JP2009011090A - マルチ駆動モータの制御装置 - Google Patents

マルチ駆動モータの制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009011090A
JP2009011090A JP2007170580A JP2007170580A JP2009011090A JP 2009011090 A JP2009011090 A JP 2009011090A JP 2007170580 A JP2007170580 A JP 2007170580A JP 2007170580 A JP2007170580 A JP 2007170580A JP 2009011090 A JP2009011090 A JP 2009011090A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
motor
control
motors
angle
control device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007170580A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuichi Komazawa
雄一 駒澤
Masataka Ito
正孝 伊藤
Tsutomu Nishibori
勉 西堀
Tomoaki Hachitani
智章 蜂谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
HKB KK
APM Corp
Original Assignee
HKB KK
APM Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by HKB KK, APM Corp filed Critical HKB KK
Priority to JP2007170580A priority Critical patent/JP2009011090A/ja
Publication of JP2009011090A publication Critical patent/JP2009011090A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Multiple Motors (AREA)

Abstract

【課題】マルチ駆動モータに関するサーボ制御を簡易化することが可能な制御装置を提供する。
【解決手段】第1の要素モータ11が有する位置検出装置11bから出力されたモータの回転軸の角度についての位置情報に基づいて、目標値に対して所定範囲内に制御するための制御信号を生成する制御処理部1aと、制御処理部1aからの制御信号に基づいてマルチ駆動モータをなす各要素モータ11、12、13、14を駆動するドライバ1bを備え、要素モータ11、12、13、14は、それぞれ3相の同期ACモータからなるモータ11a、12a、13a、14aを有し、要素モータ11は、モータ11aに接続された上記の位置検出装置11bを有し、ドライバ1bは、要素モータ11、12、13、14毎に、モータの相(U相、V相及びW相)数、3本のモータ電流線1cを介してモータを駆動するためのモータ電流を出力する構成を有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数のモータ(以下、要素モータという。)が連動して1つのモータとして動作するマルチ駆動モータの制御装置に関する。
従来、モータには、DCモータとACモータとがある。DCモータは、各時刻での回転軸の角度とは無関係にモータ電流と出力トルクとが直接相関を有するため、制御が簡単である。その反面、整流ブラシを用いるため、定期的な保守整備が必要となり、クリーンルーム等への導入が困難である。
これに対して、ACモータは、制御に使用しうるマイクロコンピュータの高機能化と共に使用頻度が高まっている。ここで、ACモータには、同期モータ(以下、同期ACモータという。)と誘導モータが含まれる。同期ACモータは、メンテナンス性、耐環境性、停電時の制動の観点等から、FA(Factory Automation)用の小型中容量向けの用途でしばしば使用されている。誘導モータは、効率のよい高速大トルク動作が可能であるため、大容量向けの用途で主に利用されている。
近年は、所謂ベクトル制御方式が開発され、同期ACモータも大容量化が進んでいる。そのため、同期ACモータは、産業用モータの市場で入手性、経済性等の観点で優れたモータとなっている。したがって、同期ACモータをマルチ駆動モータの要素モータとして使用することは、好ましい。
ここで、同期ACモータをサーボ制御下で使用する場合、DCモータや誘導モータの制御には必要の無い、各時刻での回転角度の情報(以下、現時刻角度という。)という付加的な情報が必要となる。そのため、制御も複雑になるが、近年、開発が進み、複数の同期ACモータさえもサーボ制御する技術が知られてきた(例えば、特許文献1参照。)。この技術は、制御対象のモータ毎に1対1対応で制御駆動手段を設け、各制御駆動手段が制御されたモータ電流を出力するものである。
