JP4209977B2 - 淋菌の核酸の増幅および検出による淋菌の検出 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、患者に淋菌(ネイセリア・ゴノルホア;Neisseria gonorrhoea)が存在するか否かを決定する方法に関する。本方法は、好ましくは鎖置換増幅(Strand Displacement Amplification;SDA)、好熱性鎖置換増幅(thermophilic Strand Displacement Amplification;tSDA)または蛍光リアルタイムtSDA(fluorescent real time tSDA)の技術を使用して、淋菌のDNAを特異的に増幅するために核酸プライマーを使用することを含む。
【0002】
【従来の技術】
Neisseria gonorrhoeaは、性行為感染症淋病の原因因子である。淋病は、抗生物質治療にも拘わらず、ヒトについて報告されている最も流行している性行為感染症の1つである。この微生物の診断および検出は、今でも臨床スワブを一晩培養した後の化学的および/または顕微鏡的同定に依存している。N. gonorrhoeaは、他の近縁関係にあるNeisseria属の種と極めて高度の相同性を共有する。N. gonorrhoeaに特異的なプライマーをデザインしようとするとき、難しい問題がある。本発明は、好熱性鎖置換増幅(tSDA)に使用されるN. gonorrhoeaに特異的なプライマーの開発について記載する。
【0003】
Doneganらは、N. gonorrhoeaのゲノムDNA由来のM13ライブラリーの「サンドイッチハイブリッド形成」スクリーニングによって、数種のN. gonorrhoeaに特異的なDNAフラグメントを同定した(Donegan et al., Mol. Cell. Prob.3:13-26 (1989);米国特許第4,755,458号)。米国特許第5,108,895号には、このフラグメントの1つがさらにマッピングされ、特徴付されている。
【0004】
サザンハイブリダイゼーションやドットブロットなどのオリゴヌクレオチドプローブに基づくアッセイは、迅速な結果を(すなわち、1日以内)、細菌感染の診断に反映することができる。通常、核酸の増幅に基づくアッセイはさらに敏感であり、さらに迅速に、多くの場合1時間以内に、結果を提供することが可能である。N. gonorrhoea感染を診断する場合、このような方法は、この種に特異的なオリゴヌクレオチドプローブまたはプライマーの開発を必要とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、Neisseria gonorrhoeaの種特異的な検出および同定のための増幅プライマーおよびアッセイプローブとして有用なオリゴヌクレオチドを提供する。種特異性は、本発明のプライマーが、他種の近縁関係にある微生物の標的配列をほとんどまたは全く検出可能に増幅せずに、Neisseria gonorrhoeaの核酸の標的配列を増幅することを意味する。本発明のプライマーは、Neisseria gonorrhoeaの標的配列を独自に増幅するが、他の細菌の標的配列を増幅せず、そのため、Neisseria gonorrhoeaを敏感に検出および同定することができる。tSDAに合うようにプライマーを最適化すると、短い反応時間で増幅効率を高めることができる。
【0006】
本発明のオリゴヌクレオチドは、培養後、培養された生物の同一性を確認する手段として使用することが可能である。あるいは、このオリゴヌクレオチドは、既知の増幅方法を使用してNeisseria gonorrhoeaの核酸を検出および同定するための培養前に、または培養の代わりに使用することが可能である。いずれの場合にも、本発明のオリゴヌクレオチドおよびアッセイ方法はNeisseria gonorrhoeaと他種の微生物とを識別する手段を提供し、開業医は、慣例上頼みにしている時間のかかる表現型手法および生化学的手法を実施しなくても、この微生物を迅速に同定することができる。感染に関与する特異的な病因がこのように迅速に同定できれば、適切な治療法の決定に使用することができる情報を短時間のうちに得ることができる。
【0007】
本願明細書では、以下の用語を次のように定義する。
増幅プライマーは、標的配列にハイブリッド形成後、プライマーの伸長によって標的配列を増幅するためのプライマーである。一般に、増幅プライマーは長さ約10〜75ヌクレオチドであり、好ましくは長さ約15〜50ヌクレオチドである。SDA用の増幅プライマーの全長は、一般に約25〜50ヌクレオチドである。SDA増幅プライマー(標的結合配列)の3(末端は、標的配列の5(末端でハイブリッド形成する。標的結合配列は長さ約10〜25ヌクレオチドであり、増幅プライマーにハイブリッド形成について特異性を与える。SDA増幅プライマーは、制限エンドヌクレアーゼの認識部位5(から標的結合配列までをさらに含む。
【0008】
G. Walkerらが記載している通り(PNAS 89: 392-396 (1992)および、Nucl. Acids Res.20: 1691-1696 (1992))、認識部位が半修飾されているとき、認識部位はDNA二重らせんの鎖1本をニックする制限エンドヌクレアーゼとして用いられる。
SDA中に増幅プライマーの残りがニックされて置換されるとき、5(から制限エンドヌクレアーゼ認識部位までのヌクレオチド(「尾部」)は、ポリメラーゼリプライミング部位の役割をする。尾部ヌクレオチドのリプライミング機能によってSDA反応が維持され、1つの標的分子から多重アンプリコンを合成することが可能になる。尾部は一般に長さ約10〜25ヌクレオチドである。標的結合配列は、その標的特異性を決定するプライマーの一部であるため、標的の末端に専用の配列を必要としない増幅方法の場合、一般に増幅プライマーは本質的に標的結合配列のみで構成される。ニック可能な制限エンドヌクレアーゼ認識部位およびSDAの尾部以外の標的に追加された、専用の配列(たとえば、3SR、NASBAまたは転写ベースの増殖用のRNAポリメラーゼプロモーター)を必要とする増幅方法では、ルーチンのオリゴヌクレオチド調製方法を使用して、プライマーのハイブリッド形成特異性を変えずに、必要とする専用の配列を標的結合配列に連結させることが可能である。
【0009】
バンパープライマーまたは外部プライマーは、等温増幅反応でプライマー伸長生成物を置換するために使用される。このバンパープライマーは、バンパープライマーの伸長が下流の増殖プライマーとその伸長生成物を置換するという具合に、増幅プライマーの上流の標的配列にアニーリングする。
【0010】
標的または標的配列は、増幅すべき核酸配列を指す。これは、増幅すべき最初の核酸配列、増幅すべき最初の核酸配列の第2鎖および増幅反応によって産生された最初の配列のコピーのいずれかの鎖を含む。これらのコピーは、増幅プライマーがハイブリッド形成する対象である配列のコピーを含むという理由で、増幅可能な標的の役割をする。
【0011】
増幅反応中に生じた標的配列のコピーは、増幅生成物、アンプリマー、またはアンプリコンと呼ばれる。
伸長生成物という用語は、プライマーのハイブリッド形成および標的配列を鋳型として使用するポリメラーゼによるプライマーの伸長によって生じる標的配列のコピーを指す。
【0012】
種特異性という用語は、同じ属の他種または異なる属の種では実質的に検出、増幅またはオリゴヌクレオチドハイブリッド形成しないが、ある生物種または一群の関連種ついては検出、増幅またはオリゴヌクレオチドハイブリッド形成することを指す。
アッセイプローブという用語は、核酸の検出または同定を容易にするために使用されるオリゴヌクレオチドを指す。たとえば、本発明では、アッセイプローブはN. gonorrhoea核酸の検出および同定に使用される。以下に記載の検出プローブ、検出用プライマー、捕捉プライマーおよびシグナルプライマーは、アッセイプローブの例である。
