JP2009005248A - 車載アンテナ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車載アンテナ装置10では、ルーフパネル12がフロントガラス11に接する辺をルーフ端12rとして、アンテナエレメント1が、フロントガラス11に接する位置、且つ、ルーフ端12rからルーフ距離drだけ離間した位置で配置され、反射エレメント2が、アンテナエレメント1からエレメント距離d2だけ車体の後方側に離間した位置に配置される。このため、アンテナエレメント1に対するルーフ端12r及び反射エレメント2の反射器としての作用が合成され、この合成された作用によりアンテナの指向性をより車体の前方かつ水平方向側に向けることができる。
【選択図】図2
Description
即ち、車両の後方から車室内を通過してFGアンテナ装置に到達する無線信号は、車両フレーム等を形成する金属により、反射・散乱を受けたものとなっており、無線信号を復調する際に行われる伝搬路等化の作業を困難なものとするために高い受信特性が得られないと考えられ、このような無線信号をできるだけ受信しないようにする必要があるためである。
例えば、車車間で無線信号の送受信を行うことにより各種情報の受け渡しを行う車車間通信機能を利用する際に、道路上の他の車両とダイレクトに無線信号の送受信を行うためには、水平方向に指向性を有するアンテナを車両に設置することが望ましい。
また、第2アンテナエレメントは、第1アンテナエレメントの設置位置より後方側(車体の前後方向において後方側)、且つ、フロントガラスと非接触な位置で車室内に配置される。
そして、請求項2に記載のように、第2アンテナエレメントは、エレメント角が仰角となる角度に位置していることが好ましい。但し、エレメント角とは、第2アンテナエレメントから第1アンテナエレメントに向かう方向をエレメント間方向、車体の高さ方向に直交する面のうち第2アンテナエレメントを含む面を第2素子水平面として、この第2素子水平面に対してエレメント間方向が向く角をいう。
この場合、可変容量素子の容量(即ち、インピーダンス値)を制御することにより、第2アンテナエレメントが第1アンテナエレメントの反射器としてアンテナの指向性に及ぼす強度(即ち、エレメント作用強度)を変えることができるため、第2アンテナエレメントの設置位置に応じて、アンテナの指向性を前方に向くように調節することができる。
この場合、ルーフパネルによる影響を抑制し、指向性アンテナが本来有するアンテナ特性を実現することができる。
[第1実施形態]
<車載アンテナ装置の構成(1)>
図1は、本発明が適用された第1実施形態の車載アンテナ装置10の構成を示す平面図である。
ここで、図2は、車載アンテナ装置10が車室内に設置された状態を示す断面図である。但し、車幅方向に直交する断面のうちアンテナエレメント1の中央部を含む断面を、車幅方向から見た断面を示している。
このうち、図3(a)は、シミュレーションの測定条件を示す説明図である。
したがって、これらのシミュレーション結果から、ルーフ距離drは、0.05λ以上0.3λ未満の範囲であれば、優れた電力効率を有すると共に、ルーフ端12rが反射器として作用し、ルーフ方向、即ち、ルーフ端12rからアンテナエレメント1に向かう方向に、アンテナの指向性が向くことがわかる。
図5は、上述のように車室内に設置された車載アンテナ装置10の指向性、即ち、ルーフ端12rの作用と反射エレメント2の作用とを合成した作用がアンテナエレメント1の指向性に及ぼす影響を求めたシミュレーション結果である。
図5(a)に示すように、測定条件としては、ルーフパネル12のうちアンテナエレメント1に作用する部分を、矩形の金属板M2とみなし、その長手方向がアンテナエレメント1と平行に配置されている。なお、アンテナエレメント1,反射エレメント2及び金属板M2は、周波数Fの無線信号がX乃至Z方向から一様に到来する環境下に置かれているものとする。
以上説明したように、本実施形態の車載アンテナ装置10では、アンテナエレメント1が、ルーフ端12rからルーフ距離drだけ離間した位置に配置され、且つ、アンテナエレメント1より長いエレメント長L2を有する反射エレメント2が、アンテナエレメント1からエレメント距離d2だけ後方側に離間した位置に配置されている。
したがって、本実施形態の車載アンテナ装置10によれば、ルーフ端12rが反射器としてアンテナ指向性に及ぼす強度(以下、ルーフ作用強度と呼ぶ)と、反射エレメント2が反射器としてアンテナ指向性に及ぼす強度(以下、エレメント作用強度と呼ぶ)とが等しい場合に、ルーフ端12r及び反射エレメント2により合成される作用の方向を第1素子水平面に対して平行に向けることができる。
