JP2009000751A - 研磨布用織物およびその製造方法および研磨布 - Google Patents

研磨布用織物およびその製造方法および研磨布 Download PDF

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Abstract

【課題】被研磨物に微細な溝を形成することが可能で、かつ被研磨物表面の欠点(スクラッチ)発生率を低減させることが可能な研磨布用織物およびその製造方法および磁気デイスク研磨布を提供する。
【解決手段】織物に単繊維径50〜1500nmのポリエステルマルチフィラメント糸Aが含まれ、かつ織物のカバーファクターCFが2000〜4500の範囲内であり、かつ織物の厚みが0.15〜0.80mmの範囲内であって、親水化剤が織物の重量に対して0.20〜10.0重量%の範囲で該織物に付着している研磨布用織物。
【選択図】なし

Description

本発明は、被研磨物に微細な溝を効率的に形成することが可能で、かつ被研磨物表面の欠点(スクラッチ)発生を低減させることが可能な研磨布用織物およびその製造方法および研磨布に関する。
近年、磁気デイスク等の磁気記録媒体は、高容量化、高記憶密度化されている。それに伴い、記録デイスクと磁気ヘッドとの密着を防止しながら磁気ヘッドの浮上高さを小さくするため、記録デイスクの基板表面に微細な溝を形成するテクスチャー加工という表面処理が行われている。かかる微細な溝は、均一でかつ微細であるほど磁気デイスクヘッドの浮上距離を小さくすることができ、好ましいとされている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
本発明者は、特願2006−137522号において、研磨布用織物を提案した。しかしながら、これら織物において、磁気デイスク等の磁気記録媒体への、より高容量および高記憶密度化の要求に対し、十分とはいえなかった。また、デイスク表面の欠点(スクラッチ)発生抑制の点でも十分とはいえなかった。
他方、特許文献3では、極細繊維を含む研磨布に親水化剤を付与することが提案されているが、研磨布が織物組織を有する場合、単に研磨布に親水化剤を付与するだけでは、被研磨物に微細な溝を効率的に形成する上で十分とは言えなかった。
特開2001−179595号公報 特開2005−329534号公報 特許第3853175号公報
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、被研磨物に効率的に微細な溝を形成することが可能で、かつ被研磨物表面の欠点(スクラッチ)発生を低減させることが可能な研磨布用織物およびその製造方法および研磨布を提供することにある。
本発明者は上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、単繊維径が50〜1500nmと超極細のポリエステルマルチフィラメント糸を用いて、所定のカバーファクターCFおよび厚みおよび所定量の親水化剤が付与された織物を得て、該織物を研磨布用織物として使用すると、記録デイスクの基板表面に極めて微細な溝を、効率的に形成することができ、かつ欠点(スクラッチ)発生を低減できることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「研磨布用織物であって、該織物に単繊維径50〜1500nmのポリエステルマルチフィラメント糸Aが含まれ、かつ織物のカバーファクターCFが2000〜4500の範囲内であり、かつ織物の厚みが0.15〜0.80mmの範囲内であり、かつ親水化剤が織物の重量に対して0.20〜10.0重量%の範囲で該織物に付着していることを特徴とする研磨布用織物。」が提供される。
CF=(DWp/1.1)1/2×MWp+(DWf/1.1)1/2×MWf
[DWpは経糸総繊度(dtex)、MWpは経糸織密度(本/2.54cm)、DWfは緯糸総繊度(dtex)、MWfは緯糸織密度(本/2.54cm)である。]
その際、前記ポリエステルマルチフィラメント糸Aのフィラメント数が500以上であることが好ましい。また、前記ポリエステルマルチフィラメント糸Aが織物の経糸および緯糸のうちどちらか一方にのみ配され、他方には単繊維径が3μm以上のポリエステルマルチフィラメント糸Bが配されてなることが好ましい。かかるポリエステルマルチフィラメントBのフィラメント数が20〜300本の範囲内であることが好ましい。また、かかるポリエステルマルチフィラメントBが仮撚捲縮加工糸であることが好ましい。