簡易同期技術は、簡易なサーボ制御技術の一例として知られている。これは、例えば門型の機械における、ガントリー部上を走行する車両の両輪に適用され、互いに同期してガントリー部上で重い車両を動かすことを可能としている。また、複数のローラを同期させて、線材や板材等を送り出して加工する装置等で、高トルクを実現する目的でも使用されている。
簡易同期技術は、通常、モータの個数及び配置が変化しない構成における制御に適用され、個々の構成において、各モータの回転軸の角度等の位置情報(以下、「位置」という用語は特に断る場合を除き角度を表すものとする。)に応じて制御信号を生成する。即ち、モータの個数、配置等が変われば、新たに制御内容を設計しなおすことを要する。簡易同期技術には、通常、モータの個数分のドライバに制御信号を出力する、NCコントローラやロボットコントローラ等が用いられる。
簡易同期技術は、多少の位置偏差及び速度偏差が許容されるシステムに適用される。具体的には、所定範囲内の、モータ間の特性のばらつき、回転動作のばらつき、駆動信号のばらつき等を許容可能なサーボ制御系に適用される。そのため、計算負荷の軽減、通信量の削減、設備の簡易化等を実現できる。
簡易同期技術とは別に、高速性と高トルクは必要ではあるが高い応答性を要しない場合に適用可能な第2のサーボ制御技術もある。この第2のサーボ制御技術は、ドライバに速度制御信号又はトルク制御信号だけを出力して制御を行うものである。第2のサーボ制御技術をマルチ駆動モータに適用することによって、同期性は多少犠牲なることはあるが、相互に整合しない逆向きの動作、位置の目標値(以下、目標位置という。)の周りでのハンチングと呼ばれる振動等を緩和することができる。
具体的には、コントローラは、動作方向と速度に応じた速度制御信号又はトルク制御信号を出力してモータの回転を制御し、目標位置に近づいたとき、要求精度内で停止可能な速度まで減速し、目標位置に到達したとき停止信号を出力して停止させる。外乱によって停止位置がずれた場合も、要求精度内で停止可能な速度で回転させて位置合わせを行う。同一の目標位置を複数のモータ用に分配することがドライバ側でできるため、第2のサーボ制御技術もまた、簡易同期技術と同様に、計算処理の分散による計算負荷の分散、通信量の削減等が可能となる。
特開2005−102377号公報
同期ACモータを要素モータとするマルチ駆動モータに上記従来のサーボ制御技術をそのまま適用する場合、要素モータ毎に位置情報を必要とするのに加え、同期ACモータが3相の場合、3相それぞれに対する制御信号を生成する必要がある。
ここで、マルチ駆動モータは要素モータが相互に従属して一体として駆動し高速、高トルク等での動作が可能であるが、かかる特長的な動作を適切に実現するためには、高速応答、高精度及び整合性を有する制御が必要となる。かかるマルチ駆動モータの特長を発揮するためには、周期的に目標値と実測値とを対比し、短時間で制御信号を生成して出力することが必要となる。また、制御精度向上のために、高分解能の位置検出装置を必要とするのに加え、高いサーボゲイン、データの長ビット化等も必要となる。さらに、上記のように相数、モータ数毎に制御信号の生成も必要であるため、制御精度を向上させることは、計算負荷、通信量等の増大につながり、もって規模の拡大、経済上の問題等にもつながる。
しかしながら、従来のサーボモータの制御装置ではモータと制御手段とが1対1対応するように構成され、マルチ駆動モータについても同様であった。そのため、マルチ駆動モータに関しては、制御に過度の負担を課していたという問題を有していた。具体的には、所定の精度以下では各要素モータ間で整合の取れた動作がなされず、特長的な動作を適切に実現するために高いサーボ制御性能を要することとなっていた。
以上の現状に鑑み、本発明の目的は、マルチ駆動モータに関するサーボ制御を簡易化することが可能な制御装置を提供する。
上記の課題を解決すべく、本発明は以下の構成を提供する。
請求項1に係る発明は、複数のモータが連動して1つのモータとして動作するマルチ駆動モータの制御装置であって、前記複数のモータのうちの第1のモータの回転軸の角度に関する位置情報に基づいて、前記第1のモータの回転軸の角度と目標値との差を所定範囲内に入るように制御する制御信号を生成する制御処理部と、前記制御処理部が生成した制御信号に基づいて、前記第1のモータを駆動して回転軸の角度を制御するモータ電流を出力し、前記複数のモータのうちの他のモータを前記第1のモータと同期するようにモータ電流を出力する、ドライバと、を備えたことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の制御装置において、前記ドライバが、前記他のモータに出力するモータ電流として、前記第1のモータと同一のトルクを発生させるモータ電流を出力することを