JP2008536484A - (r)−4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オールなどの(r)−4,4−ジアルコキシ−ピラン−3−オールの調製方法 - Google Patents

(r)−4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オールなどの(r)−4,4−ジアルコキシ−ピラン−3−オールの調製方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、(R)−4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オールの調製の新規方法に関する。この化合物は、CCR2アンタゴニストを含む薬理学的活性を有する化合物の合成における中間体として有用である。

Description

キラル化合物(R)−4,4−ジアルコキシ−ピラン−3−オール、及び特に(R)−4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オールは、有用な種類の治療剤の製造において重要な中間体である。しかし、(R)−4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オール及び他の(R)−4,4−ジアルコキシ−ピラン−3−オールの調製について当分野において開示されている方法は、望ましい生成物は比較的低い収量であり、及び一貫しない収量、ならびに比較的低い光学活性純度を有する生成物になる。さらに、これらの方法のいくつかは、高価な遷移金属触媒の使用に依存する。(R)−4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オール及び他の(R)−4,4−ジアルコキシ−ピラン−3−オールの調製方法を開発することも要望されている。であるので、開発は容易に拡大することができ、費用のかかる遷移金属触媒の使用を避け、費用効果があり容易に入手可能な試薬を使用する。したがって、大規模な製造への実用的な適用が可能である。
以前より公知の方法と対照的に、本発明は、比較的高収量で光学活性的に純粋な(R)−4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オール及び他の(R)−4,4−ジアルコキシ−ピラン−3−オールを調製する有効な方法論を提供する。したがって、主題発明は、非常に簡素な、短時間の及び高効率な合成による、(R)−4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オール及び他の(R)−4,4−ジアルコキシ−ピラン−3−オールの調製方法を提供する。
本発明は、(R)−4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オール及び他の(R)−4,4−ジアルコキシ−ピラン−3−オールの、効率的及び費用効果のある調製方法に関する。(R)−4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オールは、ある種の治療剤の調製において、中間体として有用である。特に本発明は、(R)−4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オールの調製方法を提供する。(R)−4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オールは、医薬化合物の合成における中間体である。
本発明の新規方法は、(R)−4,4−ジアルコキシ−ピラン−3−オール:
Figure 2008536484
の合成に関する。
特に本発明は、式:
Figure 2008536484
の化合物(R)−4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オールの調製の新規方法に関する。
これらの化合物は、薬理学的活性を有する他の化合物の合成における中間体である。特に、これらの他の化合物は、WO03/092586、WO04/092124及び他の公報に記載されているようなCCR2アンタゴニストを含むが、これらに限定されない。CCR2アンタゴニストは、例えば、炎症性疾患及び状態の治療、並びに他の疾患及び状態の治療において有用である。
本発明は、式:
Figure 2008536484
の化合物(R)−4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オールを含む、(R)−4,4−ジアルコキシ−ピラン−3−オールの調製方法を対象とする。
(R)−4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オールの好ましい調製方法は、以下のスキームに記載されている。
Figure 2008536484
本発明のこの実施形態によると、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)及び補助因子再循環系の存在下におけるケトン還元酵素による4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オンの処理は、当分野において開示された方法よりも高い収量、高い光学活性純度及びより効率的な経路で、(R)−4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オールを提供する。
(R)−4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オールの一般的な調製方法のもう1つの実施形態は、以下のスキーム:
Figure 2008536484
に記載されている。
