JP2009008050A - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、小バルブリフト領域の制御応答性を確保しながら、伝達機構のギヤ同士の打音の発生が効果的に抑えられる内燃機関の可変動弁装置を提供する。
【解決手段】本発明の可変動弁装置は、バルブ駆動出力を連続的に可変制御する可変範囲の一部において、伝達機構82のギヤ83にバックラッシュを詰める付勢力を与えるバックラッシュ詰め機構100を設けた。同構成により、大きな打音が発生しやすい可変領域だけ、伝達機構82のギヤ83,84間のバックラッシュを詰め、他部可変領域ではバックラッシュを詰める付勢力から開放させて、制御応答性を確保しながら、伝達機構82のギヤ同士の打音の発生を抑えるようにした。
【選択図】図2

Description

本発明は、吸気バルブや排気バルブを駆動するバルブ駆動出力を連続的に制御する内燃機関の可変動弁装置に関する。
自動車に搭載されるレシプロ式のエンジン(内燃機関)では、エンジンの排出ガスの対策やポンピングロスの改善を図るために、シリンダヘッドに、少なくとも吸気バルブのバルブ特性を連続的に制御する可変動弁装置を搭載することが行われる。
こうした可変動弁装置の多くは、吸入空気量の調整を担うために、少なくともバルブリフト量を連続的に変化させる可変動弁機構が用いられる。多くは、カムシャフトに形成されている吸気用カムのカム変位を受けてバルブ駆動出力を出力させる構造と、得られるバルブ駆動出力(バルブリフト量や開閉タイミングや開弁期間など)を、制御シャフトから入力される回動変位にしたがい連続的に可変させる構造とを組み合わせた装置が用いられる(例えば特許文献1を参照)。
特に、可変動弁機構では、バルブ反力に勝る駆動力でバルブ駆動出力の可変が行えるよう、制御シャフトの回動変位には、電動モータなど駆動源から出力される制御回転を伝達機構、例えばウォームギヤ機構といったギヤの噛合いを用いた減速機構を用いて、高トルクの出力で制御シャフトを駆動することが行われる(特許文献2を参照)。
ところで、ギヤの噛合いには、円滑にギヤ歯を噛み合わせるためのバックラッシュが設定されている。このバックラッシュは、ギヤ同士の打音を抑えるよう適切に設定される。しかし、可変動弁機構の場合、伝達機構には、可変動弁機構を通じて吸気バルブ側からバルブ反力が作用する。バルブ反力は、バルブ開閉に伴い変動するだけでなく、高バルブリフトになるほど大きい。しかも、高バルブリフトが多用されるエンジンの高回転数域は、高速で伸縮を繰り返すバルブスプリングや高速回転によるバルブ振動などの影響が作用するために、他の領域に比べ、大きな打音が発生しやすい。
このため、可変動弁機構は、他の機構とは異なり、かなり大きなギヤの打音が発生しやすい。
一般のギヤを用いた伝達構造では、このような場合、こうした打音の発生を抑制するためにバックラッシュを詰める構造を設けることが行われる。
そこで、可変動弁装置でも、例えば特許文献2にも開示されているようにコイルスプリングを用いて、常時、一方のギヤを、該ギヤと噛合う他方のギヤへ付勢して、ギヤ歯間のバックラッシュを詰める技術が用いられている。
特開2005−299536号公報 特開2007− 2686号公報
ところで、実用上、可変動弁装置の制御の応答性は、バルブリフトが大リフトで制御されているエンジンの高負荷、高回転運転時よりも、小リフトで制御されている中・低負荷、中・低回転運転時の応答性が求められる。特に小バルブリフト領域における制御の応答性は、重要であり、ドライバーの要求や制御部の指令に素早く対応したり、刻々と変わる運転環境の変化に伴うエンジン回転の不安定も抑制することが求められる。
ところが、特許文献2のように可変範囲の全域で、バックラッシュを詰める付勢力を加えると、高バルブリフト領域はその付勢力によりギヤ同士の打音の発生は抑えられるものの、小バルブリフト領域ではその付勢力が可変制御に影響を与える。具体的には、バックラッシュを詰める付勢力が、細かな可変制御応答性が求められる制御シャフトを動きにくくしてしまう。この結果、小バルブリフト領域での制御応答性を低下させてしまう。
通常、この対策として、小バルブリフト領域の制御応答性を高めるために、制御回転を出力する電動モータ(駆動源)を、出力の大きなモータに変更する措置が講じられる。
しかし、これでは、小バルブリフト領域の制御応答性が高められるものの、大型の電動モータの使用が余儀なくされるために、かなりのコストの負担が強いられる。しかも、同電動モータの採用は、可変動弁装置の高重量化や大型化をきたし、NVHや搭載の問題となる。
そこで、本発明の目的は、小バルブリフト領域の制御応答性を確保しながら、伝達機構のギヤ同士の打音の発生が効果的に抑えられる内燃機関の可変動弁装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するために、バルブ駆動出力を可変制御する可変範囲の一部において、伝達機構のギヤにバックラッシュを詰める付勢力を与えるバックラッシュ詰め手段を設けた。
同構成により、大きな打音が発生しやすい可変領域だけ、伝達機構のギヤ同士間のバックラッシュを詰めるのを可能とする。
請求項2に記載の発明は、可変範囲の他部において、バックラッシュ詰め手段による付勢力を与えなくともよいように、バルブリフトによる最大荷重が制御シャフトを一方向に回動するように設定した。
請求項3に記載の発明は、効果的に、打音発生の抑制と制御応答性の向上とを両立させるよう、バックラッシュ詰め手段には、低バルブリフト〜高バルブリフト範囲のうちの高バルフリフト域において、バックラッシュを詰める付勢力を与える構成を採用した。
