JP2009000077A - 走行型苗移植機 - Google Patents
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Abstract
【課題】左右両側における走行輪体にて支持した走行機体3に,エンジン5,苗植付け機構10,及び苗を一株ずつ前記苗植付け機構に移送してこれに供給するようにした苗移送供給機構11を設けて成る苗移植機1において,苗の植付け姿勢及び植付け深さの安定化を図り,走行の安定化を図る。
【解決手段】前記両走行輪体を,前記走行機体の前後方向に延びるトラックフレーム19と,その前端のプーリ及び後端のプーリに巻掛けられた状態で回転する無端ベルト24とから成るクローラ体4a,4bに構成して,このクローラ体を,基端を前記走行機体に他端を前記トラックフレームに各々回動自在に枢着して成る前後一対のリンク体25,26にて平行姿勢のままで上下動するように構成する。
【選択図】図1
【解決手段】前記両走行輪体を,前記走行機体の前後方向に延びるトラックフレーム19と,その前端のプーリ及び後端のプーリに巻掛けられた状態で回転する無端ベルト24とから成るクローラ体4a,4bに構成して,このクローラ体を,基端を前記走行機体に他端を前記トラックフレームに各々回動自在に枢着して成る前後一対のリンク体25,26にて平行姿勢のままで上下動するように構成する。
【選択図】図1
Description
本発明は,例えば玉葱等の苗を,圃場に対して植付けるようにした走行型の苗移植機に関するものである。
従来,この種の走行型苗移植機は,例えば,先行技術としての特許文献1及び2等に記載されているように,左右両側における走行輪体にて支持し且つこの走行輪体の駆動にて走行するように構成した走行機体に,苗を圃場に対して植付けるようにした苗植付け機構と,苗を一株ずつ前記苗植付け機構に移送してこれに供給するようにした苗移送供給機構とを設けるとともに,前記両走行輪体,前記苗植付け機構及び前記苗移送供給機構を駆動するエンジンを搭載するという構成にして,前記走行機体と一緒に歩き移動するか又は前記走行機体に搭乗する作業者が,苗を一株ずつ,前記苗移送供給機構に供給すると,この一株の苗は,前記苗移送供給機構により前記苗植付け機構に移送・供給されたのち,前記苗植付け機構により圃場に植付けるようにしている。
特開2006−149281号公報
特開2007−80号公報
しかし,従来の走行型苗移植機においては,走行機体の左右両側における両走行輪体を,前後一対の車輪に構成しているが,前記走行機体の支持が前後一対の車輪である場合には,その圃場に対する接地がいわゆる点接触であることにより,接地面積が小さいから,圃場に対してめり込み易くて,圃場に対する苗の植付け姿勢及び植付け深さが不揃になるおそれが大きいという問題があった。
しかも,圃場に対する接地面積が小さいことにより,走行スリップが発生し易いので,苗の植付け間隔が不揃いなるおそれが大きいという問題があった。
特に,これらの問題は,柔らかい圃場において顕著になるのであった。
本発明は,この問題を解消した走行型の苗移植機を提供することを技術的課題とするものである。
この技術的課題を達成するため請求項1は,
「左右両側における走行輪体にて支持し且つこの走行輪体の駆動にて走行するように構成した走行機体に,苗を圃場に対して植付けるようにした苗植付け機構と,苗を一株ずつ前記苗植付け機構に移送してこれに供給するようにした苗移送供給機構とを設けるとともに,前記両走行輪体,前記苗植付け機構及び前記苗移送供給機構の駆動用エンジンを搭載して成る苗移植機において,
前記両走行輪体を,前記走行機体の前後方向に延びるトラックフレームと,その前端のプーリ及び後端のプーリに巻掛けられた状態で回転する無端ベルトとから成るクローラ体に構成して,このクローラ体を,基端を前記走行機体に他端を前記トラックフレームに各々回動自在に枢着して成る前後一対のリンク体にて平行姿勢のままで上下動するように構成した。」
ことを特徴としている。
「左右両側における走行輪体にて支持し且つこの走行輪体の駆動にて走行するように構成した走行機体に,苗を圃場に対して植付けるようにした苗植付け機構と,苗を一株ずつ前記苗植付け機構に移送してこれに供給するようにした苗移送供給機構とを設けるとともに,前記両走行輪体,前記苗植付け機構及び前記苗移送供給機構の駆動用エンジンを搭載して成る苗移植機において,
