JP2009005133A - 風雑音低減装置、及び、この風雑音低減装置を備えた電子機器 - Google Patents

風雑音低減装置、及び、この風雑音低減装置を備えた電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、風雑音の発生する周波数域に応じた低減処理動作を行うとともに必要な音響成分の減衰を抑制することができる風雑音低減装置及びこの風雑音低減装置を備えた電子機器を提供することを目的とする。
【解決手段】 時間周波数変換部1L,1Rで周波数軸方向のL信号及びR信号が得られると、風雑音判定部2−1〜2−Nそれぞれにおいて、L信号及びR信号の相関値を周波数帯域毎に算出する。そして、L信号及びR信号の相関値と閾値との比較を行うことで、周波数帯域毎の風雑音の判定を行うとともに、信号減衰部3L−1〜3L−N,3R−1〜3R−Nで周波数帯域毎の風雑音の減衰処理を施す。
【選択図】 図1

Description

本発明は、マイクロフォンなどによって音響信号を取得したときに音響信号に含まれる風による雑音を低減する風雑音低減装置、及び、この風雑音低減装置を備えた音響信号の再生又は記録を行う電子機器に関する。
従来から、マイクロフォンなどの収音機を使って屋外の音声を収音する際、風が収音機に当たることで、風雑音が発生するため、この風雑音と共に音声が収音される。この屋外収音における風雑音を防ぐために、収音機にジャーマーと呼ばれる風防装置を取り付け、或いは、ウレタンで収音機をカバーするなどの対応がなされる。しかしながら、小型ビデオカメラ等を含む音声収音機能を備える小型電子機器においては、機器自身を小型化するために、内蔵マイクロフォンに機構的な風防装置を設置することが困難である。よって、この機構的な風防装置に代わって、その機器内部に風雑音を低減するための風雑音低減装置が設けられる。
この電子機器内部に設けられる従来の風雑音低減装置は、左右方向からの音声を独立して収音するマイクロフォン(以下、「ステレオマイク」と呼ぶ)で取得された左右方向それぞれの音響信号に対して、風雑音の低減処理を行う。このステレオマイクで取得された左右方向それぞれの音響信号に含まれる風雑音が、以下の2つの特性を備える。
(1)ステレオマイクで取得された左右方向それぞれからの風雑音の間には、ほとんど相関性がない。
(2)風雑音が低域(50Hz〜1kHz)に集中する傾向がある。
よって、従来の風雑音低減装置は、上述した2つの特性を考慮した構成とすることで、風雑音の低減処理が実現される。この従来の風雑音低減装置の構成を、図6に示すとともに、以下で説明する。尚、ステレオマイクで取得される左方向からの音響信号をL信号とし、右方向からの音響信号をR信号とする。
図6に示す風雑音低減装置は、ステレオマイクで取得されたL信号及びR信号の相関値を算出する相関値算出部201と、L信号及びR信号それぞれの低域成分を通過させるローパスフィルタ(LPF)202L,202Rと、L信号及びR信号それぞれの高域成分を通過させるハイパスフィルタ(HPF)203L,203Rと、LPF202L,202Rそれぞれを通過した低域成分を減衰させる減衰回路204L,204Rと、HPF203L,203Rそれぞれを通過した高域成分に減衰回路204L,204Rからの低域成分を加算する加算回路205L,205Rと、を備える。
このような構成の風雑音低減装置では、相関値算出部201でL信号とR信号の相関値が算出されることにより、減衰回路204L,204Rでの減衰量が設定される。即ち、相関値算出部201で算出された相関値が小さいと、風雑音が含まれているものと判断されて、減衰回路204L,204Rで減衰される量を大きく設定する。一方、相関値算出部201で算出された相関値が閾値より大きいと、風雑音が含まれていないものと判断されるため、減衰回路204L,204Rで減衰されることなく、LPF202L,203Rを通過した低域成分が加算回路205L,205Rに与えられる。
このとき、LPF202L,202Rが、数kHzまでの低域成分を通過するような構成とされるとともに、HPF203L,203Rが、LPF202L,202Rで通過することができない高域成分を通過するような構成とされる。これにより、LPF202L,202Rを通過する低域成分に、低域〜中域(50Hz〜1kHz)に集中して存在する風雑音成分が含まれるため、減衰回路204L,204Rで、この低域成分を減衰又はカットすることで、加算回路205L,205Rで合成後のL信号及びR信号において、風雑音成分を低減することができる。
この図6の構成の風雑音低減装置と同等の風雑音低減機能を備えた収音装置として、ステレオマイクで取得したL信号及びR信号から、その低域の差成分を減算した後、更に、差成分が減算されたL信号及びR信号の加算信号の低域成分を減算するものが提供されている(特許文献1参照)。そして、この特許文献1の収音装置では、L信号及びR信号の低域の差成分の値に基づいて、L信号及びR信号から減算する差成分及び加算信号のゲイン設定が行われて、風雑音の低減が図られている。
又、風雑音の低減を目的とした録音装置として、マイクロフォンに並べて風圧センサを配置し、風圧センサで検出した風圧信号に基づいて、低域成分を遮断するための遮断周波数(カットオフ周波数)が設定されるものが提供されている(特許文献2参照)。この特許文献2の録音装置では、風圧センサで検出された風圧値に基づいて遮断周波数が設定されるとともに、風音のレベルに応じてゲイン設定を行うことによって、風雑音を低減するとともに、音声信号を最適な信号レベルに設定する。
特開平11−69480号公報 特開平5−328480号公報
しかしながら、図6の構成の風雑音低減装置や特許文献1の収音装置においては、LPF及びHPFにおけるカットオフ周波数が固定されているため、LPFを通過する周波数帯域の風雑音のみが低減処理されることとなる。しかしながら、実際には強い風が吹くことにより、3〜5kHzの中域まで風雑音が発生する場合がある。そのため、図6の構成や特許文献1の構成において、風雑音が低域(50Hz〜1kHz)にあることを前提に構成した場合、十分に風雑音を低減できない場合がある。
即ち、図7(a)のように中域までの周波数帯域0〜Fxまでの風雑音がある音響信号において、LPFのカットオフ周波数が周波数Fxよりも低いfcとなるとき、図7(b)のように、周波数帯域fc〜Fxの風雑音については低減されない。そのため、音響信号を再生したときに、ボコボコというノイズ感が感じられてしまう。又、特許文献2のように風圧センサによって検出した風圧に応じて、カットオフ周波数を設定することができるが、風圧センサを設置する必要があるため、装置の小型化の妨げになる。
