JP2009000300A - 封止部材および内視鏡 - Google Patents

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Abstract

【課題】気密性等の特性に優れ、永久変形が抑制された封止部材、および、この封止部材を備える内視鏡を提供すること。
【解決手段】本発明のシール部材(封止部材)30は、環状をなし、弾性を有する第1の材料で構成される芯部31と、この芯部31を覆うように設けられ、前記第1の材料よりも剛性の高い第2の材料で構成される被覆層32とを有し、シール部材30の横断面形状がほぼ円形をなしており、芯部31の横断面形状が長手形状をなしている。
【選択図】図5

Description

本発明は、封止部材および内視鏡に関するものである。
内視鏡は、体腔内から例えば体液や血液等の液体を吸引する機能、体腔内に気体や液体を供給する機能等を有しており、これらの作動は、付属のボタンの押圧操作によりなされる。
このボタンは、シリンダとシリンダ内に進退自在に設けられたピストンと、これらの間の気密性を確保するためのOリング(封止部材)とで構成されている。
一般に、Oリングは、弾性に優れた弾性材料で構成されており、特に、摩擦抵抗の大きい材料で構成される場合には、その表面にシリコーンオイル等の潤滑剤を塗布することが行われている。
ところが、潤滑剤を使用する場合、所定時間の経過毎に、これを繰り返してOリングの表面へ塗布する操作が必要となり手間がかかるという問題がある。また、潤滑剤を付与する量が多過ぎると、管路が潤滑剤で閉塞してしまうという問題が生じることもある。
かかる問題を解決することを目的に、近年、弾性材料で構成される芯材を覆うように設けられ、前記弾性材料よりも剛性の高い材料で構成される被覆層を備えるOリングが提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。
かかる構成のものとすることにより、Oリングの表面に潤滑剤を塗布することなく、Oリングを摺動性に優れるものとすることができるが、より気密性や追従性等に優れ、永久変形が抑制されたOリングの開発が求められている。
特開2006−55447号公報 特開2006−271890号公報
本発明の目的は、気密性等の特性に優れ、永久変形が抑制された封止部材、および、この封止部材を備える内視鏡を提供することにある。
本発明の目的は、下記(1)〜(11)の本発明により達成される。
(1) 環状をなし、弾性を有する第1の材料で構成される芯部と、該芯部を覆うように設けられ、前記第1の材料よりも剛性の高い第2の材料で構成される被覆層とを有する封止部材であって、
当該封止部材の横断面形状がほぼ円形をなしており、前記芯部の横断面形状が長手形状をなしていることを特徴とする封止部材。
これにより、気密性等の特性に優れ、永久変形が抑制された封止部材とすることができる。
(2) 前記長手形状は、楕円または長円である上記(1)に記載の封止部材。
(3) 長手形状をなす前記芯部の横断面の重心は、円形をなす前記封止部材の横断面の重心とほぼ重なっている上記(1)または(2)に記載の封止部材。
(4) 前記芯部は、長手形状をなす当該芯部の横断面の長辺が、前記封止部材の径方向とほぼ平行となっている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の封止部材。
これにより、封止部材の気密性の向上を図ることができるとともに、封止部材の永久変形を好適に抑制することができる。
(5) 前記芯部の前記径方向にほぼ垂直な方向の長さをA[mm]とし、前記芯部の前記径方向にほぼ平行な方向の長さをA[mm]としたとき、A/Aが0.1〜0.9となっている上記(4)に記載の封止部材。
これにより、芯部の横断面形状を長手形状とすることにより得られる効果をより確実に発揮させることができる。
(6) 前記被覆層の前記径方向にほぼ垂直な方向の厚さをB[mm]としたとき、A/Bが0.5〜2.0となっている上記(4)または(5)に記載の封止部材。
これにより、封止部材の径方向にほぼ垂直な方向において、被覆層を厚くすることにより得られる効果が確実に発揮されて、封止部材の径方向とほぼ垂直をなす方向への、封止部材の形状保持性をより向上させることができる。
(7) 前記被覆層の前記径方向にほぼ平行な方向の厚さをB[mm]としたとき、A/Bが1〜100となっている上記(4)ないし(6)のいずれかに記載の封止部材。
これにより、封止部材の径方向に対して、封止部材が優れた追従性を発揮するとともに、長期に亘って摺動性を発揮し得る封止部材とすることができる。
(8) 前記芯部は、長手形状をなす当該芯部の横断面の短辺が、前記封止部材の径方向とほぼ平行となっている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の封止部材。
