JP2008545384A - 核酸を修飾することができる酵素を検出するための改良された方法及びキット - Google Patents

核酸を修飾することができる酵素を検出するための改良された方法及びキット Download PDF

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Abstract

核酸分子に又は核酸分子から化学的部分を付加又は除去し、それによって、新規の検出可能な核酸分子が得られるように伸長する能力を核酸分子に付与することができる試料中の酵素を検出する改良された方法は、酵素が存在するかどうか試験する試料を核酸分子と相互作用させるステップと、酵素の存在下でのみ得られた新規の核酸分子を検出することによって、酵素が核酸分子と相互作用するかどうか試験するステップとを含む。好ましい酵素はホスファターゼである。その方法は、例えばイムノアッセイの感度の増強、病原体関連ホスファターゼの検出、特定の状態の診断及び試料中の特定の汚染物質の検出にいくつかの適用を有する。
【選択図】 なし

Description

発明の詳細な説明
[発明の分野]
本発明は、核酸分子に又は核酸分子から化学的部分を付加又は除去し、それによって、新規の検出可能な核酸分子が得られるように伸長する能力を核酸分子に付与することができる試料中の酵素を検出するための方法及びキットに関する。
[発明の背景]
特定の核酸、タンパク質やより単純な分子などの標的分子を検出する感度のよい方法が存在する。そのような分子の存在を使用して、例えば進行中の感染又は環境汚染を示すことができる。プリオン病では、その中に核酸が存在しないプリオンタンパク質を検出できると有用となる。また、ウイルス感染の特定の段階では、ウイルス抗原が存在するが、ウイルス核酸はほとんど存在しない。ここで、ウイルス抗原を直接検出できると有用となる。これらの方法の感度を非常に高め、単一分子程度の少量のものを検出するために、その方法は高い特異性をも有さなければならない。この高い特異性は、検出する標的分子に2つのレポーターを結合することによりしばしば実現される。
例えば、高感度なポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の場合では、2つの短い核酸プローブ又はプライマーが標的核酸を認識する。したがって、標的核酸の検出は、両方のプライマーが同じ標的核酸に結合し、それを介して連結したときだけ実現される。プライマーと他の分子の非特異的相互作用は、両方のプライマーがこの非特異的相互作用によって結合し連結しない限り検出されない。反応の条件は、後者となる可能性が非常に低いようなものである。核酸配列に基づく増幅(NASBA;Compton、1991)(1)、転写媒介性増幅(TMA;Gen−probe,Inc.)や自己保持配列複製(3SR;Fahyら、1991)(2)など、当技術分野で周知であるPCR法及び他の分子増幅方法を使用して、標的核酸を検出することができる。
対象とする特異的な検体/抗原を検出するために、イムノアッセイがしばしば使用される。ここで、検体/抗原の特異的検出を可能にするために、抗体、通常はモノクローナル抗体が使用される。免疫学的検出法は、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、免疫沈降法や免疫拡散法などの溶液に基づく技術と、試料が固体支持体上に固定化されているウェスタンブロット法やドットブロット法などの手順の2つの主要なカテゴリーに大きく分割することができる。
ウェスタンブロット分析は抗原/検体に対する一次抗体を利用し、固定化された抗原/検体を含む膜にそれを添加して、潜在的な抗原性部位と結合させる。次に、一次抗体が結合した位置を見つけるために、一次抗体を認識する二次抗体−酵素結合体を添加する。二次抗体と結合した酵素、一般にはアルカリ性ホスファターゼ又は西洋ワサビペルオキシダーゼは、反応部位で膜から光を放出させる第3のステップでの化学発光基質との反応を触媒する。シグナルに感光させたX線フィルムから、潜在的な一次抗体認識が視覚的に示される。化学発光基質に対する西洋ワサビペルオキシダーゼ又はアルカリ性ホスファターゼの作用によって、ピコモルレンジに至るまでの感度を得ることができる。抗原/検体は、多数の方法によってニトロセルロース又はフッ化ポリビニリデン(PVDF)膜上に固定化することができる。所与の抗原/検体を検出する能力は、膜の単位面積当たりの抗原の量、及び一次抗体の性質によって決まる。
ELISAでは、特定の抗原/検体が感度よく定量的に検出される。最も一般的なELISAは、抗体サンドイッチ形式に基づくものである。サンドイッチELISAは一般に、特定の抗原に対する2つの抗体を必要とする。ELISAプレートの穴上に1つの抗体を被覆する。次いで、非特異的タンパク質溶液(乳タンパク質溶液など)を使用して穴を「ブロッキング処理」して、バックグラウンドレベルを最小限に低下させておく。次いで、溶液中の抗原を含む試料を穴に添加し、十分な時間インキュベートして、抗原を固定化抗体と結合させる。次いで、二次抗体を抗原と結合して、「サンドイッチ」を完成することができる。二次抗体は、二次抗体に特異的な酵素結合体で検出される。代替方法として、二次抗体それ自体を標識して、その後検出を行うことができる。最終ステップで酵素基質を穴に添加したとき、抗原と連結している結合酵素が、ELISAプレートリーダーを使用して反応産物を観察することによって検出され、その反応産物は、使用される酵素及び基質に応じて比色定量性のあるものでもよく、蛍光性のあるものでもよく、或いは化学発光性のあるものでもよい。
イムノアッセイで最も一般的に使用される酵素は、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)及びアルカリ性ホスファターゼ(AP)である。そのような酵素を基質色素原と反応させて、抗原の存在下で着色産物を得ることができる。例えば、アルカリ性ホスファターゼと併せて通常使用される基質色素原は、5−ブロモ,4−クロロ,3−インドリルリン酸(BCIP)である。ヨードブルーテトラゾリウム(INT)などの添加物質を使用して、一次抗体及び二次抗体が抗原と結合している場所である反応部位での沈殿物の最終的な着色を強めることもできる(それはBCIPとINTで黄褐色となる)。
アルカリ性ホスファターゼはまた、DNA及びRNAから5’リン酸基を除去する能力をも有する。それはまた、ヌクレオチド及びタンパク質からリン酸を除去することもできる。これらの酵素は、アルカリ性のpHで最も活性がある。3つの主要な型がイムノアッセイで一般に使用される。細菌アルカリ性ホスファターゼ(BAP)は活性の高い酵素である。ウシ腸アルカリ性ホスファターゼ(CIP)は、ウシ腸から精製され、例えばプロテアーゼ消化又は加熱を使用して不活性化することができる。エビアルカリ性ホスファターゼは、冷水エビに由来し、加熱処理を使用してかなり容易に不活性化することができる。
いくつかのバイオアッセイでHRPを使用することができる。ペルオキシダーゼ活性はまた、多くの細胞中にも存在する。HRPの多数の蛍光発生基質が当技術分野で周知であり市販されている。1つの例がAmplex Red Reagent(Molecular Probes)という10−アセチル−3,7−ジヒドロキシフェノキサジンであり、それは、HRPの存在下で、1:1の化学量論組成でHと反応して、蛍光性の高いレゾルフィンを生じさせることができる。代替の基質がスコポレチンであり、HRPが蛍光性スコポレチンの非蛍光性産物への転換を触媒する。そのような基質は通常、抗原/検体が存在する部位を検出するELISAキット中に含まれる。
イムノアッセイの利点を核酸増幅技術と組み合わせる多数の試みがなされてきた。間接的な結合方法を使用して、タンパク質を核酸分子と連結することができる。例えば、アルカリ性ホスファターゼなどの酵素を、ビオチンやジゴキシゲニンなどの分子と共有結合することができる。次いで、ストレプトアビジン架橋を介してこの結合体をビオチン化核酸プローブと非共有結合して、例えばサザンブロット及びノーザンブロット技術でそれを使用することができる。そのような方法から一貫した結果を得ることができるが、そのプロトコールは、直接的な結合方法のものよりはるかに長くなる可能性がある。通常、ストレプトアビジンや抗体などのさらなる架橋分子を標識プローブと結合するにはいくつかのインキュベーション及び洗浄ステップを必要とし、その後酵素及び基質を導入することができる。さらに、追加の各ステップに伴って、バックグラウンドをシグナルに加える機会が増える。
したがって、酵素とプローブの直接結合が、速度を上げ、感度を最大にするのに好ましい選択肢である。アルカリ性ホスファターゼ結合オリゴヌクレオチド(Sigma−Genosys)を使用して、サザン(DNA)及びノーザン(RNA)ブロット法、遺伝子地図作成や制限断片長多型(RFLP)分析などの日常的なスクリーニングに適用することができる。それは、in situハイブリダイゼーションに使用することもできる。
酵素イムノアッセイは、抗原検出の最も普遍的な方法として確立されている。それは単純、確実であり、実施が容易である。特別高い感度を必要とする場合、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)などのより複雑であり高価である核酸増幅試験を行うことができる。
両方の手法の利点を組み合わせる多数の試みがなされてきた。例えば、抗原を検出することができる、感度のよい核酸試験での使用がある。これは、関連する核酸が存在しないプリオン検出で、又は感染後の特定の時期でウイルス抗原が存在するがウイルス核酸がほとんど存在しない可能性がある血液バンクのスクリーニングで有用となる。
核酸で標識した抗体を使用することによって免疫学的手法と核酸の手法を組み合わせる以前の試み(いわゆるイムノPCR)には問題があった。DNAを抗体と連結することには問題が多く、連結したDNAには「付着性」があり、結合しなかったDNAは検出前に系から容易には洗浄されず、それによって非特異的結合及びアッセイの高バックグラウンドが生じ得る。
国際公開第2005/012567号パンフレットは、酵素によって起こった核酸分子中の変化を検出することによって、核酸分子を修飾することができる試料中の酵素を検出するための方法に関する。開示されている特定の方法はすべて消化からの核酸分子の保護に関し、したがって、それでは新たな核酸分子の形成は検出されない。したがって、その方法は、ホスファターゼ酵素を検出する、感度が高く効率のよい方法であるが、消化の効率が100%でない場合に偽陽性の結果を得る可能性があるという不利な点を有する。さらに、核酸分子のリン酸標識の効率が同様に100%でない場合に、これによって同様に偽陽性の結果が生じる可能性がある。
本発明は、下記に記載のように、従来技術での方法に伴う問題を克服するものである。
[発明の簡単な説明及び用語の定義]
本発明は、核酸分子を修飾し、それによって、新規の検出可能な核酸分子が得られるように伸長する能力を核酸分子に付与することができる試料中の酵素を検出する、改良された方法を提供する。
本発明の第1の態様によれば、核酸分子に又は核酸分子から化学的部分を付加又は除去し、それによって、新規の検出可能な核酸分子が得られるように伸長する能力を核酸分子に付与することができる試料中の酵素を検出するための方法が提供され、その方法は、
酵素が存在するかどうか試験する試料を、核酸分子と相互作用させるステップと、
酵素の存在下でのみ得られた新規の核酸分子を検出することによって、酵素が核酸分子と相互作用するかどうか試験するステップと
を含む。
その方法は、酵素が存在する場合、それが核酸分子に化学的部分を付加し又は核酸分子から化学的部分を除去することができることを利用するものである。この部分の付加又は除去によって、例えば重合化又はさらなる核酸分子との連結により(その後の工程で)新規の検出可能な核酸分子が得られるように伸長する能力が核酸分子に付与される。新規の核酸分子を検出することができ、それによって試験下にある試料中の酵素の存在を決定することが可能となる。
したがって、酵素が試料中に存在しない場合、化学的部分は付加又は除去されず、したがって核酸分子は新規の検出可能な核酸分子を生成する伸長に感受性とならない。
「化学的部分」という用語は当技術分野で周知であり、それには、一例としてでありそれだけに限らないが、リン酸基、炭水化物基、ヌクレオチド及びアセチル基などがある。任意の「化学的部分」は、酵素が核酸分子への又は核酸分子からのその付加又は除去を触媒することができ、それによって新規の検出可能な核酸分子が得られるように伸長する能力が核酸分子に付与されるという条件で、本発明の範囲に含まれる。本発明による特に好ましい化学的部分はリン酸基である。
その方法は、1つの核酸分子当たりに1つの化学的部分の付加又は除去に限定されない。「1つの化学的部分」という用語は、したがって、問題となる化学的部分の複数コピーを含み得る。
化学的部分の「付加」には、一例としてでありそれだけに限らないが、アセチル又はリン酸基の付加があり得る。付加は、5’又は3’末端で生じてもよく、或いは核酸分子内のどんな地点で生じてもよい。
化学的部分の「除去」には、それだけに限らないが、核酸分子の末端又は核酸分子上の任意の場所からのアセチル又はリン酸基の除去があり得る。
「伸長する(extended)」とは、開始時の(化学的部分の付加又は除去の点から見て)修飾されていない核酸分子と比較した、さらなる工程を施したときの核酸分子の長さの任意の増大を含むと本明細書で定義される。述べた通り、その伸長によって新規の検出可能な核酸分子が得られる。
化学的部分が付加され又は化学的部分が除去された核酸分子の伸長が生じ得る「さらなる工程」の例には、一例としてでありそれだけに限らないが、連結及び重合化がある。さらなる工程は、化学的部分の付加又は除去と連続して行うこともでき、或いはそれと同時に行うこともできる。
疑いを避けるために、新規の検出可能な核酸分子の全体的な構造は元の核酸分子と異なることをここで述べておく。したがって、新規の検出可能な核酸分子はさらなるヌクレオチドを含み、その結果、新規の核酸分子を鋳型として使用した増幅産物の結合及び産生のみを行うことができるプライマーを利用する増幅によって、新規の核酸分子を一意的に同定することができる。しかし、(元の)核酸分子と比較して1つの鎖だけが伸長する可能性がある。特定の実施形態では、新規の核酸分子の構造は、開始時の核酸分子と劇的に異なるものでなくてよい。例えば、ニックの入った核酸分子(下記を参照)の場合では、本発明に従って得られた新規の核酸分子は、単に、ニックが埋められている増幅された型である可能性がある。
新規の検出可能な核酸分子が得られるように(その後の工程で)伸長する能力を核酸分子に付与する、化学的部分の多数のそのような付加又は除去は当技術分野で周知であるが、本発明に関してはそれに限定されないものとする。例えば、核酸分子への又は核酸分子からの化学的部分の付加又は除去によって、その分子をさらなる核酸分子と連結することが可能となり得る。或いは、例えば、核酸分子への又は核酸分子からの化学的部分の付加又は除去によって、核酸分子を、適切なポリメラーゼによって触媒される伸長に感受性にすることができる。
本発明の方法で使用し、本発明のキットに含まれる核酸分子は、試料中で検出される酵素が核酸分子への又は核酸分子からの化学的部分の付加又は除去を引き起こすことができ、それにより、その後の工程で、変化した感受性が核酸分子に付与されるような配列及び構造のものでなければならない。「核酸」は、核酸分子への又は核酸分子からの化学的部分の付加又は除去によって修飾することができ、それによって新規の検出可能な核酸分子が得られるように伸長する能力が核酸分子に付与される、任意の天然の核酸及び天然又は合成類似体を含むと本明細書で定義される。適切な核酸分子は、例えば、二本鎖又は一本鎖DNA及び二本鎖又は一本鎖RNAからなり得る。部分的な二本鎖であり、部分的な一本鎖である核酸分子も意図され、実際それは、本発明の特定の実施形態では、調べる酵素活性により核酸分子に又は核酸分子から化学的部分が付加又は除去され得るという条件で好ましい。最も好ましくは、核酸分子はdsDNAを含む。「核酸」という用語は、天然核酸と類似した形で試料中の酵素によって修飾することができる合成類似体、例えば非天然又は誘導体化塩基を取り込んだ核酸類似体、或いは修飾バックボーンを有する核酸類似体を包含する。具体的には、「二本鎖DNA」又は「dsDNA」という用語は、非天然塩基を含むdsDNAを包含すると解釈する。同様に、「dsRNA」は、非天然塩基を含むdsRNAを包含すると解釈する。
新規の核酸分子を得るために核酸合成を必要とする好ましい実施形態によれば、核酸分子は、3’末端でリン酸化されている一本鎖DNA分子を含む。さらに、3’リン酸が除去されている状況で新規の核酸分子の構築を行うには、相補鎖を供給しなければならない。ホスファターゼの不在下での(偽陽性の結果を生じさせる)望ましくない核酸合成を防止するためにこの相補鎖を遮断する。
具体的な一実施形態では、核酸分子は部分的なdsDNAを含む。この部分的なdsDNAは、好ましくは3’末端でリン酸化されている。その二本鎖領域は、好ましくは核酸分子の3’末端側にあり、その結果、3’リン酸は二本鎖領域中にあるが、5’末端は一本鎖領域中にある。(図9に示すように)核酸分子は、3’リン酸基が除去された場合だけ核酸合成の開始を促進する一本鎖部分を含む。
さらなる実施形態では、dsDNAは、ニックの入ったdsDNAを含む。(図8に示すように)dsDNA中のニックは、ニックの位置で1つ又は複数の3’リン酸をさらし、試験試料中に存在する場合はホスファターゼがそれに作用することができる。DNA中のニックは、適切なニック生成酵素を使用して生成することができる。
しかし、dsDNAは必ずしもニックの入ったdsDNAでなくてよい。例えば、部分的な二本鎖DNAを利用することができ、それは、例えば、3’リン酸で遮断されたオリゴヌクレオチド2つのアニーリングによって形成することができる。3’リン酸で遮断されたオリゴヌクレオチドは、予めアニールすることもでき、或いは本発明の方法で個々に利用し、例えば最初のインキュベーション期間後にアニーリングを行うこともできる。
本発明の文脈で「試料」は、特定の酵素の存在についての試験に望ましい任意の試料を含むと定義される。したがって、試料は、臨床試料でもよく、或いは、例えばin vitroアッセイ系でもよい。試料は、例えば組織でもよく、或いは細胞でもよい。
「診断」は、疾患の状態及び進行のモニター、治療後の疾患の再発の確認、並びに特定の治療の成功のモニターを含むと本明細書で定義される。試験はまた予後値を有することもあり、これは「診断」という用語の定義に含まれる。試験の予後値は、例えばホスファターゼレベルの上昇を伴う疾患に対する潜在的な感受性のマーカーとして使用することができる。したがって、患者において特定可能な症状の点から疾患が顕在化する機会を得る前に、リスクがある患者を特定することができる。
[発明の利点及び適用]
本発明の方法は、その方法の一部として新規の核酸分子が得られることに大部分起因して、著しい技術的利点を提供するものである。例えば、(上記で論じた)国際公開第2005/012567号パンフレットの方法の不利な点であるバックグラウンドシグナルが、検出できる全く新たな核酸分子が得られることにより、本発明の方法では有効に排除されている。具体的には、本発明の好ましい実施形態に従って大量に核酸分子が得られ、そのことが検出の助けとなる。本発明の方法では、反応しなかった核酸分子はシグナルに寄与せず、その結果、その方法を実施したときに偽陽性のシグナルは生じない。
さらに、その方法は高感度であり、それにより、フェムトグラムレベルに至るまで、おそらくはさらにアットグラムレベルに至るまでの低量で存在する酵素が検出される。
本発明の利点としては、特定の実施形態では、「付着性」DNA−抗体結合体の使用の回避があり、実際、すでに最適化され、多数の免疫学的適用で特徴付けられている同じアルカリ性ホスファターゼ結合体を使用することができる。さらに、DNAを洗い流す必要がないアッセイでは、DNAは標的として使用され、それが修飾され伸長して新規の検出可能な核酸分子が得られたときだけ検出される。さらなる利点は、イムノPCRで、抗体を介して抗原と結合したままである各DNA標的だけを増幅できることである。しかし、本明細書に記載の本発明では、DNAは、抗体と結合したアルカリ性ホスファターゼの基質として使用され、ホスファターゼの各分子は、検出可能なDNA標的を多数発生させる。したがって、PCRの前に、検出するDNA標的はすでに増幅されている。2回増幅するこの方法;1回は抗体と結合した酵素によるもの、2回目はPCRなどの核酸増幅法によるものによって、旧来のイムノPCRよりはるかに高い感度が得られる。したがって、イムノアッセイの感度を高めるためにイムノアッセイと核酸増幅技術を結びつける方法の提供には利点がある。
この技術の他の適用は、遊離ホスファターゼの検出におけるものであり、それは、感染性又は非感染性疾患との関連で重要である。例えば、感染性疾患では、ほとんどの細菌又は真菌が細菌由来又は真菌由来のホスファターゼ活性を含む。通常、そのような疾患は、感染生物の培養、或いはPCRによる特異的な抗原、抗体又は核酸の検出によって診断される。しかし、感染生物の数が少なく、宿主の免疫が(例えば化学療法後又はAIDSで)損なわれているとき、何らかの病原性生物の検出が非常に困難であることがある。アスペルギルス症の感染は、診断が困難となることがある一例である。この場合、病原性生物と関係するホスファターゼを探すと有益となる可能性があるが、それは、この手法の感度が非常によく、感染中の1つ1つの生物が多数の分子のホスファターゼを有するからである。任意の宿主ホスファターゼを除去するために、病原体と関係するホスファターゼに特異的な抗体を使用して試験前にそのホスファターゼを最初に捕捉することが適当である可能性がある(例えば、抗phoAは、スメグマ菌(Mycobacterium smegmatis)と関係するアルカリ性ホスファターゼの免疫捕捉に使用されている;Kriakovら、(2003)Journal of Bacteriology、185:983〜4991)。1つの手法は、適当な抗体で被覆したビーズを使用することによって、病原体と関係するホスファターゼを捕捉することである。ビーズを捕捉し洗浄した後、本出願に記載の方法によって、捕捉された任意のホスファターゼを検出することができる。多数のアルカリ性ホスファターゼ、例えば細菌由来のものが非常に広い基質特異性を有することが観察されており、それは、末端リン酸で標識したdsDNAを含む可能性が高い(Mouraら、Microbiology.(2001)、147:1525〜33)。
関連する態様では、本発明は、微生物と関係する毒素などの汚染物質を検出するための方法を提供する。ヒト又は動物が消費する様々な製品の汚染、及び細菌や酵母などの生物による使用は、幅広い分野における安全性と経済性のどちらの点からも重要と考えられる。
例えば、給水、廃水、海洋環境、医薬品、化粧品、食物、飲料、血液及び血小板試料を含む臨床試料などはすべて、通常は潜在的に有害な生物による汚染があるかどうか試験する。しばしば、生物には細菌及び/又は酵母の種が含まれ、これらの種は、有害な毒素を産生する可能性がある。