請求項4に記載の発明は、簡単な構成でバックラッシュ詰め手段がすむよう、伝達機構は、制御シャフトに設けたウォームホイールギヤと、ウォームホイールギヤと噛合い、制御回転をウォームホイールギヤへ伝えるウォームシャフトギヤとを有したウォームギヤ減速機構で構成し、バックラッシュ詰め手段には、高バルブリフト域に設定されると、付勢力を高めながら、ウォームホイールギヤのギヤ歯をウォームシャフトギヤのギヤ歯へ押し付ける押圧機構部を採用した。
請求項5に記載の発明は、一層、簡単な構造ですむよう、押圧機構部には、ウォームホイールギヤの回動支点部に巻回され、高バルブリフト域に設定されると、ウォームホイールギヤの回動変位に追従して縮む方向へ弾性変位し、ウォームホイールギヤのギヤ歯をウォームシャフトギヤのギヤ歯に押し付けるトグルばね部材を有した構成を採用した。
請求項1の発明によれば、大きな打音が発生しやすい一部の可変領域のときだけ、伝達機構にバックラッシュを詰める付勢力を作用させることが可能となる。これにより、一部以外の可変領域は、バックラッシュを詰める付勢力から開放される。
したがって、可変動弁装置における制御応答性を確保しながら、伝達機構のギヤ同士の打音の発生を抑えることが可能となる。しかも、可変動弁機構は、別途、大容量の駆動源を用いずにすむので、可変動弁装置の軽量化およびコンパクト化が確保できる。
請求項2の発明によれば、可変領域の他部においてバルブリフトによる最大荷重が制御シャフトを一方向に回動させる設定としたため、制御シャフトが反対方向に回動することを抑制し、バックラッシュを詰める付勢力を作用させずとも、ギヤ同士の打音の発生を抑えることができる。
請求項3の発明によれば、高バルブリフト域だけを重点に、バックラッシュを詰める付勢力を作用させる構成としたことにより、効果的に、ギヤ同士における打音の発生防止と、小バルブリフト領域における制御応答性の向上とが図れる。
請求項4の発明によれば、バックラッシュ詰め手段は、制御シャフトの駆動に有利でかつ部品点数が少なくてすむウォーム減速機構に押圧機構部を組み付ける構造を採用することにより、簡単な構成ですむ。
請求項5の発明によれば、バックラッシュ詰め手段は、トグルばね部材をウォームホイールギヤの回動支点部に巻回するという構成でよく、一層、簡単な構造ですむ。
以下、本発明を図1〜図10および図13に示す第1の実施形態にもとづいて説明する。
図1は、内燃機関、例えば直列4気筒レシプロ式ガソリンエンジンの本体の斜視図、図2は図1中のA−A線に沿う断面図、図3は図1中のロッカカバー、タイミングチェーンカバーを取り外したエンジンの斜視図、図4は図3中の動弁系を取り外した分解斜視図、図5は図3中のB−B線に沿う可変動弁装置の断面図、図6は図3中のC−C線に沿う可変動弁装置の断面図、図7〜図10はバックラッシュを詰める各部の構造をそれぞれ示している。
図1中1は、エンジン本体を構成するシリンダブロック、2は同じくシリンダブロック1の上部に搭載されたシリンダヘッド、3は同じくシリンダヘッド2の上方を覆うロッカカバー、4は同じくシリンダブロック1の下部に設けられたオイルパン、1aはシリンダブロック1の前部に設けられたタイミングチェーンカバーである。
シリンダブロック1には、図5に示されるようにエンジンの前後方向に沿って4つの気筒6(一部だけ図示)が形成されている。これら気筒6には、ピストン7がそれぞれ往復動可能に収めてある。これらピストン7が、コンロッド8、クランクピン9aを介して、シリンダブロック1の前後方向に配設されたクランクシャフト9に連結され、ピストン7から伝わる往復運動が回転運動に変換されながらクランクシャフト9へ出力されるようにしている。
シリンダヘッド2の下面には、図5に示されるように4つの気筒6にならってそれぞれ燃焼室11が形成されている。これら燃焼室11の両側には、一対の吸気ポート12、一対の排気ポート13(いずれも片側だけ図示)が形成してある。シリンダヘッド2の上部中央は前後方向に渡り凹んでいる。そして、凹部2aの両側がそれぞれ側方に張り出している。また燃焼室11の両側には、気筒6毎に、吸気ポート12を開閉する吸気バルブ14、排気ポート13を開閉する排気バルブ15が設けられている。なお、吸気バルブ14、排気バルブ15は、いずれもバルブスプリング16(図5のみに図示)によって閉じる方向へ付勢される常閉式である。
シリンダヘッド2の上部に形成された凹部2aには、図2〜図6に示されるようにSOHC式の動弁機構で構成される可変動弁装置20が搭載されている。この可変動弁装置20はロッカカバー3内に収められている。可変動弁装置20には、カムシャフト26と共に、吸気バルブ14のバルブ特性を連続的に可変する可変動弁機構21と、排気バルブ15を通常の一義的に開閉させるロッカアーム機構22とを1つに集約してユニットにした構造が用いられている。
すなわち、可変動弁装置20を説明すると、図1〜図6中25は保持部材、26はカムシャフト、27は排気用ロッカシャフト、28は吸気用ロッカシャフトを兼ねる制御シャフト、29は支持シャフトである。各シャフト26〜29は、いずれもエンジンの前後方向に延びたシャフト部材で形成される。このうちカムシャフト26には、図5の一部に示されるように気筒毎に、カム群、例えば吸気用カム26a(本願のバルブ駆動用カムに相当)と、その両側に配置された一対の排気用カム26b(図5に一部だけ図示)といった3つのカムが形成されている。
