JP2009005074A - 無線通信ネットワーク - Google Patents

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Abstract

【課題】無線LANにおいて、送信間隔を短くすることによりスループットを向上させる。
【解決手段】無線端末110,120は、自装置の優先順位nと、連続する2回のデータ送信を同一の無線端末が行うときの送信間隔TBと、送信データを受信した無線端末が直後のデータ送信を行う際の所要時間TDと、無線端末が受信状態から送信状態に移行するための所要時間TSとを記憶する。さらに、無線端末110,120は、非ACK通信において、優先順位nが‘1’の通信端末がデータ送信を行った直後の待機時間をTB+(n−1)・TSとし、且つ、優先順位が‘1’以外の通信端末がデータ送信を行った直後の待機時間をTD+(n−1)・TSとする。無線通信端末110,120に設定された優先順位および前回のデータ送信の無線通信端末の優先順位に応じてIFSを設定することで、送信間隔を短くすることができる。
【選択図】図1

Description

この発明は、キャリアセンス機能を用いて通信接続を行う通信ネットワークに関する。
キャリアセンス機能を用いる通信ネットワークとしては、例えば無線LAN(Local Area Network)が知られている。無線LAN技術としては、例えばIEEE802.11で標準化されたものが知られている。
無線LANでは、複数の無線通信端末が同時に無線送信を行ったために、送信信号どうしの衝突が発生して、正常な通信が行えなくなるおそれがある。このような信号衝突を防止する技術の1つとして、CSMA(Carrier Sense Multiple Access) が知られている。CSMAでは、無線信号の衝突を回避するために、キャリアセンスが行われる。このキャリアセンスにおいて、キャリアの非検出が所定時間(IFS:Inter Frame Space)だけ継続した場合に、通信が行われていないと判断される。IEEE802.11では、IFSとして、SIFS(Short Inter-Frame Space)やDIFS(Distributed-coordination-function Inter-Frame Space)等が定義されている。このIEEE802.11では、ACK(Acknowledge) 信号の送信時にはSIFSが採用され、データ送信時にはDIFSが採用される。
しかし、CSMAを行った場合でも、衝突が発生する可能性がある。例えば、二台の無線通信端末が同時にキャリアセンスを開始した場合、IFS時間の終了タイミングも同じになってしまい、信号衝突が発生する。このような信号衝突を防止する技術の一つとしてバックオフ制御が知られている。バックオフ制御では、IFS時間の終了後に、ランダムに生成したバックオフ時間(例えば0〜15のランダム値と予め定めたスロット時間との積)だけさらに待機した後で、通信を開始する。
CSMAやバックオフ制御は、送信側無線通信端末間に遮蔽物が存在する場合に、十分に機能しなくなる。送信側無線通信端末は、遮蔽物で遮られた他の送信側無線通信端末のキャリアを検出することができないからである。このような問題は、一般に「隠れ端末問題」と称されている。隠れ端末問題を解決する技術の一つとして、RTS/CTS(Request To Send/Clear To Send) が知られている。RTS/CTS技術では、送信側無線通信端末が通信開始を要求するためにRTSフレームを送信し、さらに、受信側無線通信端末は受信可能であれば送信側無線通信端末にCTSフレームを送信する。しかし、RTSフレームやCTSフレームにも、衝突する可能性がある。このため、下記特許文献1の技術では、上述のバックオフ時間を、RTSフレームの送信開始からCTSフレームの受信終了までの時間よりも長く設定することで、RTSフレームやCTSフレームの衝突を回避している。
特開2006−41627号公報(段落0079〜0083参照)
上述のバックオフ制御において、信号衝突の発生確率を減らすためには、各無線通信端末が取り得るバックオフ時間の種類を多くすることが望ましい。しかしながら、バックオフ値の種類が多くなると、その分だけ、バックオフ時間が全体的に長くなる確率が高まり、このため、送信間隔(すなわち、送信待ち状態の無線通信端末が存在するにも拘わらず通信が開始されない時間)の平均値が増大することになる。この結果、バックオフ制御を用いた通信ネットワークには、スループットが低下してしまうという欠点があった。
また、特許文献1の技術にも、RTSフレームの送信開始からCTSフレームの受信終了までの時間よりもバックオフ時間を長く設定するので、送信間隔が長くなってしまい、このために通信ネットワークのスループットが低下してしまうという欠点があった。
この発明の課題は、送信間隔を短くすることによってスループットを向上させた通信ネットワークの通信制御方法を提供する点にある。
この発明は、キャリアセンスを行うキャリアセンス部と、通信を開始するまでの待機時間を決定する送信処理部と、待機時間中にキャリアが検出されなかった場合に送信を開始する送信部とを有する、複数台の通信端末を収容する通信ネットワークに関する。
そして、送信処理部が、送信処理部を収容している装置である自装置の優先順位nと、連続する2回のデータ送信を同一の通信端末が行うときの送信間隔TBと、送信データを受信した通信端末が直後のデータ送信を行う際の所要時間TDと、通信端末が受信状態から送信状態に移行するための所要時間TSとを記憶する管理データ記憶部と、非認証通信時に複数台の通信端末から前回のデータ送信を行った通信端末と今回の優先順位が‘1’の通信端末とを特定し、これらの通信端末が同一であるときは自装置の待機時間をTB+(n−1)・TSとし且つこれらの通信端末が同一で無いときは自装置の待機時間をTD+(n−1)・TSとする待機時間決定部とを有する。
この発明では、各通信端末に優先順位nを設定するとともに、該優先順位が‘1’の通信端末の待機時間を、前回通信で該通信端末がデータ送信を行った場合は送信間隔TBに設定し、且つ、前回通信で他の通信端末がデータ送信を行った場合は所要時間TDに設定する。そして、他の通信端末の待機時間は、優先順位が‘1’の通信端末の待機時間に(n−1)・TSを加えた値とする。これにより、送信間隔を非常に短くすることができ、したがって、通信ネットワークのスループットを向上させることができる。
