JP2008534975A - 組織学的もしくは細胞学的な固定剤と、キノン族の光活性化可能化合物、特にヒペリシン、ヒポクレリンa、及びヒポクレリンbの一つ以上との組み合わせ - Google Patents

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Abstract

本発明は、組織学的もしくは細胞学的な固定剤とキノン族の一つ以上の光活性化可能化合物、特にヒペリシン、ヒポクレリンA、及び/またはヒポクレリンBとの、溶液中またはキットにおける組み合わせに関する。本発明はまた、キノン族の光活性化可能化合物によって細胞または組織を標識する方法であって、細胞または組織を組織学的もしくは細胞学的な固定溶液と接触させ、これと同時またはこれに継続して、キノン族の一つ以上の光活性化可能化合物によって標識される方法に関する。

Description

本発明は、溶液中またはキット中における組織学的もしくは細胞学的な固定剤とキノン族の一つ以上の光活性化可能化合物との組み合わせに関する。
本発明はまた、キノン族の一つ以上の光活性化可能化合物で細胞または組織を標識するための方法に関し、ここでは組織学的もしくは細胞学的な固定剤と接触させた細胞または組織が、これと同時または後に、キノン族の光活性化可能化合物によって標識される。
キノン族の光活性化可能化合物は、特に多環式キノン、例えばヒペリシン、ヒポクレリンAまたはヒポクレリンB、あるいはこれらの誘導体を含む。
「誘導体」は、その修飾が当業者である化学者によってルーチンと見なされる化学的に修飾された化合物、例えば酸のエステルまたはアミド、保護基、例えばアルコールまたはチオールに対するベンジル基、並びにアミンに対するtert−ブトキシカルボニル基を示す。
ヒポクレリンA(1H−シクロヘプタ[ghi]ペリレン−5,11−ジオン、1−アセチル−2,3−ジヒドロ−2,6,12−トリヒドロキシ−4,8,9,13−テトラメトキシ−2−メチル−,シス−)及びヒポクレリンB(1H−シクロヘプタ[ghi]ペリレン−5,12−ジオン、1−アセチル−6,11−ジヒドロキシ−4,8,9,13−テトラメトキシ−2−メチル)は、菌類Hypocrella bambusae及びShiraia bambusicolaから単離されるキノンである。
Figure 2008534975
これらの顔料は、皮膚の様々な疾患の治療のための光線療法と組み合わせて使用された。近年、抗ウィルス特性が確認され、これらのキノンが癌の光線力学療法における強力な光増感剤を構成することが見出された(Hirayama et al., 1997; Zhang et al., 1998)。
メタノール中で測定した蛍光吸光及び発光の極大は、それぞれ、ヒポクレリンAについては463nm及び600nmであり、ヒポクレリンBについては459nm及び616nmである。
ヒペリシンは、1,3,4,6,8,13−ヘキサヒドロキシ−10,11−ジメチルフェナントロ(1,10,9,8,opqra)ペリレン−7,14−ジオン:
Figure 2008534975
の化学式を有する。
ヒペリシンは、Hypericum属の植物から単離される天然の顔料であり、これはタンパク質キナーゼCの強力に選択的な阻害剤を構成する。
ヒペリシンは、抗菌もしくは抗ウィルス活性から抗新生物活性及びアポトーシスの誘発に至る多様な薬理特性を有する。ヒペリシンは、その光増感効果について及び抗鬱組成物(ヒペリカム)の一部として長年知られている。
これは、エタノール中で測定して、591nmの吸収極大及び594nmの蛍光発光極大を有する蛍光分子である。
膀胱内でかん流されたヒペリシンが、癌性尿路上皮細胞中に選択的に蓄積することが判明している。その光増感及び蛍光特性と関連するこの特徴のため、多数のチームが生体外蛍光細胞学を利用する膀胱の癌の診断を提唱している(Olivo et al., 2003a; Olivo et al., 2003b; Pytel and Schmeller, 2002)。膀胱の癌の病巣のための光線力学的治療としてのヒペリシンの使用もまた提唱されている(Kamuhabwa et al., 2004)。これらの方法には、患者の膀胱中へのヒペリシンの生体内注入が含まれる。