多くの場合、試料中の汚染物質又は汚染生物の存在と結びつけることができる分子の存在を測定することに基づいて試験を実施する。本発明では、より感度の高い形で汚染物質の検出を実施する。これには、汚染物質の存在を迅速に感度よく検出するために、汚染物質と特異的に結合する抗体又は他の試薬を使用して、本発明の方法を利用する前にその汚染物質を最初に捕捉することが必要となり得る。したがって、抗体又は他の試薬を、抗体と汚染物質の結合を本発明の方法に有効に結びつける適切なホスファターゼと連結することができる。1つの手法は、適当な抗体又は他の試薬で被覆したビーズを使用することによって(おそらくは病原体と関係する)汚染物質を捕捉することである。ビーズを捕捉し洗浄した後、本出願に記載の方法によって、捕捉された任意の汚染物質を検出することができる。
「汚染物質」とは、試験下にある試料中で望ましくない任意の物質又は分子を意味する。汚染物質は通常、汚染されている物質の特性に悪影響を及ぼす。例えば、汚染物質は、食料品を腐らせる可能性もあり、或いはその物質がヒト又は他の動物によって消費された場合に疾患を引き起こす可能性もある。汚染物質の具体例には、微生物によって産生されるものがある。例えば、本発明に従って毒素を検出することができる。好ましい一実施形態では、マイコトキシンについて試験する。具体的には、アフラトキシン検出が本発明の好ましい態様となる。好ましくは、これらの試験を食物試料に対して実施し、食物は、ヒト及び/又は動物、具体的には家禽及び家畜によって消費される任意の物体を含むと定義される。
疑いを避けるために、「抗体」という用語が、抗原結合能力を保持するその誘導体及び変異体をすべて含むことを述べておきたい。モノクローナル抗体もポリクローナル抗体も利用することができる。例えば非ヒト抗体のヒト化型であり得る誘導体化型も意図される。誘導体には、それだけに限らないが、重鎖抗体、単一ドメイン抗体、ナノボディ(nanobody)、Fab断片、scFvなどがある。
他の適用は、非感染性疾患の検出にある。例えば、前立腺は男性の性腺であり、精液の一部を形成する液を産生する。前立腺の癌は、成人男性における最も一般的な型の癌である。前立腺癌を検出するいくつかの試験がすでに存在する。直腸視診を使用して、前立腺の表面を調べることができる。健常な前立腺組織は通常柔らかいが、悪性組織は堅く、しばしば非対称であり又は「石様」である。経直腸超音波も使用して前立腺のサイズを測定し腫瘍を視覚的に特定する。前立腺特異抗原(PSA)及び前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)レベルを調べるために血液検査を使用することもできる。そのような試験で、上記で述べた検査によってなされた診断を確認することができる。PSAは、前立腺被膜細胞及び尿道周囲腺によって産生される。PSAレベルの高度の上昇から、前立腺癌の存在が示唆され得る。しかし、PSA試験では、PSAが高いが癌がない場合に偽陽性の結果が生じ、またPSAレベルが高くないが癌が存在する場合に偽陰性の結果も生じる可能性がある。このため、PSAレベルが高い場合、確認のために通常は生検を実施する。PAPは、前立腺組織によって産生される酵素である。PAPのレベルは、前立腺疾患が進行するにつれて高くなる。PAP検出で使用される1つの方法はHillmans法(遊離ナフサ−1−オールとジアゾニウム化合物のアゾカップリング)である。Lorentz(Continuous monitoring of prostatic acid phosphatase using self−inducing substrates.Clin Chim Acta.;326(1−2):p69〜80(2002年12月))は、自己指示性基質を使用してPAPの連続モニターを可能にする方法について論じており、その好ましい基質は2−クロロ−4−ニトロフェニルリン酸(CNP−P)である。
アルカリ性ホスファターゼは、主として肝及び骨に由来する重要な酵素である。それは、腸、胎盤、腎及び白血球において少量認められる。血清アルカリ性ホスファターゼはまた、特定の疾患状態に罹患している患者において高いレベルで存在することも示されている。Maldonadoら((参照により本明細書に組み込まれている)Extremely high levels of alkaline phosphatase in hospitalized patients.J Clin Gastroenterol.27(4):p342〜345(1998年12月))は、血清アルカリ性ホスファターゼレベルが、敗血症、AIDS及び悪性腫瘍の患者で著明に上昇していることを示している。Wiwanitkit((参照により本明細書に組み込まれている)High serum alkaline phosphatase levels,a study in 181 Thai adult hospitalized patients.BMC Family Practice.2(1):2(2002年7月))は、閉塞性胆道疾患、浸潤性肝疾患、敗血症及び胆管癌の患者で血清アルカリ性ホスファターゼレベルが高いことを明らかにした。血清アルカリ性ホスファターゼレベルは、本発明の方法に従って容易に感度よく検出することができ、これによって一連の状態についての診断試験がもたらされる。
[発明の詳細な説明]
前述の通り、本発明は、酵素によって生じた核酸分子の変化を検出することによって、核酸分子への又は核酸分子からの化学的部分の付加又は除去により核酸分子を修飾することができる試料中の酵素を検出する、改良された方法を提供しようとするものであり、その変化により、核酸分子が伸長して新規の検出可能な核酸分子が得られる。
そのような方法は、酵素活性を検出する感度のよい方法を必要とするいくつかの設定で使用することができる。例えば、検体の免疫学的検出の感度を高め、特定の疾患状態を診断するより感度のよい診断方法を提供するために、本発明の方法を使用することができる。
したがって、本発明の第1の態様では、核酸分子に又は核酸分子から化学的部分を付加又は除去し、それによって、新規の検出可能な核酸分子が得られるように伸長する能力を核酸分子に付与することができる試料中の酵素を検出するための方法が提供され、その方法は、
酵素が存在するかどうか試験する試料を、核酸分子と相互作用させるステップと、
酵素の存在下でのみ得られた新規の核酸分子を検出することによって、酵素が核酸分子と相互作用するかどうか試験するステップと
を含む。
最も好ましい実施形態では、酵素は、核酸分子から末端リン酸基を除去することができるものである。好ましくは、前記酵素は、核酸分子から末端リン酸基を除去することができるホスファターゼである。多数のホスファターゼが当技術分野で周知であり、本発明に従ってそれを使用することができる。この活性を有する最も一般的に知られているホスファターゼは、アルカリ性ホスファターゼである。アルカリ性ホスファターゼは、DNA及びRNAからリン酸基を除去する。それはまた、ヌクレオチド及びタンパク質からリン酸を除去することもできる。これらの酵素は、アルカリ性のpHで最も活性がある。3つの主要な型がバイオアッセイで一般に使用され、本発明の方法でそれを使用することができるが、本発明はこの特定の型の使用に限定されない。細菌アルカリ性ホスファターゼ(BAP)は活性の高い酵素である。ウシ腸アルカリ性ホスファターゼ(CIP)は、ウシ腸から精製され、例えばプロテアーゼ消化又は加熱を使用して不活性化することができる。エビアルカリ性ホスファターゼは、冷水エビに由来し、加熱処理を使用してかなり容易に不活性化することができる。本発明の方法に組み込むことができるさらなるアルカリ性ホスファターゼアイソザイムには、それだけに限らないが、血清、肝及び骨のアイソザイム、並びに腸、胎盤、腎及び白血球において少量認められるものがある。
好ましくは、ホスファターゼは、核酸分子の3’末端から末端リン酸基を除去することができるものである。例としては、上記に記載のように、アルカリ性ホスファターゼ及び前立腺酸性ホスファターゼがある。
天然に存在する核酸は通常、3’末端にリン酸基を含まないので、最も好ましい実施形態では、核酸分子は、その3’末端がリン酸基で標識されている合成核酸分子、好ましくはオリゴヌクレオチドである。合成核酸分子は市販されており、末端3’リン酸基が結合した状態のものを注文して作製することができる。これは、本発明の方法で使用する核酸分子がすべて3’リン酸基で標識される技術的利点を有する。
新規の核酸分子を得るために核酸合成を必要とする、好ましい「重合化」の実施形態によれば、核酸分子は、3’末端でリン酸化されている一本鎖DNA分子を含む。さらに、3’リン酸が除去されている状況で新規の核酸分子の構築を行うには、相補鎖を供給しなければならない。ホスファターゼの不在下での(偽陽性の結果を生じさせる)望ましくない核酸合成を防止するためにこの相補鎖を遮断する。任意の適切な手段によって、例えば、3’リン酸基の使用、又はジデオキシヌクレオチド3リン酸(ddNTP)の組み込み、又は(3’側に又は3’末端に)非相補性領域を有する相補鎖の使用によって相補鎖を遮断することができる。
具体的な一実施形態では、核酸分子は部分的なdsDNAを含む。この部分的なdsDNAは、好ましくは3’末端でリン酸化されている。その二本鎖領域は、好ましくは核酸分子の3’末端側にあり、その結果、3’リン酸は二本鎖領域中にあるが、5’末端は一本鎖領域中にある。核酸分子は、3’リン酸基が除去された場合だけ核酸合成の開始を促進する一本鎖部分を含む。
例示的な反応スキームを図7に示す。したがって、ホスファターゼの存在下で、一本鎖核酸分子上に存在する3’リン酸は、ホスファターゼの作用によって有効に除去される。この結果、相補核酸鎖の存在下で伸長する能力を有する核酸分子が生じる。したがって、ポリメラーゼは、3’で遮断された重複している一本鎖DNA分子の存在下で新規の核酸分子の合成を誘導することができる。この最初の「構築」又は「伸長」工程の後、新規の核酸分子の存在を感度よく検出するために、任意の知られている手段によって新規の核酸分子を増幅することができる。増幅を利用するので、その方法を有効にするのに3’リン酸の除去の効率が100%である必要はない。任意の3’リン酸の存在によって、ポリメラーゼによる新たな鎖の合成が防止されるので、特異性は依然として保証される。
「構築」にも「増幅」にもそれぞれ適した任意の工程を使用することができる。適切な技術は、下記の「好ましい検出技術」という節でより詳細に論じる。具体的には、本発明のこれらの方法での使用に好ましいポリメラーゼには、Taq、Pfu、Klenow及びVentがある。好ましくは、本発明の方法で使用するポリメラーゼは、その3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を欠如し、又はそれに欠陥がある。
ホスファターゼが試料中に存在しない場合、核酸分子の3’末端はリン酸化されたままである。したがって、この分子は有効に遮断されるので、伸長して増幅可能な新規の核酸分子を得ることができない。したがって、「構築」又は「伸長」工程は、ホスファターゼの不在下では行われない。
したがって、好ましい一実施形態では、ホスファターゼを検出するための方法は、
a)末端3’リン酸が存在する一本鎖DNA分子と、伸長することができないように3’末端で遮断された、重複している一本鎖DNA分子とを含む核酸分子を試料に添加するサブステップと、
b)ホスファターゼ活性を許容する条件下でインキュベートするサブステップと、
c)ポリメラーゼを試料に添加しインキュベーションを行うサブステップと、
d)ホスファターゼの存在下でのみ生じる新規の核酸分子を検出するサブステップと
を含む。
「重複している(overlapping)」とは、核酸鎖の配列が、重複する領域において他の一本鎖DNAと相補的である(その結果、塩基対形成を起こすことができる)ことを意味する。
一実施形態では、そのステップの順番は異なる。したがって、伸長することができないように3’末端で遮断された、重複している一本鎖DNA分子を、ホスファターゼとのインキュベーション後に添加することができる。
したがって、ホスファターゼを検出するための方法は、
a)末端3’リン酸が存在する一本鎖DNA分子を含む核酸分子を試料に添加するサブステップと、
b)ホスファターゼ活性を許容する条件下でインキュベートするサブステップと、
c)伸長することができないように3’末端で遮断された、重複している一本鎖DNA分子を添加するサブステップと、
d)ポリメラーゼを試料に添加しインキュベーションを行うサブステップと、
e)ホスファターゼの存在下でのみ生じる新規の核酸分子を検出するサブステップと
を含む。
リアルタイムでその方法を実施することができ、すべての反応物を、特定の順のステップ後ではなく予め混合することができることに留意されたい。
核酸の遮断に関しては、前述の通り、いくつかの方法でこれを実現することができる。例えば、3’リン酸基を使用すると、試料中にホスファターゼが存在しない限り、伸長することから核酸分子が有効に遮断される。ホスファターゼ活性が存在する場合、それによって、予め遮断した核酸分子が伸長及び増幅に関与することが可能となるので、この型の遮断は有用である。
一本鎖DNAを遮断する手段の他の非限定的な例としては、ddNTPを取り込むことがあり、末端3’リン酸が存在する一本鎖DNA分子とともに非相補性小領域を有するDNA分子を使用することもある。この非相補性領域は、一本鎖DNAの伸長を有効に防止する。
さらなる実施形態では、dsDNAは、ニックの入ったdsDNAを含む。dsDNA中のニックは、ニックの位置で1つ又は複数の3’リン酸をさらし、試験試料中に存在する場合はホスファターゼがそれに作用することができる。DNA中のニックは、適切なニック生成酵素を使用して生成することができる。例としては、N.BstNB I、NAIw I、N.BbvC IA、N.BbvC IBやNb.Bsm I(すべてNew England Biolabsから入手可能)などのニック生成エンドヌクレアーゼがある。他の市販されているニック生成酵素には、N.Bpu10IA(Fermentas AB)、Bst9 I、BstNB I(Sibenzyme Limited)、N.CviPII及びN.CviQXI(Megabase Research Products)がある。適切な組合せのニック生成酵素を利用して、必要に応じてdsDNAの両方の鎖にニックを入れることができる。例えば、N.BbvC IA及びN.BbvC IBは、同じ認識配列全体の中で反対の鎖にニックを入れる。
反応スキームを図8に示す。したがって、ホスファターゼの存在下で、ニックの入った鎖上に存在する3’リン酸は、ホスファターゼの作用によって有効に除去される。これにより、各鎖にポリメラーゼの侵入部位が残る。したがって、ポリメラーゼは、ニックが有効に埋められている完全な分子の合成を誘導することができる。この最初の「構築」工程の後、新規の核酸分子の存在を感度よく検出するために、任意の知られている手段によって新規の核酸分子を増幅することができる。増幅を利用するので、その方法を有効にするのに3’リン酸の除去の効率が100%である必要はない。任意の3’リン酸の存在によって、ポリメラーゼによる新たな鎖の合成が防止されるので、特異性は依然として保証される。
「構築」にも「増幅」にもそれぞれ適した任意の工程を使用することができる。適切な技術は、下記の「好ましい検出技術」という節でより詳細に論じる。
ホスファターゼが試料中に存在しない場合、ニックの入った核酸分子の3’末端はリン酸化されたままである。したがって、それは有効に遮断されるので、適切なポリメラーゼによって触媒される伸長を行って新たな核酸鎖を得ることができない。したがって、「構築」工程は、ホスファターゼの不在下では行われない。
したがって、好ましい一実施形態では、ホスファターゼを検出するための方法は、
a)ニックの位置にDNAの3’末端のリン酸基が存在するような各鎖中のニックを有するdsDNAを含む核酸分子を試料に添加するサブステップと、
b)ホスファターゼ活性を許容する条件下でインキュベートするサブステップと、
c)ポリメラーゼを試料に添加しインキュベーションを行うサブステップと、
d)ホスファターゼの存在下でのみ生じる新規の核酸分子を検出するサブステップと
を含む。
好ましくは、ニックは、DNA鎖中で互いにずれている。これにより、ホスファターゼが存在する状況で新規の核酸分子の構築を行う各鎖上でのポリメラーゼの開始部位がもたらされ、したがって、3’リン酸基を有効に除去することができる。
密接に関連する実施形態では、dsDNAは、部分的な二本鎖DNAを含む。これは、好ましくはリン酸基で3’末端標識されているDNAの一本鎖2つの3’重複によって形成することができる。部分的なdsDNAは、例えば、3’リン酸で遮断されたオリゴヌクレオチド2つのアニーリングによって形成することができる。3’リン酸で遮断されたオリゴヌクレオチドは、予めアニールすることもでき、或いは本発明の方法で個々に利用し、例えば最初のインキュベーション期間後にアニーリングを行うこともできる。
反応スキームを図9に示すが、それは、(どちらも部分的なdsDNA核酸分子であり、又は伸長及び増幅を行うのにいくらかの相補性を少なくとも必要とするが)開始核酸分子の正確な性質に関して図7及び図8で示すものと異なる。したがって、基本的には、末端3’リン酸が存在し、末端リン酸が試料中のホスファターゼによって除去される場合の核酸合成の開始に十分な一本鎖エレメントを有するどんなdsDNAも利用することができる。
部分的な二本鎖DNAは、一方又は両方の3’末端で遮断しているリン酸基がホスファターゼによって除去されない限り、ポリメラーゼによって伸長することができない。遮断している(複数の)リン酸基を除去すると、(増幅工程の前又はその一部として)相補鎖を基質として使用してポリメラーゼにより遮断されていない鎖を伸長することができる(「構築」)。これによって適切なプライマーの相補的結合部位が形成され、その結果、伸長したDNAが次に、例えばPCRによる増幅に適した基質となる。
(図9に示すように)予め形成した部分的な二本鎖DNA基質として、又はPCRのその後のアニーリングステップで部分的な二本鎖DNAを形成する個々の合成オリゴヌクレオチドとしてホスファターゼの存在下でDNA基質をインキュベートすることができる。一実施形態では、3’リン酸で遮断された合成オリゴヌクレオチド1つだけを、ホスファターゼを含む可能性がある試料とともにインキュベートする。この3’リン酸を除去すると、その後、このオリゴヌクレオチドを、増幅インキュベーション及び分析中に含まれるその部分的に相補的なパートナーと混合したときに増幅基質の生成が可能となる(それは、例えばリアルタイム増幅技術を利用する場合に単一ステップ中で行うことができる)。上記で述べたように、増幅を利用するので、その方法を有効にするのに3’リン酸の除去の効率が100%である必要はない。任意の3’リン酸の存在によって、ポリメラーゼによる新たな鎖の合成が防止されるので、特異性は依然として保証される。
「構築」にも「増幅」にもそれぞれ適した任意の工程を使用することができる。適切な技術は、下記の「好ましい検出技術」という節でより詳細に論じる。
ホスファターゼが試料中に存在しない場合、(複数の)核酸分子の3’末端はリン酸化されたままである。したがって、それは有効に遮断されるので、適切なポリメラーゼによって触媒される伸長を行って新たな核酸鎖を得ることができない。したがって、「構築」工程は、ホスファターゼの不在下では行われず、したがって新規の核酸分子は形成されない。
したがって、好ましい一実施形態では、ホスファターゼを検出するための方法は、
a)末端3’リン酸が存在する部分的なdsDNAを含む核酸分子を試料に添加するサブステップと、
b)ホスファターゼ活性を許容する条件下でインキュベートするサブステップと、
c)ポリメラーゼを試料に添加しインキュベーションを行うサブステップと、
d)ホスファターゼの存在下でのみ生じる新規の核酸分子を検出するサブステップと
を含む。
したがって、部分的なdsDNAの一本鎖エレメントにより、末端3’リン酸が試料中のホスファターゼによって除去される場合に核酸合成の開始が可能となる。
本発明のこの「重合化」の態様は、その固有の単純性及び確実性により、特に好ましい。開始物質、すなわち(特定の実施形態に応じて)1つ又は複数の末端3’リン酸基を有する適切なDNA基質を供給した後、必要なことは、構築及び増幅を行うのに適した構成成分を添加することだけである。ホスファターゼ活性が試験下にある試料中で存在する場合、(複数の)3’リン酸が除去され、構築及び増幅を行って容易に検出可能なレベルの新規の核酸分子を得ることができる。下記の実験の節で(具体的には図11で)示すように、この「1ステップ」の手順は感度が高い。
さらなる「重合化」の実施形態では、好ましくは、核酸分子は、5’突出を有するdsDNAを含み、その短い方の鎖は、3’末端と結合したリン酸基を有する。そのような核酸分子は、好ましくは合成核酸分子である。
一実施形態では、5’突出が生じている鎖は、突出領域中にウラシル残基を取り込んでいる。ウラシルは、この鎖全体にわたって存在してもよく、例えばチミン残基と置換してもよい。
したがって、ホスファターゼの存在下では、リン酸基は、核酸分子の短い方の鎖の3’末端から除去される。次いで、これによって、短い方の鎖が、5’突出を鋳型として使用する(5’から3’方向の)核酸合成のプライマーとして働くことが可能となる。
ホスファターゼが試料中に存在しない場合、核酸分子の短い方の鎖の3’末端はリン酸化されたままであり、したがって遮断されるので、伸長して新たな核酸鎖を得るプライマーとして働くことができない。
したがって、その方法は、好ましくは、試料をポリメラーゼ及びヌクレオチドとともにインキュベートし、インキュベーション後に新規の核酸分子が存在するかどうか試験することによって実施する。好ましくは、ヌクレオチドはdNTPであり、好ましい一実施形態では標識され、その結果、新たに合成された鎖中へのその取り込みを直接検出することができる。適切な標識には、それだけに限らないが、Cy3、Cy5、カルボキシ−x−ローダミン、6−JOEなどの蛍光標識、32P、33Pや35Sなどの放射標識、質量分析による検出を可能にする質量標識がある。したがって、この実施形態では、新規の核酸分子の合成を、試料中のホスファターゼの存在を示唆するものとして直接検出することができる。
5’突出が生じている鎖がその突出の中にウラシル残基を取り込んでいる代替の実施形態では、その方法は、ウラシルN−グリコシラーゼ(UNG)とのインキュベーションをさらに含む。UNGは、核酸分子中で、その中にウラシルが存在するDNA、すなわち最初から突出を供給している5’鎖を消化することができる。したがって、ホスファターゼ活性が存在する場合、短い方の鎖上にある3’リン酸が切断され、それによって、適切なポリメラーゼ及びヌクレオチド(dNTP)の存在下でこの鎖が伸長する。したがって、核酸分子の最初から長い方の鎖におけるこの重合化及びウラシル残基の消化により、新規の一本鎖(ss)核酸分子産物が得られ、次いでそれを検出して、試料中のホスファターゼの存在を決定する。
