JP2009008171A - 振動低減装置および振動低減方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジンまたはモータ等の駆動装置における振動を容易に低減することができる振動低減装置および振動低減方法を提供することである。
【解決手段】振動抑制装置100の箱状部材900(モータ、ギア、エンジン等)から発生された強制振動が異なる6個の自由度の動吸振器310,340,410により低減される。これらの3つの動吸振器310,340,410は、箱状部材900における3次元方向の面910,920,930に対して同一直線外に配置される。
【選択図】図1
【解決手段】振動抑制装置100の箱状部材900(モータ、ギア、エンジン等)から発生された強制振動が異なる6個の自由度の動吸振器310,340,410により低減される。これらの3つの動吸振器310,340,410は、箱状部材900における3次元方向の面910,920,930に対して同一直線外に配置される。
【選択図】図1
Description
本発明は、エンジンまたはモータ等の駆動装置における振動を抑制する振動低減装置および振動低減方法に関する。
従来、一定振動数の力を受け強制振動する構造にバネと錘から構成され、その共振周波数が加振周波数と一致する減衰のない動吸振器を設置することで、振動を抑制できることが知られている(非特許文献1参照)。
また、動吸振器の設置に関する技術として特許文献1には、共振する配管の制御方法について開示されている。
特許文献1記載の配管系の制振法においては、モード解析法と動吸振器の設計方法とを配管系に適用し、共振対策を行い、振幅最大位置の振動低減を図っている。
また、特許文献2には、多自由度系の一般構造物の共振対策である構造物の制振方法について開示されている。
特許文献2記載の構造物の制振方法においては、振動モード形を実験的または理論的モード解析により動吸振器の設定位置を決定し、各モード毎に設置した動吸振器で振動の低減を図っている。
しかしながら、特許文献1および特許文献2記載の制振方法においては、いずれも共振対策を目的としており、振動モードの振幅最大の場所に動吸振器を設置する点で一致する。
また、現実の問題上、共振していないが振動を低減したい場合には、最大振幅位置に動吸振器を設置したとして、当該位置の振幅が減少しても他の位置の振幅が最大振幅位置となることが多く、振動の分布が変わるだけでほとんど効果がない場合が多い。
また、エンジンまたはモータ等の駆動装置における振動は、共振のみならず、強制振動が問題となることがあり、当該強制振動は、共振振動とは異なるため特許文献1および特許文献2記載の方法を用いても強制振動を低減することができない。
本発明の目的は、エンジンまたはモータ等の駆動装置における振動を容易に低減することができる振動低減装置および振動低減方法を提供することである。
(1)
本発明に係る振動低減装置は、駆動体が駆動することにより発生する強制振動を低減する振動低減装置であって、駆動体と、強制振動の周波数を固有振動数として設計された動吸振器と、を含み、動吸振器は、異なる6個の自由度の方向に振動抑制力を働かせることができるように、駆動体に配置されたものである。
本発明に係る振動低減装置は、駆動体が駆動することにより発生する強制振動を低減する振動低減装置であって、駆動体と、強制振動の周波数を固有振動数として設計された動吸振器と、を含み、動吸振器は、異なる6個の自由度の方向に振動抑制力を働かせることができるように、駆動体に配置されたものである。
本発明に係る振動低減装置においては、強制振動を発生させる駆動体に対して、異なる6個の自由度の方向に振動抑制力を働かせることができる動吸振器が配置されている。ここで6個の自由度とは、並進3自由度および回転3自由度の合計6個の自由度を示す。
この場合、駆動体の強制振動を低減することができるので、駆動体から伝達される振動を低減することができる。また、異なる6個の自由度の方向に振動抑制力を働かせることで、強制振動によるモーメントの発生を抑制することができる。例えば、異なる3個の自由度の方向を抑制するために、駆動体の一の面に3個の動吸振器を配置させ、駆動体の並進2方向と回転1方向とを抑制する。そして、異なる2個の自由度の方向を抑制するために、駆動体の他の面に2点の動吸振器を配置させ、駆動体の並進1方向と回転1方向とを抑制する。最後に、さらに異なる1個の自由度の方向を抑制するために、駆動体のさらに他の面に1点の動吸振器を配置させ、駆動体の回転1方向を抑制することにより駆動体の振動低減を図ることができる。このように、動吸振器の固有振動数を強制振動にあわせることにより、効率よく強制振動を低減することができる。
(2)
動吸振器は、少なくとも6個設けられ、かつ駆動体が同一直線外に配置されてもよい。
動吸振器は、少なくとも6個設けられ、かつ駆動体が同一直線外に配置されてもよい。
この場合、動吸振器は、駆動体の異なる直線上に3点配置され、かつ駆動体が同一直線外に配置されるので、6自由度の強制振動を抑制することができる。例えば、駆動体の一の面に、2点の動吸振器を設け、他の面に上記2点の動吸振器と直線上外に位置するように1点の動吸振器を設けることにより、駆動体の強制振動を確実に抑制することができる。
