JP2009012683A - 作業車両の走行制御機構 - Google Patents

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晃司 清岡
Minoru Kamata
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Abstract

【課題】無段変速装置により独立駆動可能な左右の走行装置を設け、車両直進時に該走行装置の走行駆動系間を接続して同期駆動させるロックアップモードと、車両旋回時には切断して独立駆動させるフリーモード間を切替可能な直進クラッチを備えた作業車両の走行制御機構には、モード移行域において伝動ショックが発生する等の問題があった。
【解決手段】ロックアップモード時にはクラッチ10が完全に接続される入状態に、フリーモード時には完全に切断される切状態に設定し、該入状態と切状態間の状態のうちの少なくとも一状態であって常に途切れることなくクラッチ部材51・53間に動力を伝達する半クラッチ状態をモード移行域に現出させる漸次入切手段3を、前記直進クラッチ10とは別体に設け、更に、前記半クラッチ状態には、徐々に接続・切断が進行して入状態・切状態に移行可能な漸次遷移域67b等を有する制御構成とした。
【選択図】図2

Description

本発明は、無段変速装置によって各別に独立駆動可能な左右の走行装置を設けると共に、車両直進時に該左右の走行装置の各走行駆動系の間を一体的に接続して両走行装置を同期駆動させる走行モード(以下、「ロックアップモード」とする)と、車両旋回時に該各走行駆動系の間を切断して両走行装置を独立駆動させる走行モード(以下、「フリーモード」とする)との間を切替可能な直進クラッチを備えた作業車両の走行制御機構に関する。
従来より、モアトラクタやコンバイン等の作業車両においては、左右の走行装置の主変速装置には油圧式無段変速装置、いわゆるハイドロスタティックトランスミッション等の操作性に優れた無段変速装置が用いられており、特に、左右の走行装置用に二個の無段変速装置を搭載して各走行装置を各別に独立駆動させることによって、緩旋回からスピンターンまで種々の旋回に対応することができ、作業車両に優れた旋回性能を付与することができる。しかし、このように左右の走行装置を独立駆動させると、無段変速装置の性能差や圃場の表面状況の違い等によって、両走行装置間で速度差が発生し、直進走行性が低下する場合があった。
そこで、車両直進時には該左右の走行装置の各走行駆動系の間を一体的に接続して両走行装置を同期駆動させるロックアップモードと、車両旋回時に該各走行駆動系の間を切断して両走行装置を独立駆動させるフリーモードとの間を切替可能な直進クラッチを導入し、両走行装置間の速度差をできるだけ小さくして優れた直進走行性を得る技術が知られている。
しかしながら、前記直進クラッチを入切操作すると、各走行駆動系間が急に切断または接続されて大きな伝動ショックが発生する場合や、更には、前述したような無段変速装置の性能差や圃場の表面状態の違い等が原因で、旋回開始時の両走行装置が適正速度から外れたり、直進開始時の両走行装置に速度差が発生したりして、作業車両が大きくふらついて操作フィーリングが著しく悪化する場合もあった。
そこで、このような、直進クラッチの入切時に受ける不具合をできるだけ軽減するため、ピストン部材を正逆作動させることでクラッチ入切可能な油圧式摩擦クラッチである直進クラッチを設け、該直進クラッチに備えた予圧手段により、前記ロックアップモードとフリーモード間のモード移行域において、直進クラッチを介して左右の走行駆動系を軽く連結する技術が公知となっている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3784350号公報
しかし、前記予圧手段は、ピストン部材をクラッチ入方向に一定圧で常時押圧するバネ等の押圧部材であって、しかも、該押圧部材の弾性力をピストン部材に有効に作用させるには、ピストン部材の両側を油圧によっては全く加圧しない状態を現出させることが前提となっている。
このため、長期間使用による材質劣化等によって押圧部材の弾性力が低下し、ピストン部材をクラッチ入方向に押し付ける押圧力が減少して前述のようにピストン部材の両側が油圧で加圧されないと、直進クラッチが、完全に接続された状態(以下、「入状態」とする)、完全に切断された状態(以下、「切状態」とする)のいずれにも移行可能な状態(以下、「自由移行状態」とする)となり、車両振動等によって直進クラッチが急に入切されて大きな伝動ショックを招く、という問題があった。
しかも、旋回時にフリーモードへ移行させようとクラッチ切方向に油圧をかける際には、押圧部材からクラッチ入方向に常時受ける弾性力に逆らってピストン部材に油圧をかける必要があり、フリーモードへの移行が遅れて旋回時の操作フィーリングが悪化したり、フリーモードへの移行に必要な作動油圧が高くなって装置寿命が早まる、という問題もあった。
更に、前記押圧部材の弾性力が一定値をとるため、フリーモードへ移行時には直進クラッチが急に切断されるという現象を完全には回避することができず、小さいながらも伝動ショックが必ず発生し、該伝動ショックは作業内容や圃場の表面状態によっては大きく感じられて操作フィーリングの悪化を招く場合がある、という問題もあった。
また、前記押圧部材は直進クラッチ内に組み込まれているため、作業内容や圃場の表面状態の違い等に応じてその弾性力を変更し伝動ショックをできるだけ軽減しようとしても、交換作業自体が難しく、また、交換せずに外部からの操作で対応しようとしても、そのためのリンク機構の構造が複雑となって部品コストの増加やメンテナンス性の低下を招く、という問題があった。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
すなわち、請求項1においては、無段変速装置によって各別に独立駆動可能な左右の走行装置を設けると共に、車両直進時に該左右の走行装置の各走行駆動系の間を一体的に接続して両走行装置を同期駆動させるロックアップモードと、車両旋回時に該各走行駆動系の間を切断して両走行装置を独立駆動させるフリーモードとの間を切替可能な直進クラッチを備えた作業車両の走行制御機構において、前記ロックアップモード時には直進クラッチが完全に接続される入状態に設定し、前記フリーモード時には直進クラッチが完全に切断される切状態に設定すると共に、前記入状態と切状態との間における状態のうちの少なくとも一状態であって常に途切れることなくクラッチ部材間に動力を伝達する半クラッチ状態を前記ロックアップモードとフリーモードとの間のモード移行域に現出させる漸次入切手段を、前記直進クラッチとは別体に設け、更に、前記半クラッチ状態には、徐々に接続または切断が進行して入状態または切状態に移行可能な漸次遷移域を有する制御構成としたものである。
請求項2においては、前記直進クラッチは、油圧式の摩擦クラッチとするものである。
請求項3においては、前記漸次入切手段は、作業車両の左右への旋回操作角が増加するに伴い、クラッチ圧をロックアップモードの圧力からフリーモードの略無圧まで多段階で減少させる制御パターンに従って、前記半クラッチ状態におけるクラッチ圧を制御するものである。
