JP2009001595A - フッ素樹脂成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 薬液低透過性に優れたフッ素樹脂成形体を提供する。
【解決手段】 ポリテトラフルオロエチレン樹脂と、上記ポリテトラフルオロエチレン樹脂以外の溶融加工性含フッ素樹脂とからなるフッ素樹脂成形体であって、上記溶融加工性含フッ素樹脂は、溶融粘度が1000Pa・s以上であり、上記ポリテトラフルオロエチレン樹脂は、上記ポリテトラフルオロエチレン樹脂と上記溶融加工性含フッ素樹脂との合計の60質量%以上であるものであり、上記フッ素樹脂成形体は、25℃における35重量%塩酸の透過係数が0.05(μg・cm)/(cm2・day)以下であることを特徴とするフッ素樹脂成形体。
【解決手段】 ポリテトラフルオロエチレン樹脂と、上記ポリテトラフルオロエチレン樹脂以外の溶融加工性含フッ素樹脂とからなるフッ素樹脂成形体であって、上記溶融加工性含フッ素樹脂は、溶融粘度が1000Pa・s以上であり、上記ポリテトラフルオロエチレン樹脂は、上記ポリテトラフルオロエチレン樹脂と上記溶融加工性含フッ素樹脂との合計の60質量%以上であるものであり、上記フッ素樹脂成形体は、25℃における35重量%塩酸の透過係数が0.05(μg・cm)/(cm2・day)以下であることを特徴とするフッ素樹脂成形体。
Description
本発明は、フッ素樹脂成形体に関する。
半導体製造ラインをはじめ、液晶パネル製造ラインその他、高純度の強力な薬液を輸送する配管材には、従来、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体が主として用いられてきた。
配管材としては、近年、生産効率向上のために、力価がより強力な薬液をより高温下で輸送するもの、更にそれに伴い、液のみならず蒸気をも併送するものが求められている。しかしながら、従来の配管材は、耐クラック性及び耐薬品性が不充分という問題があった。
また従来の配管材には、薬液を透過してしまう問題があった。そのため、配管材を透過した薬液が他のライン等に悪影響を及ぼさないように、クリアランス部を設けた外装管内に薬液輸送用配管材を通し、このクリアランス部に定常的に濾過された空気を流し、この空気を除害塔で処理する等の対処を要する問題があった。従って、配管材の薬液透過の低減は、必須の課題となっている。
テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体からなる配管材の耐クラック性を向上させる手法としては、分子量を増加させるか又は共重合成分量を増加することが一般に知られている。しかしながら、分子量を増加させると、溶融粘度が増大し、通常の成形方法を適用できなくなる問題がある。また、共重合成分を増加させると、コストが増大する、耐熱性が低下する、耐薬品性が低下するおそれがある等の諸問題が発生する。
耐薬品性が最も良好なフッ素樹脂としてはポリテトラフルオロエチレンが挙げられるが、ポリテトラフルオロエチレンは、一般に溶融粘度が高く、押出成形時に強度に影響しない程度の大きさの微小なクラックを成形体の表面又は内部に生じてしまい、その結果、薬液の透過性がテトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体よりも上がってしまう問題がある。
薬液の透過量を低減する試みとしては、特定のテトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体に低分子量ポリテトラフルオロエチレンを添加した組成物が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3参照。)
しかしながら、これらの組成物は、得られる成形体の半導体製造用途としての性能を向上させているが、実質的にテトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体が主成分であり、ポリテトラフルオロエチレン単独よりもコスト高である問題があるほか、耐薬品性に劣る問題がある。これらの問題を解消すべく低分子量ポリテトラフルオロエチレンを増量すると、得られる成形体の耐薬品性は向上する傾向にあるが、その一方、溶融粘度が増加してしまい成形性の低下を免れない問題を生じる。
ポリテトラフルオロエチレンを主成分とし、含フッ素溶融樹脂を加えた被覆組成物も提案されている(例えば、特許文献4、特許文献5参照。)。これらの被覆組成物を焼成して得られた被覆層は、巨視的にはピンホールレスとなり充分な膜機能を有する場合もあるが、薬液透過という微視的な観点では、薬液を遮断するだけの充分な膜性能は有しておらず、薬液透過を低減する効果が不充分であるばかりでなく、浸透した薬液の膨張・収縮により生じると思われるクラックの発生に対して、充分な耐性を有しているとはいえないものもある問題がある。
特開2002−167488号公報(請求項1、〔0010〕)
特開平7−070397号公報(請求項2、〔0015〕)
特開2003−327770号公報(請求項1、〔0009〕)
特開平05−039451号公報
特開平10−142990号公報
本発明の目的は、上記現状に鑑み、薬液低透過性に優れたフッ素樹脂成形体を提供することにある。
本発明は、ポリテトラフルオロエチレン樹脂と、上記ポリテトラフルオロエチレン樹脂以外の溶融加工性含フッ素樹脂とからなるフッ素樹脂成形体であって、上記溶融加工性含フッ素樹脂は、溶融粘度が1000Pa・s以上であり、上記ポリテトラフルオロエチレン樹脂は、上記ポリテトラフルオロエチレン樹脂と上記溶融加工性含フッ素樹脂との合計の60質量%以上であるものであり、上記フッ素樹脂成形体は、25℃における35重量%塩酸の透過係数が0.05(μg・cm)/(cm2・day)以下であることを特徴とするフッ素樹脂成形体である。
本発明は、上記フッ素樹脂成形体からなる薬液輸送用チューブである。
本発明は、芯線と、前記芯線を被覆する電線被覆材とを有する電線であって、前記電線被覆材は、上記フッ素樹脂成形体からなることを特徴とする電線である。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明は、上記フッ素樹脂成形体からなる薬液輸送用チューブである。
本発明は、芯線と、前記芯線を被覆する電線被覆材とを有する電線であって、前記電線被覆材は、上記フッ素樹脂成形体からなることを特徴とする電線である。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のフッ素樹脂成形体は、ポリテトラフルオロエチレン[PTFE]樹脂と、上記PTFE樹脂以外の溶融加工性含フッ素樹脂とからなるものである。
