JP2009003871A - 安全管理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】安全管理の対象者の行動に関する情報を低コストに取得する。
【解決手段】児童安全管理システム100は、携帯基地局1、携帯端末2、管理サーバ3、タグ4及びタグリーダ5を含む。携帯端末2は、登下校する児童に携行させることによって、安全確認のための情報(個人ID、出発地点と目的地点の箇所ID、歩数など)を取得、収集し、管理サーバ3に送信する。タグリーダ5は、通学路上の児童が通過する箇所に設置され、携帯端末2がタグリーダ5から所定の距離内にある場合には、携帯端末2から個人IDを取得し、箇所IDとともに管理サーバ3に送信する。管理サーバ3は、携帯基地局1及びネットワーク6を介して携帯端末2及びタグリーダ5から情報を受信し、出発時刻からの経過時間や出発地点からの移動距離の許容範囲のデータに基づいて、児童の状況が異常と判定した場合には、その旨を父兄の携帯電話などに通知する。
【選択図】図1

Description

本発明は、歩数を利用して対象者の安全管理を行う安全管理システムに関する。
児童の登下校を見守る方式として無線タグを利用するものがある。例えば、児童が無線タグを携行し、通学路上に設置されたタグ読み取り器により無線タグに記憶されたタグIDを読み取り、当該無線タグを携行する児童の通過箇所や通過時刻を検出し、管理することにより、登下校中の児童の安否を確認する方法がある。なお、特許文献1には、児童の行動予定データ及び登校開始時刻から登校完了予想時刻を計算し、登校完了予想時刻を超えて所定時間が経過しても当該児童の登校完了時刻を受信しない場合に、緊急通知を行うシステムが開示されている。
特開2005−182468号公報
ところで、父兄からの要望として、児童の登下校に関する情報には、児童の位置情報を確認すること以外に、児童からの緊急連絡が保護者や学校に確実に伝達されることや、児童の学校などへの入退出時刻が把握できることなどがある。しかしながら、従来の方式では、児童からの緊急連絡を受けたい場合や、児童の入退出時刻を知りたい場合であっても、通学路上に固定されている自動販売機や電柱などにタグ読み取り器を設置するのが一般的であり、十分なエリアをカバーするためには、設置台数が多くなり、コストがかかる。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、児童の登下校に関する情報など、安全管理の対象者の行動に関する情報を低コストに取得することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、安全管理システムであって、歩数計機能を有し、安全管理の対象者に携行させることによって、出発地点からの当該対象者の歩数を所定の時間ごとに取得し、前記歩数及び時刻を送信する携帯端末と、出発時刻からの経過時間に応じた出発地点からの移動距離の許容範囲を示す範囲データ及び前記対象者の歩幅を記憶する記憶部と、前記携帯端末から前記歩数及び前記時刻を受信する通信部と、前記対象者が前記出発地点を発った時刻を出発時刻として予め前記記憶部に記憶し、前記通信部が受信した前記歩数及び前記時刻を取得して前記記憶部に記憶し、前記時刻から前記出発時刻を減算した結果である経過時間及び前記歩幅及び前記歩数を積算した結果である移動距離が前記範囲データの示す前記許容範囲に含まれるか否かを判定し、当該経過時間及び当該移動距離が前記許容範囲に含まれない場合に、前記対象者の状況が異常である旨を出力する処理部と、を備えるサーバと、を含んで構成されることを特徴とする。
この構成によれば、安全管理システムにおいて、歩数計機能を有する携帯端末を用いて、出発時刻からの経過時間及び出発地点からの移動距離が許容範囲内か否かを判定することによって、安全管理の対象者の状況が異常か否かを知ることができる。これによれば、必ずしも対象者の通過箇所にタグリーダなどの装置を設置しなくても、対象者の状況が分かる安価な安全管理システムを提供することができる。
また、本発明は、安全管理システムであって、前記範囲データが、前記処理部が前記歩幅及び前記歩数を積算した結果である移動距離を前記所定の時間で除算した結果である移動速度のうち、平均値、最大値及び最小値、並びに出発地点から目的地点までの距離に基づいて設定されることを特徴とする。
この構成によれば、対象者の歩行実績に従って範囲データが設定されるので、実効性のある評価を行うことができる。