保持部材25は、シリンダヘッド2の上部の各地点、例えば気筒列の最前部、気筒間、最後部にそれぞれ配置される。保持部材25は、いずれも図6に示されるようにホルダ部32と、同ホルダ部32の下端部に組付くキャップ部33との組み合わせから構成される。そして、カムシャフト26は、各ホルダ部32の下端面に形成されたジャーナル面と、キャップ部33の上面に形成されたジャーナル面との間に挟み込まれて回転自在に支持される。制御シャフト28は、各ホルダ部32の中段の吸気側(幅方向一側)で回転自在に支持される。排気用ロッカシャフト27は、各ホルダ部32の中段の制御シャフト28とは反対となる排気側(幅方向他一側)で固定される。さらに支持シャフト29は、各ホルダ部32の上部で固定される。各ホルダ部32の両側には、図6に示されるように排気用ロッカシャフト27、制御シャフト28の近辺の地点に位置して、一対の固定座34が形成される。こうした構造により、シリンダヘッド2に搭載可能なフレームを形成している。
同フレームには、気筒毎に、可変動弁機構21とロッカアーム機構22が組み付いている。可変動弁機構21には、いずれも例えば図5に示されるようにロッカアーム40、スイングカム50(揺動カム)、センタロッカアーム60(伝達アーム)を組み合わせた構造が用いられている。
すなわち、図3および図4に示されるようにロッカアーム40は、二股に分かれたアーム部材が用いられる。このアーム部材の中央部が図5に示されるように制御シャフト28に回動自在に支持され、アーム部材の先端部に設けたアジャストスクリュ部41をフレームの側方へ張り出させ、アーム部材の基端部に設けたニードルローラ42を支持シャフト29側へ配置させている。
スイングカム50は、図3〜図5に示されるように一端部が支持シャフト29に回動自在に支持され、他端部がロッカアーム40のニードルローラ42に向かって突き出る揺動カム部材で形成される。他端面に形成されているカム面51は、ニードルローラ42と転接する。揺動カム部材の下部には滑りローラ52が回転自在に組み込まれている。
センタロッカアーム60は、図5に示されるように吸気用カム26a、制御シャフト28、滑りローラ52で囲まれる地点に配置される。センタロッカアーム60は、上方の滑りローラ52へ向かうアーム部61と、横方向となる制御シャフト28直下へ向かうアーム部62とにより、L形に形成される。アーム部61の先端面に形成されている斜面61a(例えば制御シャフト側が低、支持シャフト側が高の面)は、スイングカム50の滑りローラ52と転接する。アーム部61,62の交差する部分に支持されている滑りローラ63は、吸気用カム26aのカム面と転接し、バルブ駆動出力となる吸気用カム26aのカム変位がアーム部61を通じて、スイングカム50へ出力されるようにしている。アーム部62端に屈曲自在に支持されているピン部64は、制御シャフト28に形成されている通孔65に回動自在に差し込まれている。この差込みにより、センタロッカアーム60は、屈曲点を支点として揺動自在に支持される。このセンタロッカアーム60の組み込み構造により、制御シャフト28が回動変位すると、センタロッカアーム35は、吸気用カム26aとの転接位置を変更しながら、カムシャフト16と交差する方向(進角方向や遅角方向)へ変位する。
この変位により、センタロッカアーム60から出力されるバルブ駆動出力、例えば吸気バルブ14のバルブリフト量や開閉タイミングが、同時に連続的に可変される。すなわち、カム面51は、上部側が吸気用カム26aのベース円に相当するベース円区間とし、下部側がベース円区間に連続したリフト区間(吸気用カム26aのリフト域のカム形状に相当)としてある。これにより、センタロッカアーム60の滑りローラ63が吸気用カム26aの進角方向あるいは遅角方向へ変位すると、スイングカム50の姿勢が変化して、ニードルローラ42が揺動するカム面51の領域が変化する。つまり、ニードルローラ42が揺動するベース区間とリフト区間の比率が変わる。この進角方向の位相変化、遅角方向の位相変化を伴うベース区間、リフト区間の比率の変化を用いて、吸気バルブ14のバルブリフト量が、吸気用カム26aの頂部のカム形状がもたらす低バルブリフトから、吸気用カム26aの頂部から基端部までのカム形状がもたらす高バルブリフトまで連続的に可変される。また同時に吸気バルブ14の開閉タイミングは、開弁時期よりも閉弁時期が大きく可変されるようにしてある。
つまり、可変動弁機構21は、低バルブリフト〜高バルブリフトまでをリフト可変範囲として、バルブリフト量や開閉タイミングが連続的に可変できるようにしてある。なお、通孔65には、ピン部64の突出し量を調整するためのねじ部材66が進退可能に螺挿してある(気筒毎のバルブ開閉時期やバルブリフト量の調整のため)。
ロッカアーム機構22(排気側)は、図5に示されるように一対のロッカアーム67をもつ(片側しか図示せず)。この一対のロッカアーム67は、センタロッカアーム35の両側に位置し、排気用ロッカシャフト27に回動自在に支持される。そして、一端部に有るローラ部材(図示しない)を排気用カム26bのカム面に転接させ、他端部に有るアジャストスクリュ部67aをフレームの側方へ張り出させている。
こうした各構造により、カムシャフト26、可変動弁機構21、ロッカアーム機構22を1つに集約させている。このユニット化された可変動弁装置20の各固定座34が、図4および図6に示されるように凹部2a(シリンダヘッド2)の底面から突き出ているボス部17に設置される。そして、各固定座34は、図3および図6に示されるように該固定座34およびシリンダヘッド2を通じて、シリンダブロック1へねじ込まれるシリンダヘッドボルト18により、シリンダヘッド2と一緒に固定される(共締め)。なお、最前部、最後部の保持部材25については、別の固定ボルト18aでもシリンダブヘッド2に固定してある。