本発明の研磨布用織物において、前記の親水化剤が、ポリアルキレングリコールと低級アルキレングリコールとテレフタル酸および/またはイソフタル酸とをブロック共重合してなるブロック共重合体、ポリエチレングルコールジアクリレート、およびポリエチレングルコールジアクリレートの誘導体からなる群より選択されるいずれかであることが好ましい。また、JIS L1096−1998 6.26.1滴下法で測定した吸水速度が10秒以下であることが好ましい。
また、本発明によれば、「島成分がポリエステルからなり、かつ島成分の径が50〜1500nmである海島型複合繊維を用いて織物を織成した後、前記海島型複合繊維の海成分をアルカリ水溶液で溶解除去し、該織物に親水加工を施すことを特徴とする、前記に記載の研磨布用織物の製造方法。」が提供される。
その際、前記の島数が100以上であることが好ましい。また、前記の海島型複合繊維において、海成分が、ポリ乳酸、超高分子量ポリアルキレンオキサイド縮合系ポリマー、ポリエチレングリコール系化合物共重合ポリエステル、およびポリエチレングリコール系化合物と5−ナトリウムスルホイソフタル酸の共重合ポリエステルから選択される少なくとも1種のアルカリ水溶液易溶解性ポリマーであることが好ましい。特に、海成分が、5−ナトリウムスルホン酸を6〜12モル%および分子量4000〜12000のポリエチレングリコールを3〜10重量%共重合したポリエチレンテレフタレートであることが好ましい。
また、本発明によれば、前記の研磨布用織物を用いてなる、記録媒体のテキスチャリング用研磨布、記録媒体のポリッシング用研磨布、電子部品の仕上げ用研磨布、および電子部品のバフ研磨用研磨布からなる群より選択されるいずれかの研磨布が提供される。
本発明によれば、効率的に被研磨物に微細な溝を形成することが可能で、かつ被研磨物表面の欠点(スクラッチ)発生を低減させることが可能な研磨布用織物およびその製造方法および研磨布が得られる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
まず、本発明の研磨布用織物には、単繊維径(単繊維の直径)が50〜1500nm(好ましくは100〜1000nm)のポリエステルマルチフィラメント糸Aが含まれることが肝要である。かかる単繊維径を単糸繊度に換算すると、0.00002〜0.022dtexに相当する。ここで、単繊維径が50nm未満の場合には製造が困難となるだけでなく、繊維強度が低くなるため実用上好ましくない。逆に、単繊維径が1500nmを超える場合には、研磨布用織物を研磨布として使用する際、被研磨物に微細な溝を形成することができず好ましくない。なお、単繊維の断面形状が丸断面以外の異型断面である場合には、外接円の直径を単繊維径とする。また、単繊維径は、透過型電子顕微鏡で繊維の横断面を撮影することにより測定が可能である。
かかるポリエステルマルチフィラメント糸Aにおいて、フィラメント数は特に限定されないが、500以上(より好ましくは2000〜10000)であることが好ましい。また、ポリエステルマルチフィラメント糸Aの総繊度(単繊維繊度とフィラメント数との積)としては、5〜200dtexの範囲内であることが好ましい。
かかるポリエステルマルチフィラメント糸Aを形成するポリマーの種類としては、ポリエチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、第3成分を共重合させたポリエステルなどが好ましく例示される。該ポリマー中には、本発明の目的を損なわない範囲内で必要に応じて、微細孔形成剤、カチオン染料可染剤、着色防止剤、熱安定剤、蛍光増白剤、艶消し剤、着色剤、吸湿剤、無機微粒子が1種または2種以上含まれていてもよい。
前記ポリエステルマルチフィラメント糸Aの繊維形態は特に限定されず、通常の空気加工、仮撚捲縮加工が施されていてもさしつかえない。
本発明の研磨布用織物において、前記ポリエステルマルチフィラメント糸Aが単独糸条として含まれていても他のポリエステルマルチフィラメント糸と複合糸として織物に含まれていると、後記の厚みが得られやすく好ましい。その際、他のポリエステルマルチフィラメント糸としては、後記のポリエステルマルチフィラメント糸Bと同様のフィラメント糸であることが好ましい。
前記ポリエステルマルチフィラメント糸Aは、織物の経糸および緯糸のうちどちらか一方にのみ配され、他方には単繊維径が3μm以上のポリエステルマルチフィラメント糸Bが配されていると、後記の厚みが得られやすく好ましい。かかるポリエステルマルチフィラメント糸Bはその単繊維径が3μm以上(好ましくは3〜30μm)の範囲内である後記の厚みが得られやすく好ましい。ここで、単繊維の断面形状が丸断面以外の異型断面である場合には、外接円の直径を単繊維径とする。なお、単繊維径は、前記と同様、透過型電子顕微鏡で繊維の横断面を撮影することにより測定が可能である。