前記両走行輪体を,前記走行機体の前後方向に延びるトラックフレームと,その前端のプーリ及び後端のプーリに巻掛けられた状態で回転する無端ベルトとから成るクローラ体に構成して,このクローラ体を,基端を前記走行機体に他端を前記トラックフレームに各々回動自在に枢着して成る前後一対のリンク体にて平行姿勢のままで上下動するように構成した。」
ことを特徴としている。
請求項2は,
「前記請求項1の記載において,前記前後一対のリンク体のうち一方を,中空のリンク体に構成して,この中空状リンク体の内部に,前記エンジンから前記無端ベルトへの動力伝達機構を設けた。」
ことを特徴としている。
「前記請求項1の記載において,前記前後一対のリンク体のうち一方を,中空のリンク体に構成して,この中空状リンク体の内部に,前記エンジンから前記無端ベルトへの動力伝達機構を設けた。」
ことを特徴としている。
請求項3は,
「前記請求項1又は2の記載において,前記左右両クローラ体のうち少なくとも一方を,前記走行機体に対して左右動するように構成した。」
ことを特徴としている。
「前記請求項1又は2の記載において,前記左右両クローラ体のうち少なくとも一方を,前記走行機体に対して左右動するように構成した。」
ことを特徴としている。
請求項4は,
「前記請求項1〜3のいずれかの記載において,前記走行機体に,当該走行機体に対する操縦ハンドルを,前記クローラ体の後端よりも後方に延びるように設けた。」
ことを特徴としている。
「前記請求項1〜3のいずれかの記載において,前記走行機体に,当該走行機体に対する操縦ハンドルを,前記クローラ体の後端よりも後方に延びるように設けた。」
ことを特徴としている。
請求項5は,
「前記請求項1〜4のいずれかの記載において,前記両クローラ体のうち少なくとも一方のクローラ体におけるトラックフレームに,作業者が搭乗する座席を設けた。」
ことを特徴としている。
「前記請求項1〜4のいずれかの記載において,前記両クローラ体のうち少なくとも一方のクローラ体におけるトラックフレームに,作業者が搭乗する座席を設けた。」
ことを特徴としている。
請求項6は,
「前記請求項1の記載において,前記左右両クローラ体のうち少なくとも一方を,前記走行機体に対して上下動するように構成した。」
ことを特徴としている。
「前記請求項1の記載において,前記左右両クローラ体のうち少なくとも一方を,前記走行機体に対して上下動するように構成した。」
ことを特徴としている。
前記請求項1に記載した構成によると,圃場に対する接地が面接触になり,接地面積を従来の場合よりも大幅に増大できるから,柔らかい圃場に対するめり込みを小さくでき,苗の植付け姿勢の安定化及び苗の植付け深さの安定化を確実に図ることができるのであり,しかも,接地面積の増大により,柔らかい圃場での走行スリップを確実に低減できるから,苗の植付け間隔の安定化を確実に達成できる。
その上,前記クローラ体は,平行姿勢のままで上下動するという構成であることにより,前記走行機体の上下動,つまり,前記苗の植付け深さの調節に伴って,苗の植付け姿勢の安定化が損なわれることを確実に防止できる。
請求項2に記載した構成によると,前記両クローラ体の駆動を,当該クローラ体を平行姿勢のままで上下動するための一対のリンク体のうち一方の中空状リンク体の内部を利用して行うことができるから,構造を簡単にできるとともに,耐久性を向上できる。
また,請求項3に記載した構成によると,前記両クローラ体間におけるトレッドを,圃場における畝の横幅に合わせて任意に変更するできる。
更にまた,請求項4に記載した構成によると,走行機体を,その後部における操縦ハンドルを押し下げることにより,その前部が圃場から浮き上がるように後ろ下がりに傾斜すると,これに連動して,前記両クローラ体も,その前部が圃場から浮き上がるように後ろ下がりに傾斜することになるから,接地面積が減少して容易な旋回操作が可能になる一方,両クローラ体における前部が浮き上がることで,圃場における畝越え又は畦越えが容易にできる。
ところで,前記走行型苗移植機においては,その走行機体に設けた座席に搭乗する作業者が,前記苗移送供給機構に対する苗の一株ずつ供給を行うように構成することがある。