また、本発明は、安全管理システムであって、前記携帯端末が、当該対象者に固有の個人IDを記憶するタグをさらに備え、前記対象者が通過する箇所に設置されるとともに、前記携帯端末が所定の距離内にある場合に、前記個人IDを取得し、当該個人ID及び通過する箇所に固有の箇所IDを前記サーバに送信するタグリーダをさらに備え、前記記憶部が、前記個人ID及び前記箇所IDごとに、前記出発地点から当該通過箇所までの標準距離をさらに記憶し、前記処理部が、前記タグリーダから前記通信部が受信した前記個人ID及び前記箇所IDによって前記標準距離を特定し、前記歩幅及び前記歩数を積算した結果である移動距離が前記標準距離より小さい場合に、前記対象者の状況が異常である旨を出力することを特徴とする。
この構成によれば、タグリーダによる通過箇所及び携帯端末の情報と、歩数によって求められる移動距離との両方に基づいて、対象者の状況が異常か否かを判定する。これによれば、2種類の情報を用いることによって対象者の状況をさらに正確に把握することができる。
また、本発明は、安全管理システムであって、前記携帯端末が、タグが所定の距離内にある場合に、そのタグから情報を取得するタグリーダ及び前記対象者に固有の個人IDを記憶するメモリをさらに備え、前記対象者が通過する箇所に設置されるとともに、その通過する箇所に固有の箇所IDを記憶するタグをさらに備え、前記記憶部が、前記個人ID及び前記箇所IDごとに、前記出発地点から当該通過箇所までの標準距離をさらに記憶し、前記携帯端末が、前記対象者が通過する箇所に設置された前記タグから前記タグリーダにより前記箇所IDを取得し、当該箇所ID及び前記メモリに記憶された前記個人IDを前記サーバに送信し、前記処理部が、前記携帯端末から前記通信部が受信した前記箇所ID及び前記個人IDによって前記標準距離を特定し、前記歩幅及び前記歩数を積算した結果である移動距離が前記標準距離より小さい場合に、前記対象者の状況が異常である旨を出力することを特徴とする。
この構成によれば、タグリーダによる通過箇所及び携帯端末の情報と、歩数によって求められる移動距離との両方に基づいて、対象者の状況が異常か否かを判定する。これによれば、2種類の情報を用いることによって対象者の状況をさらに正確に把握することができる。
また、本発明は、安全管理システムであって、前記携帯端末が、タグが所定の距離内にある場合に、そのタグから情報を取得するタグリーダをさらに備え、前記携帯端末が、前記タグリーダが他の携帯端末のタグから取得した他個人IDを当該個人IDとともに前記サーバに送信し、前記処理部が、前記通信部が前記個人ID及び前記他個人IDを受信した場合に、前記対象者が他の対象者に合流した旨を出力することを特徴とする。
この構成によれば、2人以上の対象者が一緒にいる場合に、とりあえず安心であることを関係者に通知することができる。
その他、本願が開示する課題及びその解決方法は、発明を実施するための最良の形態の欄、及び図面により明らかにされる。
本発明によれば、安全管理の対象者の行動に関する情報を低コストに取得することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態を説明する。本発明の一実施形態に係る児童安全管理システム(安全管理システム)は、登下校における児童の安全に関する情報を提供するものであり、自宅と、学校との間の通学路に沿って設置され、児童の通過を検出するタグリーダの台数を減らしてコストを低減する代わりに、児童に歩数計機能付きの携帯端末を持たせることによって、歩数を利用した児童の安全確認を可能とし、隣接するタグリーダ間における児童の監視機能を補完するものである。また、歩数を利用した児童の安全確認だけであっても、なるべくわが子の状況を知りたい父兄にとっては有効である。
≪システムの構成と概要≫
図1は、児童安全管理システムの構成を示す図である。児童安全管理システム100は、携帯電話基地局(以下の記載及び図面において、携帯基地局という)1、携帯端末2、管理サーバ3、タグ4及びタグリーダ5を含んで構成される。携帯基地局1及び管理サーバ3は、ネットワーク6を介して通信可能である。携帯基地局1・携帯端末2間、携帯基地局1・タグリーダ5間、携帯端末2・タグ4間、携帯端末2・タグリーダ5間及び携帯端末2間は、無線により通信可能になっている。
