JP2009011879A - 超音波洗浄装置及び超音波洗浄方法 - Google Patents

超音波洗浄装置及び超音波洗浄方法 Download PDF

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Abstract

【課題】超音波の高周波化に伴う内槽の板厚を従来のように薄くすることなく、洗浄槽の内槽内における音圧を確保しつつ、超音波の高周波化に対応した超音波洗浄装置及び超音波洗浄方法を提供することすること。
【解決手段】超音波振動を伝達する伝達媒体を貯留するための外槽5と、前記外槽5の内部に配置され、内部に貯留される洗浄液内に浸漬される前記被洗浄物を、前記伝達媒体を介して伝達される超音波振動により洗浄するための内槽3からなると洗浄槽とを備え、前記内槽の底板3aは、超音波振動数の2分の1波長(半波長)の整数倍の板厚を有し、前記内槽の底板3aと前記外槽の底板5aとが平行とならないように前記内槽の底板3aを傾斜するように配置する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子部品に付着した微細な塵埃(パーティクル)等を除去するための超音波洗浄装置に関し、特には900KHz以上の超音波振動を利用する超音波洗浄装置及び超音波洗浄方法に関する。
従来より、電子部品の製造工程において、半導体ウエハ、ハードディスク、ガラス基板等の電子部品に付着した微細なごみやちり等の塵埃を除去する手段として、被洗浄物である電子部品の表面を洗浄するために超音波振動を利用した種々の超音波洗浄装置が提案されている。
超音波洗浄装置の一例として、洗浄槽が、外槽と、外槽内に配置される内槽から構成される2槽構造の装置がある。この装置は、洗浄槽に金属を使用した場合に、溶出する金属イオンが被洗浄物に付着することを防止するため、石英ガラスなどから作製される内槽と、ステンレスなどの金属材料又は樹脂材料等から作製され、振動板が装着される外槽とを設ける構成である。
また、超音波振動子を駆動することで発生する超音波振動を、内槽に貯留される洗浄液に浸漬した被洗浄部材に伝達するための媒体液が外槽に貯留されている。内槽はその底板が媒体液に浸された状態で外槽内に配置される。このような構成の超音波洗浄装置において、所定の信号により振動板を振動させることで発生する超音波振動を用い、内槽内の洗浄液内に浸漬されている被洗浄物を洗浄する。
特許文献1に、超音波振動板の板厚が共振周波数のほぼ1/2波長の整数倍に形成することにより、高周波の超音波振動においても音響的損出の少ない超音波振動板が開示されている。
内槽と外槽との2槽構造を有し、内槽の底板と外槽の底板とを平行に配した超音波洗浄装置においては、超音波振動子から照射された超音波を被洗浄部材に効率的に伝達するために、特許文献1の超音波振動板と同様に内槽の底板の板厚は、超音波振動数の1/2波長の整数倍になるように形成している。すなわち、超音波振動数の波長をλ、整数をnとすると、内槽の底板の板厚tは、
t=n×λ/2・・・式(1)
で表される。
なお、整数nは1又は2の小さい整数が用いられている。これは、nが3以上になると、内槽の底板の板厚が厚くなり、内槽自身内部での超音波振動の減衰により、洗浄効率が悪くなるためである。
例えば、内槽に石英ガラスを使用した場合には、石英ガラスの音速は約6000m/sであり、超音波振動数が750kHzでは、波長λは8mmであり、n=1とすると、式(1)より内槽の底板の板厚tは、4mmであり、超音波振動数が900KHzで、n=1とすると、板厚tは、3.3mmとなり、これらの板厚の内槽が一般的に使用される。