この場合において,前記作業者が搭乗する座席を,請求項5に記載したように,クローラ体におけるトラックフレームに設けるという構成にすることにより,作業者の体重の全てを前記クローラ体にて支持することができて,走行機体の上下動に,前記作業者の体重が負荷になることを確実に回避できるから,走行機体の軽量化及び昇降動機構の簡単化を達成でき,しかも,前記座席に対する作業者の乗り降りが,当該座席を走行機体に設ける場合よりも安全に且つ容易にできる。
請求項6の構成によると,前記左右両クローラ体のうち少なくとも一方を,前記走行機体に対して上下動するように構成しているから,前記一方のクローラ体が圃場の畝等に乗り上げたり泥濘等に落ち込んだりしたときであっても,前記走行機体の左右を略水平に保持できる。
以下,本発明の実施の形態を,図1〜図4の図面について説明する。
これらの図に示す苗移植機1は,圃場における畝2を跨いだ状態でこの畝2の長手方向に沿って矢印Aの方向に前進走行しながら,玉葱の苗を,前記畝2における幅方向の複数の各植付け条箇所ごとに,走行方向に沿って一定の間隔で植付けるものである。
この玉葱用の苗移植機1は,走行機体3を備えるとともに,後述するように,前記走行機体3をその左右両側において支持した状態で走行する左右一対のクローラ体4a,4bを備えている。
前記走行機体3の略中央部分には,後述するエンジン5からの動力を入力とするミッションケース6を備え,このミッションケース6から前方に突出するエンジン台7には,前記エンジン5が搭載されている一方,前記ミッションケース6から後方に延びるフレーム8の後端には,操縦ハンドル9が設けられている。
前記走行機体3のうちミッションケース6における後端部の部分には,詳しくは後述する苗植付け機構10の複数個が,前記畝2の幅方向に適宜の条間隔Pで並べて設けられている一方,前記走行機体3のうちミッションケース6の上方の部分には,詳しくは後述する苗移送供給機構11が設けられている。
前記各苗植付け機構10は,従来から前記特許文献1,2等において良く知られているように,圃場における畝2との間を上下方向に往復動する植付け体12を備え,この植付け体12は,中空の略逆円錐形で,前後又は左右に二つ割りの構成であり,この植付け体12が上昇位置にあるときにおいて閉じてその内部に前記苗移送供給機構11からの苗を受け入れると,当該植付け体12が,下降動して,その下端における尖り部が前記畝2の上面2aに突き刺さり,この状態で開き,次いで,開いた状態で元の上昇位置に戻って閉じるという作動を繰り返すことにより,苗を畝2に対して植付けるという構成である。
前記苗移送供給機構11は,これも従来から前記特許文献1,2等において良く知られているように,二つのスプロケット13,14の間に巻掛けした無端チエン15と,この無端チエン15に適宜ピッチの間隔で設けた複数個の縦型苗入れ筒16とを備え,前記無端チエン15にて列状に連ねた各苗入れ筒16を,平面視(図2)で閉ループに構成したガイドレール17に沿って,当該各苗入れ筒16のピッチ間隔で間欠的に循環移動するという構成であり,前記各苗入れ筒16は,これに作業者が一株の苗を投入(供給)すると,前記ガイドレール17に沿って前記各苗植付け機構10における植付け体12の真上箇所にまで移動したのち,その底部におけるシャッタ(図示せず)を開くことで,内部における一株の苗を前記各苗植付け機構10における植付け体12内に落とし込み供給するという構成になっている。
前記ガイドレール17は,本実施の形態の場合,前記各苗植付け機構10の真上部分に走行方向に対して水平横向きに配設し且つU字状にした第1横行レール部分17aと,これより前方の高い部位に走行方向に対して水平横向きに配設し且つU字状にした第2横行レール部分17bとを備えて,前記第1横行レール部分17aの両端と,前記第2横行レール部分17bの両端との間を,互いに立体的に交差する中間レール部分17c,17dにて連続するように接続することによって,全体として,平面視(図2)において走行方向に対して前後方向の8の字状の閉ループに構成している。
なお,前記第2横行レール部分17bは,前記第1横行レール部分17aよりも走行機体3の走行方向の後方側に配設するという構成にしても良い。
更に,前記走行機体3には,前記畝2における上面2aのうち前記苗植付け機構10にて苗の植付けをした部分を埋め戻すようにしたローラ式の埋め戻し体18が,前記各苗植付け機構10の後方箇所ごとに設けられている。
