JP2009010126A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体素子形成領域の端部における電界集中を緩和し、半導体素子形成領域に形成した半導体素子のロールオフ特性の劣化を防止することができ、薄型化できて、しかも、悪戯に製造工程数を増加させない半導体装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】トレンチ型素子分離領域のトレンチ515内に充填されたシリコン酸化膜503上にはシリコン窒化膜504が形成されている。シリコン窒化膜504は半導体素子形成領域516上には形成されていない。シリコン窒化膜504のフッ酸含有薬液でのウェットエッチングレートは、シリコン酸化膜のフッ酸含有薬液でのウェットエッチングレートよりも小さい。シリコン窒化膜504の上面は、半導体素子形成領域の表面に対して50nm低い位置から50nm高い位置までの間にある。
【選択図】図5B

Description

本発明は、半導体装置及びその製造方法に関し、特に、トレンチ型素子分離領域を有する半導体装置及びその製造方法に関する。
素子分離の方法として従来使用されていたLOCOS(LOCal Oxidation of Silicon)型の素子分離法では、微細化するにつれバーズビークやシニングにより素子分離特性が劣化するといった問題が顕著になり、半導体素子の高集積化の妨げとなった。これを解決するために開発されたSTI(Shallow Trench Isolation:トレンチ型素子分離方法)は、基板に形成されたトレンチにシリコン酸化膜を充填する方法を使用し、これにより、バーズビーク、シニングの問題はなくなった。しかし、上記トレンチ内にシリコン酸化膜を埋め込み、次いでシリコン酸化膜の緻密化のために熱処理を行うと、基板と分離膜であるシリコン酸化膜との材質の差や、トレンチ側面のシリコン基板が酸化し膨張することにより、半導体素子形成領域に圧縮応力を受けるという問題が新たに発生した。上記半導体素子形成領域が圧縮応力を受けると、シリコン基板の活性領域における電子の移動度が大きく低下するため、MOSトランジスタのドレイン電流が低下してしまう。また、上記半導体素子の微細化に伴って活性領域が小さくなることで、半導体素子形成領域に及ぼす圧縮応力の影響が大きくなるので、その圧縮応力は微細化したMOSトランジスタのドレイン電流の劣化やバラツキの原因となる。
この圧縮応力の影響という問題を解決する1つの方法として、シリコン窒化膜ライナをトレンチの内壁に形成した後、シリコン酸化膜を充填する方法が開発された。このシリコン窒化膜ライナは引っ張り応力を持つことにより、半導体素子形成領域に掛かる圧縮応力を打ち消すことが可能である。また、上記窒化シリコン膜ライナは酸素や水分といった酸化種の拡散を防止するバリア膜として作用するため、後続の熱工程によってトレンチ側面のシリコン基板が酸化されることを防止し、半導体素子形成領域に掛かる応力を減少させ得る。
上記シリコン窒化膜ライナを用いたトレンチ型素子分離の形成方法としては、特開2004−207564号公報(特許文献1)に開示されている。
しかしながら、上記圧縮応力はトレンチに充填されたシリコン酸化膜にも掛かるため、シリコン酸化膜が膜ストレスを受けてしまう。この現象は、シリコン窒化膜ライナの有無に拘らず発生し、後の拡散工程の前洗浄等においてフッ素系の薬液でエッチングを行った場合、シリコン酸化膜が局所的に後退する。また、上記薬液によるエッチングであるためにシリコン酸化膜のエッチングは等方的に進行し、シリコン酸化膜の局所的な後退はより顕著になる。
以下、図9A〜図9Dの模式断面図を用いて、上記シリコン酸化膜の局所的な後退について具体的に説明する。
まず、STIのCMP(Chemical Mechanical Polish:化学的機械研磨)を行って、図9Aに示すような半導体基板900を得る。すなわち、半導体基板上に絶縁膜およびシリコン窒化膜を順次積層した後、所定領域にフォトリソグラフィおよびエッチングを行って、第1の絶縁膜901、シリコン窒化膜902およびトレンチ915を半導体基板900に形成して、更に、第2の絶縁膜903でトレンチ915内を充填した後、緻密化のための熱処理を行った後、CMPによって平坦化を行う。
次に、図9Bに示すように、トレンチ形成用マスクとして用いた第1のシリコン窒化膜902と第1の絶縁膜901とを除去する。この状態において、既に、トレンチ915内に充填した第2の絶縁膜903の局所的な後退が生じている。
次に、ウエル形成やチャネル形成を行うための犠牲酸化の工程において、シリコン酸化と、このシリコン酸化によるシリコン酸化膜の除去とを何度か繰り返し行うと、図9Cに示すような状態になる。このシリコン酸化膜を除去する際に、トレンチ915内に充填した第2の絶縁膜903の局所的な後退がより顕著になる。
次に、図9Dに示すように、上記半導体基板900上に、ゲート絶縁膜906およびゲート電極907を順次形成する。このゲート電極907は、トレンチ915内に充填した第2の絶縁膜903の局所的な後退の影響を受けた状態で形成される。
上記トレンチ915内のシリコン酸化膜903が局所的に後退すると、半導体素子形成領域916の端部におけるゲート電極907との電界集中、及び、トランジスタのロールオフ特性の劣化に繋がる。
この局所的な後退の影響という問題を解決する1つの方法としては、特開平11−74527号公報(特許文献2)に開示されている。
以下、図11A〜図11Hを用いて、特開平11−74527号公報の方法について説明する。
まず、図11Aに示すように、半導体基板上1100上に第1の膜1101および第2の膜1102を形成する。
次に、上記第2の膜1102と第1の膜1101と半導体基板1100の上部とを選択的に除去して、図11Bに示すように、第1の溝1115を形成する。
次に、素子分離領域を形成するため、図11Cに示すように、第1の溝1115に第1の絶縁膜1103を埋め込む。
次に、上記第1の絶縁膜1103および第2の膜1102の一部を除去して、図11Dに示すように、ダミーゲート層1104を形成する。
次に、図11Eに示すように、ダミーゲート層1104をマスクとして用いて不純物注入を行って、半導体素子形成領域1116に不純物拡散領域1112を形成する。
次に、図11Fに示すように、上記第1の膜1101、第1の絶縁膜1103およびダミーゲート層1104上に第2の絶縁膜1105を形成する。
次に、上記第2の絶縁膜1105の一部を除去すると共に、ダミーゲート層1104およびこの下にある第2の膜1102を除去して、図11Gに示すように、第2の溝1118を形成する。
次に、上記第2の溝1118から露出した半導体素子形成領域1116上に、図11Hに示すように、ゲート絶縁膜1106およびゲート電極1107を順次形成する。
以上の工程により、上記半導体素子形成領域1116の端部における電界集中を緩和し、トランジスタの特性劣化を防止することを可能とする提案がなされている。
尚、上記提案は、微細化によって配線抵抗が増加するという問題を解決するために、ゲート電極1107に抵抗の低い金属材料を用いて配線抵抗を下げる方法をも鑑みて提案されたものである。
また、上記所的な後退の影響という問題を解決する他の方法としては、特開2001−274367号公報(特許文献3)に開示されている。
以下、図12A〜図12Gを用いて、特開2001−274367号公報の方法について説明する。
まず、STIのCMPを行って、図12Aに示すように、半導体素子形成領域1216を有する半導体基板1200を得る。すなわち、半導体基板上に、ゲート絶縁膜、ゲート電極およびシリコン窒化膜を順次積層した後、所定領域にフォトリソグラフィおよびエッチングを行って、第1のゲート絶縁膜1201、第1のゲート電極1202、第1のシリコン窒化膜1203およびトレンチ1215を半導体基板1200に形成して、更に、第1のシリコン酸化膜1204でトレンチ1215内を充填した後に、第1のシリコン窒化膜1203をストッパーとしたCMPによって平坦化を行う。
次に、ストッパーとして用いた第1のシリコン窒化膜1203を除去した後、図12Bに示すように、第1のシリコン酸化膜1204を第1のゲート電極1202の表面から20〜40nm程度下がるまでウエットエッチする。
