JP2008546425A - キャノーラタンパク質の生成 - Google Patents

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Abstract

少なくとも約90wt%(N×6.25)、好ましくは少なくとも約100wt%のタンパク質含量を有し、主に2Sタンパク質からなり、実質的には7Sおよび12Sタンパク質を含まないキャノーラタンパク質単離物を調製する。一態様では、キャノーラ油糧種子粗粉を、タンパク質水溶液を用いて高温で抽出して、粗粉から2Sタンパク質を優先的に抽出し、2Sタンパク質を主に含むキャノーラタンパク質溶液を生成する。2Sキャノーラタンパク質は単離物として回収される。別の態様では、キャノーラ油糧種子粗粉を最初に水で抽出して、7Sおよび12Sキャノーラタンパク質を優先的に抽出し、その後キャノーラ油糧種子粗粉を塩水溶液で抽出して、その粗粉から2Sタンパク質を抽出する。2Sキャノーラタンパク質単離物は塩抽出物から回収される。

Description

(関連出願の参照)
本出願は、米国特許法第119条(e)の下、2005年7月1日出願の米国仮特許出願第60/695,535号の優先権を主張するものである。
(発明の分野)
本発明は、キャノーラの7Sおよび12Sタンパク質を実質的には含まない、キャノーラの2Sタンパク質を調製するための新しい手順に関する。
(発明の背景)
キャノーラタンパク質単離物は、キャノーラ油糧種子粗粉から形成することができる。共に本発明の譲渡人に譲渡され、その開示が参照によって本明細書に組み込まれる、2002年5月3日出願の同時係属中の米国特許出願第10/137,391号(米国特許出願公開第20030125526A1号)、2004年6月9日出願の第10/476,230号(米国特許出願公開第20040254353A1号)、および対応するPCT出願WO第02/089597号には、キャノーラ油糧種子粗粉から、少なくとも100wt%のタンパク質含量(N×6.25)を有するキャノーラタンパク質単離物を生成する方法が記載されている。その手順は、塩溶液を使用してキャノーラ油糧種子粗粉を抽出するステップと、得られたタンパク質水溶液を残留油糧種子粗粉から分離するステップと、選択的膜技術を使用することによってその水溶液のタンパク質濃度を少なくとも約200g/Lに増大すると同時に、イオン強度を実質的に一定に維持するステップと、得られた濃縮タンパク質溶液を冷水で希釈してタンパク質ミセルを形成させるステップと、タンパク質ミセルを沈降させて、非晶質で粘着性の、ゼラチン状のグルテン様タンパク質ミセル塊(PMM)を形成するステップと、上澄み液から、ケルダール窒素(N×6.25)によって決定して、少なくとも約100wt%のタンパク質含量を有するタンパク質ミセル塊を回収するステップと、を含む、多重ステップのプロセスを含む。本明細書では、タンパク質含量は乾燥重量ベースで決定される。回収したPMMは乾燥することができる。
上記プロセスの一実施形態では、PMM沈降ステップからの上澄み液を処理して、湿潤PMMおよび上澄み液から乾燥タンパク質を含むタンパク質単離物を回収する。この手順は、最初に限外濾過膜を使用して上澄み液を濃縮し、濃縮上澄み液を湿潤PMMと混合し、その混合物を乾燥することによって行うことができる。得られたキャノーラタンパク質単離物は、少なくとも約90wt%のタンパク質(N×6.25)、好ましくは少なくとも約100wt%のタンパク質(N×6.25)の高い純度を有する。
上記プロセスの別の実施形態では、PMM沈降ステップからの上澄み液を処理して、上澄み液からタンパク質を回収する。この手順は、最初に限外濾過膜を使用して上澄み液を濃縮し、その濃縮物を乾燥することによって行うことができる。得られたキャノーラタンパク質単離物は、少なくとも約90wt%のタンパク質(N×6.25)、好ましくは少なくとも約100wt%のタンパク質(N×6.25)の高い純度を有する。
上記の米国特許出願に記載の手順は、本質的には回分式手順である。本発明の譲渡人に譲渡され、その開示が参照によって本明細書に組み込まれる、2002年11月19日出願の同時係属中の米国特許出願第10/298,678号(米国特許出願公開第20040039174A1号)および対応する公開済み国際出願WO第03/043439号には、キャノーラタンパク質単離物を生成するための連続プロセスが記載されている。それによれば、キャノーラ油糧種子粗粉を塩溶液と連続的に混合し、その混合物を、パイプを介して搬送しながらキャノーラ油糧種子粗粉からタンパク質を抽出してタンパク質水溶液を形成し、そのタンパク質水溶液を残留キャノーラ油糧種子粗粉から連続的に分離し、そのタンパク質水溶液を選択的膜操作によって連続的に搬送して、タンパク質水溶液のタンパク質含量を少なくとも約200g/Lに増大すると同時に、イオン強度を実質的に一定に維持し、得られた濃縮タンパク質溶液を冷水と連続的に混合してタンパク質ミセルを形成させ、沈降容器に所望の量のPMMが蓄積するまで、タンパク質ミセルを連続的に沈降させると同時に、上澄み液を連続的にオーバーフローさせる。PMMを沈降容器から取り出し、乾燥することができる。そのPMMは、ケルダール窒素(N×6.25)によって決定し、少なくとも約90wt%、好ましくは少なくとも約100wt%(N×6.25)のタンパク質含量を有する。
上記の米国特許出願第10/137,391号および同第10/471,230号に記載のように、オーバーフローした上澄み液を処理して、その上澄み液からキャノーラタンパク質単離物を回収することができる。
キャノーラ種子は、約10〜約30wt%のタンパク質を含むことが知られており、幾つかの異なるタンパク質成分が同定されている。これらのタンパク質は、様々な沈降係数(S)によって識別される。同定されたこれら知られているタンパク質には、クルシフェリンとして知られている12Sグロブリン、およびナピンとして知られている2S貯蔵タンパク質が含まれる。
キャノーラは、菜種または菜種油としても公知である。
本発明の譲渡人に譲渡され、その開示が参照によって本明細書に組み込まれる、2003年8月25日出願の同時係属中の米国特許出願第10/413,371号(米国特許出願公開第20040034204号)および2003年4月15日出願の10/510,766号、ならびに対応する公開済みPCT出願WO第03/08876号には、PMMキャノーラタンパク質単離物の組成物および上澄み液由来のキャノーラタンパク質単離物の組成物が記載されている。上澄み液由来のキャノーラタンパク質単離物は、主に2Sタンパク質を含み、それより少量の7Sタンパク質および微量の12Sタンパク質を含む。2Sタンパク質は低分子量のアルブミンである。生成されたPMMは、主に7Sタンパク質を含み、2Sタンパク質および12Sタンパク質は相対的に少量の成分である。7Sおよび12Sタンパク質はより高い分子量のグロブリンであり、7S分子は12Sタンパク質の半分子である。
それらに記載のように、上澄み液由来のキャノーラタンパク質単離物は以下のタンパク質プロファイルを示す。
約60〜約95wt%の2Sタンパク質、
約5〜約40wt%の7Sタンパク質、および
0〜約5wt%の12Sタンパク質、
好ましくは
約70〜約95wt%の2Sタンパク質、
約5〜約30wt%の7Sタンパク質、および
0〜約2wt%の12Sタンパク質。
PMMキャノーラタンパク質単離物は以下のタンパク質プロファイルを示す。
約60〜約98wt%の7Sタンパク質、
約1〜約15wt%の12Sタンパク質、および
0〜約25wt%の2Sタンパク質、
好ましくは
約88〜約98wt%の7Sタンパク質、
約1〜約10wt%の12Sタンパク質、および
0〜約6wt%の2Sタンパク質。
主に2Sタンパク質からなる上澄み液由来のキャノーラタンパク質単離物は、主に7Sタンパク質からなるPMM由来のキャノーラタンパク質単離物よりも幾つかの用途で優れた機能性を示すことが見出されている。従来の用途において説明されている手順では、上澄み液由来のキャノーラタンパク質単離物を生成するために、PMMを形成し、上澄み液を用意して、実際にキャノーラタンパク質を分画するステップを経る必要があった。
本発明の譲渡人に譲渡され、その開示が参照によって本明細書に組み込まれる、2005年7月21日出願の米国特許出願第11/038,086号(米国特許出願公開第2005−0181112A1号)(WO第2005/067729号)には、PMM沈殿物からの上澄み液を、膜処理後に熱処理にかけて、7Sタンパク質を沈殿させ、2Sタンパク質に富んだタンパク質溶液を残す手順が記載されている。残りの溶液は、噴霧乾燥することができる。
最小割合の7Sおよび12Sタンパク質を有する2Sタンパク質は、酸性pH値において未処理の2Sタンパク質よりも高い可溶性を示し、溶液の透明度を改善することができ、清涼飲料に関しては透明なタンパク質強化飲料を提供することができる。
(発明の概要)
驚くべきことに、本発明の一態様によれば、キャノーラ油糧種子粗粉の抽出を、相対的周囲温度ではなく高温で行う場合、7Sおよび12Sタンパク質に優先して2Sタンパク質が抽出され、得られた抽出液中のキャノーラタンパク質は、主に2Sタンパク質からなり、その後その2Sタンパク質は、該抽出液から比較的純粋な形態で得られることが見出された。
いかなる理論にも拘泥するものではないが、高い抽出温度で、7Sおよび/または12Sタンパク質に優先して2Sキャノーラタンパク質を選択的に抽出することができるのは、キャノーラ油糧種子粗粉の7Sおよび12Sタンパク質が抽出ステップ中に分解し、沈殿するからであると考えられている。
したがって、本発明の一態様では、主に2Sキャノーラタンパク質からなるキャノーラタンパク質単離物の生成方法が提供され、その方法は、キャノーラ油糧種子粗粉を、塩水溶液を用いて高温で抽出して、7Sおよび12Sタンパク質に優先してキャノーラ油糧種子粗粉から2Sタンパク質を優先的に抽出し、主に2Sタンパク質を含むキャノーラタンパク質抽出液を得るステップと、残留キャノーラ油糧種子粗粉からキャノーラタンパク質抽出液を分離するステップと、キャノーラタンパク質抽出液から、少なくとも約90wt%(N×6.25)のタンパク質含量を有し、主に2Sキャノーラタンパク質からなるキャノーラタンパク質単離物を回収するステップと、を含む。
さらに驚くべきことに、本発明のさらなる一態様によれば、水を使用して第1の抽出を行い、塩水溶液を使用して第2の抽出を行う2段階でキャノーラ油糧種子粗粉の抽出を行う場合、第1の抽出ステップからは、主に7Sタンパク質であるキャノーラタンパク質水溶液が得られ、第2の抽出ステップからは、主に2Sタンパク質であるキャノーラタンパク質抽出水溶液が得られることが見出された。
水を用いたキャノーラ油糧種子粗粉の最初の抽出ステップは、著しい割合の7Sおよび12Sタンパク質、それより少ない割合の2Sタンパク質、ならびに可溶性不純物の大部分を可溶化する。塩水溶液を用いた第2の抽出によって、大部分の2Sタンパク質、少量の7Sおよび12Sタンパク質、ならびに低濃度の可溶性不純物を含むキャノーラタンパク質水溶液が得られる。
上記の米国特許出願第11/038,086号に記載の手順に従って、キャノーラタンパク質塩水溶液抽出物を濃縮し、ダイアフィルトレーションして含塩量を低減し、次いで熱処理して、残留した7Sおよび12Sタンパク質を沈殿させる。
本発明のこのさらなる態様によれば、主に2Sキャノーラタンパク質からなるキャノーラタンパク質単離物の調製方法が提供され、その方法は、キャノーラ油糧種子粗粉を水で抽出して、2Sタンパク質に優先して7Sおよび12Sキャノーラタンパク質および可溶性不純物を優先的に抽出し、第1のキャノーラタンパク質抽出液を形成するステップと、残留油糧種子粗粉から第1のキャノーラタンパク質抽出液を分離するステップと、残留油糧種子粗粉を塩水溶液で抽出して、残留油糧種子粗粉から2S、7Sおよび12Sタンパク質を溶解し、第2のキャノーラタンパク質抽出液を形成するステップと、第2のキャノーラタンパク質抽出液から、少なくとも約90wt%(N×6.25)のタンパク質含量を有し、主に2Sキャノーラタンパク質からなるキャノーラタンパク質単離物を回収するステップとを含む。
さらに驚くべきことに、本発明の別の態様によれば、上記の米国特許出願第10/137,391号に記載の濃縮ステップからの濃縮キャノーラタンパク質溶液を、上記の米国特許出願第11/038,586号の手順に従って熱処理して、それに含まれる7Sおよび12Sタンパク質の大部分を沈殿させ、実質的には2Sタンパク質からなる濃縮キャノーラタンパク質水溶液を残すことができることが見出された。
