JP2008544818A - 胎盤由来コラーゲンバイオ線維を用いた鼓膜の修復 - Google Patents

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Abstract

本発明は、コラーゲンバイオ線維を用いる、一般に鼓室形成術又は鼓膜形成術と呼ばれる、鼓膜穿孔などの鼓膜奇形の修復方法を提供する。コラーゲンバイオ線維は、好ましくは、積層化される。本発明はさらに、例えば、積層化コラーゲンバイオ線維などの、鼓膜を修復するためのコラーゲンバイオ線維の1以上の断片を含むキットを提供する。
【選択図】 なし

Description

本願は、2005年6月30日出願の米国仮出願第60/696,197号の利益を主張し、その全開示内容は引用により本明細書中に組み込まれている。
(1. 発明の分野)
本発明は、コラーゲンバイオ線維を用いる、一般に鼓室形成術又は鼓膜形成術と呼ばれる、鼓膜の修復に関する。
(2. 発明の背景)
音波を受けるための中耳の第一の構成要素は鼓膜(tympanic membrane)であり、鼓膜(eardrum)としても知られる。鼓膜を打つ音波は、一連の小骨−槌骨、砧骨及び鐙骨−を介して蝸牛に伝えられ、蝸牛では音波が感知され、処理される。鼓膜自体は生きている組織である。
穿孔などの鼓膜の奇形は、音の伝達及び知覚を妨げる。穿孔は一般に、外傷又は感染に起因する。鼓膜穿孔の外傷の原因の例としては、耳への平手打ち(すなわち、耳の殴打);頭蓋骨骨折;突然の爆発;外耳道の中に深く押し込まれたヘアピン又は綿棒などの物体; 溶接由来の熱いスラグ又は酸の外耳道への侵入、及び他の外傷などが挙げられる。中耳感染は、鼓膜の自然断裂(裂傷)の原因となり、その結果、穿孔を引き起こし得る。穿孔性中耳炎と呼ばれるこの状況では、感染性又は血性の排膿がある。鼓膜の穴はまた、鼓室開放又は鼓膜切開などの施術によっても生じる。従前に配置された均圧チューブが抜け落ちるか医師により除去された後には、小さな穴が残る可能性がある。
しかしながら、鼓膜の奇形の原因が何であろうと、膜を修復することが望ましい。鼓膜穿孔の修復は、一般に鼓室形成術又は鼓膜形成術として知られている手術により行われる。2つの手術は類似している;しかしながら、鼓膜自体の修復に加えて、鼓室形成術はさらに慢性感染、コレアストーマ(choleastoma)、又は耳小骨連鎖疾患などの中耳の裂け目の病変又は複数の病変の治療という意味を含んでいる。一般に、鼓室形成術又は鼓膜形成術において、鼓膜の穴は移植片により修復される。代表的な移植材料には、これまで、側頭筋膜、耳珠軟骨膜、皮膚、骨膜、軟らかい重層組織、脂肪、静脈組織、ヒト羊膜、及び同種の硬膜などの天然材料;並びにシラスティック、紙及びテフロンシートなどの非天然材料が含まれていた。鼓膜の修復に加えて、鼓室形成術のひとつの主要な目的は、空気を含む中耳洞の形成である。この目的を考えると、鼓膜修復に使用される材料は、癒着形成又は感染症の促進がないか、又はその傾向が低いものであることが重要である。
一般に、穿孔のある鼓膜は以下に示すように治療される。顕微鏡を使って、鼓膜の端をきれいにして成長を促すためにデブリードマンを行い、次に、鼓膜の無傷の部分に重なるように、一般に、薄いパッチ、又は移植片といった閉鎖材料を鼓膜穿孔の上に配置する。普通、パッチはシガレット・ペーパーの小片であり、これは、穿孔を補充するための上皮細胞の内方成長のためのステントになると考えられている。通常、鼓膜の閉鎖後には、聴力改善が認められる。穿孔が完全に閉鎖する前に、数回のパッチの適用(3回又は4回まで)が必要であろう。紙製のパッチが鼓膜の穴を迅速又は適切に閉鎖しない場合、或いは紙製のパッチ適用の試みが成功しない場合は、例えば、鼓膜形成術又は鼓室形成術などの外科手術が考慮される。しかしながら、失敗率が比較的高いことから、穿孔のある鼓膜への紙製パッチの配置が適切な処置であるとすべての耳鼻咽喉科医が認めるわけではない。
(3. 本発明の要旨)
本発明は、鼓膜を修復するための方法及び組成物を提供する。例えば、本発明は、鼓膜の傷害又は奇形の修復のための方法及び組成物を提供する。一実施態様では、本発明は、穿孔のある鼓膜を修復する方法であって、該鼓膜をコラーゲンバイオ線維(collagen biofabric)と接触させることを含む方法を提供する。別の特定の実施態様では、前記接触は穿孔を塞ぐに十分なものである。より特定の実施態様では、前記穿孔は中央穿孔である。別のより特定の実施態様では、前記穿孔は辺縁穿孔である。別の特定の実施態様では、前記穿孔は穿孔進行中の2か月以内に自然治癒しなかったものである。特定の実施態様では、コラーゲンバイオ線維を形成するタンパク質はそれらの本来のコンフォメーションを実質的に保持しており、例えば、該コラーゲンバイオ線維はプロテアーゼ処理されない。別の特定の実施態様では、該コラーゲンバイオ線維のタンパク質は架橋されず、例えば、該コラーゲンバイオ線維は固定されない。別の特定の実施態様では、該コラーゲンバイオ線維は前記接触の前には実質的に乾燥しており、すなわち、約20重量%以下の水しか含まない。別の特定の実施態様では、該コラーゲンバイオ線維は単層である。別の特定の実施態様では、該コラーゲンバイオ線維は二層以上の積層体である。別の特定の実施態様では、該コラーゲンバイオ線維は前記接触の前にトリミングされる。別の特定の実施態様では、該コラーゲンバイオ線維はトリミング前では約2×2cmである。別の特定の実施態様では、該コラーゲンバイオ線維はトリミング前では約3×3cmである。別の特定の実施態様では、該コラーゲンバイオ線維はトリミング前では約2×3cmである。別の特定の実施態様では、該コラーゲンバイオ線維は、鼓膜と接触される前に水和される。別の特定の実施態様では、該コラーゲンバイオ線維は、乾燥状態で厚さ約2マイクロメートル〜約150マイクロメートルの間である。より特定の実施態様では、該バイオ繊維は乾燥状態で厚さ約10〜約50ミクロンである。別の特定の実施態様では、該バイオ繊維は乾燥状態で厚さ約40〜約50ミクロンである。より特定の実施態様では、乾燥状態で厚さ約2マイクロメートル〜約150マイクロメートルの間であるコラーゲンバイオ線維は、二層以上の積層体である。上記の実施態様では、範囲は平均の厚さを示し、厚さに絶対的な制限はない。別の実施態様では、該コラーゲンバイオ線維はアプリケーターを用いて鼓膜と接触させる。別の実施形態では、本発明は無菌の二重皮ポーチ(double-peel pouch)中の1枚以上のコラーゲンバイオ線維を提供する。
(3.1定義)
本明細書において、「コラーゲンバイオ線維」は一般に、フィルム又はシートとして使用できる、コラーゲンを含有する胎盤由来の羊膜又は絨毛膜材料を意味する。好ましいコラーゲンバイオ線維は、その全開示内容が引用により本明細書中に組み込まれている、Haririによる米国出願公開番号U.S. 2004/0048796に記載の、真空乾燥された非固定の、非プロテアーゼ処理羊膜材料であり、それはその中、及び本明細書(実施例1、2参照)に記載された方法で製造される。該コラーゲンバイオ線維は、羊膜から作られるのが好ましいが、絨毛膜又は羊膜及び絨毛膜両方から作られてもよい。
本明細書において、「生物活性化合物」という語は、インビトロ又はインビボで1以上の生体系に測定可能な効果をもたらす任意の化合物又は分子を意味する。
(4. 発明の詳細な説明)
本発明は、本明細書においてコラーゲンバイオ線維と呼ばれるコラーゲン羊膜及び/又は絨毛膜材料を用いて、鼓膜奇形を修復する方法、及び、より具体的には、鼓室形成術又は鼓膜形成術を行う方法を提供する。
(4.1コラーゲンバイオ線維を用いる鼓膜の修復)
本発明は、コラーゲンバイオ線維を用いて鼓膜を修復するための方法を提供する。一実施態様では、修復される鼓膜は奇形を有している。該奇形は、例えば、疾患もしくは感染、又はおそらく負傷の結果など、自然発生のものであってよい。様々な実施態様において、該奇形は、例えば、急性穿孔もしくは慢性穿孔(例えば、2ヶ月以上続く穿孔)などの穿孔、鼓膜におけるコラーゲンの部分的又は全喪失、正常な鼓膜の硬さの部分的又は全喪失、アテレクタシス鼓膜(atelectatic tympanic membrane)(すなわち、膜を硬化させる本来のコラーゲン層が、部分的又は完全に失われている鼓膜)、中耳の関与する真珠腫(cholesteatoma)又は腫瘍に関連する奇形、二量体の鼓膜(dimeric drum)、退縮、上鼓室ポケット(retraction pocket)(すなわち、中耳腔における圧力喪失による中耳腔中への鼓膜の退縮の結果、鼓膜に形成されたポケット)又は鼓膜硬化症(tympanosclerosis)などの鼓膜の疾患であってよい。
鼓膜奇形の修復は、例えば、コラーゲンバイオ線維と接触させない鼓膜と比較して、該鼓膜奇形を治すために十分な時間、該鼓膜奇形の1以上の態様をある程度まで改善するために十分な時間、又は該鼓膜奇形の1以上の態様の悪化を軽減するために十分な時間、該鼓膜とコラーゲンバイオ線維を接触させることを包含してよい。
本明細書において、「鼓膜奇形の態様」は、音を伝えるための該鼓膜の能力、デシベルで表される難聴、該鼓膜もしくは周囲組織の外観、該鼓膜内の穿孔中への、又はその周囲の上皮組織の内方成長などの、客観的に測定できる判定基準、或いは、聴力が改善した感じ、不快症状又は疼痛の軽減などの主観的な判定基準を包含する。
一実施態様において、該奇形は穿孔である。かかる穿孔は、例えば、外傷、感染により、偶然に生じてもよく、又は例えば、中耳の中の体液を、鼓膜を通して外耳道の外へ排膿させるための1以上のチューブの挿入に起因する穿孔など、意図的に生じたものでもよい(例えば、鼓膜切開チューブの導入を可能にする穿孔、又は罹患もしくは損傷組織の外科切除に起因する穿孔)。該穿孔は、急性のものであってよく、又は該穿孔は2ヶ月以上存在する慢性のものであってもよい、
鼓膜修復の一実施態様では、コラーゲンバイオ線維が部分的又は完全に穿孔を塞ぐように、該穿孔を有する鼓膜を該コラーゲンバイオ線維と接触させる。塞がれる穿孔は、中央穿孔、つまり、鼓膜の縁を含まない任意のサイズの穿孔(すなわち、外耳道の末端に位置する)又は辺縁穿孔(すなわち、鼓膜の縁に触れるか又は主として鼓膜の縁を侵す穿孔)であってよい。別の実施形態では、該鼓膜のみに穴が開き、他の耳構造に穿孔又は損傷はない。別の実施形態では、該穿孔の閉塞は外耳、中耳又は内耳に関連する少なくとも1つの他の施術を補足するものである。別の実施形態では、該鼓膜の修復は、鼓室形成術である。別の実施形態では、該鼓膜の修復は、鼓膜形成術である。
鼓膜の穿孔を塞ぐ利点は、シャワー、入浴又は水泳時の耳への水の浸入(耳感染を引き起こす可能性のある)を防ぐこと、聴力の改善、及び耳鳴の軽減などである。それはまた、慢性感染及び耳構造の破壊を引き起こし得る真珠腫(中耳中の皮膚嚢胞)の発生を防ぐ可能性がある。
鼓室形成術及び鼓膜形成術は一般に、外来処置である。耳鼻咽喉科医は、外耳道を経る(経外耳道アプローチ)か、又は耳介後部切開の後に該鼓膜を露出させるために耳を前方に折りたたむ(耳介後部アプローチ)かのいずれかを経て、鼓膜の穿孔の修復にアプローチしてよい。
穿孔の補正を試みる前に、聴力検査が一般に行われ、部分的又は完全な耳管機能の喪失は、鼓膜穿刺を悪化させ、移植片の鼓膜への癒着を妨げる可能性があるために、該患者は耳管機能に関して評価される。穿孔のある鼓膜の修復は一般に、該膜上に閉鎖材料を置くことを含む。該患者は、中耳洞中への穿孔を介する扁平上皮の拡張など、合併症に関して評価される。そのような例においては、鼓室形成術又は鼓膜形成術は、可能であれば、合併症の修復を伴うことが好ましい。
本発明は、一次治療又はその後に続く治療として、コラーゲンバイオ線維を用いる鼓膜の修復を包含する。すなわち、該コラーゲンバイオ線維は、他の治療手段を試みる前に、穿孔などの鼓膜奇形を修復するために使用してよい。或いは、コラーゲンバイオ線維を用いる鼓膜の修復は、1以上の他の治療手段を試みて失敗した場合に用いられてよい。
一実施態様では、コラーゲンバイオ線維を用いる鼓膜の修復は、移植片及び/又は周囲の外耳道に抗感染薬を適用することをさらに含んでよい。従って、一実施態様では、本発明は、該鼓膜をコラーゲンバイオ線維及び抗感染薬と接触させることを含む、鼓膜を修復する方法を提供する。該抗感染薬は、該鼓膜と該コラーゲンバイオ線維との接触の前に、同時に、又はその後に接触させてよい。該抗感染薬は、該コラーゲンバイオ線維と分離して、又はその不可欠な一部として存在してよい。例えば、該抗感染薬はコラーゲンバイオ線維の該表面に存在するか、又は該コラーゲンバイオ線維中に含浸させてもよい。特定の実施態様では、該抗感染薬は、抗生物質、静菌薬、抗ウイルス化合物、静ウイルス薬、抗真菌化合物、静真菌薬又は抗菌化合物である。特定の実施態様では、該抗感染薬は、イオン化銀である。より特定の実施態様では、該イオン化銀は、ヒドロゲル中に含有されている。広域スペクトラムであり、公知の菌耐性がない;その適用及び除去は疼痛を伴わず、該ヒドロゲルは、自己融解によるデブリードマンをサポートするために、イオン化銀ヒドロゲルは、好ましい抗感染薬である。好ましい実施形態では、該鼓膜への適用前に該コラーゲンバイオ線維を銀イオンに含浸させる。別の実施形態では、該コラーゲンバイオ線維は、該鼓膜への該バイオ繊維の適用後に、例えば、点耳剤の適用により銀イオンに含浸させる。
本発明はさらに、鼓膜をコラーゲンバイオ線維及び多数の幹細胞又は前駆細胞と接触させることを含む、該鼓膜を修復する方法を提供する。好ましい幹細胞としては、例えば、間充織幹細胞及び胎盤由来幹細胞が米国出願公開番号US 2003/0032179及びUS 2003/0180269 USに開示され、それぞれの全開示内容が引用により本明細書中に組み込まれている。一実施態様では、該コラーゲンバイオ線維は、該鼓膜を該コラーゲンバイオ線維と接触させる前に該幹細胞又は前駆細胞と接触させてよい。例えば、コラーゲンバイオ線維は、該コラーゲンバイオ線維の表面又は中に幹細胞又は前駆細胞を配置し、該幹細胞又は前駆細胞を該コラーゲンバイオ線維に十分な時間付着させることにより、該鼓膜への適用前に調製されてよい。該幹細胞又は前駆細胞は、例えば、該コラーゲンバイオ線維の該鼓膜への適用前に、少なくとも又はせいぜい30分、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20、22又は24時間に、該コラーゲンバイオ線維の表面又はその中に配置されてよい。別の実施形態では、該コラーゲンバイオ線維は、該鼓膜への該コラーゲンバイオ繊維の適用後に、該幹細胞又は前駆細胞に接触させてよい。別の実施形態では、本発明は、該鼓膜を多数の幹細胞又は前駆細胞と接触させ、そしてコラーゲンバイオ線維が鼓膜と幹細胞又は前駆細胞を覆うように該鼓膜を該コラーゲンバイオ線維と接触させることを含む、鼓膜の処置方法を提供する。
任意の実施態様では、該鼓膜上又は該コラーゲンバイオ線維の表面上に配置される幹細胞又は前駆細胞の数は様々であってよいが、しかし少なくとも1×106、3×106、1×107、3×107、1×108、3×108、1×109、3×109、1×1010、3×1010、1×1011、3×1011又は1×1012;或いははわずか1×106、3×106、1×107、3×107、1×108、3×108、1×109、3×109、1×1010、3×1010、1×1011、3×1011又は1×1012個の幹細胞又は前駆細胞であってよい。従って、特定の実施態様では、本発明は、前記鼓膜を(a)コラーゲンバイオ線維、及び(b)1×106、3×106、1×107、3×107、1×108、3×108、1×109、3×109、1×1010、3×1010、1×1011、3×1011又は1×1012個を含む多数の幹細胞又は前駆細胞;幹細胞又は前駆細胞と、いずれかの順番で接触させることを含む、鼓膜を修復する方法を提供する。他の特定の実施態様では、本発明は、該鼓膜を、(a)コラーゲンバイオ線維、及び(b)わずか1×106、3×106、1×107、3×107、1×108、3×108、1×109、3×109、1×1010、3×1010、1×1011、3×1011又は1×1012個を含む多数の幹細胞又は前駆細胞;幹細胞又は前駆細胞と、いずれかの順番で接触させることを含む、鼓膜を処置する方法を提供する。より特定の実施態様では、前記多数の幹細胞は、2種以上の異なる幹細胞又は前駆細胞種を含む。
本発明はさらに、鼓膜の単一治療であってよいか、又は鼓膜の処置もしくは修復の過程で同時に用いられる別の療法もしくは処置に加えられてよい、鼓膜奇形を修復するためのコラーゲンバイオ線維の使用を提供する。例えば、本発明は、該鼓膜をコラーゲンバイオ線維と接触させることを含み、該鼓膜をコラーゲンバイオ線維と接触させることを含まないさらなる療法を用いて該鼓膜を処置する、鼓膜の修復を提供し、該接触及びさらなる療法は個々に、又は共に、コラーゲンバイオ線維と接触させない鼓膜と比較して、鼓膜奇形の少なくとも1つの態様の維持又は悪化の軽減において、測定可能な改善をもたらす。
本発明はさらに、鼓膜の修復とあわせて耳疾患を修復するための、コラーゲンバイオ線維の使用を提供する。例えば、該コラーゲンバイオ繊維は、外耳道及び中耳腔などの外耳又は中耳構造を再構築又は修復するために用いられてよい。該コラーゲンバイオ線維は、例えば、特に鼓室形成術に加えて乳様突起の再構築が望ましい場合に、該乳様突起の腔の修復、又は内側を覆うために用いられてよい。一実施態様では、該コラーゲンバイオ線維は、該乳様突起の腔が露出された骨、すなわち、上皮細胞層により被覆されていない骨を含む場合に、該乳様突起の腔の内側を覆うために用いられてよい。別の実施形態では、該コラーゲンバイオ線維は、単独又は鼓室形成術又は鼓膜形成術と同時に鐙骨の外科手術において卵円窓移植片として用いられてよい。
(4.2 コラーゲンバイオ線維)
(4.2.1 説明)
鼓膜を修復するために用いられるコラーゲンバイオ線維は、例えば、ウマ、ウシ、ブタ、又は狭鼻猿類のいずれかの哺乳類の羊膜由来であってよいが、しかし、最も好ましくは、ヒトの胎盤由来である。好ましい実施形態では、該コラーゲンバイオ線維は、実質的に乾燥しており、すなわち水分が20重量%以下である。別の好ましい実施形態では、該コラーゲンバイオ線維は、該羊膜の本来の三次及び四次構造を保持しており、すなわち、プロテアーゼ処理されていない。別の好ましい実施形態では、該コラーゲンバイオ線維は、例えば化学的架橋されるなど、人工的に架橋されたコラーゲン及び他の構造タンパク質を含まず、つまり、好ましいコラーゲンバイオ線維は、固定されていない。好ましいコラーゲンバイオ線維は、その全開示内容が引用により本明細書中に組み込まれている、Haririによる米国出願公開番号U.S. 2004/0048796に記載の、乾燥した非固定の、非プロテアーゼ処理羊膜材料であり、それはその中、及び本明細書(実施例1、2参照)に記載された方法で製造されている。しかしながら、本発明の方法は、任意の方法により作られたいずれの胎盤由来コラーゲン材料であっても利用することができる。
好ましい実施形態では、鼓膜の処置又は修復に用いられる該コラーゲンバイオ線維は、半透明である。他の実施態様では、該コラーゲンバイオ線維は不透明又は着色もしくは染められており、例えば、医学上許容し得る色素又は着色剤を用いて、恒久的に着色もしくは染められている;かかる薬剤は、該コラーゲンバイオ線維上に吸着させるか、又は該コラーゲンバイオ線維を含浸させるか、かかる薬剤でコーティングしてもよい。本実施態様では、任意の公知の無毒性、無刺激性の着色剤又は色素を用いてよい。