この可変動弁装置20の搭載により、図5に示されるように各ロッカアーム40(吸気用)のアジャストスクリュ部41は、シリンダヘッド2に組み付けてある吸気バルブ14のステム端に配置され、排気用ロッカアーム67のアジャストスクリュ部41は、シリンダヘッド2に組み付けてある排気バルブ15のステム端に配置される。なお、68は、スイングカム50に組み付くプッシャである。同プッシャ68は、スイングカム50を介してセンタロッカアーム60を吸気用カム26aへ押し付ける部品である。
またカムシャフト26の一端部は、例えば図4に示されるようにシリンダヘッド1の凹部2aを囲う端壁に有る貫通部1bを通じて、前方へ突き出る。この突き出たカムシャフト26の端部には、図1〜図3に示されるようにタイミング部品であるカムスプロケット70が設けられる。このカムスプロケット70とクランクシャフト9の一端部に設けたクランクスプロケット71間に無端状のタイミングチェーン72が掛け渡され、カムシャフト26がクランク出力で回転されるようにしている。
図3に示されるようにシリンダヘッド1の最前部には、制御シャフト28を駆動する駆動装置80が設けられている。この駆動装置80は、可変動弁機構21と共に可変動弁装置20を構成する装置で、例えば駆動源としての電動モータ81と、電動モータ81とは別体な伝達機構、例えばウォームギヤ減速機構82を組み合わせた構造が用いられる。ウォームギヤ減速機構82には、例えば扇形のウォームホイールギヤ83とこれと噛合うウォームシャフトギヤ84との組み合わせが用いられる。そして、このうちウォームシャフトギヤ84を含む部分を、ウォームホイールギヤ83とは別体なウォームシャフトギヤユニット85としてユニット化してある。
すなわち、扇形のウォームホイールギヤ83は、図2〜図4に示されるように扇形板状の本体86の外周縁部に多数のギヤ歯87を有し、回動中心部に取付座88を有した板状部品が用いてある。この扇形部品の取付座88が、最前部のホルダ部32(保持部材25)から前方へ突き出ている制御シャフト28の軸端に固定ボルト89で固定され、ギヤ歯87をシリンダヘッド2の上方に配置させている。
ウォームシャフトギヤユニット85は、例えば図2〜図4に示されるようにフレーム90をもつ。フレーム90は、シリンダヘッド2の幅方向に延びるベース部90aと、同ベース部90aの両端部からシリンダヘッド2の前後方向に延びる一対のアーム部90bを有する。アーム部90bの先端部には、それぞれ軸受面90c(図2に図示)が形成されている。ウォームシャフトギヤ84は、中間にウォームギヤ歯84aをもつシャフト部84bが用いてある。このシャフト部84bの両端部がそれぞれ軸受面90cで回転自在に支持され、軸受面90c間にウォームギヤ部84bを配置させている。そして、アーム部90bを突き出るシャフト部84bの一方には、オルダム継手91を構成する雄部91aおよび雌部91bの一方、例えば雄部91aが連結してある。またベース部90aの両端部には、シリンダヘッド2に搭載するための設置座92がそれぞれ形成されている。
これら設置座92が、図4に示されるように固定用ボルト93を用いて、最前部のホルダ部32(保持部材25)の上部、具体的には制御シャフト28の直上となる部分に形成された受座94に設置され、ウォームシャフトギヤユニット85をシリンダヘッド2に横向きに取り付けている。この取り付けの際、図2に示されるようにウォームシャフトギヤ84がウォームホイールギヤ83と噛合う。特にウォームシャフトギヤユニット85は、ウォームシャフトギヤ84とウォームホイールギヤ83とが噛合う噛合い部95の地点より、オルダム継手91側が低くなるよう、シリンダヘッド2側へ下降させた傾斜姿勢で組み付けてある。これにより、オルダム継手91の雄部91aから入力される制御回転(バルブリフト量や開閉タイミングの要求バルブ特性を定める回転)が、両ギヤ83,84の噛合い部95を通じて、制御シャフト28へ伝達されるようにしている。これで、例えば図2中の矢印で示されるようにウォームホイールギヤ83が排気用ロッカシャフト27側へ向かう方向に回動変位するときは、高バルブリフト側へ制御する制御回転が制御シャフト28へ伝達され、反対にオルダム継手91側へ向かう方向に回動変位するときは、低バルブリフト側へ制御する制御回転が制御シャフト28へ伝達されるようにしてある。
ここで、制御シャフト28は、可変動弁機構21の各部の組み付きにより、可変動弁機構21から伝わるバルブ反力(スプリング反力)が一回転方向、例えば低バルブリフト方向へだけ作用するように設定されている。これにより、ウォームシャフトギヤ84には、軸方向の一方向にだけしかバルブ反力が作用しない構造にしている。このバルブ反力を受けるために、オルダム継手91側のシャフト部分にはスラスト受け部96が設けられている。具体的には、スラスト受け部96は、フランジ形状に形成され、オルダム継手91側のアーム部90bと隣接した地点に配置してある。このスラスト受け部96は、アーム部90bに形成されたスラスト面97(図2に図示)で摺動自在に受け止められる。これで、バルブ反力がもたらすスラスト力が、オルダム継手91側へ伝わらないようにしている。
