JP2009006488A - 流体噴射装置及びそれにおけるヘッドフラッシング方法 - Google Patents

流体噴射装置及びそれにおけるヘッドフラッシング方法 Download PDF

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Abstract

【課題】流体噴射装置において、ヘッドのフラッシングを比較的短時間で行うことが可能な技術を提供する。
【解決手段】流体噴射装置は、所定の処理面位置に向けて流体を滴状に吐出するヘッドと、ヘッドから吐出された流体を回収する流体回収部と、ヘッドと所定の処理面位置とのうち少なくとも一方を移動させることによって、ヘッドと所定の処理面位置との間隔を調整する間隔調整部と、を備えている。そして、流体噴射装置では、ヘッドのフラッシングを行う際に、(i)ヘッドは、所定の処理面位置の上方に配置され、(ii)間隔調整部は、前記間隔が、ヘッドから吐出された流体が前記処理面位置に到達せずにヘッドと所定の処理面位置との間の空隙において漂うこととなる所定の長さとなるように調整し、(iii)流体回収部は、前記空隙において漂う前記流体を回収する。
【選択図】図1

Description

本発明は、流体を噴射する流体噴射装置においてヘッドをフラッシングする技術に関する。
従来より、ラインヘッドを有するインクジェット式記録装置がある。このラインヘッドは、ノズルを介してインクを記録用紙等に吐出するため、ノズル近傍においてインクが増粘したりノズル内に気泡が混入したりして、インクの吐出が良好に行えなくなるおそれがあった。そこで、各ノズルからインクを吐出させてインクの吐出不良を回復する、いわゆるフラッシングを行うインクジェット式記録装置が提案されている(下記特許文献1参照)。
特開2006−35537号公報
上記特許文献1に記載のインクジェット式記録装置では、フラッシングを行う際に、ノズルから吐出されるインクを受けるためのキャップが用いられる。このキャップは、通常時は記録用紙の搬送用ベルトから離れた位置に配置されており、フラッシング時にラインヘッドの真下の位置まで移動してラインヘッドを覆う。このようにキャップがラインヘッドを覆ってからインクを吐出することで、吐出したインクによって記録用紙や搬送用ベルトを汚さないようにしている。
フラッシングは、印刷実行途中においても行われることがある。例えば、複数ページにわたって印刷を行う場合には、或るページにつき印刷を終えた後、次のページの印刷を開始する前にフラッシングを行うこともある。また、所定の時間間隔で定期的にフラッシングを行うこともある。これらの場合、上記のようにキャップが移動してラインヘッドを覆う構成では、キャップの移動という動作が伴うために、フラッシング完了までに長時間を要していた。したがって、印刷速度の低下を招いくという問題があった。
なお、上述した問題点は、ラインヘッドに限らず、シリアルヘッドのインクジェット式記録装置においても発生し得る。また、キャップは所定位置に固定されており、ヘッドがキャップの設置位置まで移動してフラッシングを行う構成においても発生し得る。また、インクジェット式記録装置に限らず、インク以外の他の流体(液体や、機能材料の粒子が分散されている液状体、流体として噴射可能な粉体等の固体を含む)を噴射する流体噴射装置において発生し得る。
本発明は、流体噴射装置において、ヘッドのフラッシングを比較的短時間で行うことが可能な技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]流体を噴射するための流体噴射装置であって、所定の処理面位置に向けて、前記流体を滴状に吐出するヘッドと、前記ヘッドから吐出された前記流体を回収する流体回収部と、前記ヘッドと前記所定の処理面位置とのうち少なくとも一方を移動させることによって、前記ヘッドと前記所定の処理面位置との間隔を調整する間隔調整部と、を備え、前記流体噴射装置において前記ヘッドのフラッシングを行う際に、(i)前記ヘッドは、前記所定の処理面位置の上方に配置され、(ii)前記間隔調整部は、前記間隔が、前記ヘッドから吐出された前記流体が前記所定の処理面位置に到達せずに前記ヘッドと前記所定の処理面位置との間の空隙において漂うこととなる所定の長さとなるように調整し、(iii)前記流体回収部は、前記空隙において漂う前記流体を回収する、流体噴射装置。