ヒペリシンが、細胞膜の脂質二重層中に取り込まれうる親油性分子であることは知られている。組込の正確な機構は知られていないが、この組込には能動輸送が含まれることが推定される。したがって、今日までヒペリシンは、生体細胞にのみ使用されている。
Hirayama et al., 1997; Zhang et al., 1998 Olivo et al., 2003a Olivo et al., 2003b Pytel and Schmeller, 2002 Kamuhabwa et al., 2004
最近までは、生体細胞にヒペリシンで、例えばヒペリシンを含む溶液中で管内にて細胞を培養することによって、またはヒペリシンを除去されたばかりの細胞または組織と即座に接触させてヒペリシンが生体細胞によって取込まれるようにすることによって、標識を行うことが必要であると見なされていた。
予期に反して、本発明者はここに、固定剤と混合したヒペリシンが、固定剤/ヒペリシン混合物中の懸濁物とした腫瘍細胞によって、前記細胞が固定剤との接触によって死滅したにも関わらず、非常に迅速に取り込まれることを証明した。ヒペリシンが前記細胞によって、これらの生死によらず等しく有効に固定されるという証拠によって、ヒペリシンを使用する、より一般的にはキノン族の光活性化可能化合物を使用する、組織学的または細胞学的な標識についての新たな可能性がもたらされる。
固定は、細胞を、できる限り生存中に見られる状態に保持するためにこれらを死滅させることを企図した処置である。固定なしには、自己消化の恐れがある。最も優れた固定剤は、迅速に作用する一方で、細胞の内部形態の非常に誤った表示を与えがちな二次的変性または手段をできるだけ生じないものである。
したがって、細胞学的または組織学的な固定剤を使用する細胞または組織の固定と同時またはこの後に、キノン族の一つ以上の光活性化可能化合物、特にヒペリシンを使用する標識操作を行うことによって、前記細胞または組織を生存状態に維持する義務を伴わずに、何時でもこれらを研究することができる。
さらにまた、腫瘍細胞をヒペリシンのミクロモル量を含む固定剤の溶液中の懸濁物とした場合、ヒペリシンの前記細胞に対する親和性は、ほぼ全てのヒペリシンが該細胞によって取り込まれるようなものであることが判明している。細胞懸濁物の液相は事実上もはやヒペリシンを含まないため、細胞懸濁物をすすぐことなく前記細胞の直接分析(形態及び/または蛍光発光の分析)を実施することが可能である。したがって、この特性のため、細胞/組織調製及び該細胞の分析を自動化することができる。
したがって、本発明は、組織学的もしくは細胞学的な固定剤並びにキノン族の一つ以上の光活性化可能化合物を含む溶液に関する。好ましくは、キノン族の光活性化可能化合物は、ヒペリシン、ヒポクレリンA、及びヒポクレリンBによって構成される群から選択される。さらに好ましくは、前記組成物は、組織学的または細胞学的な固定剤及びヒペリシンを含むかまたはこれらによって構成される。
「組織学的または細胞学的な固定剤」あるいは「組織学的または細胞学的な固定溶液」は、細胞または組織の固定を行うために組織学的または細胞学的分析において従来使用されている溶液を意味することを企図する。細胞学的固定剤の例には、エチルアルコール、メチルアルコール、またはポリエチレングルコール(PEG)に基づく固定剤が含まれる。組織学的固定剤の例には、ホルムアルデヒドに基づく固定剤、例えば10%の純粋ホルモル(「純粋ホルモル」は40%のホルムアルデヒドの水溶液に相当し、一般的に「ホルモル」の名称で市販されている)の溶液、ホルモル/NaClの溶液(例えば10mlの純粋ホルモル、0.9gのNaCl、及び90mlの水を混合することによって構成される)、ホルモル/酢酸の溶液(例えば100mlの純粋ホルモル、50mlの氷酢酸、及び850mlの水)、アルコール性ブアン液(またはDuboscq Brazil; 例えば250mlの純粋ホルモル、70mlの氷酢酸、5gのピクリン酸、及び680mlの70°エタノール)が含まれる。固定剤の別の例には、固定剤アルコール/ホルモル/酢酸(20mlの純粋ホルモル、50mlの氷酢酸、750mlの無水エチルアルコール、及び180mlの水)、あるいは塩化亜鉛に基づく固定剤(10%のホルモル、10−50g/lの塩化亜鉛、及び5%の酢酸またはNaClの9g/l、任意に75%の無水アルコール)が含まれる。
