JP2008540787A - 改善した弾性を有する有色ポリマー系 - Google Patents
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Abstract
マトリックス及び定義された空間格子構造により前記マトリックス中に分散されている離散ポリマー粒子からなり、コア/シェル構造を有するエマルション重合体のフィルム形成により得られる有色ポリマー系であって、前記エマルション重合体は、少なくとも1つの第一工程におけるモノマーの重合(コアのモノマー)、及び少なくとも1つの更なる第二工程における引き続くモノマーの重合(シェルのモノマー)により得られる有色ポリマー系の弾性の改善方法において、コアのモノマーは、少なくとも5質量%が、0℃より低いガラス転移温度を有するモノマーからなることを特徴とする、有色ポリマー系の弾性の改善方法。
Description
発明の詳細な説明
本発明は、マトリックス及び定義された空間格子構造により前記マトリックス中に分散されている離散ポリマー粒子からなり、コア/シェル構造を有するエマルション重合体のフィルム形成により得られる有色ポリマー系(farbiges Polymersystem)であって、前記エマルション重合体は、少なくとも1つの第一工程におけるモノマーの重合(コアのモノマー)、及び少なくとも1つの更なる第二工程における引き続くモノマーの重合(シェルのモノマー)により得られる有色ポリマー系の弾性の改善方法において、コアのモノマーは、少なくとも5質量%が、0℃より低いガラス転移温度を有するモノマーからなることを特徴とする、有色ポリマー系の弾性の改善方法に関する。
本発明は、マトリックス及び定義された空間格子構造により前記マトリックス中に分散されている離散ポリマー粒子からなり、コア/シェル構造を有するエマルション重合体のフィルム形成により得られる有色ポリマー系(farbiges Polymersystem)であって、前記エマルション重合体は、少なくとも1つの第一工程におけるモノマーの重合(コアのモノマー)、及び少なくとも1つの更なる第二工程における引き続くモノマーの重合(シェルのモノマー)により得られる有色ポリマー系の弾性の改善方法において、コアのモノマーは、少なくとも5質量%が、0℃より低いガラス転移温度を有するモノマーからなることを特徴とする、有色ポリマー系の弾性の改善方法に関する。
更に、本発明は、この方法により得られる有色ポリマー系、及びこの有色ポリマー系の、例えばプラスチック、紙のコーティングのための又は表示装置における使用に関する。
DE-19717879, DE-19820302及びDE-19834194及びDE-A-10321083からは、離散ポリマー粒子がマトリックス中に分散されている有色ポリマー系が公知である。
DE 10229732 (PF 53679)においては、この種のポリマー層の表示装置要素における使用が記載されている。
本発明の課題は、有色ポリマー系又はここから製造される有色ポリマーフィルムの弾性の改善であった。前記ポリマーフィルムは可能な限り、機械的負荷に対して抵抗があることが望ましく、例えばこの負荷は、ディスプレイ中での前記ポリマーフィルムの使用の際に生じる可能性がある。これに応じて、冒頭に記載された方法が見出された。
前記有色ポリマー系は、実質的に、マトリックス及び定義された空間格子構造によりマトリックス中に分散されている離散ポリマー粒子からなる。
コア/シェル構造を有するエマルション重合体の、この種の有色ポリマー系の製造のための使用は、既に技術水準において記載されている(参照、DE-A19820302, DE-A19834194)。
この有色ポリマー系は、コア/シェル構造を有するエマルション重合体のフィルム形成により得られる。
このエマルション重合体のシェルはフィルム形成可能であり、かつマトリックスを構成し、その一方でエマルション重合体のコアは離散ポリマー粒子として前記マトリックス中に分散されている。
このエマルション重合体は、相当して、
まず、少なくとも1つの第一工程において、コアを構成するモノマーを重合し、その後で、少なくとも1つの第二工程においてフィルム形成可能なシェルを構成するモノマーを重合する、
多工程のエマルション重合により得られる。
まず、少なくとも1つの第一工程において、コアを構成するモノマーを重合し、その後で、少なくとも1つの第二工程においてフィルム形成可能なシェルを構成するモノマーを重合する、
多工程のエマルション重合により得られる。
コアのモノマー組成は、シェルのモノマー組成とは相違する。
コアでは、高いガラス転移温度(Tg)を有するモノマーが使用され、その一方で、シェルのモノマーはより低いTgを有する。
第一工程のモノマー混合物(コア)は有利には、Foxの等式に従って計算されたガラス転移温度(Tg)0〜150℃、特に有利には0〜120℃、特にとりわけ有利には0〜110℃を有する。
