JP2009008051A - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の可変動弁装置は、回転駆動源81から出力されるバルブ駆動出力設定用の制御回転を、制御部品28へ伝える伝達機構82に、バルブから回転駆動源81へ伝わる荷重を受け止めるスラスト受け部46を設けた。これにより、回転駆動源81は、複雑なバルブ反力を受ける部品が無い製品ですみ、可変動弁装置20のメンテナンスに費やすコストの低減ができる。
【選択図】図2
Description
こうした可変動弁装置の多くは、吸入空気量の調整を担うために、少なくともバルブリフト量を連続的に変化させる可変動弁機構が用いられる。多くは、カムシャフトに形成されている吸気用カムのカム変位を受けてバルブ駆動出力を出力させる構造と、得られるバルブ駆動出力(バルブリフト量や開閉タイミングや開弁期間など)を、制御シャフトから入力される回動変位にしたがい連続的に可変させる構造とを組み合わせた装置が用いられる(例えば特許文献1を参照)。
特に可変動弁装置の回転駆動源は、可変駆動機構と共に、シリンダヘッドにコンパクトに組み込むため、特許文献2にも開示されているように制御シャフトと交差する向きで設置することが行われる。このため、同特許文献2に見られるように多くの伝達機構には、電動モータなど回転駆動源からの制御回転を、ウォームギヤ機構など制御シャフトと交差する方向で噛み合う噛合い部を通じて、制御シャフトへ伝える構造が用いられる。
ところで、回転駆動源は、安全性の確保の点から、特にメンテナンスが求められる。このとき、回転駆動源に故障や修理が認められると、新たな回転駆動源に交換することがある。
そこで、本発明の目的は、回転駆動源の修理や交換コストなど使用者負担の軽減が図れる内燃機関の可変動弁装置を提供することにある。
同構成により、回転駆動源は、荷重を受ける構造は不要となるので、簡素な機器ですむ。
請求項3に記載の発明は、さらに伝達機構には、制御シャフトに設けたウォームホイールギヤと、同ウォームホイールギヤと噛み合い、当該ウォームホイールギヤと共に噛合い部を構成するウォームシャフトギヤとを有するウォームギヤ減速機構で構成し、バルブ反力が逃がせるウォームギヤ減速機構として、1つのスラスト受け構造で、制御シャフトに作用する軸方向の荷重も受けられるようにするよう、制御シャフトまたはウォームホイールギヤには、ウォームホイールギヤから加わる荷重を受け止める制御シャフト用スラスト受け部を設ける構成を採用した。
それ故、回転駆動源は、簡素な低廉化が図れた製品ですみ、可変動弁装置のメンテナンスに費やすコストを低減させることができる。
請求項2の発明によれば、別途、特別な機構や構造を必要とせず、制御部品の駆動に適した伝達機構そのものを活用して、スラスト受け部の負担を軽減させることができる。
請求項3の発明によれば、さらに荷重が逃がせるウォームギヤ減速機構を流用して、制御部品に作用する荷重が、最少の1つのスラスト受け構造で受け止められる。
それ故、併せて制御部品に作用する荷重も、簡単な構造で受けることができる。
請求項4の発明によれば、ウォームギヤ減速機構がシリンダヘッドに組み付き易くできるうえ、ウォームホイールギヤとウォームシャフトギヤ間の取付精度が容易に確保できる。
図1は、内燃機関、例えば直列4気筒レシプロ式ガソリンエンジンの本体の斜視図、図2は図1中のA−A線に沿う断面図、図3は図1中のロッカカバー、タイミングチェーンカバーを取り外したエンジンの斜視図、図4は図3中の動弁系を取り外した分解斜視図、図5は図3中のB−B線に沿う可変動弁装置の断面図、図6は図3中のC−C線に沿う可変動弁装置の断面図、図7〜図9は制御シャフトにおけるバルブ反力を受ける構造の各部をそれぞれ示している。
シリンダブロック1には、図5に示されるようにエンジンの前後方向に沿って4つの気筒6(一部だけ図示)が形成されている。これら気筒6には、ピストン7がそれぞれ往復動可能に収めてある。これらピストン7が、コンロッド8、クランクピン9aを介して、シリンダブロック1の前後方向に配設されたクランクシャフト9に連結され、ピストン7から伝わる往復運動が回転運動に変換されながらクランクシャフト9へ出力されるようにしている。
