JP2009009714A - 燃料電池 - Google Patents

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博道 佐藤
Yasushi Araki
康 荒木
Masahiro Wada
正弘 和田
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毅 磯部
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Abstract

【課題】本発明は、電解質膜の含水量の低下に起因する燃料電池の性能低下を抑制することを目的とする。
【解決手段】燃料電池100は、シール部材一体型MEA200の両面に、水素流路形成部410、空気流路形成部430がそれぞれ配置され、その両面にセパレータ300が配置されるように積層された構成を成している。水素流路形成部410の空孔Haの平均孔径Daは、Da=0.6tに形成されている。空気流路形成部430の空孔Hcの平均孔径Dcは、Dc=0.4tに形成されている。
【選択図】図1

Description

この発明は、互いに連通する複数の空孔が形成された多孔体を備える燃料電池に関する。
固体高分子型燃料電池において、アノードでは水素分子をプロトンと電子に分解する電気化学反応が行われる。プロトンは、電解質膜中を移動してカソードに到達し、カソードにおいて、酸素とプロトンと電子から水を生成する電気化学反応が行われる。プロトンが電解質膜中を移動するためには、水が必要であるため、電解質膜の含水量が低下すると、電解質膜のプロトン伝導性が低下する。そうすると、膜抵抗が増大し、その結果、出力電圧が低下して電池性能が低下する。
燃料電池のカソードで生成される水の一部は、カソードからアノードへ電解質膜を介して移動する(逆拡散)。燃料電池において、この逆拡散水や、加湿された反応ガス中の水分等を利用して、電解質膜の含水量が管理されている。
燃料電池が高負荷運転をしている場合等、燃料電池が高温になる場合には、飽和水蒸気圧が高くなるため、電解質膜が乾燥しやすく、また、プロトンの移動に伴って電解質膜から水が持ち去られるため、電解質膜から多量の水が持ち去られる。そのため、逆拡散があっても、全体として電解質膜の含水量が低下する。そこで、電解質膜の含水量が低下した場合には、カソード側におけるガス圧力をアノード側におけるガス圧よりも高くして、カソードからアノードへの水の移動を促進させることにより、電解質膜の含水量の低下を抑制する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−175821号公報
しかしながら、上記の特許文献1においては、ポンプ等を用いて空気を加圧供給することによって、カソード側のガス圧力を高めているため、ポンプ等の消費電力、すなわち、補機損が増大することになる。このように補機損が増大すると、システム全体のエネルギ効率が低下する。
そこで、本発明は、補機損の増大等に起因するエネルギ効率の低下を伴うことなく、逆拡散を促進して、電解質膜の含水量の低下に起因する燃料電池の性能低下を抑制することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1] 燃料電池であって、
電解質膜と、
前記電解質膜を両面より挟持するアノードおよびカソードと、
前記アノードおよび前記カソードに対して、それぞれ、前記電解質膜とは反対側に配置される2つの多孔体と、
を備え、
2つの前記多孔体は、それぞれ、平板状を成すと共に、内部に、相互に連通する複数の空孔が形成されており、
2つの前記多孔体のうち、アノード側に配置される多孔体は、カソード側に配置される多孔体よりも、前記空孔の平均孔径が大きいことを特徴とする燃料電池。
多孔体の空孔の孔径としては、例えば、空孔同士のつなぎめの径を表示する場合もあるし、空孔の直径を表示する場合もある。また、多孔体の空孔は、互いに連通しているため、その断面形状は、略円形状、略楕円形状、略多角形状等、種々の形状を成している。そこで、本明細書中において、孔径とは、多孔体の厚さ方向の最大長さをいうものとする。図4は、多孔体Pの厚さ方向に平行な切断面を模式的に示す模式図である。図4に示すように、孔径D1として、多孔体の厚さ方向の最大長さを測定する。複数の空孔の孔径D1の平均値を平均孔径Dとする。
