JP2009007284A - 酸化セリウムを内包するフェリチンを形成する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】タンパク質アポフェリチンを利用して酸化セリウムのナノ粒子の元となる酸化セリウム−アポフェリチン複合体を得ること。
【解決手段】本発明は、酸化セリウムを内包するフェリチンを形成する方法であって、前記方法は、Ce3+およびアポフェリチンを、図3の二重丸または丸の条件で緩衝液に混合する混合工程を有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、酸化セリウムを内包するフェリチンを形成する方法に関する。
特許文献1にも例示されるように、アポフェリチンに代表されるような、内部に空洞を有するタンパク質の当該空洞に金属、金属塩、または金属化合物を充填させ、さらにこのようなタンパク質を複数個、二次元的に整列させた後に当該タンパク質を焼失させることにより、量子ドットに代表されるドット体を有する半導体装置の製造方法が知られている。
特開2003−86715号公報
本発明者は、アポフェリチンの空洞に酸化セリウムを充填させること、すなわち、酸化セリウム−アポフェリチン複合体の形成を試みた。
本発明者の知るかぎり、酸化セリウム−アポフェリチン複合体の作製方法の公知文献はない。
本発明者はこの課題を鋭意検討した結果、3価のセリウム塩を用いて、酸化セリウム−アポフェリチン複合体が得られると言う知見を見出し、本発明を完成させた。
本発明は、酸化セリウム−アポフェリチン複合体を効率よく製造する方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明は、酸化セリウムを内包するフェリチンを形成する方法であって、前記方法は、Ce3+およびアポフェリチンを、図3の二重丸または丸の条件で緩衝液に混合する混合工程を有する。
本発明によれば、均一な大きさを有する酸化セリウムのナノ粒子を効率よく得るための、酸化セリウムを内包するフェリチンを得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本明細書においては、「酸化セリウムを内包するフェリチン」と「酸化セリウム−アポフェリチン複合体」とは同一の意味であり、これらを単に「複合体」と呼ぶことがある。
本明細書においては、濃度はmM(ミリモーラ、すなわち、mmol/L、ミリモル/リットル)により表される。これは得られた緩衝液、とりわけセリウム塩を供給した後の緩衝液における試薬の濃度を意味する。
すなわち、「アポフェリチンの濃度が1μMである」と記載した場合、これはセリウム塩を供給した後の緩衝液に含まれるアポフェリチンの濃度が1μMという意味である。緩衝液に供給されているアポフェリチンにおけるアポフェリチン濃度が1μMという意味ではない。別途、記載しない限り、セリウム塩を供給する前における緩衝液に含まれるアポフェリチンの濃度が1μMという意味でもない。
pHについても同様であり、別途、記載しない限り、セリウム塩を供給した後の緩衝液のpHを意味する。
(フェリチンについて)
内部に空洞を有するタンパク質として、フェリチンを挙げることができる。
天然のフェリチンはウマの脾臓から公知の方法で得ることができる。
効率性の観点から、天然のフェリチンからN末端の1塩基目から8塩基目までの塩基を除去した欠失フェリチンを用いることが多いが、このような欠失フェリチンもまた、用語「フェリチン」に含まれる。
さらに、内部の空洞に金属、金属塩、または金属化合物が充填されていないフェリチンを「アポフェリチン」と呼ぶ。用語「フェリチン」には、金属、金属塩、または金属化合物が充填されている。特に本発明では、フェリチンに酸化セリウムが充填されている。なお、用語「充填」と用語「内包」とは同一の意味である。
以下、図1を用いて、アポフェリチンについて説明する。
図1(a)は、アポフェリチンの構造を示す模式図であり、図1(b)は、図1(a)のA−A線断面図である。
図1(a)に示すように、アポフェリチン10は、1本のポリペプチド鎖から形成されるモノマーサブユニット20が非共有結合により24個集合した分子量約46万の球状タンパク質である。