次に、上記第1のゲート電極1202および第1のシリコン酸化膜1204上に、シリコン窒化膜およびシリコン酸化膜を順次積層した後、シリコン窒化膜をスットパとするCMPによって平坦化を行って、図12Cに示すように、第2のシリコン窒化膜1205および第2のシリコン酸化膜1206を形成する。この第2のシリコン窒化膜1205は、第1のゲート電極1202上にある部分が露出し、第1のシリコン酸化膜1204上にある部分が第2のシリコン酸化膜1206で覆われている。また、上記第2のシリコン酸化膜1206は露出している。
次に、上記ストッパとして用いた第2のシリコン窒化膜1205の露出部のみを除去した後、第2のシリコン酸化膜1206を除去して、図12Dに示すように、第1のシリコン酸化膜1204を覆う第2のシリコン窒化膜1205を露出させる。
次に、図12Eに示すように、第1のゲート電極1202および第2のシリコン窒化膜1205上に第2のゲート電極1207を形成した後、第2のゲート電極1207上に所定のパターンの第1のフォトレジスト1208を形成する。
次に、上記第1のフォトレジスト1208をマスクとして、第2のゲート電極1207の一部をエッチングした後、第1のフォトレジスト1208を剥離する。そして、図12Fに示すように、第2のゲート絶縁膜1209および第3のゲート電極1210を順次積層した後、第3のゲート電極1210上に所定のパターンの第2のフォトレジスト1211を形成する。また、上記第3のゲート電極1210は制御ゲートとして利用される。
以上の工程により、半導体素子形成領域1216の端部における電界集中を緩和し、トランジスタの特性劣化を防止することを可能とする提案がなされている。
尚、上記提案は、不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法を前提とし、第1のゲート電極1202と第2のゲート電極1207からなる浮遊ゲートの形成過程の製造方法を鑑みて提案されたものである。
しかしながら、特開平11−74527号公報および特開2001−274367号公報のどちらの半導体装置も薄型化が困難であるという問題がある。
また、特開平11−74527号公報および特開2001−274367号公報のどちらの半導体装置の製造方法も、製造工程数が多いという問題がある。
特開2004−207564号公報 特開平11−74527号公報 特開2001−274367号公報
そこで、本発明の課題は、半導体素子形成領域の端部における電界集中を緩和し、半導体素子形成領域に形成した半導体素子のロールオフ特性の劣化を防止することができ、薄型化できて、しかも、悪戯に製造工程数を増加させない半導体装置及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の半導体装置は、
半導体素子形成領域と、この半導体形成領域に隣接するトレンチ型素子分離領域とを有する半導体基板と、
上記トレンチ型素子分離領域のトレンチ内に充填されたシリコン酸化膜上に形成されていると共に、上記半導体素子形成領域上に形成されていない保護膜と、
上記半導体素子形成領域上および上記保護膜上に形成されたゲート絶縁膜と、
上記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、
上記ゲート電極の側方に形成され、一部が上記保護膜上に位置するサイドウォールと
を備え、
上記保護膜のフッ酸含有薬液でのウェットエッチングレートは、上記シリコン酸化膜のフッ酸含有薬液でのウェットエッチングレートよりも小さく、
上記保護膜の上面は、上記半導体素子形成領域の表面に対して50nm低い位置から50nm高い位置までの間にあることを特徴としている。
上記構成の半導体装置によれば、上記シリコン酸化膜上に形成された保護膜のフッ酸含有薬液でのウェットエッチングレートが、シリコン酸化膜のフッ酸含有薬液でのウェットエッチングレートよりも小さいので、フッ酸含有薬液によるウェットエッチングレートでシリコン酸化膜が局所的に後退するのを防ぐことができる。
したがって、上記半導体素子形成領域の端部における電界集中、及び、半導体素子形成領域に形成する半導体素子のロールオフ特性の劣化を防止することができる。
また、上記保護膜の上面が半導体素子形成領域の表面に対して50nm低い位置から50nm高い位置までの間にあるので、薄型化することができる。
また、上記トレンチ型素子分離領域の形成後において、トレンチ型素子分離領域のトレンチ内に充填されたシリコン酸化膜上に保護膜を形成することにより、後続工程で発生するシリコン酸化膜の膜減りを抑制することができる。
また、上記シリコン酸化膜の膜減りを抑制することができるので、ゲート電極が半導体基板側に向かって凸形状になり難い。
また、上記保護膜は後続工程中に存在するエッチングの一過程で不要領域を取り除くことができるので、工程増加は形成時のみに抑えることができる。
一実施形態の半導体装置では、
上記保護膜は上記シリコン酸化膜の一部上に形成されている。
上記実施形態の半導体装置によれば、上記保護膜はシリコン酸化膜の一部上に形成されているので、保護膜の材料が少なく済み、製造コストの増加を防ぐことができる。
一実施形態の半導体装置では、
上記保護膜がシリコン窒化膜またはシリコン酸窒化膜(SiON)である。
上記実施形態の半導体装置によれば、上記保護膜がシリコン窒化膜またはシリコン酸窒化膜であるので、フッ酸含有薬液によるウェットエッチングレートでシリコン酸化膜が局所的に後退するのを確実に防ぐことができる。
一実施形態の半導体装置では、
上記保護膜の膜厚が1nmから50nmの範囲内である。
上記実施形態の半導体装置によれば、上記保護膜の膜厚が1nmから50nmの範囲内であるので、フッ酸含有薬液によるウェットエッチングレートでシリコン酸化膜が局所的に後退するのを確実に防ぐことができる。
本発明の半導体装置の製造方法は、
半導体基板に、半導体素子形成領域と、シリコン酸化膜が充填されたトレンチを有するトレンチ型素子分離領域とを形成する工程と、
上記シリコン酸化膜上に位置し、かつ、上記半導体素子形成領域上に位置しない保護膜を形成する工程と、
上記半導体素子形成領域の所定領域にイオン注入を行う工程と、
フッ酸含有薬液でのウェットエッチングを行って、上記半導体素子形成領域上および上記保護膜上にゲート絶縁膜を形成する工程と、
上記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、
上記ゲート電極の側方に、一部が上記保護膜上に位置するサイドウォールを形成する工程と、
上記ゲート電極をマスクとして、または、フォトリソグラフィにより形成した所定形状のパターンをマスクとして、上記保護膜の一部を除去する工程と
を備え、
上記保護膜のフッ酸含有薬液でのウェットエッチングレートは、上記シリコン酸化膜のフッ酸含有薬液でのウェットエッチングレートよりも小さく、
上記保護膜の上面は、上記半導体素子形成領域の表面に対して50nm低い位置から50nm高い位置までの間にあることを特徴としている。
上記構成の半導体装置の製造方法によれば、上記シリコン酸化膜上に形成された保護膜のフッ酸含有薬液でのウェットエッチングレートが、シリコン酸化膜のフッ酸含有薬液でのウェットエッチングレートよりも小さいので、フッ酸含有薬液によるウェットエッチングレートでシリコン酸化膜が局所的に後退するのを防ぐことができる。
したがって、上記半導体素子形成領域の端部における電界集中、及び、半導体素子形成領域に形成する半導体素子のロールオフ特性の劣化を防止することができる。
また、上記保護膜の上面が半導体素子形成領域の表面に対して50nm低い位置から50nm高い位置までの間にあるので、薄型化することができる。
また、上記トレンチ型素子分離領域の形成後において、トレンチ型素子分離領域のトレンチ内に充填されたシリコン酸化膜上に保護膜を形成することにより、後続工程で発生するシリコン酸化膜の膜減りを抑制することができる。
また、上記シリコン酸化膜の膜減りを抑制することができるので、ゲート電極が半導体基板側に向かって凸形状になり難い。
また、上記保護膜は後続工程中に存在するエッチングの一過程で不要領域を取り除くことができるので、工程増加は形成時のみに抑えることができる。
一実施形態の半導体装置の製造方法では、
上記保護膜はシリコン窒化膜またはシリコン酸窒化膜である。
上記実施形態の半導体装置の製造方法によれば、上記保護膜がシリコン窒化膜またはシリコン酸窒化膜であるので、フッ酸含有薬液によるウェットエッチングレートでシリコン酸化膜が局所的に後退するのを確実に防ぐことができる。
一実施形態の半導体装置の製造方法では、
上記保護膜の膜厚は1nmから50nmの範囲内である。
上記実施形態の半導体装置の製造方法によれば、上記保護膜の膜厚が1nmから50nmの範囲内であるので、フッ酸含有薬液によるウェットエッチングレートでシリコン酸化膜が局所的に後退するのを確実に防ぐことができる。