本発明におけるPTFE樹脂を構成するフルオロポリマーは、テトラフルオロエチレン[TFE]単独重合体、及び/又は、TFEと、TFE以外の含フッ素ビニル化合物との共重合体であって、非溶融加工性であるもの(以下、変性ポリテトラフルオロエチレン[変性PTFE]という。)である。
上記含フッ素ビニル化合物としては、例えば、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)[PAVE]、ヘキサフルオロプロピレン[HFP]、クロロトリフルオロエチレン[CTFE]、フッ化ビニリデン[VdF]等が挙げられる。
上記PAVEとしては、パーフルオロアルコキシル基の炭素数が1〜8であるものが好ましく、1〜4であることがより好ましい。上記PAVEとしては、例えば、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)等が挙げられる。
上記PAVEとしては、パーフルオロアルコキシル基の炭素数が1〜8であるものが好ましく、1〜4であることがより好ましい。上記PAVEとしては、例えば、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)等が挙げられる。
上記変性PTFEは、含フッ素ビニル化合物からなる含フッ素ビニル化合物単位が、該変性PTFEのポリマー鎖を構成する単量体単位の全て(全単量体単位)の0.001質量%以上、1質量%以下の量で重合してなるものである。
本明細書において、変性PTFEにおける含フッ素ビニル化合物単位の量は、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)にて測定することができる。
本明細書において、変性PTFEにおける含フッ素ビニル化合物単位の量は、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)にて測定することができる。
本発明のフッ素樹脂成形体は、上記PTFE樹脂を構成するフルオロポリマーが、TFE単独重合体であるものが好ましい。
上記PTFE樹脂は、溶融粘度が、通常107Pa・s以上である。
上記PTFE樹脂は、得られる成形体の耐クラック性、耐薬品性、耐熱性等の点で、好ましい下限が108Pa・s、より好ましい下限が109Pa・sであり、成形性の点で、より好ましい上限が1012Pa・sである。
上記PTFE樹脂は、得られる成形体の耐クラック性、耐薬品性、耐熱性等の点で、好ましい下限が108Pa・s、より好ましい下限が109Pa・sであり、成形性の点で、より好ましい上限が1012Pa・sである。
本明細書において、上記PTFE樹脂の溶融粘度は、熱機械分析装置(サーモフレックスTMA、理学電機社製)を用いて、以下の手順によりクリープ試験を行い得られる値である。
(1)内径50mmの円筒形の金型に、80gのPTFE樹脂粉体を紙片に挟んで充填し、約30秒間徐々に圧力をかけて最終圧力を約352kg/cm2とし、この最終圧力に2分間保ち、予備成形体を作製する。
(2)上記金型から予備成形体を取り出し、371℃に昇温した空気電気炉中にて90分間焼成し、続いて1℃/分の速度により250℃まで降温して、この温度にて30分間保った後、円柱形の焼成体を取り出す。
(3)得られた円柱形の焼成体を側面に沿って切削加工し、厚み0.5mmの帯状シートを得る。得られた帯状シートから、幅1〜4mm、長さ15mmの小片を切り取り、1枚当たり3点の幅と厚みを正確に測定し、室温での断面積(A)を計算する。小片の両端に試料装着金具を装着間距離が1.0cmになるように取り付け、金具と試料とのアセンブリーを作製する。
(4)上記金具と試料とのアセンブリーを円柱状の炉に入れ、20℃/分の速度にて室温から380℃にまで昇温し、この温度を保持し、保持開始後約5分間経過したのち該温度にて約15gの引っ張り荷重(W)を加える。試料の伸びの経時変化を表す曲線から、荷重開始時後60〜120分の間の試料の伸び(dLγ/dT)を読み取り、試料の伸びの時間(60分)に対する割合を求める。
各測定値より、溶融粘度は、次の関係式から計算する。
(1)内径50mmの円筒形の金型に、80gのPTFE樹脂粉体を紙片に挟んで充填し、約30秒間徐々に圧力をかけて最終圧力を約352kg/cm2とし、この最終圧力に2分間保ち、予備成形体を作製する。
(2)上記金型から予備成形体を取り出し、371℃に昇温した空気電気炉中にて90分間焼成し、続いて1℃/分の速度により250℃まで降温して、この温度にて30分間保った後、円柱形の焼成体を取り出す。
(3)得られた円柱形の焼成体を側面に沿って切削加工し、厚み0.5mmの帯状シートを得る。得られた帯状シートから、幅1〜4mm、長さ15mmの小片を切り取り、1枚当たり3点の幅と厚みを正確に測定し、室温での断面積(A)を計算する。小片の両端に試料装着金具を装着間距離が1.0cmになるように取り付け、金具と試料とのアセンブリーを作製する。
(4)上記金具と試料とのアセンブリーを円柱状の炉に入れ、20℃/分の速度にて室温から380℃にまで昇温し、この温度を保持し、保持開始後約5分間経過したのち該温度にて約15gの引っ張り荷重(W)を加える。試料の伸びの経時変化を表す曲線から、荷重開始時後60〜120分の間の試料の伸び(dLγ/dT)を読み取り、試料の伸びの時間(60分)に対する割合を求める。
各測定値より、溶融粘度は、次の関係式から計算する。
(式中、η=溶融粘度(×10−1Pa・s)、W=引っ張り荷重(g)、Lγ=380℃における試料の長さ(cm)、g=重力の定数;980cm/秒2、dLγ/dT=荷重開始時後60〜120分の間における試料の伸びの時間に対する割合(cm/秒)、Aγ=380℃における試料の断面積(cm2))
PTFE樹脂の場合、一般に、溶融粘度は、分子量の目安とすることができる。
上記PTFE樹脂は、数平均分子量が、通常、300〜700万である。上記数平均分子量は、550万±100万であることが好ましい。
本明細書において、上記数平均分子量は、ASTM D−4895に準拠して、標準比重より算出した値である。
本発明のフッ素樹脂成形体は、PTFE樹脂が上述の溶融粘度を目安とする分子量又は上記数平均分子量をそれぞれ上述の範囲内で有するものである場合、適度な耐クラック性を有し、また更に、耐薬品性、機械的強度、耐熱性、成形時の溶融混練性等にも優れたものとすることができる。
