JP2008543306A - 非晶質不溶性セルロース系繊維およびその作製方法 - Google Patents

非晶質不溶性セルロース系繊維およびその作製方法 Download PDF

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Abstract

さまざまな穀物製造処理に由来する繊維含有副生成物から、好ましくは食物繊維ゲル形態の非晶質不溶性セルロース系繊維ゲル、および接着剤成分として用いられる可溶性セルロースを含む水性生成物を作製する方法を記載する。アルカリおよび機械的剪断の存在下での繊維残渣の処理により、非晶質不溶性セルロース系繊維を含有するスラリーが作製される。スラリーは、着色特性を改善するために、さらに処理され得る。非晶質不溶性セルロース系繊維はスラリーから分離され、食物繊維ゲルが作製され得る。水および溶質はスラリーの液体成分から分離される。溶質は、可溶性セルロースを含有する水性生成物として得られ、接着剤成分として使用され得る。回収された水は、廃棄処理が減らされるように該方法内で再循環され得る。

Description

関連出願の参照
本発明は、参照により本明細書に組み込まれる、2005年6月14日に出願された米国特許出願第11/152,314号の主題であり、その優先権を主張するものである。
本発明は、不溶性非晶質セルロース系繊維を含む食物繊維ゲルおよび可溶性セルロース系繊維を含む水性生成物を作製するための、食物繊維の処理、例えば、穀物、豆類、種子および他の高繊維植物の要素ならびに副生成物の処理由来の繊維含有副生成物の処理を含む食物繊維の処理に関する。
農業穀物の処理方法、特に、可溶性食物繊維およびデンプンが消費および変換され、不溶性食物繊維が排除される方法が知られている。ここで、用語「穀物」は本出願を通して穀物、豆類、種子およびその他の高繊維植物の要素ならびに植物副生成物を含む。穀物の全穀粒としては、以下の成分:外皮、胚芽および胚乳が挙げられる。食物繊維は、可溶性および不溶性ともに、穀粒のこれらの種々の要素全体に分布している。例えば、トウモロコシ中の食物繊維の約半分は、全粒トウモロコシのふすまおよび外皮部分に存在する。
食物繊維は、通常、穀物処理中に穀物から分離および除去される。食物繊維は、穀粒の繊維含有要素が全穀粒の処理中に分離される場合、穀物から優先的に除去される。例えば、食物繊維は、ふすまなどの特定の穀物要素内に濃縮される傾向にある。したがって、穀物の製粉中、食物繊維の大部分が、粉砕後に穀物のふすま部分を分離することにより除去され得る。
ふすま、外皮などとともに排除される食物繊維は、食物繊維ゲルなどの有用な生成物を作製するための多段階製造処理において、さらに処理され得る。ふすま、外皮などとともに排除されない食物繊維は、穀物の非ふすま部分および非外皮部分とともに残留する。穀物に対するさらなる処理中に、残存する食物繊維は、通常は廃棄物として排除され、多くの場合、動物用飼料として使用される。
他の穀物の処理では、穀物の全穀粒が供給される。穀粒中の一部の食物繊維は、消費され得るか、または他の望ましい生成物に変換され得るが、不溶性食物繊維の大部分は、排除される固形分とともに穀物の処理の初期に排除される。例えば、アレパ、トルティーヤ、チップスおよび他の関連するトウモロコシ系製品の作製に使用されるトウモロコシの粉であるマサの作製では、トウモロコシの全穀粒を下処理または浸漬する。トウモロコシの外皮および不溶性繊維を含有する他の固形分は、マサ作製のこの初期浸漬工程中に排除される。同様に、ヒト消費用およびガソホール製造用アルコールを作製するための穀物の処理では、デンプンを穀物の全穀粒から酵素的に減少させる。残留する固形残渣は、不溶性食物繊維を含有し、処理から排除される。一般的に、固形の残渣は、デンプンの酵素的加水分解後に濾別され、種々のあらゆる穀物要素、例えば、外皮、胚芽および胚乳などに由来するタンパク質、脂質および食物繊維を含有する。種々の穀物要素の各々からの食物繊維の減少は、穀物の種およびその処理に応じて変更され得る。
繊維含有残渣は、穀物の処理に応じて、固形分または固形分を含有するスラリーとして排除され得る。いずれの状況においても、固形分は、通常、食物繊維ゲル、接着剤などの高価値の製品に潜在的に変換され得る可溶性および不溶性の繊維を含有する。一部の穀物の処理から排除された固形分は回収されるが、通常、回収された固形分は、動物飼料の栄養補助食品などの比較的商業的価値の低い用途に使用される。あるいは、排除された固形分はヒトおよび動物消費用に適さない可能性があり、環境的に安全、かつ通常は費用のかかる方法で廃棄しなければならない、すなわち、穀物処理業者は、排除された固形分の埋め立てのための費用を支払わなければならないことがある。排除された固形分から、特に、付随する不溶性食物繊維から高価値の生成物が得られることにより、穀物処理の採算性が改善され得るが、排除された固形分の回収および変換は、一般的に、多数の複雑な処理工程を伴い、不経済である。
したがって、さまざまな穀物の処理由来の食物繊維を含有する穀物処理の残渣および副生成物を受け入れ、さらに含有される食物繊維を、有用な生成物、例えば、繊維ゲル形態の不溶性非晶質セルロース、木材用接着剤成分のための可溶性セルロースを含有する水性生成物に変換し得る単純な処理が必要である。
不溶性食物繊維を含有する穀物および農業副生成物(まとめて「原料」と呼ぶ)の処理方法は、非晶質不溶性セルロース系繊維を含有するスラリーが作製される物理的条件下でのアルカリ処理工程を含む。物理的条件は、食物繊維の細胞構造を物理的に破壊する少なくとも1段階の剪断を含む。アルカリ処理の時間、温度および強度は、原料特性および所望の最終生成物の特性に応じて変更され得る。同様に、総剪断入力は、原料特性および所望の最終生成物の特性を提供するように変更され得る。
以下に、不溶性食物繊維を含有する野菜材料、穀物および農業残渣ならびに穀物処理の副生成物の処理方法を記載する。好ましい原料は、セルロースを高い割合で含む野菜材料である。該方法は、不溶性食物繊維を含有する形態学的構造を破壊する、剪断を含む物理的条件下での原料のアルカリ前処理工程を少なくとも1回含む。漂白工程は、開示した処理の生成物の視覚的な質を向上させるために行なわれ得る。