このような問題を鑑みて、本発明は、風雑音の発生する周波数域に応じた低減処理動作を行うとともに必要な音響成分の減衰を抑制することができる風雑音低減装置及びこの風雑音低減装置を備えた電子機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の風雑音低減装置は、2以上のマイクロフォンによって取得された2以上の音響信号より風雑音の有無を判定して、前記音響信号から風雑音を低減する風雑音低減装置において、分割された3帯域以上となるn帯域の周波数帯域毎に前記2以上の音響信号の相関値を算出して、当該n帯域の周波数帯域それぞれに対して風雑音の有無を判定する風雑音判定部と、該風雑音判定部によって風雑音が有ると判定された周波数帯域の前記2以上の音響信号のみを減衰させる信号減衰部と、を備え、前記風雑音判定部が、前記周波数帯域毎に設定された閾値を備え、前記風雑音判定部において前記周波数帯域毎に前記風雑音の有無を判定するとき、前記相関値が前記閾値より低くなることを確認すると、その周波数帯域における前記2以上の音響信号の相関が低く前記風雑音が有る信号であると判定することを特徴とする。
このような風雑音低減装置において、前記信号減衰部において設定される前記周波数帯域毎の減衰量を、人間の聴覚心理モデルに基づいて設定された値とする。このとき、周波数の異なる音に対する、その音圧レベルと人間の聞こえる音の大きさとの関係を表すラウドネス曲線に基づいて、前記周波数帯域毎の減衰量が設定されるものとしても構わない。更に、前記減衰量を前記相関値に応じて変動する値としても構わないし、固定値としても構わない。
又、上述の風雑音低減装置の前記信号減衰部において、前記音響信号を減衰させる際の減衰量を乗数として前記音響信号を指数演算することで、前記音響信号の減衰処理を行うものとしても構わないし、前記音響信号を減衰させる際の減衰量を係数として前記音響信号に乗算することで、前記音響信号の減衰処理を行うものとしても構わない。
そして、前記信号減衰部において設定される前記周波数帯域毎の前記減衰量を、人間の可聴周波数帯域の中域よりも低域を若干大きい値とすることで、人間の聴覚心理において聞こえない低域の音の減衰を抑えることができる。又、前記信号減衰部において設定される前記周波数帯域毎の前記減衰量について、風雑音の少ない高帯域の方が、風雑音の多い低帯域よりも大きくなるように設定されることで、その減衰される度合いを小さくすることができる。
又、上述の風雑音低減装置の風雑音判定部において、低い周波数帯域ほど前記閾値が高く設定され、高い周波数帯域ほど前記閾値が低く設定される。そして、所定期間となるフレーム毎に風雑音の有無が判定されるとともに、前記風雑音判定部において、前記周波数帯域毎の前記閾値を、前フレームの風雑音の有無の判定結果に基づいて変動させるものとしても構わない。又、前記風雑音判定部において、前記周波数帯域毎の前記閾値を、低い周波数帯域における風雑音の有無の判定結果に基づいて変動させるものとしても構わない。
本発明の電子機器は、2以上のマイクロフォンによって取得された2以上の音響信号を記録又は再生を行う電子機器であって、前記2以上の音響信号を周波数軸方向の信号とする周波数軸方向信号生成部と、前記周波数軸方向信号生成部において周波数軸方向の信号とされた前記2以上の音響信号に対して、周波数帯域毎の風雑音低減処理を施す風雑音低減部と、を備え、前記風雑音低減部を、上述のいずれかの構成となる風雑音低減装置とすることを特徴とする。
そして、この電子機器が音響信号の記録装置であって、前記周波数軸方向信号生成部を、記録する前記音響信号を圧縮符号化する際のフィルタバンクとしても構わない。
又、この電子機器が音響信号の再生装置であって、前記周波数軸方向信号生成部を、圧縮符号化信号による前記音響信号を再生する際に量子化された前記圧縮符号化信号を復調する復調回路としても構わない。
本発明によると、周波数帯域毎に風雑音の有無を判定するとともに、風雑音の低減処理についても周波数帯域毎に施すことができるため、風の強弱に応じた最適な低減処理を施すことができる。複数の音響信号の相関値によって風雑音の有無を判定するため、風雑音を検出するための風圧センサなどの検出器を設ける必要がない。又、人間の聴覚心理モデルに基づいて設定された値とされた減衰量によって減衰処理を行うため、風雑音の低減するための減衰処理を施した音響信号を、人間の聴覚に対して歪みの小さい音響信号とすることができる。
又、音響信号の記録を行う電子機器において、周波数軸方向信号生成部をフィルタバンクとすることによって、圧縮符号化を行う従来のブロックに追加した構成とすることで、簡単に風雑音を低減する構成を追加することができる。同様に、音響信号の再生を行う電子機器において、周波数軸方向信号生成部を復調回路とすることによって、伸長復号化を行う従来のブロックに追加した構成とすることで、簡単に風雑音を低減する構成を追加することができる。これらのことから、風雑音低減処理部を備えた電子機器における回路規模を、従来と比べて縮小することが可能である。
<基本構成>
まず、本発明の風雑音低減装置の各実施形態における基本構成について、図面を参照して説明する。図1は、本発明における基本構成となる風雑音低減装置の機能構成を示すブロック図である。
図1に示す風雑音低減装置は、ステレオマイクによって取得されたL信号及びR信号それぞれを時間軸の信号L(t),R(t)から周波数軸の信号L(f),R(f)に変換する時間周波数変換部1L,1Rと、時間周波数変換部1L,1Rで周波数変換されたL信号及びR信号L(f),R(f)の指定された周波数帯域に対して相関値を求めて風雑音の有無を判定する風雑音判定部2−1〜2−Nと、指定された周波数帯域のL信号及びR信号それぞれを風雑音判定部2−1〜2−Nの判定結果に基づいた減衰量で減衰する信号減衰部3L−1〜3L−N,3R−1〜3R−Nと、信号減衰部3L−1〜3L−Nからの各周波数帯域のL信号を合成する合成部4Lと、信号減衰部3R−1〜3R−Nからの各周波数帯域のR信号を合成する合成部4Rと、合成部4L,4Rそれぞれで合成された周波数軸の信号であるL信号Lx(f)及びR信号Rx(f)を時間軸の信号Lx(t),Rx(t)に変換する周波数時間変換部5L,5Rと、を備える。
このように構成される風雑音低減装置は、時間軸のL信号L(t)及びR信号R(t)がそれぞれ、ステレオマイクから時間周波数変換部1L,1Rに与えられると、DFT(Discrete Fourier Transform)やDCT(Discrete Cosine Transform)などによって周波数軸のL信号L(f)及びR信号R(f)に変換される。この時間周波数変換部1L,1Rでは、時間Δt毎に時間軸方向にサンプリングされた信号L(t),R(t)が、周波数Δf毎に周波軸方向にサンプリングされた信号L(f),R(f)に変換される。即ち、mサンプル(例えば、m=2048)の時間軸方向の信号L(t),R(t)が、nサンプル(例えば、n=1024)の周波数軸方向の信号L(f),R(f)に変換される。
そして、この周波数軸方向の信号L(f),R(f)の内、周波数帯域がf[0](=0)<f≦f[1](=Δf×n[1])となる信号が風雑音判定部2−1及び信号減衰部3L−1,3R−1に、周波数帯域f[1]<f≦f[2](=Δf×n[2])となる信号が風雑音判定部2−2及び信号減衰部3L−2,3R−2に、…、周波数帯域f[N−1](=Δf×n[N−1])<f≦f[N](=Δf×n[N])(尚、n[N]=nである)となる信号が風雑音判定部2−N及び信号減衰部3L−N,3R−Nに、それぞれ与えられる。即ち、周波数帯域がf[x−1](=Δf×n[x−1])<f≦f[x](=Δf×n[x])(尚、xは、1≦x≦Nの自然数である。)となるL信号及びR信号が、風雑音判定部2−x及び信号減衰部3L−x,3R−xに与えられる。