第二工程のモノマー混合物(シェル)の再度Foxに従って計算されたTgは、有利には−50〜110℃、特に有利には−40〜25℃である。この第二工程のモノマー混合物のTgは、有利には少なくとも10℃、特に有利には少なくとも20℃、第一工程のモノマー混合物のTgよりも低い。
本発明の実質的な特徴部は、第一工程のモノマー混合物が、0℃よりも低い、有利には−20℃よりも低い、特に有利には−30℃よりも低いTgを有するモノマーをも含有することである。
第一工程の全てのモノマーに対するこのモノマーの割合は、少なくとも5質量%、有利には少なくとも10質量%、特に有利には少なくとも20質量%、とりわけ少なくとも30質量%又は40質量%である。第一工程の残りのモノマーは、第一工程の上述のTgの範囲が満たされるように選択される。
低いTgを有する有利なモノマーは、アルキル(メタ)アクリラート、特にn−ブチルアクリラート及び2−エチルヘキシルアクリラートである。残りのモノマーは、特に、スチレン、架橋性モノマー、及び場合により補助モノマー、例えばアクリル酸、メタクリル酸である。
公知技術からは、このコアが架橋している一方でこのシェルは架橋していないことが公知である。
本発明の枠内において、第二工程のモノマー(シェル)もまた架橋性モノマーを含有することが有利である。
架橋性モノマーは、特に、2個の重合可能な基を有するモノマー、例えばビニル基又はアリル基を有するモノマーである。ジビニルベンゼン、アルカンジオールジアクリラート又はジアリルフタラートが挙げられる。
第一工程のモノマー混合物中での架橋性モノマーの割合は、第一工程のモノマーに対して、有利には、0.5〜25質量%、特に有利には1〜7質量%、特にとりわけ有利には2〜6質量%である。
第二工程のモノマー混合物中での架橋性モノマーの割合は、第二工程のモノマーに対して、有利には0.01〜10質量%、特に有利には0.1〜5質量%、特にとりわけ有利には0.1〜3質量%である。
第一工程の架橋性モノマーの質量の量は、有利には、第二工程の架橋性モノマーの質量の量の少なくとも2倍より多い。
本発明の枠内において、第一及び/又は第二工程のモノマーの重合が、UV吸収剤の存在下で実施されることが更に有利である。相応して、前記ポリマーはUV吸収剤を含有する。
特に有利には、第一工程(コア)の重合は、電磁波のための吸収剤の存在下で、特にUV吸収剤の存在下で実施される。
UV吸収剤として、例えばヒドロキシベンゾフェノン又はヒドロキシフェニルベンゾトリアゾールが考慮される。
この種のUV吸収剤は、例えば、商品名Uvinul (R) 3033Pで公知である。
この吸収剤の量は、この全体のポリマーに対して、特に0.1〜5質量%、特に有利には0.2〜3質量%である。この全体量は有利には、第一工程の重合の際に使用される。
本発明の枠内において、第一及び/又は第二工程のモノマーの重合は、相違する乳化剤の存在下で実施されることが更に有利である。
コアのモノマーの重合の際に、イオン性基を有する乳化剤(イオン性乳化剤)が使用される場合には、シェルのモノマーの重合の際には有利には、イオン性基を有しない乳化剤(非イオン性乳化剤)が使用される。反対に、コアのモノマーの重合が、非イオン性乳化剤の存在下で実施される場合には、シェルのモノマーの重合の際にイオン性乳化剤が使用される。
乳化剤の種類及び量に関しては、後の詳細な説明が適用される。
乳化重合体の製造のための有利な一実施態様において、シェルのモノマーは重合の際に、90分間よりも少なく、特に有利には60分間よりも少なく、特に30分間よりも少なく計量供給される。特にとりわけ有利には、シェルのモノマーの重合は、バッチ式に行われ、即ち、シェルの全てのモノマーが重合容器に可能な限り同時に、一般的には数分間のうちに、例えば最大で10分間又は最大で5分間のうちに計量供給され、引き続き重合される。
シェルのモノマーの添加の開始前に、有利には既に、エマルション重合のために使用される開始剤の量の全体の90質量%よりも多くが添加されていて、特に有利には、シェルのモノマーの添加の開始前に既にエマルション重合のために使用される開始剤の量の全部が添加されている。
コア/シェル重合体に対する一般的な記載:
フィルム非形成性コアを構成するモノマー対フィルム形成性シェルを構成するモノマーの質量比は、有利には1:0.05〜1:20、特に有利には1:0.2〜1:5である。
フィルム非形成性コアを構成するモノマー対フィルム形成性シェルを構成するモノマーの質量比は、有利には1:0.05〜1:20、特に有利には1:0.2〜1:5である。
特に有利には、全体の重合体に関する工程の割合については以下が当てはまる:
第一工程(コア)10〜90質量%、特に有利には40〜60質量%、
第二工程(シェル)10〜90質量%、特に有利には40〜60質量%。