そして、その直径は約12nmであり、通常のタンパク質に比べて、高い熱安定性と高いpH安定性を有している。
さらに、アポフェリチン10の中心には、図1(b)に示すように直径約7nmの空洞状の保持部40を有し、外部とチャンネル30を介してつながっている。
アポフェリチンに充填された酸化セリウムからなるナノ粒子の直径は、アポフェリチンの保持部40の直径とほぼ等しく、約7nmである。
空洞を有するアポフェリチンであれば、単一種類のアミノ酸配列から成るサブユニットから構成されているアポフェリチンであっても、複数のサブユニットから構成されているアポフェリチンであっても良い。
それらの中でも、同一のアミノ酸配列を有するサブユニットで構成されるタンパク質、もしくは単一のモノマーから構成されるリコンビナントであるタンパク質、例えばリコンビナントフェリチンなどは、構造が安定で、温度に対する耐性が高いため、変性を生じにくく好ましい。
以上述べたように、本実施の形態によれば、用いるアポフェリチンの空洞状の保持部の形状、大きさに応じた酸化セリウムのナノ粒子を形成することができる。
ここでいう「ナノ粒子」とは、50nm以下で、かつ粒子として安定に存在する大きさ以上の粒子をいう。一例を挙げれば、直径1nm〜50nmの粒子がナノ粒子に相当する。
アポフェリチンの濃度は実施例4および表3から明らかなように、0.21μM以上4.36μM以下であることが好ましい。
アポフェリチン濃度が0.21μM未満になるとアポフェリチン濃度が薄すぎるため、非効率的である。
アポフェリチン濃度が4.36μMを超えることは、非効率的である。
(セリウムイオンについて)
緩衝液は3価のセリウムイオンを含有する。4価のセリウムイオンは、酸化セリウムがアポフェリチンの内部に形成されることに寄与しない。
3価のセリウムイオンの由来は特に限定されず、一般にセリウム塩として緩衝液に供給される。
後述する実施例2および表1からも明らかなように、3価のセリウム塩を緩衝液に供給することが必須である。
3価のセリウムイオンの濃度は1mM以上10mM以下であることが好ましい。
3価のセリウムイオンの濃度が1mM未満ではあまりにもセリウムイオン濃度が薄すぎるために複合体の形成が困難となる傾向がある。
後述する実施例1および図3からも明らかなように、3価セリウムイオンの濃度が10mM以下であることが好ましく、これよりも濃度が高くなると収率が低下し得る。
3価のセリウムイオンの濃度が10mMを超えることは、非効率的である。
3価の塩化セリウムの代わりに、3価の硫酸セリウムを緩衝液に供給しても好ましく、3価の塩化セリウム、3価の硝酸セリウム、もしくは3価の酢酸セリウムを緩衝液に供給することが特に好ましい。
明瞭に記載しない限り、セリウム塩(III)と記載されていれば、3価のセリウム塩を示す。同様に、明瞭に記載しない限り、セリウム塩(IV)と記載されていれば、4価のセリウム塩を示す。
(緩衝液について)
緩衝液は、一般的に溶液のpHを一定に保つ作用を持つと考えられている。
特に限定しなければ、緩衝液は発明者が望むpHで、pHを一定にする作用を持つ緩衝液を指す。
緩衝液はセリウム塩を入れてからのpHを一定に保つ。
緩衝液は後述する実施例3および表2からも明らかなように、緩衝液の種類によらない。
緩衝液は特に限定しないが、PIPES、TRIS、TAPS緩衝剤を用いることが好ましい。
緩衝液は特に限定しないがHEPES緩衝液を用いることが特に好ましい。
一般的に緩衝液のpHを調整するには強酸か強塩基が使われる。一般的にはpHを調整するには塩酸もしくは水酸化ナトリウムを加えて調整する。本発明で使用した緩衝剤は、塩酸、水酸化ナトリウム、もしくはアンモニアで調整しており、また塩酸、水酸化ナトリウム、アンモニアの混合物でもかまわない。アンモニア濃度は80mM以下であることが好ましい。
本発明の実施例で記載されているHEPES pH7.0との記載は水酸化ナトリウムを用いて、pH7.0に調整した溶液である。この他の実施例でも同じ操作をしている。
確認のため記載しておくが、全ての実施例における図3および表1〜表5に記載のpHはセリウム塩を添加して、20時間後のpHであり、混合させるために使用した緩衝液原液のpHではない。
なお、3価のセリウムイオン添加工程の前に、緩衝液にアポフェリチンを添加することが好ましい。
(その他)