以下、この発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
<第1の実施形態>
この発明の第1の実施形態について、この発明に係る通信ネットワークを無線LANに適用した場合を例に採り、図1〜図8を用いて説明する。この実施形態は、無線LANが2台の通信端末を収容する場合の例である。
図1は、この実施形態に係る無線LANの構成を示す概念図である。図1に示したように、この実施形態の無線LAN100は、2台の無線通信端末110,120を有している。この実施形態に係る無線LAN100では、かかる無線通信端末110,120間で通信を行う。
図2は、各無線通信端末110,120の要部構成を示すブロック図である。図2に示したように、この実施形態の無線通信端末110,120は、それぞれ、アプリケーションデータ発生部210、アプリケーションデータ処理部220、アクセス制御部230、送信部240および受信部250を備えている。
アプリケーションデータ発生部210は、アプリケーションで発生した無線送信用のデータを、アクセス制御部230に送る。
アプリケーションデータ処理部220は、無線受信されたデータをアクセス制御部230から受け取り、所定の処理を行う。
アクセス制御部230は、アプリケーションデータ発生部210から受け取ったデータを送信部240に送る処理や、受信部250から受け取ったデータをアプリケーションデータ処理部220に送る処理等を行う。アクセス制御部230の内部構成については、後述する。
送信部240は、アクセス制御部230の送信バッファ231(後述)から受け取ったデータを、無線信号に変換して、出力する。
受信部250は、無線信号を受信して電気データに変換し、アクセス制御部230の受信バッファ232(後述)に送る。加えて、受信部250は、キャリアセンス時に受信した無線電波を電気信号に変換して、アクセス制御部230のキャリアセンス部233(後述)に送る。
次に、アクセス制御部230の内部構成を説明する。図2に示したように、アクセス制御部230は、送信バッファ231、受信バッファ232、キャリアセンス部233および送信処理部232を備える。
送信バッファ231は、アプリケーション発生部210から受信した無線送信用データを一時的に格納し、送信指示信号(後述)を受信すると該無線送信用データを送信部240に送る。
受信バッファ232は、受信部250から受け取った受信データを一時的に格納するとともに、アプリケーションデータ処理部220からの要求に応じて出力する。
キャリアセンス部233は、受信部250から入力された信号の強度を検出し、この検出結果に基づいてキャリア情報を生成・出力する。例えば、この検出値が所定のしきい値を超えていた場合は、キャリア検出を示すキャリア情報(例えば信号値‘1’)を生成・出力し、且つ、該検出値が該しきい値を下回った場合は、キャリア非検出を示すキャリア情報(例えば信号値‘0’)を生成・出力する。
送信処理部234は、送信指示信号を生成して、送信バッファ231に送る。この送信処理部234は、管理データ記憶部234aと、IFS決定部234bと、送信指示生成部234cとを有する。
管理データ記憶部234aは、自端末(すなわち、この送信処理部234を収容している無線通信端末)の優先順位n、送受切り替え時間TS、再送待ち時間TR、データ受信後送信間隔TD、ACK後送信間隔TAおよび連続送信間隔TBを記憶する。
優先順位nは、この送信処理部234を収容する無線通信端末に割り当てられた送信優先順位である。この実施形態では、優先順位の決定方法は任意である。優先順位は、固定的であってもよいし、適宜変更してもよい。例えば、データフレームやACK信号等に優先順位を指定する情報を格納することにより、通信毎に優先順位を変更設定することが可能である。また、優先順位を変更する場合、高い優先順位を得る確率は、各無線通信端末で同一であってもよいし、異なっていてもよい。この実施形態では、無線通信端末は2台であるため、一方の無線通信端末を優先端末(優先順位n=1)、他方の無線通信端末を非優先端末(優先順位n=2)と記す。
送受切り替え時間TSは、無線通信端末110,120が受信状態から送信状態に切り換わるために必要な時間である。例えば、通信速度55Mbpsの無線LAN100の場合、TSは1マイクロ秒よりも十分に小さい値(例えば10ナノ秒程度)に設定することができる。
再送待ち時間TRは、ACK信号を用いた通信時に、データ送信を終了してから当該データの再送を開始するまでの時間であり、IEEE802.15.3に規定されたRIFS(Retransmission Inter-Frame Space)に相当する。周知のように、ACK信号を用いた通信(この発明の認証通信に相当する)では、データを受信した無線通信端末がACK信号を返送し、送信側の無線通信端末は一定期間内にACKが受信されないときには当該データを再送する。ACK信号を用いた通信方式としては、例えば、ストップ・アンド・ウェイト方式が知られている。通信速度55Mbpsの無線LAN100の場合、TRは例えば7マイクロ秒程度である。
データ受信後送信間隔TDは、ACK信号を用いない通信(この発明の非認証通信に相当する)において、データを受信した無線通信端末が次のデータ送信を行う場合に、該受信から該送信までに要する時間である。このデータ受信後送信間隔TDは、IEEE802.15.3のSIFSに相当する。通信速度55Mbpsの無線LAN100の場合、TDは例えば10マイクロ秒程度である。
ACK後送信間隔TAは、ACK信号を用いた通信において、無線通信端末が、ACK信号の受信から、該ACK信号の解釈を行って次のデータの送信を開始するまでの、所要時間である。このACK後送信間隔TAも、IEEE802.15.3のRIFSに相当する。通信速度55Mbpsの無線LAN100の場合、TAは例えば10マイクロ秒程度である。
連続送信間隔TBは、ACK信号を用いない通信において、連続する2回のデータ送信を同一の通信端末が行うときの送信間隔である。この連続送信間隔TBは、IEEE802.15.3のMIFS(Minimum Inter-Frame Space) に相当する。通信速度55Mbpsの無線LAN100の場合、TBは例えば2マイクロ秒程度である。