本発明による溶液は、有利には1乃至20ミクロモル/ml、好ましくは1ないし15ミクロモル/ml、好ましくは1乃至10ミクロモル/ml、更に好ましくは1乃至2のミクロモル/mlの、キノン族の光活性化可能化合物を含む。
本発明はまた、組織学的もしくは細胞学的な固定剤並びに、キノン族の一つ以上の光活性化可能化合物を含むキットに関する。好ましくは、キノン族の前記光活性化可能化合物は、ヒペリシン、ヒポクレリンA、及びヒポクレリンBによって構成される群から選択される。さらに好ましくは、本発明によるキットは、組織学的もしくは細胞学的な固定剤及びヒペリシンを含む。このキットは、任意に、適当な洗浄用バッファ、使用上の指示、またはあらゆる他の溶液あるいは適当な装置をさらに含んでよい。
本発明はまた、キノン族の1つ以上の光活性化可能化合物を使用する細胞または組織の生体外標識するための方法に関する。この方法は、
a)細胞または組織の試料を、組織学的もしくは細胞学的な固定溶液と接触させる工程;前記工程と同時のまたは前記工程に継続する、
b)細胞または組織の試料を、キノン族の一つ以上の光活性化可能化合物を含む溶液と、細胞または組織がキノン族の光活性化可能化合物を取り込むために十分な期間に亘って接触させる工程;任意に、
c)細胞または組織の試料を洗浄する工程;
を含む。
好ましくは、キノン族の光活性化化合物を含む溶液は、組織学的または細胞学的な固定溶液である。工程a)及びb)は同時に実施される。細胞懸濁物の固定時間は非常に短く(数分間のオーダー)、組織試料の場合は1時間のオーダーである。懸濁物中の細胞によるキノン族の光活性化可能化合物、特にヒペリシンの取込には、一般的に1乃至2時間かかる。キノン族の光活性化可能化合物の取込にかかる時間と、細胞または組織の固定時間との差異によって、本発明によれば、細胞が既に固定されたところ、すなわち既に死滅したところでキノン族の光活性化可能化合物が取り込まれることが保証される。
好ましくは、キノン族の光活性化可能化合物は、ヒペリシン、ヒポクレリンA、及びヒポクレリンBによって構成される群から選択される。さらに好ましくは、この方法は、ヒペリシンを使用して細胞または組織を生体外標識する方法である。
前記細胞または組織は、好ましくは、腫瘍性であるかまたは腫瘍性であることが疑われる細胞である。然るに、細胞または組織の試料は、癌への罹患が疑われるかまたは腫瘍細胞の存在を示すことが望まれる患者からの除去または患者における生検によって得て良い。前記試料は、癌が診断されている患者並びに癌細胞によるヒペリシンの取込の経時的進展を測定することによって治療処置の有効性が評価されている患者からも得られている。
細胞または組織は、あらゆる組織、例えば子宮、肝臓、胃、肺、食道、膀胱、前立腺、乳腺等であって良い。細胞の試料は、例えば、液体の試料、例えば尿、腹水、胸水、または心膜水;スミア、例えば頸管スミア、膣スミア、外陰スミア、または食道スミア;乳腺分泌物、または臓器穿刺液、例えば乳腺などの表在性腺、甲状腺及び耳下腺、あるいは腎臓、肝臓、卵巣等の深部器官の穿刺液であってよい。組織の試料は、あらゆる器官の生検あるいは完全もしくは部分的な切除物であってよい。
患者は、動物、好ましくはヒト、齧歯類、犬、または猫等のほ乳類であってよい。好ましくは前記患者はヒトである。
本発明はまた、癌または異形成を診断するための、あるいは癌治療の治療有効性をモニターするための、組織学的及び細胞学的な固定剤及びキノン族由来の1つ以上の光活性化可能化合物を含む溶液の使用にも関する。