複合体を得るにあたっては、室温もしくはアポフェリチンなどのタンパク質10が変性しない温度範囲、例えば70℃以下で、かつスターラーなどで攪拌しながら混合して行うことが好ましい。
緩衝液にセリウム塩を供給した後、20時間以上放置する。
その後、遠心分離などにより、緩衝液から複合体を得ることができる。
(実施例)
以下、本発明を実施例(実験データ)と共にさらにより詳細に説明する。
(実施例1)
実施例1では、3価セリウムイオン濃度およびpHについて実験したデータを示す。
以下に示されるL鎖アポフェリチンおよびHEPES緩衝液に3価の塩化セリウム(III)を添加した。
2000mM HEPES pH7.0 50μL
2500mM NaOH 12μL
23.87μM L鎖アポフェリチン 18.2μL
100mM 塩化セリウム(III) 40μL
ミリQ水 879.8μL
pHは、その値が7.0になるように、水酸化ナトリウムを加えることにより調整した。
ここで混合した溶液の、塩化セリウムを含む溶液の攪拌後のpHは7.0であった。
塩化セリウムを添加した後のHEPESの濃度は100mMであり、塩化セリウムを添加した後のアポフェリチンの濃度は0.44μMであり、塩化セリウムを添加した後の塩化セリウムの濃度は4mMであり、塩化セリウムを添加した後のpHは7.0であった。緩衝液の総量は1mLであった。
なお、後述する実施例2〜6においても、緩衝液の総量は1mLであった。
その後、HEPES緩衝液を23℃で20時間放置した。
次いで、遠心分離機を用いて、3000rpmで10分、遠心分離して沈殿物を除去した。この操作は他の実施例でも同じである。
なお無機物質−アポフェリチン複合体の観察方法はすでに知られているが、ここでは念のため、以下、説明する。
一般的な透過型電子顕微鏡専用のカーボン膜が張られたグリッドに遠心分離後の溶液を2.5μL滴下した。
カーボン膜が張られたグリッドの上にある余剰の溶液は、濾紙に染み込まし除去した。
そして、酸化セリウム−アポフェリチン複合体がのっているカーボン膜の張られたグリッドの上に1%金グルコースを2.5μL滴下し、3分間放置し、余剰溶液をろ紙に染み込ませた。
その後、5分間の自然乾燥を行い、透過型電子顕微鏡で確認した。この操作は他の実施例でも同じである。
アポフェリチンを、直接電子顕微鏡で観察すると、何も見えない。
そこで、金グルコースと呼ばれる染色剤でアポフェリチンを染色する。すると、アポフェリチンの周りが金グルコースで占められることにより、アポフェリチン自体は白い丸、アポフェリチンのまわりは黒くなり、アポフェリチンを確認することができる。
なお、金グルコースはアポフェリチンの中には入らない。
酸化セリウムのコアが入っているフェリチンでは、白い丸の真ん中に黒い酸化セリウムのコアが見える。
ドーナツ状に見えるのがフェリチンであり、白いドーナツ部がフェリチンのタンパク質部分、ドーナツの内側が酸化セリウムのコアである。
このようにして、コアの入ったドーナツ状のフェリチンの数とコアの入っていない白丸のアポフェリチンの数を数えて、写真に写っているアポフェリチン+フェリチンの数の内、何パーセントがフェリチンであるか、各セリウム塩濃度とpHについて確認した。その結果が図3である。この判定方法は他の実施例でも同じである。
図3は、3価セリウムイオン濃度およびpHに対して酸化セリウム−アポフェリチン複合体の形成状態を求めた結果を示している。
図3の記号は、タンパク質の全量に対する酸化セリウム−アポフェリチン複合体の形成比率を示し、「◎」は50%以上、「○」は10%以上50%未満、「×」は10%未満またはほとんど形成されていないことを表している。このことは、表1〜表5でも同じである。
すなわち、図3に示す「◎」または「○」の領域で効率よく酸化セリウム−アポフェリチン複合体を形成できることが確認された。
図2は、3価セリウムイオン濃度が4mMでpH7.0である場合の透過型電子顕微鏡写真である。
矢印に示されるフェリチンに酸化セリウムが含まれている。
(実施例2)
この実施例2では、好ましいセリウム化合物(セリウム塩)に関するデータを示す。
実施例1とほぼ同様に、セリウム塩を添加した後のHEPESの濃度は100mMであり、セリウム塩を添加した後のアポフェリチンの濃度は0.44μMであり、セリウム塩を添加した後のセリウム塩の濃度は4mMであり、セリウム塩を添加した後のpHの値を7.0近傍に調整して行なった。