第一工程(コア)10〜90質量%、特に有利には40〜60質量%、
第二工程(シェル)10〜90質量%、特に有利には40〜60質量%。
全体として、前記エマルション重合体は、好ましくは、少なくとも40質量%、特に少なくとも60質量%、特に好ましくは少なくとも80質量%がいわゆる主モノマーからなる。
主モノマーは、C1〜C20−アルキル(メタ)アクリラート、炭素原子20個までを有するカルボン酸のビニルエステル、炭素原子20個までを有するビニル芳香族化合物、エチレン系不飽和ニトリル、ビニルハロゲン化物、炭素原子1〜10個を有するアルコールのビニルエーテル、炭素原子2〜8個及び1個又は2個の二重結合を有する脂肪族炭化水素又はこれらのモノマーの混合物から選択されている。
例えば、C1〜C10−アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、例えばメタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、n−ブチルアクリラート、アクリル酸エチル及び2−エチルヘキシルアクリラートを挙げることができる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルの混合物も特に好適である。
1〜20個のC原子を有するカルボン酸のビニルエステルは、例えばビニルラウラート、ビニルステアラート、ビニルプロピオナート、バーサチック酸ビニルエステル及びビニルアセタートである。
ビニル芳香族化合物として、ビニルトルエン、α−及びp−メチルスチレン、α−ブチルスチレン、4−n−ブチルスチレン、4−n−デシルスチレン及び好ましくはスチレンが考慮に値する。ニトリルの例は、アクリロニトリル及びメタクリロニトリルである。
ビニルハロゲン化物は、塩素、フッ素又は臭素で置換されたエチレン系不飽和化合物、好ましくは塩化ビニル及び塩化ビニリデンである。
ビニルエーテルとして、例えばビニルメチルエーテル又はビニルイソブチルエーテルを挙げることができる。炭素原子1〜4個を有するアルコールのビニルエーテルが好ましい。
炭素原子2〜8個及び1個又は2個のオレフィン系二重結合を有する炭化水素として、ブタジエン、イソプレン及びクロロプレンを、1個の二重結合を有するものとして、例えばエチレン又はプロピレンを挙げることができる。
主モノマーとして、C1〜C20アルキルアクリラート及び−メタクリラート、特にC1〜C8アルキルアクリラート及び−メタクリラート、ビニル芳香族化合物、特にスチレン、及びこれらの混合物、特に、アルキル(メタ)アクリラート及びビニル芳香族化合物の混合物も有利である。
アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、n−ブチルアクリラート、n−ヘキシルアクリラート、オクチルアクリラート及び2−エチルヘキシルアクリラート、スチレン並びにこれらのモノマーの混合物が極めて特に好ましい。
このエマルション重合体の製造は、エマルション重合を通じて行われる。エマルション重合の際に、イオン性及び/又は非イオン性乳化剤及び/又は保護コロイド又は安定剤が、界面活性化合物として使用される。
適した保護コロイドは、ホウベンーヴェイル(Houben-Weyl)の有機化学の手法第XIV/1巻、高分子材料、ゲオルグティエメ出版、シュツットガルト在、1961年、第411〜420頁(Methoden der organischen Chemie, band XIV/1, Makromolekulare Stoffe, Georg-Thieme-Verlag, Stuttgart, 1961, Seiten 411 bis 420)に詳細に記載されている。乳化剤として、アニオン性、カチオン性乳化剤、また同様に非イオン性乳化剤が考慮される。有利には、界面活性化合物として、分子量が、保護コロイドと異なり通常は2000g/molを下回る乳化剤が使用される。
界面活性物質は、通常は、重合すべきモノマーに対して0.1〜10質量%の量で使用される。
エマルション重合のための水溶性開始剤は、例えばペルオキシ二硫酸のアンモニウム−及びアルカリ金属塩、例えばペルオキソ二硫酸ナトリウム、過酸化水素又は有機過酸化物、例えばtert−ブチルヒドロペルオキシドである。
適するのは、いわゆる還元−酸化(Red-Ox)開始剤系でもある。
Red-Ox(レドックス)開始剤系は、少なくとも1種の大抵は無機の還元剤及び無機又は有機の酸化剤からなる。
この酸化成分とは、例えば、既に挙げた、エマルション重合のための開始剤である。
