JP2009003233A - 平面型表示機器並びに平面型表示機器の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シャーシ部材を回路部品を載置する第1のシャーシ部材と、表示パネルの背面基板に固着される第2のシャーシ部材とに分割し、第1のシャーシ部材は、表示パネルの形状よりも小さく、かつ回路部品を載置可能な形状として、表示パネルの中央部に対向配置し、第2のシャーシ部材は、外形形状を表示パネルの外形形状と略同じ大きさで、内部に第1のシャーシ部材の外形形状と略同じ大きさの開口部を設けて、高熱伝導性接着部材によって表示パネルに固着される構成とする。
【選択図】図1
Description
これらの問題に対応するために、フレームシャーシ(シャーシ部材)を分割し、表示パネルと、熱伝導部材と、フレームシャーシとを順に重ねて構成する構造体の技術が特許文献1(特開2002−123178号公報)に記載されている。また、シャーシの熱膨張によるシャーシ部材形状の変形量を抑制する技術が特許文献2(特開2006−195177号公報)に記載されている。さらには、発熱体は異なるが、1対の遠赤外線授受部材により蓄積熱を放熱する技術が特許文献3(特開2005−222585号公報)に記載されている。
特許文献1に記載されている映像表示装置は、表示パネルを支持するフレームシャーシを複数の金属製の成形部材を組合せる構成としている。フレームシャーシを複数個に分割して組合せることから、大形の表示パネルのフレームシャーシとしての製作性、作業性等の改善は図ることができるが、表示パネルの画面サイズの大きさの違う製品に対応するための技術や、放熱に対応する技術についての記載はない。
特許文献2に記載されているフラット表示装置は、フラット表示パネルの背面に回路基板を固定するためのシャーシを熱的に接続した構造においてシャーシとパネルとの熱膨張の違いによって生じる両部材の位置関係の変化に起因するフレキシブルケーブルへの応力負担を軽減してフレキシブルケーブルの離脱や破損を防止するために、シャーシを独立した複数のシャーシとして構成すると共に、回路基板を複数のブロック基板に分割して、複数のブロック基板を複数のシャーシに隙間を設けてそれぞれ取り付ける構成としている。シャーシを小型に分割することにより、熱膨張率の相違による歪み量を分散して、各シャーシにおける歪み量を縮小することができているが、シャーシによる表示パネルの発熱を冷却することに関しては、何らの配慮もなされていない。
特許文献3に記載されている電子機器は、発熱体の発熱を放射する際に、外部からの衝撃や振動による影響を受けない発熱手段の放熱方法を提供するために、発熱体側と空間的に離間した位置に1対の遠赤外線授受部材を貼り、発熱体の蓄積熱を筐体から放熱させる構成としている。ただ、離間した空間において熱伝達するに適する放熱方法であるが、平面型表示機器とは異なる電子機器における放熱方法に関するものであり、発熱体の大きさの異なる製品に対応する技術課題や解決技術については記載されていない。
本発明の目的は、平面型表示機器において、表示パネルの画面サイズの大型化及び多機種化に対応して、平面型表示機器の製作における作業性の改善と信頼性の向上が可能なシャーシ構造を提供することにある。
更には、第1のシャーシ部材は、表示パネルとの対向平面に遠赤外線授受部材を固着し、表示パネルの背面ガラス基板から離間して配置され、表示パネルの背面ガラス基板には、第2のシャーシ部材の固着領域以外の開口部で第1のシャーシ部材の対向平面に遠赤外線授受部材を固着してなり、表示パネルの発熱は、離間して配置される一対の遠赤外線授受部材の伝熱による第1のシャーシ部材と、高熱伝導性接着部材の伝熱による第2のシャーシ部材とで放熱する構成としている。
更には、第1のシャーシと第2のシャーシの材質を異なる材質としている。
また別の発明として、第1のシャーシ部材と第2のシャーシ部材を同一の板材からプレス加工で形成し、第1のシャーシ部材は、第2のシャーシ部材の開口部の部分から形成している。
また、第1のシャーシ部材の外形サイズが、少なくとも2つの異なる画面サイズの平面型表示機器に共通のサイズである。
