JP2009001872A - 線状材の銅めっき方法および銅めっきワイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】密着性に優れた均一なめっき膜が形成できる線状材の銅めっき方法を提供する。
【解決手段】走行する線状材3に置換めっき液を噴射するめっき方法であって、1リットル当たり、5グラム以上のCuSO・5HOと、5グラム以上、400グラム以下のHSOと、5グラム以上、400グラム以下のFeSO・7HOと、5ミリグラム以上、10グラム以下の少なくとも1種類のノニオン系界面活性剤とを含む置換めっき液を用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、溶接用ワイヤやビードワイヤなどの線状材の銅めっき方法および銅めっきワイヤに関する。
従来、工業化されている銅めっき方法としては、シアン化銅電気めっきと、硫酸銅電気めっきとがある。一般に、線状材、特に、溶接用ワイヤ、並びに、ボルト、PC鋼線およびラインパイプなどは、高強度鋼が多く使われるため、密着性および均一電着性に優れたシアン化銅めっきが使用されてきた。
近年、環境問題などの観点から、シアン化合物を使用しない硫酸銅電気めっきの適用が強く望まれている。しかしながら、硫酸銅電気めっきでは、通常、電着が行われる際に、Cu2++Fe→Cu+Fe2+の反応が起こり、密着性の悪い置換銅が析出し、めっきの品質を低下させるという問題がある。
この置換銅の析出を防止するために、予め、シアン化銅電気めっきによるストライクめっきが行われている。この方法では、2種類の浴を使用するために非常に煩雑であり、毒性の強いシアン廃液を皆無にすることもできない。
特許文献1には、所定の置換めっき液をノズルより噴射して供給することで、置換銅を除去して線状材の表面を常に新鮮な置換めっき液で覆い、密着性の高いめっきを行う発明が記載されている。また、この方法では、置換めっき液を衝撃的に接触させることで、銅の結晶子サイズを小さくして、密度が高く、接着性の良いめっきを行うことができる。しかしながら、特許文献1の方法では、現在、線状材の製造において行われる伸線加工に十分に耐え得るだけの密着性は得られていないのが実情である。
また、一般に、置換めっき液の濃度が高い程、めっき速度が速く、高効率になることが知られている。しかしながら、銅置換めっきでは、Cu2+の還元速度が極めて大きいので、めっきと同時に鉄が溶出する速度も大きくなり、Fe2+が取り除かれる前に沈殿(FeSO、Fe)になり、めっき層に閉じこめられてしまうために、置換めっき液の濃度を高くしすぎると密着性が悪くなるという問題がある。
特開平1−136974号公報
前記問題点に鑑みて、本発明は、密着性に優れた均一なめっき膜が形成できる線状材の銅めっき方法、および、長大な設備を要せず、生産性の高い、高品質の銅めっきワイヤを提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明による線状材のめっき方法は、走行する線状材に置換めっき液を噴射するめっき方法であって、前記置換めっき液は、1リットル当たり、
5グラム以上のCuSO・5HOと、5グラム以上、400グラム以下のHSOと、5グラム以上、400グラム以下のFeSO・7HOと、5ミリグラム以上の少なくとも1種類のノニオン系界面活性剤、好ましくは、しょ糖脂肪酸エステルソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテルおよびポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルよりなる群から選択したものを含む方法とする。
この方法によれば、ノニオン系界面活性剤が、置換めっき液の表面張力を低下させ、均一なめっきの形成を阻害する水素共析やピット発生を抑制するので、緻密なめっき層を形成でき、不純物の取り込みを抑制してめっき層の剥離を防止できると考えられる。また、シアン化合物を用いないので環境負荷が低く、単一工程からなるのでめっきが簡単である。