添付の図面と一緒に読むと、以下の詳細な説明から本発明の様々な目的、長所および斬新な特徴が容易に理解できるであろう。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明は、核酸増幅反応でNeisseria gonorrhoeaについて特異性を示すオリゴヌクレオチド、増幅プライマーおよびアッセイプローブを提供する。本発明のオリゴヌクレオチドを使用してNeisseria gonorrhoeaの核酸を検出および同定する方法も提供する。好ましい方法はtSDAおよび均一リアルタイム蛍光tSDA反応でオリゴヌクレオチドを使用することである。以上の方法は米国特許第5,547,861号、米国特許第5,648,211号、1997年5月30日に提出された米国特許出願第08/865,675号、および1997年5月13日に提出された米国特許出願番号第08/855,085号により教示されており、引用することによりこの開示内容は本明細書の一部をなすものとする。
【0014】
本発明は、Neisseria gonorrhoeaゲノムDNAを特異的に増幅して検出する3種のtSDAシステム(GCIR5、GCIRSLおよびGC02)を提供する。各システムについて数種プライマーの組み合わせをデザインし、統計学的にデザインされた実験で試験した。各システムについて最良のプライマーの組み合わせで、特異性、感度および交差反応性の実験を行った。
【0015】
N. gonorrhoeaゲノムDNAの800塩基対領域を対象に配列分析を実施した。
プライマーGC 1.3、5'-CTGATATCTGCATGGAGGCAA-3'(配列番号1)およびGC 2.3、 5'-GATCGTAATCTCCGCCTTTCTT-3'(配列番号2) を使用して、800bp領域を作成し、IR.R.2、5'-CCGCAGCATACGCGCAAATCAA-3'(配列番号3)およびIRLI、5'- GGTATGGTTTCAAGACGCTTCA-3'(配列番号4)を使用して、その内部の200bp領域を作成した。しかし、このフラグメント内に、Neisseria種との交差反応性領域が幾つか同定された。この情報に基づいて、3種のtSDAシステムをデザインした。
【0016】
Neisseria gonorrhoea核酸の800bpフラグメントに基づいて、プライマーをデザインした。最適条件に合うように、プライマーの組み合わせをスクリーニングした。様々な検出用プローブのtSDA反応および蛍光リアルタイムtSDA反応における特異性および感度を試験した。
【0017】
核酸はハイブリッド形成に完全な相補性を必要としないため、本願明細書に開示されているプローブ配列およびプライマー配列は、Neisseria gonorrhoeaに特異的なプローブおよびプライマーとしての有用性を喪失せずに、ある程度修飾できることが理解されるであろう。当該技術において周知の通り、ハイブリッド形成条件(すなわち、ハイブリッド形成温度または緩衝液の塩含有量)を調節してストリンジェンシーを増大または低減することにより、相補的核酸配列および部分的相補的核酸配列のハイブリッド形成を達成することが可能である。開示された配列のこのような些細な修飾およびNeisseria gonorrhoeaについての特異性を維持するために必要なハイブリッド形成条件の調節は、ルーチンの実験のみを必要とし、且つ当該技術上通常の熟練の範囲内である。
【0018】
本発明のプライマーを使用して製作した増幅生成物は、独特のサイズによってたとえば、臭化エチジウムで染色したポリアクリルアミドゲルまたはアガロースゲル上で、検出することが可能である。あるいは、検出可能な標識で標識したオリゴヌクレオチドであるアッセイプローブを使用して、増幅されたN. gonorrhoea標的配列を検出することが可能である。1つの実施態様では、少なくとも1つのアッセイプローブを、ハイブリッド形成(検出用プローブ)、Walker et al., Nucl. Acids Res.,前出に記載のハイブリッド形成および伸長(検出用プライマー)、または欧州特許第0 678 582号に記載のハイブリッド形成、伸長および二本鎖型への変換(シグナルプライマー)によって増幅された標的配列の検出に使用することが可能である。好ましくは、アッセイプローブは、増幅プライマーの間にある標的の配列にハイブリッド形成するように選択される、すなわち、アッセイプローブは内部アッセイプローブでなければならない。あるいは、増幅プライマーまたはその標的結合配列を、アッセイプローブとして使用することが可能である。
【0019】
アッセイプローブの検出可能な標識は、標的核酸が存在する指標として、直接または間接に検出することができる部分である。標識の直接検出の場合、アッセイプローブを放射性同位元素で標識してオートラジオグラフィーで検出するか、または蛍光部分で標識して当該技術上周知の蛍光で検出することが可能である。あるいは、アッセイプローブを検出可能にするために別の試薬を必要とする標識で標識することによって、アッセイプローブを間接的に検出することが可能である。間接的に検出可能な標識としては、たとえば、化学発光剤、目に見える反応生成物を生じる酵素および標識された特異的結合パートナー(たとえば、抗体または抗原/ハプテン)に結合することによって検出することが可能なリガンド(たとえば、ハプテン、抗体または抗原)などがある。リガンドは、検出を容易にするために、リガンド−標識オリゴヌクレオチドを固相に固定するのにも有用である(捕捉プローブ)。特に有用な標識としては、ビオチン(標識されたアビジンまたはストレプトアビジンに結合することによって検出できる)および西洋ワサビペルオキシダーゼやアルカリホスファターゼなどの酵素(酵素基質を加えて有色反応生成物を生ずることによって検出できる)などがある。オリゴヌクレオチドに、このような標識を加えたりこのような標識を含める方法は当該技術上周知であり、これらの方法のいずれも本発明について使用するのに適している。
【0020】
使用することが可能な特異的検出方法の例としては、米国特許第5,470,723号に記載されているビオチン化された捕捉プローブおよび酵素複合検出用プローブを使用して増幅生成物を検出する化学発光法がある。上記2つのアッセイプローブを、標的配列のアッセイ領域の異なる部位(2つの増幅プライマーの結合部位の間)にハイブリッド形成した後、捕捉プローブを使用して、この複合体をストレプトアビジンでコートした微量滴定プレート上に捕捉し、化学発光シグナルを発生させて照度計で読む。増幅生成物を検出する別の代わりとして、欧州特許第0 678 582号に記載のシグナルプライマーがSDA反応に含まれていてもよい。この実施態様では、標識された二次増幅生成物が、標的の増幅に依存的な様式でSDA中に作られ、これを、関連標識を使用して標的増幅の目安として検出することができる。
【0021】
商業的に便利なため、N. gonorrhoea核酸の特異的検出および同定のための増幅プライマーをキットの形で提供することが可能である。一般に、このようなキットは、本発明による増幅プライマーを少なくとも1対含む。N. gonorrhoeaに特異的な増幅プライマーと共に、核酸増幅反応を実施するための試薬たとえば、緩衝液、別のプライマー、ヌクレオチド三リン酸、酵素なども含んでもよい。キットの成分は、普通の容器内に一緒に包装されており、場合に応じて、本発明の方法の個々の実施態様を実施するための説明書が入っている。他の任意の成分、たとえば、アッセイプローブとして使用するのに適した標識で標識されたオリゴヌクレオチド、および/または標識を検出するための試薬または方法も、キットに含めることができる。
【0022】
検出用プローブと関連した増幅プライマーの標的結合配列は、ハイブリッド形成の種特異性をオリゴヌクレオチドに与えることができ、したがって増幅に基づくアッセイに種特異性を与えることができる。選択された増幅反応の実施に必要であれば、オリゴヌクレオチドの種特異性を変えずに、他の配列を、本願明細書に開示されている標的結合配列に任意に加えることが可能である。例として、本発明のN. gonorrhoeaに特異的な増幅プライマーは、SDA反応中にニックされる制限エンドヌクレアーゼBsoB1の認識部位を含んでもよい。欧州特許第0 648 315号に記載の認識部位を含むがこれに限定されない、他のニック可能な制限エンドヌクレアーゼ認識部位をBsoB1認識部位の代わりに用いてもよいことが当業者には明白であろう。好ましくは、認識部位は、好熱性SDA(tSDA)の条件下で増幅反応を実施することができるように好熱性制限エンドヌクレアーゼとして用いられる。同様に、増幅プライマーの尾部配列(5(から制限エンドヌクレアーゼ認識部位まで)は一般に重要ではないが、SDAに使用される制限部位および自身の標的結合配列または他のプライマーのいずれかにハイブリッド形成する配列は避けなければならない。したがって、本発明によるSDA用の増幅プライマーは、3(標的結合配列、ニック可能な制限エンドヌクレアーゼ認識部位5(から標的結合配列まで、および長さ約10〜25ヌクレオチドの尾部配列から制限エンドヌクレアーゼ認識部位までで構成される。ニック可能な制限エンドヌクレアーゼ認識部位およびテイル配列は、SDA反応に必要な配列である。他の増幅反応の場合、本発明による増幅プライマーは、開示されている標的結合配列のみで構成されてもよく(たとえば、PCRの場合)、または標的結合配列と選択された増幅反応に必要な別の配列(たとえば、上述のSDAに必要な配列または3SR用RNAポリメラーゼにより認識されるプロモーター)とで構成されてもよい。