(3)
動吸振器は、棒状部材および棒状部材の両端部にそれぞれ設けられた錘部からなり、動吸振器が、駆動体に少なくとも3個設けられ、かつ動吸振器が同一直線外に配置されたものである。
動吸振器は、棒状部材および棒状部材の両端部にそれぞれ設けられた錘部からなり、動吸振器が、駆動体に少なくとも3個設けられ、かつ動吸振器が同一直線外に配置されたものである。
この場合、棒状部材の両端に錘部が設けられた動吸振器は、2自由度の強制振動を抑制することができる。したがって、2自由度の強制振動を抑制することができる動吸振器を少なくとも3個設けることにより、6自由度の強制振動を抑制することができる。例えば、駆動体の一の面に、2点の動吸振器を設け、他の面に上記2点の動吸振器と直線上外に位置するように1点の動吸振器を設けることにより、駆動体の強制振動を確実に抑制することができる。
(4)
動吸振器は、複数の錘部および2本の棒状部材からなり、交差して設けられた棒状部材の各端部に錘部がそれぞれ設けられ三方向に振動抑制力が働くように形成され、すくなくとも3個設けられ、かつ動吸振器が同一直線外に配置されることが好ましい。
動吸振器は、複数の錘部および2本の棒状部材からなり、交差して設けられた棒状部材の各端部に錘部がそれぞれ設けられ三方向に振動抑制力が働くように形成され、すくなくとも3個設けられ、かつ動吸振器が同一直線外に配置されることが好ましい。
この場合、動吸振器が三方向に対して振動抑制力を作用させるので、一方向に対して振動抑制力を作用させる動吸振器と比較して設置個数を削減することができる。また、動吸振器の固有振動数を強制振動にあわせることにより、効率よく強制振動を低減することができる。
(5)
動吸振器は、複数の錘部、平板および棒状部材からなり、交差して設けられた平板および棒状部材の各端部にそれぞれ錘部が設けられ三方向に振動抑制力が働くように形成され、少なくとも3個設けられ、かつ動吸振器が同一直線外に配置されることが好ましい。
動吸振器は、複数の錘部、平板および棒状部材からなり、交差して設けられた平板および棒状部材の各端部にそれぞれ錘部が設けられ三方向に振動抑制力が働くように形成され、少なくとも3個設けられ、かつ動吸振器が同一直線外に配置されることが好ましい。
この場合、動吸振器が三方向に対して振動抑制力を作用させるので、一方向に対して振動抑制力を作用させる動吸振器と比較して設置個数を削減することができる。また、動吸振器の固有振動数を強制振動にあわせることにより、効率よく強制振動を低減することができる。
(6)
動吸振器は、第1錘部、第2錘部、弾性部材および棒状部材からなり、棒状部材の端部に第1錘部が設けられ、棒状部材の外周に接触しないように所定の空間を設けて棒状部材の周囲を巻回して弾性部材が設けられるとともに、弾性部材の端部に第2錘部が設けられ、三方向に振動抑制力が働くように形成され、少なくとも3個設けられ、かつ動吸振器が同一直線外に配置されてもよい。
動吸振器は、第1錘部、第2錘部、弾性部材および棒状部材からなり、棒状部材の端部に第1錘部が設けられ、棒状部材の外周に接触しないように所定の空間を設けて棒状部材の周囲を巻回して弾性部材が設けられるとともに、弾性部材の端部に第2錘部が設けられ、三方向に振動抑制力が働くように形成され、少なくとも3個設けられ、かつ動吸振器が同一直線外に配置されてもよい。
この場合、棒状部材の外周に接触しないように所定の空間を設けて棒状部材の周囲を巻回して弾性部材が設けられるので、動吸振器の配置スペースを削減するとともに、三方向に振動抑制力を働かせることができる。また、動吸振器の固有振動数を強制振動にあわせることにより、効率よく強制振動を低減することができる。
(7)
本発明に係る振動低減方法は、動吸振器を異なる6個の自由度の方向に振動抑制力を働かせることができるように、駆動体に配置させるものである。
本発明に係る振動低減方法は、動吸振器を異なる6個の自由度の方向に振動抑制力を働かせることができるように、駆動体に配置させるものである。
本発明に係る振動低減方法においては、駆動体の6個の自由度の方向の強制振動を低減するように動吸振器を配置させる。
この場合、異なる自由度の方向、すなわち、駆動体の並進3方向および回転3方向のあわせて6個の自由度の方向について、動吸振器を設けることができるので、駆動体の強制振動を抑制することが可能となる。また、動吸振器の固有振動数を強制振動にあわせることにより、効率よく強制振動を低減することができる。
以下、本発明に係る実施の形態について説明する。本実施の形態においては、振動抑制方法により動吸振器を配置させた振動抑制装置について説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明に係る第1の実施の形態に係る振動抑制装置100の一例を示す模式図である。
図1は、本発明に係る第1の実施の形態に係る振動抑制装置100の一例を示す模式図である。
図1に示すように、振動抑制装置100は、6つの動吸振器310,320,330,340,350および410を含み、振動抑制装置100は、エンジンまたはモータ等の箱状部材900に配設される。
