JP2001348619A - オーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法 - Google Patents
オーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法Info
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Abstract
を抑制することにより、表面性状に優れたオ−ステナイ
ト系ステンレス鋼板を製造する方法を提供する。さら
に、スラブの表面欠陥に起因するへげ疵の発生を抑制す
ることにより、より表面性状に優れたオ−ステナイト系
ステンレス鋼板を製造する方法を提供する。 【解決手段】 スラブ加熱後にデスケーリング処理を施
して熱間圧延を行う工程を含むオ−ステナイト系ステン
レス鋼板の製造方法において、スラブ加熱工程における
地鉄と酸化スケ−ルとの界面の最大粗さ(Rmax)を
0.1mm以下とする。さらに、スラブ加熱工程におけ
るスケ−ル厚を0.1mm以上とする。
Description
ステンレス鋼板の製造方法に関し、特に熱間圧延工程に
おけるスケ−ル肌荒れの発生を抑制することにより、表
面性状に優れた熱延鋼板または冷延鋼板を製造する方法
に関する。また、スラブの表面欠陥に起因するへげ疵の
発生を抑制することにより、さらに表面性状に優れた熱
延鋼板または冷延鋼板を製造する方法に関する。
ト系ステンレス鋼は、熱延鋼板として利用されることも
あるが、特にその冷延鋼板は、耐食性、耐熱性、加工性
に優れていることに加え、表面が美麗なため、厨房用、
意匠用など美観を求められる用途に利用されることが多
い。そして、いずれの場合も、表面疵のない表面性状に
優れた製品が要求される。
ようにして製造される。まず、連続鋳造スラブ(厚さ:
120mm〜280mm、幅:700〜1600mm、
長さ:10m程度)を熱間圧延し、焼鈍、酸洗を行って
熱延鋼板(厚さ:2〜10mm程度)を製造する。冷延
鋼板を製造する場合には、さらに、厚さ:0.3〜2m
m程度まで冷間圧延し、焼鈍および必要に応じて酸洗・
洗浄を施して仕上げられる。
および冷延鋼板の表面疵は、上記製造工程の中で主に熱
間圧延および冷間圧延の際に発生しやすい。このうち熱
間圧延の際に発生する表面疵は、冷間圧延後の最終製品
にも残存するため、表面性状に優れた製品を得るには、
熱間圧延の際に発生する表面疵の発生を抑制しなければ
ならない。
間圧延する際に発生する表面疵の主な原因としては、
(イ)スラブを鋳造する製鋼工程で生じるスラブの表面
欠陥、(ロ)熱間圧延前のスラブ加熱工程で生じるスラ
ブ表面のスケ−ル、(ハ)熱間圧延工程で生じる被圧延
材とロ−ルとの焼き付きの3つが挙げられる。特に、オ
−ステナイト系ステンレス鋼については、(ロ)に起因
するスケ−ル肌荒れの発生を抑制することが重要である
とともに、(イ)に起因するへげ疵の発生を抑制するこ
とも重要である。
造方法に関し、上述した(ロ)に起因するスケール肌荒
れを抑制する方法として、以下のような製造方法が開示
されている。
ステナイト系ステンレス鋼をスラブ加熱温度:1100
〜1200℃、スラブ加熱時間:1〜4hで衝突圧:2
4.5MPa以上の超高圧デスケ−リング処理する熱延
を行った後に酸洗を行うことにより、色調むらが小さい
冷延母材を得る製造方法が開示されている。
状スケ−ルの成長を抑制するとともに、スラブ加熱で生
じた酸化スケ−ルを超高圧デスケ−リング処理で除去す
ることにより、熱間圧延時のスケ−ルの噛み込みに起因
したスケ−ル肌荒れを防止できるという知見に基づいて
いる。
量が0.2重量%以下のオ−ステナイト系ステンレス鋼