緩衝液の総量は1mLであった。
その際、セリウムイオンの供給源として、塩化セリウム(III)、硝酸セリウム(III)、酢酸セリウム(III)、硫酸セリウム(III)、硫酸セリウム(IV)を用いた。
その結果を、以下の表1に示す。
表1に示すように、硝酸セリウム(III)、酢酸セリウム(III)、硫酸セリウム(III)において複合体を形成できるが、3価のセリウム化合物である、硫酸セリウム(III)が好ましく、塩化セリウム(III)、硝酸セリウム(III)、酢酸セリウム(III)が特に好ましい。
硫酸セリウム(IV)においては複合体の形成は確認されなかった。
実施例1と併せてデータを見ると、これらセリウム化合物(セリウム塩)の中でも、四価のセリウムでは複合体が形成されないことが理解できる。
3価のセリウム塩を用いた全ての溶液が複合体を形成していることから、3価のセリウム塩を用いることが複合体の形成には必須であることが理解できる。
(実施例3)
この実施例3では、緩衝液に関するデータを示す。
実施例1とほぼ同様に、塩化セリウムを添加した後の緩衝液の濃度は100mMであり、塩化セリウムを添加した後のアポフェリチンの濃度は0.44μMであり、塩化セリウムを添加した後の塩化セリウムの濃度は4mMであり、塩化セリウムを添加した後のpHの値を7.0近傍に調整して行なった。
緩衝液の総量は1mLであった。
その際、緩衝液の種類として、HEPES緩衝液、PIPES緩衝液、TRIS緩衝液もしくはTAPS緩衝液を用いた。
その結果を、以下の表2に示す。
表2に示すように、全ての緩衝液において、複合体を形成が確認できた。
実施例1と併せてデータを見ると、全ての緩衝液で複合体が形成していることから、緩衝液の種類に問わず、複合体の形成が可能であることが理解できる。
(実施例4)
この実施例4では、好ましいアポフェリチン濃度のデータを示す。
実施例1とほぼ同様に、塩化セリウムを添加した後の緩衝液の濃度は100mMであり、塩化セリウムを添加した後のアポフェリチンの濃度は4.36μMであり、塩化セリウムを添加した後の塩化セリウムの濃度は4mMであり、塩化セリウムを添加した後のpHの値を7.0近傍に調整して行なった。
緩衝液の総量は1mLであった。
その際、アポフェリチン濃度を変更して検討した。なお、アポフェリチンは、L鎖アポフェリチンとして供給した。
以下に示されるL鎖アポフェリチンおよびHEPES緩衝液に3価の塩化セリウム(III)を添加した。
2000mM HEPES pH7.0 50μL
2500mM NaOH 12μL
23.87μM L鎖アポフェリチン 182.3μL
100mM 塩化セリウム(III) 40μL
ミリQ水 715.7μL
pHは、その値が7.0になるように、水酸化ナトリウムを加えることにより調整した。
その結果を、以下の表3に示す。
表3に示すように、アポフェリチンの濃度が0.21μM以上、4.36μM以下の範囲で酸化セリウム−アポフェリチン複合体を形成できることが理解できる。
(実施例5)
この実施例5では、アンモニアに関するデータを示す。
アンモニアはpHを調整されるために利用されことがある。
実施例1に記載されているような、水酸化ナトリウムの代わりに、アンモニアを利用することがある。
また水酸化ナトリウムとアンモニアを併用することもある。
ここでは実施例1とほぼ同様に、塩化セリウムを添加した後の緩衝液の濃度は100mMであり、塩化セリウムを添加した後のアンモニア濃度は30mMであり、塩化セリウムを添加した後のアポフェリチンの濃度は0.44μMであり、塩化セリウムを添加した後の塩化セリウムの濃度は4mMであり、塩化セリウムを添加した後のpHの値を7.0近傍に調整して行なった。
緩衝液の総量は1mLであった。
2000mM HEPES pH7.0 50μL
1000mM アンモニア 30μL
23.98μM L鎖アポフェリチン 18.2μL
100mM 塩化セリウム(III) 40μL
ミリQ水 861.8μL
その結果を、以下の表4に示す。
表4に示すように、アンモニア濃度が0mM以上、80mM以下の範囲で酸化セリウム−アポフェリチン複合体を形成できることが理解できる。