検出の最も好ましい方法は、新たに合成された鎖と結合するプライマーを使用した検出によるものである。3’リン酸が除去されず、鎖が伸長せず、最初から長い方の鎖が消化されない限り、増幅産物は認められない。したがって、その方法は感度もよく選択的でもある。
5’から3’への鎖合成を触媒することができる任意のポリメラーゼを、本発明のこの実施形態で利用することができる。例えば、使用するポリメラーゼは、Taq、Pfu、Vent、Klenowなどのいずれか1つでよい。
具体的な一実施形態では、ホスファターゼを検出するための方法は、
a)一方の鎖がウラシル残基を取り込み、5’突出を有し、短い方の鎖が3’末端にリン酸基を有するdsDNAを含む核酸分子を試料に添加するサブステップと、
b)ホスファターゼ活性を許容する条件下でインキュベートするサブステップと、
c)ポリメラーゼ、ウラシルN−グリコシラーゼ及びヌクレオチドを試料に添加しインキュベーションを行うサブステップと、
d)ホスファターゼの存在下でのみ生じる新規の核酸分子を検出するサブステップと
を含む。
さらなる特定の実施形態では、ホスファターゼを検出するための方法は、
a)一方の鎖が5’突出を有し、短い方の鎖が3’末端にリン酸基を有するdsDNAを含む核酸分子を試料に添加するサブステップと、
b)ホスファターゼ活性を許容する条件下でインキュベートするサブステップと、
c)ポリメラーゼ及び標識ヌクレオチドを試料に添加しインキュベーションを行うサブステップと、
d)ホスファターゼの存在下でのみ生じる新規の核酸分子中に取り込まれた標識ヌクレオチドを検出するサブステップと
を含む。
もちろん、これらの「重合化」の実施形態のすべてについて、ホスファターゼ活性にもポリメラーゼ活性にも適した条件及び試薬が確実にある。したがって、当業者にとって日常的であり、下記でより詳細に論ずるように、検出する核酸分子の配列に従って、直接増幅に適したプライマーを設計することができる。必要に応じて、適切なdNTP混合物などを供給することもできる。
本発明のさらなる実施形態では、検出する新規の核酸分子は、核酸分子の3’末端をさらなる核酸分子の5’末端と連結することによって得られる。この実施形態では、ホスファターゼが試料中に存在する場合、核酸分子の3’末端のヒドロキシル(OH)基を残して、核酸分子から3’リン酸基を切断することができる。連結には核酸分子の3’末端のヒドロキシル基が必要となるので、ホスファターゼが試料中に存在しない場合、3’リン酸基は切断されず、核酸分子はリガーゼの作用から遮断されたままとなる。
5’末端でリン酸化されているさらなる核酸分子を試料に添加する。したがって、リン酸基が核酸分子の3’末端から除去された場合、この分子は、さらなる核酸分子のリン酸化されている5’末端との連結に感受性となる。この連結反応は、試料中に存在する適切なリガーゼ酵素によって触媒される。好ましい例は、核酸分子及びさらなる核酸分子が二本鎖である場合にはT4DNAリガーゼであり、核酸分子及びさらなる核酸分子が一本鎖である場合にはT4RNAリガーゼである。
リガーゼの使用に適したインキュベーション条件は当技術分野で周知であり、市販されているリガーゼとともに推奨されている。
一実施形態では、核酸分子もさらなる核酸分子も、その後の連結の助けとなる相補的な一本鎖突出を有するdsDNAを含む。優先的には、一本鎖突出は、自己会合及び考えられる自己連結を回避する非回文構造である。さらなる実施形態では、核酸分子もさらなる核酸分子も平滑末端でよい。さらなる実施形態では、一方又は両方の核酸分子は一本鎖又は部分的に一本鎖のDNA又はRNA又はDNA/RNAハイブリッド分子でよく、連結は、T4RNAリガーゼ、又は一本鎖核酸を連結することができる他のリガーゼによって触媒される。
核酸分子及びさらなる核酸分子は、好ましくは、核酸分子とさらなる核酸分子の連結を、さらなる核酸分子同士の任意の考えられる連結と区別するために、異なる配列のものである。
好ましくは、核酸分子の5’末端は、これがさらなる核酸分子の3’末端と連結することを防止するため、リン酸化されていない。或いは、さらなる核酸分子の3’末端を、それが確実に連結反応に関与できないように、適切な遮断基で遮断することができる。
連結後、新規の(伸長した、検出可能な)連結産物を検出して、試料中の酵素の存在を決定することができる。下記の「好ましい検出技術」の節でさらに詳細に論じるように、好ましい検出方法は、核酸分子と結合するプライマー及びさらなる核酸分子と結合する逆向きのプライマーを使用した核酸増幅である。
前述の通り、酵素が試料中に存在しない場合、リン酸基は、核酸分子の3’末端と結合したままである。したがって、この基は遮断基として働き、リガーゼは連結を触媒することができず、このことは、新規の検出可能な核酸分子が得られないことを意味する。
好ましくは、核酸分子及びさらなる核酸分子は、試料中のホスファターゼに対して過剰に高いモル濃度で存在する。ホスファターゼはさらなる核酸分子から5’末端リン酸を除去することができるが、一部のさらなる核酸分子が残存するという条件で、その分子が、3’リン酸が除去された核酸分子と連結することができるので、このことは重大ではない。このことは、従来技術の方法に対する重要な技術的差異である。新たにできた核酸分子を検出するので、試料中でのこの分子の存在だけが重要である。したがって、核酸分子が試料中に過剰に存在するかどうかは重要でない。
代替の「連結」の実施形態では、(図6に示すように)その方法でさらに核酸分子を遮断する。ここで、その方法は、アルカリ性ホスファターゼや前立腺酸性ホスファターゼなどのようなホスファターゼなどの酵素の、核酸分子の5’末端に存在する末端リン酸を除去する能力を利用する。したがって、この実施形態では、好ましくは核酸分子がリン酸基で5’末端標識されている。好ましくは、核酸分子は、合成核酸分子、好ましくはオリゴヌクレオチドであり、リン酸基で5’末端標識されている。
好ましくは、核酸分子はdsDNA、さらに好ましくは5’突出を有するdsDNAを含み、突出している鎖は5’末端で結合したリン酸基を有する。核酸分子中の突出は連結効率を高め、それを使用して非特異的連結の発生を防止することにより連結の特異性を確かなものとすることもできる。
この実施形態によれば、検出する新規の核酸分子は、核酸分子の3’末端をさらなる核酸分子の5’末端と連結することによって得られる。
その方法は、好ましくは、試料中のホスファターゼの不在下で核酸分子の5’末端と連結する遮断ds核酸分子の存在下で実施し、それによって、新規の検出可能な核酸分子を生成するさらなる核酸分子とのさらなる連結が防止される。
検出ステップは、試料をリガーゼ及び遮断二本鎖核酸分子及びさらなる核酸分子とともにインキュベートし、インキュベーション後に新規の核酸分子が存在するかどうか試験することによって実施する。好ましくは、使用するリガーゼはT4DNAリガーゼである。
さらなる核酸分子は、好ましくは、突出の5’末端でリン酸基が結合した5’突出を有するdsDNAを含む。このさらなる核酸分子は、核酸分子から5’リン酸を除去するホスファターゼの存在下で核酸分子と連結することができる。得られた連結産物は新規の産物であり、それを検出して、試料中のホスファターゼの存在を決定することができる。
同様に、遮断核酸分子は、好ましくは5’突出を有するdsDNAを含む。この場合、遮断核酸分子は5’リン酸化されていない。5’リン酸がホスファターゼの不在下で核酸分子と結合したままであるので、遮断核酸分子はホスファターゼの不在下で核酸分子と連結することができる。得られた連結産物は核酸分子とさらなる核酸分子の連結を遮断する。この産物は、核酸分子とさらなる核酸分子が連結したときに生じる新規の検出可能な核酸分子と異なるので、検出されない。
したがって、この方法では、一方の末端に5’突出を有し、この5’末端でリン酸化されているdsDNAを含む核酸分子を試料に添加する。ホスファターゼが存在する場合、それは5’末端リン酸を除去することができる。遮断核酸分子は5’末端リン酸をどちらも含まないので、適切なリガーゼの存在下では核酸分子と遮断核酸分子の間での連結は不可能である。したがって、核酸分子が5’末端リン酸基を有するので、この核酸分子はさらなる核酸分子と連結することができる。得られた新規の連結核酸分子を、例えば連結境界を跨いだ増幅によって検出して、試料中の酵素の存在を示すことができる。
その一方で、試料中のホスファターゼの不在下では、5’末端リン酸は核酸分子と結合したままである。したがって、この分子は、適切なリガーゼの存在下で遮断核酸分子との連結に感受性となる。得られた連結産物はもはやさらなる核酸分子と連結することができず、したがって、その産物からシグナルは得られない。この方法を図6で図式的に示す。
したがって、具体的な一実施形態では、ホスファターゼを検出するための方法が提供され、その方法は、
a)一方の末端に5’突出を有し、この5’末端でリン酸化されているdsDNAを含む核酸分子を試料に添加するサブステップと、
b)ホスファターゼ活性を許容する条件下でインキュベートするサブステップと、
c)T4DNAリガーゼ、5’リン酸がホスファターゼ活性によって5’突出から除去されていない場合に核酸分子と連結することができる遮断ds核酸分子、及び一方の末端に5’突出を有しこの5’末端でリン酸化されているさらなる核酸分子を試料に添加しインキュベーションを行うサブステップと、
d)核酸分子とさらなる核酸分子の連結の産物である、ホスファターゼの存在下でのみ生じる新規の連結核酸分子を検出するサブステップと
を含む。
最も好ましくは、本発明で使用するリガーゼ及びポリメラーゼを反応混合物に同時に添加し、核酸分子と同じ反応混合物に入れる。ここで、ホスファターゼ活性とリガーゼ又はポリメラーゼ活性との間には競合がある。ホスファターゼ活性は、リガーゼ又はポリメラーゼを、反応混合物中に含まれる核酸分子に作用させることができる。少なくともいくらかのホスファターゼ活性が生じるという条件で、このことにより、脱リン酸化された核酸分子の検出が可能となるが、それは、その核酸分子が新規の検出可能な核酸分子を生成する連結又は重合化に感受性となるからである。このことを実現するために、ホスファターゼ活性に有利に働き得る適切な反応条件をその方法の中に組み込むことができる。したがって、好ましい実施形態では、本発明の方法を、閉鎖した管の形式で実施することができる。これは、好ましくはリアルタイム検出を伴う(さらなる詳細については下記を参照)。そのような方法は、特に高処理能の状況では技術的利点をもたらし、また試料の操作及び交差汚染をも最小限にする。同様に、UNGを反応混合物に同時に添加し、核酸分子と同じ反応混合物に入れることもできる。
或いは、他の実施形態では、別々に試薬を添加するステップで、試験試料中に存在する任意のホスファターゼが試験試料中の核酸分子からの末端リン酸の除去を触媒することを可能にするために、適切な時間の後にリガーゼ又はポリメラーゼ(又はUNG)酵素を添加することが可能である。適切な時間は、リン酸基を欠く核酸分子を検出し、依然として末端リン酸基が結合している核酸分子とそれを区別することを可能にする、核酸分子上に存在する十分な数のリン酸の除去を行う時間と定義する。任意の所与のアッセイ系では、最適な時間は、日常的な実験によって経験的に決定される。好ましくは、実質的にすべての核酸分子を脱リン酸化した後に、リガーゼ又はポリメラーゼを添加する。リガーゼ又はポリメラーゼが核酸分子に作用する機会を有する前に、より多くの核酸分子がホスファターゼ活性によって脱リン酸化される時間を有するので、そのような方法ではその後の検出の感度が高くなる可能性がある。しかし、ホスファターゼ活性が実際にリガーゼ又はポリメラーゼをそれぞれ核酸分子に作用させるので、待つことは絶対的に必要ではない。以前に開発されている方法ではホスファターゼ活性の効率が核酸分子を消化から保護するのに十分でなければならず、そうでないとシグナルが得られないので、これは本発明の方法の重要な技術的利点となる。これによって、本方法はより確実なものとなる。
さらなる実施形態では、リガーゼ又はポリメラーゼ(又はUNG)を、核酸分子と一緒に最初の試験試料中に含めることができるが、ホスファターゼが存在する場合にそれが核酸分子からリン酸部分を除去することを可能にするために、最初にそれらを特異的に阻害することができる。ホスファターゼ活性が核酸分子から末端リン酸を除去することを可能にする適切な時間の後、阻害条件を除去することによってリガーゼ又はポリメラーゼを活性化することができる。適切な条件は当業者には周知であり、市販されている酵素とともにリストになっており、したがって、本発明の方法の中にそれを容易に組み込むことができる。
好ましい核酸分子
好ましくは、本発明の方法では、核酸分子は合成核酸分子である。これにより、リン酸標識の効率が確実に100%となる。
第1の連結の実施形態(図4)と関連する好ましい実施形態では、核酸分子はss又はdsDNAを含む。さらなる実施形態では、dsDNAは、さらなる核酸と相補的な一本鎖領域を有するが、平滑末端分子を使用することができる。さらなる核酸分子は、どちらもssであり又はどちらも相補的な一本鎖突出を有するdsである点で、核酸分子に相補的となる。このことにより、ホスファターゼが存在して核酸分子から3’末端リン酸を除去するという条件で、それらが互いに連結することが可能となる。さらなる核酸分子をリン酸基で5’末端標識する。さらなる核酸分子がdsである場合、好ましくは1つの5’末端だけにリン酸記が結合している。
代替の実施形態では、PCRなどの増幅技術を使用して、dsDNAのさらなる核酸分子を作製することができる。この実施形態では、最も好ましくは5’リン酸基を有する2つのプライマーを使用してPCRを行う。確実にPCR産物がリン酸化されるように、さらなるステップとして、使用前にdsDNAをポリヌクレオチドキナーゼなどのキナーゼで処理することも好ましい。
さらなる実施形態では、プラスミドからdsDNAのさらなる核酸分子を作製することができる。平滑末端を残す制限酵素でプラスミドを切断した場合、両方の末端に5’リン酸部分を有する直鎖状の平滑末端核酸分子が生じる。核酸分子への又は核酸分子からの化学的部分の付加又は除去によって、検出することができる新規の核酸分子が生じるように(その後の工程で)伸長する能力が核酸分子に付与されるという条件で、任意の長さの核酸分子を本発明の方法で使用することができる。
上記で論じたように、核酸分子の遮断が関与する、さらなる連結の実施形態では、核酸分子は、好ましくは二本鎖(ds)である。これらのds核酸分子は、好ましくは突出している相補的な鎖を含み、その鎖は、ホスファターゼが試料中に存在するか否かに応じてリガーゼの存在下で連結を可能にする。ここで、適当な形で核酸分子を合成することによって、適切な突出を作製することができる。或いは、例えば、制限酵素での切断によって適当な突出が生じるような、適切な制限酵素部位を含む核酸分子を利用することによって、適切な突出を作製することもできる。そのような核酸分子の設計は当業者にとってよく知られ日常的なものである(例えば、実験の節を参照)。適切な制限酵素は非常によく特徴付けられ、市販されている。
上記で論じたように、ポリメラーゼの一実施形態では、核酸分子は、5’突出を有する二本鎖のものでよい。好ましくは、短い方の鎖の3’末端はリン酸化され、長い方の鎖の5’はウラシル残基を取り込んでいる。
新規の核酸分子を得るために核酸合成を必要とする好ましい実施形態によれば、核酸分子は、3’末端でリン酸化されている一本鎖DNA分子を含む。さらに、3’リン酸が除去されている状況で新規の核酸分子の構築を行うには、相補鎖を供給しなければならない。ホスファターゼの不在下での(偽陽性の結果を生じさせる)望ましくない核酸合成を防止するためにこの相補鎖を遮断する。相補鎖は、任意の適切な手段によって遮断することができる。
具体的な一実施形態では、核酸分子は部分的なdsDNAを含む。この部分的なdsDNAは、好ましくは3’末端でリン酸化されている。その二本鎖領域は、好ましくは核酸分子の3’末端側にあり、その結果、3’リン酸は二本鎖領域中にあるが、5’末端は一本鎖領域中にある。核酸分子は、3’リン酸基が除去された場合だけ核酸合成の開始を促進する一本鎖部分を含む。
さらなる実施形態では、dsDNAは、ニックの入ったdsDNAを含む。dsDNA中のニックは、ニックの位置で1つ又は複数の3’リン酸をさらし、試験試料中に存在する場合はホスファターゼがそれに作用することができる。DNA中のニックは、適切なニック生成酵素を使用して生成することができる。
しかし、dsDNAは必ずしもニックの入ったdsDNAでなくてよい。例えば、部分的な二本鎖DNAを利用することができ、それは、例えば、3’リン酸で遮断されたオリゴヌクレオチド2つのアニーリングによって形成することができる。3’リン酸で遮断されたオリゴヌクレオチドは、予めアニールすることもでき、或いは本発明の方法で個々に利用し、例えば最初のインキュベーション期間後にアニーリングを行うこともできる。
好ましい検出技術
技術の感度を最大にするために、核酸分子への又は核酸分子からの化学的部分の付加又は除去の結果得られた新規の核酸分子は、核酸増幅技術を使用して検出することができる。そのような増幅技術は当技術分野で周知であり、それには、PCR、NASBA(Compton、1991)、3SR(Fahyら、1991)、ローリングサークル型複製及び転写媒介性増幅(TMA)などの方法がある。増幅は、検出する新規の核酸の配列に特異的な増幅プライマーを使用して行う。核酸分子に対する特異性をもたらすために、配列の適切な領域に対応するプライマー結合部位を選択することができる。熟練した読者なら、核酸分子が、試料中の酵素によって起こる核酸分子の変化の検出に必要なプライマー結合部位以外の配列を含んでもよく、例えばRNAポリメラーゼ結合部位又はプロモーター配列が、NASBA、3SRやTMAなどの等温増幅技術に必要となり得ることを理解するであろう。プライマー結合部位は、核酸分子とさらなる核酸分子の連結境界を架橋することができ、その結果、例えば連結が起きた場合に増幅産物だけが得られる。
入れ子型PCRなどの基礎的技術上の変種を含むPCRが好ましい増幅方法であるが、同等物を本発明の範囲に含めることもできることに留意されたい。例としては、NASBA、3SR、TMAやトリアンプリフィケーション(triamplification)などの等温増幅技術があり、それらはすべて当技術分野で周知であり、市販されている。他の適切な増幅方法には、リガーゼ連鎖反応(LCR)(Barringerら、1990)、標的ポリヌクレオチド配列の選択的増幅(米国特許第6,410,276号明細書)、共通配列プライム型ポリメラーゼ連鎖反応(米国特許第4,437,975号明細書)、任意プライム型ポリメラーゼ連鎖反応(国際公開第90/06995号パンフレット)及びニック置換増幅(国際公開第2004/067726号パンフレット)がある。
TMA(Gen−probe Inc.)は、反応を促進する2つの酵素、すなわちRNAポリメラーゼ及び逆転写酵素を使用するRNA転写増幅系である。TMA反応は等温性であり、それによりDNA又はRNAを増幅してRNA増幅最終産物を得ることができる。TMAをGen−probeのHybridization Protection Assay(HPA)の検出技術と組み合わせて、単一の管で産物の検出を行うことができる。そのような単一管検出は、本発明の実施に好ましい方法である。上記のリストは、網羅的であることを意図するものではない。適当な核酸産物が特異的に増幅されるという条件で、任意の核酸増幅技術を使用することができる。
したがって、本発明の好ましい態様では、核酸分子を伸長に感受性にする化学的部分の付加又は除去の直接の結果として生じた新規の核酸分子を検出するために、核酸増幅技術を使用して本発明の方法を実施する。好ましい実施形態では、使用する技術は、PCR、NASBA、3SR及びTMAから選択される。
増幅産物の検出は、例えば、ゲル電気泳動などの日常的な方法によるものでよいが、好ましくは、リアルタイム検出法を使用して実施する。
増幅反応産物のリアルタイム検出についてのいくつかの技術が当技術分野で知られている。この多くでは蛍光の読み取り値が生じ、それを継続してモニターすることができる;その具体例はMOLECULAR BEACONS及び蛍光共鳴エネルギー移動プローブである。「単一管」中で反応を維持するので、リアルタイムの技術は有利である。これは、結果を得るのに下流の分析を行う必要がなく、それによってより迅速に結果が得られることを意味する。さらに、「単一管」の環境の中で反応を維持すると、交差汚染のリスクが軽減し、本発明の方法の定量的な結果出力が可能となる。これは、下記で概要を述べる診断的設定で重要となり得る。TAQMAN(登録商標)系(Applied Biosystems)を使用して、PCR反応物のリアルタイム定量を行うことができる(参照により本明細書に組み込まれている、Hollandら;Detection of specific polymerase chain reaction product by utilising the 5’−3’ exonuclease activity of Thermus aquaticus DNA polymerase;Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88、7276〜7280(1991)、Gelminiら、Quantitative polymerase chain reaction−based homogeneous assay with flurogenic probes to measure C−Erb−2 oncogene amplification.、Clin.Chem.43、752〜758(1997)及びLivakら、Towards fully automated genome wide polymorphism screening.、Nat.Genet.9、341〜342(19995)を参照)。TAQMAN(登録商標)プローブは広く市販されており、TAQMAN(登録商標)系(Applied Biosystems)は当技術分野で周知である。TAQMAN(登録商標)プローブは、PCR反応物中の上流と下流のプライマー間でアニールする。それは、5’−蛍光体及び3’−失活剤を含む。増幅中に、Taqポリメラーゼの5’−3’エキソヌクレアーゼ活性によりプローブから蛍光体が切断される。蛍光体はもはや失活剤に近接していないので、蛍光体が蛍光を発することが可能となる。生じた蛍光を測定することができ、それは、増幅されている標的配列の量に直接比例している。
MOLECULAR BEACON系((参照により本明細書に組み込まれている)Tyagi&Kramer、MOLECULAR BEACONS−probes that fluoresce upon hybridization.、Nat.Biotechnol.14、303〜308(1996)及びTyagiら、Multicolor MOLECULAR BEACONS for allele discrimination.、Nat.Biotechnol.16、49〜53(1998)を参照)では、ビーコン(beacon)は内部で失活した蛍光体を有するヘアピン型のプローブであり、その蛍光は、その標的と結合したときに回復する。ループ部分はプローブとして働くが、基部はビーコンの末端にある相補的な「アーム」配列によって形成される。蛍光体及び失活部分は反対側の末端で結合し、基部は各部分を近接した状態で維持し、エネルギー移動により蛍光体の失活が起こる。ビーコンがその標的を検出したとき、それは基部を離れさせる構造変化を受け、そのことによって蛍光体と失活剤が分離する。このことによりエネルギー移動が崩壊して蛍光が回復する。