孔径は、例えば、多孔体の厚さ方向に平行な切断面の拡大写真を用いて測定することができる。なお、空孔の測定は、その他、種々の公知の方法により測定することができる。
例えば、多孔体を金属材料より形成する場合、熱は、熱伝導率の高い金属部分を流れる(以下、熱が伝わる経路を熱伝導パスともいう)。本発明の2つの多孔体の材料、厚さ、および空孔率が等しいものとすると、アノード側に配置される多孔体(以下、アノード側多孔体という。)の空孔の平均孔径が、カソード側に配置される多孔体(以下、カソード側多孔体という。)に比べて大きいため、アノード側多孔体の方が、空孔の数が少なくなり、熱伝導パスの断面積が大きく、長さが短くなる。熱は、面積が大きいほど、長さが短いほど、伝わり易いため、アノード側多孔体は、カソード側多孔体と比べると、熱抵抗が小さくなる。すなわち、熱が伝わり易くなる。
したがって、アノード側の温度をカソード側の温度に比べて低くすることができるため、Soret効果により、カソード側からアノード側への水の移動を促進することができると考えられる。そのため、燃料電池の運転時に、発電に伴う発熱により燃料電池の内部温度が上昇した場合でも、電解質膜の含水量が低下するのを抑制することができ、燃料電池の性能低下を抑制することができる。
なお、アノード側多孔体の材料の熱抵抗率が、カソード側多孔体の材料の熱抵抗率よりも小さいものを用いれば、2つの多孔体の材料が同一の場合に比べて、さらに、アノード側多孔体の熱抵抗を小さくすることができる。また、アノード側多孔体の厚さを、カソード側多孔体の厚さよりも薄く形成すれば、2つの多孔体の厚さが同一の場合に比べて、さらに、アノード側多孔体の熱抵抗を小さくすることができる。また、アノード側多孔体の空孔率がカソード側多孔体の空孔率よりも小さくなるように多孔体を形成すれば、2つの多孔体の空孔率が同一の場合に比べて、さらに、アノード側多孔体の熱抵抗を小さくすることができる。
[適用例2]適用例1記載の燃料電池であって、2つの前記多孔体は、同一の材料より成ると共に、同一の空孔率および同一の厚さを有することを特徴とする燃料電池。
従来は、アノード側と、カソード側に、同一の多孔体を用いることが多かった。適用例2に記載の燃料電池によれば、2つの多孔体の材料や、厚さを変更することなく、アノード側多孔体の熱抵抗をカソード側多孔体の熱抵抗よりも小さくすることができる。そのため、多孔体の材料を従来のものから変更したり、燃料電池全体の大きさを変更したりする必要がないため、好適である。
[適用例3]適用例1または適用例2に記載の燃料電池であって、前記アノード側に配置される多孔体は、前記平均孔径Dが、前記多孔体の厚さtに対して、0.5t<Dであることを特徴とする多孔体。
従来の燃料電池では、多孔体に形成される空孔の平均孔径Dを、D≦0.5tとしていることが多い。燃料電池のカソードでは、水が生成されるため、カソード側多孔体の空孔に水が溜まり、それによって、反応ガスの流通が阻害されるおそれがある。空孔の平均孔径Dを、D≦0.5tとして、多孔体の厚さ方向に、空孔が2段以上配置されるようにすると、たとえ、空孔の一部が水によって閉塞されても、他の空孔を介して、反応ガスを供給することができるからである。
本適用例の燃料電池によれば、アノード側多孔体の熱抵抗は、D≦0.5tの多孔体(従来用いられている多孔体)の熱抵抗よりも小さい。燃料電池のアノードでは、水が生成されないため、カソード側に比べると多孔体の空孔に水が溜まり難く、アノード側多孔体は、カソード側多孔体ほどの排水性を要求されない。したがって、カソード側多孔体としては、従来どおりの多孔体を用い、アノード側多孔体の熱抵抗をカソード側多孔体よりも小さくすることによって、上記したように、アノード側の温度をカソード側よりも低くすることができ、Soret効果により、カソード側からアノード側への水の移動を促進することができる。
[適用例4]適用例1ないし3のいずれか一つに記載の燃料電池であって、前記アノード側に配置される多孔体は、前記平均孔径Dが、前記多孔体の厚さtに対してD<0.8tであることを特徴とする多孔体。
このようにすることによって、アノード側多孔体は、充分な強度を保ちつつ、熱抵抗を小さくすることができる。
[適用例5] 適用例1ないし4のいずれか一つに記載の燃料電池であって、前記アノード側多孔体は、スラリー発泡法で作成された金属多孔体であることを特徴とする多孔体。
