JP2008534435A - 膵臓ポリペプチドファミリーモチーフ、ポリペプチドおよびこれらを含む方法 - Google Patents

膵臓ポリペプチドファミリーモチーフ、ポリペプチドおよびこれらを含む方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、新規の膵臓ポリペプチドファミリー(「PPF」)ポリペプチドおよびその使用方法を提供する。本発明の1つの態様では、肥満の治療もしくは予防のための方法が提供され、その方法は治療的もしくは予防的に有効な量の本発明のPPFポリペプチドの、それを必要とする対象への投与を含む。ある実施形態では、対象は肥満もしくは過体重の対象である。ある一般的な態様では、本発明の方法は、例えば、除脂肪体重ではなく体脂肪を減少など、体組成を変化させるためのPPFポリペプチドの使用を含む。

Description

(関連出願)
本出願は、米国特許出願第11/055,098号(2005年2月11日出願);PCT/US05/04351;および米国仮特許出願第60/635,897号(2004年12月13日出願)に対する優先権を主張し、これらの出願の各々は、本明細書中でその全体が参考として援用される。
(配列表)
本出願の配列表は、紙の原稿として提出されと同時に、コンパクトディスク上のファイル名「0406PCT2 seq list.txt」のコンピュータで読み取り可能な形式(CRF)でも提出される。
(背景)
数多くの関連するホルモンが膵臓ポリペプチドファミリー(「PPF」)を構成している。膵臓ポリペプチド(「PP」)は、インスリン抽出物の混入物質として発見され、機能的な重要性ではなくそれが由来する臓器によって名付けられた(非特許文献1)。PPは、独特の構造モチーフを含む36アミノ酸のペプチド(配列番号1)である。次に、関連するペプチドがインスリン抽出物中に発見され、N末端およびC末端のチロシンからペプチドYY(「PYY」)(配列番号2)と命名された(非特許文献2)。さらに最近、関連する第3のペプチドが脳の抽出物中に見いだされ、ニューロペプチドY(「NPY」)と命名された(配列番号4)(非特許文献3;非特許文献4)。
これら三つの関連するペプチドは、様々な生物学的作用を発揮することが報告されてきた。PPの作用には膵臓分泌の阻害と胆嚢の弛緩が挙げられる。中枢に投与したPPは、視床下部と脳幹に局在する受容体を介している可能性がある、摂食行動の適度な上昇をもたらす(非特許文献5中で概説)。
PYY(配列番号2)の放出は、食事後に起こる。PYYに代わる分子型がPYY(3−36)(配列番号3)である(非特許文献6;非特許文献7)。この断片は、ヒトとイヌの腸抽出物におけるPYY様の総免疫活性の約40%を、また飢餓状態において血漿PYYの総免疫活性の約36%、食後にはやや上昇して50%以上を構成する。これは明らかに、PYYのジペプチジルペプチダーゼ−IV(DPP4)開裂の産物である。報告によればPYY(3−36)は、N末端が切断されたNPYアナログ(つまり、NPYアナログのC末端断片)の方を選択する点で薬理学的に独特と思われる、Y2およびY5受容体の選択的なリガンドである。報告によれば、PYYの末梢投与は、胃酸分泌、胃運動性、膵外分泌の分泌(Yoshinaga et al.,Am.J.Physiol.263:G695−701(1992);Guan et al.,Endocrinology 128:911−6(1991);Pappas et al.,Gastroenterology 91:1386−9(1986))、胆嚢収縮、および腸運動(Savage et al.,Gut 28:166−70(1987))を減少させる。PYYの中枢への注入の、胃内容排出、胃運動性および胃酸分泌に対する作用は、後脳/脳幹内あるいはその周囲への直接注入後に見られるように(Chen and Rogers,Am.J.Physiol.269:R787−92(1995);Chen et al.,Regul.Pept.61:95−98(1996);Yang and Tache,Am.J.Physiol.268:G943−8(1995);Chen et al.,Neurogastroenterol.Motil.9:109−16(1997))、末梢への注入後に観察される作用とは異なる可能性がある。例えば、中枢投与されたPYYは、末梢に注入されたPYY(3−36)について胃酸分泌が阻害ではなく促進されたとここで述べたものとは一部逆の作用を有する。腸運動はTRH刺激と連動した場合でのみ抑制されたが、単独で投与された場合には抑制されず、推定されるPP受容体との相互作用を通じて高投与量では実際に促進性である。PYYは、中枢投与後の食事と水の摂取を促進することが示されている(Morley et al.,Brain Res.341:200−3(1985);Corp et al.,Am.J.Physiol.259:R317−23(1990))。
同様に、最も早く報告されたNPY(配列番号4)の中枢への作用の一つ、特に視床下部における作用は食事摂取の増加である(Stanley et al.,Peptides 6:1205−11(1985))。PYYおよびPPはこれらの作用を模倣すると報告されており、PYYはより強力か、あるいはNPYと同程度に強力である(Morley et al.,Brain Res.341:200−3(1985);Kanatani et al.,Endocrinology 141:1011−6(2000);Nakajima et al.,J.Pharmacol.Exp.Ther.268:1010−4(1994))。NPYで誘導された摂食行動の規模は、過去に試験された他のどの薬剤で誘導された場合よりも高く、また非常に長く持続することをいくつかのグループが見いだした。NPYで誘導された摂食行動の刺激作用は数多くの種で再現された。3つの基本主要栄養素(脂質、タンパク質、炭水化物)のうち、炭水化物の摂取が選択的に刺激された。NPYの食欲増進作用に対して耐性は見られず、ペプチドの投与を10日以上反復した場合、体重増加率の顕著な増加が観察された。絶食後、視床下部のPVNにおけるNPYの濃度は時間と共に上昇し、摂食後はコントロールレベルまで急速に戻った。
薬理学的研究とクローニングの取り組みは、数多くのPPファミリーペプチドの7回膜貫通型受容体を明らかにした。これらの受容体は、Y1からY6(および、PYY選択的受容体と推定されるY7)の名称が付けられた。これらの受容体の典型的なシグナル反応は、他のG/Gに連動した受容体と同様、つまりアデニル酸シクラーゼの阻害である。受容体間の配列相同性がかなり低くとも、Y1、Y4、およびY6受容体間のアミノ酸配列の類似度はクラスターを形成し、一方Y2とY5は別のファミリーを定義づけた。様々なペプチドの可能性の順位によって、その他の結合部位が特定された。クローニングされていなかったNPY選択的受容体はY3と名称が与えられ、またPYY選択的受容体の存在の証拠がある(推定上のY7受容体)(非特許文献5;非特許文献8で概説)。
Y5およびY1受容体は、摂食反応の主要な媒介物であると示唆された(Marsh et al.,Nat.Med.4:718−21(1998);Kanatani et al.,Endocrinology 141:1011−6(2000))。一般的な考えは、内因性のNPYがこれらの受容体を介して摂食行動を亢進するというものだった。提案されている肥満に対する治療は、常にNPY受容体の拮抗作用に方向付けられ、一方、拒食症の治療にはリガンドファミリーの拮抗作用に方向付けられてきた(例として、米国特許第5,939,462号、第6,013,622号、および4,891,357を参照)。一般的に、PYYとNPYの効力は等しく、調査された全てのY1、Y5(およびY2)受容体アッセイにおいて同様に有効であると報告されている(非特許文献5)。
薬理学的には、Y2受容体はニューロペプチドYのC末端断片に対して親和性を示すことでY1と区別される。ニューロペプチドYの3−36断片とペプチドYYは親和性と選択性の上昇をもたらすものの、Y2受容体はニューロペプチドY(13−36)の親和性で最もよく区別される(Dumont et al.,Soc.for Neurosci.Abstracts 19:726(1993)を参照)。Y1とY2の両方を通じたシグナル伝達は、アデニル酸シクラーゼの阻害と共役している。また、Y2受容体への結合は、N型カルシウムチャネルの選択的阻害によってシナプスにおけるカルシウムの細胞内濃度を減少させることが見いだされた。さらに、Y2受容体はY1受容体同様に、二次メッセンジャーに対して特異的な結合を示す(米国特許第6,355,478号を参照)。Y2受容体は、海馬、外側部の黒質、視床、視床下部、および脳幹など、脳の様々な領域で見いだされている。ヒト、マウス、サル、およびラットのY2受容体がクローニングされた(例として、米国特許第6,420,532号および米国特許第6,355,478号を参照)。
推定上のY3受容体の主要な特徴はNPYを認識することであり、一方、PYYは少なくとも一桁、能力が低い。Y3受容体は、NPYに対して優先性を示す結合部位/受容体のみに相当する。
PYYに優先性を示してPYY優先受容体と名付けられ、本出願ではY7受容体として引用される更なる結合部位/受容体がある。この受容体への結合の様々な順位または受容体のクラスが報告されており、このクラスには一つ以上の受容体がある可能性を示唆している。大部分は、PYYはNPYの3から5倍強力な受容体であると述べられている。NPY、PYYおよびPP受容体の命名についての国際薬理学連合の提言は、PYYとNPYの間に少なくとも20倍の効力の違いが観察されない限りはPYY優先受容体の語は使用しないというものである(非特許文献8)。しかし、開示の目的のため、Y7受容体またはPYY優先受容体の薬理学への言及は、NPYに対して任意の程度のPYYの優先性を有する受容体を意味する。
肥満とそれに関連する疾患は、米国および世界中において一般的で非常に深刻な公衆衛生上の課題である。米国人の約64%が過体重か肥満である(概算で成人約9,700万人)と見積もられており、一般的にその数は増加していると考えられている。体重指数(BMI)が25以上である人々が過体重もしくは肥満と見なされている。BMIは、ある人物のkgでの体重をmでの身長の二乗で割る(つまり、体重/(身長))、身長に対する体重の関係を表すために一般的に用いられている数式である。ヒトのヘルスケアの背景では、BMIが25から29.9の個人は一般的に過体重であると考えられ、一方、BMIが30以上の個人は一般的に肥満と見なされる。病的肥満はBMIが40以上を指す。NIHの「the Identification,Evaluation,and Treatment of Overweight and Obesity in Adults」上の臨床ガイドラインによれば、BMIが25以上の全ての成人(年齢18歳以上)は、過体重と肥満の結果として早死にや身体障害の恐れがあると見られている。これらの健康リスクは、個人の肥満の深刻度が増すにつれてさらに上昇する。
肥満または過体重でいると、後に高血圧、異常脂質血症、2型糖尿病、冠状動脈性心臓病、脳梗塞、胆嚢疾患、変形性関節症、睡眠時無呼吸および呼吸困難、並びに子宮内膜癌、乳癌、前立腺癌、および結腸癌による病的状態のリスクが著しく上昇する可能性がある。体重がより重いと、原因を問わない死亡率の上昇とも関連する。さらに、肥満または過体重でいると、自分自身についての否定的な自己イメージを持つ原因となる。
上半身の肥満は、2型糖尿病の既知の強力な危険因子であり、また心臓血管疾患の強力な危険因子である。肥満は、高血圧、アテローム性動脈硬化、うっ血性心不全、脳梗塞、胆嚢疾患、変形性関節症、睡眠時無呼吸、多嚢胞性卵巣症候群などの生殖障害、乳癌、前立腺癌、および結腸癌の危険因子として認識されており、全身麻酔の合併症の発生が上昇する(例えば、Kopelman,Nature 404:635−43(2000)を参照)。寿命を縮め、前述の共存症、また、感染症、静脈瘤、黒色表皮症、湿疹、運動不耐性、インスリン抵抗性、高血圧、高コレステロール血症、胆石症、整形外科的障害、および血栓塞栓性疾患といった疾患の深刻なリスクを抱える(Rissanen et al.,Br.Med.J.301:835−7(1990))。肥満は、インスリン抵抗症候群、または「症候群X」と呼ばれる一群の状態の危険因子でもある。肥満および関連疾患の医療費についての最近の概算では、世界で1,500億ドルである。肥満の発症機序は多因子性であると考えられ、一般的には肥満または過体重の対象において、栄養素の利用性とエネルギー消費が平衡した場合、過剰な脂肪組織が生じる。肥満は現在ほとんど治療されにくく、慢性的で、原則的に扱いにくい代謝疾患である。治療薬は肥満者の体重減少に有用であり、彼等の健康に著しく有益な効果を持ち得る。
これらの理由から、肥満の治療には非常に大きな関心がある。従来の治療には標準的な食事療法と運動、低カロリー食事療法、行動療法、食欲抑制剤や熱発生薬、食物吸収阻害剤などの薬物療法、顎のワイヤリング、ウェストコードおよびバルーンなどの機械的装置、ならびに胃バイパスなどの外科手術等がある。Jung and Chong,Clinical Endocrinology,35:11−20(1991);Bray,Am.J.Clin.Nutr.,55:538S−544S(1992)。
身体の健康のための肥満の治療への関心に加え、自分自身が見栄えがよく気分がよくあるための意欲は、常に関心があり、利益が上がる市場である。米国美容外科学会は、2002年に690万件の美容処置が行われたと報告している。脂肪吸引術は最も一般的な外科処置だった。さらに、国立健康統計センターは、2002年に米国の全成人の約3分の1が定期的な余暇の身体的活動を行ったと報告した。
一般的に脂肪を失うことが望まれるが、除脂肪体重(タンパク質)を失うことは望まれない。除脂肪体重は、代謝的、身体的に非常に活動的である。除脂肪体重は体の全てのタンパク質を含む。全てのタンパク質分子は恒常性の維持に役割を果たすため、真のタンパク質の貯蔵はない。体のタンパク質の喪失は、個人の健康に有害であると考えられている。除脂肪体重のタンパク質の大部分は骨格筋量にある。除脂肪体重は、筋肉量の重量で50−60%であり、残りは骨と腱である。タンパク質は、筋肉、内臓、赤血球、および結合組織の重要な細胞構造を作り上げる。代謝を指揮する酵素、免疫機能を維持する抗体もタンパク質である。さらに、脂肪に対する除脂肪体重の比率がより大きい体は、一部の個人にとって一層美的に満足を与える可能性がある。従って、体脂肪を減らす際であっても、除脂肪体重の損失を防ぐ、もしくは最小限にすることが望ましい。
カロリー制限は、その種類にかかわらず体のタンパク質の異化を引き起こし、負の窒素バランスを生じる可能性がある。従って、カロリー制限中の窒素損失を減らす方法として、タンパク補充食事療法が人気を得た。タンパク質を控える一部変更した絶食が若者の体重減少に効果的であると報告された。Lee et al.Clin.Pediatr.,31:234−236(1992年4月)。しかし、これらの食事療法は中程度の窒素の不足を作り出すに過ぎない可能性がある。
さらにPYYアナログポリペプチドを開発する必要性が残っている。
Kimmelら,Endocrinology,1968年,第83巻,p.1323−30 Tatemoto,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1982年,第79巻,p.2514−8 Tatemoto,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1982年,第79巻,p.5485−9 Tatemotoら,Nature,1982年,第296巻,p.659−60 Gehlert,Proc.Soc.Exp.Biol.Med.,1998年,第218巻,p.7−22 Eberleinら,Peptides,1989年,第10巻,p.797−803 Grandtら,Regul.Pept.,1994年,第51巻,p.151−9 Michelら,Pharmacol.Rev.,1998年,第50巻,p.143−50
従って、本発明の目的は、当該のPYYアナログポリペプチドとその作成と使用の方法を提供する。脂肪は促進するが除脂肪体重を維持またはその喪失を最小限にするための効果的な方法が求められている。本出願で述べられるのは、体組成を変化させるための新規の方法である。
本出願で参照された全ての文献は、ここで完全に説明するように参照して本出願に組み入れられる。
(概要)
本発明は、一般に、PYY(3−36)の全長にわたってPYY(3−36)と少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも94%、もしくは少なくとも97%の配列相同性を有し、少なくともN末端のポリプロリンPPFモチーフとC末端の尾部PPFモチーフを含んだ少なくとも二つのPPFモチーフも含む、膵臓ポリペプチドファミリー(「PPF」)に関する。本発明の追加的なPPFモチーフは、PP、PYY、およびNPYを含む任意のPPファミリーポリペプチドの任意のモチーフに相当する可能性がある。ある実施形態では、PPFポリペプチドは天然でないアミノ酸を含まない。別の実施形態では、PPFポリペプチドは既知の天然に生じた変種を含まない。
ある態様において、本発明のPPFポリペプチドはPPFアナログポリペプチドを含む。本発明のさらに別の態様では、本発明のPPFポリペプチドは、各PP、PYY、およびNPYの断片がPPFモチーフを含む、少なくとも一つの追加のPP、PYY、およびNPYポリペプチドの断片と共有結合したPP、PYY、およびNPYポリペプチド断片を備えるPPFキメラポリペプチドを含む。前述の本発明のPPFアナログポリペプチドとPPFキメラポリペプチドは、PYY(3−36)の全長にわたって天然のPYY(3−36)と少なくとも50%の配列相同性を示す。ある実施形態では、望ましいPPFキメラポリペプチドはC末端PYY断片と組み合わせたN末端PP断片を含む。別の実施形態では、PPFキメラポリペプチドはC末端のPYY断片と組み合わせたN末端PP断片を含む。別の実施形態では、PPFキメラポリペプチドはN末端PYY断片とC末端PPまたはNPYの断片を含む。別の実施形態では、PPFキメラポリペプチドはN末端NPY断片をC末端PYYあるいはPPとの組合せで含む。別の実施形態では、PPFキメラポリペプチドはN末端PP断片をC末端NPY断片との組合せで含んではならない。さらに別の実施形態では、PPFキメラポリペプチドはN末端NPY断片をC末端PYY断片と共に含んではならない。
本発明の別の態様では、肥満の治療もしくは予防のための方法が提供され、その方法は治療的もしくは予防的に有効な量の本発明のPPFポリペプチドの、それを必要とする対象への投与を含む。ある実施形態では、対象は肥満もしくは過体重の対象である。「肥満」は一般的に体重指数が30以上と定義されるが、本開示の目的のために、体重を減らす必要がある、もしくはそう望む、体重指数が30未満の任意の対象が「肥満」の範囲に含まれる。インスリン抵抗性、グルコース不耐性、もしくは任意の種類の糖尿病(例えば、1型、2型、もしくは妊娠性糖尿病)を有する対象は、この方法から利益を得る可能性がある。
ある一般的な態様では、本発明の方法は、例えば、除脂肪体重ではなく体脂肪を減少など、体組成を変化させるためのPPFポリペプチドの使用を含む。体組成の変化は、例えば体重(gでの体重減少または増加)による、体脂肪率と除脂肪体重もしくはタンパク質の率(互換的に使用される)による、または、除脂肪組織に対する体脂肪率による可能性がある。
PYYは満腹の調節(米国特許第6,558,708号)、または体重制御(米国特許出願第10/016,969号、国際公開第2003026591号、および国際公開第2003057235号)に有用である可能性があると報告されたが、現在、驚くべき事に、PPFポリペプチドは体に対する代謝作用がある可能性があり、望ましい体脂肪の喪失と、さらに除脂肪体重を保つ、もしくはその喪失を最小限にするよう導くことで体組成に影響を与えるために利用され得ることが発見された。
ある実施形態では、本発明の方法は体脂肪を減少、または体脂肪獲得を減少または予防する一方で、除脂肪体重の喪失を控えるか喪失を最低限にするかあるいは除脂肪体重を増加させることさえ含む。別の実施形態は、体重制御および/または体の外見の形を整えることを含む。これらの方法は、過体重または肥満の個人だけでなく痩せている個人も、その対象として関心を持つ可能性がある。例えば、ボディービルダーおよびその他の運動選手といった痩せた体組成の対象は、本発明から同様に利益を受ける可能性がある。彼等にとっては、例えば特定の重量級の範囲に留まりながらもより一層の強さ、スタミナ、持久力および/またはさらに筋骨逞しい外見のために除脂肪体重を保存、もしくは増やすといったように、体重を減らす、もしくは維持するために望ましい可能性がある。前述の方法は、脂肪に対する除脂肪体重のより大きな比率が望まれる任意の動物に対して使用してもよい。前記の使用例は、優れたショー用のイヌの作出、もしくは優れた競走馬や役馬の作出を含むがそれに限定されない。