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の制御装置において、データを不揮発に記憶する記憶手段を有し、前記記憶手段が、前記モータのロータ角オフセットを前記モータ毎に対応させて記憶することを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の複数の制御装置と、各前記制御装置に目標値を出力して各前記制御装置に接続された前記マルチ駆動モータが関連して動作するように制御するマルチモータコントローラと、を備えたことを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の制御装置において、前記マルチモータコントローラが、前記目標値として各モータの回転軸の角度に関する目標値を各前記制御装置に出力することを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、複数のモータが連動して1つのモータとして動作するマルチ駆動モータの制御装置であって、複数のモータのうちの第1のモータの回転軸の角度に関する位置情報に基づいて、第1のモータの回転軸の角度と目標値との差を所定範囲内に入るように制御する制御信号を生成する制御処理部と、制御処理部が生成した制御信号に基づいて、第1のモータを駆動して回転軸の角度を制御するモータ電流を出力し、複数のモータのうちの他のモータを第1のモータと同期するようにモータ電流を出力する、ドライバと、を備えるため、マルチ駆動モータに関するサーボ制御を簡易化することが可能な制御装置を実現することができる。
請求項2に係る発明によれば、上記請求項1の効果に加えて、ドライバが、他のモータに出力するモータ電流として、第1のモータと同一のトルクを発生させるモータ電流を出力するため、さらに制御を簡易にすることができる。
請求項3に係る発明によれば、上記請求項1又は請求項2の効果に加えて、データを不揮発に記憶する記憶手段を有し、記憶手段が、モータのロータ角オフセットをモータ毎に対応させて記憶するため、ロータ角オフセットを簡易に検出することができる。
請求項4に係る発明によれば、上記請求項1乃至請求項3のいずれか1項の効果に加えて、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の複数の制御装置と、各制御装置に目標値を出力して各制御装置に接続されたマルチ駆動モータが関連して動作するように制御するマルチモータコントローラと、を備えるため、複数のマルチ駆動モータを全体として関連させて動作させることが可能な制御装置を実現することができる。
請求項5に係る発明によれば、上記請求項4の効果に加えて、マルチモータコントローラが、目標値として各モータの回転軸の角度に関する目標値を各制御装置に出力するため、複数のマルチ駆動モータを全体として関連させてサーボ制御することができる。
以下、実施例を示した図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明による制御装置の一実施例を模式的に示すブロック構成図である。制御装置1は、図1に示すように、第1の要素モータ11が有する位置検出装置11bから出力されたモータの回転軸の角度についての位置情報に基づいて、目標値に対して所定範囲内に制御するための制御信号を生成する制御処理部1aと、制御処理部1aからの制御信号に基づいてマルチ駆動モータをなす各要素モータ11、12、13、14を駆動するドライバ1bを備える。
以下、要素モータ11、12、13、14は、それぞれ3相の同期ACモータからなるモータ11a、12a、13a、14aを有するものとして説明する。ただし、要素モータ11は、モータ11aに接続された上記の位置検出装置11bを有する。また、各要素モータ11、12、13、14は、モータの相数、3本のコミュテータ信号線を介してコミュテータ信号を制御処理部1aに出力するものとする。ドライバ1bは、要素モータ11、12、13、14毎に、モータの相(U相、V相及びW相)数、3本のモータ電流線1cを介してモータを駆動するためのモータ電流を出力する。
図2は、図1に示すマルチ駆動モータの実施例であり、図2(a)は正面図、図2(b)は側面図、図2(c)は背面図である。マルチ駆動モータは、図2に示すように、内歯歯車を有するロータ101と、内歯歯車に内接する駆動歯車102を回転させてロータ101を回転させる複数の要素モータ11〜14と、ロータ101が回転可能に固定されると共に、要素モータ11〜14が固定される固定フランジ103と、を備える。
ここで、固定フランジ103は、軸受104を介してロータ101を回転可能に固定する。具体的には、固定フランジ103と対向する外リングフランジ105とで軸受104を挟持し、ロータ101と対向する内リングフランジ106とで軸受104を挟持し、ロータ101が固定フランジ103に対して回転可能に固定される。外リングフランジ105は固定フランジ103にネジ107によって固定され、内リングフランジ106はロータ101にネジ108によって固定される。