次に、第2実施形態について説明する。
図6に示すように、本実施形態では、車載アンテナ装置10の設置において、エレメント角度θが0°となる点が、第1実施形態とは異なるだけであるため、この相違する点がアンテナの指向性に与える影響を説明する。
図7は、車室内に設置された車載アンテナ装置10の指向性、即ち、ルーフ端12rの作用と反射エレメント2の作用とを合成した作用がアンテナエレメント1の指向性に及ぼす影響を求めたシミュレーション結果である。
図7(a)に示すように、測定条件としては、エレメント角度θを0°とする他は、第1実施形態にてアンテナの指向性のシミュレーションを行った際(図5(a)参照)と同じとする。
以上説明したように、本実施形態の車載アンテナ装置10では、ルーフ端12rに比べてアンテナエレメント1の反射器としてより強く作用する長さに設定された反射エレメント2は、エレメント角度θが0°となる位置、即ち、エレメント方向が正のX方向を向く位置に配置されている。
次に、第3実施形態について説明する。
本実施形態では、車載アンテナ装置10の構成において、反射エレメント2の代わりに、インピーダンスを可変な制御エレメント5を備える点が第1実施形態と異なるだけであるため、この構成の相違する部分を中心に説明する。
図8は、本発明が適用された第3実施形態の車載アンテナ装置10の構成を示す平面図である。
このうち、図9(a)は、シミュレーションの測定条件を示す説明図である。
図9(a)に示すように、測定条件として、制御エレメント5は、アンテナエレメント1と同一平面上、且つ、その長さ方向がアンテナエレメント1と平行に配置され、アンテナエレメント1から距離d2だけ離間した位置となるように設定されている。
図10は、車室内に設置された車載アンテナ装置10の指向性、即ち、ルーフ端12rの作用と反射エレメント2の作用とを合成した作用がアンテナエレメント1の指向性に及ぼす影響を求めたシミュレーション結果である。
図10(a)に示すように、測定条件としては、反射エレメント2の代わりに制御エレメント5を配置する他は、第1実施形態にてアンテナの指向性のシミュレーションを行った際(図5(a)参照)と同じとする。但し、静電容量Cdを5pFとする。
以上説明したように、本実施形態の車載アンテナ装置10では、バラクタダイオード6の静電容量Cdを変化させることによりインピーダンス値を可変な制御エレメント5は、エレメント角度θがFG角度φと等しくなる位置、即ち、エレメント作用強度がルーフ作用強度より大きい場合にエレメント方向が正のX方向側で打ちあがる方向を向く位置に配置されている。
次に、第4実施形態について説明する。
本実施形態では、車載アンテナ装置10の構成において、ルーフ作用強度を抑制する誘導エレメント7を備える点が第2実施形態と異なるだけであるため、この構成の相違する部分を中心に説明する。
図11に示すように、車載アンテナ装置10は、線状の導体からなる誘導エレメント7を備え、この誘導エレメント7が、フロントガラス11上のルーフ端12r側、且つ、ルーフパネル12と非接触な位置に配置されている。
図12は、車室内に設置された車載アンテナ装置10の指向性、即ち、ルーフ端12rの作用、反射エレメント2の作用および誘導エレメント7の作用を合成した作用がアンテナエレメント1の指向性に及ぼす影響を求めたシミュレーション結果である。
以上説明したように、本実施形態の車載アンテナ装置10では、線状の導体からなる素子であり、そのエレメント長L7が少なくともL7>L1となる長さを有する誘導エレメント7が、フロントガラス11上のルーフパネル12に非接触な位置にて、アンテナエレメント1及びルーフ端12rに対して平行に配置されている。
以上、本発明の四つの実施形態について説明したが、本発明はこれらの上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
また、上記実施形態では、反射エレメント2は、エレメント角度θがFG角度φに等しくなる位置、又は、エレメント角度θが0°となる位置に配置されているが、車室内のうち、アンテナエレメント1の設置位置より車体の後方側、且つ、フロントガラス11と非接触な位置に配置されればよい。但し、アンテナエレメント1からエレメント距離d2だけ離間した位置とする。
この場合、ルーフパネル12による影響を抑制し、指向性アンテナが本来有するアンテナ特性を実現することができる。
Claims (15)