また、2槽構造の洗浄装置の場合、外槽の媒介液中を伝搬する超音波振動によって媒介液中に気泡が発生すると、その気泡が内槽の底面に付着して超音波が内槽内に伝搬しなくなる現象が発生する。そこで、内槽の底面を超音波振動子が取り付けられた外槽の底面に対し傾斜させて、内槽の底面に付着した気泡を傾斜に沿って上昇させることにより泡切れを良くするようにした超音波洗浄装置が特許文献2、特許文献3に開示されている。
実公昭62−164979号公報 特開平3−222419号公報 特開平9−47733号公報
近年、被洗浄物の微細化に伴う超音波の高周波化が望まれている。また、被洗浄物としてのウエハは、大口径になりつつあり、これに伴って洗浄槽の内槽も大きくなり、内槽の機械的強度が要求される。しかしながら、超音波の高周波化に伴って内槽の板厚をさらに薄くしなければならない。例えば、超音波振動数を2MHzとすると、石英ガラスからなる内槽の場合、内槽の底板の板厚tは、nが1の場合には、式(1)から、1.5mmとなり、nが2の場合には、板厚tが3mmとなるため、内槽の製造や内槽の強度等の安全面から問題があった。また、被洗浄物の大型化に伴い、内槽の機械的強度を保つために、内槽の板厚を厚くすることが必要となる。
また、特許文献2、特許文献3に開示されているように、内槽の底面を超音波振動子が取り付けられた外槽の底面に対し傾斜させることにより、内槽の底面の気泡による超音波の伝達問題、超音波振動数と共振するための板厚の制限は、緩和される。しかしながら、外槽の底面に対する内槽の底面の傾斜角は20°以上であり、内槽の底面を傾斜させると、被洗浄物を洗浄液中に没入させるために内槽の深さを深くしなければならないため、洗浄装置全体を大きくしなければならないという問題がある。
また、外槽の底板と内槽の底板との位置関係、内槽の底板の板厚誤差、底板の形状、振動子の振動特性のばらつきや振動子の取り付け精度によっては、内槽内の領域により音圧にばらつきが生じる恐れがある。結果として、洗浄工程の歩留まりが悪くなる。
そこで、本発明の発明者は、実験により、超音波振動数が2MHzを使用した超音波洗浄で、高周波に伴う洗浄槽の内槽の底板の板厚を十分な機械的強度を得るに必要な厚さにすることができ、かつ超音波洗浄の効率を低下させることなしに、超音波洗浄が可能なことを見いだした。本発明は、超音波の高周波化に伴う内槽の底板の板厚を従来のように薄くすることなく、洗浄槽の内槽内における音圧を確保しつつ、超音波の高周波化に対応した超音波洗浄装置及び超音波洗浄方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の超音波洗浄装置は、超音波振動により被洗物を洗浄する超音波洗浄装置であって、超音波振動を発生する超音波振動発生手段と、前記超音波振動発生手段が装着され、前記超音波振動を伝達する伝達媒体を貯留するための外槽と、前記外槽の内部に配置され、内部に貯留される洗浄液内に浸漬される前記被洗浄物を、前記伝達媒体を介して伝達される超音波振動により洗浄するための内槽とからなる洗浄槽とを備え、前記内槽の底板は、超音波振動数の2分の1波長(半波長)の整数倍の板厚を有し、前記内槽の底板と前記外槽の底板とが平行とならないように前記内槽の底板を傾斜するように配置したことを特徴とする。
また、本発明の超音波洗浄装置の前記超音波振動数は、900KHz(キロヘルツ)以上であることを特徴とする。
また、本発明の超音波洗浄装置の前記内槽の底板は、超音波振動数の半波長の3から5の整数倍の板厚を有することを特徴とする。
また、本発明の超音波洗浄装置の前記内槽の底板の傾斜の角度は、1°以上10°以内であることを特徴とする。
また、本発明の超音波洗浄装置の前記内槽の底板は、超音波振動の2次的音源として作用するように構成したことを特徴とする。