本発明のこのさらなる態様によれば、主に2Sキャノーラタンパク質からなるキャノーラタンパク質単離物の生成方法が提供され、その方法は、塩水溶液でキャノーラ油糧種子粗粉を抽出して、キャノーラ油糧種子粗粉からキャノーラタンパク質を抽出し、キャノーラタンパク質溶液を得るステップと、残留油糧種子粗粉からキャノーラタンパク質溶液を分離するステップと、前記キャノーラタンパク質溶液を濃縮して、濃縮タンパク質溶液を保持液(retentate)として提供するステップと、その濃縮タンパク質溶液を熱処理して、2Sキャノーラタンパク質に優先して濃縮キャノーラタンパク質溶液から7Sおよび12Sキャノーラタンパク質を選択的に沈殿させ、主に2Sキャノーラタンパク質を含む熱処理したキャノーラタンパク質溶液を形成するステップと、沈殿したタンパク質から熱処理したキャノーラタンパク質溶液を分離するステップと、分離し熱処理したキャノーラタンパク質溶液から、少なくとも約90wt%(N×6.25)のタンパク質含量を有し、主に2Sキャノーラタンパク質からなるキャノーラタンパク質単離物を回収するステップとを含む。
さらに驚くべきことに、本発明のさらなる一態様によれば、上記の米国特許出願第10/137,391号の手順に従って、キャノーラ油糧種子粗粉を塩抽出することによって得られたキャノーラタンパク質水溶液を、上記の米国特許出願第11/038,586号の手順に従って熱処理して、それに含まれる7Sおよび12Sタンパク質の大部分を沈殿させ、実質的には2Sタンパク質からなるキャノーラタンパク質水溶液を残すことができることが見出された。
本発明のこのさらなる態様によれば、主に2Sキャノーラタンパク質からなるキャノーラタンパク質単離物の生成方法が提供され、その方法は、塩水溶液でキャノーラ油糧種子粗粉を抽出して、キャノーラ油糧種子粗粉からキャノーラタンパク質を抽出し、キャノーラタンパク質溶液を得るステップと、残留油糧種子粗粉からキャノーラタンパク質溶液を分離するステップと、濃縮タンパク質溶液を熱処理して、2Sキャノーラタンパク質に優先してキャノーラタンパク質溶液から7Sおよび12Sキャノーラタンパク質を選択的に沈殿させ、主に2Sキャノーラタンパク質を含む熱処理したキャノーラタンパク質溶液を形成するステップと、沈殿したタンパク質から熱処理したキャノーラタンパク質溶液を分離するステップと、分離し熱処理したキャノーラタンパク質溶液から、少なくとも約90wt%(N×6.25)のタンパク質含量を有し、主に2Sキャノーラタンパク質からなるキャノーラタンパク質単離物を回収するステップとを含む。
本発明の手順は、PMM−沈殿分画ステップを採用する必要なく、主に2Sキャノーラタンパク質からなるキャノーラタンパク質単離物を得ることを可能にし、したがってこの手順はかなり簡素化され、主として2Sタンパク質が占めるキャノーラタンパク質単離物を、より経済的に得ることが可能となる。
本明細書のプロセスに従って生成されたキャノーラタンパク質単離物は、加工食品のタンパク質強化、油の乳化、焼成食品の質量増し(body formers)、および製品にガスを封入する発泡剤などの、タンパク質単離物の通常の用途に使用することができる。さらに、キャノーラタンパク質単離物は、肉類似物に有用なタンパク質繊維に形成することができ、結合剤として卵白が使用される食品の卵白代用物または増量剤として使用することができる。キャノーラタンパク質単離物は栄養補助食品として使用することができる。キャノーラタンパク質単離物の他の使用には、タンパク質強化飲料、ペットフード、動物飼料、ならびに工業用途および化粧品用途、および個人用手入れ用品における使用がある。
(発明の一般的な説明)
上記のように、本発明は、実質的には7Sおよび12Sタンパク質を含まず、主に2Sタンパク質からなるキャノーラタンパク質溶液の生成プロセスの4つの態様を提供する。
(a)キャノーラ油糧種子粗粉の高温抽出を利用する態様
本発明のこの態様に従ってキャノーラタンパク質単離物を提供するプロセスの最初のステップは、キャノーラ油糧種子粗粉由来のタンパク質材料を可溶化することを含む。キャノーラ種子粗粉から回収されたタンパク質材料は、キャノーラ種子に天然に存在するタンパク質であってよく、またはそのタンパク質材料は、遺伝子操作によって改変されてはいるが、天然タンパク質の特徴的な疎水性および極性を有するタンパク質であってよい。キャノーラ粗粉は、様々なレベルの非変性タンパク質を有するキャノーラ油糧種子からキャノーラ油糧を除去することによって、例えば、熱ヘキサン抽出または冷オイル押出法によって得られた任意のキャノーラ粗粉であってよい。キャノーラ油糧種子からのキャノーラ油糧の除去は、通常、本明細書に記載されるタンパク質単離物の回収手順とは別の操作として行われる。
本発明の一態様では、塩の存在によって、油糧種子粗粉からの可溶性タンパク質の除去が増進されるため、タンパク質の可溶化は、食品用塩溶液を使用することによって最も効果的に行われる。キャノーラタンパク質単離物が、食品以外の使用に企図される場合には、非食品用化学物質を使用することができる。塩は、通常塩化ナトリウムであるが、塩化カリウムなどの他の塩を使用することもできる。相当多量のタンパク質の可溶化を実施可能にするために、塩溶液は、少なくとも約0.05、好ましくは少なくとも約0.10、最大約0.2のイオン強度を有する。塩溶液のイオン強度が増大するに従って、油糧種子粗粉中のタンパク質の可溶度は最初増大し、その後最大値に達する。その後、イオン強度がいくら増大しようとも、可溶化タンパク質全体を増加することはない。タンパク質の可溶化を最大にする食品用塩溶液のイオン強度は、当該の塩および選択されるキャノーラ油糧種子粗粉に応じて変わる。
本発明のこの態様におけるキャノーラ油糧種子粗粉の抽出は、高温、一般に約70℃〜約100℃、好ましくは約80℃〜約95℃の温度で行われ、7Sおよび12Sタンパク質に優先して2Sキャノーラタンパク質を油糧種子粗粉からタンパク質抽出液に優先的に抽出させる。
食品用塩水溶液は、一般に、約5〜約6.8、好ましくは約5.3〜約6.2のpHを有する。塩溶液のpHは、抽出ステップで使用するために、必要に応じて任意の好都合な酸、通常は塩酸、またはアルカリ、通常は水酸化ナトリウムを使用することによって、約5〜約6.8の範囲の任意の所望の値に調節することができる。
可溶化ステップの際の食品用塩溶液中のキャノーラ油糧種子粗粉の濃度は、幅広く変わり得る。一般的な濃度値は、約5〜約15%w/vである。
抽出ステップから得られたタンパク質溶液は、一般に約1〜約40g/L、好ましくは約10〜約20g/Lのタンパク質濃度を有する。
タンパク質溶液は、一般に以下のキャノーラタンパク質プロファイルを有する。
約80〜約100wt%の2Sタンパク質、
0〜約10wt%の7Sタンパク質、および
0〜約10wt%の12Sタンパク質、
好ましくは約85〜約100wt%の2Sタンパク質、
0〜約15wt%の7Sタンパク質、および
0〜約5wt%の12Sタンパク質。
塩水溶液は酸化防止剤を含むことができる。酸化防止剤は、亜硫酸ナトリウムまたはアスコルビン酸などの任意の好都合な酸化防止剤であってよい。使用する酸化防止剤の量は、溶液の約0.01〜約1wt%の範囲であってよく、好ましくは約0.05wt%である。酸化防止剤は、タンパク質溶液のフェノール成分の酸化を抑制する働きをする。
次いで、抽出ステップから得られた水相を、デカンター型遠心分離機を使用するなどの任意の好都合な方式で残留キャノーラ粗粉から分離し、その後ディスク型遠心分離および/または濾過によって残留粗粉を除去することができる。分離した残留粗粉は、乾燥して処分することができる。
粉末状活性炭または他の色素吸着剤を分離タンパク質水溶液と混合し、次いで濾過によって吸着剤を好都合に除去してタンパク質溶液を提供することによって、最終キャノーラタンパク質単離物の色を、薄い色で、より淡い黄色に改善することができる。色素を除去するために、ダイアフィルトレーションを用いることもできる。
このような色素除去ステップは、任意の好都合な条件下、一般には分離タンパク質水溶液の周囲温度で、任意の適切な色素吸着剤を使用して実施することができる。粉末状活性炭については、約0.025%〜約5%w/v、好ましくは約0.05%〜約2%w/vの量が使用される。
本発明の譲渡人に譲渡され、その開示が参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第5,844,086号および同第6,005,076号に記載のように、キャノーラ種子粗粉が相当多量の脂肪を含む場合には、分離タンパク質水溶液および以下に述べる濃縮タンパク質水溶液に対して、前記特許に記載の脱脂ステップを行うことができる。色を改善するステップが実施される場合、かかるステップは第1の脱脂ステップの後に行うことができる。
タンパク質抽出水溶液を処理して、その水溶液からキャノーラタンパク質単離物を回収する。本明細書で生成したキャノーラタンパク質単離物は、少なくとも約90wt%(N×6.25)、好ましくは少なくとも約100wt%のタンパク質含量を有し、主に2Sタンパク質からなる。
このような処理では、タンパク質抽出液を濃縮して、そのタンパク質濃度を増大することができる。このような濃縮は、限外濾過などの任意の好都合な選択的膜技術を使用して行われ、タンパク質供給材料から抽出された塩および他の低分子量の非タンパク質材料を含む低分子量種を膜に通す一方でキャノーラタンパク質を溶液に保持する、適切な分子量カットオフを有する膜を使用する。異なる膜材料および構成を考慮して、約3,000〜100,000ダルトン、好ましくは約5,000〜約10,000ダルトンの分子量カットオフを有する限外濾過膜を使用することができる。この方式でタンパク質抽出液を濃縮することによって、タンパク質を回収するために乾燥を要する液体の体積も低減される。タンパク質抽出液は、一般に少なくとも約50g/L、好ましくは約100〜約400g/L、より好ましくは約200〜約300g/Lのタンパク質濃度に濃縮される。このような濃縮操作は、回分式モードまたは連続操作で実施することができる。
周知のように、限外濾過および類似の選択的膜技術は、低分子量種をそれに通すと同時に、それより高い分子量種が通るのを防止する。低分子量種には、食品用塩のイオン種だけでなく、炭水化物、色素および非栄養因子などの、供給材料から抽出された低分子量材料も含まれる。膜の分子量カットオフは、通常溶液中に相当高い割合のタンパク質を確実に保持すると同時に汚染物質を通すように、異なる膜材料および構成を考慮して選択される。
次いで、濃縮タンパク質抽出液を、水を使用するダイアフィルトレーションステップにかけることができる。このようなダイアフィルトレーションは、約2〜約20体積のダイアフィルトレーション溶液、好ましくは約5〜約10体積のダイアフィルトレーション溶液を使用して行うことができる。ダイアフィルトレーション操作では、透過膜を通すことによって、さらなる量の汚染物質をタンパク質抽出水溶液から除去する。ダイアフィルトレーション操作は、透過液中に相当多量のさらなるフェノール成分および可視色が存在しなくなるまで行うことができる。このようなダイアフィルトレーションは、濃縮ステップで使用したものと同じ膜を使用して行うことができる。しかし、ダイアフィルトレーションは、異なる膜材料および構成を考慮して、約3,000〜100,000ダルトン、好ましくは約5,000〜約10,000ダルトンの範囲の分子量カットオフを有する膜などの別の膜を使用して、所望に応じて行うことができる。
ダイアフィルトレーションステップの少なくとも一部の間、ダイアフィルトレーション媒体中に酸化防止剤が存在してもよい。酸化防止剤は、亜硫酸ナトリウムまたはアスコルビン酸などの任意の好都合な酸化防止剤であってよい。ダイアフィルトレーション媒体中に使用する酸化防止剤の量は、使用する材料に依存し、約0.01〜約1wt%の範囲でよく、好ましくは約0.05wt%である。酸化防止剤は、濃縮タンパク質抽出液に存在するフェノール成分の酸化を抑制する働きをする。
濃縮ステップおよびダイアフィルトレーションステップは、任意の好都合な温度で、一般には約20℃〜約60℃、好ましくは約20〜約30℃で、所望の濃度を実現する時間をかけて行うことができる。使用する温度および他の条件は、濃縮を行うために使用する膜装置および溶液の所望のタンパク質濃度にある程度依存する。
濃縮し、場合によってはダイアフィルトレーションしたタンパク質溶液を、米国特許第5,844,086号および第6,005,076号に記載のように、必要に応じてさらなる脱脂操作にかけることができる。
濃縮し、場合によってはダイアフィルトレーションしたタンパク質溶液を、上記の色除去操作の代替としての色除去操作にかけることができる。本明細書では、粉末状活性炭も、顆粒状活性炭(GAC)と同様に使用することができる。色吸収剤として使用できる別の材料はポリビニルピロリドンである。
色吸収剤処理ステップは、任意の好都合な条件下、一般にはキャノーラタンパク質溶液の周囲温度で実施することができる。粉末状活性炭については、約0.025%〜約5%w/v、好ましくは約0.05%〜約2%w/vの量を使用することができる。色吸収剤としてポリビニルピロリドンを使用する場合、約0.5%〜約5%w/v、好ましくは約2%〜約3%w/vの量を使用することができる。色吸収剤は、濾過などの任意の好都合な手段によって、キャノーラタンパク質溶液から除去することができる。