またウォームホイールギヤ83とウォームシャフトギヤ84とが噛合う各ギヤ歯84a,87の向きは、バルブ反力によって、ウォームホイールギヤ83自身に保持部材25へ向かわせる力を生じさせる斜め方向の向きに設定されている。これにより、制御シャフト28は、軸方向一方向にだけスラスト力が作用する構造にしている。また制御シャフト28に作用するスラスト力(一方向)は、図示しないが制御シャフト28の一端部、例えばウォームホイールギヤ83側の端部に形成されたスラスト面と、最前部のホルダ部32(保持部材25)の前面に形成されたスラスト受け部とがなす受け構造によって受け止めている。
電動モータ81は、図2および図3に示されるように通常の回転子と固定子(図示しない)とを組み合わせた電動機本体81aが用いられている。すなわち、電動モータ81には、先端部に円柱形の差込み部81dを有し、胴部に取付用ブラケット81bが取り付けられた電動機部81aが用いられる。そして、電動機部81aのモータ軸81cが差込み部81dの中央を貫通して前方へ延びている。この前方へ延びたモータ軸81cの先端部に、オルダム継手91の残る片側の部品、すなわち雌部91bが装着してある。
取付け用ブラケット81bは、シリンダヘッド2の側部に形成されたモータ取付面2b(図2に図示)に対し、取り付け可能なL字形のブラケット部材から形成される。また差込み部81dは、図1および図2に示されるようにロッカカバー3の側壁に形成された円筒形の差込み口部3aに差込み可能な形状をなしている。差込み部81dの外周面には、外周面から外側へ突き出るように環状のオイルシール部材98が装着されている。
これらの構造を用いて、電動モータ81はウォームシャフトギヤユニット85に組み付けてある。すなわち、電動モータ81は、図2および図3に示されるように差込み口部3aへ差込み部81dを差し込んで、同差込み口部3aをガイドとして先端の雌部91bをウォームシャフトギヤユニット85の雄部91aに噛合わせ、その後、取付け用ブラケット81bをシリンダヘッド2のモータ取付け面2bにボルト止めすることによって、ウォームシャフトギヤユニット85に着脱可能に組み付けてある。なお、図2に示されるように差込み部81dは、差込み口部3aへ差し込むと、オイルシール部材98だけが差込み口部3aの内面と弾接し、他の差込み部81dの外周面は差込み口部3aの内面から離れる。
一方、ウォームギヤ減速機構82(伝達機構)には、噛合い部95に生ずるバックラッシュを詰めるバックラッシュ詰め機構100(本願のバックラッシュ詰め手段、押圧機構部に相当)が組み込まれている。このバックラッシュ詰め機構100には、低バルブリフト〜高バルブリフトまでのリフト可変範囲のうちの一部だけにバックラッシュを詰める付勢力を与える構造が用いられている。具体的には、高バルブリフト域だけに付勢力を付与する構造が用いてある。同バックラッシュ詰め機構100の構造が図7〜図11に示されている。
同構造には、図7〜図9に示されるように制御シャフト28の駆動に有利(高トルク)で、かつ部品点数が少なくてすむという機能をもつウォーム減速機構82に、コンパクトにトグルばね部材101を組み付けた構造が用いられている。すなわち、図8に示されるようにトグルばね部材101は、例えば素線を環状に複数状巻回して、素線の両端部101aを直径方向へ並行に突き出したスプリング部品で、自由状態(端部101aに外力が加わらない状態)から、片方の端部101aに外力を加えると、巻回したコイル部分101bがねじれ方向に弾性変位して、弾性変位に応じたスプリング力が発生する。このトグルばね部材101のコイル部分101bが、図7に示されるようにウォームホイールギヤ83の回動支点部、例えばウォームホイールギヤ83の取付座88の裏面に形成された環状のボス部88a(制御シャフト端と突き当たる部分をなす)の周りに巻回されるように組み付く。そして、ウォームホイールギヤ83の回動方向に並行に配置される両端部101aのうちの一方、例えば電動モータ81側の端部101aが、ウォームホイールギヤ83の本体86の裏面に固定、ここでは例えば裏面に形成した固定孔86aに差込むことによって固定してある。また残る端部101aは、取付座88の裏面で、コイル部分101bの一部(下側)を囲うように形成した円弧形の壁部88bにより係止され、トグルばね部材101の全体をほぼ自由状態に保たせている。この残る端部101bが、外力を受ける外力入力部103となる。
この外力入力部103に対応して、図2および図7に示されるように保持部材25のうち、ウォームホイールギヤ83に臨む面をなす、ホルダ部32の前面には、当該端部101bと当接可能な当接部104が設けられている。当接部104は、例えばホルダ部32の前面から突き出た突起から形成される。同当接部104は、所定の地点、具体的には低バルブリフト〜高バルブリフトまでのリフト可変範囲内を回動変位するウォームホイールギヤ83のうち、例えばバルブ反力の小さい低バルブリフト域や中バルブリフト域では、外力入力部103(端部101b)と当接せず、図10に示されるようにバルブ反力の大きい高バルブリフト域に至ると、外力入力部103と当接する地点に配置されている。この当接部104により、トグルばね部材101は、高バルブリフト量の区間になると、縮む方向の弾性変位が始まり、それ以降、高バルブリフトの終わりまで、その弾性変位が進むようにしてある。
つまり、トグルばね部材101は、吸気バルブ14のバルブリフト量を連続的に可変するリフト可変領域のうち、例えば高バルブリフト量の区間の領域に設定されるときだけ、ウォームホイールギヤ83のギヤ歯87の歯面を、ウォームシャフトギヤ84のウォームギヤ歯84aの歯面に押し付ける力(付勢力)が加わるように組み込んである。
つぎに、このように構成された可変動弁装置20の作用について説明する。