また、本発明の超音波洗浄方法は、超音波振動により被洗物を洗浄する超音波洗浄方法であって、超音波振動を発生する超音波振動発生手段と、前記超音波振動発生手段が装着され、前記超音波振動を伝達する伝達媒体を貯留するための外槽と、前記外槽の内部に配置され、内部に貯留される洗浄液内に浸漬される前記被洗浄物を、前記伝達媒体を介して伝達される超音波振動により洗浄するための内槽とからなる洗浄槽とを備え、前記内槽の底板は、超音波振動数の2分の1波長(半波長)の整数倍の板厚を有し、前記内槽の底板と前記外槽の底板とが平行とならないように前記内槽の底板を傾斜するように配置したことを特徴とする。
また、本発明の超音波洗浄方法の前記超音波振動数は、900KHz以上であることを特徴とする。
また、本発明の超音波洗浄方法の前記内槽の底板は、超音波振動数の半波長の3から5の整数倍の板厚を有することを特徴とする。
また、本発明の超音波洗浄方法の前記内槽の底板の傾斜の角度は、1°以上10°以内であることを特徴とする。
また、本発明の超音波洗浄方法の前記内槽の底板は、超音波振動の2次的音源として作用するように構成したことを特徴とする。
本発明によれば、内槽の底板は、超音波振動数の2分の1波長(半波長)の整数倍の板厚を有し、内槽の底板と外槽の底板とが平行とならないように内槽の底板を傾斜するように配置したことにより、内槽の底板は、機械的な強度を満たす板厚が得られる。
また、本発明によれば、超音波振動数は、900KHz以上で使用可能であり、2MHzの周波数にも使用できるため、被洗浄物の微細化に伴う超音波の高周波化が可能となる。
また、本発明によれば、内槽の底板の傾斜の角度は、1°以上10°以内であるため、従来のような傾斜角度が必要ないため、被洗浄物は、内槽の傾斜による影響を受けない。
また、本発明によれば、内槽の底板は、超音波振動の2次的音源として作用するため、定在波による超音波の透過のみならず、2次的音源としての内槽の底板の超音波振動により、音圧の低下を抑え、洗浄効率のよい超音波洗浄装置及び超音波洗浄方法を提供することができる。
以下、本発明による超音波洗浄装置の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。図1は、実施形態に係る超音波洗浄装置の正面から見た断面図である。図2は、図1に示す超音波洗浄装置で内槽の底板の板厚に対する内槽内の音圧を測定した結果を示す図、図3は、内槽の底板と外槽の底板とが平行に設定した場合の内槽の底板の板厚に対する音圧を測定した結果を示す図、図4は、内槽の底板と外槽の底板とを平行に設定し、底板の板厚が共振周波数の1/2波長の2倍にした場合の超音波の透過状態を説明した図、図5は、内槽の底板が傾斜している場合の超音波の多重反射の様子を示す模式図である。
本実施形態の超音波洗浄装置1は、図1に示すように内槽3と外槽5とからなる洗浄槽を備える2槽構造である。内槽3は被洗浄物を洗浄するための槽であり、上端が開口し、傾斜する底板3aを有する。内槽3の内部には被洗浄物wを洗浄するための洗浄液が貯留される。
なお、後述する外槽5内の純水等に超音波振動が付与されると、純水等に溶存している気体成分が気泡となって発現し、内槽3の底板3aに気泡が付着することがある。気泡が付着すると、超音波が内槽3内に伝搬しづらくなる。そのため、この底板3aを傾斜させ、底板3aに付着した気泡の泡切れをよくしている。