該コラーゲンバイオ線維が実質的に乾燥している場合、それは約0.1 g/cm2 〜約0.6 g/cm2である。特定の実施態様では、該コラーゲンバイオ線維の単層は少なくとも厚さ2ミクロンである。別の特定の実施態様では、鼓膜の修復に用いられる該コラーゲンバイオ線維の単層は、厚さおよそ10〜40ミクロンであるが、乾燥状態で厚さおよそ2〜150、2〜100ミクロン、5〜75ミクロン、又は7〜60ミクロンであってよい。
一実施態様では、該コラーゲンバイオ線維は主としてコラーゲン(I、III、及びIV型;バイオ繊維の基質の約90%)、フィブリン、フィブロネクチン、エラスチンを含み、さらに、グリコサミノグリカン及び/又はプロテオグリカンを含んでもよい。ある特定の実施態様では、該コラーゲンバイオ線維は、例えば、例を挙げると、血小板由来増殖因子(PDGF)、血管内皮増殖因子(VEGF)、繊維芽細胞増殖因子(FGF)及びトランスフォーミング増殖因子-β1などの1以上の増殖因子のような非構造的成分を含んでよい。従って、該コラーゲンバイオ線維の組成物は、繊維芽細胞及びマクロファージの遊走の促進、ひいては創傷治癒の促進に理想的に適合する可能性がある。
該コラーゲンバイオ線維は、例えば、単層シート又は非積層体膜として単層の型で用いてよい。或いは、該コラーゲンバイオ線維は二層又は多層の型で用いてよく、例えば、該コラーゲンバイオ線維は重ねて積層体としてよい。積層化は、治癒過程において、より強い剛性及び耐久性をもたらし得る。該コラーゲンバイオ線維は、例えば、以下に説明されるように重ねて積層体としてよい(4.2.7項を参照)。
該コラーゲンバイオ線維は、非胎盤源のコラーゲンをさらに含んでよい。例えば、コラーゲンバイオ線維の1以上の層は、精製抽出コラーゲンを用いてコーティング又は含浸又は層状化されてもよい。かかるコラーゲンは、例えば、市販の供給元から入手してよく、又はその開示が引用により本明細書中に組み込まれている、米国特許第4,420,339号、同第5,814,328号、及び同第5,436,135号に開示されているように、公知の方法に従って製造してもよい。
鼓膜の修復に用いられる該コラーゲンバイオ線維は、該コラーゲンバイオ線維が由来する胎盤材料には存在しない1以上の化合物又は物質を含んでもよい。該コラーゲンバイオ線維は、該コラーゲンバイオ線維が由来する胎盤材料中には通常は存在しない1以上の化合物又は物質を、通常は本来は存在しない量で、含んでもよい。例えば、該コラーゲンバイオ線維は、以下の4.2.2の項に記載されたような、生物活性化合物を含浸させてもよい。かかる生物活性化合物としては、限定されるものではないが、小有機分子(例えば、医薬品)、抗生物質(例えば、クリンダマイシン、ミノサイクリン、ドキシサイクリン、ゲンタマイシンなど)、ホルモン、増殖因子、抗腫瘍薬、抗真菌薬、抗ウイルス薬、鎮痛薬、抗ヒスタミン薬、抗炎症薬、限定されるものではないが、銀(例えば、限定されるものではないが、硝酸銀及びスルファジアジン銀などの銀塩)、元素銀、抗生物質、殺菌酵素(例えば、リゾチームなど)などの抗感染薬、創傷治癒薬(例えば、限定されるものではないが、PDGF、TGF;サイモシンなどのサイトカイン)、創傷治癒薬としてのヒアルロン酸、創傷シーラント(例えば、トロンビン含有/非含有フィブリン)、細胞誘因薬及びスキャホールド試薬(例えば、添加フィブロネクチンなど)等が挙げられる。特定の一実施例では、該コラーゲンバイオ線維は、例えば、繊維芽細胞増殖因子、上皮増殖因子などの、少なくとも1つの増殖因子を含浸させてよい。該バイオ繊維はまた、例えば、膜受容体阻害剤、キナーゼ阻害剤、成長阻害剤、抗癌剤、抗生物質などの特定の生化学プロセスに特異的な阻害剤などの小有機分子を含浸させてもよい。該コラーゲンバイオ線維と該物活性化合物との含浸は、例えば該コラーゲンバイオ線維が溶液を吸収し、平衡化するために十分な時間、所望の濃度の該生物活性化合物の溶液に該コラーゲンバイオ線維を浸すことにより行ってもよい。
他の実施態様では、該コラーゲンバイオ線維は、複合材料を形成するためにヒドロゲルを配合してもよい。例えば、以下の総説に開示されているヒドロゲル組成物など、当業者に公知の任意のヒドロゲル組成物が本発明に包含される: Graham, 1998, Med. Device Technol. 9(1): 18-22; Peppas らの論文, 2000, Eur. J. Pharm. Biopharm. 50(1): 27-46; Nguyen らの論文, 2002, Biomaterials, 23(22): 4307-14; Henincl らの論文, 2002, Adv. Drug Deliv. Rev 54(1): 13-36; Skelhorne らの論文, 2002, Med. Device. Technol. 13(9): 19-23; Schmedlen らの論文, 2002, Biomaterials, 23: 4325-32; これらのすべては全開示内容が引用により本明細書中に組み込まれている。特定の実施態様では、該ヒドロゲル組成物は該コラーゲンバイオ線維上に塗布され、すなわち該コラーゲンバイオ線維の表面に配置される。該ヒドロゲル組成物は、例えば、該コラーゲンバイオ線維上に吹き付けられるか、又は該コラージュ(collage)バイオ繊維の表面に塗布されるか、又は該バイオ繊維は、該ヒドロゲル組成物を用いて浸み込ませ、浸され、又は飽和されてよい。別の特定の実施態様では、該ヒドロゲルは、二層以上のコラーゲンバイオ線維の間に挟まれる。さらにより特定の実施態様では、該ヒドロゲルは、二層のコラーゲンバイオ線維の間に挟まれ、そこで、実質的に又は完全に該ヒドロゲルを含むように二層のバイオ繊維の端は密封される。
本発明の方法及び組成物において有用なヒドロゲルは、限定されるものではないが、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ヒアルロン酸、アルギン酸塩、コラーゲン、ゼラチン、デキストラン又はそれらの誘導体及び類似体などの、当技術分野で公知の水相互作用性、又は水可溶性のポリマーから作製することができる。
一部の実施態様では、本発明の該コラーゲンバイオ線維は、1以上の生物活性化合物を含み、ヒドロゲルと配合される。例えば、該コラーゲンバイオ線維は、ヒドロゲルとの配合前に1以上の生物活性化合物を含浸させてよい。他の実施態様では、該ヒドロゲル組成物は、本発明のコラーゲンバイオ線維との配合の前、又は後に、例えば、以下の4.2.2の項に記載の生物活性化合物などの1以上の生物活性化合物をさらに含浸させる。
(4.2.2 生物活性化合物)
本発明の方法で用いられる該コラーゲンバイオ線維は、小有機分子(例えば、医薬品)、抗生物質、抗ウイルス薬、抗菌薬、抗炎症薬、抗増殖薬、サイトカイン、酵素又はタンパク質阻害薬、抗ヒスタミン薬などの1以上の生物活性又は医療用化合物を含んでよい(例えば、含浸させる、又はコーティングする)。様々な実施態様では、該コラーゲンバイオ線維は、抗生物質(例えば、クリンダマイシン、ミノサイクリン、ドキシサイクリン、ゲンタマイシンなど)、ホルモン、増殖因子、抗腫瘍薬、抗真菌薬、抗ウイルス薬、鎮痛薬(キシロカイン(Xylocaine)(登録商標)、リドカイン、プロカイン、ノボカイン、等)、抗ヒスタミン薬(例えば、ジフェンヒドラミン、ベネドリル(Benadryl)(登録商標)、等)、抗炎症薬、限定されるものではないが、銀(例えば、限定されるものではないが、硝酸銀及びスルファジアジン銀などの銀塩)、元素銀、抗生物質、殺菌酵素(例えば、リソゾム(lysozome)など)などの抗感染薬、創傷治癒薬(例えば、限定されるものではないが、PDGF(例えば、レグラネクス(登録商標)、TGF;サイモシンなどのサイトカイン)、創傷治癒薬としてのヒアルロン酸、創傷シーラント(例えば、トロンビン含有/非含有フィブリン)、細胞誘因薬及びスキャホールド試薬(例えば、フィブロネクチンなど)等、又は前述のいずれかの組合せ、もしくは前記の化合物及び記載されていない他の化合物の組合せを用いて、コーティング又は含浸させてよい。かかる含浸又はコーティングは、当技術分野で公知のいずれの方法を用いて行われてもよく、及び該コラーゲンバイオ線維の一部分もしくは全体が、そのようにコーティング又は含浸されてよい。
該コラーゲンバイオ線維、又はコラーゲンバイオ線維を含む複合材料は、本明細書に記載された任意の化合物を、制限なく、個々に又は任意の組合せで含んでよい。本明細書に記載された任意の生物活性化合物、及び強膜又は眼との関連で有用な他のものは、即放又は持続放出のための公知の方法により処方されてよい。さらに、該コラーゲンバイオ線維は、2以上の生物活性化合物を違った方法で含んでよい;例えば、該バイオ繊維は、1つの生物活性化合物を含浸させてよく、及びもう1つのものでコーティングしてよい。別の実施形態では、該コラーゲンバイオ線維は、持続放出のために処方された1つ目の生物活性化合物、及び即放のために配合される2つ目の生物活性化合物を含んでよい。
穿孔のある鼓膜を含む鼓膜の治癒などの創傷治癒は、特に、鉄、亜鉛、ビタミンC、アルギニンなどの十分な栄養を必要とする。従って、該コラーゲンバイオ線維は、創傷治癒に必要な生理的に利用可能な形態の1以上の栄養素と含浸させるか、又はコーティングしてよい。好ましくは、該栄養素は、持続放出のために処方されている。
コラーゲンバイオ線維、又はコラーゲンバイオ線維を含む複合材料は抗生物質を含んでもよい。ある特定の実施態様では、抗生物質はマクロライド類(macrolide)(例えば、トブラマイシン(tobramycin)(Tobi(登録商標)))、セファロスポリン(cephalosporin)(例えば、セファレキシン(cephalexin)(Keflex(登録商標)))、セフラジン(cephradine)(Velosef(登録商標))、セフロキシム(cefuroxime)(Ceftin(登録商標))、セフプロジル(cefprozil)(Cefzil(登録商標))、セファクロール(cefaclor)(Ceclor(登録商標))、セフィキシム(cefixime)(Suprax(登録商標)又はセファドロキシル(cefadroxil)(Duricef(登録商標))、クラリスロマイシン(clarithromycin)(例えば、クラリスロマイシン (Biaxin))、エリスロマイシン(erythromycin)(例えば、エリスロマイシン(EMycin(登録商標)))、ペニシリン(penicillin)(例えば、ペニシリンV(V-CillinK(登録商標)又はPen VeeK(登録商標)))又はキノロン(quinolone)(例えば、オフロキサシン(ofloxacin)(Floxin(登録商標))、シプロフロキサシン(ciprofloxacin) (Cipro(登録商標))若しくはノルフロキサシン(norfloxacin)(Noroxin(登録商標)))、アミノグリコシド系抗生物質(例えば、アプラマイシン(apramycin)、アルベカシン(arbekacin)、バンベルマイシン(bambermycins)、ブチロシン(butirosin)、ジベカシン(dibekacin)、ネオマイシン(neomycin)、ネオマイシン、ウンデシレン酸塩(undecylenate)、ネチルマイシン(netilmicin)、パロモマイシン(paromomycin)、リボスタマイシン(ribostamycin)、シソマイシン(sisomicin)、及びスペクチノマイシン(spectinomycin))、アンフェニコール(amphenicol)系抗生物質(例えば、アジダムフェニコール(azidamfenicol)、クロラムフェニコール(chloramphenicol)、フロルフェニコール(florfenicol)、及びチアムフェニコール(thiamphenicol))、アンサマイシン(ansamycin)系抗生物質(例えば、リファミド(rifamide)及びリファンピン(rifampin))、カルバセフェム類(carbacephems)(例えば、ロラカルベフ(loracarbef))、カルバペネム(carbapenems)(例えば、ビアペネム(biapenem)及びイミペネム(imipenem))、セファロスポリン類(cephalosporins)(例えば、セファクロール(cefaclor)、セファドロキシル(cefadroxil)、セファマンドール(cefamandole)、セファトリジン(cefatrizine)、セファゼドン(cefazedone)、セフォゾプラン(cefozopran)、セフピミゾール(cefpimizole)、セフピラミド(cefpiramide)、及びセフピロム(cefpirome))、セファマイシン類(cephamycins)(例えば、セフブペラゾン(cefbuperazone)、セフィンタゾール(cefinetazole)、及びセフミノクス(cefminox))、モノバクタム(monobactams)(例えば、アズトレオナム(aztreonam)、カルモナム(carumonam)、及びチゲノナム(tigemonam))、オキサセフェム類(oxacephems)(例えば、フロモキセフ(flomoxef)、及びモキサラクタム(moxalactam))、ペニシリン類(penicillins)(例えば、アムジノシリン(amdinocillin)、アムジノシリンピボキシル(arndinocillin pivoxil)、アモキシシリン(amoxicillin)、バカンピシリン(bacampicillin)、ベンジルペニシリン酸(benzylpenicillinic acid)、ベンジルペニシリンナトリウム(benzylpenicillin sodium)、エピシリン(epicillin)、フェンベニシリン(fenbenicillin)、フロキサシリン(floxacillin)、ペナムシリン(penamccillin)、ペネタマートヨウ化水素酸塩(penethamate hydriodide)、ペニシリンo-ベネタミン(penicillin o-benethamine)、ペニシリン0、ペニシリンV、ペニシリンVベンザチン(penicillin V benzathine)、ペニシリンVヒドラバミン(penicillin V hydrabamine)、ピニメピサイクリン(penimepicycline)、及びペンシヒシリンカリウム(phencihicillin potassium))、リンコサミド類(lincosamides)(例えば、クリンダマイシン(clindamycin)、及びリンコマイシン(lincomycin))、マクロライド類(macrolides)(例えば、アジスロマイシン(azithromycin)、カルボマイシン(carbomycin)、クラリソマイシン(clarithomycin)、ジリスロマイシン(dirithromycin)、エリスロマイシン(erythromycin)、及びエリスロマイシンアシストレート(erythromycin acistrate))、アンホマイシン(amphomycin)、バシトラシン(bacitracin)、カプレオマイシン(capreomycin)、コリスチン(colistin)、エンドウラシン(enduracidin)、エンビオマイシン(enviomycin)、テトラサイクリン類(tetracyclines)(例えば、アピサイクリン(apicycline)、クロルテトラサイクリン(chlortetracycline)、クロモサイクリン(clomocycline)、及びデメクロサイクリン(demeclocycline))、2,4-ジアミノピリミジン(例えば、ブロジモプリム(brodimoprim))、ニトロフラン類(nitrofurans)(例えば、フラルタドン(furaltadone)、及び塩化フラゾリウム(furazolium chloride))、キノロン類(quinolones)及びそれらの類似体(例えば、シノキサシン(cinoxacin)、シプロフロキサシン(ciprofloxacin)、クリナフロキサシン(clinafloxacin)、フルメキン(flumequine)、及びグレパグロキサシン(grepagloxacin))、スルホンアミド類(例えば、アセチルスルファメトキシピラジン(acetyl sulfamethoxypyrazine)、ベンジルスルファミド(benzylsulfamide)、ノプリルスルファミド(noprylsulfamide)、フタリルスルフアセトアミド(phthalylsulfacetamide)、スルファクリソイジン(sulfachrysoidine)、及びスルファシチン(sulfacytine))、スルホン類(例えば、ジアチモスルホン、グルコスルホンナトリウム、及びソラスルホン(solasulfone))、サイクロセリン(cycloserine)、ムピロシン(mupirocin)及びチュベリン(tuberin)である。
ある特定の実施態様では、コラーゲンバイオ線維は抗真菌薬でコーティングしてもよいし、或いは抗真菌薬を含浸させてもよい。好適な抗真菌薬としては、限定されるものではないが、アムホテリシンB(amphotericin B)、イトラコナゾール(amphotericin B)、ケトコナゾール(ketoconazole)、フルコナゾール(fluconazole)、イントラセカル(intrathecal)、フルシトシン(flucytosine)、ミコナゾール(miconazole)、ブトコナゾール(butoconazole)、クロトリマゾール(clotrimazole)、ナイスタチン (nystatin)、テルコナゾール(terconazole)、チオコナゾール(tioconazole)、シクロピロクス(ciclopirox)、エコナール(econazole)、ハロプログリン(haloprogrin)、ナフチフィン(naftifine)、テルビナフィン(terbinafine)、ウンデシレン酸塩(undecylenate)、及びグリセオフルジン(griseofuldin)が挙げられる。
他の特定の実施態様では、コラーゲンバイオ線維、又はコラーゲンバイオ線維を含む複合材料は抗炎症薬でコーティングしてもよいし、或いは抗炎症薬を含浸させてもよい。有用な抗炎症薬としては、限定されるものではないが、サリチル酸、アセチルサリチル酸、サリチル酸メチル、ジフルニサル(diflunisal)、サルサレート(salsalate)、オルサラジン(olsalazine)、スルファサラジン(sulfasalazine)、アセトアミノフェン(acetaminophen)、インドメタシン(indomethacin)、スリンダック(sulindac)、エトドラック(etodolac)、メフェナム酸(mefenamic acid)、メクロフェナム酸ナトリウム、トルメチン(tolmetin)、ケトロラク(ketorolac)、ジクロフェナク(dichlofenac)、イブプロフェン(ibuprofen)、ナプロキセン(naproxen)、ナプロキセンナトリウム、フェノプロフェン(fenoprofen)、ケトプロフェン(ketoprofen)、フルルビンプロフェン(flurbinprofen)、オキサプロジン(oxaprozin)、ピロキシカム(piroxicam)、メロキシカム(meloxicam)、アンピロキシカム(ampiroxicam)、ドロキシカム(droxicam)、ピボキシカム(pivoxicam)、テノキシカム(tenoxicam)、ナブメトン(nabumetome)、フェニルブタゾン(phenylbutazone)、オキシフェンブタゾン(oxyphenbutazone)、アンチピリン(antipyrine)、アミノピリン(aminopyrine)、アパゾン(apazone)及びニメスリド(nimesulide)などの非ステロイド系抗炎症薬;限定されるものではないが、ジレウトン(zileuton)、金チオグルコース、金チオリンゴ酸ナトリウム及びオーラノフィン(auranofin)を含むロイコトリエンアンタゴニスト;並びに限定されるものではないが、メトトレキサート(methotrexate)、コルヒチン(colchicine)、アロプリノール(allopurinol)、プロベネシド(probenecid)、スルフィンピラゾン(sulfinpyrazone)及びベンズブロマロン(benzbromarone)を含む他の抗炎症薬が挙げられる。