前記ポリエステルマルチフィラメント糸Bにおいて、フィラメント数は20〜300本(好ましくは30〜150本)の範囲内であることが好ましい。前記ポリエステルマルチフィラメント糸Bの単糸繊度は0.3〜6.0dtexの範囲内であることが好ましく、ポリエステルマルチフィラメント糸Bの総繊度(単繊維繊度とフィラメント数との積)としては、10〜200dtexの範囲内であることが好ましい。また、かかるポリエステルマルチフィラメント糸Bの繊維形態は長繊維(マルチフィラメント糸)であることが好ましい。単繊維の断面形状も特に限定されず、丸、三角、扁平、中空など公知の断面形状でよい。また、通常の空気加工、仮撚捲縮加工が施されていてもさしつかえない。特に捲縮率が4〜30%の仮撚捲縮加工糸であると研磨剤を保持しやすく被研磨物に微細な溝を効率的に形成することが可能となる。また同時に織物のクッション性が向上することにより、欠点(スクラッチ)発生率が低下し好ましい。
前記ポリエステルマルチフィラメント糸Bを形成するポリマーの種類としては、ポリエステル系ポリマーであれば特に限定されず、ポリエチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、第3成分を共重合させたポリエステルなどが好ましく例示される。かかるポリエステルとしては、マテリアルリサイクルまたはケミカルリサイクルされたポリエステルであってもよい。さらには、特開2004−270097号公報や特開2004−211268号公報に記載されているような、特定のリン化合物およびチタン化合物を含む触媒を用いて得られたポリエステルでもよい。特に後記のように高い沸水収縮率を有する点で共重合ポリエステルが特に好ましい。該ポリマー中には、本発明の目的を損なわない範囲内で必要に応じて、微細孔形成剤、カチオン染料可染剤、着色防止剤、熱安定剤、蛍光増白剤、艶消し剤、着色剤、吸湿剤、無機微粒子が1種または2種以上含まれていてもよい。
本発明の研磨布用織物において、厚みが0.15〜0.80mm(より好ましくは0.18〜0.60mm)の範囲内であることが、効率的に被研磨物に微細な溝を形成しかつ被研磨物表面の欠点(スクラッチ)発生を低減する上で肝要である。該厚みが0.15mmよりも小さいと、研磨剤が研磨布用織物に保持され難く、効率的に被研磨物に微細な溝を形成することができないおそれがあり、また同時に織物のクッション性が低下し、被研磨物表面の欠点(スクラッチ)発生が増加するおそれがある。逆に該厚みが0.80mmよりも大きいと、剛性が高くなりすぎ効率的に被研磨物に微細な溝を形成することができず、また、被研磨物表面の欠点(スクラッチ)発生が増加するおそれがある。
また、本発明の研磨布用織物において、カバーファクターCFが2000〜4500(より好ましくは2300〜4000)の範囲内であることが被研磨物に微細な溝を形成する上で肝要である。カバーファクターが2000未満であると、研磨布用織物に研磨剤を付与した際、研磨剤の保持性、分散性が不十分となり被研磨物に微細な溝を形成するのが困難となる。逆に、カバーファクターが4500よりも大きいと、剛性が高くなりすぎ被研磨物に微細な溝を形成するのが困難となる。なお、本発明でいうカバーファクターCFは下記の式により表されるものである。
CF=(DWp/1.1)1/2×MWp+(DWf/1.1)1/2×MWf
[DWpは経糸総繊度(dtex)、MWpは経糸織密度(本/2.54cm)、DWfは緯糸総繊度(dtex)、MWfは緯糸織密度(本/2.54cm)である。]
本発明の研磨布用織物において、織物の組織は特に限定されず、通常の方法で製織されたものでよい。例えば、織組織としては、平織、斜文織、サテン織物等の三原組織、変化組織、変化斜文織等の変化組織、たて二重織、よこ二重織等の片二重組織、たてビロードなどが例示される。層数も単層でもよいし、2層以上の多層でもよい。なかでも、サテン織物組織を有していると、ポリエステルマルチフィラメント糸Aが同方向に並びやすくなり、被研磨物に微細な溝を形成する上で効果的であり好ましい。
次に、本発明の研磨布織物において、親水化剤が織物の重量に対して0.20〜10.0重量%の範囲で付着していることが、効率的に被研磨物に微細な溝を形成する上で肝要である。このように織物に親水化剤が付着していると、研磨布用織物に研磨剤を付与した際、研磨剤の拡散性が向上し、効率的に被研磨物に微細な溝を形成することができる。ここで、親水化剤の付着量が0.20重量%よりも小さいと親水化剤の効果が十分発現されないおそれがある。逆に、親水化剤の付着量が10重量%よりも大きいとコストアップとなるおそれがある。