ある一般的な態様では、本発明の方法は、消費のための動物の脂肪含量を減少させるためのPPFポリペプチドの使用を含む。本発明の方法は、より脂肪が少ない肉の供給源の作成を含むことができる。本発明の組成物と方法は、ニワトリ、シチメンチョウ、ウシ、ブタ、およびヒツジ等を含むがそれに限定されない家畜と共に使用することができる。
本発明の方法は、既に前記で述べられたような、例えば食物摂取のモニター(量と質)と運動、また外科手術などのライフスタイルの変化を含む、その他の種類の栄養計画や減量プログラムとの組合せで用いることができることを意図している。栄養計画は、ボディービルダーが従っているような、除脂肪体重を増加させるために使用する計画を含む。
別の一般的態様では、PPFポリペプチドは動物において、組織と細胞レベルでのエネルギーのための脂肪利用促進の指標となる呼吸商(RQ)を減少させる(脂肪酸のβ酸化が増加する)。従ってPPFポリペプチドは、除脂肪体重の維持、喪失の最小化、あるいは増加に、非脂肪組織における脂肪酸のβ酸化の促進が望ましい状態において、治療的に有用である可能性がある。当該の状態の例は、患者が病的に肝臓の脂肪含量の上昇を示す非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)(Grant et al.Nonalcoholic fatty liver disease,Ann Hepatol.3(3):93−9,2004年6月−9月)、および患者が脂肪貯蔵を著しく欠乏し、その結果、肝臓や骨格筋といった非脂肪組織に脂肪の蓄えの増加を示すリポジストロフィ(Garg et al.Lipodystrophies:rare disorders causing metabolic syndrome,Endocrinol Metab Clin North Am.33(2):305−31,2004年6月)を含むがそれに限定されない。
本発明のある実施形態は、PPFポリペプチドは中枢ではなく、つまり、中枢神経を介さず末梢に投与されてもよい。別の実施形態では、治療的、または予防的に有効な量のPPFポリペプチドが単回投与、複数投与もしくは継続的投与で投与される。
本発明のさらに別の態様では、本発明の化合物は、食物摂取減少の方法、栄養素利用性の低下の方法、体重減少を引き起こす方法、体組成に影響を及ぼす方法、体のエネルギー内容もしくはエネルギー消費(EE)を変更する方法、および脂質プロファイルの改善の方法(LDLコレステロールおよび/またはトリグリセリド濃度減少および/またはHDLコレステロール濃度の変更を含む)のために用いることができる。従って、ある実施形態では、本発明の方法はそれを必要とする対象において、栄養素利用性の低下によって軽減され得る状態または疾患の治療もしくは予防に有用であり、当該の対象への治療的もしくは予防的有効量の本発明のPPFポリペプチドの投与を含む。前記の状態および疾患は、高血圧、異常脂質血症、心臓血管疾患、摂食障害、インスリン抵抗性、肥満、ならびに1型、2型および妊娠糖尿病を含む任意の種類の糖尿病を含むがそれに限定されない。本発明の化合物は、脳梗塞、癌(例えば、子宮内膜癌、乳癌、前立腺癌、および結腸癌)、胆嚢疾患、睡眠時無呼吸、生殖力の低下、および変形性関節症(Lyznicki et al,Am.Fam.Phys.63:2185,2001を参照)を含む、肥満に関連したその他の状態の治療と予防にも有用である可能性がある。
本発明の化合物は、膵島または膵細胞におけるグルコース反応性の増強、誘導、強化、復元にも有用である可能性がある。これらの作用は、前述および米国特許出願第20040228846号記載のもののような代謝疾患と関連した状態の治療と予防にも用いられる可能性がある。
それを必要とする対象の高血圧の改善に加えて、本発明の化合物は低血圧の治療もしくは予防に用いられる可能性がある。
本発明の化合物は、腸管電解質過剰と水の分泌、また吸収低下に関連した、例えば、感染症(例えば、ウイルスもしくは細菌)、下痢、炎症性下痢、短腸症候群など、任意の数の消化器疾患の治療もしくは予防、または例えば回腸人工肛門造設術(例えば、Harrison’s principles of Internal Medicine,McGraw Hill Inc.,New York,12th edを参照)といった外科処置の後に一般的に生じる下痢の治療もしくは予防にも有用である可能性がある。感染性下痢の例は、急性ウイルス性下痢、急性細菌性下痢(例えば、サルモネラ、カンピロバクター、およびクロストリジウム)、もしくは原虫感染による下痢、または、旅行者下痢(例えば、ノーウォークウイルスとレトロウイルス)などをこれらに限定することなく含む。炎症性下痢の例は、吸収不良症候群、熱帯性スプルー、慢性膵臓炎、クローン病、下痢および過敏性腸症候群などをこれらに限定することなく含む。また、本発明のペプチドは、例えば手術後もしくはコレラといった消化器疾患が関わる緊急もしくは命に関わる状況の治療もしくは予防に有用である可能性があることも発見されている。さらに、本発明の化合物は、後天性免疫不全症候群(AIDS)患者の消化器系機能障害、特にカヘキシーの際の治療に用いられる可能性がある。本発明の化合物は、哺乳動物における小腸液および電解質分泌の阻害、および栄養素輸送の促進、また胃腸管の細胞増殖の増加、例えば脂肪組織などにおける脂肪分解の調節、および血流調節にも有用である可能性がある。
本発明の化合物は、胃腸保護作用による前記の状態の治療と予防にも有用である可能性がある。従って、本発明の化合物は、胃腸障害もしくは粘膜障害の治療に有用である可能性がある。障害の種類の例は、炎症性大腸炎、腸萎縮、腸粘膜もしくは腸粘膜機能の喪失で特徴づけられる状態、および、細胞毒性薬や放射線、感染症および/または傷害への曝露によってもたらされる可能性があるものを含むその他の胃腸管状態を含むがそれに限定されない。さらに、本発明のこれらの化合物は、鎮痛薬、抗炎症薬、成長ホルモン、ヘパリン、または炎症性大腸炎もしくは前記のその他の状態の治療に用いられる可能性があるその他の任意の治療法と組み合わせてもよい。
さらに、本発明の化合物は、分泌抑制作用によって緩和もしくは改善され得る疾患および障害の治療もしくは予防に有用である。当該の分泌抑制作用は、胃および/または膵臓分泌の阻害などを含み、胃炎、膵炎、バレット食道、および、逆流性食道炎などといった疾患および傷害の治療もしくは予防に利用し得る。これらの疾患は、本発明の化合物の胃腸保護作用によっても治療もしくは予防される可能性がある。
本発明の化合物は、アルミニウム濃度異常(例えば、アルツハイマー病に罹った患者、もしくはアルツハイマー病発症のリスクがある患者、透析認知症、または職業暴露によるアルミニウム濃度の上昇)に関連する疾患もしくは状態の治療もしくは予防のため、対象の中枢神経系のアルミニウム濃度の減少にも有用である可能性がある。
本発明は、治療的もしくは予防的に有効な量の一つ以上の本発明のPPFポリペプチド、またはその医薬的に許容可能な塩をPPFポリペプチドの送達に有用な医薬的に許容可能な希釈剤、保存料、可溶化剤、乳化剤、アジュバントおよび/または担体と共に含む医薬組成物にも関する。
本発明のこれら、およびその他の態様は、以下の実施形態および詳細説明を参照することでより明確に理解されるだろう。本発明の一つ以上の実施形態の詳細は、添付の図と以下の説明で示される。本発明のその他の特徴、目的、および利点は、説明と図、および請求項から明らかになる。引用された全ての参考文献は、本明細書に参照して組み入れられる。
(詳細な説明)
本発明は、一般に、PYY(3−36)の全長にわたってPYY(3−36)と少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも94%、もしくは少なくとも97%の配列相同性を有する膵臓ポリペプチドファミリー(「PPF」)ポリペプチドに関する。PPFポリペプチドは、10以下、5以下、3以下、2以下、もしくは1以下のアミノ酸置換を含む場合がある。PPFポリペプチドは、少なくともN末端のポリプロリンPPFモチーフとC末端の尾部PPFモチーフを含んだ少なくとも二つのPPFモチーフも含む。本明細書において「モチーフ」の語は、特異的な生化学機能の特徴を示す、もしくは独立に折りたたまれる領域を規定するアミノ酸配列を示す。本発明の追加的なPPFモチーフは、PP、PYY、およびNPYを含む任意のPPファミリーペプチドのモチーフに相当する可能性があり、例えば、PYYの2型βターン領域モチーフもしくはPYYのC末端のαへリックスモチーフである。ある実施様態では、本発明のPPFポリペプチドは任意の非天然アミノ酸を含まなくてもよい。
本発明は、代謝状態と代謝障害の治療と予防に有用なPPFペプチドにも関係する。一部の実施様態では、本発明のPPFポリペプチドは、代謝状態および代謝障害の治療および/または予防において、ヒトの天然のPP、PYY、PYY(3−36)またはNPYと比較して、匹敵するか、あるいはより高い効力を有する可能性がある。一部の実施様態では、本研究のPPFポリペプチドは、PP、PYY、PYY(3−36)またはNPYと比較して、低い効力を示すが、例えば製造の容易さ、安定性および/または製剤の容易さが改善したその他の望ましい特徴を有する可能性がある。
一部の実施形態では、理論によって限定される意図なしに、本発明の新規のPPFポリペプチドの対象への末梢投与が栄養素利用性を低減し、従って、肥満および関連する代謝状態もしくは代謝障害の治療と予防に有用であると考えられている。そのため本発明は、栄養素利用性の減少から利益を受ける可能性がある代謝状態もしくは代謝障害の治療と予防のために、それを必要とする対象の栄養素利用性を低減するためのPPFポリペプチド組成物とその使用方法を提供する。これらの方法は、例えば肥満、2型もしくはインスリン非依存性糖尿病を含むがそれに限定されない糖尿病、摂食障害、インスリン耐性症候群、心臓血管疾患、または前記の状態の組合せの治療に有用である可能性がある。
現在では、PYY、PYY作動薬、またはPPFポリペプチドが体の代謝作用を有し、体脂肪を選択的に減少または維持し、除脂肪体重を残すもしくは増加させるために利用し得る可能性が発見されている。
本発明は、選択的に体脂肪を減少させる、または体脂肪増加を減らすもしくは予防し、除脂肪体重を維持もしくは増加させる一方で、一部分においては、体重減少、体重維持、もしくは体重増加によって体組成に影響を及ぼすよう方向付けられている。しかし例えばボディービルのようなある状況では、体脂肪率を減らすか維持する一方で、例えば選択的な栄養素摂取を通じて(例えば、カロリーまたは脂肪含量を増やすことで)体重を増加させることが望ましい場合がある。
本発明の方法は、本出願中で述べられるような望ましい結果に作用するために対象への有効量のPYY、PYY作動薬、またはPPFポリペプチドの投与を意図している。
投与されたPYY、PYY作動薬、またはPPFポリペプチドは、ペプチド、プロドラッグ、もしくはその医薬的な塩としての形である可能性がある。「プロドラッグ」の語は、投与後にインビボで、例えばタンパク質分解による切断、もしくは特定のpH環境に達するなど何らかの化学的もしくは物理的過程を通じて薬剤を放出する薬剤の前駆物質の化合物を意味する。
本発明の方法は、前記の方法が必要な任意の個人(個体)、もしくはその方法の実施が望ましい個人に使用することもできる。これらの個人(個体)はヒト、イヌ、ウマ、ウシ、ブタ、ニワトリ、シチメンチョウ、商業的に有用な動物、およびペットなどの任意の哺乳動物を含む可能性があるがそれに限定されない。
段落の見出しは、述べられた対象を限定する目的に受け取られるためではなく、整理の目的のためだけに本明細書中で用いられる。
A.本発明のPPFポリペプチドおよびPPFモチーフ
上述のように、本発明は、少なくとも部分的には、少なくともN末端のポリプロリンPPFモチーフとC末端の尾部PPFモチーフを含んだ少なくとも二つのPPFモチーフを含む新規のPPFポリペプチドに関する。また本発明のPPFポリペプチドは、PYY(3−36)の全長にわたって天然のPYY(3−36)と少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも94%、もしくは少なくとも97%の配列相同性を示す。一部の実施形態において、本発明のポリペプチドは、少なくとも部分的には、ヒトの天然のPP、PYY、および/またはNPYの生物活性を有し、例えば、本発明のポリペプチドは一般的にPP、PYY、および/またはNPYの作動薬または拮抗剤である。一部の実施形態において、本発明のポリペプチドは代謝状態および代謝障害の治療と予防において生物活性を示す。さらに、本発明のPPFポリペプチドは、内部リンカー化合物を含んでもよく、あるいは内部アミノ酸残基に化学改変を含んでもよく、あるいは、N末端またはC末端残基に化学的に改変されてもよい。一部の実施形態では、本発明のポリペプチドは天然のLアミノ酸残基および/または改変された天然のLアミノ酸残基のみを含む。一部の実施形態では、本発明のポリペプチドは、非天然のアミノ酸残基を含まない。
本発明のPPFモチーフは、PP、PYYおよびNPYなどの任意の天然PPファミリーポリペプチドの任意のモチーフに相当してもよい。「PPFモチーフ」は一般的に、生物活性に重要な、即ち、そのモチーフの欠損あるいは障害で生物活性が著しく低下する、天然のPPファミリーポリペプチドの一次、二次、または三次構造要素である。PPFモチーフは、天然のPPファミリーポリペプチドのN末端ポリプロリン2型モチーフ、天然のPPファミリーポリペプチドの2型βターンモチーフ、天然のPPファミリーポリペプチドのC末端のαへリックスモチーフ、および天然のPPファミリーポリペプチドのC末端の尾部モチーフを含むがそれに限定されない、当業者に知られた任意のモチーフを含んでもよい。さらに詳しくは、PPFモチーフのN末端ポリプロリンにおいて、天然のPPファミリーポリペプチドのアミノ酸残基5および8に相当するアミノ酸は、一般的にプロリンとして保存されている。2型βターンモチーフは、一般的に天然のPPファミリーポリペプチドのアミノ酸残基12−14に相当するアミノ酸を含む。αへリックスモチーフは、溶液中でαへリックスターンが形成されるようαへリックスモチーフが十分な数のアミノ酸残基を含んでいる限りは、一般的に天然のPPファミリーポリペプチドの約アミノ酸残基14に相当するアミノ酸から、C末端までの任意の点まで伸びてもよい。またαへリックスモチーフは、溶液中でαへリックスターンが依然形成される限りは、天然のPPファミリーの配列に対するアミノ酸の置換、挿入、除去を含んでもよい。C末端の尾部PPFモチーフは、一般的に天然のPPファミリーポリペプチドの最後のおよそ10残基に相当するアミノ酸を含む。一部の実地態様では、C末端の尾部モチーフは、天然のPPファミリーポリペプチドの最後の7、6、または5残基を含む。一部の実地態様では、C末端の尾部モチーフは、32−35アミノ酸残基を含む。
ある実施形態では、本発明のPPFモチーフは非天然アミノ酸残基を含まず、さらに、本発明のPPFポリペプチドは天然のPPFポリペプチド(PP、NPY(1−36)、NPY(3−36)、PYY(1−36)、PYY(3−36)、NPY(2−36)、NPY(4−36)、PYY(2−36)、PYY(4−36)、PP(2−36)、PP(3−36)、もしくはPP(4−36))を含まない。一部の実施形態では、本発明のPPFポリペプチドは、TyrhPP、LyshPP、AsnhPP、Arg19hPP、Tyr21hPP、Glu21hPP、Ala23hPP、Gln23hPP、Gln34hPP、PheArg19hPP、PheTyr21hPP、PheGlu21hPP、PheAla23hPP、PheGln23hPP、Pro13Ala14hPP、Ile31Gln34PP、Arg19Tyr20Tyr21Ser22Ala23hPP、LysArg19Tyr20Tyr21Ser22Ala23hPP、LysArg19Tyr20Tyr21Ser22Ala23hPP(2−36)、AlaNPY、TyrNPY、AlaNPY、LeuNPY、PheNPY、HisNPY、AlaNPY、AlaNPY、AlaNPY、TyrpNPY、AlaNPY、AlaNPY、Ala10NPY、Ala11NPY、Gly12NPY、Ala13NPY、Gly14NPY、Ala15NPY、Ala16NPY、Ala17NPY、Gly18NPY、Ala19NPY、Lys19NPY、Ala20NPY、Ala21NPY、Ala22NPY、Gly23NPY、Ala24NPY、Trp24pNPY、Ala25NPY、Lys25NPY、Ala26NPY、Ala27NPY、Phe27NPY、Ala28NPY、Ala29NPY、Gln29NPY、Ala30NPY、Phe30NPY、Ala31NPY、Trp31pNPY、Ala32NPY、Trp32NPY、Ala33NPY、Lys33NPY、Ala34NPY、Pro34NPY、Leu34NPY、Ala35NPY、Lys35NPY、Ala36NPY、Phe36NPY、His36NPY、GluPro34pNPY、ArgPro34pNPY、PhePro34pNPY、CysPro34pNPY、AsnPro34pNPY、PhePro34pNPY、ArgPro34pNPY、CysPro34pNPY、AspPro34pNPY、PhePro34pNPY、ArgPro34pNPY、CysPro34pNPY、AspPro34pNPY、AsnPro34pNPY、Pro11Pro34pNPY、Ser13Pro14pNPY、Trp24,31pNPY、Ala31Pro32pNPY、Cys31Pro34pNPY、Leu31Pro34NPY、Phe32Pro34pNPY、Ala21,25Pro34pNPY、Pro11Tyr13Pro14Pro34pNPY、Ahx(9−22)pNPY、Ahx(9−17)pNPY、des−AA(10−20)−Cys7,21Pro34−pNPY、des−AA(10−17)−pNPY、des−AA(10−17)−Cys2,27−pNPY、des−AA(10−17)−Ala7,21−pNPY、des−AA(10−17)−Cys7,21−pNPY、des−AA(10−17)−GluLys21−pNPY、des−AA(10−17)Cys7,21Pro34pNPY、des−AA(10−17)GluLys21Pro34pNPY、des−AA(10−17)Cys7,21Leu31Pro34pNPY、des−AA(11−17)Cys7,21Pro34pNPY、Pro34PYY、His34PYY、Lys25hPYY(5−36)、ArghPYY(4−36)、GlnhPYY(4−36)、AsnhPYY(4−36)、Lys25hPYY(4−36)、LeuhPYY(3−36)、ValhPYY(3−36)、Lys25hPYY(3−36)、Tyr1,36pPYY、Pro13Ala14hPYY、Leu31Pro34PYY、FMS−PYY、FMS−PYY(3−36)、Fmoc−PYY、Fmoc−PYY(3−36)、FMS−PYY、FMS−PYY(3−36)、Fmoc−PYY、Fmoc−PYY(3−36)、hPP(1−7)−pNPY、hPP(1−17)−pNPY、hPP(19−23)−pNPY、hPP(19−23)−Pro34pNPY、hPP(19−23)−His34pNPY、rPP(19−23)−pNPY、rPP(19−23)−Pro34pNPY、rPP(19−23)−His34pNPY、hPP(1−7)−pNPY、hPP(1−17)−pNPY、hPP(1−17)−His34pNPY、pNPY(1−7)−hPP、pNPY(1−7、19−23)−hPP、cPP(1−7)−pNPY(19−23)−hPP、cPP(1−7)−NPY(19−23)−His34hPP、hPP(1−17)−His34pNPY、hPP(19−23)−pNPY、hPP(19−23)−Pro34pNPY、hPP(19−23)−His34pNPY、rPP(19−23)−pNPY、rPP(19−23)−Pro34pNPY、rPP(19−23)−His34pNPY、pNPY(1−7)−hPP、pNPY(19−23)−hPP、pNPY(19−23)−Gln34hPP、pNPY(19−23)−His34hPP、pNPY(19−23)−PheGln34hPP、pNPY(19−23)−PheHis34hPP、pNPY(1−7,19−23)−hPP、pNPY(1−7,19−23)−Gln34hPP、cPP(20−23)−Pro34−pNPY、cPP(21−23)−Pro34−pNPY、cPP(22−23)−Pro34−pNPY、cPP(1−7)−Pro34−pNPY、cPP(20−23)−Pro34−pNPY、cPP(1−7,20−23)−Pro34−pNPY、cPP(1−7)−pNPY(19−23)−hPP、cPP(1−7)−pNPY(19−23)−His34hPP、もしくはcPP(1−7)−gPP(19−23)−hPPを含まない。