一実施形態の半導体装置の製造方法では、
上記シリコン酸化膜上に位置し、かつ、上記半導体素子形成領域上に位置しない上記保護膜は、上記トレンチ型素子分離を形成するために用いたマスクの反転パターンを用いて形成する。
上記実施形態の半導体装置の製造方法によれば、上記シリコン酸化膜上に位置し、かつ、上記半導体素子形成領域上に位置する上記保護膜は、トレンチ型素子分離を形成するために用いたマスクの反転パターンを用いて形成するので、製造に用いるマスクの数の増加を抑えて、製造コストの増加を防ぐことができる。
一実施形態の半導体装置の製造方法では、
上記反転パターンの幅は10μmを越えている。
上記実施形態の半導体装置の製造方法によれば、上記反転パターンの幅は10μmを越えているので、その反転パターンによって幅が10μmを越える広域の素子分離領域のみに保護膜を残すことができる。
本発明の半導体装置によれば、シリコン酸化膜上に形成された保護膜のフッ酸含有薬液でのウェットエッチングレートが、シリコン酸化膜のフッ酸含有薬液でのウェットエッチングレートよりも小さいので、フッ酸含有薬液によるウェットエッチングレートでシリコン酸化膜が局所的に後退するのを防ぐことができる。
したがって、上記半導体素子形成領域の端部における電界集中、及び、半導体素子形成領域に形成する半導体素子のロールオフ特性の劣化を防止することができる。
また、上記保護膜の上面が半導体素子形成領域の表面に対して50nm低い位置から50nm高い位置までの間にあるので、薄型化することができる。
また、上記トレンチ型素子分離領域の形成後において、トレンチ型素子分離領域のトレンチ内に充填されたシリコン酸化膜上に保護膜を形成することにより、後続工程で発生するシリコン酸化膜の膜減りを抑制することができる。
また、上記シリコン酸化膜の膜減りを抑制することができるので、ゲート電極が半導体基板側に向かって凸形状になり難い。
また、上記保護膜は後続工程中に存在するエッチングの一過程で不要領域を取り除くことができるので、工程増加は形成時のみに抑えることができる。
本発明の半導体装置の製造方法によれば、シリコン酸化膜上に形成された保護膜のフッ酸含有薬液でのウェットエッチングレートが、シリコン酸化膜のフッ酸含有薬液でのウェットエッチングレートよりも小さいので、フッ酸含有薬液によるウェットエッチングレートでシリコン酸化膜が局所的に後退するのを防ぐことができる。
したがって、上記半導体素子形成領域の端部における電界集中、及び、半導体素子形成領域に形成する半導体素子のロールオフ特性の劣化を防止することができる。
また、上記保護膜の上面が半導体素子形成領域の表面に対して50nm低い位置から50nm高い位置までの間にあるので、薄型化することができる。
また、上記トレンチ型素子分離領域の形成後において、トレンチ型素子分離領域のトレンチ内に充填されたシリコン酸化膜上に保護膜を形成することにより、後続工程で発生するシリコン酸化膜の膜減りを抑制することができる。
また、上記シリコン酸化膜の膜減りを抑制することができるので、ゲート電極が半導体基板側に向かって凸形状になり難い。
また、上記保護膜は後続工程中に存在するエッチングの一過程で不要領域を取り除くことができるので、工程増加は形成時のみに抑えることができる。
以下、本発明の半導体装置を図示の実施の形態により詳細に説明する。
(第1実施形態)
図5Aは本発明の第1実施形態の製造途中の半導体装置の模式上面図である。
上記半導体装置は、半導体素子形成領域516と、トレンチ515内に充填されたシリコン酸化膜503からなるトレンチ型素子分離領域とを有する半導体基板500を備えている。
上記半導体素子形成領域516およびシリコン酸化膜503上にはゲート電極507および第2のサイドウォール510が形成されている。
図5Bは図5AのVB−VB線から見た模式断面図である。
上記シリコン酸化膜503からなるトレンチ型素子分離領域とゲート電極507の間には、シリコン窒化膜504およびゲート絶縁膜506が形成されている。このゲート絶縁膜506は、シリコン窒化膜504上から半導体素子形成領域516上に渡って延びている。尚、上記シリコン窒化膜504は保護膜の一例である。
上記シリコン窒化膜504は、半導体製造過程におけるシリコン酸化膜の除去やエッチングによる上記素子分離領域の膜減りを抑制するために配置したものであり、上記素子分離領域の端部の凹凸発生(素子分離領域の後退)によるゲート電極507との電界集中等を回避することができる。
また、上記シリコン窒化膜504の上面(図中上側の表面)は、半導体素子形成領域516の上面よりも高くなっている。
尚、上記シリコン窒化膜504以外でも、後続工程での熱処理に耐え得ることができる被膜で、且つ、フッ酸を含有する薬液でのウェットエッチングレートが『シリコン酸化膜>上記被膜』の式に当てはまる膜であれば、シリコン窒化膜504の代わりとして用いても良い。
また、上記シリコン窒化膜504の膜厚は、半導体製造過程におけるシリコン酸化膜の除去やエッチングによってなくならない膜厚であれば良い。一般的な製造過程においては、シリコン窒化膜504は、10nmから50nmのシリコン酸化膜エッチングに晒されるので、それに耐え得る、つまり、シリコン窒化膜504がなくなって上記素子分離領域を露出させない膜厚であれば良い。具体的には、上記シリコン窒化膜504の膜厚は1nmから50nmの範囲内であれば良い。
また、上記シリコン窒化膜504の上面(図中上側の表面)は、半導体素子形成領域516の上面に対して−50nmから50nmの間に位置させている。上記シリコン窒化膜504の上面の位置(高さ)の制御が必要な理由は、シリコン窒化膜504は上記素子分離領域の端部の凹状を抑制するものであり、シリコン窒化膜504自体によって半導体素子形成領域516の上面との凹凸を発生させてしまうと本末転倒となるためである。
更に、上記シリコン窒化膜504が、ゲート電極507同士の間に位置したり、半導体素子形成領域516上に存在したりすると、リーク電流や、トランジスタの特性変動が生じるため、そのような場所にシリコン窒化膜504を存在しないようにしている。
図5Cは図5AのVC−VC線から見た模式断面図である。
上記半導体素子形成領域516上には、シリコン窒化膜504が形成されていなくて、ゲート絶縁膜506が形成されている。このゲート絶縁膜506上には、ゲート電極507と、このゲート電極507を挟む一対の第1のサイドウォール509とが形成されている。この第1サイドウォール509は電荷の保持する機能を有している。また、上記ゲート絶縁膜506および第1のサイドウォール509には第2のサイドウォール510が隣接している。
図5Dは上記第1実施形態の完成状態の半導体装置の模式断面図である。尚、図5Dの断面は図5Cの断面と同じ箇所の断面である。
上記半導体素子形成領域516には、LDD(ライトドープドレイン)注入領域511と、このLDD注入領域511に隣接するSD(ソースドレイン)注入領域512とが形成されている。このSD注入領域512は、コンタクト513を介してメタル配線514に接続されている。上記LDD注入領域511およびSD注入領域512を含むトランジスタの基本特性に対してシリコン窒化膜504は何ら影響を与えない。
また、図5Dの517は層間絶縁膜である。
上記構成の半導体装置によれば、シリコン酸化膜503からなるトレンチ型素子分離領域上にシリコン窒化膜504を形成しているので、そのトレンチ型素子分離領域の端部における凹凸の発生を抑制できる。
したがって、上記半導体素子形成領域516の端部におけるゲート電極507の電界集中、及び、半導体素子形成領域516に形成するトランジスタのロールオフ特性の劣化を防ぐことができる。
また、上記シリコン窒化膜504の上面が半導体素子形成領域516の表面に対して50nm低い位置から50nm高い位置までの間にあるので、薄型化することができる。
また、上記シリコン酸化膜503の形成後において、シリコン酸化膜503上にシリコン窒化膜504を形成することにより、後続工程で発生するシリコン酸化膜503の膜減りを抑制することができる。
また、上記シリコン酸化膜503の膜減りを抑制することができるので、ゲート電極507が半導体基板500側に向かって凸形状になり難い。
また、上記シリコン窒化膜504は後続工程中に存在するエッチングの一過程で不要領域を取り除くことができるので、工程増加は形成時のみに抑えることができる。
(第2実施形態)
図6Aは本発明の第2実施形態の製造途中の半導体装置の模式上面図である。