図1に示すように、振動抑制装置100の箱状部材900の面920に対して動吸振器310,320,330,340および350が設けられ、箱状部材900の面930に対して動吸振器410が設けられる。
図1に示すように、動吸振器310は、錘部310aおよびバネ310bからなる。また、同様に、動吸振器320は、錘部320aおよびバネ320bからなり、動吸振器330は、錘部330aおよびバネ330bからなり、動吸振器340は、錘部340aおよびバネ340bからなり、動吸振器350は、錘部350aおよびバネ350bからなり、動吸振器410は、錘部410aおよびバネ410bからなる。
図1に示す動吸振器310,320,330,340,350,410においては、箱状部材900の加振振動数に一致した固有振動数を有し、また、一方向に有効な動吸振器である。
動吸振器310,320,330は、面920の同一点に作用するよう配設される。動吸振器310は、面910と垂直な方向に作用するよう配設され、動吸振器320は、面920と垂直な方向に作用するよう配設され、動吸振器330は、面930と垂直な方向に作用するよう配設される。また、動吸振器340,350は、面920の同一点に作用するよう配設される。動吸振器340は、面920と垂直な方向に作用するよう配設され、動吸振器350は、面910と垂直な方向に作用するよう配設される。
また、動吸振器410は、面930と垂直な方向に作用するように配設される。動吸振器410は、動吸振器310,320,330により作用する点および動吸振器340,350により作用する点の延長線上に並ばないように配設される。
箱状部材900の面920に対して動吸振器310から力F310が与えられ、面920に対して動吸振器320から力F320が与えられ、面920に対して動吸振器330から力F330が与えられる。
また、箱状部材900の面920に対して動吸振器340から力F340が与えられ、面920に対して動吸振器350から力F350が与えられる。同様に、箱状部材900の面930に対して動吸振器410から力F410が与えられる。
以上のように、振動抑制装置100においては、6個の動吸振器310,320,330,340,350,410を使用することにより、箱状部材900の強制振動を低減することができるので、箱状部材900から伝達される振動を低減することができる。また、同一直線上に並ばないように動吸振器310,320,330と、340,350と、410とをそれぞれ配置することで、強制振動によるモーメントの発生を抑制することができる。この結果、動吸振器の固有振動数を強制振動にあわせることにより、効率よく強制振動を低減することができる。
また、エンジン、モータなど実際の機械において、加振力の作用する点と方向を特定し全く同じ方向に動吸振器を設置するのは非常に困難であるが、第1の実施の形態における本願発明は、動吸振器の固有振動数を強制振動にあわせ、箱状部材900の6自由度の方向に配置させることで、強制振動を低減することができる。なお、本実施の形態においては、同一の動吸振器を用いることとしたが、他の任意の動吸振器を用いてもよい。ただし、モーメントの関係上、同一減衰力を発生させることが好ましい。
(第2の実施の形態)
図2は、本発明に係る第2の実施の形態に係る振動抑制装置200の一例を示す模式図である。
図2は、本発明に係る第2の実施の形態に係る振動抑制装置200の一例を示す模式図である。
図2に示すように、振動抑制装置200は、6つの動吸振器360,361,362,363,420および430を含み、振動抑制装置200は、エンジンまたはモータ等の箱状部材900に配設される。
図2に示すように、振動抑制装置200の箱状部材900の面920に対して動吸振器360,361,362,363が設けられ、箱状部材900の面930に対して動吸振器420,430が設けられる。
図2に示すように、動吸振器360は、錘部360aおよびバネ360bからなる。また、同様に、動吸振器361は、錘部361aおよびバネ361bからなり、動吸振器362は、錘部362aおよびバネ362bからなり、動吸振器363は、錘部363aおよびバネ363bからなり、動吸振器420は、錘部420aおよびバネ420bからなり、動吸振器430は、錘部430aおよびバネ430bからなる。
図2に示す動吸振器360,361,362,363,420,430においては、箱状部材900の加振振動数に一致した固有振動数を有し、また、一方向に有効な動吸振器である。
動吸振器360,361は、面920の同一点に作用するよう配設される。動吸振器360は、面920と垂直な方向に作用するよう配設され、動吸振器361は、面930と垂直な方向に作用するよう配設される。動吸振器362,363は、面920の同一点に作用するよう配設される。動吸振器362は、面920と垂直な方向に作用するよう配設され、動吸振器363は、面910と垂直な方向に作用するよう配設される。また、動吸振器420,430は、面930の同一点に作用するよう配設される。動吸振器420は、面910と垂直な方向に作用するよう配設され、動吸振器430は、面930と垂直な方向に作用するよう配設される。動吸振器420,430により作用する点は、動吸振器360,361により作用する点および動吸振器362,363により作用する点の延長線上に並ばないように配設される。