前記走行機体3の左右両側を支持する左右一対のクローラ体4a,4bは,前記走行機体3の前後方向に延びるトラックフレーム19と,このトラックフレーム19の前端にアイドラ軸20aを介して取付けたアイドラプーリ20と,前記トラックフレーム19の後端上部にドライブ軸21aを介して取付けたドライブプーリ21と,前記トラックフレーム19の後端下部にアイドラ軸22aを介して取付けたアイドラプーリ22と,前記トラックフレーム19の下面に設けた複数個のアイドラプーリ23と,前記各プーリ20,21,22,23に側面視で略三角形に巻掛けした無端ベルト24とによって構成されている。
一方,前記走行機体3の左右両側には,同じ長さに構成した前後一対のリンク体25,26を下向きに延びるように配設して,この前後一対のリンク体25,26のうち前部リンク体25における基端を前記エンジン台7から横方向に延びる横部材27に,前部リンク体25における下端を前記トラックフレーム19における前端に各々回動自在に回転自在に枢着する一方,後部リンク体26における基端を前記ミッションケース6に,後部リンク体26における下端を前記トラックフレーム19の後端における前記ドライブ軸21aに各々回転自在に枢着することにより,前記両クローラ体4a,4bを,平行姿勢のままで自在に上下動するように構成し,更に,前記前後一対のリンク体25,26のうちいずれか一方を,走行機体3に設けた昇降用油圧シリンダ(図示せず)にて,基端を中心にして回動して,前記両クローラ体4a,4bを前記走行機体3に対して一斉に上下動することにより,前記走行機体3を前記畝2に対して昇降動するように構成している。
この場合,前記昇降用油圧シリンダを,前記走行機体3のうち前記苗植付け機構10の前側に部分に前記畝2の上面2aに接当するように設けたローラ型の高さセンサー28にて作動することにより,前記走行機体3における前記畝2の上面2aからの高さ,つまり,苗の植付け深さを略一定に保持するように構成している。
また,前記両クローラ体4a,4bにおける前後一対のリンク体25,26のうち後部リンク体26は,中空体に構成して,その内部に前記ミッションケース6から前記ドライブプーリ21への動力伝達用チエン(図示せず)を設けて,前記両クローラ体4a,4bにおける無端ベルト24を回転することにより,前記走行機体3における前進又は後退走行を行うように構成している。
なお,昇降用油圧シリンダを走行機体3の左右両側に配置して,前記前後一対のリンク体25,26のうちいずれか一方を,前記各昇降用油圧シリンダにて,基端を中心にして回動させるように構成した上で,前記各昇降用油圧シリンダを互いに独立的に作動させることにより、左右のクローラ体4a,4bを走行機体3の左右に対して独立的に昇降させてもよい。
すなわち,左右両方の昇降用油圧シリンダのピストンロッドを同時に突出させた場合は,走行機体3が左右両方のクローラ体4a,4bから上方に離れ(上昇し),走行機体3の車高が高くなる。逆に,左右両方の昇降用油圧シリンダのピストンロッドを同時に後退させた場合は,走行機体3が左右両方のクローラ体4a,4bに近付き(下降し),走行機体3の車高が低くなる。
左側の昇降用油圧シリンダのピストンロッドを突出させるか,又は右側の昇降用油圧シリンダのピストンロッドを後退させた場合は(若しくは両方の動作を同時に実行しても),右側のクローラ体4aに対する走行機体3の相対高さが低くなり(左側のクローラ体4bに対する走行機体3の相対高さが高くなり),走行機体3は右下がりに傾斜する。
逆に,右側の昇降用油圧シリンダのピストンロッドを突出させるか,又は左側の昇降用油圧シリンダのピストンロッドを後退させた場合は(若しくは両方の動作を同時に実行しても),左側のクローラ体4bに対する走行機体3の相対高さが低くなり(右側のクローラ体4aに対する走行機体3の相対高さが高くなり),走行機体3は左下がりに傾斜する。従って,かかる構成を採用すると,一方のクローラ体4a(又は4b)が圃場の畝等に乗り上げたり泥濘等に落ち込んだりしても、走行機体3の左右を略水平に保持できる。
もちろん,昇降用油圧シリンダを走行機体3の左右いずれか一方に配置して,前記前後一対のリンク体25,26のうちいずれか一方を,前記昇降用油圧シリンダにて,基端を中心にして回動させるように構成した場合も,一方のクローラ体4a(又は4b)を走行機体3の左右に対して昇降させることができるから,一方のクローラ体4a(又は4b)が圃場の畝等に乗り上げたり泥濘等に落ち込んだりしたときに、走行機体3の左右を略水平に保持できる。
