃度加熱による効果を阻害するため、3.0%を上限とする。
なお、Si以外の元素の添加の要否あるいは添加するとした場合の量は特定しないが、この種の実用的な熱延鋼板に通常含有する諸元素については、つぎの範囲での添加が望ましい。
C:0.002〜0.6%
Cは鋼板の強度を高めるのに必要な元素であり、0.002%以上添加することが好ましいが、0.6%を超えると冷間加工性が低下する。
Mn:0.2〜3.0%
Mnは鋼板の強度および靭性を確保するために有用な元素であり、そのためには0.2%必要であるが、3.0%以上の過剰添加は、鋼板の靭性および溶接性を阻害する。
S:0.005%以下
Sは硫化物系介在物MnSを形成し、これが鋼板の熱間加工時に偏析することにより鋼材を脆化させるので、0.005%以下にして割れを低減させる。
Al:0.05 以下
Alは鋼の脱酸のためと、鋼板の焼きならし加熱の際にオーステナイト結晶粒の粗大化を防止するために添加するのがよいが、過剰添加は効果の飽和に加えて結晶粒を不安定にするため0.05%以下とする。
Cr:0.3%以下
Crは鋼板あるいはその冷間鍛造部品に強度を付与するために、必要に応じて添加するが、0.3%より過剰に含有すると延性を失う。
Ca:0.003%以下
Caは鋼板表面の腐食にともなう界面雰囲気の水素イオン濃度の上昇を抑制し、鋼板の耐食性を高めるのに有効であるが、0.003%よりも過剰の添加は鋼板の延性を劣化させる。
本発明は、用途に応じてこれらの元素を含有するように調製された高Si鋼のスラブを、図3に示すように、1173〜1250℃の温度(T)および加熱炉内の酸素濃度(Xvol.%):X≦−0.0260T+32.468の雰囲気下で20〜60分間加熱することが加熱条件の特徴である。さらに、加熱されたこのスラブをデスケーリングしてから熱間圧延するが、本発明では、熱間圧延前における最初のデスケーリングを1173℃以上の温度で実施することがもう一つの特徴である。この両条件のもとで製造することにより、すぐれた表面性状を有する熱延鋼板が得られる。
すなわち、本発明は、高Si含有鋼をフアイアライトの融点である1173℃以上の温度で加熱することにより、液相ファイアライトの発生を許容するが、そのときの加熱雰囲気をきわめて低い酸素濃度に制御することにより、液相ファイアライトに起因する鋼板表面のくさび疵の発生を飛躍的に抑制させることができる。しかし、1250℃を超えると、酸素濃度を可能な限り低くしても液相ファイアライトが鋼内浸潤を阻止することはできないので好ましくない。
そして、このときの低い酸素濃度(Xvol.%)は、できるだけ低くすることが望ましいが、単に低酸素濃度にするだけでは必ずしも疵の発生が抑制されるのではない。本発明では、酸素濃度が加熱炉の均熱温度(T)と相関して疵発生の抑制効果が左右されることが見出されたので、図2に示すように、酸素濃度をX≦−0.0260T+32.468の雰囲気に制御することとした。実際、高Si含有鋼をこの範囲を逸脱する酸素濃度で均熱すると、ファイアライトが鋼に浸潤してその表面の性状が悪化することを確認している。
なお、この均熱温度(T)の関数で表わされる数式は、多数の実験研究結果にもとづいて得られたものであり、同図2あるいは後記する実施例で明らかなように、かなり低濃度の酸素雰囲気である。この数式によれば、酸素濃度は空気中の標準的酸素容量である20.946%を考慮して実験的に設定された32.468vol.%を基準値として、均熱温度(T)が1173℃以上で高くなるほど低下するように微調整される。そして、この範囲であれば、液相ファイアライトの発生あるいは鋼への浸潤量が顕著に低減する。
図1の左側は、酸素濃度が調整されていない従来型の加熱炉で高Si含有鋼を均熱したときの液相ファイアライトの発生状態を模式的に図示したものであるが、くさび状にファイアライトが鋼に浸潤している。これと比較して、本発明の低濃度酸素雰囲気中で高温加熱したもの(同右側)は、均一に濃化したファイアライトになって、くさび状が消失していることが模式的に理解できる。そして、このように製造されたくさび疵のない、もしくはきわめて少ない鋼に付着したスケール(FeO)は容易に剥離され易く、デスケーリング性のよいスケール性状となることがわかる。
このような内部酸化層の生成厚さに関する検討結果によると、鋼表面近傍の酸素の化学的活性度(ポテンシャル)が高ければ粒界酸化が引き起こされ、酸化した粒界が拡散経路となってその部分から急速に酸化が進行し、結果として表面性状が悪化することが理解される。しかし、上述したように、加熱雰囲気の酸素濃度を低下させると、鋼表面近傍の酸素ポテンシャルも低くなり、粒界酸化を起こすことなしに均一に酸化が進んで表面性状のよい鋼板が製造できる。