- 車体のフロントガラスに接する位置に設置され、予め設定された周波数帯の信号を送受信可能な第1アンテナエレメントと、
車室内に設置され、前記第1アンテナエレメントに対して反射器として作用する第2アンテナエレメントと、
を備え、
前記第2アンテナエレメントは、前記車体の前後方向の位置において前記第1アンテナエレメントの設置位置より後方側、且つ、前記フロントガラスと非接触な位置に配置されることを特徴とする車載アンテナ装置。 - 前記第2アンテナエレメントから前記第1アンテナエレメントに向かう方向をエレメント間方向、前記車体の高さ方向に直交する面のうち前記第2アンテナエレメントの設置位置を含む面を第2素子水平面、該第2素子水平面に対して前記エレメント間方向が向く角をエレメント角として、
前記第2アンテナエレメントは、エレメント角が仰角となるように配置されることを特徴とする請求項1に記載の車載アンテナ装置。 - 前記車体の高さ方向に直交する面のうち前記第1アンテナエレメントの設置位置を含む面を第1素子水平面として、
前記第2アンテナエレメントは、前記エレメント角が前記第1素子水平面に対する前記フロントガラスの傾斜角度以下の角度となるように配置されることを特徴とする請求項2に記載の車載アンテナ装置。 - 前記車体のルーフパネルが前記フロントガラスに接する辺をルーフ端、前記第1アンテナエレメントと、前記ルーフ端及び前記第2アンテナエレメントとの距離をルーフ距離及びエレメント距離、前記車体の前方向に対する前記第1アンテナエレメントの利得を前方利得として、
前記ルーフ距離及び前記エレメント距離は、前記前方利得が第1アンテナエレメント単体の絶対利得以上となるように設定されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の車載アンテナ装置。 - 前記第1アンテナエレメント及び前記第2アンテナエレメントは、線状の導体からなり、前記ルーフ端に対して平行に配置されることを特徴とする請求項4に記載の車載アンテナ装置。
- 前記第1アンテナエレメントは、半波長ダイポールアンテナからなることを特徴とする請求項5に記載の車載アンテナ装置。
- 前記第2アンテナエレメントが、前記前方利得を変化させる可変容量素子を装荷することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の車載アンテナ装置。
- 前記第1アンテナエレメント及び前記第2アンテナエレメントは、同一基板上に設置されることを特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれかに記載の車載アンテナ装置。
- 前記第1アンテナエレメントと前記第2アンテナエレメントとは、それぞれ別体に設置されることを特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれかに記載の車載アンテナ装置。
- 前記第2アンテナエレメントは、ルームミラーの背面部に設置されることを特徴とする請求項9に記載の車載アンテナ装置。
- 前記第1アンテナエレメントは、柔軟性を有するフィルム上に形成されることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の車載アンテナ装置。
- 前記第1アンテナエレメントが形成される前記フィルムは、透明フィルムであることを特徴とする請求項11に記載の車載アンテナ装置。
- 前記第1アンテナエレメントは、金属細線により形成されることを特徴とする請求項11または請求項12に記載の車載アンテナ装置。
- 前記第1アンテナエレメントよりも長い線状の導体からなる第3アンテナエレメントを備え、
前記第3アンテナエレメントが、フロントガラス上のルーフ端側、且つ、前記ルーフパネルと非接触な位置にて、前記第1アンテナエレメントに対して平行に配置されることを特徴とする請求項5ないし請求項13のいずれかに記載の車載アンテナ装置。 - 車両のフロントガラスに設置され、該車両の進行方向に指向性を有する輻射器を少なくとも設けた指向性アンテナと、
前記輻射器よりも長い線状の導体からなる第3アンテナエレメントと、
を備え、
前記車両のルーフパネルが前記フロントガラスと接する辺をルーフ端として、
前記第3アンテナエレメントが、前記フロントガラス上の前記ルーフ端側、且つ、前記ルーフパネルと非接触な位置にて、前記ルーフ端に対して平行に配置されることを特徴とする車載アンテナ装置。
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