かかる親水化剤としては、構成繊維と親和性のある親水剤であればいずれもが使用でき、特にポリエステル系繊維と親和性のある親水性重合体が好ましく用いられる。例えば、ポリエチレングリコールジアクリレートやその誘導体、ポリアルキレングリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなど)と、テレフタル酸および/またはイソフタル酸および低級アルキレングリコール(エチレングリコールなど)をブロック共重合してなるブロック共重合体などを例示することができる。その際、1種類の親水剤のみを使用しても、または2種類以上の親水剤を併用してもよい。親水剤の付与方法は特に限定されず、例えば、染色と同浴加工、パディング法、フラットスクリーンプリント法、ロータリースクリーンプリント法、ローラープリント法、グラビアロール法、キスロール法、泡加工機による方法などが例示される。
この際、JIS L1096−1998 6.26.1滴下法で測定した吸水速度が10秒以下(より好ましくは7秒以下)であることが被研磨物に微細な溝を効率的に形成する上で好ましい。吸水速度が10秒以上であると、研磨布用織物に研磨剤を付与した際、拡散性が不十分となり被研磨物に微細な溝を形成するのが困難となるおそれがある。
本発明の研磨布用織物は、以下の製造方法により製造することができる。すなわち、島成分がポリエステルからなり、かつ島成分の径が50〜1500nmである海島型複合繊維を用いて所定のカバーファクターおよび厚みを有する織物を織成した後、前記海島型複合繊維の海成分をアルカリ水溶液で溶解除去し、該織物に親水加工を施すことにより、前記の研磨布用織物を製造することができる。
ここで、前記の海島型複合繊維において、該繊維を構成するポリマーは、海成分ポリマーが島成分ポリマーよりも溶解性が高い組合せであれば任意であるが、特に溶解速度比(海/島)が200以上であることが好ましい。かかる溶解速度比が200未満の場合には、繊維断面中央部の海成分を溶解させている間に繊維断面表層部の島成分の一部も溶解されるため、海成分を完全に溶解除去するためには、島成分の何割かも減量されてしまうことになり、島成分の太さ斑や溶剤浸食による強度劣化が発生して、毛羽やピリングなどの品位に問題が生じやすくなる。
海成分ポリマーは、好ましくは島成分との溶解速度比が200以上であればいかなるポリマーであってもよいが、特に繊維形成性の良好なポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリエチレンなどが好ましい。例えば、アルカリ水溶液易溶解性ポリマーとしては、ポリ乳酸、超高分子量ポリアルキレンオキサイド縮合系ポリマー、ポリエチレングルコール系化合物共重合ポリエステル、ポリエチレングリコール系化合物と5−ナトリウムスルホン酸イソフタル酸の共重合ポリエステルが好適である。また、ナイロン6は、ギ酸溶解性があり、ポリスチレン・ポリエチレンはトルエンなど有機溶剤に非常によく溶ける。なかでも、アルカリ易溶解性と海島断面形成性とを両立させるため、ポリエステル系のポリマーとしては、5−ナトリウムスルホイソフタル酸6〜12モル%と分子量4000〜12000のポリエチレングルコールを3〜10重量%共重合させた固有粘度が0.4〜0.6のポリエチレンテレフタレート系共重合ポリエステルが好ましい。ここで、5−ナトリウムイソフタル酸は親水性と溶融粘度向上に寄与し、ポリエチレングリコール(PEG)は親水性を向上させる。なお、PEGは分子量が大きいほど、その高次構造に起因すると考えられる親水性増加効果が大きくなるが、反応性が悪くなってブレンド系になるため、耐熱性・紡糸安定性などの点から好ましくなくなる。また、共重合量が10重量%以上になると、本来溶融粘度低下作用があるので、本発明の目的を達成することが困難になる。したがって、上記の範囲で、両成分を共重合することが好ましい。
一方、島成分ポリマーは、海成分との溶解速度差があればいかなるポリエステルポリマーであってもよいが、前記のように繊維形成性のポリエチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、第3成分を共重合させたポリエステルなどのポリエステルが好ましい。該ポリマー中には、本発明の目的を損なわない範囲内で必要に応じて、微細孔形成剤、カチオン染料可染剤、着色防止剤、熱安定剤、蛍光増白剤、艶消し剤、着色剤、吸湿剤、無機微粒子が1種または2種以上含まれていてもよい。
上記の海成分ポリマーと島成分ポリマーからなる本発明の海島型複合繊維は、溶融紡糸時における海成分の溶融粘度が島成分ポリマーの溶融粘度よりも大きいことが好ましい。かかる関係にある場合には、海成分の複合重量比率が40%未満と少なくなっても、島同士が接合したり、島成分の大部分が接合して海島型複合繊維とは異なるものになり難い。
好ましい溶融粘度比(海/島)は、1.1〜2.0、特に1.3〜1.5の範囲である。この比が1.1倍未満の場合には溶融紡糸時に島成分が接合しやすくなり、一方2.0倍を越える場合には、粘度差が大きすぎるために紡糸調子が低下しやすい。