携帯基地局1は、携帯電話の基地局であり、携帯端末2及びネットワーク6の間の通信並びにタグリーダ5及びネットワーク6の間の通信を中継する。携帯端末2は、登下校する児童に携行させることによって、その児童の動作を監視し、安全確認を行うための情報(個人ID、箇所ID、歩数など)を取得、収集し、携帯基地局1及びネットワーク6経由で管理サーバ3に送信する。また、通過箇所のタグリーダ5には、個人IDを提供する。さらに、携帯端末2同士が所定の距離内にある場合には、個人IDを提供し合う。携帯端末2は、歩数計機能やタグリーダを備えた携帯電話などによって実現される。「歩数計」が搭載された携帯電話機については、特開2006−217392号公報に記載された非特許文献5(「らくらくホンIII」のホームページ)に開示されている。なお、携帯端末2の詳細な構成は、後記する。
管理サーバ3は、携帯基地局1及びネットワーク6を介して携帯端末2及びタグリーダ5から児童の安否を判定するための情報を受信し、その情報に基づいて安全ではないと判定した場合には、その旨を父兄の携帯電話などに通知する。管理サーバ3は、サーバ用コンピュータによって実現される。なお、管理サーバ3の詳細は、後記する。
タグ4は、自宅や学校などに設置され、児童の登下校の出発地又は目的地を示す箇所IDを記憶する。そして、携帯端末2がタグ4から所定の距離内にある場合には、当該箇所IDを携帯端末2に提供する。タグリーダ5は、通学路上の児童が通過する箇所に設置され、携帯端末2がタグリーダ5から所定の距離内にある場合には、携帯端末2から通過情報を取得し、管理サーバ3に送信する。ネットワーク6は、携帯基地局1と、管理サーバ3との間を通信可能にする通信網であり、光回線などによって実現される。
図2は、携帯端末の構成を示す図である。携帯端末2は、無線通信部21、歩数計22、タグリーダ23、処理部24、記憶部(メモリ)25及びタグ26を備える。無線通信部21は、児童の安全管理に必要な情報を携帯基地局1及びネットワーク6を介して管理サーバ3に送信するものであり、アンテナや送受信回路などによって実現される。歩数計22は、児童が携帯端末2を携行して歩行することによって、当該児童の歩数を測定するものである。タグリーダ23は、無線通信により、自宅や学校に設置されたタグ4及び他の携帯端末2のタグ26からID(箇所ID又は個人ID)を読み取るものである。処理部24は、携帯端末2全体を制御する機能を有し、CPU(Central Processing Unit)が所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。記憶部25は、携帯端末2全体の制御に必要な情報を格納するものであり、処理部24からデータを記憶したり、記憶したデータを読み出したりするフラッシュメモリやハードディスク装置などの不揮発性記憶装置によって実現される。タグ26は、携帯端末2を携行する児童に固有の個人IDを記憶するタグである。
図3は、管理サーバの構成を示す図である。管理サーバ3は、通信部31、入力部32、表示部33、処理部34及び記憶部35を備える。通信部31は、ネットワーク6を介して携帯基地局1から情報を受信するものであり、NIC(Network Interface Card)などによって実現される。入力部32は、オペレータが管理サーバ3にデータを入力するためのものであり、キーボードやマウスなどによって実現される。表示部33は、必要なデータを表示するためのものであり、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)などによって実現される。処理部34は、管理サーバ3全体を制御する機能を有し、CPUが所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。記憶部35は、管理サーバ3全体の制御に必要な情報を格納するものであり、処理部34からデータを記憶したり、記憶したデータを読み出したりするフラッシュメモリやハードディスク装置などの不揮発性記憶装置によって実現される。
≪データの構成≫
図4は、携帯端末の記憶部に記憶されるデータの構成を示す図である。記憶部25は、携帯端末2が検出した検出データ250を記憶する。検出データ250は、個人ID251、歩数252、出発地点の箇所ID253、出発時刻254、他児童個人ID255、目的地点の箇所ID256及び到着時刻257を含むレコードからなる。
個人ID251は、携帯端末2を携行する児童に固有のIDであり、携帯端末2から送信される情報に識別子として付加される。歩数252は、歩数計22が測定する児童の出発地点からの歩数を随時反映したものである。出発地点の箇所ID253は、携帯端末2のタグリーダ23が自宅などの出発地点に設置されたタグ4から取得したIDである。出発時刻254は、出発地点の箇所ID253を取得した時刻であり、児童が自宅などを出発した時刻を示す。