図1は、本発明の平面型表示機器の構成を概念的に示した構成図である。図1(a) は、平面型表示機器を表示側から見た正面図、図1(b) は、平面型表示機器を側面から見た断面図である。いずれも、説明するためエスカッションを透視させる等、模式的な図である。1は平面型表示機器、2は筐体、3は表示パネル、4は回路部品が実装されている回路基板、51は第1のシャーシ部材、52は第2のシャーシ部材、6は熱伝導性接着部材、7は熱伝導性部材、10は第2のシャーシ部材52の開口部、11は表示パネル3と回路基板4とを接続するフレキシブルプリント配線板である。第2のシャーシ部材52は、中央部に開口部10があるように、窓のサッシのような枠状(フレーム状)の構造である。
例えば、第2のシャーシ部材52−1は、横(W)がW=W1、高さ(D)がD=D1であり、第2のシャーシ部材52−2は、横(W)がW=W2、高さ(D)がD=D2である。また、第1のシャーシ部材51は、横(W)がW=W0、高さ(D)がD=D0である。しかし、
W0≒W1、D0≒D1 ‥‥‥式(1)
であり、かつ、
W0≒W2、D0≒D2 ‥‥‥式(2)
である。この場合、第2のシャーシ部材52−1と52−2の外形サイズ(横(W)×高さ(D))は、同じでなくとも良く式(1)と式(2)の関係を満足していれば良い。
図3は、異なる表示パネルを有する平面型表示機器のシャーシ部材の載置状態を比較して示す構成概略図である。
大きな画面サイズ(大きな外形サイズ)の表示パネル3−1を有する平面型表示機器1−1と、小さな画面サイズ(小さな外形サイズ)の表示パネル31−2を有する平面型表示機器1−2において、シャーシ部材は、回路基板4を載置する第1のシャーシ部材51と、表示パネル3−1に固着される第2のシャーシ部材52−1、及び、回路基板4を載置する第1のシャーシ部材51と、表示パネル3−2に固着される第2のシャーシ部材52−2とに、分割して構成されている。
ただし、熱伝達の観点において、第1のシャーシ部材51の外形サイズと、第2のシャーシ部材52(52−1、52−2)の開口部10(10−2、10−2)のサイズとは、独自のサイズに設定しても良い。
第2のシャーシ部材52(図3の52−1若しくは52−2)は、熱伝導性の良い金属製の材質で形成され、表示パネル3(図3の3−1若しくは3−2)に熱伝導性接着部材6によって固着される。表示パネル3から発生した熱は、高熱伝導性接着部材6を介して第2のシャーシ部材52に熱伝達され、第2のシャーシ部材52において空気中に放熱される構成としている。
一方、回路基板4を載置した第1のシャーシ部材51は、第2のシャーシ部材52の開口部10(図2の10−1若しくは10−2)に対向して配置される。
ファンによって通風する場合には、表示パネル3と第1のシャーシ部材51との離間した対向平面により構成される空隙部が通風路を構成するものとなり、表示パネル3と回路基板4の双方の熱を通風する空気に熱伝達して放熱することができる。また、ファンによる送風領域が表示パネル3の中央部を限定できるため、ファンの小形化や冷却の効率化が可能となる。
即ち、第1のシャーシ部材51の平面サイズは、表示パネル3のサイズが異なる平面型表示機器1−1及び1−2どちらに係わらず同じ回路基板4を載置することも可能である。逆に、表示パネル3が同一画面サイズの製品において製品仕様によって違う回路基板で構成される部分がある場合には、所望の回路基板4を載置可能な第1のシャーシ部材51の外形サイズとすることで、同一の表示パネル3で製品ラインナップの対応を図ることが可能となる。
フレキシブルプリント配線基板11は、表示パネル3の放電素子に放電のための電力を、回路部品を載置している回路基板4から表示パネル3に供給するために設置されている。フレキシブルプリント配線基板11は、熱膨張率の異なる表示パネル3と、第1のシャーシ部材51とにおいて接続されている。サイズが大きくなると、熱膨張量の差が大きくなる。
大型化されたシャーシ部材と表示パネルとに接続されたフレキシブルプリント配線基板11では、熱膨張による双方の接続位置の変異量の増加によって、接続の脱落や、破損を生じることがある。
本発明においては、表示パネルが大型化しても、回路部品を載置している第1のシャーシ部材は大型化しなくて良い。従って、第1のシャーシ部材の熱膨張量を小さく抑え、表示パネルと回路基板を載置しているシャーシ部材の熱膨張量の差を抑制することができることとなり、フレキシブルプリント配線基板への応力を低減でき、損傷や、コネクタからの脱落を防止できる。
本発明の平面型表示機器の組立作業について、図4を用いて説明する。図4は、本発明の表示パネルと回路基板の組み付け作業工程の一実施例を示した図である。図4(a) は従来の平面型表示機器の組立手順を示し、図4(b) に本発明の平面型表示機器1(図1参照)の組立手順を示す。