請求項4においては、前記制御パターンは、作業車両の左右への旋回操作角が増加するに伴い、クラッチ圧をロックアップモードの圧力から所定圧まで急速に減少させる第一減圧域と、引き続いてクラッチ圧を前記所定圧からフリーモードの略無圧まで徐々に減少させる第二減圧域とから成るものである。
請求項5においては、前記漸次入切手段は、作業車両の左右への旋回操作角が増加するに伴い、クラッチ圧をロックアップモードの圧力からフリーモードの略無圧まで徐々に減少させる単一減圧域から成る制御パターンに従って、前記半クラッチ状態におけるクラッチ圧を制御するものである。
請求項6においては、前記漸次入切手段は、摩擦クラッチへの作動油の供給を入切する方向切替弁と、該方向切替弁に送る作動油の油圧を制御する圧力制御弁とを有し、該圧力制御弁と前記方向切替弁の少なくとも一方に、摩擦クラッチに供給する作動油の圧力を増減可能な油圧制御構造を設けるものである。
請求項7においては、前記圧力制御弁は、圧力制御弁の一次側と方向切替弁の一次側を接続する一次側油路の油圧を比例制御可能な油圧制御構造を有する電磁比例リリーフ弁とし、前記方向切替弁は、前記一次側油路から、方向切替弁の二次側と摩擦クラッチの給油側を接続する二次側油路への作動油の流れの入切を電磁力で行う電磁切替弁、または該二次側油路への流れの入切を前記一次側油路に連通するパイロット油路からの圧油によって自動的に行う自動切替弁とするものである。
請求項8においては、前記圧力制御弁は、圧力制御弁の一次側と方向切替弁の一次側を接続する一次側油路の油圧を所定圧に設定可能な調圧弁とし、前記方向切替弁は、方向切替弁の二次側と摩擦クラッチの給油側を接続する二次側油路の油圧を比例制御可能な油圧制御構造を有する電磁比例減圧弁とするものである。
請求項9においては、前記圧力制御弁は、圧力制御弁の一次側と方向切替弁の一次側を接続する一次側油路の油圧を所定圧まで自動的に漸次制御可能な油圧制御構造を有するディレイリリーフ弁とし、前記方向切替弁は、前記一次側油路から、方向切替弁の二次側と摩擦クラッチの給油側を接続する二次側油路への作動油の流れの入切を電磁力で行う電磁切替弁、または該二次側油路への流れの入切を前記一次側油路に連通するパイロット油路からの圧油によって自動的に行う自動切替弁とするものである。
本発明は、以上のように構成したので、以下に示す効果を奏する。
すなわち、請求項1においては、無段変速装置によって各別に独立駆動可能な左右の走行装置を設けると共に、車両直進時に該左右の走行装置の各走行駆動系の間を一体的に接続して両走行装置を同期駆動させるロックアップモードと、車両旋回時に該各走行駆動系の間を切断して両走行装置を独立駆動させるフリーモードとの間を切替可能な直進クラッチを備えた作業車両の走行制御機構において、前記ロックアップモード時には直進クラッチが完全に接続される入状態に設定し、前記フリーモード時には直進クラッチが完全に切断される切状態に設定すると共に、前記入状態と切状態との間における状態のうちの少なくとも一状態であって常に途切れることなくクラッチ部材間に動力を伝達する半クラッチ状態を前記ロックアップモードとフリーモードとの間のモード移行域に現出させる漸次入切手段を、前記直進クラッチとは別体に設け、更に、前記半クラッチ状態には、徐々に接続または切断が進行して入状態または切状態に移行可能な漸次遷移域を有する制御構成としたので、直進クラッチを、入状態・半クラッチ状態・切状態のうちの少なくともいずれかの状態に必ず設定することができ、入状態・切状態のいずれにも移行可能な自由移行状態を確実になくして、該自由移行状態での直進クラッチの急な入切に起因する伝動ショックの発生を防止することができる。しかも、本発明に係わる半クラッチ状態では、直進クラッチのフリーモードへ移行を妨げる弾性力等が作用しないため、フリーモードへの移行の遅れをなくして旋回時の操作フィーリングを向上させると共に、油圧式の直進クラッチの場合には、フリーモードへの移行に必要な作動油圧の上昇を抑えて装置寿命を長くすることができる。更に、漸次入切手段により、半クラッチ状態内に漸次遷移域を設けたので、該漸次遷移域では、旋回操作角に略比例してクラッチ圧を徐々に低下または増加させることができ、旋回時の操作フィーリングを一層向上させることができる。また、漸次入切手段は直進クラッチとは別体に設けたので、該漸次入切手段を容易に交換したり、漸次入切手段を簡単なリンク機構で外部から操作することができ、半クラッチ状態を作業内容や圃場の表面状態の違い等に応じて適正なものに迅速かつ低コストで変更することができる。
請求項2においては、前記直進クラッチは、油圧式の摩擦クラッチとするので、直進クラッチを、左右の走行駆動系に連結した摩擦板を油圧で互いに押圧する簡単なクラッチ構造とし、この押圧力を油圧によって変化させることにより容易に様々な制御パターンの半クラッチ状態を現出させることができ、直進クラッチにかかる部品コストの低減、メンテナンス性の向上を図ることができる。
請求項3においては、前記漸次入切手段は、作業車両の左右への旋回操作角が増加するに伴い、クラッチ圧をロックアップモードの圧力からフリーモードの略無圧まで多段階で減少させる制御パターンに従って、前記半クラッチ状態におけるクラッチ圧を制御するので、ロックアップモードからフリーモードへのモード移行中の伝動ショックの程度や、該モード移行中の馬力ロス等を自在に調整することができ、作業内容や圃場の表面状態等に応じて適正な操作フィーリングが得られ、更に燃費低減も図ることができる。
請求項4においては、前記制御パターンは、作業車両の左右への旋回操作角が増加するに伴い、クラッチ圧をロックアップモードの圧力から所定圧まで急速に減少させる第一減圧域と、引き続いてクラッチ圧を前記所定圧からフリーモードの略無圧まで徐々に減少させる第二減圧域とから成るので、第一減圧域で旋回の開始直後にクラッチ圧の低い半クラッチ状態に移行させ、その後、漸次遷移域に相当する第二減圧域で旋回の進行に伴って徐々にクラッチ圧を低下させてフリーモードに完全に移行させることができ、モード移行開始時の伝動ショックをある程度和らげた上で、モード移行中の馬力ロスの低減、更には、モード移行終了時にフリーモードへ移行する際の伝動ショックをほとんど解消することができ、特に、良好な操作フィーリングが得られる。
請求項5においては、前記漸次入切手段は、作業車両の左右への旋回操作角が増加するに伴い、クラッチ圧をロックアップモードの圧力からフリーモードの略無圧まで徐々に減少させる単一減圧域から成る制御パターンに従って、前記半クラッチ状態におけるクラッチ圧を制御するので、ロックアップモードからフリーモードへのモード移行の全域に渡り、旋回操作角に略比例してクラッチ圧を低下させ、フリーモードに完全に移行させることができ、旋回時の操作フィーリングを一層向上させるのはもとより、簡単な制御構成によりモード移行開始時・終了時とも伝動ショックをほとんど解消することができる。