(実施例6)
この実施例6では、好ましいアポフェリチン種に関するデータを示す。
実施例1とほぼ同様に、塩化セリウムを添加した後の緩衝液の濃度は100mMであり、塩化セリウムを添加した後のアポフェリチンの濃度は0.44μMであり、塩化セリウムを添加した後の塩化セリウムの濃度は4mMであり、塩化セリウムを添加した後のpHの値を7.0近傍に調整して行なった。
緩衝液の総量は1mLであった。
その際、アポフェリチンの種類として、L鎖N端8残基欠損アポフェリチンおよびL鎖天然配列アポフェリチンを用いて検討した。
その結果を、以下の表5に示す。
表5に示すように、いずれのアポフェリチンにおいても酸化セリウム−アポフェリチン複合体を形成できることが理解できる。
本発明の酸化セリウム−アポフェリチン複合体の製造方法によれば、均一な大きさを有する酸化セリウムのナノ粒子を効率よく得ることができる。
さらにこのようなタンパク質を複数個、二次元的に整列させた後に当該タンパク質を焼失させることにより、酸化セリウムからなるドット体を有する半導体装置を得ることができる。また自動車三元用の助触媒や、燃料電池電極の助触媒としても利用できる。
(a)アポフェリチンの構造を示す模式図 (b)図1(a)のA−A線断面図 本発明の実施例1に係る酸化セリウム−アポフェリチン複合体の形成状態を示す透過電子顕微鏡写真 酸化セリウム−アポフェリチン複合体を形成できるCe3+イオン濃度とpHとの間の関係を示す表
符号の説明
10 タンパク質(アポフェリチン)
20 モノマーサブユニット
30 チャンネル
40 保持部
50 酸化セリウム
60 酸化セリウム−アポフェリチン複合体

Claims (6)

  1. 酸化セリウムを内包するフェリチンを形成する方法であって、
    前記方法は、Ce3+およびアポフェリチンを緩衝液に混合する混合工程を有し、
    前記Ce3+および前記アポフェリチンを前記緩衝液に添加した後のpHが6.6以上7.8以下であり、
    前記Ce3+および前記アポフェリチンを前記緩衝液に添加した後のCe3+の濃度が0mMを超えて10mM以下であり、
    前記Ce3+の濃度が0mMを超えて1mM以下の場合には、前記pHは7.2以上7.8以下であり、
    前記Ce3+の濃度が1mMを超えて1.5mM以下の場合には、前記pHは7.1以上7.6以下であり、
    前記Ce3+の濃度が1.5mMを超えて2mM以下の場合には、前記pHは7.0以上7.6以下であり、
    前記Ce3+の濃度が2mMを超えて4mM以下の場合には、前記pHは6.9以上7.3以下であり、
    前記Ce3+の濃度が4mMを超えて5mM以下の場合には、前記pHは6.8以上7.3以下であり、
    前記Ce3+の濃度が5mMを超えて6mM以下の場合には、前記pHは6.6以上7.2以下であり、
    前記Ce3+の濃度が6mMを超えて8mM以下の場合には、前記pHは6.6以上7.1以下であり、
    前記Ce3+の濃度が8mMを超えて9mM以下の場合には、前記pHは6.6以上7.0以下であり、
    前記Ce3+の濃度が9mMを超えて10mM以下の場合には、前記pHは6.6以上6.9以下である、方法。
  2. 前記混合工程において、CeCl、Ce(NO、Ce((SO)、またはCe(CHCOO)を混合する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記緩衝液がHEPES、PIPES、TRIS、またはTAPSである、請求項1に記載の方法。
  4. 前記Ce3+および前記アポフェリチンを前記緩衝液に添加した後のアポフェリチンの濃度が0.21μM以上4.36μM以下である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記緩衝液はアンモニアを含有し、前記Ce3+および前記アポフェリチンを前記緩衝液に添加した後のアンモニアの濃度が80mM以下である、請求項1に記載の方法。
  6. 前記アポフェリチンが、L鎖N端8残基欠損アポフェリチンまたはL鎖天然配列アポフェリチンである、請求項1に記載の方法。
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