不溶性食物繊維を含有する穀物、農業残渣および副生成物の処理方法を示すフローチャートを図1に示す。一般的に、処理の供給物は、繊維含有農業由来材料であるが、他の繊維供給源、例えば、生の穀物などもまた、該方法によって処理され得る。列挙するものに特に限定されないが、農業由来高繊維材料の典型的な供給源は、穀物、例えば、小麦、大麦、オート麦、サトウモロコシ、大豆、トウモロコシ、麦芽、豆類、種子など、ならびにこれらの材料の処理の副生成物および生成物である。これらの処理の例としては、湿式および乾式製粉、蒸留、醸造、大豆抽出、穀物の製粉、果物および野菜の処理、ならびに堅果の処理が挙げられる。高セルロース含有材料は好ましい原料である。列挙する原料に限定することは意図されないが、図2の表に、好ましい原料材料をそれぞれのその粗繊維濃度に従って列挙する。
一般的に、農業穀物は、外皮、胚芽および胚乳で構成される。具体的な穀物に応じて、これらの要素には、可溶性および不溶性の両方の種々の量の繊維が含有される。穀物およびその要素は、処理に供給され得る食物繊維を含有する多種多様な生成物、副生成物および残渣が作製されるように、無数の方法で処理され得る。例えば、穀物の全穀粒の製粉中に回収されたふすまおよび外皮は、処理に供給され得る。処理はふすまおよび外皮に限定されない。穀物の全穀粒もまた処理され得る。しかしながら、全粒穀物および全粒穀物の個々の要素が処理される場合、原料は、通常、約0.1mm〜1.0mmの公称直径まで細かくされる。
他の農業穀物由来原料としては、さまざまな製造処理由来の副生成物および残渣が挙げられる。例えば、マサの作製での全粒トウモロコシの初期浸漬中に排除された残渣は、本発明の方法によってさらに処理され得る。該方法の原料の別の例としては、アルコール製造由来の低デンプン穀物が挙げられる。一般的に、種々の製造処理により、穀粒の種々の要素中に含有される繊維の一部が失われる。ほとんどの穀物製造処理の穀物由来の繊維残渣が、該方法によって処理され得るが、具体的な原料の望ましさは、原料中に残留する繊維の相対量に依存し得る。また、多数の穀物製造処理由来の残渣および副生成物は、固形分を含有するスラリーであり得る。スラリーは本発明の処理用の原料であり得るが、かかるスラリーから固形分を回収し、回収された固形分を処理に供給することが望ましい代替法であり得る。
構造的に、本発明の処理に供給される繊維は、実質的に形態学的に無傷のものである。原料繊維の細胞構造は実質的に無傷であるが、一部の製造処理は、細胞構造の弱化に寄与し得る。細胞構造の弱化は、処理効率の改善に寄与し得る。
該方法は、処理への供給物中に含有される繊維の細胞構造を実質的に破壊する前処理工程を含む。繊維の形態学的構造を破壊するのに必要とされる具体的な条件は、もしあれば事前の製造条件および原料調節を含む、原料の種類に応じて変更され得る。処理が困難な繊維、すなわち、例えば、オート麦、亜麻、エンドウ豆外皮および大豆外皮などのより強い繊維を含む原料は、高剪断条件下で処理され得る。より弱い繊維を含む原料および部分分解された繊維を含む原料は、より低剪断条件下で処理され得る。好ましくは、供給物をアルカリと高温で接触させ、剪断に供し、スラリーを作製する。原料の評価において特に重要なことは、妨害物質、例えば、リグニン、タンニン、ポリフェノールおよび結合有機酸に対する利用可能な不溶性セルロース系繊維の比である。
あるいは、原料をアルカリと、剪断より前に所定時間、接触させ得る。高脂肪原料では、前処理工程中で、押出と同時の脂肪、油類および植物ステロールの臨界二酸化炭素抽出が好都合であり得る。前処理工程後、不溶性繊維をスラリーから分離し、単離し、ゲル生成物として回収する。さらに、水溶性繊維ならびにタンパク質および灰分は、スラリーから分離し、単離し、接着剤製品の一成分として回収され得る。
原料中の繊維は植物由来のものであり、その結果、セルロースを含む。繊維は、繊維の性質および供給源に依存する複雑で種々の化学構造を有する。該方法の適用中での細胞構造の破壊は、細胞構造が依存する化学結合の化学的および機械的切断を伴う。したがって、細胞構造の破壊の容易さおよび困難さは、処理される繊維の性質および供給源に依存する。例えば、小麦ふすまに見られる細胞構造の破壊は、トウモロコシふすまの形態学的破壊と異なることが予測され得る。例えば穀物の浸漬などの穀物の製造が関与する場合、繊維は、浸漬されていないために、より極端な剪断力、より高い温度およびより高いpH値の適用が必要とされ得る、ふすまなどの穀物要素の場合よりも細胞の破壊が容易であり得るような、弱化された状態であることが予測され得る。
任意で、原料、特に、強靭な繊維を含む原料が、前処理工程に250psi〜1500psiで作動する高剪断押出機により供給され得る。これは、原料をアルカリとともに共押出するためには好都合である。理想的には、処理温度は、押出中、100℃〜230℃の範囲内に維持され得る。押出圧力は圧縮によって発生させる。二酸化炭素ガスが押出機に導入され得て、押出の高圧下、臨界液体状態が原位置で達成され得る。液体二酸化炭素は、押出中、原料から脂肪を除去するよう作用し得る優れた脂肪溶媒である。脂肪は回収され得て、価値のある抗酸化剤、すなわち、植物ステロールを含有するため、望ましい副生成物である。
前処理工程では、繊維含有原料をアルカリで、原料中に存在する全固形分に対して約5〜25重量%(pH9〜14)の範囲、好ましくはpH約11〜12の範囲の濃度でスラリー状にする。好ましいアルカリとしては、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムが挙げられる。アルカリおよび新鮮な補給水と再循環処理水との任意の組合せを原料に添加することにより、スラリーが作製され得る。使用されるアルカリは、所与の適用に必要な適切な形態に応じて水溶液および固体の形態であり得る。スラリーがどのように作製されるかは、供給物の性質および供給源に依存する。例えば、供給物が、穀物の製粉に由来する繊維含有ふすまの固形分である場合、スラリーは、適切な公称サイズまで粉砕した後、ふすまを水および水性アルカリと混合することにより作製され得る。他の供給物、例えば、マサ作製でのトウモロコシ浸漬由来の残渣などは、既に水湿潤性または部分スラリー状態であり得るので、供給物は、固形アルカリならびに必要に応じて新鮮または再循環のいずれかの最低限量の水と適切に混合され得る。