ある特定の実施態様では、コラーゲンバイオ線維、又はコラーゲンバイオ線維を含む複合材料は抗ウイルス薬でコーティングしてもよいし、或いは抗ウイルス薬を含浸させてもよい。有用な抗ウイルス薬としては、限定されるものではないが、ジドブジン(zidovudine)、アシクロビル(acyclovir)、ガンシクロビル(gangcyclovir)、ビダラビン(vidarabine)、イドクスウリジン(idoxuridine)、トリフルリジン(trifluridine)及びリバビリン(ribavirin)などのヌクレオシド類似体、並びにホスカルネット(foscarnet)、アマンタジン(amantadine)、リマンタジン(rimantadine)、サキナビル(saquinavir)、インジナビル(indinavir)、リトナビル(ritonavir)及びα-インターフェロンが挙げられる。
コラーゲンバイオ線維、又はコラーゲンバイオ線維を含む複合材料はまた、サイトカイン受容体モジュレーターでコーティングしてもよいし、或いはサイトカイン受容体モジュレーターを含浸させてもよい。サイトカイン受容体モジュレーターの例としては、限定されるものではないが、可溶性サイトカイン受容体(例えば、TNF-α受容体の細胞外ドメイン又はそのフラグメント、IL-10受容体の細胞外ドメイン又はそのフラグメント、及びIL-6受容体の細胞外ドメイン又はそのフラグメント)、サイトカイン又はそのフラグメント(例えば、インターロイキン(IL)-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-9、IL-10、IL-11、IL-12、IL-15、TNF-α、TNF-β、インターフェロン(IFN)-α、IFN-β、IFN-γ、及びGM-CSF)、抗サイトカイン受容体抗体(例えば、抗IFN受容体抗体、抗IL-2受容体抗体(例えば、Zenapax (Protein Design Labs))、抗IL-4受容体抗体、抗IL-6受容体抗体、抗IL-10受容体抗体、及び抗IL-12受容体抗体)、抗サイトカイン抗体(例えば、抗IFN抗体、抗TNF-α抗体、抗IL-10抗体、抗IL-6抗体、抗IL-8抗体(例えば、ABX-IL-8 (Abgenix))、及び抗IL- 12抗体)が挙げられる。特定の実施態様では、サイトカイン受容体モジュレーターはIL-4、IL-10、又はそのフラグメントである。別の実施形態では、サイトカイン受容体モジュレーターは抗IL-1抗体、抗IL-6抗体、抗IL-12受容体抗体、又は抗TNF-α抗体である。別の実施形態では、サイトカイン受容体モジュレーターはTNF-α受容体の細胞外ドメイン又はそのフラグメントである。ある特定の実施態様では、サイトカイン受容体モジュレーターはTNF-αアンタゴニストではない。
好ましい実施形態では、免疫調節薬として用いられるタンパク質、ポリペプチド又はペプチド(抗体を含む)は、それらのタンパク質、ポリペプチド又はペプチドに対する免疫応答の可能性を小さくするためにそのタンパク質、ポリペプチド又はペプチドのレシピエントと同種から誘導される。別の好ましい実施形態では、対象がヒトである場合、免疫調節薬として用いられるタンパク質、ポリペプチド、又はペプチドはヒトのものであるか、ヒト化されている。
コラーゲンバイオ線維、又はコラーゲンバイオ線維を含む複合材料はまた、サイトカインでコーティングしてもよいし、或いはサイトカインを含浸させてもよい。サイトカインの例としては、限定されるものではないが、コロニー刺激因子1(CSF-1)、インターロイキン-2(IL-2)、インターロイキン-3(IL-3)、インターロイキン-4(IL-4)、インターロイキン-5(IL-5)、インターロイキン-6(IL-6)、インターロイキン-7(IL-7)、インターロイキン-9(IL-9)、インターロイキン-10(IL-10)、インターロイキン-12(IL-12)、インターロイキン15(IL-15)、インターロイキン18(IL-18)、インスリン様増殖因子1(IGF-1)、血小板由来増殖因子(PDGF)、エリスロポエチン(Epo)、上皮細胞増殖因子(EGF)、繊維芽細胞増殖因子(FGF)(塩基性又は酸性)、顆粒球マクロファージ刺激因子(GM-CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、ヘパリン結合上皮細胞増殖因子(HEGF)、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、プロラクチン、及びインターフェロン(IFN)(例えば、IFN-α、及びIFN-γ)、トランスフォーミング増殖因子α(TGF-α)、TGFβ1、TGFβ2、腫瘍壊死因子α(TNF-α)、血管内皮増殖因子(VEGF)、肝細胞増殖因子(HGF)などが挙げられる。
コラーゲンバイオ線維はまた、ホルモンでコーティングしてもよいし、或いはホルモンを含浸させてもよい。ホルモンの例としては、限定されるものではないが、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)、成長ホルモン(GH)、成長ホルモン放出ホルモン、ACTH、ソマトスタチン(somatostatin)、ソマトトロピン(somatotropin)、ソマトメジン(somatomedin)、副甲状腺ホルモン、視床下部放出因子、インスリン、グルカゴン、エンケファリン(enkephalins)、バソプレシン(vasopressin)、カルシトニン(calcitonin)、ヘパリン(heparin)、低分子量ヘパリン、ヘパリノイド(heparinoids)、合成及び天然オピオイド、インスリン甲状腺刺激ホルモン、及びエンドルフィン(endorphins)が挙げられる。β-インターフェロンの例としては、限定されるものではないが、インターフェロンβ1-a及びインターフェロンβ1-bが挙げられる。
コラーゲンバイオ線維、又はコラーゲンバイオ線維を含む複合材料はまた、アルキル化剤でコーティングしてもよいし、或いはアルキル化剤を含浸させてもよい。アルキル化剤の例としては、限定されるものではないが、ナイトロジェンマスタード、エチレンイミン、メチルメラミン、スルホン酸アルキル、ニトロソ尿素、トリアゼン(triazenes)、メクロレタミン(mechlorethamine)、シクロホスファミド(cyclophosphamide)、イフォスファミド(ifosfamide)、メルファラン(melphalan)、クロラムブシル(chlorambucil)、ヘキサメチルメライン(hexamethylmelaine)、チオテパ(thiotepa)、ブスルファン(busulfan)、カルムスチン(carmustine)、ストレプトゾシン(streptozocin)、ダカルバジン(dacarbazine)及びテモゾロマイド(temozolomide)が挙げられる。
コラーゲンバイオ線維、又はコラーゲンバイオ線維を含む複合材料はまた、免疫調節薬でコーティングしてもよいし、或いは免疫調節薬を含浸させてもよく、限定されるものではないが、メトトレキサート、レフルノミド(leflunomide)、シクロホスファミド、シクロスポリンA、マクロライド抗生物質(例えば、FK506 (タクロリムス(tacrolimus)))、メチルプレドニゾロン(methylprednisolone)(MP)、コルチコステロイド、ステロイド、ミコフェノール酸モフェチル(mycophenolate mofetil)、ラパマイシン(rapamycin)(シロリムス(sirolimus))、ミゾリビン(mizoriribine)、デオキシスパガリン(deoxyspergualin)、ブレキナル(brequinar)、マロノニトリロアミンド(malononitriloamindes)(例えば、レフルナミド(leflunamide))、T細胞受容体モジュレーター(MP)、及びサイトカイン受容体モジュレーター、ペプチドミメティクス、及び抗体(例えば、ヒト、ヒト化、キメラ、モノクローナル、ポリクローナル、Fvs、ScFvs、Fab 若しくはF(ab)2フラグメント、又はエピトープ結合フラグメント)、核酸分子(例えば、アンチセンス核酸分子及び三重らせん)、小分子、有機化合物、及び無機化合物が挙げられる。特に、免疫調節薬としては、限定されるものではないが、メトトレキサート、レフルノミド、シクロホスファミド、サイトキサン(Cytoxan)、イムラン(Immuran)、シクロスポリンA、ミノサイクリン(minocycline)、アザチオプリン(azathioprine)、抗生物質(例えば、FK506(タクロリムス))、メチルプレドニゾロン(MP)、コルチコステロイド、ステロイド、ミコフェノール酸モフェチル、ラパマイシン(シロリムス)、ミゾリビン、デオキシスパガリン、ブレキナル、マロノニトリロアミンド(malononitriloamindes)(例えば、レフルナミド(leflunamide))、T細胞受容体モジュレーター、及びサイトカイン受容体モジュレーターが挙げられる。T細胞受容体モジュレーターの例としては、限定されるものではないが、抗T細胞受容体抗体(例えば、抗CD4抗体(例えば、cM-T412 (Boeringer)、IDEC-CE9.s (IDEC及びSKB)、mAB 4162W94、オルトクローン及びOKTcdr4a (Janssen-Cilag))、抗CD3抗体(例えば、Nuvion (Product Design Labs)、OKT3 (Johnson & Johnson)、又はRituxan (IDEC))、抗CD5抗体(例えば、抗CD5リシン連結免疫複合体)、抗CD7抗体(例えば、CHH-380 (Novartis))、抗CD8抗体、抗CD40リガンドモノクローナル抗体(例えば、IDEC-131(IDEC))、抗CD52抗体(例えば、CAMPATH 1H(Ilex))、抗CD2抗体、抗CD1 Ia抗体(例えば、Xanelim (Genetech))、及び抗B7抗体(例えば、IDEC-114)(IDEC)))並びにCTLA4-免疫グロブリンが挙げられる。特定の実施態様では、T細胞受容体モジュレーターはCD2アンタゴニストである。他の実施態様では、T細胞受容体モジュレーターはCD2アンタゴニストではない。別の特定の実施態様では、T細胞受容体モジュレーターはCD2結合分子、好ましくは、MEDI-507である。他の実施態様では、T細胞受容体モジュレーターはCD2結合分子ではない。
コラーゲンバイオ線維、又はコラーゲンバイオ線維を含む複合材料はまた、IMiDs(登録商標)として知られる免疫調節化合物種をコーティング又は含浸させてもよい。本明細書において、特に断りのない限り、「IMiD(登録商標)」及び「IMiDs(登録商標)」(Celgene Corporation)とは、TNF-α、LPS誘導単球IL1β及びIL 12の産生を著しく阻害し、IL6の産生を部分的に阻害する有機小分子を包含する。具体的な免疫調節化合物を以下に述べる。
このような免疫調節化合物の具体例としては、限定されるものではないが、米国特許第5,929,117号に開示されているものなどの、置換スチレンのシアノ及びカルボキシ誘導体;米国特許第5,874,448号及び同第5,955,476号に記載されているものなどの1-オキソ-2-(2,6-ジオキソ-3-フルオロピペリジン-3-イル)イソインドリン及び1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソ-3-フルオロピペリジン-3-イル)イソインドリン;米国特許第5,798,368号に記載されている四置換2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1- オキソイソインドリン;限定されるものではないが、米国特許第5,635,517号、同第6,476,052号、同第6,555,554号及び同第6,403,613号に開示されているものを含む、1-オキソ及び1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン(例えば、サリドマイドの4-メチル誘導体);米国特許第6,380,239号に記載されている、インドリン環の4位又は5位で置換されている1-オキソ及び1,3-ジオキソイソインドリン(例えば、4-(4-アミノ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-4-カルバモイル酪酸);米国特許第6,458,810号に記載されている、2位において2,6-ジオキソ-3-ヒドロキシピペリジン-5-イルで置換されているイソインドリン-1−オン及びイソインドリン-1,3-ジオン(例えば、2-(2,6-ジオキソ-3-ヒドロキシ-5-フルオロピペリジン-5-イル)-4-アミノイソインドリン-1−オン);米国特許第5,698,579号及び同第5,877,200号に開示されている非ポリペプチド環状アミド種;米国特許第6,281,230号及び同第6,316,471号に記載されているものなどの、アミノサリドマイド、並びにアミノサリドマイドの類似体、加水分解産物、代謝産物、誘導体及び前駆体、また、置換2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)フタルイミド及び置換2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドール;及び2001年10月5日出願の米国特許出願第09/972,487号、2001年12月21日出願の米国特許出願第10/032,286号、及び国際出願第PCT/US01/50401号(国際公開番号WO 02/059106)に記載されているものなどのイソインドール-イミド化合物が挙げられる。本明細書に見られる各特許及び特許出願の全開示内容は、引用により本明細書中に組み込まれている。免疫調節化合物としては、サリドマイドを含まない。
その他の具体的な免疫調節化合物としては、限定されるものではないが、引用により本明細書中に組み込まれている米国特許第5,635,517号に記載されているようなベンゾ環においてアミノで置換されている1-オキソ-及び1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリンが挙げられる。これらの化合物は構造Iを有する:
Figure 2008544818
(式中、X及びYの一方はC=Oであり、X及びYの他方はC=O又はCH2であり、R2は水素又は低級アルキル、特にメチルである。)。具体的な免疫調節化合物としては、限定されるものではないが、
1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリン;
1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-5-アミノイソインドリン;
1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-6-アミノイソインドリン;
1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-7-アミノイソインドリン;
1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリン;及び
1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-5-アミノイソインドリン
が挙げられる。
他の具体的な免疫調節化合物は、各々引用により本明細書中に組み込まれている米国特許第6,281,230号、同第6,316,471号、同第6,335,349号及び同第6,476,052号、並びに国際特許出願第PCT/US97/13375号(国際公開番号WO 98/03502)に記載されているものなど、置換2-(2,6- ジオキソピペリジン-3-イル)フタルイミド種及び置換2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドール種に属す。代表的な化合物は下記式のものである:
Figure 2008544818
(式中、
X及びYの一方はC=Oであり、X及びYの他方はC=O又はCH2であり;
(i)R1、R2、R3及びR4は各々他とは独立に、ハロ、1〜4炭素原子のアルキル、又は1〜4炭素原子のアルコキシであるか、又は(ii)R1、R2、R3及びR4の1つは-NHR5であり、R1、R2、R3及びR4の残りのものは水素であり;
R5は水素又は1〜8炭素原子のアルキルであり;
R6は水素、1〜8炭素原子のアルキル、ベンジル、又はハロであり;
ただし、X及びYがC=Oであって、(i)R1、R2、R3及びR4の各々がフルオロであるか、又は(ii)R1、R2、R3又はR4の各々がアミノである場合、R6は水素以外である。)。
この種の代表的な化合物は下記式のものである:
Figure 2008544818
(式中、R1は水素又はメチルである。)。別の実施態様では、本発明は、これら化合物の鏡像異性的に純粋な形態(例えば、光学的に純粋な(R)又は(S)鏡像異性体)の使用を包含する。
さらに他の具体的な免疫調節化合物は、引用により本明細書中に組み込まれている米国特許出願公開番号US2003/0096841及びUS 2003/0045552及び国際出願第PCT/USOl/50401号(国際公開番号WO 02/059106)に開示されているイソインドール-イミド種に属す。代表的な化合物は下記式IIのもの、並びにその医薬として許容し得る塩、水和物、溶媒和物、包接体、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、及び立体異性体の混合物である:
Figure 2008544818
(式中、
X及びYの一方はC=Oであり、他方はCH2又はC=Oであり;
R1は、H、(C1-C8)アルキル、(C3-C7)シクロアルキル、(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C0-C4)アルキル-(C1-C6)ヘテロシクロアルキル、(C0-C4)アルキル-(C2-C5)ヘテロアリール、C(O)R3 、C(S)R3、C(O)OR4、(C1-C8)アルキル-N(R6)2、(C1-C8)アルキル-OR5、(C1-C8)アルキル-C(O)OR5、C(O)NHR3、C(S)NHR3、C(O)NR3R3'、C(S)NR3R3'又は(C1-C8)アルキル-O(CO)R5であり;