IFS決定部234b(この発明の待機時間決定部に相当する)は、管理データ記憶部234aに記憶された情報を用いて、IFS時間(この発明の待機時間に相当する)を決定する。IFSの決定方法については、後述する。
送信指示生成部234cは、外部からの送信命令を受けるとIFS決定部234bにIFSを計算させ、さらに、このIFSが経過するまでキャリアセンス部233から受け取ったキャリア情報をチェックし、キャリアが検出されなかった場合に送信指示信号を生成する。この送信指示信号は、送信バッファ231に送られる。
次に、上述のIFS決定方法について、図3〜図8を用いて、詳細に説明する。なお、図3〜図8において、優先/非優先の表示はデータ送信D2における優先(優先順位n=1)/非優先(優先順位n=2)を示している。データ送信D1,D2の優先順位は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
この実施形態では、IFSを、ACK信号を用いない場合とACK信号を用いる場合とに分けて決定する。それぞれの場合において、IFSは、直前のデータ送信を自端末が行った場合と他端末が行った場合とに分けて決定される。なお、ACK信号の使用/不使用は、上位アプリによって任意に設定することができる。
図3は、ACK信号を用いない通信において、直前のデータ送信D1が優先端末110によって行われた場合の例(すなわち、前回のデータ送信を行った通信端末と今回の優先順位が‘1’の通信端末とが同一である場合の例)である。上述のように、今回の優先順位は、管理データ記憶部234aに記憶される。また、前回のデータ送信を行った通信端末も、例えば管理データ記憶部234aに記憶することができる。
この場合、優先端末110内で送信要求が発生していれば、該優先端末110は連続する2回のデータ送信D1,D2を行うことになる(図3(A)参照)。このとき、送信間隔は、上述の連続送信間隔TBである。したがって、優先端末110のIFSも、この連続送信間隔TBに設定される。優先端末110は、このIFSの終了までキャリアが検出されなければ、データ送信D2を実行する。
優先端末110が送信を開始しないとき、非優先端末120がデータ送信D2を行うことができる(図3(B)参照)。非優先端末120の処理時間(しがたってIFS)は、優先端末110のIFS(すなわち連続送信間隔TB)と自端末120を受信状態から送信状態に切り換えるための時間(すなわち送受切り替え時間TS)との和である。
なお、無線LAN100が3台目の無線通信端末(図示せず、優先順位nを‘3’とする)を収容している場合、該無線通信端末のIFSは、非優先端末120のIFS(すなわちTB+TS)と自端末を受信状態から送信状態に切り換えるための時間(すなわち送受切り替え時間TS)との和であり、したがってTB+2・TSである。このように、図3の場合、各通信端末のIFSはTB+(n−1)・TSになる(nは、その通信装置の優先順位)。
図4は、ACK信号を用いない通信において、直前のデータ送信D1が非優先端末110によって行われた場合の例(すなわち、前回のデータ送信を行った通信端末と今回の優先順位が‘1’の通信端末とが同一で無い場合の例)である。
この場合、優先端末120内で送信要求が発生していれば、該優先端末120が該直前データD1を受信したあと、次のデータ送信D2のための処理を開始する(図4(A)参照)。このとき、データ送信D1,D2の時間間隔は、上述のデータ受信後送信間隔TDである。したがって、非優先端末110のIFSも、TDに設定される。
優先端末120が送信を開始しないときには、非優先端末110がデータ送信D2を行うことができる(図4(B)参照)。この場合、非優先端末110は、データ送信D1を行ったあとで受信状態に移行し、優先端末120がデータ送信を行わない場合は自端末110を受信状態から送信状態に再度切り換えてデータ送信D2を開始する。したがって、非優先端末110が送信処理に要する時間は、データ受信後送信間隔TDと送受切り替え時間TSとの和である。非優先端末120は、この時間TD+TSを、IFSに設定する。
なお、無線LAN100が3台目の無線通信端末(図示せず、優先順位nを‘3’とする)を収容している場合、該無線通信端末のIFSは、非優先端末110のIFS(すなわちTS+TS)と自端末を受信状態から送信状態に切り換えるための時間(すなわち送受切り替え時間TS)との和であり、したがって、TD+2・TSである。このように、図4の場合、各通信端末のIFSはTD+(n−1)・TSになる(nは、その通信端末の優先順位)。
図5は、ACK信号を用いた通信において、直前のデータ送信D1が優先端末110によって行われた場合の例である。
この場合、ACK信号の返信が非優先端末120によって行われ、優先端末110は該ACK信号を受信する。このときに、優先端末110内で送信要求が発生していれば、該優先端末110は、該ACK信号の解釈を行ったあとで直ちに次のデータ送信D2を開始することになる(図5(A)参照)。したがって、優先端末110のIFSは、ACK後送信間隔TAに設定される。
一方、優先端末110が送信を開始しないときには、非優先端末120がデータ送信D2を行うことができる(図5(B)参照)。非優先端末120は、データD1の受信後に、ACK信号を送信する。優先端末110は、ACK信号を受信しなかった場合、データ送信D1を再実行する。したがって、非優先端末120は、D1信号の送信後、再送待ち時間TRの間、受信状態で待機する。そして、データD1の再送が無ければ、自端末120を受信状態から送信状態に切り換えて(このときの切換時間はTSである)、データ送信D2を開始する。ここで、D1信号送信終了からACK信号送信終了までの時間は、TD+ACKである。したがって、非優先端末120のIFSは、TR+TS−TD−ACKである。
なお、無線LAN100が3台目の無線通信端末(図示せず、優先順位nを‘3’とする)を収容している場合、該無線通信端末は、非優先端末120のIFS(すなわちTR+TS−TD−ACK)の経過後に、自端末を受信状態から送信状態に切り換えて、データ送信を開始することになる。したがって、当該無線通信端末のIFSは、TR−TD−ACK+2・TSである。このように、図5の場合、通信端末のIFSはTR−TD−ACK+(n−1)・TSになる。