好ましくは、原料はアルカリと混合し、次いで、ほとんど即座に物理的剪断に供し、細胞構造の破壊を促進し得る。一般に、剪断は、3000〜5000回転数/分(rpm)の範囲で作動させる高剪断混合機を用いて最良になされる。温度は、12℃〜98℃の範囲内、理想的には45℃〜60℃の範囲内に維持され得る。
異なる供給物の細胞構造の多様な化学的性質のため、アルカリと供給物との長時間の接触および物理的剪断が、処理がより困難な供給物に対する物理的力の適用における細胞の破壊を実質的に改善し得る。例えば、マサ作製のためのトウモロコシの浸漬由来の繊維を含有する、pH9および温度50℃のスラリーは、容易に剪断に供される。他方、トウモロコシふすまの形態の繊維を含有するスラリーはpH12に維持するのがよく、90℃の温度をより長い時間の剪断に供するのがよい。剪断時間は、上記のような高剪断押出機により原料を前処理工程に供給することによって短縮され得る。
細胞構造の物理的破壊を促進する剪断の機械的力は、さまざまな手段、例えば、コロイドミル、Waring(商標)ブレンダー、ジェットクッカー、押出機、任意選択の攪拌を伴うオートクレーブ、バルブを介する圧力絞りなどによって提供され得る。機械的手段の具体的な選択は、処理される繊維の性質および供給源に依存し得る。スチームジェットクッカーは、トウモロコシふすまの処理に充分な剪断を提供し、一方、オート麦外皮などのより扱いにくい物質では、コロイドミルまたはWaring(商標)ブレンダーによって付与される切断作用が好ましい。機械的剪断とアルカリの組合せは、スラリー中の繊維を不溶性繊維成分と可溶性繊維成分に分解するのに充分であるものがよい。前処理工程は、約12℃〜98℃の範囲、好ましくは約45℃〜60℃の範囲の温度で作動する。剪断持続時間は、原料の性質および供給源、所望の生成物、ならびに他の作動条件に依存するが、通常は、およそ約1〜180分間である。
処理の前処理工程は、酵素的に向上させ得る。原料は、それぞれのその組成が大きく異なり得る。例えば、一部の原料は、0.5%より多くの脂肪を含むものであり得る。かかる高脂肪濃度は、アルカリの存在下では、扱いが困難な容量の泡を生成し得る。これは、例えばリパーゼなどの適切な酵素をスラリーに添加することにより回避され得る。上記のように、高脂肪原料は、前処理工程で投入される原料の脂肪含量を低減させるため、押出機により前処理工程の前に処理され得る。同様に、より高濃度のタンパク質を含む供給物は、スラリーへのプロテアーゼまたは他の適切な酵素の添加によって有利であり、一方、比較的大量のヘミセルロースを含む供給物は、ヘミセルラーゼの添加によって有利であり得る。αアミラーゼの添加により、高濃度のデンプンが除去され得る。これらの酵素の天然の供給源、および処理を促進し得る任意の酵素が、市販の高級の酵素的試薬の代わりに、およびこれに加えて使用され得る。例えば、大麦麦芽の添加には、プロテアーゼおよびアミラーゼなどの必要な酵素が提供され得る。2000ガロンのスラリーへの10ポンドのカットしたイモの添加には、過剰の過酸化水素を除去するのに充分なカタラーゼが提供され得る。
この前処理により、繊維が、高度に着色され得る可溶性繊維成分と不溶性繊維成分の両方を含むスラリーに分解される。スラリーの不溶性成分は、本発明によって作製される非晶質不溶性セルロース系繊維生成物を含有する。スラリーの可溶性成分は、可溶性炭水化物成分、例えば、可溶性のセルロース、デンプン、タンパク質、ヘミセルロースなどを含有する。
処理の次の工程は、スラリーをその成分に分離することを伴う。分離は、濾過または好ましくは遠心分離によってなされ得る。遠心分離のオーバーフローは可溶性繊維成分を含有する。可溶性成分は除去され、接着剤製品などの他の用途に使用され得る。アンダーフローは水和された不溶性成分を含み、2つの経路の一方に従って処理され得る。まず、アンダーフローを、さらなる前処理および剪断のために先の工程にループバックさせ得る。これは、処理が困難な原料を処理する場合に望ましい追加であり得る。あるいは、アンダーフローを次の工程の処理に連続させ得る。いずれの場合にも、アンダーフローは、処理の前に、着色およびアルカリの大部分を除去するために、水で洗浄され得る。
洗浄水は、新鮮な水を含み得る。向流洗浄は、好都合であり得て、先に処理されたバッチの次の処理工程から回収された水が使用される。新鮮な水と向流水の組合せを使用してもよい。
該方法の次の工程である漂白工程の主な目的は、回収された非晶質不溶性セルロース系繊維ゲル生成物からの残留する着色の除去である。しかしながら、さらなる形態学的分解もまた、この工程中におこる。着色の除去は、着色を改善する薬剤でスラリーを処理することによりなされ得る。着色の改善は、過酸化水素、次亜塩素酸ナトリウム、過塩素酸ナトリウムなどの酸化剤でスラリーを処理することにより達成され得る。着色改善剤の目的は、回収される非晶質不溶性セルロース系繊維ゲル生成物の残留着色を除去することであるので、薬剤は、懸濁液中の固形分の少なくとも約1重量%、好ましくは約5〜25重量%のレベルで組み込まれるのがよい。酸化剤は、回収される生成物の再水和性を増大させる機能を果たし得ることが報告されている。
また、酸化剤は、スラリー中の繊維をさらに形態学的に分解させるのに役立つ。図2に注目すると、表中の値は、漂白工程中に添加する酸化剤の適切な量を計算するために使用され得る。使用される式は、
(ADF−CF)+(NDF−ADF)=スラリーに添加される酸化剤の量
であり、式中、CFは粗繊維(不溶性)の重量であり、NDFは中性デタージェント繊維の重量であり、ADFは酸性デタージェント繊維の重量である。例えば、100kgのピーナッツ外皮を処理する場合:
(65−63kg)+(74kg−65kg)=11kgの過酸化水素
となる。
任意で、回収された非晶質不溶性セルロース系繊維ゲルは、250psi〜1500psiで作動する高剪断押出機により漂白工程に供給され得る。原料を酸化剤、例えば過酸化水素とともに共押出することは好都合である。理想的には、処理温度は、押出中、100℃〜230℃の範囲内に維持され得る。多数の注入点を有する長い単軸のバレル型押出機が使用され得る。
上述の着色改良手法に加え、漂白工程には、前処理と同様に、さらなる剪断が組み込まれる。この漂白工程のpH範囲は8.5〜9.8、好ましくは9.5であり得る。温度は、前処理工程と同様に、12℃〜98℃の範囲であり得る。好ましい温度範囲は、一般的に45℃〜60℃である。しかしながら、所望の最終生成物が水和された不溶性非晶質セルロース系繊維ゲルである場合、より低い温度が好都合であり得る。その場合、乾燥工程は行なわなくてもよく、ゲルは、直接パッケージングへと進められるであろう。
任意で、回収された着色改良非晶質不溶性セルロース系繊維ゲルは、250psi〜1500psiで作動する高剪断押出機により供給され得る。これは、水分の除去において好都合であり得るので、乾燥時間が短縮され得る。
処理の漂白工程の終了後、スラリーを、再度、その可溶性繊維成分と不溶性繊維成分に分離する。分離は、最適には、遠心分離または必要に応じて不溶性物質および固形分の洗浄を伴う濾過によって行なわれる。例えば、分離としては、密度差に基づく分離、真空濾過、フィルタープレス、水平板、遠心分離などが挙げられ得る。先の分離工程と同様に、アンダーフローは保持され、例えば漂白工程の繰り返しなど、さらなる処理として先の工程にループバックするか、または洗浄するかのいずれかに進められ得る。この分離工程の目的は、約2〜15%の固形分含量で水中に不溶性成分を再懸濁させること、および洗浄水が透明になり、実質的にすべての可溶性着色体が除去され、pHが約6〜9に下がるまで洗浄を繰り返すことによって、できるだけ多くの着色体の固形分を除くことである。最後の洗浄サイクルの前に、水のいずれの残留酸化剤をも中和するために、例えば、酸化剤が過酸化水素である場合はカタラーゼなどの適切な酵素がスラリーに添加され得る。カタラーゼの天然供給源は生のイモである。
水および溶質成分は、処理スラリー排出液からの不溶性材料の分離中に回収された液体から分離される。分離は、限外濾過と逆浸透の組合せの使用により充分な純度の水が生成され、該方法の処理での再使用が可能となるように、または回収された水の環境的に安全な廃棄に充分な純度の水が生成されるように設計される。好ましくは、分離された水を固形の原料と組合せて、再使用する。あるいは、分離された水の純度は、水が下水道中に廃棄され、地域の水処理施設によって処理され得るように設定される。分離は、最適には、限外濾過、精密濾過、超遠心分離などの効率のよい遠心分離および濾過によって行なわれる。
分離された可溶性成分は、原料の性質および供給源に依存する可溶性炭水化物を含有するが、ヘミセルロース、多糖類、デンプンなどを含んでもよい。溶質は、食品、医薬品、化粧品、接着剤などに関連するさまざまな用途に使用され得る。特定の用途の純度要件では、可溶性物質のさらなる処理が必要とされ得る。一般的に、純度要件があまり厳しくない場合、可溶性物質は回収され、直接使用され得る。例えば、可溶性物質は、ベニヤ板、合板、チップボード、繊維板、板紙、木材パネルおよび他の積層、圧縮、複合木材製品の製造などの木材用接着剤用途に使用され得る。
理想的には、最後の洗浄は、実質的に純粋な水、例えば逆浸透(RO)を用いて処理された水などを用いて行なわれる。使用された洗浄水は、先に開示した向流洗浄に使用され得る。この向流水を先の洗浄工程に使用する利点は、この洗浄水が例えば過酸化水素などの酸化剤を含有し得ることである。酸化剤の存在により、先の処理工程中で得られる生成物の着色改善が促進され得る。
この時点で、回収された固形分は、白色または非常に色が薄く、ほとんどまたは全くにおいがなく、平滑でクリーム状の質感を有し、かつ約5〜7の範囲のpHの水和ゲル形態の細胞残屑からなる。任意で、固形分は、酸、好ましくは酢酸、クエン酸またはリン酸などの食品用の酸で酸性化され得る。しかしながら、回収される非晶質不溶性セルロース系繊維生成物中での塩の蓄積が抑制されるように、過剰の酸性化は回避するのがよい。理想的には、最終pHは、微生物汚染を回避するために4以下であり得る。安息香酸ナトリウムが抗菌剤として添加され得る。酸化チタンが着色を改善するために添加され得る。場合によっては、特に、ゲルが飲料、サラダドレッシング、および透光性が好都合な他の用途に使用される場合、ゲルを部分加水分解および清澄化するためにセルラーゼが添加され得る。
ゲルは、パッケージングへと進められ得るか、または乾燥に次いでパッケージングされ得る。水和ゲルは、非晶質不溶性セルロース系繊維が1〜6%の範囲であり得るが、好ましくは4%である。所望の濃度は、繊維ゲルの出発濃度および所望濃度に応じて、先に作製された非晶質不溶性セルロース系繊維ゲルの添加、過剰の水の蒸発、および水の添加によって達成され得る。
乾燥の前に、好都合な場合は、不溶性添加剤が添加され得る。例えば、ステアリン酸カルシウムは、ゲルをカルシウムで強化するのが望ましい場合に添加され得て、レシチンは、レシチンでの強化が好都合な場合に添加され得るなどである。レシチンはまた、回収された生成物が乾燥装置に付着しないように維持するために有用であり得る。ゲルは、任意の従来の手段、例えば、ドラム乾燥、噴霧乾燥、温風トレイ乾燥、凍結乾燥、高圧押出などのあらゆる従来の周知の手段によって乾燥させ得る。