請求項6においては、前記漸次入切手段は、摩擦クラッチへの作動油の供給を入切する方向切替弁と、該方向切替弁に送る作動油の油圧を制御する圧力制御弁とを有し、該圧力制御弁と前記方向切替弁の少なくとも一方に、摩擦クラッチに供給する作動油の圧力を増減可能な油圧制御構造を設けるので、前記漸次入切手段には、特殊な装置ではなく、方向切替弁、圧力制御弁等から成る簡単な油圧回路部を用いることができ、装置コストの低減、メンテナンス性の向上を図ることができる。
請求項7においては、前記圧力制御弁は、圧力制御弁の一次側と方向切替弁の一次側を接続する一次側油路の油圧を比例制御可能な油圧制御構造を有する電磁比例リリーフ弁とし、前記方向切替弁は、前記一次側油路から、方向切替弁の二次側と摩擦クラッチの給油側を接続する二次側油路への作動油の流れの入切を電磁力で行う電磁切替弁、または該二次側油路への流れの入切を前記一次側油路に連通するパイロット油路からの圧油によって自動的に行う自動切替弁とするので、一次側油路を電磁的に可変リリーフすることによって一次側油路内の圧力を増減し、これに伴い、該一次側油路に方向切替弁を介して接続された二次側油路内の圧力も増減させ、該二次側油路を介して作動油を供給する摩擦クラッチを、クラッチ切方向に緩やかに移動させることができ、直進クラッチの急な入切に起因する伝動ショックの発生を防止することができる。更に、方向切替弁として電磁切替弁ではなく自動切替弁を用いる場合、該自動切替弁は、パイロット油路からの圧油によって作用位置が自動的に切り替わる構成であるため、電磁的に作用位置を切り替える電磁切替弁に比べて安価であり、部品コストを低減することができる。
請求項8においては、前記圧力制御弁は、圧力制御弁の一次側と方向切替弁の一次側を接続する一次側油路の油圧を所定圧に設定可能な調圧弁とし、前記方向切替弁は、方向切替弁の二次側と摩擦クラッチの給油側を接続する二次側油路の油圧を比例制御可能な油圧制御構造を有する電磁比例減圧弁とするので、一次側油路をリリーフすることによって一次側油路内の圧力を一定値に調圧し、該調圧した作動油は電磁比例減圧弁を介して二次側油路に入るが、該二次側油路内の圧力を電磁比例減圧弁によって電磁的に増減させ、前記二次側油路を介して作動油を供給する摩擦クラッチを、クラッチ切方向またはクラッチ入方向のいずれかに緩やかに移動させることができ、直進クラッチの急な入切に起因する伝動ショックの発生を防止することができる。更に、電磁比例リリーフ弁等と比べて低圧からの制御が可能であり、モード移行開始時・終了時のクラッチ圧をより細かく制御することができ、良好な操作フィーリングが得られる。
請求項9においては、前記圧力制御弁は、圧力制御弁の一次側と方向切替弁の一次側を接続する一次側油路の油圧を所定圧まで自動的に漸次制御可能な油圧制御構造を有するディレイリリーフ弁とし、前記方向切替弁は、前記一次側油路から、方向切替弁の二次側と摩擦クラッチの給油側を接続する二次側油路への作動油の流れの入切を電磁力で行う電磁切替弁、または該二次側油路への流れの入切を前記一次側油路に連通するパイロット油路からの圧油によって自動的に行う自動切替弁とするので、一次側油路を遅延的にリリーフすることによって一次側油路内の圧力を一定値まで徐々に昇圧し、これに伴い、該一次側油路に方向切替弁を介して接続された二次側油路内の圧力も昇圧させ、該二次側油路を介して作動油を供給する摩擦クラッチを、クラッチ切方向に緩やかに移動させることができ、直進クラッチの急な入切に起因する伝動ショックの発生を防止することができる。更に、方向切替弁として電磁切替弁ではなく自動切替弁を用いる場合、該自動切替弁は、パイロット油路からの圧油によって作用位置が自動的に切り替わる構成であるため、電磁的に作用位置を切り替える電磁切替弁に比べて安価であり、部品コストを低減することができる。
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明に係わる作業車両の全体構成を示す油圧回路図、図2はクラッチ入切動作部3Aの油圧回路図、図3はクラッチ入切動作部3Bの油圧回路図、図4はクラッチ入切動作部3Cの油圧回路図、図5は制御パターン63を示すクラッチ圧変化図、図6は制御パターン64を示すクラッチ圧変化図、図7は制御パターン65を示すクラッチ圧変化図、図8は従来のクラッチ入切動作部87の油圧回路図、図9は走行制御機構のブロック図である。
まず、本発明に係わるモアトラクタ、コンバイン等の作業車両1に用いるトランスミッションの全体構成について、図1により説明する。
該作業車両1には、駆動源を構成するエンジン4が搭載され、該エンジン4のエンジン出力軸18は、プーリ19等から成る動力伝達機構5を介して、ポンプケース20内の可変容積型の第一油圧ポンプ21と第二油圧ポンプ22の図示せぬポンプ軸に接続されており、前記エンジン4からの動力が、両油圧ポンプ21・22に同時に入力される構成となっている。
前記第一油圧ポンプ21と第二油圧ポンプ22は、可変容積型の第一油圧モータ23と第二油圧モータ24にそれぞれ流体接続され、第一無段変速装置27と第二無段変速装置28を形成している。このうちの第一油圧モータ23からのモータ出力軸11には、第一駆動輪15の車軸13が減速ギアを介して、又は直接連動連結されて第一走行装置6が形成され、第二油圧モータ24からのモータ出力軸12には、第二駆動輪16の車軸14が減速ギアを介して、又は直接連動連結されて第二走行装置7が構成されており、操向ハンドル8や図示せぬ主変速や副変速の変速操作具を操作することにより、該走行装置6・7を別々の無段変速装置27・28によって独立駆動させ、作業車両1が、前記一対の駆動輪15・16と図示せぬキャスタ輪等によって、直進走行または旋回を行えるようにしている。
そして、前記第一走行装置6の車軸13と第二走行装置7の車軸14との間には、本発明に係わる直進クラッチ10が介設され、該直進クラッチ10は、クラッチリンク17aを介して車軸13に、クラッチリンク17bを介して車軸14に、それぞれ連動連結されており、直進クラッチ10の入切により、車軸13・14間の接続を断接できるようにしている。なお、前記一対の駆動輪15・16とキャスタ輪等の間には、ミッドマウント型の図示せぬモアが設けられており、該モアは、前記エンジン出力軸18やモータ出力軸11・12等からの動力によって駆動される。
次に、作業車両1の走行制御機構2について、図1、図9により説明する。
該走行制御機構2は、前記第一無段変速装置27、第二無段変速装置28、直進クラッチ10、及び該直進クラッチ10の入切動作を制御するクラッチ入切動作部3等から構成される。
このうちの第一無段変速装置27においては、前記第一油圧ポンプ21と第一油圧モータ23との間は、油路25a・25bから成るメイン油路25によって接続され、該メイン油路25と前記第一油圧ポンプ21・第一油圧モータ23によって閉回路が形成されている。同様に、第二無段変速装置28においても、前記第二油圧ポンプ22と第二油圧モータ24との間は、油路26a・26bから成るメイン油路26によって接続され、該メイン油路26と前記第二油圧ポンプ22・第二油圧モータ24によって閉回路が形成されている。