スラブを1100〜1200℃の温度範囲に加熱し、仕
上げ焼鈍後、硝酸と弗酸の濃度を限定した混酸を用いて
酸洗することにより、光沢性と耐食性に優れた鋼板を得
る製造方法が開示されている。
くすることによりスラブ表面に生成するSi酸化物の層
を薄くすることにより、熱延鋼板の疵や噛み込みスケ−
ル等を防止できるという知見に基づいている。
0号公報および特開平9−256173号公報に開示さ
れている製造方法は、スケ−ル肌荒れの発生原因を熱間
圧延時の噛み込みスケ−ルであるという認識に基づい
て、それらの抑制方法を提案したものである。
れの発生原因について詳細に研究した結果、オーステナ
イト系ステンレス熱延鋼板のスケ−ル肌荒れは、熱間圧
延時の噛み込みスケ−ルに起因して発生するのではな
く、別の機構により発生するということを知見した。そ
して、上記公報に開示されている製造方法では、必ずし
もスケ−ル肌荒れの発生を有効に抑制できないことが判
明した。
ない限り、冷延鋼板にまで持ち超され、冷延鋼板を製造
する工程(焼鈍、酸洗)において除去することは事実上
不可能である。さらに、熱延鋼板に発生したスケ−ル肌
荒れを研削除去するには多大な工数と費用が必要とな
り、製造コストの上昇を招くことになる。
は、いずれもスラブ加熱工程におけるスケ−ル生成量を
抑制することを解決策としており、スラブ加熱後のデス
ケーリング処理によるスケ−ルオフ量が少なくなるた
め、上述した(イ)に起因するへげ疵が発生し易くなる
という問題がある。
レス鋼板の熱間圧延工程におけるスケ−ル肌荒れの発生
を抑制することにより、表面性状に優れた熱延鋼板また
は冷延鋼板を製造する方法を提供することにある。ま
た、本発明の目的は、さらにスラブの表面欠陥に起因す
るへげ疵の発生を抑制することにより、より表面性状に
優れた熱延鋼板または冷延鋼板を製造する方法を提供す
ることにある。
問題を解決すべく、上記(ロ)に起因するスケ−ル肌荒
れの発生原因について詳細に研究し、さらに、オ−ステ
ナイト系ステンレス熱延鋼板のスケ−ル肌荒れとスラブ
表面欠陥に起因するへげ疵に及ぼすスラブ加熱工程にお
いて生成するスケ−ルの影響と、該スケ−ルの形態に及
ぼす化学組成とスラブ加熱条件の影響とについて研究し
た。その結果、以下に示す新たな知見を得た。
は以下のような機構により発生する。ステンレス鋼スラ
ブの加熱は、通常、水素あるいは炭化水素を主成分とす
る燃料を用いた燃焼ガスによる酸化性の加熱雰囲気中で
1100〜1300℃に加熱して行われる。このスラブ
加熱工程における酸化初期には、鋼中のCrが加熱雰囲
気中の酸素または水蒸気と反応して、スラブ表面に0.
01mm未満の薄い酸化皮膜を形成する。上記酸化皮膜
は、保護皮膜となって加熱雰囲気中の酸素を遮断して、
スラブ表面から内部への酸化は一時停滞する。上記酸化
皮膜は、スラブ母材との熱膨張係数が相違するため、ス
ラブ加熱の進行に伴い酸化皮膜に割れが生じるが、その
部分には再び酸化Crの保護皮膜が形成される。しか
し、スラブ母材表面のCr濃度が次第に欠乏してくる
と、Crの他にFeの酸化が起こるようになる。Feは
酸化されやすい元素であるため、Feの選択酸化により
保護皮膜が破壊されてスケ−ル成長速度が大きくなり、
0.1mmを超える厚い酸化スケ−ルが形成される。こ
のように酸化皮膜が破壊されてスケ−ル成長速度が変化
してゆく状態は遷移酸化と呼ばれている。
ト系ステンレス鋼のスラブ加熱工程において、上記のよ
うな遷移酸化はスラブ表面で部分的に発生し、スラブの
表面が薄い酸化スケ−ルと厚い酸化スケ−ルとからなる
不均一な酸化形態を示す場合がある。スラブ加熱工程後
にデスケーリング処理を施しても酸化スケールを完全に