他児童個人ID255は、携帯端末2のタグリーダ23が他の携帯端末2のタグ26から取得した個人IDであり、他の携帯端末2が付近にない場合には無効になる。目的地点の箇所ID256は、タグリーダ23が学校などの目的地点に設置されたタグ4から取得したIDである。到着時刻257は、目的地点の箇所ID256を取得した時刻であり、児童が学校などに到着した時刻を示す。
図5は、管理サーバの記憶部に記憶されるデータの構成を示す図である。記憶部35は、児童の安全管理に必要な個人データ350を記憶する。個人データ350は、個人ID351、通過箇所の距離352、歩幅353、歩数354、標準所要時間355、出発地点の箇所ID356、目的地点の箇所ID357、最大移動速度358、最小移動速度359、平均移動速度360、出発時刻361、到着時刻362、連絡先情報363、通過箇所ID36A1、通過時刻36B1、・・・、通過箇所ID36An及び通過時刻36Bnを含むレコードからなる。
個人ID351は、携帯端末2を携行する児童に固有のIDであり、個人データ350に係る児童を特定するものである。通過箇所の距離352は、当該児童の通学路上、出発地点から各通過箇所までの距離(標準距離)であり、出発地点から第1通過箇所までの距離L1、出発地点から第2通過箇所までの距離L2、・・・、出発地点から第n通過箇所までの距離Ln(第n通過箇所は、目的地点)を含む。距離Lk[k=1〜n]は、通過箇所IDに対応する。歩幅353は、当該児童の歩幅であり、予め測定され、設定される。歩数354は、その時点で受信している最新の歩数データであり、歩数を受信するごとに更新される。また、更新前と更新後の歩数データの差分をとることによって、サンプリング間隔ごとの歩数データも記憶する。
標準所要時間355(T)は、当該児童が出発地点から目的地点まで歩くのにかかる標準時間であり、距離Lnを平均移動速度360(v)で除算したものである。出発地点の箇所ID356は、自宅などの出発地点に固有のIDであり、当該児童に対応させて予め設定される。目的地点の箇所ID357は、学校などの目的地点に固有のIDであり、当該児童に対応させて予め設定される。最大移動速度358(x)、最小移動速度359(y)及び平均移動速度360(v)は、予め設定された当該児童の歩幅353、サンプリング間隔における当該児童の歩数354及び当該サンプリング間隔から求められる移動速度のうち、最大値、最小値及び平均値を示すものである。これらの値及び出発地点から目的地点までの距離によって、実際の経過時間及び移動距離の許容範囲が特定される。なお、最大値は駆け足のときの移動速度であり、最小値はゆっくり歩いたときの移動速度であると考えられる。
出発時刻361は、携帯端末2が出発地点の箇所ID356を取得した時刻であり、児童が自宅などを出発した時刻を示す。到着時刻362は、携帯端末2が目的地点の箇所ID357を取得した時刻であり、児童が学校などに到着した時刻を示す。連絡先情報363は、児童の状況が異常であると判定された場合にその旨を通知すべき先(父兄や学校など)の携帯電話番号や携帯メールアドレス等である。通過箇所ID36Ak[k=1〜n]は、児童が携行する携帯端末2が通過した箇所のIDである。通過時刻36Bk[k=1〜n]は、通過箇所に設置されたタグリーダ5が携帯端末2の個人IDを読み取った時刻であり、児童が当該箇所を通過した時刻を示す。
≪システムの処理≫
図6、図7及び図8を用いて、児童安全管理システムの処理を説明する。この処理は、児童安全管理システム100において個人IDごとに実施される処理であり、携帯端末2やタグリーダ5が登下校中の児童に関する情報を管理サーバ3に送信し、管理サーバ3が当該情報を受信し、予め設定された情報を参照しながら、当該児童の状況が異常か否かを判定するものである。そして、管理サーバ3が、児童の状況に応じた通知を当該児童の父兄に対して行う。
図6は、携帯端末の処理を示すフローチャートである。まず、携帯端末2が出発地点のタグ情報を取得し、記憶し、管理サーバ3に送信する(S601)。具体的には、タグリーダ23が出発地点に設置されたタグ4から箇所IDを取得し、処理部24が記憶部25の検出データ250のうち、出発地点の箇所ID253及び出発時刻254を設定する。そして、無線通信部21が個人ID251、出発地点の箇所ID253及び出発時刻254を管理サーバ3に送信する。
次に、携帯端末2が定期的に歩数を取得し、記憶し、管理サーバ3に送信する(S602)。具体的には、サンプリング間隔ごとに、処理部24が歩数計22から歩数データを取得し、記憶部25の検出データ250のうち、歩数252に記憶する。そして、処理部24が歩数データを無線通信部21により管理サーバ3に送信する。