今、カムシャフト26が、図1および図2中の矢印方向に示されるようにタイミングチェーン72から伝達されるクランクシャフト9の軸出力によって駆動(回転)されるとする。
このとき、図5に示されるようにセンタロッカアーム60の滑りローラ63は、吸気用カム26aのカム変位を受けている。これにより、センタロッカアーム60からは、バルブ駆動出力が出力される。つまり、センタロッカアーム60は、カム変位にしたがい、ピン部64を支点として、上下方向へ揺動する。
スイングカム50の滑りローラ52は、同滑りローラ52と転接する斜面61aを通じて、センタロッカアーム60の揺動変位を受けている。このため、スイングカム50は、斜面61aを転がりながら、該斜面61aで押し上げられたり下降したりする揺動運動を繰り返す。このスイングカム50の揺動により、スイングカム50のカム面51は上下方向へ往復動する。
このとき、カム面51は、ロッカアーム40のニードルローラ42と転接しているから、カム面51でニードルローラ42を周期的に押圧する。この押圧を受けてロッカアーム40は、制御シャフト28を支点に揺動され、一対の吸気バルブ14を開閉させる。
一方、各排気用ロッカアーム67は、それぞれ排気用カム26bを受けていて、同カム26bのカム形状にならい駆動される。これにより、各排気用ロッカアーム67は、排気用ロッカシャフト27を支点に上下方向へ揺動して、それぞれ排気バルブ15を開閉させる。
このとき、図示しない制御部の指令により、高バルブリフト量にするべく、電動モータ81が作動したとする。すると、同電動モータ81の回転が、オルダム継手91を通じて、ウォームシャフトギヤ84へ伝わり、同ウォームシャフトギヤ84と噛合う扇形のウォームホイールギヤ83を回動変位させる(図2中の高リフト方向)。これにより、電動モータ81の回転は、減速されながら制御シャフト28へ伝わり、制御シャフト28を要求バルブ特性の地点まで回動させる。この回動変位により、センタロッカアーム60の位置は変位する。これにより、センタロッカアーム60の滑りローラ63は、吸気用カム26a上を回転方向に沿って変位し、図5に示されるようにスイングカム50のカム面51を垂直に近い角度となる姿勢に位置決める。
このカム面51の姿勢により、カム面51のニードルローラ42が行き交う領域(比率)は、高バルブリフト量をもたらす領域に設定される。例えば最も短いベース円区間と最も長いリフト区間となる比率に設定される。これにより、例えば吸気バルブ14は、最大のバルブリフト量を確保するように駆動される。
ここで、トグルばね部材101は、ウォームホイールギヤ83が、低バルブリフト、中バルブリフトの区間までは、図9に示されるように当接部104に到達しないため、自由な状態のままが保たれる。この間は、ウォームギヤ減速機構82には、バックラッシュを詰める付勢力は与えられないが、ウォームホイールギヤ83が高バルブリフトの区間に入ると、その時点から、図2および図10に示されるようにトグルばね部材101の外力入力部103がシリンダヘッド2側に有る当接部104と突き当たる。
そのときから、図10(a),(b)に示されるようにトグルばね部材101は弾性変位(縮む方向)が始まる。同弾性変位は、バルブリフト量が増えるにしたがい(ウォームホイールギヤ83の回動変位が進むにしたがい)、増大する。そして、この弾性変位で得られたトグルばね部材101の弾性力が、高バルブリフト域へ変位したウォームホイールギヤ83へ入力される。この弾性力により、ウォームホイールギヤ83は、ウォームシャフトギヤ84と密接する方向に付勢され、ウォームホイールギヤ83のギヤ歯87の歯面を、ウォームシャフトギヤ84のウォームギヤ歯84aの歯面に押し付ける。これで、噛合い部95におけるギヤ歯87とウォームギヤ歯84a間のバックラッシュ(隙間)は詰められる。
これにより、大きな打音が発生しやすい可変領域、特に可変動弁機構21へ伝わる高バルブ反力や、高速で伸縮を繰り返すバルブスプリング16やバルブ振動などが作用する高バルブリフト領域で生ずる大打音の発生は抑えられる。
一方、低バルブリフト量にするとする。このときは、高バルブリフトのときとは反対方向へ電動モータ81を作動させる。すると、同電動モータ81の回転が、オルダム継手91を通じて、ウォームシャフトギヤ84へ伝わり、扇形のウォームホイールギヤ83を反対の方向へ回動変位させる(図2中の低リフト方向)。これにより、電動モータ81の回転は、減速されながら制御シャフト28へ伝わり、制御シャフト28を要求バルブ特性、例えば低バルブリフトの地点まで回動させる。
この回動変位により、センタロッカアーム60の支点位置(ピン部64)は吸気用カム26aへ接近する方向に回動変位する。すると、センタロッカアーム60の滑りローラ63は、吸気用カム26a上を回転方向前側へ変位する。これにより、センタロッカアーム60と吸気用カム26aとの転接位置は、吸気用カム26a上を進角する方向へずれる。この転接位置の可変により、バルブリフト曲線のTOP位置が進角方向へ移動する。また斜面63も、センタロッカアーム60の移動を受けて進角方向へ変位する。このセンタロッカアーム60の移動により、スイングカム50は、カム面51が下側へ傾く姿勢に変わる。傾きが大きくなるにしたがい、ニードルローラ42が行き交うカム面51の領域は、ベース円区間が次第に長く、リフト区間が次第に短くなる比率に変わる。この比率の変化により、吸気バルブ14は、吸気用カム26aのリフト区間の全域を用いた駆動から、次第にリフト区間の頂部へ移行した部分で限定的に駆動される状態に変わる。