すなわち、図3および図4に示されるようにロッカアーム40は、二股に分かれたアーム部材が用いられる。このアーム部材の中央部が図5に示されるように制御シャフト28に回動自在に支持され、アーム部材の先端部に設けたアジャストスクリュ部41をフレームの側方へ張り出させ、アーム部材の基端部に設けたニードルローラ42を支持シャフト29側へ配置させている。
センタロッカアーム60は、図5に示されるように吸気用カム26a、制御シャフト28、滑りローラ52で囲まれる地点に配置される。センタロッカアーム60は、上方の滑りローラ52へ向かうアーム部61と、横方向となる制御シャフト28直下へ向かうアーム部62とにより、L形に形成される。アーム部61の先端面に形成されている斜面61a(例えば制御シャフト側が低、支持シャフト側が高の面)は、スイングカム50の滑りローラ52と転接する。アーム部61,62の交差する部分に支持されている滑りローラ63は、吸気用カム26aのカム面と転接し、バルブ駆動出力となる吸気用カム26aのカム変位がアーム部61を通じて、スイングカム50へ出力されるようにしている。アーム部62端に屈曲自在に支持されているピン部64は、制御シャフト28に形成されている通孔65に回動自在に差し込まれている。この差込みにより、センタロッカアーム60は、屈曲点を支点として揺動自在に支持される。このセンタロッカアーム60の組み込み構造により、制御シャフト28が回動変位すると、センタロッカアーム35は、吸気用カム26aとの転接位置を変更しながら、カムシャフト16と交差する方向(進角方向や遅角方向)へ変位する。
ロッカアーム機構22(排気側)は、図5に示されるように一対のロッカアーム67をもつ(片側しか図示せず)。この一対のロッカアーム67は、センタロッカアーム35の両側に位置し、排気用ロッカシャフト27に回動自在に支持される。そして、一端部に有るローラ部材(図示しない)を排気用カム26bのカム面に転接させ、他端部に有るアジャストスクリュ部67aをフレームの側方へ張り出させている。
一方、電動モータ81は、図2および図3に示されるように回転子と固定子(図示しない)とを組み合わせた電動機本体81aが用いられている。すなわち、電動モータ81には、先端部に円柱形の差込み部81dを有し、胴部に取付用ブラケット81bが取り付けられた電動機部81aが用いられる。この電動機部81aのモータ軸81cが差込み部81dの中央を貫通して前方へ延びている。この前方へ延びたモータ軸81cの先端部には、オルダム継手91の残る片側の部品、すなわち雌部91bが装着してあり、同雌部91bから要求バルブリフト量を規制する制御回転(バルブ駆動出力を設定する制御回転)が出力される。取付け用ブラケット81bは、シリンダヘッド2の側部に形成されたモータ取付面2b(図2に図示)に対し、取り付け可能なL字形のブラケット部材から形成される。また差込み部81dは、図1および図2に示されるようにロッカカバー3の側壁に形成された円筒形の差込み口部3aに差込み可能な形状をなしている。差込み部81dの外周面には、外周面から外側へ突き出るように環状のオイルシール部材98が装着されている。
つぎに、このように構成された可変動弁装置20の作用について説明する。
今、カムシャフト26が、図1および図2中の矢印方向に示されるようにタイミングチェーン72から伝達されるクランクシャフト9の軸出力によって駆動(回転)されるとする。
スイングカム50の滑りローラ52は、同滑りローラ52と転接する斜面61aを通じて、センタロッカアーム60の揺動変位を受けている。このため、スイングカム50は、斜面61aを転がりながら、該斜面61aで押し上げられたり下降したりする揺動運動を繰り返す。このスイングカム50の揺動により、スイングカム50のカム面51は上下方向へ往復動する。
一方、各排気用ロッカアーム67は、それぞれ排気用カム26bを受けていて、同カム26bのカム形状にならい駆動される。これにより、各排気用ロッカアーム67は、排気用ロッカシャフト27を支点に揺動して、それぞれ排気バルブ15を開閉させる。
一方、低バルブリフト量にする。このときは、高バルブリフトのときとは反対方向へ電動モータ81を作動させ、要求バルブリフトを出力する。すると、同電動モータ81の回転が、オルダム継手91を通じて、ウォームシャフトギヤ84へ伝わり、扇形のウォームホイールギヤ83を反対の方向へ回動変位させる(図2中の低リフト方向)。これにより、電動モータ81の回転は、減速されながら制御シャフト28へ伝わり、制御シャフト28を要求されたバルブ駆動出力、例えば低バルブリフトの地点まで回動させる。