図6は、ACK信号を用いた通信において、直前のデータ送信D1が非優先端末110によって行われた場合の例である。
この場合、ACK信号の返信が優先端末120によって行われる。非優先端末110は該ACK信号を受信した場合は受信状態に移行するが、ACK信号を受信しなかった場合はデータ送信D1を再度実行する。したがって、優先端末120内で送信要求が発生している場合、該優先端末120は、該ACK信号の送信を行ったあとで受信状態に移行する。そして、再送待ち時間TRの経過時までデータ送信D1の再実行が無い場合は、受信状態から送信状態に切り換えて(切換時間はTSである)、次のデータ送信D2を開始する(図6(A)参照)。ここで、D1信号送信終了からACK信号送信終了までの時間は、TD+ACKである。したがって、ACK信号送信からデータ送信D2までの時間間隔、すなわち優先端末120のIFSは、TR+TS−TD−ACKである。
一方、優先端末120が送信を開始しないときには、非優先端末110がデータ送信D2を行うことができる(図6(B)参照)。非優先端末110は、ACK信号の受信後、優先端末120のIFS時間(すなわちTR+TS−TD−ACK)の経過後に、自端末110を受信状態から送信状態に切り換えてデータ送信D2を開始する。したがって、非優先端末110のIFSは、優先端末120のIFS(すなわちTR+TS−TD−ACK)と送受切り替え時間TSとの和、すなわちTR−TD−ACK+2・TSである。
なお、無線LAN100が3台目の無線通信端末(図示せず、優先順位nを‘3’とする)を収容している場合、該無線通信端末は、非優先端末110のIFS時間(すなわちTR−TD−ACK+2・TS)の経過後に、自端末を受信状態から送信状態に切り換えてデータ送信を開始することになる。したがって、該無線通信端末のIFSは、TR−TD−ACK+3・TSである。このように、図6の場合、無線通信端末のIFSはTR−TD−ACK+n・TSになる。
次に、無線LAN100内で信号衝突が発生したときの動作について、図7および図8を用いて説明する。
図7(A)は、無線通信端末110,120が上記の各タイミングで送信を開始しなかった後に送信を行う場合を示している。この場合、それぞれの無線通信端末は、ここでは定めない決められた時間、キャリアが存在しないことを確認した後に送信を開始する。この時間は優先端末と非優先端末とで異なってもよい。この時間の終了時間が無線通信端末110,120で一致した場合には、信号衝突が発生することになる。
図7(B)は、無線通信端末110,120の一方が先にデータ送信を終了した場合の例である。図7(B)の例では、無線通信端末110が先にデータ送信D1を終了し、その後で無線通信端末120がデータ送信D2を終了する。
無線通信端末110は、データ送信D1を終了した後で、受信状態に移行する。このとき、無線通信端末120のデータ送信D2は終了していない。これにより、無線通信端末110は、データ送信D1とデータ送信D2とが重なっていたこと、すなわち信号衝突が発生したことを知ることができる。無線通信端末110は、データ送信D2の終了を検出した後で送信状態に移行し、IFSの間キャリアを検出しなければ、データ送信D1を再実行する。無線通信端末110が再送を行う時のIFSは、データ送信D2が終了してからデータ送信D1の再送が開始されるまでの所要時間、すなわち上述の送受切り替え時間TSに設定される。
このように、無線通信端末110,120のデータ送信終了タイミングが一致しない場合は、優先/非優先に拘わらず、先にデータ送信を終了した無線通信端末が信号衝突を検出することが可能である。
図8は、無線通信端末110,120の少なくとも一方がACK信号を用いた通信を行っている場合であって、該無線通信端末110,120が同時にデータ送信を終了した場合の例である。
図8(A)は、優先端末110がACK信号を待つ場合の動作を示す概念図である。優先端末110は、データ送信D1を終了した後で、ACK信号の監視を開始する。このとき、非優先端末120は、信号衝突により正常受信していないので、ACK信号を返信しない。この結果、優先端末110は、キャリアが検出されないままIFSが経過したときに、データ送信D1の再送を行う。優先端末110が再送を行う時のIFSは、ACK信号を用いた通信時にデータ送信を終了してから当該データの再送を開始するまでの所要時間、すなわち上述の再送待ち時間TRに設定される。
図8(B)は、非優先端末120がACK信号を待つ場合の動作を示す概念図である。非優先端末120は、データ送信D2を終了した後で、ACK信号の監視を開始する。非優先端末120の場合は、上述の図8(A)の場合と異なり、ACK信号の監視開始とともに、一旦受信状態に移行する。このとき、優先端末110は、信号衝突により正常受信していないので、ACK信号を返信しない。この結果、非優先端末120は、キャリアが検出されないままIFSが経過したときに、再び送信状態に移行して、データ送信D2を再実行する。非優先端末120が再送を行う時のIFSは、上述のTRに送受切り替え時間TSを加えた値、すなわちTR+TSに設定される。
なお、無線通信端末110,120の両方ともACK信号を用いない通信を行っている場合であって、該無線通信端末110,120が同時にデータ送信を終了した場合は、データの再送を行わずに、次のデータ通信に移行する。IEEE802.11では、ACK信号を用いない場合は、MAC(Media Access Control)レベルのエラー検出を要求しておらず、このためデータの再送は必須ではないからである。
以上説明したように、この実施形態では、無線通信端末に優先順位を設定し、さらに、自端末に設定された優先順位および前回のデータ送信を行った無線通信端末の今回の優先順位に応じてIFSを設定することとした。換言すれば、この実施形態では、従来のようにデータ送信時のIFSをDIFSに固定するのではなく、優先順位および前回のデータ送信に応じて変更することとした。これにより、この実施形態によれば、各状態において必要な最低限の処理時間をIFSに設定することができるので、送信間隔を短くすることができ、したがって、無線LAN100のスループットを実質的に向上させることができる。