なお、本発明において、低酸素濃度雰囲気下の加熱時間を20〜60分とするのは、20分以下の均熱ではスラブの熱分布が不均一となって材質にムラが生じ、また60分以上加熱すると、スケールロスが多くなるからである。
このように低酸素濃度雰囲気下の加熱で液相化したファイアライトは、当然ながら1173℃以下では凝固し、鋼と強固に密着することによりスケール剥離性を悪化させるから、1173℃以上で除去することが望ましい。そこで、本発明では、加熱炉を出たスラブが粗圧延される前に、少なくとも最初のデスケーリングを1173℃以上の温度で実施するのである(図3)。この操作は、加熱炉を出た直後のスラブに高圧水を噴射することにより容易に遂行できる。
また、本発明では、熱延前における少なくとも最初のデスケーリングを、加熱時と同様の低い酸素濃度、すなわち、X≦−0.0260T+32.468の雰囲気下で実施すると(図4)、液相化したファイアライトの鋼への二次的浸潤がより効果的に抑制される。この原理的根拠は記述した加熱の場合と同様である。なお、この方法を実施するには、たとえば、窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガスをデスケーリング時の高圧水と共に鋼材に吹き付ける手段が適当である。
なお、二回目以降のデスケーリングを実施するときは、通常の条件によればよいが、本発明では、最初のデスケーリングを行なった後、1回以上のミスト水噴霧をおこなってから再度デスケーリングして熱間圧延することにより、表面性状のよりすぐれた熱延鋼板が製造できる。すなわち、図5に例示するように、加熱炉を出て最初のデスケーリングを行なった後、ミスト水噴霧をおこなってから再度デスケーリングして粗圧延する。あるいは、粗圧延後仕上げ圧延前にミスト水噴霧をおこなってからデスケーリングしてもよく、この場合、粗圧延前のデスケーリング直前のミスト水噴霧を省略してもよい。
本発明において、このミスト水噴霧を適用する場合、スラブを1173℃以下の温度で、粒径100μm以下のミスト水が存在する湿潤雰囲気中に0.1秒間以上導入して実施することが特徴である。本法の原理を以下に説明する。
加熱およびデスケーリングされた鋼片・鋼塊は通常大気雰囲気で圧延に付されるが、液相化したファイアライトが加熱炉を出た後に鋼へ若干浸潤することが考えられる。したがって、窒素やアルゴンなどの不活性ガスを噴霧して、雰囲気の酸素濃度を低下させながらデスケーリングすることで、酸素による上記粒界酸化の二次的発生が抑制されて表面性状は飛躍的に改善する。
これは、つぎの知見による。すなわち、加熱炉で生成した一次スケールを巧みに除去することができても、圧延中に生ずる二次スケールが除去できなければ、結局、製品には取れ残されたスケールによる押し込み疵のみでなく、それにともなうスケール厚みムラや材質ムラが生ずる。酸化物の熱伝導率は鋼材に比較して概ね10%程度で、冷却特性はスケール厚みによる寄与が大きく、したがって、スケールの厚みにムラがあると、とりわけ鋼板の冷却特性が不安定になる。
このような冷却特性を不安定にする詳細な理由は従来から明らかにされていなかったが、本発明過程でつぎのことがわかった。
すなわち、酸洗前の熱延原板を対象に調査したところ、従来鋼では、鋼材中央部ではフェライト粒径が大きく、鋼材端部で小さい事実が確認されたので、その原因を追究した。その結果、鋼材端部のスケールは比較的厚みが薄く均一であるのに対し、鋼材中央部はデスケーリングで取れ残ったスケールによる多数の押し込み疵が発生してスケール厚みが厚く、この不均一なスケール層が、板幅方向で冷却ムラを生じさせていることが判明した。
このことから、鋼材の中央部と端部ともにスケール・サブスケールが薄く均一であり、望ましくは、サブスケールの体積%が低いスケール性状を備えていることの必要性が確認できた。そして、鋼板全面にわたるこのようなスケール性状の確保は、高強度・高延性の材質ムラの少ない熱延鋼板の製造に不可欠であることが明らかになった。
そのためには、押し込み疵の低減を左右する2種のファイアライト、すなわち1173℃以上で生成する液相化ファイアライトと、1173℃未満で生成するスケールとの密着性を強固にする不均一なファイアライトを区別して制御する必要があることを見出した。