固定フランジ103は、また、一方の面の、内歯歯車の回転軸(以下、単に回転軸という。)を中心とする円周上に要素モータ11〜14の軸109が位置するように、要素モータ11〜14が固定されるようになっている。具体的には、要素モータ11は、胴部の軸109の先端側に設けられた固定部110が、4箇所、ネジ111と固定フランジ103に設けられたネジ穴S1とによって、固定フランジ103に固定される。ネジ穴S2は上記のネジ穴S1に対応するものであり、要素モータ12を固定フランジ103にネジ112で固定するために設けられる。複数の要素モータを用いてロータを駆動させることは、負荷分散を可能とし、もって内歯歯車の歯にかかるトルクを軽減できる。その結果、内歯歯車のピッチを縮めることが可能になり、もってバックラッシュを低減することができる。
マルチ駆動モータは、固定フランジ103の外周近傍に設けられた貫通孔H1を介して、回転対象の負荷を有する装置に例えばネジ止めされる。負荷となる部材、装置等は、ロータ101に設けられたネジ穴S3を介してロータ101にネジ止めされる。
固定フランジが要素モータに囲まれた領域に開口を有することは、用途の多様性に応えることができるため、好ましい。図2に示す開口H2は円形の形状を有するが、開口の形状は、多角形でもよい。また、開口は、回転軸を中心とするように設けられるのでもよい。また、開口が円形の形状を有する場合、内径が50mm以上、70mm以上等であることが、用途の多様性にさらに応えることができるため、好ましい。具体的には、ロボット等の用途では、例えば、関節部等に2重の回転機構を設けること、回転機構が位置する部分を通過させて信号線、モータ電流線等の電気的配線をブラシレスで通す場合等が多く、固定フランジ103が大きな開口を有することは極めて好ましい。図2に示す例では、開口H2の周囲に設けられた4つのネジ穴S4を介して要素モータ11〜14と同程度の規模のモータが固定フランジ103に取り付け可能になっている。モータを設けない場合は、ブラシレスで信号線、モータ電流線等の電気的配線を通すことができることは、明らかである。
回転軸に関して軸109の位置が回転対称になるように要素モータ11〜14を配置することは、要素モータ11〜14にかかる負荷を均等に分散でき、バックラッシュのさらなる低減を可能とする。図2に示す構成では、軸109が4回対称となるように4つの要素モータ11〜14が配置されている。この場合、マルチ駆動モータをコンパクトに構成しつつ相対的大きな開口を確保できるため、好ましい。
ここで、要素モータ11は、例えば3相の同期ACモータ等のモータ11aと、例えばロータリエンコーダ等の位置検出装置11bとからなり、他の要素モータ12、13、14は、それぞれ、モータ11aと同一のモータ11b、11c、11dからなる。各要素モータ11、12、13、14は、それぞれの駆動歯車102がロータ101の内歯歯車と歯合して相互に従属的に動くため、位置検出装置11bからの位置情報に基づいて、ロータ101の位置即ち回転角度を検知することができる。
以下、制御装置の作用の説明に先立ち、3相の同期ACモータのサーボ制御について説明する。まず、サーボ制御のためには、要素モータの現時刻角度が必要となるが、現時刻角度は上記の位置情報に基づいて検知される。ここで、現時刻角度の出力方式として、回転角度の変化を出力するインクリメンタル方式と、基準位置に対する回転角度を出力するアブソリュート方式とがある。
アブソリュート方式では、電源投入直後に現時刻角度は決定されていないが、1回転の内に多数のマーカ位置を通過し、通過後から決定できるため、近年多用されるようになってきた。ここで、インクリメンタル方式と組み合わせることによって、マーカ位置を通過する前でも変化量は検出可能である。この構成においては、マーカ位置を通過した後には、角度の変化量のみを測定するだけで現時刻角度の絶対値を検出することができる。なお、インクリメンタル方式の位置検出装置のみを有するサーボモータも少なくない。
ここで、インクリメンタル方式の位置検出装置は、1回転で1つのマーカ位置を通過する構成のものが多い。マーカ位置を通過するときに出力される信号をゼロパルスといい、マーカ位置をゼロパルス位置という。アブソリュート方式においても、同様に、特定のマーカ位置等の所定の位置をゼロパルス位置という。
ゼロパルス位置からの回転角から360度の整数倍を引いて0°以上360°未満の角度にしたもの(以下、空間的な角度、電気的な角度等についてのこの角度を素角度という。)をセンサ位置(As)という。ただし、同期ACモータのサーボ制御に必要な角度情報は、電気的な角度、即ち、ロータの角度(Ar)にモータの相数(n)を乗じたものから得られる素角度(以下、電気的角度(Ae)という。)である。電気的角度(Ae)が0となる1回転内のロータの角度をモータゼロ位置(M0)という。モータの相数(n)に応じて、モータゼロ位置(M0)はn箇所存在するが、そのうちの1つが選択される。