そして、携帯端末2が目的地点に設置されたタグ4から所定の距離内に入った場合には、携帯端末2がタグ情報を取得し、記憶し、管理サーバ3に送信する(S603)。具体的には、タグリーダ23が目的地点に設置されたタグ4から箇所IDを取得し、処理部24が記憶部25の検出データ250のうち、目的地点の箇所ID256及び到着時刻257を設定する。そして、無線通信部21が個人ID251、目的地点の箇所ID256及び到着時刻257を管理サーバ3に送信する。
図7は、通過箇所のタグリーダの処理を示すフローチャートである。携帯端末2が、通過箇所に設置されたタグリーダ5から所定の距離内にある場合には、当該タグリーダ5が通過情報を管理サーバ2に送信する(S701)。具体的には、携帯端末2の個人ID及びタグリーダ5の通過箇所ID(Lk[k=1〜n]に対応)を通過情報として送信する。なお、通過情報に通過時刻を付加してもよい。また、この場合、タグリーダ5の代わりに箇所IDを記憶したタグを通過箇所に設置し、携帯端末2が通過箇所のタグの箇所IDを取得し、その箇所ID及び携帯端末2の個人IDを管理サーバ2に送信するようにしてもよい。
図8は、管理サーバの処理を示すフローチャートである。管理サーバ3による情報受信の流れとしては、最初に自宅などの出発地点のタグ情報を受信し、その後、通学路上にある1以上の通過箇所の通過情報を受信し、最終的に学校などの目的地点のタグ情報を受信する。そして、隣接する通過箇所の間では、歩数を含む端末情報を所定の時間ごとに受信する。これによれば、タグリーダ5の設置箇所を節減した場合でも、補完的に歩数を取得することによって、隣接する設置箇所の間における児童の状況を把握することができる。以下、詳細を説明する。
まず、管理サーバ3が事前に記憶部35の個人データ350を設定する(S801)。具体的には、個人データ350のうち、通過箇所の距離352、歩幅353、標準所要時間355、出発地点の箇所ID356、目的地点の箇所ID357、最大移動速度358、最小移動速度359及び平均移動速度360が、オペレータ操作によって入力部32に入力され、処理部34によって記憶部35に格納される。なお、最大移動速度358、最小移動速度359及び平均移動速度360は、図9(a)に示すように、処理部34が、サンプリング間隔の前後に測定された歩数を取得し、各歩数から各サンプリング間隔における移動速度を算出し、各移動速度の最大値、最小値及び平均値を所定の計算アルゴリズムによって求めるようにしてもよい。また、歩幅353は、出発地点から目的地点までの距離(通過箇所の距離352のLn)を歩数計22で測定した歩数で除算することによって求めることができる。これによれば、児童の成長に伴ってその歩幅が大きくなっても、随時対応することが可能である。
次に、管理サーバ3は、携帯端末2から出発地点のタグ情報(個人ID、箇所ID及び出発時刻)を受信し、当該出発地点の箇所IDと、個人IDに対応する個人データ350の出発地点の箇所ID356とを照合する(S802)。その照合の結果、一致したときには、児童が出発地点を発ったことが確認されたことになるので、受信した出発時刻を出発時刻361に設定する。なお、管理サーバ3が、携帯端末2から歩数がゼロの場合の時刻を受信し、その時刻を出発時刻361に設定してもよい。
続いて、管理サーバ3が、タグリーダ5又は携帯端末2から受信した情報を個人データ350に格納する(S803)。S701のタグリーダ5から通過情報を受信した場合には、受信した個人IDに対応する個人データ350に、通過箇所ID36Ak及び通過時刻36Bk(k=1〜n)(通過情報が通過時刻を含む場合)を設定する。S603の携帯端末2からタグ情報を受信した場合には、受信した個人IDに対応する個人データ350を参照し、受信した目的地点の箇所IDと、目的地点の箇所ID357とを照合した結果、一致したときに、受信した到着時刻を到着時刻362に設定する。
また、管理サーバ3は、サンプリング間隔に従って携帯端末2から端末情報(歩数N)を受信し、個人データ350の歩数354として逐次格納する(S804)。端末情報(歩数N)の送受信については、携帯基地局1から携帯端末2に送信の指示を行ってもよいし、携帯端末2が自律的に送信を行ってもよい。また、端末情報は、時刻及び歩数Nを含むものであってもよい。なお、歩数354は、最新の出発地点からの歩数データ及びサンプリング間隔ごとの歩数データを含むものとする。最新の出発地点からの歩数データは、最近の通過箇所を過ぎた後に受信した端末情報によるものとする。