本発明は、以上の結果にもとずいて、最初のデスケーリングを終え、ファイアライトが密着したスラブを既述のミスト水含有雰囲気に曝すことにより、わずかな時間であってもファイアライトが破壊され、ファイアライトと鋼との間に剥離性の良好なウスタイト(FeO)が生成することが分かった。しかも、ミスト添加には、鋼材の表面粗度を低減する効果も期待できる。
ミスト水によるこのような効果は、一般に水蒸気酸化と呼ばれており、まだその詳しいメカニズムについては分かっていないが、水蒸気による何らかの機能によって、スケールにクラックが入り、このクラックから大気中の酸素が大量に流入して速やかに鋼表面に均一なFeO相を形成し、これがスケールの剥離性を飛躍的に向上すると考えられる。
なお、ミスト径は小さい方が望ましく、100μmを超えると水蒸気酸化の効果よりも冷却効果の方が大きくなり、冷却ムラの原因となる。また、このミスト水はなるべく長時間十分に噴霧することが望ましく、噴霧時間が0.1秒以上でなければ、水蒸気酸化の効果はほとんど見られない。
なお、この種熱延鋼板は、合金元素としてMoを添加することがあるが、Moは鋼のγ粒界に析出して高温で蒸気圧の高い酸化物となって容易に気化し、鋼材の粒界に欠陥を生じさせる。その結果、鋼材表面の酸化抵抗が局所的に低下し、この部分に液相化ファイアライトが接すると速やかに酸化され、結果として鋼材の表面にくさび疵が生成される。したがって、本発明の実施にあたってMoの添加が必要な場合は、0.1%未満が望ましい。
(実施例)
表1に示す組成のスラブ4種A〜Dを溶製した。
これらのスラブを表2に示す加熱条件で加熱し、150MPaの高圧水により最初のデスケーリングをおこなったのち、通常の圧延条件で圧延し、巻き取りをおこなった。
このようにして完成した熱延鋼板(厚さ:2.9mm)の板幅方向の中央部および両端部の3点から50cm×50cmの鋼片試料を採取し、酸洗をおこなって鋼表面における凹凸の発生状況を調査した。くさび疵や押し込み疵の部分は、酸洗後にくぼみのある表面性状となるので、この調査により疵や押し込み疵の発生状況が分かる。
上記酸洗後の鋼片試料の外観表面の写真撮影を行い、疵部(凹み部)の面積(S1)を求め、この面積の鋼片試料の全表面積(S0)に対する割合(面積率)を算出し、この面積率をくさび疵と押し込み疵の発生率(R)とした。すなわち、R%=100×S1/S0で、この面積率が、5%以下であれば製品として使用可能な合格レベルであり、5%を超えるものは、製品として使用不可で不合格と判定することにした。
この結果を表2に「疵の発生率」として示した。No.6は、Si含有量が本発明の組成条件を満たさない鋼種Dを用いた比較例、No.7〜10は加熱炉温度、酸素濃度あるいは最初のデスケーリング温度のいずれかが本発明の製造条件を満たしていない比較例である。
この表2から、比較例No.6〜10はいずれも押し込み疵の発生率が5%を超えており、たとえば、No.7は、加熱炉の温度を1173℃以下としたために押し込み疵の数が著しく増加している。また、No.8は、所定の酸素濃度の条件を満たしていないため、ファイアライト浸潤によるくさび疵がやや多くなり、均一なファイアライト層が形成されていない。さらに、No.9は、酸素濃度を低くしているが、加熱炉の温度が1250℃を超えているため、くさび疵の増加が著しい。
No.1〜5は、加熱炉の温度と酸素濃度が本発明の製造条件を満たしているが、比較例の2とNo.4は、最初のデスケーリング温度が本発明の製造条件を満たしていない。この2比較例では、いずれも液相化ファイアライトが固まって、最初のデスケーリングで取れ残ったスケールによる押し込み疵が多く見られる。また、Si含有量の多い鋼種Aよりも、少ないCの方が、疵は少ない傾向にある。
つぎに、1173℃以上で最初にデスケーリングしたときのファイアライト浸潤によるくさび疵の低減を目的として、最初のデスケーリング時の酸素濃度を表3に示す濃度に調整して熱間圧延を行った。なお、ここで加熱炉の温度は1240℃とし、加熱炉の酸素濃度を0.1vol.%とした。また、最初のデスケーリング時の酸素濃度調整は、所定の酸素濃度のガスボンベ(窒素希釈)から流速50L/minで、鋼材表面に種々のガスを噴霧しながら、最初のデスケーリングをすることで実施した。
このようにして最初のデスケーリングをした後は通常の圧延条件で熱間圧延し、巻き取った後の鋼板について、上記実験と同様の手法でサンプリングし、酸洗後のくさび疵と押し込み疵との面積率から評価を行った。