上記PTFE樹脂は、数平均分子量が、通常、300〜700万である。上記数平均分子量は、550万±100万であることが好ましい。
本明細書において、上記数平均分子量は、ASTM D−4895に準拠して、標準比重より算出した値である。
本発明のフッ素樹脂成形体は、PTFE樹脂が上述の溶融粘度を目安とする分子量又は上記数平均分子量をそれぞれ上述の範囲内で有するものである場合、適度な耐クラック性を有し、また更に、耐薬品性、機械的強度、耐熱性、成形時の溶融混練性等にも優れたものとすることができる。
上記PTFE樹脂は、目的とする成形体の用途や成形方法に応じ、乳化重合、懸濁重合、溶液重合等の公知の方法にて製造することができるが、薬液低透過性向上に有効な後述の共凝析粉体として調製する場合、乳化重合により得られるものが好ましい。
本発明のフッ素樹脂成形体における上記PTFE樹脂以外の溶融加工性含フッ素樹脂は、溶融粘度が1000Pa・s以上であるものである。
上記溶融加工性含フッ素樹脂は、機械的強度の点で、好ましい下限が5000Pa・sであり、より好ましい下限が8500Pa・sであり、これらの範囲内であれば、通常、500000Pa・s以下である。
本明細書において、上記溶融加工性含フッ素樹脂の溶融粘度は、後述のメルトフローレートの測定値から換算される値である。
上記溶融加工性含フッ素樹脂は、機械的強度の点で、好ましい下限が5000Pa・sであり、より好ましい下限が8500Pa・sであり、これらの範囲内であれば、通常、500000Pa・s以下である。
本明細書において、上記溶融加工性含フッ素樹脂の溶融粘度は、後述のメルトフローレートの測定値から換算される値である。
本発明のフッ素樹脂成形体における上記溶融加工性含フッ素樹脂としては、上記溶融粘度を有し且つ300℃以上の成形温度に耐え得るものが好ましく、このような溶融加工性含フッ素樹脂としては、特に限定されず、例えば、オレフィン系含フッ素樹脂、含フッ素ポリエステル、含フッ素ポリアミド等が挙げられるが、オレフィン系含フッ素樹脂が好ましい。
本発明のフッ素樹脂成形体において、上記溶融加工性含フッ素樹脂は1種のみ使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
本発明のフッ素樹脂成形体において、上記溶融加工性含フッ素樹脂は1種のみ使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
上記オレフィン系含フッ素樹脂としては、例えば、TFE/PAVE共重合体、TFE/HFP共重合体〔FEP〕、エチレン/TFE共重合体〔ETFE〕、VdF重合体、CTFE重合体等が挙げられ、なかでも、TFE/PAVE共重合体及び/又はTFE/HFP共重合体が好ましい。
上記TFE/PAVE共重合体、及び、TFE/HFP共重合体は、PTFEに次いで化学的に安定な構造を有し、格段に優れた耐薬品性を示すので、本発明のフッ素樹脂成形体を化学用途に使用する場合、特に好ましい。
本発明におけるオレフィン系含フッ素樹脂としては、また、薬液低透過性向上の点で、TFE/PAVE共重合体がより好ましい。TFE/PAVE共重合体が薬液低透過性に特に優れる機構としては明確ではないが、TFE/PAVE共重合体は、TFE/HFP共重合体よりもPTFE樹脂に対する相溶性が高いので、PTFE樹脂粒子相互の間に行き渡りやすいことによるものと考えられる。
本発明におけるオレフィン系含フッ素樹脂としては、また、薬液低透過性向上の点で、TFE/PAVE共重合体がより好ましい。TFE/PAVE共重合体が薬液低透過性に特に優れる機構としては明確ではないが、TFE/PAVE共重合体は、TFE/HFP共重合体よりもPTFE樹脂に対する相溶性が高いので、PTFE樹脂粒子相互の間に行き渡りやすいことによるものと考えられる。
上記TFE/PAVE共重合体は、TFE及びPAVEのみからなる共重合体であってもよいし、TFE及びPAVEと、これら両単量体以外の含フッ素ビニル化合物(以下、本段落において「任意の含フッ素単量体(i)」)とからなる共重合体であってもよい。本発明において、TFE/PAVE共重合体は、TFE:PAVE:任意の含フッ素単量体(i)=(98.5〜90):(1.5〜8):(0〜2)の質量比にて単量体が共重合してなる共重合体であることが好ましい。
上記TFE/HFP共重合体は、TFE及びHFPのみからなる共重合体であってもよいし、TFE及びHFPと、これら両単量体以外の含フッ素ビニル化合物(以下、本段落において「任意の含フッ素単量体(ii)」)とからなる共重合体であってもよい。本発明において、TFE/HFP共重合体は、TFE:HFP:任意の含フッ素単量体(ii)=(82〜95):(5〜18):(0〜2.5)の質量比にて単量体が共重合してなる共重合体である。
上記TFE/HFP共重合体は、TFE及びHFPのみからなる共重合体であってもよいし、TFE及びHFPと、これら両単量体以外の含フッ素ビニル化合物(以下、本段落において「任意の含フッ素単量体(ii)」)とからなる共重合体であってもよい。本発明において、TFE/HFP共重合体は、TFE:HFP:任意の含フッ素単量体(ii)=(82〜95):(5〜18):(0〜2.5)の質量比にて単量体が共重合してなる共重合体である。
本発明において、PTFE樹脂以外の溶融加工性含フッ素樹脂は、メルトフローレート[MFR]が0.5〜25(g/10分)であるものが好ましい。
上記MFRは、TFE/PAVE共重合体、TFE/HFP共重合体等のオレフィン系含フッ素樹脂の分子量の目安となり得る特性値である。オレフィン系含フッ素樹脂は、MFRが上記範囲内のものが好ましく、通常、PTFE樹脂よりも分子量が低い。
本発明において、オレフィン系含フッ素樹脂は、他の特性との兼ね合いもあるが、耐クラック性の点では、できるだけ分子量が高いものが好ましい。一般に、2種以上の樹脂からなる成形体では、力学的負荷がかかると、最も力学的に弱い個所に応力が集中し、該個所又は該個所とその周囲との界面において破壊しやすい。しかしながら、本発明は、オレフィン系含フッ素樹脂として比較的高分子量のものを用いることにより、耐応力クラック性を向上することができる。
上記オレフィン系含フッ素樹脂は、また、得られるフッ素樹脂成形体の表面平滑性の点では、分子量が比較的低いものが好ましく、目的とする耐熱性等の特性を損なわない範囲内において、用途に応じ、分子量を適宜調整して用いることができる。