濃縮し、場合によってはダイアフィルトレーションしたタンパク質水溶液を、所望に応じて熱処理ステップにかけて、溶液に存在する7Sおよび12Sタンパク質の量を低減することができる。このような熱処理は、溶液に存在する7Sおよび12Sの割合を低減するのに十分な、好ましくは7Sおよび12Sタンパク質の割合をかなり大きな程度低減するのに十分な温度および時間プロファイルを使用して行うことができる。一般に、溶液の7Sおよび12Sタンパク質含量は、熱処理によって、少なくとも約50wt%、好ましくは少なくとも約75wt%低減される。一般に、熱処理は、約70℃〜約100℃、好ましくは約75℃〜約95℃の温度で、約2〜約30分間、好ましくは約5〜約15分間行うことができる。沈殿した7Sおよび12Sタンパク質は、遠心分離または濾過などの任意の好都合な方式で除去し、回収することができる。
濃縮し、場合によってはダイアフィルトレーションし、場合によっては熱処理したタンパク質水溶液を、噴霧乾燥または冷凍乾燥などの任意の好都合な技術によって乾燥して乾燥形態にし、主に2Sキャノーラタンパク質からなり、少なくとも約90wt%(N×6.25)、好ましくは少なくとも100wt%のタンパク質含量を有する乾燥キャノーラタンパク質単離物を提供することができる。
(b)キャノーラ油糧種子粗粉の多重抽出を利用する態様
キャノーラタンパク質単離物を提供するプロセスの最初のステップは、キャノーラ油糧種子粗粉由来のタンパク質材料を可溶化することを含む。キャノーラ種子粗粉から回収されたタンパク質材料は、キャノーラ種子に天然に存在するタンパク質であってよく、またはそのタンパク質材料は、遺伝子操作によって改変されてはいるが、天然タンパク質の特徴的な疎水性および極性を有するタンパク質であってよい。キャノーラ粗粉は、様々なレベルの非変性タンパク質を有するキャノーラ油糧種子からキャノーラ油糧を除去することによって、例えば、熱ヘキサン抽出または冷オイル押出法によって得られた任意のキャノーラ粗粉であってよい。キャノーラ油糧種子からのキャノーラ油糧の除去は、通常、本明細書に記載されるタンパク質単離物の回収手順とは別の操作として行われる。
本発明のこの態様では、タンパク質の可溶化を複数のステップで行う。第1のステップでは、抽出媒体として水を使用し、それによって2Sキャノーラタンパク質に加えて相当高い割合の可溶性不純物に優先し、キャノーラ油糧種子粗粉から7Sおよび12Sキャノーラタンパク質を優先的に抽出する。水抽出ステップは、キャノーラ油糧種子粗粉の単回水抽出またはキャノーラ油糧種子粗粉の約2〜約25回の抽出、好ましくは約2〜約4回の抽出などの多重水抽出として行うことができる。
7Sおよび12Sタンパク質の水溶液を、任意の所望の方式で処理して、7Sおよび12Sタンパク質をキャノーラタンパク質単離物として回収することができる。例えば、上記の米国特許出願第10/137,391号に記載のように、タンパク質水溶液を、食塩水の添加後に濃縮ステップおよびミセル形成ステップにかけることができる。
水を使用するキャノーラ油糧種子粗粉の抽出は、約10℃〜約70℃、好ましくは約55℃〜約65℃の温度で実施することができる。可溶化ステップの際の水中のキャノーラ油糧種子粗粉の濃度は、幅広く変わり得る。一般的な濃度値は、約5〜約15%w/vである。
水抽出ステップから得られたタンパク質溶液は、一般に約10〜約40g/L、好ましくは約10〜約25g/Lのタンパク質濃度を有する。
可溶化の第2のステップでは、水抽出(1または複数回)からの残留キャノーラ油糧種子粗粉を塩水溶液で抽出し、それによって大部分の2Sキャノーラタンパク質、少量の7Sおよび12Sキャノーラタンパク質、ならびに低濃度の不純物を含むキャノーラタンパク質抽出水溶液を得る。塩は、通常は塩化ナトリウムであるが、塩化ナトリウムなどの他の塩を使用することもできる。一般に、食品用塩溶液を使用するが、キャノーラタンパク質単離物が食品以外の使用に企図される場合には、非食品用化学物質を使用することができる。
可溶化の第2のステップで使用する塩水溶液は、一般に少なくとも約0.05、好ましくは少なくとも約0.1、一般に最大約0.5のイオン強度を有する。
食品用塩水溶液は、一般に約5〜約6.8、好ましくは約5.3〜約6.2のpHを有し、塩溶液のpHは、抽出ステップで使用するために、必要に応じて任意の好都合な酸、通常は塩酸、またはアルカリ、通常は水酸化ナトリウムを用いて、約5〜約6.8の範囲の任意の所望の値に調節することができる。
食品用塩溶液での上記キャノーラ油糧種子粗粉の抽出は、一般に、約5℃〜約65℃、好ましくは約20℃〜約30℃の温度で実施される。可溶化ステップの際の食品用塩溶液中のキャノーラ油糧種子粗粉の濃度は、幅広く変わり得、一般に約5〜約15%w/vである。
食塩水抽出ステップから得られたタンパク質溶液は、一般に約1〜約40g/L、好ましくは約5〜約20g/Lのタンパク質濃度を有する。
油糧種子粗粉の食塩水可溶化から得られたタンパク質水溶液は、一般に以下のキャノーラタンパク質プロファイルを有する。
約80〜約100wt%の2Sタンパク質、
0〜約10wt%の7Sタンパク質、および
0〜約10wt%の12Sタンパク質、
好ましくは約85〜約100wt%の2Sタンパク質、
0〜約15wt%の7Sタンパク質、および
0〜約5wt%の12Sタンパク質。
塩水溶液は酸化防止剤を含むことができる。酸化防止剤は、亜硫酸ナトリウムまたはアスコルビン酸などの任意の好都合な酸化防止剤であってよい。使用する酸化防止剤の量は、溶液の約0.01〜約1wt%の範囲であってよく、好ましくは約0.05wt%である。酸化防止剤は、タンパク質溶液のフェノール成分の酸化を抑制する働きをする。
次いで、抽出ステップから得られた水相を、デカンター型遠心分離機を使用するなどの任意の好都合な方式で残留キャノーラ粗粉から分離し、その後ディスク型遠心分離および/または濾過によって残留粗粉を除去することができる。分離した残留粗粉は、乾燥して処分することができる。
粉末状活性炭または他の色素吸着剤を分離タンパク質水溶液と混合し、次いで濾過によって吸着剤を好都合に除去してタンパク質溶液を提供することによって、最終キャノーラタンパク質単離物の色を、薄い色で、より淡い黄色に改善することができる。色素を除去するためにダイアフィルトレーションを用いることもできる。
このような色素除去ステップは、任意の好都合な条件下、一般には分離タンパク質水溶液の周囲温度で、任意の適切な色素吸着剤を使用して実施することができる。粉末状活性炭については、約0.025%〜約5%w/v、好ましくは約0.05%〜約2%w/vの量が使用される。
キャノーラタンパク質水溶液を処理して、少なくとも約90wt%(N×6.25)、好ましくは少なくとも約100wt%のタンパク質濃度を有し、主に2Sタンパク質からなるキャノーラタンパク質単離物を回収することができる。
このような処理では、タンパク質抽出液を濃縮して、そのタンパク質濃度を増大することができる。このような濃縮は、限外濾過などの任意の好都合な選択的膜技術を使用して行われ、タンパク質供給材料から抽出された塩および他の低分子量の非タンパク質材料を含む低分子量種を膜に通すと同時にキャノーラタンパク質を溶液に保持する、適切な分子量カットオフを有する膜を使用する。異なる膜材料および構成を考慮して、約3,000〜100,000ダルトン、好ましくは約5,000〜約10,000ダルトンの分子量カットオフを有する限外濾過膜を使用することができる。この方式でタンパク質抽出液を濃縮することによって、タンパク質を回収するために乾燥を要する液体の体積も低減される。タンパク質抽出液は、一般に、少なくとも約50g/L、好ましくは約100〜約400g/L、より好ましくは約200〜約300g/Lのタンパク質濃度に濃縮される。このような濃縮操作は、回分式モードまたは連続操作で実施することができる。
次いで、濃縮タンパク質抽出液を、水を使用するダイアフィルトレーションステップにかけることができる。このようなダイアフィルトレーションは、約2〜約20体積のダイアフィルトレーション溶液、好ましくは約5〜約10体積のダイアフィルトレーション溶液を使用して行うことができる。ダイアフィルトレーション操作では、透過膜を通すことによって、さらなる量の汚染物質をタンパク質抽出水溶液から除去する。ダイアフィルトレーション操作は、透過液中に相当多量のさらなるフェノール成分および可視色が存在しなくなるまで行うことができる。このようなダイアフィルトレーションは、濃縮ステップで使用したものと同じ膜を使用して行うことができる。しかし、ダイアフィルトレーションは、異なる膜材料および構成を考慮して、約3,000〜100,000ダルトン、好ましくは約5,000〜約10,000ダルトンの範囲の分子量カットオフを有する膜などの別の膜を使用して、所望に応じて行うことができる。
ダイアフィルトレーションステップの少なくとも一部の間、ダイアフィルトレーション媒体中に酸化防止剤が存在してもよい。酸化防止剤は、亜硫酸ナトリウムまたはアスコルビン酸などの任意の好都合な酸化防止剤であってよい。ダイアフィルトレーション媒体中に使用する酸化防止剤の量は、使用する材料に依存し、約0.01〜約1wt%の範囲であってよく、好ましくは約0.05wt%である。酸化防止剤は、濃縮タンパク質抽出液に存在するフェノール成分の酸化を抑制する働きをする。
濃縮ステップおよびダイアフィルトレーションステップは、任意の好都合な温度で、一般には約20℃〜約60℃、好ましくは約20〜約30℃で、所望の濃度を実現する時間をかけて行うことができる。使用する温度および他の条件は、濃縮を行うために使用する膜装置および溶液の所望のタンパク質濃度にある程度依存する。
濃縮し、場合によってはダイアフィルトレーションしたタンパク質溶液を、米国特許第5,844,086号および第6,005,076号に記載のように、必要に応じてさらなる脱脂操作にかけることができる。
濃縮し、場合によってはダイアフィルトレーションしたタンパク質水溶液を、所望に応じて熱処理ステップにかけて、溶液に存在する7Sおよび12Sタンパク質の量を低減することができる。このような熱処理は、溶液に存在する7Sおよび12Sの割合を低減するのに十分な、好ましくは7Sタンパク質の割合をかなり大きな程度低減するのに十分な温度および時間プロファイルを使用して行うことができる。一般に、溶液の7Sタンパク質含量は、熱処理によって、少なくとも約50wt%、好ましくは少なくとも約75wt%低減される。一般に、熱処理は、約70℃〜約100℃、好ましくは約75〜約95℃の温度で、約2〜約30分間、好ましくは約5〜約15分間行うことができる。沈殿した7Sおよび12Sタンパク質は、遠心分離または濾過などの任意の好都合な方式で除去することができる。
濃縮し、場合によってはダイアフィルトレーションし、場合によっては熱処理したタンパク質水溶液を、噴霧乾燥または冷凍乾燥などの任意の好都合な技術によって乾燥して乾燥形態にし、主に2Sキャノーラタンパク質からなり、少なくとも約90wt%、好ましくは少なくとも約100wt%のタンパク質含量を有する乾燥キャノーラタンパク質単離物を提供することができる。
(c)限外濾過保持液の熱処理を利用する態様
キャノーラタンパク質単離物を提供するプロセスの最初のステップは、キャノーラ油糧種子粗粉由来のタンパク質材料を可溶化することを含む。キャノーラ種子粗粉から回収されたタンパク質材料は、キャノーラ種子に天然に存在するタンパク質であってよく、またはそのタンパク質材料は、遺伝子操作によって改変されてはいるが、天然タンパク質の特徴的な疎水性および極性を有するタンパク質であってよい。キャノーラ粗粉は、様々なレベルの非変性タンパク質を有するキャノーラ油糧種子からキャノーラ油糧を除去することによって、例えば、熱ヘキサン抽出または冷オイル押出法によって得られた任意のキャノーラ粗粉であってよい。キャノーラ油糧種子からのキャノーラ油糧の除去は、通常、本明細書に記載されるタンパク質単離物の回収手順とは別の操作として行われる。
塩の存在によって、油糧種子粗粉からの可溶性タンパク質の除去が増進されるため、タンパク質の可溶化は、食品用塩溶液を使用することによって最も効果的に行われる。キャノーラタンパク質単離物が、食品以外の使用に企図される場合には、非食品用化学物質を使用することができる。塩は、通常塩化ナトリウムであるが、塩化カリウムなどの他の塩を使用することもできる。相当多量のタンパク質の可溶化を実施可能にするために、塩溶液は、少なくとも約0.05、好ましくは少なくとも約0.10、最大約0.2のイオン強度を有する。塩溶液のイオン強度が増大するに従って、油糧種子粗粉中のタンパク質の可溶度は最初増大し、その後最大値に達する。その後、イオン強度がいくら増大しようとも、可溶化タンパク質全体を増加することはない。タンパク質の可溶化を最大にする食品用塩溶液のイオン強度は、当該の塩および選択されるキャノーラ油糧種子粗粉に応じて変わる。