このような構成において、第一油圧ポンプ21における傾角可変の可動斜板21aの傾角を変更することによって、第一油圧ポンプ21から第一油圧モータ23への圧油の吐出方向と吐出量を変化させる一方、可動斜板21aは図示せぬペダルやレバー等の主変速操作具に連動連係されており、作業者がこの主変速操作具を操作して第一油圧ポンプ21の圧油の吐出方向と吐出量を設定し、それに基づいて第一駆動輪15の回転方向及び回転速度が設定される。同様に、主変速操作具を操作して第二油圧ポンプ22の可動斜板22aの傾角を変更して、第二油圧ポンプ22の圧油の吐出方向と吐出量を設定し、それに基づいて第二駆動輪16の回転方向及び回転速度が設定される。
更に、前記ポンプケース20内には、変速用補助ポンプ29が搭載されており、該変速用補助ポンプ29の吸入ポートは、油路33からフィルタ34を介して油溜まり35に連通されており、該油溜まり35から変速用補助ポンプ29に作動油が供給されるようにしている。そして、変速用補助ポンプ29の吐出ポートに連通する油路36は、油路37と油路38とに分岐する。
このうちの油路38は、副変速用電磁弁42を介して油路40に接続され、該油路40は、第一油圧シリンダ31の油室31aと第二油圧シリンダ32の油室32aに連通されており、前記油路36からの圧油を油室31a・32aに給排することによってピストン31b・32bが移動し、バネ31c・32cを介して、第一油圧モータ23の可動斜板23aと第二油圧モータ24の可動斜板24aの傾角が変更されるようにしている。更に、前記副変速用電磁弁42は、変速制御等を行うコントローラ91に接続され、該コントローラ91には、ペダルやレバー等の図示せぬ副変速操作具により設定した副変速段を検出可能な副変速センサ90が接続されている。これにより、副変速時に副変速操作具を操作すると、前記副変速センサ90からの副変速信号がコントローラ91に送信され、該コントローラ91は、前記副変速信号に対応する方向切替信号を副変速用電磁弁42に送信して切替操作を行い、変速用補助ポンプ29によって油溜まり35から油路33・油路36・油路38・副変速用電磁弁42・油路40を介して送られてきた圧油を、両油圧シリンダ31・32に供給して動作させ、両可動斜板23a・24aの傾角を同時に変更し、第二油圧ポンプ22の圧油の吐出方向と吐出量を変えて副変速できるようにしている。
前記油路37については、バイパス用電磁弁41を介して油路39に接続され、該油路39は、油路43と油路44に分岐し、それぞれバイパス部45内のバイパス弁46とバイパス弁47に接続されている。このうちのバイパス弁46の給排ポートは、バイパス油路48・48を介して、前記第一無段変速装置27の油路25aと第二無段変速装置28の油路26bに連通され、同様に、バイパス弁47の給排ポートは、バイパス油路49・49を介して、前記第一無段変速装置27の油路25bと第二無段変速装置28の油路26aに連通されている。更に、前記バイパス用電磁弁41は、前記コントローラ91に接続され、該コントローラ91には、レバー等の図示せぬパイパス操作具によるバイパス操作を検出可能なバイパスセンサ92が接続されている。これにより、作業車両1を牽引する際、又はロックアップ時等に、パイパス操作具を操作すると、前記バイパスセンサ92からのバイパス信号がコントローラ91に送信され、該コントローラ91は、前記バイパス信号に対応する方向切替信号をバイパス用電磁弁41に送信して切替操作を行い、変速用補助ポンプ29からの圧油を油路39・油路43または油路44を介してバイパス弁46・47に供給して、バイパス弁46・47を開位置に設定することにより、バイパス油路48・49を介して前記閉回路の高圧側と低圧側とを連通させ、両油圧モータ23・24の回転同期が得られるようにしている。
また、前記直進クラッチ10においては、一方のクラッチリンク17aに回転支持金物51が固設され、該回転支持金物51の外周には複数枚の摩擦エレメントを介してクラッチハウジング53が覆設されると共に、該クラッチハウジング53は他方のクラッチリンク17bに固設されている。更に、回転支持金物51に対向するようにして付勢バネ52付きのピストン50が配設され、通常は、該ピストン50が付勢バネ52の付勢力によって回転支持金物51側に押圧されており、前記摩擦エレメント間を押圧係合して前記回転支持金物51とクラッチハウジング53間を接続し、直進クラッチ10を入状態に設定して、クラッチリンク17a・17b間を一体的に接続して両走行装置6・7を同期駆動させるようにしている。
そして、この直進クラッチ10は、油圧作動型に構成されており、油路56から、直進クラッチ10と別体に設けたクラッチ入切動作部3を介して油路55に接続され、該油路55はクラッチ用補助ポンプ30の吐出ポートに連通され、更に、該クラッチ用補助ポンプ30の吸入ポートは、油路54からフィルタ57を介して油溜まり35に連通されている。これにより、前記油溜まり35からの作動油は、クラッチ用補助ポンプ30に供給された後、圧油として、油路55から、クラッチ入切動作部3、油路56を通って直進クラッチ10内の図示せぬシリンダ室内に供給され、前記ピストン50を回転支持金物51から離間して摩擦エレメント間の係合を解き、直進クラッチ10を切状態に変更して、クラッチリンク17a・17b間を切断して両走行装置6・7を独立駆動させるようにしている。
なお、前記クラッチ用補助ポンプ30は、前記エンジン出力軸18からエンジン4を挟んで反対方向に延出されたポンプ駆動軸59に接続されており、エンジン4からの動力によってクラッチ用補助ポンプ30が駆動される構成となっている。
次に、前記直進クラッチ10のクラッチ入切制御とその制御パターンについて、図1、図5乃至図7、図9により説明する。
図1に示すように、前記操向ハンドル8が、パワーステアリングシリンダ60等を介して、前記駆動輪15・16の図示せぬ支持ユニットに連結され、駆動輪15・16を旋回操作できるようにすると共に、操向ハンドル8は、枢支されたハンドルコラム9の頂部に固着され、該ハンドルコラム9にはハンドルポジションセンサ61が取り付けられている。一方、前記直進クラッチ10には、前記摩擦エレメント間の圧力(以下、「クラッチ圧」とする)を検知するクラッチ圧センサ62が付設されている。これらハンドルポジションセンサ61・クラッチ圧センサ62は、いずれも前記コントローラ91に接続されており、該コントローラ91は、操向ハンドル8の左右への回転角度(以下、「旋回操作角」とする)に比例した旋回信号を前記ハンドルポジションセンサ61から受信すると共に、クラッチ圧に比例した圧力信号を前記クラッチ圧センサ62から受信するようにしている。
更に、該コントローラ91は、後述するクラッチ入切動作部3の各電磁弁にも接続されており、受信した旋回信号から求めた旋回操作角に対応した目標クラッチ圧を、コントローラ91に備えた記憶装置93に記憶された制御パターンから求め、受信した圧力信号から求めた実クラッチ圧が前記目標クラッチ圧に達するように、前記各電磁弁に制御信号を送信して弁開度等を調節するのである。このようにして、クラッチ入切動作部3から直進クラッチ10に送られた作動油により、ピストン50を介して摩擦エレメントに作用する押圧力を減少させ、半クラッチ状態を現出させることができるのである。