上記MFRは、TFE/PAVE共重合体、TFE/HFP共重合体等のオレフィン系含フッ素樹脂の分子量の目安となり得る特性値である。オレフィン系含フッ素樹脂は、MFRが上記範囲内のものが好ましく、通常、PTFE樹脂よりも分子量が低い。
本発明において、オレフィン系含フッ素樹脂は、他の特性との兼ね合いもあるが、耐クラック性の点では、できるだけ分子量が高いものが好ましい。一般に、2種以上の樹脂からなる成形体では、力学的負荷がかかると、最も力学的に弱い個所に応力が集中し、該個所又は該個所とその周囲との界面において破壊しやすい。しかしながら、本発明は、オレフィン系含フッ素樹脂として比較的高分子量のものを用いることにより、耐応力クラック性を向上することができる。
上記オレフィン系含フッ素樹脂は、また、得られるフッ素樹脂成形体の表面平滑性の点では、分子量が比較的低いものが好ましく、目的とする耐熱性等の特性を損なわない範囲内において、用途に応じ、分子量を適宜調整して用いることができる。
TFE/PAVE共重合体及びTFE/HFP共重合体は、好ましいMFRが0.5〜25(g/10分)である。
上記溶融加工性含フッ素樹脂がTFE/PAVE共重合体又はTFE/HFP共重合体である場合、上記MFRは、0.5(g/10分)を下回ると成形性を著しく損なうことがあり、また25(g/10分)を超えると耐クラック性を著しく損なうことがある。
上記溶融加工性含フッ素樹脂がTFE/PAVE共重合体又はTFE/HFP共重合体である場合、上記MFRは、0.5(g/10分)を下回ると成形性を著しく損なうことがあり、また25(g/10分)を超えると耐クラック性を著しく損なうことがある。
本明細書において、上記MFRは、ASTM D−2116に準じ、荷重5gにて測定した値である。
上記TFE/PAVE共重合体及びTFE/HFP共重合体におけるMFRの測定温度は372℃であるが、その他の適用可能な溶融加工性含フッ素樹脂については、その標準的な評価温度におけるMFRの値が上記範囲にあることが好ましい。例えば、ETFEでは、297℃において上記範囲を満たすことが好ましい。
上記TFE/PAVE共重合体及びTFE/HFP共重合体におけるMFRの測定温度は372℃であるが、その他の適用可能な溶融加工性含フッ素樹脂については、その標準的な評価温度におけるMFRの値が上記範囲にあることが好ましい。例えば、ETFEでは、297℃において上記範囲を満たすことが好ましい。
なお、上述の溶融加工性含フッ素樹脂の溶融粘度[MV、Pa・s]は、上記MFRから誘導される数値で管理すればよく、その誘導には下記の式(1)を用いればよい。
log(MFR)=1.618−0.98×log(MV×10−4) (1)
log(MFR)=1.618−0.98×log(MV×10−4) (1)
上記PTFE樹脂以外の溶融加工性含フッ素樹脂は、目的とする成形体の用途や成形方法に応じ、乳化重合、懸濁重合、溶液重合等の公知の方法にて製造することができるが、成形性の点で、乳化重合により得られるものが好ましい。
本発明のフッ素樹脂成形体において、上述のPTFE樹脂は、該PTFE樹脂と上記溶融加工性含フッ素樹脂との合計の60質量%以上であるものである。
上記PTFE樹脂は、上記PTFE樹脂と上記溶融加工性含フッ素樹脂との合計の80質量%以上であることが好ましく、92質量%以上であることがより好ましく、また、上記範囲内であれば、97質量%以下であってもよいし、95質量%以下であってもよい。
本発明のフッ素樹脂成形体は、一般に溶融加工性含フッ素樹脂よりも安価な上記PTFE樹脂を上記範囲内の量で有するものであるので、製造コストが低い。
上記PTFE樹脂は、上記PTFE樹脂と上記溶融加工性含フッ素樹脂との合計の80質量%以上であることが好ましく、92質量%以上であることがより好ましく、また、上記範囲内であれば、97質量%以下であってもよいし、95質量%以下であってもよい。
本発明のフッ素樹脂成形体は、一般に溶融加工性含フッ素樹脂よりも安価な上記PTFE樹脂を上記範囲内の量で有するものであるので、製造コストが低い。
本発明のフッ素樹脂成形体は、一般に、25℃における35重量%塩酸の透過係数が0.05(μg・cm)/(cm2・day)以下であるものである。
上記透過係数は、0.03(μg・cm)/(cm2・day)以下であることが好ましい。また、上記透過係数は、上記範囲内であれば、0.005(μg・cm)/(cm2・day)以上であってもよい。
上記透過係数は、0.03(μg・cm)/(cm2・day)以下であることが好ましい。また、上記透過係数は、上記範囲内であれば、0.005(μg・cm)/(cm2・day)以上であってもよい。
本発明において、上記透過係数を測る手法としては様々な方法が考えられるが、例えば、下記(1)〜(4)の手順にて評価することができる。
(1)本発明のフッ素樹脂成形体から、内径15.80mm×外径19.05mmのチューブを作製し、この片末端を末端封止継手により封止する。この末端の封止状態は、例えば窒素加圧等により確認する。この封止部の厚みは、全般にチューブ部よりもはるかに厚いので、この部位からの透過は無視してよい。
(2)得られたチューブ内部に35重量%塩酸を注入し、残る開放末端についても末端封止継手により封止して、35重量%塩酸を封入したチューブを得る。
この末端の封止性に関し、同様の試料を複数個用意して試験を行い、漏れの疑いのある試料をデータに加えないことにより保証する。
(3)35重量%塩酸を封入したチューブの質量を計量し、温度を25℃に設定し且つ蒸散しないように管理した純水中に、薬液面が純水面よりも下にあるように上記チューブを静置して、薬液の水位から透過対象面積を算出する。
この際、浸漬長さは、できる限り長い方が測定誤差が小さくなるので、250mm以上であることが好ましい。
(4)上記浸漬後、1〜3日間、チューブ周囲の純水を定期的にサンプリングし、該サンプリング水中の塩素イオン濃度を評価して、透過量曲線を作成し、下記式に基づき、透過率を算出する。
(透過率)=(透過量)÷(透過対象面積)÷(経過日数)×(チューブ厚み)
(1)本発明のフッ素樹脂成形体から、内径15.80mm×外径19.05mmのチューブを作製し、この片末端を末端封止継手により封止する。この末端の封止状態は、例えば窒素加圧等により確認する。この封止部の厚みは、全般にチューブ部よりもはるかに厚いので、この部位からの透過は無視してよい。
(2)得られたチューブ内部に35重量%塩酸を注入し、残る開放末端についても末端封止継手により封止して、35重量%塩酸を封入したチューブを得る。
この末端の封止性に関し、同様の試料を複数個用意して試験を行い、漏れの疑いのある試料をデータに加えないことにより保証する。