回分式プロセスでは、タンパク質の塩可溶化を、少なくとも約5℃、好ましくは最大約35℃の温度で、好ましくは可溶化時間を短縮するために撹拌を伴って、通常約10〜約60分行う。可溶化は、全体的に高い生成収率を得るために、油糧種子粗粉から実質的にできるだけ多くの使用可能なタンパク質を抽出するように行うことが好ましい。
可溶化は、約5℃の温度より低いと実際的ではない程に遅くなるので、約5℃の下限温度が選択されると同時に、回分式モードにおいて温度レベルが高くなるとプロセスが非経済的となることから、約35℃の好ましい上限温度が選択される。
連続プロセスでは、キャノーラ油糧種子粗粉からのタンパク質の抽出を、キャノーラ油糧種子粗粉からのタンパク質の連続抽出の実施に合致する任意の方式で行う。一実施形態では、キャノーラ油糧種子粗粉を塩溶液と連続的に混合し、その混合物を、ある長さを有するパイプまたは導管を介して、本明細書に記載のパラメータによる所望の抽出を行うのに十分な滞留時間に合わせた流速で搬送する。このような連続手順では、好ましくはキャノーラ油糧種子粗粉から実質的にできるだけ多くの使用可能なタンパク質を抽出するように可溶化を行うために、塩可溶化ステップを、迅速に最大約10分間行う。連続手順における可溶化は、高温で、好ましくは約35℃を超え、一般には最大約65℃で行うことが好ましい。
塩水溶液およびキャノーラ油糧種子粗粉は、約5〜約6.8の中性pHを有し、約5.3〜約6.2のpH値が好ましい。
塩溶液のpHは、抽出ステップで使用するために、必要に応じて任意の好都合な酸、通常は塩酸、またはアルカリ、通常は水酸化ナトリウムを使用することによって、約5〜約6.8の範囲の任意の所望の値に調節することができる。キャノーラタンパク質単離物が、食品以外の使用に企図される場合には、非食品用化学物質を使用することができる。
可溶化ステップの際の塩溶液中の油糧種子粗粉の濃度は、幅広く変わり得る。一般的な濃度値は、約5〜約15%w/vである。
塩水溶液を用いたタンパク質抽出ステップは、キャノーラ粗粉に存在し得る脂肪を可溶化するという追加の効果を有し、結果として該脂肪は水相中に存在する。
抽出ステップから得られたタンパク質溶液は、一般に、約5〜約40g/L、好ましくは約10〜約30g/Lのタンパク質濃度を有する。
次いで、抽出ステップから得られた水相を、デカンター型遠心分離機を使用するなどの任意の好都合な方式で残留キャノーラ粗粉から分離し、その後ディスク型遠心分離および/または濾過によって残留粗粉を除去することができる。分離した残留粗粉は、乾燥して処分することができる。
粉末状活性炭または他の色素吸着剤を分離タンパク質水溶液と混合し、次いで濾過によって吸着剤を好都合に除去してタンパク質溶液を提供することによって、最終キャノーラタンパク質単離物の色を、薄い色で、より淡い黄色に改善することができる。色素を除去するために、分離タンパク質水溶液のダイアフィルトレーションを、濃縮の前または後に、以下に記載のように用いることもできる。
このような色素除去ステップは、任意の好都合な条件下、一般には分離タンパク質水溶液の周囲温度で、任意の適切な色素吸着剤を使用して実施することができる。粉末状活性炭については、約0.025%〜約5%w/v、好ましくは約0.05%〜約2%w/vの量が使用される。
本発明の譲渡人に譲渡され、その開示が参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第5,844,086号および同第6,005,076号に記載のように、キャノーラ種子粗粉が相当多量の脂肪を含む場合には、分離タンパク質水溶液および以下に述べる濃縮タンパク質水溶液に対して、前記特許に記載の脱脂ステップを行うことができる。色を改善するステップが実施される場合、かかるステップは、第1の脱脂ステップの後に行うことができる。
塩水溶液を用いて油糧種子粗粉を抽出する代わりに、水だけを使用してかかる抽出を行うこともできるが、水だけを使用する場合、油糧種子粗粉からのタンパク質抽出量が、塩水溶液の場合よりも減少する傾向にある。このような代替案を用いる場合、以下に記載の濃縮ステップ中、溶液にタンパク質を維持するために、上記の濃度の塩を、残留油糧種子粗粉からの分離後のタンパク質溶液に添加することができる。色除去ステップおよび/または第1の脂肪除去ステップを実施する場合、塩は、一般にこのような操作の完了後に添加される。
タンパク質抽出液を濃縮して、そのタンパク質濃度を増大する。このような濃縮は、限外濾過などの任意の好都合な選択的膜技術を使用して行われ、タンパク質供給材料から抽出された塩および他の低分子量の非タンパク質材料を含む低分子量種を膜に通す一方でキャノーラタンパク質を溶液に保持する、適切な分子量カットオフを有する膜を使用する。異なる膜材料および構成を考慮して、約3,000〜100,000ダルトン、好ましくは約5,000〜約10,000ダルトンの分子量カットオフを有する限外濾過膜を使用することができる。この方式でタンパク質抽出液を濃縮することによって、タンパク質を回収するために乾燥を要する液体の体積も低減される。タンパク質抽出液は、一般に、少なくとも約50g/L、好ましくは約100〜約400g/L、より好ましくは約200〜約300g/Lのタンパク質濃度に濃縮される。このような濃縮操作は、回分式モードまたは連続操作で実施することができる。
次いで、濃縮タンパク質抽出液を、水を使用するダイアフィルトレーションステップにかけることができる。このようなダイアフィルトレーションは、約2〜約20体積のダイアフィルトレーション溶液、好ましくは約5〜約10体積のダイアフィルトレーション溶液を使用して行うことができる。ダイアフィルトレーション操作では、透過膜を通すことによって、さらなる量の汚染物質をタンパク質抽出水溶液から除去する。ダイアフィルトレーション操作は、透過液中に相当多量のさらなるフェノール成分および可視色が存在しなくなるまで行うことができる。このようなダイアフィルトレーションは、濃縮ステップで使用したものと同じ膜を使用して行うことができる。しかし、ダイアフィルトレーションは、異なる膜材料および構成を考慮して、約3,000〜100,000ダルトン、好ましくは約5,000〜約10,000ダルトンの範囲の分子量カットオフを有する膜などの別の膜を使用して、所望に応じて行うことができる。
ダイアフィルトレーションステップの少なくとも一部の間、ダイアフィルトレーション媒体中に酸化防止剤が存在してもよい。酸化防止剤は、亜硫酸ナトリウムまたはアスコルビン酸などの任意の好都合な酸化防止剤であってよい。ダイアフィルトレーション媒体中に使用する酸化防止剤の量は、使用する材料に依存し、約0.01〜約1wt%の範囲であってよく、好ましくは約0.05wt%である。酸化防止剤は、濃縮タンパク質抽出液に存在するフェノール成分の酸化を抑制する働きをする。
濃縮ステップおよびダイアフィルトレーションステップは、任意の好都合な温度で、一般には約20℃〜約60℃、好ましくは約20〜約30℃で、所望の濃度を実現する時間をかけて行うことができる。使用する温度および他の条件は、濃縮を行うために使用する膜装置および溶液の所望のタンパク質濃度にある程度依存する。
濃縮し、場合によってはダイアフィルトレーションしたタンパク質溶液を、米国特許第5,844,086号および第6,005,076号に記載のように、必要に応じてさらなる脱脂操作にかけることができる。
本発明のこの態様では、限外濾過し、場合によってはダイアフィルトレーションしたキャノーラタンパク質溶液を熱処理にかけて、その溶液から7Sおよび12Sタンパク質を沈殿させ、主に2Sタンパク質からなるキャノーラタンパク質溶液を残す。このような熱処理は、上記の米国特許出願第11/038,086号に記載の条件下で行うことができる。
このような熱処理は、濃縮液に存在する7Sおよび12Sの割合を低減するのに十分な、好ましくは7Sおよび12Sタンパク質の割合をかなり大きな程度低減するのに十分な温度および時間プロファイルを使用して行うことができる。一般に、溶液の7Sおよび12Sタンパク質含量は、熱処理によって、少なくとも約50wt%、好ましくは少なくとも約75wt%低減される。一般に、熱処理は、約70℃〜約100℃、好ましくは約75〜約95℃の温度で、約2〜約30分間、好ましくは約5〜約15分間行うことができる。沈殿した7Sおよび12Sタンパク質は、遠心分離または濾過などの任意の好都合な方式で除去し、回収することができる。
次いで、得られたキャノーラタンパク質溶液を処理して、主に2Sが占めるキャノーラタンパク質単離物を回収することができる。
沈殿した7Sおよび12Sタンパク質を遠心分離などによって除去した後、熱処理した濃縮上澄み液を、噴霧乾燥または冷凍乾燥などの任意の好都合な技術によって乾燥して乾燥形態にし、主に2Sキャノーラタンパク質からなるキャノーラタンパク質単離物を提供することができる。このようなキャノーラタンパク質単離物は、約90wt%を超える高いタンパク質濃度を有し、好ましくはタンパク質を少なくとも約100wt%有し(ケルダールN×6.25として算出)、実質的には非変性である(示差走査熱量測定によって決定)。
(d)キャノーラタンパク質水溶液の熱処理を利用する態様
キャノーラタンパク質単離物を提供するプロセスの最初のステップは、キャノーラ油糧種子粗粉由来のタンパク質材料を可溶化することを含む。キャノーラ種子粗粉から回収されたタンパク質材料は、キャノーラ種子に天然に存在するタンパク質であってよく、またはそのタンパク質材料は、遺伝子操作によって改変されてはいるが、天然タンパク質の特徴的な疎水性および極性を有するタンパク質であってよい。キャノーラ粗粉は、様々なレベルの非変性タンパク質を有するキャノーラ油糧種子からキャノーラ油糧を除去することによって、例えば、熱ヘキサン抽出または冷オイル押出法によって得られた任意のキャノーラ粗粉であってよい。キャノーラ油糧種子からのキャノーラ油糧の除去は、通常、本明細書に記載されるタンパク質単離物の回収手順とは別の操作として行われる。
塩の存在によって、油糧種子粗粉からの可溶性タンパク質の除去が増進されるため、タンパク質の可溶化は、食品用塩溶液を使用することによって最も効果的に行われる。キャノーラタンパク質単離物が、食品以外の使用に企図される場合には、非食品用化学物質を使用することができる。塩は、通常塩化ナトリウムであるが、塩化カリウムなどの他の塩を使用することもできる。相当多量のタンパク質の可溶化を実施可能にするために、塩溶液は、少なくとも約0.05、好ましくは少なくとも約0.10、最大約0.2のイオン強度を有する。塩溶液のイオン強度が増大するに従って、油糧種子粗粉中のタンパク質の可溶度は最初増大し、その後最大値に達する。その後、イオン強度がいくら増大しようとも、可溶化タンパク質全体を増加することはない。タンパク質の可溶化を最大にする食品用塩溶液のイオン強度は、当該の塩および選択されるキャノーラ油糧種子粗粉に応じて変わる。
回分式プロセスでは、タンパク質の塩可溶化を、少なくとも約5℃、好ましくは最大約35℃の温度で、好ましくは可溶化時間を短縮するために撹拌を伴って、通常約10〜約60分行う。可溶化は、全体的に高い生成収率を得るために、油糧種子粗粉から実質的にできるだけ多くの使用可能なタンパク質を抽出するように行うことが好ましい。
可溶化は、約5℃の温度より低いと実際的ではない程に遅くなるので、約5℃の下限温度が選択されると同時に、回分式モードにおいて温度レベルが高くなるとプロセスが非経済的となることから、約35℃の好ましい上限温度が選択される。
連続プロセスでは、キャノーラ油糧種子粗粉からのタンパク質の抽出を、キャノーラ油糧種子粗粉からのタンパク質の連続抽出の実施に合致する任意の方式で行う。一実施形態では、キャノーラ油糧種子粗粉を塩溶液と連続的に混合し、その混合物を、ある長さを有するパイプまたは導管を介して、本明細書に記載のパラメータによる所望の抽出を行うのに十分な滞留時間に合わせた流速で搬送する。このような連続手順では、好ましくはキャノーラ油糧種子粗粉から実質的にできるだけ多くの使用可能なタンパク質を抽出するように可溶化を行うために、塩可溶化ステップを、迅速に最大約10分間行う。連続手順における可溶化は、高温で、好ましくは約35℃を超え、一般には最大約65℃で行うことが好ましい。
塩水溶液およびキャノーラ油糧種子粗粉は、約5〜約6.8の中性pHを有し、約5.3〜約6.2のpH値が好ましい。
塩溶液のpHは、抽出ステップで使用するために、必要に応じて任意の好都合な酸、通常は塩酸、またはアルカリ、通常は水酸化ナトリウムを使用することによって、約5〜約6.8の範囲の任意の所望の値に調節することができる。キャノーラタンパク質単離物が、食品以外の使用に企図される場合には、非食品用化学物質を使用することができる。
可溶化ステップの際の塩溶液中の油糧種子粗粉の濃度は、幅広く変わり得る。一般的な濃度値は、約5〜約15%w/vである。