R2は、H、F、ベンジル、(C1-C8アルキル、(C2-C8)アルケニル又は(C2-C8)アルキニルであり;
R3及びR3'は独立に、(C1-C8)アルキル、(C3-C7)シクロアルキル、(C2-C8)アルケニル、(C2- C8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C0-C4)アルキル-(C1-C6)ヘテロシクロアルキル、(C0-C4)アルキル-(C2-C5)ヘテロアリール、(C0-C8)アルキル-N(R6)2、(C1-C8)アルキル-OR5、(C1-C8)アルキル-C(O)OR5、(C1-C8)アルキル-O(CO)R5又はC(O)OR5であり;
R4は、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、(C1-C4)アルキル-OR5、ベンジル、アリール、(C0-C4)アルキル-(C1-C6)ヘテロシクロアルキル又は(C0-C4)アルキル-(C2-C5)ヘテロアリールであり;
R5は、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、ベンジル、アリール又は(C2-C5)ヘテロアリールであり;
R6の各存在は独立に、H、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C2-C5)ヘテロアリール又は(C0-C8)アルキル-C(O)O-R5であるか、又はR6基は連結してヘテロシクロアルキル基を形成し;
nはO又は1であり;かつ
*はキラル-炭素中心を表す。)。
式IIの具体的な化合物において、nが0である場合、R1は(C3-C7)シクロアルキル、(C2- C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C0-C4)アルキル-(C1-C6)ヘテロシクロアルキル、(C0-C4)アルキル-(C2-C5)ヘテロアリール、C(O)R3、C(O)OR4、(C1-C8)アルキル-N(R6)2、(C1-C8)アルキル-OR5、(C1-C8)アルキル-C(O)OR5、C(S)NHR3又は(C1-C8)アルキル-O(CO)R5であり;
R2は、H又は(C1-C8)アルキルであり;
R3は、(C1-C8)アルキル、(C3-C7)シクロアルキル、(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C0-C4)アルキル-(C1-C6)ヘテロシクロアルキル、(C0-C4)アルキル-(C2-C5)ヘテロアリール、(C5-C8)アルキル-N(R6)2;(C0-C8)アルキル-NH-C(O)O-R5;(C1-C8)アルキル-OR5、(C1-C8)アルキル-C(O)OR5、(C1-C8)アルキル-O(CO)R5又はC(O)OR5であり;かつ、他の変数は同じ定義を有する。
式IIの他の具体的な化合物では、R2はH又は(C1-C4)アルキルである。
式IIの他の具体的な化合物では、R1は(C1-C8)アルキル又はベンジルである。
式IIの他の具体的な化合物では、R1はH、(C1-C8)アルキル、ベンジル、CH2OCH3、CH2CH2OCH3、又は
Figure 2008544818
である。
式IIの化合物の別の実施形態では、R1
Figure 2008544818
である:
(式中、QはO又はSであり、R7の各存在は独立に、H、(C1-C8)アルキル、(C3-C7)シクロアルキル、(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、ベンジル、アリール、ハロゲン、(C0-C4)アルキル-(C1-C6)ヘテロシクロアルキル、(C0-C4)アルキル-(C2-C5)ヘテロアリール、(C0-C8)アルキル-N(R6)2、(C1-C8)アルキル-OR5、(C1-C8)アルキル-C(O)OR5、(C1-C8)アルキル-O(CO)R5若しくはC(O)OR5、又はR7の隣接する存在は一体となって二環式アルキル環又はアリール環を形成することができる。)。
式IIの他の具体的な化合物では、R1はC(O)R3である。
式IIの他の具体的な化合物では、R3は(C0-C4)アルキル-(C2-C5)ヘテロアリール、(C1-C8)アルキル、アリール又は(C0-C4)アルキル-OR5である。
式IIの他の具体的な化合物では、ヘテロアリールはピリジル、フリル又はチエニルである。
式IIの他の具体的な化合物では、R1はC(O)OR4である。
式IIの他の具体的な化合物では、C(O)NHC(O)のHは(C1-C4)アルキル、アリール又はベンジルで置換することができる。
この種の化合物のさらなる例としては、限定されるものではないが、下記のものが挙げられる:[2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-イルメチル]-アミド;(2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-イルメチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル;4-(アミノメチル)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオン;N-(2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-イルメチル)-アセトアミド;N-{(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)メチル}シクロプロピル-カルボキサミド;2-クロロ-N-{(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)メチル}アセトアミド;N-(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)-3-ピリジルカルボキサミド;3-{1-オキソ-4-(ベンジルアミノ)イソインドリン-2-イル}ピペリジン-2,6-ジオン;2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-4-(ベンジルアミノ)イソインドリン-1,3-ジオン;N-{(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)メチル}プロパンアミド;N-{(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)メチル}-3-ピリジルカルボキサミド;N-{(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)メチル}ヘプタンアミド;N-{(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)メチル}-2-フリルカルボキサミド;{N-(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)カルバモイル}メチルアセテート;N-(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3 -ジオキソイソインドリン-4-イル)ペンタンアミド;N-(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)-2-チエニルカルボキサミド;N-{[2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル]メチル}(ブチルアミノ)カルボキサミド;N-{[2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル]メチル}(オクチルアミノ)カルボキサミド;及びN-{[2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル]メチル}(ベンジルアミノ)カルボキサミドである。
さらに他の具体的免疫調節化合物は、各々引用により本明細書中に組み込まれている米国特許出願公開番号US2002/0045643、国際公開番号WO 98/54170、及び米国特許第6,395,754号に開示されているイソインドール-イミド種に属す。代表的な化合物は式IIIのもの、並びにその医薬として許容し得る塩、水和物、溶媒和物、包接体、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、立体異性体の混合物である:
Figure 2008544818
(式中、
X及びYの一方はC=Oであり、他方はCH2又はC=Oであり;
RはH又はCH2OCOR'であり;
(i)R1、R2、R3又はR4は各々他とは独立に、ハロ、1〜4炭素原子のアルキル、又は1〜4炭素原子のアルコキシであるか、或いは(ii)R1、R2、R3又はR4の1つはニトロ又は-NHR5であり、R1、R2、R3又はR4の残りのものは水素であり;
R5は水素又は1〜8炭素原子のアルキルであり;
R6は水素、1〜8炭素原子のアルキル、ベンゾ、クロロ、又はフルオロであり;
R'はR7-CHR10-N(R8R9)であり;
R7はm-フェニレン又はp-フェニレン又は-(CnH2n)-(ここで、nは0〜4の値を有する)であり;
R8及びR9は各々他とは独立に、水素又は1〜8炭素原子のアルキルであるか、又はR8及びR9は一体となり、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン又は-CH2CH2X1CH2CH2-(ここで、X1は-O-、-S-又は-NH-である)であり;
R10は水素、8個までの炭素原子のアルキル又はフェニルであり;かつ
*はキラル炭素中心を表す。)。
他の代表的な化合物は下記式のものである:
Figure 2008544818
(式中、
X及びYの一方はC=Oであり、X及びYの他方はC=O又はCH2であり;
(i)R1、R2、R3又はR4は各々他とは独立に、ハロ、1〜4炭素原子のアルキル、又は1〜4炭素原子のアルコキシであるか、或いは(ii)R1、R2、R3及びR4の1つは-NHR5であり、R1、R2、R3及びR4の残りのものは水素であり;
R5は水素又は1〜8炭素原子のアルキルであり;
R6は水素、1〜8炭素原子のアルキル、ベンゾ、クロロ、又はフルオロであり;
R7はm-フェニレン又はp-フェニレン又は-(CnH2n)-(ここで、nは0〜4の値を有する)であり;
R8及びR9は各々他とは独立に、水素又は1〜8炭素原子のアルキルであるか、又はR8及びR9は一体となり、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン又は-CH2CH2X1CH2CH2-(ここで、X1は-O-、-S-又は-NH-である)であり;
R10は水素、8個までの炭素原子のアルキル又はフェニルである。)。
他の代表的な化合物は下記式のものである:
Figure 2008544818
(式中、
X及びYの一方はC=Oであり、X及びYの他方はC=O又はCH2であり;
R1、R2、R3及びR4は各々他とは独立に、ハロ、1〜4炭素原子のアルキル、又は1〜4炭素原子のアルコキシであるか、或いは(ii)R1、R2、R3及びR4の1つはニトロ又は保護されたアミノであり、R1、R2、R3及びR4の残りのものは水素であり;かつ
R6は水素、1〜8炭素原子のアルキル、ベンゾ、クロロ、又はフルオロである。)。
他の代表的な化合物は下記式のものである:
Figure 2008544818
(式中、
X及びYの一方はC=Oであり、X及びYの他方はC=O又はCH2であり;
(i)R1、R2、R3及びR4は各々他とは独立に、ハロ、1〜4炭素原子のアルキル、又は1〜4炭素原子のアルコキシであるか、或いは(ii)R1、R2、R3及びR4の1つは-NHR5であり、R1、R2、R3及びR4の残りのものは水素であり;
R5は水素、1〜8炭素原子のアルキル、又はCO-R7-CH(R10)NR8R9(ここで、R7、R8、R9及びR10の各々は本明細書に定義されている通り)であり;かつ
R6は1〜8炭素原子のアルキル、ベンゾ、クロロ、又はフルオロである。)。
これらの化合物の具体例は下記式のものである:
Figure 2008544818
(式中、
X及びYの一方はC=Oであり、X及びYの他方はC=O又はCH2であり;
R6は水素、1〜8炭素原子のアルキル、ベンジル、クロロ、又はフルオロであり;
R7はm-フェニレン又はp-フェニレン又は-(CnH2n)-(ここで、nは0〜4の値を有する)であり;
R8及びR9は各々他とは独立に、水素又は1〜8炭素原子のアルキルであるか、又はR8及びR9は一体となり、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン又は-CH2CH2X1CH2CH2-(ここで、X1は-O-、-S-又は-NH-である)であり;かつ
R10は水素、1〜8炭素原子のアルキル又はフェニルである。)。
好ましい免疫調節化合物は、4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオン及び3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオンである。これらの化合物は標準的な合成方法(例えば、引用により本明細書中に組み込まれている米国特許第5,635,517号参照)により得ることができる。これらの化合物はCelgene Corporation, Warren, NJから入手可能である。4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオンは次の化学構造を有する:
Figure 2008544818
化合物3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオンは次の化学構造を有する:
Figure 2008544818
別の実施形態では、具体的な免疫調節化合物は、2003年9月4日出願の米国仮出願第60/499,723号及び2004年9月3日出願の米国本出願第10/934,863号に開示されている(双方とも引用により本明細書中に組み込まれている)、A型、B型、C型、D型、E型、F型、G型及びH型などの3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリデン-2,6-ジオンの多型を包含する。例えば、3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリデン-2,6-ジオンのA型は、非水性溶媒系から得ることができる溶媒和型の結晶性物質である。A型は、およそ8、14.5、16、17.5、20.5、24及び26°2θに主要なピークを含むX線粉末回折図形を有し、その示差走査熱量融解最大温度は約270℃である。A型は脆弱又は非吸湿性であり、これまでに見出されている3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオンの熱力学的に最も安定な多型であると思われる。
3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリデン-2,6-ジオンのB型は、限定されるものではないが、ヘキサン、トルエン、及び水をはじめとする種々の溶媒系から得ることができる半水和型の結晶性物質である。B型は、およそ16、18、22及び27°2θに主要なピークを含むX線粉末回折図形を有し、DSC曲線からの吸熱として約146℃及び268℃を有し、これらは高温顕微鏡実験により、脱水及び融解であると特定される。相互変換研究は、水性溶媒系ではB型はE型へ変換し、アセトン及び他の無水系では他の形態へ変換することを示す。
3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリデン-2,6-ジオンのC型は、限定されるものではないが、アセトンなどの溶媒から得ることができる半溶媒和型の結晶性物質である。C型は、およそ15.5及び25°2θに主要なピークを含むX線粉末回折図形を有し、その示差走査熱量融解最大温度は約269℃である。C型は、約85%RH未満の非吸湿性であるが、より高い相対湿度でB型へ変換することができる。
3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリデン-2,6-ジオンのD型は、アセトニトリルと水の混合物から製造される結晶性の溶媒和型多型である。D型は、およそ27及び28°2θに主要なピークを含むX線粉末回折図形を有し、その示差走査熱量融解最大温度は約270℃である。D型は脆弱か非吸湿性かのいずれかであるが、一般により高い相対湿度を受けた際にはB型へ変換する。
3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリデン-2,6-ジオンのE型は、3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリデン-2,6-ジオンを水中でスラリーとし、アセトン:水約9:1比の溶媒系で3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリデン-2,6-ジオンをゆっくり蒸発させることにより得ることができる二水和型の結晶性物質である。E型は、およそ20、24.5及び29°2θに主要なピークを含むX線粉末回折図形を有し、その示差走査熱量融解最大温度は約269℃である。E型はアセトン溶媒系ではC型へ、また、THF溶媒系ではG型へ変換する。水性溶媒系では、E型が最も安定な形態であると思われる。E型に対して行った脱溶媒和実験は、約125℃で約5分加熱するとE型がB型へ変換することができることを示す。175℃で約5分加熱すると、B型はF型へ変換することができる。
3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリデン-2,6-ジオンのF型は、E型の脱水から得ることができる溶媒和型の結晶性物質である。F型はおよそ19、19.5及び25°2θに主要なピークを含むX線粉末回折図形を有し、その示差走査熱量融解最大温度は約269℃である。
3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリデン-2,6-ジオンのG型は、限定されるものではないが、テトラヒドロフラン(THF)などの溶媒中でB型とE型をスラリーとすることから得ることができる非溶媒和型の結晶性物質である。G型は、およそ21、23及び24.5に主要なピークを含むX線粉末回折図形を有し、その示差走査熱量融解最大温度は約267℃である。
3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリデン-2,6-ジオンのH型は、E型を相対湿度0%に置くことにより得ることができる部分水和型(約0.25モル)の結晶性物質である。H型は、およそ15、26及び31°2θに主要なピークを含むX線粉末回折図形を有し、その示差走査熱量融解最大温度は約269℃である。