任意の適切な蛍光体が本発明の範囲に含まれる。本発明の方法で使用できると思われる蛍光体には、一例として、FAM、HEX(商標)、NED(商標)、ROX(商標)、Texas Red(商標)などがある。失活剤、例えばDabcyl及びTAMRAは周知の失活剤分子であり、それを本発明の方法で使用することができる。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されない。
本発明の方法に組み込むことができる、蛍光に基づくさらなるリアルタイムの系はZenecaのSCORPION系であり、WhitcombeらによるDetection of PCR products using self−probing amplicons and fluorescence、Nature Biotechnology 17、804〜807(1999年8月1日)を参照されたい。この参照文献は、その全体が本出願に組み込まれている。その方法は、リンカーによりその5’末端と結合した尾部を有するプライマーに基づくものであり、それによって5’伸長の複製が防止される。プローブエレメントは、標的部位が尾部付きプライマーの伸長によって同じ分子中に取り込まれたときのみその標的とハイブリダイズするように設計される。プローブと標的の結合が、鎖内部の二次構造より動態的に有利に働くので、この方法によって迅速かつ信頼性のあるシグナルが生じる。
当業者に周知であり市販されているさらなるリアルタイム検出技術には、LIGHTCYCLER(登録商標)技術及びAMPLIFLUOUR(登録商標)プライマー技術がある。
したがって、本発明のさらなる態様では、リアルタイムの技術を使用して核酸増幅産物を検出する。本発明の具体的な一実施形態では、リアルタイムの技術は、TAQMAN(登録商標)系、LIGHTCYCLER(登録商標)系、AMPLIFLUOUR(登録商標)系、MOLECULAR BEACONS(登録商標)系、又はSCORPION(登録商標)プローブ系のいずれか1つの使用からなる。
最も好ましい実施形態では、反応混合物は、試験下にある試料、核酸分子、及び3’末端で遮断された重複している一本鎖DNA分子、又は3’末端リン酸基が存在する部分的なdsDNA、必要なポリメラーゼ、(必要に応じて標識することができる)ヌクレオチド、並びに新規の核酸分子のリアルタイム検出に必要な試薬に加えて新規の核酸分子の増幅に必要なすべての試薬、緩衝液及び任意の他の酵素をすべて含む。これは、最も好ましい「重合化」の実施形態に関連する。
代替の実施形態では、反応混合物は、試験下にある試料、核酸分子及びさらなる核酸分子、必要なリガーゼ、並びに増幅産物のリアルタイム検出を行うのに必要な試薬に加えて新規の連結した核酸分子の増幅に必要なすべての試薬、緩衝液及び酵素をすべて含む。或いは、反応混合物は、試験下にある試料、(上記で定義した)核酸分子、必要なポリメラーゼ、ヌクレオチド及び任意選択のUNG、並びに増幅産物のリアルタイム検出を行うのに必要な試薬に加えて新規の伸長核酸分子の増幅に必要なすべての試薬、緩衝液及び酵素をすべて含む。したがって、対象とする酵素、最も好ましくはホスファターゼの検出法全体は単一の反応で行われ、定量的な結果出力を伴い、中間の洗浄ステップを行う必要がない。結果を得るのに下流の分析を行う必要がなく、それによってより迅速に結果が得られるので、「単一管」反応の使用は有利である。さらに、「単一管」の環境の中で反応を維持すると、交差汚染のリスクが軽減し、本発明の方法の定量的な結果出力が可能となる。また、単一管反応は、例えば高処理能の状況においてより自動化しやすい。
或いは、本発明の方法は、段階的な形で実施することができる。したがって、最初に核酸分子を試験下にある試料に添加することができ、それによって、試料中に存在する任意の酵素が核酸分子に化学的部分を付加し又は核酸分子から化学的部分を除去することが可能となる。この後、代替の実施形態では、(おそらくはUNGも一緒に)リガーゼ又はポリメラーゼ酵素を添加して核酸分子とさらなる核酸分子を連結し、又は核酸分子を伸長することができる。これは、試料における反応条件の変化を伴うことがある。次いで、さらなる実施形態では、(おそらくはUNGと一緒に)リガーゼ又はポリメラーゼを不活性化した後、最も好ましくは増幅による検出に必要な試薬を添加する。等温増幅技術を使用するかどうかに応じて、これは、(おそらくはUNGと一緒に)リガーゼ又はポリメラーゼを不活性化した後に検出ステップを実施することが必要かどうかに影響を及ぼし得る。リアルタイム検出を利用している場合、増幅の段階に必要な試薬と一緒に、必要な試薬を添加する。
増幅する新規の検出可能な核酸分子に特異的なプライマーを、本発明の方法及びキットで利用することができる。バックグラウンド、非特異的増幅が最小限である状態で新規の検出可能な核酸分子の配列特異的増幅を誘導することができる任意のプライマーを利用することができる。プライマーは、DNA又はRNA及び利用する増幅技術に応じて合成された同等物を含んでよい。例えば、標準的なPCRでは、短い一本鎖DNAプライマー対を使用する傾向があり、両方のプライマーが増幅する対象領域に接している。PCR、3SR、NASBAやTMAなどの核酸増幅技術で使用することができるプライマーの型は、当技術分野で周知である。
本発明の方法で核酸分子と併せて使用できるように、リアルタイムの方法での使用に適したプローブを設計することもできる。したがって、例えば、TAQMAN(登録商標)技術を使用するとき、プローブは、酵素によって修飾されてその後リアルタイムで検出される変化を示す核酸分子上のプライマー結合部位の間で結合できるような配列であることが必要となる可能性がある。同様に、本発明の方法及びキットに組み込まれる、核酸配列の該当部分と結合するMOLECULAR BEACONプローブを設計することができる。リアルタイム検出にSCORPIONプローブ技術を使用する場合、プローブは、標的部位が尾部付きプライマーの伸長によって同じ分子中に取り込まれたときのみその標的とハイブリダイズするように設計する必要がある。AMPLIFLUOUR技術は、プライマーの適切な設計を必要とするが、別々のプローブを必要としない。したがって、本発明ではさらに、本発明のリアルタイム検出方法で使用するプローブ又は適切に設計されたプライマーを含める。
代替の技術を使用して、それにより最終的に新規の検出可能な核酸分子が得られる核酸分子への化学的部分の付加又は核酸分子からの化学的部分の除去を検出することができる。代替の検出技術の例としては、マトリックス支援レーザー脱離(MALDI)質量分析及びMALDI−飛行時間型(MALDI−TOF)質量分析を含めた質量分析、クロマトグラフィー、並びにマイクロアレイ技術(Motorola、Nanogen)がある。質量分析により、予想される分子量の新規の核酸分子を正確に測定することが可能となる。MALDI−TOFは高電位差を利用するものであり、それによってイオンが迅速に抽出され、イオンが飛行管で加速される。飛行管の末端にある検出器を使用して、最初のレーザーパルスからイオンの検出までに経過した時間を決定する。飛行時間はイオンの質量に比例する。したがって、本発明の方法では、新規の検出可能な核酸分子と比較した核酸分子の質量の違いは、特異的なかつ感度のよい検出を可能にするのに十分である。
同様に、適切なプローブが固体支持体に結合したマイクロアレイを使用することによって、本発明の方法で生じた新規の核酸分子を下流の工程で同定することができる。
これらの代替の技術は、好ましくは、増幅産物を特徴付けるために、核酸増幅技術と併せて使用することができる。これは、予想された産物でない増幅産物が生じた場合に、偽陰性の結果を除去する助けとなる。したがって、感度を増大させる増幅ステップの利点を、増幅産物を正確に特徴付けるステップと組み合わせ、それによって本発明の方法がさらに正確なものとなる。
5’−3’エキソヌクレアーゼ活性を欠如し又はその活性が低いポリメラーゼの使用が、本発明の任意の実施形態で好ましいことがある。Taq又はKlenowエキソポリメラーゼは、例えば、具体的には1回の「伸長」又は「構築」及び増幅のステップで検出を実施する重合化の実施形態で利用することができる。
イムノアッセイ
特定の実施形態では、本発明の方法を使用して、ホスファターゼ活性の検出に基づく任意のアッセイ系の感度を高めることができる。好ましい実施形態では、本発明の方法を使用して、例えばウェスタンブロット法、ドットブロット法、ELISA、免疫沈降法や免疫拡散法などのイムノアッセイの感度を高めることができると有利である。しかし、本発明は、これらの例だけに制限されるものではない。
多くのイムノアッセイでは、検出する抗原に特異的な一次抗体を使用する。通常は標識されていない一次抗体と抗原の結合を検出するために、洗浄して結合しなかった抗原を除去するステップの後、一次抗体と交差反応する二次抗体を添加する。この二次抗体はしばしば西洋ワサビペルオキシダーゼやアルカリ性ホスファターゼなどの酵素と結合している。或いは、ELISA、免疫沈降法や免疫拡散法などの溶液に基づくアッセイでは、二次抗体は抗原上の第2の部位を認識する。やはり二次抗体はしばしばHRPやAPなどの酵素と結合している。そのような酵素を基質色素原と反応させて、抗原の存在下で着色産物を得ることができる。例えば、アルカリ性ホスファターゼとともに使用される、通常使用される基質色素原は、5−ブロモ,4−クロロ,3−インドリルリン酸(BCIP)である。ヨードブルーテトラゾリウム(INT)などの添加物質を使用して、一次抗体及び二次抗体が抗原と結合している場所である反応部位での沈殿物の最終的な着色を強めることもできる(それはBCIPとINTで黄褐色となる)。HRPの多数の蛍光発生基質が当技術分野で周知であり市販されている。1つの例がAmplex Red Reagent(Molecular Probes)という10−アセチル−3,7−ジヒドロキシフェノキサジンであり、それは、HRPの存在下で、1:1の化学量論組成でHと反応して、蛍光性の高いレゾルフィンを生じさせることができる。代替の基質がスコポレチンであり、HRPが蛍光性スコポレチンの非蛍光性産物への転換を触媒する。そのような基質は通常、抗原/検体が存在する部位を検出するELISAキット中に含まれる。
本発明者らは、アルカリ性ホスファターゼなどイムノアッセイで通常使用する酵素が核酸基質に作用して検出可能な変化を得ることができることを利用した。ウシ腸ホスファターゼ(CIP)は、例えば、二本鎖DNA(dsDNA)分子などの核酸分子から末端リン酸基を除去することができる。そのような活性がある任意のホスファターゼが本発明の範囲に含まれる。適切な核酸分子をイムノアッセイ中に含めることによって、核酸分子に又は核酸分子から化学的部分を付加又は除去することができる(抗体が結合した)酵素により得られた新規の核酸分子を検出することにより感度のよい形で検体/抗原の存在を検出することができ、したがってそれは核酸分子を伸長して新規の核酸分子を得ることができることを意味する。
したがって、好ましい一実施形態では、本発明の方法を実施して酵素の存在を検出し、その酵素は、イムノアッセイでの抗原/検体の検出に使用するものである。好ましくは、検出する酵素は、抗原/検体の検出で使用する抗体と結合している。抗体は、一次抗体でもよく、或いは二次抗体でもよい。
しかし、本発明の方法は、イムノアッセイの感度を高めるための使用に限定されない。前述の通り、アルカリ性ホスファターゼ結合オリゴヌクレオチド/プローブ(Sigma−Genosys)を、サザン(DNA)及びノーザン(RNA)ブロット法、遺伝子地図作成や制限断片長多型(RFLP)分析などの日常的なスクリーニングに使用することができる。それは、in situハイブリダイゼーションに使用することもできる。本発明の方法を利用して、そのような技術の感度を高めることができる。アルカリ性ホスファターゼ(AP)活性の比色検出を使用する代わりに、AP活性を、したがってプローブ結合を検出するために本発明の方法を使用することができる。核酸分子を修飾するAPの活性を、上記に記載の方法に従って得られた新規の核酸分子を検出する増幅ステップと組み合わせることにより、感度が増大する。AP分子と結合したオリゴヌクレオチドがAPによって修飾される核酸分子の検出に確実に干渉しないように注意する必要がある。また、プローブとなる実際の核酸分子を処理して、本発明の方法との干渉を防止することが必要となる可能性もある。例えば、確実に分子を遮断しそれが反応に関与できないようにすることによって、連結及び重合化を防止することができる。適切な遮断技術は、上記でより詳細に論じている。
イムノアッセイと本発明の方法の組合せは、例えば食物中の特定の汚染物質又は毒素の検出に特に適用可能である(下記の「汚染物質の検出」という節を参照)。
構成成分の固定化
本発明の一態様では、検出する酵素、及び/又は核酸分子、及び/又はさらなる核酸分子、及び/又は遮断核酸分子を、直接的に又は間接的に互いに相互作用することができる別々の結合実体上に固定化する本発明の方法を実施する。
直接的に又は間接的に互いに結合することができる結合実体へのそのような固定化によって、その方法の構成成分を近接させることが可能となり、それによってその方法の感度がさらに高くなる。適切な結合実体には、抗原と結合している抗体、及びストレプトアビジン/ビオチン結合体の対がある(下記の実験の節を参照)。
この種類の固定化は特に、適切な抗体を使用した検出の前に宿主細胞ホスファターゼから感染性病原体由来のホスファターゼを分離しなければならない感染性病原体ホスファターゼの検出に使用する方法及びキットで(下記の節「感染性疾患の検出」を参照)、また例えば食物中の特定の汚染物質又は毒素の検出でも(下記の「汚染物質の検出」という節を参照)重要である。
感染性疾患の検出
前述の通り、本発明の方法を適用して、感染性病原体と関係する遊離ホスファターゼを検出することができる。
したがって、核酸分子に又は核酸分子から化学的部分を付加又は除去し、それによって新規の検出可能な核酸分子が得られるように伸長する能力を核酸分子に付与することができる、試料中の感染性病原体由来のホスファターゼを検出するための方法が提供され、その方法は、
試料に核酸分子と相互作用するホスファターゼが存在するかどうか試験を行うステップと、
ホスファターゼの存在下でのみ得られる新規の核酸分子を検出することによってホスファターゼと核酸分子の相互作用があるかどうか試験するステップと
を含み、新規の核酸分子の検出から、感染性病原体の存在が示唆される。
一実施形態では、感染性病原体はアスペルギルス(Aspergillus)種又はブドウ球菌(Staphyloccocus)種である。
試料は一般に、感染性病原体に感染していることが疑われる対象から採取されるものとなる。感染性病原体が存在する可能性があるどんな型の試料も使用することができる。組織及び細胞の試料を一般に利用するが、対象から採取した全血、血清、血漿、尿、乳糜、糞便、射出精液、喀痰、乳頭吸引液、唾液などをその方法で試験することもできる。
対象は、最も好ましくはヒト対象であるが、例えばイヌ、ネコ、ブタ、雌牛やサルなどの動物対象を含んでもよい。
その方法は、単離された試料を利用したin vitroの方法であることを意図するものである。しかし、一実施形態では、その方法は、試験下にある対象から適切な試料を得るステップをさらに含む。
好ましい実施形態では、感染性病原体と関係するホスファターゼ酵素が宿主ホスファターゼ酵素と確実に区別されるように、その方法は、
a)特異的抗体を介して感染性病原体特異的ホスファターゼの捕捉及び分離を行うサブステップと、
b)分離したホスファターゼに、3’末端でリン酸化されているss又はdsDNAを含む核酸分子を添加するサブステップと、
c)ホスファターゼ活性を許容する条件下でインキュベートするサブステップと、
d)リガーゼ、及びリン酸基が結合した5’末端を有するさらなる核酸分子を試料に添加しインキュベーションを行うサブステップと、
e)新規の連結核酸分子を検出するサブステップと
をさらに含み、新規の連結核酸分子の存在から、感染性病原体ホスファターゼの存在が示唆される。
核酸分子及びさらなる核酸分子がssである場合、好ましくは、リガーゼはT4RNAリガーゼであり、核酸分子及びさらなる核酸分子が好ましくは非回文構造の一本鎖突出(上記を参照)を有するdsである場合、好ましくは、リガーゼはT4DNAリガーゼである。
同等に好ましい実施形態では、感染性病原体と関係するホスファターゼ酵素を検出するための方法は、
a)特異的抗体を介して感染性病原体特異的ホスファターゼの捕捉及び分離を行うサブステップと、
b)分離したホスファターゼに、一方の鎖が5’突出を有し、短い方の鎖が、リン酸基が結合した3’末端を有するdsDNAを含む核酸分子を添加するサブステップと、
c)ホスファターゼ活性を許容する条件下でインキュベートするサブステップと、
d)ポリメラーゼ及び標識ヌクレオチドを試料に添加しインキュベーションを行うサブステップと、
e)新規の核酸分子中に取り込まれた標識ヌクレオチドを検出するサブステップと
を含み、新規の核酸分子中の標識ヌクレオチドの存在から、感染性病原体ホスファターゼの存在が示唆される。
さらなる実施形態では、感染性病原体と関係するホスファターゼ酵素を検出するための方法は、
a)特異的抗体を介して感染性病原体特異的ホスファターゼの捕捉及び分離を行うサブステップと、
b)分離したホスファターゼに、一方の鎖が5’突出を有しウラシル残基を取り込み、短い方の鎖が、リン酸基が結合した3’末端を有するdsDNAを含む核酸分子を添加するサブステップと、
c)ホスファターゼ活性を許容する条件下でインキュベートするサブステップと、
d)ポリメラーゼ、ウラシルN−グリコシラーゼ(UNG)及びヌクレオチドを試料に添加しインキュベーションを行うサブステップと、
e)新規の核酸分子を検出するサブステップと
を含み、新規の核酸分子の存在から、感染性病原体ホスファターゼの存在が示唆される。
さらなる実施形態では、感染性病原体と関係するホスファターゼ酵素を検出する、本発明による方法は、
a)特異的抗体を介して感染性病原体特異的ホスファターゼの捕捉及び分離を行うサブステップと、
b)分離したホスファターゼに、突出している5’末端でリン酸化されている核酸分子を添加するサブステップと、
c)ホスファターゼ活性を許容する条件下でインキュベートするサブステップと、
d)リガーゼ、5’リン酸がホスファターゼ活性によって5’突出から除去されていない場合に核酸分子と連結することができる遮断ds核酸分子、及び一方の末端に5’突出を有しこの5’末端でリン酸化されているさらなる核酸分子を試料に添加しインキュベーションを行うサブステップと、
e)核酸分子とさらなる核酸分子の連結の産物である、ホスファターゼの存在下でのみ生じる新規の連結核酸分子を検出するサブステップと
を含み、新規の連結核酸分子の存在から、感染性病原体ホスファターゼの存在が示唆される。
特に好ましい実施形態では、感染性病原体と関係するホスファターゼ酵素を検出するための方法は、
a)特異的抗体を介して感染性病原体特異的ホスファターゼの捕捉及び分離を行うサブステップと、
b)末端3’リン酸が存在する一本鎖DNA分子と、伸長することができないように3’末端で遮断された、重複している一本鎖DNA分子とを含む核酸分子を試料に添加するサブステップと、
c)ホスファターゼ活性を許容する条件下でインキュベートするサブステップと、
d)ポリメラーゼを試料に添加しインキュベーションを行うサブステップと、
e)新規の核酸分子を検出するサブステップと
を含み、新規の核酸分子の存在から、感染性病原体ホスファターゼの存在が示唆される。
関連する実施形態では、そのステップの順番は異なる。したがって、伸長することができないように3’末端で遮断された、重複している一本鎖DNA分子を、ホスファターゼとのインキュベーション後に添加することができる。
したがって、感染性病原体と関係するホスファターゼ酵素を検出するための方法は、
a)特異的抗体を介して感染性病原体特異的ホスファターゼの捕捉及び分離を行うサブステップと、
b)末端3’リン酸が存在する一本鎖DNA分子を含む核酸分子を試料に添加するサブステップと、
c)ホスファターゼ活性を許容する条件下でインキュベートするサブステップと、
d)伸長することができないように3’末端で遮断された、重複している一本鎖DNA分子を添加するサブステップと、
e)ポリメラーゼを試料に添加しインキュベーションを行うサブステップと、
f)新規の核酸分子を検出するサブステップと
を含み、新規の核酸分子の存在から、感染性病原体ホスファターゼの存在が示唆される。
他の好ましい実施形態では、感染性病原体と関係するホスファターゼ酵素を検出するための方法は、
a)特異的抗体を介して感染性病原体特異的ホスファターゼの捕捉及び分離を行うサブステップと、
b)末端3’リン酸が存在する部分的dsDNAを含む核酸分子を試料に添加するサブステップと、
c)ホスファターゼ活性を許容する条件下でインキュベートするサブステップと、
d)ポリメラーゼを試料に添加しインキュベーションを行うサブステップと、
e)新規の核酸分子を検出するサブステップと
を含み、新規の核酸分子の存在から、感染性病原体ホスファターゼの存在が示唆される。
したがって、部分的なdsDNAの一本鎖エレメントにより、末端3’リン酸が試料中のホスファターゼによって除去される場合に核酸合成の開始が可能となる。
好ましくは、dsDNAは、DNAの一本鎖2つの3’重複によって形成された部分的な二本鎖DNAを含む。
異なる実施形態では、(上記でより詳細に論じたように)核酸分子は各鎖中のニックを有するdsDNAを含む。
疑いを避けるために、種々の方法のステップb)〜e)は、同時に(上記を参照)、単一管の(リアルタイムの)形式で実施することができることをここで述べておく。
この節で言及した診断方法では、より一般的な用語で上記に示した本発明の方法の特徴が同等に当てはまる(簡潔にするためにそれは反復しない)。
汚染物質の検出
前述の通り、本発明の方法を適用して、特定の試料中で認められる可能性がある汚染物質又は他の毒素を検出することができる。例えば、食料品中の毒素のレベルは特に、ヒトと動物、具体的には家禽及び家畜のどちらの消費にとっても重要である。他の例では、給水、廃水、海洋環境、医薬品、化粧品、飲料、血液及び血小板試料を含む臨床試料などはすべて、通常は潜在的に有害な生物による汚染があるかどうか試験する。しばしば、生物には細菌及び/又は酵母の種が含まれ、これらの種は、有害な毒素を産生する可能性がある。
好ましい実施形態では、本発明のこの態様は、イムノアッセイを本発明の方法と組み合わせることができる。
したがって、試料中の汚染物質を検出するための方法が提供され、その方法は、