塩水溶液を用いたタンパク質抽出ステップは、キャノーラ粗粉に存在し得る脂肪を可溶化するという追加の効果を有し、結果として該脂肪は水相中に存在する。
抽出ステップから得られたタンパク質溶液は、一般に約5〜約40g/L、好ましくは約10〜約30g/Lのタンパク質濃度を有する。
次いで、抽出ステップから得られた水相を、デカンター型遠心分離機を使用するなどの任意の好都合な方式で残留キャノーラ粗粉から分離し、その後ディスク型遠心分離および/または濾過によって残留粗粉を除去することができる。分離した残留粗粉は、乾燥して処分することができる。
粉末状活性炭または他の色素吸着剤を分離タンパク質水溶液と混合し、次いで濾過によって吸着剤を好都合に除去してタンパク質溶液を提供することによって、最終キャノーラタンパク質単離物の色を、薄い色で、より淡い黄色に改善することができる。色素を除去するために、分離タンパク質水溶液のダイアフィルトレーションを、濃縮の前または後に、以下に記載のように用いることもできる。
このような色素除去ステップは、任意の好都合な条件下、一般には分離タンパク質水溶液の周囲温度で、任意の適切な色素吸着剤を使用して実施することができる。粉末状活性炭については、約0.025%〜約5%w/v、好ましくは約0.05%〜約2%w/vの量が使用される。
本発明の譲渡人に譲渡され、その開示が参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第5,844,086号および同第6,005,076号に記載のように、キャノーラ種子粗粉が相当多量の脂肪を含む場合には、分離タンパク質水溶液および以下に述べる濃縮タンパク質水溶液に対して、前記特許に記載の脱脂ステップを行うことができる。色を改善するステップが実施される場合、かかるステップは第1の脱脂ステップの後に行うことができる。
塩水溶液を用いて油糧種子粗粉を抽出する代わりに、水だけを使用してかかる抽出を行うこともできるが、水だけを使用する場合、油糧種子粗粉からのタンパク質抽出量が、塩水溶液の場合よりも減少する傾向にある。このような代替案を用いる場合、以下に記載の濃縮ステップ中、溶液にタンパク質を維持するために、上記の濃度の塩を、残留油糧種子粗粉からの分離後のタンパク質溶液に添加することができる。色除去ステップおよび/または第1の脂肪除去ステップを実施する場合、塩は、一般にこのような操作の完了後に添加される。
本発明のこの態様によるキャノーラタンパク質水溶液を熱処理して、その水溶液から7Sおよび12Sタンパク質を沈殿させ、キャノーラタンパク質が主に2Sタンパク質からなるキャノーラタンパク質溶液を残す。このような熱処理は、上記の米国特許出願第11/038,086号に記載の条件下で行うことができる。
このような熱処理は、濃縮液に存在する7Sおよび12Sの割合を低減するのに十分な、好ましくは7Sおよび12Sタンパク質の割合をかなり大きな程度低減するのに十分な温度および時間プロファイルを使用して行うことができる。一般に、溶液の7Sおよび12Sタンパク質含量は、熱処理によって、少なくとも約50wt%、好ましくは少なくとも約75wt%低減される。一般に、熱処理は、約70℃〜約100℃、好ましくは約75℃〜約95℃の温度で、約2〜約30分間、好ましくは約5〜約15分間行うことができる。沈殿した7Sおよび12Sタンパク質は、遠心分離または濾過などの任意の好都合な方式で除去し、回収することができる。
沈殿した7Sおよび12Sタンパク質を遠心分離などによって除去した後、熱処理したキャノーラタンパク質溶液を、噴霧乾燥または冷凍乾燥などの任意の好都合な技術によって乾燥して乾燥形態にし、主に2Sキャノーラタンパク質からなるキャノーラタンパク質単離物を提供することができる。
あるいは、熱処理したキャノーラタンパク質溶液を、乾燥前に、態様(a)に関して記載した濃縮、ダイアフィルトレーションおよび色除去ステップにかけることができる。
キャノーラタンパク質単離物は、約90wt%を超える高いタンパク質含量を有し、好ましくはタンパク質を少なくとも約100wt%有し(ケルダールN×6.25として算出)、実質的には非変性である(示差走査熱量測定によって決定)。
本明細書で提供されるキャノーラタンパク質単離物は、単離物中に、高い割合の2Sタンパク質、好ましくは少なくとも約90wt%、より好ましくは少なくとも約95wt%のキャノーラタンパク質を含み、実質的には7Sおよび12Sタンパク質を含まない。
(実施例)
実施例1
この実施例は、キャノーラ油糧種子粗粉からのタンパク質の高温抽出の、抽出液中のキャノーラタンパク質プロファイルに対する効果を示すものである。
真空脱溶剤化したキャノーラ油糧種子粗粉のサンプル15g(37.15%タンパク質)を、逆浸透(RO)水、0.1MのNaCl水溶液、0.15MのNaCl水溶液、0.2MのNaCl水溶液、0.25MのNaCl水溶液、および0.5MのNaCl水溶液の各サンプル150mlそれぞれに、85℃の温度で添加した。各混合物を、撹拌機/熱板を使用してその温度を維持しながら5分間撹拌した。
抽出物を、10,000rpmで10分間遠心分離にかけ、次いで25μmの縦溝付き濾紙を介して濾過した。濾液を、0.45μmのシリンジフィルターを介してさらに濾過した。
濾過した抽出物を、タンパク質含量(LECO FP528 Nitrogen Determinatorを使用)、色、およびタンパク質プロファイル(分析的HPLC SEC BioSep2000およびS3000カラムを使用)について分析した。
対照として比較のために、周囲温度にて0.1MのNaCl溶液による抽出を用いて、この実験を反復した。得られた結果を、以下の表1および2に記載する。
Figure 2008546425
Figure 2008546425
表1に示した結果から分かるように、高温抽出の使用は、A330(フェノール成分)およびA390(色)で決定される色に影響を与えていないと思われ、そのことは、高温ではフェノール成分のさらなる酸化が生じないことを示している。
RO水の85℃での見かけの抽出率は、塩抽出物よりも実質的に低く、そのことは、抽出ステップ中の塩の存在によって高温でも抽出率が有益に改善されることを示している。
高温での塩抽出物の見かけの抽出率は平均約32%であり、周囲温度で行った抽出よりも低いが、表2から分かるように、高温で抽出したタンパク質の大部分が2Sタンパク質である。
実施例2
この実施例は、二重抽出手順を使用する、キャノーラ油糧種子粗粉の処理手順の一連の試験を示すものである。
水性キャノーラ油糧種子粗粉を最初に水で抽出し、続いて塩水溶液で抽出する一連の試験を実施した。このような一連の試験の結果を、以下に示す。
(a)試験1
キャノーラ油糧種子粗粉(回分A)15gを、65℃に予熱され種子に添加される水150mlを用いて、60℃にて10%w/vで抽出した。後の方の抽出物は、10,000gの遠心分離に10分間かけることによって使用済み粗粉から取り出し、上澄み液を分離した後に、ペレット中の湿潤粗粉(37g)および結合水(22g)の重量を決定した。次いで、十分な0.25MのNaCl(128ml)を添加して濃度を10%w/vに戻し、そのサンプルを、オーバーヘッド型撹拌機を用いて、220rpmにて室温で30分間混合した。塩抽出物を、10,000gの遠心分離に10分間かけることによって使用済み粗粉から分離した。浄化した水抽出物および塩抽出物のサンプルを、孔径0.45μmのフィルターで濾過し、そのサンプルを、遊離フェノール成分(A330)、可視色(A390)、タンパク質含量(LECO)、およびタンパク質プロファイル(SEC HPLC)について分析した。終夜冷蔵庫の中で保存して7Sタンパク質を沈殿させた後、水抽出物のタンパク質プロファイルも再分析した。
第2の塩抽出物は、タンパク質含量が少ないが、最初の水抽出物よりも透明で清浄であり、色が薄かった(表3)。
Figure 2008546425
最初の水抽出は、7Sタンパク質の可溶化に有利に働くとともに、第2の塩抽出は、2Sタンパク質の大部分を可溶化した(表4)。水抽出物を終夜冷却することによって、高い割合の7Sおよび12Sタンパク質を沈殿させた。
Figure 2008546425
(b)試験2
キャノーラ油糧種子粗粉(回分A)150gを、60℃にて10%w/vで水1500mlを用いてオーバーヘッド型撹拌機で5分間抽出した。水抽出物を、7100gの遠心分離に10分間かけることによって使用済み粗粉から分離し、ペレット中の湿潤粗粉(392g)および結合水(242g)の重量を決定した。次いで、十分な0.2MのNaCl(1258ml)を添加して濃度を10%w/vに戻し、そのサンプルをオーバーヘッド型撹拌機を用いて室温で30分間混合した。塩抽出物を7100gの遠心分離に10分間かけることによって使用済み粗粉から分離し、次いで3番のフィルターパッドに2回通過させることによって濾過した。次いで、浄化した塩抽出物を、平行に連結させた2つの10000MWCOのVivaflow HY膜(安定剤セルロース)ユニットを使用して処理した。抽出物を濃縮し、次いで逆浸透(RO)精製水5体積でダイアフィルトレーションした。ダイアフィルトレーション水を添加することによって沈殿物が生じ、それを7100gの遠心分離に10分間かけることによって、再濃縮前に除去した。ダイアフィルトレーション保持液を、85℃で10分間熱処理して、7Sおよび12Sを沈殿させ、それを8000gの遠心分離に15分間かけることによって除去した。次いで、濃縮物を冷凍乾燥し、「C200H」と示した。
水抽出物を終夜4℃に冷却し、次いで5℃で7100gの遠心分離に15分間かけることによって沈殿物を収集した。次いで収集した固体を冷凍乾燥した。
様々なサンプルを、遊離フェノール成分(A330)、可視色(A390)、タンパク質含量(LECO)およびタンパク質プロファイル(SEC HPLC)について分析した。最終生成物を、Minolta測色機を使用して乾き色について分析し、また各溶液を、濡れ色分析のために調製した。ボルテックス混合機を使用して、タンパク質粉末(0.7g)を0.1MのNaClまたは水(10ml)と混合した。次いで、サンプルを8000gの遠心分離に10分間かけ、上澄み液のタンパク質含量をLECOによって決定した。上澄み液の一定分量(8ml)を小型ビーカーに移し、十分な塩水または水を添加して、タンパク質含量を5%に調節した。
試験1のように、第2の塩抽出物は、最初の水抽出物よりも清浄であり、色が薄かった(表5)。最初の水抽出物を冷却することによって、総タンパク質の半分を上回る量を沈殿させた。
Figure 2008546425
この場合も、最初の水抽出は7Sタンパク質の可溶化に有利に働き、第2の塩抽出は2Sタンパク質の大部分を可溶化した(表6)。ダイアフィルトレーション(DF)保持液の熱処理によって、残りの7Sおよび12Sタンパク質の大半を除去することに成功した。水抽出物を終夜冷却することによって、高い割合の7Sおよび12Sタンパク質を沈殿させた。
Figure 2008546425
この試験で形成した「C200H」は、良好な乾き色および許容可能な濡れ色を有していた(表7)。粉末のタンパク質含量(w.b.)は93.90wt%であり、そのサンプルが単離物であることを確認した。冷却沈殿物である7S/12Sは、かなり濃い黄色の粉末であったが、許容可能な濡れ色を有していた。沈殿した7S/12S生成物が比較的濃い色であったにも関わらず、その生成物の純度は、LECOによって試験すると非常に高かった。このサンプルのタンパク質含量(w.b.)を測定すると、103.49wt%であった。7S/12S沈殿物の濡れ色サンプルのクロマトグラフ分析によって、2Sタンパク質による4%未満のタンパク質ピーク面積および約25%の非タンパク質ピーク面積を含む汚染が示された。これは、沈殿以外の精製ステップを実施しないことを考慮すると、非常に低濃度の汚染である。
Figure 2008546425
(c)試験3
キャノーラ油糧種子粗粉(回分A)150gを、10%w/vで、水1500mlを用いて周囲温度で30分間、オーバーヘッド型撹拌機を用いて抽出した。水抽出物を、7100gの遠心分離に10分間かけることによって使用済み粗粉から分離し、湿潤粗粉(366g)および結合水(216g)の重量を決定した。次いで、十分な0.2MのNaCl(1284ml)を添加して濃度を10%w/vに戻し、そのサンプルを、オーバーヘッド型撹拌機を用いて室温で30分間混合した。塩抽出物を、7100gの遠心分離に10分間かけることによって使用済み粗粉から分離し、次いで3番のフィルターパッドに2回通過させることによって濾過した。次いで、浄化した塩抽出物を、平行に連結させた2つの10,000MWCOのVivaflow HY膜ユニットを使用して処理した。抽出物を濃縮し、次いで逆浸透(RO)精製水5体積でダイアフィルトレーションした。ダイアフィルトレーション水を添加することによって沈殿物が生じ、それを7100gの遠心分離に10分間かけることによって、再濃縮前に除去した。ダイアフィルトレーション保持液を、85℃で10分間熱処理して、7Sおよび12Sタンパク質を沈殿させ、それを8000gの遠心分離に15分間かけることによって除去した。次いで、遠心分離液を冷凍乾燥し、「C200H−塩水」と示した。