他の具体的な免疫調節化合物としては、限定されるものではないが、各々引用により本明細書中に組み込まれている米国特許第5,874,448号及び同第5,955,476号に記載されているものなどの1-オキソ-2-(2,6-ジオキソ-3-フルオロピペリジン-3-イル)イソインドリン及び1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソ-3-フルオロピペリジン-3-イル)イソインドリンが挙げられる。代表的な化合物は下記式のものである:
Figure 2008544818
(式中、Yは酸素又はH2であり、
R1、R2、R3及びR4は各々他とは独立に、水素、ハロ、1〜4炭素原子のアルキル、1〜4炭素原子のアルコキシ又はアミノである。)。
他の具体的な免疫調節化合物としては、限定されるものではないが、引用により本明細書中に組み込まれている米国特許第5,798,368号に記載されている4置換2-(2,6-ジオキソピペルジン(piperdin)-3-イル)-1-オキソイソインドリンが挙げられる。代表的な化合物は下記式のものである:
Figure 2008544818
(式中、R1、R2、R3及びR4は各々他とは独立に、ハロ、1〜4炭素原子のアルキル、又は1〜4炭素原子のアルコキシである。)。
他の具体的な免疫調節化合物としては、限定されるものではないが、引用により本明細書中に組み込まれている米国特許第6,403,613号に開示されている1-オキソ及び1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリンが挙げられる。代表的な化合物は下記式のものである:
Figure 2008544818
(式中、
Yは酸素又はH2であり、
R1及びR2の第一のものはハロ、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シアノ又はカルバモイルであり、R1及びR2の第二のものは第一のものとは独立に、水素、ハロ、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シアノ又はカルバモイルであり、
R3は水素、アルキル又はベンジルである。)。
これらの化合物の具体例は下記式のものである:
Figure 2008544818
(式中、
R1及びR2の第一のものはハロ、1〜4炭素原子のアルキル、1〜4炭素原子のアルコキシ、各アルキルが1〜4炭素原子であるジアルキルアミノ、シアノ又はカルバモイルであり、
R1及びR2の第二のものは第一のものとは独立に、水素、ハロ、1〜4炭素原子のアルキル、1〜4炭素原子のアルコキシ、アルキルが1〜4炭素原子であるアルキルアミノ、各アルキルが1〜4炭素原子であるジアルキルアミノ、シアノ又はカルバモイルであり、
R3は水素、1〜4炭素原子のアルキル又はベンジルである。)。具体例としては、限定されるものではないが、1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-メチルイソインドリンが挙げられる。
他の代表的な化合物は下記式のものである:
Figure 2008544818
(式中、
R1及びR2の第一のものはハロ、1〜4炭素原子のアルキル、1〜4炭素原子のアルコキシ、各アルキルが1〜4炭素原子であるジアルキルアミノ、シアノ又はカルバモイルであり、
R1及びR2の第二のものは第一のものとは独立に、水素、ハロ、1〜4炭素原子のアルキル、1〜4炭素原子のアルコキシ、アルキルが1〜4炭素原子であるアルキルアミノ、各アルキルが1〜4炭素原子であるジアルキルアミノ、シアノ又はカルバモイルであり、
R3は水素、1〜4炭素原子のアルキル又はベンジルである。)。
具体例としては、限定されるものではないが、1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-メチルイソインドリンが挙げられる。
他の具体的な免疫調節化合物としては、限定されるものではないが、引用により本明細書中に組み込まれている2004年7月28日出願の米国特許第6,380,239号及び同時係属米国出願第10/900,270号に記載されている、インドリン環の4位又は5位において置換されている1-オキソ及び1,3-ジオキソイソインドリンが挙げられる。代表的な化合物は下記式のもの及びその塩である:
Figure 2008544818
(式中、C*で示される炭素原子はキラル中心をなし(nが0でなく、かつ、R1がR2と同じでない場合);X1及びX2の一方はアミノ、ニトロ、1〜6炭素のアルキル又はNH-Zであり、X1又はX2の他方は水素であり;R1及びR2は各々他とは独立に、ヒドロキシ又はNH-Zであり;R3は水素、1〜6炭素のアルキル、ハロ又はハロアルキルであり;Zは水素、アリール、1〜6炭素のアルキル、ホルミル又は1〜6炭素のアシルであり;nは0、1又は2の値を有し;ただし、X1がアミノであり、かつ、nが1又は2である場合、R1及びR2は双方ともにヒドロキシであることはない。)。
さらなる代表的な化合物は下記式のものである:
Figure 2008544818
(式中、nが0でなく、かつ、R1がR2ではない場合に、C*で示される炭素原子はキラル中心を成し;X1及びX2の一方はアミノ、ニトロ、1〜6炭素のアルキル又はNH-Zであり、X1又はX2の他方は水素であり;R1及びR2は各々他とは独立に、ヒドロキシ又はNH-Zであり;R3は1〜6炭素のアルキル、ハロ又は水素であり;Zは水素、アリール、又は1〜6炭素のアルキル若しくはアシルであり;nは0、1又は2の値を有する。)。
具体例としては、限定されるものではないが、それぞれ次の構造:
Figure 2008544818
を有する2-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-4-カルバモイル-酪酸及び4-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-4-カルバモイル-酪酸、並びにその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ、及び立体異性体が挙げられる。
他の代表的な化合物は下記式のもの及びその塩である:
Figure 2008544818
(式中、nが0でなく、かつ、R1がR2ではない場合に、C*で示される炭素原子はキラル中心をなし;X1及びX2の一方はアミノ、ニトロ、1〜6炭素のアルキル又はNH-Zであり、X1又はX2の他方は水素であり;R1及びR2は各々他とは独立に、ヒドロキシ又はNH-Zであり;R3は1〜6炭素のアルキル、ハロ又は水素であり;Zは水素、アリール、又は1〜6炭素のアルキル若しくはアシルであり;nは0、1又は2の値を有する。)。
具体例としては、限定されるものではないが、それぞれ次の構造:
Figure 2008544818
を有する4-カルバモイル-4-{4-[(フラン-2-イル-メチル)-アミノ]-1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル}-酪酸、4-カルバモイル-2-{4-[フラン-2-イル-メチル)-アミノ]-1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル}-酪酸、2-{4-[(フラン-2-イル-メチル)-アミノ]-1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル}-4-フェニルカルバモイル-酪酸、及び2-{4-[(フラン-2-イル-メチル)-アミノ]-1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル}-ペンタンジオン酸、並びにその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ、及び立体異性体が挙げられる。これらの化合物の他の具体例は下記式のものである:
Figure 2008544818
(式中、X1及びX2の一方は、ニトロ又はNH-Zであり、X1又はX2の他方は水素であり;
R1及びR2は各々他とは独立に、ヒドロキシ又はNH-Zであり;
R3は1〜6炭素のアルキル、ハロ又は水素であり;
Zは水素、フェニル、1〜6炭素のアシル、又は1〜6炭素のアルキルであり;
nは0、1又は2の値を有し、
ただし、X1及びX2の一方がニトロであり、かつ、nが1又は2である場合、R1及びR2は水素以外のものであり;かつ
-COR2及び-(CH2)nCOR1が異なる場合、C*で示される炭素原子はキラル中心を成す。)。
他の代表的な化合物は下記式のものである:
Figure 2008544818
(式中、X1及びX2の一方は1〜6炭素のアルキルZであり、
R1及びR2は各々他とは独立に、ヒドロキシ又はNH-Zであり;
R3は1〜6炭素のアルキル、ハロ又は水素であり;
Zは水素、フェニル、1〜6炭素のアシル、又は1〜6炭素のアルキルであり;かつ
nは0、1又は2の値を有し、
-COR2及び-(CH2)nCOR1が異なる場合、C*で示される炭素原子はキラル中心を成す。)。
さらに他の具体的な免疫調節化合物としては、限定されるものではないが、引用により本明細書中に組み込まれている米国特許第6,458,810号に記載されている、2位において2,6-ジオキソ-3-ヒドロキシピペリジン-5-イルで置換されているイソインドリン-1−オン及びイソインドリン-1,3-ジオンが挙げられる。代表的な化合物は下記式のものである:
Figure 2008544818
(式中、
*で示される炭素原子はキラル中心を成し;
Xは-C(O)-又は-CH2-であり;
R1は1〜8炭素原子のアルキル又は-NHR3であり;
R2は水素、1〜8炭素原子のアルキル又はハロゲンであり;かつ
R3は水素、
非置換型であるか、又は1〜8炭素原子のアルコキシ、ハロ、アミノ又は1〜4炭素原子のアルキルアミノで置換されている1〜8炭素原子のアルキル、
3〜18炭素原子のシクロアルキル、
非置換型であるか、又は1〜8炭素原子のアルキル、1〜8炭素原子のアルコキシ、ハロ、アミノ又は1〜4炭素原子のアルキルアミノで置換されているフェニル、
非置換型であるか、又は1〜8炭素原子のアルキル、1〜8炭素原子のアルコキシ、ハロ、アミノ又は1〜4炭素原子のアルキルアミノで置換されているベンジル、又は-COR4 であり、ここで、
R4は水素、
非置換型であるか、又は1〜8炭素原子のアルコキシ、ハロ、アミノ又は1〜4炭素原子のアルキルアミノで置換されている1〜8炭素原子のアルキル、
3〜18炭素原子のシクロアルキル、
非置換型であるか、又は1〜8炭素原子のアルキル、1〜8炭素原子のアルコキシ、ハロ、アミノ又は1〜4炭素原子のアルキルアミノで置換されているフェニル、又は
非置換型であるか、又は1〜8炭素原子のアルキル、1〜8炭素原子のアルコキシ、ハロ、アミノ又は1〜4炭素原子のアルキルアミノで置換されているベンジルである。)。
本明細書に開示されている免疫調節化合物は、商業的に購入するか、又は本明細書に開示される特許又は特許公報に開示されている方法に従って調製することができる。さらに、光学的に純粋な化合物は、公知の分割剤又は、並びに他の標準的な合成有機化学技術を用いて非対称に合成されるか、又は分割され得る。
本明細書において、特に断りのない限り、「医薬として許容し得る塩」という語は、語が言及する化合物の無毒性の酸及び塩基付加塩を包含する。許容し得る無毒性の酸付加塩には、例えば、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、メタンスルホン酸、酢酸、酒石酸、乳酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、ソルビン酸、アコニット酸、サリチル酸、フタル酸、エンボリック酸(embolic acid)、エナント酸などの、当技術分野で公知の有機及び無機酸又は塩基に由来するものが含まれる。
本来は酸性の化合物は、様々な医薬として許容し得る塩基と共に塩を形成することができる。かかる酸性化合物の医薬として許容できる塩基付加塩を調製するために使用され得る塩基は、無毒性の塩基付加塩、すなわち限定されるものではないが、アルカリ金属又はアルカリ土類金属塩、及びカルシウム、マグネシウム、ナトリウム又は特にカリウム塩など、医薬として許容し得る陽イオンを含む塩を形成するものである。好適な有機塩基には、限定されるものではないが、N,N-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルマイン(meglumaine)(N-メチルグルカミン)、リシン、及びプロカインが含まれる。
本明細書において、特に断りのない限り、「溶媒和物」という語は本発明の化合物又はその塩を意味し、それは、非共有結合性の分子間力により結ばれている化学量論的又は非化学量論的な量の溶媒をさらに含む。溶媒が水である場合、該溶媒和物は水和物である。
本明細書において、特に断りのない限り、「プロドラッグ」という語は、化合物をもたらすために生物学的状況下(インビトロ又はインビボ)で、加水分解、酸化、又はそうでなければ反応し得る該化合物の誘導体を意味する。プロドラッグの例としては、限定されるものではないが、生加水分解性アミド、生加水分解性エステル、生加水分解性カルバメート、生加水分解性カーボネート、生加水分解性ウレイド、及び生加水分解性ホスフェート類似体などの、生加水分解性部分を含む本発明の免疫調節化合物の誘導体が挙げられる。プロドラッグの他の例としては、-NO、-NO2、-ONO又は-ONO2部分を含む本発明の免疫調節化合物の誘導体が挙げられる。プロドラッグは、「1 Burger の医薬品化学及び創薬(1 Burger's Medicinal Chemistry and Drug Discovery)」172-178、949-982 (Manfred E. Wolff ed.、5th ed. 1995)、及び「プロドラッグの設計(Design of Prodrugs)」(H. Bundgaard ed., Elselvier, New York 1985)に記載されているものなど、一般に、周知の方法を用いて調製することができる。
本明細書において、特に断りのない限り、「生加水分解性アミド」「生加水分解性エステル」「生加水分解性カルバメート」「生加水分解性カーボネート」「生加水分解性ウレイド」「生加水分解性ホスフェート」という語は、: 1)化合物の生物活性を阻害しないが、取り込み、作用時又は作用開始時などにインビボにおいてその化合物に有利な特性を付与し得る化合物;か又は2)生物学的に不活性であるがインビボで生物活性化合物に変換される化合物のいずれかの、それぞれアミド、エステル、カルバメート、カーボネート、ウレイド又はホスフェートを意味する。生加水分解性エステルの例としては、限定されるものではないが、低級アルキルエステル、低級アシルオキシアルキルエステル(例えば、アセトキシルメチル、アセトキシエチル、アミノカルボニルオキシメチル、ピバロイルオキシメチル、及びピバロイルオキシエチルエステルなど)、ラクトニルエステル(例えば、フタリジル及びチオフタリジルエステルなど)、低級アルコキシアシルオキシアルキルエステル(例えば、メトキシカルボニル-オキシメチル、エトキシカルボニルオキシエチル及びイソプロポキシカルボニルオキシエチルエステルなど)、アルコキシアルキルエステル、コリンエステル、及びアシルアミノアルキルエステル(例えば、アセトアミドメチルエステル)が挙げられる。生加水分解性アミドの例としては、限定されるものではないが、低級アルキルアミド、α-アミノ酸アミド、アルコキシアシルアミド、及びアルキルアミノアルキルカルボニルアミドが挙げられる。生加水分解性カルバメートの例としては、限定されるものではないが、低級アルキルアミン、置換エチレンジアミン、アミノ酸、ヒドロキシアルキルアミン、複素環式及び複素芳香族アミン、及びポリエーテルアミンが挙げられる。
本明細書において、特に断りのない限り、「立体異性体」という語は、すべての鏡像異性的/立体異性的に純粋な、及び鏡像異性的/立体異性的に豊富な本発明の化合物を包含する。
本明細書において、特に断りのない限り、「立体異性的に純粋な」又は「鏡像異性的に純粋な」という語は、化合物がひとつの立体異性体を含み、実質的にその対抗する立体異性体又は鏡像異性体を含んでいないことを意味する。例えば、該化合物が80%、90%又は95%もしくはそれ以上のひとつの立体異性体を含有し、20%、10%又は5%以下の対抗する立体異性体を含有する場合に、化合物は立体異性的に、又は鏡像異性的に純粋である。ある場合において、該化合物が約80% ee (鏡像体過剰率)又はそれ以上、好ましくは、特定のキラル中心に関して90% eeと等しいか又はそれ以上、及びより好ましくは、特定のキラル中心に関して95% eeである場合に、本発明の化合物は、キラル中心に関して光学活性又は立体異性的に/鏡像異性的に純粋である(すなわち実質的にR体又は実質的にS体)とみなされる。
本明細書において、特に断りのない限り、「立体異性的に豊富な」又は「鏡像異性的に豊富な」という語は、ラセミ混合物、並びに本発明の化合物の立体異性体の他の混合物(例えばR/S=30/70、35/65、40/60、45/55、55/45、60/40、65/35及び70/30)を包含する。本発明の様々な免疫調節化合物は、1以上のキラル中心を含み、鏡像異性体のラセミ混合物、又はジアステレオマーの混合物として存在し得る。本発明は、かかる化合物の立体異性的に純粋なタイプの使用、並びにそれらのタイプの混合物の使用を包含する。例えば、本発明の特定の免疫調節化合物の鏡像異性体の同等量又は非同等量を含む混合物を、本発明の方法及び組成物において使用してよい。これらの異性体は、キラルカラム又はキラル分割剤などの標準的な技術を用いて非対称的に合成又は分割してよい。例えば、Jacques、Jらの論文「鏡像異性体、ラセミ体及び分割(Enantiomers, Racemates and Resolutions)(Wiley-Interscience, New York, 1981); Wilen, S. Hらの論文、Tetrahedron 33:2725 (1977); Eliel, E. Lの論文「炭素化合物の立体化学(Stereochemistry of Carbon Compounds)」(McGraw-Hill, NY, 1962);及びWilen, S. H.の論文「分割剤及び光学分割の表(Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions)」p. 268 (E.L. Eliel, Ed., Univ. of Notre Dame Press, Notre Dame, IN, 1972)を参照。
注目すべきは、描かれた構造と、その構造に付けられた名前との間に矛盾がある場合、その描かれた構造が、より重要視されることである。さらに、もし、構造又は構造の一部の立体化学が、例えば、太字又は破線で示されていない場合、該構造又は該構造の一部はそのすべての立体異性体を包含するとして解釈される。
コラーゲンバイオ線維をコーティング又は含浸させる生物活性化合物の量は異なってよく、好ましくは、投与される特定の生物活性化合物、及び所望の効果によって決まるであろう。例えば、該生物活性化合物が抗炎症薬である場合、該コラーゲンバイオ線維上の、又はそれに含有される抗炎症薬の量は、鼓膜、及び/又は鼓膜周囲の領域における炎症の1以上の症状又は兆候をある程度まで軽減するに十分な量である。