適用例1の流体噴射装置では、ヘッドのフラッシングを行う際に、ヘッドと所定の処理面位置との間隔を、ヘッドと所定の処理面位置との間の空隙において流体が漂うこととなる所定の長さとなるように調整するので、比較的短時間のうちにフラッシングを完了することができる。また、ヘッドと所定の処理面位置との間の空隙を漂う流体を回収するので、流体が所定の処理面に到達することを抑制することができる。
[適用例2]適用例1に記載の流体噴射装置において、前記所定の長さは、前記流体噴射装置において、前記ヘッドが前記処理面位置に配置された処理面上に前記流体を吐出して堆積させる有効吐出処理を実行する際の前記間隔の長さよりも長い、流体噴射装置。
このようにすることで、ヘッドと所定の処理面位置との間の空隙における空気抵抗によって、吐出した流体の速度を十分に減速させて漂わせることができる。
[適用例3]適用例1または適用例2に記載の流体噴射装置において、前記流体回収部は、前記所定の処理面位置の上方に配置されている、流体噴射装置。
このようにすることで、ヘッドと所定の処理面位置との間の空隙を漂う流体を回収する際に、流体が所定の処理面位置に到達しないようにすることができる。
[適用例4]適用例1ないし適用例3のいずれかに記載の流体噴射装置において、前記流体回収部は、前記空隙において、前記流体回収部に向かう気流を生み出す気流発生部を有する、流体噴射装置。
このようにすることで、ヘッドと所定の処理面位置との間の空隙において漂う流体を、流体回収部に向かう気流に乗せて流体回収部に向かって飛翔させることができる。
[適用例5]適用例1ないし適用例4のいずれかに記載の流体噴射装置であって、さらに、前記所定の処理面位置に配置される処理面と前記ヘッドとのうちの少なくとも一方を、所定の走査方向に走査する走査部を備え、前記ヘッドは、前記走査方向と垂直方向に沿った前記処理面の幅の全体にわたって前記流体を同時に吐出可能なラインヘッドである、流体噴射装置。
このようにすることで、ラインヘッドを備える流体噴射装置において、比較的短時間のうちにフラッシングを完了することができる。
[適用例6]適用例1ないし適用例5のいずれかに記載の流体噴射装置において、前記流体は、液体である、流体噴射装置。
このようにすることで、フラッシングを実行して、ヘッドにおける気泡や増粘した液体を取り除くことができる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、流体噴射装置におけるヘッドフラッシング方法として実現することもできる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.第1の実施例:
B.第2の実施例:
C.変形例:
A.第1の実施例:
図1は、本発明の一実施例としての流体噴射装置であるインクジェット式プリンタの概略構成を示す説明図である。このプリンタ1000は、ヘッド100と、ヘッド100を挟んで配置された2つのインク回収部110a,110bと、支持部材150と、ナット部N1と、スクリューネジS1と、モータM1と、制御ユニット200と、給紙装置250と、紙搬送ベルトB1と、紙搬送ベルトB1を+X方向に駆動するための2つのベルト駆動ローラR11,R12と、2つの排紙ローラR21,R22と、を備えている。
支持部材150は、ステンレス板からなり、その幅(Y軸方向の長さ)は、印刷用紙Pの幅よりも長い。ヘッド100と、2つのインク回収部110a,110bとは、支持部材150に搭載されている。ヘッド100は、いわゆるラインヘッドであり、その幅(Y軸方向の長さ)は、印刷用紙Pの幅よりも若干長い。ここで、ナット部N1は支持部材150に固定されており、スクリューネジS1と勘合する。モータM1はスクリューネジS1を回転させる。そして、スクリューネジS1が回転してナット部N1と噛み合うことで、支持部材150が上下に移動する。すなわち、前述のモータM1とスクリューネジS1とナット部N1とによって、ヘッド100を移動させてヘッドと紙搬送ベルトB1の上面位置との間隔を調整する機能を実現している。なお、ナット部N1とスクリューネジS1とに代えて、ラックとピニオンとを組み合わせて支持部材150を上下に移動させるようにしてもよい。