次に島数は、多いほど海成分を溶解除去して極細繊維を製造する場合の生産性が高くなり、しかも得られる極細繊維の細さも顕著となって被研磨物に微細な溝を形成することが可能となるので100以上(より好ましくは300〜1000)であることが好ましい。なお、島数があまりに多くなりすぎると紡糸口金の製造コストが高くなるだけでなく、加工精度自体も低下しやすくなるので10000以下とするのが好ましい。
次に、島成分の径は、50〜1500nmの範囲とする必要がある。また、海島複合繊維断面内の各島は、その径が均一であるほど海成分を除去して得られる極細マルチフィラメント糸からなる織物の品位や耐久性が向上するので好ましい。
前記の海島型複合繊維において、その海島複合重量比率(海:島)は、40:60〜5:95の範囲が好ましく、特に30:70〜10:90の範囲が好ましい。かかる範囲であれば、島間の海成分の厚みを薄くすることができ、海成分の溶解除去が容易となり、島成分の極細繊維への転換が容易になるので好ましい。ここで海成分の割合が40%を越える場合には海成分の厚みが厚くなりすぎ、一方5%未満の場合には海成分の量が少なくなりすぎて、島間に接合が発生しやすくなる。
前記の海島型複合繊維において、その島間の海成分厚みが500nm以下、特に20〜200nmの範囲が適当であり、該厚みが500nmを越える場合には、該厚い海成分を溶解除去する間に島成分の溶解が進むため、島成分間の均質性が低下するだけでなく、毛羽やピリングなど着用時の欠陥や染め斑も発生しやすくなる。
前記の海島型複合繊維は、例えば以下の方法により容易に製造することができる。すなわち、まず溶融粘度が高く且つ易溶解性であるポリマーと溶融粘度が低く且つ難溶解性のポリマーとを、前者が海成分で後者が島成分となるように溶融紡糸する。ここで、海成分と島成分の溶融粘度の関係は重要で、海成分の比率が小さくなって島間の厚みが小さくなると、海成分の溶融粘度が小さい場合には島間の一部の流路を海成分が高速流動するようになり、島間に接合が起こりやすくなるので好ましくない。
溶融紡糸に用いられる紡糸口金としては、島成分を形成するための中空ピン群や微細孔群を有するものなど任意のものを用いることができる。例えば中空ピンや微細孔より押し出された島成分とその間を埋める形で流路を設計されている海成分流とを合流し、これを圧縮することにより海島断面形成がなされるいかなる紡糸口金でもよい。好ましく用いられる紡糸口金例を図1および2に示すが、必ずしもこれらに限定されるものではない。なお図1は、中空ピンを海成分樹脂貯め部分に吐出してそれを合流圧縮する方式であり、図2は、中空ピンのかわりに微細孔方式で島を形成する方法である。
吐出された海島型断面複合繊維は、冷却風によって固化され、好ましくは400〜6000m/分で溶融紡糸された後に巻き取られる。得られた未延伸糸は、別途延伸工程をとおして所望の強度・伸度・熱収縮特性を有する複合繊維とするか、あるいは、一旦巻き取ることなく一定速度でローラーに引き取り、引き続いて延伸工程をとおした後に巻き取る方法のいずれでも構わない。
ここで、特に微細な島径を有する海島型複合繊維を高効率で製造するために、通常のいわゆる配向結晶化を伴うネック延伸(配向結晶化延伸)に先立って、繊維構造は変化させないで繊維径のみを極細化する流動延伸工程を採用することが好ましい。流動延伸を容易とするため、熱容量の大きい水媒体を用いて繊維を均一に予熱し、低速で延伸することが好ましい。このようにすることにより延伸時に流動状態を形成しやすくなり、繊維の微細構造の発達を伴わずに容易に延伸することができる。このプロセスでは、特に海成分および島成分が共にガラス転移温度100℃以下のポリマーであることが好ましく、なかでもポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステルに好適である。具体的には60〜100℃、好ましくは60〜80℃の範囲の温水バスに浸漬して均一加熱を施し、延伸倍率は10〜30倍、供給速度は1〜10m/分、巻取り速度は300m/分以下、特に10〜300m/分の範囲で実施することが好ましい。予熱温度不足および延伸速度が速すぎる場合には、目的とする高倍率延伸を達成することができなくなる。
得られた流動状態で延伸された延伸糸は、その強伸度などの機械的特性を向上させるため、定法にしたがって60〜220℃の温度で配向結晶化延伸する。該延伸条件がこの範囲外の温度では、得られる繊維の物性が不十分なものとなる。なお、この延伸倍率は、溶融紡糸条件、流動延伸条件、配向結晶化延伸条件などによって変わってくるが、該配向結晶化延伸条件で延伸可能な最大延伸倍率の0.6〜0.95倍で延伸すればよい。