別の実施形態では、本発明の前記のPPFポリペプチドは、Thr27hPYY(3−36)、Ile30hPYY(3−36)、Ser32hPYY(3−36)、Lys33hPYY(3−36)、Asn34hPYY(3−36)、Lys35hPYY(3−36)、Thr36hPYY(3−36)、Lys25Thr27hPYY(3−36)、Lys25Ile30hPYY(3−36)、Lys25Ser32hPYY(3−36)、Lys25Lys33hPYY(3−36)、Lys25Asn24hPYY(3−36)、Lys25Lys35hPYY(3−36)、Lys25Thr36hPYY(3−36)、Thr27Ile28hPYY(3−36)、Thr27Val28hPYY(3−36)、Thr27Gln29hPYY(3−36)、Thr27Ile30hPYY(3−36)、Thr27Val30hPYY(3−36)、Thr27Ile31hPYY(3−36)、Thr27Leu31hPYY(3−36)、Thr27Ser32hPYY(3−36)、Thr27Lys33hPYY(3−36)、Thr27Asn34hPYY(3−36)、Thr27Lys35hPYY(3−36)、Thr27Thr36hPYY(3−36)、Thr27Phe36hPYY(3−36)、Phe27Ile30hPYY(3−36)、Phe27Ser32hPYY(3−36)、Phe27Lys33hPYY(3−36)、Phe27Asn34hPYY(3−36)、Phe27Lys35hPYY(3−36)、Phe27Thr36hPYY(3−36)、Gln29Ile30hPYY(3−36)、Gln29Ser32hPYY(3−36)、Gln29Leu33hPYY(3−36)、Gln29Asn34hPYY(3−36)、Gln29Leu35hPYY(3−36)、Gln29Thr36hPYY(3−36)、Ile30Ile31hPYY(3−36)、Ile30Leu31hPYY(3−36)、Ile30Ser32hPYY(3−36)、Ile30Lys33hPYY(3−36)、Ile30Asn34hPYY(3−36)、Ile30Lys35hPYY(3−36)、Ile30Thr36hPYY(3−36)、Ile30Phe36hPYY(3−36)、Val30Ser32hPYY(3−36)、Val30Lys33hPYY(3−36)、Val30Asn34hPYY(3−36)、Val30Lys35hPYY(3−36)、Val30Thr36hPYY(3−36)、Ile31Ser32hPYY(3−36)、Ile31Lys33hPYY(3−36)、Ile31Asn34hPYY(3−36)、Ile31Lys35hPYY(3−36)、Ile31Thr36hPYY(3−36)、Ile31Phe36hPYY(3−36)、Leu31Ser32hPYY(3−36)、Leu31Lys33hPYY(3−36)、Leu31Asn34hPYY(3−36)、Leu31Lys35hPYY(3−36)、Leu31Thr36hPYY(3−36)、Ser32Lys33hPYY(3−36)、Ser32Asn34hPYY(3−36)、Ser32Lys35hPYY(3−36)、Ser32Thr36hPYY(3−36)、Ser32Phe36hPYY(3−36)、Lys33Asn34hPYY(3−36)、Lys33Lys35hPYY(3−36)、Lys33Thr36hPYY(3−36)、Lys33Phe36hPYY(3−36)、Asn34Lys35hPYY(3−36)、Asn34Phe36hPYY(3−36)、Lys35Thr36hPYY(3−36)、Lys35Phe36hPYY(3−36)、Thr27hPYY(4−36)、Phe27hPYY(4−36)、Ile28hPYY(4−36)、Val28hPYY(4−36)、Gln29hPYY(4−36)、Ile30hPYY(4−36)、Val30hPYY(4−36)、Ile31hPYY(4−36)、Leu31hPYY(4−36)、Ser32hPYY(4−36)、Lys33hPYY(4−36)、Asn34hPYY(4−36)、Lys35hPYY(4−36)、Thr36hPYY(4−36)、Phe36hPYY(4−36)、Lys25Thr27hPYY(4−36)、Lys25Phe27hPYY(4−36)、Lys25Ile28hPYY(4−36)、Lys25Val28hPYY(4−36)、Lys25Gln29hPYY(4−36)、Lys25Ile30hPYY(4−36)、Lys25Val30hPYY(4−36)、Lys25Ile31hPYY(4−36)、Lys25Leu31hPYY(4−36)、Lys25Ser32hPYY(4−36)、Lys25Lys33hPYY(4−36)、Lys25Asn24hPYY(4−36)、Lys25Lys35hPYY(4−36)、Lys25Thr36hPYY(4−36)、Lys25Phe36hPYY(4−36)、Thr27Ile28hPYY(4−36)、Thr27Val28hPYY(4−36)、Thr27Gln29hPYY(4−36)、Thr27Ile30hPYY(4−36)、Thr27Val30hPYY(4−36)、Thr27Ile31hPYY(4−36)、Thr27Leu31hPYY(4−36)、Thr27Ser32hPYY(4−36)、Thr27Lys33hPYY(4−36)、Thr27Asn34hPYY(4−36)、Thr27Lys35hPYY(4−36)、Thr27Thr36hPYY(4−36)、Thr27Phe36hPYY(4−36)、Phe27Ile28hPYY(4−36)、Phe27Val28hPYY(4−36)、Phe27Gln29hPYY(4−36)、Phe27Ile30hPYY(4−36)、Phe27Val30hPYY(4−36)、Phe27Ile31hPYY(4−36)、Phe27Leu31hPYY(4−36)、Phe27Ser32hPYY(4−36)、Phe27Lys33hPYY(4−36)、Phe27Asn34hPYY(4−36)、Phe27Lys35hPYY(4−36)、Phe27Thr36hPYY(4−36)、Phe27Phe36hPYY(4−36)、Gln29Ile30hPYY(4−36)、Gln29Val30hPYY(4−36)、Gln29Ile31hPYY(4−36)、Gln29Leu31hPYY(4−36)、Gln29Ser32,hPYY(4−36)Gln29Leu33hPYY(4−36)、Gln29Asn34hPYY(4−36)、Gln29Leu35hPYY(4−36)、Gln29Thr36hPYY(4−36)、Gln29Phe36hPYY(4−36)、Ile30Ile31hPYY(4−36)、Ile30Leu31hPYY(4−36)、Ile30Ser32hPYY(4−36)、Ile30Lys33hPYY(4−36)、Ile30Asn34hPYY(4−36)、Ile30Lys35hPYY(4−36)、Ile30Thr36hPYY(4−36)、Ile30Phe36hPYY(4−36)、Val30Ile31hPYY(4−36)、Val30Leu31hPYY(4−36)、Val30Ser32hPYY(4−36)、Val30Lys33hPYY(4−36)、Val30Asn34hPYY(4−36)、Val30Lys35hPYY(4−36)、Val30Thr36hPYY(4−36)、Val30Phe36hPYY(4−36)、Ile31Ser32hPYY(4−36)、Ile31Lys33hPYY(4−36)、Ile31Asn34hPYY(4−36)、Ile31Lys35hPYY(4−36)、Ile31Thr36hPYY(4−36)、Leu31Phe36hPYY(4−36)、Leu31Phe36hPYY(4−36)、Leu31Ser32hPYY(4−36)、Val31


ys33hPYY(4−36)、Leu31Asn34hPYY(4−36)、Leu31Lys35hPYY(4−36)、Leu31Thr36hPYY(4−36)、Leu31Phe36hPYY(4−36)、Ser32Lys33hPYY(4−36)、Ser32Asn34hPYY(4−36)、Ser32Lys35hPYY(4−36)、Ser32Thr36hPYY(4−36)、Ser32Phe36hPYY(4−36)、Lys33Asn34hPYY(4−36)、Lys33Lys35hPYY(4−36)、Lys33Thr36hPYY(4−36)、Lys33Phe36hPYY(4−36)、Asn34Lys35hPYY(4−36)、Asn34Phe36hPYY(4−36)、Lys35Thr36hPYY(4−36)、Lys35Phe36hPYY(4−36)、Thr27hPYY(5−36)、Phe27hPYY(5−36)、Ile28hPYY(5−36)、Val28hPYY(5−36)、Gln29hPYY(5−36)、Ile30hPYY(5−36)、Val30hPYY(5−36)、Ile31hPYY(5−36)、Leu31hPYY(5−36)、Ser32hPYY(5−36)、Lys33hPYY(5−36)、Asn34hPYY(5−36)、Lys35hPYY(5−36)、Thr36hPYY(5−36)、Phe36hPYY(5−36)、Lys25Thr27hPYY(5−36)、Lys25Phe27hPYY(5−36)、Lys25Ile28hPYY(5−36)、Lys25Val28hPYY(5−36)、Lys25Gln29hPYY(5−36)、Lys25Ile30hPYY(5−36)、Lys25Val30hPYY(5−36)、Lys25Ile31hPYY(5−36)、Lys25Leu31hPYY(5−36)、Lys25Ser32hPYY(5−36)、Lys25Lys33hPYY(5−36)、Lys25Asn24hPYY(5−36)、Lys25Lys35hPYY(5−36)、Lys25Thr36hPYY(5−36)、Lys25Phe36hPYY(5−36)、Thr27Ile28hPYY(5−36)、Thr27Val28hPYY(5−36)、Thr27Gln29hPYY(5−36)、Thr27Ile30hPYY(5−36)、Thr27Val30hPYY(5−36)、Thr27Ile31hPYY(5−36)、Thr27Leu31hPYY(5−36)、Thr27Ser32hPYY(5−36)、Thr27Lys33hPYY(5−36)、Thr27Asn34hPYY(5−36)、Thr27Lys35hPYY(5−36)、Thr27Thr36hPYY(5−36)、Thr27Phe36hPYY(5−36)、Phe27Ile28hPYY(5−36)、Phe27Val28hPYY(5−36)、Phe27Gln29hPYY(5−36)、Phe27Ile30hPYY(5−36)、Phe27Val30hPYY(5−36)、Phe27Ile31hPYY(5−36)、Phe27Leu31hPYY(5−36)、Phe27Ser32hPYY(5−36)、Phe27Lys33hPYY(5−36)、Phe27Asn34hPYY(5−36)、Phe27Lys35hPYY(5−36)、Phe27Thr36hPYY(5−36)、Phe27Phe36hPYY(5−36)、Gln29Ile30hPYY(5−36)、Gln29Val30hPYY(5−36)、Gln29Ile31hPYY(5−36)、Gln29Leu31hPYY(5−36)、Gln29Ser32,hPYY(5−36)Gln29Leu33hPYY(5−36)、Gln29Asn34hPYY(5−36)、Gln29Leu35hPYY(5−36)、Gln29Thr36hPYY(5−36)、Gln29Phe36hPYY(5−36)、Ile30Ile31hPYY(5−36)、Ile30Leu31hPYY(5−36)、Ile30Ser32hPYY(5−36)、Ile30Lys33hPYY(5−36)、Ile30Asn34hPYY(5−36)、Ile30Lys35hPYY(5−36)、Ile30Thr36hPYY(5−36)、Ile30Phe36hPYY(5−36)、Val30Ile31hPYY(5−36)、Val30Leu31hPYY(5−36)、Val30Ser32hPYY(5−36)、Val30Lys33hPYY(5−36)、Val30Asn34hPYY(5−36)、Val30Lys35hPYY(5−36)、Val30Thr36hPYY(5−36)、Val30Phe36hPYY(5−36)、Ile31Ser32hPYY(5−36)、Ile31Lys33hPYY(5−36)、Ile31Asn34hPYY(5−36)、Ile31Lys35hPYY(5−36)、Ile31Thr36hPYY(5−36)、Leu31Phe36hPYY(5−36)、Leu31Phe36hPYY(5−36)、Leu31Ser32hPYY(5−36)、Val31Lys33hPYY(5−36)、Leu31Asn34hPYY(5−36)、Leu31Lys35hPYY(5−36)、Leu31Thr36hPYY(5−36)、Leu31Phe36hPYY(5−36)、Ser32Lys33hPYY(5−36)、Ser32Asn34hPYY(5−36)、Ser32Lys35hPYY(5−36)、Ser32Thr36hPYY(5−36)、Ser32Phe36hPYY(5−36)、Lys33Asn34hPYY(5−36)、Lys33Lys35hPYY(5−36)、Lys33Thr36hPYY(5−36)、Lys33Phe36hPYY(5−36)、Asn34Lys35hPYY(5−36)、Asn34Phe36hPYY(5−36)、Lys35Thr36hPYY(5−36)、もしくはLys35Phe36hPYY(5−36)も含まない。
別の実施形態では、本発明のPPFポリペプチドは、非天然のアミノ酸残基を全く含まず、hPYYのC末端の尾部モチーフを含む。C末端の尾部モチーフは、hPYYの例えばThr、Arg、Gln、Argといった32−35アミノ酸残基を含んでもよい(配列番号351)。前記の実施形態では、本発明のPPFポリペプチドは天然のPPFポリペプチド(例えば、NPY(1−36)、NPY(3−36)、PYY(1−36)、PYY(3−36))、NPY(2−36)、PYY(4−36)、PYY(5−36))、(2−36)NPY、(2−36)PYY、Gln34hPP、Ile31Gln34PP、AlaNPY、TyrNPY、AlaNPY、LeuNPY、PheNPY、HisNPY、AlaNPY、AlaNPY、AlaNPY、TyrpNPY、AlaNPY、AlaNPY、Ala10NPY、Ala11NPY、Gly12NPY、Ala13NPY、Gly14NPY、Ala15NPY、Ala16NPY、Ala17NPY、Gly18NPY Ala19NPY、Lys19NPY、Ala20NPY、Ala21NPY、Ala22NPY、Gly23NPY、Ala24NPY、Trp24pNPY、Ala25NPY、Lys25NPY、Ala26NPY、Ala27NPY、Phe27NPY、Ala28NPY、Ala29NPY、Gln29NPY、Ala30NPY、Phe30NPY、Ala31NPY、Trp31pNPY、Ala36NPY、Phe36NPY、His36NPY、Ahx(9−22)pNPY、Ahx(9−17)pNPY、des−AA(10−17)−pNPY、des−AA(10−17)−Cys2,27−pNPY des−AA(10−17)−Ala7,21−pNPY、des−AA(10−17)−Cys7,21−pNPY、des−AA(10−17)−GluLys21−pNPY、Lys25hPYY(5−36)、ArghPYY(4−36)、GlnhPYY(4−36)、AsnhPYY(4−36)、Lys25hPYY(4−36)、LeuhPYY(3−36)、ValhPYY(3−36)、Lys25hPYY(3−36)、Tyr1,36pPYY、Pro13Ala14hPYY、FMS−PYY、FMS−PYY(3−36)、Fmoc−PYY、Fmoc−PYY(3−36)、FMS−PYY、FMS−PYY(3−36)、Fmoc−PYY、Fmoc−PYY(3−36)、hPP(1−7)−pNPY、hPP(1−17)−pNPY、hPP(19−23)−pNPY、rPP(19−23)−pNPY、hPP(1−7)−pNPY、hPP(1−17)−pNPY、hPP(19−23)−pNPY、rPP(19−23)−pNPY、pNPY(19−23)−Gln34hPP、pNPY(19−23)−PheGln34hPP、もしくはpNPY(1−7,19−23)−Gln34hPP)を全く含まない。
別の態様では、hPYYのC末端の尾部モチーフを含む本発明の前述のPPFポリペプチドは、Thr27hPYY(3−36)、Ile30hPYY(3−36)、Thr36hPYY(3−36)、Lys25Thr27hPYY(3−36)、Lys25Ile30hPYY(3−36)、Lys25Asn24hPYY(3−36)、Lys25Thr36hPYY(3−36)、Thr27Ile28hPYY(3−36)、Thr27Val28hPYY(3−36)、Thr27Gln29hPYY(3−36)、Thr27Ile30hPYY(3−36)、Thr27Val30hPYY(3−36)、Thr27Ile31hPYY(3−36)、Thr27Leu31hPYY(3−36)、Thr27Thr36hPYY(3−36)、Thr27Phe36hPYY(3−36)、Phe27Ile30hPYY(3−36)、Phe27Thr36hPYY(3−36)、Gln29Ile30hPYY(3−36)、Gln29Thr36hPYY(3−36)、Ile30Ile31hPYY(3−36)、Ile30Leu31hPYY(3−36)、Ile30Thr36hPYY(3−36)、Ile30Phe36hPYY(3−36)、Val30Thr36hPYY(3−36)、Ile31Thr36hPYY(3−36)、Ile31Phe36hPYY(3−36)、Leu31Thr36hPYY(3−36)、Thr27hPYY(4−36)、Phe27hPYY(4−36)、Ile28hPYY(4−36)、Val28hPYY(4−36)、Gln29hPYY(4−36)、Ile30hPYY(4−36)、Val30hPYY(4−36)、Ile31hPYY(4−36)、Leu31hPYY(4−36)、Thr36hPYY(4−36)、Phe36hPYY(4−36)、Lys25Thr27hPYY(4−36)、Lys25Phe27hPYY(4−36)、Lys25Ile28hPYY(4−36)、Lys25Val28hPYY(4−36)、Lys25Gln29hPYY(4−36)、Lys25Ile30hPYY(4−36)、Lys25Val30hPYY(4−36)、Lys25Ile31hPYY(4−36)、Lys25Leu31hPYY(4−36)、Lys25Thr36hPYY(4−36)、Lys25Phe36hPYY(4−36)、Thr27Ile28hPYY(4−36)、Thr27Val28hPYY(4−36)、Thr27Gln29hPYY(4−36)、Thr27Ile30hPYY(4−36)、Thr27Val30hPYY(4−36)、Thr27Ile31hPYY(4−36)、Thr27Leu31hPYY(4−36)、Thr27Thr36hPYY(4−36)、Thr27Phe36hPYY(4−36)、Phe27Ile28hPYY(4−36)、Phe27Val28hPYY(4−36)、Phe27Gln29hPYY(4−36)、Phe27Ile30hPYY(4−36)、Phe27Val30hPYY(4−36)、Phe27Ile31hPYY(4−36)、Phe27Leu31hPYY(4−36)、Phe27Thr36hPYY(4−36)、Phe27Phe36hPYY(4−36)、Gln29Ile30hPYY(4−36)、Gln29Val30hPYY(4−36)、Gln29Ile31hPYY(4−36)、Gln29Leu31hPYY(4−36)、Gln29Thr36hPYY(4−36)、Gln29Phe36hPYY(4−36)、Ile30Ile31hPYY(4−36)、Ile30Leu31hPYY(4−36)、Ile30Thr36hPYY(4−36)、Ile30Phe36hPYY(4−36)、Val30Ile31hPYY(4−36)、Val30Leu31hPYY(4−36)、Val30Thr36hPYY(4−36)、Val30Phe36hPYY(4−36)、Ile31Thr36hPYY(4−36)、Leu31Phe36hPYY(4−36)、Leu31Phe36hPYY(4−36)、Leu31Thr36hPYY(4−36)、Leu31Phe36hPYY(4−36)、Thr27hPYY(5−36)、Phe27hPYY(5−36)、Ile28hPYY(5−36)、Val28hPYY(5−36)、Gln29hPYY(5−36)、Ile30hPYY(5−36)、Val30hPYY(5−36)、Ile31hPYY(5−36)、Leu31hPYY(5−36)、Thr36hPYY(5−36)、Phe36hPYY(5−36)、Lys25Thr27hPYY(5−36)、Lys25Phe27hPYY(5−36)、Lys25Ile28hPYY(5−36)、Lys25Val28hPYY(5−36)、Lys25Gln29hPYY(5−36)、Lys25Ile30hPYY(5−36)、Lys25Val30hPYY(5−36)、Lys25Ile31hPYY(5−36)、Lys25Leu31hPYY(5−36)、Lys25Thr36hPYY(5−36)、Lys25Phe36hPYY(5−36)、Thr27Ile28hPYY(5−36)、Thr27Val28hPYY(5−36)、Thr27Gln29hPYY(5−36)、Thr27Ile30hPYY(5−36)、Thr27Val30hPYY(5−36)、Thr27Ile31hPYY(5−36)、Thr27Leu31hPYY(5−36)、Thr27Thr36hPYY(5−36)、Thr27Phe36hPYY(5−36)、Phe27Ile28hPYY(5−36)、Phe27Val28hPYY(5−36)、Phe27Gln29hPYY(5−36)、Phe27Ile30hPYY(5−36)、Phe27Val30hPYY(5−36)、Phe27Ile31hPYY(5−36)、Phe27Leu31hPYY(5−36)、Phe27Thr36hPYY(5−36)、Phe27Phe36hPYY(5−36)、Gln29Ile30hPYY(5−36)、Gln29Val30hPYY(5−36)、Gln29Ile31hPYY(5−36)、Gln29Leu31hPYY(5−36)、Gln29Thr36hPYY(5−36)、Gln29Phe36hPYY(5−36)、Ile30Ile31hPYY(5−36)、Ile30Leu31hPYY(5−36)、Ile30Thr36hPYY(5−36)、Ile30Phe36hPYY(5−36)、Val30Ile31hPYY(5−36)、Val30Leu31hPYY(5−36)、Val30Thr36hPYY(5−36)、Val30Phe36hPYY(5−36)、Ile31Thr36hPYY(5−36)、Leu31Phe36hPYY(5−36)、Leu31Phe36hPYY(5−36)、Leu31Thr36hPYY(5−36)、Leu31Phe36hPYY(5−36)も含まない。