箱状部材900の面920に対して動吸振器360から力F360が与えられ、面920に対して動吸振器361から力F361が与えられる。また、面920に対して動吸振器362から力F362が与えられ、面920に対して動吸振器363から力F363が与えられる。
また、箱状部材900の面930に対して動吸振器420から力F420が与えられ、面930に対して動吸振器430から力F430が与えられる。
以上のように、振動抑制装置200においては、6個の動吸振器360,361,362,363,420,430を使用することにより、箱状部材900の強制振動を低減することができるので、箱状部材900から伝達される振動を低減することができる。また、同一直線上に並ばないように動吸振器360,361と、動吸振器362,363と、動吸振器420,430とをそれぞれ配置することで、強制振動によるモーメントの発生を抑制することができる。
また、エンジン、モータなど実際の機械において、加振力の作用する点と方向を特定し全く同じ方向に動吸振器を設置するのは非常に困難であるが、第2の実施の形態における本願発明は、動吸振器の固有振動数を強制振動にあわせ、箱状部材900の6自由度の方向に配置させることで、強制振動を低減することができる。なお、本実施の形態においては、同一の動吸振器を用いることとしたが、他の任意の動吸振器を用いてもよい。ただし、モーメントの関係上、同一減衰力を発生させることが好ましい。
(第3の実施の形態)
図3は、本発明に係る第3の実施の形態に係る振動抑制装置300の一例を示す模式図である。
図3は、本発明に係る第3の実施の形態に係る振動抑制装置300の一例を示す模式図である。
図3に示すように、振動抑制装置300は、動吸振器364,366および440を含み、振動抑制装置300は、エンジンまたはモータ等の箱状部材900に配設される。
図3に示すように、振動抑制装置200の箱状部材900の面920に対して動吸振器364,366が設けられ、箱状部材900の面930に対して動吸振器440が設けられる
ここで、図4は、図3の動吸振器364,366および440を示す模式図である。
図4に示すように、動吸振器364は、錘部364a,365aおよび弾性力を有する丸棒364b,365bからなる。また、同様に、動吸振器366は、錘部366a,367aおよび弾性力を有する丸棒366b,367bからなり、動吸振器440は、錘部440a,441aおよび弾性力を有する丸棒440b,441bからなる。このように、図4に示す動吸振器364,366,440は、いずれも同じ動吸振器である。なお、本実施の形態においては、同一の動吸振器を用いることとしたが、他の任意の動吸振器を用いてもよい。ただし、モーメントの関係上、同一減衰力を発生させることが好ましい。
ここで、図3に示すように、面920に設けられた動吸振器364は、2方向の力F364および力F365を面920に与える。また、動吸振器366は2方向の力F366および力F367を面920に与える。さらに動吸振器440は2方向の力F440およびF441を面930に与える。
以上のように、第3の実施の形態における振動抑制装置300においては、第1の実施の形態および第2の実施の形態における振動抑制装置100,200と異なり、3個の動吸振器を用いることで対応することができる。そのため、動吸振器のためのスペースを削減することができる。
また、3個の動吸振器364,366,440を使用することにより、箱状部材900の強制振動を低減することができるので、箱状部材900から伝達される振動を低減することができる。また、動吸振器の固有振動数を強制振動にあわせることにより、効率よく強制振動を低減することができる。
さらに、エンジン、モータなど実際の機械において、加振力の作用する点と方向を特定し全く同じ方向に動吸振器を設置するのは非常に困難であるが、第3の実施の形態における本願発明は、動吸振器の固有振動数を強制振動にあわせ、箱状部材900の6自由度の方向に対して力F364,F365,F366,F367,F440,F441を働かせることができるので、効率よく強制振動を低減することができる。
(第4の実施の形態)
図5は、本発明に係る第4の実施の形態に係る振動抑制装置400の一例を示す模式図である。
図5は、本発明に係る第4の実施の形態に係る振動抑制装置400の一例を示す模式図である。
図5に示すように、振動抑制装置400は、3つの動吸振器250,370および450を含み、振動抑制装置400は、エンジンまたはモータ等の箱状部材900に配設される。
図5に示すように、振動抑制装置400の箱状部材900の面910に対して動吸振器250が設けられ、箱状部材900の面920に対して動吸振器370が設けられ、箱状部材900の面930に対して動吸振器450が設けられる。
ここで、図6は、図5の動吸振器250,370および450を示す模式図である。