そして、管理サーバ3は、記憶部35に記憶された個人データ350(歩幅S[cm]及び歩数N[歩])を参照し、サンプリング間隔Δt[分]ごとに移動速度Vを計算する(S805)。移動速度Vの計算は、次の式1に従って行われる。
移動速度V=(歩幅S/100000)*Δt内の歩数N*60/Δt[km/h]
・・・式1
続いて、管理サーバ3が、当該児童の携帯端末2が他の携帯端末2の個人IDを受信しているか否かを判定する(S806)。具体的には、携帯端末2に指示して、当該携帯端末2の記憶部25に記憶された検出データ250の他児童個人ID255が有効か否かを確認する。また、携帯端末2が個人ID251及び他児童個人ID255を管理サーバ3に送信し、管理サーバ3が他児童個人ID255の有効性を確認するようにしてもよい。他の携帯端末2の個人IDを受信している場合には(S806のYES)、当該児童が他の児童と所定の距離内にいることになるので、父兄の携帯電話などに児童が他の児童に合流したことをメールなどによって通知する(S807)。メールアドレスなどの特定は、記憶部35に記憶された個人データ350のうち、連絡先情報363を参照して行われる。これによれば、父兄や学校関係者は、2人以上の児童が一緒にいることを知り、とりあえず安心することができる。そして、一連の処理を終了する。なお、S803の処理に戻るようにしてもよい。
管理サーバ3が、他の携帯端末2の個人IDを受信していない場合には(S806のNO)、滞留時間が最大滞留時間A未満か否かを判定する(S808)。滞留時間は、携帯端末2の移動距離Lが一定のまま変化しない状態が継続した時間である。最大滞留時間Aは、図9(b)に示すように、標準所要時間T以内に出発地点から目的地点に到達するために許容される滞留時間の最大値である。滞留時間が最大滞留時間A未満である場合には(S808のYES)、移動速度Vが最大移動速度x及び最小移動速度yの間にあるか否かを判定する(S809)。Vがxとyの間にあれば、児童が速過ぎず、遅過ぎず、許容される速度の範囲内で歩いていることになる。なお、S809の判定では、Vがxとyの間にない状態が一時的なものではなく、所定の時間以上継続した場合に異常とするようにしてもよい。Vがxとyの間にある場合には(S809のYES)、移動距離LがLk以上で通過が確認されたか否かを判定する(S810)。携帯端末2が出発地点からの距離Lkに対応する箇所を通過したにもかかわらず、移動距離LがLk未満である場合は、歩くことなく移動していることになり、何か非日常的なことが起きていると考えられる。
移動距離LがLk以上である場合には(S810のYES)、すべてのチェックの結果、児童の状況が正常であると判定されたことになる。すなわち、S808、S809及びS810の判定がすべてYESである場合には、実際の経過時間t及び出発地点からの移動距離Lによってプロットされる点が、図9(b)に示すハッチングされた許容範囲に収まることを意味する。当該許容範囲は、L=xt、L=yt、L=Ln及び(T、Ln)を通る傾きxの直線によって特定される。
なお、S808、S809及びS810の判定の代わりに、又は、当該判定に追加して、出発時刻からの経過時間t及び出発地点からの移動距離Lによってプロットされる点が図9(b)の許容範囲に収まるか否かを判定するようにしてもよい。この場合、経過時間tは、歩数Nとともに携帯端末2が送信し、管理サーバ3が受信した現在の時刻から出発時刻361を減算した結果の値である。また、移動距離Lは、歩幅353及び歩数354(出発地点からの歩数データ)を積算した結果の値である。
続いて、管理サーバ3が目的地点の箇所IDを受信しているか否かを判定する(S811)。受信していない場合には(S811のNO)、S803又はS804の処理を行う。受信している場合には(S811のYES)、当該児童が目的地点に到達したことを意味するので、一連の処理を終了する。
一方、滞留時間が最大滞留時間A以上である場合(S808のNO)、移動速度Vが最大移動速度x及び最小移動速度yの間にない場合(S809のNO)又は移動距離LがLk未満である場合(S810のNO)には、父兄の携帯電話などに当該児童の状況が異常なことをメールなどによって通知する(S812)。メールアドレスなどの特定は、記憶部35に記憶された個人データ350のうち、連絡先情報363を参照して行われる。そして、一連の処理を終了する。なお、S803の処理に戻るようにしてもよい。