水抽出物を、終夜4℃で冷却し、次いで沈殿物を、5℃で7100gの遠心分離に15分間かけることによって収集した。次いで、収集した固体を冷凍乾燥した。上澄み液を、3番のフィルターパッドを使用して濾過し、次いで平行に連結させた2つの10,000MWCOのVivaflow HY膜を使用して処理した。抽出物を濃縮し、次いで逆浸透(RO)精製水5体積でダイアフィルトレーションした。ダイアフィルトレーション水を添加することによって沈殿物が生じ、それを7100gの遠心分離に10分間かけることによって、再濃縮前に除去した。ダイアフィルトレーション保持液を、85℃で10分間熱処理して、7Sおよび12Sタンパク質を沈殿させ、それを8000gの遠心分離に15分間かけることよって除去した。次いで、遠心分離液を冷凍乾燥し、「C200H−水」と示した。様々なサンプルを、試験2に詳説のように分析した。
先の試験のように、第2の塩抽出物は、最初の水抽出物よりも清浄であり、色が薄かった(表8)。しかし、温水の代わりに周囲温度の水を使用すると、窒素を可溶化しにくく、汚染物質をわずかに可溶化するのみであった。この水抽出物は、A390の読取りによれば、温水抽出物よりも色が濃かった。水抽出物を冷却すると、試験2において60℃の抽出物を冷却したときよりも、タンパク質の沈殿が少なかった。
Figure 2008546425
粗粉の周囲温度における水抽出は、温水抽出ほどは7Sタンパク質を可溶化しなかった。塩抽出では、7Sおよび12Sタンパク質の割合が高くなるという結果になった(表9)。しかし、ダイアフィルトレーション保持液の熱処理において、7Sおよび12Sタンパク質を除去することに成功した。周囲温度の水抽出物を冷却することによって、7Sおよび12Sタンパク質を沈殿させたが、温水抽出物を冷却したときほどではなかった。驚くべきことに、熱処理は、水によるプロセスストリームから調製されたダイアフィルトレーションした保持液から7Sおよび12Sタンパク質を除去するには、あまり有効ではなかった。
Figure 2008546425
塩水ストリームから生成した「C200H」の色は、水ストリームからの「C200H」の色よりもわずかに薄いのみであった(表9)。いずれのサンプルも、最初の抽出に温水を使用したときほど良好な色ではなかった(試験2)。水ストリームから生成した「C200H」(72.78%のタンパク質w.b.)の純度は、塩水ストリームから生成した「C200H」(96.68%のタンパク質w.b.)よりもかなり低かった。塩水由来の生成物(16.4%の非タンパク質ピーク面積)のHPLCクロマトグラムも、水由来の生成物(27.9%の非タンパク質ピーク面積)のクロマトグラムより、それが清浄であることを示した。すなわち、水抽出物中の汚染物質濃度は、塩抽出物よりも高かった。したがって水抽出には、精製のためのより広範なダイアフィルトレーションが必要となろう。この試験で得られた冷却沈殿7Sおよび12Sタンパク質は、先の試験で得られたものよりもわずかに色が薄かったが、このことはおそらく、周囲温度での水抽出では、不純物が温水抽出ほど可溶化されないからである。この生成物の純度も非常に高く、タンパク質含量は102.72%(w.b.)であった。
Figure 2008546425
(d)試験4
キャノーラ油糧種子粗粉(回分B)200gを、10%w/vで、水(2000ml)を用いて周囲温度で30分間、オーバーヘッド型撹拌機を用いて抽出した。水抽出物を、7100gの遠心分離に10分間かけることによって使用済み粗粉から分離し、湿潤粗粉(639g)および結合水(439g)の重量を決定した。次いで、十分な0.25MのNaCl(1561ml)を添加して濃度を10%w/vに戻し、そのサンプルを、オーバーヘッド型撹拌機を用いて室温で30分間混合した。塩抽出物を、7100gの遠心分離に10分間かけることによって使用済み粗粉から分離し、次いで3番のフィルターパッドに2回通過させることによって濾過した。次いで、浄化した塩抽出物を、平行に連結させた2つの10,000MWCOのVivaflow HY膜ユニットを使用して処理した。抽出物を濃縮し、次いで逆浸透(RO)精製水5体積でダイアフィルトレーションした。ダイアフィルトレーション水を添加することによって沈殿物が生成し、それを7100gの遠心分離に10分間かけることによって、再濃縮前に除去した。ダイアフィルトレーション保持液を、85℃で10分間熱処理して、7Sおよび12Sタンパク質を沈殿させ、それを8000gの遠心分離に15分間かけることによって除去した。次いで、遠心分離液を2つの部分に分割し、一方は1wt%の粉末状活性炭と共に30分間撹拌し、サンプルの他方半分は未処理とした。両方のサンプルを、8000gの遠心分離に10分間かけ、孔径0.45μmのシリンジフィルターで濾過し、次いで冷凍乾燥し、「C200H」(炭素なし)および「C200HC」(炭素処理)と示した。最初の水抽出物は、この試験では処理しなかった。様々なサンプルを、試験2に詳説のように分析した。
他の試験のように、第2の塩抽出物は、最初の水抽出物よりも清浄であり、色が薄かった(表11)。
Figure 2008546425
この場合も、最初の水抽出は7Sタンパク質の可溶化に有利に働いたが、第2の塩抽出は、両方のタンパク質クラスの同じ割合を可溶化した(表12)。水抽出は、他の試験ほどはタンパク質を除去しなかったが、そのことは、様々な粗粉回分を反映した可能性が高かった。ダイアフィルトレーション保持液の熱処理によって、残りの7Sおよび12Sタンパク質の大半を除去することに成功した。得られた遠心分離液の炭素処理は、タンパク質プロファイルを変えなかった。炭素処理は、HPLC非タンパク質ピーク面積を、実に15.76%から4.82%に低減した。
Figure 2008546425
熱処理したダイアフィルトレーション保持液の遠心分離液の炭素処理によって、得られる生成物の色が改善された(表13)。「C200HC」の乾き色は、「C200H」よりもわずかに色が薄く、かなり薄い黄色であった。濡れ色サンプルにおいても、改善が認められた。
Figure 2008546425
(e)試験5
ふるいにかけたキャノーラ油糧種子粗粉(回分B)200gを、10%w/vで、水(2000ml)を用いて周囲温度で30分間、オーバーヘッド型撹拌機を用いて抽出した。水抽出物を、7100gの遠心分離に10分間かけることによって使用済み粗粉から分離し、湿潤粗粉(648g)および結合水(448g)の重量を決定した。次いで、十分な0.25MのNaCl(1552ml)を添加して濃度を10%w/vに戻し、そのサンプルを、オーバーヘッド型撹拌機を用いて室温で30分間混合した。塩抽出物を、7100gの遠心分離に10分間かけることによって使用済み粗粉から分離し、次いで2番および3番のフィルターパッドに通過させることによって濾過した。次いで、浄化した塩抽出物を、平行に連結させた2つの10,000MWCOのVivaflow HY膜ユニットを使用して処理した。抽出物を濃縮し、次いで逆浸透(RO)精製水5体積でダイアフィルトレーションした。ダイアフィルトレーション水を添加することによって沈殿物が生じ、それを7100gの遠心分離に10分間かけることによって、再濃縮前に除去した。ダイアフィルトレーション保持液を、85℃で10分間熱処理して、7Sおよび12Sタンパク質を沈殿させ、それを8000gの遠心分離に15分間かけることによって除去した。次いで、遠心分離液を2つの部分に分割し、一方は1wt%の粉末状活性炭と共に30分間撹拌し、サンプルの他方半分は未処理とした。両方のサンプルを、8000gの遠心分離に10分間かけ、孔径0.45μmのシリンジフィルターで濾過し、次いで冷凍乾燥し、「C200H(炭素なし)」および「C200HC(炭素処理)」と示した。最初の水抽出物は、この試験では処理しなかった。様々なサンプルを、試験2に詳説のように分析した。
他の試験のように、第2の塩抽出物は、最初の水抽出物よりも清浄であり、色が薄かった(表14)。殻の含量がより多い標準の粗粉の代わりに、ふるいにかけた粗粉を使用することによって、抽出されるタンパク質、色、およびフェノール成分がより濃くなる結果となった。
Figure 2008546425
この場合も、最初の水抽出は7Sタンパク質の可溶化に比例的に有利に働いたが、その抽出率は制限されており、第2の塩抽出は、同じ割合の両方のタンパク質を可溶化した(表15)。ダイアフィルトレーション保持液の熱処理によって、残りの7Sタンパク質の大半を除去することに成功した。得られた遠心分離液の炭素処理は、タンパク質プロファイルを変えなかった。炭素処理は、HPLC非タンパク質ピーク面積を、実に10.94%から1.58%に低減した。
Figure 2008546425
熱処理したダイアフィルトレーション保持液の遠心分離液の炭素処理によって、得られる生成物の色が改善されたが、先の試験ほどではなかった(表16)。この試験において、「C200HC」の乾き色は、「C200H」よりも薄い黄色であったが、炭素処理した生成物は、未処理サンプルよりもわずかに赤く、濃かった。炭素処理は、濡れ色を改善したが、より大きな改善は、やはり試験4において見られた。
Figure 2008546425
(f)試験6
キャノーラ油糧種子粗粉(回分B)150gを、10%w/vで、水(1500ml)を用いて60℃で15分間、オーバーヘッド型撹拌機を用いて抽出した。水抽出物を、5200gの遠心分離に10分間かけることによって使用済み粗粉から分離し、湿潤粗粉(458g)および結合水(308g)の重量を決定した。次いで、十分な0.25MのNaCl(1192ml)を添加して濃度を10%w/vに戻し、そのサンプルを、オーバーヘッド型撹拌機を用いて室温で30分間混合した。塩抽出物を、5200gの遠心分離に10分間かけることによって使用済み粗粉から分離し、次いで3番のフィルターパッドで濾過した。次いで、浄化した塩抽出物を、平行に連結させた2つの10000MWCOのVivaflow HY膜ユニットを使用して処理した。抽出物を濃縮し、次いで逆浸透(RO)精製水5体積でダイアフィルトレーションした。ダイアフィルトレーション水を添加することによって沈殿物が生じ、それを5200gの遠心分離に10分間かけることによって、再濃縮前に除去した。ダイアフィルトレーション保持液を、85℃で10分間熱処理して、7Sおよび12Sタンパク質を沈殿させ、それを8000gの遠心分離に15分間かけることによって除去した。次いで、遠心分離液を冷凍乾燥し、「C200H」と示した。最初の水抽出物は、この試験では処理しなかった。様々なサンプルを、試験2に詳説のように分析した。
他の試験のように、第2の塩抽出物は、最初の水抽出物よりも清浄であり、色が薄かった(表17)。より長時間、60℃で水抽出することによって、塩抽出物の質をわずかに改善することができたが、その効果は顕著ではなかったと思われる。
Figure 2008546425
様々なサンプルのタンパク質プロファイルを、表18に示す。より長時間、60℃で水抽出することによって、同じ回分の粗粉の先の抽出よりも多くの7Sおよび12Sタンパク質が可溶化したと思われた。このことは、塩抽出物の7S/12S含量が低減され、それによって精製2Sタンパク質のサンプルの調製がより容易になるので望ましい。
Figure 2008546425
このサンプルの乾き色は平均的であり(表19)、その濡れ色は薄いが、炭素処理サンプルについて先に見られたほど良好ではなかった。
Figure 2008546425
(g)試験7
キャノーラ油糧種子粗粉(回分B)160gを、1wt%の粉末状活性炭(16g)と共に、10%w/vで、水(1600ml)を用いて60℃で5分間、オーバーヘッド型撹拌機を用いて抽出した。水抽出物を、7100gの遠心分離に10分間かけることによって使用済み粗粉および炭素から分離し、湿潤粗粉/炭素(533g)および結合水(357g)の重量を決定した。次いで、十分な0.2MのNaCl(1243ml)を添加して濃度を10%w/vに戻した。さらに、別の新しい粉末状活性炭16gをその系に添加して、そのサンプルを、オーバーヘッド型撹拌機を用いて室温で30分間混合した。塩抽出物を、7100gの遠心分離に10分間かけることによって使用済み粗粉から分離し、次いで3番のフィルターパッドで濾過した。次いで、浄化した塩抽出物を、平行に連結させた2つの10000MWCOのVivaflow HY膜ユニットを使用して処理した。抽出物を濃縮し、次いで逆浸透(RO)精製水5体積でダイアフィルトレーションした。ダイアフィルトレーション水を添加することによって沈殿物が生成し、それを7100gの遠心分離に10分間かけることによって、再濃縮前に除去した。ダイアフィルトレーション保持液を、85℃で10分間熱処理して、7Sおよび12Sタンパク質を沈殿させ、それを8000gの遠心分離に15分間かけることによって除去した。次いで、遠心分離液を冷凍乾燥し、「C200H」と示した。最初の水抽出物は、この試験では処理しなかった。様々なサンプルを、試験2に詳説のように分析した。