(3)35重量%塩酸を封入したチューブの質量を計量し、温度を25℃に設定し且つ蒸散しないように管理した純水中に、薬液面が純水面よりも下にあるように上記チューブを静置して、薬液の水位から透過対象面積を算出する。
この際、浸漬長さは、できる限り長い方が測定誤差が小さくなるので、250mm以上であることが好ましい。
(4)上記浸漬後、1〜3日間、チューブ周囲の純水を定期的にサンプリングし、該サンプリング水中の塩素イオン濃度を評価して、透過量曲線を作成し、下記式に基づき、透過率を算出する。
(透過率)=(透過量)÷(透過対象面積)÷(経過日数)×(チューブ厚み)
本発明のフッ素樹脂成形体は、例えば、上記PTFE樹脂と上記PTFE樹脂以外の溶融加工性含フッ素樹脂とからなる共凝析粉体を用いて成形することにより得ることができる。
上記共凝析粉体は、共凝析により得られる粉体である。
本明細書において、以下、「共凝析」を付すことなく、単に「粉体」又は「凝析粉体」と表す用語は、他に異なる記載をしない限り、「共凝析粉体」を含まない概念である。
上記共凝析の方法としては、例えば、(i)PTFE樹脂からなる粒子が水性媒体に分散している水性分散液と、上記溶融加工性含フッ素樹脂粒子が水性媒体に分散している水性分散液とを混合して凝析する方法、(ii)上記溶融加工性含フッ素樹脂からなる粉体を、PTFE樹脂からなる粒子が水性媒体に分散している水性分散液に添加した後に凝析する方法、(iii)PTFE樹脂からなる粉体を、上記溶融加工性含フッ素樹脂からなる粒子が水性媒体に分散している水性分散液に添加した後に凝析する方法が挙げられる。
上記共凝析の方法としては、特に各樹脂が均一に分散し易い点で、上記(i)の方法が好ましい。
本明細書において、以下、「共凝析」を付すことなく、単に「粉体」又は「凝析粉体」と表す用語は、他に異なる記載をしない限り、「共凝析粉体」を含まない概念である。
上記共凝析の方法としては、例えば、(i)PTFE樹脂からなる粒子が水性媒体に分散している水性分散液と、上記溶融加工性含フッ素樹脂粒子が水性媒体に分散している水性分散液とを混合して凝析する方法、(ii)上記溶融加工性含フッ素樹脂からなる粉体を、PTFE樹脂からなる粒子が水性媒体に分散している水性分散液に添加した後に凝析する方法、(iii)PTFE樹脂からなる粉体を、上記溶融加工性含フッ素樹脂からなる粒子が水性媒体に分散している水性分散液に添加した後に凝析する方法が挙げられる。
上記共凝析の方法としては、特に各樹脂が均一に分散し易い点で、上記(i)の方法が好ましい。
本発明において、PTFE樹脂としては、上述のPTFE樹脂からなる粒子が水性媒体に分散している水性分散液を用いる場合、調製容易、分散性向上の点で、乳化重合により得た水性分散液をそのまま又は該水性分散液を必要に応じて適宜濃縮した濃縮液を用いることが好ましい。
本発明において、PTFE樹脂としては、上述のPTFE樹脂からなる粉体を用いる場合、上記水性分散液又はその濃縮液を凝析して乾燥し、必要に応じて粉砕して粒子径を調整した粉体を用いることができる。
本発明において、PTFE樹脂としては、上述のPTFE樹脂からなる粉体を用いる場合、上記水性分散液又はその濃縮液を凝析して乾燥し、必要に応じて粉砕して粒子径を調整した粉体を用いることができる。
本発明において、PTFE樹脂以外の溶融加工性含フッ素樹脂としては、上述の溶融加工性含フッ素樹脂からなる粒子が水性媒体に分散している水性分散液を用いる場合、調製容易、分散性向上の点で、乳化重合により得た水性分散液をそのまま又は該水性分散液を必要に応じて適宜濃縮した濃縮液を用いることが好ましい。
本発明において、PTFE樹脂以外の溶融加工性含フッ素樹脂としては、上述の溶融加工性含フッ素樹脂からなる粉体を用いる場合、上記水性分散液又はその濃縮液を凝析して乾燥し、必要に応じて粉砕して粒子径を調整した粉体を用いることができる。
上記(i)〜(iii)の方法において、上記PTFE樹脂と上記溶融加工性含フッ素樹脂とに加え、用途に応じ、成核剤、酸化防止剤等の公知の添加剤を添加することもできる。
本発明において、PTFE樹脂以外の溶融加工性含フッ素樹脂としては、上述の溶融加工性含フッ素樹脂からなる粉体を用いる場合、上記水性分散液又はその濃縮液を凝析して乾燥し、必要に応じて粉砕して粒子径を調整した粉体を用いることができる。
上記(i)〜(iii)の方法において、上記PTFE樹脂と上記溶融加工性含フッ素樹脂とに加え、用途に応じ、成核剤、酸化防止剤等の公知の添加剤を添加することもできる。
本発明における成形方法としては特に限定されず、例えば、押出被覆成形方式、ラッピングテープ方式、カレンダー圧延方式等が挙げられる。
上記成形の方法としては押出被覆成形方式が好ましく、上記押出被覆成形方式としてはペースト押出成形が好ましい。
上記成形方法は、上記粉体が、上述のPTFE樹脂とPTFE樹脂以外の溶融加工性含フッ素樹脂とからなる共凝析粉体である場合に好適に適用することができる。
上記成形において、焼成は、PTFE樹脂の融点以上の温度にて行うことが好ましい。
上記成形の方法としては押出被覆成形方式が好ましく、上記押出被覆成形方式としてはペースト押出成形が好ましい。
上記成形方法は、上記粉体が、上述のPTFE樹脂とPTFE樹脂以外の溶融加工性含フッ素樹脂とからなる共凝析粉体である場合に好適に適用することができる。
上記成形において、焼成は、PTFE樹脂の融点以上の温度にて行うことが好ましい。
本発明のフッ素樹脂成形体は、通常、非多孔質体である。
本明細書において、「非多孔質体」は、多孔質体と一般に観念される成形体とは異なるものである。上記非多孔質体は、中実体と称されることもある。
本明細書において、上記「非多孔質体」は、フッ素樹脂成形体を構成する樹脂粒子相互の間にたとえ空隙が生じても、該フッ素樹脂成形体を薬液が導通することを許すほどには該空隙が相互に接続して連続空隙を形成していない成形体である。
本明細書において、「非多孔質体」は、多孔質体と一般に観念される成形体とは異なるものである。上記非多孔質体は、中実体と称されることもある。
本明細書において、上記「非多孔質体」は、フッ素樹脂成形体を構成する樹脂粒子相互の間にたとえ空隙が生じても、該フッ素樹脂成形体を薬液が導通することを許すほどには該空隙が相互に接続して連続空隙を形成していない成形体である。