より詳細には、本発明は、癌または異形成を診断する方法を提唱し、ここでは細胞または組織が前述の方法によってキノン族の1つ以上の光活性化可能化合物で標識され、キノン族の光活性化可能化合物によって標識された細胞または組織の存在が腫瘍性または異形成細胞の存在を示す。好ましくは、キノン族の光活性化可能化合物は、ヒペリシン、ヒポクレリンA、及びヒポクレリンBによって構成される群から選択される。
一つの実施態様によれば、癌または異形成を診断する前記方法は、
a)細胞または組織の試料を、組織学的もしくは細胞学的な固定溶液と接触させる工程;前記工程と同時のまたは前記工程に継続する、
b)細胞または組織の試料を、ヒペリシンを含む溶液と、細胞または組織がヒポクレリンを取り込むために十分な期間に亘って接触させる工程;任意に、
c)細胞または組織の試料を洗浄する工程;及び
d)ヒペリシンで標識された細胞または組織の存在を検出する工程(ここでヒペリシンで標識された細胞または組織の存在は癌または異形成の存在を示す);
を含む。
キノン族由来の光活性化可能化合物を使用する細胞または組織の標識の検出は、細胞または組織による蛍光発光、特にヒペリシン、ヒポクレリンA、またはヒポクレリンBについては600nmの領域における蛍光発光を測定することによって容易に実施可能である。
結果は、ヒペリシンが選択的な核周辺への局在性を有する特定の腫瘍細胞に対して高い親和性を有する一方で、正常細胞は細胞膜の領域内での周辺局在性に対して非常に低レベルの親和性を示すのみであることを示す。
従って、本発明の一つの実施態様によれば、少なくとも工程d)、好ましくは全ての工程が自動化形式で行われ、試料の自動スクリーニングが可能である。
好ましくは、細胞の核周辺標識が検出される。
本発明は、以下の非限定的な実施例において、より詳細に説明される。
(実施例1)
ヒトグリア芽腫細胞をペトリ皿で培養する。
ヒペリシンを、実験前4時間に亘ってSakomano細胞学的固定剤の溶液中に2ミクロモル/mlの濃度で懸濁状態とする。ヒペリシンを含む固定剤溶液を光から遮断する。
グリア芽腫の細胞は、これをヒペリシンに基づいて調製した固定剤の溶液中に1時間置くことによって直接固定される。
比較試験は、蛍光顕微分光光度計を使用し、ヒペリシンを含むSakomano細胞学的固定剤の溶液中で同一濃度にて1時間に亘ってインキュベートされた、個別の生体グリア芽腫細胞の培養物と、固定された細胞の培養物とにおいて測定される蛍光強度のレベル及び蛍光スペクトルの品質とを比較するために実施される。
結果は、これらのスペクトルは完全に重なり、依然生存する細胞と固定された細胞との間で蛍光強度のレベルは全く同等であることを示す。
(実施例2)
HeLaタイプの頸部の類表皮マルピーギ癌腫の系列からの細胞をペトリ皿で培養する。これらをその後、頸部スミア由来の通常の上皮細胞を既に含むSakomanoタイプの細胞学的固定剤中に固定して、数種のタイプの通常細胞及び腫瘍細胞を含む細胞懸濁物中で腫瘍細胞に対するヒペリシンの親和性を確認する。
その後、ヒペリシンを、2μm/mlの濃度に固定した細胞懸濁物中で、1時間に亘って懸濁状態に置き、光からは遮断する。
試験は、蛍光顕微分光光度計を使用し、ヒペリシンを含むSakomano細胞学的固定剤の溶液中で同一濃度にて1時間に亘ってインキュベートされた、前記懸濁物の様々な細胞について測定される蛍光強度のレベル及び蛍光スペクトルの品質とを比較するために実施される。
結果は、ヒペリシンが非常に特異的な選択的核各周辺局在性を有する腫瘍性HeLa細胞に対して高い親和性を有する一方で、正常細胞は細胞膜の領域内での周辺局在性に対して低レベルの親和性を示すのみであることを示す。
かくして、特定の標識を有する細胞が、自動認識手段を用いて検出できる。したがって、細胞学的試料の、特に病的細胞の分布のみを選択するためには頸部スミアの自動スクリーニングを想定することができる。

Claims (16)

  1. 組織学的もしくは細胞学的な固定剤並びに、ヒペリシン、ヒポクレリンA、及びヒポクレリンBによって構成される群から選択されるキノン族の一つ以上の光活性化可能化合物を含む、細胞または組織の標識用溶液。
