JP2008542662A - 高速信号処理形信号処理システム - Google Patents

Abstract

本発明は、所望のレスポンスを要求するとともに要求信号を送出する入力モジュール（ＥＭ）、信号処理モジュール（ＳＭ）及び所望のレスポンスを実行する目標モジュール（ＺＭ）を有する例えば自動車のトランスミッション制御用の高速信号処理形信号処理システムにおいて、処理を速めるために複数のステップの実行を並列に設定し、信号処理モジュール（ＳＭ）が要求信号をそれぞれ受領する検査モジュール（ＵＭ）及びクロックモジュール（ＺＴＭ）を有し、信号処理モジュール（ＳＭ）がさらに入力モジュール（ＥＭ）とクロックモジュール（ＺＴＭ）の間で作動するアクチュエータモジュール（ＡＭ）を有し、クロックモジュール（ＺＴＭ）が検査モジュール（ＵＭ）の出力に接続され、アクチュエータモジュール（ＡＭ）が信号処理モジュール（ＳＭ）の出力信号の伝送のために目標モジュール（ＺＭ）に接続されている信号処理システムに関する。

Description

本発明はとりわけ自動車用、例えば自動車のトランスミッション制御用の請求項１の上位概念に基づく高速信号処理形信号処理システム及び信号処理システムで高速信号処理を行うための請求項７に基づく方法に関する。

信号処理システムについては、手動操作される入力モジュールによって所望のレスポンスを要求する要求信号が発信されることは周知である。このような入力モジュールに通常、信号処理モジュールが後置され、その出力信号が目標モジュールに送られ、目標モジュールは要求されたレスポンスを行う。

このような周知の信号処理システムは例えば自動車トランスミッションの制御で利用される。しばしば複雑なこの電子システムは、冒頭に挙げた３つのモジュールに大別され、所望のレスポンスを要求し、それに対応する要求信号を送出する入力モジュールは手動式トランスミッションセレクタレバー又はメインスイッチである。所望のレスポンスを行う目標モジュールは、所望のギヤ又は所望の走行方向を準備するトランスミッション出力段である。

信号の流れの中でその間にある信号処理モジュールは、トランスミッション制御装置であるか又はその一部を含む。この場合トランスミッション制御装置は別個に構成するか、又はエンジン制御装置とともに１つのデバイスとして実現することができる。目標モジュール又はアクチュエータモジュールは信号処理モジュールの構成部分であることが可能であり、一部がその外部にあるように構成することもできる。

このような周知の複雑なシステムで信号処理モジュールの出力信号が目標モジュールへ伝送される前に、幾つかのプロセス段階が行われる。とりわけ検査モジュールで信号の妥当性と適合性及び車両の現在の走行又は運動状態でのトランスミッションの所望のレスポンスが検査される。この検査が完了すると、検査モジュールの出力信号は所望のレスポンスを得るためのステップの以後の処理を許可する。

検査モジュールに別のモジュールを後置することができる。これらのモジュールは全体として相互に依存し合っており、逐次通過しなければならないか、又は少なくとも単一又は複数の他のモジュールにより動作の許可が指示される。

その欠点は、高速切換え式の論理ユニット、油圧スイッチ素子等を使用するにかかわらず、全システムの挙動が操作者にとって主観的に緩慢であることがはっきり感じられることである。これは一方ではこのような信号処理システムを装備した技術的装置への不満又は拒否すら招き、他方では例えば道路交通で、これはシステムの慣性に基づき操作者にはっきり分かる時間的遅れで初めて現れるのだが、特に迅速なギヤチェンジ又は特に迅速なレンジ挿入が望ましい場合に、不快な状況を生じる。

こうした背景のもとで本発明の根底にあるのは、上記の欠点を回避し、同じ信頼性のもとで所望のレスポンスの迅速な実行をもたらす高速信号処理形信号処理システムを示す課題である。さらに先行技術の上記の欠点を回避する信号処理システムで高速信号処理を行うための方法を示すことである。