上記半導体装置は、半導体素子形成領域616と、トレンチ615a,615b内に充填されたシリコン酸化膜603a,603bからなるトレンチ型素子分離領域とを有する半導体基板600を備えている。
上記半導体素子形成領域616およびシリコン酸化膜603a,603b上にはゲート電極607および第2のサイドウォール610が配置されている。
図6Bは図6AのVIB−VIB線から見た模式断面図である。
上記シリコン酸化膜603aからなる狭域のトレンチ型素子分離領域とゲート電極607との間には、ゲート絶縁膜606が形成されている。また、上記シリコン酸化膜603bからなる広域のトレンチ型素子分離領域とゲート電極607との間には、シリコン窒化膜604およびゲート絶縁膜606が形成されている。
上記シリコン窒化膜604は、半導体製造過程におけるシリコン酸化膜の除去やエッチングによる上記広域の素子分離領域の膜減りを抑制するために配置したものであり、上記広域の素子分離領域の端部の凹凸発生(素子分離領域の後退)によるゲート電極607との電界集中等を回避することができる。
また、上記シリコン窒化膜604の上面(図中上側の表面)は、半導体素子形成領域616の上面よりも高くなっている。
上記シリコン酸化膜603aからなる狭域のトレンチ型素子分離領域の幅が10μm以下であるので、そのシリコン酸化膜603a上にシリコン窒化膜604を形成していない。これは、半導体製造過程のSTIのCMP工程において、上記広域のトレンチ型素子分離領域の素子分離膜厚よりも上記狭域のトレンチ型素子分離領域の素子分離膜厚を厚くできるためで、この特性を利用したものである。更に、上記広域のトレンチ型素子分離領域上のシリコン窒化膜604であれば半導体素子形成領域616とのアライメントマージンも確保し易く、チップサイズの増加を抑制できるためである。
尚、上記シリコン窒化膜604以外でも、後続工程での熱処理に耐え得ることができる被膜で、且つ、フッ酸を含有する薬液でのウェットエッチングレートが『シリコン酸化膜>上記被膜』の式に当てはまる膜であれば良い。
また、上記シリコン窒化膜604の膜厚は、半導体製造過程におけるシリコン酸化膜の除去やエッチングによってなくならない膜厚があれば良い。一般的な製造過程においては、シリコン窒化膜604は、10nmから50nmのシリコン酸化膜エッチングに晒されるので、それに耐え得る、つまり、シリコン窒化膜604がなくなって、シリコン酸化膜603bからなる広域のトレンチ型素子分離領域を露出させない膜厚であれば良い。具体的には、上記シリコン窒化膜604は、1nmから50nmの膜厚で形成すれば良い。
また、上記シリコン窒化膜604の上面(図中上側の表面)は、半導体素子形成領域616の上面に対して−50nmから50nmの間に位置させる。何故なら、上記シリコン窒化膜604は、上記広域のトレンチ型素子分離領域の凹状を抑制するものであり、シリコン窒化膜604自体によって半導体素子形成領域616の上面との凹凸を発生させてしまうと本末転倒となるためである。
更に、上記シリコン窒化膜604が、ゲート電極607同士の間に位置したり、半導体素子形成領域616上に存在すると、リーク電流や、トランジスタの特性変動が生じるため、取り除く必要があり、そのような場所にシリコン窒化膜604を存在しないようにしている。
図6Cは図6AのVIC−VIC線から見た模式断面図である。
上記半導体素子形成領域616上には、シリコン窒化膜604が形成されていなくて、ゲート絶縁膜606が形成されている。このゲート絶縁膜606上には、ゲート電極607と、このゲート電極607を挟む一対の第1のサイドウォール609とが形成されている。この第1のサイドウォール609は電荷の保持する機能を有している。また、上記ゲート絶縁膜606および第1のサイドウォール609には第2のサイドウォール610が隣接している。
図6Dは上記第2実施形態の完成状態の半導体装置の模式断面図である。尚、図6Dの断面は図6Cの断面と同じ箇所の断面である。
上記半導体素子形成領域616には、LDD注入領域611と、このLDD注入領域611に隣接するSD注入領域612とが形成されている。このSD注入領域612は、コンタクト613を介してメタル配線614に接続されている。上記LDD注入領域611およびSD注入領域612を含むトランジスタの基本特性に対してシリコン窒化膜604は何ら影響を与えない。
また、図6Dの617は層間絶縁膜である。
上記構成の半導体装置によれば、シリコン酸化膜603bからなる広域のトレンチ型素子分離領域上にシリコン窒化膜604を形成しているので、そのトレンチ型素子分離領域の端部における凹凸の発生を抑制できる。
したがって、上記半導体素子形成領域616の端部におけるゲート電極607の電界集中、及び、半導体素子形成領域616に形成するトランジスタのロールオフ特性の劣化を防ぐことができる。
また、上記シリコン窒化膜604の上面が半導体素子形成領域616の表面に対して50nm低い位置から50nm高い位置までの間にあるので、薄型化することができる。
また、上記シリコン酸化膜603bの形成後において、シリコン酸化膜603b上にシリコン窒化膜604を形成することにより、後続工程で発生するシリコン酸化膜603bの膜減りを抑制することができる。
また、上記シリコン酸化膜603bの膜減りを抑制することができるので、ゲート電極607が半導体基板600側に向かって凸形状になり難い。
また、上記シリコン窒化膜604は後続工程中に存在するエッチングの一過程で不要領域を取り除くことができるので、工程増加は形成時のみに抑えることができる。
(第3実施形態)
図7Aは本発明の第3実施形態の製造途中の半導体装置の模式上面図である。
上記半導体装置は、半導体素子形成領域716と、第2のシリコン酸化膜703からなるトレンチ型素子分離領域とを有する半導体基板700を備えている。
上記半導体素子形成領域716および第2のシリコン酸化膜703上にはゲート電極707および第2のサイドウォール710が形成されている。
図7Bは図7AのVIIB−VIIB線から見た模式断面図である。
上記第2のシリコン酸化膜703からなるトレンチ型素子分離領域とゲート電極707の間には、シリコン窒化膜704およびゲート絶縁膜706が形成されている。このゲート絶縁膜706は、シリコン窒化膜704上から半導体素子形成領域716上に渡って延びている。
上記シリコン窒化膜704は、半導体製造過程におけるシリコン酸化膜の除去やエッチングによる上記素子分離領域の膜減りを抑制するために配置したものであり、上記素子分離領域の端部の凹凸発生(素子分離領域の後退)によるゲート電極707との電界集中等を回避することができる。
また、上記シリコン窒化膜704の上面(図中上側の表面)は、半導体素子形成領域716の上面と略同じ高さとなっている。つまり、上記シリコン窒化膜704の上面と半導体素子形成領域716の上面とが、略同一平面に含まれるようにする。
尚、上記シリコン窒化膜704以外でも、後続工程での熱処理に耐え得ることができる被膜で、且つ、フッ酸を含有する薬液でのウェットエッチングレートが『シリコン酸化膜>上記被膜』の式に当てはまる膜であれば、シリコン窒化膜704の代わりとして用いても良い。
また、上記シリコン窒化膜704の膜厚は、半導体製造過程におけるシリコン酸化膜の除去やエッチングによってなくならない膜厚であれば良い。一般的な製造過程においては、シリコン窒化膜704は、10nmから50nmのシリコン酸化膜エッチングに晒されるので、それに耐え得る、つまり、シリコン窒化膜704がなくなって上記素子分離領域を露出させない膜厚であれば良い。具体的には、上記シリコン窒化膜704の膜厚は1nmから50nmの範囲内であれば良い。
また、上記シリコン窒化膜704の上面は、半導体素子形成領域716の上面に対して−50nmから50nmの間に位置させる。上記シリコン窒化膜704の上面の位置(高さ)の制御が必要な理由は、シリコン窒化膜704は上記素子分離領域の端部の凹状を抑制するものであり、シリコン窒化膜704自体によって半導体素子形成領域716の上面との凹凸を発生させてしまうと本末転倒となるためである。
更に、上記シリコン窒化膜704が、ゲート電極707同士の間に位置したり、半導体素子形成領域716上に存在したりすると、リーク電流や、トランジスタの特性変動が生じるため、そのような場所にシリコン窒化膜704を存在しないようにしている。
図7Cは図7AのVIIC−VIIC線から見た模式断面図である。