以上に説明した海島型複合繊維を、無撚あるいは必要に応じて追撚した上で経糸全量および/または緯糸全量あるいは経糸および/または緯糸に他糸条と1本交互または複数本交互に配して織成した後、前記の海成分をアルカリ水溶液で溶解除去し、次いで該織物の表面に親水加工を施すことにより、本発明の織物が得られる。
ここで、該織物から海成分をアルカリ水溶液で溶解除去することが重要である。除去方法は特に限定されず、海成分が完全に溶解除去し得る方法であればいずれの方法で行ってもよい。
かくして得られた研磨布用織物において、織物が特定の厚みおよびカバーファクターを有しているので研磨剤が保持され、単繊維径50〜1500nmの超極細糸と相乗作用により、効率的に被研磨物に微細な溝を形成することが可能で、かつ被研磨物表面の欠点(スクラッチ)発生を低減させることが可能となる。
なお、本発明の研磨布用織物において、前記のアルカリ水溶液による海成分の溶解除去処理の前および/または後に染色加工を施してもよい。さらに、常法の起毛加工、紫外線遮蔽あるいは制電剤、さらには、抗菌剤、消臭剤、防虫剤、蓄光剤、再帰反射剤、マイナスイオン発生剤等の機能を付与する各種加工を付加適用してもよい。
次に、本発明の研磨布は、記録媒体のテキスチャリング用研磨布、記録媒体のポリッシング用研磨布、電子部品の仕上げ用研磨布、および電子部品のバフ研磨用研磨布からなる群より選択されるいずれかの研磨布であり、前記研磨布用織物を用いてなるものである。かかる研磨布によれば、被研磨物に微細な溝を効率的に形成することが可能で、かつ被研磨物表面の欠点(スクラッチ)発生を低減させることが可能となる。
次に本発明の実施例及び比較例を詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中の各測定項目は下記の方法で測定した。
<単繊維径>透過型電子顕微鏡で繊維の横断面を撮影することにより測定した。n数5で測定しその平均値を求めた。
<捲縮率>供試フィラメント糸条を、周長が1.125mの検尺機のまわりに巻きつけて、乾繊度が3333dtexのかせを調製した。
前記かせを、スケール板の吊り釘に懸垂して、その下部分に6grf(5.9cN)の初荷重を付加し、さらに600grf(588cN)の重荷重をかけ、1分後にかせの長さL0を測定した。その後、直ちに、前記かせから重荷重を除き、スケール板の吊り釘から外し、このかせを沸騰水中に20分間浸漬して、捲縮を発現させる。沸騰水処理後のかせを沸騰水から取り出し、かせに含まれる水分をろ紙により吸収除去し、室温において24時間風乾した。この風乾されたかせを、スケール板の吊り釘に懸垂し、その下部分に、600grf(588cN)の重荷重をかけ、1分後にかせの長さL1を測定し、その後かせから重荷重を外し、1分後にかせの長さL2を測定した。初荷重は測定中は常時付加しておく。供試フィラメント糸条の捲縮率(CP)を、下記式により算出した。
CP(%)=((L1−L2)/L0)×100
<カバーファクター>下記の式により算出した。
CF=(DWp/1.1)1/2×MWp+(DWf/1.1)1/2×MWf
[DWpは経糸総繊度(dtex)、MWpは経糸織密度(本/2.54cm)、DWfは緯糸総繊度(dtex)、MWfは緯糸織密度(本/2.54cm)である。]
<織物の厚み>JIS L 1096−1998 6.5に従って測定した。
<吸水速度>JIS L 1096−1998 6.26.1(滴下法)に従って測定した。
<研磨効果>テクスチャー加工後のデイスク表面の欠点数により研磨効果を判定した。テクスチャー加工試験においてデイスク基板10枚を対象とし、Candela OSA6100光学表面分析計を用いて、スクラッチなどの欠点数を測定し、10枚の測定値の平均値で、200点以下であれば「○」、200点以上であれば「×」とした。
<親水化剤の付着量>下記式により算出した。
親水化剤の付着量[%]=(織物に付着した親水化剤重量[gr]/付着前の織物重量[gr])×100
[実施例1]
島成分としてポリエチレンテレフタレート、海成分として5−ナトリウムスルホイソフタル酸9モル%と数平均分子量4000のポリエチレングリコール3重量%を共重合したポリエチレンテレフタレートを用い、海:島=30:70、島数=836の海島型複合未延伸繊維を、紡糸温度280℃、紡糸速度1500m/分で溶融紡糸して一旦巻き取った。得られた未延伸糸を、延伸温度80℃、延伸倍率2.5倍でローラー延伸し、次いで150℃で熱セットして巻き取り、ポリエステルマルチフィラメント糸A用糸条とした。得られた海島型複合延伸糸は56dtex/10filであり、透過型電子顕微鏡TEMによる繊維横断面を観察したところ、島の形状は丸形状でかつ島の径は700nmであった。