a)汚染物質と特異的に結合することができ、核酸分子に又は核酸分子から化学的部分を付加又は除去しそれによって新規の検出可能な核酸分子が得られるように伸長する能力を核酸分子に付与することができる酵素と連結している試薬が関与する特異的結合反応を介して汚染物質の捕捉及び分離を行うステップと、
b)捕捉し分離した汚染物質に核酸分子を添加するステップと、
c)酵素活性を許容する条件下でインキュベートするステップと、
d)酵素の存在下でのみ得られる新規の核酸分子を検出することによって酵素と核酸分子の相互作用があるかどうか試験するステップと
を含み、新規の核酸分子の検出から、試料中の汚染物質の存在が示唆される。
この節で言及した検出方法では、より一般的な用語で上記に示した本発明の方法の特徴が同等に当てはまる(簡潔にするためにそれは反復しない)。したがって、酵素が核酸分子と反応して、核酸分子を伸長して新規の核酸分子を得ることが可能となるあらゆる実施形態は、本発明のこの態様によって包含される。
具体的には、その方法での使用に最も好ましい酵素はホスファターゼである。(上記でより詳細に論じたように)あらゆる適切なホスファターゼが本発明の範囲内で意図される。
好ましくはホスファターゼである酵素を、知られている任意の形で試薬と連結することができる。適切な連結技術は、当業者に周知である。実際、ホスファターゼ結合抗体はあらゆる種類のイムノアッセイで日常的に使用され、この種類の分子は本方法で有用である。
上記で述べたように、利用される好ましい型の検出反応は、3’リン酸基及び一本鎖部分を有するdsDNA分子の存在による増幅ステップのみを利用するポリメラーゼの実施形態を組み込んでいるものである。好ましい反応スキームは、図7及び8で詳細に示す。したがって、最も好ましい化学的部分はリン酸基である。
一実施形態では、汚染物質は毒素である。好ましくは、毒素はマイコトキシン、具体的にはアフラトキシンである。マイコトキシンは、特定の真菌によって産生される毒性の代謝産物である。この毒素は、いくつかの食料品を汚染することができ、したがって、ヒト及び同様に動物に対する危険を示す。アフラトキシンは、アスペルギルス真菌、具体的には黄色コウジ菌(Aspergillus flavus)及びアスペルギルスパラシティカス(Aspergillus parastitcus)により二次代謝産物として産生される強力な毒素である。この毒素は、発癌活性、変異原活性及び免疫抑制活性を含めたいくつかの有害な作用を有することが示されている。主要な型のアフラトキシンは、アフラトキシンB1、B2、G1及びG2を含む。さらなるアフラトキシンには、アフラトキシンM1、M2、B2A及びG2Aがある。
試料は一般に、汚染物質の存在が疑われ、又はそれについて試験することを必要とするものとなる。汚染物質が存在する可能性があるどんな型の試料も使用することができる。したがって、例示としてであり限定するものではないが、給水、医薬品、化粧品、飲料、血液及び血小板試料を含む臨床試料、並びに食物試料はすべて、対象とする1つ又は複数の汚染物質が存在するかどうか試験することができる。
任意の適切な臨床試料を利用して、関心のある対象を試験して汚染物質が消費されているかどうかを判定することも可能である。対象は、最も好ましくはヒト対象であるが、家禽及び/又は家畜などの動物対象を含んでよい。具体例としては、ウシ、ブタ、ヒツジ、ウマなどがある。そのような方法は、単離された試料を利用したin vitroの方法であることを意図するものである。しかし、一実施形態では、その方法は、試験下にある対象から適切な試料を得るステップをさらに含む。
試薬は、問題となる汚染物質と特異的に結合することができるどんな試薬でもよい。好ましい一実施形態では、試薬は抗体を含む。しかし、それは、レクチン、受容体及び核酸に基づく分子を含む他の適切な結合性分子を含んでよい。上記で述べたように、「抗体」という用語は、抗原結合能力を保持するその誘導体及び変異体をすべて含む。モノクローナル抗体もポリクローナル抗体も利用することができる。例えば非ヒト抗体のヒト化型であり得る誘導体化型も意図される。誘導体には、それだけに限らないが、重鎖抗体、単一ドメイン抗体、ナノボディ、Fab断片、scFvなどがある。
好ましい一実施形態では、その方法の間に汚染物質を有効に固定化する。例えば、検出反応の間に汚染物質を有効に固定化するために、汚染物質と特異的に結合することができる適切な試薬を(上記に記載のように)固相と結合することができる。試薬の性質は上記で論じている。次いで、固定化された汚染物質は、汚染物質に特異的な第2の試薬を「捕捉」するために働く。この第2の試薬は、核酸分子に又は核酸分子から化学的部分を付加又は除去し、それによって新規の検出可能な核酸分子が得られるように伸長する能力を核酸分子に付与することができる酵素と連結している。したがって、汚染物質の存在が、新規の核酸分子の産生と直接結びつけられる。
アフラトキシンなどの小分子を検出するために、競合イムノアッセイ形式を使用することが必要となることがある。競合アッセイは、標識抗原と試験試料抗原の間の(限られた数の)結合部位についての競合を利用する。検出される「標識」が低レベルであることから、試験試料抗原が高レベルであることが示唆される。本発明では、核酸分子に又は核酸分子から化学的部分を付加又は除去し、それによって新規の検出可能な核酸分子が得られるように伸長する能力を核酸分子に付与することができる適切な酵素で抗原を標識する。適切な核酸分子と併せて、この酵素を(上記でより詳細に論じたように)本発明による競合アッセイ形式での適切な検出系として使用することができる。したがって、結合しなかった標識抗原を除去するために、適切な洗浄ステップを実施することができる。
アフラトキシンなどの毒素の場合、毒素と結合することができる抗体などの特異的な試薬を、例えばマイクロプレートなどの表面に固定化する。試料中の遊離アフラトキシンは、固定化された試薬、好ましくは抗体の結合部位について、例えば共有結合によりアフラトキシン部分と連結したアルカリ性ホスファターゼからなる結合体と競合する。したがって、この実施形態では、試料中の(アフラトキシン)毒素が高レベルであると、検出される新規の核酸分子が低レベルとなる。
したがって、一態様では、本発明は試料中の汚染物質を検出するための方法を提供し、その方法は、
a)核酸分子に又は核酸分子から化学的部分を付加又は除去し、それによって新規の検出可能な核酸分子が得られるように伸長する能力を核酸分子に付与することができる酵素と連結した同じ汚染物質の存在下で汚染物質と結合することができる試薬が固定化されている固体支持体に試料を適用するステップと、
b)酵素活性を許容する条件下でインキュベートするステップと、
c)新規の核酸分子の存在又はレベルを決定するステップと
を含み、新規の核酸分子が不在であり又は低レベルであることから、試料中の汚染物質が高レベルであることが示唆される。
したがって、より多くの汚染物質が試料中に存在する場合、低いレベルの新規核酸分子が検出される。結合体は、競合アッセイを使用することができるように、対象とする汚染物質と同じ汚染物質の型から形成される。
疑いを避けるために、種々の方法のステップは、同時に(上記を参照)、単一管の(リアルタイムの)形式で実施することができることをここで述べておく。
非感染性疾患を検出する診断方法
多くのホスファターゼが、疾患と関係があることが知られている。例えば、高レベルの前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)が、前立腺癌に関連することが知られている。PAPによって脱リン酸化されることが可能であり、それによってPAPが新規の検出可能な核酸分子が得られるように伸長する能力を核酸分子に付与する、適切な核酸分子を利用することによって、前立腺癌の診断試験が本発明の範囲に入り得る。
アルカリ性ホスファターゼは、主として肝及び骨に由来する重要な酵素である。それは、腸、胎盤、腎及び白血球において少量認められる。さらに、血清中のアルカリ性ホスファターゼレベルは、一連の状態に罹患している対象中で増大することが示されている。(参照により本明細書に組み込まれている)Maldonadoら、Extremely high levels of alkaline phosphatase in hospitalized patients.J Clin Gastroenterol.27(4):p342〜345(1998年12月)は、血清アルカリ性ホスファターゼレベルが、敗血症、AIDS及び悪性腫瘍の患者で著明に上昇していることを示している。(参照により本明細書に組み込まれている)Wiwanitkit、High serum alkaline phosphatase levels,a study in 181 Thai adult hospitalized patients.BMC Family Practice.2(1):2(2002年7月)は、閉塞性胆道疾患、浸潤性肝疾患、敗血症及び胆管癌の患者で血清アルカリ性ホスファターゼレベルが高いことを明らかにした。本発明の方法を使用して血清アルカリ性ホスファターゼを感度よく検出することによって、患者由来の大量の試料を必要とせずにこれらの各状態を診断する診断試験を想定することができる。
したがって、本発明は、哺乳動物対象において前立腺癌を診断する方法を提供し、その方法は、
試験下にある対象から得られた試料に、核酸分子と相互作用する前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)が存在するかどうか試験を行うステップと、
元の核酸分子の伸長によって生じた新規の核酸分子を検出することによってPAPと核酸分子の相互作用があるかどうか試験するステップと
を含み、新規の核酸分子の存在から、試料中の前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)の存在が示唆され、その存在が、対象が前立腺癌を有する可能性があり又は前立腺癌を有することを示唆するものとみなされる。
同様に、本発明は、哺乳動物対象において、敗血症、AIDS、悪性腫瘍、閉塞性胆道疾患、浸潤性肝疾患、敗血症及び胆管癌のいずれか1つを含めた、血清アルカリ性ホスファターゼレベルの上昇と関係する疾患を診断する方法を提供し、その方法は、
対象から得られた試料に、核酸分子と相互作用する血清アルカリ性ホスファターゼが存在するかどうか試験を行うステップと、
元の核酸分子の伸長によって生じた新規の核酸分子を検出することによって血清アルカリ性ホスファターゼと核酸分子の相互作用があるかどうか試験するステップと
を含み、新規の核酸分子の存在から、試料中の血清アルカリ性ホスファターゼの存在が示唆され、その存在が、対象が例えば敗血症、AIDS、悪性腫瘍、閉塞性胆道疾患、浸潤性肝疾患、敗血症及び胆管癌のいずれか1つである可能性がある血清アルカリ性ホスファターゼレベルの上昇と関係する疾患を有し又は疾患に感受性がある可能性があることを示唆するものとみなされる。
この文脈で、「試料」は一般に臨床試料となる。使用する試料は、試験する状態によって決まる。前立腺癌を診断する場合、患者由来の適切な前立腺試料が必要となり得る。或いは、前立腺癌に罹患している患者の血中でPAPレベルの上昇が認められるので、血液試料を利用することもできる。本発明を限定するものではないが、使用することができる典型的な試料には、患者から、最も好ましくはヒト患者から採取される全血、血清、血漿、尿などがある。
最も好ましい実施形態では、試験は、対象から取り出された試料に対して実施されるin vitroの試験となる。
さらなる実施形態では、上記に記載の診断方法は、対象から試料を得るステップをさらに含んでよい。対象から適切な試料を得る方法は当技術分野で周知である。或いは、別々の手順で患者からすでに単離されている試料から開始して、その方法を実施することができる。その診断方法は、最も好ましくはヒト由来の試料に対して実施するが、本発明の方法は、多数の動物にとっても診断的有用性を有し得る。
潜在的には初期の診断を確認する方法として、本発明の診断方法を使用してすでに利用されている任意の診断技術を補足することができる。或いは、その方法は迅速かつ便利な診断方法を提供するので、それ自体で予備診断法としてその方法を使用することもできる。さらに、その固有の感度により、本発明の診断方法は最小限の試料しか必要とせず、それによって不必要な侵襲的手術が防止される。
疑いを避けるために、より一般的な用語で上記で論じた本発明の方法の好ましい特徴が、(特に連結、遮断二重鎖及びポリメラーゼの実施形態で)本発明の診断の態様に同等に当てはまることをここで述べておく。
キット
本発明は、本発明の方法を実施するために使用することができるキットをも提供する。キットは、上記の本発明の方法に関連して述べた好ましい特徴のいずれかを組み込むことができる。
したがって、本発明のさらなる態様では、核酸分子に又は核酸分子から化学的部分を付加又は除去し、それによって新規の検出可能な核酸分子が得られるように伸長する能力を核酸分子に付与することができる酵素を検出するためのキットが提供され、そのキットは、
酵素によって作用を受けることが可能である核酸分子と、
酵素が存在する場合だけ生じる新規の核酸分子を検出する手段と
を含む。
一実施形態では、本発明の方法に関して上記で詳細に論じたように、連結又は重合化によって新規の核酸分子が生じる。したがって、上記に記載の好ましい核酸分子は、好ましくは本発明のキット中に含まれる。
有利には、キットを使用して、問題となる標的酵素の使用に基づく、すでに利用されているキットを補足することができる。したがって、例えば、標準的なELISAキットは、西洋ワサビペルオキシダーゼやアルカリ性ホスファターゼなどの酵素が、実際に、抗体を介して抗原/検体が存在する部位と結合しているかどうかを検出するために、適切な色素原性又は化学発光基質をおそらく含む。酵素活性を検出するこのステップを本発明のキットで置換することができ、そのキットは、有利には、追加の増幅ステップを加えて、検体/抗原の検出の感度を増すことができる。
好ましい実施形態では、キットを使用して、DNA及びRNA分子から末端リン酸を除去するアルカリ性ホスファターゼの能力を利用することにより抗体と検体/抗原の結合を検出する酵素としてアルカリ性ホスファターゼを含むイムノアッセイの感度を高めることができる。したがって、好ましい実施形態では、核酸分子が3’末端リン酸基を有し、さらに、末端5’リン酸基を有するさらなる核酸分子を含むキットが提供される。上記で詳細に記載した本発明の好ましい「連結」の実施形態で、そのようなキットを使用することができる。
さらなる実施形態では、キットは適切なリガーゼをさらに含み、それは、核酸分子の3’末端リン酸がホスファターゼ活性によって切断されるという条件で、核酸分子をさらなる核酸分子と連結することができる。好ましくは、リガーゼはT4DNAリガーゼ又はT4RNAリガーゼであり、(さらなる核酸分子を含めた)核酸分子はそれに応じてds又はssである。
さらなる実施形態では、二本鎖であり、5’末端リン酸基と結合した5’突出を有する核酸分子の連結によって、新規の検出可能な核酸分子が生じる。好ましくは、そのようなキットはさらに、5’突出を有しこれと結合した末端5’リン酸基を有するさらなるds核酸分子を含む。
好ましくは、キットは、5’リン酸がホスファターゼ活性によって5’突出から除去されていない場合に核酸分子と連結することができる遮断ds核酸分子をさらに含む。そのような遮断核酸分子は上記にさらに詳細に記載している。
このキットはまた、リガーゼをさらに含んでもよく、それは、好ましくはT4DNAリガーゼである。
代替のキットの実施形態では、重合化によって新規の核酸分子が生じる。そのようなキットは、上記でより詳細に論じた、本発明の方法の「重合化」の態様で有用である。
したがって、特に好ましい実施形態では、キットは、末端3’リン酸が存在する一本鎖DNA分子、及び/又は伸長することができないように3’末端で遮断された、重複している一本鎖DNA分子を含む核酸分子を含む。
他の「重合化」の実施形態では、キットは、末端3’リン酸が存在する部分的な二本鎖DNAを含む核酸分子を含む。上記で述べたように、この3’リン酸基は、試料中に存在するホスファターゼ活性によって除去されるまで、核酸分子の伸長に対する遮断物として働く。したがって、部分的なdsDNAの一本鎖エレメントにより、末端3’リン酸が試料中のホスファターゼによって除去される場合に核酸合成の開始が可能となる。
好ましくは、dsDNAは、DNAの一本鎖2つの3’重複によって形成される部分的な二本鎖DNAを含む。本発明のキットでは、その2つの鎖は最初に別々に提供することもでき、或いは予めアニールした形で提供することもできる。
異なる実施形態では、(上記でより詳細に論じたように)核酸分子は各鎖中のニックを有するdsDNAを含む。dsDNA中のニックは、ニックの位置で1つ又は複数の3’リン酸をさらし、試験試料中に存在する場合はホスファターゼがそれに作用することができる。
これらのキットは、下記でより詳細に論じるように、増幅に必要となる適切な構成成分及び試薬を含んでよい。
さらなる一実施形態では、キットは、一方の鎖が5’突出を有し、短い方の鎖が、リン酸基が結合した3’末端を有するdsDNAを含む核酸分子を含む。好ましくは、このキットは、ポリメラーゼ及び標識ヌクレオチド(dNTP)をさらに含む。標識は、上記でより詳細に論じたように、例えば蛍光標識、放射標識又は質量標識でよい。したがって、使用すると、そのキットにより、核酸分子から3’リン酸を除去するホスファターゼの存在下で新規の検出可能な核酸分子を生じさせる標識ヌクレオチドの取り込みを検出することが可能となり、それによって、核酸分子がプライマーとして働いて、長い方の鎖の突出を鋳型として利用する核酸合成を誘導することが可能となる。
代替の実施形態では、核酸分子は、一方の鎖が5’突出を有しウラシルヌクレオチドを取り込み、短い方の鎖が、リン酸基が結合した3’末端を有するdsDNAを含む。
好ましくは、このキットは、ポリメラーゼ、ウラシルN−グリコシラーゼ及びヌクレオチド(dNTP)をさらに含む。これらの構成成分は、使用に適した形で提供すべきであり、適当な緩衝液を伴ってよい。これは、本発明のキットの構成成分すべてに当てはまる。長い方の鎖中へのウラシルの取り込みにより、その鎖がUNGの作用に感受性となる。したがって、相補鎖が合成された後、UNGは、最初から長い方の鎖を消化することができる。これはssである新規の検出可能な核酸分子を残し、それを検出して、試料中のホスファターゼの存在を決定することができる。ホスファターゼが試料中に存在しない場合、3’リン酸基は除去されず、核酸分子の伸長は、ポリメラーゼにより触媒され得ない。
本発明のキットに含めるのに好ましいポリメラーゼには、Taq、Pfu及びVentがある。好ましくは、本発明のキットに含め、本発明の方法で使用するポリメラーゼは、その3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を欠如し、又はそれに欠陥がある。
上記で述べたように、本発明の方法は、修飾酵素によって触媒される核酸分子への化学的部分の付加又は除去の結果得られる新規の核酸分子が核酸増幅技術を使用して検出されたときに、感度が最大となることが分かる。前述の通り、好ましい増幅技術には、PCR、ローリングサークル型増幅、NASBA、3SR及びTMA技術がある。当技術分野で周知である核酸増幅技術の場合、偽陰性の結果の発生を最小限にして産物の特異的増幅を行うのに配列特異的プライマーが必要となる。この目的のために、本発明のキットは、好ましくは、適当な配列特異的プライマーを含んでよい。
キットはまた、核酸増幅ステップに必要な試薬を含んでもよい。試薬には、一例としてでありそれだけに限らないが、増幅酵素、プローブ、陽性対照増幅鋳型、反応用緩衝液などが含まれる可能性がある。例えば、PCR法では、考えられる試薬にはTaqポリメラーゼなどの適切なポリメラーゼ及び適当なPCR用緩衝液があり、TMA法では、適当な試薬にはRNAポリメラーゼ及び逆転写酵素がある。これらの試薬はすべて市販され、当技術分野で周知である。
キットは、例えば蛍光プローブなど、増幅産物のリアルタイム検出に必要な構成成分をさらに含んでよい。前述の通り、関連するリアルタイム技術及びそのような方法に必要な試薬は当技術分野で周知であり、市販されている。これらのリアルタイムの方法での使用に適したプローブはまた、それが、適当な酵素活性によって修飾することができる本発明のキットに組み込まれる核酸分子と併せて使用できるように設計することもできる。したがって、例えば、TAQMAN(登録商標)技術を使用するとき、プローブは、検出する酵素の存在下で本発明の方法によって得られる新規の核酸分子上のPCRプライマー部位間で結合できるような配列であることが必要となる可能性がある。同様に、本発明のキットに組み込まれる、核酸配列の該当部分と結合するMOLECULAR BEACONSプローブを設計することができる。リアルタイム検出にSCORPIONプローブ技術を使用する場合、プローブは、標的部位が尾部付きプライマーの伸長によって同じ分子中に取り込まれたときのみその標的とハイブリダイズするように設計する必要がある。LIGHTCYCLERでは、隣接している結合部位と結合し、それによって蛍光シグナルを得ることができる2つのFRETプローブが必要となる。AMPLIFLUOUR系では、プライマーは、新規の検出可能な核酸分子上の部位とプライマーの結合によって妨げられる適切なヘアピンを含むように適当に設計することが必要となる。これらのプライマー及びプローブの設計は当業者にとって日常的な事項であり、それらを設計して注文することができる。任意のこれらの検出技術などを本発明のキットに組み込むことができる。したがって、適切なプローブは、本発明のキットのさらなる態様の中に含まれる。
上記の任意の構成成分に加えて、感染性病原体特異的ホスファターゼに選択的な抗体などの特異的な試薬をさらに含み得る、感染性病原体と関係するホスファターゼを検出するためのキットも提供される。したがって、例えば、キットはまた、
新規の検出可能な核酸分子が得られるように(下流の工程で)それを伸長させる、感染性病原体と関係するホスファターゼが作用することができる核酸分子、及び
新規の検出可能な核酸分子を検出する手段
を含んでもよい。
一実施形態では、感染性病原体はアスペルギルス種又はブドウ球菌種である。
上記の任意の構成成分に加えて、汚染物質と特異的に結合することができる試薬をさらに含み得る、試料中の汚染物質を検出するためのキットも提供され、その試薬は、核酸分子に又は核酸分子から化学的部分を付加又は除去し、それによって、新規の検出可能な核酸分子が得られるように伸長する能力を核酸分子に付与することができる酵素と連結する。
上記でより詳細に論じたように、酵素は、好ましくはホスファターゼである。
上記で論じたように、汚染物質は、好ましくは毒素である。一実施形態では、毒素はマイコトキシン、具体的にはアフラトキシンである。さらなる実施形態では、アフラトキシンは、アフラトキシンB1及び/又はB2及び/又はG1及び/又はG2及び/又はM1及び/又はM2及び/又はB2A及び/又はG2Aのいずれかを含み、本質的にそのいずれかからなり、或いはそのいずれかからなる。
本発明の好ましいキットでは、試薬は、汚染物質と特異的に結合する能力を保持する抗体又はその誘導体を含む。