図2は、図1に示す支持部材150の底面を示す説明図である。支持部材150の底面の中央部分には3つの開口140a,140b,140cが設けられている。開口140cにはヘッド100(図1)の底面を構成するノズルプレート106が配置されている。ノズルプレート106には、Y軸方向に並んだ複数のノズル孔の列が、X軸方向に沿って4つ並んでいる。最も左のノズル孔列105cは、シアン(C)色のインクを吐出するノズル孔からなる。その隣りのノズル孔列105mは、マゼンダ(M)色のインクを吐出するノズル孔からなる。ノズル孔列105yは、黄色(Y)のインクを吐出するノズル孔からなる。ノズル孔列105kは、黒色(B)のインクを吐出するノズル孔からなる。なお、インク色の数は4色に限らず、1色や6色など任意の数とすることができる。そして、プリンタ1000では、各色ごとにそれぞれ重量の異なる3種類のインク滴を吐出する。具体的には、大ドットを打つために15ngのインク滴を吐出する。また、中ドットを打つために7ngのインク滴を、小ドットを打つために1.5ngのインク滴を、それぞれ吐出する。
開口140aには、インク回収部110a(図1)の底面を構成するフィルタ131aが配置されている。このフィルタ131aは、インクを吸収する部材からなる。このフィルタ131aの奥(+Z方向)には、図示せざるファン(換気扇)が配置されている。なお、開口140bの構成は、開口140aの構成と同じである。
図1に戻って、給紙装置250は、印刷用紙Pを+X方向に送り出す。紙搬送ベルトB1は、給紙装置250から送り出された印刷用紙を更に+X方向に搬送する。紙搬送ベルトB1によって搬送された印刷用紙Pは、2つの排紙ローラR21,R22の間を通って排出される。ここで、ヘッド100は、紙搬送ベルトB1の上面の上方に位置しており、印刷用紙Pが紙搬送ベルトB1上を通る際にインクを吐出して印刷を行う。制御ユニット200は、図示せざるCPUやメモリを備えており、印刷データに基づき駆動信号をヘッド100に送信してヘッド100を制御する。また、制御ユニット200は、2つのインク回収部110a,110bと、モータM1と、2つのベルト駆動ローラR11,R21を制御して、印刷用紙Pの搬送速度の調整を実行したり、後述するフラッシング時における2つのインク回収部110a,110bの動作を制御したりする。
なお、上述した各色のインクは、請求項における流体に相当する。また、プリンタ1000は請求項における流体噴射装置に、2つのインク回収部110a,110bは請求項における流体回収部に、紙搬送ベルトB1上面の位置は請求項における所定の処理面位置に、紙搬送ベルトB1とベルト駆動ローラR11,R12とは請求項における走査部に、それぞれ相当する。
図3は、印刷時におけるプリンタ1000を側面から見た説明図である。印刷時には、制御ユニット200は、印刷データに基づき生成した駆動信号Spをヘッド100に送信する。制御ユニット200は、この駆動信号Spを送信することによって、ヘッド100から吐出されるインクの一吐出あたりの重量と射出速度(初速度)とのうち、少なくも一方を調整する機能を有する。ヘッド100では、受信した駆動信号Spに従って、各ノズル孔列105c,105m,105y,105kを構成するノズルからインクを吐出する。このとき、支持部材150は、可動範囲において最も下に位置している。紙搬送ベルトB1の上面(印刷用紙P)と支持部材150の底面との間の間隔(以下において、「インク飛翔間隔」と呼ぶ)PGの長さ(l1)は、例えば、約1mmとすることができる。各ノズルから吐出されたインク滴は、インク飛翔間隔PG1において、空気抵抗を受けながら印刷用紙Pに向かって飛翔する。そして、インク滴が印刷用紙Pに着弾して印刷が行われる。ここで、インク回収部110aの内部に配置されたファン121aと、インク回収部110bの内部に配置されたファン121bとは、いずれも印刷時には動作していない。なお、これら2つのファン121a,121bは請求項における気流発生部に相当する。また、印刷時においてヘッド100が印刷用紙Pに対してインク滴を吐出する処理が、請求項における有効吐出処理に相当する。
図4は、フラッシング時におけるプリンタ1000を側面から見た説明図である。プリンタ1000では、所定の時間間隔で定期的にフラッシングを行うように設定されている。そして、フラッシングを行うタイミングが来ると、制御ユニット200は、モータM1を駆動して、支持部材150が所定の高さとなるように制御する。このとき、インク飛翔間隔PGの長さ(l2)は、例えば、約10mmとすることができる。また、制御ユニット200は、2つのファン121a,121bを駆動する。ファン121aが回転を始めると、支持部材150の底面の開口140aの付近の空間には、開口140aに向かって吸い込まれる気流が発生する。同様にして、開口140bの付近の空間には、開口140bに向かって吸い込まれる気流が発生する。