本発明のこの実施形態によると、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)の存在下、並びにグルコース供給源及びグルコース脱水素酵素と結合しているグルコースを含む補助因子再循環系の存在下におけるケトン還元酵素による4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オンの処理は、当分野において開示された方法よりも高い収量、高い光学活性純度及びより効率的な経路で(R)−4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オールを提供する。
(R)−4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オールの一般的な調製方法の更なる実施形態は、以下のスキーム:
Figure 2008536484
に記載されている。
本発明のこの実施形態によると、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)の存在下、並びにグルコース供給源及びグルコース脱水素酵素と結合しているグルコースを含む補助因子再循環系の存在下におけるケトン還元酵素による4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オンの処理は、当分野に開示された方法よりも高い収量、高い光学活性純度及びより効率的な経路で(R)−4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オールを提供する。
もう1つの実施形態において、本発明は、(R)−4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オールを調製するための、NADPH並びにグルコース供給源及びグルコース脱水素酵素の存在下におけるケトン還元酵素による4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オンの処理を含む、(R)−4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オールの調製方法を対象とする。
本発明の具体的な実施形態は、式:
Figure 2008536484
の(R)−4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オールの調製方法に関し、この方法は、式:
Figure 2008536484
の4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オンを、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸及び補助因子再循環系の存在下において、ケトン還元酵素により処理し、式:
Figure 2008536484
の(R)−4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オールを得ることを含む。
(R)−4,4−ジアルコキシ−ピラン−3−オールの他のもの、例えば、(R)−4,4−ジエトキシ−ピラン−3−オール、(R)−4,4−ジプロピルオキシ−ピラン−3−オール及び(R)−4,4−ジブチルオキシ−ピラン−3−オールは、類似のスキームを使用して合成され得る。
本発明において、補助因子再循環系には、グルコース及びグルコース脱水素酵素、ギ酸及びギ酸脱水素酵素、グルコース−6−リン酸及びグルコース−6−リン酸脱水素酵素、グルコース−6−硫酸及びグルコース−6−硫酸脱水素酵素、アルコール及びアルコール脱水素酵素、を含むものが挙げられる。本発明に関連して使用できる他の再循環法は、電気化学法、光化学法、還元剤、過剰NADPH、又は結合基質手法における補基質としてのアルコールを含む。
本発明において、ケトン還元酵素は、Biocatalytics,Inc.から市販されている、Ketone REDuctase 101(KRED101)、Ketone REDuctase 102(KRED102)、Ketone REDuctase 105(KRED105)、Ketone REDuctase 107(KRED107)及びKetone REDuctase 108(KRED108)、並びに他のケトン還元酵素を含む。
本発明において、基質4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オンは、約95から105g/L(0.69Mから0.66M)の濃度で存在することができる。本発明の具体的な実施形態において、4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オンは、約100g/L(0.63M)の濃度で存在することができる。
本発明において、ケトン還元酵素は、約0.095から0.105g/Lの濃度{900Uから1000U(10mMのエチル−4−クロロアセトアセテートを使用して決定した活性)}で存在することができる。本発明の具体的な実施形態において、ケトン還元酵素は、約0.1g/Lの濃度{950U(10mMのエチル−4−クロロアセトアセテートを使用して決定した活性)}で存在することができる。
本発明において、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸酸化型(NADP+)は、約0.11から0.14g/L(0.14から0.18mM)の濃度で存在することができる。本発明の具体的な実施形態において、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸は、約0.12g/L(0.15mM)の濃度で存在することができる。
本発明において、グルコース源は、約120から140g/L(0.66から0.77M)の濃度で存在することができる。