【0023】
SDAでは、バンパープライマーは下流の種特異的増殖プライマーと置換する作用をするため、バンパープライマーは種特異性に不可欠ではない。バンパープライマーが伸長されるとき、ハンパープライマーが増幅プライマーとその伸長生成物を置換えるために、バンパープライマーが増幅プライマーから上流の標的にハイブリッド形成できることのみが必要である。したがって、バンパープライマーの個々の配列は、一般に重要ではなく、バンパープライマーが伸長するとすぐに、増幅プライマー伸長生成物を置換できるほど、増幅プライマーの結合部位に十分に近い任意の上流標的配列から誘導することが可能である。バンパープライマーが相変わらず特定の標的配列にハイブリッド形成できる限り、バンパープライマー配列における標的と時にミスマッチがあったとしても、または非標的配列との若干の交差ハイブリッドを形成しても、一般に、それらのことが増幅効率に負の影響を及ぼすことはない。しかし、本願明細書に記載のバンパープライマーはN. gonorrhoeaに特異的であり、したがって要望があれば、増幅プライマーの標的結合配列としても使用することができる。
【0024】
本発明のプライマーを使用する増幅反応は、Walkerら(前出)による教示通り、チミンを含んでもよく、あるいは、たとえば欧州特許第0 624 643号に教示されている通りに、TTPの代わりに2(-デオキシウリジン5(-三リン酸を全体的にまたは部分的に反応に用いて、次の増幅反応の交差汚染を減少させることが可能である。dU(ウリジン)は増幅生成物中に組込まれるため、ウラシルDNAグルコシラーゼ(UDG)処理によって切り取ることができる。これらの非塩基性部位は、次の増幅反応で増幅生成物を非増幅可能にさせる。次の増幅を実施する前に、ウラシルグリコシラーゼインヒビター(Ugi)によってUDGを失活させ、新たに形成された増幅生成物におけるdUの切除を防止することができる。
【0025】
プライマー、バンパーおよび検出用配列の異なる組み合わせを使用して、tSDAを実施するための他のシステムを開発した。しかし、他のシステムは、特性が十分にないこと、最適条件の範囲が狭いこと、安定でないことなど様々な理由で好ましくなかった。
N. gonorrhoea核酸配列の均一な核酸増幅およびリアルタイム検出を実施するのに有用であったシステムを、下記のプライマーおよび検出用配列から開発した。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
蛍光リアルタイムtSDA技術を使用して、Neisseria gonorrhoeaの分析を実施した。GCIR5およびGCIRSL用にデザインしたプライマー、バンパーおよび検出用配列を、それぞれ図1および図2に示す。DNA配列の上または下の四角で、増幅プライマーおよび蛍光検出用配列のアニーリング領域を示す。最適感度を得るために、蛍光GCIR5およびGCIRSLのtSDAの条件を継続的に修飾した。下記は、GCIR5用のこのような1組の最適条件およびGCIRSL用のこのような1組の最適条件である。
【0030】
GCIR5
7%グリセロール
8%DMSO
45mMリン酸カリウム
(0.1mM)dATP、(0.1mM)dGTP、(0.25mM)dUTP、(0.7mM)α−チオdCTP
5mM酢酸マグネシウム
100μg/mlBSA
1.82%トレハロース
360μM DTT
2400ngヒトDNA
320単位BsoBI制限エンドヌクレアーゼ
20単位Bstポリメラーゼ
1単位ウラシル−N−グリコシラーゼ
5単位ウラシル−N−グリコシラーゼインヒビター
200nM検出用配列(FD10)(配列番号15)
500nM増幅プライマー(GCIR-AL5.3(配列番号7)およびGCIR-AR5.1(配列番号8))
50nMバンパー(GCIR-BL5.1(配列番号11)およびGCIR-BR5.1(配列番号12))
【0031】
反応体積100μl
除染を45℃で20分間実施した
増幅を52℃で60分間実施した
【0032】
GCIRSL
7%グリセロール
5%DMSO
25mMリン酸カリウム
(0.2mM)dATP、(0.2mM)dGTP、(0.5mM)dUTP、(1.4mM)α−チオdCTP
6mM酢酸マグネシウム
100μg/mlBSA
1.82%トレハロース
360μM DTT
2000ngヒトDNA
1単位ウラシル−N−グリコシラーゼ
5単位ウラシル−N−グリコシラーゼインヒビター
480単位BsoBI
30単位Bst
200nM検出用配列(GCIRSL.FD1(配列番号31))
500nM増幅プライマー(GCIRSL-APL1(配列番号22)およびGCIRSL.APR1(配列番号24))
50nMバンパー(GCIRSL.BL(配列番号27)およびGCIRSL.BR(配列番号28))
【0033】
反応体積100ul
除染を45℃で20分間実施した
増幅を52℃で60分間実施した
【0034】
例に詳細に説明する通り、検出用配列GCIR5-FD10(配列番号15)およびGCIRSL-FD1(配列番号31)と、標的DNA源としてのプラスミドGC10とを使用して、蛍光リアルタイムtSDAにおけるGCIR5およびGCIRSLの感度を評価した。プラスミドGC10は、pUC18に挿入されたNeisseria gonorrhoeaゲノムの800塩基対領域を含む。GC10プラスミドの250コピー、50コピー、25コピーおよび12コピーの滴定を使用して、蛍光tSDAを実施した。FD10を用いたGCIR5は、下は25コピーのGC10プラスミドまで検出することができた。リアルタイムtSDAにおけるGCIRSLの感度は、250コピーのGC10プラスミドであると決定された。陽性であるという反応の判定は、試料反応のRFU値とネガティブコントロール(標的DNAを全く加えない)のRFU値を比較することによって決定した。GC10との反応によって、ネガティブコントロールの平均RFU値の2〜3倍より大きいRFU値が生じれば、その時は陽性であると考えた。
【0035】
GCIR5の他の検出用配列は、別の実験で試験されていた。FD1(配列番号21)、FD2(配列番号20)、FD3(配列番号17)、FD6(配列番号19)、FD8(配列番号16)、FD11(配列番号18)。FD8、FD3およびFD1は、250コピーのレベルでGC10プラスミドを検出することができたが、FD11,FD6およびFD2などの他のものは、この同一標的濃度で、RFU値が低かった。このことから、最高の感度を得るためには、複数の検出用配列/長さを試験することが重要なことがわかり、結果として、GCIR5-FD10(配列番号15)をリアルタイム蛍光tSDAで使用する一次検出用として選択した。
【0036】
様々なNeisseria gonorrhoea菌株、他のNeisseria種、および無関係の細菌およびウイルスを試験することによって、GCIR5およびGCIRSLの特異性および交差反応性を決定した。Neisseria gonorrhoeakin12菌株を1×104ゲノムで試験した。全ての交差反応体DNAを約1〜107ゲノムコピーに希釈した。Neisseria gonorrhoea12菌株を1×104ゲノムで試験した。全ての交差反応物DNAを約1×107ゲノムコピーに希釈した。複数の実験による特異性および交差反応性を表9にまとめる。
【0037】