また、制御ユニット200は、フラッシング用の所定の駆動信号をヘッド100に送信する。この駆動信号に基づき、ヘッド100は、全てのノズル孔からインクを吐出する。このとき吐出するインク滴の重量は、印刷実行時のインク滴(小ドット)の重量と同量の1.5ngである。なお、フラッシング時におけるインク滴の射出速度(初速度)は、小ドットのインク滴の射出速度と同じである。
フラッシング時において、各ノズル孔から印刷用紙P(紙搬送ベルトB1)に向かって吐出されたインク滴は、印刷用紙P(紙搬送ベルトB1)に着弾せずに、方向を変えて開口140a,140bに向かって飛翔することとなる。これは、以下の理由による。吐出されたインク滴は、インク飛翔間隔PGの長さ(l2)が印刷時の長さ(l1)に比べて長いために、印刷用紙P(紙搬送ベルトB1)に着弾する前に空気抵抗により十分に減速されてミスト状に漂うこととなる。そして、このミスト状のインク滴はファン121a,121bの回転によって生じた気流に乗って、開口140a,140bに向かって飛翔するからである。このようにして、開口140a,140bに向かったインク滴は、開口140a,140bに配置されたフィルタ131a,131bによって吸収される。なお、上述したフラッシング時におけるインク飛翔間隔PGの長さ(l2)は、所定重量のインクを吐出した場合に、着弾せずに空気抵抗で十分に減速されて漂うこととなる長さを実験により求めて設定する。
以上説明したように、プリンタ1000では、フラッシング時におけるヘッド100(支持部材150)の移動距離は、上方(+Z方向)に約9mmである。したがって、ヘッド100を紙搬送ベルトB1から十分離れた位置まで移動させてフラッシングする構成に比べてフラッシングに要する時間を短くすることができる。或いは、紙搬送ベルトB1から十分離れた位置にあるキャップ(図示省略)をヘッド100の下方まで移動させて、ノズルプレート106を覆ってからフラッシングする構成に比べてフラッシングに要する時間を短くすることができる。
B.第2の実施例:
図5は、第2の実施例のフラッシング時におけるプリンタを側面から見た説明図である。第2の実施例におけるプリンタ1000aは、フラッシング時において吐出するインク滴の重量及び射出速度と、フラッシング時におけるインク飛翔間隔の長さと、において第1の実施例におけるプリンタ1000(図1〜図3)と異なり、他の構成は同じである。
図6は、第2の実施例において吐出されるインク滴の重量を示す説明図である。印刷時には、第1の実施例と同様に、小ドットとして1.5ngのインク滴が吐出される。また、中ドットとして7ngのインク滴が、大ドットとして15ngのインク滴が、それぞれ吐出される。これに対して、フラッシング時には、小ドットのインク滴の重量に比べて十分に軽い0.5ngのインク滴が吐出される。
図7は、ヘッド100が有するノズルの近傍の内部構造を拡大して示す説明図である。ノズルNzには、インク通路102を介してインクが供給される。そして、このインク通路102の1つの壁面103には、ピエゾ素子101が接合されている。このピエゾ素子101は、印加される電圧(駆動信号)に応じて収縮又は膨張することで壁面103を変形させるアクチュエータとして用いられる。プリンタ1000aでは、インク吸収過程とインク吐出過程との2つの過程を経てノズルNzからインク滴が吐出される。具体的には、インク吸収過程では、インク通路102が拡張されて、インクタンク(図示省略)からインク通路102にインクが供給される。インク通路102の拡張は、ピエゾ素子101に印加する電圧の電位を低くしてピエゾ素子101を収縮させることによって行われる。インク吐出過程では、インク通路102が圧縮されてノズルNzからインク滴が吐出される。インク通路102の圧縮は、ピエゾ素子101に印加する電圧の電位を高くしてピエゾ素子101を膨張させることによって行われる。
図8は、印刷時とフラッシング時とにおいてそれぞれ用いられる駆動信号を示す説明図である。駆動信号Spは、小ドットを打つ際にヘッド100(ピエゾ素子101)に与えられる駆動信号を示し、駆動信号Sfは、フラッシング時にヘッド100(ピエゾ素子101)に与えられる駆動信号を示す。