除去することはできないので、上述したようにスラブ加
熱工程においてスラブの表面が不均一な酸化形態を呈し
た場合には、デスケーリング処理後においてもスケール
厚の不均一な酸化スケールが地鉄表面を覆うこととな
る。このため、デスケーリング処理後の熱間圧延工程に
おいて、表層の酸化スケ−ルは均一に変形することがで
きないこととなり、スケール肌荒れを引き起こす。
るには、スラブ加熱工程で生じる地鉄と酸化スケ−ルと
の界面の最大粗さ(Rmax)を0.1mm以下、好ま
しくは0.05mm以下とする必要がある。
験片を段削りして調査した結果、スラブの表面欠陥は、
スラブ表面から表皮下0.1mm付近までの領域に高い
密度で存在していた。したがって、スラブの表面欠陥に
起因するへげ疵は、スラブ加熱工程におけるスケ−ル厚
を0.1mm以上、好ましくは0.15mm以上となる
ようにして、スラブ加熱後にデスケーリング処理を施す
ことにより抑制できる。
によるスケ−ル肌荒れとへげ疵の発生の抑制は、鋼中の
Si量に応じて加熱雰囲気中の酸素濃度を制御すること
により可能となる。
におけるスラブ加熱工程で生じる地鉄と酸化スケ−ルと
の界面の最大粗さ(Rmax)と鋼中のSi量との関係
を示すグラフである。
であり、水蒸気濃度を20体積%で一定とし、酸素濃度
を0〜5.0体積%、残部を窒素とした加熱雰囲気中
で、加熱温度:1225℃、加熱時間:1時間の加熱条
件で加熱を行った試験片について、アルミナブラストに
よりデスケーリング処理を行った後に試験片表面を3次
元粗さ測定装置により最大表面粗さを測定したものであ
る。そして、該最大表面粗さが地鉄と酸化スケ−ルとの
界面の最大粗さである。
0%、Mn:1.0%、P:0.030%、S:0.0
04%、Cu:0.20%、Ni:8.20%、Cr:
18.40%、Mo:0.20%、Ti:0.001
%、Al:0.003%、N:0.035%で、Si量
を、0.01%、0.10%、0.30%、0.060
%、1.0%にそれぞれ調整した化学組成とし、3.2
mm厚×30mm×30mmの寸法で、表面を#320
研磨仕上げしたものである。
は、環境上有害とされているNOxの発生を抑制できる
実用的範囲である5体積%以下とした。以下、加熱雰囲
気中の水蒸気および酸素の濃度について「体積%」を単
に「%」で表す。
鉄と酸化スケ−ルとの界面の最大粗さ(Rmax)は、
鋼中のSi量が0.5質量%以下(以下、鋼中のSi量
の「質量%」を単に「%」で表す。)の鋼については加
熱雰囲気中の酸素濃度に殆ど影響されることなく0.1
mm以下となり、鋼中のSi量が0.5%を超える鋼に
ついては加熱雰囲気中の酸素濃度を1.0%以上とする
と0.1mmを超える。これは、鋼中のSi量が0.5
%を超えると、耐酸化性が向上して、遷移酸化によるス
ラブ表面の不均一な酸化が助長されたことによると考え
られる。
におけるスラブ加熱時のスケ−ル厚と鋼中のSi量との
関係を示すグラフである。同図に示すデータは、図1に
示すデータについての条件と同一条件にて実験室的に求
めたものである。ここで、スケール厚は、加熱後試験片
について、アルミナブラストによるデスケーリング処理
を行い、加熱前後の質量差から換算したものである。
%以下の鋼については、各加熱雰囲気中の酸素濃度条件
下においてSi量の増加とともにスケ−ル厚が増加す
る。一方、鋼中のSi量が0.5%超の鋼については、
加熱雰囲気中の酸素濃度が3.0%以上と高い場合に
は、鋼中のSi量の増加とともにスケ−ル厚が大きく減
少し、加熱雰囲気中の酸素濃度が1.0%以下と低い場
合には、鋼中のSi量が増加してもスケ−ル厚は一定も
しくは若干低くなる。このことは、鋼中のSi量が0.