外槽5は、超音波振動発生手段からの超音波振動を内槽3に間接的に伝達する間接槽である。外槽5は、上端が開口し、その内部に純水、薬液等を伝達媒体として貯留する。外槽の底板5aには、超音波振動を発生する超音波振動発生手段が連結されている。なお、外槽の底板5aは、ほぼ水平な面である。よって、内槽の底板3aは、水平方向に対して所定の角度(図1に示すθ)で傾斜しているので、外槽の底板5aに対して内槽3の底板3aは角度θを形成して配置される。なお、外槽の底板5aに対して内槽3の底板3aの角度θは、1°以上10°以内となるように設定されている。
超音波振動発生手段は、外槽の底板5aに固定される振動板7と、振動板7に超音波振動9を伝達する振動子9と、振動子9に超音波振動を発生させるための電力を供給する発振器11とを備える。発振器11は、発振部13とパワーアンプ15を有する。発振部13は、所定周波数を有する高周波信号を生成する。高周波信号はパワーアンプ15により増幅され、振動子9に入力する。
外槽5の材料としては、ステンレスやプラスチック等を、内槽の材料としては、熱や薬剤に耐久性のある石英ガラス、サファイア、シリコンカーバイト、タンタル、チタン、モリブデン等を使用できる。洗浄液としては、過酸化水素、アンモニウム、純水、過酸化水素−塩酸−純水からなるもの、フッ化水素−硝酸−純水等を使用できる。振動板の材料としては、SUS、タンタル、モリブデン、チタン、タングステン等を使用できる。
本発明による超音波洗浄装置1の内槽3は、石英ガラスを用いており、内槽の底板3aと外槽5の底板とが平行とならないように内槽の底板3aに傾斜を持つように配置されている。また、内槽の底板3aは、超音波振動数の2分の1波長(半波長)の3から5の整数倍の板厚を有することが可能となっている。また、本発明による超音波洗浄装置1は、900KHz以上の超音波振動数で洗浄を行うようになっている。
上記構成からなる超音波洗浄装置1において、液を洗浄槽に貯留して、内槽3の開口部からの所定の深さにおける音圧強度の測定を行った。音圧強度の測定は、2MHzの超音波振動数を使用し、内槽の底板3aの外槽の底板5aに対する傾斜の角度を2°に設定した状態で、内槽の底板3aの板厚が、3mm、4.5mm、6mmの3種類についてそれぞれの音圧強度の測定を行った。
なお、内槽の底板3aの板厚は、超音波振動数の2分の1波長(半波長)の整数倍となるように設定されており、整数nは、2,3,4である。2MHzの超音波振動数における石英ガラスの波長λは、3mmであり、n=2で内槽の底板3aの板厚は3mm、n=3で内槽の底板3aの板厚は4.5mm、n=4で内槽の底板3aの板厚は6mmとなる。
図2に上記条件において、内槽の底板3aの板厚に対する内槽3内の音圧強度の測定した結果を示す。なお、図2のグラフの縦軸に示す相対音圧とは、内槽の底板3aの板厚3mmの時の音圧センサで得られた音圧値を1として、内槽の底板3aの板厚3mmでの音圧値を基準値として、板厚4.5mm、6mmにおける音圧値を基準値との比率で表したものである。
図2に示すように、超音波振動数2MHzでの内槽の底板3aの板厚3mmにおける音圧強度と比較すると、板厚4.5mmでは、板厚3mmの1.4倍、板厚6mmでは、板厚3mmの1.43倍にそれぞれ音圧強度が増加している。このように、内槽の底板3aの板厚を超音波振動数の半波長毎に厚くしていくと、音圧強度が増加してことがわかった。
次に、内槽の底板3aの外槽の底板5aに対して傾斜を設けたことによる、内槽3への音圧の影響を調べるために、内槽の底板3aと外槽の底板5aとを平行に設定した場合の音圧強度の測定を行った。なお、音圧の測定は、図2に示す底板の板厚と同様に、超音波振動数の1/2波長の整数倍に形成されている。
図3に、内槽の底板3aと外槽の底板5aとが平行に設定した場合の内槽の底板3aの板厚に対する音圧を測定した結果を示す。なお、図3のグラフの縦軸に示す相対音圧とは、内槽の底板3aの板厚3mmの時の音圧センサで得られた音圧値を1として、内槽の底板3aの板厚3mmでの音圧値を基準値として、板厚4.5mm、6mmにおける音圧値を基準値との比率で表したものである。