さらに、この実施形態では、バックオフ制御を行わなくても(すなわち、IFS後にバックオフ時間分の待機を行わなくても)、十分な精度で信号衝突の防止を図ることができ、この点でも、送信間隔を短くすることによるスループット向上を図ることができる。
<第2の実施形態>
この発明の第2の実施形態について、この発明に係る通信ネットワークを無線LANに適用した場合を例に採り、図9〜図17を用いて説明する。この実施形態は、無線LANが1台の制御局と2台の通信端末とを収容する場合の例である。
図9は、この実施形態に係る無線LANの構成を示す概念図である。図9に示したように、この実施形態の無線LAN900は、1台の制御局910と2台の無線通信端末920,930とを有している。この実施形態に係る無線LAN900では、制御局910−無線通信端末920間の通信および制御局910−無線通信端末930間の通信を行う。以下、制御局910から無線通信端末920,930への送信を下り通信と称し、無線通信端末920,930から制御局910への送信を上り通信と称する。
無線通信端末920,930の間には、遮蔽物940が存在している。このため、無線通信端末920,930は、互いの上り通信をキャリアセンスできない。一方、無線通信端末920,930に対する下り通信は、制御局910からの送信であるため、互いにキャリアセンスできる。
無線通信端末920,930には、優先順位が設定される。この実施形態では、優先順位の決定方法は任意である。優先順位は、固定的であってもよいし、適宜変更してもよい。例えば、データフレームやACK信号等に優先順位を指定する情報を格納することにより、通信毎に優先順位を変更設定することも可能である。また、優先順位を変更する場合、高い優先順位を得る確率は、各無線通信端末で同一であってもよいし、異なっていてもよい。この実施形態では、無線通信端末は2台であるため、一方の無線通信端末を優先端末(優先順位n=1)、他方の無線通信端末を非優先端末(優先順位n=2)と記す。
制御局910および無線通信端末920,930の内部構成は、第1の実施形態に係る無線通信端末110,120(図2参照)と同様である。但し、IFS決定部234bは、以下のようなIFS決定処理を行う。
図10は、ACK信号を用いない場合において、制御局910がデータ送信D1を行う場合である。
図10(A)の例は、制御局910が優先端末920への下りデータ送信D1を行ったあと、さらに下りデータ送信D2を行う場合である。第1の実施形態と同様(図3(A)参照)、同じ通信装置が連続する2回のデータ送信D1,D2を行う場合、制御局910のIFSはTBに設定される。
制御局910は、連続送信を行わない場合、データ送信D1から所定時間経過後に、POLLフレームを送信する(図10(B)参照)。POLLフレームは、無線通信端末920,930に送信要求の有無を問い合わせる制御フレームである。優先端末920は、内部で送信要求が発生している場合、POLLフレームに応答してRTS(Request To Send) フレームを返信する。ここで、POLLフレームには、送信要求の有る無線通信端末がRTSフレームを返送するための待機時間が含まれている。したがって、送信要求が有る無線通信端末は、POLLフレームの受信終了後、データ受信後送信間隔TDの経過後に、RTSフレームを返送することができる。すなわち、優先端末920のIFSは、TDに設定される。続いて、制御局910が、RTSフレームに応答して、優先端末920にCTS(Clear To Send) フレームを返信する。これにより、優先端末920によるデータ送信D2が実行される。通信速度55Mbpsの無線LAN900の場合、POLLフレーム長は例えば2マイクロ秒程度、RTSフレーム長は例えば2マイクロ秒、CTSは2マイクロ秒程度である。
優先端末920がRTSフレームを返信しない場合、非優先端末930がRTSフレームを送信することができる(図10(C)参照)。非優先端末930は、送信要求が発生している場合、TD+RTS+CTSの間はキャリアセンスを行う。非優先端末930は、遮蔽物940(図9参照)のために、優先端末920が送信するRTSフレームを直接検出することはできないが、制御局910が送信するCTSフレームによって、優先端末920がRTSフレームを送信しなかったことを検出できる。該CTSフレームのキャリアが検出されなかった場合、非優先端末930は、RTSフレームを送信する。したがって、非優先端末930のIFSは、TD+RTS+CTSである。
なお、無線LAN900が3台目の無線通信端末(図示せず、優先順位nを‘3’とする)を収容している場合、該無線通信端末は、非優先端末930のIFS(すなわちTD+RTS+CTS)にさらにRTS+CTSを加えた時間が経過するまでキャリアセンスを行い、キャリアが検出されなかった場合にRTSフレームを送信することになる。すなわち、該無線通信端末のIFSは、TD+2・(RTS+CTS)である。このように、図10の場合、通信端末のIFSはTD+(n−1)・(RTS+CTS)になる。
図11は、ACK信号を用いない場合において、優先端末920がデータ送信D1を行う場合の例である。
図11(A)の例は、優先端末920が制御局910への上りデータ送信D1を行ったあと、制御局910が下りデータ送信D2を行う場合である。第1の実施形態と同様、制御局910は、D1を受信してから送信状態に切り換えるので、データ送信D1,D2の送信間隔(したがってIFS)はTDになる。
制御局910は、データ送信D2を行わない場合には、D1の受信から所定時間経過後にPOLLフレームを送信する(図11(B)参照)。優先端末920は、内部で送信要求が発生している場合、POLLフレーム受信後にRTSフレームを返信する。上述のように、POLLフレームには送信要求の有る無線通信端末がRTSフレームを返送するための待機時間が含まれているので、優先端末920はPOLLフレームの受信後、データ受信後送信間隔TDだけ待機して、RTSフレームを返送する。すなわち、優先端末920のIFSはTDである。その後、制御局910が、RTSフレームを受信して、優先端末920にCTSフレームを返信し、優先端末920によるデータ送信D2が実行される。