さらに別の実施形態では、本発明のPPFポリペプチドは、参照して本明細書に全体を組み入れる国際公開第03/026591号および国際公開第03/057235号で開示されたPPF関連ポリペプチドを含まない。
別の実施形態では、本発明のポリペプチドは少なくとも34アミノ酸の長さである。その他の実施形態では、PPFポリペプチドは少なくとも21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、もしくは33アミノ酸の長さである。さらにある実施形態では、本発明のポリペプチドは天然のLアミノ酸残基および/または改変された天然のLアミノ酸残基のみを含む。あるいは別の実施形態では、本発明のポリペプチドは非天然のアミノ酸残基を含まない。
さらに別の実施形態では、本発明のPPFポリペプチドは、PYY(3−36)の全長にわたって天然のPYY(3−36)と少なくとも60%、65%、70%、80%、もしくは90%の配列相同性を示す。本発明の前記のPPFポリペプチドは、天然のPPと少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも94%、もしくは少なくとも97%の配列相同性を示す可能性もある。別の実施形態では、本発明の前記のPPFポリペプチドは、天然のNPYと少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも94%、もしくは少なくとも97%の配列相同性を示す可能性がある。
より詳しくは、ある態様では、本発明はN末端のポリプロリンPPFモチーフとC末端の尾部PPFモチーフを含んだ少なくとも二つのPPFモチーフも含み、非天然アミノ酸残基を全く含まないPPFポリペプチドである新規PPFポリペプチドに関する。前記の本発明のPPFポリペプチドは、PYY(3−36)の全長にわたって天然のPYY(3−36)と少なくとも50%の配列相同性を示す。一部の実施形態では、前記のPPFポリペプチドは少なくとも34アミノ酸残基を有する。一部の実施形態では、本発明のPPFポリペプチドは、PYY(3−36)の全長にわたって天然のPYY(3−36)と少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも94%、もしくは少なくとも97%の配列相同性を示す。前記の本発明のPPFポリペプチドは、天然のPPと少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも94%、もしくは少なくとも97%の配列相同性を示してもよい。一部の実施形態では、PPFポリペプチドは10以下、5以下、3以下、2以下、もしくは1以下のアミノ酸置換を含んでもよい。さらに別の実施形態では、前記の本発明のPPFポリペプチドは、天然のNPYと少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも94%、もしくは少なくとも97%の配列相同性を示してもよい。
別の態様では、本発明のPPFポリペプチドは、PYYアナログポリペプチドを含む。さらに別の態様では、本発明のPPFポリペプチドは、各PP、PYY、またはNPYポリペプチド断片がPPFモチーフを含む、一つ以上のPP、PYY、またはNPYポリペプチドの追加断片に共有結合した、PP、PYY、またはNPYポリペプチドの断片からなるPPFキメラポリペプチドを含む。前記の本発明のPPFアナログポリペプチドとPPFキメラポリペプチドは、PYY(3−36)の全長にわたって天然のPYY(3−36)と少なくとも50%の配列相同性を示す。また一部の実施形態において、前記の本発明のPPFポリペプチドは、PYY(3−36)の全長にわたって天然のPYY(3−36)と少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも94%、もしくは少なくとも97%の配列相同性を示してもよい。前記の本発明のPPFポリペプチドは、天然のPPと少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも94%、もしくは少なくとも97%の配列相同性を示してもよい。さらに別の実施形態では、前記の本発明のPPFポリペプチドは、天然のNPYと少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも94%、もしくは少なくとも97%の配列相同性を示す。ある実施形態では、望ましいPPFポリペプチドは、NPYのC末端断片との組合せでPPのN末端断片を含まない可能性がある。
本発明において有用なPPFポリペプチドは、特定の活性について天然の化合物よりもより高いもしくはより低いPPF活性を有する可能性がある。従って、例えばPYY作動薬は、天然のPYYの3倍、5倍、10倍、50倍、100倍、500倍、1000倍、もしくはそれ以上の活性を有する可能性がある。さらに、天然のPYYと同様もしくはそれ以上の活性を有するPYY作動薬を使用するのが望ましいものの、一般の当業者は、天然のPYYより低い活性を有する作動薬も本発明において有用であることを理解するだろう。前記の作動薬は、例えば、天然のPYYの、2分の1から、5分の1、10分の1、15分の1、もしくは20分の1のいずれかの活性を有するが、例えば溶解性、生物学的利用率、製造または製剤の容易さ、あるいは副作用の少なさといった別の望ましい特徴を有する可能性がある。一部の実施形態では、本発明で有用はPPFポリペプチドは、PYY拮抗薬である場合もある。
PYY作動薬の例、特にPYYアナログ作動薬もしくは作動薬アナログ(PYYのアナログと誘導体)は、参照して本明細書に全体として組み入れる米国特許第5,574,010号、国際公開第04/089279号、国際公開第04/066966号、国際公開第03/057235号、国際公開第03/026591号、国際公開第98/20885号、国際公開第94/22467号に述べられている。別のPYYアナログ作動薬の例は、Balasubramaniam et al.,Pept Res 1(1):32−5,1998,Balasubramaniam et al.,Peptides 14:1011−1016,1993,Boublik et al.,J.Med.Chem 32:597−601,1989,Liu et al.,J.Gastrointest Surg 5(2):147−52,2001,Gehlert et al.,Proc Soc Exp Biol Med,218:7−22,1998,Sheikh et al.,Am J Physiol.261:G701−15,1991,Potter et al.,Eur J Pharmacol 267(3):253−362,1994,Lebon et al.,J.Med.Chem 38:1150−57,1995,Fournier et al.,Mol Pharmacol 45(1):93−101,1994,Kirby et al.,J.Med Chem 38:4579−86,1995,Beck et al.,FEBS Letters 244(1):119−122,1989,Rist et al.,Eur J Biochemistry 247:1019−1028,1997,Soll et al.,Eur J Biochem 268(10):2828−37,2001,Cabrele et al.,J Pept Sci 6(3):97−122,2000,Balasubramaniam et al.,J Med Chem 43:3420−3427,2000,Kirby et al.,J Med Chem 36:3802−08,1993,Grundemar et al.,Regulatory Peptides 62:131−136,1996,Feinstein et al.J Med Chem 35:2836−2843,1992,Cox et al.Regulatory Peptides 75−76:3−8,1998,Cabrele et al.,Peptides 22:365−378,2001,Keire et al.Biochemistry 39:9935−9942,2000,Keire et al.Am.J.Physiol Gastrointest Liver Physiol 279:G126−G131,2000に述べられており、参照して本明細書に組み入れられる。
PYY、NPY、およびPPは、胃腸機能、血圧、および摂食行動の調節に関与するアミド化C末端ペプチドのファミリーを構成している。理論による限定の意図なしに、Y受容体サブタイプへの選択的な結合と活性化に対するこれらのペプチドの能力は、「PP−fold」と呼ばれる構造を含む、安定な溶液構造に強く依存すると考えられる。表1(下)は、既知の受容体でのPPファミリーリガンドの効力と様々なリガンドの効力の順位を示す。
(表1. PPファミリーの受容体に対する受容体の薬効薬理のまとめ)
Figure 2008534435
研究は、Y受容体の結合親和性の違いが二次および三次構造の違いと相関していることを示唆した。例として、Keire et al.,Biochemistry 2000,39,9935−9942を参照。天然のブタPYYは、残基17から22と25から33の、残基23、24および25でのねじれで隔てられた二つのC末端へリックス状断片、残基12−14辺りを中心とするターン、および残基30と31近くの折りたたまれたN末端を含むと特徴付けられてきた。さらに、全長のブタPYYは、N末端とC末端で残基間の疎水性相互作用によって安定化されるPP−foldを含むと特徴付けられてきた。前出を参照のこと。
「PP」は、任意の種から得られたもしくは由来する膵臓ペプチドポリペプチドを意味する。従って、「PP」の用語は、配列番号1に示されたような36アミノ酸のヒトの全長ペプチドと、例えば、マウス、ハムスター、ニワトリ、ウシ、ラット、イヌのPPを含む、様々な種のPPの両方を含む。この意味で、「PP」「野生型PP」および改変されていないPPである「天然PP」は互換的に用いられる。
「NPY」は、任意の種から得られたもしくは由来するニューロペプチドYポリペプチドを意味する。従って、「NPY」の用語は、配列番号4に示されたような36アミノ酸のヒトの全長ペプチドと、例えば、マウス、ハムスター、ニワトリ、ウシ、ラット、イヌのNPYを含む、様々な種のNPYの両方を含む。この意味で、「NPY」「野生型NPY」および改変されていないNPYである「天然NPY」は互換的に用いられる。
「PYY」は、任意の種から得られたもしくは由来するペプチドYYポリペプチドを意味する。従って、「PYY」の用語は、配列番号2に示されたような36アミノ酸のヒトの全長ペプチドと、例えば、マウス、ハムスター、ニワトリ、ウシ、ラット、イヌのPYYを含む、様々な種のPYYの両方を含む。この意味で、「PYY」「野生型PYY」および改変されていないPYYである「天然PYY」は互換的に用いられる(配列番号2)。本発明の文脈では、本発明のPYYアナログポリペプチドに関して論じられる改変の全ては天然のヒトPYYの36アミノ酸配列(配列番号2)に基づいている。
「PP作動薬」、「PYY作動薬」もしくは「NPY作動薬」は、それぞれ天然のヒトPP、PYY、またはNPYの生物学活性を誘発する化合物を意味する。一部の実施形態では、この用語は例えば、(1)摂食、胃内容排出、膵臓分泌物、もしくは減量のアッセイにおいて、天然のヒトPP、PYY、もしくはNPYと同様の活性を有する化合物、および/または(2)例えば最後野などの、Y受容体が豊富な特定の組織由来の標識したPP、PYY、PYY(3−36)、もしくはNPYを用いたY受容体アッセイ、もしくは競合結合アッセイにおいて特異的に結合する化合物といった、天然のヒトPP、PYY、もしくはNPYと同様の、栄養素利用性の減少に生物学作用を誘発する化合物を意味する。一部の実施形態において、作動薬はPP、PYY、PYY(3−36)、および/またはNPYではない。一部の実施形態において、作動薬は、前記のアッセイにおいて1μMより親和性が高い結合をする。一部の実施形態において、作動薬は、前記のアッセイにおいて1−5nMより親和性が高い結合をする。前記の作動薬は、PPFモチーフ、PP、PYY、もしくはNPYの活性断片、または化学小分子を有するポリペプチドを含んでもよい。
PYY、PYY(3−36)、もしくはその作動薬は、技術的に可能なようにその他の特徴を改変するためにN末端、C末端、および/またはその長さに沿って改変されてもよい。上述のように、挿入、延長、または置換がその他の天然アミノ酸、人工アミノ酸、ペプチド模倣薬、またはその他の化合物にあってもよい。本発明のアナログポリペプチドは、例えばアミド化、グリコシル化、アシル化、硫酸化、リン酸化、アセチル化、および環化といった化学変換によって誘導体化されてもよい。前記の化学変換は、化学的もしくは生化学的な方法、またインビボの過程を通じて、またはその任意の組合せで得られてもよい。本発明のアナログポリペプチドの誘導体は、一つ以上のポリマーもしくは小分子置換基への結合を含んでもよい。あるタイプのポリマー結合は、ポリエチレングリコール(「PEG」)ポリマー、ポリアミノ酸(例えば、ポリhis、ポリarg、ポリlys、ポリalaなど)および/または様々な長さの脂肪酸鎖のポリペプチドアナログのN末端もしくはC末端またはアミノ酸残基側鎖への架橋もしくは付着である。小分子置換基は、短いアルキルおよび拘束されたアルキル(例えば分岐、環状、融合、アダマンチル化した)、および芳香族基を含む。
「低下した栄養素利用性」とは、体が脂肪として体に貯蔵するために利用可能な栄養素を減少させる任意の意味を含むよう意味する。栄養素利用性の減少は、食欲の減少、満腹の増進、食物の選択/味覚嫌悪への影響、代謝の増進、および/または食物の吸収減少もしくは阻害を含めて意味してもよいが、それに限定されない。影響され得る典型的な機構は、胃内容排出の遅延もしくは腸での食物吸収の減少等である。
「増進した栄養素利用性」とは、体が脂肪として体に貯蔵するために利用可能な栄養素を増加させる任意の意味を含めて意味する。栄養素利用性の増進は、食欲の増進、満腹の減少、食物の選択への影響、味覚嫌悪の減少、代謝の低下、および/または食物の吸収増加を含めて意味してもよいが、それに限定されない。影響され得る典型的な機構は、胃の運動低下の減少もしくは腸での食物吸収の増加等である。
栄養素利用性を減少させる方法に関しては、本明細書で用いる場合、「それを必要とする対象」とは、過体重もしくは肥満もしくは病的な肥満あるいは減量を望む対象を含む。さらに、インスリン抵抗性、グルコース不耐性、もしくは任意の種類の糖尿病(例えば、1型、2型、もしくは妊娠性糖尿病)を有する対象が、栄養素利用性を低下させる方法の恩恵を受ける可能性がある。
栄養素利用性増進の方法に関しては、本明細書で用いる場合、「それを必要とする対象」とは、低体重の対象や体重増加を望む対象を含む。
「対象」とは、体重もしくは体組成の変化が問題になる可能性があるヒト、霊長類、および、ラット、マウス、ネコやイヌのようなペット、ウマやウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギなどの家畜、およびニワトリ、シチメンチョウ、および、その他の商業的に有用な動物、またはペットを含むその他の哺乳動物を含む任意の動物を意味する。
本明細書において、「食事療法」の語は、対象が食事療法を始める前のカロリー摂取に対して少ないカロリーを摂取する任意の手段を含んで意味する。食事療法の例は、食物消費の全体量を減らす、食事のタンパク質、炭水化物または脂肪成分の任意の一つ以上の消費を減らす、もしくは食事中の炭水化物および/またはタンパク質の比率に対して脂肪の比率を減らすという食事療法を含む可能性があるがそれに限定されない。
「代謝速度」とは、単位時間当たりに解放/消費されたエネルギー量を意味する。単位時間当たりの代謝は、食物消費、熱として放出したエネルギー、もしくは、代謝過程で利用された酸素によって概算することができる。一般的に、減量を望む場合には代謝速度が高いことが望ましい。例えば、代謝速度が高い人は、代謝速度が低い人よりも同じ活動を行うのにより多くのエネルギーを消費できる(例えば、体がより多くのカロリーを燃焼する)可能性がある。
本明細書において、「除脂肪量」もしくは「除脂肪体重」は、筋肉と骨を意味する。除脂肪体重は、必ずしも脂肪を含まない質量ではない。除脂肪体重は、わずかなパーセントの脂肪(およそ3%)を中枢神経系(脳と脊髄)、骨髄、および内臓に含む。除脂肪体重は密度の観点から測定される。脂肪量と除脂肪量の測定方法は、水中秤量、空気置換プレチスモグラフ、X線、二重エネルギーX線吸収法スキャン、磁気共鳴映像法(MRI)、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、断熱式ボンベ熱量法を含むがそれに限定されない。一部の実施形態では、体組成は齧歯動物用NMR装置(EchoMRI−700TM)を用いた処理の前後に測定される。動物を拘束チューブ内に置き、NMR内に2分間置き、脂肪量と除脂肪量のグラム数を定量する。一部の実施形態では、各動物の体組成(除脂肪量、脂肪量)を二重エネルギーX線吸収(DEXA)装置を用いて、メーカーの取扱書に従って解析する(Lunar Piximus、GE Imaging System)。一部の実施形態では、脂肪量と除脂肪量は、水中秤量を用いて測定する。一部の実施形態では、体組成はMRIを用いて測定する。一部の実施形態では、体組成はCTスキャンを用いて測定する。一部の実施形態では、体組成は断熱式ボンベ熱量法を用いて測定する。一部の実施形態では、体組成はX線を用いて測定する。一部の実施形態では、体組成は空気置換プレチスモグラフを用いて測定する。一部の実施形態では、対象動物の屠殺時に腹膜後方と腸間膜の脂肪体、内臓脂肪症のマーカーを解剖して取り出し、秤量した。