上記半導体素子形成領域716上には、シリコン窒化膜704が形成されていなくて、ゲート絶縁膜706が形成されている。このゲート絶縁膜706上には、ゲート電極707と、このゲート電極707を挟む一対の第1のサイドウォール709とが形成されている。この第1のサイドウォール709は電荷の保持する機能を有している。また、上記ゲート絶縁膜706および第1のサイドウォール709には第2のサイドウォール710が隣接している。
図7Dは上記第3実施形態の完成状態の半導体装置の模式断面図である。尚、図7Dの断面は図7Cの断面と同じ箇所の断面である。
上記半導体素子形成領域716には、LDD(ライトドープドレイン)注入領域511と、このLDD注入領域711に隣接するSD注入領域712とが形成されている。このSD注入領域712は、コンタクト713を介してメタル配線714に接続されている。上記LDD注入領域711およびSD注入領域712を含むトランジスタの基本特性に対してシリコン窒化膜704は何ら影響を与えない。
また、図7Dの517は層間絶縁膜である。
上記構成の半導体装置によれば、シリコン酸化膜703からなるトレンチ型素子分離領域上にシリコン窒化膜704を形成しているので、そのトレンチ型素子分離領域の端部における凹凸の発生を抑制できる。
したがって、上記半導体素子形成領域716の端部におけるゲート電極707の電界集中、及び、半導体素子形成領域716に形成するトランジスタのロールオフ特性の劣化を防ぐことができる。
また、上記シリコン窒化膜704の上面が半導体素子形成領域716の表面に対して50nm低い位置から50nm高い位置までの間にあるので、薄型化することができる。
また、上記シリコン酸化膜703の形成後において、シリコン酸化膜703上にシリコン窒化膜704を形成することにより、後続工程で発生するシリコン酸化膜703の膜減りを抑制することができる。
また、上記シリコン酸化膜703の膜減りを抑制することができるので、ゲート電極707が半導体基板700側に向かって凸形状になり難い。
また、上記シリコン窒化膜704は後続工程中に存在するエッチングの一過程で不要領域を取り除くことができるので、工程増加は形成時のみに抑えることができる。
(第4実施形態)
図1A〜図1Iは本発明の第4実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための模式断面図である。
上記半導体装置の製造方法では、まず、図示してないが、半導体基板の表面上に、厚さ2〜20nm、例えば厚さ10nmのシリコン酸化膜を熱酸化により形成し、シリコン酸化膜上に、厚さ50nm〜200nm、例えば厚さ100nmのシリコン窒化膜をLPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition:減圧化学蒸気堆積)により形成する。
次に、上記シリコン窒化膜上に所定のレジストパターンを形成し、このレジストパターンをエッチングマスクとして用いて、半導体基板、シリコン酸化膜およびシリコン窒化膜をエッチングした後、レジストパターンを除去する。その結果、図1Aに示すように、半導体素子形成領域116を有する半導体基板100と、シリコン酸化膜101と、シリコン窒化膜102とが得られる。この半導体基板100には、160〜500nm、例えば深さ300nmエッチングされてトレンチ115が形成されている。
尚、上記レジストパターンの除去は、シリコン窒化膜およびシリコン酸化膜をエッチングした後に行って、パターニングされたシリコン窒化膜102およびシリコン酸化膜101をエッチングマスクに用いて、半導体基板をエッチングすることでトレンチ115を形成しても構わない。
次に、図示していないが、露出した半導体基板100表面とシリコン窒化膜102表面に厚さ1〜30nm、例えば厚さ10nmのシリコン酸化膜をラジカル酸化法により形成する。
上記シリコン酸化膜の形成は、通常の熱酸化法を用いて半導体基板100表面のみを酸化しても良く、その後にLPCVD法を用いて上記シリコン酸化膜とシリコン窒化膜102の両表面を覆うように形成してもよい。
次に、上記シリコン酸化膜上に、厚さ410〜510nm、例えば厚さ450nmのシリコン酸化膜103をHDPCVD(High Density Plasma Chemical Vapor Deposition:高密度プラズマ化学蒸気堆積)法により形成する。
次に、上記シリコン酸化膜103をCMPによって研磨し、図1Bに示すように、シリコン窒化膜102の表面を露出させる。
次に、例えばフッ酸を含有する薬液によるウェットエッチングによって、シリコン酸化膜103を後退させ、図1Cに示すように、半導体基板100の表面(半導体素子形成領域116の上面)とシリコン酸化膜103の上面との高さを略等しくする。つまり、上記半導体基板100の表面とシリコン酸化膜103の上面とが、略同一平面に含まれるようにする。
次に、例えば加熱燐酸(HPO)を用いてシリコン窒化膜102を除去した後、例えばフッ酸を含有する薬液によるウェットエッチングでシリコン酸化膜101を除去して、図1Dに示すように、LPCVD法を用いて厚さ1〜50nm、例えば10nmのシリコン窒化膜104を形成する。
尚、上記シリコン窒化膜104の形成法はLPCVD法に限るものでなく、半導体基板100の表面のみを被覆するCVD膜でも良い。また、上記シリコン窒化膜104の代わりにSiON膜等を用いても構わない。要は、後続工程での熱処理に耐え得ることができる被膜で、且つ、フッ酸を含有する薬液でのウェットエッチングレートが、『シリコン酸化膜>上記被膜』の式に当てはまれば、その被膜をシリコン窒化膜104の代わりに用いても良い。
また、図示していないが、シリコン窒化膜104を形成する前に、シリコン酸化膜を被覆しておいても良い。
次に、上記シリコン窒化膜102およびシリコン酸化膜101を形成するために用いたレジストパターンの反転パターンでレジストパターン105を形成する。
上記レジストパターン105は、上記シリコン窒化膜102およびシリコン酸化膜101を形成するために用いたレジストパターンの反転パターンそのものでなくても良く、その反転パターンから10μm幅以下となる残しパターンを除去したものでも良い。何故なら、図4Aから図4Cに示すような特徴がSTI形成時にあり、この特徴を利用することが可能なためである。
図4Aは、トレンチ形成後にHDPCVD法によりシリコン酸化膜403を被覆した状態を示す模式断面図である。
上記HDPCVD法による成膜の特徴として、トレンチ内の埋め込みに優れること、被膜前の凹凸形状(疎密依存やサイズ)を転写することが挙げられる。
尚、図4Aにおいて、401はシリコン酸化膜、402はシリコン窒化膜である。
図4Bは、CMPによる平坦化を終えた状態を示す模式断面図である。
STI形成時に用いるCMPの特徴としては、シリコン酸化膜403の凸部を最初に研磨して平坦性を得、シリコン窒化膜402をストッパーや終点検出膜として利用し、研磨を終えることである。
図4Cは、トレンチ形成のためのマスク及びCMP工程でストッパーとして用いたシリコン窒化膜402とシリコン酸化膜401を除去した状態を示す模式断面図である。
図4A、図4Bおよび図4Cにおいて、破線で囲んだ部分A1には、半導体素子形成領域の端部(隣が広い素子分離領域)がある。
先に、述べたHDPCVDとCMPの特徴により、素子形成領域と素子分離領域の密集する部分A1の左部が、A1右部(広い素子分離領域)よりも素子分離の膜厚が厚くなる。ここで素子形成領域と素子分離領域の密集する部分A1の左部の素子分離の膜厚を後の犠牲酸化膜除去で後退する量(膜厚)を予め見込んでSTIを形成しても良い。そしてフッ酸を含有する薬液でのウェットエッチングレートがシリコン酸化膜よりも小さくなる膜、例えばシリコン窒化膜404の被覆後、部分A1の右部(広い素子分離領域)に対してのみにその膜を残すようにすれば良い。この膜を残す、残さない閾値は10μmであり、図10に示すような素子分離領域の幅が広くなるに従って素子分離膜厚が薄くなるという、STIのCMPの傾向が一般的に知られている。
この傾向を利用して、部分A1の左部は後続工程による素子分離膜厚の後退量を予め見込んだ状態で研磨を終え、図4Dのように反転パターンを配置せずにシリコン窒化膜404をエッチングする。このようにすればトレンチの微細パターン上に微細な反転マスク(レジスト)を形成する必要がなく、またトレンチと反転マスクとのアライメントマージンも不要となる。