5%を超える鋼は耐酸化性が向上し、加熱雰囲気中の酸
素濃度が富化されると、酸化初期に形成される皮膜の保
護性が高まることによると考えられる。
加熱雰囲気中の酸素濃度(Y:体積%)が下記の条件を
充足するようにスラブの加熱を行うことにより、スラブ
加熱工程で生じる地鉄と酸化スケ−ルとの界面の最大粗
さ(Rmax)を0.1mm以下とし、スラブ加熱工程
におけるスケ−ル厚を0.1mm以上とすることが可能
となる。
り、その要旨は下記(1)、(2)および(3)項に記
載のオ−ステナイト系ステンレス鋼板の製造方法にあ
る。
処理を施して熱間圧延を行う工程を含むオ−ステナイト
系ステンレス鋼板の製造方法において、スラブ加熱工程
における地鉄と酸化スケ−ルとの界面の最大粗さ(Rm
ax)を0.1mm以下とすることを特徴とするオ−ス
テナイト系ステンレス鋼板の製造方法。
ケ−ル厚を0.1mm以上とすることを特徴とする上記
(1)項に記載のオ−ステナイト系ステンレス鋼板の製
造方法。
処理を施して熱間圧延を行う工程を含むオ−ステナイト
系ステンレス鋼板の製造方法において、スラブ表面温度
を1200℃以上1250℃以下とし、鋼中のSi含有
量(X:質量%)と加熱雰囲気中の酸素濃度(Y:体積
%)が下記の条件を充足するようにしてスラブ加熱を行
うスラブ加熱工程を含むことを特徴とするオ−ステナイ
ト系ステンレス鋼板の製造方法。
系ステンレス鋼板の製造方法の実施態様例について、具
体的に説明する。
オ−ステナイト系ステンレス鋼は、化学組成を特に限定
するものではなく、通常のオ−ステナイト系ステンレス
鋼であればよい。特に、SUS304が好適である。
0〜280mm、幅:700〜1600mm、長さ:1
0m程度の鋳造スラブである。通常鋳造スラブの表面
は、耐酸化性の高い皮膜で覆われており、スラブ加熱時
に酸化されにくい性質を有している。一方、スラブ表面
をグラインダ−、ショット等により研削した後、加熱す
る場合もある。この場合には、上記の耐酸化性の高い皮
膜が除去されているので、酸化されやすくなっている。
本発明は、上述した表面無手入れのスラブおよび表面を
手入れしたスラブを対象としている。
ナイト系ステンレス鋼スラブにおいてスラブ加熱工程に
おける地鉄と酸化スケ−ルとの界面の最大粗さ(Rma
x)を0.1mm以下とし、かつスラブ加熱工程におけ
るスケ−ル厚を0.1mm以上とするように行う必要が
ある。以下に、その方法の一例として、鋼中のSi量に
応じてスラブ加熱条件を制御する方法について詳述す
る。
または炭化水素を主成分とする燃料を用いた燃焼ガスに
よる水蒸気を10〜25%含有する酸化性雰囲気であ
り、加熱雰囲気中の酸素濃度は、空燃比を調整すること
により0〜10%の範囲で制御することができる。ここ
で、「水素または炭化水素を主成分とする」というの
は、燃料中に占める水素または炭化水素の割合が40体
積%以上であるという意味である。
るスケ−ル厚を0.1mm以上とするために1200℃
以上とする。一方、1250℃を超えると、スラブ加熱
工程における地鉄と酸化スケ−ルとの界面の最大粗さ
(Rmax)が0.1mmを超える。したがって、スラ
ブ加熱温度の上限を1250℃とする。
に応じて制御する必要がある。鋼中のSi量が0.5%
以下の場合には、1200〜1250℃の加熱温度にお
いて均一な酸化形態となり、また、均熱時間を調整する
ことによりスケ−ル厚を0.1mm以上とすることがで
きる。したがって、加熱雰囲気中の酸素濃度の下限は0
%とした。一方、上述したように酸素濃度が5.0%を
超えると環境上問題とされるNOxガスの発生が懸念さ
れる。したがって、酸素濃度の上限は5.0%とする。
200〜1250℃の加熱温度において、均熱時間を調
整してスケ−ル厚を0.1mm以上とすることができ
る。したがって、加熱雰囲気中の酸素濃度の下限は0%