様々な実施態様では、本発明の該コラーゲンバイオ線維は、少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、300、400、500、600、700、800、900、100、1250、1500、2000、2500、300、3500、4000、4500、5000、5500、6000、6500、7000、7500、8000、8500、9000、9500、10000、20000、30000、40000、50000、60000、70000、80000、90000、100000、200000、300000、400000、500000、600000、700000、800000、900000又は少なくとも1000000ナノグラムの生物活性化合物で含浸させてよい。別の実施形態では、本発明のコラーゲンバイオ線維は、わずか0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、300、400、500、600、700、800、900、100、1250、1500、2000、2500、300、3500、4000、4500、5000、5500、6000、6500、7000、7500、8000、8500、9000、9500、10000、20000、30000、40000、50000、60000、70000、80000、90000、100000、200000、300000、400000、500000、600000、700000、800000、900000又は少なくとも1000000ナノグラムの生物活性化合物でコーティング又は含浸させてよい。
(4.2.3コラーゲンバイオ線維の構造)
コラーゲンバイオ線維は、本発明の方法におけるその使用を容易にする、任意の形状又は構造に形成されてよい。例えば、該コラーゲンバイオ線維は、特に鼓室形成術又は鼓膜形成術という状況で、鼓膜穿孔の閉鎖を容易にする任意の形状又は構造に形成することができる。例えば、該コラーゲンバイオ線維は、耳鼻咽喉科医又は他のエンドユーザーが、特定の鼓膜を修復するために使用するか、又は適切なサイズの断片に切ることができるように、様々なサイズで提供されてよい。該コラーゲンバイオ線維は、例えば、正方形、長方形、円形、又は楕円形の断片として提供されてよく、又は鼓膜の形状に大まかに合うように切ってもよい。該方法の様々な実施態様では、該バイオ繊維は種々の面積に切ってもよいが、鼓膜の修復に用いられるコラーゲンバイオ線維の断片は、およそ1×1cm、1.5×1.5cm、2×2cm、2.5×2.5cm、3×3cm、3.5×3.5cm、4×4cm、4.5×4.5cm、5×5cm、1×1.5cm、1×2cm、1×2.5cm、1×3cm、1×3.5cm、1×4cm、1×4.5cm、1×5cm、1.5×2cm、1.5×2.5cm、1.5×3cm、1.5×3.5cm、1.5×4cm、1.5×4.5cm、2×2.5cm、2×3cm、2×3.5cm、2×4cm、2×4.5cm、2×5cm、2.5×3cm、2.5×3.5cm、2.5×4cm、2.5×4.5cm、2.5×5cm、3×3.5cm、3×4cm、3×4.5cm、3×5cm、3.5×4cm、3.5×4.5cm、3.5×5cm、4×4.5cm、4×5cm又は4.5×5cmの大きさとして計測される断片として提供されてよく、又は1×1cm、1.5×1.5cm、2×2cm、2.5×2.5cm、3×3cm、3.5×3.5cm、4×4cm、4.5×4.5cm、5×5cm、1×1.5cm、1×2cm、1×2.5cm、1×3cm、1×3.5cm、1×4cm、1×4.5cm、1×5cm、1.5×2cm、1.5×2.5cm、1.5×3cm、1.5×3.5cm、1.5×4cm、1.5×4.5cm、2×2.5cm、2×3cm、2×3.5cm、2×4cm、2×4.5cm、2×5cm、2.5×3cm、2.5×3.5cm、2.5×4cm、2.5×4.5cm、2.5×5cm、3×3.5cm、3×4cm、3×4.5cm、3×5cm、3.5×4cm、3.5×4.5cm、3.5×5cm、4×4.5cm、4×5cm又は4.5×5cm、よりも小さくないか、又は大きくなくてもよい。コラーゲンバイオ線維の断片は2×2cm、3×3cm、3×2cm、1×2cm、1×1cm又は4×4cmであることが特に好ましい。さらに、該バイオ繊維は、最終使用が2以上の断片に切り取ってもよいシートとして提供されるか、又はロールもしくは細長い片として提供されてよい。
本発明の処置方法で有用な該コラーゲンバイオ線維は、乾燥した状態か、又は生理食塩水溶液などの、生理的に適合し医学上有用な適切な液体であらかじめ湿らせた状態で、エンドユーザーに提供されてよい。一実施態様では、該溶液は、限定されるものではないが4.2.2の項に上述したような、1以上の生物活性化合物を含む。コラーゲンバイオ線維が鼓膜と接触する間のある時点で、生物活性化合物の大部分が該鼓膜と接触するように、前記生物活性化合物は、該コラーゲンバイオ線維上又はその中に配置されるのが好ましい。
(4.2.4 コラーゲンバイオ線維を作製する方法)
羊膜から作られたコラーゲンバイオ線維は、主としてコラーゲン、エラスチン、ラミニン、及びフィブロネクチンといった膜成分の生化学的及び構造学的特性を保存するいずれの方法により製造されてもよい。好ましい材料は、その全開示内容が引用により本明細書中に組み込まれている、Haririによる米国出願公開番号U.S. 2004/0048796 A1に記載の「コラーゲンバイオ線維並びにその調製及び使用方法(Collagen Biofabric and Methods of Preparation and Use Thereof)」に記載され、そこで開示された方法により作製されたコラーゲンバイオ線維である。
該コラーゲンバイオ線維は、非ヒト哺乳類由来の羊膜から作製されてもよいが、鼓膜の修復に用いられる該コラーゲンバイオ線維は、ヒト対象での使用のためには、ヒト胎盤由来であることが好ましい。該コラーゲンバイオ線維が非ヒト動物の鼓膜を処置するために用いられる場合は、使用されるコラーゲンバイオ線維は、その種の動物の胎盤由来であることが好ましい。
好ましい実施形態では、本発明の方法で使用するための胎盤は、新生児の出産後できる限り速やかに採取する。該胎盤は、すぐに使用してもよく、又はさらなる処置を行う前に、出産後から2〜5日間保存してもよい。該胎盤は通常、放血させる、すなわち出生後残っている臍帯血を排出させる。妊婦は出産前に、限定されるものではないが、HIV、HBV、HCV、HTLV、梅毒、CMV、及び胎盤組織を汚染する既知の他のウイルス病原体などの伝染病に関して、当業者に公知の標準的な技術を用いてスクリーニングされるのが好ましい。
本発明のコラーゲンバイオ線維を調製するためのひとつの例となる方法は、以下のステップを包含する:
ステップI.繁生絨毛膜から臍帯を分離する; 所望により、羊膜を絨毛膜から分離する。好ましい実施形態では、胎盤膜を切断する前に羊膜を絨毛膜から分離する。絨毛膜及び繁生絨毛膜から羊膜を分離した後に、臍帯断端を、例えばハサミを用いて切断し、繁生絨毛膜から剥離する。次に、この羊膜を、0.9% 滅菌NaCl溶液などの無菌の、好ましくは緩衝化した生理食塩水溶液中で保存する。羊膜は、少なくとも2℃の温度で保存することが好ましい。
ステップII.羊膜を、実質的に脱細胞化する;つまり、実質的にすべての細胞物質及び細胞残屑(例えば、すべての可視的な細胞物質及び細胞残屑)を除去する。当業者に公知の任意の脱細胞化プロセスを使用してよいが、しかしながら一般に、本発明の羊膜の脱細胞化のために用いられるプロセスは、バイオ繊維を構成しているタンパク質の本来のコンフォメーションを崩壊させない。羊膜の「実質的な脱細胞化」は、好ましくは、細胞の少なくとも90%を除去し、より好ましくは、細胞の少なくとも95%を除去し、及び最も好ましくは、細胞の少なくとも99%を除去する(例えば、繊維芽細胞、羊膜細胞、及び絨毛膜細胞(chorionocytes))。本発明の方法に従って脱細胞化された羊膜は、均一に薄く、乾燥状態で厚さは約2及び約150ミクロンの間の変化を含み、滑らかで(触ることにより判断される)、半透明である。脱細胞化は、滅菌溶液を用いるすすぎと組合せて、例えば、滅菌細胞スクレーパーを用いて物理的に擦り取ることを含んでよい。用いられる脱細胞化技術は、羊膜の生体構造の全体的な崩壊をもたらさないもの、又は羊膜の生体力学的な特性を変えないものが好ましい。羊膜の脱細胞化は、非イオン性界面活性剤、Triton X-100、陰イオン界面活性剤、ドデシル硫酸ナトリウムなどの、界面活性剤を含有する溶液の使用を含むことが好ましい。低刺激性の陰イオン界面活性剤、すなわち、pH 6〜8で、低発泡性の非苛性界面活性剤を、羊膜の脱細胞化に使用することができる。特定の実施態様では、該羊膜の脱細胞化に0.01〜10%デオキシコール酸ナトリウム塩一水和物が用いられる。トリプシン含有バッファーなどの酵素溶液を用いる脱細胞化もまた、用いることができる。
バイオ繊維の調製において、プロテアーゼ活性を制限することが非常に望ましい。例えば、1,10-フェナントロリン及びエチレンジアミン四酢酸(EDTA)といった金属イオンキレート剤などの、溶解、洗浄、及び保存溶液への添加剤は、多くのタンパク分解酵素に対し、好ましくない環境を作り出す。コラゲナーゼなどのプロテアーゼに対して最適以下の条件を与えることで、細胞溶解ステップの間に、コラーゲンなどの羊膜成分を分解から保護する助けとなる。プロテアーゼに対して最適以下の条件は、溶液中の利用可能なカルシウム及び亜鉛イオンを排除するか、又は量を制限するための低張溶解溶液を処方することにより達成されてよい。多くのプロテアーゼは、カルシウム及び亜鉛イオンの存在下で活性であり、カルシウム及び亜鉛イオンがない環境下では、それらの活性の大半を喪失する。溶液が最適に生来の細胞を溶解させる一方で、その下にある羊膜を望ましくないタンパク質加水分解から保護するように、該低張溶解溶液は、pH条件を選択し、カルシウム及び亜鉛イオンの利用可能度を低減し、金属イオンキレート剤を加え、コラゲナーゼに特異的なタンパク質加水分解阻害剤を用いることにより調製することが好ましい。例えば、低張溶解溶液は、pH 5.5〜8、好ましくは、pH 7〜8のカルシウム及び亜鉛イオンを含まず、EDTAなどの金属イオンキレート剤を含む、緩衝化された水溶液を含んでよい。さらに、低張溶解溶液を用いる該羊膜の処置時の、温度及び時間パラメーターの制御もまた、プロテアーゼの活性を制限するために用いられてよい。
好ましくは、羊膜の脱細胞化処置も、新しい免疫学的部位の創出を制限する。コラーゲンの酵素分解は、免疫原性の亢進をもたらすと考えられているため、本発明は、細胞代謝、タンパク質生成及び細胞分裂の阻害に効果的であり、羊膜組織のタンパク質分解を最小限にし、それゆえに該羊膜のその下にある構造を保存する、例えばヌクレアーゼなどの酵素を用いる羊膜処置を包含する。本発明の方法で使用できるヌクレアーゼの例は、エキソヌクレアーゼ及びエンドヌクレアーゼの双方を含む、天然の細胞DNA及びRNAの消化に効果的なものである。本発明の方法で使用され得るヌクレアーゼの限定されない例としては、例えば、DNアーゼI(SIGMA Chemical Company、St. Louis、Mo.)及びRNアーゼA(SIGMA Chemical Company、St. Louis、Mo.)などの、細胞活性を阻害するエキソヌクレアーゼ、並びに、例えば、EcoRI(SIGMA Chemical Company、St. Louis、Mo.) 及び HindIII(SIGMA Chemical Company、St. Louis、Mo.)などの、細胞活性を阻害するエンドヌクレアーゼが挙げられる。選択されたヌクレアーゼは、ヌクレアーゼの活性に最適な、例えば、マグネシウム、カルシウムなどのイオンを含む生理的緩衝溶液に加えられることが好ましい。緩衝溶液のイオン濃度、処置温度及び処置時間の長さは、所望のレベルのヌクレアーゼ活性を保証するために、所定の実験により当業者が選択するのが好ましい。緩衝液は、細胞内部へのヌクレアーゼの接近を促すために、低張であることが好ましい。
上記のステップI及びIIの別の実施形態では、胎盤は、最初の処理後に、胎盤表面から血液を除去するために生理食塩水中で簡単にすすぎ洗いする。次に、繁生絨毛膜を約0.1%〜約10%の濃度の、特定の実施態様では、約0.1%〜約2.0%の濃度の、冷たいデオキシコール酸溶液中に浸す。次に、胎盤をこの溶液中で約1℃〜8℃の間で約5日間〜約6ヶ月間インキュベートする。特定の実施態様では、該繁生絨毛膜は、例えば、約5〜約15日間;約5〜約30日間、約5〜約60日間、又は〜約1年間まで浸漬される。一般に、インキュベーション中は、2〜5日毎にデオキシコール酸溶液を交換する。別の特定の実施態様では、該繁生絨毛膜は、約1%の濃度のデオキシコール酸溶液に、0℃〜約8℃の温度で約5〜約15日間浸漬される。このインキュベーションは、2つの目的を果たす。第一に、胎盤材料及び血液の血清学的試験を行うための時間を取ることができ、血清学的判定基準を満たさない胎盤は、さらなる処理をうけない。第二に、インキュベーション時間が長いほど、上皮細胞及び繊維芽細胞の除去が促進され、このことは、羊膜から物理的に擦り取る脱細胞化にかかる時間の大幅な短縮を可能にする。通常、擦り取る時間は、例えば約40分から約20分に短縮される。次に、羊膜を以下に記載するように乾燥させる。
それ故に、ステップI及びIIの一実施態様では、羊膜を上記のように絨毛膜から分離し、該羊膜を簡単にすすぎ洗いする。次に、該羊膜を1%デオキシコール酸中で4℃にて10日間インキュベートし、デオキシコール酸溶液はインキュベーション5日目に交換する。血清学的試験の結果を評価し、結果に基づいて、該羊膜を受け入れるか、又は一部廃棄する。インキュベーションが完了した時点で、まだ該羊膜に付着している上皮細胞及び繊維芽細胞をこすり落とし除去する。該羊膜をすすぎ、次に以下に記載するように乾燥させる。
ステップIII. 脱細胞化の後、界面活性剤及び、使用した場合は、脱細胞化に用いた酵素を確実に除去するために、羊膜を洗浄する。このプロセスでは、細胞残屑が含まれていれば、細胞残屑も除去される。洗浄溶液は、脱イオン水又は水性低張緩衝液であってよい。好ましくは、脱細胞化を助けるために、例えばロッキングプラットフォーム上で、該羊膜を界面活性剤中で15〜120分間、穏やかに撹拌する。該羊膜は、界面活性剤による脱細胞化後に、再び前述のように物理的に脱細胞化してもよい;物理的及び界面活性剤による脱細胞化ステップは、該羊膜の完全性が維持されている限り、可視的な細胞物質及び細胞残屑がなくなるまで、必要に応じて繰り返してよい。
ある特定の実施態様では、該羊膜は脱細胞化及び洗浄ステップ後直ちに(すなわち、30分以内に)乾燥させる。或いは、さらなる処理が直ちに行われない場合は、該羊膜を、例えば、約1℃〜約20℃の温度、好ましくは、約2℃〜約8℃の温度で乾燥に先立って28日まで保存するなど、冷蔵保存してもよい。脱細胞化された該羊膜を3日を超えて28日まで保存する場合は、羊膜を覆う滅菌溶液を、例えば、1〜3日毎など定期的に交換することが好ましい。
ある特定の実施態様では、洗浄後に該羊膜を冷蔵保存しなかった場合、調製ステップIVへ進む前に、該羊膜を少なくとも3回洗浄する。他の実施態様では、該羊膜を冷蔵保存し、滅菌溶液を1回交換した場合、調製ステップIVへ進む前に該羊膜を少なくとも2回洗浄する。さらに他の実施態様では、該羊膜を冷蔵保存し、滅菌溶液を2回以上交換した場合、調製ステップIVへ進む前に該羊膜を少なくとも1回洗浄する。
ステップIVへ進む前に、すべての細菌学的試験及び血清学的試験を評価し、すべての試験が陰性であることを保証することが好ましい。
ステップIV.コラーゲンバイオ線維製造法の実施態様の最終ステップは、コラーゲンバイオ線維を製造するための本発明の脱細胞化羊膜の乾燥を含む。コラーゲンの均一な乾燥シートを製造するような、任意の羊膜乾燥方法を用いてよい。しかしながら、羊膜は真空下で乾燥させるのが好ましい。
特定の実施態様では、本発明の脱細胞化羊膜を乾燥させるための典型的な方法は、以下のステップを含む:
脱細胞化羊膜の乾燥のためのアセンブリ。脱細胞化羊膜を滅菌溶液から取り出し、過剰の水分をそっと搾る。次に、例えば、トレー上で、脱細胞化羊膜を胎児側が下向きになるようにして、平らになるまでそっと引き伸ばす。次に、脱細胞化羊膜を胎児側が上向きになるようにひっくり返し、乾燥フレーム、好ましくは、プラスチック製メッシュ乾燥フレーム(例えば、Quick Count(登録商標) Plastic Canvas, Uniek, Inc., Waunakee, WI)上に置く。他の実施態様では、該乾燥フレームは任意のオートクレーブ可能な材料であってよく、限定されるものではないが、ステンレス製メッシュが挙げられる。最も好ましい実施態様では、該羊膜の約0.5cmが該乾燥フレームの端と重なり合う。ある特定の実施態様では、該乾燥フレームを越えて伸び、重なる該羊膜は、例えばクランプ又は止血鉗子を用いてフレームの上部を包む。羊膜を乾燥フレーム上に取り付けた時点で、プラスチック製メッシュ乾燥フレーム上に載せた羊膜よりもわずかに大きい領域をカバーするように、滅菌ガーゼを加熱乾燥機(又はゲル乾燥機)(例えば、モデル 583, Bio-Rad Laboratories, 200 Alfred Nobel Drive, Hercules, CA 94547)の、乾燥プラットフォーム上に置く。好ましくは、該ガーゼ層の厚さの合計は、ひとつの折りたたまれた4×4ガーゼの厚さを超えない。シート様の材料の乾燥に好適ないずれの加熱乾燥器具も使用してよい。該乾燥フレームは、好ましくは、0.1〜1.0cm、より好ましくは、0.5〜1.0cmの間でプラスチック製フレームの端がガーゼの端を越えて上方に伸びるように、乾燥プラットフォーム上のガーゼの表面に配置する。最も好ましい実施態様では、羊膜を取り付けた該乾燥フレームを、羊膜の胎児側を上向きにして滅菌ガーゼの表面に置く。一部の実施態様では、他のプラスチック製フレームメッシュを該羊膜の表面に置く。メッシュフレーム及びその中で乾燥される膜の図を、図4に示す。別の実施形態では、薄いプラスチック製のシート(例えば、SW 182, clear PVC, AEP Industries Inc., South Hackensack, NJ 07606)、又は生体適合性シリコンを、該シートがすべての端部をはるかに越えて伸びるように、膜で覆われたメッシュの表面に置く。本実施態様では、第二のメッシュフレームは必要ではない。
別の実施態様では、該羊膜上には、1以上の滅菌シートTyvek(登録商標)材料(例えば、医療パッケージング用のTyvek(登録商標)シート、Dupont Tyvek(登録商標)、P.O. Box 80705、Wilmington、DE 19880-0705)を置き、所望により、Tyvek(登録商標)シート1枚を、膜の表面に置く(プラスチック製フィルムを置く前に)。この別法は、より滑らかなバイオ繊維を作り出し(すなわち、材料の軸に沿った、及び軸に垂直な、特異的な繊維の圧縮領域のパターンがない)、これは、細胞の膨張のための基質としての使用のような、特定の適用に対して有利である可能性がある。