  2. 1乃至20ミクロモル/mlのキノン族の光活性化可能化合物を含む、請求項1に記載の溶液。
  3. 組織学的もしくは細胞学的な固定剤及びヒペリシンを含む、請求項1または2に記載の溶液。
  4. 組織学的もしくは細胞学的な固定剤並びに、ヒペリシン、ヒポクレリンA、及びヒポクレリンBによって構成される群から選択されるキノン族の一つ以上の光活性化可能化合物を含むキット。
  5. 組織学的もしくは細胞学的な固定剤及びヒペリシンを含む、請求項4に記載のキット。
  6. キノン族の一つ以上の光活性化可能化合物を使用する細胞または組織を生体外標識するための方法であって、
    a)細胞または組織の試料を、組織学的もしくは細胞学的な固定溶液と接触させる工程;前記工程と同時のまたは前記工程に継続する、
    b)細胞または組織の試料を、ヒペリシン、ヒポクレリンA、及びヒポクレリンBによって構成される群から選択されるキノン族の一つ以上の光活性化可能化合物を含む溶液と、細胞または組織がキノン族の光活性化可能化合物を取り込むために十分な期間に亘って接触させる工程;任意に、
    c)細胞または組織の試料を洗浄する工程;
    を含む方法。
  7. キノン族の一つ以上の光活性化可能化合物を含む溶液が、組織学的もしくは細胞学的固定溶液であり、工程a)及びb)が同時に実施される、請求項6に記載の方法。
  8. 細胞または組織が、ヒペリシンで標識される、請求項6または7に記載の方法。
  9. 細胞または組織の試料が、癌への罹患が疑われる患者由来である、請求項6乃至8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 細胞の試料が、液体、スミア、乳腺分泌物、または臓器穿刺液である、請求項6乃至9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記組織試料が、生検または臓器の完全もしくは部分的切除物である、請求項6乃至10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 癌または異形成の管内診断のための、あるいは癌治療の治療有効性をモニターするための、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の溶液の使用。
  13. 癌または異形成の管内診断方法であって、
    a)細胞または組織の試料を、組織学的もしくは細胞学的な固定溶液と接触させる工程;前記工程と同時のまたは前記工程に継続する、
    b)細胞または組織の試料を、ヒペリシン、ヒポクレリンA、及びヒポクレリンBによって構成される群から選択されるキノン族の一つ以上の光活性化可能化合物を含む溶液と、細胞または組織がキノン族の光活性化可能化合物を取り込むために十分な期間に亘って接触させる工程;任意に、
    c)細胞または組織の試料を洗浄する工程;
    d)キノン族の光活性化可能化合物で標識された細胞または組織の存在を検出する工程(ここでキノン族の光活性化可能化合物で標識された細胞または組織の存在は癌または異形成の存在を示す);
    を含む方法。
  14. 癌または異形成の管内診断方法であって、
    a)細胞または組織の試料を、組織学的もしくは細胞学的な固定溶液と接触させる工程;前記工程と同時のまたは前記工程に継続する、
    b)細胞または組織の試料を、ヒペリシンを含む溶液と、細胞または組織がヒペリシンを取り込むために十分な期間に亘って接触させる工程;任意に、
    c)細胞または組織の試料を洗浄する工程;
    d)ヒペリシンで標識された細胞または組織の存在を検出する工程(ここでヒペリシンで標識された細胞または組織の存在は癌または異形成の存在を示す);
    を含む方法。
  15. 少なくとも工程d)が、自動方式で実施される、請求項13または14に記載の方法。
  16. 核周辺標識が検出される、請求項13乃至15のいずれか一項に記載の方法。
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