本発明の非晶質不溶性セルロース系繊維ゲル生成物は、いくつかの特異で予期せぬ性質を特徴とする。ドラム乾燥された材料は平滑なシート様またはフィルム様の形態をとる。本発明の乾燥生成物の走査電子顕微鏡写真により、繊維粒子は完全に破壊され、細胞残屑として存在することが明らかである。細胞残屑は、実質的に非結晶性および非晶質の不溶性セルロースである。500〜1000倍の倍率では、自由端(loose edge)に湾曲の視覚的証拠が存在する。水和形態の場合、ゲルは、各寸法が約25〜50μmのかなり大きな可変体を有する平滑な表面を有する。元のゲルの平滑性は、乾燥生成物の再構成後に回復する。また、ゲルは、繰り返し凍結解凍サイクル後での比較的低レベルのシネレシスを特徴とするが、3%濃度では、粘度は各サイクル後、結晶性セルロースに対する非晶質不溶性セルロース系繊維の比に応じて約25〜50%減少するであろう。ゲルは実質的に食物繊維および水を含むため、そのカロリー値はゼロである。したがって、これらの高い粘度および水和能を有する平滑な質感のゲルは、望ましくない綿のような感触もしくは口渇感、または砂のような、粉っぽいもしくはざらざらした質感を与えることなく、低カロリー食品の調製における使用のための成分として好適である。ゲルおよびゲル粉末によって与えられる質感の質は、原料の適切な選択およびさまざまな供給源由来の繊維の共処理によって調整され得る。
乾燥生成物は、水中に容易に分散可能であり、再水和して高粘度ゲルが得られ得る。例えば、3%固形分では、再構成されたゲルは、12,000cpsまでまたはそれ以上の粘度と、少なくとも約25までの水和能、すなわち、その重量の少なくとも約24倍の水分を吸収することとを特徴とする。乾燥固形分を水分の存在下での高剪断に供することにより、再水和が効果的に行なわれる。
本発明を農業穀物繊維の処理方法の例によって説明したが、本発明は、他の農業供給源、例えば、果物、野菜、穀物のわらなどに由来する繊維;高木、低木、潅木などの林産物に由来する繊維;一般的な草、干草などに由来する繊維;および不溶性繊維が分離され得るセルロースマトリックスを含有する任意の生物由来の繊維に適用され得る。
本発明は、多種多様な穀物製造処理に由来する農業副生成物中の繊維を処理する可能性などの多数の利点を提供する。本発明は、繊維の比較的単純な処理方法を提供し、さらに、高い割合の繊維を有用な生成物、例えば、繊維ゲルおよび接着剤成分などに変換する。本発明では、スラリー排出液から水を回収および再循環することにより、排水の廃棄が最小限になる。本発明では、いずれの副生成物の廃棄も最小限となるように、可溶性および不溶性の繊維由来生成物が得られる。
本発明は、その精神または本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態にて具体化できる。記載の実施形態は、あらゆる点において、単なる例示であって限定的ではないと理解されるべきである。したがって、本発明の範囲は、前述の記載ではなく特許請求の範囲によって示されるものである。特許請求の範囲の均等の意味および範囲に含まれるあらゆる変更は、特許請求の範囲に包含されるものとする。
〔実施例〕
実施例1:精製トウモロコシふすま
この実施例の処理は、より弱く部分的に処理された繊維、例えば、精製トウモロコシふすまなどを含む原料に使用され得る。本明細書に記載のすべての操作は、70℃〜95℃の高温下および高剪断下で行なわれる。
工程1:アルカリ浸漬。原料を水に添加してスラリーを形成させ、水酸化ナトリウムを用いるアルカリ条件下で浸漬させ得る。アルカリ濃度は、スラリーの総重量の1〜25%の範囲であり得る。浸漬は、0.5時間〜1.5時間のいずれかで行われ得る。
工程2:洗浄。スラリーは、スラリーの着色が琥珀色になるまで水で洗浄され得る。スラリーのpHは約9.5であるのがよい。
工程3:分離。スラリーは、好ましくは遠心分離によって分離され得、実質的に不溶性繊維を含む画分が保持され、可溶性繊維、タンパク質および灰分を実質的に含む画分が除去される。
工程4:漂白/酸化。酸化剤、好ましくは過酸化水素が、添加される酸化剤の量(重量)がスラリー中に存在するセルロースの量(重量)と等しくなるように添加され得る。図2の表を用い、添加される過酸化水素の量を、式:
(ADF−CF)+(NDF−ADF)=スラリーに添加される酸化剤の量
に従って計算する。スラリーのpHは、9.5〜10.5の範囲であるのがよい。漂白は、0.5時間〜1.5時間のいずれかで行われ得る。
工程5:洗浄。スラリーは、すべてまたはほぼすべての着色が消失するまで水で洗浄され得る。
工程6:分離。スラリーは、好ましくは遠心分離によって分離され得、実質的に不溶性繊維を含む画分が保持され、可溶性繊維、タンパク質および灰分を実質的に含む画分が除去される。
工程6:酸化剤の不活性化。適切な酵素、好ましくはカタラーゼが、スラリー中に含有される過酸化水素を中和するのに充分な量で添加され得る。
工程7:乾燥。スラリーは、任意の従来の手段、例えば、ドラム乾燥、噴霧乾燥、温風トレイ乾燥、凍結乾燥などを用いて乾燥され得る。乾燥処理を促進するために従来技術で使用される親水性剤の添加は必要とされない。
実施例2:小麦ふすま
この実施例の処理は、小麦ふすまを含む原料に使用され得る。ここに記載のすべての操作は、70℃〜85℃の高温下および高剪断下で行なわれる。
工程1:アルカリ浸漬。原料を水に添加してスラリーを形成させ、水酸化ナトリウムを用いるアルカリ条件下で浸漬させ得る。アルカリ濃度は、スラリーの総重量の1〜25%の範囲であり得る。浸漬は、0.5時間〜1.5時間のいずれかで行われ得る。
工程2:洗浄。スラリーは、スラリーの着色が琥珀色になるまで水で洗浄され得る。スラリーのpHは約9.5であるのがよい。
工程3:分離。スラリーは、好ましくは遠心分離によって分離され得、実質的に不溶性繊維を含む画分が保持され、可溶性繊維、タンパク質および灰分を実質的に含む画分が除去される。
工程4:漂白/酸化。酸化剤、好ましくは過酸化水素が、添加される酸化剤の量(重量)がスラリー中に存在するセルロースの量(重量)と等しくなるように添加され得る。図2の表を用い、添加される過酸化水素の量を、式:
(ADF−CF)+(NDF−ADF)=スラリーに添加される酸化剤の量
に従って計算する。スラリーのpHは、9.5〜10.5の範囲であるのがよい。漂白は、0.5時間〜3.0時間のいずれかで行われ得る。
工程5:洗浄。スラリーは、すべてまたはほぼすべての着色が消失するまで水で洗浄され得る。