前記走行機体3の左右両側における左右一対のクローラ体4a,4bのうち前進方向に対して右側に位置する一方のクローラ体4aは,平面視(図2)において,前記走行機体4に近接しており,換言すると,前記走行機体3は,平面視(図2)において,右側に位置する一方のクローラ体4aに近接するようにオフセットしているが,左側に位置する他方のクローラ体4bは,図2に二点鎖線で示すように,前記走行機体3に対して左右動することにより,前記両クローラ体4a,4b間のトレッドLを,前記畝2における横幅に合わせて,前記両クローラ体4が前記畝2を跨いで走行するように,任意に変更できるように構成している。
このトレッドLの変更は,具体的には,この他方のクローラ体4bに対する前後両リンク体25,26の基端における前記走行機体3に対する枢着軸29,30を,前記横部材27及びミッションケース6に,当該枢着軸29,30の軸線方向に摺動自在に支持することにより,前記他方のクローラ体4bを,走行機体3に対して左右動するという構成であり,所定のトレッド位置において,トレッド変更不能に固定できるように構成されていることはいうまでもない。
また,前記ミッションケース6から前記他方のクローラ体4bにおけるドライブプーリ21への動力伝達は,前記枢着軸30内に挿入した伸縮式のドライブ軸(図示せず)及び前記中空状後部リンク体26内に設けたチエン(図示せず)を介して行われる。
これに加えて,前記両クローラ体4a,4bのうちいずれか一方又は両方の上部には,作業者が搭乗する座席31を配設して,この座席31を,前記クローラ体4a,4bにおけるトラックフレーム19に支柱32を介して取付けるという構成にしている。
なお,前記トレッドLの変更は,左右一対のクローラ体4a,4bのうち左側に位置するクローラ体4bを走行機体3に対して前後動することに代えて,右側に位置するクローラ体4aを,前記と同じ構成にて走行機体3に対して前後動するようにしたり,或いは,前記左右両クローラ体4a,4bの両方を走行機体3に対して前後動するようにしても良く,また,前記走行機体3には,前記苗移送供給機構11に近接する部分に,苗を載せて置くための予備苗載台33を備えていることは勿論である。
この構成において,前記走行機体3を前進走行しながら前記各苗植付け機構10及び前記苗移送供給機構11を駆動する。
作業者は,前記走行機体3と一緒に歩きながら,又は,前記座席31に搭乗した状態で,前記予備苗載台33における苗を,前記苗移送供給機構11における各苗入れ筒16内に一株ずつ供給する。
すると,前記苗移送供給機構11における各苗入れ筒16が,前記各苗植付け機構10における植付け体12の真上箇所にまで移動したのち,その底部におけるシャッターを開くことにより,その内部における一株の苗を,前記各苗植付け機構10における植付け体12内に落とし込み供給する。
次いで,前記各苗植付け機構10における植付け体12が下降動して,その下端における尖り部が前記畝2の上面2aに突き刺さり,この状態で開くことにより,前記畝2に対して苗の植付けを行い,そして,前記畝2における上面2aのうち苗の植付けをした部分は,埋め戻し体18にて埋め戻される。
前記走行機体3は,その左右両側におけるクローラ体4a,4bにて支持されており,この両クローラ体4a,4bが圃場に対して面接触で接地することにより,接地面積を従来における車輪の場合よりも大幅に増大できるから,柔らかい圃場に対するめり込みを小さくでき,苗の植付け姿勢の安定化及び苗の植付け深さの安定化を確実に図ることができるのであり,しかも,接地面積の増大により,柔らかい圃場での走行スリップを確実に低減できるから,苗の植付け間隔の安定化を確実に達成できる。
その上,前記両クローラ体4a,4bは,前後一対のリンク体25,26にて,平行姿勢のままで上下動するという構成であることにより,前記走行機体3の上下動,つまり,前記苗の植付け深さの調節に伴って,苗の植付け姿勢の安定化が損なわれることを確実に防止できる。
また,走行機体3に対する操縦ハンドル9は,前記両クローラ体4a,4bの後端よりも後方に延びていることにより,この操縦ハンドル9を押し下げることにより,前記走行機体3を,その前部が圃場から浮き上がるように後ろ下がりに傾斜すると,これに連動して,前記両クローラ体4a,4bも,その前部が圃場から浮き上がるように後ろ下がりに傾斜することになるから,接地面積が減少して容易な旋回操作が可能になる一方,両クローラ体における前部が浮き上がることで,圃場における畝越え又は畦越えが容易にできる。