また、本発明の線状材のめっき方法において、前記ノニオン系界面活性剤および有機系カソードインヒビターは、前記置換めっき液1リットル当たり10グラム以下であってもよい。
前記ノニオン系界面活性剤および有機系カソードインヒビターは、その作用が1リットル当たりおよそ10グラムで飽和する。特に、有機系カソードインヒビターは、多すぎるとめっき形成反応に悪影響を及ぼすため、必要以上に多く含まない方が好ましい。
また、本発明の線状材のめっき方法において、前記置換めっき液は、0.1ミリモル以上、1モル以下の少なくとも1種類のハロゲン化物イオンをさらに含んでもよい。
ハロゲン化物イオンはCuXを生成し、メッキの析出核を多く発生させ、密着性および均一性の高いめっき層の形成を促進すると考えられる。
また、本発明の線状材のめっき方法において、前記置換めっき液は、5ミリグラム以上の少なくとも1種類の、金属表面に吸着するのに必要な極性基と腐食性物質の金属表面への接触を妨げる非極性基とを有する有機系カソードインヒビターをさらに含んでもよい。
有機系カソードインヒビター、つまり、吸着皮膜形成型の腐蝕抑制剤は、反応活性点に吸着され、ミクロ局部析出を抑制して、全体的に均一で密着性の高いめっき層を形成させると考えられる。
また、本発明による銅めっきワイヤは、走行する線状材に置換めっき液を噴射して表面を銅めっきしてから伸線してなり、前記置換めっき液は、1リットル当たり、5グラム以上のCuSO・5HOと、5グラム以上、400グラム以下のHSOと、5グラム以上、400グラム以下のFeSO・7HOと、5ミリグラム以上の少なくとも1種類のノニオン系界面活性剤とを含み、前記銅めっきの結晶子サイズが50オングストーム以上、250オングストーム以下であり、前記伸線後の前記銅めっきの厚みが50ナノメートル以上であるものとする。
この構成によれば、複雑な設備を要せず、シアン化合物を用いずに、安価でありながら、密着性が高く均一なめっき層を有する高品質の銅めっきワイヤを提供できる。
本発明によれば、ノニオン系界面活性剤で不純物の析出を抑制し、有機系カソードインヒビターでめっき層の不均一な成長を抑制するので、線状材に、密着性が高く、均一なめっきができる。
これより、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1に、本発明に用いる置換めっき装置の一例を示す。置換めっき装置は、めっき槽1と洗浄槽2とを有し、めっき槽1の内部を走行するワイヤ(線状材)3にめっきノズル4から置換めっき液を噴射して、ワイヤ3の表面に新鮮な置換めっき液を供給しながら銅めっきを行い、洗浄槽2内でワイヤ3に洗浄ノズル5から洗浄液水を噴射してワイヤ3を洗浄するようになっている。
めっきノズル4の噴射方向は、ワイヤ3の走行方向に対して、0°から180°の範囲で任意に設定でき、ワイヤ3取り囲むように、複数のめっきノズル4を、好ましくは等しい角度間隔で配置してもよい。
また、めっき槽1の中で、ワイヤ3を折り返したり、螺旋状に走行させて、めっき時間を長くとれるようにしてもよい。
置換めっき液の噴射圧力は、置換めっき液をワイヤ3に衝撃的に衝突させて、めっきの結晶が小さくなるようにするため、0.05kg/cm以上とすることが望ましい。
ワイヤ3の走行速度は、例えば、50〜500m/minに設定できるが、この範囲に限定されない。
本実施形態において使用する置換めっき液は、1リットル当たり、5グラム以上のCuSO・5HOと、5グラム以上、400グラム以下のHSOと、5グラム以上、400グラム以下のFeSO・7HOと、5ミリグラム以上の少なくとも1種類のノニオン系界面活性剤とを含む。