優先端末920がRTSフレームを返信しない場合、非優先端末930がRTSを送信することができる(図11(C)参照)。非優先端末930は、送信要求が発生している場合に、TD+RTS+CTSの間、キャリアセンスを行う。非優先端末930は、遮蔽物940(図9参照)のために、優先端末920が送信するRTSフレームを直接検出することはできないが、制御局910が送信するCTSフレームによって、優先端末920がRTSフレームを送信しなかったことを検出できる。該CTSフレームのキャリアが検出されなかった場合、非優先端末930は、RTSフレームを送信する。したがって、非優先端末930のIFSは、TD+RTS+CTSである。
なお、無線LAN900が3台目の無線通信端末(図示せず、優先順位nを‘3’とする)を収容している場合、該無線通信端末のIFSは、非優先端末930のIFSにRTS+CTSを加えた値、すなわちTD+2・(RTS+CTS)に設定される。このように、図11の場合、通信端末のIFSはTD+(n−1)・(RTS+CTS)になる。
図12は、ACK信号を用いる場合において、制御局910がデータ送信D1を行う場合である。
図12(A)の例は、制御局910から優先端末920へ、下りデータ送信D1を行ったあと、さらに下りデータ送信D2を行う場合である。第1の実施形態と同様(図5(A)参照)、ACK信号を用いた通信において、同じ通信装置が連続する2回のデータ送信D1,D2を行う場合、制御局910のIFSはTAになる。
制御局910は、連続送信を行わない場合、ACK信号の返送から所定時間経過後に、POLLフレームを送信する(図12(B)参照)。優先端末920は、内部で送信要求が発生している場合、POLLフレーム受信後にRTSフレームを返信する。優先端末920がPOLLフレームを受信してからRTSフレームを送信するまでの時間間隔すなわちIFSは、データ受信後送信間隔TDに一致する。その後、制御局910が、RTSフレームを受信して、優先端末920にCTSフレームを返信し、優先端末920によるデータ送信D2が実行される。
優先端末920がRTSフレームを返信しない場合、非優先端末930がRTSを送信することができる(図12(C)参照)。非優先端末930は、遮蔽物940(図9参照)のために、優先端末920が送信するRTSフレームを直接検出することはできないが、制御局910が送信するCTSフレームによって、優先端末920がRTSフレームを送信しなかったことを検出できる。該CTSフレームのキャリアが検出されなかった場合、非優先端末930は、RTSフレームを送信する。したがって、非優先端末930のIFSは、優先端末920のTD+RTS+CTSになる。
なお、無線LAN900が3台目の無線通信端末(図示せず、優先順位nを‘3’とする)を収容している場合、該無線通信端末のIFSは、非優先端末930のIFSすなわちTD+RTS+CTSに、RTS+CTSを加えた値である。このように、図12の場合、通信端末のIFSはTD+(n−1)・(RTS+CTS)になる。
図13は、ACK信号を用いる場合において、優先端末920が上りデータ送信D1を行う場合の例である。
図13(A)は、優先端末920が制御局910への上りデータ送信D1を行ったあと、制御局910が下りデータ送信D2を行う場合である。第1の実施形態と同様(図6(A)参照)、優先端末920は、ACK信号を受信した場合は受信状態に移行するが、ACK信号を受信しなかった場合はデータ送信D1を再度実行する。したがって、制御局910内で送信要求が発生している場合、該制御局910は、該ACK信号の送信を行ったあとで受信状態に移行し、再送待ち時間TRの間、データ送信D1の再実行があるか否かをチェックする必要がある。そして、データ送信D1の再実行が無い場合は、受信状態から送信状態に移行して、下りデータ送信D2を開始する。したがって、ACK信号送信終了からデータ送信D2までの時間間隔、すなわち制御局910のIFSは、TR+TS−TD−ACKになる。
制御局910は、データ送信D2を行わない場合には、D1の受信から所定時間経過後にPOLLフレームを送信する(図13(B)参照)。この例では、制御局910は、ACK信号をPOLLフレームに格納して、送信する。優先端末920は、内部で送信要求が発生している場合、POLLフレーム受信後にRTSフレームを返信する。上述のように、POLLフレームには送信要求の有る無線通信端末がRTSフレームを返送するための待機時間が含まれているので、優先端末920はPOLLフレームの受信後直ちにRTSフレームを返送することができ、したがって、優先端末920がPOLLフレームを受信してからRTSフレームを送信するまでの時間間隔はデータ受信後送信間隔TDに一致する。その後、制御局910が、RTSフレームを受信して、優先端末920にCTSフレームを返信し、優先端末920によるデータ送信D2が実行される。したがって、優先端末920のIFSはTDに設定することができる。なお、ACK信号をPOLLフレームに格納できるのは、データ送信D1が異常であっても再送を行わない場合のみであり、異常発生時にデータ送信D1を再実行する場合にはACK信号とPOLLフレームとが個別に送信される。
優先端末920がRTSフレームを返信しない場合、非優先端末930がRTSを送信することができる(図13(C)参照)。非優先端末930のIFSは、優先端末920のIFS(すなわち、TD)にRTS+CTSを加えた値、すなわちTD+RTS+CTSである。
なお、無線LAN900が3台目の無線通信端末(図示せず、優先順位nを‘3’とする)を収容している場合、該無線通信端末のIFSは非優先端末930のIFSすなわちTD+RTS+CTSとRTS+CTSとの和であり、したがってTD+2・(RTS+CTS)。このように、図13の場合、通信端末のIFSはTD+(n−1)・(RTS+CTS)になる。
図14は、POLLフレームを用いない場合の例である。
図14(A)は、ACK信号を用いない場合であり、制御局910から優先端末920へのデータ送信D1が終了した直後に、優先端末920から制御局910にRTSフレームが送信され、その直後に制御局910から優先端末920にCTSフレームが送信され、さらにその直後に優先端末920から制御局910にデータ送信D2が行われる。