表3に示すように、No.12の比較例以外は本発明に該当するが、No.14はデスケーリング時の酸素濃度(X)が既述した本発明の数式条件を満たさない。したがって、No.14のくさび疵は、もともと酸素濃度を調整していないNo.15と比較してその数に目立った変化は見られない。ところが、デスケーリング時の酸素濃度が本発明の数式条件を満たすNo.11およびNO.13はくさび疵がほとんどなく、非常に良好なスケール性状となっている。
つぎに、2回目以降のデスケーリングを1173℃以下でおこなう場合の押し込み疵低減を目的として、デスケーリング前の鋼材表面に対して、表4に示す条件でのミスト噴霧を行い、2回目のデスケーリングおよび熱間圧延を行った。加熱炉の条件は、温度が1240℃で、酸素濃度を0.1vol.%とし、最初のデスケーリングを不活性ガスを噴霧しないで1200℃で行った後、通常の熱間圧延を行い巻き取りを行った。なお、ミストの添加時間は、ノズルの形状および通板速度により調整した。
このようにして作製した鋼板について、上記実験と同様の手法でサンプリングして、酸洗後の押し込み疵の面積率および個数で評価を行った。表4に示すように、No.16〜No.20はいずれも本発明の実施例であり、No.16とNo.17はミスト噴霧した場合の実施例である。No.19はミスト径が100μmを超える実施例であるが、水蒸気酸化の効果が低く、ミストを添加していないNo.18と比較して、押し込み疵の数に目立った変化は見られない。また、No.20はミスト噴霧時間が短いため、同じく水蒸気酸化の効果が得られず、押し込み疵の数に変化は見られない。ところが、適正ミスト径を適正時間噴霧したNo.16とNo.17では押し込み疵がほとんどなく、良好なスケール性状である。
Figure 2009013432
Figure 2009013432
Figure 2009013432
Figure 2009013432
従来および本発明の各加熱炉条件によるファイアライトおよびスケールの模式図。 加熱炉の温度と酸素濃度との相関が熱延鋼板の表面性状におよぼす度合いをプロットしたグラフ。 本発明の基本的な製造工程を示すフロー図。 本発明の別の実施条件を加味した製造工程を示すフロー図。 本発明のさらに別の実施条件を加味した製造工程を示すフロー図。

Claims (5)

  1. Si:0.2〜3.0%(質量%、以下同様。)を含有する鋼のスラブを、炉内温度(T℃):1173〜1250℃および炉内の酸素濃度(Xvol.%):X≦−0.0260T+32.468の雰囲気条件下で、20〜60分間均熱した後、加熱炉から抽出して少なくとも最初のデスケーリングを1173℃以上の温度で行なってから熱間圧延することを特徴とする表面性状にすぐれた高Si含有熱延鋼板の製造方法。
  2. Si:0.2〜3.0%を含有する鋼のスラブを、加熱炉の温度(T℃):1173〜1250℃および加熱炉内の酸素濃度(Xvol.%):X≦−0.0260T+32.468の条件下で、20〜60分間均熱した後、加熱炉から抽出して少なくとも最初のデスケーリングを、1173℃以上の温度および酸素濃度(X vol.%):X≦−0.0260T+32.468の雰囲気条件下で行なってから熱間圧延することを特徴とする表面性状にすぐれた高Si含有熱延鋼板の製造方法。
  3. Si:0.2〜3.0%を含有する鋼のスラブを、加熱炉の温度(T℃):1173〜1250℃および加熱炉内の酸素濃度(Xvol.%):X≦−0.0260T+32.468の雰囲気条件下で、20〜60分間均熱した後、加熱炉から抽出して最初のデスケーリングを行なった後、1173℃以下の温度で、粒径100μm以下のミスト水が存在する湿潤雰囲気中に0.1秒間以上導入する工程を1回以上実施した後、デスケーリングして熱間圧延をすることを特徴とする表面性状にすぐれた高Si含有熱延鋼板の製造方法。
  4. 加熱炉から抽出して最初のデスケーリングを行なった後の粗圧延前、もしくは粗圧延後仕上げ圧延前、またはその両方における各デスケーリング時に、ミスト水が存在する湿潤雰囲気中にスラブを導入することを特徴とする請求項3に記載の表面性状にすぐれた高Si含有熱延鋼板の製造方法。
  5. Si:0.2〜3.0%、C:0.02〜0.6%、Mn:0.2〜3.0%、S:0.005%以下、Al:0.05%以下、Cr:0.3%以下およびCa:0.003%以下を含有する鋼を使用することを特徴とする請求項1、2、3または4に記載の表面性状にすぐれた高Si含有熱延鋼板の製造方法。
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