このようなクラッチ入切制御における各種制御パターンについて説明する。
図5に示す制御パターン63について説明する。直進走行中に前記操向ハンドル8を回転操作すると、旋回操作角θがαまでは、いわゆる操向ハンドル8の遊び角の範囲であり、直進走行時のロックアップモードにあって、クラッチ圧Pは、直進クラッチ10の摩擦エレメント間が完全に係合して全く滑らない場合のクラッチ圧Pm(以下、「係合圧」とする)に設定され、直進クラッチ10が「入状態」となっている。
そして、操向ハンドル8を回転操作して旋回操作角θが遊び角αを超えると、前記コントローラ91からクラッチ入切動作部3の後述する各電磁弁に制御信号が送信されてロックアップモードからフリーモードへの移行が開始され、クラッチ圧Pが係合圧Pmよりも減少して直進クラッチ10が「半クラッチ状態」にあるモード移行域に移る。このモード移行域での制御パターン63は、旋回操作角θが遊び角αから旋回操作角A0に増加するに従ってクラッチ圧Pが係合圧Pmから所定圧Paまで急速に減少する第一減圧域67aと、引き続いて、旋回操作角θが旋回操作角A0から旋回操作角A1に増加するに従ってクラッチ圧Pが所定圧Pmから略無圧まで徐々に比例減少する第二減圧域67bとから成る。
更に、操向ハンドル8を回転操作して旋回操作角θが旋回操作角A1を超えると、フリーモードへの移行が完了し、クラッチ圧Pが略無圧に設定されて直進クラッチ10が「切状態」となる。そして、この切状態は、旋回操作角A1から、操向ハンドル8の回動設定限界である限界操作角A2まで継続される。
すなわち、無段変速装置27・28によって各別に独立駆動可能な左右の走行装置6・7を設けると共に、車両直進時に該左右の走行装置6・7の車軸13・14等の各走行駆動系の間を一体的に接続して両走行装置6・7を同期駆動させるロックアップモードと、車両旋回時に該各走行駆動系の間を切断して両走行装置6・7を独立駆動させるフリーモードとの間を切替可能な直進クラッチ10を備えた作業車両1の走行制御機構2において、前記ロックアップモード時には直進クラッチ10が完全に接続される入状態に設定し、前記フリーモード時には直進クラッチ10が完全に切断される切状態に設定すると共に、前記入状態と切状態との間における状態のうちの少なくとも一状態であって常に途切れることなくクラッチ部材である回転支持金物51とクラッチハウジング53間に動力を伝達する半クラッチ状態を前記ロックアップモードとフリーモードとの間のモード移行域に現出させる漸次入切手段であるクラッチ入切動作部3を、前記直進クラッチ10とは別体に設け、更に、前記半クラッチ状態には、徐々に接続または切断が進行して入状態または切状態に移行可能な漸次遷移域である第二減圧域67bを有する制御構成としたので、直進クラッチ10を、入状態・半クラッチ状態・切状態のうちの少なくともいずれかの状態に必ず設定することができ、入状態・切状態のいずれにも移行可能な自由移行状態を確実になくして、該自由移行状態での直進クラッチの急な入切に起因する伝動ショックの発生を防止することができる。しかも、本発明に係わる半クラッチ状態では、直進クラッチ10のフリーモードへ移行を妨げる弾性力等が作用しないため、フリーモードへの移行の遅れをなくして旋回時の操作フィーリングを向上させると共に、本実施例の如き油圧式の直進クラッチ10の場合には、フリーモードへの移行に必要な作動油圧の上昇を抑えて装置寿命を長くすることができる。更に、漸次入切手段であるクラッチ入切動作部3により、半クラッチ状態内に漸次遷移域である第二減圧域67bを設けたので、該第二減圧域67bでは、旋回操作角θに略比例してクラッチ圧Pを徐々に低下または増加させることができ、旋回時の操作フィーリングを一層向上させることができる。また、クラッチ入切動作部3は直進クラッチ10とは別体に設けたので、該クラッチ入切動作部3を容易に交換したり、クラッチ入切動作部3を簡単なリンク機構で外部から操作することができ、半クラッチ状態を作業内容や圃場の表面状態の違い等に応じて適正なものに迅速かつ低コストで変更することができる。
更に、前記直進クラッチ10は、油圧式の摩擦クラッチとするので、直進クラッチ10を、左右の車軸13・14等の走行駆動系に連結した摩擦板である摩擦エレメントを油圧で互いに押圧する簡単なクラッチ構造とし、この押圧力を油圧によって変化させることにより容易に様々な制御パターンの半クラッチ状態を現出させることができ、直進クラッチ10にかかる部品コストの低減、メンテナンス性の向上を図ることができる。
しかも、前記制御パターン63は、作業車両1の左右への旋回操作角θが増加するに伴い、クラッチ圧Pをロックアップモードの圧力である係合圧Pmから所定圧Paまで急速に減少させる第一減圧域67aと、引き続いてクラッチ圧Pを前記所定圧Paからフリーモードの略無圧まで徐々に減少させる第二減圧域67bとから成るので、第一減圧域67aで旋回の開始直後にクラッチ圧Pの低い半クラッチ状態に移行させ、その後、漸次遷移域に相当する第二減圧域67bで旋回の進行に伴って徐々にクラッチ圧Pを低下させてフリーモードに完全に移行させることができ、モード移行開始時の伝動ショックをある程度和らげた上で、モード移行中の馬力ロスの低減、更には、モード移行終了時にフリーモードへ移行する際の伝動ショックをほとんど解消することができ、特に、良好な操作フィーリングが得られる。
また、図6に示す制御パターン64は、減圧段数が前記制御パターン63の2段よりも多い3段であり、しかも、第一減圧域88a・第二減圧域88b・第三減圧域88cのいずれも、前記制御パターン63の第一減圧域67aとは異なり、クラッチ圧Pを急速には減少させないようにしている。つまり、旋回操作角θが遊び角αから旋回操作角B1、B2、A1と増加するに伴い、クラッチ圧Pは係合圧Pmから所定圧Pb、Pc、略無圧と徐々に減圧されていく。このため、制御パターン64は前記制御パターン63に比べて半クラッチ状態への移行には時間がかかるが、モード移行開始時・終了時の伝動ショックの解消や、旋回操作角θに略比例したクラッチ圧Pの変化に起因する操作フィーリング向上の点からは好ましい。
以上の制御パターン63・64のように、半クラッチ状態を複数段で変化させると、様々な旋回特性を得ることができるのである。すなわち、漸次入切手段であるクラッチ入切動作部3は、作業車両1の左右への旋回操作角θが増加するに伴い、クラッチ圧Pをロックアップモードの圧力である係合圧Pmからフリーモードの略無圧まで多段階で減少させる制御パターン63・64に従って、前記半クラッチ状態におけるクラッチ圧Pを制御するので、ロックアップモードからフリーモードへのモード移行中の伝動ショックの程度や、該モード移行中の馬力ロス等を自在に調整することができ、作業内容や圃場の表面状態等に応じて適正な操作フィーリングが得られ、更に燃費低減も図ることができる。
また、図7に示す制御パターン65は、減圧段数を一段としたものであり、旋回操作角θが遊び角αを超えた減圧域89では、略一定の減圧速度で係合圧Pmから略無圧まで減少していくものであり、モード移行開始時・終了時の伝動ショックの解消や、旋回操作角θに略比例したクラッチ圧Pの変化に起因する操作フィーリング向上の面から好ましいことに加え、コントローラ91による制御が比較的容易といえる。