鎖置換増幅(SDA)は、プライマーの伸長、半修飾制限エンドヌクレアーゼ認識/開裂部位のニッキング、1本鎖伸長生成物の置換、プライマーの伸長生成物(または最初の標的配列)へのアニーリング、および次のプライマーの伸長が反応混合物中で同時に起こる等温核酸増幅法である。これは、反応の温度循環特性の結果として、反応の諸段階が不連続な相またはサイクルで起こるポリメラーゼ連鎖反応とは違う。SDAは、1)制限エンドヌクレアーゼが、ヘミチオリン酸型の二本鎖認識/開裂部位の未修飾鎖をニックできること、2)あるポリメラーゼが、ニックで複製を開始し、下流の非鋳型鎖を置換できることに基づいている。プライマーアニーリング用の二本鎖標的配列を変性させるため、高温(約95℃)で初回インキュベーション後、その後の重合および新たに合成された鎖の置換は一定の温度で行われる。標的配列の各新しいコピーの生産は、5つの段階で構成される。1)増幅プライマーを、最初の標的配列または予め重合させて置換した一本鎖伸長生成物に結合させること、2)α−チオデオキシヌクレオシド三リン酸(α−チオdNTP)を組み込む5(−3(エキソヌクレアーゼ欠損ポリメラーゼによるプライマーの伸長、3)半修飾二本鎖制限部位のニッキング、4)ニック部位からの制限酵素の分離、および5)5(−3(エキソヌクレアーゼ欠損ポリメラーゼによる、ニックの3(末端からの伸長と、下流の新たに合成された鎖の置換。ニックからの伸長によって別のニック可能な制限部位が発生するため、ニッキング、重合および置換は一定の温度で同時に且つ連続的に起こる。一対の増幅プライマーを使用し、その各々が二本鎖標的配列の2本の鎖のうちの1本にハイブリッド形成するとき、増幅は指数関数的である。これは、センス鎖およびアンチセンス鎖が、次の回の増幅で反対側のプライマーの鋳型の役割を果たすためである。増幅プライマーを1個使用するとき、鎖1本のみがプライマー伸長の鋳型の役割をするため、増幅は直線的である。α−チオdNTPが組み込まれるとき、二本鎖認識/開裂部位をニックする制限エンドヌクレアーゼの例は、HincII、HindII、AvaI、NciIおよびFnu4HIである。以上の制限エンドヌクレアーゼ全てと、必要なニッキング活性を示す他の制限エンドヌクレアーゼは、従来のSDAで使用するのに適している。しかし、これらは比較的に熱に不安定であり、約40℃を超えると活性を失う傾向がある。
【0038】
標的配列を切断しないエンドヌクレアーゼで制限することによって、より大きい核酸を分割することによって、SDAによる増幅の標的を調製することが可能である。しかし、Walkerら(Nuc. Acids Res. (1992)前出)および米国特許第5,270,184号(引用することにより本明細書の一部をなすものとする)に記載の通りに、SDA反応におけるニッキング用に選択された制限エンドヌクレアーゼ認識/開裂部位を有する標的核酸を調製することが一般に好ましい。簡単に説明すると、標的配列が二本鎖の場合、4種のプライマーが標的配列にハイブリッド形成する。そのプライマーのうち2種(S1およびS2)はSDA増幅プライマーであり、2種(B1およびB2)は外部プライマーまたはバンパープライマーである。S1とS2は、標的配列に隣接する二本鎖核酸の反対の鎖に結合する。B1とB2は、それぞれS1およびS2の標的配列5((すなわち、上流)に結合する。3種のデオキシヌクレオシド三リン酸および少なくとも1種の修飾されたデオキシヌクレオシド三リン酸(たとえば、2(−デオキシアデノシン5(−O−(1−チオ三リン酸)、「dATPαS」)が存在する条件下で、エキソヌクレアーゼ欠損ポリメラーゼを使用して4種のプライマー全てを同時に伸長させる。置換された、増幅プライマーの一本鎖伸長生成物は、反対の増幅プライマーおよびバンパープライマーを結合する標的の役割をする(たとえば、S1の伸長生成物はS2およびB2を結合する)。次の伸長および置換のサイクルで、各末端に半修飾制限エンドヌクレアーゼ認識/開裂部位を有する2つの二本鎖核酸フラグメントが生じる。これらは、SDAによる増幅に適した基質である。SDAの場合と同様、標的生成反応の個々の段階は同時に且つ連続的に起こり、SDAでの制限酵素によるニッキングに必要な末端に認識/開裂部位を有する標的配列が生じる。SDA反応の成分の全てが既に標的生成反応に存在するため、自動的且つ連続的に発生した標的配列はSDAサイクルに入って増幅される。
【0039】
1つのSDA反応が別の増幅生成物によって交差汚染されるのを防止するために、増幅反応を阻害せずに、dTTPの代わりにdUTPをSDA増幅DNAに組み込むことが可能である。ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)で処理することによって、ウラシル修飾核酸を特異的に認識させ失活させることが可能である。したがって、先行反応でSDA増幅DNAにdUTPが組み込まれる場合、二本鎖標的を増幅する前に、後続のあらゆるSDA反応をUDGで処理し、以前の増幅反応由来のdU含有DNAを増幅不可能にさせることができる。その後の反応で増幅すべき標的DNAはdUを含まず、UDG処理による影響を受けない。次に、標的を増幅する前にUgiで処理することにより、UDGを阻害することが可能である。あるいは、UDGを熱失活させてもよい。好熱性SDAでは、より高い反応温度そのもの(≧50℃)を使用してUDG失活と標的の増幅を同時に行うことができる。
【0040】
SDAには、5(−3(エキソヌクレアーゼ活性がなく、二本鎖核酸の一本鎖ニックで重合を開始し、ニックの下流で鎖を置換すると同時に、非ニック鎖を鋳型として使用して新しい相補鎖を生成するポリメラーゼが必要である。非結合3(−OHにヌクレオチドを加えることによって、このポリメラーゼを伸長させなければならい。SDA反応を最適化させるためには、ポリメラーゼが極めて前進的であり、増幅することが可能な標的配列の長さを最大にすることが望ましい。極めて前進的なポリメラーゼは、伸長生成物の分離および合成停止前に、かなりの長さの新しい鎖を重合することができる。置換活性は、コピーのさらなる合成に標的を利用できるようにし、指数関数的な増幅反応で第二の増幅プライマーをハイブリッド形成することが可能な対象である一本鎖伸長生成物を生成するため、増幅反応に置換活性は不可欠である。反応を永続させ、次回の標的増幅を開始させるのはニッキングであるため、ニッキング活性も非常に重要である。
【0041】
好熱性SDAは、望ましい熱安定なポリメラーゼおよび熱安定な制限エンドヌクレアーゼを置き換えて、Walkerら(PNASおよびNuc. Acids Res. (1992)前出)に記載の従来のSDAと本質的に同様に実施される。もちろん、置換された酵素に適したより高い温度に反応温度を調節し、HincII制限エンドヌクレアーゼ認識/開裂部位を、選択された熱安定なエンドヌクレアーゼの適当な制限エンドヌクレアーゼ認識/開裂部位と置換する。また、Walkerらとは違って、酵素が変性温度で十分に安定であれば、初回変性ステップの前に、臨床医は反応混合物に酵素を含めることが可能である。好熱性SDAで使用するのに好ましい制限エンドヌクレアーゼはBsrI、BstNI、BsmAIおよびBsoB1(New England BioLabs)、およびBstOI(Promega)である。好ましい好熱性ポリメラーゼはBca (Panvera)およびBst(New England BioLabs)である。
【0042】
均一リアルタイム蛍光tSDAはtSDAの改良型である。この方法は検出用オリゴヌクレオチドを使用して、蛍光消光を標的依存性様式で減少させる。検出用オリゴヌクレオチドは、標的の非存在下で蛍光消光が起こるように結合されたドナー/アクセプター色素対を含む。標的の存在下で検出用オリゴヌクレオチドの分子内塩基対二次構造が開いて線状化する(linearize)と、色素間の距離が増大し、蛍光消光が減少する。一般に、塩基対二次構造の展開は、二次構造が少なくとも部分的に崩壊されるような、二次構造の配列と相補鎖との間の分子内塩基対形成を含む。塩基対二次構造は、十分な長さの相補鎖の存在下で完全に線状化すると考えられる。好ましい実施態様で、制限エンドヌクレアーゼ認識部位(Restriction endonuclease recognition site;RERS)は2つの色素の間に存在し、二次構造と相補鎖との間の分子内塩基対はRERSも二本鎖にして、制限エンドヌクレアーゼで開裂可能にする。制限エンドヌクレアーゼによる開裂またはニッキングは、ドナー色素とアクセプター色素を別個の核酸フラグメント上に分け、さらに消光を減少させる一因となる。いずれの実施態様でも、関連する蛍光パラメータの変化(たとえば、ドナー蛍光強度の増加、アクセプター蛍光強度の低減または展開前後の蛍光の比率)を標的配列の存在の指標としてモニタリングする。一般にドナー蛍光強度の変化はアクセプター蛍光強度の変化よりも大きいため、ドナー蛍光強度の変化をモニタリングすることが好ましい。蛍光寿命の変化など、他の蛍光パラメータをモニタリングしてもよい。