これにより、封止部材の長寿命化を図ることができるとともに、摺動時における封止部材の脱落を好適に防止することができる。
(9) 前記被覆層の色は、前記芯部の色と異なる上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の封止部材。
本発明の封止部材は、芯部が露出することに起因して、その摺動性が低下することになるが、芯部と被覆層との色が異なることにより、目視により交換時期を認識することができる。
(10) 上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の封止部材を備えることを特徴とする内視鏡。
これにより、操作性および耐久性に優れた内視鏡が得られる。
(11) 前記封止部材の外周部には、実質的に潤滑剤が存在しない上記(10)に記載の内視鏡。
このように実質的に潤滑剤が存在しない内視鏡であっても、封止部材を摺動性に優れたものとすることができ、このような封止部材を備える内視鏡は、操作性および耐久性に優れたものとなる。
本発明によれば、気密性等の特性に優れ、永久変形が抑制された封止部材とすることができる。
また、かかる封止部材を備える本発明の内視鏡は、操作性および耐久性に優れたものとなる。
以下、本発明の封止部材および内視鏡を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
まず、本発明の封止部材を説明するのに先立って、この封止部材を備える本発明の内視鏡について説明する。
図1は、本発明の内視鏡における全体配管を示す概略図、図2は、図1に示す内視鏡が備える接眼部を示す縦断面図、図3は、図1に示す内視鏡が備える吸引ボタンの待機状態(第1の状態)を示す縦断面図、図4は、図1に示す内視鏡が備える吸引ボタンの操作状態(第2の状態)を示す縦断面図である。なお、以下の説明では、図1中の下側を「先端」、上側を「基端」として説明する。
図1に示す内視鏡100は、手で把持して内視鏡100全体の操作を行う、吸引ボタン10および接眼部4を備える操作部1、この操作部1の先端に設けられ、生体の筒状器官の内腔部内に挿入される挿入部2を有している。
挿入部2には、チャンネルチューブ3が挿通配置されている。このチャンネルチューブ3は、その先端3aが挿入部2の先端に開口し、一方、その基端3bが操作部1と挿入部2との連結部付近に固定され、鉗子栓40が取り付けられている。
接眼部4の内部には、図2に示すように、その中央部にイメージガイド(図示せず)の基端部41が設置されている。
イメージガイドは、挿入部可撓管2内および操作部3内に連続して配設された光ファイバー束で構成されており、観察部位からの被写体像(反射光)は、このイメージガイドを通して、接眼部4へ伝達される。
また、この基端部41の基端側(図4中、上側)には、接眼レンズ42aおよび42bが設けられ、これらがほぼ円筒状の接眼枠4aの内腔部に所定位置で固定されている。
この接眼枠4aは、先端方向および基端方向に移動可能に接眼筒4bに支持され、この接眼筒4bの先端部が操作部1に固定されている。
また、接眼筒4bの先端部外周には、被せ環4dが固定され、接眼筒4bと被せ環4dとの間に、視度環4cがイメージガイドの基端部41を中心に回転可能に設けられている。
前述した被写体像は、イメージガイド内を通り、基端部41まで到達し、接眼レンズ42aおよび42bを通して観察される。この際、視度環4cを回転操作することにより、イメージガイドの基端部41と接眼レンズ42aおよび42bとの距離を調整し、焦点位置を調整できるようになっている。
このような接眼部4において、接眼枠4aが接眼筒4bと摺接しており、さらに視度環4cが接眼筒4bおよび被せ環4dに摺接しており、これら同士の気密性を確保することを目的に、図2に示すように、接眼枠4a、接眼筒4bおよび被せ環4dの外周部において、シール部材30が設けられている。
吸引ボタン10は、図1、図3および図4に示すように、操作部1内に配置され、内腔部120を備えるシリンダ12と、このシリンダ12の内腔部120内に軸線方向に沿って進退自在に設けられたピストン20と、ピストン20を外方に付勢する戻しバネ25と、操作部1外に突出するピストン20の端部に取り付けられた押圧部11とを有している。
吸引ボタン10は、押圧部11を押圧することにより、ピストン20の押し込み操作を行うことができる。
シリンダ12は、その口部が操作部1の外方に開口する状態で、固定ナット13により操作部1に固定されている。