例えば上記の3相の同期ACモータの場合、電気的角度(Ae)を変数とする以下の式(1)で表される電流を各相(以下、U相、V相及びW相という。)にモータ電流として供給することによって、一定のトルク(Tr)で回転させることが可能となる。
U=k・Tr・sin(Ae)
V=k・Tr・sin(Ae+120°) (1)
W=−(U+V)
ここで、kは比例係数である。
モータに対する位置検出装置の相対的な取り付け角度に依って、ゼロパルス位置とモータゼロ位置(M0)とは必ずしも一致せず、この差をロータ角オフセット(Δr)という。モータゼロ位置(M0)は、コミュテータ信号を用いて検知される。ここで、コミュテータ信号は、U相、V相及びW相へのモータ電流の位相の符号の切り替わりを指示する信号であり、3本1組の信号線を介して出力されるデジタル信号である。コミュテータ信号は、電気的角度60°毎にいずれかの相についてのものが切り替わる。したがって、コミュテータ信号を検出することによって、各相についての符号に応じて、モータゼロ位置(M0)は、0°、60°、120°、180°、240°及び300°の内のいずれかとして決定される。そして、ロータ角(Ar)は、電気的角度(Ae)を相数(n)で除することによって得られる。ここで、このときの位置検出装置からの位置情報に基づいて得られるセンサ位置(As)から、ロータ角オフセット(Δr)は、差(As−Ar)として算出される。
ここで、アブソリュート方式では、作動後所定時間が経過するまで上記の式(1)中の電気的角度(Ae)を決定できないが、この場合は、以下のように電流を供給することによってモータを作動させることができる。即ち、上記の式(1)で表される各電流に代えて、以下の式(2)で表される電流を対応する各相(U相、V相及びW相)に供給する。
U=sgn(U)・k・Tr
V=sgn(V)・k・Tr (2)
W=−(U+V)
ここで、sgn(U)及びsgn(V)はコミュテータ信号の対応する相の符号である。この駆動方法は、上記の正弦波的な電流供給による正弦波駆動に対して矩形波駆動といわれる。
以下、図1に戻って、本発明によるマルチ駆動モータの制御装置が行うサーボ制御について説明する。ここで、マルチ駆動モータは各要素モータが上記のように内歯歯車等を介して一体となって動作し相互に従属して位置変化するため、本発明による制御装置においては、単一の要素モータ11のみから位置情報を取得する構成となっている。
サーボ制御では、上記の位置情報と目標位置との差が位置偏差として算出され、位置情報の時系列データを一次の数値微分したものが現在の回転速度として算出されると共にこれと速度の目標値(以下、目標速度という。)との差が速度偏差として算出され、位置情報の時系列データを二次の数値微分したもの又は回転速度の時系列データを一次の数値微分したものが現在の回転トルクとして算出されると共にこれとトルクの目標値(以下、目標トルクという。)との差がトルク偏差として算出される。以下、サーボ制御は、これらの目標値のいずれか1つ以上の授受を介して行われるものとして説明する。
制御装置1は、第1の要素モータ11に対して、位置偏差、速度偏差及びトルク偏差が所定範囲内に入るように制御し、他の要素モータ12、13、14に対しては、第1の要素モータ11と同期するように制御する。このために、制御処理部1aは、例えば、第1の要素モータ11に、位置偏差、速度偏差及びトルク偏差に応じた位置、速度及びトルク用の制御信号を生成し、他の要素モータ12、13、14には、第1の要素モータ11が発生するトルクと同一のトルクとなるようにしたトルク用の制御信号を生成し、各制御信号をドライバ11bに出力する。
ドライバ11bは、制御処理部1aから入力された各制御信号に基づいて、要素モータ11、12、13、14毎に各相のモータ電流を生成して対応する要素モータ11、12、13、14に供給する。各相のモータ電流としては、上記の式(1)で表されるものが生成される。
ゼロパルス位置とロータ角オフセットは、例えばマルチ駆動モータが停止したときに、EEPROM(Electrically
Erasable Programmable-ROM)等の不揮発に記憶できる記憶手段に、要素モータ11、12、13、14毎に記憶される。これによって、最初の起動を除き、電源投入時にロータ角オフセットの情報が利用でき、位置検出装置のゼロパルス位置が検出された時点で矩形波駆動から正弦波駆動に切り替えられる。この記憶手段は、制御装置1内の例えば制御処理部1a内等に設けられる。
同様に、第1の要素モータ11と制御処理部1aとの間の位置情報の送受は、従来は位置検出装置としてのロータリエンコーダの信号線を介して行われていた。制御処理部1aは、ロータリエンコーダの信号線を介して出力されたパルスをカウントして、位置情報としていた。高速性、利便性等の観点から、この間のデータの送受に関しても、パラレル構成が好ましい。