「脂肪分布」とは、体内の脂肪の蓄積場所を意味する。前記の脂肪の蓄積場所は、例えば、皮下、内臓、および異所性の脂肪組織を含む。
「皮下脂肪」とは、皮膚表面直下の脂質の蓄積を意味する。対象の皮下脂肪の量は、皮下脂肪の測定に利用可能な任意の方法を用いて測定してよい。皮下脂肪の測定方法は当業者に知られており、例えば、全体を参照して本明細書に組み入れられる米国特許第6,530,886号で述べられている。
「内臓脂肪」は、腹腔内脂肪組織としての脂肪の蓄積を意味する。内臓脂肪は重要臓器を取り巻き、肝臓で代謝されて血中コレステロールを産生し得る。内臓脂肪は、多嚢胞性卵巣症候群、メタボリック症候群、心臓血管疾患などといった状態の危険性増加と関連している。
「異所性の脂肪蓄積」とは、除脂肪体重を構成する組織と臓器(骨格筋、心臓、肝臓、膵臓、腎臓、血管)の内部と周辺の脂質の蓄積を意味する。一般的に、異所性の脂肪蓄積は、体内の古典的な脂肪組織外の脂質の蓄積である。
本明細書において、当業者によく知られているように、「治療」とは臨床的結果を含む有益もしくは望ましい結果を得るための取り組みである。疾患、障害、もしくは状態の「治療」もしくは「緩和」は、状態、障害、もしくは疾患状態の程度および/または望ましくない臨床徴候が、障害が治療されなかった場合と比べて低減および/または進行の時間的経過が遅くなる、もしくは長くなることを意味する。例えば、肥満の治療において、例えば少なくとも5%の体重減少といった体重減少が望ましい治療結果の例である。有益な、もしくは望ましい臨床結果は、検出可能か否かに関わりなく、一つ以上の症状の緩和もしくは改善、疾患範囲の縮小、疾患の安定した状態(即ち、悪化していない)、疾患の進行の遅延もしくは減速、疾患状態の改善もしくは緩和、および(部分的か完全かに関わらず)回復を含むがそれに限定されない。「治療」は、治療を受けない場合に期待される生存と比較して生存を延長することも意味する。さらに、治療は必ずしも単回の投与によって生じるとは限らず、しばしば一連の用量の投与で生じる。従って、治療的有効量、緩和に十分な量、または疾患、障害、もしくは状態の治療に十分な量は、1回以上の投与で投与される。
本明細書において、「治療的有効量」とは、対象、研究者、獣医、医師、もしくはその他の臨床医学者が求める、治療される障害の症状の緩和を含む、組織、システム、対象もしくはヒトにおける生物学的もしくは医学的反応を誘発する組成物中のPFFポリペプチド量を意味する。本発明の新規の治療方法は、当業者に知られている障害のための治療法である。
本明細書において、「予防的有効量」とは、肥満もしくは肥満関連の障害、状態、もしくは疾患の恐れがある対象における肥満もしくは肥満に関連した障害、状態または疾患の発生を予防するために、対象、研究者、獣医、医師、もしくはその他の臨床医学者が求める、組織、システム、対象もしくはヒトにおける生物学的もしくは医学的反応を誘発する組成物中の活性化合物量を意味する。
本明細書において、単数による記載は、他に示されない限り、もしくは文脈から明らかでない限り、複数の参照を含む。例えば、文脈から明らかなように、PYY作動薬は、一つ以上のPYY作動薬を含む可能性がある。
「アミノ酸」および「アミノ酸残基」は、天然アミノ酸、非天然アミノ酸、および改変されたアミノ酸を意味する。これと異なる記載がない限り、一般的もしくは特定の名前でのアミノ酸についてのいずれの言及も、構造的に立体異性体が可能であればDおよびLの立体異性体の両方への言及を含む。天然アミノ酸は、アラニン(Ala)、アルギニン(Arg)、アスパラギン(Asn)アスパラギン酸(Asp)、システイン(Cys)、グルタミン(Gln)、グルタミン酸(Glu)、グリシン(Gly)、ヒスチジン(His)、イソロイシン(Ile)、ロイシン(Leu)、リジン(Lys)、メチオニン(Met)、フェニルアラニン(Phe)、プロリン(Pro)、セリン(Ser)、スレオニン(Thr)、トリプトファン(Trp)、チロシン(Tyr)、およびバリン(Val)を含む。非天然アミノ酸はホモリジン、ホモアルギニン、アゼチジンカルボン酸、2−アミノアジピン酸、3−アミノアジピン酸、βアラニン、アミノプロピオン酸、2−アミノ酪酸、4−アミノ酪酸、6−アミノカプロン酸、2−アミノヘプタン酸、2−アミノイソ酪酸、3−アミノイソ酪酸、2−アミノピメリン酸、第三ブチルグリシン、2,4−ジアミノイソ酪酸、デスモシン、2,2’−ジアミノピメリン酸、2,3−ジアミノプロピオン酸、N−エチルグリシン、N−エチルアスパラギン、ホモプロリン、ヒドロキシリジン、アロヒドロキシリジン、3−ヒドロキシプロリン、4−ヒドロキシプロリン、イソデスモシン、アロイソロイシン、N−メチルアラニン、N−メチルグリシン、N−メチルイソロイシン、N−メチルペンチルグリシン、N−メチルバリン、ナフタラニン、ノルバリン、ノルロイシン、オルニチン、ペンチルグリシン、ピペコリン酸、チオプロリン、サルコシン、およびシトルリンを含むがそれに限定されない。追加の非天然アミノ酸は、例えば、側鎖の官能基が別の官能基に化学的に改変されたN−メチル化DおよびLアミノ酸、もしくは残基である、可逆的もしくは不可逆的に化学的にブロックされ改変された、またはN末端アミノ基もしくは側鎖基が化学的に改変された改変アミノ酸残基を含む。例えば、改変されたアミノ酸は、メチオニンスルホキシド、メチオニンスルホン、アスパラギン酸の改変アミノ酸であるアスパラギン酸(βメチルエステル)、グリシンの改変アミノ酸であるN−エチルグリシン、もしくは、アラニンの改変アミノ酸であるアラニンカルボキサミドを含む。組み込まれる可能性がある追加の残基は、Sandberg et al.,J.Med.Chem.41:2481−91,1998に述べられている。
「Ahx」は、6−アミノヘキサン酸を意味する。
PPFの特定のヒトペプチド配列は、以下の通りである(通常の一文字アミノ酸コードで示す)。
PP:APLEPVYPGD NATPEQMAQY AADLRRYINM LTRPRY(配列番号1)
PYY:YPIKPEAPGE DASPEELNRY YASLRHYLNL VTRQRY(配列番号2)
PYY(3−36):IKPEAPGE DASPEELNRY YASLRHYLNL VTRQRY(配列番号3)
NPY:YPSKPDNPGE DAPAEDMARY YSALRHYINL ITRQRY(配列番号4)
ヒトPYYの種ホモログは、配列番号7−29のアミノ酸配列を含む。
前述のように、これらのペプチドは生理的に発現された場合にはC末端がアミド化されているが、本発明の目的のためには必要ではない。言い換えれば、これらのペプチドのC末端、また本発明のPPFポリペプチドは、遊離の−OHもしくは−NH基を有してもよい。これらのペプチドは、その他の翻訳後改変を有してもよい。当業者は、本発明のPPFポリペプチドがN末端メチオニン残基で構成される場合もあることを理解するだろう。
本発明のPPFポリペプチドは、式(I)(配列番号30):
Xaa Xaa Xaa Xaa Pro Xaa Xaa Pro Xaa Xaa10
Xaa11 Xaa12 Xaa13 Xaa14 Xaa15 Xaa16 Xaa17 Xaa18 Xaa19 Tyr
Xaa21 Xaa22 Xaa23 Leu Xaa25 Xaa26 Xaa27 Xaa28 Xaa29 Xaa30
Xaa31 Thr Arg Gln Arg Xaa36
のPPFポリペプチドを含み、
式中、
XaaはTyr、Ala、Phe、Trp、もしくは欠けており、
XaaはPro、Gly、d−Ala、homoPro、hydroxyPro、もしくは欠けており、
XaaはIle、Ala、NorVal、Val、Leu、Pro、Ser、Thもしくは欠けており、
XaaはLys、Ala、Gly、Arg、d−Ala、homoLys、homo−Arg、Glu、Asp、もしくは欠けており、
XaaはGlu、Ala、Val、Asp、Asn、もしくはGln、
XaaはAla、Asn、His、Ser、もしくはTyr、
XaaはGly、Ala Ser、サルコシン、Pro、もしくはAib、
Xaa10はGlu、Ala、Asp、Asn、Gln、Pro、Aib、もしくはGly、
Xaa11はAsp、Ala、Glu、Asn、Gln、Pro、Aib、もしくはGly、
Xaa12はAlaもしくはd−Ala、
Xaa13はSer、Ala、Thr、Pro、もしくはホモセリン、
Xaa14はPro、Ala、ホモプロリン、ヒドロキシプロリン、Aib、もしくはGly、
Xaa15はGlu、Ala、Asp、Asn、Gln、Pro、Aib、もしくはGly、
Xaa16はGlu、Ala、Asp、Asn、もしくはGln、
Xaa17はLeu、Ala、Met、Trp、Ile、Val、もしくはNorVal、
Xaa18はAsn、Asp、Ala、Glu、Gln、Ser、もしくはThr、
Xaa19はArg、Tyr、Lys、Ala、Gln、もしくはN(Me)Ala、
Xaa21はTyr、Ala、Met、Phe、もしくはLeu、
Xaa22はAla、Ser、Thr、もしくはd−Ala、
Xaa23はSer、Ala、Asp、Thr、もしくはホモセリン、
Xaa25はArg、ホモアルギニン、Lys、ホモリジン、Orn、もしくはCit、
Xaa26はHis、Ala、Arg、ホモアルギニン、ホモリジン、Orn、もしくはCit、
Xaa27はTyrもしくはPhe、
Xaa28はLeu、Ile、Val、もしくはAla、
Xaa29はAsnもしくはGln、
Xaa30はLeu、Ala、NorVal、Val、Ile、もしくはMet、
Xaa31はAla、Val、Ile、もしくはLeu、および
Xaa36はTyr、N(Me)Tyr、His、Trp、もしくはPheであり、
前記のPPFポリペプチドは天然のPPFポリペプチド、NPY(2−36)、NPY(4−36)、PYY(2−36)、PYY(4−36)、PP(2−36)、PP(4−36)、AlaNPY、AlaNPY、AlaNPY、AlaNPY、AlaNPY、TyrpNPY、AlaNPY、Ala10NPY、Ala11NPY、Ala13NPY、Gly14NPY、Ala15NPY、Ala16NPY、Ala17NPY、Ala19NPY、Lys19NPY、Ala21NPY、Ala22NPY、Lys25NPY、Ala26NPY、Phe27NPY、Ala28NPY、Gln29NPY、Ala30NPY、Ala31NPY、Phe36NPY、His36NPY、LeuhPYY(3−36)、ValhPYY(3−36)、Lys25hPYY(3−36)、Pro13Ala14hPYY、hPP(1−7)−pNPY、hPP(1−17)−pNPY、TyrNPY、AlaNPY、もしくはhPP(19−23)−pNPYではないという条件である。
別の実施形態では、式IのPPFポリペプチドは、Phe27hPYY(3−36)、Ile28hPYY(3−36)、Val28hPYY(3−36)、Gln29hPYY(3−36)、Val30hPYY(3−36)、Ile31hPYY(3−36)、Leu31hPYY(3−36)、Phe36hPYY(3−36)、Lys25Phe27hPYY(3−36)、Lys25Ile28hPYY(3−36)、Lys25Val28hPYY(3−36)、Lys25Gln29hPYY(3−36)、Lys25Val30hPYY(3−36)、Lys25Ile31hPYY(3−36)、Lys25Leu31hPYY(3−36)、Lys25Phe36hPYY(3−36)、Phe27Ile28hPYY(3−36)、Phe27Val28hPYY(3−36)、Phe27Gln29hPYY(3−36)、Phe27Val30hPYY(3−36)、Phe27Ile31hPYY(3−36)、Phe27Leu31hPYY(3−36)、Phe27Phe36hPYY(3−36)、Gln29Val30hPYY(3−36)、Gln29Ile31hPYY(3−36)、Gln29Leu31hPYY(3−36)、Gln29Phe36hPYY(3−36)、Val30Ile31hPYY(3−36)、Val30Leu31hPYY(3−36)、Val30Phe36hPYY(3−36)、もしくはLeu31Phe36hPYY(3−36)を含まない。
当業者に理解されるように、式Iのポリペプチドは遊離の酸の形であるか、もしくはC末端がアミド化されてもよい。
1.本発明のPYYアナログポリペプチド
本発明のPYYアナログポリペプチドは、一般的にN末端のポリプロリンPPFモチーフとC末端の尾部PPFモチーフを含んだ少なくとも二つのPPFモチーフも含み、一般的に、少なくとも部分的に、例えば本発明のPYYアナログポリペプチドは一般的にPYY作動薬であるといったように、天然のヒトPYYの生物活性を保持している。さらに、PYYアナログポリペプチドはPYY(3−36)と少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも94%、もしくは少なくとも97%の配列相同性を示す。一部の実施形態では、本発明のPYYアナログポリペプチドは代謝状態と代謝障害の治療と予防においてPYY活性を示す。
ある実施形態では、本発明のPYYアナログポリペプチドは非天然アミノ酸残基を全く含まず、さらに、本発明のPYYアナログポリペプチドは天然のPYYポリペプチドを全く含まない、もしくはN末端の1−4の除去(例えば、PYY(1−36)、PYY(2−36)、PYY(3−36))、PYY(4−36))を含まないという条件がある。ある実施様態では、本発明のPYYアナログポリペプチドは、Pro34PYY、His34PYY Lys25hPYY(5−36)、ArghPYY(4−36)、GlnhPYY(4−36)、AsnhPYY(4−36)、Lys25hPYY(4−36)、LeuhPYY(3−36)、ValhPYY(3−36)、Lys25hPYY(3−36)、Tyr1,36pPYY、Pro13Ala14hPYY、Leu31Pro34PYY、FMS−PYY、FMS−PYY(3−36)、Fmoc−PYY、Fmoc−PYY(3−36)、FMS−PYY、FMS−PYY(3−36)、Fmoc−PYY、もしくはFmoc−PYY(3−36)を含まない。
別の実施形態では、前記の本発明のPYYアナログポリペプチドは、Thr27hPYY(3−36)、Ile30hPYY(3−36)、Ser32hPYY(3−36)、Lys33hPYY(3−36)、Asn34hPYY(3−36)、Lys35hPYY(3−36)、Thr36hPYY(3−36)、Lys25Thr27hPYY(3−36)、Lys25Ile30hPYY(3−36)、Lys25Ser32hPYY(3−36)、Lys25Lys33hPYY(3−36)、Lys25Asn24hPYY(3−36)、Lys25Lys35hPYY(3−36)、Lys25Thr36hPYY(3−36)、Thr27Ile28hPYY(3−36)、Thr27Val28hPYY(3−36)、Thr27Gln29hPYY(3−36)、Thr27Ile30hPYY(3−36)、Thr27Val30hPYY(3−36)、Thr27Ile31hPYY(3−36)、Thr27Leu31hPYY(3−36)、Thr27Ser32hPYY(3−36)、Thr27Lys33hPYY(3−36)、Thr27Asn34hPYY(3−36)、Thr27Lys35hPYY(3−36)、Thr27Thr36hPYY(3−36)、Thr27Phe36hPYY(3−36)、Phe27Ile30hPYY(3−36)、Phe27Ser32hPYY(3−36)、Phe27Lys33hPYY(3−36)、Phe27Asn34hPYY(3−36)、Phe27Lys35hPYY(3−36)、Phe27Thr36hPYY(3−36)、Gln29Ile30hPYY(3−36)、Gln29Ser32hPYY(3−36)、Gln29Leu33hPYY(3−36)、Gln29Asn34hPYY(3−36)、Gln29Leu35hPYY(3−36)、Gln29Thr36hPYY(3−36)、Ile30Ile31hPYY(3−36)、Ile30Leu31hPYY(3−36)、Ile30Ser32hPYY(3−36)、Ile30Lys33hPYY(3−36)、Ile30Asn34hPYY(3−36)、Ile30Lys35hPYY(3−36)、Ile30Thr36hPYY(3−36)、Ile30Phe36hPYY(3−36)、Val30Ser32hPYY(3−36)、Val30Lys33hPYY(3−36)、Val30Asn34hPYY(3−36)、Val30Lys35hPYY(3−36)、Val30Thr36hPYY(3−36)、Ile31Ser32hPYY(3−36)、Ile31Lys33hPYY(3−36)、Ile31Asn34hPYY(3−36)、Ile31Lys35hPYY(3−36)、Ile31Thr36hPYY(3−36)、Ile31Phe36hPYY(3−36)、Leu31Ser32hPYY(3−36)、Leu31Lys33hPYY(3−36)、Leu31Asn34hPYY(3−36)、Leu31Lys35hPYY(3−36)、Leu31Thr36hPYY(3−36)、Ser32Lys33hPYY(3−36)、Ser32Asn34hPYY(3−36)、Ser32Lys35hPYY(3−36)、Ser32Thr36hPYY(3−36)、Ser32Phe36hPYY(3−36)、Lys33Asn34hPYY(3−36)、Lys33Lys35hPYY(3−36)、Lys33Thr36hPYY(3−36)、Lys33Phe36hPYY(3−36)、Asn34Lys35hPYY(3−36)、Asn34Phe36hPYY(3−36)、Lys35Thr36hPYY(3−36)、Lys35Phe36hPYY(3−36)、Thr27hPYY(4−36)、Phe27hPYY(4−36)、Ile28hPYY(4−36)、Val28hPYY(4−36)、Gln29hPYY(4−36)、Ile30hPYY(4−36)、Val30hPYY(4−36)、Ile31hPYY(4−36)、Leu31hPYY(4−36)、Ser32hPYY(4−36)、Lys33hPYY(4−36)、Asn34hPYY(4−36)、Lys35hPYY(4−36)、Thr36hPYY(4−36)、Phe36hPYY(4−36)、Lys25Thr27hPYY(4−36)、Lys25Phe27hPYY(4−36)、Lys25Ile28hPYY(4−36)、Lys25Val28hPYY(4−36)、Lys25Gln29hPYY(4−36)、Lys25Ile30hPYY(4−36)、Lys25Val30hPYY(4−36)、Lys25Ile31hPYY(4−36)、Lys25Leu31hPYY(4−36)、Lys25Ser32hPYY(4−36)、Lys25Lys33hPYY(4−36)、Lys25Asn24hPYY(4−36)、Lys25Lys35hPYY(4−36)、Lys25Thr36hPYY(4−36)、Lys25Phe36hPYY(4−36)、Thr27Ile28hPYY(4−36)、Thr27Val28hPYY(4−36)、Thr27Gln29hPYY(4−36)、Thr27Ile30hPYY(4−36)、Thr27Val30hPYY(4−36)、Thr27Ile31hPYY(4−36)、Thr27Leu31hPYY(4−36)、Thr27Ser32hPYY(4−36)、Thr27Lys33hPYY(4−36)、Thr27Asn34hPYY(4−36)、Thr27Lys35hPYY(4−36)、Thr27Thr36hPYY(4−36)、Thr27Phe36hPYY(4−36)、Phe27Ile28hPYY(4−36)、Phe27Val28hPYY(4−36)、Phe27Gln29hPYY(4−36)、Phe27Ile30hPYY(4−36)、Phe27Val30hPYY(4−36)、Phe27Ile31hPYY(4−36)、Phe27Leu31hPYY(4−36)、Phe27Ser32hPYY(4−36)、Phe27Lys33hPYY(4−36)、Phe27Asn34hPYY(4−36)、Phe27Lys35hPYY(4−36)、Phe27Thr36hPYY(4−36)、Phe27Phe36hPYY(4−36)、Gln29Ile30hPYY(4−36)、Gln29Val30hPYY(4−36)、Gln29Ile31hPYY(4−36)、Gln29Leu31hPYY(4−36)、Gln29Ser32hPYY(4−36)、Gln29Leu33hPYY(4−36)、Gln29Asn34hPYY(4−36)、Gln29Leu35hPYY(4−36)、Gln29Thr36hPYY(4−36)、Gln29Phe36hPYY(4−36)、Ile30Ile31hPYY(4−36)、Ile30Leu31hPYY(4−36)、Ile30Ser32hPYY(4−36)、Ile30Lys33hPYY(4−36)、Ile30Asn34hPYY(4−36)、Ile30Lys35hPYY(4−36)、Ile30Thr36hPYY(4−36)、Ile30Phe36hPYY(4−36)、Val30Ile31hPYY(4−36)、Val30Leu31hPYY(4−36)、Val30Ser32hPYY(4−36)、Val30Lys33hPYY(4−36)、Val30Asn34hPYY(4−36)、Val30Lys35hPYY(4−36)、Val30Thr36hPYY(4−36)、Val30Phe36hPYY(4−36)、Ile31Ser32hPYY(4−36)、Ile31Lys33hPYY(4−36)、Ile31Asn34hPYY(4−36)、Ile31Lys35hPYY(4−36)、Ile31Thr36hPYY(4−36)、Leu31Phe36hPYY(4−36)、Leu31Phe36hPYY(4−36)、Leu31Ser32hPYY(4−36)、Val31