抽出ステップに炭素を含むことによって、プロセスストリームの色および不純物含量が大幅に低減した(表20)。
Figure 2008546425
様々なサンプルのタンパク質プロファイルを、表21に示す。水抽出物中のタンパク質の割合は、試験6に見られたものと非常に類似していた。しかし、塩抽出物中のタンパク質量の割合は、2Sタンパク質に明らかに恵まれた試験6よりもはるかに多かった。これに関しては、この試験では水相によるタンパク質抽出率レベルが低いことと、おそらくは炭素に付着した2Sタンパク質が喪失したことによって説明が付くであろう。しかし、炭素は、試験4および5に適用した場合、タンパク質プロファイルを変えなかった。
Figure 2008546425
このサンプルは、優れた乾き色および濡れ色を有していた(表22)。「C200H」粉末に関するLECOの結果は、わずか89.3%w.b.であったが、乾燥ベースでは、サンプルは単離物である可能性が高かった。HPLCによる、最終生成物に対する非タンパク質不純物の濃度は、わずか1.1%であった。したがって、サンプルに存在する非タンパク質種の大部分は、280nmでは吸光しない。塩が、これらの化合物であった可能性が最も高い。水を用いたさらなるダイアフィルトレーションを使用して、この塩を除去し、最終生成物のタンパク質含量を改善することができる。
Figure 2008546425
試験1〜7の結果は、キャノーラ油糧種子粗粉に対して実施した二重抽出手順によって、7Sタンパク質に富み、2Sタンパク質に富んだストリームが生じたことを示している。
実施例3
この実施例は、実施例2の二重抽出手順の一連の試験を記載するものであり、ここでは、複数回水抽出を塩抽出の前に実施した。
この一連の試験結果をここに記載する。種子粗粉の水抽出は、向流抽出機を使用して工業的に実施されることに留意されたい。このようなプロセスでは、多数回に相当する個々の洗浄に粗粉を曝す。
試験1
キャノーラ種子粗粉(回分B)15gを、60℃で5分間、水(150ml)を用いて抽出した。水を65℃に予熱し、次いで220rpmで動作させたオービタルシェーカーを使用して、粗粉と混合した。抽出物を、10,000gの遠心分離に10分間かけることによって使用済み粗粉から分離した。その抽出物をデカントして湿潤粗粉を回収し、秤量し、溜まった水の体積を計算した。次いで、体積を150mlに戻すための65℃の十分な水を、使用済み粗粉に添加し、上記のように抽出を繰り返した。このプロセスを繰り返して、4回の水抽出を実施した。次いで、5回目の抽出を、室温にて0.5MのNaClで実施した。十分な塩水を添加して体積を150mlに戻し、次いで、サンプルを室温で30分間、220rpmで振とうすることによって抽出を実施した。表23は、各抽出に添加した水または塩水の体積を示す。凝集ペレットは、第2および第3の抽出後に遠心分離にかけたときには得られなかったことに留意されたい。したがって、サンプルをデカントするときに粗粉を喪失しないよう、より多くの溶媒を保持した。理論上、最大体積の使用済みの水が除去され、新しい水で置き換えられるならば、より多くの汚染物質を抽出することができるはずである。
Figure 2008546425
抽出サンプルのpH、導電率、およびブリックスを測定し、次いで孔径0.45μmのシリンジフィルターでサンプルを濾過し、遊離フェノール成分(A330)、可視色(A390)、タンパク質含量(LECO)、およびタンパク質プロファイル(SEC HPLC)について試験した。
連続的水抽出によって、相当な量のタンパク質および不純物を除去した(表24)。この試験で生成した塩抽出物は、実施例2に報告した単回の水抽出試験で生成した塩抽出物よりも、かなり清浄であった。これらの試験では、塩抽出物は、HPLCによって約70%の非タンパク質ピーク面積を含むことが判明した。しかし、1回の水抽出後に塩抽出を用い、共に炭素処理を伴った試験から得られた塩抽出物は、現試験よりも、A330(0.29)、A390(0.10)、およびHPLC非タンパク質ピーク面積%(2.34%)がかなり少なかった。これらの差異は、複数回水抽出では、所望の生成物の色を得るのに十分清浄な塩抽出物を生成することができないことを示唆している。
Figure 2008546425
温水を用いて、2Sタンパク質よりも容易に7Sタンパク質を抽出した(表25)。予想通り、塩抽出物は2Sタンパク質に富んでいた。抽出した全2Sタンパク質の約3分の1は、7S/12Sタンパク質の大部分および不純物を含んだ低純度の水ストリームに入ったと推測される。できるだけ多くの2Sタンパク質を、高純度ストリームに保持することが望ましい。水相と共に2Sタンパク質の喪失(低質な生成物として回収)および実際には多重抽出スキーム全体の値に対する許容限は、塩水ストリームから生じる2Sタンパク質の質および値に依存する。
Figure 2008546425
試験2
キャノーラ種子粗粉(回分B)150gを、60℃で5分間、水(1500ml)で抽出した。水を65℃に予熱し、次いでオーバーヘッド型撹拌機を使用して、粗粉と混合した。抽出物を、7100gの遠心分離に10分間かけることによって使用済み粗粉から分離した。その抽出物をデカントして湿潤粗粉を回収し、秤量し、溜まった水の体積を計算した。次いで、体積を1500mlに戻すための65℃の十分な水を使用済み粗粉に添加し、上記のように抽出を繰り返した。4回の水抽出を実施するまで、このプロセスを繰り返した。次いで、5回目の抽出を、室温にて0.2MのNaClで実施した。ダイアフィルトレーションによって塩を除去しなければならず、5回のダイアフィルトレーション体積の処理に許容された時間しかなかったので、試験1よりも低濃度の塩を選択した。十分な0.2MのNaClを添加して体積を1500mlに戻し、次いで、サンプルを室温で30分間、オーバーヘッド型撹拌機を用いて混合することによって抽出を実施した。表26は、各抽出に添加した水または塩水の体積を示す。
Figure 2008546425
塩抽出物を、7100gの遠心分離に10分間かけることによって使用済み粗粉から分離し、次いで3番のフィルターパッドで濾過した。次いで、浄化した塩抽出物を、平行に連結させた2つの10,000MWCOのVivaflow HY膜ユニットを使用して処理した。抽出物を濃縮し、次いで逆浸透(RO)精製水5体積でダイアフィルトレーションした。ダイアフィルトレーション水を添加することによって沈殿物が生じ、それを7100gの遠心分離に10分間かけることによって、再濃縮前に除去した。ダイアフィルトレーション保持液を、85℃で10分間熱処理して、7Sおよび12Sタンパク質を沈殿させ、それを8000gの遠心分離に15分間かけることによって除去した。次いで、遠心分離液を冷凍乾燥し、「C200H」と示した。
様々なサンプルを、遊離フェノール成分(A330)、可視色(A390)、タンパク質含量(LECO)、およびタンパク質プロファイル(SEC HPLC)について分析した。最終生成物を、Minolta測色機を使用して乾き色について分析し、また溶液を、濡れ色分析のために調製した。ボルテックス混合機を使用して、タンパク質粉末(0.7g)を0.1MのNaCl(10ml)と混合した。次いで、サンプルを8000gの遠心分離に10分間かけ、上澄み液のタンパク質含量をLECOによって決定した。上澄み液の一定分量(8ml)を小型ビーカーに移し、十分な塩水を添加して、タンパク質含量を5%に調節した。次いで、そのサンプルを撮影した。
この実験の水抽出は、試験1と比較して、大体同じ量のタンパク質、色、および不純物を除去したように見えた(表27)。塩抽出物の質は、わずかに異なっているように見え、この試験の抽出で見出されたタンパク質、遊離フェノール成分、不純物、および可視色は少なかった。水抽出に関する分析データがかなり類似していたように見えたことから、塩抽出における差異は、異なる塩濃度による可能性が高かった。
Figure 2008546425
この試験の水抽出物のタンパク質プロファイル(表28)は、試験1と類似していたが、塩抽出物は、高い割合の2Sタンパク質を有しているように見えた。このことは、この試験においてより少ない塩を使用したことと、高い塩分が、7Sタンパク質の抽出よりも2Sタンパク質の抽出に有利に働くと思われていたことから、多少驚きであった。
Figure 2008546425
塩抽出物を膜処理することによって、それがさらに精製され、そのダイアフィルトレーション保持液のHPLC非タンパク質ピーク面積%がわずか2.3%であることが判明した。これは、単回の水抽出試験に一般に見られたものよりも低い(実施例2参照)。
この試験で生成した「C200H」の乾き色を、表29に示す。この色は、同じ粗粉を用いた他の二重抽出試験で見られたものに非常に類似している。粉末状炭素を二重抽出と併用することによって、明度がほぼ90であり、この試験の生成物よりも赤色味および黄色味が少ない「C200H」が生成した。
Figure 2008546425
試験2で生成した「C200H」の濡れ色は、吸着剤なしの他の二重抽出試験(60℃の水)で見られたものとやはり同じであり、吸収剤を伴って生成したサンプルよりも明らかに濃かった。
これらの試験結果は、実施例2の結果と比較すると、塩抽出前に粗粉を複数回水抽出することによって不純物をさらに除去したが(吸収剤なし)、最終生成物の質には大きな影響を与えなかったように見えたことを示している。
実施例4
この実施例は、限外濾過保持液からの単離2Sタンパク質生成物の調製を例示するものである。
キャノーラ粗粉40kgを、0.15MのNaCl溶液400Lに周囲温度で添加し、30分間撹拌してタンパク質水溶液を得る。残留キャノーラ粗粉を除去し、得られたタンパク質溶液を、遠心分離および濾過によって浄化して、1.87重量%のタンパク質含量を有する濾過タンパク質溶液139Lを生成した。
タンパク質抽出液の一定分量139Lを、30,000ダルトンの分子量カットオフを有するPVDF膜で濃縮することによって、体積を8.9Lに低減した。次いで、濃縮タンパク質溶液の一定分量5Lを、0.15MのNaCl溶液24.8Lを用いて、100,000ダルトンの分子量カットオフを有するPES膜でダイアフィルトレーションした。次いで、ダイアフィルトレーションした保持液を、60℃で10分間低温殺菌した。
ダイアフィルトレーションし、低温殺菌した限外濾過(UF1)保持液のサンプルを得た。この保持液のタンパク質含量は、18.30wt%であった。UF1保持液に存在する高い割合の7Sと組み合わせた高いタンパク質濃度によって、加熱の際に、沈殿だけではなくゲル化が生じるはずであると考えられた。その結果、熱処理の前に、保持液100mlを100mlの0.1MのNaClと混合することによって、サンプルのタンパク質濃度を調節した。
希釈したサンプルを85℃で10分間熱処理し、次いで冷水で30℃未満に急冷した。次いでサンプルを、10200gの遠心分離に15分間かけた。遠心分離後に、ペレットといくらかの浮遊沈殿粒子とを得た。上澄み液をデカントし、孔径25μmの濾紙を介して濾過することによって、浮遊粒子を除去した。回収した上澄み液(120ml)を、Vivaflow10000HY膜ユニットで濃縮し、次いで逆浸透精製水10体積でダイアフィルトレーションして塩を除去した。次いで、ダイアフィルトレーションした保持液を冷凍乾燥し、C500Hと示した。
様々なサンプルを、遊離フェノール成分(A330)、可視色(A390)、タンパク質含量(LECO)、およびタンパク質プロファイル(SEC HPLC)について分析した。最終生成物を、オーブン乾燥法を使用して含水量について分析し、Minolta測色機を使用して乾き色について分析し、また溶液を、濡れ色分析のために調製した。ボルテックス混合機を使用して、タンパク質粉末(0.7g)を水(10ml)と混合した。次いで、サンプルを7800gの遠心分離に10分間かけ、上澄み液のタンパク質含量をLECOによって決定した。上澄み液の一定分量(8ml)を小型ビーカーに移し、十分な水を添加して、タンパク質含量を5wt%に調節した。次いで、そのサンプルを撮影した。
UP1保持液の熱処理によって、7Sおよび12Sタンパク質の大半をサンプルから除去することに成功した。最初の保持液中の7Sおよび12SによるHPLCタンパク質ピーク面積の割合は、それぞれ61.4%および2%であった。これが、熱処理サンプルの上澄み液では、7Sが4.4%に、12Sが0.4%に低減した。得られた最終生成物は、90.32%のタンパク質含量(湿潤ベース)および4.82%の含水量を有する単離物であり、結果として94.89%のタンパク質含量(乾燥ベース)であった。生成物の乾き色は、これまでC200H生成物に見られたものより少し濃かった(表30)。
Figure 2008546425