本発明のフッ素樹脂成形体は、PTFE樹脂と、PTFE樹脂以外の溶融加工性含フッ素樹脂との混合を共凝析にて行ったものである場合、PTFE樹脂からなる粉体と、溶融加工性含フッ素樹脂からなる粉体とを混合する乾式混合による場合に比べ、両樹脂が相互に更に均一に混合し分散するので、特に薬液低透過性に優れるほか、耐薬品性、表面平滑性にも優れ、また、ピンホールが殆どなく耐電圧性も良好なフッ素樹脂成形体を得ることができる。
本発明のフッ素樹脂成形体は、耐屈曲性に優れるので、MITを一般に50万回以上、好ましくは100万回以上とすることができる。
本明細書において、MITは、MIT耐揉疲労試験機(東洋精機製作所製)を用い、ASTM D−2176に準拠した条件下で折り曲げを繰り返し、破断するまでの回数を測定することにより得られた値である。
上記フッ素樹脂成形体は、更に、表面平滑性に優れるので、電線被覆材として用いる場合、電線線径ばらつきを一般に0.2%以下、好ましくは0.14%以下とすることができる。
本明細書において、上記電線線径ばらつきは、寸法測定器(キーエンス社製)を用いて、電線の直径を1秒ごとに3分間測定して、得られた線径について標準偏差を求め、該標準偏差を平均直径で除して算出した値である。
本明細書において、MITは、MIT耐揉疲労試験機(東洋精機製作所製)を用い、ASTM D−2176に準拠した条件下で折り曲げを繰り返し、破断するまでの回数を測定することにより得られた値である。
上記フッ素樹脂成形体は、更に、表面平滑性に優れるので、電線被覆材として用いる場合、電線線径ばらつきを一般に0.2%以下、好ましくは0.14%以下とすることができる。
本明細書において、上記電線線径ばらつきは、寸法測定器(キーエンス社製)を用いて、電線の直径を1秒ごとに3分間測定して、得られた線径について標準偏差を求め、該標準偏差を平均直径で除して算出した値である。
共凝析粉体を用いて成形することにより得られたフッ素樹脂成形体が、薬液低透過性、耐薬品性、表面平滑性及び耐電圧性に優れる理由としては、様々な要因が考えられるが、その1つとして以下のことが考えられる。
上記共凝析粉体を用いて成形加工する場合、各樹脂は、焼成により溶融した後、溶融加工性含フッ素樹脂粒子よりも先にPTFE樹脂粒子が固化し始める。この際、共凝析粉体においてPTFE樹脂粒子相互の間に溶融加工性含フッ素樹脂粒子が満遍なく分散して存在していることに起因して、PTFE樹脂粒子相互の間を溶融加工性含フッ素樹脂が溶融固化して充填した構造を形成するからである。
上記共凝析粉体を用いて成形加工する場合、各樹脂は、焼成により溶融した後、溶融加工性含フッ素樹脂粒子よりも先にPTFE樹脂粒子が固化し始める。この際、共凝析粉体においてPTFE樹脂粒子相互の間に溶融加工性含フッ素樹脂粒子が満遍なく分散して存在していることに起因して、PTFE樹脂粒子相互の間を溶融加工性含フッ素樹脂が溶融固化して充填した構造を形成するからである。
本発明のフッ素樹脂成形体は、上述のように、一旦共凝析粉体を調製し、該共凝析粉体を用いて成形することにより得られたものである場合、該共凝析粉体においてPTFE樹脂とPTFE樹脂以外の溶融加工性含フッ素樹脂とが均一に混合しているので、特に、得られる成形体における分散性に優れ、例えば薬液低透過性等の優れた特性を有することができる。これに対し、一旦粉体を調製することなく、PTFE樹脂と溶融加工性含フッ素樹脂との水性分散液をそのまま基材等に塗装して得た成形体は、該成形体においてPTFE樹脂と溶融加工性含フッ素樹脂との分散性に乏しく、薬液低透過性等の特性に劣ることがある。
本発明のフッ素樹脂成形体は、また、高い透明性を有するものとして得ることができる。上記フッ素樹脂成形体が透明性に優れていることの機構は明らかではないが、結晶性のPTFE樹脂粒子同士の間に非結晶性の溶融加工性含フッ素樹脂が、結晶性のPTFE樹脂粒子同士の間に存在しているからであると考えられる。
本発明のフッ素樹脂成形体は、チューブ、ホース、電線、フィルム等、所望の形状にすることができる。
本発明のフッ素樹脂成形体は、薬液低透過性、耐薬品性に優れているので、薬液輸送用チューブ等に好適に使用することができる。
本発明のフッ素樹脂成形体は、また、表面平滑性が良好なので索道管、医薬用チューブ等に好適に使用でき、更に耐電圧性にも優れているので、電線、特に同軸ケーブルの被覆材として好適に使用することもできる。
芯線と、前記芯線を被覆する電線被覆材とを有する電線であって、上記電線被覆材は、上述の本発明のフッ素樹脂成形体からなる電線もまた、本発明の1つである。
本発明に電線における芯線としては、例えば、銅線、ニッケルメッキ銅線等が挙げられる。上記芯線は、外径が0.05〜1mmであることが好ましい。
本発明のフッ素樹脂成形体を電線被覆材として加工する場合、表面平滑性が良好であると押出成形時の線径をコントロールしやすく、また、線径偏差を小さくすることができるので、反射損失も小さくなり、特性インピーダンスを整合させやすい。また、本発明のフッ素樹脂成形体を電線被覆材として加工する場合、押出成形してもピンホールが殆どないので耐電圧が向上する点で好ましい。
本発明のフッ素樹脂成形体は、薬液低透過性、耐薬品性に優れているので、薬液輸送用チューブ等に好適に使用することができる。
本発明のフッ素樹脂成形体は、また、表面平滑性が良好なので索道管、医薬用チューブ等に好適に使用でき、更に耐電圧性にも優れているので、電線、特に同軸ケーブルの被覆材として好適に使用することもできる。
芯線と、前記芯線を被覆する電線被覆材とを有する電線であって、上記電線被覆材は、上述の本発明のフッ素樹脂成形体からなる電線もまた、本発明の1つである。
本発明に電線における芯線としては、例えば、銅線、ニッケルメッキ銅線等が挙げられる。上記芯線は、外径が0.05〜1mmであることが好ましい。
本発明のフッ素樹脂成形体を電線被覆材として加工する場合、表面平滑性が良好であると押出成形時の線径をコントロールしやすく、また、線径偏差を小さくすることができるので、反射損失も小さくなり、特性インピーダンスを整合させやすい。また、本発明のフッ素樹脂成形体を電線被覆材として加工する場合、押出成形してもピンホールが殆どないので耐電圧が向上する点で好ましい。
本発明のフッ素樹脂成形体は、上述の構成よりなるので、薬液低透過性であり、透明性が高く、表面平滑性が良く、耐薬品性、耐電圧性等に優れている上に、製造コストが低い。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例及び比較例に限定されるものではない。
実施例及び比較例では、PTFE樹脂分散液として、特開昭51−36291号公報の実施例1で得られた分散液を用い、溶融加工性含フッ素樹脂分散液としてPFA分散液(特開昭62−541号公報の実施例1に基づき調製したもの)等を使用した。