よって、風雑音判定部2−1及び信号減衰部3L−1,3R−1にn[1]サンプルの周波数軸方向の信号が、風雑音判定部2−2及び信号減衰部3L−2,3R−2に(n[2]−n[1])サンプルの周波数軸方向の信号が、…、風雑音判定部2−N及び信号減衰部3L−N,3R−Nに(n−n[N−1])サンプルの信号が、それぞれ与えられる。即ち、風雑音判定部2−xに、周波数帯域がf[x−1]<f≦f[x]となる(n[x]−n[x−1])サンプルのL信号及びR信号が与えられ、又、信号減衰部3L−xに、周波数帯域がf[x−1]<f≦f[x]となる(n[x]−n[x−1])サンプルのL信号が与えられるとともに、信号減衰部3R−xに、周波数帯域がf[x−1]<f≦f[x]となる(n[x]−n[x−1])サンプルのR信号が与えられる。
尚、上述のf[1]〜f[N]が、各周波数帯域の境界位置の周波数を表すとともに、上述のn[1]〜n[N]が、各周波数帯域の境界位置の周波数のサンプリング周波数Δfによるサンプル数を表す。即ち、f=0となる周波数からn[x]番目の周波数が、Δf×n[x]=f[x]となる。又、f[0]及びn[0]が0となるとともに、n[N]がnとなる。
以下に、風雑音判定部2−1〜2−Nそれぞれの動作について、風雑音判定部2−xを代表して説明する。上述したように、風雑音判定部2−xには、周波数帯域がf[x−1]<f≦f[x]となる(n[x]−n[x−1])サンプルのL信号及びR信号が与えられる。即ち、周波数Δf×(n[x−1]+1)、Δf×(n[x−1]+2)、…、Δf×n[x]のL信号L(Δf×(n[x−1]+1)),L(Δf×(n[x−1]+2)),…,L(Δf×n[x])及びR信号R(Δf×(n[x−1]+1)),R(Δf×(n[x−1]+2)),…,R(Δf×n[x])が与えられることとなる。
そして、まず、風雑音判定部2−xでは、周波数Δf×(n[x−1]+1)、Δf×(n[x−1]+2)、…、Δf×n[x]それぞれの相関値K[1]、K[2]、…K[n[x]−n[x−1]]を、以下の(1)式によって算出する。尚、(1)式は、周波数Δf×(n[x−1]+y)の相関値K[y]を算出する式である。即ち、周波数Δf×(n[x−1]+y)の相関値K[y]が、L信号L(Δf×(n[x−1]+y))とR信号R(Δf×(n[x−1]+y))とによって算出される。
Figure 2009005133
そして、このようにして求めた相関値K[1]、K[2]、…K[n[x]−n[x−1]]を平均化することによって、周波数帯域f[x−1]<f≦f[x]における相関値Kav[x]が求められる。即ち、風雑音判定部で求められる相関値Kav[x]は、以下の(2)式のように、周波数Δf×(n[x−1]+1)、Δf×(n[x−1]+2)、…、Δf×n[x]それぞれの相関値K[1]、K[2]、…K[n[x]−n[x−1]]の総和をサンプル数(n[x]−n[x−1])で除算した値となる。
Figure 2009005133
このようにして、周波数帯域f[x−1]<f≦f[x]における相関値Kav[x]が算出されると、閾値Th[x]と比較することによって、周波数帯域f[x−1]<f≦f[x]において風雑音が含まれるか否かが判定される。そして、相関値Kav[x]が閾値Th[x]より大きい(Kav[x]>Th[x])となるときは、周波数帯域f[x−1]<f≦f[x]においてR信号及びL信号の相関が高く、風雑音が無いものと判定する。そして、相関値Kav[x]が閾値Th[x]以下となるとき(Kav[x]≦Th[x])となるときは、周波数帯域f[x−1]<f≦f[x]においてR信号及びL信号の相関が低く、風雑音が有るものと判定する。
尚、相関値K[j]は、風雑音判定部2−1〜2−Nそれぞれに与えられる周波数軸の信号となるR信号及びL信号それぞれに対する相関値であり、風雑音判定部2−1〜2−Nそれぞれにおいて、入力される最も低い周波数の信号から順に、相関値K[1]、K[2]、K[3]、…が求められる。
又、上述のKav[1]〜Kav[N]それぞれが、N帯域に分割された各周波数帯域における相関値を表すとともに、上述のTh[1]〜Th[N]が、各周波数帯域における風雑音の有無を判定するための閾値を表す。即ち、f=0となる周波数からn[x]番目の周波数帯域における相関値が、Kav[x]となり、閾値Th[x]と比較されることによって、風雑音の有無が判定される。尚、この閾値Th[x]の設定については、後述する。
そして、風雑音判定部2−1〜2−Nそれぞれで、上述のようにして、相関値Kav[1]〜Kav[N]と閾値Th[1]〜Th[N]との関係に基づいて風雑音の有無の判定を行うと、信号減衰部3L−1〜3L−N,3R−1〜3R−Nそれぞれにおける減衰量α[1]〜α[N]が設定される。即ち、風雑音判定部2−xでは、風雑音の有無の判定を行うと、その判定結果に基づいて、信号減衰部3L−x,3R−xそれぞれにおける減衰量α[x]が設定される。尚、風雑音が有るものと判定されたときに設定される減衰量αk[x]については、後述する。
このとき、風雑音判定部2−xで風雑音が無いものと判定されたとき、減衰量α[x]が1に設定されることによって、周波数帯域がf[x−1]<f≦f[x]となるL信号及びR信号それぞれが、信号減衰部3L−x,3R−xで減衰されることなく、合成部4L,4Rに与えられる。一方、風雑音判定部2−xで風雑音が有るものと判定されたとき、減衰量α[x]がαk[x](0<αk[x]<1)に設定されることによって、周波数帯域がf[x−1]<f≦f[x]となるL信号及びR信号それぞれが、信号減衰部3L−x,3R−xで減衰されて、合成部4L,4Rに与えられる。尚、減衰量α[x]、αk[x]は、後述するように、指数演算又は乗算における乗数又は係数としてL信号及びR信号それぞれを減衰させるため、その値が1に近づくほど、音響信号の減衰される度合いが低く、その値が0に近づくほど、音響信号の減衰される度合いが高いものとされる。
このようにして、風雑音判定部2−1〜2−Nそれぞれで、N帯域の周波数帯域それぞれの風雑音の判定が成されて、減衰量α[1]〜α[N]が求められると、信号減衰部3L−1〜3L−N,3R−1〜3R−Nそれぞれにおいて、設定された減衰量α[1]〜α[N]によって、L信号及びR信号それぞれを減衰する演算処理を行う。この信号減衰部3L−1〜3L−N,3R−1〜3R−Nの動作について、信号減衰部3L−x,3R−xを代表して説明する。
信号減衰部3L−xでは、時間周波数変換部1Lからで周波数軸方向の信号に変換されたL信号の内、周波数帯域がf[x−1]<f≦f[x]となるL信号L(Δf×(n[x−1]+1))〜L(Δf×n[x])が入力され、それぞれに対して、減衰量α[x]による演算が成される。同様に、信号減衰部3R−xでは、時間周波数変換部1Rからで周波数軸方向の信号に変換されたR信号の内、周波数帯域がf[x−1]<f≦f[x]となるR信号R(Δf×(n[x−1]+1))〜R(Δf×n[x])が入力され、それぞれに対して、減衰量α[x]による演算が成される。尚、減衰量α[x]による演算については、後述する。