この還元成分とは、例えば、亜硫酸のアルカリ金属塩、例えば亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、二亜硫酸のアルカリ金属塩、例えば二亜硫酸ナトリウム、脂肪族アルデヒド及びケトンの二亜硫酸付加化合物、例えば二亜硫酸アセトン又は還元剤、例えばヒドロキシメタンスルフィン酸及びその塩、又はアスコルビン酸である。このRed-Ox開始剤系は、金属性成分が複数の原子価状態をとることができる溶解性金属化合物の併用下で、使用されることができる。
慣用のRed-Ox開始剤系は、例えばアスコルビン酸/硫酸鉄(II)/ナトリウムペルオキシドジスルファート、tert−ブチルヒドロペルオキシド/ナトリウムジスルフィット、tert−ブチルヒドロペルオキシド/Na−ヒドロキシメタンスルフィン酸である。この個々の成分、例えば還元成分は、混合物、例えば、ヒドロキシメタンスルフィン酸のナトリウム塩及びナトリウムジスルフィットからなる混合物であることもできる。
開始剤の量は、一般的に、重合されるべきモノマーに対して0.1〜10質量%、有利には0.5〜5質量%である。また、複数の異なる開始剤が、エマルション重合の際に使用されることもできる。
エマルション重合は、通常は30〜130℃、有利には50〜90℃で行われる。この重合媒体は、水のみからなることも、また同様に、水及び水と混合可能な液体、例えばメタノールからなる混合物からなることもできる。有利には水のみが使用される。エマルション重合は、バッチプロセスとしても、また同様に、段階方式又は勾配方式を含めた供給方法の形でも実施されることができる。重合バッチの一部を装入し、重合温度に加熱し、初期重合し(anpolymerisiert)、引き続いて重合バッチの残余を、通常、1つ又はそれ以上がモノマーを純粋な形又は乳化された形で含有する複数の空間的に別個のフィードを介して、連続的に、段階的に又は濃度勾配をつけて、重合区域の重合を維持しながら供給することによるフィード操作が好ましい。重合の際には、例えば、粒径のより良好な調節のために、ポリマーシードが装入されることもできる。
第一工程又は第二工程のモノマー混合物のモノマーは、有利には、少なくとも90質量%、特に有利には少なくとも95質量%、特にとりわけ有利には少なくとも99質量%が、次の工程のモノマーの添加を開始する前に重合されている。
開始剤が、水性エマルションラジカル重合の経過において、重合容器に添加される手法は、平均的な当業者に公知である。これは、完全に重合容器中に装入されることも、また同様に、その使用条件に応じて、水性エマルションラジカル重合の経過において連続的に又は段階的に使用されることもできる。個々の場合に、これは、開始剤系の化学的性質にも、また、重合温度にも依存する。有利には、一部分が装入され、この残りが使用条件に応じて重合区域に添加される。
均一な粒径分布、即ち、少ない多分散指数が、当業者に公知の処置により、例えば、界面活性化合物(乳化剤又は保護コロイド)の量の変動及び/又は相応する撹拌速度により得られる。
残存モノマーの除去のために、通常は、当初のエマルション重合の終了後にも、即ち、少なくとも95%のモノマーの反応の後に、開始剤が添加される。
個々の成分はこの反応器に、供給方法の際に、上方から、側方で、又は下方から反応床を通じて添加されることができる。
エマルション重合体は、慣用の方式において、水の除去下で、フィルム変形されることができ、これにより有色ポリマー系が形成される。
前記ポリマー系は、光学的効果を引き起こし、即ち、観察すべき反射が、ポリマー粒子に対して散乱する光の干渉により引き起こされる。
反射の波長は、この際、ポリマー粒子の間隔に応じて、全体的な電磁スペクトル中に存在することができる。有利には、この波長範囲は、UV範囲、IR範囲、特に、可視光範囲に存在する。
観察すべき反射の波長はこの際、公知のブラッグの式によれば、格子面間隔に依存し、ここでこの間隔は、マトリックス中で空間格子構造中に配置されたポリマー粒子間の間隔である。
従って、ポリマー粒子間の所望の間隔を有して調整される所望の空間格子構造は、特に、マトリックスの質量割合に応じて選択されることができる。前述の製造方法では、有機化合物、例えばポリマー化合物は相当する量で使用されることが望ましい。
マトリックスの質量割合、即ち、フィルム形成するシェルの割合は、特に、所望の範囲で電磁線を反射するこのポリマー粒子の空間格子構造が生じるように見積もられる。
ポリマー粒子間の間隔(そのつど、粒子の中間点まで)は、色彩効果(Farbeffekt)、即ち、可視光範囲での反射が所望される場合には、適した場合には100〜400nmである。
定義された空間格子構造の形成のためには、離散ポリマー粒子は有利には可能な限り同じ大きさであることが望ましい。ポリマー粒子の均一性のための程度は、次式:
[前記式中、D90、D10及びD50は、次の意味が当てはまる粒径を指す:
D90:全ての粒子の全体の質量の90質量%が、D90以下の粒径を有する
D50:全ての粒子の全体の質量の50質量%が、D50以下の粒径を有する