キットはまた、好ましくは、汚染物質を固定化する手段を含んでもよい。当業者には周知であろうが、ビーズ、プレート、カラムなどを含む任意の型の固体支持体を利用することができる。固体支持体上に固定化して、適切な汚染物質結合試薬を提供することができる。
競合イムノアッセイキットでは、キットは、例えば共有結合により適切な酵素、好ましくはホスファターゼと連結したアフラトキシンなどの汚染物質をさらに含んでよい。結合部位についての汚染物質の競合の結果生じた、新規の核酸分子の低下の決定によって、試料中の汚染物質の存在が検出される。上記で提供した本発明の方法の記載は、ここに適用可能である。
キットはまた、(上記で論じたように)固体支持体上に固定化した抗体などの適切な汚染物質結合試薬を含んでもよい。
[実験の節]
添付する表及び図と一緒に下記の実施例を参照すると、本発明がさらに理解されるであろう。
〔実施例1〕
固定化したリン酸化二重鎖及び遮断二重鎖の手法を使用したストレプトアビジンアルカリ性ホスファターゼ結合体の検出
序論
ストレプトアビジンアルカリ性ホスファターゼ(S−AP)結合体をモデル系として使用して、リン酸化核酸基質を使用したアルカリ性ホスファターゼ(AP)の検出について調べた。この実施例では、二重鎖DNAは、同様に結合しているAP結合体と直接的に又は抗原を介して間接的に結合し、したがってそれと近接している。APは、近位の二重鎖から5’リン酸を除去し、それによって、二重鎖がその後のステップで相補的な遮断二重鎖と連結することが防止される(どちらの二重鎖も連結に必要な5’リン酸を有さないので、連結は起こらない)。
元の二重鎖DNAが抗原と結合せず、及び/又はAPの近位にない場合、5’リン酸は除去されず、遮断二重鎖との連結がそのとき起こり得る。連結した後、これによって任意のさらなる連結ステップは防止される。しかし、脱リン酸化により遮断二重鎖から保護されている任意の結合した二重鎖はそのとき、リン酸化された5’の相補的な一本鎖突出を有する検出二重鎖による連結に感受性となる。したがって、新たな連結分子が形成され、それを、連結した接合部を跨いだPCR(又は他の核酸増幅技術)によって検出することができる。
方法
1.S−AP結合体(TBS中の1mg/mlストック)をTBSで段階希釈し、100μlを使用してmaxisorpプラスチックマイクロタイター穴を室温で60分間被覆した。
2.0.5%Tween20入りTBSで5回洗浄した後、二重鎖オリゴ1/2を0.5%Tween20入りTBS中に100μl添加した[一方の末端にビオチンを、他方の末端にEcoRI切断部位を有する二重鎖オリゴ1/2は、どちらもTBS中50pmol/μlのオリゴ1(5’ビオチンGCC GAT ATC GGA CAA CGC CGA ACT GCG AAG GGC GAA TTC CTC GTC−配列番号1)とオリゴ2(5’GAC GAG GAA TTC GCC CTT CGC AGT TCG GCG TTG TCC GAT ATC GGC−配列番号2)を90℃に5分間加熱し、その後室温までゆっくりと冷却することによって調製した]。オリゴ1/2の2種類の濃度を使用した;1穴当たり0.5pmol(反応条件A)及び5pmol(反応条件B)。
3.60分後、穴を0.5%Tween20入りTBSで3回洗浄し、1×EcoR1緩衝液及びEcoR1酵素(New England Biolabs)10単位を含むEcoR1混合物を100μl添加した。これにより、遮断二重鎖とも検出二重鎖とも相補的な5’の一本鎖リン酸末端を有する分子の切断末端がさらされる。
4.37℃で30分間のインキュベーション後、穴を0.5%Tween20入りTBSで3回洗浄し、400単位/mlのT4DNAリガーゼ(New England Biolabs)を含む1×リガーゼ緩衝液中1nmol/mlの遮断二重鎖オリゴ3/4を100μl添加した[切断オリゴ1/2二重鎖と相補的な5’突出を有する二重鎖オリゴ3/4は、どちらもTBS中50pmol/μlのオリゴ3(5’AAT TAC GAC CAC ATC AAC C−配列番号3)とオリゴ4(5’CCG GTT GAT GTG GTC GT−配列番号4)を90℃に5分間加熱し、その後室温までゆっくりと冷却することによって調製した]。
5.室温で60分後、穴を0.5%Tween20入りTBSで3回洗浄し、400単位/mlのT4DNAリガーゼ(New England Biolabs)を含む1×リガーゼ緩衝液中1nmol/mlの遮断二重鎖オリゴ5/6を50μl添加した[切断オリゴ1/2二重鎖と相補的な5’リン酸含有突出を有する二重鎖オリゴ5/6は、どちらもTBS中50pmol/μlのオリゴ5(5’AAT TGG TCA TCA GCC GCG TGG CCT TTG TCA CCG ACG CCT A−配列番号5)とオリゴ6(5’リン酸CCT AGG CGT CGG TGA CAA AGG CCA CGC GGC TGA TGA CC−配列番号6)を90℃に5分間加熱し、その後室温までゆっくりと冷却することによって調製した]。
6.室温で60分後、穴を0.5%Tween20入りTBSで4回洗浄し、TaqDNAポリメラーゼ並びにプライマー5’GGA CAA CGC CGA ACT GCG AAG GGC(配列番号7)及び5’TAG GCG TCG GTG ACA AAG GCC ACG(配列番号8)を含む標準PCR混合物(New England Biolabs)を50μl添加した。これにミネラルオイルを50μl重層し、平らな加熱ブロック上で、92℃で7分間それを加熱した。
7.液体を取り出し、下記の条件下でPCRを行った:93℃で30秒、80℃で30秒、65℃で30秒及び72℃で10秒。
8.25及び30サイクルでPCRのアリコートを取り出して、3%MetaPhorアガロースゲル上での電気泳動によりそれを分析した。
結果及び考察(図1を参照)
オリゴ1/2の高い濃度を使用する条件Bが最も良好に働いた。10−7希釈物を対照穴と容易に区別することができた。これは、おそらく1〜2%しかプラスチック上に被覆されていない量であるS−AP10pgに相当する。このことから、S−AP100〜200fgを検出できることが示され、このモデル系から推定すると、そのアッセイが、固定化した抗原のfg量を検出する潜在性を有する可能性があることが示唆される。
〔実施例2〕
固定化したリン酸化二重鎖及び遮断二重鎖の手法を使用したストレプトアビジンアルカリ性ホスファターゼ結合体の改良型検出
序論
ストレプトアビジンアルカリ性ホスファターゼ(S−AP)結合体をモデル系として使用して、リン酸化核酸基質を使用したAPアルカリ性ホスファターゼの検出について調べた。この実施例では、回文構造とならないように、結合した二重鎖の一本鎖突出を設計し、それによって同じ分子種の二重鎖同士の連結、例えば実施例1で起こる可能性がある結合したオリゴ1/2又は検出オリゴ3/4の自己連結が回避される。
方法
1.S−AP結合体(TBS中の1mg/mlストック)をTBSで段階希釈し、100μlを使用してmaxisorpプラスチックマイクロタイター穴を室温で60分間被覆した。
2.0.5%Tween20入りTBSで5回洗浄した後、50pmol/mlの二重鎖オリゴ1/2を0.5%Tween20入りTBS中に100μl添加した[一方の末端にビオチンを、他方の末端にSty1切断部位を有する二重鎖オリゴ1/2は、どちらもTBS中50pmol/μlのオリゴ1(5’ビオチンGCC GAT ATC GGA CAA CGC CGA ACT GCG AAG GGC GAA GGC TCG TC−配列番号9)とオリゴ2(5’GAC GAG CCT TGG CCC TTC GCA GTT CGG CGT TGT CCG ATA TCG GC−配列番号10)を90℃に5分間加熱し、その後室温までゆっくりと冷却することによって調製した]。
3.60分後、穴を0.5%Tween20入りTBSで3回洗浄し、1×Sty1緩衝液及びSty1酵素(New England Biolabs)2.5単位を含むSty1混合物を50μl添加した。
4.37℃で30分間のインキュベーション後、穴を0.5%Tween20入りTBSで3回洗浄し、400単位/mlのT4DNAリガーゼ(New England Biolabs)を含む1×リガーゼ緩衝液中1nmol/mlの二重鎖オリゴ3/4を100μl添加した[切断オリゴ1/2二重鎖と相補的な5’突出を有する二重鎖オリゴ3/4は、どちらもTBS中50pmol/μlのオリゴ3(5’CAA GAC GAC CAC ATC AAC C−配列番号11)とオリゴ4(5’CCG GTT GAT GTG GTC GT−配列番号12)を90℃に5分間加熱し、その後室温までゆっくりと冷却することによって調製した]。
5.室温で60分後、穴を0.5%Tween20入りTBSで3回洗浄し、400単位/mlのT4DNAリガーゼ(New England Biolabs)を含む1×リガーゼ緩衝液中1nmol/mlの二重鎖オリゴ5/6を50μl添加した[切断オリゴ1/2二重鎖と相補的な5’リン酸含有突出を有する二重鎖オリゴ5/6は、どちらもTBS中50pmol/μlのオリゴ5(5’CAA GCG TCA TCA GCC GCG TGG CCT TTG TCA CCG ACG CCT A−配列番号13)とオリゴ6(5’リン酸CCT AGG CGT CGG TGA CAA AGG CCA CGC GGC TGA TGA CG−配列番号14)を90℃に5分間加熱し、その後室温までゆっくりと冷却することによって調製した]。
6.室温で60分後、穴を0.5%Tween20入りTBSで4回洗浄し、TaqDNAポリメラーゼ並びにプライマー5’GGA CAA CGC CGA ACT GCG AAG GGC(配列番号7)及び5’TAG GCG TCG GTG ACA AAG GCC ACG(配列番号8)を含む標準PCR混合物(New England Biolabs)を50μl添加した。これにミネラルオイルを50μl重層し、平らな加熱ブロック上で、92℃で7分間それを加熱した。
7.液体を取り出し、下記の条件下でPCRを行った:93℃で30秒、65℃で30秒及び72℃で10秒。
8.30サイクルでPCRのアリコートを取り出して、3%MetaPhorアガロースゲル上での電気泳動によりそれを分析した。同様に被覆したS−AP希釈物を洗浄し、AMPAQアルカリ性ホスファターゼ増幅比色定量基質(DAKO)を使用してそれを試験した。
結果及び考察(図2を参照)
10−8希釈物を対照穴と容易に区別することができた。これは、おそらく1〜2%しかプラスチック上に被覆されていない量であるS−AP1pgに相当する。このことから、S−AP10〜20fgを検出できることが示され、このモデル系から推定すると、そのアッセイが、固定化した抗原のfg量を検出する潜在性を有する可能性があることが示唆される。増幅AMPAQ基質(Dako、英国によって製造される感度のよい比色定量アルカリ性ホスファターゼ基質)ではS−APの10−5希釈物しか検出できなかったが、I2PCRの手法では10−8希釈物を検出することができ、その手法はAMPAQ基質の使用より1000倍感度が高かった。非回文構造の一本鎖突出を有する二重鎖を使用すると、高感度を明らかに実現することができる。
〔実施例3(図3を参照)〕
3’リン酸を有する固定化した二重鎖を使用したストレプトアビジンアルカリ性ホスファターゼ結合体の検出−連結の手法
序論
ストレプトアビジンアルカリ性ホスファターゼ(S−AP)結合体をモデル系として使用して、3’リン酸化核酸基質を使用したAPの検出について調べた。この実施例では、遮断3’リン酸分子のために連結できないように連結用の一本鎖突出を設計した(連結には3’露出ヒドロキシル(OH)基及び5’リン酸基が必要となる)。この実施例では、二重鎖DNAは、同様に結合しているAP結合体と直接的に又は抗原を介して間接的に結合し、したがってそれと近接している。APは、近位の二重鎖から3’リン酸を除去し、それによって、連結のため、リン酸化された5’の相補的な一本鎖突出を有する検出二重鎖にその二重鎖が接近可能となる。したがって、新たな連結分子が形成され、それを、連結した接合部を跨いだPCR(又は他の核酸増幅技術)によって検出することができる。
元の二重鎖DNAが抗原と結合せず、及び/又はAPの近位にない場合、3’リン酸は除去されず、検出二重鎖との連結は起こり得ず、PCR産物は得られない。この方法は有効性が100%未満となる可能性が高い遮断を利用するのではなく、むしろこの手法が活性化の工程であり、すなわち結合した二重鎖をAPの相互作用による連結に感受性にするので、この方法は、実施例1及び2で概要を述べた前記の手法より特異的なかつ感度のよい検出をもたらす。
方法
1.S−AP結合体(TBS中の1mg/mlストック)をTBSで段階希釈し、100μlを使用してmaxisorpプラスチックマイクロタイター穴を室温で60分間被覆した。
2.0.5%Tween20入りTBSで5回洗浄した後、50pmol/mlの二重鎖オリゴ1/2を0.5%Tween20、0.1mMバナジン酸ナトリウム入りPBS中に100μl添加した(これらの条件はこの結合ステップにおいてAPの活性を阻害する)[一方の末端に3’ビオチンを、他方の末端に3’リン酸を有する二重鎖オリゴ1/2は、どちらもTBS中50pmol/μlのオリゴ1(5’GCC GAT ATC GGA CAA CGC CGA ACT GCG AAG GGC CAA GGC TCG3’リン酸−配列番号15)とオリゴ2(5’CCT TGG CCC TTC GCA GTT CGG CGT TGT CCG ATA TCG GC3’ビオチン−配列番号16)を90℃に5分間加熱し、その後室温までゆっくりと冷却することによって調製した]。
3.30分後、穴を0.5%Tween20入りTBSで3回洗浄し、400単位/mlのT4DNAリガーゼ(New England Biolabs)を含む1×リガーゼ緩衝液中1nmol/mlの検出二重鎖オリゴ5/6を50μl添加した[結合したオリゴ二重鎖1/2と相補的な5’リン酸一本鎖突出を有する二重鎖オリゴ5/6は、どちらもTBS中50pmol/μlのオリゴ5(5’GGT CAT CAG CCG CGT GGC CTT TGT CAC CGA CGC CTA−配列番号17)とオリゴ6(5’リン酸TAG GCG TCG GTG ACA AAG GCC ACG CGG CTG ATG ACG−配列番号18)を90℃に5分間加熱し、その後室温までゆっくりと冷却することによって調製した]。
4.室温で60分後、穴を0.5%Tween20入りTBSで4回洗浄し、TaqDNAポリメラーゼ並びにプライマー5’GGA CAA CGC CGA ACT GCG AAG GGC(配列番号7)及び5’TAG GCG TCG GTG ACA AAG GCC ACG(配列番号8)を含む標準PCR混合物(New England Biolabs)を50μl添加した。これにミネラルオイルを50μl重層し、平らな加熱ブロック上で、92℃で7分間それを加熱した。
5.液体を取り出し、下記の条件下でPCRを行った:93℃で30秒、65℃で30秒及び72℃で10秒。
6.25サイクルでPCRのアリコートを取り出して、3%MetaPhorアガロースゲル上での電気泳動によりそれを分析した。
結果及び考察(図3を参照)
10−11希釈物を、S−APが入っていない対照の穴と容易に区別することができた。これは、おそらく1〜2%しかプラスチック上に被覆されていない量であるS−AP1fgに相当する。このことから、S−AP10−20agを検出できることが示され、このモデル系から推定すると、そのアッセイが、固定化した抗原のアットグラム量を検出する潜在性を有する可能性があることが示唆される。
〔実施例4〕
固定化したリン酸化二重鎖を使用したELISA形式での抗原の検出−遮断二重鎖の手法
序論
この実施例は、クラミジア抗原などの抗原の検出にELISA形式で本発明をどのように適用することができるかを示すものである。
方法
1.TBS中0.1〜100ng/mlの抗クラミジアLPS抗体100μlでmaxisorpマイクロタイタープレート(Nunc)を60分間被覆した(抗クラミジア抗体は広く入手可能であり、経験的に調べられて、ELISA形式で一緒に働く対が見つかっている)。
2.穴をPBSで3回洗浄し、PBS中1.0〜0.01mg/mlのビオチン化試薬(ビオチンアミドカプロン酸3−スルホN−ヒドロキシスクシンイミドエステル、Sigma B1022)100μlとともに30分間インキュベートした。
3.穴をTBSで3回洗浄し、次いで0.5%Tween20入りTBS中100ng/mlのストレプトアビジンとともに60分間インキュベートした。
4.次いで穴をTween20入りTBSで5回洗浄した。捕捉プレートがこうして調製され、それは乾燥させて4℃で数週間又は数ヶ月貯蔵することもでき、或いは直ちに使用することもできた。
5.0.5%Tween20入りTBSでクラミジアLPS抗原の段階希釈を行い、被覆した穴に各希釈物100μlを添加した。標準的な技術を使用して同様の緩衝液中に尿路スワブを抽出し、同様の形でそれを試験することができる。
6.60分後、穴をTween20入りTBSで3回洗浄し、(標準的な手順に従って作製した)抗クラミジアLPS AP結合体1〜10ngを、50pmol/mlの二重鎖オリゴ1/2を含むTween20入りTBS100μl中に添加した[一方の末端にビオチンを、他方の末端にSty1切断部位を有する二重鎖オリゴ1/2は、どちらもTBS中50pmol/μlのオリゴ1(5’ビオチンGCC GAT ATC GGA CAA CGC CGA ACT GCG AAG GGC GAA GGC TCG TC−配列番号9)とオリゴ2(5’GAC GAG CCT TGG CCC TTC GCA GTT CGG CGT TGT CCG ATA TCG GC−配列番号10)を90℃に5分間加熱し、その後室温までゆっくりと冷却することによって調製した]。
7.60分後、穴を0.5%Tween20入りTBSで3回洗浄し、1×Sty1緩衝液及びSty1酵素(New England Biolabs)2.5単位を含むSty1混合物を50μl添加した。
8.37℃で30分間のインキュベーション後、穴を0.5%Tween20入りTBSで3回洗浄し、400単位/mlのT4DNAリガーゼ(New England Biolabs)を含む1×リガーゼ緩衝液中1nmol/mlの二重鎖オリゴ3/4を100μl添加した[切断オリゴ1/2二重鎖と相補的な5’突出を有する二重鎖オリゴ3/4は、どちらもTBS中50pmol/μlのオリゴ3(5’CAA GAC GAC CAC ATC AAC C−配列番号11)とオリゴ4(5’CCG GTT GAT GTG GTC GT−配列番号4)を90℃に5分間加熱し、その後室温までゆっくりと冷却することによって調製した]。
9.室温で60分後、穴を0.5%Tween20入りTBSで3回洗浄し、400単位/mlのT4DNAリガーゼ(New England Biolabs)を含む1×リガーゼ緩衝液中1nmol/mlの二重鎖オリゴ5/6を50μl添加した[切断オリゴ1/2二重鎖と相補的な5’リン酸含有突出を有する二重鎖オリゴ5/6は、どちらもTBS中50pmol/μlのオリゴ5(5’CAA GCG TCA TCA GCC GCG TGG CCT TTG TCA CCG ACG CCT A−配列番号13)とオリゴ6(5’リン酸CCT AGG CGT CGG TGA CAA AGG CCA CGC GGC TGA TGA CG−配列番号14)を90℃に5分間加熱し、その後室温までゆっくりと冷却することによって調製した]。
10.室温で60分後、穴を0.5%Tween20入りTBSで4回洗浄し、TaqDNAポリメラーゼ並びにプライマー5’GGA CAA CGC CGA ACT GCG AAG GGC(配列番号7)及び5’TAG GCG TCG GTG ACA AAG GCC ACG(配列番号8)を含む標準PCR混合物(New England Biolabs)を50μl添加した。これにミネラルオイルを50μl重層し、平らな加熱ブロック上で、92℃で7分間それを加熱した。
11.次いで液体を取り出し、下記の条件下でPCRを行った:93℃で30秒、65℃で30秒及び72℃で10秒。
12.30サイクルでPCRのアリコートを取り出して、3%MetaPhorアガロースゲル上での電気泳動によりそれを分析した。
〔実施例5〕
3’リン酸を有する固定化二重鎖を使用したELISA形式での抗原の検出−伸長の手法
序論
この実施例は、クラミジア抗原などの抗原の検出にELISA形式で本発明をどのように適用することができるかを示すものである。
方法
1.TBS中0.1〜100ng/mlの抗クラミジアLPS抗体100μlでmaxisorpマイクロタイタープレート(Nunc)を60分間被覆した(抗クラミジア抗体は広く入手可能であり、経験的に調べられて、ELISA形式で一緒に働く対が見つかっている)。
2.穴をPBSで3回洗浄し、PBS中1.0〜0.01mg/mlのビオチン化試薬(ビオチンアミドカプロン酸3−スルホN−ヒドロキシスクシンイミドエステル、Sigma B1022)100μlとともに30分間インキュベートした。
3.穴をTBSで3回洗浄し、次いで0.5%Tween20入りTBS中100ng/mlのストレプトアビジンとともに60分間インキュベートした。
4.次いで穴をTween20入りTBSで5回洗浄した。
5.0.5%Tween20入りTBSでクラミジアLPS抗原の段階希釈を行い、被覆した穴に各希釈物100μlを添加した。標準的な技術を使用して同様の緩衝液中に尿路スワブを抽出し、同様の形でそれを試験することができる。
6.60分後、穴をTween20入りTBSで3回洗浄し、(標準的な手順に従って作製した)抗クラミジアLPS AP結合体1〜10ngを、DNA二重鎖10ng(変性させた鋳型DNA[通常のヌクレオチドdTTPをdUTPと交換した反応混合物中でオリゴ1;5’ビオチンCCA GGC GAA AGG GGG ATG TGC TGC AA3’(配列番号19)リン酸及びオリゴ3(5’TCA CTC GCG TTG CGT TAA TTA CAC TC−配列番号20)を用いてpUC19のPCRを行い、次いでその産物を標準的な方法に従ってアフィニティークロマトグラフィーにより精製することによって作製]10ngとアニールさせた10pmol/mlのオリゴ1)を含むTween20、1mMバナジン酸ナトリウム入りPBS中に添加した。
7.60分後、穴をTween20入りTBSで5回洗浄し、通常の濃度のdNTP、Taqポリメラーゼ、1×PCR用緩衝液、及びUNGグリコシラーゼ1単位を含む標準PCR混合物を50μl添加し、それを37℃で30分間、その後92℃で7分間インキュベートした。このステップは、任意の脱リン酸化されたオリゴ1が新たな鋳型鎖の合成を開始することを可能にし、同時に、元の鋳型がUNGグリコシラーゼによって破壊される。
8.次いでその内容物を穴から取り出し、オリゴ1及びオリゴ2(5’GAG GAT CCC CGG GTA CCG AGC TCG−配列番号21)からなる25pmolのプライマーを使用した、下記の条件下でのPCRによって分析した:93℃で30秒、65℃で30秒及び72℃で10秒。