Lys33hPYY(4−36)、Leu31Asn34hPYY(4−36)、Leu31Lys35hPYY(4−36)、Leu31Thr36hPYY(4−36)、Leu31Phe36hPYY(4−36)、Ser32Lys33hPYY(4−36)、Ser32Asn34hPYY(4−36)、Ser32Lys35hPYY(4−36)、Ser32Thr36hPYY(4−36)、Ser32Phe36hPYY(4−36)、Lys33Asn34hPYY(4−36)、Lys33Lys35hPYY(4−36)、Lys33Thr36hPYY(4−36)、Lys33Phe36hPYY(4−36)、Asn34Lys35hPYY(4−36)、Asn34Phe36hPYY(4−36)、Lys35Thr36hPYY(4−36)、Lys35Phe36hPYY(4−36)、Thr27hPYY(5−36)、Phe27hPYY(5−36)、Ile28hPYY(5−36)、Val28hPYY(5−36)、Gln29hPYY(5−36)、Ile30hPYY(5−36)、Val30hPYY(5−36)、Ile31hPYY(5−36)、Leu31hPYY(5−36)、Ser32hPYY(5−36)、Lys33hPYY(5−36)、Asn34hPYY(5−36)、Lys35hPYY(5−36)、Thr36hPYY(5−36)、Phe36hPYY(5−36)、Lys25Thr27hPYY(5−36)、Lys25Phe27hPYY(5−36)、Lys25Ile28hPYY(5−36)、Lys25Val28hPYY(5−36)、Lys25Gln29hPYY(5−36)、Lys25Ile30hPYY(5−36)、Lys25Val30hPYY(5−36)、Lys25Ile31hPYY(5−36)、Lys25Leu31hPYY(5−36)、Lys25Ser32hPYY(5−36)、Lys25Lys33hPYY(5−36)、Lys25Asn24hPYY(5−36)、Lys25Lys35hPYY(5−36)、Lys25Thr36hPYY(5−36)、Lys25Phe36hPYY(5−36)、Thr27Ile28hPYY(5−36)、Thr27Val28hPYY(5−36)、Thr27Gln29hPYY(5−36)、Thr27Ile30hPYY(5−36)、Thr27Val30hPYY(5−36)、Thr27Ile31hPYY(5−36)、Thr27Leu31hPYY(5−36)、Thr27Ser32hPYY(5−36)、Thr27Lys33hPYY(5−36)、Thr27Asn34hPYY(5−36)、Thr27Lys35hPYY(5−36)、Thr27Thr36hPYY(5−36)、Thr27Phe36hPYY(5−36)、Phe27Ile28hPYY(5−36)、Phe27Val28hPYY(5−36)、Phe27Gln29hPYY(5−36)、Phe27Ile30hPYY(5−36)、Phe27Val30hPYY(5−36)、Phe27Ile31hPYY(5−36)、Phe27Leu31hPYY(5−36)、Phe27Ser32hPYY(5−36)、Phe27Lys33hPYY(5−36)、Phe27Asn34hPYY(5−36)、Phe27Lys35hPYY(5−36)、Phe27Thr36hPYY(5−36)、Phe27Phe36hPYY(5−36)、Gln29Ile30hPYY(5−36)、Gln29Val30hPYY(5−36)、Gln29Ile31hPYY(5−36)、Gln29Leu31hPYY(5−36)、Gln29Ser32,hPYY(5−36)、Gln29Leu33hPYY(5−36)、Gln29Asn34hPYY(5−36)、Gln29Leu35hPYY(5−36)、Gln29Thr36hPYY(5−36)、Gln29Phe36hPYY(5−36)、Ile30Ile31hPYY(5−36)、Ile30Leu31hPYY(5−36)、Ile30Ser32hPYY(5−36)、Ile30Lys33hPYY(5−36)、Ile30Asn34hPYY(5−36)、Ile30Lys35hPYY(5−36)、Ile30Thr36hPYY(5−36)、Ile30Phe36hPYY(5−36)、Val30Ile31hPYY(5−36)、Val30Leu31hPYY(5−36)、Val30Ser32hPYY(5−36)、Val30Lys33hPYY(5−36)、Val30Asn34hPYY(5−36)、Val30Lys35hPYY(5−36)、Val30Thr36hPYY(5−36)、Val30Phe36hPYY(5−36)、Ile31Ser32hPYY(5−36)、Ile31Lys33hPYY(5−36)、Ile31Asn34hPYY(5−36)、Ile31Lys35hPYY(5−36)、Ile31Thr36hPYY(5−36)、Leu31Phe36hPYY(5−36)、Leu31Phe36hPYY(5−36)、Leu31Ser32hPYY(5−36)、Val31Lys33hPYY(5−36)、Leu31Asn34hPYY(5−36)、Leu31Lys35hPYY(5−36)、Leu31Thr36hPYY(5−36)、Leu31Phe36hPYY(5−36)、Ser32Lys33hPYY(5−36)、Ser32Asn34hPYY(5−36)、Ser32Lys35hPYY(5−36)、Ser32Thr36hPYY(5−36)、Ser32Phe36hPYY(5−36)、Lys33Asn34hPYY(5−36)、Lys33Lys35hPYY(5−36)、Lys33Thr36hPYY(5−36)、Lys33Phe36hPYY(5−36)、Asn34Lys35hPYY(5−36)、Asn34Phe36hPYY(5−36)、Lys35Thr36hPYY(5−36)、もしくはLys35Phe36hPYY(5−36)も含まない。
一部の実施形態では、前記の本発明のPYYアナログポリペプチドは非天然アミノ酸残基を全く含まず、またhPYYのC末端の尾部モチーフを含む。C末端モチーフはhPYYの32−35のアミノ酸残基、例えばThr、Arg、Gln、Argを含んでもよい(配列番号351)。前記の実施形態では、本発明のPYYアナログポリペプチドは天然のPYYポリペプチドを全く含まない、もしくはN末端の1−4の除去(例えば、PYY(1−36)、PYY(2−36)、PYY(3−36)、およびPYY(4−36))を含まない。一部の実施形態では、前記のPYYアナログはLys25hPYY(5−36)、ArghPYY(4−36)、GlnhPYY(4−36)、AsnhPYY(4−36)、Lys25hPYY(4−36)、LeuhPYY(3−36)、ValhPYY(3−36)、Lys25hPYY(3−36)、Tyr1,36pPYY、Pro13Ala14hPYY、FMS−PYY、FMS−PYY(3−36)、Fmoc−PYY、Fmoc−PYY(3−36)、FMS−PYY、FMS−PYY(3−36)、Fmoc−PYY、もしくはFmoc−PYY(3−36)を含まない。
別の態様では、前記の本発明のPYYアナログポリペプチドはhPYYのC末端の尾部モチーフを含み、Thr27hPYY(3−36)、Ile30hPYY(3−36)、Thr36hPYY(3−36)、Lys25Thr27hPYY(3−36)、Lys25Ile30hPYY(3−36)、Lys25Asn24hPYY(3−36)、Lys25Thr36hPYY(3−36)、Thr27Ile28hPYY(3−36)、Thr27Val28hPYY(3−36)、Thr27Gln29hPYY(3−36)、Thr27Ile30hPYY(3−36)、Thr27Val30hPYY(3−36)、Thr27Ile31hPYY(3−36)、Thr27Leu31hPYY(3−36)、Thr27Thr36hPYY(3−36)、Thr27Phe36hPYY(3−36)、Phe27Ile30hPYY(3−36)、Phe27Thr36hPYY(3−36)、Gln29Ile30hPYY(3−36)、Gln29Thr36hPYY(3−36)、Ile30Ile31hPYY(3−36)、Ile30Leu31hPYY(3−36)、Ile30Thr36hPYY(3−36)、Ile30Phe36hPYY(3−36)、Val30Thr36hPYY(3−36)、Ile31Thr36hPYY(3−36)、Ile31Phe36hPYY(3−36)、Leu31Thr36hPYY(3−36)、Thr27hPYY(4−36)、Phe27hPYY(4−36)、Ile28hPYY(4−36)、Val28hPYY(4−36)、Gln29hPYY(4−36)、Ile30hPYY(4−36)、Val30hPYY(4−36)、Ile31hPYY(4−36)、Leu31hPYY(4−36)、Thr36hPYY(4−36)、Phe36hPYY(4−36)、Lys25Thr27hPYY(4−36)、Lys25Phe27hPYY(4−36)、Lys25Ile28hPYY(4−36)、Lys25Val28hPYY(4−36)、Lys25Gln29hPYY(4−36)、Lys25Ile30hPYY(4−36)、Lys25Val30hPYY(4−36)、Lys25Ile31hPYY(4−36)、Lys25Leu31hPYY(4−36)、Lys25Thr36hPYY(4−36)、Lys25Phe36hPYY(4−36)、Thr27Ile28hPYY(4−36)、Thr27Val28hPYY(4−36)、Thr27Gln29hPYY(4−36)、Thr27Ile30hPYY(4−36)、Thr27Val30hPYY(4−36)、Thr27Ile31hPYY(4−36)、Thr27Leu31hPYY(4−36)、Thr27Thr36hPYY(4−36)、Thr27Phe36hPYY(4−36)、Phe27Ile28hPYY(4−36)、Phe27Val28hPYY(4−36)、Phe27Gln29hPYY(4−36)、Phe27Ile30hPYY(4−36)、Phe27Val30hPYY(4−36)、Phe27Ile31hPYY(4−36)、Phe27Leu31hPYY(4−36)、Phe27Thr36hPYY(4−36)、Phe27Phe36hPYY(4−36)、Gln29Ile30hPYY(4−36)、Gln29Val30hPYY(4−36)、Gln29Ile31hPYY(4−36)、Gln29Leu31hPYY(4−36)、Gln29Thr36hPYY(4−36)、Gln29Phe36hPYY(4−36)、Ile30Ile31hPYY(4−36)、Ile30Leu31hPYY(4−36)、Ile30Thr36hPYY(4−36)、Ile30Phe36hPYY(4−36)、Val30Ile31hPYY(4−36)、Val30Leu31hPYY(4−36)、Val30Thr36hPYY(4−36)、Val30Phe36hPYY(4−36)、Ile31Thr36hPYY(4−36)、Leu31Phe36hPYY(4−36)、Leu31Phe36hPYY(4−36)、Leu31Thr36hPYY(4−36)、Leu31Phe36hPYY(4−36)、Thr27hPYY(5−36)、Phe27hPYY(5−36)、Ile28hPYY(5−36)、Val28hPYY(5−36)、Gln29hPYY(5−36)、Ile30hPYY(5−36)、Val30hPYY(5−36)、Ile31hPYY(5−36)、Leu31hPYY(5−36)、Thr36hPYY(5−36)、Phe36hPYY(5−36)、Lys25Thr27hPYY(5−36)、Lys25Phe27hPYY(5−36)、Lys25Ile28hPYY(5−36)、Lys25Val28hPYY(5−36)、Lys25Gln29hPYY(5−36)、Lys25Ile30hPYY(5−36)、Lys25Val30hPYY(5−36)、Lys25Ile31hPYY(5−36)、Lys25Leu31hPYY(5−36)、Lys25Thr36hPYY(5−36)、Lys25Phe36hPYY(5−36)、Thr27Ile28hPYY(5−36)、Thr27Val28hPYY(5−36)、Thr27Gln29hPYY(5−36)、Thr27Ile30hPYY(5−36)、Thr27Val30hPYY(5−36)、Thr27Ile31hPYY(5−36)、Thr27Leu31hPYY(5−36)、Thr27Thr36hPYY(5−36)、Thr27Phe36hPYY(5−36)、Phe27Ile28hPYY(5−36)、Phe27Val28hPYY(5−36)、Phe27Gln29hPYY(5−36)、Phe27Ile30hPYY(5−36)、Phe27Val30hPYY(5−36)、Phe27Ile31hPYY(5−36)、Phe27Leu31hPYY(5−36)、Phe27Thr36hPYY(5−36)、Phe27Phe36hPYY(5−36)、Gln29Ile30hPYY(5−36)、Gln29Val30hPYY(5−36)、Gln29Ile31hPYY(5−36)、Gln29Leu31hPYY(5−36)、Gln29Thr36hPYY(5−36)、Gln29Phe36hPYY(5−36)、Ile30Ile31hPYY(5−36)、Ile30Leu31hPYY(5−36)、Ile30Thr36hPYY(5−36)、Ile30Phe36hPYY(5−36)、Val30Ile31hPYY(5−36)、Val30Leu31hPYY(5−36)、Val30Thr36hPYY(5−36)、Val30Phe36hPYY(5−36)、Ile31Thr36hPYY(5−36)、Leu31Phe36hPYY(5−36)、Leu31Phe36hPYY(5−36)、Leu31Thr36hPYY(5−36)、もしくはLeu31Phe36hPYY(5−36)も含まない。
一部の実施形態では、前記の本発明のPYYアナログポリペプチドは、少なくとも34アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、前記の本発明のPYYアナログポリペプチドは、天然のLアミノ酸残基および/または改変された天然のLアミノ酸残基のみを含む。一部の実施形態では、前記の本発明のPYYアナログポリペプチドは非天然のアミノ酸残基を含まない。
さらに具体的には、ある態様では、本発明は一つ以上のアミノ酸配列改変を含むPYYアナログポリペプチドに関する。当該の改変は、単独もしくは組合せでの置換、挿入および/または除去を含む。一部の実施形態では、本発明のPYYアナログポリペプチドは、「必須でない」アミノ酸残基の一つ以上の改変を含む。本発明の文脈では、天然のヒトPYYアミノ酸配列において、PYYアナログポリペプチドのPYY作動薬活性を損なったり実質的に減じたりすることなく、「必須でない」アミノ酸残基は変更、即ち、除去もしくは置換可能な残基である。一部の実施形態では、本発明のPYYアナログポリペプチドは、栄養素利用性の低減に関する天然のヒトPYYの生物活性の少なくとも約25%、もしくは約30%から、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約98%、もしくは約99%を保持する。別の実施形態では、本発明のPYYアナログポリペプチドは、向上したPYY作動薬活性を示す。一部の実施形態では、本発明のPYYアナログポリペプチドは、栄養素利用性の低減に関する天然のヒトPYYの生物活性の、少なくとも約110%、約125%、約130%、約140%、約150%、約200%、もしくはそれ以上を示す。
PYYアナログポリペプチドは、本明細書に述べられたアッセイ(食物摂取、胃内容排出、膵臓分泌、体組成、もしくは体重減少アッセイなど)の一つで、同じアッセイにおけるNPY、PYY、もしくはPYY(3−36)の効力と同等かそれ以上の効力を有するポリペプチドである。一部の実施形態では、本発明のPYYアナログポリペプチドは、PP、NPY、PYY、もしくはPYY(3−36)に比べて製造の容易さ、安定性、および/または製剤の容易さに改善を示す可能性がある。
a.置換
ある実施形態において、本発明のPYYアナログポリペプチドは、天然のヒトPYYのアミノ酸配列(配列番号2)中に、単独、あるいは一つ以上の挿入と除去との組合せで、一つ以上の置換を有してもよい。一部の実施形態では、置換はPYYアナログポリペプチドのPYY作動薬活性を損なったり、もしくは実質的に減少させない。ある態様では、本発明は、天然のヒトPYYのアミノ酸配列(配列番号2)中に、一つの置換、もしくは一つ以上のアミノ酸残基の連続的または非連続的な置換を有するPYYアナログポリペプチドに関する。ある実施形態において、本発明のPYYアナログポリペプチドは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10アミノ酸の置換を含む。
ある実施形態において、天然のヒトPYYのアミノ酸配列(配列番号2)のへリックス状のPYYのC末端領域のアミノ酸残基(例えば、残基20、24、25、27、および29)、尾部末端残基(32−36)、および/またはN末端の5および8の位置のプロリンは置換されない。ある実施形態において、アミノ酸残基は天然のヒトPYY(配列番号2)の32から36の位置では置換されない。別の実施形態では、天然のヒトPYY(配列番号2)のアミノ酸残基は、5、7、8、20、24、25、27、29、32、33、34、35、36およびその任意の組合せから選択された一つ以上のアミノ酸配列の位置では置換されない。
置換は、保存されたアミノ酸置換を含んでもよい。「保存的なアミノ酸置換」は、類似の側鎖、もしくは物理化学的性質(例えば、静電気、水素結合、等配電子、疎水性などの特徴)を有するアミノ酸残基で、アミノ酸残基を置き換えた置換である。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは当業者に知られている。これらのファミリーは、塩基性側鎖(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電性の極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、メチオニン、システイン)、無極性の側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン)、β分岐した側鎖(例えば、スレオニン、バリン、イソロイシン)、および芳香族の側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を持つアミノ酸を含む。
別の実施形態では、本発明のPYYアナログポリペプチドは、PYYの配列(配列番号2)に、例えばアミノ酸模倣剤といった、一つ以上の非天然および/または非アミノ酸置換を含んでもよい。一部の実施形態では、PYYの配列(配列番号2)への非アミノ酸挿入は、βターン模倣剤、または例えば式中、X =(CHである−NH−X−CO−(nは2−20の可能性がある)、もしくは−NH−CHCH(−O−CHCH−O−)−CH−CO−(式中、m=1−5)といったリンカー分子であってもよい。リンカー分子は、アミノカプロイル(「Aca」)、βアラニル、および8−アミノ−3,6−ジオキサオクタノイルを含む。βターン模倣剤は、市販されており(BioQuadrant Inc,Quebec,Canada)、文献中(Hanessian et al.,Tetrahedron 12789−854(1997);Gu et al.,Tetrahedron Letters 44:5863−6(2003);Bourguet et al.,Bioorganic&Medicinal Chemistry Letters 13:1561−4(2003);Grieco et al.,Tetrahedron Letters 43:6297−9(2002);Souers et al.,Tetrahedron 57:7431−48(2001);Tsai et al.,Bioorganic&Medicinal Chemistry 7:29−38(1999);Virgilio et al.,Tetrahedron 53:6635−44(1997))に記載されている。βターン模倣剤は下記の模倣剤Aおよび模倣剤Bを含む可能性もある。