操作部1内に位置するシリンダ12の側部には、吸引口14が開口しており、この吸引口14には、吸引接続管(第1の流路)14aの一端側が接続され、内腔部120に連通している。一方、吸引接続管14aの他端側には、外部吸引装置(図示せず)に連通する外部吸引チューブ50が接続されている。
また、シリンダ12の底部には、共通口17が開口しており、この共通口17には、連通管17aの一端側が接続され、内腔部120に連通している。一方、連通管17aの他端側は、チャンネルチューブ3の基端近傍に接続されている。
ピストン20の側面には、位置決めピン20aが側方に突出して設けられている。一方、シリンダ12の口部内面に、軸線方向に沿って形成された直線状の溝12aが凹没して形成されている。位置決めピン20aが溝12aに係合することにより、ピストン20がシリンダ12内において回転(回動)しないように位置決めされている。
ピストン20の外周側には、シリンダ12からの突出部を囲むように、ピストン受け筒22が設けられ、さらに、このピストン受け筒22の外周部には、固定ナット13に対して係脱自在な爪を有する弾性変形可能なカバー22aがピストン受け筒22と一体的に形成されている。
ピストン20のシリンダ12と反対側の端部には、押圧部11の取り付け座24が螺合により連結されている。
この取り付け座24とピストン受け筒22の底面との間に、圧縮コイルスプリングで構成された戻しバネ25が圧縮状態で配置されている。
なお、押圧部11の中央部には、指標26が軸線と同心的に設けられている。
このようにして、ピストン20と押圧部11とが一体化され、戻しバネ25により常に外方(シリンダ12の口部から突出する方向)に付勢された状態になっている。
ピストン20には、そのシリンダ12側に、L字状をなす貫通孔21が形成されている。この貫通孔21は、ピストン20の底面と側面とにそれぞれ開口しており、ピストン20が図3に示す第1の位置にあるとき、吸引接続管(第1の流路)14aと連通管(第2の流路)17aとの連通を許容しない状態(以下、「待機状態」と言う。)となり、図4に示す第2の位置にあるとき、吸引接続管(第1の流路)14aと連通管(第2の流路)17aとが貫通孔21を介して連通する状態(以下、「操作状態」と言う。)となる。
そこで、押圧部11を押圧して操作状態とすると、吸引接続管14aと連通管17aとが貫通孔21を介して連通し、チャンネルチューブ3を介して吸引接続管14aに向かって吸引が行われ、例えば体液や血液等の液体を吸引することができる。一方、押圧部11の押圧を解除すると、直ちに、吸引接続管14aと連通管17aとの連通が解除(阻害)され、チャンネルチューブ3を介した前記液体の吸引が中止される。
このような吸引ボタン10において、ピストン20がシリンダ12と摺接しており、これら同士の気密性を確保することを目的に、ピストン20の外周部において、シール部材(封止部材)30が設けられている。
また、シリンダ12が操作部1と当接しており、これら同士の気密性を確保することを目的に、シリンダ12の外周部において、シール部材30が設けられている。
このように、内視鏡100の各部には、内視鏡100の内部の気密性を確保することを目的に、シール部材(封止部材)30が設けられ(装着され)ているが、以下では、図5〜図7に示すように、ピストン20の外周部が備える凹部27にシール部材30が設けられている場合を一例にして、シール部材30の構成について説明する。
シール部材(Oリング)30は、図5〜図7に示すように、芯部31と、この芯部31の外周側、すなわち芯部31を覆うように設けられた被覆層32とを有している。
芯部31は、環状をなし、ピストン20とシリンダ12とが摺接した際に、シール部材30がこれらの部材20、12同士の間、すなわちシリンダ12の内周面と凹部27とで形成される空間の形状に対応して追従し得るように、弾性を有する構成材料で構成される。
具体的には、芯部31の構成材料(第1の材料)しては、例えば、フッ素ゴム、シリコーンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、エチレン−プロピレンゴム、ヒドリンゴム、ウレタンゴム、天然ゴムのような各種ゴム材料や、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマーが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、フッ素ゴムおよびシリコーンゴムのうちの少なくとも一方を主材料として構成されているのが好ましい。これらの材料を主材料として構成される芯部31は、特に弾性率が低くなる(柔軟性に優れる)ことから、前記空間の形状に対応して追従し得るシール部材30、すなわち優れた気密性を発揮するシール部材30とすることができる。