一方、上記部分A1の右部(広い素子分離領域)は後続工程による素子分離膜厚の後退をシリコン窒化膜404によって阻止することが可能となる。これによって素子分離領域の幅に依存していた素子分離膜厚のバラツキを低減させることが可能になる。また広い素子分離領域にのみに反転パターンを配置できるため各個のアライメントマージン確保によるチップ面積の増大を大幅に抑えることができ、更には反転パターンを小さめにリサイズすることによって、アライメントマージンをリサイズ内に加味させることも可能である。
図1Dに示す状態にした後、RIE法(Reactive Ion Etching:反応性イオンエッチング)を用いてシリコン窒化膜104をエッチングして、レジストパターン105を除去して、図1Eに示すように、半導体素子形成領域116の上面を露出させる。
次に、犠牲酸化膜の形成とこの犠牲酸化膜の除去とを幾度か繰り返して行った後、図1Fに示すように、ゲート酸化膜106およびゲート電極107を順次積層して、ゲート電極107上に所定のレジストパターン108を形成する。図1Fに示したゲート電極107では、シリコン窒化膜104によって凸の段差を有している。これは先の図1Cの工程において、シリコン酸化膜103を後退させる際に半導体基板100表面とシリコン酸化膜103の上面の高さを等しくしたためである。上記ゲート電極107の凸の段差をなくすためには、先の図1Cの工程におけるシリコン酸化膜103の後退量にシリコン窒化膜104の膜厚分を加味しておけば良い。このようにすれば、上記ゲート電極107を加工する際の半導体基板100上全体でのフラットネスを極めて小さいものにすることができ、微細パターンのゲート電極107を加工し易くなる。一例としては、上記シリコン窒化膜104を50nmの膜厚で被覆するのであれば、先の図1Cの工程におけるシリコン酸化膜103の後退量を半導体基板100の表面よりも50nm後退させた量で見積れば良い。また逆に、広域の素子分離領域で発生する膜減りを極力抑制するためには、先の図1Cの工程におけるシリコン酸化膜103の後退量をなくしても良い。
次に、RIE法を用いてゲート酸化膜106およびゲート電極107をエッチングし、レジストパターン108を除去して、図1Gに示すように、所定形状のゲート酸化膜106およびゲート電極107を得る。
次に、図示していないが、LDD形成のためのフォトリソグラフィとイオン注入、また、このイオン注入のマスクとして用いたレジストの除去工程等が行われる。このレジスト除去の際にイオン注入によって生じたデポ物の除去も併せて行われ、フッ酸を含有する薬液が使用されることがある。近年ではフッ酸含有薬液からフッ素系ガスを用いたドライ剥離への変更も行われているが、半導体基板100は何れにしてもフッ酸やフッ素に晒されてしまうので、シリコン窒化膜104がない場合にはシリコン酸化膜103の後退が起きる。これに対して本法ではシリコン窒化膜104がマスク材となり、シリコン酸化膜103の後退を防止できる。
次に、図1Hに示す第1のサイドウォール109を形成するための膜でゲート電極107を被覆した後に、エッチバックを行って、第1のサイドウォール109を得る。このサイドウォール109は電荷の保持する機能を有している。図1H中では本工程のエッチバックでシリコン窒化膜104を併せてエッチングしているが、後工程である図1Iの工程において、シリコン窒化膜104をエッチングしても良く、また、フォトリソグラフィにより所定のレジストパターンを形成した後にエッチングを行っても良い。
図3に、上記シリコン窒化膜104をエッチバックせずに残した状態の模式上面図を示す。
上記シリコン窒化膜104をエッチバックせずに残した場合、半導体素子の動作時を想定すると、図中上側のゲート電極107への電圧の印加によって、ゲート電極107と、このゲート電極107下に位置シリコン窒化膜104との間で容量が発生する。そして蓄積された電荷は、図中下側のゲート電極107に影響を与え、図中下側のゲート電極107の電位を変動させてしまい、半導体素子の誤動作を引き起こす。このため、上記ゲート電極107間のシリコン窒化膜104を切断する必要があり、これに対して本法ではサイドウォールのエッチバック工程において、シリコン窒化膜104を併せてエッチングしている。
図1Hに示す状態にした後、図1Iに示す第2のサイドウォール110を形成するための膜でゲート電極107を被覆して、エッチバックを行って、第2のサイドウォール110を得る。ここで形成するサイドウォールは一般的に、サリサイド形成前の保護膜として用いられる。先にも述べたように本工程でシリコン窒化膜104をエッチングしても良い。例えば本工程の第2のサイドウォール110となる膜を被覆する前に、ソース領域やドレイン領域を形成するためのフォトリソグラフィとイオン注入、また、このイオン注入のマスクとして用いたレジストの除去工程等が行われる。そのレジスト除去の際にイオン注入によって生じたデポ物の除去も併せて行われ、フッ酸を含有する薬液が使用されることがある。近年ではフッ酸含有薬液からフッ素系ガスを用いたドライ剥離への変更も行われているが、何れにしてもフッ酸やフッ素に晒されてしまうので、シリコン窒化膜104がない場合にはシリコン酸化膜103の後退が起きる。これに対して本法ではシリコン窒化膜104がマスク材となり、シリコン酸化膜103の後退を防止できる。
以上、本発明の第4実施形態について説明した。この第4実施形態によれば、従来例の課題である図8の円B2または図9Dの円BC内に図示するような局所的なゲート電極の落ち込みがなく、図4Eの円B1に図示するような形状を得ることができ、これによって半導体素子形成領域116の端部における電界集中を緩和できる。
また、図8の円C2内に図示するような広域のトレンチ型素子分離領域で特異的に発生する膜減りを、図4Eの円C1内に図示する程度に抑制することができ、結果的に素子分離膜厚のバラツキを抑制することができる。そしてフィールド耐圧の劣化やフィールドトランジスタのVt変動を抑制することが可能となる。
尚、上記トレンチ型素子分離領域で発生する膜減りの抑制量は各個の条件により異なるため定量化できないが、一度後退した膜を熱酸化等によって同等の膜厚までに復元させることは難しい。CVD法等では容易に同等の膜厚までに復元させることは可能だが、素子分離領域間の膜厚バラツキを解消することはできず、後退を起こさないことが望まれる。
また、図4において、406はゲート絶縁膜、407はゲート電極、409は第1のサイドウォール、410は第2のサイドウォールである。
また、図8において、800は半導体基板、803はトレンチ型素子分離領域となるシリコン酸化膜、806はゲート絶縁膜、807はゲート電極、809は第1のサイドウォール、810は第2のサイドウォールである。
(第5実施形態)
図2A〜図2Iは本発明の第5実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための模式断面図である。
上記半導体装置の製造方法では、まず、図示してないが、半導体基板の表面上に、厚さ2〜20nm、例えば厚さ10nmのシリコン酸化膜を熱酸化により形成し、シリコン酸化膜上に、厚さ50nm〜200nm、例えば厚さ100nmのシリコン窒化膜をLPCVDにより形成する。
次に、上記シリコン窒化膜上に所定のレジストパターンを形成し、このレジストパターンをエッチングマスクとして用いて、半導体基板、シリコン酸化膜およびシリコン窒化膜をエッチングした後、レジストパターンを除去する。その結果、図2Aに示すように、半導体素子形成領域216を有する半導体基板200と、シリコン酸化膜201と、シリコン窒化膜202とが得られる。この半導体基板200には、160〜500nm、例えば深さ300nmエッチングされてトレンチ215が形成されている。
尚、上記レジストパターンの除去は、シリコン窒化膜およびシリコン酸化膜をエッチングした後に行って、パターニングされたシリコン窒化膜202およびシリコン酸化膜201をエッチングマスクに用いて、半導体基板をエッチングすることでトレンチ215を形成しても構わない。
次に、図示していないが、露出した半導体基板200表面とシリコン窒化膜202表面に厚さ1〜30nm、例えば厚さ10nmのシリコン酸化膜をラジカル酸化法により形成する。
上記シリコン酸化膜の形成は、通常の熱酸化法を用いて半導体基板200表面のみを酸化しても良く、その後にLPCVD法を用いて上記シリコン酸化膜とシリコン窒化膜102の両表面を覆うように形成してもよい。
次に、上記シリコン酸化膜上に、厚さ410〜510nm、例えば厚さ450nmのシリコン酸化膜203をHDPCVD法により形成する。
次に、上記シリコン酸化膜203をCMPによって研磨し、図2Bに示すように、シリコン窒化膜202の表面を露出させる。