これにより、バルブ駆動出力となる吸気バルブ14の開閉タイミングとバルブリフト量は、制御シャフト28から入力される回動変位にしたがい、最大バルブリフト時とほぼ同じ開弁時期から開弁するタイミングを保ちつつ、閉弁時期を大きく変化させながら連続的に可変制御される。
このとき、トグルばね部材101の外力入力部103は、図9(a),(b)に示されるよう当接部104から離れた地点に配置されたままである。低バルブリフト領域や中バルブリフト領域の間は、その状態が継続される(高バルブリフトになるまで突き当たらない)。このため、要求バルブ特性が当該可変領域に求められている間は、ウォームホイールギヤ83にはバックラッシュを詰める付勢力は作用しない。
つまり、ギヤ同士の打音が小さい小可変領域(バルブ反力などが小のため)や中可変領域は、バックラッシュを詰める付勢力から開放される。これにより、小可変領域、特に細かな制御が求められる小バルブリフトや中バルブリフトといった可変領域では、良好な制御の応答性が確保される。
したがって、可変動弁装置20は、小可変領域の制御応答性を確保しながら、大きな打音の発生を抑えることができる。しかも、制御シャフト28を駆動する電動モータ81(駆動源)は、大容量の大型モータに変更せずにすむので、可変動弁装置20は、軽量化およびコンパクト化が保てる利点もある。特に高バルブリフト域だけを重点に、バックラッシュを詰める付勢力を作用させると、効果的に、ギヤ同士での打音の発生防止と、小可変領域における制御応答性の向上の双方を図ることができる。
しかも、伝達機構には、制御シャフト28の駆動に有利でかつ部品点数が少なくてすむウォームギヤ減速機構82を採用し、同減速機構82にバックラッシュ詰め機構100を組み付ける構造を採用すると、簡単な構造ですむ。特にバックラッシュ詰め機構100として、ウォームホイールギヤ83の回動支点部にトグルばね部材101を組み付ける構造を用いると、ウォームギヤ減速機82の構造を利用した簡単な構造ですむ。
減速機構だけでなく、バックラッシュ詰め機構100にもタイミングチェーン72に付着している潤滑油が遠心力により飛び散り供給されるので、トグルばね部材101の組み付け部の摩耗が抑制され、ばねの接触部位の摩擦係数も安定するため、安定したばね力が発揮され、効果が維持される。
なお、図13に示されるように、スイングカム50が開弁方向に揺動する際に揺動支点S1に作用する荷重W1やスイングカム50が閉弁方向に揺動する際に揺動支点S1に作用する荷重の方向が、同図の荷重W1,W2の軌跡に示されるようにいずれも制御シャフト28の回転方向が同じ方向に設定してある。これにより、スイングカム50が開弁方向に揺動するときや、スイングカム50が閉弁方向に揺動するとき、揺動支点S1に生ずる荷重の制御シャフト28に対する回転方向は、制御シャフト28に対して時計方向回りの一方向となり、制御シャフト28が逆方向に回転することを抑制することができる。このため、制御シャフト28はバルブリフトにより一方向に付勢されることとなり、バックラッシュ詰め機構100を作用させる必要がなくなる。また、荷重W1,W2が全て制御シャフト28を同じ方向に回転させるように設定せずとも、最大荷重W3が制御シャフトを一方向に回転させるように設定するだけでもよい。
図11および図12は、本発明の第2の実施形態を示す。
本実施形態は、バックラッシュ詰め機構100として、第1の実施形態のようなトグルばね部材101を用いたのではなく、例えばピストン式のプッシャ機構110を用いた構造を採用したものである。
同プッシャ機構110には、例えば図11および図12に示されるようにウォームシャフトギヤユニット85のフレーム90に、ピストンプッシャ部111を組み付け、ウォームホイールギヤ83の前面に当接部112を突設した構造が用いてある。
具体的には、ピストンプッシャ部111は、例えば図12に示されるようにアーム部90bの片側に形成された筒形の本体部115と、同本体部115内に直列状に収められた進退可能なピストン116、当該ピストン116を突出方向へ押圧するコイルスプリング部材118、当該コイルスプリング部材118の弾性力を調整するためのねじ式のアジャスタ部119を組み合わせた構造が用いられる。このピストンプッシャ部111は、ウォームホイールギヤ83の当接部112に対して、本体部115から突き出たピストン116の先端部が向き合うよう、横向き(ウォームホイールギヤ83と並行な向き)に配置されている。
また本体部115から突き出たピストン116の先端部とウォームホイールギヤ83の当接部112とは、第1の実施形態と同様、低バルブリフト〜高バルブリフトまでのリフト可変範囲内を回動変位するウォームホイールギヤ83のうち、例えばバルブ反力の小さい低バルブリフト域や中バルブリフト域では、図12中の実線に示されるように当接せず、バルブ反力の大きい高バルブリフト域に至ると、図12中の二点鎖線に示されるように当接するように設定されている。これにより、ピストンプッシャ部111は、高バルブリフト量の区間になると、コイルスプリング部材118の縮む方向の弾性変位が始まり、それ以降、高バルブリフトの終わりまでは、コイルスプリング部材118の縮む方向の弾性変位を伴いながらピストン116が退避動するようにしてある。これで、ピストンプッシャ部111は、吸気バルブ14のバルブリフト量を連続的に可変するリフト可変領域のうち、例えば高バルブリフト量の区間の領域に設定されるときだけ、ウォームホイールギヤ83のギヤ歯87の歯面を、ウォームシャフトギヤ84のウォームギヤ歯84aの歯面に押し付ける力(付勢力)が加わる構造にしている。なお、図12中、120は本体部115から前方へ突き出るピストン116を規制するためのクリップ部材を示す。