被覆層32は、芯部31を被覆するように設けられているが、シール部材30の表面にシリコーンオイル等の潤滑剤を付与することなくシール部材30の摺動性を向上させることを目的に、摺動性(潤滑性)に優れるものとなっている。
そのため、被覆層32の構成材料(第2の材料)としては、シリンダ12の内面に対する被覆層32の摺動抵抗が低減するように、第1の材料よりも剛性の高いものが用いられる。
具体的には、ポリパラキシリレンまたはその誘導体(例えば、ハロゲン化物等)や、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、グラファイト、カーボンナノチューブ、フラーレンのような炭素系物質等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、ダイヤモンドライクカーボンを主材料として構成されているのが好ましい。ダイヤモンドライクカーボンは、特に剛性の高い材料であることから、このものを主材料として構成される被覆層32は、特に優れた摺動性を発揮することとなる。その結果、吸引ボタン10の待機状態と操作状態との切換を、シール部材30に潤滑剤等を付与することなく、より円滑かつ確実に行うことができる。すなわち、吸引ボタン10の操作性および耐久性の向上を図ることができる。
また、ダイヤモンドライクカーボンは、前述したフッ素ゴムおよびシリコーンゴムとの相溶性が高いため、芯部31と被覆層32との密着性の向上を図ることができる。その結果、被覆層32が芯部31の変形に対して確実に追従し得るものとなる。
ここで、上述したように、シール部材30は、追従性(気密性)および摺動性の双方の特性を発揮し得るように、芯部31と被覆層32とを有する積層構造をなしており、芯部31は追従性に優れるように、弾性を有する第1の材料で構成され、被覆層32は摺動性に優れるように、第1の材料よりも剛性の高い第2の材料で構成されている。
本発明者は、このような芯部31と被覆層32とを有するシール部材30の形状について、気密性や追従性等の特性にさらに優れるとともに、永久変形が抑制されたシール部材30を得ることを目的として、鋭意検討を重ねた。その結果、シール部材30の横断面形状がほぼ円形をなしており、芯部31の横断面形状が長手形状をなしているシール部材30とすることにより、前記目的が達成されることを見出し、本発明を完成するに至った。
以下、このシール部材30について、横断面形状が長手形状をなす芯部31の長辺と、シール部材30の径方向Cとがなす角度毎に分けて、その特徴を説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の封止部材の第1実施形態について説明する。
図5は、図3および図4に示す吸引ボタンが備えるピストンに封止部材が装着された状態を示す部分縦断面図である。なお、以下の説明では、図5中の下側を「先端」、上側を「基端」として説明する。
本実施形態のシール部材30では、図5に示すように、横断面形状が長手形状をなす芯部31の形状が楕円をなしており、芯部31の横断面の重心は、円形をなすシール部材30の横断面の重心とほぼ重なっている。
そして、長手形状をなす芯部31の横断面の長辺が、シール部材30径方向Cとほぼ平行となっている。
このように芯部31の横断面の長辺が、シール部材30の径方向Cとほぼ平行となっていることから、図5に示すように、シール部材30の径方向Cで追従性に優れる芯部31の厚さが厚くなっている。そのため、ピストン20がシリンダ12内に挿入され、シリンダ12の内周面と凹部27とで空間が形成される際に、この空間の形状に追従して、シール部材30が容易に変形することとなる。
また、シール部材30の径方向Cとほぼ垂直となる方向では、剛性の高い材料(第2の材料)で構成されている被覆層32の厚さが厚くなっている。そのため、ピストン20がシリンダ12内に挿入され、前記空間の形状に対応してシール部材30が変形する際に、被覆層32は、シール部材30が径方向Cとほぼ垂直をなす方向に不必要に広がってしまうのを防止する規制部としての機能を発揮する。これにより、径方向Cとほぼ垂直をなす方向への、シール部材30の形状保持性が向上することとなる。
以上のことから、前記空間内にシール部材30が収納されることにより得られる反発力を径方向Cに対して優先的に付与することができ、ピストン20とシリンダ12との間での気密性の向上を図ることができる。
また、径方向Cとほぼ垂直をなす方向への芯部31の不必要な広がりが防止されていることから、シール部材30の永久変形を好適に抑制することができる。
さらに、ピストン20がシリンダ12内を摺動する際には、基端側から先端側または、先端側から基端側に向かってピストン20が移動する。換言すれば径方向Cとほぼ垂直をなす方向に移動する。かかる観点からも、径方向Cとほぼ垂直となる方向で、被覆層32の厚さを厚くすることは、ピストン20とシリンダ12との間での気密性を向上させるのに有利に働く。すなわち、ピストン20が摺動する際に、径方向Cとほぼ垂直となる方向に、シール部材30が不必要に追従して変形するのを好適に抑制することができるため、ピストン20の摺動時における気密性を向上させることができる。