即ち、信号減衰部3L−xでは、L信号L(Δf×(n[x−1]+1)),L(Δf×(n[x−1]+2)),…,L(Δf×n[x])それぞれに対して、減衰量α[x]による演算が成されることで、減衰処理が施される。よって、信号減衰部3L−xから、減衰処理後のL信号Lx(Δf×(n[x−1]+1)),Lx(Δf×(n[x−1]+2)),…,Lx(Δf×n[x])が、合成部4Lに与えられる。
同様に、信号減衰部3R−xでは、R信号R(Δf×(n[x−1]+1)),R(Δf×(n[x−1]+2)),…,R(Δf×n[x])それぞれに対して、減衰量α[x]による演算が成されることで、減衰処理が施される。よって、信号減衰部3R−xから、減衰処理後のR信号Rx(Δf×(n[x−1]+1)),Rx(Δf×(n[x−1]+2)),…,Rx(Δf×n[x])が、合成部4Rに与えられる。
そして、合成部4Lにおいて、信号減衰部3L−1〜3L−Nそれぞれで演算処理が成された各周波数帯域のL信号を加算合成して、周波数軸の信号となるL信号Lx(f)とするとともに、合成部4Rにおいて、信号減衰部3R−1〜3R−Nそれぞれで演算処理が成された各周波数帯域のR信号を加算合成して、周波数軸の信号となるR信号Rx(f)とする。即ち、合成部4Lより、低周波数から順番となるL信号Lx(Δf×1)、Lx(Δf×2)、Lx(Δf×3)、…、Lx(Δf×n)が時系列に並んだ周波数軸の信号となるL信号Lx(f)が出力される。同様に、合成部4Rより、低周波数から順番となるR信号Rx(Δf×1)、Rx(Δf×2)、Rx(Δf×3)、…、Rx(Δf×n)が時系列に並んだ周波数軸の信号となるR信号Rx(f)が出力される。
この合成部4Lで得られた周波数軸の信号であるL信号Lx(f)が周波数時間変換部5Lに与えられることによって、時間軸の信号となるL信号Lx(t)に変換されて、風雑音が低減された信号として出力される。同様に、合成部4Rで得られた周波数軸の信号であるR信号Rx(f)が周波数時間変換部5Rに与えられることによって、時間軸の信号となるR信号Rx(t)に変換されて、風雑音が低減された信号として出力される。
このように動作する風雑音低減装置における、減衰量α[x]の設定、及び、信号減衰部3L−x,3R−xでの演算処理それぞれについて、以下に説明する。
(減衰量の設定について)
まず、風雑音が有ると判定したときの減衰量α[x]として設定される値αk[x](0<αk[x]<1)において、各周波数帯域に対して設定される値について、以下に説明する。まず、周波数の異なる音に対する、その音圧レベルと人間の聞こえる音の大きさ(以下、「ラウドネス量」と呼ぶ)との関係について、図2に示すラウドネス曲線を参照して説明する。図2に示すように、各周波数(単位[Hz])においてラウドネス量(単位[phone])が同一となる音圧(単位[dB])を結ぶことで、等ラウドネス曲線が形成される。尚、以下の説明において、減衰量α[x]として設定される値αk[x]を、減衰量αk[x]とする。
図2における等ラウドネス曲線より確認できるように、中域(3〜5kHz)における音圧レベルが最も小さくなる。そして、この中域よりも周波数が低くなるほど、又は、中域よりも周波数が高くなるほど、等ラウドネス曲線上の音圧レベルが大きくなる。即ち、人間の聴覚は、中域が最もよく聞こえて、低い周波数帯域や高い周波数帯域になるほど聞こえにくくなる。
一方、風雑音の特性としては、上述したように、低域に集中することが知られているが、低域において、その減衰量が小さすぎると、減衰される度合いが大きいために、風雑音以外の音源成分までも減衰してしまう。そのため、音に歪みが発生して、元音源が聞こえなくなってしまうことがある。このことから、この風雑音の減衰処理における音の歪みを抑えるように、減衰量αk[1]〜αk[N]について、周波数帯域毎に異なる値に設定する。
このとき、図2の等ラウドネス曲線での音圧レベルが大きくなるものについては、減衰処理により音の歪みへの大きくなることから、図2の等ラウドネス曲線で音圧レベルが大きくなる周波数に対する減衰量が大きくなるように、減衰量αk[1]〜αk[N]それぞれの値が設定される。この減衰量αk[1]〜αk[N]それぞれの値について、図2の等ラウドネス曲線に忠実な値としても構わないし、概略的に近似させた値としても構わない。但し、低域に関しては、風雑音の影響が大きくなるため、図2の等ラウドネス曲線に基づいた値よりもやや小さい値に、その減衰量を設定した方が好ましい。
1.減衰量αk[1]〜αk[N]を固定値とするとき
上述のように、同一のラウドネス量の等ラウドネス曲線における音圧レベルに応じて、N帯域に分割された各周波数帯域の減衰量αk[1]〜αk[N]が設定される。例えば、概略的に近似した値で設定させる場合、f[s]<f≦f[t](s>t)が中域(3〜5kHz)となるとき、減衰量αk[1]〜αk[s]については、周波数が低いものほど、その値が大きくなるような固定値αc[1]〜αc[s]に設定する。又、減衰量αk[t]〜αk[N]については、周波数が高いものほど、その値が大きくなるような固定値αc[t]〜αc[N]に設定する。
そして、減衰量αk[s+1]〜αk[t−1]については、上述の固定値αc[s],αc[t]よりも小さい値αcとなるように設定しても構わない。このように、固定値αc,αc[1]〜αc[s],αc[t]〜αc[N]が設定されるとき、その関係が、0<αc<αc[s]≦αc[s−1]≦…≦αc[1]<1、0<αc<αc[t]≦αc[t+1]≦…≦αc[N]<1となるように、設定されることとなる。
2.減衰量αk[1]〜αk[N]を変動値とするとき
更に、上述のように固定値によって設定するのではなく変動値で設定する場合、上述のような固定値に変動値を加算した値によって設定される。このとき、加算される変動値については、上述の相関値Kav[1]〜Kav[N]によって設定されるものとしても構わないし、相関値Kav[1]〜Kav[N]と閾値Th[1]〜Th[N]との差の絶対値|Kav[1]−Th[1]|〜|Kav[N]−Th[N]|によって設定されるものとしても構わない。
よって、例えば、絶対値|Kav[1]−Th[1]|〜|Kav[N]−Th[N]|によって設定される場合、減衰量αk[x]を代表して説明すると、その固定値がαc[K]とされるとき、減衰量αk[x]が(3)式に基づく値に設定されることとなる。即ち、固定値αc[x]に、変動値(1−αc[x])×|Kav[x]−Th[x]|が加算された値が、減産量αk[x]とされる。尚、変動値については、上述したように、(1−αc[x])×Kav[x]としても構わない。
αk[x]=αc[x]+(1−αc[x])×|Kav[x]−Th[x]|
…(3)
尚、上述したように、減衰量αk[1]〜αk[N]について、ラウドネス曲線などの人間の聴覚心理モデルや相関値Kav[1]〜Kav[N]によって値が設定されるものとしたが、例えば、スピーカの大きさや口径などといった再生する環境に応じて値が設定されるものとしても構わない。
(信号減衰部での演算処理)