生成物の濡れ色は、かなり良好であったが、C200Hで見られたものよりもおそらくわずかに濃かった。サンプルは、わずかに濁っていた。
本明細書に記載の結果から分かるように、UF1保持液から、本質的には2Sタンパク質からなるキャノーラタンパク質単離物を生成することに成功した。
実施例5
この実施例は、キャノーラ油糧種子粗粉から形成されたキャノーラタンパク質抽出液の熱処理を例示するものである。
キャノーラ油糧種子粗粉(SB062)150gを、1500mlの0.1MのNaClで、室温で30分間、オーバーヘッド型撹拌機を用いて抽出した。その混合物を、7100gの遠心分離に10分間かけて、使用済み粗粉から抽出物を分離した。収集した抽出物を、ダブルボイラー中、85℃で10分間熱処理して、7S/12Sを沈殿させた。熱処理後、サンプルを冷水浴に浸水することによって、30℃未満に急冷した。沈殿した固体を、7100gの遠心分離に10分間かけることによって除去し、次いでその遠心分離液を、3番のフィルターパッドで洗練させた。次いで、清浄化した遠心分離液を、Vivaflow10000HY限外濾過ユニットで濃縮し、逆浸透精製水10体積でダイアフィルトレーションした。ダイアフィルトレーション水を添加することによっていくらか沈殿物が形成され、サンプルを7100gの遠心分離に10分間かけることによって、その沈殿物を再濃縮前に除去した。ダイアフィルトレーションした保持液を冷凍乾燥して、最終生成物を形成した。
様々なサンプルを、遊離フェノール成分(A330)、可視色(A390)、タンパク質含量(LECO)、およびタンパク質プロファイル(SEC HPLC)について分析した。最終生成物を、オーブン乾燥法を使用して含水量について分析し、Minolta測色機を使用して乾き色について分析し、また溶液を、濡れ色分析のために調製した。ボルテックス混合機を使用して、タンパク質粉末(0.8g)を水(10ml)と混合した。次いで、サンプルを7800gの遠心分離に10分間かけ、上澄み液のタンパク質含量をLECOによって決定した。上澄み液の一定分量(8ml)を小型ビーカーに移し、十分な水を添加して、タンパク質含量を5%に調節した。次いで、そのサンプルを撮影した。
抽出物の熱処理によって、7Sおよび12Sタンパク質の大半をサンプルから除去することに成功した。最初の抽出物中の7Sおよび12SによるHPLCタンパク質ピーク面積の割合は、それぞれ63.8%および3.8%であった。これが、熱処理サンプルの遠心分離液では、7Sが2.0%に、12Sが0.8%に低減した。抽出物の加熱によって形成された沈殿物は、遠心分離によって容易に除去された。得られた最終生成物は、84.15%のタンパク質含量(湿潤ベース)および7.22%の含水量を有する単離物であり、結果として90.70%のタンパク質含量(乾燥ベース)であった。生成物の乾き色は、単離した2S生成物の大部分にこれまで見られたものよりわずかに濃く、赤かった(表31)。
Figure 2008546425
開示の概要
本開示を概説すると、本質的には2Sキャノーラタンパク質からなり、実質的には7Sおよび12Sタンパク質を含まないキャノーラタンパク質単離物の調製手順が提供される。本発明の範囲においては改変が可能である。

Claims (32)

  1. 主に2Sキャノーラタンパク質からなるキャノーラタンパク質単離物の生成方法であって、
    キャノーラ油糧種子粗粉を、塩水溶液を用いて高温で抽出して、7Sおよび12Sタンパク質に優先して前記キャノーラ油糧種子粗粉から2Sタンパク質を優先的に抽出し、主に2Sタンパク質を含むキャノーラタンパク質抽出液を得る、
    前記キャノーラタンパク質抽出液を、残留キャノーラ油糧種子粗粉から分離する、
    前記キャノーラタンパク質抽出液から、少なくとも約90wt%(N×6.25)のタンパク質含量を有し、主に2Sキャノーラタンパク質からなるキャノーラタンパク質単離物を回収する、
    ことを含む方法。
  2. 前記塩水溶液が、少なくとも約0.05のイオン強度および約5〜約6.8のpHを有し、前記高温が約70℃〜約100℃である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記塩水溶液が、少なくとも約0.10のイオン強度および約5.3〜約6.2のpHを有し、前記高温が約80℃〜約95℃である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記キャノーラタンパク質抽出液が、
    約80〜約100wt%の2Sタンパク質、
    0〜約10wt%の7Sタンパク質、および
    0〜約10wt%の12Sタンパク質
    であるキャノーラタンパク質プロファイルを有する、請求項1に記載の方法。
  5. 前記キャノーラタンパク質抽出液が、
    約85〜約100wt%の2Sタンパク質、
    0〜約15wt%の7Sタンパク質、および
    0〜約5wt%の12Sタンパク質
    であるキャノーラタンパク質プロファイルを有する、請求項4に記載の方法。
  6. 主に2Sキャノーラタンパク質からなるキャノーラタンパク質単離物の調製方法であって、
    キャノーラ油糧種子粗粉を、水を用いて抽出して、2Sタンパク質に優先して7Sおよび12Sキャノーラタンパク質および可溶性不純物を優先的に抽出し、第1のキャノーラタンパク質抽出液を形成する、
    前記第1のキャノーラタンパク質抽出液を、前記残留油糧種子粗粉から分離する、
    前記残留油糧種子粗粉を、塩水溶液を用いて抽出して、残留油糧種子粗粉由来の2S、7Sおよび12Sタンパク質を溶解し、第2のキャノーラタンパク質抽出液を形成する、
    前記第2のキャノーラタンパク質抽出液から、少なくとも約90wt%(N×6.25)のタンパク質含量を有し、主に2Sキャノーラタンパク質からなるキャノーラタンパク質単離物を回収する、
    ことを含む方法。
  7. 前記キャノーラ油糧種子粗粉を、水を用いて約10℃〜約70℃の温度で抽出する、請求項6に記載の方法。
  8. 前記温度が約55℃〜約65℃である、請求項7に記載の方法。
  9. 7Sおよび12Sキャノーラタンパク質を、第1のキャノーラタンパク質抽出液からキャノーラタンパク質単離物として回収する、請求項6に記載の方法。
  10. 前記水での抽出を、約2〜約25回の水抽出、好ましくは約2〜約4回の抽出で行う、請求項6に記載の方法。
  11. 前記キャノーラ油糧種子粗粉を、塩水溶液を用いて、約5℃〜約65℃、好ましくは約20℃〜約30℃の温度で、少なくとも約0.05、好ましくは少なくとも約0.10のイオン強度で抽出する、請求項6に記載の方法。
  12. 前記塩水溶液が、約5〜約6.8、好ましくは約5.3〜約6.2のpHを有する、請求項11に記載の方法。
  13. 前記キャノーラタンパク質抽出液を濃縮して少なくとも約50g/Lの濃度にし、得られた濃縮キャノーラタンパク質抽出水溶液を乾燥することによって、前記キャノーラタンパク質単離物を前記第2の抽出水溶液から回収する、請求項6に記載の方法。
  14. 前記第2のキャノーラタンパク質抽出液が、
    約80〜約100wt%の2Sタンパク質、
    0〜約10wt%の7Sタンパク質、および
    0〜約10wt%の12Sタンパク質
    であるキャノーラタンパク質プロファイルを有する、請求項6に記載の方法。
  15. 前記第2のキャノーラタンパク質抽出液が、
    約85〜約100wt%の2Sタンパク質、
    0〜約15wt%の7Sタンパク質、および
    0〜約5wt%の12Sタンパク質
    であるキャノーラタンパク質プロファイルを有する、請求項14に記載の方法。
  16. 主に2Sキャノーラタンパク質からなるキャノーラタンパク質単離物の生成方法であって、
    キャノーラ油糧種子粗粉を、塩水溶液を用いて抽出して、前記キャノーラ油糧種子粗粉からキャノーラタンパク質を抽出し、キャノーラタンパク質溶液を得る、
    前記キャノーラタンパク質溶液を、残留油糧種子粗粉から分離する、
    前記キャノーラタンパク質溶液を濃縮して、濃縮タンパク質溶液を保持液として準備する、
    前記濃縮タンパク質溶液を熱処理して、2Sキャノーラタンパク質に優先して前記濃縮キャノーラタンパク質溶液から7Sおよび12Sキャノーラタンパク質を選択的に沈殿させ、主に2Sキャノーラタンパク質を含む熱処理したキャノーラタンパク質溶液を形成する、
    前記熱処理したキャノーラタンパク質溶液を、前記沈殿したタンパク質から分離する、
    前記熱処理した分離キャノーラタンパク質溶液から、少なくとも約90wt%(N×6.25)のタンパク質含量を有し、主に2Sキャノーラタンパク質からなるキャノーラタンパク質単離物を回収する、
    ことを含む方法。
  17. 主に2Sキャノーラタンパク質からなるキャノーラタンパク質単離物の生成方法であって、
    キャノーラ油糧種子粗粉を、塩水溶液を用いて抽出して、前記キャノーラ油糧種子粗粉からキャノーラタンパク質を抽出し、キャノーラタンパク質溶液を得る、
    前記キャノーラタンパク質溶液を、残留油糧種子粗粉から分離する、
    濃縮タンパク質溶液を熱処理して、2Sキャノーラタンパク質に優先して前記キャノーラタンパク質溶液から7Sおよび12Sキャノーラタンパク質を選択的に沈殿させ、主に2Sキャノーラタンパク質を含む熱処理したキャノーラタンパク質溶液を形成する、
    前記熱処理したキャノーラタンパク質溶液を、前記沈殿したタンパク質から分離する、
    前記熱処理した分離キャノーラタンパク質溶液から、少なくとも約90wt%(N×6.25)のタンパク質含量を有し、主に2Sキャノーラタンパク質からなるキャノーラタンパク質単離物を回収する、
    ことを含む方法。
  18. 前記熱処理ステップを、約70℃〜約100℃の温度で約2〜約30分間行って、前記7Sおよび12Sタンパク質含量を少なくとも約50wt%低減する、請求項16または17に記載の方法。
  19. 前記熱処理ステップを、約75℃〜約95℃の温度で約5〜約15分間行って、前記7Sおよび12Sタンパク質含量を少なくとも約75wt%低減する、請求項18に記載の方法。
  20. 前記塩水溶液が、少なくとも約0.05のイオン強度および約5〜約6.8のpHを有する、請求項16または17に記載の方法。
  21. 前記塩水溶液が、少なくとも約0.10のイオン強度および約5.3〜約6.2のpHを有する、請求項20に記載の方法。
  22. 主に2Sタンパク質からなる前記キャノーラタンパク質単離物が、少なくとも約100wt%のタンパク質含量を有する、請求項1、6、16、または17に記載の方法。
  23. 主に2Sキャノーラタンパク質からなる前記キャノーラタンパク質単離物を回収する前記回収ステップを、前記キャノーラタンパク質抽出液を少なくとも約50g/Lの濃度に濃縮し、得られた濃縮キャノーラタンパク質抽出水溶液を乾燥することによって行う、請求項1、6、16、または17に記載の方法。
  24. 前記キャノーラタンパク質抽出水溶液を、約100g/L〜約400g/L、好ましくは約200g/L〜約300g/Lのタンパク質濃度に濃縮する、請求項23に記載の方法。
  25. 前記濃縮キャノーラタンパク質水性抽出物を、約2〜約20体積のダイアフィルトレーション媒体を使用してダイアフィルトレーションにかける、請求項24に記載の方法。
  26. 前記ダイアフィルトレーションを、約5〜約10体積のダイアフィルトレーション媒体を使用して実施する、請求項25に記載の方法。
  27. 前記ダイアフィルトレーションステップの少なくとも一部の間に、酸化防止剤が存在する、請求項26に記載の方法。
  28. 前記濃縮キャノーラタンパク質抽出水溶液を、前記乾燥ステップの前に熱処理ステップにかけて、前記溶液中の7Sおよび12Sタンパク質の割合を、溶液から沈殿させることによって少なくとも約50wt%低減する、請求項24に記載の方法。
  29. 前記熱処理を、約70℃〜約100℃の温度で約2〜約30分間行い、7Sおよび12Sタンパク質含量を少なくとも約50wt%低減する、請求項28に記載の方法。
  30. 前記熱処理を、約75℃〜約95℃の温度で約5〜約15分間行い、7Sおよび12Sタンパク質含量を少なくとも約75wt%低減する、請求項29に記載の方法。
  31. 前記主に2Sタンパク質からなるキャノーラタンパク質単離物が、存在する前記キャノーラタンパク質のうち2Sタンパク質を少なくとも約90wt%含む、請求項1、6、16、または17に記載の方法。
  32. 前記主に2Sタンパク質からなるキャノーラタンパク質単離物が、存在する前記キャノーラタンパク質のうち2Sタンパク質を少なくとも約95wt%含む、請求項1、6、16、または17に記載の方法。
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