図3は、複数のマルチ駆動モータを相互に関連するように制御可能な構成の制御装置を示すブロック図である。図3において、上記で説明したものと同様のものには同一の符号を付し、その説明を省略する。制御装置200は、図3に示すように、図1に示すものと同様の構成を有する複数(n個)の制御装置1〜nと、各制御装置1〜nを相互に関連させて制御するためのマルチモータ間制御処理部201とを備える。
マルチモータ間制御処理部201は、設定された動作を全体として実現するように、各制御装置1〜nの制御の目標値を生成して対応する制御装置1〜nに出力するようになっている。各制御装置1〜nに出力される目標値は、各制御装置1〜nが制御対象とするマルチ駆動モータについてのものであり、具体的には、目標位置、目標位置の時系列等が出力される。必要な場合は、目標速度、目標トルク等の、その他の目標値が含まれるのでもよい。各制御装置1〜nは、この目標値に基づいて、上記のように制御を行う。
図4は、図1に示す制御装置1の外観を模式的に示す斜視図である。ケース301には、図4に示すように、電源用コネクタ302、モータ電流用コネクタ303、コミュテータ信号線用コネクタ304、エンコーダ用コネクタ305及びコントローラ用コネクタ306が設けられている。本実施例では、axis1からaxis4までの4台の要素モータが接続可能になっているが、いうまでもなく、要素モータの接続数は4に限られるものではなく、その他の数であってもよい。
ここで、コントローラ用コネクタ306は、制御処理部1aに接続されているコネクタであるが、マルチモータ間制御処理部201を有する図3の構成においては、マルチモータ間制御処理部201に接続される。このように構成することよって、例えば外部のコンピュータから、1つ又は複数のマルチ駆動モータの制御内容を制御処理部1a又はマルチモータ間制御処理部201に操作性よく設定できる。
ここで、制御処理部は通常半導体チップ等から構成され専用の制御プログラムに応じて制御及び処理を実行するように構成されるが、この制御プログラムがモータ数、グループ構成、モータ配置等のパラメータに応じて対応する各モータを制御可能に構成され、コントローラ用コネクタ306を介してこれらのパラメータが設定されることによって、制御対象を簡易に変更可能とすることは、操作性等の観点から好ましい。
また、電源用コネクタ302は、例えば、高速高トルク用に3相200V交流に対応する。コントローラ用コネクタ306として、例えば、車載機にしばしば使用されるCAN(Cable Area Network)コネクタが使用される。
エンコーダ用コネクタ305には、位置検出装置としてのロータリエンコーダからのコネクタが接続される。ここで、エンコーダ用コネクタ305は、接続されるロータリエンコーダが1つであるのにもかかわらず、4つ設けられている。これは、制御装置が1台のマルチ駆動モータの駆動にも、4台の個別のモータの駆動にも対応できるようにするためである。
このように構成することによって、例えば、マルチ駆動モータ以外の4台の通常モータ、2台の要素モータからなる2台の2軸マルチ駆動モータ、4台の要素モータからなる1台の4軸マルチ駆動モータ、3台の要素モータからなる1台の3軸マルチ駆動モータと1台の通常モータ、等の組み合わせに対応可能となる。要素モータの他の接続数の構成については、容易に上記から類推される。
ここで、1部の要素モータが故障した場合、残った要素モータだけでマルチ駆動モータを動かすことも可能である。全要素モータが動作する場合に比べて容量は小さくなるが、マルチ駆動モータを駆動し続ける必要がある場合等、代替品が用意できるまで使用の可能性が得られ、好ましい。
なお、図4には、モータ毎にコネクタが設けられ制御処理部を中心にしたスター型の接続を実現可能な構成例が示されているが、コネクタの数、配置等はデイジーチェーン型の接続に対応するのでも、その他の接続に対応するのでもよい。もちろん、特定のモータ構成用の制御に適合するように、構成するのでもよい。
本発明によれば、ドライバ側で特定の要素モータに対して他の要素モータが同期するように構成されるため、応答性を確保しつつ計算負荷、通信量を低減することができると共に相互に反する動作を排除でき、もってマルチ駆動モータの特長的な性能を十分に発揮できる。
また、ロータ角オフセットは、要素モータ毎に不揮発に保持されて管理されるため、入手性、経済性等に優れた同期ACモータの利用を容易にする。これによって、同期ACモータを要素モータとするマルチ駆動モータのサーボ制御をも容易に実現でき、制御上直面していた困難が解消される。
その結果、高速性、高トルク性を有し、かつバックラッシを低く抑えることが可能となり、もって大容量モータに容易に置き換え可能でありかつ大きな開口部を有するモータ動作を実現できる。
本発明による制御装置の一実施例を模式的に示すブロック構成図である。 図1に示すマルチ駆動モータの実施例であり、図2(a)は正面図、図2(b)は側面図、図2(c)は背面図である。 複数のマルチ駆動モータを相互に関連するように制御可能な構成の制御装置を示すブロック図である。 図1に示す制御装置1の外観を模式的に示す斜視図である。
符号の説明
1、n、200 制御装置