上述のように設定された減衰量が与えられる信号減衰部3L−1〜3L−N,3R−1〜3R−Nでの演算処理について、以下に説明する。以下では、信号減衰部3L−x,3R−xを代表して説明するとともに、入力されるL信号及びR信号をそれぞれL(f)、R(f)とするとともに、出力するL信号及びR信号をそれぞれLx(f)、Rx(f)とする。又、風雑音判定部2−xで設定された減衰量α[x]が信号減衰部3L−x,3R−xに与えられて、(4)式及び(5)式による減衰量α[x]による演算処理が成される。
Lx(f)=L(f)α[x] …(4)
Rx(f)=R(f)α[x] …(5)
このような演算処理が成されるため、風雑音が無いものと判定されるとき、減衰量α[x]が1とされることから、(4)式及び(5)式がそれぞれ、Lx(f)=L(f)、Rx(f)=R(f)となるため、入力されるL信号及びR信号を減衰することなく出力することができる。又、風雑音が有るものと判定されるとき、減衰量α[x]を1より小さい値とし、(4)式及び(5)式における乗数として扱うことにより、入力されるL信号及びR信号を減衰することができる。
このように(4)式及び(5)式のような演算処理がなされるものとするとき、上述したように、減衰量α[x]として設定される値αk[x]が等ラウドネス曲線での音圧レベルに基づいて設定されるとき、例えば、100〜300Hzにおける減衰量の固定値(上述のαc[x]に相当)が0.85とされ、650〜850Hzそれぞれの帯域おける減衰量の固定値が0.80とされる。
この減衰量の設定により、等ラウドネス曲線における音圧レベルが高くなる100〜300Hzにおける減衰量が高くなることで、人間にとって聞こえにくい100〜300Hzにおける原音について、人間の聴覚に対応するラウドネス量が得られるようにすることができる。そして、人間にとって聞こえやすい650〜850Hzにおける減衰量が低くなることで、人間の聴覚に対して風雑音が低減された音響として、再生することができる。
又、上述のように、信号減衰部3L−x,3R−xでの演算式について、(4)式及び(5)式のように、減衰量α[x]を乗数とすることで減衰するものとしたが、(6)式及び(7)式のように、減衰量α[x]を係数として、入力されるL信号及びR信号に乗算するものとしても構わない。尚、(4)式及び(5)式のように、減衰量α[x]を乗数とすることで減衰させた場合、(6)式及び(7)式のように乗算した場合と比べて、風雑音の影響が非常に大きい場合には、風雑音の抑制量を大きくすることができ、逆に、風雑音の影響がそれほど大きくない場合は、風雑音の抑制量を小さくすることができる。
Lx(f)=α[x]×L(f) …(6)
Rx(f)=α[x]×R(f) …(7)
上述の基本構成となる風雑音低減装置の実施形態について、以下に説明する。尚、以下の各実施形態では、上述した風雑音の有無を判定するための閾値Th[x]の設定が異なるため、この閾値Th[x]の設定を中心に説明する。
<第1の実施形態>
上述の基本構成(図1)のように構成される風雑音低減装置の第1の実施形態について、以下に説明する。本実施形態では、風雑音判定部2−1〜2−Nそれぞれにおいて風雑音の有無を判定する際に使用される閾値Th[1]〜Th[N]それぞれを、固定値とする。
まず、[背景技術]で述べたように、風雑音が低域(50Hz〜1kHz)から中域(3〜5kHz)に至るまで周波数帯域に発生する傾向にある。又、風雑音は、低域になるほど集中する特性を有している。これらのことから、本実施形態における固定値となる閾値Th[1]〜Th[N]は、低域のものほど値を高くすることにより、風雑音が判定されやすいように設定される。
即ち、閾値Th[x]について、xの値が小さいものほど、閾値Th[x]の値を高くなるように設定する。このようにすることで、主に、風雑音の発生する低域から中域に至るまでの周波数帯域において、風雑音の有無の判定を行うことができる。このとき、閾値Th[1]〜Th[N]の値を、0.5≦Th[1]〜Th[N]≦0.9で設定されるものとする。
<第2の実施形態>
上述の基本構成(図1)のように構成される風雑音低減装置の第2の実施形態について、以下に説明する。本実施形態では、風雑音判定部2−1〜2−Nそれぞれにおいて風雑音の有無を判定する際に使用される閾値Th[1]〜Th[N]それぞれを、一定時間T毎に変化させる変動値とする。尚、この風雑音を判定する一定時間Tによる時間間隔を、以下において、「フレーム」と呼ぶ。
本実施形態における閾値Th[1]〜Th[N]は、第1フレームの風雑音を判定するために、初期値として、第1の実施形態のようにして設定された固定値Th−1[1]〜Th−1[N]が与えられる。そして、第2フレーム以降においては、前フレームの判定結果に基づいて、閾値Th[1]〜Th[N]の設定が行われる。以下において、第2フレーム以降の第Fフレーム(Fは、F≧2の自然数)の閾値Th−F[1]〜Th−F[N](尚、「−F」が第Fフレームであることを示す)の設定について、風雑音判定部2−xにおける閾値Th[x]を代表として、説明する。
(1)第F−1フレームにおいて風雑音有りと判定されたとき
風雑音判定部2−xにおいて第F−1フレームの風雑音が判定されるとき、相関値Kav[x]が閾値Th−(F−1)[x]以下となり(Kav[x]≦Th−(F−1)[x])、風雑音有りと判定されると、第Fフレームの風雑音を判定するための閾値Th−F[x]を閾値Th−(F−1)[x]よりもΔThだけ高い値Th−(F−1)[x]+ΔThとする。即ち、第F−1フレームにおいて風雑音が有るものと判定されたため、連続した次のフレームである第Fフレームにおいても風雑音が有る確率が高いと考えられるため、閾値Th−F[x]が風雑音を判定されやすい値に設定されることとなる。
そして、閾値Th[x]に対して、例えば、その最大値をThmax[x]のように設定されていたとき、前のフレームである第F−1フレームにおける閾値Th−(F−1)[x]が、この最大値Thmax[x]に達しているか否かが確認される。このとき、閾値Th−(F−1)[x]が最大値Thmax[x]である場合は、第Fフレームにおける閾値Th−F[x]についても、前のフレームのものと同値である最大値Thmax[x]に設定する。
尚、最大値Thmax[x]について、Thmax[1]〜Thmax[N]全てについて一定の値(例えば、0.9)としても構わないし、判定する周波数帯域によって異なるものとしても構わない。又、最大値Thmax[x]を周波数帯域によって異なるものとする場合、例えば、第1の実施形態の例の対応するように、閾値の最大値Thmax[1]〜Thmax[N]の関係が、Thmax[1]〜Thmax[k]>Thmax[k+1]〜Thmax[N]となるように設定するものとしても構わない。
(2)第F−1フレームにおいて風雑音無しと判定されたとき
一方、風雑音判定部2−xにおいて第F−1フレームの風雑音が判定されるとき、相関値Kav[x]が閾値Th−(F−1)[x]より大きくなり(Kav[x]>Th−(F−1)[x])、風雑音無しと判定されると、第Fフレームの風雑音を判定するための閾値Th−F[x]を閾値Th−(F−1)[x]よりもΔThだけ低い値Th−(F−1)[x]−ΔThとする。即ち、第F−1フレームにおいて風雑音が無いものと判定されたため、連続した次のフレームである第Fフレームにおいても風雑音が無い確率が高いと考えられるため、閾値Th−F[x]が風雑音を判定されにくい値に設定されることとなる。