【0043】
均一リアルタイム蛍光tSDA用の検出用オリゴヌクレオチドは、標的配列(標的結合配列)にハイブリッド形成する一本鎖5(セクションまたは3(セクションを含むオリゴヌクレオチドであり、標的結合配列に隣接する分子内塩基対二次構造である。本発明のオリゴヌクレオチドは、二次構造が分子内塩基対形成するとき蛍光が消え、二次構造が開いて線状化すると蛍光消光が減少するという具合に、検出用オリゴヌクレオチドに結合したドナー/アクセプター色素対をさらに含む。オリゴヌクレオチドの開裂は、DNA二重らせんの両鎖のホスホジエステル結合の破壊または一本鎖DNAのホスホジエステル結合の破壊を指す。これは、DNA二重らせんの鎖2本のうちの1本のみのホスホジエステル結合の破壊を指すニッキングとは違う。
【0044】
均一リアルタイム蛍光tSDA用の発明の検出用オリゴヌクレオチドは、プライマー伸長またはハイブリッド形成のために選択された反応条件で分子内塩基対二次構造を形成する配列を含む。この二次構造は、標的結合配列の少なくとも一部が一本鎖3(テイルまたは5(テイルを形成するように、検出オリゴヌクレオチドの標的結合配列に隣接して位置する。本願明細書で使用されるとき、用語「標的結合配列に隣接した」は標的結合配列の全部または一部が、標的へのハイブリッド形成に利用できる5(尾部または3(尾部中に一本鎖のまま残されることを意味する。すなわち、二次構造は標的結合配列全体を含まない。標的結合配列の一部が二次構造の分子内塩基対形成に含まれてもよく、二次構造の分子内塩基対形成に含まれる第1の配列の全部または一部を含んでもよいが、その相補的配列内に伸長しないことが好ましい。たとえば、二次構造がステム・ループ構造(たとえば、「ヘアピン」)であり、検出用オリゴヌクレオチドの標的結合配列が一本鎖3(尾部として存在する場合、標的結合配列もステムの第1アームの全部または一部、および場合に応じて、ループの全部または一部に伸長してもよい。しかし、標的結合配列は、ステム分子内塩基対形成に関与する配列の第2アーム内に伸長しないことが好ましい。すなわち、標的にハイブリッド形成することができる二次構造の分子内塩基対形成に関与する両配列を具有しないことが望ましい。検出用オリゴヌクレオチド二次構造の分子内塩基対部分が不適当な組み合わせの場合、標的の存在下で蛍光の変化の大きさが低減するが、アッセイの感度が問題でなければ、容認できる。一本鎖尾部の標的結合配列の不適当な組み合わせも容認できるが、同様にアッセイの感度および/または特異性が低減する可能性がある。しかし、二次構造と標的結合配列の両者における完全な塩基対形成が反応を犠牲にしないことが本発明の特徴である。ハイブリッド形成に関与する配列が完全に適合すると、反応速度論に負の影響を及ぼすことなく、分析の特異性が向上する。
【0045】
本発明の検出用オリゴヌクレオチドシグナルプライマーを増幅反応に加えると、増幅プライマーのハイブリッド形成および伸長によって二本鎖型に変換される。ポリメラーゼによる鎖置換も二次構造を開いたり線状化したりし、相補鎖の合成によってこれを二本鎖型に変換する。RERSは、存在すれば、二本鎖で且つ制限エンドヌクレアーゼで開裂可能またはニック可能になる。ポリメラーゼの鎖置換活性によって二次構造が展開されたり線状化されたりすると、ドナー色素とアクセプター色素との間の距離が増大し、その結果ドナー蛍光の消光が低減する。関連した、ドナー色素またはアクセプター色素のいずれかの蛍光の変化を、標的配列の増幅の指標としてモニタリングしたり検出したりすることが可能である。一般に、RERSが開裂またはニックすると、二本鎖二次増幅生成物の別々のフラグメントが2個生じ、各々に2種の色素のうちの1種が結合しているため、蛍光の変化の大きさがさらに増大する。このフラグメントは反応溶液中で自由に拡散でき、ドナー/アクセプター対の色素間の距離がさらに増大する。ドナー蛍光強度の増大またはアクセプター蛍光強度の低減は、標的増幅が起こっているまたは起こった指標として、検出および/またはモニタリングすることができるが、ドナー/アクセプター色素対の近接によって影響を受ける他の蛍光パラメータもモニタリングすることが可能である。ドナーまたはアクセプターの蛍光強度の変化も、ドナーおよび/またはアクセプター蛍光強度の比率の変化として検出することが可能である。たとえば、a)二次構造を線状化または展開した後のドナー発蛍光団蛍光と、線状化または展開する前の検出用オリゴヌクレオチドにおけるドナー発蛍光団蛍光との比率の増加、またはb)線状化(linearization)または展開した後のアクセプター色素蛍光と、線状化または展開する前の検出用オリゴヌクレオチドにおけるアクセプター色素蛍光との比率の低減として、蛍光強度の変化を検出することが可能である。
【0046】
SDAのほかにも、本発明の検出用オリゴヌクレオチドは、他のプライマー伸長増幅方法(たとえば、PCR、3SR、TMAまたはNASBA)におけるシグナルプライマー用に改変することが可能である。たとえば、PCR増幅プライマーおよび5(→3(エキソヌクレアーゼ活性のない鎖置換DNAポリメラーゼ(たとえば、PrimegaのSequencing Grade TaqまたはNew England BioLabsのexo-Ventまたはexo-Deep VentをPCRで使用することによって、この方法をPCR用に改変することが可能である。検出用オリゴヌクレオチドシグナルプライマーは、PCR増幅プライマーから下流の標的にハイブリッド形成し、置換されて、本質的にSDAに関する記載と同様に二本鎖になる。一般に、RERSの開裂よりむしろニッキングを誘導すると考えられる修飾されたデオキシヌクレオシド三リン酸が全く存在しないため、PCRでは、場合に応じて検出用オリゴヌクレオチド用RERSを選択することが可能である。温度周期はPCRによる増幅の特徴であるため、制限エンドヌクレアーゼは、最終周期のプライマーアニーリングおよび増幅のエンドポイント検出のための伸長の後に低温で加えることが好ましい。しかし、PCR反応の高温相を通して活性のままである好熱性制限エンドヌクレアーゼは、増幅中ずっと存在することができ、即時アッセイを実施することが可能である。SDAシステムの場合と同様、二次構造の線状化および色素対の分離によって蛍光消光が低減し、強度などの蛍光パラメータの変化は標的増幅の指標の役割をする。
【0047】
検出用オリゴヌクレオチドの展開または線状化に起因する蛍光の変化は、選択された反応のエンドポイントで検出することが可能である。しかし、線状化された二次構造はハイブリッド形成およびプライマー伸長と同時に生じるため、反応が起こるにつれて、すなわち「リアルタイム」に、蛍光の変化もモニタリングすることが可能である。この均一リアルタイムアッセイフォーマットを使用して、存在する標的の初期量に関する半定量的または定量的情報を提供することができる。たとえば、(標的増幅の一部として、または非増幅検出方法で)展開反応中または直線反応中に蛍光強度が変化する速度は、初期標的レベルの指標である。結果として、存在する標的配列の初期コピーが多いほど、ドナー蛍光は選択された閾値に速やかに(すなわち、短時間で確実に)達する。同様に、アクセプター蛍光の減少は短時間で確実に達し、選択された最小値に達するのに要する時間として検出される。さらに、反応経過中の蛍光パラメータの変化の速度は、初期標的含有量が少ない試料よりも初期標的含有量が多い試料で迅速である(すなわち、上昇勾配の蛍光曲線)。当該技術上周知の通り、これらの測定または他の測定を、標的が存在する指標として、あるいは標的増幅の指標として行うことができる。一般に、標的の初期量は、実験結果と既知量の標的の結果とを比較することによって決定される。
【0048】