図3に示すように、超音波振動数2MHzでの内槽の底板3aの板厚3mmにおける音圧強度と比較すると、板厚4.5mmでは、板厚3mmの0.88倍、板厚6mmでは、板厚3mmの0.88倍にそれぞれ音圧強度が減少している。
このように、内槽の底板3aと外槽の底板5aとが平行に設定した場合には、内槽の底板3aの板厚が厚くなるにつれて、音圧が減少し、図2に示す測定データと異なっている。
図4は、内槽の底板3aと外槽の底板5aとを平行に設定し、底板の板厚が共振周波数の1/2波長の2倍にした場合の超音波の透過状態を説明した図である。
図4に示すように、振動子9に入力した超音波振動が振動板7を介して伝達媒体としての純水等に付与されると、内槽3の底板3aと、振動子9との間で定在波が形成される。なお、定在波とは、振動板7からの入射波と、外槽5内の伝達媒体を伝搬し、内槽3の底板3aに当たり反射した反射波とが、重なりあって形成される音波である。内槽の底板3aに下面から超音波が照射された時、内槽の底板3a内部では定在波が発生し、これにより底板が共振し、図4の矢印で示すように洗浄槽の内槽3へ超音波が透過されていく(定在波による超音波の透過現象)。
このように、内槽の底板3aと外槽の底板5aとが平行の場合には、超音波振動子による超音波振動は、外槽5の媒体液を通して内槽の底板3aに伝達し、定在波による超音波の透過現象により内槽の底板3aから洗浄液に放出される。なお、前述したように、nは1又は2の小さい整数が用いられている。これは、nが3以上になると、内槽の底板3aの板厚が厚くなり、内槽3内での超音波振動の減衰が発生するためである。図3に示す測定結果でも明らかである。なお、定在波による超音波の透過現象は、本実施形態のように内槽の底板3aと外槽の底板5aとが傾斜している場合においても、発生している。
しかしながら、図2に示すように、内槽の底板3aを外槽の底板5aに対して傾斜させることにより音圧が増加している。内槽の底板3aを傾斜させた状態で、内槽の底板3aの板厚を厚くすることにより、音圧が増加する理由は次のように推定される。
図5は、内槽の底板3aが傾斜している場合の超音波の多重反射の様子を示す模式図である。超音波洗浄槽においては、内槽3の底部に溜まる気泡を除去するため、内槽の底板3aは、振動子9を装着した外槽の底板5aに対して傾斜している。内槽の底板3aから入射した超音波は、内槽の底板3aの上部に到達する際、内槽の底板3aが角度θで傾斜しているため、図5に示すように、内槽の底板3aの内部で超音波の乱反射が生じる。そして内槽の底板3aの内部で乱反射を繰り返すことにより内槽の底板3a内部の超音波エネルギーが上昇し、結果として、内槽の底板3aが新たな振動源となって洗浄槽内に超音波を放射すると考えられる。すなわち、内槽の底板3aが超音波振動の2次的音源として作用する。また、内槽の底板3aの板厚が厚くなるほど、内槽の底板3a内部での乱反射が生じやすくなり、超音波エネルギーがより上昇するためと考えられる。ただし、あまりにも内槽の底板3aの板厚を厚くし過ぎると底板3aの質量が増し、剛体に近づいてしまうため、かえって逆効果である。このため、内槽の底板3aの板厚は、超音波振動数の2分の1波長(半波長)の整数倍、好ましくは、整数nが3から5が最適である。
また、内槽の底板3aの板厚は、超音波振動数の2分の1波長(半波長)の整数倍となるように設定されており、図4に示す定在波による超音波の透過現象も起こっている。