そして、閾値Th[x]に対して、例えば、その最小値をThmin[x]のように設定されていたとき、前のフレームである第F−1フレームにおける閾値Th−(F−1)[x]が、この最小値Thmin[x]に達しているか否かが確認される。このとき、閾値Th−(F−1)[x]が最大値Thmin[x]である場合は、第Fフレームにおける閾値Th−F[x]についても、前のフレームのものと同値である最小値Thmin[x]に設定する。
尚、最小値Thmin[x]についても、最大値Thmax[x]と同様、Thmin[1]〜Thmin[N]全てについて一定の値(例えば、0.5)としても構わないし、判定する周波数帯域によって異なるものとしても構わない。又、最小値Thmin[x]を周波数帯域によって異なるものとする場合、例えば、第1の実施形態の例の対応するように、閾値の最小値Thmin[1]〜Thmin[N]の関係が、Thmin[1]〜Thmin[k]>Thmin[k+1]〜Thmin[N]となるように設定するものとしても構わない。
<第3の実施形態>
上述の基本構成(図1)のように構成される風雑音低減装置の第3の実施形態について、以下に説明する。本実施形態では、第2の実施形態と同様、風雑音判定部2−1〜2−Nそれぞれにおいて風雑音の有無を判定する際に使用される閾値Th[1]〜Th[N]それぞれを、フレーム毎に変化させる変動値とする。
本実施形態では、第2の実施形態と異なり、風雑音が低帯域に集中するという特性に基づいて、低帯域で風雑音が有るものと判定したとき、同一フレームにおける各周波数帯域の閾値Th[1]〜Th[N]を全体的に高くして、風雑音が判定されやすくなるように設定する。例えば、f[0]<f≦f[s]を低域とするとき、閾値Th[1]〜Th[s]の値を、第1の実施形態と同様の固定値とし、まず、低域となる周波数帯域f[0]<f≦f[s]におけるs帯域に分割された各周波数帯域に対して、風雑音の有無が判定される。
そして、この低域におけるs帯域において、風雑音が有るものと判定された帯域の数Nfが所定値Nfth(Nfthは、1≦Nfth≦s)以上となったとき、周波数f[s]よりも高い周波数帯域でも風雑音が存在する確率が高いので、周波数帯域f[s]<f≦f[N]に対して判定する閾値Th[s+1]〜Th[N]の値を固定値よりもΔThだけ高い値とする。逆に、低域におけるs帯域において、風雑音が有るものと判定された帯域の数Nfが所定値Nfthより少ない場合、周波数f[s]よりも高い周波数帯域でも風雑音が存在しない確率が高いので、周波数帯域f[s]<f≦f[N]に対して判定する閾値Th[s+1]〜Th[N]の値を固定値よりもΔThだけ低い値とする。
尚、周波数帯域f[s]<f≦f[N]全ての帯域における閾値Th[s+1]〜Th[N]の値を、低域となる周波数帯域f[0]<f≦f[s]における判定結果に基づいて変化させるのではなく、その一部であって、比較的風雑音が確認される確率の高い中域のような周波数帯域f[s]<f≦f[k](但し、f[s]<f[k])における閾値Th[s+1]〜Th[k]だけを変化させるものとしても構わない。換言すると、周波数帯域f[0]<f≦f[s]における風雑音の有無にかかわらず、閾値Th[k+1]〜Th[N]については、固定値で一定とされる。
又、低周波数側に隣接する帯域における風雑音の有無によって変動するものとしても構わない。即ち、周波数帯域f[x−1]<f≦f[x]の閾値Th[x]について、低周波数側に隣接する帯域f[x−2]<f≦f[x−1]において風雑音が有るものと判定されると、固定値よりΔTh高い値に設定され、低周波数側に隣接する帯域f[x−2]<f≦f[x−1]において風雑音が無いものと判定されると、固定値よりΔTh低い値に設定される。
更に、低域となる周波数帯域f[0]<f≦f[s]おける相関値と閾値との差|Kav[1]−Th[1]|〜|Kav[s]−Th[s]|の平均値に基づいて、固定値からの変動量を設定するものとしても構わない。即ち、相関値と閾値の平均値が大きくなるにつれて、閾値Th[s+1]〜Th[k]の値が高くなるように、固定値からの変動量を大きくする。又、低域となる周波数帯域f[0]<f≦f[s]において風雑音があるものと判定された帯域数Nfに基づいて、固定値からの変動量を設定するものとしても構わない。即ち、帯域数Nfが大きくなるにつれて、閾値Th[s+1]〜Th[k]の値が高くなるように、固定値からの変動量を大きくする。
又、本実施形態において、第2の実施形態のように、前のフレームにおける風雑音の判定結果に基づいて、閾値Th[1]〜Th[N]の値を変化させた後に、低域の判定結果に基づいて、低域以外の帯域の閾値の値を変化させるものとしても構わない。更に、本実施形態においても閾値Th[1]〜Th[N]それぞれを、フレーム毎に変化させる変動値とするため、第2の実施形態と同様、上限となる最大値Thmax[1]〜Thmax[N](例えば、0.9)や、下限となる最小値Thmin[1]〜Thmin[N](例えば、0.5)を設定することが好ましい。
尚、上述の各実施形態において、閾値Th[1]〜Th[N]それぞれを設定して、風雑音判定部2−1〜2−Nそれぞれにより、取得された音響信号における全ての周波数帯域に対して、風雑音の有無が検出されるものとしたが、風雑音の影響が小さい高域の周波数帯域においては、風雑音の有無について検出されることがないものとしても構わない。このとき、高域の各周波数帯域に対する閾値Th[x]を0とすることで、高域の各周波数帯域のL信号及びR信号が入力される風雑音判定部2−xにおいて、その判定結果が常に、風雑音がないことを示すものとしても構わない。又、風雑音の影響が小さい高域の周波数帯域については、風雑音判定部2−xが設置されず、常に風雑音の影響がないものとして、減衰量α[x]が設定されるものとしても構わない。
以下において、音響信号の記録を行う撮像装置や録音装置、又は、音響信号の再生を行う再生装置などの電子機器に対して、上述した本発明の風雑音低減装置を適用した実施例について説明する。本実施例の電子機器は、動画及び静止画の撮影及び音響信号の録音が可能なデジタルビデオカメラなどの撮像装置とする。図3は、本実施例における撮像装置の内部構成を示すブロック図である。
図3に示すように、本実施形態の撮像装置は、被写体のから入射される光を電気信号に変換するCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complimentary Metal Oxide Semiconductor)センサなどの固体撮像素子(イメージセンサ)101と、イメージセンサ101から出力されるアナログ信号である画像信号をデジタル信号に変換するAFE(Analog FrontEnd)102と、外部から入力された音響を電気信号に変換するステレオマイク103と、AFE102からのデジタル信号となる画像信号に対して超解像処理を含む各種画像処理を施す画像処理部104と、ステレオマイク103からのアナログ信号であるL信号及びR信号をデジタル信号に変換する音響処理部105と、画像処理部104からの画像信号に対してMPEG(Moving Picture Experts Group)方式やJPEG(Joint Photographic Experts Group)方式などの圧縮符号化処理を施す画像圧縮処理部106と、音響処理部105からのL信号及びR信号に対してAAC(Advanced Audio Coding)などのオーディオ圧縮符号化処理を施す音響圧縮処理部107と、画像圧縮処理部106及び音響圧縮処理部107で圧縮符号化された圧縮符号化信号を外部メモリ120に記録するドライバ部108と、を備える。