本発明の実施形態において、グルコース脱水素酵素は、グルコース脱水素酵素101、グルコース脱水素酵素102、グルコース脱水素酵素103(Biocatalytics)及びこれらの変異体、又は次の会社:Amano、Codexis、Sigmaからのグルコース脱水素酵素及びこの変異体を含む。本発明において、グルコース脱水素酵素は、約0.28から0.33g/Lの濃度{5.6から6.6MU(100mMのD−グルコースを使用して決定した活性)}で存在することができる。本発明の具体的な実施形態において、グルコース脱水素酵素は、約0.3g/Lの濃度{6MU(100mMのD−グルコースを使用して決定した活性)}で存在することができる。
本発明において、反応混合物は、リン酸緩衝液などの水性緩衝液を含むことができる。本発明に関連して使用できるそれらのpH緩衝液は、KHPO、並びにMES、Bis−tris、PIPES、ACES、BES、MOPS、TES、HEPES及びTrisなどの6から8の範囲の緩衝液を含むが、これらに限定されない。したがって、本発明の実施形態において、反応混合物のpHは、pH6から8の間に維持される。本発明のこの実施形態の態様において、反応混合物のpHは、約pH6.5に維持される。本発明の実施形態のもう1つの態様において、反応混合物のpHは、酸又は塩基の添加などにより、pH6から7の間に維持される。
本発明において、反応混合物は、メタノール、エタノール、IPA、アセトニトリル、DMSOなどの溶媒を更に含むことができる。本発明の実施形態において、溶媒は、約10%v/v以下の濃度で存在することができる。本発明の実施形態において、反応混合物の温度は、約30から38℃に維持される。本発明の更なる実施形態において、反応混合物の温度は、約35℃に維持される。
便宜上、ケトン還元酵素、NADP、及びグルコース供給源並びにグルコース脱水素酵素を、4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オンとの反応の前に、インサイチュで一緒に接触させることができる。同様に、便宜上、ケトン還元酵素、NADP、グルコース源及びグルコース脱水素酵素を、4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オンとの反応の前に、インサイチュで一緒に接触させることができる。
本発明に従って得た(R)−4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オールは、出発物質として、更なる反応において直接に又は精製した後で使用され得る。
更なる実施形態において、本発明は、アセトニトリル、トルエン、アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールを含むが、これらに限定されない)、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル及びTHFの1つまたはそれ以上から選択される溶媒により反応混合物を抽出することを含む、(R)−4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オールの精製方法を対象とする。次に有機抽出物を真空蒸留により濃縮する。
この更なる実施形態の態様において、アセトニトリルを含む溶媒による反応混合物の抽出は、約20から30℃の温度で実施される。
この更なる実施形態の別の態様において、反応混合物は、2M無機塩(NaCl、KClなど)により飽和され、その後、生成物をアセトニトリルにより抽出し、トルエンを加えて、有機抽出物における水の水準を低減する。この更なる実施形態の態様において、溶媒の濃縮は、約50から60℃のジャケット温度で真空蒸留により実施される。
後に続く各サイクルにおいて、(R)−4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オールの収量を更に向上させるために、抽出が反復する方法で繰り返され得ることは、当業者に理解されよう。
本発明のもう1つの態様は、90%を超し、95%を超し、98%を超し、99%を超し、99.5%を超し(鏡像異性体過剰率)、又は99.9%を超す(鏡像異性体過剰率)鏡像異性体純度(鏡像異性体過剰率)において存在する、(R)−4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オールを対象とする。
主題の方法のための出発物質及び試薬は、市販されているもしくは文献において公知であるもののいずれか、又は類似の化合物のために記載されている文献の方法に従って調製され得る。反応及び得られた反応生成物の精製を実行することにおいて要求される技能は、当業者に公知である。精製手順は、結晶化、蒸留、順相又は逆相クロマトグラフィーを含む。
以下の実施例は、更なる例示の目的のためにのみ提供され、開示された発明を制限することを意図しない。
(R)−4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オール:以下の物質を調製した:ジメトキシピラノン0.62kg(3.88mol)を含むジメトキシピラノン水溶液3.18kg(2.9L)、0.5Mリン酸緩衝液(pH6.5)62ml中のKRED101 0.62g(5.9MU)の溶液、0.5Mリン酸緩衝液(pH6.5)62ml中のGDH 1.86g(37.2MU)の溶液、0.5Mリン酸緩衝液(pH6.5)62ml中のNADP+二ナトリウム塩0.74g(0.94mmol)の溶液、及び1.5Mリン酸緩衝液(pH6.5)2L中のグルコース0.8kg(4.48mol)の溶液。グルコース溶液を容器の中に入れ、ジメトキシピラノン水溶液3.18kgを加えて、0.5Mの最終緩衝液濃度を得た。反応を35℃で維持した。NADP+の溶液及び2つの酵素を加えた。最終反応容量は、7.5kg(6.2L)であった。反応をpH低下によりモニターし、6.0から6.5へのpHの段階的な調整を、2.5時間毎に2.5M KHCO溶液の約0.5Lを添加することにより行った。反応の終了は、14時間以内に起きた(100%AY、ee>98%)。pHを、2.5M KHCOを使用し7.0に上昇させて、単離の準備を整えた。得られた反応混合物9.7Lは、(R)−4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オールを620gまで含有する。