図6に示すように、動吸振器250は、錘部250a,250b,250c,250dおよび弾性力を有する丸棒250e,250f,250g,250hからなる。丸棒250eおよび250gは一直線状に形成され、その両端に錘部250a,250cが設けられる。また、丸棒250fおよび250hは一直線状に形成され、その両端に錘部250b,250dが設けられる。同様に、動吸振器370は、錘部370a,370b,370c,370dおよび弾性力を有する丸棒370e,370f,370g,370hからなる。丸棒370eおよび370gは一直線状に形成され、その両端に錘部370a,370cが設けられる。また、丸棒370fおよび370hは一直線状に形成され、その両端に錘部370b,370dが設けられる。さらに、同様に、動吸振器450は、錘部450a,450b,450c,450dおよび弾性力を有する丸棒450e,450f,450g,450hからなる。丸棒450eおよび450gは一直線状に形成され、その両端に錘部450a,450cが設けられる。また、丸棒450fおよび450hは一直線状に形成され、その両端に錘部450b,450dが設けられる。このように、図6に示す動吸振器250,370,450はいずれも同じ動吸振器である。なお、本実施の形態においては、同一の動吸振器を用いることとしたが、他の任意の動吸振器を用いてもよい。ただし、モーメントの関係上、同一減衰力を発生させることが好ましい。
ここで、図5に示すように、面910に設けられた動吸振器250は、3方向の力F250a,F250bおよび力F250cを面910に与える。また、動吸振器370は3方向の力F370a,F370bおよび力F370cを面920に与える。さらに、動吸振器450は、力F450a,F450bおよび力F450cを面930に与える。
以上のように、第4の実施の形態における振動抑制装置400においては、第1の実施の形態における振動抑制装置100と異なり、3個の動吸振器を用いることで対応することができる。そのため、動吸振器のためのスペースを削減することができる。
また、3個の動吸振器250,370および450を使用することにより、箱状部材900の強制振動を低減することができるので、箱状部材900から伝達される振動を低減することができる。また、動吸振器の固有振動数を強制振動にあわせることにより、効率よく強制振動を低減することができる。
(第5の実施の形態)
図7は、本発明に係る第5の実施の形態に係る振動抑制装置500の一例を示す模式図である。
図7は、本発明に係る第5の実施の形態に係る振動抑制装置500の一例を示す模式図である。
図7に示すように、振動抑制装置500は、3つの動吸振器251,371および451を含み、振動抑制装置500は、エンジンまたはモータ等の箱状部材900に配設される。図7に示す振動抑制装置500において、第4の実施の形態に係る振動抑制装置400と異なるのは、3つの動吸振器250,370および450の代わりに3つの動吸振器251,371および451を用いた点である。
図7に示すように、振動抑制装置500の箱状部材900の面910に対して動吸振器251が設けられ、箱状部材900の面920に対して動吸振器371が設けられ、箱状部材900の面930に対して動吸振器450が設けられる。
ここで、図8は、図7の動吸振器251,371および451を示す模式図である。
図8に示すように、動吸振器251は、錘部251a,251b,251c,251d、弾性力を有する丸棒251f,251hおよび弾性力を有する平板251J,251Kからなる。平板251Jおよび251Kは一直線状に形成され、または一体として形成されていてもよい。その両端に錘部251a,251cが設けられる。また、丸棒251fおよび251hは一直線状に形成され、その両端に錘部251b,251dが設けられる。同様に、動吸振器371は、錘部371a,371b,371c,371d、弾性力を有する丸棒371f,371hおよび弾性力を有する平板371J,371Kからなる。平板371Jおよび371Kは一直線状に形成され、または一体として形成されていてもよい。その両端に錘部371a,371cが設けられる。また、丸棒371fおよび371hは一直線状に形成され、その両端に錘部371b,371dが設けられる。さらに同様に、動吸振器451は、錘部451a,451b,451c,451d、弾性力を有する丸棒451f,451hおよび弾性力を有する平板451J,451Kからなる。平板451Jおよび451Kは一直線状に形成され、または一体として形成されていてもよい。その両端に錘部451a,451cが設けられる。また、丸棒451fおよび451hは一直線状に形成され、その両端に錘部451b,451dが設けられる。このように、図8に示す動吸振器251,371,451はいずれも同じ動吸振器である。なお、本実施の形態においては、同一の動吸振器を用いることとしたが、他の任意の動吸振器を用いてもよい。ただし、モーメントの関係上、同一減衰力を発生させることが好ましい。
ここで、図7に示すように、面910に設けられた動吸振器251は、3方向の力F251a,F251bおよび力F251cを面910に与える。また、動吸振器371は3方向の力F371a,F371bおよび力F371cを面920に与える。さらに、動吸振器451は、力F451a,F451bおよび力F451cを面930に与える。