次いで、該延伸糸と通常のポリエチレンテレフタレートからなるマルチフィラメント(33dtex/12fil、単糸繊度2.75dtex、帝人ファイバー(株)製)とインターレース加工にて混繊糸を得た。
該混繊糸を300回/m(S方向)にて撚糸し、経糸および緯糸に全量配し、経密度215本/2.54cm、緯密度105本/2.54cmの織密度にて、通常の製織方法により5枚サテン組織の織物生機を得た。
そして、該織物を60℃にて湿熱処理した後、海島型複合延伸糸の海成分を除去するために、3.5%NaOH水溶液で、60℃にて20%減量(アルカリ減量)した。その後、常法の染色加工と親水加工とを同浴処理を行うことにより、親水化剤(ポリエチレンテレフタレート−ポリエチレングリコール共重合体)を織物重量に対して3.0重量%付着させた。
得られた織物において、ポリエステルマルチフィラメント糸Aの単繊維径は700nm、織物のカバーファクターCFは3280、厚みは0.28mm、吸水速度は2.1秒であった。得られた織物を用いて磁気デイスク研磨布を得て、テクスチャー加工試験を実施した。デイスク表面の欠点数は140個であり、研磨効果は「○」であり、磁気特性においても問題なかった。
[実施例2]
実施例1と同様に海島型複合延伸糸56dtex/10filを得た後、該延伸糸2本と通常のポリエチレンテレフタレートからなるマルチフィラメント(33dtex/12fil、単糸繊度2.75dtex、帝人ファイバー(株)製)とインターレース加工にて混繊糸を得た。該混繊糸を300回/m(S方向)にて撚糸し、経糸に全量配し、通常のポリエチレンテレフタレートからなるマルチフィラメント仮撚捲縮加工糸56dtex/144fil(捲縮率6.6%、ポリエステルマルチフィラメント糸B)を2本引き揃え300回/m(S方向)にて合撚し、緯糸に全量配し、経密度172本/2.54cm、緯密度67本/2.54cmの織密度にて、通常の製織方法により5枚サテン組織の織物生機を得た。
次いで、実施例1と同様に該織物を60℃にて湿熱処理した後、海島型複合延伸糸の海成分を除去するために、3.5%NaOH水溶液で、60℃にて25%減量(アルカリ減量)した。その後、実施例1と同様に染色加工と親水加工とを同浴処理を行うことにより、親水化剤(ポリエチレンテレフタレート−ポリエチレングリコール共重合体)を織物重量に対して7.0重量%付着させた。
得られた織物において、ポリエステルマルチフィラメント糸Aの単繊維径700nm、ポリエステルマルチフィラメント糸Bの単繊維径5.9μm、織物のカバーファクターCFは3505、厚みは0.34mm、吸水速度は1.7秒であった。得られた織物を用いて磁気デイスク研磨布を得て、テクスチャー加工試験を実施した。デイスク表面の欠点数は75個であり、研磨効果は「○」であり、磁気特性においても問題なかった。
[比較例1]
実施例1と同様に織物生機を得た後、実施例1と同様に該織物を60℃にて湿熱処理した後、海島型複合延伸糸の海成分を除去するために、3.5%NaOH水溶液で、60℃にて20%減量(アルカリ減量)した。その後、親水加工は行わずに常法の湿熱加工、乾熱加工を行った。
得られた織物において、カバーファクターCFは3270、厚みは0.27mm、吸水速度は12.5秒であった。得られた織物を用いて磁気デイスク研磨布を得て、テクスチャー加工試験を実施した。デイスク表面の欠点数は400個であり、研磨効果は「×」であり、磁気特性に劣るものであった。
[比較例2]
実施例1と同様に混繊糸を得た後、該混繊糸を300回/m(S方向)にて撚糸し、経糸および緯糸に全量配し、経密度135本/2.54cm、緯密度65本/2.54cmの織密度にて、通常の製織方法により5枚サテン組織の織物生機を得た。
次いで、実施例1と同様に該織物を60℃にて湿熱処理した後、海島型複合延伸糸の海成分を除去するために、3.5%NaOH水溶液で、60℃にて20%減量(アルカリ減量)した。その後、実施例1と同様に染色加工と親水加工とを同浴処理を行うことにより、親水化剤(ポリエチレンテレフタレート−ポリエチレングリコール共重合体)を織物重量に対して2.0重量%付着させた。
得られた織物において、カバーファクターCFは2402、厚みは0.12mm、吸水速度は10.7秒であった。得られた織物を用いて磁気デイスク研磨布を得て、テクスチャー加工試験を実施した。デイスク表面の欠点数は630個であり、研磨効果は「×」であり、磁気特性に劣るものであった。
[比較例3]
実施例1と同様に混繊糸を得た後、該混繊糸を300回/m(S方向)にて撚糸し、経糸および緯糸に全量配し、経密度258本/2.54cm、緯密度126本/2.54cmの織密度にて、通常の製織方法により5枚サテン組織の織物生機を得た。