このようにして第1の実施形態と同様の効果を奏する。但し、図11および図12において、第1の実施形態と同じ部分には同一符号を付してその説明を省略した。
なお、本発明は上述したいずれの実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々可変して実施しても構わない。例えば上述した実施形態では、吸気バルブのバルブ特性を連続的に可変する可変動弁装置に本発明を適用したが、これに限らず、排気バルブのバルブ特性を連続的に可変する可変動弁装置に本発明を適用してもよい。また、上述した一実施形態では、リフト量と開閉タイミングを同時に変更できるもので説明したが、一方のみを変更するもの、例えば、不等速継手を用いて開閉タイミングを変更する可変動弁装置にも適用することができる。
本発明の第1の実施形態に係る内燃機関の概観を示す斜視図。 図1中のA−A線に沿う断面図。 ロッカカバーやタイミングチェーンカバーを取り外して可変動弁装置を露出させた内燃機関の斜視図。 同可変動弁装置をシリンダヘッドから取り外した斜視図。 図3中のB−B線に沿う可変動弁装置の断面図。 図3中のC−C線に沿う可変動弁装置の断面図。 バックラッシュ詰め機構を説明するための斜視図。 同機構の主要部を分解した分解斜視図。 低バルブリフトに設定されたときのバックラッシュ詰め機構の挙動を説明するための図。 高バルブリフトに設定されたときのバックラッシュ詰め機構の挙動を説明するための図。 本発明の第2の実施形態の要部となる、異なるバックラッシュ詰め機構を示す分解斜視図。 同バックラッシュ詰め機構の挙動を説明するための一部断面化した側面図。 低バルブリフトに設定されたときの図3中のB−B線に沿う可変動弁装置の断面図。
符号の説明
2 シリンダヘッド
14 吸気バルブ
20 可変動弁装置
21 可変動弁機構
26 カムシャフト
26a吸気用カム(バルブ駆動用カム)
28 制御シャフト
81 電動モータ(駆動源)
82 ウォームギヤ減速機構(伝達機構)
83 ウォームホイールギヤ
84 ウォームシャフトギヤ
100バックラッシュ詰め機構(バックラッシュ詰め手段、押圧機構部)
101トグルばね部材
104当接部。

Claims (5)

  1. バルブ駆動用カムを有するカムシャフトと、
    前記カムシャフトのカム変位を受けてバルブ駆動出力を出力し、制御シャフトから入力される回動変位にしたがい当該バルブ駆動出力を所定の可変範囲において可変制御させる可変動弁機構と、
    駆動源から出力される制御回転をギヤの噛合いにより前記制御シャフトへ伝える伝達機構と、
    前記伝達機構に設けられ、前記可変範囲の一部において、当該伝達機構のギヤにバックラッシュを詰める付勢力を与えるバックラッシュ詰め手段と
    を具備したことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  2. 前記内燃機関に揺動自在に設けられ、バルブを駆動するカム面を有する揺動カムと、
    前記揺動カムと前記カムとの間に介在され、前記カムの変位を前記揺動カムに伝達する伝達アームとを備え、
    前記制御シャフトは、内燃機関に回動可能に設けられ、前記伝達アームを揺動自在に支持し、かつ回動変位により該伝達アームの前記カムと当接する位置を変更可能とし、該位置変更により前記バルブのバルブ特性を制御し、
    前記可変範囲の他部において、バルブリフト中に前記伝達アームより受ける最大荷重が前記制御シャフトを一方向に回動させる荷重となるように設定したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  3. 前記可変動弁機構は、前記制御シャフトからの回動変位にしたがい、低バルブリフト〜高バルブリフト範囲でバルブリフト量の可変制御が行われ、
    前記伝達機構は、前記制御シャフトへ要求バルブリフト量を設定する制御回転を伝え、
    前記バックラッシュ詰め手段は、前記低バルブリフト〜高バルブリフト範囲のうちの高バルフリフト域において、前記バックラッシュを詰める付勢力を与えるものである
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  4. 前記伝達機構は、前記制御シャフトに設けたウォームホイールギヤと、前記ウォームホイールギヤと噛合い、前記制御回転を前記ウォームホイールギヤへ伝えるウォームシャフトギヤとを有したウォームギヤ減速機構で構成され、
    前記バックラッシュ詰め手段は、前記ウォームギヤ減速機に組み付けられ、前記高バルブリフト域に設定されると、付勢力を高めながら、前記ウォームホイールギヤのギヤ歯を前記ウォームシャフトギヤのギヤ歯へ押し付ける押圧機構部を有して構成される
    ことを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  5. 前記押圧機構部は、前記ウォームホイールギヤの回動支点部に巻回され、高バルブリフト域に設定されると、前記ウォームホイールギヤの回動変位に追従して縮む方向へ弾性変位し、前記ウォームホイールギヤのギヤ歯を前記ウォームシャフトギヤのギヤ歯に押し付けるトグルばね部材を有して構成される
    ことを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の可変動弁装置。
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