このため、前記内槽の底板3aは、超音波振動数の2分の1波長(半波長)の整数倍の板厚を有し、前記内槽の底板3aと前記外槽の底板5aとが平行とならないように内槽の底板3aを傾斜するように配置したことにより、定在波による超音波の透過現象に加え、内槽の底板3a内部の超音波エネルギーの上昇による超音波振動の2次的音源として作用する現象とが同時に起こり、内槽の底板3aの板厚を厚くしても、内槽の底板3aと外槽の底板5aとが平行の場合の定在波による超音波の透過現象のみのものに対して、音圧が増加すると推定される。
このように、内槽の底板3aの板厚を超音波振動数の2分の1波長(半波長)の整数倍となるように設定し、内槽の底板3aに傾斜を持つように配置することにより、定在波による超音波振動の透過に加え、内板の底板内部での乱反射による超音波振動の2次的音源による超音波エネルギーの発生により、内槽3内の音圧が上昇する。
これにより、例えば、石英ガラスの洗浄槽で超音波振動数2MHzの超音波の場合には、内槽の底板3aの板厚は、n×λ/2でnを3又は4を選択すると、3×λ/2=4.5mm又は4×λ/2=6.0mmとなり、十分な機械的強度を得ることができる。また、超音波振動数が2MHz以上の場合には、例えば、3MHzでは、nを4又は5を選択するようにする。
本発明による超音波洗浄装置1及び超音波洗浄方法によれば、超音波の高周波化に伴う洗浄槽の板厚を従来のように薄くすることなく、洗浄槽内における音圧を確保しつつ、超音波の高周波化に対応することが可能となる。
また、本発明による超音波洗浄装置1及び超音波洗浄方法は、定在波による超音波の透過現象のみならず、底板内部の超音波エネルギーの上昇による超音波振動の2次的音源として作用する現象も利用しているため、超音波振動数や内槽の底板3aの板厚に多少のズレが生じた場合でも、定在波による超音波の透過現象のみが多少の影響を受けるが、底板による2次的音源も併用しているため、内槽3内は、洗浄に必要な超音波の音圧を得ることができる。
以上説明した超音波洗浄装置1は、2MHzの超音波振動数を使用し、内槽の底板3aの外槽の底板5aに対する傾斜の角度を2°に設定した状態で、内槽の底板3aの板厚が、超音波振動数の2分の1波長(半波長)の2,3,4倍の板厚についてのべたが、本発明による超音波洗浄装置1及び超音波洗浄方法は、900KHz以上の超音波振動数に使用することができ、内槽の底板3aの外槽の底板5aに対する傾斜の角度は、1°以上10°以内に対して有効である。
また、内槽の底板3aは、超音波振動数の半波長の3から5の整数倍の板厚を有することができる。このため、超音波洗浄に使用する超音波振動数、被洗浄物の大きさに応じて、内槽3の板厚、底板傾斜角度を適宜選択するようにする。
以上述べたように、本発明によれば、内槽の底板3aは、超音波振動数の2分の1波長(半波長)の整数倍の板厚を有し、内槽の底板3aと外槽の底板5aとが平行とならないように内槽の底板3aを傾斜するように配置したことにより、内槽の底板3aは、機械的な強度を満たす板厚が得られる。
また、本発明によれば、超音波振動数は、900KHz以上で使用可能であり、2MHz、3MHzの周波数にも使用できるため、被洗浄物の微細化に伴う超音波の高周波化が可能となる。
また、本発明によれば、内槽の底板3aは、超音波振動の2次的音源として作用するため、定在波による超音波の透過のみならず、2次的音源としての内槽の底板3aの超音波振動により、音圧の低下を抑え、洗浄効率のよい超音波洗浄装置を提供できる。
また、本発明は、超音波振動を加えながら洗浄液をノズルから被洗浄物にシャワー状に噴出する超音波シャワー洗浄で、超音波振動子と洗浄液の間に媒体液を貯留する仕切り板を設け、仕切り板を振動子に対して傾斜させることにより、超音波シャワー洗浄に対しても適用できる。なお、仕切り板の板厚は、n×λ/2とし、整数nは3から5を用いるようにする。