すなわち、前記漸次入切手段であるクラッチ入切動作部3は、作業車両1の左右への旋回操作角θが増加するに伴い、クラッチ圧Pをロックアップモードの圧力である係合圧Pmからフリーモードの略無圧まで徐々に減少させる単一減圧域から成る制御パターン65に従って、前記半クラッチ状態におけるクラッチ圧Pを制御するので、ロックアップモードからフリーモードへのモード移行の全域に渡り、旋回操作角θに略比例してクラッチ圧Pを低下させ、フリーモードに完全に移行させることができ、旋回時の操作フィーリングを一層向上させるのはもとより、簡単な制御構成によりモード移行開始時・終了時とも伝動ショックをほとんど解消することができる。
なお、以上述べた半クラッチ状態における制御パターン63・64・65は、減圧線69・70・71のように直線的に変化するものであっても、減圧線72・73・74のように曲線的に変化するものであってもよく、良好な旋回特性が得られる制御パターンであれば特には限定されない。また、本実施例では、直進走行中に旋回していく場合について説明したが、旋回した後に直進走行に戻す場合についても、前述した制御パターン63・64・65と同じパターンに従うようにしてもよい。つまり、直進クラッチ10が切状態にあるフリーモードにおいて旋回操作角θを減少させていき、旋回操作角A1よりも小さくなると、直進クラッチ10が半クラッチ状態にあるモード移行域に移り、前述した制御パターン63・64・65と同じパターンに従ってクラッチ圧Pを増加させ、遊び角αに達すると直進クラッチ10が入状態にあるロックアップモードに移行するのである。
次に、このようなクラッチ入切制御を行うクラッチ入切動作部3の具体的構成について、図2乃至図4、図8、図9により説明する。
図2に示すクラッチ入切動作部3Aにおいては、前記クラッチ用補助ポンプ30に接続された油路55には、直進クラッチ10の作動圧を調節する電磁比例リリーフ弁75が接続され、該電磁比例リリーフ弁75の一次側には、直進クラッチ切替弁76のポンプポートP1が接続されている。
該直進クラッチ切替弁76は、4ポート2位置切替タイプの電磁弁であって、該直進クラッチ切替弁76は前記コントローラ91に接続されており、該コントローラ91からの制御信号によって作用位置Iまたは作用位置IIに変更される。更に、該直進クラッチ切替弁76の出力ポートC1・C2には、それぞれ油路56・77が接続され、このうちの油路56は、直進クラッチ10の図示せぬシリンダ室に連通され、油路77は、電磁比例リリーフ弁75の二次側に接続された油路78の途中部に連通されている。
前記電磁比例リリーフ弁75も前記コントローラ91に接続されており、コントローラ91からの制御信号によってリリーフ圧が変更され、前記直進クラッチ切替弁76のポンプポートP1に供給される作動油の油圧を調節することができる。更に、電磁比例リリーフ弁75の二次側に接続された前記油路78は、直進クラッチ10等の各潤滑部位に連通されており、該潤滑部位に、電磁比例リリーフ弁75からのリリーフ油や直進クラッチ切替弁76からの作動油を、潤滑油として送油するようにしている。
このような構成において、直進クラッチ10が入状態にあるロックアップモードでは、コントローラ91からの制御信号によって、直進クラッチ切替弁76のソレノイド76aが励磁されず、図2に示すように直進クラッチ切替弁76が作用位置IIに設定されたままであり、クラッチ用補助ポンプ30からの作動油は、出力ポートC2から油路77、油路78を介して、電磁比例リリーフ弁75からのリリーフ油と一緒に各潤滑部位へ潤滑油として送油されると共に、直進クラッチ10の図示せぬシリンダ室内の余分な作動油は、油路56から出力ポートC1、ドレンポートD1、油路79を介して油溜まり35に排出される。
旋回操作角θが増加して遊び角αに達すると、コントローラ91からの制御信号によって、前記ソレノイド76aが励磁されて直進クラッチ切替弁76が作用位置IIから作用位置Iに切り替わると共に、電磁比例リリーフ弁75のソレノイド75aも励磁されていき電磁比例リリーフ弁75のリリーフ圧が徐々に上昇していく。これにより、電磁比例リリーフ弁75によって昇圧する作動油が、ポンプポートP1に供給され、出力ポートC1から油路56を介して直進クラッチ10に送油され、直進クラッチ10のクラッチ圧Pが減少して前記半クラッチ状態が現出される。この際、ドレンポートD1、出力ポートC2はいずれも閉塞されている。
更に、旋回操作角θが増加してA1に達すると、直進クラッチ10に送油される作動油が高圧となって、付勢バネ52の付勢力に抗してピストン50が完全に離間され、クラッチ圧Pが略無圧となり、直進クラッチ10が切状態にあるフリーモードに完全に移行するのである。
なお、前記直進クラッチ切替弁76のような電磁タイプの代わりに、パイロット油路80aを有する手動タイプの直進クラッチ切替弁80を用いることもできる。この場合、該パイロット油路80aは、電磁比例リリーフ弁75の一次側と、直進クラッチ切替弁80のスプールを摺動させる油室側とを連通しており、電磁比例リリーフ弁75によってリリーフ圧が昇圧し、遊び角αに対応する所定圧を超えると、直進クラッチ切替弁80のスプールが摺動されて作用位置IIから作用位置Iに自動的に切り替わる構成となっている。
すなわち、前記漸次入切手段であるクラッチ入切動作部3は、摩擦クラッチである直進クラッチ10への作動油の供給を入切する方向切替弁である直進クラッチ切替弁80と、該直進クラッチ切替弁80に送る作動油の油圧を制御する圧力制御弁である電磁比例リリーフ弁75とを有し、該電磁比例リリーフ弁75と前記直進クラッチ切替弁80の少なくとも一方、本実施例では電磁比例リリーフ弁75に、直進クラッチ10に供給する作動油の圧力を増減可能な油圧制御構造である比例リリーフ構造を設けるので、前記クラッチ入切動作部3には、特殊な装置ではなく、方向切替弁、圧力制御弁等から成る簡単な油圧回路部を用いることができ、装置コストの低減、メンテナンス性の向上を図ることができる。
更に、前記圧力制御弁は、圧力制御弁の一次側と方向切替弁の一次側を接続する一次側油路である油路55の油圧を比例制御可能な油圧制御構造を有する電磁比例リリーフ弁75とし、前記方向切替弁は、前記油路55から、方向切替弁の二次側と摩擦クラッチである直進クラッチ10の給油側を接続する二次側油路である油路56への作動油の流れの入切を電磁力で行う電磁切替弁である直進クラッチ切替弁76、または該油路56への流れの入切を前記油路55に連通するパイロット油路80aからの圧油によって自動的に行う自動切替弁である直進クラッチ切替弁80とするので、油路55を電磁的に可変リリーフすることによって油路55内の圧力を増減し、これに伴い、該油路55に直進クラッチ切替弁76を介して接続された油路56内の圧力も増減させ、該油路56を介して作動油を供給する直進クラッチ10を、クラッチ切方向に緩やかに移動させることができ、直進クラッチ10の急な入切に起因する伝動ショックの発生を防止することができる。更に、方向切替弁として直進クラッチ切替弁76ではなく直進クラッチ切替弁80を用いる場合、該直進クラッチ切替弁80は、パイロット油路80aからの圧油によって作用位置が自動的に切り替わる構成であるため、電磁的に作用位置を切り替える直進クラッチ切替弁76に比べて安価であり、部品コストを低減することができる。