本発明の方法による選択された標的配列の存在のアッセイは、溶液または固相で実施することができる。検出用オリゴヌクレオチドがプライマーの役割をするリアルタイムまたはエンドポイント均一アッセイは一般に溶液で行われる。本発明の検出用オリゴヌクレオチドを使用するハイブリッド形成アッセイは溶液でも実施することが可能である(たとえば、均一リアルタイムアッセイとして)が、標的のリアルタイム検出またはエンドポイント検出のための固相アッセイに特に適している。固相アッセイでは、当該技術上周知の方法を使用した内部標識または末端標識によって検出用オリゴヌクレオチドを固相(たとえば、ビーズ、膜または反応容器)に固定することが可能である。たとえば、ビオチン標識検出用オリゴヌクレオチドをアビジン修飾固相に固定することが可能であり、この場合、適切なハイブリッド形成条件で標的に曝露したとき蛍光を変化させる。この様式で標識を捕捉すると、試料から標的を分離することが容易になり、シグナルの検出またはアッセイの他の局面を妨害する可能性がある試料注の物質を除去することができる。
【0049】
以下の実施例は本願明細書に記載の本発明の詳細な実施例を示す。当業者には明白であろうが、様々な変化および修正が可能であり、様々な変化および修正は記載されている本発明の範囲内であると考えられる。
【0050】
【実施例】
例1
tSDAプライマーセットのデザイン
tSDAプライマーセットのデザインに関して、同定された800bpのN. gonorrhoea配列を試験した。GC伸長またはAT伸長、および/またはプライマー間の強力な相互作用を引起こす小さい反復が存在するため、ゲノムのある領域を避けた。ΔG値が高いプライマー/プライマー相互作用のため、潜在的に問題がある可能性のあるtSDAセットを、ソフトウエアプログラムOligoTM(National Biosciences, Inc., Plymouth, Minnesota)を使用して選別除去した。様々なプライマーセットを領域内にデザインした。数セットは直ちに退けられ、幾つかは本格的な相互作用が欠如していた。試験した全セットの中から、さらなる研究用に1つ−GCIR5を選択した。左増幅プライマーと右増幅プライマーの両者の3種の変異体を含むGCIR5を設計した(図1)。これによって、様々な組み合わせのプライマーを試験することが可能になり、その各々は異なるTmを有していた。GCIR5システムを包含する全てのプライマーおよびその位置を図1の線図に示す。
【0051】
例2
GCIR5tSDA反応条件のデザイン
異なる濃度の補助溶剤の存在下および異なる温度で、6種のGCIR5プライマーの組み合わせを試験するために、統計学的にデザインされた実験を実施した。この実験を使用して、広い条件スペクトル全域にわたって、どのプライマー対が最も優れた増幅惹起能力を有するかを決定した。次の変数を試験した:リン酸カリウム(25mMおよび35mM)、DMSO(3%および8%)、グリセロール(3.5%および7%)、ヒトDNA(650ngおよび1050ng)、増幅温度(52℃および54℃)。結果から、次のtSDA条件で最大の増幅が得られることがわかる。
【0052】
【表4】
【0053】
試験した増幅プライマー全部が有効であったため、GCIR−AL5.1(配列番号5)など、他のプライマーも有効であると考えられる。さらに、DILの代わりにGCIR−D2L(配列番号14)を32P検出用プローブとして使用することが可能である。GCIR−AL5.3とGCIR−AR5.1の組み合わせが最適プライマーセットであった。試験したプライマーセットは全て1×106ゲノムでN. gonorrhoea BDMS 2900を増幅することができたが、ある条件下では、他より有効なものも数セットあった。これらのプライマーセットを用いて、戦略的デザインに基づいてさらに実験した結果、DMSOおよびグリセロールの濃度をDMSO5.5%、グリセロール5.2%に変えることにより、上記反応条件が最適化された。他の全ての補助溶剤濃度および酵素濃度は上記の通りであった。
【0054】
例3
GCIR5tSDA感度のアッセイ
例2に記載の最適tSDA条件を使用して、検出実験の限界を設定した。1×106ゲノム/反応から下は1ゲノム/反応まで、N. gonorrhoea菌株BDM2900の滴定を実施した。滴定パネルを試験した。650ng/反応および1250ng/反応のヒトDNAの存在下、GCIR5tSDAシステムを用いて滴定パネルを試験した。1×106、1×105および1×104ゲノム/反応の試料を1検体試験し、1×103ゲノム/反応を二重に試験し、100、10および1ゲノムを三重に試験した。陰性コントロールも実験に含めた。1つの試料における増幅の欠如がシステムの感度を示すと考えないことを確実にするために、コピー数が少ないN. gonorrhoeaゲノムを複数の反応で試験する方法を実施した。感度実験の結果は、GCIR5は下は10ゲノム/反応を3回中3回検出でき、1ゲノム/反応を3回中1回検出できたということであった。
【0055】
例4
N. gonorrhoea tSDA特異性および交差反応性のアッセイ
GCIR5tSDAシステムの特異性および交差反応性を試験するために、実験を計画した。例2に記載の最適プライマーセットをこの実験で使用した。Neisseria gonorrhoea数菌株を1×106ゲノム/反応で試験した。GCIR5は、表2に記載の被験種をことごとく増幅することができた。このtSDAシステムの特異性は申し分なかった。次に、他のNeisseria種または非Neisseria細菌と交差反応性があるかどうかを決定した。これを実施するために、全ての非交差反応物細菌を1×107ゲノム/反応のレベルで試験した。増幅生成物が検出された反応は皆無であった(表6〜7)。
【0056】
【表5】
【0057】
【表6】
【0058】
【表7】
【0059】
例5
蛍光リアルタイムtSDAにおける GCIR5 プライマー
蛍光リアルタイムtSDAを使用して、Neisseria gonorrhoeaのアッセイを実施した。このためにデザインしたプライマー、バンパーおよび検出用配列を図1に示す。検出用FD1(配列番号21)を用いたGCIR5の感度および交差反応性を分析した(表8)。pUC18に挿入されたNeisseria gonorrhoeaゲノムの800塩基対領域を含むプラスミド(GC10)を標的として使用した。1000〜25コピーのプラスミドを用いて試験を実施した。tSDAの条件は次の通りであった。
【0060】
5.2%グリセロール
5.5%DMSO
35mMリン酸カリウム
2000ngヒトDNA
320単位BsoB1
20単位Bst
200nM検出用配列(FD1)
500nM増幅プライマー(AL5.3(配列番号7)およびAR5.1(配列番号8))
50nMバンパー(BL5.1(配列番号11)およびBR5.1(配列番号12))
除染を45℃で20分間実施した
増幅を52℃で60分間実施した
【0061】
PerSeptive Biosystem CytoFluor Series 400 Multiwellプレート読取り装置(「PerSeptive Instrument」)を使用した。100μLの反応をLab Systems Microtiter Stripに移した。GC10の場合、FD1を用いたGCIR5の感度は、クローン化Neisseria gonorrhoeaDNA50コピーの範囲内である。表4に、GCIR5-FD1を用いて試験した交差反応物を全て記載する。これらの各反応物は、5×107ゲノムで試験した(表8)。あるN. meningitidis菌株およびN. lactamica菌株は、時間が経過すると蛍光を生じた。以上の結果から、交差反応性に関連する問題が明らかになり、このため、GCIR5−FD1の組み合わせが、蛍光リアルタイムtSDAを使用する有用なアッセイシステムの候補になる公算は低い
【0062】
【表8】
【0063】
例6
検出用FD8およびFD10を用いたGCIR5の蛍光リアルタイムtSDAアッセイにおける感度
検出用プローブFD8(配列番号16)およびFD10(配列番号15)を使用して、蛍光リアルタイムtSDAにおけるGCIR5の感度を評価した。上記2種のプローブを図1に示す。プラスミドGC10を標的として使用した。tSDA反応の条件は次の通りであった。
【0064】
5.2%グリセロール
5.5%DMSO
35mMリン酸カリウム
2000ngヒトDNA