図14(B)は、ACK信号を用いる場合の例であり、上述のRTSフレームにACK信号が格納されている点が、図14(A)と異なる。
図15は、POLLフレームに対する応答期間中にすべての無線通信装置910,920,930において送信要求が発生せず、当該応答期間の経過後に制御局910内で送信要求が発生した場合の例である。
図15(A)に示したように、制御局910は、RTSフレームを送信した後、下りデータ送信D1を行う。データ送信D1時のIFSは、連続送信間隔TBである。
図15(A)の例では、制御局910のRTSフレーム送信と前後して、無線通信端末920,930の少なくとも一方もRTSフレームを送信する可能性が考えられる。この場合、制御局910から送信されたRTSフレームと、無線通信端末920,930から送信されたRTSフレームとが、衝突するおそれがある。ここで、無線通信端末920,930は、RTSフレームを送信しても、CTSフレームを受信するまではデータ送信を開始しない。したがって、無線通信端末920,930に、非CTSフレームを受信させることにより、制御局910の送信データと無線通信端末920,930の送信データとの衝突を防止することができる。図15(B)の例では、制御局910のRTSフレーム長を、無線通信端末920,930のRTSフレーム長よりも長く設定している。これらRTSフレーム長の差は、上述の送受切り替え時間TS以上であればよい。例えば、制御局910のRTSフレーム長を3マイクロ秒程度、無線通信端末920,930のRTSフレーム長を2マイクロ秒程度に設定することができる。これにより、制御局910から送信されたRTSフレームの一部が無線通信端末920,930に受信され、該無線通信端末920,930によるデータ送信の開始が防止される。
図16は、POLLフレームに対する応答期間中にすべての無線通信装置910,920,930において送信要求が発生せず、当該応答期間の経過後に無線通信端末920,930の少なくとも一方で送信要求が発生した場合の例である。
図16(A)は、POLLフレームに対する応答期間の経過後に、無線通信端末920,930内の一方のみ(ここでは無線通信端末920内のみ)で送信要求が発生した場合である。この場合、無線通信端末920のみが、RTSフレームを送信する。制御局910は、該応答期間の経過後にRTSフレームを正常受信した場合、複数個(図16(B)の例では2個)のCTSフレームを連続的に送信する。無線通信端末920は、CTSフレームを受信すると、データ送信D1を行う。
図16(B)は、POLLフレームに対する応答期間の経過後に、無線通信端末920,930内の両方で送信要求が発生した場合である。図16(B)の例では、無線通信端末920がRTSフレームの送信を終了してから制御局910がCTSフレームの送信を開始するまでの間に、無線通信端末930によるRTSフレームの送信が開始されている。このような場合、制御局910のCTSフレームと無線通信端末930のRTSフレームとが衝突するおそれがある。これに対して、この実施形態では、CTSフレームを2個送信するので、少なくとも一方は正常受信され、無線通信端末920はデータ送信D1を開始することができる。このようなCTSフレーム・RTSフレーム間の衝突を完全に防止するためには、CTSフレームの連続送信数を無線通信端末と同数にすればよい。
また、図16(C)は、無線通信端末920,930がほぼ同時にRTSフレームを送信した場合の例である。上述のように、無線通信端末920,930間に遮蔽物940が存在するため、該無線通信端末920,930は互いの上り通信をキャリアセンスで検出することができない。したがって、無線通信端末920,930がほぼ同時にRTSフレームを送信して、これらのRTSフレームが衝突する可能性がある。この場合、制御局910は、例えばRSSI(Received Signal Strength Indicator)を用いた信号強度検出等によりRTSフレームが送信されていると判断すると、POLLフレームを送信する。無線通信端末920,930は、このPOLLフレームを正常受信すると、上述の手順(図10、図11等参照)により、データ送信を開始する。一方、無線通信端末920,930がPOLLフレームを正常受信できなかった場合は、図16(A)の状態に戻る。
図17は、図10(C)で説明した手順の変形例、すなわち制御局910がPOLLフレームを送信した後で非優先端末930がデータ送信を行う場合の変形例である。
上述の図10(C)では、非優先端末930は、優先端末920のIFS(すなわち、TD+RTS+CTS)の間は待機し、この待機期間中にキャリアが検出されなかった場合に該優先端末920に送信要求が無いと判断して、RTSフレームを送信した。
これに対して、図17(A)の例では、非優先端末930が、優先端末920に対するCTSフレームが制御局910から送信されないと判明した時点で、該優先端末920に送信要求が無いと判断して、RTSフレームを送信する。すなわち、優先端末920によるRTSフレーム送信の終了からTD+(TS+TD)の間キャリアが検出されない場合に、非優先端末930がRTSフレームを送信する。同様に、3台目以降の通信端末が存在する場合は、TD+(n−1)・(TS+TD)をIFSとすればよい。これにより、信号衝突を招くことなく、IFSを短縮することができる。図11(C)、図12(C)、図13(C)も同様である。
また、図17(B)の例では、非優先端末930は、優先端末920によるRTSフレーム送信の終了から所定時間が経過した時点で、RTSフレームを送信することとする。優先端末920のRTSフレーム送信開始タイミングと、非優先端末930のRTSフレーム送信開始タイミングとを、該RTSフレーム長よりも長く設定しておけば、無線通信端末920,930間に障害物940が有っても(図9参照)、これらRTSフレームの衝突は防止できる。その後、制御局910は、優先端末920に対してCTSフレームを返信する。3台目以降の通信端末が存在する場合も同様であり、各通信端末のIFSを(n−1)・(RTSフレーム長+所定時間)とすればよい。図11(C)、図12(C)、図13(C)も同様である。