ノニオン系界面活性剤は、アルキルグリコシドのような低分子系、または、ポリエチレングリコール、ニカワ、ゼラチンおよびポリビニルアルコールのような高分子系のものであって、しょ糖脂肪酸エステルソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミドなどの脂肪酸系(非イオン)のもの、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどの高級アルコール系(非イオン)のもの、および、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルなどのアルキルフェノール系のものが使用できる。それらは、グリセリン、ソルビトール、しょ糖などの多価アルコールと脂肪酸がエステル結合したエステル型、高級アルコールやアルキルフェノールなどの水酸基を持つ原料に主として酸化エチレン(エチレンオキシド)を負荷重合したエーテル型、脂肪酸や多価アルコール脂肪酸エステルに酸化エチレンを付加したエーテル・エステル型、および、脂肪酸アルカノールアミドなどの親油基と親水基とがアミド結合したものやアルキルポリグルコシドなどの糖類を原料とするものを含むその他の非イオン界面活性剤に分類することができる。
さらに、本実施形態の置換メッキ液は、好ましくは、0.1ミリモル以上、1モル以下の少なくとも1種類のハロゲン化物イオンと、5ミリグラム以上、10グラム以下の少なくとも1種類の有機系カソードインヒビターとをさらに含む。
ハロゲン化物イオンは、例えば、Cl、BrおよびIの1種以上を使用する。これらのハロゲン化物イオンを含有させるには、例えば、NaCl、NaBr、NaI、KCl、CaCl、MgCl、HClや、8−ヒドロキシ−7―ヨード―5−キノリンスルホン酸等を置換めっき液に添加すればよい
有機系カソードインヒビターは、金属表面に吸着するのに必要な極性基と腐食性物質の金属表面への接触を妨げる非極性基とを有する吸着皮膜形成型の腐蝕抑制剤である。有機系カソードインヒビターの極性基には電気印精度の大きなN,O,P,Sなどを中心とする原始が含まれる。たとえば−NH,>NH,−N,−OH,>Oなどである。これらの極性基を有する化合物は酸水溶液中ではプロトン(H)と結合してオニウムイオンとなる。
N+H⇔[RNH](R:炭化水素基)
水中で腐食している金属にはアノード部とカソード部が存在している。カソード部は負に帯電した状態となり、酸中に存在するオニウムイオンが引力によりひきつけられる(物理吸着)。腐蝕した金属を物理吸着した有機系カソードインヒビターのオニウムイオンは、水素イオンの還元反応(カソード反応)を抑制し、緻密な皮膜を作る。有機系カソードインヒビターの炭化水素基Rがアルキル基のとき、腐食抑制に有利である。また、有機系カソードインヒビターの炭化水素基Rは、第四アンモニウム塩、SH、CNSなどでもよい。
有機系カソードインヒビターは、具他的には、ヘキサメチレンテトラミン、尿素、チオ尿素、チオ尿素誘導体、チオグリコール酸、アクリルアミドなどである。ヘキサメチレンテトラミン、尿素、チオ尿素、チオ尿素誘導体、チオグリコール酸、アクリルアミド、アルキルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリン、アニリン誘導体、ベンゾニトリル、芳香族アルデヒド、フラン誘導体、ジアミノ安息香酸、インドール、チミン、メルカプトベンゾオキサゾール、および、ジフェニルフェナンスロリンなどが挙げられるが、これらに限らず、金属表面に吸着するのに必要な極性基と腐食性物質の金属表面への接触を妨げる非極性基とを有するものであればよい。
ノニオン系界面活性剤は、表面張力を低下させるので、均一なめっき形成を阻害する水素共析を抑制し、メッキの多極化を促進して、ピットの発生を防止する。置換めっき液に0.005g/L以上添加すれば効果が得られるが、10g/Lで効果が飽和し、それ以上添加しても無意味である。
ハロゲン化物イオンをXとすると、Cuの吸着中間体CuXadを形成し、銅の析出を促進する。つまり、ワイヤ3の表面において、置換めっき液中のCuはCU+X→CuXadの反応の後に、CuXadが還元されることで金属Cuとなる。この中間吸着体CuXadは、銅の析出(めっき)の核となるので、析出の多極化が起こり、結晶粒が微細で緻密になり、ワイヤ3に対するめっき層の密着性が向上する。