Figure 2008534435
アミノ酸配列βターン模倣剤置換を含むPYYアナログポリペプチドは、天然ヒトPYY(配列番号2)を含み、当該配列中のxとx+1の位置のアミノ酸は、模倣剤Aと模倣剤Bからなる群から選択されたβターン模倣剤で置換され、xは天然ヒトPYYのアミノ酸位置8から14のアミノ酸から選択される。あるいは、例えば、Ala−AibジペプチドとAla−Proジペプチドといった既知のジペプチドターン誘導剤は、置換されてもよい。
アミノ酸配列置換を含むその他のPYYアナログポリペプチドは、式(II)(配列番号88)
Xaa Xaa Xaa Xaa Pro Xaa Xaa Pro Xaa Xaa10
Xaa11 Xaa12 Xaa13 Xaa14 Xaa15 Xaa16 Xaa17 Xaa18 Xaa19 Tyr
Xaa21 Xaa22 Xaa23 Leu Arg Xaa26 Tyr Xaa28 Asn Xaa30
Xaa31 Thr Arg Gln Arg Xaa36
のPYYアナログポリペプチドを含み、
式中、
XaaはTyr、Ala、Phe、Trp、もしくは欠けており、
XaaはPro、Gly、d−Ala、ホモプロリン、ヒドロキシプロリン、もしくは欠けており、
XaaはIle、Ala、NorVal、Val、Leu、Pro、Ser、もしくはThr、
XaaはLys、Ala、Gly、Arg、d−Ala、ホモリジン、ホモアルギニン、Glu、もしくはAsp、
XaaはGlu、Ala、Val、Asp、Asn、もしくはGln、
XaaはAla、Asn、His、Ser、もしくはTyr、
XaaはGly、Ala Ser、サルコシン、Pro、もしくはAib、
Xaa10はGlu、Ala、Asp、Asn、Gln、Pro、Aib、もしくはGly、
Xaa11はAsp、Ala、Glu、Asn、Gln、Pro、Aib、もしくはGly、
Xaa12はAlaもしくはd−Ala、
Xaa13はSer、Ala、Thr、もしくはホモセリン、
Xaa14はPro、Ala、ホモプロリン、ヒドロキシプロリンAib、もしくはGly、
Xaa15はGlu、Ala、Asp、Asn、Gln、Pro、Aib、もしくはGly、
Xaa16はGlu、Ala、Asp、Asn、もしくはGln、
Xaa17はLeu、Ala、Met、Trp、Ile、Val、もしくはNorVal、
Xaa18はAsn、Asp、Ala、Glu、Gln、SerもしくはThr、
Xaa19はArg、Tyr、Lys、Ala、Gln、もしくはN(Me)Ala、
Xaa21はTyr、Ala、Met、Phe、もしくはLeu、
Xaa22はAla、Ser、Thr、もしくはd−Ala、
Xaa23はSer、Ala、Thr、もしくはホモセリン、
Xaa26はHisもしくはAla、
Xaa28はLeu、Ile、Val、もしくはAla、
Xaa30はLeu、Ala、NorVal、Val、Ile、もしくはMet、
Xaa31はAla、Val、Ile、もしくはLeu、および
Xaa36はTyr、N(Me)Tyr、His、Trp、もしくはPheであり、
前記のポリペプチドは天然のPPFポリペプチド、PYY(2−36)、PP(2−36)、Ala13NPY、LeuhPYY(3−36)、ValhPYY(3−36)、hPP(1−7)−pNPY、もしくはhPP(1−17)−pNPYではないという条件である。
別の実施形態では、式IIのPYYアナログポリペプチドは、Ile28hPYY(3−36)、Val28hPYY(3−36)、Val30hPYY(3−36)、Ile31hPYY(3−36)、Leu31hPYY(3−36)、Phe36hPYY(3−36)、Val30Ile31hPYY(3−36)、Val30Leu31hPYY(3−36)、Val30Phe36hPYY(3−36)、もしくはLeu31Phe36hPYY(3−36)も含まない。
当業者に理解されるように、式IIのポリペプチドは遊離の酸の形であるか、もしくはC末端がアミド化されてもよい。
アミノ酸配列置換を含むその他のPYYアナログポリペプチドは、式(III)(配列番号348)
Xaa Xaa Xaa Xaa Pro Xaa Xaa Pro Xaa Xaa10
Xaa11 Xaa12 Xaa13 Xaa14 Xaa15 Xaa16 Xaa17 Xaa18 Xaa19 Tyr
Xaa21 Xaa22 Xaa23 Leu Arg Xaa26 Tyr Xaa28 Asn Xaa30
Xaa31 Thr Arg Gln Arg Xaa36
のPYYアナログポリペプチドを含み、
式中、
XaaはTyr、Phe、Trp、もしくは欠けており、
XaaはPro、Gly、d−Ala、ホモプロリン、ヒドロキシプロリン、もしくは欠けており、
XaaはIle、Ala、NorVal、Val、Leu、Pro、Ser、もしくはThr、
XaaはLys、Ala、Gly、Arg、d−Ala、ホモリジン、ホモアルギニン、Glu、もしくはAsp、
XaaはGlu、Ala、Val、Asp、Asn、もしくはGln、
XaaはAla、Asn、His、Ser、もしくはTyr、
XaaはGly、Ala Ser、サルコシン、Pro、もしくはAib、
Xaa10はGlu、Ala、Asp、Asn、Gln、Pro、Aib、もしくはGly、
Xaa11はAsp、Ala、Glu、Asn、Gln、Pro、Aib、もしくはGly、
Xaa12はAlaもしくはd−Ala、
Xaa13はSer、Ala、Thr、Pro、もしくはホモセリン、
Xaa14はPro、Ala、ホモプロリン、ヒドロキシプロリン、Aib、もしくはGly、
Xaa15はGlu、Ala、Asp、Asn、Gln、Pro、Aib、もしくはGly、
Xaa16はGlu、Ala、Asp、Asn、もしくはGln、
Xaa17はLeu、Ala、Met、Trp、Ile、Val、もしくはNorVal、
Xaa18はAsn、Asp、Ala、Glu、Gln、Ser、もしくはThr、
Xaa19はArg、Tyr、Lys、Ala、Gln、もしくはN(Me)Ala、
Xaa21はTyr、Ala、Met、Phe、もしくはLeu、
Xaa22はAla、Ser、Thr、もしくはd−Ala、
Xaa23はSer、Ala、Thr、もしくはホモセリン、
Xaa26はHis、もしくはAla、
Xaa28はLeu、Ile、Val、もしくはAla、
Xaa30はLeu、Ala、NorVal、Val、Ile、もしくはMet、
Xaa31はAla、Val、Ile、もしくはLeu、および
Xaa36はTyr、N(Me)Tyr、His、Trp、もしくはPheであり、
前記のポリペプチドは天然のPPFポリペプチド、NPY(2−36)、PYY(2−36)、PP(2−36)、AlaNPY、AlaNPY、AlaNPY、AlaNPY、TyrpNPY、AlaNPY、Ala10NPY、Ala11NPY、Ala13NPY、Gly14NPY、Ala15NPY、Ala16NPY、Ala17NPY、Ala19NPY、Lys19NPY、Ala21NPY、Ala22NPY、Lys25NPY、Ala26NPY、Phe27NPY、Ala28NPY、Gln29NPY、Ala30NPY、Ala31NPY、Phe36NPY、His36NPY、LeuhPYY(3−36)、ValhPYY(3−36)、Lys25hPYY(3−36)、Pro13Ala14hPYY、TyrNPY、AlaNPY、もしくはhPP(19−23)−pNPYではないという条件である。
別の実施形態では、式IIIのアナログポリペプチドは、Ile28hPYY(3−36)、Val28hPYY(3−36)、Val30hPYY(3−36)、Ile31hPYY(3−36)、Leu31hPYY(3−36)、Phe36hPYY(3−36)、Val30Ile31hPYY(3−36)、Val30Leu31hPYY(3−36)、Val30Phe36hPYY(3−36)、もしくはLeu31Phe36hPYY(3−36)も含まない。
当業者に理解されるように、式IIIのポリペプチドは遊離の酸の形であるか、もしくはC末端がアミド化されてもよい。
アミノ酸配列置換を含むその他のPYYアナログポリペプチドは、式(IV)(配列番号349)
Xaa Xaa Xaa Xaa Pro Xaa Xaa Pro Xaa Xaa10
Xaa11 Xaa12 Xaa13 Xaa14 Xaa15 Xaa16 Xaa17 Xaa18 Xaa19 Tyr
Xaa21 Xaa22 Xaa23 Leu Arg Xaa26 Tyr Xaa28 Asn Xaa30
Xaa31 Thr Arg Gln Arg Xaa36
のPYYアナログポリペプチドを含み、
式中、
XaaはTyr、Phe、Trp、もしくは欠けており、
XaaはPro、Gly、d−Ala、ホモプロリン、ヒドロキシプロリン、もしくは欠けており、
XaaはIle、Ala、NorVal、Val、Leu、Pro、Ser、もしくはThr、
XaaはLys、Ala、Gly、Arg、d−Ala、ホモリジン、ホモアルギニン、Glu、もしくはAsp、
XaaはGlu、Ala、Val、Asp、Asn、もしくはGln、
XaaはAla、Asn、His、Ser、もしくはTyr、
XaaはGly、Ala Ser、サルコシン、Pro、もしくはAib、
Xaa10はGlu、Ala、Asp、Asn、Gln、Pro、Aib、もしくはGly、
Xaa11はAsp、Ala、Glu、Asn、Gln、Pro、Aib、もしくはGly、
Xaa12はAla、もしくはd−Ala、
Xaa13はSer、Ala、Thr、もしくはホモセリン、
Xaa14はPro、Ala、ホモプロリン、ヒドロキシプロリン、Aib、もしくはGly、
Xaa15はGlu、Ala、Asp、Asn、Gln、Pro、Aib、もしくはGly、
Xaa16はGlu、Ala、Asp、Asn、もしくはGln、
Xaa17はLeu、Ala、Met、Trp、Ile、Val、もしくはNorVal、
Xaa18はAsn、Asp、Ala、Glu、Gln、Ser、もしくはThr、
Xaa19はArg、Tyr、Lys、Ala、Gln、もしくはN(Me)Ala、
Xaa21はTyr、Ala、Met、Phe、もしくはLeu、
Xaa22はAla、Ser、Thr、もしくはd−Ala、
Xaa23はSer、Ala、Thr、もしくはホモセリン、
Xaa26はHis、もしくはAla、
Xaa28はLeu、Ile、Val、もしくはAla、
Xaa30はLeu、Ala、NorVal、Val、Ile、もしくはMet、
Xaa31はAla、Val、Ile、もしくはLeu、および
Xaa36はTyr、N(Me)Tyr、His、Trp、もしくはPheであり、
前記のポリペプチドは天然のPPFポリペプチド、PYY(2−36)、Ala13NPY、LeuhPYY(3−36)もしくはValhPYY(3−36)ではないという条件である。
別の実施形態では、式IVのPYYアナログポリペプチドは、Ile28hPYY(3−36)、Val28hPYY(3−36)、Val30hPYY(3−36)、Ile31hPYY(3−36)、Leu31hPYY(3−36)、Phe36hPYY(3−36)、Val30Ile31hPYY(3−36)、Val30Leu31hPYY(3−36)、Val30Phe36hPYY(3−36)、もしくはLeu31Phe36hPYY(3−36)も含まない。
当業者に理解されるように、式IVのポリペプチドは遊離の酸の形であるか、もしくはC末端がアミド化されてもよい。
アミノ酸配列リンカー置換を含むその他のPYYアナログポリペプチドは、PYY(1−4)アミノカプロイル(14−36)(IUPAC [Aca5−13]PYY)(アミノカプロイル は「Aca」と略される)、PYY(1−4)Aca(15−36)、PYY(1−4)Aca(16−36)、PYY(1−4)Aca(22−36)(IUPAC [Aca5−21]PYY)、およびPYY(1−4)Aca(25−36)(IUPAC [Aca5−24]PYY)(配列番号180−184)を含む。
b.除去と切断
別の実施形態では、本発明のPPYアナログポリペプチドは天然のヒトPYY(配列番号2)から、単独もしくは一つ以上の挿入もしくは置換との組合せで一つ以上のアミノ酸残基除去を有してもよい。ある態様では、ポリペプチドが配列番号3ではないことを条件として、本発明のPPYアナログポリペプチドは、天然のヒトPYY(配列番号2)のN末端もしくはC末端から一つ以上のアミノ酸残基除去を有してもよい。別の実施形態では、本発明のPPYアナログポリペプチドは天然のヒトPYY(配列番号2)のアミノ酸の位置2から35での一つ以上の除去を有してもよい。当該の除去は、天然のヒトPYY(配列番号2)のアミノ酸の位置2から35での一つ以上の連続的もしくは非連続的な除去を含んでもよい。一部の実施形態では、天然のヒトPYY(配列番号2)の位置24から36でのアミノ酸残基は除去されない。
別の実施形態では、式IからVIIで述べられた本発明のPPFポリペプチドは、天然のPPFポリペプチドの一つ以上の生物活性が保持される限りは、式I、II、III、IV、V、VI、またはVIIの位置2から35のアミノ酸に、N末端またはC末端の切断、もしくは内部除去を含んでもよい。一部の実施形態では、位置5から8および24から36のアミノ酸残基は除去されない。一部の実施形態では、位置5から8および32から35のアミノ酸残基は除去されない。
c.挿入
別の実施形態では、本発明のPYYアナログポリペプチドは、単独で、あるいは一つ以上の除去および/または置換との組合せで、天然のヒトPYY(配列番号2)のアミノ酸配列中に挿入された一つ以上のアミノ酸残基を有してもよい。ある態様では、本発明は、天然のヒトPYY(配列番号2)のアミノ酸配列に一つの挿入、または連続的あるいは非連続的な一つ以上のアミノ酸残基の挿入を有するPYYアナログポリペプチドに関する。一部の実施形態では、アミノ酸残基はヒトPYY(配列番号2)の位置24から36には挿入されない。
別の実施形態では、本発明のPYYアナログポリペプチドは、PYY(配列番号2)の配列への一つ以上の非天然アミノ酸および/または非アミノ酸の挿入を含んでもよい。一部の実施形態では、PYY(配列番号2)の配列に挿入された非天然アミノ酸はβターン模倣剤もしくはリンカー分子であってもよい。リンカー分子は、アミノカプロイル(「Aca」)、βアラニル、および8−アミノ−3,6−ジオキサオクタノイルを含む。βターン模倣剤は、下記の模倣剤Aおよび模倣剤Bと、Ala−AibジペプチドとAla−Proジペプチドも含む可能性もある。
Figure 2008534435
別の実施形態では、本発明のPYYアナログポリペプチドは、「伸張」もしくは「尾部」として知られるポリペプチドの末端のいずれかの位置にポリアミノ酸配列(ポリhis、ポリarg、ポリlys、ポリalaなど)の挿入を含んでもよい。
アミノ酸配列挿入を含むPYYアナログポリペプチドは、天然のヒトPYYの長さに沿った各アミノ酸位置にアラニン置換を含む。当該のPYYアナログポリペプチドは、xが1’から36までから選択されたPYY(+Axa)を含む(配列番号54−87)。
d.誘導体
本発明は、本発明のPYYアナログポリペプチドの誘導体にも関する。当該の誘導体は、例えば、ポリhis、ポリarg、ポリlys、およびポリalaなどのポリアミノ酸の追加によって、あるいは、短鎖アルキルと拘束されたアルキル(例えば分岐、環状、融合、アダマンチル)、および芳香族基などの小分子置換の追加によって、例えばポリエチレングリコール(「PEG」)もしくは様々な長さの脂肪酸鎖(例えば、ステアリル、パルミトイル、オクタノイル)といった、一つ以上の水溶性ポリマー分子に結合されているPYYアナログポリペプチドを含む。一部の実施形態では、水溶性ポリマー分子は約500Daから20,000Daの範囲の分子量を有する。
前記のポリマー結合は、PYYアナログポリペプチド配列中のN末端もしくはC末端、またはアミノ酸残基の側鎖に単独で生じる場合がある。あるいは、PYYアナログポリペプチドの複数の誘導体化部位である場合もある。リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、またはシステインでの一つ以上のアミノ酸置換で、誘導体化の更なる部位を与えてもよい。例として、米国特許第5,824,784号および米国特許第5,824,778号を参照。一部の実施形態では、PYYアナログポリペプチドは一つ、二つ、あるいは三つのポリマー分子に結合されてもよい。
一部の実施形態では、水溶性ポリマー分子は、アミノ基、カルボキシ基、もしくはチオール基に結合され、またN末端もしくはC末端、またはリジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、もしくはシステインの側鎖で結合されてもよい。あるいは、水溶性ポリマー分子は、ジアミンおよびジカルボキシル基で結合されてもよい。一部の実施形態では、本発明のPYYアナログポリペプチドは、リジンアミノ酸上のイプシロンアミノ基を通じて一つ、二つ、あるいは三つのPEG分子に結合される。
本発明のPYYアナログポリペプチド誘導体は、一つ以上のアミノ酸残基に化学変換を持つPYYアナログポリペプチドも含む。当該の化学変換は、アミド化、グリコシル化、アシル化、硫酸化、リン酸化、アセチル化、および環化を含む。化学変換は、PYYアナログポリペプチド配列中のN末端もしくはC末端、またはアミノ酸残基の側鎖に単独で生じる場合がある。ある実施形態では、これらのペプチドのC末端が遊離の−OH基、あるいは−NH基を有する場合もある。別の実施形態では、N末端はイソブチルオキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、n−ブチルオキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソカプロイル基(「イソキャップ」)、オクタニル基、オクチルグリシン基(「G(Oct)」もしくは「octylGly」として示される)、8−アミノオクタン酸基、ダンシル、および/またはFmoc基でキャップされてもよい。一部の実施形態では、環化はジスルフィド架橋の形成を介する場合がある。例として、SEQ ID NO.171を参照。あるいは、PYYアナログポリペプチドに複数部位の化学変換がある場合がある。
一部の実施形態では、PYYアナログポリペプチド誘導体は、一つ以上のアミノ酸残基に化学変換を有するPYYアナログポリペプチド含んでもよい。これらの化学変換は、PYYアナログポリペプチド配列中のN末端もしくはC末端、またはアミノ酸残基の側鎖に単独で生じる場合がある。典型的な実施形態では、PYYアナログポリペプチドはボルトンハンター基を含むよう化学変換される。ボルトンハンター試薬は、当業者に知られており(“Radioimmunoassay and related methods,”A.E.Bolton and W.M.Hunter,Handbook of Experimental Immunologyの第26章,Volume I,Immunochemistry,D.M.Weir編,Blackwell Scientific Publications,1986)、リジンのアミノ末端アルファアミノ基もしくはイプシロンアミノ基を介して中性結合を持つチロシン様部分の誘導に用いられてもよい。一部の実施形態では、PYYアナログポリペプチドのN末端は、ボルトンハンター基で改変される。一部の実施形態では内部のリジン残基は、ボルトンハンター基で改変される。一部の実施形態では、PYYアナログポリペプチドに複数のボルトンハンター改変があってもよい。ポリペプチド改変に使用されるボルトンハンター試薬は市販されており、水溶性のボルトンハンター試薬、スルホスクシンイミジル−3−[4−ヒドロフェニル]プロピオン酸(Pierce Biotechnology,Inc.,Rockford,IL)、およびボルトンハンター試薬−2、N−スクシンイミジル3−(4−ヒドロキシ−3−ヨードフェニル)プロピオン酸(Wako Pure Chemical Industries,Ltd.,Japan,catalog # 199−09341)を含んでもよいがそれに限定されない。アミド結合を介してPYYアナログポリペプチドに結合した典型的なボルトンハンター基の、波線がアミド結合を通る図を下に図解する。