1a、na 制御処理部
1b、nb ドライバ
1c モータ電流線
11、12、13、14、n1、n2、n3、n4 要素モータ
11a、12a、13a、14a、n1a、n2a、n3a、n4a モータ(同期ACモータ)
101 ロータ
102 駆動歯車
103 固定フランジ
104 軸受
105 外リングフランジ
106 内リングフランジ
107、108、111、112 ネジ
109 要素モータの軸
110 固定部
113 接続端子
201 マルチモータ間制御処理部
301 ケース
302 電源用コネクタ
303 モータ電流用コネクタ
304 コミュテータ信号線用コネクタ
305 エンコーダ用コネクタ
306 コントローラ用コネクタ
H1 貫通孔
H2 開口
S1〜S4 ネジ穴

Claims (5)

  1. 複数のモータが連動して1つのモータとして動作するマルチ駆動モータの制御装置であって、
    前記複数のモータのうちの第1のモータの回転軸の角度に関する位置情報に基づいて、前記第1のモータの回転軸の角度と目標値との差を所定範囲内に入るように制御する制御信号を生成する制御処理部と、
    前記制御処理部が生成した制御信号に基づいて、前記第1のモータを駆動して回転軸の角度を制御するモータ電流を出力し、前記複数のモータのうちの他のモータを前記第1のモータと同期するようにモータ電流を出力する、ドライバと、を備えたことを特徴とする制御装置。
  2. 前記ドライバが、前記他のモータに出力するモータ電流として、前記第1のモータと同一のトルクを発生させるモータ電流を出力することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  3. データを不揮発に記憶する記憶手段を有し、前記記憶手段が、前記モータのロータ角オフセットを前記モータ毎に対応させて記憶することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の制御装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の複数の制御装置と、各前記制御装置に目標値を出力して各前記制御装置に接続された前記マルチ駆動モータが関連して動作するように制御するマルチモータコントローラと、を備えたことを特徴とする制御装置。
  5. 前記マルチモータコントローラが、前記目標値として各モータの回転軸の角度に関する目標値を各前記制御装置に出力することを特徴とする請求項4に記載の制御装置。
JP2007170580A 2007-06-28 2007-06-28 マルチ駆動モータの制御装置 Pending JP2009011090A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007170580A JP2009011090A (ja) 2007-06-28 2007-06-28 マルチ駆動モータの制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007170580A JP2009011090A (ja) 2007-06-28 2007-06-28 マルチ駆動モータの制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009011090A true JP2009011090A (ja) 2009-01-15

Family

ID=40325594

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007170580A Pending JP2009011090A (ja) 2007-06-28 2007-06-28 マルチ駆動モータの制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009011090A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010264568A (ja) * 2009-05-15 2010-11-25 Takamaru Kogyo Kk 2軸ポジショナー
WO2011109984A1 (zh) * 2010-03-12 2011-09-15 江苏金方圆数控机床有限公司 两台永磁同步电机的同轴驱动系统

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000512480A (ja) * 1997-06-30 2000-09-19 シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト 連係された多重電動機駆動システムの個別的駆動機構の自主独立的な角度的に正確な同期運転の調節の非集中的な作動または構成のための方法および装置
JP2001273037A (ja) * 2000-03-27 2001-10-05 Fanuc Ltd サーボ制御装置