(R)−4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オール:以下の物質を調製した:ジメトキシピラノン38.3kg(239mol)を含むジメトキシピラノン水溶液204kg(193L)、0.5Mリン酸緩衝液(pH6.5)3.85L中のKRED101 38.4g(365MU)の溶液、0.5Mリン酸緩衝液(pH6.5)3.85L中のGDH 115.5g(2310MU)の溶液、0.5Mリン酸緩衝液(pH6.5)3.85L中のNADP+二ナトリウム塩47.6g(60mmol)、及び1.5Mリン酸緩衝液(pH6.5)32L中のグルコース49.8kg(277mol)の溶液。グルコース溶液を容器の中に入れ、ジメトキシピラノン水溶液204kgを加えて、0.5Mの最終緩衝液濃度を得た。反応を35℃に維持した。NADP+の溶液及び2つの酵素を加えた。反応をpH低下によりモニターし、6.0から6.5へのpHの段階的な調整を、反応の間、2.5M KHCO溶液の約83Lを添加して行った。反応の終了は、18時間以内に起きた(100%AY、ee>99%)。pHを、2.5M KHCOを使用し7.0に上昇させて、単離の準備を整えた。得られた反応混合物570Lは、(R)−4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オールを38.3kgまで含有する。
(R)−4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オールの抽出:KCl 1.46kg(約2M)を実施例1からの反応混合物((R)−4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オールを、620gまで含有する、およそ9.7L)に加えた。その後、1.5バッチ容量(BV)のアセトニトリルを加えて、(R)−4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オール生成物を抽出し、続いてトルエン0.5BVを加え、有機層を乾燥した。有機及び水層を、別々のドラムに切り分けた。次に、水層を、更なるアセトニトリル1.5BV及びトルエン0.5BVにより逆抽出した。(FisherPak溶媒を、全ての抽出のために使用した。)2回の抽出に対する投入及び容量分布を、下記の表にまとめる。
Figure 2008536484
Figure 2008536484
Figure 2008536484
Figure 2008536484
真空濃縮、溶媒交換、(R)−4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オール:有機抽出物(実施例3)を合わせた(40.4L)。約28″Hg真空、55℃の浴での真空蒸留を、容量が約1L(およそ40倍の濃縮)になるまで実施した。その後、トルエン約10Lを加えた。濃縮物を濾過して残留塩を除去し、フィルターをトルエン約300mLですすいだ。元の濃縮物に洗浄を加えて、約1.32の最終濃縮物を得た。最終濃縮物をGCにより分析したところ、449.3g/Lの(R)−4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オール生成物を含有していた。したがって、単離した収量は593.1gであり、95.6%の全体的な収率であった。
R)−4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オールの抽出:KCl 90.3kgを、実施例2からの反応混合物((R)−4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オールを約40kgまで含有する、およそ570L)に加えた。その後、1.5バッチ容量(BV)のアセトニトリルを加えて、(R)−4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オール生成物を抽出し、続いてトルエン0.5BVを加え、有機層を乾燥した。有機及び水層を、別々のドラムに切り分けた。次に、水層を、更なるアセトニトリル1.5BV及びトルエン0.5BVにより逆抽出した。
真空濃縮、溶媒交換、(R)−4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オール:有機抽出物(実施例5)を合わせ、次に、約28″Hg真空、55℃の浴での真空蒸留を実施して、バッチを濃縮し、その後トルエンを加え、トルエンへの溶媒交換を完了した。トルエン中のR−ジメトキシアルコール溶液の合計72.5kgを、ドラムを叩いて、ラインフィルターを介してPTFE裏打ちドラムの中に送った。ドラムの内容物をGCにより分析したところ、551g/lであり、1.009kg/Lの密度であった。これは、R−ジメトキシアルコール39.6kgと等しい。トルエン中のR−ジメトキシアルコール溶液の合計68.0kgを、ドラムを叩いて、PTFE裏打ちドラムの中に送った。ドラムの内容物をGCにより分析したところ、551.5g/lであり、1.0198kg/Lの密度であった。これはR−ジメトキシアルコール39.5kgと等しい。
R)−4,4−ジプロピルオキシ−ピラン−3−オール:以下の物質を調製した:ジプロピルオキシピラノン50.5g(0.23mol)、0.5Mリン酸緩衝液(pH6.5)50ml中のKRED101 0.13g(1.2MU)の溶液、0.5Mリン酸緩衝液(pH6.5)13ml中のGDH 0.39g(7.8MU)の溶液、0.5Mリン酸緩衝液(pH6.5)35ml中のNADP+二ナトリウム塩0.14g(0.18mmol)の溶液、及びDI水200ml中のグルコース80g(0.4mol)の溶液。グルコース溶液を容器に入れ、ジプロピルピラノン50.5gを加えた。反応を30℃に維持した。NADP+の溶液及び2つの酵素を加えた。最終反応容量は1Lであった。反応をpH低下によりモニターし、6.0から6.5へのpHの段階的な調整を、反応の間、2.5M KHCO溶液の約100mlを添加して行った。反応の終了は、5時間以内に起きた(100%AY、ee>98%)。得られた反応混合物1.1Lは、(R)−4,4−ジプロピルオキシ−ピラン−3−オールを50gまで含有する。