D10:全ての粒子の全体の質量の10質量%が、D10以下の粒径を有する]
により計算したいわゆる多分散指数である。
D90:全ての粒子の全体の質量の90質量%が、D90以下の粒径を有する
D50:全ての粒子の全体の質量の50質量%が、D50以下の粒径を有する
D10:全ての粒子の全体の質量の10質量%が、D10以下の粒径を有する]
により計算したいわゆる多分散指数である。
多分散指数のための更なる説明は、例えば、DE-A 19717879 (特に、図、1頁)中に見出される。
この粒径分布は、自体公知の方法において、例えば、分析用超遠心(W. Maechtle, Makromolekulare Chemie 185 (1984) 1025-1039頁)を用いて、又は流体力学クロマトグラフィを用いて測定することができ、かつここから、D10、D50及びD90値が取り出され、かつ多分散指数が決定される。
又は、粒径及び粒径分布は、市販の装置を用いた光散乱測定(例えば、Autosizer 2C、Malvern社、England)によっても決定されることができる。
このポリマー粒子は、有利には、D50値を、0.05〜5μmの範囲に有する。ポリマー粒子は、1つの粒子の種類又は異なるD50値を有する複数の粒子の種類であることができ、その際、個々の粒子の種類は、有利には0.6より少ない、特に有利には0.4より少ない、特にとりわけ有利には0.3より少ない、特に、0.15より少ない多分散指数を有する。
特に、前記ポリマー粒子は、唯一の粒子種類のみからなる。このD50値は有利には、0.05〜20μm、特に有利にはこれは100〜400ナノメーターにある。
離散ポリマー粒子の粒径及び粒径分布に関する前述の説明は、エマルション重合体自体にも当てはまる。
有色ポリマー系の色彩輝度(Farbbrillianz)及び安定性を改善すべく、例えば、DE-A-10321084に記載されているように有色ポリマー系上に、透明なポリマー層が設けられることができるか、又は、例えば、DE-A-10321079中に記載されているように加熱を実施することができる。
本発明による方法により得られるか又は得ることができる有色ポリマー系は、改善された弾性、色彩輝度、及び安定性を有する。
この有色ポリマー系は、コーティング剤として又はコーティング剤中で、例えばプラスチック、プラスチックシート、繊維状系、例えばテキスタイル又は紙、包装材その他のコーティングのためのコーティング剤として又はコーティング剤中で、又は、ポリマー層の変化する色を有する表示装置において、又は、表示装置中での光量(Lichtausbeute)の向上のために、又は、着色顔料の製造のために、又は、例えば押出により製造されることができ、かつ着色した成形体が所望される様々な目的のために、例えば自動車建造又は家庭において使用されることができる成形体の製造のために適する。前記系はまた、固体の調製物、特に、例えばEP-A-955323中に記載されている固体の調製物又は成形体、例えばDE-A-10228228中に記載されている成形体にも適する。
本発明の主題はまた、有色ポリマー系を用いてコーティングされた基材の製造方法であって、このポリマー系を一時的な担体上に設け、例えば水性ポリマー系のフィルム形成又は押出により設け、この得られたコーティングされた担体を次いで、コーティングされた側でもってこの基材の上に移し、例えば積層化又はプレス処理し、かつ場合によりこの一時的な担体を引き続き取り去ることを特徴とする、有色ポリマー系を用いてコーティングされた基材の製造方法でもある。このコーティングされた基材は、慣用の方法、例えば、水性ポリマー分散液のフィルム形成により、又は、固体のポリマー系の押出又は押し付けにより製造されることもできる。基材上へのコーティングされた担体のこの引き続く積層化は、圧力又は高められた温度により支持されることができる。ここでは慣用の方法も可能である。特に、コーティングされた担体を前もって、例えば、引き延ばしにより応力を加えてよく、かつこの応力を加えた形態において、基材上に設けてよい。引き続く熱処理により、ふくれ形成及び欠陥部位は回避されることができる。
当該特許の適用のための例
全ての合成を、還流冷却器、窒素導入管、モノマーエマルション及び開始剤溶液での充填のための導入管、及び150rpmの回転数を有する錨型攪拌機備えた2000mlの四ツ口フラスコ中で実施した。
全ての合成を、還流冷却器、窒素導入管、モノマーエマルション及び開始剤溶液での充填のための導入管、及び150rpmの回転数を有する錨型攪拌機備えた2000mlの四ツ口フラスコ中で実施した。
比較例