羊膜の乾燥。一実施態様では、本発明は、真空下での本発明の羊膜の加熱乾燥を包含する。真空下での乾燥は約0℃〜約60℃のいずれの温度で行われてもよいが、該羊膜は、約35℃及び約50℃の間、及び最も好ましくは、約5O℃にて乾燥されるのが好ましい。注目すべきは、50℃を超える温度では、ある程度のコラーゲンの分解が予想されることである。乾燥温度は、延長プローブを備えた較正デジタル温度計を用いて定められ、検証されることが好ましい。減圧は約〜55.88cmHg(〜22インチHg)に定めるのが好ましい。乾燥ステップは、例えば湿度分析計により測定される羊膜のコラーゲン基質の水分含有量が3〜12%未満となるまで続ける。これを成し遂げるために、該羊膜を脱水するには、例えば、およそ60分間、該羊膜を加熱真空乾燥してよい。一部の実施形態では、該羊膜を約30分〜2時間、好ましくは、約60分乾燥させる。学説又は作用機序のいずれにも縛られるつもりはないが、低温設定と減圧の併用は、コラーゲンを変性させることなく羊膜の脱水を行うことが可能であると考えられている。
本発明の乾燥プロセス完了後に、真空ポンプを作動させたまま、およそ2分間、羊膜を冷却する。
羊膜のパッケージング及び保存。羊膜を乾燥させた時点で、膜を乾燥フレームからそっと持ち上げる。膜を「持ち上げる」とは、以下のステップを含んでよい:ポンプを作動させたまま、羊膜をつかみながら、プラスチック製フィルムを角から始めてそっと羊膜から取り外す;フレームを羊膜と共に乾燥プラットフォームから持ち上げ、羊膜側を上向きにしてカッティングボード上に置く;切り込みを入れ、フレームの端から1〜2mm離れたところを端に沿って切る;次に羊膜をフレームから外す。この段階での羊膜の取り扱いは、滅菌手袋をはめて行うことが好ましい。
羊膜を、例えば、皮ポーチなどの滅菌容器に入れ、密閉する。本発明の方法で作製されたバイオ繊維は、前述のように室温で長期間保存してよい。別の実施態様では、本発明は、絨毛膜、又は絨毛膜及び羊膜双方を含むコラーゲンバイオ線維の調製方法を提供する。前述の方法は、絨毛膜、又は絨毛膜及び羊膜双方を含むバイオ繊維の調製方法に適用できる。一実施態様では、本発明は、羊膜及び絨毛膜を含む胎盤を準備し;絨毛膜から羊膜を分離し;絨毛膜を脱細胞化することにより調製されたコラーゲンバイオ線維の使用を包含する。特定の実施態様では、該方法はさらに、脱細胞化絨毛膜の洗浄及び乾燥を必要とする。別の実施形態では、本発明は、羊膜及び絨毛膜を含む胎盤を準備し、該羊膜及び絨毛膜を脱細胞化することにより調製されたコラーゲンバイオ線維の使用を包含する。特定の実施態様では、該方法はさらに、脱細胞化羊膜及び絨毛膜の洗浄及び乾燥を必要とする。
(4.2.5コラーゲンバイオ線維の保存及び取り扱い)
脱水されたコラーゲンバイオ線維は、使用前に、例えば、脱水されたシートとして、室温で(例えば25℃)で保存してよい。ある特定の実施態様では、該コラーゲンバイオ線維は、少なくとも10℃、少なくとも15℃、少なくとも20℃、少なくとも25℃又は少なくとも29℃の温度で保存することができる。脱水された状態のコラーゲンバイオ線維は、冷蔵保存されないことが好ましい。一部の実施形態では、該コラーゲンバイオ線維は、約2℃〜約8℃の温度で冷蔵保存されてよい。本発明の方法で作製されたバイオ繊維は、生化学的、又は構造学的完全性が変化することなく(例えば、分解されずに)、コラーゲンバイオ線維のいずれの生化学的又は生物物理学的特性も変化することなしに、12ヶ月以上、任意の特定の温度において保存することができる。該バイオ繊維は、生化学的又は構造学的完全性が変化することなく(例えば、分解されずに)、該コラーゲンバイオ線維のいずれの生化学的又は生物物理学的特性も変化することなしに、数年間保存することができる。該バイオ繊維は、長期保存に適した任意の容器に保存してよい。本発明のコラーゲンバイオ線維は、無菌二重皮ポーチパッケージに保存することが好ましい。
コラーゲンバイオ線維は、使用前に水和されてよい。コラーゲンバイオ線維は、例えば、滅菌生理緩衝液を用いて再水和させることができる。特定の実施態様では、該滅菌生理食塩水溶液は0.9% NaCl溶液である。一部の実施形態では、該滅菌生理食塩水溶液は、緩衝化されている。ある特定の実施態様では、本発明のコラーゲンバイオ線維の水和は、少なくとも2分、少なくとも5分、少なくとも10分、少なくとも15分又は少なくとも20分を要する。好ましい実施形態では、本発明のコラーゲンバイオ線維の水和は、5分以内に完了する。さらに別の好ましい実施形態では、本発明のコラーゲンバイオ線維の水和は、10分以内に完了する。さらに他の実施態様では、本発明のコラーゲンバイオ線維の水和には、10分以上かからない。一度水和されると、該コラーゲンバイオ線維は、例えば、滅菌0.9%NaCl溶液などの溶液中に、例えば3日毎に溶液を交換しながら、6ヶ月まで保存してよい。
(4.2.6 滅菌法)
バイオ繊維の滅菌は、医学的に適切な任意の方法により行われてよく、羊膜タンパク質の三次及び四次構造を大幅に変えない方法が好ましい。滅菌は、例えば、エチレンジオキサイドなどのガスを用いることにより行われてよい。滅菌は、例えば、ガンマ線照射などの放射線を用いることにより行われてよく、例えばGorham、D. Byrom(編集), 1991, Biomaterials,, Stockton Press, New York, 55-122など、当業者に公知の方法を用いる電子ビーム照射により行われるのが好ましい。少なくとも99.9%の細菌又は他の汚染している可能性のある生物体を殺すに十分ないずれの用量の放射線も、本発明の範囲内である。好ましい実施形態では、該バイオ繊維の最終滅菌を成し遂げるために少なくとも18-25kGyの線量が用いられる。
(4.2.7 積層体)
該コラーゲンバイオ線維は、治癒プロセス(一般に約3ヶ月)の間に、より高い剛性及び耐久性を提供するために、積層化されてよい。コラーゲンバイオ線維は、以下のように積層化されてよい。
一般に、コラーゲンバイオ線維は、2以上のコラーゲンバイオ線維の層の一方を他方の上に積み重ね、シーリング又は乾燥させることにより積層化される。コラーゲンバイオ線維は、乾燥又は再水和後のいずれに積層化されてもよい。或いは、例えば、羊膜などの2以上の層は、例えば、細胞のこすり落としステップを介する細胞除去後の最初の乾燥前に積層化されてよい(以下の実施例を参照)。最初の乾燥前に積層化される場合は、2以上のコラーゲンバイオ線維層は、一方を他方の上に積み重ね、その後に、例えば、凍結乾燥プロセス又は真空下もしくは非真空下、中熱下での乾燥により乾燥させてよい。加えられる熱は、該コラーゲンバイオ線維のタンパク質成分、特にコラーゲンの分解又は変質を引き起こさないように、あまり強くないことが好ましい。一般に、加えられる熱はせいぜい約7O℃、好ましくは、せいぜい約6O℃、及び、より好ましくは、およそ5O℃である。積層化の時間は、例えば、積層化される層の数により変化するが、しかし一般に、鼓膜の修復に使用されるコラーゲンバイオ線維のサイズに対しては5O℃で1〜2時間かかる。好ましくは、該コラーゲンバイオ線維積層体は、2〜6層のコラーゲンバイオ線維を含む。1つの好ましい実施形態では、該コラーゲンバイオ線維積層体は2層を有し、厚さはおよそ50マイクロメートルである。別の実施形態では、該コラーゲンバイオ線維積層体は2層を有し、厚さは約20〜60ミクロンである。それぞれの層は同じコラーゲンバイオ線維のロット、つまり、同じ胎盤由来であることが好ましい。
コラーゲンバイオ線維はまた、例えば、コラーゲンバイオ線維又は羊膜の2以上の層の間に塗布された接着剤を用いて積層化されてもよい。かかる接着剤は、好ましくは、医療用途に適したものであることが好ましく、例えば、フィブリン接着剤などの天然の生物学的接着剤、合成接着剤、又はその組合せを含んでもよい。接着剤はさらに、積層化プロセスの間に前駆体から化学的に変換されてもよい。
(4.2.8 幹細胞)
本明細書に記載のとおり、鼓膜を修復する方法、並びに処置方法において用いられるコラーゲンバイオ線維はまた、幹細胞又は前駆細胞を含んでもよい。好ましくは、該処置方法は、鼓膜の再生を促すための幹細胞又は前駆細胞の使用を含む。好ましくは、該コラーゲンバイオ線維は、例えば、米国特許第5,486,359号、同第6,261,549号、及び同第6,387,367号に記載の、間充織もしくは間充織様幹細胞、又は米国出願公開番号2002/0123141、2003/0032179、及び2003/0180269に記載されている胎盤由来幹細胞を含む。しかしながら、該コラーゲンバイオ線維は、幹細胞又は前駆細胞、好ましくは、任意の組織供給源由来の哺乳類の幹細胞又は前駆細胞を含んでよい。コラーゲンバイオ線維は、胚幹細胞又は胚生殖細胞を含んでよい。
コラーゲンバイオ線維及び幹細胞又は前駆細胞の組合せは、鼓膜への該コラーゲンバイオ線維の適用前、又は適用中に行われてよい。例えば、コラーゲンバイオ線維のシート又は断片は、鼓膜への適用直前に、該コラーゲンバイオ線維の表面に幹細胞又は前駆細胞溶液を配置し、十分な時間、幹細胞又は前駆細胞を該コラーゲンバイオ線維に付着させることにより、調製してよい。該幹細胞又は前駆細胞は、交互に、鼓膜上への該コラーゲンバイオ線維の適用前に、該コラーゲンバイオ線維の表面上に約30分、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、10、12、24又はそれ以上の時間、配置してよい。該コラーゲンバイオ線維の表面に配置される幹細胞又は前駆細胞の数は異なってよいが、しかし少なくとも1×106、3×106、1×107、3×107、1×108、3×108、1×109、3×109、1×1010、3×1010、1×1011、3×1011又は1×1012;又はわずか1×106、3×106、1×107、3×107、1×108、3×108、1×109、3×109、1×1010、3×1010、1×1011、3×1011又は1×1012個の幹細胞又は前駆細胞であってよい。或いは、別の実施形態では、上記に示した数の幹細胞又は前駆細胞は、該コラーゲンバイオ線維が鼓膜に適用された後に、該コラーゲンバイオ線維の表面に配置されてよい。別の実施形態では、該幹細胞は、上記に示された任意の量で鼓膜に直接適用され、鼓膜は該コラーゲンバイオ線維で覆われる。より特定の実施態様では、該幹細胞は生理食塩水溶液などの生理学的に許容し得る液体中で適用されるか、又はヒドロゲルなどの生理的に許容されるゲル中に組み込まれ、その中では該幹細胞又は前駆細胞は保持され、移動してよい。該幹細胞は、鼓膜との接触前又は接触後に、例えば、米国出願公開番号2003/0235909、2004/0028660又は国際出願公開第WO 03/087333に記載の分化調節薬などの1以上の分化調節薬と接触させてよい。幹細胞を、例えば、上皮、中胚葉、及び他の細胞種へと分化させる方法は当技術分野で公知であり、並びに例えば米国出願公開番号2004/0028660に記載されている。
(4.3 キット)
本発明の鼓膜修復法のために有用なコラーゲンバイオ線維は、鼓膜修復を容易にするためのキットの一部として包装又は容器に入れて提供されてよい。特定の実施態様では、該コラーゲンバイオ線維は、無菌二重皮パッケージに入れて提供される。より特定の実施態様では、該コラーゲンバイオ線維は約6×8cmである。該キットは、コラーゲンバイオ線維の1以上の断片、及び鼓膜の修復を容易にする任意の他の医療用具、ディスポーザブル、又は医薬品を含んでよい。該キット中の該コラーゲンバイオ線維の各片は、残りのキット内容物から分離された滅菌容器又は包装中の、単一のシートもしくはパッチとして提供されるのが好ましい。別の実施形態では、該キットは、分離されて包装又は容器に入れられている、2以上のコラーゲンバイオ線維の断片を含む。別の実施形態では、前記キットは該コラーゲンバイオ線維のための支持体を含む。具体的な実施態様では、該支持体は、天然又は合成材料であってよい。他の具体的な実施態様では、前記支持体は、プラスチック製フィルム、プラスチック製シート又は伸縮性のプラスチック製包装である。別の実施形態では、前記キットは、1以上のディスポーザブルを含む。特定の実施態様では、前記ディスポーザブルは、包帯、鼓膜周囲の皮膚を消毒する手段、綿棒、手袋又は滅菌シートである。別の実施形態では、前記キットは抗生物質軟膏、クリーム又はスプレーを含む。別の実施形態では、前記キットはコラーゲンバイオ線維の断片及び1以上の創傷治癒薬剤を含む。特定の実施態様では、前記創傷治癒薬剤は、PDGF、TGF、ヒアルロン酸、フィブリン又はフィブロネクチンである。
(5. 実施例)
(5.1 実施例 1:コラーゲンバイオ線維を作製する方法)
(材料)
以下に示す材料をコラーゲンバイオ線維の調製に使用した。
材料/装置
出産記録のコピー
材料/家族の既往歴/インフォームド・コンセントのコピー
ソース・バーコードラベル(ドナーID番号)
収集物 # (入ってくる材料には連番が割り当てられる)
組織処理記録(文書ID # ANT-19F);各ロット番号の処理の詳細な記録が維持される
ヒト胎盤(処理開始から48時間以内)
滅菌外科用クランプ/止血鉗子
滅菌ハサミ
滅菌外科用メス
滅菌Steri-Wipes
滅菌細胞スクレーパー(Nalgene NUNC Int. R0896)
滅菌ガーゼ(非滅菌 PSS 4416、滅菌済み)
滅菌すすぎ用ステンレス製トレー
殺菌処理用ステンレス製トレー
殺菌プラスチック製ふた付き容器
滅菌0.9% NaCl溶液(Baxter 2F7124)
滅菌水(Milli Q plus 09195 又は Baxter 2F7113)
滅菌検体容器(VWR 15704-014)
個人用保護具(滅菌及び非滅菌手袋を含む)
認定された無菌室
あらかじめ調製された脱細胞化溶液(D-細胞);0.01〜1% デオキシコール酸ナトリウム一水和物
殺菌ふた付き容器
ロッキングプラットフォーム(VWRモデル100)
タイマー(VWR 21376890)
殺菌プラスチック製フレームメッシュ
PVCラップフィルム
真空ポンプ(Schuco- Vac 5711-130)
ゲル乾燥機(すなわち加熱乾燥機; BioRad モデル 583)
殺菌ステンレス製カッティングボード
包装用ポーチ
滅菌ステンレス製定規(General Tools MFG. Co 1201)
追跡可能なデジタル温度計(モデル 61161-364、Control Company)
Accu-Seal自動密封機(Accu-Seal、モデル 630-1B6)
妊婦は出産時に、HIV、HBV、HCV、HTLV、梅毒、CMV、及び採取される胎盤組織を汚染する可能性のある他のウイルス及び細菌病原体などの伝染病に関して、スクリーニングした。母親の上記の病原体の検査結果が、陰性であるか又は無反応である、ドナーから集めた組織のみを、コラーゲンバイオ線維の製造に使用した。
正常出産後、胎盤、臍帯及び臍帯血を、収縮する子宮から自発的に排出した。該胎盤、臍帯、及び臍帯血は、出産後に集めた。該材料を研究室に輸送し、処理の少なくとも1時間前にスイッチを入れたHEPAろ過システムを有する無菌室内で、無菌条件下で処理した。該製品を取り扱う間は常に、手袋(滅菌又は非滅菌、必要に応じて)をはめた。羊膜/絨毛膜のすべての未使用(廃棄物)部分、及び組織処理の間に生じた汚染された液体は、実現可能なかぎり速やかに廃棄した。
ステップI
滅菌Steri-Wrapシートを用いて滅菌領域を設け、以下に示す処理のための器具及び付属品をその上に置いた。
滅菌トレーパック
滅菌細胞スクレーパー
滅菌外科用メス
殺菌処理トレー
滅菌パックID番号を処理記録に記録した。
胎盤を輸送容器から取り出し、殺菌ステンレス製トレー上に置いた。外科用クランプ及びハサミを用いて、繁生絨毛膜から臍帯をおよそ5.08cm(2インチ)に切り取った。該臍帯を、さらなる処理のために分離用滅菌容器に入れた。該容器は、組織IDバーコードで標識し;存在する物質及び保存溶液(例えば、媒体の種類)を識別した。場合によっては、他のプロジェクトで要求されない場合は、該臍帯は廃棄した。
胎盤膜の端から開始して、指による鈍的切開を用いて羊膜を絨毛膜から分離した。これは、該膜の切断前に行った。
絨毛膜及び繁生絨毛膜の全表面から羊膜を分離した後、ハサミを用いて該羊膜の臍帯断端の周囲を切り、該繁生絨毛膜から分離した。場合によっては、組織を裂かなければ該羊膜と絨毛膜を分離できないならば、該繁生絨毛膜から該羊膜と絨毛膜を一塊として切り取り、次に別々に剥がした。
他のプロジェクトに利用するために、絨毛膜を分離用検体容器に入れた。該容器は、組織IDバーコードで標識し、存在する物質及び保存溶液(例えば、媒体の種類)を識別し、イニシャル及び日付を記した。
羊膜断片がまだ繁生絨毛膜に付着している場合は、そこから剥がし、臍帯の周りをハサミで切り取った。他のプロジェクトに利用するために、胎盤を輸送容器に戻した。
適切なデータを、組織処理記録に記録した。
羊膜は、滅菌0.9%NaCl溶液と共にトレー中に保持した。好ましくは、該羊膜は、該プロセスにおける次のステップの前に、出産後最大72時間、冷蔵保存される。
ステップII
羊膜を、検体容器から1回に1片取り出し、殺菌ステンレス製トレー上に置いた。他片は、それらが洗浄される用意ができるまで、滅菌水で満たした分離用滅菌ステンレス製トレーに置いた。該処理トレーの余分の羊膜断片を取り出し、滅菌水を満たした分離用すすぎステンレス製トレー中に置いた。
肉眼で見て、母親の血液又は胎児の体液/物質で汚染されている場合は、必要に応じて滅菌水を交換しながら、羊膜を滅菌水ですすいだ。
羊膜を、母親側を上向きにして処理トレー上に置いた。滅菌細胞スクレーパーを用いて、可視的な汚染及び該羊膜の母親側からの細胞物質をできる限り注意深く取り除いた。(注記:該膜が裂けることを防ぐために、このステップでは加える圧力を最小限に止めなくてはならない)。細胞及び細胞残屑の除去を助けるために、滅菌水を用いた。分離用滅菌ステンレス製すすぎトレー内で、滅菌水を用いてさらに該羊膜をすすいだ。
羊膜を、胎児側が上向きになるように裏返し、処理トレー上に戻して、滅菌水ですすいだ。細胞スクレーパーを用いて、可視的な細胞物質及び残屑をそっと除去した(注記:該膜が裂けることを防ぐために、このステップでは加える圧力を最小限に止めなくてはならない)。細胞及び細胞残屑の除去を助けるために、滅菌水を用いた。
羊膜を、洗浄期間の合間に、滅菌水を用いて分離用滅菌すすぎトレー中ですすいだ。該膜の両面から可視的な細胞物質及び残屑をすべてとはいえないにしてもほとんど除去するために、必要に応じて何度でも該組織を洗浄した(洗浄期間)。滅菌水は、すすぎトレー中ですすぎの合間に交換した。
処理トレーは、各洗浄期間後に滅菌水を用いてすすいだ。
すべての他の羊膜断片は、同じ方法で処理し、同じ容器に入れた。組織Idバーコードを貼り、存在する物質及び保存溶液(例えば、媒体の種類)を識別し、イニシャル、日付を記した。
適切な情報及び日付を組織処理記録に記録した。
ステップIII
羊膜をすすぎトレーから(又は保存容器から)取り出し、過剰の液体を指でそっと搾り、該膜を滅菌検体容器に入れた。確実に該羊膜全部が覆われるように、該容器を150mlの印のところまでD-細胞溶液で満たし、該容器を閉じた。
容器をロッキングプラットフォーム上のふた付き容器に入れた。該ロッキングプラットフォームのスイッチを入れ、D-細胞溶液中で膜を最低で15分間、最長で120分間、6番に設定して撹拌した。