また、図3に示すクラッチ入切動作部3Bにおいては、前記クラッチ用補助ポンプ30に接続された油路55には、該油路55内の油圧を所定のリリーフ圧に調圧する通常のリリーフ弁81が接続され、該リリーフ弁81の一次側には、直進クラッチ10の作動圧を調節する電磁比例減圧弁82のポンプポートP2が接続されている。
該電磁比例減圧弁82は前記コントローラ91に接続されており、該コントローラ91からの制御信号によって、ポンプポートP2から出力ポートC3を介して油路56に流れる流量が変更され、直進クラッチ10に供給される作動油の油圧が調節される。なお、電磁比例減圧弁82のドレンポートD2は、前記油路77を介して油路78に連通されており、直進クラッチ10からの余った作動油を潤滑油として各潤滑部位に送油するようにしている。
このような構成において、ロックアップモードでは、図3に示すように電磁比例減圧弁82の出力ポートC3とドレンポートD2が連通され、クラッチ用補助ポンプ30からの作動油が遮断されていると共に、直進クラッチ10の余分な作動油が、油路56から油路77、油路78を介して、リリーフ弁81からのリリーフ油と一緒に各潤滑部位へ潤滑油として送油されている。
旋回操作角θが増加して遊び角αに達すると、コントローラ91からの制御信号によって、電磁比例減圧弁82のソレノイド82aが励磁されて徐々に電磁比例減圧弁82の出力ポートC3とポンプポートP2が連通されていく。これにより、リリーフ弁81で調圧された作動油が電磁比例減圧弁82によって昇圧された後に、油路56を介して直進クラッチ10に送油され、そのクラッチ圧Pが減少して前記半クラッチ状態が現出される。更に、旋回操作角θが増加してA1に達すると、直進クラッチ10に送油される作動油が高圧となって、付勢バネ52の付勢力に抗してピストン50が完全に離間され、クラッチ圧Pが略無圧となり、直進クラッチ10が切状態にあるフリーモードに完全に移行する。
すなわち、前記圧力制御弁は、圧力制御弁の一次側と方向切替弁の一次側を接続する一次側油路である油路55の油圧を所定圧に設定可能な調圧弁であるリリーフ弁81とし、前記方向切替弁は、方向切替弁の二次側と摩擦クラッチである直進クラッチ10の給油側を接続する二次側油路である油路56の油圧を比例制御可能な油圧制御構造を有する電磁比例減圧弁82とするので、油路55をリリーフすることによって油路55内の圧力を一定値に調圧し、該調圧した作動油は電磁比例減圧弁82を介して油路56に入るが、該油路56内の圧力を電磁比例減圧弁82によって電磁的に増減させ、前記油路56を介して作動油を供給する直進クラッチ10を、クラッチ切方向またはクラッチ入方向のいずれかに緩やかに移動させることができ、直進クラッチ10の急な入切に起因する伝動ショックの発生を防止することができる。更に、電磁比例リリーフ弁75等と比べて低圧からの制御が可能であり、モード移行開始時・終了時のクラッチ圧Pをより細かく制御することができ、良好な操作フィーリングが得られる。
また、図4に示すクラッチ入切動作部3Cにおいては、前記クラッチ用補助ポンプ30に接続された油路55には、直進クラッチ10の作動圧を緩やかに所定リリーフ圧まで調節するディレイリリーフ弁83が接続され、該ディレイリリーフ弁83の一次側には、前記直進クラッチ切替弁76のポンプポートP1が接続されている。
該直進クラッチ切替弁76については、前述の如く、4ポート2位置切替タイプの電磁弁であって、該直進クラッチ切替弁76は前記コントローラ91に接続されており、コントローラ91からの制御信号によって作用位置Iまたは作用位置IIに変更される。更に、該直進クラッチ切替弁76の出力ポートC1・C2には、それぞれ油路56・77が接続され、このうちの油路56は、直進クラッチ10の図示せぬシリンダ室に連通され、油路77は、ディレイリリーフ弁83の二次側に接続された油路78の途中部に連通されている。
前記ディレイリリーフ弁83の油室84は、途中に絞り85を有する油路86を介して、前記油路56に連通されており、作用位置Iにて油路56を通って直進クラッチ10に作動油が供給される場合には、ディレイリリーフ弁83の一次側の作動油の油圧を所定リリーフ圧まで徐々に昇圧することができ、これにより、前記直進クラッチ切替弁76のポンプポートP1に供給される作動油の油圧を調節することができる。更に、ディレイリリーフ弁83の二次側に接続された油路78は、直進クラッチ10等の各潤滑部位に連通されており、該潤滑部位に、ディレイリリーフ弁83からのリリーフ油や直進クラッチ切替弁76からの作動油を潤滑油として送油するようにしている。
このような構成において、クラッチ入切動作部3Aの場合と同様に、直進クラッチ10が入状態にあるロックアップモードでは、コントローラ91からの制御信号によって、ソレノイド76aが励磁されず、図4に示すように直進クラッチ切替弁76が作用位置IIに設定されたままであり、クラッチ用補助ポンプ30からの作動油は、出力ポートC2から油路77、油路78を介して、ディレイリリーフ弁83からのリリーフ油と一緒に各潤滑部位へ潤滑油として送油されると共に、直進クラッチ10の余分な作動油は、油路56から出力ポートC1、ドレンポートD1、油路79を介して油溜まり35に排出される。
旋回操作角θが増加して遊び角αに達すると、コントローラ91からの制御信号によって、前記ソレノイド76aが励磁されて直進クラッチ切替弁76が作用位置IIから作用位置Iに切り替わる。すると、ディレイリリーフ弁83によって徐々に昇圧する作動油が、ポンプポートP1に供給され、出力ポートC1から油路56を介して直進クラッチ10に送油され、直進クラッチ10のクラッチ圧Pが減少して前記半クラッチ状態が現出される。この際、ドレンポートD1、出力ポートC2はいずれも閉塞されている。
更に、旋回操作角θが増加してA1に達すると、直進クラッチ10に送油される作動油が高圧となって、付勢バネ52の付勢力に抗してピストン50が完全に離間され、クラッチ圧Pが略無圧となり、直進クラッチ10が切状態にあるフリーモードに完全に移行するのである。なお、クラッチ入切動作部3Aの場合と同様に、前記直進クラッチ切替弁76のような電磁タイプの代わりに、パイロット油路80aを有する手動タイプの直進クラッチ切替弁80を用いることもできる。