工程6:分離。スラリーは、好ましくは遠心分離によって分離され得、実質的に不溶性繊維含む画分が保持され、可溶性繊維、タンパク質および灰分を実質的に含む画分が除去される。
工程6:酸化剤の不活性化。適切な酵素、好ましくはカタラーゼが、スラリー中に含有される過酸化水素を中和するのに充分な量で添加され得る。
工程7:乾燥。スラリーは、任意の従来の手段、例えば、ドラム乾燥、噴霧乾燥、温風トレイ乾燥、凍結乾燥などを用いて乾燥され得る。乾燥処理を促進するために従来技術で使用される親水性剤の添加は必要とされない。
実施例3:トウモロコシマサの残渣
この実施例の処理は、トウモロコシマサの残渣を含む原料に使用され得る。ここに記載のすべての操作は、70℃〜85℃の高温下および高剪断下で行なわれる。
工程1:アルカリ浸漬。原料を水に添加してスラリーを形成させ、水酸化ナトリウムを用いるアルカリ条件下で浸漬させ得る。アルカリ濃度は、スラリーの総重量の1〜25%の範囲であり得る。浸漬は、1.0時間〜3.0時間のいずれかで行われ得る。
工程2:洗浄。スラリーは、スラリーの着色が琥珀色になるまで水で洗浄され得る。スラリーのpHは約9.5であるのがよい。
工程3:分離。スラリーは、好ましくは遠心分離によって分離され得、実質的に不溶性繊維を含む画分が保持され、可溶性繊維、タンパク質および灰分を実質的に含む画分が除去される。
工程4:漂白/酸化。酸化剤、好ましくは過酸化水素が、添加される酸化剤の量(重量)がスラリー中に存在するセルロースの量(重量)と等しくなるように添加され得る。図2の表を用い、添加される過酸化水素の量を、式:
(ADF−CF)+(NDF−ADF)=スラリーに添加される酸化剤の量
に従って計算する。スラリーのpHは、9.5〜10.5の範囲であるのがよい。漂白は、1.0時間〜3.0時間のいずれかで行われ得る。
工程5:洗浄。スラリーは、すべてまたはほぼすべての着色が消失するまで水で洗浄され得る。
工程6:分離。スラリーは、好ましくは遠心分離によって分離され得、実質的に不溶性繊維含む画分が保持され、可溶性繊維、タンパク質および灰分を実質的に含む画分が除去される。
工程6:酸化剤の不活性化。適切な酵素、好ましくはカタラーゼが、スラリー中に含有される過酸化水素を中和するのに充分な量で添加され得る。
工程7:乾燥。スラリーは、任意の従来の手段、例えば、ドラム乾燥、噴霧乾燥、温風トレイ乾燥、凍結乾燥などを用いて乾燥され得る。乾燥処理を促進するために従来技術で使用される親水性剤の添加は必要とされない。
実施例4:オート麦外皮
この実施例の処理は、オート麦外皮を含む原料に使用され得る。特に記載のない限り、ここに記載のすべての操作は、70℃〜85℃の高温下および高剪断下で行なわれる。
工程1:押出。原料は高圧押出による処理に供給され得る。圧力は800psi〜1500psiの範囲であり得るが、理想的には該範囲の上限であるのがよい。押出のための温度は120℃〜160℃の範囲であり得るが、理想的には該範囲の上限であるのがよい。
工程2:アルカリ浸漬。原料を水に添加してスラリーを形成させ、水酸化ナトリウムを用いるアルカリ条件下で浸漬させ得る。アルカリ濃度は、スラリーの総重量の1〜25%の範囲であり得る。浸漬は1.0時間〜5.0時間のいずれかで行われ得る。
工程3:洗浄。スラリーは、スラリーの着色が琥珀色になるまで水で洗浄され得る。スラリーのpHは約9.5であるのがよい。
工程4:分離。スラリーは、好ましくは遠心分離によって分離され得、実質的に不溶性繊維を含む画分が保持され、可溶性繊維、タンパク質および灰分を実質的に含む画分が除去される。
工程5:漂白/酸化。酸化剤、好ましくは過酸化水素が、添加される酸化剤の量(重量)がスラリー中に存在するセルロースの量(重量)と等しくなるように添加され得る。図2の表を用い、添加される過酸化水素の量を、式:
(ADF−CF)+(NDF−ADF)=スラリーに添加される酸化剤の量
に従って計算する。スラリーのpHは、9.5〜10.5の範囲であるのがよい。漂白は、2.0時間〜6.0時間のいずれかで行われ得る。
工程6:洗浄。スラリーは、すべてまたはほぼすべての着色が消失するまで水で洗浄され得る。
工程7:分離。スラリーは、好ましくは遠心分離によって分離され得、実質的に不溶性繊維含む画分が保持され、可溶性繊維、タンパク質および灰分を実質的に含む画分が除去される。
工程8:酸化剤の不活性化。適切な酵素、好ましくはカタラーゼが、スラリー中に含有される過酸化水素を中和するのに充分な量で添加され得る。
工程9:乾燥。スラリーは、任意の従来の手段、例えば、ドラム乾燥、噴霧乾燥、温風トレイ乾燥、凍結乾燥などを用いて乾燥され得る。乾燥処理を促進するために従来技術で使用される親水性剤の添加は必要とされない。
実施例5:大豆外皮
この実施例の処理は、大豆外皮を含む原料に使用され得る。特に記載のない限り、ここに記載のすべての操作は、70℃〜85℃の高温下および高剪断下で行なわれる。
工程1:押出。原料は高圧押出による処理に供給され得る。圧力は800psi〜1500psiの範囲であり得るが、理想的には該範囲の上限であるのがよい。押出のための温度は120℃〜160℃の範囲であり得るが、理想的には該範囲の上限であるのがよい。
工程2:アルカリ浸漬。原料を水に添加してスラリーを形成させ、水酸化ナトリウムを用いるアルカリ条件下で浸漬させ得る。アルカリ濃度は、スラリーの総重量の1〜25%の範囲であり得る。浸漬は、1.0時間〜3.0時間のいずれかで行われ得る。
工程3:洗浄。スラリーは、スラリーの着色が琥珀色になるまで水で洗浄され得る。スラリーのpHは約9.5であるのがよい。
工程4:分離。スラリーは、好ましくは遠心分離によって分離され得、実質的に不溶性繊維を含む画分が保持され、可溶性繊維、タンパク質および灰分を実質的に含む画分が除去される。
工程5:漂白/酸化。酸化剤、好ましくは過酸化水素が、添加される酸化剤の量(重量)がスラリー中に存在するセルロースの量(重量)と等しくなるように添加され得る。図2の表を用い、添加される過酸化水素の量を、式:
(ADF−CF)+(NDF−ADF)=スラリーに添加される酸化剤の量