とする。一方、加熱雰囲気中の酸素濃度が1.0%以上
となると、スラブ加熱工程における地鉄と酸化スケ−ル
との界面の最大粗さ(Rmax)が0.1mmを超え
る。したがって、加熱雰囲気中の酸素濃度の上限につい
ては1.0%未満とする。
い。1200℃以上の均熱時間は、スラブ加熱工程にお
けるスケ−ル厚を0.1mm以上とするために、20分
以上とすることが好ましい。
は、加熱炉から抽出された後、熱間圧延に先だってデス
ケーリング処理が施される。デスケーリング処理として
は、10〜25MPa程度の高圧水を噴射する方法が一
般的である。熱間圧延は、通常の鋼板製造に用いられる
連続式ロ−ル圧延法が適している。圧延温度の下限は、
オ−ステナイト系ステンレス鋼の場合、900℃程度と
するのが好ましい。熱延鋼板の板厚は、用途によって異
なるが2〜10mm程度に仕上げられる。
得られた熱延鋼板は、焼鈍および酸洗・洗浄により所定
の機械的性質・表面性状に仕上げられる。焼鈍は、通
常、連続式の焼鈍・酸洗ラインでLPG、天然ガス等の
酸化性雰囲気で900〜1150℃の温度で行われる。
また、酸洗は、メカニカルデスケ−リングあるいはショ
ットブラストを施した後、硝弗酸水溶液(例えば、7質
量%硝酸−2質量%弗酸水溶液)を用いて常温〜70℃
程度で処理すればよい。
下の処理を行う。冷間圧延は、ゼンジミア圧延機による
圧延法または通常の連続式ロ−ル圧延法が適している。
冷間圧延後の板厚は、用途により異なるが0.3〜2m
m程度に仕上げられる。冷間圧延によって得られた冷延
鋼板は、焼鈍により所定の機械的特性、表面性状に仕上
げられる。焼鈍は、酸化性雰囲気あるいは還元性雰囲気
(光輝焼鈍)で行われる。
炉で、LPG,天然ガス等の雰囲気下、900〜115
0℃程度で実施される。このとき、デスケーリング・酸
洗処理を必要とし、通常、電解処理(例えば、60℃−
20%Na2SO4水溶液,pH2.5)を施した後、硝
弗酸水溶液(例えば、60℃−10質量%硝酸−2質量
%弗酸水溶液)で処理すればよい。
で、露点−40℃以下に制御された窒素−水素混合ガス
の雰囲気下、900〜1150℃程度で行われる。光輝
焼鈍を行う場合には、デスケーリング・酸洗処理を省略
することもできる。
系ステンレス鋼の連続鋳造スラブ(幅:1550mm、
厚さ:130mm、長さ:約10m)およびこれら連続
鋳造スラブより切り出して作製した加熱炉モニタ−試験
片(幅:100mm、厚さ:25mm、長さ:100m
m)を準備した。
スラブの酸化皮膜が残るようにし、その面の手入れをし
ない試験片と、グラインダ−研削による手入れを施した
試験片とを準備した。これら加熱炉モニタ−試験片の無
手入れあるいは手入れ面を上にして、実スラブ上に乗
せ、加熱炉に装入してスラブ加熱を行った後、スラブを
加熱炉から抽出した際に取り出した。
施して、加熱炉モニタ−試験片および実スラブより製造
された熱延鋼板および冷延鋼板の表面性状を評価した。
また、比較のために、本発明で規定する範囲を外れる条
件でスラブ加熱を実施して、同様の評価を行った。
の地鉄と酸化スケ−ルとの界面の最大粗さおよびスラブ
加熱後のスケ−ル厚を測定した。スラブ加熱時の地鉄と
酸化スケ−ルとの界面の最大粗さは、アルミナブラスト
によりデスケーリング処理した試験片表面を3次元粗さ
測定装置により測定して求めた。また、スラブ加熱後の
スケ−ル厚は、スラブ加熱後に取り出した試験片をアル
ミナブラストによりデスケーリング処理を行い、スラブ
加熱の前後の質量差から換算して求めた。
mm厚の熱延鋼帯を製造し、1050℃で焼鈍後、メカ
ニカルデスケ−リングおよび硝弗酸水溶液にてデスケー
リング・酸洗処理を施して肉眼で観察した。表面疵の判
定は、肉眼で疵が確認された場合を×、確認されない場
合を○とした。評価×の熱延酸洗鋼帯は、表面疵を除去
するためにCG(コイルグラインダ−)による研削工程