ハロゲン化合物イオンは、0.1mmol/L未満では効果がなく、1000mmol/lを超えると、効果が飽和し、腐蝕の原因にもなり得るので、0.1mmol/L以上、1000mmol/L以下の添加量とすることが望ましい。
この反応において、ニカワ、ゼラチン、ポリエチレングリコール、アデニン、グアニン、チオ尿素、フェノール、および、アミノ酸などの有機化合物を高分子吸着剤として添加すると、CuXadの還元を抑制するので、析出の多核化を促進することができ、めっき層の密着性を向上させられる。
有機系カソードインヒビターは、反応活性点に吸着されるので、局所的な銅の析出を抑制して、析出速度を標準化し、全体的に均一なめっきを形成させる。有機系カソードインヒビターは、めっきが析出しやすい反応活性点へ先に吸着するので、残された反応がやや活性となる。これにより、ノニオン系界面活性剤による多核化を全体的に均一に進行させ、非常に均一で微細なめっきを生成させる。その結果、密着性が大きく向上することになる。
有機系カソードインヒビターは、置換めっき液に0.005g/L以上添加すれば効果が得られるが、10g/Lで効果が飽和する。さらに、有機系カソードインヒビターの過剰な添加は、めっき反応活性点を必要以上に覆うため、所望のめっきが生成し難くなり、めっき品質・密着性が落ち、生成効率も悪くなるので、有機系カソードインヒビターの添加量は10g/L以下に抑えるべきである。
(実験例)
図1の装置において、1リットル当たり、70グラムのCuSO・5HOと、90グラムのHSOと、100グラムのFeSO・7HOとを含む置換めっき液に、異なる量のノニオン系界面活性剤、ハロゲン化物イオンおよび有機系カソードインヒビターを添加したものを用い、直径2.3mmまたは2.6mmのワイヤに置換銅めっきを行う実験を行った。
このめっきは、温度25℃において行い、めっき後のワイヤを、さらに、直径1.2mmに伸線加工した後で、或いは、さらに直径0.8mmまたは1.0mmに伸線加工した後で、めっき層の密着性について評価するとともに、めっき層の結晶子サイズを測定した。
なお、密着性は、サンプルワイヤを丸棒に螺旋状に巻き付けてから、その表面を倍率30倍の顕微鏡で目視観察し、異常が全く認められない場合を◎(例として、図2および図3)、剥離はないが凹凸、しわまたは亀裂がある場合を○(例として図4)、少量の剥離がある場合を△(例として図5)、剥離が多い場合を×(例として図6)と評価した。また、結晶子サイズは、残留応力装置を用いてSchrrer法(積分幅法)により算出した。
表1に、実験の結果を示す。尚、ノニオン系界面活性剤の種類は、1:ポリエチレングリコール、2:アルキルグリコシド、3:ニカワ、4:ゼラチン、5:ポリビニルアルコール、6:ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、7:グリセリンである。また、ハロゲン化物イオンを生成するために添加した物質は、1:NaCl、2:KCl、3:CaCl、4:MgCl、5:HCl、6:NaBrである。また、有機系カソードインヒビターの種類は、1:ヘキサメチレンテトラミン、2:チオ尿素、3:アクリルアミド、4:チオグリコール酸である。さらに、伸線の種別は、1)が線径2.3mmを1.2mmに、2)が線径2.6mmを1.2mmに伸線加工したものであり、3)は1)をさらに線径0.8mmに追加工したものであり、4)は2)をさらに線径1.0mmに追加工したものである。
この結果が示すように、ノニオン系界面活性剤を5mg/L以上、めっき液に添加することで、めっき層の密着性と結晶子サイズとを改善することができる。
ノニオン系界面活性剤に加え、ハロゲン化物イオンおよび有機系カソードインヒビターの少なくともいずれかを添加することで、より好ましいめっきが可能になる。
また、この実験結果が示すように、伸線の度合いが大きいと、結晶子サイズが小さくなることが分かる。結晶子サイズが50Åより小さくなると、粒界面積が増大し、伸線加工時に発熱酸化しやすくなり、めっき層の密着性の低下やワイヤの通電安定性の低下を招く畏れがある。結晶子サイズが250Åを超えると、伸線加工時にワイヤ表面で延伸できずに剥離してしまう。