この課題の解決は、信号処理システムに関しては請求項１の特徴により、高速信号処理を行うための方法については請求項７の特徴により明らかであり、一方、発明の有利な実施態様と改良が従属請求項に見られる。

本発明の基礎をなすのは、全信号処理プロセスの特定の部分ステップを並列、即ち同時に処理し、その際幾つかの部分ステップはいわば準備がすでに行われ、次いで他のモジュール又は他の信号により最終的許可が行われることが可能であるという認識である。

そこで本発明は、所望のレスポンスを要求するとともに要求信号を送出する入力モジュール、信号処理モジュール及び所望のレスポンスを実行する目標モジュールを有する、とりわけ自動車用、例えば自動車のトランスミッション制御用の高速信号処理形信号処理システムから出発する。

上記の課題の解決のために、さらに本発明は信号処理モジュールに関しては信号処理モジュールが要求信号をそれぞれ受領する検査モジュール及びクロックモジュールを有し、信号処理モジュールがさらに入力モジュールとクロックモジュールの間で動作するアクチュエータモジュールを有し、クロックモジュールに検査モジュールの出力が送られ、アクチュエータモジュールは信号処理モジュールの出力信号の伝送のために目標モジュールに接続されるものとする。

この構造によって、検査モジュールで要求信号をシステムのレスポンスに関して検査すると同時に、その検査と並列にすでにアクチュエータ操作を準備する計算及び／又は制御動作を行うために、まさにこの要求信号を利用することが可能である。検査によって、要求信号が妥当であり、かつ適合することが明らかになれば、その結果検査手続きのための時間は無駄にならない。要求されたシステム応答を得るための予備的制御動作がそれと並列に実行されるからである。要求信号の検査がネガティブの結果になると、予備的計算及び／又は制御動作は具体的なアクチュエータ操作の前に中止される。

そこで本発明に基づき検査モジュール、クロックモジュール及びアクチュエータモジュールは受領する要求信号に関して、その処理順序が互いに並列に配置され、又は互いに並列に要求信号が送り込まれるようになっている。これによって他のモジュールのレスポンスを待たずに、同時的に所定のステップを予め処理することが可能になる。

従ってクロックモジュールは、要求信号が発信されたことについての情報を初めに受け取り、検査モジュールの出力信号を待つ。アクチュエータモジュールを経由する信号路がどれだけ長くかかるかが、クロックモジュールに予めプログラムされて知られているか、又はアクチュエータモジュールがすべての必要なステップの有効な終了についての返信をクロックモジュールに送るから、検査モジュールのポジティブ信号が現れると、直ちにクロックモジュールはアクチュエータモジュールによる所望のレスポンスの起動を許可することができる。

そこで検査モジュールは妥当性モジュールも備えていることが好ましい。妥当性モジュールでは別の基準及び／又は信号に基づき、要求信号がそもそも入力モジュールによって発信された信号であることが可能であるか、又は現にこのような信号であるか、が確定される。その場合、これと並列に適合性モジュールを配置することが特に好ましい。適合性モジュールは別の基準及び／又は信号に基づき、要求信号が意図するレスポンスが現在、即ち車両の現行運転状況で、果たして適合するか否かを検査する。

発明の別の実施態様では、検査モジュールの内部で妥当性モジュール及び適合性モジュールの出力が論理スイッチに送られるようにすることができる。これは実際に両方のモジュールがポジティブ信号を送信するときだけ、検査モジュールがそのポジティブ出力信号をクロックモジュールに送るという利点がある。

この点に関連して「ポジティブ」の概念は必ずしも数学的量を意味せず、むしろ「ポジティブ」な信号があるときは、要求されたシステム応答の発生のために信号処理を続行できることを表現するものである。

発明の具体的な実施形態によれば、入力モジュールは自動車に組み込まれたトランスミッションのセレクタスイッチとして構成され、アクチュエータモジュールは、ギヤ又は走行方向の切換えの準備が行われるトランスミッション部品を含み、目標モジュールは所望のレスポンスを実行するクラッチとして構成されている。