次に、例えばフッ酸を含有する薬液によるウェットエッチングによって、シリコン酸化膜203を後退させ、図2Cに示すように、半導体基板200の表面(半導体素子形成領域216の上面)に対してシリコン酸化膜203の上面を1〜50nm、例えば10nm低くして、半導体基板200の表面とシリコン酸化膜203の上面との間に段差を生じさせる。
次に、上記シリコン窒化膜202を例えば加熱燐酸(HPOを用いて除去した後、シリコン酸化膜201を例えばフッ酸を含有する薬液によるウェットエッチングを用いて除去して、図2Dに示すように、LPCVD法を用いて厚さ1〜50nm、例えば15nmのシリコン窒化膜204を形成する。このシリコン窒化膜204は、半導体基板200の表面とシリコン酸化膜203の上面とを覆っている。
尚、上記シリコン窒化膜204の形成法は、LPCVD法に限るものでなく、半導体基板200の表面にのみ被覆されるCVD膜でも良い。また、上記シリコン窒化膜204の代わりにSiON膜等を形成してもよい。要は、後続工程での熱処理に耐え得ることができる被膜で、且つ、フッ酸を含有する薬液でのウェットエッチングレート比が、『シリコン酸化膜>上記被膜』の式に当てはまれば、その被膜をシリコン窒化膜204の代わりに用いても良い。
また、図示していないが、シリコン窒化膜204を被覆する前に、シリコン酸化膜を被覆しておいても良い。
次に、CMPを用いてシリコン窒化膜204を研磨して、図2Eに示すように、半導体素子形成領域216の上面を露出させる。これにより、上記半導体素子形成領域216の上面と、シリコン酸化膜203上に残ったシリコン窒化膜204の上面とが、略面一となる。このよう状態をCMPで得られるのは、図2Cに示す状態になるようにウェットエッチングを制御したからである。つまり、図2Cの工程において、シリコン酸化膜203を後退させる際に、半導体素子形成領域216よりもシリコン酸化膜203の上面を低くした理由はここにある。
上記CMPは基本的に、凸部を研磨して平坦化を行うものであり、トレンチ215に充填されたシリコン酸化膜203の上面にシリコン窒化膜204を残すためには、シリコン窒化膜204が凹部を形成するようにしておく必要がある。
また、上記半導体素子形成領域216上のシリコン窒化膜204を完全に取り除く(研磨する)にはオーバー研磨が必要であるため、このオーバー研磨量を見越した膜厚でシリコン窒化膜204を被覆することが望ましい。
また、上記オーバー研磨による半導体素子形成領域216の上面へのダメージや終点検出の観点から、シリコン窒化膜204を被覆する前に、シリコン酸化膜を被覆しておくことが望ましい。
次に、犠牲酸化膜の形成とこの犠牲酸化膜の除去とを幾度か繰り返して行った後、図2Fに示すように、ゲート酸化膜206およびゲート電極207を順次積層して、ゲート電極207上に所定のレジストパターン208を形成する。
次に、RIE法を用いてゲート酸化膜206およびゲート電極207をエッチングし、レジストパターン208を除去して、図2Gに示すように、所定形状のゲート酸化膜206およびゲート電極207が得られる。
次に、図示していないが、LDD形成のためのフォトリソグラフィとイオン注入、また、このイオン注入のマスクとして用いたレジストの除去工程等が行われる。
このレジスト除去の際にイオン注入によって生じたデポ物の除去も併せて行われ、フッ酸を含有する薬液が使用されることがある。近年ではフッ酸含有薬液からフッ素系ガスを用いたドライ剥離への変更も行われているが、半導体基板200は何れにしてもフッ酸やフッ素に晒されてしまうので、シリコン窒化膜204がない場合にはシリコン酸化膜203の後退が起きる。これに対して本法ではシリコン窒化膜204がマスク材となり、シリコン酸化膜203の後退を防止できる。
次に、図2Hに示す第1のサイドウォール209を形成するための膜でゲート電極207を被覆した後、エッチバックを行って、第1のサイドウォール209を得る。この第1のサイドウォール209は電荷の保持する機能を有している。図2H中では本工程のエッチバックでシリコン窒化膜204を併せてエッチングしているが、後続である図2Iの工程において、シリコン窒化膜204をエッチングしても良く、また、フォトリソグラフィにより所定のレジストパターンを形成した後にエッチングを行っても良い。
上記シリコン窒化膜204をエッチバックせずに残した場合、半導体素子の動作時を想定すると、図中上側のゲート電極207への電圧の印加によって、ゲート電極207と、このゲート電極207下に位置シリコン窒化膜204との間で容量が発生する。そして蓄積された電荷は、図中下側のゲート電極207に影響を与え、図中下側のゲート電極207の電位を変動させてしまい、半導体素子の誤動作を引き起こす。このため、上記第4実施形態と同様に、上記ゲート電極207間のシリコン窒化膜204を切断する必要があり、これに対して本法ではサイドウォールのエッチバック工程において、シリコン窒化膜204を併せてエッチングしている。
図2Hに示す状態にした後、図2Iに示す第2のサイドウォール210を形成するための膜でゲート電極207を被覆して、エッチバックを行って、2のサイドウォール210を得る。
次に、図2Iは、上記工程後にゲート電極207へ第2のサイドウォールとなる膜を被覆した後に、エッチバックを行った状態である。ここで形成するサイドウォールは一般的に、サリサイド形成前の保護膜として用いられる。先にも述べたように本工程でシリコン窒化膜204をエッチングしても良い。例えば本工程の第2のサイドウォールとなる膜を被覆する前に、ソース領域やドレイン領域を形成するためのフォトリソグラフィとイオン注入、また、このイオン注入のマスクとして用いたレジストの除去工程等が行われる。そのレジスト除去の際にイオン注入によって生じたデポ物の除去も併せて行われ、フッ酸を含有する薬液が使用されることがある。近年ではフッ酸含有薬液からフッ素系ガスを用いたドライ剥離への変更も行われているが、何れにしてもフッ酸やフッ素に晒されてしまうので、シリコン窒化膜204がない場合にはシリコン酸化膜203の後退が起きる。これに対して本法ではシリコン窒化膜204がマスク材となり、シリコン酸化膜203の後退を防止できる。
以上、本発明の第3実施形態について説明した。この第3実施形態によれば、従来例の課題である図8の円B2または図9Dの円BC内に図示するような局所的なゲート電極の落ち込みがなく、殆どまっ平らな形状を得ることができ、これによって半導体素子形成領域216の端部における電界集中を緩和できる。
また、図8の円C2内に図示するような広域のトレンチ型素子分離領域で特異的に発生する膜減りを、図4Eの円C1内に図示する程度に抑制することができ、結果的に素子分離膜厚のバラツキを抑制することができる。そしてフィールド耐圧の劣化やフィールドトランジスタのVt変動を抑制することが可能となる。
尚、上記トレンチ型素子分離領域で発生する膜減りの抑制量は各個の条件により異なるため定量化できないが、一度後退した膜を熱酸化等によって同等の膜厚までに復元させることは難しい。CVD法等では容易に同等の膜厚までに復元させることは可能だが、素子分離領域間の膜厚バラツキを解消することはできず、後退を起こさないことが望まれる。
以上、本発明者によってなされた発明を第1〜第5実施形態に基づき説明したが、本発明は上記第1〜第5実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、半導体素子形成領域に例えばMOS(金属酸化膜半導体)トランジスタを形成しても良いし、トレンチ型素子分離領域上にシリコン窒化膜を形成する代わりに、トレンチ型素子分離領域上にシリコン酸窒化膜を形成しても良い。