以上説明したように、この実施形態でも、上述の第1の実施形態と同様、無線通信端末に優先順位を設定し、さらに、各無線通信端末に設定された優先順位および前回のデータ送信を行った無線通信端末に応じてIFSを設定することとしたので、送信間隔を短くして、無線LAN900のスループットを向上させることができる。
第1の実施形態に係る通信ネットワークの構成を示す概念図である。 実施形態に係る通信端末の要部構成を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る通信ネットワークの動作を説明するための概念図である。 第1の実施形態に係る通信ネットワークの動作を説明するための概念図である。 第1の実施形態に係る通信ネットワークの動作を説明するための概念図である。 第1の実施形態に係る通信ネットワークの動作を説明するための概念図である。 第1の実施形態に係る通信ネットワークの動作を説明するための概念図である。 第1の実施形態に係る通信ネットワークの動作を説明するための概念図である。 第2の実施形態に係る通信ネットワークの構成を示す概念図である。 第2の実施形態に係る通信ネットワークの動作を説明するための概念図である。 第2の実施形態に係る通信ネットワークの動作を説明するための概念図である。 第2の実施形態に係る通信ネットワークの動作を説明するための概念図である。 第2の実施形態に係る通信ネットワークの動作を説明するための概念図である。 第2の実施形態に係る通信ネットワークの動作を説明するための概念図である。 第2の実施形態に係る通信ネットワークの動作を説明するための概念図である。 第2の実施形態に係る通信ネットワークの動作を説明するための概念図である。 第2の実施形態に係る通信ネットワークの動作を説明するための概念図である。
符号の説明
100,900 無線LAN
110,120,920,930 無線通信端末
910 制御局
940 遮蔽物

Claims (9)

  1. キャリアセンスを行うキャリアセンス部と、通信を開始するまでの待機時間を決定する送信処理部と、前記待機時間中にキャリアが検出されなかった場合に送信を開始する送信部とを有する、複数台の通信端末を収容する通信ネットワークであって、
    前記送信処理部が、
    当該送信処理部を収容している装置である自装置の優先順位nと、連続する2回のデータ送信を同一の通信端末が行うときの送信間隔TBと、送信データを受信した前記通信端末が直後のデータ送信を行う際の所要時間TDと、前記通信端末が受信状態から送信状態に移行するための所要時間TSとを記憶する管理データ記憶部と、
    非認証通信時に、前記複数台の通信端末から、前回のデータ送信を行った該通信端末と今回の優先順位が‘1’の通信端末とを特定し、これらの通信端末が同一であるときは前記自装置の前記待機時間をTB+(n−1)・TSとし、且つ、これらの通信端末が同一で無いときは該自装置の前記待機時間をTD+(n−1)・TSとする待機時間決定部と、
    を有することを特徴とする通信ネットワーク。
  2. 前記管理データ記憶部が、ACK信号を受信してから送信状態に移行するための所要時間TAと、データ送信の終了から前記ACK信号が受信されないと判断してデータ再送を開始するまでの所要時間TRと前記ACK信号の時間的長さACKとをさらに記憶し、
    前記待機時間決定部が、前記自装置が前回のデータ送信を行い且つ前記自装置の今回の優先順位nが‘1’であるときは前記自装置の前記待機時間をTAとし、他装置が前回のデータ送信を行い且つ前記自装置の今回の優先順位nが‘2’以上であるときは前記自装置の前記待機時間をTR−TD−ACK+(n−1)・TSとし、且つ、前回のデータ送信を行った前記通信端末の今回の優先順位nが‘2’以上であるときは前記自装置の前記待機時間をTR−TD−ACK+n・TSとする、
    ことを特徴とする請求項1に記載の通信ネットワーク。
  3. 前記通信端末と通信を行う制御局をさらに有し、
    前記非認証通信時または前記認証通信時に、前記通信端末が該制御局からPOLL信号を受信してからRTS信号を送信するまでの待機時間が、TD+(n−1)・(RTS+CTS)である、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の通信ネットワーク。
  4. いずれかの前記通信端末が、前記自装置内で送信要求が発生している状態で他の前記通信端末からデータを受信したときに、前記ACK信号に前記RTS信号を格納して送信することを特徴とする請求項2または3に記載の通信ネットワーク。
  5. 前記制御局が、前記POLL信号に対する応答期間経過後に他の前記通信端末から前記RTS信号を受信したときに、該RTS信号に対応するCTSを複数個連続的に送信することを特徴とする請求項3に記載の通信ネットワーク。
  6. 前記制御局が、複数の前記RTS信号の衝突を検出したときに、前記POLL信号を送信することを特徴とする請求項3に記載の通信ネットワーク。
  7. 前記通信端末と通信を行う制御局をさらに有し、
    前記非認証通信時または前記認証通信時に、前記通信端末が該制御局からPOLL信号を受信してからRTS信号を送信するまでの待機時間が、TD+(n−1)・(TS+TD)である、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の通信ネットワーク。
  8. 前記通信端末と通信を行う制御局をさらに有し、
    前記非認証通信時または前記認証通信時に、前記通信端末が該制御局からPOLL信号を受信してからRTS信号を送信するまでの待機時間が、(n−1)・(RTS信号の時間的長さ+所定時間)である、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の通信ネットワーク。
  9. 前記通信端末または前記制御局が、送信を実行する際に次回の通信における前記送信優先順位をすべての前記通信端末について決定して、該送信の通信フレームに格納することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の通信ネットワーク。
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