また、実施例及び比較例において、各種測定は以下の方法にて行った。
(1)MFR
荷重5g、372℃の温度にて、ASTM D−2116に準拠して測定した。
(2)電線線径ばらつき(線径の安定性や、表面平滑性の指標)
寸法測定器(キーエンス社製)を用いて、電線の直径を1秒ごとに3分間測定して、得られた線径について標準偏差を求め、該標準偏差を平均直径で除して算出した。
(3)MIT試験
得られたチューブから試験片(幅12.7mm×厚さ0.5mm)を切り出し、MIT耐揉疲労試験機(東洋精機製作所製)を用い、ASTM D−2176に準拠した条件下で折り曲げを繰り返し、破断するまでの回数を測定した。
(4)35重量%塩酸の透過係数
下記(i)〜(iv)の手順にて行った。
(i)フッ素樹脂成形体から、内径15.80mm×外径19.05mmのチューブを作製し、この片末端を末端封止継手(厚み2mm)により封止する。
(ii)得られたチューブ内部に35重量%塩酸を注入し、残る開放末端についても末端封止継手により封止して、35重量%塩酸を封入したチューブを得る。
(iii)35重量%塩酸を封入したチューブの質量を計量し、温度を25℃に設定し且つ蒸散しないように管理した純水中に、薬液面から水面までの浸漬長さを250mmにして上記チューブを静置して、薬液の水位から透過対象面積を算出する。
(iv)上記浸漬後、1〜3日間チューブ周囲の純水を定期的にサンプリングし、該サンプリング水中の塩素イオン濃度を評価して、透過量曲線を作成し、下記式に基づき、透過率を算出する。
(透過率)=(透過量μg)÷(透過対象面積cm2)÷(経過日数)×(チューブ厚みcm)
また、実施例及び比較例において、各種測定は以下の方法にて行った。
(1)MFR
荷重5g、372℃の温度にて、ASTM D−2116に準拠して測定した。
(2)電線線径ばらつき(線径の安定性や、表面平滑性の指標)
寸法測定器(キーエンス社製)を用いて、電線の直径を1秒ごとに3分間測定して、得られた線径について標準偏差を求め、該標準偏差を平均直径で除して算出した。
(3)MIT試験
得られたチューブから試験片(幅12.7mm×厚さ0.5mm)を切り出し、MIT耐揉疲労試験機(東洋精機製作所製)を用い、ASTM D−2176に準拠した条件下で折り曲げを繰り返し、破断するまでの回数を測定した。
(4)35重量%塩酸の透過係数
下記(i)〜(iv)の手順にて行った。
(i)フッ素樹脂成形体から、内径15.80mm×外径19.05mmのチューブを作製し、この片末端を末端封止継手(厚み2mm)により封止する。
(ii)得られたチューブ内部に35重量%塩酸を注入し、残る開放末端についても末端封止継手により封止して、35重量%塩酸を封入したチューブを得る。
(iii)35重量%塩酸を封入したチューブの質量を計量し、温度を25℃に設定し且つ蒸散しないように管理した純水中に、薬液面から水面までの浸漬長さを250mmにして上記チューブを静置して、薬液の水位から透過対象面積を算出する。
(iv)上記浸漬後、1〜3日間チューブ周囲の純水を定期的にサンプリングし、該サンプリング水中の塩素イオン濃度を評価して、透過量曲線を作成し、下記式に基づき、透過率を算出する。
(透過率)=(透過量μg)÷(透過対象面積cm2)÷(経過日数)×(チューブ厚みcm)
実施例1〜4
得られるフッ素樹脂成形体の樹脂成分が、表1に示す組成及び質量比となるようにPTFE水性分散液と溶融加工性含フッ素樹脂水性分散液を混合し、凝析剤として硝酸を1g添加して凝析させたのち上澄みを濾去して得られた湿潤粉末を200℃にて12時間乾燥を行うことにより共凝析を行い、共凝析粉体を得た。
得られた共凝析粉体を用いて、下記方法にて、フッ素樹脂成形体チューブ及び電線を作製した。得られたフッ素樹脂成形体チューブについて、MIT値及び35重量%塩酸の透過係数を測定し、得られた電線について電線線径ばらつきを測定した。
得られるフッ素樹脂成形体の樹脂成分が、表1に示す組成及び質量比となるようにPTFE水性分散液と溶融加工性含フッ素樹脂水性分散液を混合し、凝析剤として硝酸を1g添加して凝析させたのち上澄みを濾去して得られた湿潤粉末を200℃にて12時間乾燥を行うことにより共凝析を行い、共凝析粉体を得た。
得られた共凝析粉体を用いて、下記方法にて、フッ素樹脂成形体チューブ及び電線を作製した。得られたフッ素樹脂成形体チューブについて、MIT値及び35重量%塩酸の透過係数を測定し、得られた電線について電線線径ばらつきを測定した。
比較例1
PTFE樹脂水性分散液(樹脂濃度27.0質量%)を、溶融加工性含フッ素樹脂を用いない以外は実施例1の共凝析と同じ方法により凝析、乾燥を行い、凝析粉体を得た。得られた凝析粉体を用いて、下記方法にてフッ素樹脂成形体チューブ及び電線を作製した。
得られたフッ素樹脂成形体チューブ及び電線について、それぞれ実施例と同様にMIT値、35重量%塩酸の透過係数及び電線線径ばらつきの測定を行った。
PTFE樹脂水性分散液(樹脂濃度27.0質量%)を、溶融加工性含フッ素樹脂を用いない以外は実施例1の共凝析と同じ方法により凝析、乾燥を行い、凝析粉体を得た。得られた凝析粉体を用いて、下記方法にてフッ素樹脂成形体チューブ及び電線を作製した。
得られたフッ素樹脂成形体チューブ及び電線について、それぞれ実施例と同様にMIT値、35重量%塩酸の透過係数及び電線線径ばらつきの測定を行った。
比較例2
溶融加工性含フッ素樹脂水性分散液(樹脂濃度12.0質量%)を、PTFE樹脂を用いない以外は実施例1の共凝析と同じ方法により凝析、乾燥を行い、凝析粉体を得た。得られた凝析粉体を用いて、下記方法にてフッ素樹脂成形体チューブ及び電線を作製した。
得られたフッ素樹脂成形体チューブ及び電線について、それぞれ実施例と同様にMIT値、35重量%塩酸の透過係数及び電線線径ばらつきの測定を行った。
溶融加工性含フッ素樹脂水性分散液(樹脂濃度12.0質量%)を、PTFE樹脂を用いない以外は実施例1の共凝析と同じ方法により凝析、乾燥を行い、凝析粉体を得た。得られた凝析粉体を用いて、下記方法にてフッ素樹脂成形体チューブ及び電線を作製した。
得られたフッ素樹脂成形体チューブ及び電線について、それぞれ実施例と同様にMIT値、35重量%塩酸の透過係数及び電線線径ばらつきの測定を行った。
フッ素樹脂成形体チューブの作製
得られた共凝析粉体100質量部に対し、IsoparG(エクソンモービル社製)18質量部を加えて、ポリビンの中で24時間放置することにより熟成を行った後、タブラーシェイカーを用いて5分間混合した。