更に、この図3の撮像装置は、ドライバ部108で外部メモリ120から読み出した圧縮符号化信号を伸長して復号する伸長処理部109と、伸長処理部109で復号されて得られた画像信号又は画像処理部104からの画像信号による画像の表示を行うディスプレイ部110と、伸長処理部109で復号されて得られたL信号及びR信号又は音響処理部105からのL信号及びR信号をアナログ信号に変換して再生出力するスピーカ部111と、を備える。
更に、この図1の撮像装置は、各ブロックの動作タイミングを一致させるためのタイミング制御信号を出力するタイミングジェネレータ112と、撮像装置内全体の駆動動作を制御するCPU(Central Processing Unit)113と、各動作のための各プログラムを記憶するとともにプログラム実行時のデータの一時保管を行うメモリ114と、ユーザからの指示が入力される操作部115と、CPU113と各ブロックとの間でデータのやりとりを行うためのバス回線116と、メモリ114と各ブロックとの間でデータのやりとりを行うためのバス回線117と、を備える。
(1)動画撮影動作
このような撮像装置において、動画撮影動作を行うことが操作部115によって指示されると、イメージセンサ101の光電変換動作によって得られたアナログ信号である画像信号がAFE102に出力される。このとき、イメージセンサ101では、タイミングジェネレータ112からのタイミング制御信号が与えられることによって、水平走査及び垂直走査が行われて、画素毎のデータとなる画像信号が出力される。
AFE102において、アナログ信号となる画像信号がデジタル信号に変換されて、画像処理部104に入力されると、輝度信号及び色差信号の生成を行う信号変換処理などの各種画像処理が施される。そして、画像処理部104で画像処理が施された画像信号が画像圧縮処理部106に与えられ、MPEG圧縮方式に基づいて圧縮符号化される。
又、ステレオマイク103からは、左側及び右側それぞれから音声入力されることで得られたアナログ信号であるL信号及びR信号が、音響処理部105でデジタル信号に変換されて、音響圧縮処理部107に与えられる。そして、音響圧縮処理部107では、デジタル信号とされたL信号及びR信号に対して、オーディオ圧縮符号方式に基づいて、圧縮符号化処理を施す。
そして、圧縮符号化された画像信号及び音響信号がそれぞれ、画像圧縮処理部106及び音響圧縮処理部107それぞれからドライバ部108に与えられると、外部メモリ120に記録される。又、このとき、画像処理部104で画像処理された画像信号がディスプレイ部110に与えられて、現在、イメージセンサ101を通じて撮影されている被写体画像が表示されることで、プレビュー画像が表示される。
(2)静止画撮影動作
静止画撮影が指示された場合においては、動画撮影が指示された場合と異なり、画像信号のみの圧縮信号が画像圧縮処理部106においてJPEG(Joint Photographic Experts Group)圧縮符号方式などの圧縮符号方式によって得られ、外部メモリ120に記録される。よって、その他の基本動作については動画撮影時の動作と同様である。又、この静止画撮影の場合、操作部115によって撮影された静止画像に対する圧縮信号が外部メモリ120に記録されるだけでなく、画像処理部104で画像処理された画像信号がディスプレイ部110に与えられて、現在、イメージセンサ101を通じて撮影されている被写体画像が表示されることで、プレビュー画像が表示される。
上述のように、静止画像及び動画それぞれに対する撮像動作を行うとき、タイミングジェネレータ112によって、AFE102、映像処理部104、音響処理部105、画像圧縮処理部106、及び音響圧縮処理部107に対してタイミング制御信号が与えられ、イメージセンサ1による1フレームごとの撮像動作に同期した動作が行われる。又、静止画撮影のときは、操作部115によるシャッタ動作に基づいて、タイミングジェネレータ112より、イメージセンサ101、AFE102、映像処理部104、及び、画像圧縮処理部106それぞれに対してタイミング制御信号が与えられ、各部の動作タイミングを同期させる。
(3)動画又は静止画像の再生
又、外部メモリ120に記録された動画又は静止画像を再生することが、操作部115を通じて指示されると、外部メモリ120に記録された圧縮信号は、ドライバ部108によって読み出されて伸長処理部109に与えられる。そして、動画の場合は、伸長処理部109において、MPEG圧縮符号方式及びオーディオ圧縮符号化方式に基づいて伸長復号されて、画像信号及び音響信号が取得される。そして、画像信号がディスプレイ部110に与えられて画像が再生されるとともに、L信号及びR信号がスピーカ部111に与えられて音声が再生される。これにより、外部メモリ120に記録された圧縮信号に基づく動画が再生される。
又、静止画像の場合は、伸長処理部109において、ドライバ部108によって外部メモリ120から読み出された信号に対して、JPEG圧縮符号方式に基づく伸長復号が施されることで、画像信号が取得される。そして、画像信号がディスプレイ部110に与えられて画像が再生される。これにより、外部メモリ120に記録された圧縮信号に基づく静止画像が再生される。
(4)音響圧縮処理部に風雑音低減機能を追加
このような撮像装置において、音響圧縮処理部107を、風雑音低減機能が設けられた構成とする。図4のブロック図に、この風雑音低減機能を備えた音響圧縮処理部107の構成を示す。図4に示すように、音響圧縮処理部107は、音響処理部105からのL信号及びR信号それぞれを時間軸の信号から周波数軸の信号に変換するフィルタバンク71と、このフィルタバンク71で周波数軸の信号に変換されたL信号及びR信号を時系列に並ぶように合成する合成部72と、合成部72で合成されたL信号及びR信号を量子化する量子化部73と、を備える。
そして、このような構成の音響圧縮処理部107に対して、更に、フィルタバンク71からのL信号及びR信号の周波数軸方向の信号に対して周波数帯域毎の風雑音の有無を判定する風雑音判定部74と、風雑音判定部74の判定結果によりフィルタバンク71からのL信号及びR信号に対して周波数帯域毎に減衰処理を施して合成部72に出力する信号減衰部75とを、備える。
このとき、風雑音判定部74を、図1の構成における風雑音判定部2−1〜2−Nによって構成するものとし、信号減衰部75を、図1の構成における信号減衰部3L−1〜3L−N,3R−1〜3R−Nによって構成するものとする。このように構成することによって、音響圧縮処理部107において、従来でも必要とされる構成であるフィルタバンク71、合成部72、及び量子化部73に、上述の各実施形態で説明した動作を行う風雑音判定部74及び信号減衰部75を追加することによって、風雑音低減機能を追加することができる。