錨型攪拌機、温度計、ガス導入管、充填管、及び還流冷却器を有する反応器中に、まず水613.38gを装入し、次いで粒径30nm及び33質量%の固体含有量を有するポリスチレン核粒子分散体3.47gを添加した。このフラスコ内容物を引き続き加熱し、150min-1の回転数で撹拌した。この時間の間に、反応器に窒素を供給した。75℃の温度の達成の後に、この窒素供給を調節し、かつ、空気が反応器中に達するのを回避した。重合前に、反応器に、供給流2 85.71gを供給し、かつ5分間予備酸化し、次いで、この残りの過硫酸ナトリウム溶液を6.5時間のうちに添加した。同時に、3時間10分間の間、コアのモノマーエマルションa)を計量供給し、引き続き20分間後重合し、最後にシェルのモノマーエマルションb)を3時間にわたり計量供給した。このモノマー添加の終了後に、前記分散体を1時間後重合した。引き続き、室温に冷却した。
錨型攪拌機、温度計、ガス導入管、充填管、及び還流冷却器を有する反応器中に、まず水613.38gを装入し、次いで粒径30nm及び33質量%の固体含有量を有するポリスチレン核粒子分散体3.47gを添加した。このフラスコ内容物を引き続き加熱し、150min-1の回転数で撹拌した。この時間の間に、反応器に窒素を供給した。75℃の温度の達成の後に、この窒素供給を調節し、かつ、空気が反応器中に達するのを回避した。重合前に、反応器に、供給流2 85.71gを供給し、かつ5分間予備酸化し、次いで、この残りの過硫酸ナトリウム溶液を6.5時間のうちに添加した。同時に、3時間10分間の間、コアのモノマーエマルションa)を計量供給し、引き続き20分間後重合し、最後にシェルのモノマーエマルションb)を3時間にわたり計量供給した。このモノマー添加の終了後に、前記分散体を1時間後重合した。引き続き、室温に冷却した。
この供給流の組成は次のようであった:
供給流1:モノマーエマルションa)
水 120.00g
Texapon NSO:質量濃度:水中28% 19.29g
苛性ソーダ液 質量濃度:水中25% 4.32g
ジアリルフタラート 27.00g
メタクリル酸 7.35g
メチルメタクリル酸 18.00g
スチレン 334.0g
洗浄水(Spuelwasser) 9.00g。
供給流1:モノマーエマルションa)
水 120.00g
Texapon NSO:質量濃度:水中28% 19.29g
苛性ソーダ液 質量濃度:水中25% 4.32g
ジアリルフタラート 27.00g
メタクリル酸 7.35g
メチルメタクリル酸 18.00g
スチレン 334.0g
洗浄水(Spuelwasser) 9.00g。
供給流2:開始剤溶液
ペルオキソ二硫酸ナトリウム 質量濃度 水中7% 171.43g。
ペルオキソ二硫酸ナトリウム 質量濃度 水中7% 171.43g。
供給流3 モノマーエマルションb)
水 243.00g
Texapon NSO:質量濃度:水中28% 41.27g
苛性ソーダ液 質量濃度:水中25% 7.73g
ジアリルフタラート 3.5g
メタクリル酸 12.86g
n−ブチルアクリラート 827.4g
洗浄水 14.00g。
水 243.00g
Texapon NSO:質量濃度:水中28% 41.27g
苛性ソーダ液 質量濃度:水中25% 7.73g
ジアリルフタラート 3.5g
メタクリル酸 12.86g
n−ブチルアクリラート 827.4g
洗浄水 14.00g。
実施例
錨型攪拌機、温度計、ガス導入管、充填管、及び還流冷却器を有する反応器中に、まず水397.28gを装入し、次いで粒径30nm及び33質量%の固体含有量を有するポリスチレン核粒子分散体1.42gを添加した。このフラスコ内容物を引き続き加熱し、150min-1の回転数で撹拌した。この時間の間に、反応器に窒素を供給した。75℃の温度の達成の後に、この窒素供給を調節し、かつ、空気が反応器中に達するのを回避した。重合前に、反応器に、水46.5g中の過硫酸ナトリウム3.5gからなる20%ペルオキソ二硫酸ナトリウム溶液を供給し、かつ5分間予備酸化し、次いで、この残りの過硫酸ナトリウム溶液を4.5時間のうちに添加した。同時に、2時間の間コアのモノマーエマルションa)を計量供給し、引き続き30分間後重合し、最後にシェルのモノマーエマルションb)を2時間にわたり計量供給した。1.5時間後、モノマーエマルションb)の供給の間に、供給流4を、モノマーエマルションb)に添加した。このモノマー添加の終了後に、前記分散体を1時間後重合した。引き続き、室温に冷却した。
錨型攪拌機、温度計、ガス導入管、充填管、及び還流冷却器を有する反応器中に、まず水397.28gを装入し、次いで粒径30nm及び33質量%の固体含有量を有するポリスチレン核粒子分散体1.42gを添加した。このフラスコ内容物を引き続き加熱し、150min-1の回転数で撹拌した。この時間の間に、反応器に窒素を供給した。75℃の温度の達成の後に、この窒素供給を調節し、かつ、空気が反応器中に達するのを回避した。重合前に、反応器に、水46.5g中の過硫酸ナトリウム3.5gからなる20%ペルオキソ二硫酸ナトリウム溶液を供給し、かつ5分間予備酸化し、次いで、この残りの過硫酸ナトリウム溶液を4.5時間のうちに添加した。同時に、2時間の間コアのモノマーエマルションa)を計量供給し、引き続き30分間後重合し、最後にシェルのモノマーエマルションb)を2時間にわたり計量供給した。1.5時間後、モノマーエマルションb)の供給の間に、供給流4を、モノマーエマルションb)に添加した。このモノマー添加の終了後に、前記分散体を1時間後重合した。引き続き、室温に冷却した。