更にまた,作業者が搭乗する座席31は,前記クローラ体4a,4bにおけるトランクフレーム19に支持されていることにより,作業者の体重の全てを前記クローラ体にて支持することができるから,走行機体3の上下動に,前記作業者の体重が負荷になることを確実に回避でき,しかも,前記座席に対する作業者の乗り降りが,当該座席を走行機体に設ける場合よりも安全に且つ容易にできる。
1 苗移植機
2 畝
3 走行機体 4a,4b クローラ体
19 クローラ体のトラックフレーム
20,22,23 クローラ体のアイドラプーリ
21 クローラ体のドライブプーリ
24 クローラ体の無端ベルト
5 エンジン
6 ミッションケース
9 操縦ハンドル
10 苗植付け機構
12 植付け体
11 苗移送供給機構
15 無端チエン
16 苗入れ筒
17 ループ状ガイドレール
18 埋め戻し体
25,26 リンク体
31 座席
33 予備苗載台
2 畝
3 走行機体 4a,4b クローラ体
19 クローラ体のトラックフレーム
20,22,23 クローラ体のアイドラプーリ
21 クローラ体のドライブプーリ
24 クローラ体の無端ベルト
5 エンジン
6 ミッションケース
9 操縦ハンドル
10 苗植付け機構
12 植付け体
11 苗移送供給機構
15 無端チエン
16 苗入れ筒
17 ループ状ガイドレール
18 埋め戻し体
25,26 リンク体
31 座席
33 予備苗載台
Claims (6)
- 左右両側における走行輪体にて支持し且つこの走行輪体の駆動にて走行するように構成した走行機体に,苗を圃場に対して植付けるようにした苗植付け機構と,苗を一株ずつ前記苗植付け機構に移送してこれに供給するようにした苗移送供給機構とを設けるとともに,前記両走行輪体,前記苗植付け機構及び前記苗移送供給機構の駆動用エンジンを搭載して成る苗移植機において,
前記両走行輪体を,前記走行機体の前後方向に延びるトラックフレームと,その前端のプーリ及び後端のプーリに巻掛けられた状態で回転する無端ベルトとから成るクローラ体に構成して,このクローラ体を,基端を前記走行機体に他端を前記トラックフレームに各々回動自在に枢着して成る前後一対のリンク体にて平行姿勢のままで上下動するように構成したことを特徴とする走行型苗移植機。 - 前記請求項1の記載において,前記前後一対のリンク体のうち一方を,中空のリンク体に構成して,この中空状リンク体の内部に,前記エンジンから前記無端ベルトへの動力伝達機構を設けたことを特徴とする走行型苗移植機。
- 前記請求項1又は2の記載において,前記左右両クローラ体のうち少なくとも一方を,前記走行機体に対して左右動するように構成したことを特徴とする走行型苗移植機。
- 前記請求項1〜3のいずれかの記載において,前記走行機体に,当該走行機体に対する操縦ハンドルを,前記クローラ体の後端よりも後方に延びるように設けたことを特徴とする走行型苗移植機。
- 前記請求項1〜4のいずれかの記載において,前記両クローラ体のうち少なくとも一方のクローラ体におけるトラックフレームに,作業者が搭乗する座席を設けたことを特徴とする走行型苗移植機。
- 前記請求項1の記載において,前記左右両クローラ体のうち少なくとも一方を,前記走行機体に対して上下動するように構成したことを特徴とする走行型苗移植機。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104900133A (zh) * | 2015-06-02 | 2015-09-09 | 沈阳农业大学 | 插秧机曲柄摇杆分插机构运动轨迹绘制装置 |
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2007
- 2007-06-25 JP JP2007166184A patent/JP2009000077A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN104900133A (zh) * | 2015-06-02 | 2015-09-09 | 沈阳农业大学 | 插秧机曲柄摇杆分插机构运动轨迹绘制装置 |
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