本明細書中において、スラリー発泡法とは、粉末を含有するスラリーに、発泡剤を混合し、発泡性スラリーとし、発泡性スラリーを成形後発泡させ、その後、焼結することにより、多孔体を製造する方法をいう。適用例5の燃料電池によれば、アノード側多孔体は、スラリー発泡法で作成されるため、比較的大きな空孔を、所望の大きさで、金属多孔体内部に容易に形成することができる。
A.実施例:
本発明の実施の形態を実施例に基づいて、以下に説明する。
A1.燃料電池の構成:
図1は、本発明の一実施例としての燃料電池100の断面構成を概略的に示す説明図である。本実施例の燃料電池100は、酸化ガスとしての空気と燃料ガスとしての水素とを用いて発電を行う固体高分子型の燃料電池である。
燃料電池100は、図1に示すように、シール部材一体型MEA200の両面に、水素流路形成部410、空気流路形成部430(以下、まとめて反応ガス流路形成部410、430とも呼ぶ。)がそれぞれ配置され、その両面にセパレータ300が配置されるように積層された構成を成している。図1では、複数のシール部材一体型MEA200、反応ガス流路形成部410、430、およびセパレータ300が積層された部分の一部を抜き出して示しており、他は図示を省略している。
本実施例における水素流路形成部410が、請求項におけるアノード側に配置される多孔体に相当し、空気流路形成部430が、請求項におけるカソード側に配置される多孔体に相当する。
燃料電池100は、上記した各構成部品が複数積層されて成り、全体としては、図1に示すように、発電に用いられる空気を供給する空気供給マニホールド640と、利用されなかった空気を排出する空気排出マニホールド650と、を備えている。また、同様に、発電に用いられる水素を供給する水素供給マニホールド(図示しない)と、利用されなかった水素を排出する水素排出マニホールド(図示しない)、を備えている。
燃料電池100に供給された空気は、空気供給マニホールド640を通って、セパレータ300の空気供給口346を介して空気流路形成部430に流入し、空気流路形成部430内を流通しつつ、MEA210に供給されて電極反応に利用される。電極反応に利用されなかった空気は、セパレータ300の空気排出口356を介して空気排出マニホールド650に排出され、空気排出マニホールド650を通って燃料電池100外へ排出される。同様に、燃料電池100に供給された水素も、燃料電池100内を流通して電極反応に利用され、電極反応に利用されなかった水素は燃料電池100外へ排出される。また、セパレータ300には、冷却水流路322が形成され、セパレータ内部を冷却水が流通することにより、燃料電池100の電極反応に伴って生成される熱を取り除き、燃料電池100の内部温度を所定の範囲内に保っている。
A1.1.シール部材一体型MEAの構成:
本実施例ではシール部材一体型MEA200は、図1に示すように、シール部材220が、MEA210の外周に、MEA210と一体的に形成されている。図2は、燃料電池100の断面構成を示す拡大断面図である。
MEA210は、図2に示すように、電解質膜212の一方の面にアノード214、アノード側ガス拡散層216が、順次積層され、他方の面にカソード215、カソード側ガス拡散層217が、順次積層されて成る。本実施例において、電解質膜212としては、フッ素系樹脂により形成された高分子電解質膜を、アノード214およびカソード215としては、触媒として白金および白金合金を担持したカーボン担体より形成された電極を、アノード側ガス拡散層216およびカソード側ガス拡散層217としては、カーボンクロスを、それぞれ用いるものとした。
本実施例において、シール部材220は、シリコーンゴムを用いて射出成型により形成されている。シール部材220を成形する際には、シリコーンゴムを、ガス拡散層216、217内部の空隙、および電極214、215内部の空隙に含浸させ、いわゆるアンカー効果によりシール部材220と、MEA210とを結合している。
A1.2.セパレータの構成:
セパレータ300は、図2に示すように、空気流路形成部430と当接するカソード対向プレート310と、水素流路形成部410と当接するアノード対向プレート330と、カソード対向プレート310およびアノード対向プレート330に狭持された中間プレート320と、が積層された3層構造を有している。そして、図1に示すように、内部に、反応ガスや冷却水を流通させる流路(例えば、空気供給流路344等)が形成され、反応ガス流路形成部410、430に接する面に、反応ガスを給排するための供給口(例えば、空気供給口346)および排出口(例えば、空気排出口356)が形成されている。セパレータ300を構成する3枚のプレート(カソード対向プレート310、アノード対向プレート330、中間プレート320)は、略長方形を成す金属薄板である。そして、中間プレート320には、冷却水流路322が形成され、セパレータ内部を冷却水が流通することにより、燃料電池100の電極反応に伴って生成される熱を取り除き、燃料電池100の内部温度を所定の範囲内に保っている。
A1.3.反応ガス流路形成部の構成:
反応ガス流路形成部410、430について、図2に基づいて説明する。反応ガス流路形成部410、430は、耐食性を有するステンレス鋼の粉末を用いて、スラリー発泡法で作成された金属多孔体から成る。そして、反応ガス流路形成部410、430は、シール部材220の内枠と略同一の外形を成し、互いに同一の厚さtの平板状に形成されている。反応ガス流路形成部410、430には、互いに連通する複数の空孔が形成されている。
反応ガス流路形成部410、430には、互いに連通する空孔が形成されているため、セパレータ300とMEA210との間に配置されることにより、セパレータ300を介して供給された反応ガスが、反応ガス流路形成部410、430内を流通しつつ、拡散されてMEA210に供給される。
本実施例において、水素流路形成部410の空孔Haの平均孔径Daは、Da=0.6tに形成されている。したがって、水素流路形成部410では、厚さt方向に、空孔Haを1段以上並べることができない。図2において、空孔Haの断面を円形状として図示し、その直径を平均孔径Daとして示しているが、実際は、空孔Haが、互いに連通しているため、その断面形状は、略円形状、略楕円形状、略多角形状等、種々の形状を成している。本実施例では、図4に示すように、孔径D1として、多孔体の厚さ方向の最大長さを測定し、複数の空孔の孔径D1の平均値を平均孔径Daとしている。
一方、空気流路形成部430の空孔Hcの平均孔径Dcは、Dc=0.4tに形成されている。そのため、空気流路形成部430では、厚さt方向に、空孔Hcを2段並べることができる。なお、平均孔径Dcについても、平均孔径Daと同様に、多孔体の厚さ方向の最大長さを測定し、複数の空孔の孔径D1の平均値を平均孔径Dcとしている。
また、水素流路形成部410と、空気流路形成部430とは、気孔率が同一(例えば、70%程度)になるように形成されている。そして、水素流路形成部410の空孔Haの平均孔径Daが、空気流路形成部430の空孔Hcの平均孔径Dcよりも大きいため、水素流路形成部410の方が、単位体積辺りの空孔の数が少なくなる。
燃料電池100において、電極反応に伴う熱は、上記したように、セパレータ300内を流通する冷却水CLによって、持ち去られる。このとき、アノード214から水素流路形成部410を通ってセパレータ300へ、また、カソード215から空気流路形成部430を通ってセパレータ300へ、熱が移動する。
図3は、反応ガス流路形成部410、430内を移動する熱の移動経路(熱伝導パスともいう)を示す説明図である。図3では、水素流路形成部410および空気流路形成部430の断面図の一部を拡大して表示し、熱伝導パスの一例を、太線の矢印で示している。なお、図3でも、説明を明瞭にするために、空孔Ha、Hcは、その断面形状を円形状として表示している。
熱が反応ガス流路形成部410、430内を移動する際には、空孔内の気体よりも熱伝導率の高い金属部分を通って移動する。上記したように、水素流路形成部410の空孔Haの平均孔径Daは、空気流路形成部430の空孔Hcの平均孔径Dcよりも大きく、水素流路形成部410の方が、単位体積当たりの空孔の数が少ない。さらに、水素流路形成部410では、厚さt方向に、空孔Haを1段以上並べることができないため、熱伝導パスは、図3に示すように、水素流路形成部410の方が、空気流路形成部430に比べて、断面積が大きく、短くなる。熱は、熱伝導パスの断面積が大きいほど、長さが短いほど、伝わり易いため、水素流路形成部410の方が、空気流路形成部430よりも熱抵抗が小さくなり、熱を放出し易くなる。