フラッシング時の駆動信号Sfにおけるパルスの電位幅Vfは、小ドット印刷時の駆動信号Spのパルスにおける電位幅Vpと比較して小さい。したがって、フラッシング時には、各ノズルにおける壁面103(図7)の変形度合いが小ドット印刷時に比べて小さくなり、小ドット印刷時よりも重量の少ないインク滴(0.5ng)がノズルNzから吐出されることとなる。このようにして、予め設定された重量(図6)となるように、吐出するインク滴の重量を調整することができる。なお、図8の例に示す駆動信号Sfを用いた場合、インク射出速度(初速度)は、小ドット印刷時に比べて遅くなっている。すなわち、本実施例では、駆動信号Sf(図8)を用いることによって、吐出するインク滴の重量と射出速度との両方を調整している。
図5の例では、インク飛翔間隔PGの長さ(l1)は、印刷時における長さ(l1:図3参照)と同じ長さである。しかしながら、上述したように、フラッシング時において比較的軽いインク滴を比較的遅い速度で吐出するので、インク滴は、印刷用紙P(紙搬送ベルトB1)に着弾する前に空気抵抗によって十分に減速されて漂うこととなる。したがって、第1の実施例と同様に、ミスト状のインク滴は、気流に乗って開口140aと開口140bとに向かって飛翔し、フィルタ131a,131bで吸収される。なお、インク飛翔間隔PGの長さがl1である場合において、吐出したインク滴が着弾せずに漂うこととなるような重量及び射出速度を実験により求め、フラッシング時におけるインク滴の重量及び射出速度として設定する。
C.変形例:
なお、上記各実施例における構成要素の中の、独立クレームでクレームされた要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。また、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
C1.変形例1:
上述した第1の実施例では、インク飛翔間隔PGを調整するために、支持部材150を上下に移動させていたが、これに限らず、印刷用紙Pを上下に移動させるようにしてもよい。具体的には、支持部材150の高さを固定しておき、給紙装置250と、紙搬送ベルトB1と、2つのベルト駆動ローラR11,R12と、2つの排紙ローラR21,R22とからなる印刷用紙搬送機構を上下に移動させるようにしてもよい。或いは、支持部材150と印刷用紙搬送機構とのいずれも上下に移動させて、インク飛翔間隔PGを調整するようにしてもよい。すなわち、一般には、インク飛翔間隔PGを調整可能な任意の間隔調整機構を本発明の流体噴射装置に使用することができる。
C2.変形例2:
上述した各実施例では、インク回収部110a,110bの数は2つであったが、2つに限らず、任意の数だけ備える構成とすることができる。また、2つのインク回収部110a,110bの配置位置は、ヘッド100に隣接する位置であったが、インク滴が飛翔途中において印刷用紙P(紙搬送ベルトB1)に接触せずに済むような任意の位置に配置することができる。例えば、印刷用紙P(紙搬送ベルトB1)と同じ高さであって、紙搬送ベルトB1から横方向(+Y方向又は−Y方向)にずれた位置に配置するようにしてもよい。また、インク回収部を構成するファンとフィルタとを、互いに異なる位置に配置することもできる。例えば、フィルタを各実施例と同様にヘッド100の隣りに配置し、ファンを印刷用紙P(紙搬送ベルトB1)と同じ高さであって、紙搬送ベルトB1から横方向にずれた位置に配置するようにしてもよい。この場合、ファンは、各実施例とは異なり、自身に吸い込むような気流ではなく、ファンからフィルタ方向に向かう気流を生じるように回転させることができる。なお、上述したフィルタに向かう気流を生じさせるファンに加えて、更に、印刷用紙P(紙搬送ベルトB1)への着弾を抑制するような気流を発生するファンを配置するようにしてもよい。例えば、このようなファンとして、紙搬送ベルトB1の横であって、印刷用紙Pの印刷面(紙搬送ベルトB1の上面)よりも若干高い(+Z方向)位置にファンを配置して、Y軸方向と平行となる気流を生じさせるようにしてもよい。このようにすることで、仮に、漂っているインク滴が開口140a,140bに向かう気流に乗らずに印刷用紙Pに向かうこととなっても、印刷用紙Pよりも若干高い位置に流れるY軸方向の気流によって、印刷用紙Pへの着弾を抑制することができる。
C3.変形例3:
上述した各実施例では、ミスト状に漂うインク滴を2つのインク回収部110a,110bに導くために、2つの開口140a,140bにそれぞれ向かう気流を用いていたが、気流に代えて、他の任意の手段を用いることができる。例えば、以下のような構成とすることができる。インク回収部110a,110bを、それぞれファン121a,121bに代えて、ステンレス等の導電性部材を備える構成とする。そして、ヘッド100をプラスに帯電させ、インク回収部110a,110bが備える導電性部材をマイナスに帯電させる。そうすると、ヘッド100から吐出されるインク滴はプラスに帯電することとなるので、ミスト状に漂うインク滴は、マイナスに帯電した導電性部材に向かうクーロン力を受けて、インク回収部110a,110bに導かれることとなる。
C4.変形例4:
上述した第2の実施例では、フラッシング時のインク飛翔間隔PGの長さ(l1)は、印刷時の長さと同じであったが、第1の実施例と同様に、l1よりも長いl2(図4参照)とすることもできる。このようにすることで、吐出したインク滴をよりミスト化し易くすることができる。
C5.変形例5:
上述した第2の実施例では、吐出したインク滴がミスト状に漂うようにするために、インク滴の重量と射出速度との両方を調整していたが、インク滴の重量と、インク滴の射出速度との、いずれか一方のみを調整することもできる。例えば、射出速度は小ドットの射出速度と同じままで、インク滴の重量を0.3ngとしたり、インク滴の重量は小ドットの重量(1.5ng)と同じままで、射出速度を0.5倍にしたりといった調整を行うことができる。
C6.変形例6:
上述した第2の実施例では、プリンタ1000aは、各ノズルNz(図7)においてインクを吐出させるためにピエゾ素子101を用いていたが、ピエゾ素子101に代えて、ヒータを用いるようにしてもよい。
C7.変形例7:
上述した各実施例では、ヘッド100は、ラインヘッドであるものとしたが、ラインヘッドに代えてシリアルヘッドを用いることもできる。また、シリアルヘッドを複数並べて構成されたヘッドを用いることもできる。シリアルヘッドを複数並べて構成するヘッドとしては、例えば、複数のシリアルヘッドを用紙送り方向と垂直となる方向に一列に並べて構成されたヘッドや、複数のシリアルヘッドを市松模様に配置して構成されたヘッドなどを用いることができる。
C8.変形例8:
上述した第1の実施例では、ヘッド100は、フラッシング時において真上(+Z方向)に移動するものとしたが、これに代えて、斜め上方に移動するようにしてもよい。すなわち、一般には、フラッシング時において、ヘッド100を+Z成分を有するような方向に移動させることができる。なお、各実施例では、印刷時において、ヘッド100は、固定された位置においてインクを吐出するものとしたが、これに代えて、ヘッド100がX軸方向に移動しながらインクを吐出するようにしてもよい。すなわち、印刷用紙Pを所定位置に配置しておき、ヘッド100をX軸方向に走査しながらインクを吐出して印刷を実行するようにしてもよい。なお、この場合、ヘッド100をX軸方向に走査させるための機構(図示省略)が、請求項における走査部に相当する。
C9.変形例9:
上述した各実施例では、インクジェット式プリンタについて説明したが、本発明は、これに限らず、インク以外の他の流体(液体や、機能材料の粒子が分散されている液状体や、流体として流したり噴射したりできる固体を含む)を噴射する任意の流体噴射装置に適用することができる。例えば、液晶ディスプレイやEL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイや面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や、色材などの材料を分散又は溶解のかたちで含む液状体を噴射する液状体噴射装置に適用することもできる。また、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置や、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置や、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置や、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化性樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置や、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置や、トナーなどの粉体を例とする固体を噴射する噴射装置に適用することもできる。