以上のような効果をより確実にシール部材30に発揮させるためには、以下のような関係を満足するのが好ましい。
すなわち、径方向Cにほぼ垂直な方向に対する芯部31の長さ(長辺の長さ)をA[mm]とし、径方向Cにほぼ平行な方向に対する芯部31の長さ(短辺の長さ)をA[mm]としたとき、A/Aが0.1〜0.9となっているのが好ましい。長辺と短辺との長さの比率がかかる範囲内となっていることにより、芯部31の横断面形状を長手形状(楕円形状)とすることにより得られる効果をより確実に発揮させることができる。
また、径方向Cにほぼ垂直な方向に対する被覆層32の厚さをB[mm]としたとき、A/Bが0.5〜2.0となっているのが好ましい。これにより、径方向Cにほぼ垂直な方向において、被覆層32を厚くすることにより得られる効果が確実に発揮されて、径方向Cとほぼ垂直をなす方向への、シール部材30の形状保持性をより向上させることができる。
さらに、径方向Cにほぼ平行な方向に対する被覆層32の厚さをB[mm]としたとき、A/Bが1〜100となっているのが好ましい。これにより、径方向Cに対して、シール部材30が優れた追従性を発揮するとともに、長期に亘って優れた摺動性を発揮し得るシール部材30とすることができる。
また、本発明では、芯部31および被覆層32の少なくとも一方に、顔料または染料等の色素を含有させることにより、被覆層32の色が芯部31の色と異なっているのが好ましい。本発明のシール部材30は、シール部材30の摺動により被覆層32が目減りして、芯部31が露出することに起因して、その摺動性が低下することになるが、芯部31と被覆層32との色が異なることにより、目視により交換時期を認識することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明のシール部材30の第2実施形態について説明する。
図6は、図3および図4に示す吸引ボタンが備えるピストンに本発明の封止部材の第2実施形態が装着された状態を示す部分縦断面図である。なお、以下の説明では、図6中の下側を「先端」、上側を「基端」として説明する。
以下、第2実施形態のシール部材30について、前記第1実施形態のシール部材30との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図6に示すシール部材30は、長手形状(楕円形状)をなす芯部31の横断面の短辺が、径方向Cとほぼ平行となっている以外は、図5に示した第1実施形態のシール部材30と同様である。
このような第2実施形態のシール部材30では、図6に示すように、径方向Cとほぼ平行となる方向で、シール部材30が摺動する際に、シリンダ12の内面と接触する被覆層32の厚さが厚くなっている。このように被覆層32の厚さを厚くすることにより、被覆層32が擦り切れることによる芯部31の露出を確実に遅延させることができ、シール部材30の長寿命化を図ることができる。
また、径方向Cとほぼ平行となる方向で被覆層32の厚さが厚くなっていることから、径方向Cにシール部材30が伸びてしまうのを確実に防止または抑制することができる。その結果、ピストン20がシリンダ12内を摺動する際の凹部27からのシール部材30の脱落が確実に防止される。
<第3実施形態>
次に、本発明のシール部材30の第3実施形態について説明する。
図7は、図3および図4に示す吸引ボタンが備えるピストンに本発明の封止部材の第3実施形態が装着された状態を示す部分縦断面図である。なお、以下の説明では、図7中の下側を「先端」、上側を「基端」として説明する。
以下、第3実施形態のシール部材30について、前記第1実施形態および前記第2実施形態のシール部材30との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図7に示すシール部材30は、長手形状をなす芯部31の横断面の短辺および長辺の双方が、シール部材30の径方向Cからずれていること以外は、図5および図6にした、第1実施形態および第2実施形態のシール部材30と同様である。詳しくは、シール部材30の芯部31の長辺は径方向Cと交差する方向である。
このような第3実施形態のシール部材30は、前記第1の実施形態および前記第2の実施形態のシール部材30で述べた双方の特性を併せもつものとすることができる。
なお、前記各実施形態では、芯部31の横断面形状が楕円形状をなす場合について説明したが、芯部31の横断面形状は、長手形状をなしていればよく、例えば、長円形状(小判形状、俵形状)や、楕円形状および長円形状の一部が偏平または欠損している形状であってもよい。