次いで、実施例1と同様に該織物を60℃にて湿熱処理した後、海島型複合延伸糸の海成分を除去するために、3.5%NaOH水溶液で、60℃にて20%減量(アルカリ減量)した。その後、実施例1と同様に染色加工と親水加工とを同浴処理を行うことにより、親水化剤(ポリエチレンテレフタレート−ポリエチレングリコール共重合体)を織物重量に対して8.0重量%付着させた。
得られた織物において、カバーファクターCFは4585、厚みは0.82mm、吸水速度は2.1秒であった。得られた織物を用いて磁気デイスク研磨布を得てテクスチャー加工試験を実施した。デイスク表面の欠点数は約980個であり、研磨効果は「×」であり、磁気特性に劣るものであった。
本発明によれば、被研磨物に微細な溝を効率的に形成することが可能で、かつ被研磨物表面の欠点(スクラッチ)発生を低減させることが可能な研磨布用織物およびその製造方法および研磨布が提供され、その工業的価値は極めて大である。
本発明において、用いることのできる海島型複合繊維を紡糸するために用いられる紡糸口金の一例を示す概略図である。 本発明において、用いることのできる海島型複合繊維を紡糸するために用いられる紡糸口金の他の例を示す概略図である。
符号の説明
1:分配前島成分ポリマー溜め部分
2:島成分分配用導入孔
3:海成分導入孔
4:分配前海成分ポリマー溜め部分
5:個別海/島=鞘/芯構造形成部
6:海島全体合流絞り部

Claims (12)

  1. 研磨布用織物であって、該織物に単繊維径50〜1500nmのポリエステルマルチフィラメント糸Aが含まれ、かつ織物のカバーファクターCFが2000〜4500の範囲内であり、かつ織物の厚みが0.15〜0.80mmの範囲内であり、かつ親水化剤が織物の重量に対して0.20〜10.0重量%の範囲で該織物に付着していることを特徴とする研磨布用織物。
    CF=(DWp/1.1)1/2×MWp+(DWf/1.1)1/2×MWf
    [DWpは経糸総繊度(dtex)、MWpは経糸織密度(本/2.54cm)、DWfは緯糸総繊度(dtex)、MWfは緯糸織密度(本/2.54cm)である。]
  2. 前記ポリエステルマルチフィラメント糸Aのフィラメント数が500以上である、請求項1に記載の研磨布用織物。
  3. 前記ポリエステルマルチフィラメント糸Aが織物の経糸および緯糸のうちどちらか一方にのみ配され、他方には単繊維径が3μm以上のポリエステルマルチフィラメント糸Bが配されてなる、請求項1または2に記載の研磨布用織物。
  4. 前記ポリエステルマルチフィラメントBのフィラメント数が20〜300本の範囲内である、請求項3に記載の研磨布用織物。
  5. 前記ポリエステルマルチフィラメントBが仮撚捲縮加工糸である、請求項3または請求項4に記載の研磨布用織物。
  6. 前記の親水化剤が、ポリアルキレングリコールと低級アルキレングリコールとテレフタル酸および/またはイソフタル酸とをブロック共重合してなるブロック共重合体、ポリエチレングルコールジアクリレート、およびポリエチレングルコールジアクリレートの誘導体からなる群より選択されるいずれかである、請求項1〜5のいずれかに記載の研磨布用織物。
  7. JIS L1096−1998 6.26.1滴下法で測定した吸水速度が10秒以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の研磨布用織物。
  8. 島成分がポリエステルからなり、かつ島成分の径が50〜1500nmである海島型複合繊維を用いて織物を織成した後、前記海島型複合繊維の海成分をアルカリ水溶液で溶解除去し、該織物に親水加工を施すことを特徴とする、請求項1に記載の研磨布用織物の製造方法。
  9. 前記の島数が100以上である、請求項5に記載の研磨布用織物の製造方法。
  10. 前記の海島型複合繊維において、海成分が、ポリ乳酸、超高分子量ポリアルキレンオキサイド縮合系ポリマー、ポリエチレングリコール系化合物共重合ポリエステル、およびポリエチレングリコール系化合物と5−ナトリウムスルホイソフタル酸の共重合ポリエステルから選択される少なくとも1種のアルカリ水溶液易溶解性ポリマーである、請求項8または請求項9に記載の研磨布用織物の製造方法。
  11. 海成分が、5−ナトリウムスルホン酸を6〜12モル%および分子量4000〜12000のポリエチレングリコールを3〜10重量%共重合したポリエチレンテレフタレートである、請求項8〜10のいずれかに記載の研磨布用織物の製造方法。
  12. 請求項1〜7のいずれかに記載の研磨布用織物を用いてなる、記録媒体のテキスチャリング用研磨布、記録媒体のポリッシング用研磨布、電子部品の仕上げ用研磨布、および電子部品のバフ研磨用研磨布からなる群より選択されるいずれかの研磨布。
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