異常通知の際、異常であると判断した条件に応じた状況を通知することができる。例えば、滞留時間が最大滞留時間A以上である場合には、「お子さんは、どこかにじっとしています。」と通知する。この場合、親は、例えば、児童が体の不調やけがなどにより動けなくなっているのではないかと推定できる。移動速度Vが最大移動速度xより大きい場合には、「お子さんは、かなり速く走っています。」と通知する。この場合、親は、例えば、児童が誰かに追いかけられているのではないかと推定できる。移動速度Vが最小移動速度yより小さい場合には、「お子さんは、かなりゆっくり歩いています。」と通知する。この場合、親は、例えば、児童が何かに熱中しながら歩いているのではないかと推定できる。
以上本発明の実施の形態について説明したが、図1に示す児童安全管理システム100内の携帯端末2及び管理サーバ3を含む各装置を機能させるために、処理部(CPU)で実行されるプログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録し、その記録したプログラムをコンピュータに読み込ませ、実行させることにより、本発明の実施の形態に係る児童安全管理システム100が実現されるものとする。なお、プログラムをインターネット等のネットワーク経由でコンピュータに提供してもよいし、プログラムが書き込まれた半導体チップ等をコンピュータに組み込んでもよい。
以上説明した本発明の実施の形態によれば、児童安全管理システム100において、歩数計機能を有する携帯端末2を用いて、出発時刻からの経過時間及び出発地点からの移動距離が図9(b)に示す許容範囲内か否かを判定することによって、児童の状況が異常か否かを知ることができる。これによれば、児童の通過箇所にタグリーダ5などの装置を設置しなくても、児童の状況が分かる安価な児童安全管理システム100を提供することができる。
また、児童の歩行実績に従って許容範囲のデータが設定されるので、実効性のある評価を行うことができる。そして、タグリーダ5による通過箇所及び携帯端末2の情報と、歩数によって求められる移動距離との両方に基づいて、児童の状況が異常か否かを判定する。これによれば、2種類の情報を用いることによって児童の状況をさらに正確に把握することができる。
以上によれば、歩数計機能を有する携帯電話などの携帯端末2を、児童の非日常的な行動が検知された時に緊急連絡を行う補完技術として活用することによって、児童の安否をリアルタイムに確認することができる。すなわち、登下校児童の通学途中の歩数、その所要時間を一定時間サンプリングし、一定時間内の移動速度から児童の状態を推定し、状態(駆け足、滞留、ゆっくり)を把握することができる。
以上、本発明を実施するための最良の形態について説明したが、上記実施の形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。例えば、上記実施の形態では、登下校する児童を安全管理の対象者としたが、安全を確保するために監視が必要な老人や身体障害者などを対象者としてもよい。また、上記実施の形態では、管理サーバ3が児童の状況が異常であることを父兄の携帯電話などに通知するように記載したが、他の処理であってもよい。例えば、管理サーバ3が児童の状況が異常であることを表示部33(ディスプレイ)に表示し、管理者が管理サーバ3のディスプレイに表示された内容を認識して、父兄に連絡するようにしてもよい。
児童安全管理システムの構成を示す図である。 携帯端末の構成を示す図である。 管理サーバの構成を示す図である。 携帯端末の記憶部に記憶されるデータの構成を示す図である。 管理サーバの記憶部に記憶されるデータの構成を示す図である。 携帯端末の処理を示すフローチャートである。 通過箇所のタグリーダの処理を示すフローチャートである。 管理サーバの処理を示すフローチャートである。 管理サーバで用いられるグラフを示す図であり、(a)は経過時間と、歩数及び移動速度との関係を示し、(b)は経過時間と、移動距離との関係及びその許容範囲を示す。
符号の説明
100 児童安全管理システム(安全管理システム)
1 携帯基地局
2 携帯端末
22 歩数計
23 タグリーダ
25 記憶部(メモリ)
26 タグ
3 管理サーバ(サーバ)
31 通信部
34 処理部
35 記憶部
350 個人データ
351 個人ID
352 通過箇所の距離(箇所ID、標準距離)
353 歩幅
354 歩数
358 最大移動速度
359 最小移動速度
360 平均移動速度
361 出発時刻
4 タグ
5 タグリーダ
6 ネットワーク

Claims (5)

  1. 歩数計機能を有し、安全管理の対象者に携行させることによって、出発地点からの当該対象者の歩数を所定の時間ごとに取得し、前記歩数及び時刻を送信する携帯端末と、