すなわち、前記圧力制御弁は、圧力制御弁の一次側と方向切替弁の一次側を接続する一次側油路である油路55の油圧を所定圧まで自動的に漸次制御可能な油圧制御構造を有するディレイリリーフ弁83とし、前記方向切替弁は、前記油路55から、方向切替弁の二次側と摩擦クラッチである直進クラッチ10の給油側を接続する二次側油路である油路56への作動油の流れの入切を電磁力で行う電磁切替弁である直進クラッチ切替弁76、または該油路56への流れの入切を前記油路55に連通するパイロット油路80aからの圧油によって自動的に行う自動切替弁である直進クラッチ切替弁80とするので、油路55を遅延的にリリーフすることによって油路55内の圧力を一定値まで徐々に昇圧し、これに伴い、該油路55に直進クラッチ切替弁76を介して接続された油路56内の圧力も昇圧させ、該油路56を介して作動油を供給する直進クラッチ10を、クラッチ切方向に緩やかに移動させることができ、直進クラッチ10の急な入切に起因する伝動ショックの発生を防止することができる。更に、方向切替弁として直進クラッチ切替弁76ではなく直進クラッチ切替弁80を用いる場合、該直進クラッチ切替弁80は、パイロット油路80aからの圧油によって作用位置が自動的に切り替わる構成であるため、電磁的に作用位置を切り替える直進クラッチ切替弁76に比べて安価であり、部品コストを低減することができる。
なお、図8には通常のクラッチ入切動作部87を示すが、該クラッチ入切動作部87においては、圧力制御弁は通常の調圧弁であるリリーフ弁83、方向切替弁は直進クラッチ切替弁76であり、いずれにも、直進クラッチ10に供給する作動油の圧力を増減可能な油圧制御構造が備えられていない。そのため、一次側油路である油路55内で所定リリーフ圧に調圧された高圧の作動油は、直進クラッチ切替弁76が作用位置IIから作用位置Iに切り替わると、そのまま油路56を介して直進クラッチ10に送油され、該直進クラッチ10は急に切断されて大きな伝動ショックが発生する。
本発明は、無段変速装置によって各別に独立駆動可能な左右の走行装置を設けると共に、車両直進時に該左右の走行装置の各走行駆動系の間を一体的に接続して両走行装置を同期駆動させるロックアップモードと、車両旋回時に該各走行駆動系の間を切断して両走行装置を独立駆動させるフリーモードとの間を切替可能な直進クラッチを備えた全ての作業車両、例えば、前述したモアトラクタ等のトラクタやコンバイン等の走行制御機構にも適用することができる。
本発明に係わる作業車両の全体構成を示す油圧回路図である。 クラッチ入切動作部3Aの油圧回路図である。 クラッチ入切動作部3Bの油圧回路図である。 クラッチ入切動作部3Cの油圧回路図である。 制御パターン63を示すクラッチ圧変化図である。 制御パターン64を示すクラッチ圧変化図である。 制御パターン65を示すクラッチ圧変化図である。 従来のクラッチ入切動作部87の油圧回路図である。 走行制御機構のブロック図である。
符号の説明
1 作業車両
2 走行制御機構
3 漸次入切手段
6・7 走行装置
10 直進クラッチ
13・14 車軸
27・28 無段変速装置
51・53 クラッチ部材
55 一次側油路
56 二次側油路
63・64・65 制御パターン
67a 第一減圧域
67b 第二減圧域
67b・88a・88b・88c・89 漸次遷移域
75 電磁比例リリーフ弁
75・81・83 圧力制御弁
76 電磁切替弁
76・80・82 方向切替弁
80 自動切替弁
80a パイロット油路
81 調圧弁
82 電磁比例減圧弁
83 ディレイリリーフ弁
P クラッチ圧
Pa 所定圧
Pm アップモードの圧力
θ 旋回操作角

Claims (9)

  1. 無段変速装置によって各別に独立駆動可能な左右の走行装置を設けると共に、車両直進時に該左右の走行装置の各走行駆動系の間を一体的に接続して両走行装置を同期駆動させるロックアップモードと、車両旋回時に該各走行駆動系の間を切断して両走行装置を独立駆動させるフリーモードとの間を切替可能な直進クラッチを備えた作業車両の走行制御機構において、前記ロックアップモード時には直進クラッチが完全に接続される入状態に設定し、前記フリーモード時には直進クラッチが完全に切断される切状態に設定すると共に、前記入状態と切状態との間における状態のうちの少なくとも一状態であって常に途切れることなくクラッチ部材間に動力を伝達する半クラッチ状態を前記ロックアップモードとフリーモードとの間のモード移行域に現出させる漸次入切手段を、前記直進クラッチとは別体に設け、更に、前記半クラッチ状態には、徐々に接続または切断が進行して入状態または切状態に移行可能な漸次遷移域を有する制御構成としたことを特徴とする作業車両の走行制御機構。
  2. 前記直進クラッチは、油圧式の摩擦クラッチとすることを特徴とする請求項1記載の作業車両の走行制御機構。
  3. 前記漸次入切手段は、作業車両の左右への旋回操作角が増加するに伴い、クラッチ圧をロックアップモードの圧力からフリーモードの略無圧まで多段階で減少させる制御パターンに従って、前記半クラッチ状態におけるクラッチ圧を制御することを特徴とする請求項2記載の作業車両の走行制御機構。
  4. 前記制御パターンは、作業車両の左右への旋回操作角が増加するに伴い、クラッチ圧をロックアップモードの圧力から所定圧まで急速に減少させる第一減圧域と、引き続いてクラッチ圧を前記所定圧からフリーモードの略無圧まで徐々に減少させる第二減圧域とから成ることを特徴とする請求項3記載の作業車両の走行制御機構。
  5. 前記漸次入切手段は、作業車両の左右への旋回操作角が増加するに伴い、クラッチ圧をロックアップモードの圧力からフリーモードの略無圧まで徐々に減少させる単一減圧域から成る制御パターンに従って、前記半クラッチ状態におけるクラッチ圧を制御することを特徴とする請求項2記載の作業車両の走行制御機構。
  6. 前記漸次入切手段は、摩擦クラッチへの作動油の供給を入切する方向切替弁と、該方向切替弁に送る作動油の油圧を制御する圧力制御弁とを有し、該圧力制御弁と前記方向切替弁の少なくとも一方に、摩擦クラッチに供給する作動油の圧力を増減可能な油圧制御構造を設けることを特徴とする請求項2乃至請求項5のうちのいずれか一項に記載の作業車両の走行制御機構。
  7. 前記圧力制御弁は、圧力制御弁の一次側と方向切替弁の一次側を接続する一次側油路の油圧を比例制御可能な油圧制御構造を有する電磁比例リリーフ弁とし、前記方向切替弁は、前記一次側油路から、方向切替弁の二次側と摩擦クラッチの給油側を接続する二次側油路への作動油の流れの入切を電磁力で行う電磁切替弁、または該二次側油路への流れの入切を前記一次側油路に連通するパイロット油路からの圧油によって自動的に行う自動切替弁とすることを特徴とする請求項6記載の作業車両の走行制御機構。
  8. 前記圧力制御弁は、圧力制御弁の一次側と方向切替弁の一次側を接続する一次側油路の油圧を所定圧に設定可能な調圧弁とし、前記方向切替弁は、方向切替弁の二次側と摩擦クラッチの給油側を接続する二次側油路の油圧を比例制御可能な油圧制御構造を有する電磁比例減圧弁とすることを特徴とする請求項6記載の作業車両の走行制御機構。
  9. 前記圧力制御弁は、圧力制御弁の一次側と方向切替弁の一次側を接続する一次側油路の油圧を所定圧まで自動的に漸次制御可能な油圧制御構造を有するディレイリリーフ弁とし、前記方向切替弁は、前記一次側油路から、方向切替弁の二次側と摩擦クラッチの給油側を接続する二次側油路への作動油の流れの入切を電磁力で行う電磁切替弁、または該二次側油路への流れの入切を前記一次側油路に連通するパイロット油路からの圧油によって自動的に行う自動切替弁とすることを特徴とする請求項6記載の作業車両の走行制御機構。
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