こうしたエンジンの運転中、可変動弁装置20では、吸気バルブ14の開閉で生ずるバルブ反力(バルブスプリング16やプッシャ68に蓄積された弾性力など)が、ウォームギヤ減速機構82を経て、スラスト方向のバルブ反力Pとして、ウォームシャフトギヤ84の入力部へ伝わる。
そのため、図2に示されるようにスラスト方向のバルブ反力Pは、スラスト受け47とスラスト面48との突き当て(当接)により受け止められる。これにより、バルブ反力Pは、スラスト受け部46から以降の部分、すなわちオルダム継手91から電動モータ81へ伝わらないようになる。
それ故、たとえメンテナンスなどで、電動モータ81の修理や交換が求められたとしても、電動モータ81は低廉化された簡素な構造の機器ですむから、修理や交換コストなどメンテナンスに費やす使用者の負担は軽減できる。特に制御シャフト28へは、特定の回転方向しか、バルブ反力Pが作用しないようにすると、スラスト受け部46は、当該バルブ反力Pが加わる方向の規定により、特定のスラスト方向のバルブ反力Pを受けるだけの構造ですむ。つまり、実質、1つのスラスト受け部46だけですみ、スラスト受け部46を設けるときのコスト的な負担も、併せて軽減できる。
そのうえ、ウォームギヤ減速機構82の採用は、制御シャフト28には、軸方向の一方だけ、すなわち特定の方向にだけ、スラスト方向のバルブ反力Pが加わるようになるから、その特性を利用して、最少個数たる1つの制御シャフト用スラスト受け部46だけで、制御シャフト28に作用するスラスト方向のバルブ反力Pも受け止めることができる。つまり、制御シャフト28に作用するバルブ反力Pも、簡単な構造で受けることができる。
14 吸気バルブ(バルブ)
20 可変動弁装置
21 可変動弁機構
25 保持部材
26 カムシャフト
26a吸気用カム
28 制御シャフト
46 スラスト受け部
47 スラスト受け
48 スラスト面
81 電動モータ(回転駆動源)
82 ウォームギヤ減速機構(伝達機構)
83 ウォームホイールギヤ
84 ウォームシャフトギヤ
95 噛合い部
98 制御シャフト用スラスト受け部。
Claims (4)
- シリンダヘッドに設けられ、カムシャフトのカム変位を受けてバルブ駆動出力を出力し、制御部品から入力される変位にしたがい当該バルブ駆動出力を可変制御させる可変動弁機構と、
バルブ駆動出力設定用の制御回転を出力する回転駆動源と、
前記回転駆動源の制御回転を、前記制御部品へ伝える伝達機構と、
前記シリンダヘッドに設けられ、前記可変動弁機構で可変制御されたバルブ駆動出力により駆動されるバルブと、
前記伝達機構に設けられ、前記バルブから前記回転駆動源へ伝わる荷重を受け止めるスラスト受け部と
を具備したことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。 - 前記伝達機構は、前記制御部品に連結して設けられたギヤ部品で構成され、ギヤ噛合い部を有した減速機能を持つともに、前記回転駆動源の出力部が接続され、前記噛合い部から前記荷重の一部が逃がせるようにしてあることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置。
- さらに、前記減速機能をもつ伝達機構は、ウォームホイールギヤと、該ギヤと噛み合うウォームシャフトギヤから成り、前記制御部品または前記ウォームホイールギヤには、前記ウォームホイールギヤから加わる前記制御シャフトの軸方向にかかる荷重を受け止める制御シャフト用スラスト受け部を有していることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の可変動弁装置。
- 前記ウォームシャフトギヤは、前記ウォームホイールギヤとは別体に、当該ウォームホイールギヤをシリンダヘッドに保持している保持部材と共通の部材に保持させてあることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の内燃機関の可変動弁装置。
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JP2007032363A (ja) * | 2005-07-25 | 2007-02-08 | Honda Motor Co Ltd | 内燃機関のリフト可変動弁装置におけるアクチュエータ冷却構造 |
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