以上のように、第5の実施の形態における振動抑制装置500においては、第1の実施の形態における振動抑制装置100と異なり、3個の動吸振器を用いることで対応することができる。そのため、動吸振器のためのスペースを削減することができる。
また、3個の動吸振器251,371および451を使用することにより、箱状部材900の強制振動を低減することができるので、箱状部材900から伝達される振動を低減することができる。また、動吸振器の固有振動数を強制振動にあわせることにより、効率よく強制振動を低減することができる。
(第6の実施の形態)
図9は、本発明に係る第6の実施の形態に係る振動抑制装置600の一例を示す模式図である。
図9は、本発明に係る第6の実施の形態に係る振動抑制装置600の一例を示す模式図である。
図9に示すように、振動抑制装置600は、3つの動吸振器260,380および460を含み、振動抑制装置600は、エンジンまたはモータ等の箱状部材900に配設される。図9に示す振動抑制装置600において、第4の実施の形態に係る振動抑制装置400と異なるのは、3つの動吸振器250,370および450の代わりに3つの動吸振器260,380および460を用いた点である。
図9に示すように、振動抑制装置600の箱状部材900の面910に対して動吸振器260が設けられ、箱状部材900の面920に対して動吸振器380が設けられ、箱状部材900の面930に対して動吸振器460が設けられる。
ここで、図10は、図9の動吸振器260,380および460を示す模式図である。
図10に示すように、動吸振器260は、錘部260a,260b、弾性力を有する丸棒260c,260d,バネ260e,260fおよび錘部260g,260hからなる。丸棒260c,260dは一直線状に形成され、当該丸棒260c,260dを巻回してバネ260e,260fが設けられる。バネ260e,260fの端部に錘部260g,260hが取り付けられる。同様に、動吸振器380は、錘部380a,380b、弾性力を有する丸棒380c,380d,バネ380e,380fおよび錘部380g,380hからなる。丸棒380c,380dは一直線状に形成され、当該丸棒380c,380dを巻回してバネ380e,380fが設けられる。バネ380e,380fの端部に錘部380g,380hが取り付けられる。さらに同様に、動吸振器460は、錘部460a,460b、弾性力を有する丸棒460c,460d,バネ460e,460fおよび錘部460g,460hからなる。丸棒460c,460dは一直線状に形成され、当該丸棒460c,460dを巻回してバネ460e,460fが設けられる。バネ460e,460fの端部に錘部460g,460hが取り付けられる。
このように、図10に示す動吸振器260,380,460はいずれも同じ動吸振器である。なお、本実施の形態においては、同一の動吸振器を用いることとしたが、他の任意の動吸振器を用いてもよい。ただし、モーメントの関係上、同一減衰力を発生させることが好ましい。
ここで、図9に示すように、面910に設けられた動吸振器260は、3方向の力F260a,F260bおよび力F260cを面910に与える。また、動吸振器380は3方向の力F380a,F380bおよび力F380cを面920に与える。さらに、動吸振器460は、力F460a,F460bおよび力F460cを面930に与える。
以上のように、第6の実施の形態における振動抑制装置600においては、第1の実施の形態における振動抑制装置100と異なり、3個の動吸振器を用いることで対応することができる。そのため、動吸振器のためのスペースを削減することができる。また、第4および第5の実施の形態における振動抑制装置400,500と比較して動吸振器のためのスペースを削減することができる。
また、3個の動吸振器260,380および460を使用することにより、箱状部材900の強制振動を低減することができるので、箱状部材900から伝達される振動を低減することができる。また、動吸振器の固有振動数を強制振動にあわせることにより、効率よく強制振動を低減することができる。
(第7の実施の形態)
図11は、本発明に係る第7の実施の形態に係る振動抑制装置700の一例を示す模式図である。
図11は、本発明に係る第7の実施の形態に係る振動抑制装置700の一例を示す模式図である。
図11に示すように、振動抑制装置700は、3つの動吸振器270,280および390を含み、振動抑制装置700は、エンジンまたはモータ等の箱状部材900に配設される。
図11に示すように、振動抑制装置700の箱状部材900の面910に対して動吸振器270および動吸振器280が設けられ、箱状部材900の面920に対して動吸振器390が設けられる。
ここで、図11の動吸振器270、280、390は、図4に示す動吸振器364,366,440と同じである。
動吸振器270は、錘部270a,270bおよび弾性力を有する丸棒270c,270dからなる。また、同様に、動吸振器280は、錘部280a,280bおよび弾性力を有する丸棒280c,280dからなり、動吸振器390は、錘部390a,390bおよび弾性力を有する丸棒390c,390dからなる。このように、図11に示す動吸振器270,280,390は、いずれも同じ動吸振器である。なお、本実施の形態においては、同一の動吸振器を用いることとしたが、他の任意の動吸振器を用いてもよい。ただし、モーメントの関係上、同一減衰力を発生させることが好ましい。