へ供した。一方、評価○の熱延酸洗鋼帯は、そのまま冷
間圧延工程へ供した。
を素材として1.0mm厚の冷延鋼帯を製造し、105
0℃酸化性雰囲気焼鈍後、中性塩電解および硝弗酸酸洗
処理を施して肉眼で観察した。
延鋼板の表面疵の判定結果を表2に示す。
明例であり、これらの加熱チャンスに用いた加熱炉モニ
タ−試験片のスケ−ル厚は0.1mm以上であり、加熱
後の表面粗さ(Rmax)は0.1mm以下であった。
また、これら実スラブより製造された熱延鋼板の表面疵
判定は○であり、これを素材として製造された冷延鋼板
の表面疵判定も○であった。
囲外(低い)であり、これら加熱チャンスに用いた加熱
炉モニタ−試験片の加熱後の表面粗さ(Rmax)は
0.1mm以下であったが、スケ−ル厚が0.1mm未
満であった。このため、熱延鋼板には、スラブ表面欠陥
に起因するへげ疵が確認された。このへげ疵を除去して
表面疵のない冷延鋼板を製造するために、CG(表面研
削)工程を1パス要した。
る範囲外(高い)であり、これら加熱チャンスに用いた
加熱炉モニタ−試験片のスケ−ル厚は0.1mm以上で
あったが、スラブ加熱時の地鉄と酸化スケ−ルとの界面
の最大粗さ(Rmax)は0.1mmを超えていた。こ
のため、熱延鋼板には、スケ−ル肌荒れが確認された。
これら表面疵を除去して表面疵のない冷延鋼板を製造す
るには、CG(表面研削)工程を2〜3パス要した。
が本発明の規定する範囲外であり、これら加熱チャンス
に用いた加熱炉モニタ−試験片のスケ−ル厚は0.1m
m以上であったが、スラブ加熱時の地鉄と酸化スケ−ル
との界面の最大粗さ(Rmax)は0.1mmを超えて
いた。このため、熱延鋼板には、スケ−ル肌荒れが確認
された。これら表面疵を除去して表面疵のない冷延鋼板
を製造するには、CG(表面研削)工程を2パス要し
た。
発明の規定する範囲外であり、これら加熱チャンスに用
いた加熱炉モニタ−試験片のスケ−ル厚は0.1mm未
満であり、さらに、スラブ加熱時の地鉄と酸化スケ−ル
との界面の最大粗さ(Rmax)は0.1mmを超えて
いた。このため、熱延鋼板には、スケ−ル肌荒れとスラ
ブ表面欠陥に起因するへげ疵の両者が確認された。これ
ら表面疵を除去して表面疵のない冷延鋼板を製造するに
は、CG(表面研削)工程を3パス要した。
板の製造方法によれば、熱間圧延工程におけるスケ−ル
肌荒れの発生を抑制することにより、表面性状に優れた
熱延鋼板または冷延鋼板を製造することができる。
ブ加熱工程で生じる地鉄と酸化スケ−ルとの界面の最大
粗さ(Rmax)と鋼中のSi量との関係を示すグラフ
である。
ブ加熱時のスケ−ル厚と鋼中のSi量との関係を示すグ
ラフである。
Claims (3)
- 【請求項1】 スラブ加熱工程後にデスケーリング処理
を施して熱間圧延を行う工程を含むオ−ステナイト系ス
テンレス鋼板の製造方法において、スラブ加熱工程にお
ける地鉄と酸化スケ−ルとの界面の最大粗さ(Rma
x)を0.1mm以下とすることを特徴とするオ−ステ
ナイト系ステンレス鋼板の製造方法。 - 【請求項2】 さらに、スラブ加熱工程におけるスケ−
ル厚を0.1mm以上とすることを特徴とする請求項1
に記載のオ−ステナイト系ステンレス鋼板の製造方法。 - 【請求項3】 スラブ加熱工程後にデスケーリング処理
を施して熱間圧延を行う工程を含むオ−ステナイト系ス
テンレス鋼板の製造方法において、スラブ表面温度を1
200℃以上1250℃以下とし、鋼中のSi含有量
(X:質量%)と加熱雰囲気中の酸素濃度(Y:体積
%)が下記の条件を充足するようにしてスラブ加熱を行
うスラブ加熱工程を含むことを特徴とするオ−ステナイ
ト系ステンレス鋼板の製造方法。 (a)0≦X≦0.5の場合、0≦Y≦5.0 (b)0.5<X≦1.5の場合、0≦Y<1.0
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