この実施は、前述の例に相当した。
この供給流の組成は次のようであった:
供給流1:モノマーエマルションa)
水 116.67g
Texapon NSO:質量濃度:水中28% 8.75g
苛性ソーダ液 質量濃度:水中25% 0.7g
アクリル酸 14.0g
ジアリルフタラート 14.00g
スチレン 168.0g
n−ブチルアクリラート 168.00g
洗浄水 7.00g。
この供給流の組成は次のようであった:
供給流1:モノマーエマルションa)
水 116.67g
Texapon NSO:質量濃度:水中28% 8.75g
苛性ソーダ液 質量濃度:水中25% 0.7g
アクリル酸 14.0g
ジアリルフタラート 14.00g
スチレン 168.0g
n−ブチルアクリラート 168.00g
洗浄水 7.00g。
供給流2:開始剤溶液
ペルオキソ二硫酸ナトリウム 質量濃度 水中7% 50g。
ペルオキソ二硫酸ナトリウム 質量濃度 水中7% 50g。
供給流3:モノマーエマルションb)
水 116.67g
Texapon NSO:質量濃度:水中28% 8.75g
苛性ソーダ液 質量濃度:水中25% 0.7g
アクリル酸 7.0g
ジアリルフタラート 3.5g
メチルメタクリラート 63.00g
n−ブチルアクリラート 273.00g
洗浄水 7.00g。
水 116.67g
Texapon NSO:質量濃度:水中28% 8.75g
苛性ソーダ液 質量濃度:水中25% 0.7g
アクリル酸 7.0g
ジアリルフタラート 3.5g
メチルメタクリラート 63.00g
n−ブチルアクリラート 273.00g
洗浄水 7.00g。
供給流4:アクリル酸
アクリル酸 7,00g
水 6.00g。
アクリル酸 7,00g
水 6.00g。
フィルムの製造
実施例及び比較例からの分散体を、コロナ前処理したポリプロピレン(PP)シート(一時的な担体)上にドクターナイフ塗布(層厚60μm、湿式)、乾燥し、かつ1時間70℃で温度処理した。この後でこのシートを有する前記フィルムを、ゴム弾性の、黒色に着色された基材上に、室温で、ゴムロールを用いて積層した。
実施例及び比較例からの分散体を、コロナ前処理したポリプロピレン(PP)シート(一時的な担体)上にドクターナイフ塗布(層厚60μm、湿式)、乾燥し、かつ1時間70℃で温度処理した。この後でこのシートを有する前記フィルムを、ゴム弾性の、黒色に着色された基材上に、室温で、ゴムロールを用いて積層した。
基材の製造:Acronal(R) S360 D、BASFのポリアクリラート分散体を、固体含有量45質量%に希釈し、かつBasacid Schwarz 2.5質量部でもってポリマー100質量部を着色し、かつここからフィルム(層厚450μm、湿式)を、PP基材上に製造した。
この得られた積層体を、30秒間乾燥棚中で、140℃で温度処理し、かつこの冷却後に、前記PPシートを取り去った。本発明によるフィルムのこの得られたコーティングの色彩特性を、黒色のポリアクリラート基材上で光学的に判断した。
光学的判断:
比較例:均質なフィルム、色 赤、強いグリーン(intensiv gruen)からブルーまで伸長可能、可逆的。
実施例:比較例と同様、但し、顕著により強くかつより輝度のある(brilliant)色;20%伸長で:強いグリーン(intensiv gruen);40%伸長で:グリーン−ブルー;60%伸長で:ブルー。
比較例:均質なフィルム、色 赤、強いグリーン(intensiv gruen)からブルーまで伸長可能、可逆的。
実施例:比較例と同様、但し、顕著により強くかつより輝度のある(brilliant)色;20%伸長で:強いグリーン(intensiv gruen);40%伸長で:グリーン−ブルー;60%伸長で:ブルー。
Claims (18)
- マトリックス及び定義された空間格子構造により前記マトリックス中に分散されている離散ポリマー粒子からなり、コア/シェル構造を有するエマルション重合体のフィルム形成により得られる有色ポリマー系であって、前記エマルション重合体は、少なくとも1つの第一工程におけるモノマーの重合(コアのモノマー)、及び少なくとも1つの更なる第二工程における引き続くモノマーの重合(シェルのモノマー)により得られる有色ポリマー系の弾性の改善方法において、コアのモノマーは、少なくとも5質量%が、0℃より低いガラス転移温度を有するモノマーからなることを特徴とする、有色ポリマー系の弾性の改善方法。