したがって、本実施例の燃料電池100では、燃料電池100の運転中に、生成された熱を、アノード側から放出しやすくなるため、アノード側の温度をカソード側の温度に比べて低くすることができる。
A2.実施例の効果:
本実施例の燃料電池100では、水素流路形成部410の空孔の平均孔径DaをDa=0.6t、空気流路形成部430の空孔の平均孔径DcをDc=0.4tとしている。水素流路形成部410は、上記したように、空気流路形成部430と比べると、熱伝導パスの断面積が大きく、長さが短くなるため、空気流路形成部430よりも熱抵抗が小さく、放熱し易くなっている。従って、燃料電池100の運転中に、アノード側の温度をカソード側の温度に比べて低くすることができる。アノード側の温度をカソード側より低くすると、Soret効果により、カソード側からアノード側への水の移動(逆拡散)を促進することができると考えられる。Soret効果とは、温度勾配により濃度勾配が生じる現象をいう。
そのため、燃料電池100の運転時に、発電に伴う発熱により燃料電池の内部温度が上昇して、電解質膜が乾燥しやすい場合でも、カソード側からアノード側に水が移動することにより、電解質膜の含水量が低下するのを抑制することができる。したがって、燃料電池の性能低下を抑制することができる。
また、従来、多孔体から成る水素流路形成部、空気流路形成部を備える燃料電池では、多孔体に形成される空孔の平均孔径Dを、D≦0.5t(t:多孔体の厚さ)としていることが多い。燃料電池のカソードでは、水が生成されるため、空気流路形成部の空孔に水が溜まり、それによって、反応ガスの流通が阻害されるおそれがある。空孔の平均孔径Dを、D≦0.5tとして、多孔体の厚さ方向に、空孔が2段以上配置されるようにすると、たとえ、空孔の一部が水によって閉塞されても、他の空孔を介して、反応ガスを供給することができるからである。
それに対して、本実施例の燃料電池100では、水素流路形成部410の空孔の平均孔径Daを、Da=0.6tとしている。水素流路形成部410は、上記したように、従来の水素流路形成部と比べると、熱伝導パスの断面積が大きく、長さが短くなるため、従来の水素流路形成部よりも熱抵抗が小さく、放熱し易くなっている。なお、アノード側では、水が生成されないため、水素流路形成部410では、空孔Haに水が溜まり難い。そのため、Da>0.5としても、反応ガスとしての水素の流れが阻害されるという問題は、生じ難いと考えられる。
カソード215側では水が生成されるが、空気流路形成部430は、空孔の平均孔径Dcを、Dc=0.4tとしているため、空孔Hcを、厚さt方向に2段並べることができる。そのため、たとえ、空孔Hcの一部が水によって閉塞されても、他の空孔Hcを介して空気をカソードに供給することができる。
B.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(1)上記した実施例では、多孔体を、シール部材一体型MEA200とセパレータ300との間に配置して、反応ガス流路形成部410として用いるものを示したが、多孔体をガス拡散層として用いてもよい。このようにしても、アノード214側がカソード215側より温度が低くなるようにすることができるため、上記した実施例と同様の効果を得ることができる。
(2)上記した実施例では、水素流路形成部410として、空孔Haの平均孔径Da=0.6tの多孔体、空気流路形成部430として、空孔Hcの平均孔径Dc=0.4tの多孔体を用いたが、空孔の平均孔径は、これに限定されない。水素流路形成部410の空孔Haの平均孔径Daが0.5t<Da<0.8tであって、空気流路形成部430の空孔Hcの平均孔径DcがDaより小さければよい。このようにすれば、アノード側の温度をカソード側の温度よりも低くすることができるため、上記した実施例と同様の効果を得ることができる。
(3)上記した実施例では、シール部材一体型MEA200にガス拡散層216、217が含まれるものを示したが、ガス拡散層216、217は、なくてもよい。このようにしても、上記した実施例と同様の効果を得ることができる。
(4)上記した実施例では、反応ガス流路形成部410、430として用いる多孔体として、ステンレス鋼から成る金属多孔体を用いたが、チタン等のその他の金属から成る金属多孔体を用いてもよい。また、その他、炭素等の導電性を有する材料から成る多孔体を用いてもよい。