ここで、図11に示すように、面910に設けられた動吸振器270は、2方向の力F270aおよび力F270bを面910に与える。また、面910に設けられた動吸振器280は、2方向の力F280aおよび力F280bを面910に与え、面920に設けられた動吸振器390は、2方向の力F390aおよび力F390bを面920に与える。
すなわち、力F270a,F280aおよび力F390aにより並進2方向および回転1方向が抑制され、力F270bおよび力F280bにより並進1方向と回転1方向とが抑制される。また、力F390bにより回転1方向を抑制することができる。
以上のように、第7の実施の形態における振動抑制装置700においては、第3の実施の形態における振動抑制装置300と同様に、3個の動吸振器を用いることで対応することができる。そのため、動吸振器のためのスペースをさらに削減することができる。
また、3個の動吸振器270,280,390を使用することにより、箱状部材900の並進3方向および回転3方向の強制振動を低減することができるので、箱状部材900から伝達される振動を低減することができる。また、動吸振器の固有振動数を強制振動にあわせることにより、効率よく強制振動を低減することができる。
(実施例1)
次に、第3の実施の形態に係る振動抑制装置300の構成を用いて実機による測定を行った。本実施例1においては、箱状部材900としてステッピングモータを用いた。面920にステッピングモータの軸が設けられた面となるように配置し、動吸振器340,350,360を設け、モータが設置されている機械の最外装のパネルにおける振動を測定した。
次に、第3の実施の形態に係る振動抑制装置300の構成を用いて実機による測定を行った。本実施例1においては、箱状部材900としてステッピングモータを用いた。面920にステッピングモータの軸が設けられた面となるように配置し、動吸振器340,350,360を設け、モータが設置されている機械の最外装のパネルにおける振動を測定した。
(比較例1)
上記実施例1と比較するための比較例として、箱状部材900としてステッピングモータを用い、動吸振器340,350,360を設けない場合を比較例1として面920における振動を測定した。
上記実施例1と比較するための比較例として、箱状部材900としてステッピングモータを用い、動吸振器340,350,360を設けない場合を比較例1として面920における振動を測定した。
図12は、実施例1および比較例1における振動低減の効果を示す図である。図12の縦軸は、振動速度レベル(dB re 1m/s)を示し、横軸は、周波数(Hz)を示す。線A1(太線)が比較例1の結果を示し、線B1(細線)が実施例1の結果を示す。
図12に示すように、比較例1のステッピングモータにおいては、ピークが−55(dB re 1m/s)を示しているのに対して、実施例1においては、ピークが−80(dB re 1m/s)まで低減されている。その結果、約25(dB re 1m/s)の減衰が確認された。
(実施例2)
続いて、第7の実施の形態に係る振動抑制装置700の構成を用いて実機による測定を行った。本実施例2においては、箱状部材900としてステッピングモータを用いた。動吸振器270,280,390を設け、モータが設置されている機械の最外装のパネルにおける振動を測定した。
続いて、第7の実施の形態に係る振動抑制装置700の構成を用いて実機による測定を行った。本実施例2においては、箱状部材900としてステッピングモータを用いた。動吸振器270,280,390を設け、モータが設置されている機械の最外装のパネルにおける振動を測定した。
(比較例2)
上記実施例2と比較するための比較例として、箱状部材900としてステッピングモータを用い、動吸振器270,280,390を設けない場合を比較例2としてモータが設置されている機械の最外装のパネルにおける振動を測定した。
上記実施例2と比較するための比較例として、箱状部材900としてステッピングモータを用い、動吸振器270,280,390を設けない場合を比較例2としてモータが設置されている機械の最外装のパネルにおける振動を測定した。
図13は、実施例2および比較例2における振動低減の効果を示す図である。図13の縦軸は、騒音レベル(dB)を示し、横軸は、周波数(Hz)を示す。線A2(太線)が比較例2の結果を示し、線B2(細線)が実施例2の結果を示す。
図13に示すように、比較例2のステッピングモータにおいては、ピークが69(dB)を示しているのに対して、実施例2においては、ピークが49(dB)まで低減されている。その結果、約20(dB)の減衰が確認された。