この図4のような構成の音響圧縮処理部107を備えることによって、ステレオマイク103によって取得されたL信号及びR信号を外部メモリ120に記憶する際、その風雑音を低減したL信号及びR信号を圧縮して記憶させることができる。又、この音響圧縮処理部107で得られた圧縮信号を外部メモリ120に記憶した後、伸長処理部109で伸長処理を施してスピーカ部111より出力することで、風雑音が低減された音響を再生出力することができる。
(5)伸長処理部に風雑音低減機能を追加
上述では、音響圧縮処理部107に風雑音低減機能を備えるものとしたが、伸長処理部109の音響処理ブロックにおいて、風雑音低減機能を設けるものとしても構わない。即ち、図5に示すように、ハフマン符号化などが施された圧縮信号を復号化した後に復調して周波数軸方向の信号となるL信号及びR信号を取得する復調部91の後段に、風雑音判定部74及び信号減衰部75を追加した構成とする。
そして、信号減衰部75で周波数帯域毎に風雑音の低減処理が成された周波数軸方向の信号となるL信号及びR信号が合成部92に与えられて、周波数軸方向の各信号が時系列的に並んだL信号及びR信号が得られる。このL信号及びR信号が、周波数時間変換部93に与えられることで、時間軸の信号に変換されてスピーカ部111に出力される。
このように構成することによって、伸長処理部109において、従来でも必要とされる構成である復調部91、合成部92、周波数時間変換部93に、上述した動作を行う風雑音判定部74及び信号減衰部75を追加することによって、風雑音低減機能を追加することができる。この図5のような構成の伸長処理部109を備えることによって、外部メモリ120に記憶した圧縮信号による音響信号を再生出力する際、その風雑音が含まれたL信号及びR信号による圧縮信号であったとしても、伸長処理部109で伸長処理を施したときに、風雑音を低減することができる。
尚、本実施例のように構成するとき、風雑音の判定及び低減を行うために分割する周波数帯域数Nについて、圧縮符号化又は伸長復号化するときのオーディオ圧縮符号化方式における帯域分割単位と等しくすることで、その演算処理を効率の良いものとすることができ、低処理量の実装が可能となる。
又、本実施例においては、図3のような構成の撮像装置のように、音響の記録及び再生が可能な装置を例に挙げて説明したが、音響の記録及び再生のいずれか一方のみを行う電子機器としても構わない。即ち、記録装置として構成される場合、図3の構成において、少なくとも音響信号の記録動作を行うブロックを備えるとともに、図4に示す構成の音響圧縮処理部を備える。逆に、再生装置として構成される場合、音響信号の再生動作を行うブロックを備えるとともに、図5に示す構成の音声ブロックを有する伸長処理部を備える。
尚、実施例1において撮像装置を例に挙げて、電子機器への適用例を説明したが、撮像装置に限らず、音響の記録又は再生を行う電子機器であれば適用可能であり、例えば、ICレコーダ、携帯電話、その他、光ディスクや磁気ディスクやメモリなどの記録媒体の音響信号の記録・再生が可能な電子機器に対して適用可能である。
は、本発明の風雑音低減装置の基本構成となる内部構成を示すブロック図である。 は、等ラウドネス曲線の周波数と音圧レベルの関係を示すグラフである。 は、実施例1における撮像装置の内部構成を示すブロック図である。 は、図3の撮像装置の音響圧縮処理部の内部構成を示すブロック図である。 は、図3の撮像装置の伸長処理部の内部構成を示すブロック図である。 は、従来の風雑音低減装置の内部構成を示すブロック図である。 は、従来の風雑音低減装置による風雑音低減処理動作を説明するための図である。
符号の説明
1L,1R 時間周波数変換部
2−1〜2−N 風雑音判定部
3L−1〜3L−N,3R−1〜3R−N 信号減衰部
4L,4R 合成部
5L,5R 周波数時間変換部

Claims (8)

  1. 2以上のマイクロフォンによって取得された2以上の音響信号より風雑音の有無を判定して、前記音響信号から風雑音を低減する風雑音低減装置において、
    分割された3帯域以上となるn帯域の周波数帯域毎に前記2以上の音響信号の相関値を算出して、当該n帯域の周波数帯域それぞれに対して風雑音の有無を判定する風雑音判定部と、
    該風雑音判定部によって風雑音が有ると判定された周波数帯域の前記2以上の音響信号のみを減衰させる信号減衰部と、
    を備え、
    前記風雑音判定部が、前記周波数帯域毎に設定された閾値を備え、
    前記風雑音判定部において前記周波数帯域毎に前記風雑音の有無を判定するとき、前記相関値が前記閾値より低くなることを確認すると、その周波数帯域における前記2以上の音響信号の相関が低く前記風雑音が有る信号であると判定することを特徴とする風雑音低減装置。
  2. 前記信号減衰部において設定される前記周波数帯域毎の減衰量が、前記相関値に応じて変動する値であることを特徴とする請求項1に記載の風雑音低減装置。
  3. 前記信号減衰部において、前記音響信号を減衰させる際の減衰量を乗数として前記音響信号を指数演算することで、前記音響信号の減衰処理を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の風雑音低減装置。
  4. 前記信号減衰部において、前記音響信号を減衰させる際の減衰量を係数として前記音響信号に乗算することで、前記音響信号の減衰処理を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の風雑音低減装置。
  5. 前記風雑音判定部において、低い周波数帯域ほど前記閾値が高く設定され、高い周波数帯域ほど前記閾値が低く設定されることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の風雑音低減装置。
  6. 所定期間となるフレーム毎に風雑音の有無が判定されるとともに、
    前記風雑音判定部において、前記周波数帯域毎の前記閾値を、前フレームの風雑音の有無の判定結果に基づいて変動させることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の風雑音低減装置。
  7. 前記風雑音判定部において、前記周波数帯域毎の前記閾値を、低い周波数帯域における風雑音の有無の判定結果に基づいて変動させることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の風雑音低減装置。
  8. 2以上のマイクロフォンによって取得された2以上の音響信号を記録又は再生を行う電子機器であって、
    前記2以上の音響信号を周波数軸方向の信号とする周波数軸方向信号生成部と、
    前記周波数軸方向信号生成部において周波数軸方向の信号とされた前記2以上の音響信号に対して、周波数帯域毎の風雑音低減処理を施す風雑音低減部と、
    を備え、
    前記風雑音低減部を、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の構成となる風雑音低減装置とすることを特徴とする電子機器。
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