- シェルのモノマーが、0.01〜10質量%が、架橋性モノマーからなることを特徴とする、請求項1記載の方法。
- コアのモノマーの重合を、電磁波のための吸収剤の存在下で行うことを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
- コアのモノマーの重合の際にイオン性乳化剤を、そしてシェルのモノマーの重合の際に非イオン性乳化剤を使用するか、又はその逆であることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
- シェルのモノマーを重合の際に、90分間よりも少ない間に計量供給することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
- 有色ポリマー系のポリマー粒子は、1種類の粒子であることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
- エマルション重合体は全体で、少なくとも40質量%が、C1〜C20アルキル(メタ)アクリラート、20個までの炭素原子を有するカルボン酸のビニルエステル、20個までの炭素原子を有するビニル芳香族化合物、エチレン系不飽和ニトリル、ビニルハロゲン化物、炭素原子1〜10個を有するアルコールのビニルエーテル、炭素原子2〜8個及び1個又は2個の二重結合を有する脂肪族炭化水素又はこれらのモノマーの混合物から選択される、いわゆる主モノマーから合成されていることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
- 有色ポリマー系のポリマー粒子及びマトリックスが、屈折率において相違することを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
- この相違が、屈折率において、少なくとも0.01、特に少なくとも0.1であることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
- 離散ポリマー粒子の多分散指数が、0.45よりも小さいことを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
- エマルション重合体のコアが架橋していることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法、
- エマルション重合体が、コア対シェルの質量比1:0.05〜1:20を有することを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
- 有色ポリマー層の離散ポリマー粒子の間の間隔が20〜50000ナノメートルであることを特徴とする、請求項1から13までのいずれか1項記載の方法。
- 透明な層のポリマーは全体で、少なくとも40質量%が、C1〜C20アルキル(メタ)アクリラート、20個までの炭素原子を有するカルボン酸のビニルエステル、20個までの炭素原子を有するビニル芳香族化合物、エチレン系不飽和ニトリル、ビニルハロゲン化物、炭素原子1〜10個を有するアルコールのビニルエーテル、炭素原子2〜8個及び1個又は2個の二重結合を有する脂肪族炭化水素又はこれらのモノマーの混合物から選択される、いわゆる主モノマーから合成されていることを特徴とする、請求項1から14までのいずれか1項記載の方法。
- 請求項1から15までのいずれか1項に記載の方法により得られる、有色ポリマー系。
- コーティング剤として又はコーティング剤中で、例えばプラスチック、プラスチックシート、繊維状系、例えばテキスタイル又は紙、包装材その他のコーティングのためのコーティング剤として又はコーティング剤中で、又は、ポリマー層の変化する色を有する表示装置において、又は、表示装置中での光量の向上のために、又は、着色顔料の製造のために、又は、例えば押出により製造されることができ、かつ着色した成形体が所望される様々な目的のために、例えば自動車建造又は家庭において使用されることができる成形体の製造のための、請求項1から16までのいずれか1項記載の有色ポリマー系の使用。
- 請求項1から16までのいずれか1項記載の有色ポリマー系を用いてコーティングされた基材の製造方法において、このポリマー系を一時的な担体上に設け、例えば水性ポリマー系のフィルム形成又は押出により設け、この得られたコーティングされた担体を次いで、コーティングされた側でもってこの基材の上に移し、例えば積層化又はプレス処理し、かつ場合によりこの一時的な担体を引き続き取り去ることを特徴とする、請求項1から16までのいずれか1項記載の有色ポリマー系を用いてコーティングされた基材の製造方法。
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