表示パネル3は、ガラス基板によって放電素子を挟持している構造であることから、強度的な補強を必要とする。よって、一般的には、図4(a) に示すように、表示パネルにシャーシ部材を固着して表示パネルの補強を図っている。この表示パネルによる平面型表示機器の従来の製造工程において、回路基板の組立は、表示パネルを製作(S401)後、表示パネルを固着し(S402)、固着したシャーシ部材に回路基板を組付けていく(S403)作業となる。
このため、平面型表示機器の製造作業時の工程期間中における表示パネル3の破損の機会を多く持つことになる。
これによって、第2のシャーシ部材52に固着された表示パネル3と回路基板4を取付ける作業(S407)は、組立工程の後半部に持っていくことが可能であり、表示パネル3への回路基板4の組み付け作業の工程期間における表示パネル3の破損の機会を低減できる。
このように、前述の第1及び第2の実施例において、表示パネル3の強度補強を図るために、表示パネル3に固着する第2のシャーシ部材52の中央部である開口部10に、桟部材12を持つ構造であっても支障無いことは言及するまでもない。
勿論、桟部材12は、図5に示すような形状構成だけである必要はなく、第2のシャーシ部材の大きさ、寸法、重量等に合せて、格子状、あるいは斜めに、複数本設けても良い。
以上のように、本発明によれば、大画面の平面型表示機器の生産性と信頼性を図り、表示パネルの発熱に対しても効率良い冷却が可能な平面型表示機器を提供できる。
Claims (6)
- 表示パネルを備えた平面型表示機器であって、
上記表示パネルの外形サイズよりも小さく、かつ上記平面型表示機器を駆動若しくは操作するための回路部品を載置して、上記表示パネルの略中央部に対向配置される第1のシャーシ部材と、
外形サイズが上記表示パネルの外形形状と略同じで、内部に上記第1のシャーシ部材の外形サイズより大きい開口部を設けた第2のシャーシ部材とを有し、
上記第2のシャーシ部材は、高熱伝導性接着部材によって上記表示パネルの背面側ガラス基板に固着される第2のシャーシ部材とで構成された
ことを特徴とする平面型表示機器。 - 請求項1に記載の平面型表示機器において、
上記第1のシャーシ部材は、上記表示パネルの背面ガラス基板から離間して配置され、
上記表示パネルの背面ガラス基板には、上記第2のシャーシ部材の開口部で上記第1のシャーシ部材の対向平面に高熱伝導性部材を固着している
ことを特徴とする平面型表示機器。 - 請求項1に記載の平面型表示機器において、
上記第1のシャーシ部材は、上記表示パネルとの対向平面に遠赤外線授受部材を固着し、上記表示パネルの背面ガラス基板から離間して配置され、
上記表示パネルの背面ガラス基板には、上記第2のシャーシ部材の開口部で上記第1のシャーシ部材の対向平面に遠赤外線授受部材を固着してなり、
上記表示パネルの発熱は、離間して配置される一対の上記遠赤外線授受部材の伝熱による上記第1のシャーシ部材と、上記高熱伝導性接着部材の伝熱による上記第2のシャーシ部材と、で放熱する構成とした
ことを特徴とする平面型表示機器。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の平面型表示機器において、
上記第1のシャーシ部材と上記第2のシャーシ部材の材質が異なる
ことを特徴とする平面型表示機器。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の平面型表示機器において、
上記第1のシャーシ部材の外形サイズが、少なくとも2つの異なる画面サイズの平面型表示機器に共通のサイズである
ことを特徴とする平面型表示機器。 - 表示パネルと、シャーシ部材とを有する平面型表示機器の製造方法であって、
上記シャーシ部材を構成する第1のシャーシ部材は、複数種の上記表示パネルに共用可能な回路部品を組立てる工程を経てシャーシアセンブリ部材として製造され、上記シャーシ部材を構成する第2のシャーシ部材は、上記表示パネルの外形サイズにそれぞれ対応した複数種の外形サイズを有し、上記複数種の各々の表示パネルを組立てる工程において、上記表示パネルの背面側ガラス基板に固着されてなり、
上記各々の第2のシャーシ部材を固着した複数種の外形形状の表示パネルと、上記シャーシアセンブリ部材を組合せる工程によって製造する
ことを特徴とする平面型表示機器の製造方法。
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