めっき厚さは50〜500μmが望ましい。50μm以下の場合、銅めっき膜に部分的に薄い箇所や欠陥が生じやすく、腐食が進行してしまう。また伸線時に剥離など起こし、ワイヤ製造上、大きな問題となる可能性がある。さらに、溶接線に適用すると、溶接時の送球性にもムラが発生し、溶接性が劣化する。一方、500μm以上の場合、皮膜が厚くなることにより小さな加工応力でもめっき皮膜が剥離しやすくなる。その結果、耐食性悪化、伸線性の劣化につながる。また、経済的にも不利である。
また、切れ間のない銅めっきの層を維持するために、伸線加工後も、めっき層の厚さが50nm以上となるようにすることが望ましい。
尚、メッキ液の温度を上げると、同じメッキ液の組成でも、銅メッキの膜圧が大きくなることが確認されている。
本発明のめっき方法に使用するめっき装置の概略図。 メッキに異常のないサンプルワイヤの例を示す写真。 メッキに異常のないサンプルワイヤの異なる例を示す写真。 メッキにしわまたは亀裂があるサンプルワイヤの例を示す写真。 メッキに少量の剥離があるサンプルワイヤの例を示す写真。 メッキに多くの剥離があるサンプルワイヤの例を示す写真。
符号の説明
1 めっき槽
2 洗浄槽
3 ワイヤ(線状材)
4 めっきノズル
5 洗浄ノズル

Claims (7)

  1. 走行する線状材に置換めっき液を噴射するめっき方法であって、
    前記置換めっき液は、1リットル当たり、
    5グラム以上のCuSO・5HOと、
    5グラム以上、400グラム以下のHSOと、
    5グラム以上、400グラム以下のFeSO・7HOと、
    5ミリグラム以上の少なくとも1種類のノニオン系界面活性剤とを含むことを特徴とする線状材の銅めっき方法。
  2. 前記ノニオン系界面活性剤は、前記置換めっき液1リットル当たり10グラム以下であることを特徴とする請求項1に記載の線状材の銅めっき方法。
  3. 前記ノニオン系界面活性剤は、しょ糖脂肪酸エステルソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテルおよびポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルよりなる群から選択されることを特徴とする請求項1または2に記載の線状材の銅めっき方法。
  4. 前記置換めっき液は、0.1ミリモル以上、1モル以下の少なくとも1種類のハロゲン化物イオンをさらに含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の線状材の銅めっき方法。
  5. 前記置換めっき液は、5ミリグラム以上の少なくとも1種類の、金属表面に吸着するのに必要な極性基と腐食性物質の金属表面への接触を妨げる非極性基とを有する有機系カソードインヒビターをさらに含むことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の線状材の銅めっき方法。
  6. 前記有機系カソードインヒビターは、前記置換めっき液1リットル当たり10グラム以下であることを特徴とする請求項5に記載の線状材の銅めっき方法。
  7. 走行する線状材に置換めっき液を噴射して表面を銅めっきしてから伸線してなり、
    前記置換めっき液は、1リットル当たり、
    5グラム以上のCuSO・5HOと、
    5グラム以上、400グラム以下のHSOと、
    5グラム以上、400グラム以下のFeSO・7HOと、
    5ミリグラム以上の少なくとも1種類のノニオン系界面活性剤とを含み、
    前記銅めっきの結晶子サイズが50オングストーム以上、250オングストーム以下であり、
    前記伸線後の前記銅めっきの厚みが50ナノメートル以上であることを特徴とする銅めっきワイヤ。
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