9.30サイクルでPCRのアリコートを取り出して、3%MetaPhorアガロースゲル上での電気泳動によりそれを分析した。
結果及び考察
ELISA捕捉と、PCR増幅によって検出することができる核酸基質のAP修飾を組み合わせると、抗原検出について単なるELISAの手法よりはるかに高い感度が得られた。
〔実施例6〕
3’リン酸を有する固定化二重鎖を使用したELISA形式での抗原の検出−連結の手法
序論
この実施例は、クラミジア抗原などの抗原の検出にELISA形式で本発明をどのように適用することができるかを示すものである。
方法
1.TBS中0.1〜100ng/mlの抗クラミジアLPS抗体100μlでmaxisorpマイクロタイタープレート(Nunc)を60分間被覆した(抗クラミジア抗体は広く入手可能であり、経験的に調べられて、ELISA形式で一緒に働く対が見つかっている)。
2.穴をPBSで3回洗浄し、PBS中1.0〜0.01mg/mlのビオチン化試薬(ビオチンアミドカプロン酸3−スルホN−ヒドロキシスクシンイミドエステル、Sigma B1022)100μlとともに30分間インキュベートした。
3.穴をTBSで3回洗浄し、次いで0.5%Tween20入りTBS中100ng/mlのストレプトアビジンとともに60分間インキュベートした。次いで穴をTween20入りTBSで5回洗浄した。
4.0.5%Tween20入りTBSでクラミジアLPS抗原の段階希釈を行い、被覆した穴に各希釈物100μlを添加した。
5.60分後、穴をTween20入りTBSで3回洗浄し、(標準的な手順に従って作製した)抗クラミジアLPS AP結合体1〜10ngを、50pmol/mlのオリゴ1/2を含むTween20、1mMバナジン酸ナトリウム入りPBS中に添加した[一方の末端に3’ビオチンを、他方の末端に3’リン酸を有する二重鎖オリゴ1/2は、どちらもTBS中50pmol/μlのオリゴ1(5’ビオチンGCC GAT ATC GGA CAA CGC CGA ACT GCG AAG GGC CAA GGC TCG3’リン酸−配列番号22)とオリゴ2(5’CCT TGG CCC TTC GCA GTT CGG CGT TGT CCG ATA TCG GC3’ビオチン−配列番号16)を90℃に5分間加熱し、その後室温までゆっくりと冷却することによって調製した]。
6.60分後、穴をTween20入りTBSで5回洗浄し、400単位/mlのT4DNAリガーゼ(New England Biolabs)を含む1×リガーゼ緩衝液中1nmol/mlの検出二重鎖オリゴ5/6を50μl添加した[結合したオリゴ二重鎖1/2と相補的な5’リン酸一本鎖突出を有する二重鎖オリゴ5/6は、どちらもTBS中50pmol/μlのオリゴ5(5’GGT CAT CAG CCG CGT GGC CTT TGT CAC CGA CGC CTA−配列番号17)とオリゴ6(5’リン酸TAG GCG TCG GTG ACA AAG GCC ACG CGG CTG ATG ACG−配列番号18)を90℃に5分間加熱し、その後室温までゆっくりと冷却することによって調製した]。
7.室温で60分後、穴を0.5%Tween20入りTBSで4回洗浄し、TaqDNAポリメラーゼ並びにプライマー5’GGA CAA CGC CGA ACT GCG AAG GGC(配列番号7)及び5’TAG GCG TCG GTG ACA AAG GCC ACG(配列番号8)を含む標準PCR混合物(New England Biolabs)を50μl添加した。これにミネラルオイルを50μl重層し、平らな加熱ブロック上で、92℃で7分間それを加熱した。
8.液体を取り出し、下記の条件下でPCRを行った:93℃で30秒、60℃で30秒及び72℃で10秒。
9.30サイクルでPCRのアリコートを取り出して、3%MetaPhorアガロースゲル上での電気泳動によりそれを分析した。
結果及び考察
ELISA捕捉と、PCR増幅によって検出することができる核酸基質のAP修飾を組み合わせると、抗原検出について単なるELISAの手法よりはるかに高い感度が得られた。
〔実施例7〕
3’リン酸を有する非固定化二重鎖を使用したELISA形式での抗原の検出−連結の手法
序論
この実施例は、クラミジア抗原などの抗原の検出にELISA形式で本発明をどのように適用することができるかを示すものである。
方法
1.TBS中0.1〜100ng/mlの抗クラミジアLPS抗体100μlでmaxisorpマイクロタイタープレート(Nunc)を60分間被覆した(抗クラミジア抗体は広く入手可能であり、経験的に調べられて、ELISA形式で一緒に働く対が見つかっている)。
2.0.5%Tween20入りTBSでクラミジアLPS抗原の段階希釈を行い、被覆した穴に各希釈物100μlを添加した。標準的な技術を使用して同様の緩衝液中に尿路スワブを抽出し、同様の形でそれを試験することができる。
3.60分後、穴をTween20入りTBSで3回洗浄し、(標準的な手順に従って作製した)抗クラミジアLPS AP結合体0.1〜10ngをTween20入りTBS中に添加した。
4.60分後、穴をTween20入りTBSで5回洗浄し、50pmol/mlのオリゴ1/2を含むTBS100μlとともにインキュベートした[一方の末端に3’ビオチンを、他方の末端に3’リン酸を有する二重鎖オリゴ1/2は、どちらもTBS中50pmol/μlのオリゴ1(5’GCC GAT ATC GGA CAA CGC CGA ACT GCG AAG GGC CAA GGC TCG3’リン酸−配列番号15)とオリゴ2(5’CCT TGG CCC TTC GCA GTT CGG CGT TGT CCG ATA TCG GC3’ビオチン−配列番号16)を90℃に5分間加熱し、その後室温までゆっくりと冷却することによって調製した]。
5.10〜30分後、10mMのATP、10mMのMgCl2、10単位のT4DNAリガーゼ及び0.5〜50pmolの検出二重鎖オリゴ5/6を含むTBS10μlを添加した[結合したオリゴ二重鎖1/2と相補的な5’リン酸一本鎖突出を有する二重鎖オリゴ5/6は、どちらもTBS中50pmol/μlのオリゴ5(5’GGT CAT CAG CCG CGT GGC CTT TGT CAC CGA CGC CTA−配列番号17)とオリゴ6(5’リン酸TAG GCG TCG GTG ACA AAG GCC ACG CGG CTG ATG ACG−配列番号18)を90℃に5分間加熱し、その後室温までゆっくりと冷却することによって調製した]。
6.室温で60分後、反応物5μlを取り出し、標準的なプロトコールに従って、プライマー5’GGA CAA CGC CGA ACT GCG AAG GGC(配列番号7)及び5’TAG GCG TCG GTG ACA AAG GCC ACG(配列番号8)を用いて、下記の条件下で合計体積50μlのPCRを行った:93℃で30秒、65℃で30秒及び72℃で10秒。
7.30サイクルでPCRのアリコートを取り出して、3%MetaPhorアガロースゲル上での電気泳動によりそれを分析した。
結果及び考察
ELISA捕捉と、PCR増幅によって検出することができる核酸基質のAP修飾を組み合わせると、抗原検出について単なるELISAの手法よりはるかに高い感度が得られた。
〔実施例8〕
3’リン酸を有する非固定化二重鎖を使用したELISA形式での抗原の検出−伸長の手法
序論
この実施例は、クラミジア抗原などの抗原の検出にELISA形式で本発明をどのように適用することができるかを示すものである。
方法
1.TBS中0.1〜100ng/mlの抗クラミジアLPS抗体100μlでmaxisorpマイクロタイタープレート(Nunc)を60分間被覆した(抗クラミジア抗体は広く入手可能であり、経験的に調べられて、ELISA形式で一緒に働く対が見つかっている)。
2.0.5%Tween20入りTBSでクラミジアLPS抗原の段階希釈を行い、被覆した穴に各希釈物100μlを添加した。標準的な技術を使用して同様の緩衝液中に尿路スワブを抽出し、同様の形でそれを試験することができる。
3.60分後、穴をTween20入りTBSで3回洗浄し、(標準的な手順に従って作製した)抗クラミジアLPS AP結合体0.1〜10ngをTween20入りPBS中に添加した。
4.60分後、穴をTween20入りTBSで5回洗浄し、DNA二重鎖10ng(変性させた鋳型DNA[通常のヌクレオチドdTTPをdUTPと交換した反応混合物中でオリゴ1;5’CCA GGC GAA AGG GGG ATG TGC TGC AA3’(配列番号23)リン酸及びオリゴ3(5’TCA CTC GCG TTG CGT TAA TTA CAC TC−配列番号20)を用いてpUC19のPCRを行い、次いでその産物を標準的な方法に従ってアフィニティークロマトグラフィーにより精製することによって作製]10ngとアニールさせた10pmol/mlのオリゴ1)、標準的な量のTaqDNAポリメラーゼ、10単位のUNGグリコシラーゼ、及び標準的な濃度のdNTPを含む1×PCR用緩衝液を100μl添加した。
5.10〜30分後、オリゴ1及びオリゴ2(5’GAG GAT CCC CGG GTA CCG AGC TCG−配列番号21)からなる50pmolのプライマーを添加し、穴の内容物を下記の条件下でのPCRによって調べた:93℃で30秒、65℃で30秒及び72℃で10秒。
6.30サイクルでPCRのアリコートを取り出して、3%MetaPhorアガロースゲル上での電気泳動によりそれを分析した。
結果及び考察
ELISA捕捉と、PCR増幅によって検出することができる核酸基質のAP修飾を組み合わせると、抗原検出について単なるELISAの手法よりはるかに高い感度が得られた。
〔実施例9〕
3’リン酸で遮断されたDNA基質の使用を伴うアルカリ性ホスファターゼアッセイの実施形態
概念
(図8及び9もそうであるが)特に図7は、この手法の概念を示すものである。3’リン酸で遮断されたオリゴヌクレオチド2つのアニーリングによって形成される部分的な二本鎖DNAは、一方又は両方の3’末端で遮断しているリン酸基がホスファターゼによって除去されない限り、ポリメラーゼによって伸長することができない。遮断している(複数の)リン酸基を除去すると、(PCR工程の前又はその一部として)相補鎖を基質として使用してポリメラーゼにより遮断されていない鎖を伸長することができる。これによってPCRプライマーの相補的結合部位が形成され、その結果、伸長したDNAが次にPCRに適した基質となる。(下記に示すように)予め形成した部分的な二本鎖DNA基質として、又はPCRのその後のアニーリングステップで部分的な二本鎖DNAを形成する個々の合成オリゴヌクレオチドとしてホスファターゼの存在下でDNA基質をインキュベートすることができる。一実施形態では、3’リン酸で遮断された合成オリゴヌクレオチド1つだけをホスファターゼとともにインキュベートする必要があることに留意されたい。このリン酸を除去すると、その後、このオリゴヌクレオチドを、PCRインキュベーション及び分析中に含まれるその部分的に相補的なパートナーと混合したときにPCR基質の生成が可能となる。
その概念を図7〜9で図式的に示す。
この実施形態を使用して、固定化された又は溶液中に遊離したホスファターゼを検出することができる。一例では、その方法を使用して、固定化された抗原との結合を介して(例えば抗体の捕捉を介して)ビーズ又はマイクロタイタープレートの表面に固定化されているアルカリ性ホスファターゼと抗体の結合体を検出することができる。ここに示す実施例では、標準的な比色定量の手法と比較したこの検出手法の相対感度を評価するために、マイクロタイター穴中にアルカリ性ホスファターゼの希釈物を直接固定化する。
方法
TBS100μlでのウシ腸アルカリ性ホスファターゼの三連10倍希釈物及びTBSのみの対照をマイクロタイタープレート穴の表面上に1時間固定化した。0.1%(v/v)Tween20入りTBSで洗浄後、固定化したアルカリ性ホスファターゼ検出用の様々な基質を添加した。
A.1組の希釈物は、感度のよい増幅基質のAMPAQ(Dako Ltd.、英国)を使用して、製造業者の検出プロトコールに従って検出した。
B.1組の希釈物は、標準的な比色定量pNPPプロトコールに従って検出した。
C.1組の希釈物は、DNA基質の手法を使用して検出した。これでは、各1pmolの合成オリゴヌクレオチド;
オリゴ121005A、5’gCC gAT ATC ggA CAA Cgg CCg AAC Tgg gAA ggC gCA Cgg AgA gAC CAC g3’(配列番号24)リン酸、及びオリゴ121005B、5’TAg gCg TCg gTg ACA AAC ggC CAg CTA TgA CTT CgT ggT CTC TCC gTg3’(配列番号25)リン酸
を含む50mMのTris、10mMのMgCl2、100mMのNaCl、1mMのDTT100μlを添加し、それを室温で60分間インキュベートした。インキュベーション後、体積50μlでの標準的なホットスタートPCRによって10μlの溶液を分析した。PCRの条件は、94℃で15分を1サイクル;94℃で30秒、50℃で30秒、72℃で30秒を5サイクル;94℃で30秒、60℃で30秒、72℃で30秒を25サイクル;72℃で10分であった。
PCRプライマー、
F、5’GGACAACGGCCGAACTGGGAAGGCG3’(配列番号26)及び
R、5’TAGGCGTCGGTGACAAACGGCCAGC3’(配列番号27)
をPCRで使用した。PCR後、アガロースゲル電気泳動によって10μlの反応物を分析した(下記の結果を参照されたい。この図では、ホスファターゼを含まない陰性対照が各ホスファターゼ希釈物の間に含まれている)。
結果
比色定量用のpNpp及びAMPAQ基質により、アルカリ性ホスファターゼの10−3及び10−6希釈物がそれぞれ検出された。3’リン酸で遮断されたDNA基質の手法ははるかに感度がよく(図10を参照)、アルカリ性ホスファターゼ約600分子に相当するアルカリ性ホスファターゼの10−11希釈物まで検出することができた。
考察
PCRなどの増幅技術と組み合わせたDNA基質の使用は、標準的な比色定量又は増幅比色定量の手法よりはるかに感度のよいアルカリ性ホスファターゼの検出をもたらす。
固定化したリン酸化二重鎖及び遮断二重鎖の手法を使用したストレプトアビジンアルカリ性ホスファターゼ結合体の検出を示す図である。 固定化したリン酸化二重鎖及び遮断二重鎖の手法を使用したストレプトアビジンアルカリ性ホスファターゼ結合体の改良型検出を示す図である。 3’リン酸を有する固定化した二重鎖を使用したストレプトアビジンアルカリ性ホスファターゼ結合体の検出−連結の手法を示す図である。 連結の手法を図式的に示す図である。 重合化の手法の1つを図式的に示す図である。 遮断核酸分子(二重鎖)の手法を図式的に示す図である。 一般的に本発明の最も好ましい「重合化」の実施形態を図式的に示す図である。利用する増幅工程としてPCRを示しているが、これは本発明について限定するものではない。任意の適切な核酸増幅技術を利用することができる。 3’(末端)リン酸を組み込んでいるニックの入ったdsDNAの使用を伴う、ポリメラーゼに基づく手法の概略図である。 図7で示すものと類似した、ポリメラーゼに基づく手法の概略図である。しかし、ここでは3’末端リン酸基が結合した鎖を組み込んでいる部分的な二本鎖DNAを利用する。適切なdsDNA分子は、例えば、3’リン酸で遮断されたオリゴヌクレオチド2つのアニーリングによって形成することができる。3’リン酸で遮断されたオリゴヌクレオチドは、予めアニールすることもでき、或いは本発明の方法で個々に利用し、例えば最初のインキュベーション期間後にアニーリングを行うこともできる。 試料中の汚染物質(灰色の丸)を検出するために本発明の方法をどのように利用することができるかを図式的に示す図である。固定化された1つの構成成分を含めて、結合試薬を適当に示す。丸の中に書き入れた表示(AP)でアルカリ性ホスファターゼを示す。図の上部は、汚染物質が存在しない場合の状況を示し、図の下部は、汚染物質が試料中に存在する場合に利用する検出技術を示す。 本明細書に記載し、図8で図式的に表した方法の感度を示す図である。

Claims (113)

  1. 核酸分子に又は核酸分子から化学的部分を付加又は除去し、それによって、新規の検出可能な核酸分子が得られるように伸長する能力を核酸分子に付与することができる試料中の酵素を検出するための方法であって、
    酵素が存在するかどうか試験する試料を、核酸分子と相互作用させるステップと、
    酵素の存在下でのみ得られた新規の核酸分子を検出することによって、酵素が核酸分子と相互作用するかどうか試験するステップと
    を含む方法。
  2. 酵素が、核酸分子から末端リン酸を除去することができるホスファターゼである、請求項1に記載の方法。
  3. 除去する末端リン酸が核酸分子の3’末端に存在する、請求項2に記載の方法。
  4. 核酸分子が、リン酸基で3’末端標識されている合成オリゴヌクレオチドである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 酵素がアルカリ性ホスファターゼ又は前立腺酸性ホスファターゼである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 検出する新規の核酸分子が、核酸分子の3’末端をさらなる核酸分子の5’末端と連結することによって得られる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 検出ステップが、試料をリガーゼ及びさらなる核酸分子とともにインキュベートし、インキュベーション後に新規の核酸分子が存在するかどうか試験することによって実施される、請求項6に記載の方法。
  8. 使用するリガーゼがT4DNAリガーゼ又はT4RNAリガーゼである、請求項7に記載の方法。
  9. 核酸分子がdsDNAを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 核酸分子が、連結効率を増大させる一本鎖突出を、好ましくは非回文構造の一本鎖突出を有する、請求項9に記載の方法。
  11. さらなる核酸分子が5’末端でリン酸化されている、請求項6〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 核酸分子が5’突出を有するdsDNAを含み、短い方の鎖が3’末端にリン酸基を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  13. 5’突出が生じている鎖が、突出中にウラシル残基を取り込んでいる、請求項12に記載の方法。
  14. 検出する新規の核酸分子が、3’末端リン酸基を除去するホスファターゼが試料中に存在するという条件で最初から3’末端でリン酸化されている核酸分子を使用して核酸合成を開始する重合化によって得られる、請求項12又は13に記載の方法。
  15. 検出ステップが、試料をポリメラーゼ及びヌクレオチドとともにインキュベートし、インキュベーション後に新規の核酸分子が存在するかどうか試験することによって実施される、請求項14に記載の方法。
  16. ヌクレオチドが標識ヌクレオチドであり、標識の検出によって新規の核酸分子を検出する、請求項15に記載の方法。
  17. 蛍光標識、放射標識又は質量標識のいずれか1つでヌクレオチドを標識する、請求項16に記載の方法。
  18. ウラシルN−グリコシラーゼ(UNG)とのインキュベーションをさらに含む、請求項14に記載の方法。
  19. 核酸分子が、末端3’リン酸が存在する一本鎖DNA分子と、伸長することができないように3’末端で遮断された、重複している一本鎖DNA分子とを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  20. 検出する新規の核酸分子が、重複している一本鎖DNAを合成の鋳型として使用して、3’末端リン酸基を除去するホスファターゼが試料中に存在するという条件で最初から3’末端でリン酸化されている核酸分子を使用して核酸合成を開始する重合化によって得られる、請求項19に記載の方法。
  21. 核酸分子が、末端3’リン酸が存在する部分的なdsDNAを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  22. dsDNAが各鎖中のニックを含む、請求項21に記載の方法。
  23. 検出する新規の核酸分子が、一本鎖エレメントを合成の鋳型として使用して、3’末端リン酸基を除去するホスファターゼが試料中に存在するという条件で最初から3’末端でリン酸化されている核酸分子を使用して核酸合成を開始する重合化によって得られる、請求項21又は22に記載の方法。
  24. 検出ステップが、重合化によっても実施される、請求項20又は23に記載の方法。
  25. 使用するポリメラーゼが、Taq、Pfu又はVentのいずれか1つである、請求項14〜24のいずれか一項に記載の方法。
  26. ポリメラーゼが、エキソヌクレアーゼ活性を欠如し、又は減弱したエキソヌクレアーゼ活性を有する、請求項14〜25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 除去する末端リン酸が核酸分子の5’末端に存在する、請求項2に記載の方法。
  28. 核酸分子が、リン酸基で5’末端標識されている合成オリゴヌクレオチドである、請求項1、2又は27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 酵素がアルカリ性ホスファターゼ又は前立腺酸性ホスファターゼである、請求項1、2、27又は28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 核酸分子がdsDNAを含む、請求項1、2又は27〜29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 核酸分子が5’突出を有するdsDNAを含み、突出している鎖が5’末端で結合したリン酸基を有する、請求項30に記載の方法。
  32. 検出する新規の核酸分子が、核酸分子の3’末端をさらなる核酸分子の5’末端と連結することによって得られる、請求項1、2又は27〜31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 試料中のホスファターゼの不在下で核酸分子の5’末端と連結する遮断ds核酸分子の存在下で実施することによって、新規の検出可能な核酸分子を生成するさらなる核酸分子とのさらなる連結が防止される、請求項32に記載の方法。
  34. 検出ステップが、試料をリガーゼ及び遮断二本鎖核酸分子及びさらなる核酸分子とともにインキュベートし、インキュベーション後に新規の核酸分子が存在するかどうか試験することによって実施される、請求項33に記載の方法。
  35. 使用するリガーゼがT4DNAリガーゼである、請求項34に記載の方法。
  36. さらなる核酸分子が、5’突出を有するdsDNAを含み、突出している鎖が5’末端で結合したリン酸基を有し、さらなる核酸分子が、核酸分子から5’リン酸を除去するホスファターゼの存在下で核酸分子と連結することができる、請求項32〜35のいずれか一項に記載の方法。