さらにトランスミッションセレクタスイッチがＨ形ゲートの中で案内されるように形成され、セレクタスイッチをプリセレクトゲートに回し込み及び／又はドライバ側で新しい目標ギヤに挿入することによって要求信号が発信されるようにすることができる。

また本発明は、所望のレスポンスを要求するとともに要求信号を送出する入力モジュール、信号処理モジュール及び所望のレスポンスを実行する目標モジュールを含む信号処理システムにより高速信号処理を行うための方法から出発し、上記方法は次の諸段階、即ち
ａ）要求信号を信号処理モジュールに送り、
ｂ）信号処理モジュールの内部で要求信号をそれぞれ検査モジュール及びクロックモジュールへ並列に送り、
ｃ）目標モジュールで所望のレスポンスを起動するのに必要なステップを準備するために、入力モジュールとクロックモジュールの間で作動するアクチュエータモジュールに要求信号を並列に送り、
ｄ）検査モジュールの出力信号をクロックモジュールに送り、
ｅ）クロックモジュールの内部で、検査モジュールの出力信号の有無を検査し、検査モジュールの出力信号がポジティブのときは、アクチュエータモジュールを経て目標モジュールに伝送される信号処理モジュールの出力信号を許可する
ことを包含する。

この方法は次の利点がある。即ち大きな期間を必要とする目標達成のための処置が、他のモジュールの決定を待たずに、先に開始することができる。その後他のモジュールからの許可があれば、この準備的処置は、最終的に所望のレスポンスが実行されるときに全体として必要な時間をすでに著しく短縮している。この所望のレスポンスが他のモジュールの決定に基づき拒否され、従って実行されない場合は、全システムが少なくとも機械的に要求信号の送出の前の状態にとどまる。

その場合、段階ｃ）の後にクロックモジュールで妥当性タイムスイッチがスタートされ、所定の妥当化期間内に冗長信号が印加されるならば、即ち妥当性検査と適合性検査が有効であったならば、所望のレスポンスを許可する出力信号がクロックモジュールからアクチュエータモジュールに伝達されることが好ましい。

最後に、上記の発明は装置についても方法についても、要求信号の信号発生の仕方に関係なく、上記の利点を伴って動作することを指摘しておこう。要求信号はドライバ自身によって、例えばトランスミッションセレクタレバーを操作することによって発信することができ、又は全自動トランスミッションの変速比変更動作を制御する基礎となるセンサ情報に基づいて発生することができる。

本発明を明らかにするために、実施例の概略図を明細書に添付した。本発明は多数の信号処理システムで、とりわけ乗用車、トラック、バス、鉄道又はその他の特殊車両の信号処理システムで有利に使用できることを指摘しておこう。また以下で信号伝送に言及する場合は、電気的及び機械的に伝送される信号を含むことを留意しなければならない。従って「信号回線」の概念は機械的素子のための信号伝送路の意味に解することもできる。

図面は入力モジュールＥＭが操作の後に、所望のレスポンスを要求する要求信号をデータバスシステムの信号回線２を経て信号処理モジュールＳＭに送ることを示す。

信号処理モジュールＳＭの内部で要求信号のトリガが当該の信号路４、６及び８を並列に経由して検査モジュールＵＭ、クロックモジュールＺＴＭ及びアクチュエータモジュールＡＭへ送られる。

検査モジュールＵＭは妥当性モジュールＰＭ及びこれと並列な配列で適合性モジュールＺＵＭを有する。これらの出力は論理スイッチ１０へ送られ、論理スイッチ１０は要求が妥当であり、かつ適合するときだけ、ポジティブ出力信号をクロックモジュールＺＴＭへ転送する。

検査モジュールＵＭの諸過程と同時に、アクチュエータモジュールＡＭはクロックモジュールＺＴＭからの返信なしですでに行うことができるすべての必要なステップ及び処置を準備するが、所望のレスポンスを実行する目標モジュールはまだ駆動しない。論理スイッチ１０からクロックモジュールＺＴＭに対して許可があれば、クロックモジュールＺＴＭは制御回線１２を経て当該の信号をアクチュエータモジュールＡＭへ送出する。