    出発時刻からの経過時間に応じた出発地点からの移動距離の許容範囲を示す範囲データ及び前記対象者の歩幅を記憶する記憶部と、
    前記携帯端末から前記歩数及び前記時刻を受信する通信部と、
    前記対象者が前記出発地点を発った時刻を出発時刻として予め前記記憶部に記憶し、
    前記通信部が受信した前記歩数及び前記時刻を取得して前記記憶部に記憶し、
    前記時刻から前記出発時刻を減算した結果である経過時間及び前記歩幅及び前記歩数を積算した結果である移動距離が前記範囲データの示す前記許容範囲に含まれるか否かを判定し、
    当該経過時間及び当該移動距離が前記許容範囲に含まれない場合に、前記対象者の状況が異常である旨を出力する
    処理部と、
    を備えるサーバと、
    を含んで構成されることを特徴とする安全管理システム。
  2. 請求項1に記載の安全管理システムであって、
    前記範囲データは、
    前記処理部が前記歩幅及び前記歩数を積算した結果である移動距離を前記所定の時間で除算した結果である移動速度のうち、平均値、最大値及び最小値、並びに出発地点から目的地点までの距離に基づいて設定される
    ことを特徴とする安全管理システム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の安全管理システムであって、
    前記携帯端末は、当該対象者に固有の個人IDを記憶するタグをさらに備え、
    前記対象者が通過する箇所に設置されるとともに、前記携帯端末が所定の距離内にある場合に、前記個人IDを取得し、当該個人ID及び通過する箇所に固有の箇所IDを前記サーバに送信するタグリーダをさらに備え、
    前記記憶部は、前記個人ID及び前記箇所IDごとに、前記出発地点から当該通過箇所までの標準距離をさらに記憶し、
    前記処理部は、
    前記タグリーダから前記通信部が受信した前記個人ID及び前記箇所IDによって前記標準距離を特定し、
    前記歩幅及び前記歩数を積算した結果である移動距離が前記標準距離より小さい場合に、前記対象者の状況が異常である旨を出力する
    ことを特徴とする安全管理システム。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の安全管理システムであって、
    前記携帯端末は、タグが所定の距離内にある場合に、そのタグから情報を取得するタグリーダ及び前記対象者に固有の個人IDを記憶するメモリをさらに備え、
    前記対象者が通過する箇所に設置されるとともに、その通過する箇所に固有の箇所IDを記憶するタグをさらに備え、
    前記記憶部は、前記個人ID及び前記箇所IDごとに、前記出発地点から当該通過箇所までの標準距離をさらに記憶し、
    前記携帯端末は、前記対象者が通過する箇所に設置された前記タグから前記タグリーダにより前記箇所IDを取得し、当該箇所ID及び前記メモリに記憶された前記個人IDを前記サーバに送信し、
    前記処理部は、
    前記携帯端末から前記通信部が受信した前記箇所ID及び前記個人IDによって前記標準距離を特定し、
    前記歩幅及び前記歩数を積算した結果である移動距離が前記標準距離より小さい場合に、前記対象者の状況が異常である旨を出力する
    ことを特徴とする安全管理システム。
  5. 請求項3に記載の安全管理システムであって、
    前記携帯端末は、タグが所定の距離内にある場合に、そのタグから情報を取得するタグリーダをさらに備え、
    前記携帯端末は、前記タグリーダが他の携帯端末のタグから取得した他個人IDを当該個人IDとともに前記サーバに送信し、
    前記処理部は、前記通信部が前記個人ID及び前記他個人IDを受信した場合に、前記対象者が他の対象者に合流した旨を出力する
    ことを特徴とする安全管理システム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015022488A (ja) * 2013-07-18 2015-02-02 セコム株式会社 巡回業務支援システム、巡回業務支援方法及び巡回業務支援システム用プログラム
JP2015179433A (ja) * 2014-03-19 2015-10-08 株式会社ベイビッグ 児童監視システム及び児童監視方法
JP2018152003A (ja) * 2017-03-15 2018-09-27 株式会社Jvcケンウッド 制御装置、制御方法、及び制御プログラム

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