  37. 遮断核酸分子が5’突出を有するdsDNAを含み、遮断核酸分子がホスファターゼの不在下で核酸分子と連結することができることによって、核酸分子とさらなる核酸分子の連結が遮断される、請求項33〜36のいずれか一項に記載の方法。
  38. a)一方の3’末端のみリン酸化されている平滑末端dsDNAを含む核酸分子を試料に添加するサブステップと、
    b)ホスファターゼ活性を許容する条件下でインキュベートするサブステップと、
    c)T4DNAリガーゼ、及び1つ又は複数の5’末端でリン酸化されているさらなる核酸分子を試料に添加しインキュベーションを行うサブステップと、
    d)ホスファターゼの存在下でのみ生じる新規の連結核酸分子を検出するサブステップと
    を含む、ホスファターゼを検出するための、請求項1に記載の方法。
  39. a)3’末端でリン酸化されているssDNAを含む核酸分子を試料に添加するサブステップと、
    b)ホスファターゼ活性を許容する条件下でインキュベートするサブステップと、
    c)T4RNAリガーゼ、及び5’末端でリン酸化されているさらなるss核酸分子を試料に添加しインキュベーションを行うサブステップと、
    d)ホスファターゼの存在下でのみ生じる新規の連結核酸分子を検出するサブステップと
    を含む、ホスファターゼを検出するための、請求項1に記載の方法。
  40. a)一方の末端に5’突出を有し、この5’末端でリン酸化されているdsDNAを含む核酸分子を試料に添加するサブステップと、
    b)ホスファターゼ活性を許容する条件下でインキュベートするサブステップと、
    c)T4DNAリガーゼ、5’リン酸がホスファターゼ活性によって5’突出から除去されていない場合に核酸分子と連結することができる遮断ds核酸分子、及び一方の末端に5’突出を有しこの5’末端でリン酸化されているさらなる核酸分子を試料に添加しインキュベーションを行うサブステップと、
    d)核酸分子とさらなる核酸分子の連結の産物である、ホスファターゼの存在下でのみ生じる新規の連結核酸分子を検出するサブステップと
    を含む、ホスファターゼを検出するための、請求項1に記載の方法。
  41. a)一方の鎖がウラシル残基を取り込み、5’突出を有し、短い方の鎖が3’末端にリン酸基を有するdsDNAを含む核酸分子を試料に添加するサブステップと、
    b)ホスファターゼ活性を許容する条件下でインキュベートするサブステップと、
    c)ポリメラーゼ、ウラシルN−グリコシラーゼ及びヌクレオチドを試料に添加しインキュベーションを行うサブステップと、
    d)ホスファターゼの存在下でのみ生じる新規の核酸分子を検出するサブステップと
    を含む、ホスファターゼを検出するための、請求項1に記載の方法。
  42. a)一方の鎖が5’突出を有し、短い方の鎖が3’末端にリン酸基を有するdsDNAを含む核酸分子を試料に添加するサブステップと、
    b)ホスファターゼ活性を許容する条件下でインキュベートするサブステップと、
    c)ポリメラーゼ及び標識ヌクレオチドを試料に添加しインキュベーションを行うサブステップと、
    d)ホスファターゼの存在下でのみ生じる新規の核酸分子中に取り込まれた標識ヌクレオチドを検出するサブステップと
    を含む、ホスファターゼを検出するための、請求項1に記載の方法。
  43. 蛍光標識、質量標識及び放射標識のいずれかでヌクレオチドを標識する、請求項42に記載の方法。
  44. a)末端3’リン酸が存在する一本鎖DNA分子と、伸長することができないように3’末端で遮断された、重複している一本鎖DNA分子とを含む核酸分子を試料に添加するサブステップと、
    b)ホスファターゼ活性を許容する条件下でインキュベートするサブステップと、
    c)ポリメラーゼを試料に添加しインキュベーションを行うサブステップと、
    d)ホスファターゼの存在下でのみ生じる新規の核酸分子を検出するサブステップと
    を含む、ホスファターゼを検出するための、請求項1に記載の方法。
  45. a)末端3’リン酸が存在する一本鎖DNA分子を含む核酸分子を試料に添加するサブステップと、
    b)ホスファターゼ活性を許容する条件下でインキュベートするサブステップと、
    c)伸長することができないように3’末端で遮断された、重複している一本鎖DNA分子を添加するサブステップと、
    d)ポリメラーゼを試料に添加しインキュベーションを行うサブステップと、
    e)ホスファターゼの存在下でのみ生じる新規の核酸分子を検出するサブステップと
    を含む、ホスファターゼを検出するための、請求項1に記載の方法。
  46. a)末端3’リン酸が存在する部分的なdsDNAを含む核酸分子を試料に添加するサブステップと、
    b)ホスファターゼ活性を許容する条件下でインキュベートするサブステップと、
    c)ポリメラーゼを試料に添加しインキュベーションを行うサブステップと、
    d)ホスファターゼの存在下でのみ生じる新規の核酸分子を検出するサブステップと
    を含む、ホスファターゼを検出するための、請求項1に記載の方法。
  47. dsDNAが各鎖中のニックを含む、請求項46に記載の方法。
  48. 核酸増幅技術を使用して新規の核酸分子を検出する、請求項1〜47のいずれか一項に記載の方法。
  49. 使用する核酸増幅技術が、PCR、ローリングサークル型複製、NASBA、3SR及びTMAから選択される、請求項48に記載の方法。
  50. リアルタイムの技術を使用して増幅産物を検出する、請求項48又は49に記載の方法。
  51. リアルタイムの技術が、TAQMAN(登録商標)系、MOLECULAR BEACONS(登録商標)系、LIGHTCYCLER(登録商標)、AMPLIFLUOUR(登録商標)及びSCORPION(登録商標)プローブ系のいずれか1つからなる、請求項50に記載の方法。
  52. 検出する酵素、及び/又は核酸分子、及び/又はさらなる核酸分子、及び/又は遮断核酸分子を、直接的に又は間接的に互いに相互作用することができる別々の結合実体上に固定化する、請求項1〜51のいずれか一項に記載の方法。
  53. 単一の管で実施される、請求項1〜52のいずれか一項に記載の方法。
  54. 試料中の汚染物質を検出するための方法であって、
    a)核酸分子に又は核酸分子から化学的部分を付加又は除去し、それによって、新規の検出可能な核酸分子が得られるように伸長する能力を核酸分子に付与することができる酵素と連結した同じ汚染物質の存在下で汚染物質と結合することができる試薬が固定化されている固体支持体に試料を適用するステップと、
    b)酵素活性を許容する条件下でインキュベートするステップと、
    c)新規の核酸分子の存在又はレベルを決定するステップと
    を含み、新規の核酸分子が不在であり又は低レベルであることから、試料中の汚染物質が高レベルであることが示唆される方法。
  55. 試料中の汚染物質を検出するための方法であって、
    a)汚染物質と特異的に結合することができ、核酸分子に又は核酸分子から化学的部分を付加又は除去し、それによって、新規の検出可能な核酸分子が得られるように伸長する能力を核酸分子に付与することができる酵素と連結している試薬が関与する特異的結合反応を介して汚染物質の捕捉及び分離を行うステップと、
    b)分離した汚染物質に核酸分子を添加するステップと、
    c)酵素活性を許容する条件下でインキュベートするステップと、
    d)酵素の存在下でのみ得られる新規の核酸分子を検出することによって酵素と核酸分子の相互作用があるかどうか試験するステップと
    を含み、新規の核酸分子の検出から、試料中の汚染物質の存在が示唆される方法。
  56. 請求項2〜53のいずれか一項で定義した方法の特徴を組み込む、請求項54又は55に記載の方法。
  57. 汚染物質が毒素である、請求項54〜56のいずれか一項に記載の方法。
  58. 毒素がマイコトキシン、具体的にはアフラトキシンである、請求項57に記載の方法。
  59. アフラトキシンが、アフラトキシンB1及び/又はB2及び/又はG1及び/又はG2及び/又はM1及び/又はM2及び/又はB2A及び/又はG2Aのいずれかを含む、請求項58に記載の方法。
  60. 試料が、(飲料用)給水試料、医薬品、化粧品、飲料、血液及び血小板試料を含む臨床試料、又は食物試料を含む、請求項54〜59のいずれかに記載の方法。
  61. 試薬が、汚染物質と特異的に結合する能力を保持する抗体又はその誘導体を含む、請求項54〜60のいずれかに記載の方法。
  62. 汚染物質をこの方法の間に固定化する、請求項55〜61のいずれかに記載の方法。
  63. 検出する酵素が感染性病原体と関係することによって、新規の核酸分子の検出から感染性病原体の存在が示唆される、請求項1又は2に記載の方法。
  64. 感染性病原体がアスペルギルス(Aspergillus)種又はブドウ球菌(Staphyloccocus)種である、請求項63に記載の方法。
  65. a)特異的抗体を介して感染性病原体特異的ホスファターゼの捕捉及び分離を行うサブステップと、
    b)分離したホスファターゼに、3’末端でリン酸化されているss又はdsDNAを含む核酸分子を添加するサブステップと、
    c)ホスファターゼ活性を許容する条件下でインキュベートするサブステップと、
    d)リガーゼ、及びリン酸基が結合した5’末端を有するさらなる核酸分子を試料に添加しインキュベーションを行うサブステップと、
    e)新規の連結核酸分子を検出するサブステップと
    を含み、新規の連結核酸分子の存在から、感染性病原体ホスファターゼの存在が示唆される、感染性病原体と関係するホスファターゼ酵素を検出するための、請求項1、63及び64のいずれか一項に記載の方法。
  66. a)特異的抗体を介して感染性病原体特異的ホスファターゼの捕捉及び分離を行うサブステップと、
    b)分離したホスファターゼに、突出している5’末端でリン酸化されている核酸分子を添加するサブステップと、
    c)ホスファターゼ活性を許容する条件下でインキュベートするサブステップと、
    d)リガーゼ、5’リン酸がホスファターゼ活性によって5’突出から除去されていない場合に核酸分子と連結することができる遮断ds核酸分子、及び一方の末端に5’突出を有しこの5’末端でリン酸化されているさらなる核酸分子を試料に添加しインキュベーションを行うサブステップと、
    e)核酸分子とさらなる核酸分子の連結の産物である、ホスファターゼの存在下でのみ生じる新規の連結核酸分子を検出するサブステップと
    を含み、新規の連結核酸分子の存在から、感染性病原体ホスファターゼの存在が示唆される、感染性病原体と関係するホスファターゼ酵素を検出するための、請求項1、63及び64のいずれか一項に記載の方法。
  67. a)特異的抗体を介して感染性病原体特異的ホスファターゼの捕捉及び分離を行うサブステップと、
    a)分離したホスファターゼに、一方の鎖が5’突出を有し、短い方の鎖が、リン酸基が結合した3’末端を有するdsDNAを含む核酸分子を添加するサブステップと、
    b)ホスファターゼ活性を許容する条件下でインキュベートするサブステップと、
    c)ポリメラーゼ及び標識ヌクレオチドを試料に添加しインキュベーションを行うサブステップと、
    d)新規の核酸分子中に取り込まれた標識ヌクレオチドを検出するサブステップと
    を含み、新規の核酸分子中の標識ヌクレオチドの存在から、感染性病原体ホスファターゼの存在が示唆される、感染性病原体と関係するホスファターゼ酵素を検出するための、請求項1、63及び64のいずれか一項に記載の方法。
  68. a)特異的抗体を介して感染性病原体特異的ホスファターゼの捕捉及び分離を行うサブステップと、
    b)分離したホスファターゼに、一方の鎖が5’突出を有しウラシル残基を取り込み、短い方の鎖が、リン酸基が結合した3’末端を有するdsDNAを含む核酸分子を添加するサブステップと、
    c)ホスファターゼ活性を許容する条件下でインキュベートするサブステップと、
    d)ポリメラーゼ、ウラシルN−グリコシラーゼ(UNG)及びヌクレオチドを試料に添加しインキュベーションを行うサブステップと、
    e)新規の核酸分子を検出するサブステップと
    を含み、新規の核酸分子の存在から、感染性病原体ホスファターゼの存在が示唆される、感染性病原体と関係するホスファターゼ酵素を検出するための、請求項1、63及び64のいずれか一項に記載の方法。
  69. a)特異的抗体を介して感染性病原体特異的ホスファターゼの捕捉及び分離を行うサブステップと、
    b)末端3’リン酸が存在する一本鎖DNA分子と、伸長することができないように3’末端で遮断された、重複している一本鎖DNA分子とを含む核酸分子を試料に添加するサブステップと、
    c)ホスファターゼ活性を許容する条件下でインキュベートするサブステップと、
    d)ポリメラーゼを試料に添加しインキュベーションを行うサブステップと、
    e)新規の核酸分子を検出するサブステップと
    を含み、新規の核酸分子の存在から、感染性病原体ホスファターゼの存在が示唆される、感染性病原体と関係するホスファターゼ酵素を検出するための、請求項1、63及び64のいずれか一項に記載の方法。
  70. a)特異的抗体を介して感染性病原体特異的ホスファターゼの捕捉及び分離を行うサブステップと、
    b)末端3’リン酸が存在する一本鎖DNA分子を含む核酸分子を試料に添加するサブステップと、
    c)ホスファターゼ活性を許容する条件下でインキュベートするサブステップと、
    d)伸長することができないように3’末端で遮断された、重複している一本鎖DNA分子を添加するサブステップと、
    e)ポリメラーゼを試料に添加しインキュベーションを行うサブステップと、
    f)新規の核酸分子を検出するサブステップと
    を含み、新規の核酸分子の存在から、感染性病原体ホスファターゼの存在が示唆される、感染性病原体と関係するホスファターゼ酵素を検出するための、請求項1、63及び64のいずれか一項に記載の方法。
  71. a)特異的抗体を介して感染性病原体特異的ホスファターゼの捕捉及び分離を行うサブステップと、
    b)末端3’リン酸が存在する部分的dsDNAを含む核酸分子を試料に添加するサブステップと、
    c)ホスファターゼ活性を許容する条件下でインキュベートするサブステップと、
    d)ポリメラーゼを試料に添加しインキュベーションを行うサブステップと、
    e)新規の核酸分子を検出するサブステップと
    を含み、新規の核酸分子の存在から、感染性病原体ホスファターゼの存在が示唆される、感染性病原体と関係するホスファターゼ酵素を検出するための、請求項1、63及び64のいずれか一項に記載の方法。
  72. 哺乳動物対象において前立腺癌を診断する方法であって、
    試験下にある対象から得られた試料に、核酸分子と相互作用する前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)が存在するかどうか試験を行うステップと、
    元の核酸分子の伸長によって生じた新規の核酸分子を検出することによってPAPと核酸分子の相互作用があるかどうか試験するステップと
    を含み、新規の核酸分子の存在から、試料中の前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)の存在が示唆され、新規の核酸分子の存在が、対象が前立腺癌を有することを示唆するものとみなされる方法。
  73. 哺乳動物対象において血清アルカリ性ホスファターゼレベルの上昇と関係する疾患を診断する方法であって、
    対象から得られた試料に、核酸分子と相互作用する血清アルカリ性ホスファターゼが存在するかどうか試験を行うステップと、
    元の核酸分子の伸長によって生じた新規の核酸分子を検出することによって血清アルカリ性ホスファターゼと核酸分子の相互作用があるかどうか試験するステップと
    を含み、新規の核酸分子の存在から、試料中の血清アルカリ性ホスファターゼの存在が示唆され、新規の核酸分子の存在が、血清アルカリ性ホスファターゼレベルの上昇と関係する疾患を有することを示唆するものとみなされる方法。
  74. 請求項6〜47のいずれか一項で定義した方法を組み込む、請求項72又は73に記載の方法。
  75. 敗血症、AIDS、悪性腫瘍、閉塞性胆道疾患、浸潤性肝疾患、敗血症及び胆管癌のいずれか1つを診断するために使用される、請求項73又は74に記載の方法。
  76. in vitroで実施される、請求項72〜75のいずれか一項に記載の方法。
  77. 対象から試料を得るステップをさらに含む、請求項72〜75のいずれか一項に記載の方法。
  78. 核酸分子に又は核酸分子から化学的部分を付加又は除去し、それによって、新規の検出可能な核酸分子が得られるように伸長する能力を核酸分子に付与することができる酵素を検出するためのキットであって、
    酵素によって作用を受けることが可能である核酸分子と、
    酵素が存在する場合だけ生じる新規の核酸分子を検出する手段と
    を含むキット。
  79. 連結によって新規の核酸分子が生じる、請求項78に記載のキット。
  80. 核酸分子が3’末端リン酸基を有し、さらに、末端5’リン酸基を有するさらなる核酸分子を含む、請求項79に記載のキット。
  81. リガーゼをさらに含む、請求項79又は80に記載のキット。
  82. リガーゼがT4DNAリガーゼ又はT4RNAリガーゼであり、核酸分子がそれに応じてds又はssである、請求項81に記載のキット。
  83. 核酸分子がdsであり、5’末端リン酸基と結合した5’突出を有し、さらに、5’突出を有しこの5’突出と結合した末端5’リン酸基を有するさらなるds核酸分子を含む、請求項78に記載のキット。
  84. 5’リン酸がホスファターゼ活性によって5’突出から除去されていない場合に核酸分子と連結することができる遮断ds核酸分子をさらに含む、請求項79又は83に記載のキット。
  85. リガーゼをさらに含む、請求項79、83又は84に記載のキット。
  86. リガーゼがT4DNAリガーゼである、請求項85に記載のキット。
  87. 重合化によって新規の核酸分子が生じる、請求項78に記載のキット。
  88. 核酸分子が、末端3’リン酸が存在する一本鎖DNA分子、及び伸長することができないように3’末端で遮断された、重複している一本鎖DNA分子を含む、請求項78又は87に記載のキット。
  89. 核酸分子が、末端3’リン酸が存在し、末端リン酸が試料中のホスファターゼによって除去される場合に核酸合成の開始を可能にする一本鎖エレメントを有するdsDNAを含む、請求項78又は87に記載のキット。
  90. 核酸分子がニックの入ったdsDNAを含む、請求項89に記載のキット。
  91. dsDNAが、3’リン酸で遮断されたオリゴヌクレオチド2つのアニーリングによって形成される、請求項89に記載のキット。
  92. 核酸分子が、一方の鎖が5’突出を有し、短い方の鎖が、リン酸基が結合した3’末端を有するdsDNAを含む、請求項87に記載のキット。
  93. ポリメラーゼ及び標識ヌクレオチドをさらに含む、請求項87又は88に記載のキット。
  94. 核酸分子が、一方の鎖が5’突出を有しウラシルヌクレオチドを取り込み、短い方の鎖が、リン酸基が結合した3’末端を有するdsDNAを含む、請求項87に記載のキット。
  95. ポリメラーゼ、ウラシルN−グリコシラーゼ及びヌクレオチドをさらに含む、請求項94に記載のキット。
  96. 検出する酵素がアルカリ性ホスファターゼである、請求項78〜95のいずれか一項に記載のキット。
  97. 核酸分子の感受性の変化を測定する手段が核酸増幅を必要とする、請求項78〜96のいずれか一項に記載のキット。
  98. 核酸増幅に必要な試薬をさらに含む、請求項97に記載のキット。
  99. 核酸増幅ステップが、PCR、NASBA、ローリングサークル型複製、3SR及びTMAから選択される、請求項97又は98に記載のキット。
  100. 核酸増幅産物のリアルタイム検出に必要なプローブ及び試薬をさらに含む、請求項97〜99のいずれか一項に記載のキット。
  101. リアルタイム検出法が、TAQMAN(登録商標)系、MOLECULAR BEACONS(登録商標)系、LIGHTCYCLER(登録商標)、AMPLIFLUOUR(登録商標)及びSCORPION(登録商標)プローブ系から選択される、請求項100に記載のキット。
  102. 感染性病原体特異的ホスファターゼに選択的な抗体をさらに含む、請求項78〜101のいずれか一項に記載のキット。
  103. 感染性病原体がアスペルギルス種又はブドウ球菌種である、請求項102に記載のキット。
  104. 試料中の汚染物質を検出するためのキットであって、
    (i)汚染物質と特異的に結合することができる試薬であり、核酸分子に又は核酸分子から化学的部分を付加又は除去し、それによって、新規の検出可能な核酸分子が得られるように伸長する能力を核酸分子に付与することができる酵素と連結する試薬と、
    (ii)酵素によって作用を受けることが可能である核酸分子と
    を含むキット。
  105. 試料中の汚染物質を検出するためのキットであって、
    (i)検出する汚染物質と同じ汚染物質と、核酸分子に又は核酸分子から化学的部分を付加又は除去し、それによって、新規の検出可能な核酸分子が得られるように伸長する能力を核酸分子に付与することができる酵素の結合体と、
    (ii)酵素によって作用を受けることが可能である核酸分子と
    を含むキット。
  106. 新規の核酸分子を検出する手段をさらに含む、請求項104又は105に記載のキット。
  107. 酵素がホスファターゼ、好ましくはアルカリ性ホスファターゼを含む、請求項104〜106のいずれか一項に記載のキット。
  108. 汚染物質が毒素を含む、請求項104〜107のいずれか一項に記載のキット。
  109. 毒素がマイコトキシン、具体的にはアフラトキシンを含む、請求項108に記載のキット。
  110. アフラトキシンが、アフラトキシンB1及び/又はB2及び/又はG1及び/又はG2及び/又はM1及び/又はM2及び/又はB2A及び/又はG2Aのいずれかを含む、請求項109に記載のキット。
  111. 試薬が、汚染物質と特異的に結合する能力を保持する抗体又はその誘導体を含む、請求項104〜110のいずれか一項に記載のキット。
  112. 汚染物質を固定化する手段をさらに含む、請求項104〜111のいずれか一項に記載のキット。
  113. 請求項78〜101のいずれか一項で定義したキットの特徴をさらに含む、請求項104〜112のいずれか一項に記載のキット。
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