そのときアクチュエータモジュールＡＭがすでにすべてのステップの内部実行により準備を完了していれば、検査モジュールＵＭの出力信号が信号回線１４を経て目標モジュールＺＭへ直ちに通され、目標モジュールＺＭが最終的に所望のレスポンスを実行する。

メインスイッチ又はトランスミッションセレクタスイッチの走行方向要求のために冗長信号を有する、自動車の自動化トランスミッションでの具体的な実施形態として、入力モジュールＥＭは上記のメインスイッチである。

例えば自動車のドライバが停止時に走行方向切換えを要求する。そのときメインスイッチから出る要求信号は信号回線４、６及び８を経て同時に検査モジュールＵＭ、クロックモジュールＺＴＭ及びアクチュエータモジュールＡＭに到達する。この例でアクチュエータモジュールＡＭは、所望のレスポンスの起動のためにこのクラッチの締結をせずに準備段階を行うことができる、出力クラッチを含むオートマチックトランスミッションのすべての部品を記号化する。

許可がまずどの信号路を経てクロックモジュールＺＴＭに伝えられるかによって、まずアクチュエータモジュールＡＭ、次いで検査モジュールＵＭが当該の信号を送出した後に、又はまず検査モジュールＵＭ、次いでアクチュエータモジュールＡＭがこの信号を中止した後に、クラッチ締結の最終的許可が行われる。

要求信号が検査モジュールＵＭを通過するときに、この信号は妥当性モジュールＰＭ及び適合性モジュールＺＵＭに同時に割り込まれる。矢印１６により記号で略示した、信号処理モジュールＳＭに送られる一連の信号に基づき、要求信号がはたして要求信号であるか、車両の現在の運動状態に適合するか、が検査される。２つの検査の結果がポジティブであれば、論理スイッチ１０により許可が行われ、そうでない場合は要求されたレスポンスが差当たり許可されず、アクチュエータモジュールＡＭが初期トランスミッション位置にダウンシフトする。

その代案として、要求信号が印加されると、直ちにクロックモジュールで妥当性タイムスイッチがスタートされるようにすることもできる。所定の妥当化期間内に冗長信号が現れ、それとともに妥当性及び適合性検査が有効であった場合に初めて、ドライバが求めた走行方向要求の実行が許可される。

自動化トランスミッションのためのＨ形シフト方式のトランスミッション操作装置の別の実施例では、次の利点が生じる。通常、トランスミッションのギヤチェンジのためにドライバがセレクタレバーをまずニュートラルへ動かす。続いてセレクタレバーをプリセレクトゲートに回し込み、最後に新しい目標ギヤに挿入する。その際周知のようにセレクタレバー位置、ニュートラル及び／又は選ばれたゲートの確定は、要求信号の電子フィルタリング及び／又はバウンス除去により妥当化される。この過程が完了したときに初めて、シフト操作が続行される。

そこで本発明によれば、セレクタレバーのニュートラル及び選んだ位置を初めて認識したときに、直ちにアクチュエータモジュールＡＭによってシフト操作が継続され、続いて検査モジュールＵＭが次のシフト段階でその出力信号を送り出す。こうしてシフト時間を著しく短縮することができる。検査モジュールＵＭがセレクタレバーの要求信号を許可しない限り、例えば機械的にすでに先へ進んだトランスミッションのシフト操作が中断され、初期状態が再び回復される。

本発明の実施例の概略図を示す。

符号の説明

２ 信号回線
４ 信号路
６ 信号路
８ 信号路
１０ 論理スイッチ
１２ 制御回線
１４ 信号回線
１６ 矢印
ＡＭ アクチュエータモジュール
ＥＭ 入力モジュール
ＰＭ 妥当性モジュール
ＳＭ 信号処理モジュール
ＵＭ 検査モジュール
ＺＭ 目標モジュール
ＺＴＭ クロックモジュール
ＺＵＭ 適合性モジュール

Claims (8)