#8のふるいを通した後、ペースト押出法によりチューブ成形体を得るため、まず、5MPaの圧力で15分間圧縮することで一次予備成形を行った。一次予備成形品とシリンダとの隙間を埋めるため、得られた一次予備成形品を、図1の押出成形機1のシリンダへ入れ、ヘッドを閉じて20MPaの圧力をかけて1分間二次予備成形を行った。
上記押出成形機1におけるシリンダ内径は38mm、マンドレル外径は16mm、外径1.06mmのコアピン、ダイ内径は1.27mmとし、ダイ温度を60℃に設定した。
得られた共凝析粉体100質量部に対し、IsoparG(エクソンモービル社製)18質量部を加えて、ポリビンの中で24時間放置することにより熟成を行った後、タブラーシェイカーを用いて5分間混合した。
#8のふるいを通した後、ペースト押出法によりチューブ成形体を得るため、まず、5MPaの圧力で15分間圧縮することで一次予備成形を行った。一次予備成形品とシリンダとの隙間を埋めるため、得られた一次予備成形品を、図1の押出成形機1のシリンダへ入れ、ヘッドを閉じて20MPaの圧力をかけて1分間二次予備成形を行った。
上記押出成形機1におけるシリンダ内径は38mm、マンドレル外径は16mm、外径1.06mmのコアピン、ダイ内径は1.27mmとし、ダイ温度を60℃に設定した。
次いで、上記押出成形機1から速度10m/分で押出したチューブ成形体を図1の模式的断面図に示す130℃に設定した長さ3mの第1乾燥炉2、190℃に設定した長さ3mの第2乾燥炉3、440℃に設定した焼成炉4を経て、巻き取り機6によって巻き取り、外径1.06mm、内径0.8mmであるフッ素樹脂成形体チューブを作製した。
電線の作製
得られた共凝析粉体800gに、押出助剤としてIsoparG(エクソンモービル社製)を、共凝析粉体の16質量%の量で混合する。12時間25℃で熟成を行い、芯線としてニッケルメッキ銅線AWG24で直径0.511mmを用いて、1.5インチペースト押出機(ジェニングス社製)にて電線押出成形を行った。上記電線押出成形は、ダイ角度を20度、ダイ温度を60℃、芯線速度を5m/分、ラム速度を15.5mm/分、ブローアップ率を4%に設定して行った。
上記押出後、40〜250℃にて乾燥し、360〜420℃にて1分間焼成を行い、巻取り機にて外径1.68mm、肉厚0.6mmの電線を巻き取った。
得られた共凝析粉体800gに、押出助剤としてIsoparG(エクソンモービル社製)を、共凝析粉体の16質量%の量で混合する。12時間25℃で熟成を行い、芯線としてニッケルメッキ銅線AWG24で直径0.511mmを用いて、1.5インチペースト押出機(ジェニングス社製)にて電線押出成形を行った。上記電線押出成形は、ダイ角度を20度、ダイ温度を60℃、芯線速度を5m/分、ラム速度を15.5mm/分、ブローアップ率を4%に設定して行った。
上記押出後、40〜250℃にて乾燥し、360〜420℃にて1分間焼成を行い、巻取り機にて外径1.68mm、肉厚0.6mmの電線を巻き取った。
実施例1〜4及び比較例1〜2の結果を表1に示す。
実施例1〜3の方が実施例4より電線線径ばらつきが少ないので、本発明において溶融加工性含フッ素樹脂としてPFAを使用すると、表面平滑性がより向上した成形体が得られることが分かった。
実施例1〜4から得られるフッ素樹脂成形体チューブは、35重量%塩酸の透過係数が0.05(μg・cm)/(cm2・day)以下であったのに対し、比較例1〜2から得られる成形体チューブは、何れも35重量%塩酸の透過係数が0.05(μg・cm)/(cm2・day)を越えていた。また、各実施例におけるMIT値が、耐屈折性が良好な成形体に関する比較例と同等に良いことが分かった。
実施例1〜4から得られるフッ素樹脂成形体チューブは、35重量%塩酸の透過係数が0.05(μg・cm)/(cm2・day)以下であったのに対し、比較例1〜2から得られる成形体チューブは、何れも35重量%塩酸の透過係数が0.05(μg・cm)/(cm2・day)を越えていた。また、各実施例におけるMIT値が、耐屈折性が良好な成形体に関する比較例と同等に良いことが分かった。
本発明のフッ素樹脂成形体は、上述の構成よりなるので、薬液低透過性であり、透明性が高く、表面平滑性が良く、耐薬品性に優れている上に、製造コストが低い。
1 押出成形機
2 第1乾燥炉
3 第2乾燥炉
4 焼成炉
5 第1速度調整機
6 巻き取り機
2 第1乾燥炉
3 第2乾燥炉
4 焼成炉
5 第1速度調整機
6 巻き取り機
Claims (7)
- ポリテトラフルオロエチレン樹脂と、前記ポリテトラフルオロエチレン樹脂以外の溶融加工性含フッ素樹脂とからなるフッ素樹脂成形体であって、
前記溶融加工性含フッ素樹脂は、溶融粘度が1000Pa・s以上であり、
前記ポリテトラフルオロエチレン樹脂は、前記ポリテトラフルオロエチレン樹脂と前記溶融加工性含フッ素樹脂との合計の60質量%以上であり、
前記フッ素樹脂成形体は、25℃における35重量%の塩酸の透過係数が0.05(μg・cm)/(cm2・day)以下である
ことを特徴とするフッ素樹脂成形体。 - ポリテトラフルオロエチレン樹脂と、前記ポリテトラフルオロエチレン樹脂以外の溶融加工性含フッ素樹脂とからなる共凝析粉体を用いて成形することにより得られたものである請求項1記載のフッ素樹脂成形体。
- ポリテトラフルオロエチレン樹脂以外の溶融加工性含フッ素樹脂は、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体及び/又はテトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体である請求項1又は2記載のフッ素樹脂成形体。
- ポリテトラフルオロエチレン樹脂は、溶融粘度が107Pa・s以上である請求項1、2又は3記載のフッ素樹脂成形体。
- ポリテトラフルオロエチレン樹脂以外の溶融加工性含フッ素樹脂は、メルトフローレートが0.5〜25g/10分である請求項1、2、3又は4記載のフッ素樹脂成形体。
- フッ素樹脂成形体からなる薬液輸送用チューブであって、
前記フッ素樹脂成形体は、請求項1、2、3、4又は5記載のフッ素樹脂成形体である
ことを特徴とする薬液輸送用チューブ。 - 芯線と、前記芯線を被覆する電線被覆材とを有する電線であって、
前記電線被覆材は、請求項1、2、3、4又は5記載のフッ素樹脂成形体からなる
ことを特徴とする電線。
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