この発明は、その本質的特性から逸脱することなく数多くの形式のものとして具体化することができる。よって、上述した実施形態は専ら説明上のものであり、本発明を制限するものではないことは言うまでもない。
実施形態に係る超音波洗浄装置の正面から見た断面図である。 図1に示す超音波洗浄装置で内槽の底板の板厚に対する内槽内の音圧を測定した結果を示す図である。 内槽の底板と外槽の底板とが平行に設定した場合の内槽の底板の板厚に対する音圧を測定した結果を示す図である。 内槽の底板と外槽の底板とを平行に設定し、底板の板厚が共振周波数の1/2波長の2倍にした場合の超音波の透過状態を説明した図である。 内槽の底板が傾斜している場合の超音波の多重反射の様子を示す模式図である。
符号の説明
1 超音波洗浄装置
3 内槽
3a 内槽の底板
5 外槽
5a 外槽の底板
7 振動板
9 振動子
11 発振器
13 発振部
15 パワーアンプ
w 被洗浄物(ウエハ)

Claims (10)

  1. 超音波振動により被洗物を洗浄する超音波洗浄装置であって、
    超音波振動を発生する超音波振動発生手段と、
    前記超音波振動発生手段が装着され、前記超音波振動を伝達する伝達媒体を貯留するための外槽と、前記外槽の内部に配置され、内部に貯留される洗浄液内に浸漬される前記被洗浄物を、前記伝達媒体を介して伝達される超音波振動により洗浄するための内槽とからなる洗浄槽とを備え、
    前記内槽の底板は、超音波振動数の2分の1波長(半波長)の整数倍の板厚を有し、
    前記内槽の底板と前記外槽の底板とが平行とならないように前記内槽の底板を傾斜するように配置したことを特徴とする超音波洗浄装置。
  2. 前記超音波振動数は、900KHz(キロヘルツ)以上であることを特徴とする請求項1記載の超音波洗浄装置。
  3. 前記内槽の底板は、超音波振動数の半波長の3から5の整数倍の板厚を有することを特徴とする請求項1又は2記載の超音波洗浄装置。
  4. 前記内槽の底板の傾斜の角度は、1°以上10°以内であることを特徴とする請求項1乃至3記載の超音波洗浄装置。
  5. 前記内槽の底板は、超音波振動の2次的音源として作用するように構成したことを特徴とする請求項1乃至4記載の超音波洗浄装置。
  6. 超音波振動により被洗物を洗浄する超音波洗浄方法であって、
    超音波振動を発生する超音波振動発生手段と、
    前記超音波振動発生手段が装着され、前記超音波振動を伝達する伝達媒体を貯留するための外槽と、前記外槽の内部に配置され、内部に貯留される洗浄液内に浸漬される前記被洗浄物を、前記伝達媒体を介して伝達される超音波振動により洗浄するための内槽とからなる洗浄槽とを備え、
    前記内槽の底板は、超音波振動数の2分の1波長(半波長)の整数倍の板厚を有し、
    前記内槽の底板と前記外槽の底板とが平行とならないように前記内槽の底板を傾斜するように配置したことを特徴とする超音波洗浄方法。
  7. 前記超音波振動数は、900KHz以上であることを特徴とする請求項6記載の超音波洗浄方法。
  8. 前記内槽の底板は、超音波振動数の半波長の3から5の整数倍の板厚を有することを特徴とする請求項6又は7記載の超音波洗浄方法。
  9. 前記内槽の傾斜の角度は、1°以上10°以内であることを特徴とする請求項6乃至8記載の超音波洗浄方法。
  10. 前記内槽の底板は、超音波振動の2次的音源として作用するように構成したことを特徴とする請求項6乃至9記載の超音波洗浄方法。
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