上記第1から第7の実施の形態においては、箱状部材900が駆動体に相当し、振動抑制装置100,200,300,400,500,600,700が振動低減装置に相当し、動吸振器250,251,260,270,310,320,330,340,350,360,361,362,363,364,366,370,371,380,390,410,420,430、440,450,451および460が動吸振器に相当し、錘部250a,250b,250c,250d,251a,251b,251c,251d,260a,260b,260g,260h,270a,270b,280a,280b,310a,310b,320a,320b,330a,330b,340a,340b,350a,350b,360a,360b,361a,361b,362a,362b,363a,363b,364a,365a,366a,367a,370a,370b,370c,370d,371a,371b,371c,371d,380a,380b,380g,380h,390a,390b,410a,410b,420a,420b,430a,430b,440a,441a,450a,450b,450c,450d,451a,451b,451c,460a,460b,460g,460hが錘部に相当し、バネ310b,320b,330b,340b,350b,360b,361b,362b,363b,410b,420b,430bおよび丸棒250e,250f,250g,250h,251f,251h,260c,260d,270c,270d,280c,280d,370e,370f,370g,370h,380c,380d,390c,390d,450e,450f,450g,450h,460c,460dが弾性体に相当し、面910,920,930が直交座標系のXYZ方向の面に相当し、平板251J,251K,371J,371K,451J,451Kが平板に相当し、バネ260e,260f,380e,380f,460e,460fが弾性部材に相当し、錘部260a,260b,380a,380b,460a,460bが第1錘部に相当し、錘部260g,260h,380g,380h,460g,460hが第2錘部に相当する。
本発明は、上記の好ましい第1の実施の形態から第7の実施の形態に記載されているが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。なお、本実施の形態においては、駆動体を箱状部材900として例示しているが、これに限定されず、他の任意の形状であってもよい。
100,200,〜,700 振動抑制装置
250,251,〜,450 動吸振器
250a,250b,〜,460h 錘部
250e,250f,〜,260d〜 丸棒
251J,251K,〜,451K 平板
260e,260f バネ
900 箱状部材
910,920,930 面
250,251,〜,450 動吸振器
250a,250b,〜,460h 錘部
250e,250f,〜,260d〜 丸棒
251J,251K,〜,451K 平板
260e,260f バネ
900 箱状部材
910,920,930 面
Claims (7)
- 駆動体が駆動することにより発生する強制振動を低減する振動低減装置であって、
前記駆動体と、
前記強制振動の周波数を固有振動数として設計された動吸振器と、を含み、
前記動吸振器は、異なる6個の自由度の方向に振動抑制力を働かせることができるように、前記駆動体に配置されたことを特徴とする振動低減装置。 - 前記動吸振器は、少なくとも6個設けられ、かつ前記駆動体が同一直線外に配置されたことを特徴とする請求項1記載の振動低減装置。
- 前記動吸振器は、棒状部材および前記棒状部材の両端部にそれぞれ設けられた錘部からなり、
前記動吸振器が、前記駆動体に少なくとも3個設けられ、かつ前記動吸振器が同一直線外に配置されたことを特徴とする請求項1記載の振動低減装置。 - 前記動吸振器は、複数の錘部および2本の棒状部材からなり、交差して設けられた前記棒状部材の各端部に前記錘部がそれぞれ設けられ三方向に振動抑制力が働くように形成され、少なくとも3個設けられ、かつ前記動吸振器が同一直線外に配置されたことを特徴とする請求項1記載の振動低減装置。
- 前記動吸振器は、複数の錘部、平板および棒状部材からなり、交差して設けられた前記平板および棒状部材の各端部にそれぞれ前記錘部がそれぞれ設けられ三方向に振動抑制力が働くように形成され、少なくとも3個設けられ、かつ前記動吸振器が同一直線外に配置されたことを特徴とする請求項1記載の振動低減装置。
- 前記動吸振器は、第1錘部、第2錘部、弾性部材および棒状部材からなり、前記棒状部材の端部に前記第1錘部が設けられ、前記棒状部材の外周に接触しないように所定の空間を設けて前記棒状部材の周囲を巻回して弾性部材が設けられるとともに、前記弾性部材の端部に前記第2錘部が設けられ、三方向に振動抑制力が働くように形成され、少なくとも3個設けられ、かつ前記動吸振器が同一直線外に配置されたことを特徴とする請求項1記載の振動低減装置。
- 駆動体が駆動することにより発生する強制振動を低減させる振動低減方法であって、
前記強制振動の周波数を固有振動数として設計された動吸振器を異なる6個の自由度の方向に振動抑制力を働かせることができるように、前記駆動体に配置させることを特徴とする振動低減方法。
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