(R)−4,4−ジプロピルオキシ−ピラン−3−オールの抽出:半分のバッチ容量(BV)のアセトニトリル、次に、別の半分のバッチ容量のIPAcを、実施例7からの反応混合物(1000mL)に加えて、(R)−4,4−ジプロピルオキシ−ピラン−3−オール生成物を抽出した。有機及び水層を、別々のボトルに切り分け、その後、水層を、更なるアセトニトリル0.5BV及びIPAc 0.5BVで逆抽出した。
真空濃縮、(R)−4,4−ジプロピルオキシ−ピラン−3−オール:有機抽出物を合わせ、次に、約28″Hg真空、55℃の浴での真空蒸留を実施して、バッチを油状物に濃縮した。合計46gのR−アルコールのアルコール油(このアルコール油は、生成物45gを含有したと分析)を回収した。
本発明は、ある特定の実施形態を参照して説明及び、例示したが、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく手順及びプロトコールの様々な応用、変更、修正、置換、削除又は追加が、可能であることを当業者は理解されるであろう。例えば、上記で示された本発明の手順によって化合物を調製する試薬又は方法論に違いがあるその結果として、上記で記載された特定の条件以外の反応条件を、使用することができる。同様に、出発物質の具体的な反応性は、存在する特定の置換基又は製造の条件に従属し、及び依存して異なることもあり、このような想定内の変化又は結果の違いは、本発明の目的及び実施に合致すると考えられる。したがって、本発明は、特許請求の範囲により定義され、このような特許請求の範囲は、妥当な限り広く解釈されるべきである。

Claims (18)

  1. 式:
    Figure 2008536484
    の(R)−4,4−アルコキシ−ピラン−3−オールの調製方法であり、
    式:
    Figure 2008536484
    (式中、Rは、独立してC1−4アルキルであり、及びRは、独立してC1−4アルキルである。)の4,4−ジアルコキシ−ピラン−3−オンを、
    ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸及び補助因子再循環系の存在下において、ケトン還元酵素と反応させて、式:
    Figure 2008536484
    の(R)−4,4−ジアルコキシ−ピラン−3−オールを得ることを含む、前記方法。
  2. 式:
    Figure 2008536484
    で示される(R)−4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オールの調製方法であり、
    式:
    Figure 2008536484
    の4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オンを、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸及び補助因子再循環系の存在下において、ケトン還元酵素と反応させて、式:
    Figure 2008536484
    の(R)−4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オールを得ることを含む、前記方法。
  3. 前記ケトン還元酵素が、KRED101、KRED102、KRED105、KRED107及びKRED108から選択される、請求項2に記載の方法。
  4. ケトン還元酵素が、KRED101である、請求項2に記載の方法。
  5. ケトン還元酵素が、約0.095から0.105g/Lの濃度で存在する、請求項2に記載の方法。
  6. ケトン還元酵素が、約900Uから1000Uの活性で存在する、請求項2に記載の方法。
  7. 基質4,4−ジメトキシ−ピラン−3−オンが、約95から105g/Lの濃度で存在する、請求項2に記載の方法。
  8. 補助因子再循環系が、グルコース及びグルコース脱水素酵素を含む、請求項2に記載の方法。
  9. 補助因子再循環系が、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸を更に含む、請求項8に記載の方法。
  10. ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸が、約0.12g/Lの濃度で存在する、請求項9に記載の方法。
  11. グルコースが、約120から140g/Lの濃度で存在する、請求項8に記載の方法。
  12. グルコース脱水素酵素が、約0.28から0.33g/Lの濃度で存在する、請求項8に記載の方法。
  13. 反応混合物が、リン酸緩衝液を含む、請求項2に記載の方法。
  14. 反応混合物が、メタノール、エタノール、IPA、アセトニトリル及びDMSOから選択される溶媒を更に含む、請求項2に記載の方法。
  15. 反応混合物を、トルエン、アルコール、アセトニトリル、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル及びTHFから選択される溶媒により抽出する段階を更に含む、請求項2に記載の方法。
  16. 反応混合物が、アセトニトリルにより約20℃から30℃の温度で抽出される、請求項15に記載の方法。
  17. 反応物がアセトニトリルにより抽出され、及び有機相がトルエンにより乾燥される、請求項15に記載の方法。
  18. 溶媒を真空蒸留を用いて濃縮する段階を更に含む、請求項15に記載の方法。
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