に従って計算する。スラリーのpHは、9.5〜10.5の範囲であるのがよい。漂白は、1.0時間〜6.0時間のいずれかで行われ得る。
工程6:洗浄。スラリーは、すべてまたはほぼすべての着色が消失するまで水で洗浄され得る。
工程7:分離。スラリーは、好ましくは遠心分離によって分離され得、実質的に不溶性繊維含む画分が保持され、可溶性繊維、タンパク質および灰分を実質的に含む画分が除去される。
工程8:酸化剤の不活性化。適切な酵素、好ましくはカタラーゼが、スラリー中に含有される過酸化水素を中和するのに充分な量で添加され得る。
工程9:乾燥。スラリーは、任意の従来の手段、例えば、ドラム乾燥、噴霧乾燥、温風トレイ乾燥、凍結乾燥などを用いて乾燥され得る。乾燥処理を促進するために従来技術で使用される親水性剤の添加は必要とされない。
実施例6:エンドウ豆外皮
この実施例の処理は、エンドウ豆外皮を含む原料に使用され得る。特に記載のない限り、ここに記載のすべての操作は、70℃〜85℃の高温下および高剪断下で行なわれる。
工程1:押出。原料は高圧押出による処理に供給され得る。圧力は800psi〜1500psiの範囲であり得るが、理想的には該範囲の上限であるのがよい。押出のための温度は120℃〜160℃の範囲であり得るが、理想的には該範囲の上限であるのがよい。
工程2:アルカリ浸漬。原料を水に添加してスラリーを形成させ、水酸化ナトリウムを用いるアルカリ条件下で浸漬させ得る。アルカリ濃度は、スラリーの総重量の1〜25%の範囲であり得る。浸漬は、2.0時間〜3.0時間のいずれかで行われ得る。
工程3:洗浄。スラリーは、スラリーの着色が琥珀色になるまで水で洗浄され得る。スラリーのpHは約9.5であるのがよい。
工程4:分離。スラリーは、好ましくは遠心分離によって分離され得、実質的に不溶性繊維を含む画分が保持され、可溶性繊維、タンパク質および灰分を実質的に含む画分が除去される。
工程5:漂白/酸化。酸化剤、好ましくは過酸化水素が、添加される酸化剤の量(重量)がスラリー中に存在するセルロースの量(重量)と等しくなるように添加され得る。図2の表を用い、添加される過酸化水素の量を、式:
(ADF−CF)+(NDF−ADF)=スラリーに添加される酸化剤の量
に従って計算する。スラリーのpHは、9.5〜10.5の範囲であるのがよい。漂白は、2.0時間〜10.0時間のいずれかで行われ得る。
工程6:洗浄。スラリーは、すべてまたはほぼすべての着色が消失するまで水で洗浄され得る。
工程7:分離。スラリーは、好ましくは遠心分離によって分離され得、実質的に不溶性繊維含む画分が保持され、可溶性繊維、タンパク質および灰分を実質的に含む画分が除去される。
工程8:酸化剤の不活性化。適切な酵素、好ましくはカタラーゼが、スラリー中に含有される過酸化水素を中和するのに充分な量で添加され得る。
工程9:乾燥。スラリーは、任意の従来の手段、例えば、ドラム乾燥、噴霧乾燥、温風トレイ乾燥、凍結乾燥などを用いて乾燥され得る。乾燥処理を促進するために従来技術で使用される親水性剤の添加は必要とされない。
実施例7:堅果外皮
この実施例の加工処理は、堅果外皮を含む原料に使用され得る。特に記載のない限り、ここに記載のすべての操作は、70℃〜85℃の高温下および高剪断下で行なわれる。
工程1:押出。原料は高圧押出による処理に供給され得る。圧力は800psi〜1500psiの範囲であり得るが、理想的には該範囲の上限であるのがよい。押出のための温度は120℃〜160℃の範囲であり得るが、理想的には該範囲の上限であるのがよい。
工程2:アルカリ浸漬。原料を水に添加してスラリーを形成させ、水酸化ナトリウムを用いるアルカリ条件下で浸漬させ得る。アルカリ濃度は、スラリーの総重量の1〜25%の範囲であり得る。浸漬は1.0時間〜5.0時間のいずれかで行われ得る。
工程3:洗浄。スラリーは、スラリーの着色が琥珀色になるまで水で洗浄され得る。スラリーのpHは約9.5であるのがよい。
工程4:分離。スラリーは、好ましくは遠心分離によって分離され得、実質的に不溶性繊維含む画分が保持され、可溶性繊維、タンパク質および灰分を実質的に含む画分が除去される。
工程5:漂白/酸化。酸化剤、好ましくは過酸化水素が、添加される酸化剤の量(重量)がスラリー中に存在するセルロースの量(重量)と等しくなるように添加され得る。図2の表を用い、添加される過酸化水素の量を、式:
(ADF−CF)+(NDF−ADF)=スラリーに添加される酸化剤の量
に従って計算する。スラリーのpHは、9.5〜10.5の範囲であるのがよい。漂白は、2.0時間〜6.0時間のいずれかで行われ得る。
工程6:洗浄。スラリーは、すべてまたはほぼすべての着色が消失するまで水で洗浄され得る。
工程7:分離。スラリーは、好ましくは遠心分離によって分離され得、実質的に不溶性繊維含む画分が保持され、可溶性繊維、タンパク質および灰分を実質的に含む画分が除去される。
工程8:酸化剤の不活性化。適切な酵素、好ましくはカタラーゼが、スラリー中に含有される過酸化水素を中和するのに充分な量で添加され得る。
工程9:乾燥。スラリーは、任意の従来の手段、例えば、ドラム乾燥、噴霧乾燥、温風トレイ乾燥、凍結乾燥などを用いて乾燥され得る。乾燥処理を促進するために従来技術で使用される親水性剤の添加は必要とされない。
図1は、トウモロコシふすまの処理フローチャートである。 図2は、種々の可能性がある原料の一部の各組成を示す表である。 図2は、種々の可能性がある原料の一部の各組成を示す表である。

Claims (15)

  1. 1. 原料、水およびアルカリを提供する工程、ここで、原料はセルロースを含む;
    2. 原料、水およびアルカリを混合して第1のスラリーを形成する工程、ここで、アルカリは、第1のスラリーに含まれる全固形分の1重量%〜25重量%の範囲の濃度で存在し、第1のスラリーは不溶性および可溶性のセルロース系繊維を含む;
    3. 第1のスラリーを少なくとも0.25時間、セルロースを高温および少なくとも70℃の高温で形態学的に破壊するのに充分な高剪断によって規定される条件に供する工程;