320単位BsoB1
20単位Bst
200nM検出用FD8またはFD10
500nM増幅プライマーAL5.3(配列番号7)およびAR5.1(配列番号8)
50nMバンパーBL5.1(配列番号11)およびBR5.1(配列番号12)
除染は45℃で20分間であった
増幅は52℃で60分間であった
【0065】
PerSeptive Instrumentを上記アッセイに使用した。Lab Systems Microtiter Plate StripをPerSeptive Instrumentと一緒に使用した。反応の体積は100μLであった。GCIR5−FD8の組み合わせもGCIR5−FD10の組み合わせも下は12コピーのGC10プラスミドを検出することができた。このデータを表9に示す。上記バックグラウンドの2〜3倍のRFU値を陽性と考えた。
【0066】
【表9】
【0067】
例7
リアルタイム蛍光tSDAにおける検出用 FD3 、 FD8 または FD10 を用いた GCIR の交差反応性の分析
検出用FD3(配列番号17)、FD8(配列番号16)またはFD10(配列番号15)のいずれか1つと組合せたGCIR5の交差反応性をリアルタイム蛍光tSDAで分析した。上記3種のプローブを図1に示す。例5で、FD1(配列番号21)と組合せたGCIR5は特定のN. meningitidis菌株およびLactamica菌株と交差反応性を示さなかった。標的プラスミドGC10を使用してtSDAを実施した。250コピーの陽性コントロールを、全ての蛍光検出用について試験した。陰性コントロールも試験した。Neisseria meningitidis ATCC 13090、Neisseria lactamica ATCC 23971、23972および49142は全て1×107ゲノムコピーで試験した。試験したtSDA条件は次の通りであった。
【0068】
5.2%グリセロール
5.5%DMSO
35mMリン酸カリウム
2500ngヒトDNA
320単位BsoB1
20単位Bst
167nM検出用配列(FD3、FD8またはFD10のいずれか)
500nM増幅プライマー(AL5.3(配列番号7)およびAR5.1(配列番号8))
50nMバンパー(BL5.1(配列番号11)およびBR5.1(配列番号12))
除染は45℃で20分間であった
増幅は52℃で60分間であった
【0069】
PerSeptive Instrumentを上記アッセイに使用した。100μLの反応をLab Systems Microtiter Stripに移した。FD3、FD8またはFD10を使用するアッセイの中で、試験した菌株と有意な交差反応性を示すものは皆無であった。上記検出用配列は全て、250コピーのGC10で陽性の結果を示した。反対に、検出用FD11(配列番号18)およびFD6(配列番号19)では、使用したプライマーとバンパーを組合せた場合、有用な結果を与えないことを示す結果が得られた。FD11は若干の交差反応性を示したが、FD6はコントロール標的を用いても、陽性の結果を示すことができなかった。以上の結果を表6に示す。FD3検出用プローブアッセイを二重に実施した。
【0070】
【表10】
【0071】
例8
リアルタイム蛍光tSDAアッセイにおけるFD8またはFD10を用いたGCIR5の感度
リアルタイム蛍光tSDAアッセイにおけるGCIR5−FD8(配列番号16)およびGCIR5−FD10(配列番号15)システムの感度を分析するために、250〜6.25コピーのGC10プラスミドの滴定を実施した。感度を確実にするために、各滴定濃度を三重に試験した。使用したtSDA条件は例7と同じであった。
PerSeptive Instrumentを上記アッセイに使用した。100μLの反応をLab Systems Microtiter Stripに移した。結果を表11に示す。FD8およびFD10を用いたGCIR5の感度は、クローン化Neisseria gonorrhoeaDNAが12〜25コピーの範囲内であった。250コピーのGC10のRFU値は全て、陰性コントロールでみられるバックグラウンド値より十分に高かった。若干の試料で反応は陽性と思われたが、他はバックグラウンドレベルの蛍光のままであった。
【0072】
【表11】
【0073】
例9
GCIRSLtSDA用のプライマーのスクリーニング
例2〜5は、GCIR5を用いて実施する実験向けであったが、この例ならびに次の例(6〜8)は、GCIRSLを使用して得られる結果に向けたものである。異なるプライマーの組み合わせ全部(図2)から、GCIRSLに最も適したプライマー対を評価するために統計学的にデザインした実験を実施した。このデザインは、リン酸カリウム(25mMおよび35mM)、hDNA(500ngおよび1200ng)、温度(52℃および54℃)、グリセロール(3%および7%)およびDMSO(3%および7%)について各々2種のレベルを試験した。プライマーの組み合わせは全て、反応当たり106ゲノムのNeisseria gonorrhoea菌株BDMS 2900を増幅した。広範囲の条件にわたって最高の増幅を示したプライマーの組み合わせは、GCIRSL.APL1(配列番号22)/GCIRSLAPR3(配列番号26)であった。感度実験、特異性実験および交差反応性実験で最大の増幅を示した条件を選択し、これを以下に示す。
【0074】
GCIRSLのtSDA反応条件(50 uL )
25mMリン酸カリウムpH7.6
7%グリセロール
3%DMSO
6mM酢酸マグネシウム
500nghDNA
100μg/mL アセチル化BSA
360μM DTT
0.5mMdUTP
0.2mMdATP
0.2mMdGTP
0.2mMα−チオ−dCTP
0.5μM tSDAプライマー
0.05μM tSDAバンパー
BsoB1160単位
Bstポリメラーゼ9単位
ウラシル−N−グリコシラーゼ1単位
ウラシル−N−グリコシラーゼインヒビター5単位
1.82%トレハロース
45℃で30分間除染
54℃で60分間増幅
【0075】
例10
GCIRSLtSDA感度のアッセイ
tSDAで増幅し検出することが可能な最小数のゲノムを決定するために、N. gonorrhoea菌株BDMS 2990に対してゲノム滴定を実施した。Neisseria gonorrhoeaDNAを単離し、10ng/μLヒト胎盤DNAで希釈した。105、104、103、102、10、1および0ゲノム/反応を使用して、tSDA反応を実施した。GCIRSLの検出限界は10ゲノム/反応であった。
【0076】
例11
GCIRSLtSDAの特異性のアッセイ
Neisseria gonorrhoea12菌株を106ゲノム/反応で使用して、GCIRSLシステムの特異性を試験した。Neisseria gonorrhoea12菌株全てが検出された。結果を上記の表5に記載する。
【0077】
例12
GCIRSLtSDA交差反応性のアッセイ
43のNeisseria種および非Neisseria種の交差反応性実験を107ゲノム/反応で実施した。試験した43の交差反応体のいずれでも、交差反応性は全くみられなかった。結果を上記の表6〜7にまとめる。
【0078】
例13
蛍光リアルタイムtSDAにおけるGCIRSLプライマー
蛍光リアルタイムtSDAを使用して、Neisseria gonorrhoeaを分析した。このためにデザインしたプライマー、バンパーおよび検出用配列を図2に示す。検出用FD1(配列番号31)を用いたGCIRSLの感度を分析した。GC10を標的として使用し、500〜250コピーのプラスミドを試験した。tSDAの条件は次の通りであった。
【0079】
35mMリン酸カリウムpH7.6
7%グリセロール
7%DMSO
6mM MgAc
1450ngλDNA
100μg/ml アセチル化BSA
360mMDTT
0.5mMdUTP、0.2mMdATP、0.2mMdGTPおよび1.4mMα−チオ−dCTP
0.5μMおよび0.05μMのtSDAプライマー(APL1(配列番号22)およびAPR3(配列番号26)およびバンパー(BL(配列番号27)およびBR(配列番号28))
100nM検出用配列(FD1)
BsoB1 480単位
Bst 30単位
除染を45℃で20分間実施した。
増幅を52℃で60分間実施した。
【0080】