ステップIと同じ方法で、新しい滅菌器具及び殺菌トレーを用いて、新しい滅菌領域を設けた。滅菌パックID番号を、処理記録に記録した。
撹拌が完了した後、ロッキングプラットフォームのスイッチを切り、膜を容器から取り出した。該膜を新しい滅菌ステンレス製処理トレーの中に入れた。該トレーの底部を覆うように、滅菌0.9% NaCl溶液を加えた。
新しい滅菌細胞スクレーパーを使用し、残りのD-細胞及び細胞物質(もしあれば)を組織の両側から除去した。両側の全表面から可視的な残りの細胞物質をできるだけ除去するために、必要に応じて何度でもこのステップを繰り返した。膜を、洗浄期間の合間に、滅菌0.9% NaCl溶液を用いて分離用すすぎトレー中ですすいだ。滅菌0.9% NaCl溶液は、すすぎトレー中ですすぎの合間に交換した。
最終の洗浄期間が完了した後、滅菌0.9% NaCl溶液で膜を洗浄し、滅菌0.9% NaCl溶液を満たした新しい滅菌検体容器に入れた。
残りすべての羊膜断片は、全く同じ方法で処理した。
すべての羊膜断片を処理し、滅菌0.9% NaCl溶液を入れた容器中に入れた時、該容器をロッキングプラットフォーム上のふた付き容器に入れ、6番に設定して最低で5分間撹拌した。撹拌が完了した後、該膜を検体容器から取り出し、該容器中の滅菌0.9% NaCl溶液を交換して、該膜を該検体容器中に戻した。
検体容器には、組織IDバーコード及び検疫ラベルを付した。存在する物質及び保存溶液(例えば、媒体の種類)を識別し、イニシャル及び日付を記した。該検体容器を、清浄なジップロックバッグの中に入れ、冷蔵庫に入れた(2〜8℃)。
すべての適切なデータを、組織処理記録に記録した。
血清学的検査の結果が出たら、適切なラベル(血清学的検査陰性、又は研究限定使用)を検疫ラベルの上部に貼り、それらの容器は検疫済みのものから隔離した。
ステップIV
ステップIVの処理を行う前に、適用されるすべての検査結果が陰性であることを確認するために、組織状態点検をチェックした。
ステップII及びIIIと同様の方法で、滅菌Steri-Wrapシートを用いて滅菌領域を設け、すべての滅菌及び殺菌器具、並びに付属品を配置した。
膜を冷蔵庫から取り出し、新しい滅菌ステンレス製処理トレーに置いた。該トレーの底面を覆うために、滅菌0.9% NaCl溶液を加えた。
新しい滅菌細胞スクレーパーを用いて、すべての可視的な細胞物質及び残屑(もしあれば)をそっと除去した(注記:該膜が裂けることを防ぐために、このステップでは加える圧力を最小限に止めなくてはならない)。細胞及び残屑の除去を助けるために、滅菌0.9% NaCl溶液を用いた。
膜を、滅菌0.9% NaCl溶液で満たした分離用滅菌ステンレス製すすぎトレー中ですすいだ。0.9% NaCl溶液は、洗浄期間の合間に交換した。該膜を新しい滅菌検体容器中に入れ、該容器を新鮮な滅菌0.9% NaCl溶液で満たし、ロッキングプラットフォーム上に置き、6番に設定して最低で5分間撹拌した。
前のステップを3回繰り返し、それぞれの撹拌の合間に滅菌0.9% NaCl溶液を交換した。適切なデータを、組織処理記録に記録した。
膜を、検体容器から1回に1片取り出し、過剰の液体を指でそっと搾り、該膜を滅菌処理トレー上に置いた。胎児側が下向きになっていることを確認して、該膜を平らになるまでそっと伸ばした。
フレームは、殺菌プラスチック製シートを滅菌ハサミで切ることにより準備した。該フレームのサイズは、膜部分よりも各方向におよそ0.5cm小さくなくてはならない。該フレームは、滅菌0.9% NaCl溶液を満たしたすすぎトレー中ですすいだ。
フレームを、わずかに伸ばした膜表面上に置き、そっと圧力をかけた。該プラスチック製フレームの滑らかな側が該組織の方を向くことが必須である。
膜は、外科用メスを用いて、フレーム端を越えて伸びるおよそ0.5cmを残して、該フレームの周りを切った。余分の膜は、検体容器中へ戻した。
フレームを越えて伸びる膜の端は、クランプ又はピンセットを用いて該フレームの端を包み、同じトレー上の脇のほうへ取り除けておいた。
膜の次の断片は、同じ方法で処理した。乾燥される合計面積が、加熱乾燥機あたり300cm2を超えないことが重要である。膜の該断片の「フレーミング・アウト」を行っている間、フレームに入れられていない断片は、容器の滅菌0.9% NaCl溶液中に残しておかなければならない。
乾燥機の乾燥温度は、延長プローブを備えた較正デジタル温度計を用いて定め、検証した。該乾燥温度は、5O℃に設定した。データは、組織処理記録に記録した。
真空ポンプのスイッチを入れた。
フレームに入れられた膜の領域よりもわずかに大きい領域を覆う滅菌ガーゼを、加熱乾燥機の乾燥プラットフォーム上に置いた。該ガーゼ層の厚さの合計は、ひとつの折りたたまれた4×4ガーゼの厚さを超えないことを確認することが重要である。
プラスチック製フレームメッシュ1枚を、ガーゼの上に載せた。該プラスチック製メッシュ端は、ガーゼ端を越えておよそ0.5〜1.0cm伸びていなければならない。
フレームに入れられた膜をそっと持ち上げ、加熱乾燥機プラットフォーム上のプラスチック製メッシュ上に、該膜側を上向きにして置いた。これを、膜の最大量(300cm2を超えない)が該加熱乾燥機プラットフォーム上に載せられるまで、繰り返した。
(注記:羊膜の胎児側が上向きになる)。
PVC包装フィルムの断片を、加熱乾燥機の乾燥プラットフォームと、足の部分とをすべて覆うために十分な大きさに切った。
真空ポンプを作動させながら、乾燥プラットフォームの両端から延びている足の1/2を残して、プラスチック製フィルムを用いて、加熱乾燥機の乾燥プラットフォーム全体を覆った。該フィルムが膜及びフレームシートに対してしっかりと引っ張られるように(すなわち、真空により「吸い込まれる」)、並びに、空気漏れがなく、組織領域にシワが寄らないように気をつけた。続いて、ふたを閉めた。
真空ポンプの真空度は、およそ〜55.88cmHg(〜22インチHg)に設定した。ポンプゲージは、乾燥サイクルの2〜3分後に記録した。膜は、およそ60分間、加熱真空乾燥させた。該乾燥プロセスのおよそ15〜30分で、加熱乾燥機中の滅菌ガーゼ層を新しいものと交換した。該ガーゼ層の厚さの合計は、ひとつの折りたたまれた4×4ガーゼの厚さを超えてはならない。
交換の後、プラスチック製フィルムが膜及びフレームシートに対してしっかりと引っ張られるように、並びに、空気漏れがなく該膜領域にシワが寄らないように気をつけた。
ポンプ圧モノメーター(monometer)をチェックすることにより、真空包装の完全性を定期的にチェックした。乾燥プロセスが完了した後、加熱乾燥機を開けて、ポンプを作動させたまま、およそ2分間、膜を冷却した。
滅菌Steri-Wrapを用いて新しい滅菌領域を設け、殺菌ステンレス製カッティングボードをその下に置いた。この時点で、滅菌手袋を使用した。ポンプをまだ作動させたまま、角から始めてプラスチック製フィルムを膜シートからそっと取り外し、手袋をはめた手で該膜シートをつかんだ。フレームを該膜と共に乾燥プラットフォームからそっと持ち上げ、膜側を上向けにして殺菌ステンレス製カッティングボードの上の該滅菌領域に置いた。外科用メスを用いて、該膜シートに切り込みを入れ、該フレームの端から1〜2mm離れたところを端に沿って切った。手袋(滅菌手袋)をはめた手で、該膜を適度な位置に保った。該膜シートゆっくり剥がして、該フレームからそっと持ち上げ、次に、該カッティングボード上の該滅菌領域に置いた。
外科用メス又はよく切れるハサミを用いて、膜シートを特定のサイズの断片に切った。すべての断片を切り、包装前に滅菌領域上に固定した。片手(滅菌)で1片の膜断片を内皮ポーチの中に入れ、該ポーチはもう一方の手(非滅菌)で持った。「滅菌」側の手でポーチを触らないように注意した。すべての断片を該内皮ポーチに入れた後、それらを密封した。該ポーチの外側の指定された領域に、適切な情報が示されたラベルを貼った(例えば、パート番号、ロット番号等)。すべての膜断片を、同じ方法で処理した。滅菌施設又は販売業者に送られる用意ができるまで保存するために、標識及び密封した皮ポーチ包装を防水ジップロックバッグに入れた。すべての適切なデータは、組織処理記録に記録した。
(5.2 実施例 2:コラーゲンバイオ線維を作製する別法)
胎盤を、実質的に、実施例1のステップIに記載の通り、その実施例の材料を用いて調製する。妊婦は出産時に、HIV、HBV、HCV、HTLV、梅毒、CMV、及び採取される胎盤組織を汚染する可能性のある他のウイルス及び細菌病原体などの伝染病に関して、スクリーニングされる。母親の上記の病原体の検査結果が、陰性であるか又は無反応であるドナーから集めた組織のみを、コラーゲンバイオ線維の製造に使用する。
滅菌Steri-Wrapシートを用いて滅菌領域を設け、以下に示す処理のための器具及び付属品をその上に置く:滅菌トレーパック;すすぎトレー、ステンレス製カップ、クランプ/止血鉗子、ピンセット、ハサミ、ガーゼ。
胎盤を輸送容器から取り出し、殺菌ステンレス製トレー上に置いた。外科用クランプ及びハサミを用いて、繁生絨毛膜から臍帯をおよそ5.08cm(2インチ)切り取る。
胎盤膜の端から開始して、指による鈍的切開を用いて羊膜を絨毛膜から分離する。これは、該膜の切断前に行う。該絨毛膜及び繁生絨毛膜の全表面から該羊膜を分離した後、ハサミを用いて該羊膜の臍帯断端の周囲を切り、該繁生絨毛膜から分離する。場合によっては、組織を裂かなければ該羊膜と絨毛膜を分離できないならば、該繁生絨毛膜から該羊膜と絨毛膜を一塊として切り取り、次に別々に剥がす。
適切なデータを、組織処理記録に記録する。
羊膜は、血液及び胎児の体液又は物質を除去するために、滅菌0.9% NaCl溶液ですすぐ。このすすぎの間、必要に応じて該生理食塩水溶液を交換する。
次に、羊膜を検体容器中の0.9%生理食塩水、1.0%デオキシコール酸溶液に入れ、2〜8℃で15日まで冷蔵保存し、該溶液は3〜5日毎に交換する。インキュベーション中又は終了後に、上記の血清学的試験を評価する。該試験が1以上の病原体による汚染を示す場合は、該羊膜は廃棄され、さらなる処理を受けない。しかしながら、CMV陽性のドナーに由来すると示された組織は、それでもバイオ繊維の製造に適している。
インキュベーションが完了した時点で、羊膜を検体容器から取り出し、滅菌トレーに入れ、該組織からデオキシコール酸を少なくするために0.9% NaCl溶液で3回すすぐ。該羊膜を、母親側を上向きにして置き、細胞物質をできるだけ取り除くために細胞スクレーパーで該羊膜をそっと擦る。細胞及び細胞残屑の除去を助けるために、必要に応じて追加の生理食塩水を加える。該羊膜の胎児側に対して、このステップを繰り返す。こすり落としの後にすすぎを行い、両側とも、細胞及び細胞物質を除去するために必要に応じて何度でも繰り返す。こすり落としした該羊膜を、ロッキングプラットフォーム上の分離用容器の0.9% 生理食塩水溶液中に入れ、5〜120分間、6番に設定してすすぐ。該生理食塩水溶液は交換し、このロッキングによるすすぎを繰り返す。
すすぎが完了した後、所望により、羊膜をジップロックバッグに入れ、冷蔵庫で保存する。
次に、こすり落としした羊膜を、胎児側を下にして滅菌処理トレー上に置く。過剰の液体を除去し、該膜を平らにするために、該羊膜を手でそっとマッサージする。滅菌プラスチック製シートを、その大きさが、平らな該羊膜よりも各方向におよそ0.5cm小さくなるように切る。このプラスチック製シートを0.9% NaCl溶液中で簡単にすすぐ。該プラスチック製シートは、平らな該羊膜上に滑らかな側を下向きに置き、羊膜の端は覆われないまま残す。該羊膜を整えるために外科用メスを使用し、該シート端を越えて伸びるおよそ0.5cmを残す。伸長しているこれらの羊膜端は、該プラスチック製シートを包んで折り返す。乾燥される該組織の合計面積は、標準的な真空加熱乾燥機あたり300cm2を超えない。
滅菌ガーゼシートを真空加熱乾燥機中に置く。薄いプラスチック製メッシュを、該ガーゼの端を越えておよそ0.5〜10.0cm伸びるように、該ガーゼ上に置く。次に、該羊膜及びプラスチック製シートは、該真空加熱乾燥機中の該メッシュの上に組織側を上にして置き、該羊膜をPVC包装フィルムのシートで覆う。該乾燥機を5O℃に設定し、確実に5O℃±1℃に維持するために該温度は定期的にチェックする。次に、該真空ポンプのスイッチを入れ、真空度およそ〜55.88cmHg(〜22インチHg)に設定する。乾燥は、60分間継続させる。
次に、さらなる使用のために、乾燥させた羊膜を密閉プラスチック製容器に保存する。
(5.3 実施例 3:コラーゲンバイオ線維を用いる鼓膜形成術)
難聴で、空気伝導よりも骨伝導が大きい患者。鼓膜の視診で、綿棒を外耳道の奥まで入れすぎたことに起因する、該膜の約40%の面積を占める辺縁部の穴が明らかである。該鼓膜の該面積を見積もり、該鼓膜のおおよその形のコラーゲンバイオ線維積層体断片を、2×2cm四方の該バイオ繊維からトリミングする。該コラーゲンバイオ線維積層体は、同じロット、つまり同じ胎盤由来のコラーゲンバイオ線維の5層を含む。トリミングした該コラーゲンバイオ線維積層体を、該外耳道を介して、該縁が新しくデブリードマンされ、滲出する可能性のある穿孔領域の全体を覆うように該鼓膜に対してそっと押し付けた。浸出液の粘着特性が、生体材料の該膜への接着に役立つ。該コラーゲンバイオ線維積層体を該鼓膜に対して固定させるために、耳はゲル泡沫で一時的に満たされる。
(5.4 実施例 4:コラーゲンバイオ線維を用いる鼓膜形成術)
難聴で、空気伝導よりも骨伝導が大きい患者。鼓膜の視診で、以前の感染に起因する、該膜の約40%の面積を占める辺縁部の穴が明らかである。耳介後部のシワの後方におよそ1cmの耳介後部切開を行う。乳様突起を覆う骨膜をT字型に切開する。該骨膜を持ち上げ、外耳道の中へと前方に動かす。該外耳道の皮膚及び骨膜を、ダックビルエレベーター又は円刀を用いて持ち上げる。該外耳道皮膚及び該耳を前方に開いておくために、自留開創器を挿入する。該外耳道切開は、横方向の外耳道皮膚弁又は血管条片を作るために考案されている。水平切開は、最初に輪の外側を12時から8時の位置におよそ2〜5mm切開する(右耳)。次に、垂直切開を行う。穿孔に至るまで、皮膚弁を前方に持ち上げる。次に、耳管及び中耳にゲル泡沫を詰める。次に、コラーゲンバイオ線維積層体を、該穿孔に必要な適切な大きさに加工する。次に、残存鼓膜の前方下部、かつ、管壁後部の位置にそれを挿入する。次に該輪を後方の位置に戻し、該血管条片を注意深くその解剖学的位置へ動かす。ゲル泡沫を該残存鼓膜、移植片、及び血管条片を覆うように挿入し、該外耳道を抗生物質軟膏で満たす。該耳介後部切開は、吸収性縫合糸で皮下縫合して閉じ、軽い圧力をかけ、保護するために乳様突起包帯を使用する。
(5.5 実施例 5: コラーゲンバイオ線維積層体)
前述の方法により作製されたコラーゲンバイオ線維を、以下のように積層化した。乾燥コラーゲンバイオ線維は、場合によっては、滅菌0.9% NaCl溶液中で1時間、10分〜1時間、30分間、再水和させた。乾燥コラーゲンバイオ線維は、上記(実施例1)の完全な手順により作製し、次に積層化した;ステップIIIに至るまでに、湿潤コラーゲンバイオ線維を作製し、次に積層化した。取り付けフレームを切断した後、再水和された組織を胎児側を下向きにして置き、該取り付けフレームを該組織の上に置き、該フレームの周囲約1cmを残して該組織を切断することにより取り付けた。細胞スクレーパーを用いて、該1cm端を該フレームの端を覆うように折り返した。湿潤コラーゲンバイオ線維の追加の断片を加えるために、これらのステップを繰り返した。次に、積層化されたバイオ繊維をゲル乾燥機に入れ、十分乾燥させた(含水量<20重量%)。次に積層体を2×6cmのサンプルに切断した。
個々の積層化されたコラーゲンバイオ線維を、以下のように評価した。表1にて示されるように、2、3、5又は8層からなる積層体に関して、乾燥(DT)及び湿潤(WT)積層化コラーゲンバイオ線維の面積を測定した:
Figure 2008544818
検体は、室温で乾燥条件下に置かれた場合、積層化後最初の2日間を越えても、層間剥離の兆候を示さなかった。該積層化コラーゲンバイオ線維はさらに、攪拌された0.9% 生理食塩水で、室温にて10日間維持された場合も、層間剥離の兆候を示さなかった。
より大きな積層化コラーゲンバイオ線維検体を、積層体の耐久性及び層間剥離に対する抵抗性に関して試験した。上記に記載されたリストの、1×2cmの検体(すなわち、DT2、DT3、WT2、WT3、WT5及びWT8)を、リン酸緩衝生理食塩水5mlを入れたペトリ皿に入れた。該検体を軌道シェーカー上で95 RPMにておよそ24時間放置した。振盪時又はその後の簡単な操作時においても、該検体の層間剥離は観察されなかった。
(均等物)
本発明は、本明細書に記載された具体的な実施態様により、その範囲が限定されるものではない。実際に、当業者には、上述の説明及び付属の図面から、記載されたものに加えて、本発明の様々な変更が明らかとなるであろう。かかる変更は、添付の請求項の範囲内にあるものとする。
本明細書では、様々な出版物、特許及び特許出願が引用され、その全開示内容は引用により本明細書中に組み込まれている。

Claims (20)

  1. 奇形を有する鼓膜の修復方法であって、該鼓膜をコラーゲンバイオ線維と接触させることを含む、前記方法。
  2. 前記奇形が穿孔である、請求項1記載の方法。
  3. 前記奇形がアテレクタシス鼓膜、コレアストーマ関連奇形、上鼓室ポケット、又は鼓膜硬化症から起こる奇形である、請求項1記載の方法。
  4. 前記穿孔が外傷に起因する、請求項2記載の方法。
  5. 前記穿孔が施術の一部として生じる、請求項2記載の方法。
  6. 前記接触が穿孔を塞ぐに十分なものである、請求項2記載の方法。
  7. 前記穿孔が、穿孔進行中の2か月以内に自然治癒しなかったものである、請求項2記載の方法。
  8. 前記コラーゲンバイオ線維が単層の羊膜である、請求項1記載の方法。
  9. 前記コラーゲンバイオ線維が二層以上の羊膜の積層体である、請求項1記載の方法。
  10. 前記積層体が二層を有し、厚さ約20〜約60ミクロンである、請求項11記載の方法。
  11. 前記積層体が厚さ約50ミクロンである、請求項12記載の方法。
  12. 前記コラーゲンバイオ線維が鼓膜と接触した際に約20重量%未満の水を含む、請求項2記載の方法。
  13. 前記コラーゲンバイオ線維が鼓膜と接触される前に水和される、請求項2記載の方法。
  14. 前記コラーゲンバイオ線維が厚さ約2ミクロン〜約150ミクロンである、請求項1記載の方法。
  15. 前記コラーゲンバイオ線維が厚さ約1〜約40ミクロンである、請求項20記載の方法。
  16. 前記コラーゲンバイオ線維が二重皮ポーチで提供される、請求項1記載の方法。
  17. 前記コラーゲンバイオ線維が二層以上を有する積層体である、コラーゲンバイオ線維。
  18. 前記コラーゲンバイオ線維が二層の積層体であり、平均の厚さが約20〜約60ミクロンである、請求項23記載のコラーゲンバイオ線維。
  19. 前記コラーゲンバイオ線維の平均の厚さが約50ミクロンである、請求項24記載のコラーゲンバイオ線維。
  20. 約3×3cm以下の寸法の請求項23記載のコラーゲンバイオ線維。
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