図1Aは本発明の第4実施形態の半導体装置の一製造工程の模式断面図である。 図1Bは本発明の第4実施形態の半導体装置の一製造工程の模式断面図である。 図1Cは本発明の第4実施形態の半導体装置の一製造工程の模式断面図である。 図1Dは本発明の第4実施形態の半導体装置の一製造工程の模式断面図である。 図1Eは本発明の第4実施形態の半導体装置の一製造工程の模式断面図である。 図1Fは本発明の第4実施形態の半導体装置の一製造工程の模式断面図である。 図1Gは本発明の第4実施形態の半導体装置の一製造工程の模式断面図である。 図1Hは本発明の第4実施形態の半導体装置の一製造工程の模式断面図である。 図1Iは本発明の第4実施形態の半導体装置の一製造工程の模式断面図である。 図2Aは本発明の第5実施形態の半導体装置の一製造工程の模式断面図である。 図2Bは本発明の第5実施形態の半導体装置の一製造工程の模式断面図である。 図2Cは本発明の第5実施形態の半導体装置の一製造工程の模式断面図である。 図2Dは本発明の第5実施形態の半導体装置の一製造工程の模式断面図である。 図2Eは本発明の第5実施形態の半導体装置の一製造工程の模式断面図である。 図2Fは本発明の第5実施形態の半導体装置の一製造工程の模式断面図である。 図2Gは本発明の第5実施形態の半導体装置の一製造工程の模式断面図である。 図2Hは本発明の第5実施形態の半導体装置の一製造工程の模式断面図である。 図2Iは本発明の第5実施形態の半導体装置の一製造工程の模式断面図である。 図3は本発明の第4実施形態の半導体装置の補足説明のための模式上面図である。 図4Aは本発明の第4実施形態の半導体装置の補足説明のための模式断面図である。 図4Bは本発明の第4実施形態の半導体装置の補足説明のための模式断面図である。 図4Cは本発明の第4実施形態の半導体装置の補足説明のための模式断面図である。 図4Dは本発明の第4実施形態の半導体装置の補足説明のための模式断面図である。 図4Eは本発明の第4,第5実施形態の半導体装置の補足説明のための模式断面図である。 図5Aは本発明の第1実施形態の半導体装置の一製造工程の模式上面図である。 図5Bは図5AのVB−VB線から見た模式断面図である。 図5Cは図5AのVC−VC線から見た模式断面図である。 図5Dは上記第1実施形態の半導体装置の模式断面図である。 図6Aは本発明の第2実施形態の半導体装置の一製造工程の模式上面図である。 図6Bは図6AのVIB−VIB線から見た模式断面図である。 図6Cは図6AのVIC−VIC線から見た模式断面図である。 図6Dは上記第2実施形態の半導体装置の模式断面図である。 図7Aは本発明の第3実施形態の半導体装置の一製造工程の模式上面図である。 図7Bは図7AのVIIB−VIIB線から見た模式断面図である。 図7Cは図7AのVIIC−VIIC線から見た模式断面図である。 図7Dは上記第3実施形態の半導体装置の模式断面図である。 図8は本発明の参考例の半導体装置の模式断面図である。 図9Aは従来の半導体装置の一製造工程の模式断面図である。 図9Bは従来の半導体装置の一製造工程の模式断面図である。 図9Cは従来の半導体装置の一製造工程の模式断面図である。 図9Dは従来の半導体装置の一製造工程の模式断面図である。 図10は素子分離領域の最終膜厚と素子分離領域の幅との関係示す図である。 図11Aは他の従来の半導体装置の一製造工程の模式断面図である。 図11Bは他の従来の半導体装置の一製造工程の模式断面図である。 図11Cは他の従来の半導体装置の一製造工程の模式断面図である。 図11Dは他の従来の半導体装置の一製造工程の模式断面図である。 図11Eは他の従来の半導体装置の一製造工程の模式断面図である。 図11Fは他の従来の半導体装置の一製造工程の模式断面図である。 図11Gは他の従来の半導体装置の一製造工程の模式断面図である。 図11Hは他の従来の半導体装置の一製造工程の模式断面図である。 図12Aは他の従来の半導体装置の一製造工程の模式断面図である。 図12Bは他の従来の半導体装置の一製造工程の模式断面図である。 図12Cは他の従来の半導体装置の一製造工程の模式断面図である。 図12Dは他の従来の半導体装置の一製造工程の模式断面図である。 図12Eは他の従来の半導体装置の一製造工程の模式断面図である。 図12Fは他の従来の半導体装置の一製造工程の模式断面図である。 図12Gは他の従来の半導体装置の一製造工程の模式断面図である。
符号の説明
100,200,400,500,600,700,800 半導体基板
103,203,403,503,603a,603b,703,803 シリコン酸化膜
104,204,404,504,604,704 シリコン窒化膜
106,206,406,506,606,706,806 ゲート絶縁膜
107,207,407,507,607,807,807 ゲート電極
108,308,408 第2のフォトレジスト
109,209,309,409,509,609,709,809 第1のサイドウォール
115,215,515,615,715 トレンチ
116,216,416,516,616,716 素子形成領域

Claims (9)

  1. 半導体素子形成領域と、この半導体形成領域に隣接するトレンチ型素子分離領域とを有する半導体基板と、
    上記トレンチ型素子分離領域のトレンチ内に充填されたシリコン酸化膜上に形成されていると共に、上記半導体素子形成領域上に形成されていない保護膜と、
    上記半導体素子形成領域上および上記保護膜上に形成されたゲート絶縁膜と、
    上記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、
    上記ゲート電極の側方に形成され、一部が上記保護膜上に位置するサイドウォールと
    を備え、
    上記保護膜のフッ酸含有薬液でのウェットエッチングレートは、上記シリコン酸化膜のフッ酸含有薬液でのウェットエッチングレートよりも小さく、
    上記保護膜の上面は、上記半導体素子形成領域の表面に対して50nm低い位置から50nm高い位置までの間にあることを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1に記載の半導体装置において、
    上記保護膜は上記シリコン酸化膜の一部上に形成されていることを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項1または2に記載の半導体装置において、
    上記保護膜がシリコン窒化膜またはシリコン酸窒化膜であることを特徴とする半導体装置。
  4. 請求項1から3までのいずれか一項に記載の半導体装置において、
    上記保護膜の膜厚が1nmから50nmの範囲内であることを特徴とする半導体装置。
  5. 半導体基板に、半導体素子形成領域と、シリコン酸化膜が充填されたトレンチを有するトレンチ型素子分離領域とを形成する工程と、
    上記シリコン酸化膜上に位置し、かつ、上記半導体素子形成領域上に位置しない保護膜を形成する工程と、
    上記半導体素子形成領域の所定領域にイオン注入を行う工程と、
    フッ酸含有薬液でのウェットエッチングを行って、上記半導体素子形成領域上および上記保護膜上にゲート絶縁膜を形成する工程と、
    上記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、
    上記ゲート電極の側方に、一部が上記保護膜上に位置するサイドウォールを形成する工程と、
    上記ゲート電極をマスクとして、または、フォトリソグラフィにより形成した所定形状のパターンをマスクとして、上記保護膜の一部を除去する工程と
    を備え、
    上記保護膜のフッ酸含有薬液でのウェットエッチングレートは、上記シリコン酸化膜のフッ酸含有薬液でのウェットエッチングレートよりも小さく、
    上記保護膜の上面は、上記半導体素子形成領域の表面に対して50nm低い位置から50nm高い位置までの間にあることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  6. 請求項5に記載の半導体装置の製造方法において、
    上記保護膜はシリコン窒化膜またはシリコン酸窒化膜であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 請求項5または6に記載の半導体装置の製造方法において、
    上記保護膜の膜厚は1nmから50nmの範囲内であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  8. 請求項5から7までのいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法において、
    上記シリコン酸化膜上に位置し、かつ、上記半導体素子形成領域上に位置しない上記保護膜は、上記トレンチ型素子分離を形成するために用いたマスクの反転パターンを用いて形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. 請求項8に記載の半導体装置の製造方法において、
    上記反転パターンの幅は10μmを越えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
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