さらに、前記各実施形態では、シール部材30は、ピストン20の外周部が備える凹部27にシール部材30が装着されている場合について説明したが、この場合の他、例えば、シール部材30は、図8に示すような平面28に形成された貫通孔29を取り囲むように形成された凹部27に装着され、この平面28に各種部材を当接させることにより、貫通孔29の気密性を確保するために用いられる。
この場合、前記各実施形態の場合と比較して、凹部27の底面に接触するシール部材30位置が異なってくることから、凹部27の底面と芯部31の横断面の長辺とのなす角度もほぼ90°異なってくる。そのため、このように平面28に形成された凹部27にシール部材30を装着した場合では、前記第1実施形態で述べた効果と、前記第2実施形態で述べた効果とが逆転することになる。
以上、本発明の封止部材および内視鏡を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
例えば、前記各実施形態では、封止部材が芯部と被覆層とで構成されたものであったが、芯部と被覆層との間には、1層以上の任意の目的(例えば、密着性の向上等)の層を設けるようにしてもよい。
本発明の内視鏡における全体配管を示す概略図である。 図1に示す内視鏡が備える接眼部を示す縦断面図である。 図1に示す内視鏡が備える吸引ボタンの待機状態を示す縦断面図である。 図1に示す内視鏡が備える吸引ボタンの操作状態を示す縦断面図である。 図3および図4に示す吸引ボタンが備えるピストンに本発明の封止部材の第1実施形態が装着された状態を示す部分縦断面図である 図3および図4に示す吸引ボタンが備えるピストンに本発明の封止部材の第2実施形態が装着された状態を示す部分縦断面図である 図3および図4に示す吸引ボタンが備えるピストンに本発明の封止部材の第3実施形態が装着された状態を示す部分縦断面図である 本発明の封止部材の第1実施形態が、平面に形成された凹部に装着された状態を示す部分縦断面図である
符号の説明
100 内視鏡
1 操作部
2 挿入部
3 チャンネルチューブ
3a 先端
3b 基端
4 接眼部
4a 接眼枠
4b 接眼筒
4c 視度環
4d 被せ環
41 基端部
42a、42b 接眼レンズ
10 吸引ボタン
11 押圧部
12 シリンダ
120 内腔部
12a 溝
13 固定ナット
14 吸引口
14a 吸引接続管
17 共通口
17a 連通管
20 ピストン
20a 位置決めピン
21 貫通孔
22 ピストン受け筒
22a カバー
24 取り付け座
25 戻しバネ
26 指標
27 凹部
28 平面
29 貫通孔
30 シール部材
31 芯部
32 被覆層
40 鉗子栓
50 外部吸引チューブ

Claims (11)

  1. 環状をなし、弾性を有する第1の材料で構成される芯部と、該芯部を覆うように設けられ、前記第1の材料よりも剛性の高い第2の材料で構成される被覆層とを有する封止部材であって、
    当該封止部材の横断面形状がほぼ円形をなしており、前記芯部の横断面形状が長手形状をなしていることを特徴とする封止部材。
  2. 前記長手形状は、楕円または長円である請求項1に記載の封止部材。
  3. 長手形状をなす前記芯部の横断面の重心は、円形をなす前記封止部材の横断面の重心とほぼ重なっている請求項1または2に記載の封止部材。
  4. 前記芯部は、長手形状をなす当該芯部の横断面の長辺が、前記封止部材の径方向とほぼ平行となっている請求項1ないし3のいずれかに記載の封止部材。
  5. 前記芯部の前記径方向にほぼ垂直な方向の長さをA[mm]とし、前記芯部の前記径方向にほぼ平行な方向の長さをA[mm]としたとき、A/Aが0.1〜0.9となっている請求項4に記載の封止部材。
  6. 前記被覆層の前記径方向にほぼ垂直な方向の厚さをB[mm]としたとき、A/Bが0.5〜2.0となっている請求項4または5に記載の封止部材。
  7. 前記被覆層の前記径方向にほぼ平行な方向の厚さをB[mm]としたとき、A/Bが1〜100となっている請求項4ないし6のいずれかに記載の封止部材。
  8. 前記芯部は、長手形状をなす当該芯部の横断面の短辺が、前記封止部材の径方向とほぼ平行となっている請求項1ないし3のいずれかに記載の封止部材。
  9. 前記被覆層の色は、前記芯部の色と異なる請求項1ないし8のいずれかに記載の封止部材。
  10. 請求項1ないし9のいずれかに記載の封止部材を備えることを特徴とする内視鏡。
  11. 前記封止部材の外周部には、実質的に潤滑剤が存在しない請求項10に記載の内視鏡。
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