JP2003079180A (ja) * 2001-08-31 2003-03-14 Okuma Corp モータ制御装置
JP2004266935A (ja) * 2003-02-28 2004-09-24 Mitsubishi Electric Corp 同期モータの制御装置および同期モータの回転位置ずれ補正方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000512480A (ja) * 1997-06-30 2000-09-19 シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト 連係された多重電動機駆動システムの個別的駆動機構の自主独立的な角度的に正確な同期運転の調節の非集中的な作動または構成のための方法および装置
JP2001273037A (ja) * 2000-03-27 2001-10-05 Fanuc Ltd サーボ制御装置
JP2003079180A (ja) * 2001-08-31 2003-03-14 Okuma Corp モータ制御装置
JP2004266935A (ja) * 2003-02-28 2004-09-24 Mitsubishi Electric Corp 同期モータの制御装置および同期モータの回転位置ずれ補正方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010264568A (ja) * 2009-05-15 2010-11-25 Takamaru Kogyo Kk 2軸ポジショナー
WO2011109984A1 (zh) * 2010-03-12 2011-09-15 江苏金方圆数控机床有限公司 两台永磁同步电机的同轴驱动系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4853842B2 (ja) 同期制御装置
US8334669B2 (en) Multi-axis driver control method, multi-axis driver and multi-axis drive control system having the same
US20060186849A1 (en) Servo control device and method of adjusting servo system
WO2007099626A1 (ja) トルク測定装置
EP3929062A1 (en) General-purpose rotary encoder and servo motor using same
JPS59188518A (ja) サ−ボ制御系の絶対位置検出方式
US20220260971A1 (en) General-purpose rotary encoder
JP6701044B2 (ja) モータ制御装置及びステアリング装置
JP5622125B2 (ja) 多軸モータ駆動システム及び多軸モータ駆動装置
JP2013142699A (ja) センサ装置
WO2012014338A1 (ja) アクチュエータコントロールシステムおよびアクチュエータシステム
JP7107007B2 (ja) 駆動装置、駆動方法、及びプログラム
WO2019087364A1 (ja) 直流モータの制御装置
JP2009011090A (ja) マルチ駆動モータの制御装置
JP5429576B2 (ja) 同期制御装置
US6933698B2 (en) Method of driving a servo motor with a built-in drive circuit
US9557731B2 (en) Control device of gear processing machine
US7800334B2 (en) Drive system
JP2002366210A (ja) 多軸モーション制御システム
JPWO2017195435A1 (ja) モータモジュール、モータステップ動作制御システム、およびモータ制御装置
JP2008525870A (ja) 検出器信号をシミュレートするためのモジュール
JPH0996545A (ja) 出力回転軸のアブソリュート位置検出装置
JP5736968B2 (ja) エンコーダ装置、駆動装置、及びロボットシステム
US9571025B2 (en) Motor apparatus having separate winding systems and master module
KR20150019343A (ko) 기어드 엔코더 모터 및 그 제어 시스템

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100726

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100817

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101214