「PerSeptive Instrument」を使用した。体積100μLの反応をLab Systems Microtiter Stripに移した。結果を表8に示す。FD1を用いたGCIRSLの感度は、クローン化Neisseria gonorrhoeaプラスミドGC10100コピーの範囲内であった。
【0081】
【表12】
【0082】
例14
GC02のtSDAプライマー評価
GCIR5セットおよびGCIRSLセットのプライマーのほかに、三番目のプライマーセットも試験した。2種の左端プライマーと2種の右端プライマーとの可能なプライマーの組み合わせを全て試験するために、戦略的にデザインした実験を実施した。次の変数も使用した。リン酸カリウム(25mMおよび35mM)、グリセロール(3.1%および8%)、DMSO(3%および8%)および温度(52℃および54℃)。全てのプライマーセットが106ゲノムのGC35201を増幅した。更なる実験ののために選択された最も強健なプライマーの組み合わせは、O2AL42.1(配列番号33)およびO2AR42.1(配列番号35)であった。最も高感度の検出用プローブはO2DL42.1(配列番号38)であり、これをさらなる実験に使用した。感度、特異性および交差反応性を試験するために選択した条件を以下に列挙する。
【0083】
tSDA反応混合物
35mMリン酸カリウムpH7.6
8%グリセロール
3%DMSO
6mM酢酸マグネシウム
650ngヒト胎盤DNA
1.4mMα−チオ−dCTP
0.5mMdUTP
0.2mMdATP
0.2mMdGTP
Bst ポリメラーゼ9単位
BsoB1制限酵素16単位
ウラシル−N−グリコシラーゼ1単位
ウラシル−N−グリコシラーゼインヒビター2単位
0.5μM tSDAプライマー
0.5μM tSDAバンパー02BL42.1(配列番号36)および02BR42.1(配列番号37)
1.82%トレハロース
0.36mMジチオトレイトール
100μg/ml アセチル化ウシ血清アルブミン
0.015%消泡剤
除染は45℃で30分間であった
増幅は52℃で60分間であった
【0084】
例15
GC02tSDA感度の分析
GC02tSDAシステムで増幅され、検出されるGC菌株BDMS2900の最小ゲノムコピー数を決定するために、ゲノム滴定を実施した。GCゲノムDNAを単離し、ヒト胎盤DNAで希釈した。tSDA反応を実施した。104、103、102、10、1および0ゲノムコピー/反応を使用して、tSDA反応を実施した。GC02システムで、100ゲノムコピーの感度が得られた。
【0085】
例16
GC02tSDA特異性の分析
Neisseria gonorrhoea11菌株を106ゲノム/反応で使用して、GC02システムの特異性を試験した。上記の表5に示す通り、11菌株全てが検出された。
【0086】
例17
GC02tSDA交差反応性の分析
44の関連細菌菌株を107ゲノム/反応で使用して、GC02システムの特異性を試験した。上記の表6〜7に示す通り、交差反応物種は全く検出されなかった。
【0087】
本発明をかなり具体的に説明してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者に明白な修正を行うことが可能である。本発明の様々な特徴を特許請求の範囲に記載する。
【0088】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、103塩基対領域全域の、システムGCIR5プライマー、バンパーおよび検出用配列の相対的な位置を示す図である。
【図2】図2は、100塩基対領域全域の、システムGCIRSLプライマー、バンパーおよび検出用配列の相対的な位置を示す図である。
【図3】図3は、98塩基対領域全域のGC02プライマー、バンパーおよび検出用配列の相対的な位置を示す図である。
Claims (10)
- GCIR−AL5.1(配列番号5)、GCIR−AL5.2(配列番号6)およびGCIR−AL5.3(配列番号7)から成る群から選択される塩基配列からなる核酸(又はそれに相補的な配列からなる核酸)。
- GCIR−AR5.1(配列番号8)、GCIR−AR5.2(配列番号9)およびGCIR−AR5.3(配列番号10)から成る群から選択される塩基配列からなる核酸(又はそれに相補的な配列からなる核酸)。
- GCIR−BL5.1(配列番号11)およびGCIR−BR5.1(配列番号12)から成る群から選択される塩基配列からなる核酸(又はそれに相補的な配列からなる核酸)。
- GCIR−D1L(配列番号13)、GCIR−D2L(配列番号14)から成る群から選択される塩基配列からなる核酸(又はそれに相補的な配列からなる核酸)。
- GCIR5−FD3(配列番号17)、GCIR5−FD8(配列番号16)、GCIR5−FD10(配列番号15)、GCIR5−FD11(配列番号18)、GCIR5−FD6(配列番号19)、GCIR5−FD2(配列番号20)、GCIR5−FD1(配列番号21)から成る群から選択される塩基配列からなる核酸(又はそれに相補的な配列からなる核酸)。
- a)GCIR−AL5.1(配列番号5)、GCIR−AL5.2(配列番号6)およびGCIR−AL5.3(配列番号7)から成る群から選択される塩基配列からなる1種以上のプライマーと、
b)GCIR−AR5.1(配列番号8)、GCIR−AR5.2(配列番号9)およびGCIR−AR5.3(配列番号10)から成る群から選択される塩基配列からなる1種以上のプライマーと、
c)GCIR−BL5.1(配列番号11)およびGCIR−BR5.1(配列番号12)から選択される塩基配列からなるバンパープライマーと、
d)GCIR−D1L(配列番号13)、GCIR−D2L(配列番号14)、GCIR5−FD3(配列番号17)、GCIR5−FD8(配列番号16)、GCIR5−FD10(配列番号15)、GCIR5−FD11(配列番号18)、GCIR5−FD6(配列番号19)、GCIR5−FD2(配列番号20)、GCIR5−FD1(配列番号21)から成る群から選択される塩基配列(又はそれに相補的な配列)からなる1種以上の検出用プライマー(またはプローブ)と
を含んでなるキット。 - a)GCIR−AL5.3(配列番号7)およびGCIR−AL5.1(配列番号8)から選択される塩基配列からなるプライマーと、
b)GCIR−BL5.1(配列番号11)およびGCIR−BR5.1(配列番号12)から選択される塩基配列からなるバンパープライマーと、
c)GCIR5−FD10(配列番号15)の塩基配列(又はそれに相補的な配列)からなる1種以上の検出用プライマー(またはプローブ)と
を含むキット。 - 試料中の淋菌(ネイセリア・ゴノルホア;Neisseria gonorrhoea)の有無を検出する方法であって、
a)GCIR−AL5.1(配列番号5)、GCIR−AL5.2(配列番号6)およびGCIR−AL5.3(配列番号7)から成る群から選択される塩基配列からなる第1のプライマーと、GCIR−AR5.1(配列番号8)、GCIR−AR5.2(配列番号9)およびGCIR−AR5.3(配列番号10)から成る群から選択される塩基配列からなる第2のプライマーとからなる一対の核酸プライマーをSDA反応で使用して前記試料を処理するステップと、
b)増幅生成物の検出が淋菌の存在を示すあらゆる増幅核酸生成物を検出するステップと
を含む方法。 - 前記SDA反応がGCIR−BL5.1(配列番号11)およびGCIR−BR5.1(配列番号12)の塩基配列からなる核酸をバンパープライマーとして使用する請求項8に記載の方法。
- 前記増幅核酸生成物の検出が、GCIR−D1L(配列番号13)、GCIR−D2L(配列番号14)、GCIR5−FD3(配列番号17)、GCIR5−FD8(配列番号16)、GCIR5−FD10(配列番号15)、GCIR5−FD11(配列番号18)、GCIR5−FD6(配列番号19)、GCIR5−FD2(配列番号20)、GCIR5−FD1(配列番号21)から成る群から選択される塩基配列からなる(又はそれに相補的な配列からなる)検出用プライマー(またはプローブ)と、前記増幅核酸生成物とのハイブリッド形成によって実行されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
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