1. 所望のレスポンスを要求するとともに要求信号を送出する入力モジュール（ＥＭ）、信号処理モジュール（ＳＭ）及び所望のレスポンスを実行する目標モジュール（ＺＭ）を有するとりわけ自動車用、例えば自動車のトランスミッション制御用の高速信号処理形信号処理システムにおいて、
   信号処理モジュール（ＳＭ）が要求信号をそれぞれ受領する検査モジュール（ＵＭ）及びクロックモジュール（ＺＴＭ）を有し、信号処理モジュール（ＳＭ）がさらに入力モジュール（ＥＭ）とクロックモジュール（ＺＴＭ）の間で作動するアクチュエータモジュール（ＡＭ）を備え、クロックモジュール（ＺＴＭ）に検査モジュール（ＵＭ）の出力が送られ、アクチュエータモジュール（ＡＭ）が信号処理モジュール（ＳＭ）の出力信号の伝送のために目標モジュール（ＺＭ）に接続されていることを特徴とする信号処理システム。
2. 検査モジュール（ＵＭ）、クロックモジュール（ＺＴＭ）及びアクチュエータモジュール（ＡＭ）が、受領され処理される要求信号に関して互いに並列に動作するように配置されていることを特徴とする請求項１に記載の信号処理システム。
3. 検査モジュール（ＵＭ）が妥当性モジュール（ＰＭ）及び適合性モジュール（ＺＵＭ）を有することを特徴とする請求項１又は２に記載の信号処理システム、
4. 妥当性モジュール（ＰＭ）及び適合性モジュール（ＺＵＭ）が信号処理に関して互いに並列に配置され、その出力が論理スイッチ（１０）に送られることを特徴とする請求項３に記載の信号処理システム。
5. 入力モジュール（ＥＭ）が自動車に組み込まれたトランスミッションのトランスミッションセレクタスイッチとして構成され、アクチュエータモジュール（ＡＭ）がギヤ又は走行方向の切換えの準備が行われるトランスミッション部品を含み、目標モジュールが所望のレスポンスを実行するクラッチとして構成されていることを特徴とする請求項１〜４のうちのいずれか一項に記載の信号処理システム。
6. トランスミッションセレクタスイッチがＨ形ゲートで案内されるように形成され、セレクタスイッチをプリセレクトゲート及び／又は新しい目標ギヤに回し込むことにより要求信号が発信されることを特徴とする請求項５に記載の信号処理システム。
7. 所望のレスポンスを要求するとともに要求信号を送出する入力モジュール（ＥＭ）、信号処理モジュール（ＳＭ）及び所望のレスポンスを実行する目標モジュール（ＺＭ）を含む信号処理システムで高速信号処理を行うための方法において、
   ａ）信号処理モジュールに要求信号を送り、
   ｂ）信号処理モジュール（ＳＭ）の内部で要求信号をそれぞれ並列に検査モジュール（ＵＭ）及びクロックモジュール（ＺＴＭ）に送り、
   ｃ）目標モジュール（ＺＭ）で所望のレスポンスを起動するのに必要なステップを準備するために、要求信号を入力モジュール（ＥＭ）とクロックモジュール（ＺＴＭ）の間で動作するアクチュエータモジュール（ＡＭ）に並列に送り、
   ｄ）検査モジュール（ＵＭ）の出力信号をクロックモジュール（ＺＴＭ）に送り、
   ｅ）クロックモジュール（ＺＴＭ）の内部で検査モジュール（ＵＭ）の出力信号の有無を検査し、検査モジュール（ＵＭ）の出力信号がポジティブであれば、アクチュエータモジュール（ＡＭ）を経て目標モジュール（ＺＭ）に伝送された信号処理モジュール（ＳＭ）の出力信号を許可する
   というプロセス段階を有する方法。
8. 段階（ｃ）の後にクロックモジュール（ＺＴＭ）で妥当性タイムスイッチがスタートされ、所定の妥当化期間内に妥当化が有効であったときは、所望のレスポンスを許可する出力信号がクロックモジュール（ＺＴＭ）からアクチュエータモジュール（ＡＭ）へ送られることを特徴とする請求項７に記載の方法。

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