本発明の一実施例としての流体噴射装置であるインクジェット式プリンタの概略構成を示す説明図。 図1に示す支持部材150の底面を示す説明図。 印刷時におけるプリンタ1000を側面から見た説明図。 フラッシング時におけるプリンタ1000を側面から見た説明図。 第2の実施例のフラッシング時におけるプリンタを側面から見た説明図。 第2の実施例において吐出されるインク滴の重量を示す説明図。 ヘッド100が有するノズルの近傍の内部構造を拡大して示す説明図。 印刷時とフラッシング時とにおいてそれぞれノズルNzに与えられる駆動信号を示す説明図。
符号の説明
100...ヘッド
101...ピエゾ素子
102...インク通路
103...壁面
105c,105m,105y,105k...ノズル孔列
106...ノズルプレート
110a,110b...インク回収部
121a,121b...ファン
131a,131b...フィルタ
140a,140b,140c...開口
150...支持部材
200...制御ユニット
250...給紙装置
1000,1000a...プリンタ
P...印刷用紙
N1...ナット部
S1...スクリューネジ
M1...モータ
B1...紙搬送ベルト
Sf,Sp...駆動信号
Nz...ノズル
R11,R12...ベルト駆動ローラ
R21,R22...排紙ローラ
PG1,PG2...インク飛翔間隔

Claims (7)

  1. 流体を噴射するための流体噴射装置であって、
    所定の処理面位置に向けて、前記流体を滴状に吐出するヘッドと、
    前記ヘッドから吐出された前記流体を回収する流体回収部と、
    前記ヘッドと前記所定の処理面位置とのうち少なくとも一方を移動させることによって、前記ヘッドと前記所定の処理面位置との間隔を調整する間隔調整部と、
    を備え、
    前記流体噴射装置において前記ヘッドのフラッシングを行う際に、
    (i)前記ヘッドは、前記所定の処理面位置の上方に配置され、
    (ii)前記間隔調整部は、前記間隔が、前記ヘッドから吐出された前記流体が前記所定の処理面位置に到達せずに前記ヘッドと前記所定の処理面位置との間の空隙において漂うこととなる所定の長さとなるように調整し、
    (iii)前記流体回収部は、前記空隙において漂う前記流体を回収する、
    流体噴射装置。
  2. 請求項1に記載の流体噴射装置において、
    前記所定の長さは、前記流体噴射装置において、前記ヘッドが前記処理面位置に配置された処理面上に前記流体を吐出して堆積させる有効吐出処理を実行する際の前記間隔の長さよりも長い、流体噴射装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の流体噴射装置において、
    前記流体回収部は、前記所定の処理面位置の上方に配置されている、流体噴射装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の流体噴射装置において、
    前記流体回収部は、前記空隙において、前記流体回収部に向かう気流を生み出す気流発生部を有する、流体噴射装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の流体噴射装置であって、さらに、
    前記所定の処理面位置に配置される処理面と前記ヘッドとのうちの少なくとも一方を、所定の走査方向に走査する走査部を備え、
    前記ヘッドは、前記走査方向と垂直方向に沿った前記処理面の幅の全体にわたって前記流体を同時に吐出可能なラインヘッドである、流体噴射装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の流体噴射装置において、
    前記流体は、液体である、流体噴射装置。
  7. 所定の処理面位置に向けて流体を滴状に吐出するヘッドを有する流体噴射装置において、前記ヘッドのフラッシングを行うためのヘッドフラッシング方法であって、
    (a)前記ヘッドと前記所定の処理面位置とのうち少なくとも一方を移動させることによって、前記ヘッドと前記所定の処理面位置との間隔が、前記ヘッドから吐出された前記流体が前記処理面位置に到達せずに前記ヘッドと前記所定の処理面位置との間の空隙において漂うこととなる所定の長さとなるように調整する工程と、
    (b)前記空隙において漂う前記流体を回収する工程と、
    を備える、ヘッドフラッシング方法。
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