    4. 第1のスラリーの着色が琥珀色になるまで第1のスラリーを水で洗浄する工程;
    5. 第1のスラリーを第1の画分と第2の画分に分離する工程、ここで、第1のスラリーの第1の画分は、第1のスラリー由来の不溶性繊維のほとんどおよび大部分を含み、第1のスラリーの第2の画分は、第1のスラリー由来の可溶性繊維、タンパク質および灰分の大部分を含む;
    6. さらなる処理工程のために、第1のスラリーの第2の画分を除去し、第1のスラリーの第1の画分を保持する工程;
    7. 酸化剤を、第1のスラリーの第1の画分に含有される不溶性繊維の量と実質的に等しい重量で提供する工程;
    8. 酸化剤を第1のスラリーの第1の画分と混合して第2のスラリーを形成する工程;
    9. 第2のスラリーを少なくとも0.25時間、セルロースを高温および少なくとも70℃の高温で形態学的に破壊するのに充分な高剪断によって規定される条件に供する工程;
    10. 第2のスラリーが実質的に無色になるまで第2のスラリーを水で洗浄する工程;
    11. 第2のスラリーを第1の画分と第2の画分に分離する工程、ここで、第2のスラリーの第1の画分は第2のスラリー由来の不溶性繊維のほとんどおよび大部分を含み、第2のスラリーの第2の画分は、第2のスラリー由来の可溶性繊維、タンパク質および灰分の大部分を含む;
    12. 第2のスラリーの第1の画分に含有される酸化剤を不活性化することができる酵素を、第2のスラリーの第1の画分に含有される酸化剤の量を完全に中和するのに充分な量で提供する工程;
    13. 酵素を第2のスラリーの第1の画分と混合し、非晶質不溶性セルロース系繊維の加水分解ゲルを形成する工程を含む、方法。
  2. 14. 非晶質不溶性セルロース系繊維の加水分解ゲルを乾燥する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 酸化剤が過酸化水素である、請求項1または2に記載の方法。
  4. アルカリが水酸化ナトリウムである、請求項1または2に記載の方法。
  5. 請求項1または2に記載の方法によって生成される生成物。
  6. 非晶質不溶性セルロース系繊維を含む特異な組成物であって、平滑なシート様の形態、実質的に非結晶性および非晶質の形態、繰り返し凍結解凍サイクル後、比較的低レベルのシネレシス、500〜1000倍の倍率での自由端(loose edge)での湾曲の視覚的証拠、ならびに、水和形態の場合、各寸法が約25〜50μmの大きな可変体を有する平滑な表面を特徴とする組成物。
  7. 1. 原料、水およびアルカリを提供する工程、ここで、原料はセルロースを含む;
    2. 原料と水を混合して第1のスラリーを形成する工程、
    3. 第1のスラリーを当該方法に、高圧押出によって供給する工程、ここで、圧力は、少なくとも800psiである、
    4. アルカリを第1のスラリーに導入する工程、ここで、アルカリは、第1のスラリーに含有される全固形分の1重量%〜25重量%の範囲の濃度で存在し、第1のスラリーは不溶性および可溶性のセルロース系繊維を含む;
    5. 第1のスラリーを少なくとも0.25時間、セルロースを高温および少なくとも70℃の高温で形態学的に破壊するのに充分な高剪断によって規定される条件に供する工程;
    6. 第1のスラリーの着色が琥珀色になるまで第1のスラリーを水で洗浄する工程;
    7. 第1のスラリーを第1の画分と第2の画分に分離する工程、ここで、第1のスラリーの第1の画分は、第1のスラリー由来の不溶性繊維のほとんどおよび大部分を含み、第1のスラリーの第2の画分は、第1のスラリー由来の可溶性繊維、タンパク質および灰分の大部分を含む;
    8. さらなる処理工程のために、第1のスラリーの第2の画分を除去し、第1のスラリーの第1の画分を保持する工程;
    9. 酸化剤を、第1のスラリーの第1の画分に含有される不溶性繊維の量と実質的に等しい重量で提供する工程;
    10. 該酸化剤を第1のスラリーの第1の画分と混合して第2のスラリーを形成する工程;
    11. 第2のスラリーを少なくとも0.25時間、セルロースを高温および少なくとも70℃の高温で形態学的に破壊するのに充分な高剪断によって規定される条件に供する工程;
    12. 第2のスラリーが実質的に無色になるまで第2のスラリーを水で洗浄する工程;
    13. 第2のスラリーを第1の画分と第2の画分に分離する工程、ここで、第2のスラリーの第1の画分は第2のスラリー由来の不溶性繊維のほとんどおよび大部分を含み、第2のスラリーの第2の画分は、第2のスラリー由来の可溶性繊維の大部分、タンパク質および灰分を含む;
    14. 第2のスラリーの第1の画分に含有される酸化剤を不活性化することができる酵素を、第2のスラリーの第1の画分に含有される酸化剤の量を完全に中和するのに充分な量で提供する工程;
    15. 酵素を第2のスラリーの第1の画分と混合し、非晶質不溶性セルロース系繊維の加水分解ゲルを形成する工程
    を含む、方法。
  8. アルカリが共押出によってスラリーに導入される、請求項7に記載の方法。
  9. 酸化剤が過酸化水素である、請求項7または8に記載の方法。
  10. アルカリが水酸化ナトリウムである、請求項7または8に記載の方法。
  11. 16. 非晶質不溶性セルロース系繊維の加水分解ゲルを乾燥する工程をさらに含む、請求項7または8に記載の方法。
  12. プロテアーゼが第1のスラリーに導入される、請求項1、2、7または8に記載の方法。
  13. アミラーゼが第1のスラリーに導入される、請求項1、2、7または8に記載の方法。
  14. カタラーゼが第1のスラリーに導入される、請求項1、2、7または8に記載の方法。
  15. 次の原料バッチの洗浄工程での再使用のために、洗浄工程からの過剰の水が回収され、当該方法にフィードバックされる、請求項1、2、7または8に記載の方法。
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