(4)上記した実施例では、反応ガス流路形成部410、430として用いる多孔体として、スラリー発泡法で生成される金属多孔体を用いたが、その他の方法で生成されるものでもよい。例えば、粉末焼結法等のその他の方法で生成された金属多孔体を用いてもよい。
(5)上記した実施例では、燃料電池100として、スタック構造を有するものを示したが、1枚のシール部材一体型MEA200の両側に反応ガス流路形成部410、430を配置したものを、セパレータ300で挟持して成るものとしてもよい。このようにしても、上記した実施例と同様の効果を得ることができる。
(6)上記した実施例では、水素流路形成部410と空気流路形成部430とを、同一の材料で形成しているが、異なる材料で形成してもよい。例えば、異なる材料であっても、熱抵抗が等しい材料を用いれば、水素流路形成部410の熱抵抗は、空気流路形成部430よりも小さくなるため、上記した実施例と同様の効果を得ることができる。さらに、水素流路形成部410を空気流路形成部430よりも熱抵抗率の小さい材料で形成すれば、さらに、水素流路形成部410の熱抵抗が小さくなり、アノード側の温度を、上記した実施例よりさらに低くすることができるため、逆拡散をさらに促進することができる。
(7)上記した実施例では、水素流路形成部410と空気流路形成部430は、同一の厚さに形成されているが、水素流路形成部410を空気流路形成部430よりも薄く形成してもよい。このようにすると、水素流路形成部410の熱伝導パスがさらに短くなり、水素流路形成部410の熱抵抗をさらに小さくすることができるため、上記した実施例よりもさらにアノード側の温度を下げることができ、逆拡散をさらに促進することができる。
本発明の一実施例としての燃料電池100の断面構成を概略的に示す説明図である。 燃料電池100の断面構成を示す拡大断面図である。 反応ガス流路形成部内を移動する熱の移動経路を示す説明図である。 多孔体Pの厚さ方向に平行な切断面を模式的に示す模式図である。
符号の説明
100…燃料電池
200…シール部材一体型MEA
212…電解質膜
214…電極
214…アノード
215…カソード
216…アノード側ガス拡散層
217…カソード側ガス拡散層
220…シール部材
300…セパレータ
310…カソード対向プレート
320…中間プレート
322…冷却水流路
330…アノード対向プレート
344…空気供給流路
346…空気供給口
356…空気排出口
410…水素流路形成部
430…空気流路形成部
640…空気供給マニホールド
650…空気排出マニホールド
CL…冷却水
Ha、Hc…空孔
Da、Dc…平均孔径

Claims (5)

  1. 燃料電池であって、
    電解質膜と、
    前記電解質膜を両面より挟持するアノードおよびカソードと、
    前記アノードおよび前記カソードに対して、それぞれ、前記電解質膜とは反対側に配置される2つの多孔体と、
    を備え、
    2つの前記多孔体は、それぞれ、平板状を成すと共に、内部に、相互に連通する複数の空孔が形成されており、
    2つの前記多孔体のうち、アノード側に配置される多孔体は、カソード側に配置される多孔体よりも、前記空孔の平均孔径が大きいことを特徴とする燃料電池。
  2. 請求項1に記載の燃料電池であって、
    2つの前記多孔体は、同一の材料より成ると共に、同一の空孔率および同一の厚さを有することを特徴とする燃料電池。
  3. 請求項1または2に記載の燃料電池であって、
    前記アノード側に配置される多孔体は、
    前記平均孔径Dが、前記多孔体の厚さtに対して、0.5t<Dであることを特徴とする多孔体。
  4. 請求項3に記載の燃料電池であって、
    前記アノード側に配置される多孔体は、
    前記平均孔径Dが、前記多孔体の厚さtに対してD<0.8tであることを特徴とする多孔体。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一つに記載の燃料電池であって、
    前記アノード側多孔体は、
    スラリー発泡法で作成された金属多孔体であることを特徴とする多孔体。
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