Figure 2008534435
PYYアナログポリペプチドは、ボルトンハンター改変の前か後にヨウ素化(例えば、放射線標識された125I)してもよい。125I−ボルトンハンター標識されたPYYもしくはPYYアナログは、Amersham Corporation(Arlington Heights,IL)から購入してもよい。ボルトンハンター誘導体は、表4で「BH−改変」と略される。(配列番号475−480)。
e.アナログと誘導体
一部の実施形態では、PYYアナログポリペプチドは上述の改変、即ち、除去、挿入、および置換の組合せを含む。
一例として、PYYアナログポリペプチドは、一つ以上のアミノ酸置換との組合せでN末端の除去を含む場合がある。例えば、PYYアナログポリペプチドはAla、Leu、Pro、Ala、Gly、d−Ala、ホモリジン、Glu、Ala、Ala、Val、d−Ala、Tyr、His、Ala、Ala、Ala10、Ala11、d−Ala12、Ala13、ホモセリン13、Ala14、Ala15、Gln15、Ala16、Ala17、Met17、Ala18、Ser18、nor−Val18、Ala19、N−Me−Ala19、Lys19、ホモアルギニン19、Ala20、Ala21、d−Ala22、Ala23、Ala24、Ala25、Lys25、ホモアルギニン25、Ala26、Ala27、Ala28、Ala29、Ala30、Ala31、Ala32、Ala33、Lys33、Ala34、Ala35、Ala36、His36、Trp36、N−Me−Tyr36、およびPhe36のアミノ酸置換を一つ以上含むPYY(3−36)を含む。一部の実施形態では、PYYアナログポリペプチドは、一つ、二つ、あるいは三つのアミノ酸置換を含む。特定のPYYアナログポリペプチドはアミノ酸挿入との組合せで除去を含む。(例えば、配列番号89−174を参照)。
PYYアナログポリペプチドは、式(V)(配列番号350):
Xaa Xaa Pro Xaa Xaa Pro Xaa Xaa10 Xaa11 Xaa12
Xaa13 Xaa14 Xaa15 Xaa16 Xaa17 Xaa18 Xaa19 Tyr Xaa21 Xaa22
Xaa23 Leu Arg Xaa26 Tyr Xaa28 Asn Xaa30 Xaa31 Thr
Arg Gln Arg Xaa36
のポリペプチドを含み、
式中、
XaaはIle、Ala、Pro、Ser、Thr、もしくはNorVal、
XaaはLys、Ala、Gly、Glu、Asp、d−Ala、ホモリジン、もしくはホモアルギニン、
XaaはGlu、Ala、Val、Asp、Asn、もしくはGln、
XaaはAla、Asn、His、Ser、もしくはTyr、
XaaはGly、Ala、Ser、サルコシン、Pro、もしくはAib、
Xaa10はGlu、Ala、Asp、Asn、Gln、Pro、Aib、もしくはGly、
Xaa11はAsp、Ala、Glu、Asn、Gln、Pro、Aib、もしくはGly、
Xaa12はAlaもしくはd−Ala、
Xaa13はSer、Ala、Thr、もしくはホモセリン、
Xaa14はPro、Ala、ホモプロリン、ヒドロキシプロリン、Aib、もしくはGly、
Xaa15はGlu、Ala、Asp、Asn、Gln、Pro、Aib、もしくはGly、
Xaa16はGlu、Ala、Asp、Asn、もしくはGln、
Xaa17はLeu、Ala、Met、Trp、Ile、Val、もしくはNorVal、
Xaa18はAsn、Asp、Ala、Glu、Gln、Ser、もしくはThr、
Xaa19はArg、Tyr、Lys、Ala、Gln、もしくはN(Me)Ala、
Xaa21はTyr、Ala、Met、Phe、もしくはLeu、
Xaa22はAla、Ser、Thr、もしくはd−Ala、
Xaa23はSer、Ala、Thr、もしくはホモセリン、
Xaa26はHisもしくはAla、
Xaa28はLeuもしくはAla、
Xaa30はLeu、Ala、NorVal、もしくはIle、
Xaa31はAlaもしくはVal、および
Xaa36はTyr、N(Me)Tyr、His、もしくはTrpであり、
前記のPPFポリペプチドは天然のPPFポリペプチドではないという条件である。
当業者が認識するように、式Vのポリペプチドは遊離酸の形であっても良く、あるいはC末端がアミド化されてもよい。
また、式IIからVIIのPYYアナログポリペプチドは本発明の範囲に含まれているように、示されたアミノ酸残基は化学改変もしくは(例えば、脂肪酸誘導体、PEG化、アミド化、グリコール化などを介して)誘導体化されている。また、示されたアミノ酸がDアミノ酸残基であるのは本発明の範囲として意図されている。
一部の実施形態では、PYYアナログポリペプチドは内部除去を有する式IIからVIIのポリペプチドを含み、特に、本明細書に述べられるように、その領域はC末端の尾部PPFモチーフに一致しない。
非天然アミノ酸の置換を含むPYYアナログポリペプチドは、xおよびx+1の位置のアミノ酸が模倣剤Aと模倣剤Bからなる群から選択されたβターン模倣剤で置換され、xが位置8から14までから選択されたPYY(3−36)を含む(例として、配列番号211−217および231−237を参照)。
本発明のPYYアナログポリペプチドの誘導体は、ポリマー結合PYYアナログポリペプチドを含んでもよく、当該のPYYアナログポリペプチドは上述の任意の挿入、除去、置換、もしくはそれらの組合せを含み、ポリマー分子はリジン残基で結合する。その他のPYYアナログポリペプチド誘導体は、[Lys−脂肪酸鎖]PYY(3−36);[Lys−脂肪酸鎖]PYY(4−36);[AlaLys19−脂肪酸鎖]PYY(3−36);[Ile−脂肪酸鎖]PYY(3−36);[Ser13−OAc] PYY(3−36)(OAcは脂肪酸鎖もしくはアセチル基をもつO−アセチル化);[Ser23−OAc]PYY(3−36);[Ile−オクタノイル鎖]PYY(3−36);[Lys19−オクタノイル鎖]PYY(3−36);および [Lys19−ステアリル鎖]PYY(3−36)の置換と変換を含むPYY、PYY(3−36)もしくはPYY(4−36)を含む。(例として、配列番号185−208を参照)。
本発明のPYYアナログポリペプチドの更なる例は、配列表と以下の実施例の項に提供される。
2.PPFキメラポリペプチド
本発明のさらに別の態様では、本発明のPPFポリペプチドは、一つ以上の第二のPP、PYY、もしくは、NPYポリペプチドの追加断片に共有的に結合したPP、PYY、もしくは、NPYポリペプチドの断片を含むPPFキメラポリペプチドを含む。当該の各PP、PYY、もしくは、NPY断片はPPFモチーフを含む。あるいは、本発明のPPFキメラポリペプチドは、1、2、3、もしくは4のポリペプチド断片に結合し、結合したポリペプチド断片の一つ以上が第二のPPファミリーポリペプチドの断片であるPPファミリーポリペプチドの断片を含んでもよい。ある実施形態では、PPFポリペプチドはC末端NPY断片と共にN末端PP断片を含まない。本発明のPPFキメラポリペプチドは、PYY(3−36)の全長にわたって天然PYY(3−36)と少なくとも50%の配列相同性を示す。一部の実施形態では、前記のPPFキメラポリペプチドはPYY(3−36)の全長にわたって天然PYY(3−36)と少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも94%、もしくは少なくとも97%の配列相同性を示してもよい。前記の本発明のPPFキメラポリペプチドは、天然のPPと少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも94%、少なくとも97%の配列相同性を示してもよい。さらに別の実施形態では、PPFキメラポリペプチドは天然のNPYと少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも94%、もしくは少なくとも97%の配列相同性を示してもよい。一部の実施形態では、本発明のPPFキメラポリペプチドは、少なくともN末端ポリプロリンPPFモチーフとC末端の尾部PPFモチーフを含む。
さらに、本発明のPPFキメラポリペプチドは、一般的に、天然のヒトPP、PYY、もしくはNPYの生物活性の少なくとも一部分を保持する。一部の実施形態では、本発明のPPFキメラポリペプチドは代謝状態と代謝障害の治療と予防において生物活性を示す。
ポリペプチド断片は、直接的なアミド結合もしくは化学的リンカー基を含むがそれに限定されない、当業者に知られる任意の方法で共有的に互いに結合されてもよい。化学的リンカーは、ポリペプチドの構造を誘導あるいは安定化するペプチド模倣剤を含んでもよい。本発明のPPFキメラポリペプチドは、PYY−PP、PYY−NPY、PP−PYY、PP−NPY、NPY−PP、もしくはNPY−PYYキメラを含む。
本発明のPPFキメラポリペプチドは、少なくとも、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、もしくはの34の長さのアミノ酸であってもよい。一部の実施形態では、本発明のPYYアナログポリペプチドは天然のLアミン酸残基および/または改変された天然のLアミノ酸残基のみを含む。一部の実施形態では、本発明のPYYアナログポリペプチドは非天然アミノ酸残基を含まない。
一部の実施形態では、本発明のPYYキメラポリペプチドは、hPP(1−7)−pNPY、hPP(1−17)−pNPY、hPP(19−23)−pNPY、hPP(19−23)−Pro34pNPY、hPP(19−23)−His34pNPY、rPP(19−23)−pNPY、rPP(19−23)−Pro34pNPY、rPP(19−23)−His34pNPY、hPP(1−17)−His34pNPY、pNPY(1−7)−hPP、pNPY(1−7、19−23)−hPP、cPP(1−7)−pNPY(19−23)−hPP、cPP(1−7)−NPY(19−23)−His34hPP、hPP(1−17)−His34pNPY、hPP(19−23)−pNPY、hPP(19−23)−Pro34pNPY、pNPY(1−7)−hPP、pNPY(19−23)−hPP、pNPY(19−23)−Gln34hPP、pNPY(19−23)−His34hPP、pNPY(19−23)−PheGln34hPP、pNPY(19−23)−PheHis34hPP、pNPY(1−7,19−23)−hPP、pNPY(1−7,19−23)−Gln34hPP、cPP(20−23)−Pro34−pNPY、cPP(21−23)−Pro34−pNPY、cPP(22−23)−Pro34−pNPY、cPP(1−7)−Pro34−pNPY、cPP(20−23)−Pro34−pNPY、cPP(1−7,20−23)−Pro34−pNPY、cPP(1−7)−pNPY(19−23)−hPP、cPP(1−7)−pNPY(19−23)−His34hPP、cPP(1−7)−gPP(19−23)−hPP、cPP(1−7)−pNPY(19−23)−Ala31Aib32Gln34−hPP、cPP(1−7)−pNPY(19−23)−Ala31Aib32His34−hPP hPP(1−7)−Ala31Aib32−pNPY、hPP(1−17)−Ala31Aib32−pNPY、pNPY(1−7)−Ala31Aib32Gln34−hPP、もしくはpNPY(1−7,19−23)−Ala31Aib32Gln34−hPPを含まない。
一部の実施形態では、本発明のPPFキメラポリペプチドはPPファミリーアナログポリペプチドの断片を含んでもよい。例えば、PPFキメラポリペプチドは、本明細書で述べられたPPFキメラポリペプチドおよびPPアナログポリペプチド、およびNPYアナログポリペプチドを含んでもよい。
PYYアナログポリペプチドは、本明細書で述べられたアッセイ(食物摂取、胃内容排出、膵臓分泌、体組成、もしくは体重減少アッセイなど)の一つで、同じアッセイにおけるNPY、PYY、もしくはPYY(3−36)の効力と同等かそれ以上の効力を有するポリペプチドである。一部の実施形態では、本発明のPYYアナログポリペプチドは、PP、NPY、PYY、もしくはPYY(3−36)に比べて製造の容易さ、安定性、および/または製剤の容易さに改善を示す可能性がある。
一部の実施形態では、本発明のPPFキメラポリペプチドは栄養素利用性の低減、食物摂取の減少、体重増大の効果、およびまた代謝状態と代謝障害の治療と予防に関する天然のヒトPYYの生物活性の少なくとも約25%、もしくは約30%から、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約98%、もしくは約99%を保持する。別の実施形態では、本発明のPPFキメラポリペプチドは向上したPYY作動薬活性を示す。一部の実施形態では、本発明のPPFキメラポリペプチドは栄養素利用性の低減、食物摂取の減少、体重増大の効果、および/または代謝状態と代謝障害の治療と予防に関する天然のヒトPYYの生物活性の、少なくとも約110%、約125%、約130%、約140%、約150%、約200%、もしくはそれ以上を示す。
より具体的に、ある態様では、PPFキメラポリペプチドはPYYの断片に結合したPPの断片を含む。ある実施形態では、本発明のPPFキメラポリペプチドはC末端の端でPYYもしくはPYYアナログポリペプチドのC末端断片に結合したPPもしくはPPアナログポリペプチドのN末端断片を含む。別の実施形態では、本発明のPPFキメラポリペプチドはC末端の端でPP、もしくはPPアナログポリペプチドのC末端断片に結合したPYY、PYY(3−36)、もしくはPYYアナログポリペプチドのN末端断片を含む。
一部の実施形態では、PPFキメラポリペプチドはNPYの断片に結合したPPYの断片を含む。ある実施形態では、本発明のPPFキメラポリペプチドはC末端の端でNPYもしくはNPYアナログポリペプチドのC末端断片に結合したPYY、PYY(3−36)、もしくはPYYアナログポリペプチドのN末端断片を含む。別の実施形態では、本発明のPPFキメラポリペプチドはC末端の端でPYY、もしくはPYYアナログポリペプチドのC末端断片に結合したNPY、もしくはNPYアナログポリペプチドのN末端断片を含む。
一部の実施形態では、PPFキメラポリペプチドはNPYの断片に結合したPPの断片を含む。ある実施形態では、本発明のPPFキメラポリペプチドはC末端の端でNPYもしくはNPYアナログポリペプチドのC末端断片に結合したPP、もしくはPPアナログポリペプチドのN末端断片を含む。別の実施形態では、本発明のPPFキメラポリペプチドはC末端の端でPP、もしくはPPアナログポリペプチドのC末端断片に結合したNPY、もしくはNPYアナログポリペプチドのN末端断片を含む。
一部の実施形態では、PP、PPアナログポリペプチド、PYY、PYY(3−36)、PYYアナログポリペプチド、NPYもしくはNPYアナログポリペプチドの断片は、PP、PPアナログポリペプチド、PYY、PYY(3−36)、PYYアナログポリペプチド、NPYもしくはNPYアナログポリペプチドのアミノ酸残基4から20までの任意の場所に含む断片である。一部の実施形態では、少なくとも34アミノ酸の長さの最終PPFキメラポリペプチドを得るように断片の長さが選択される。
本発明のPPFキメラポリペプチドは、前記のPPFキメラポリペプチドのアミノ酸配列への置換、除去、および挿入などを含むがそれに限定されない、さらなる改変とその任意の組合せを含んでもよい。一部の実施形態では、本発明のPPFキメラポリペプチドは非必須のアミノ酸残基の一つ以上の改変を含む。本発明の文脈では、非必須のアミノ酸残基は天然のヒトアミノ酸配列の断片、例えばPPファミリーポリペプチド断片において、PPFキメラポリペプチドのPYY作動薬活性を損なうあるいは著しく減じることなしに変換可能な、即ち除去または置換可能なアミノ酸残基である。
本発明は、PPFキメラポリペプチドの誘導体にも関する。当該の誘導体は、例えばポリエチレングリコール(「PEG」)もしくは様々な長さの脂肪酸鎖(例えば、ステアリル、パルミトイル、オクタノイル)といった、一つ以上の水溶性ポリマー分子に結合した、あるいは、例えばポリhis、ポリarg、ポリlys、およびポリalaなどのポリアミノ酸の追加によって結合されているPPFキメラポリペプチドを含む。PPFキメラポリペプチドの改変は、短鎖アルキルと拘束されたアルキル(例えば分岐、環状、融合、アダマンチル)、および芳香族基などの小分子置換を含んでもよい。一部の実施形態では、水溶性ポリマー分子は約500Daから20,000Daの範囲の分子量を有する。
前記のポリマー結合と小分子置換改変は、PPFキメラポリペプチドの配列中のN末端もしくはC末端で、またはアミノ酸残基の側鎖で単独で生じてもよい。あるいは、PPFキメラポリペプチドの複数の誘導体化部位である場合もある。リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、またはシステインでの一つ以上のアミノ酸置換で誘導体化の更なる部位を与えてもよい。例として、米国特許第5,824,784号および米国特許第5,824,778号を参照。一部の実施形態では、PPFキメラポリペプチドは一つ、二つ、あるいは三つのポリマー分子に結合されてもよい。
一部の実施形態では、水溶性ポリマー分子はアミノ基、カルボキシ基、もしくはチオール基に結合され、またN末端もしくはC末端、またはリジンアスパラギン酸、グルタミン酸、もしくはシステインの側鎖で結合されてもよい。あるいは、水溶性ポリマー分子はジアミンおよびじカルボキシル基で結合されてもよい。一部の実施形態では、本発明のPPFキメラポリペプチドは、リジンアミノ酸上のイプシロンアミノ基を通じて一つ、二つ、あるいは三つのPEG分子に結合される。
本発明のPPFキメラポリペプチド誘導体は、一つ以上のアミノ酸残基に化学変換を持つPPFキメラポリペプチドも含む。当該の化学変換は、アミド化、グリコシル化、アシル化、硫酸化、リン酸化、アセチル化、および環化を含む。化学変換は、PPFキメラポリペプチド配列中のN末端もしくはC末端、またはアミノ酸残基の側鎖に単独で生じる場合がある。ある実施形態では、これらのペプチドのC末端が遊離の−OH基、あるいは−NH基を有する場合もある。別の実施形態では、N末端はイソブチルオキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、n−ブチルオキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソカプロイル基(「イソキャップ」)、オクタニル基、オクチルグリシン基(「G(Oct))、あるいは8−アミノオクタン酸基でキャップされてもよい。一部の実施形態では、環化はジスルフィド架橋の形成を介する場合がある。あるいは、PYYアナログポリペプチドに複数部位の化学変換がある場合がある。
一部の実施形態では、PPFキメラポリペプチドはSEQ ID NOs.238−347のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。
本発明のPPFキメラポリペプチドの例は配列表に提供され、後述の実施例の項でさらに論じられる。
その他のPPFポリペプチドは式(VI)(配列番号481)
Xaa Xaa Xaa Xaa Pro Glu Xaa Pro Xaa Glu
Asp Xaa12 Xaa13 Xaa14 Glu Xaa16 Xaa17 Xaa18 Xaa19 Tyr
Xaa21 Xaa22 Xaa23 Leu Xaa25 Xaa26 Tyr Xaa28 Asn Xaa30
Xaa31 Thr Arg Gln Xaa35 Xaa36
のペプチドを含み、
式中、
XaaはTyr、もしくは欠けており、
XaaはIle、Pro、もしくは欠けており、
XaaはIle、BH−改変Lys、Lys、Val、もしくはPro、
XaaはLys、BH−改変Lys、Ala、Ser、もしくはArg、
XaaはAla、Gly、もしくはHis、
XaaはGlyもしくはAla、
Xaa12はAlaもしくはPro、
Xaa13はSerもしくはPro、
Xaa14はPro、Ala、もしくはSer、
Xaa16はGluもしくはAsp、
Xaa17はLeuもしくはIle、
Xaa18はAsnもしくはAla、
Xaa19はArg、Lys、BH−改変Lys、Gln、もしくはN(Me)Ala、
Xaa21はTyr、Ala、Phe、Lys、もしくはBH−改変Lys、
Xaa22はAlaもしくはSer、
Xaa23はSer、Ala、もしくはAsp、
Xaa25はArg、Lys、もしくはBH−改変Lys、
Xaa26はHis、Ala、もしくはArg、
Xaa28はLeuもしくはIle、
Xaa30はLeuもしくはMet、
Xaa31はVal、Ile、もしくはLeu、
Xaa35はLys、BH−改変Lys、もしくはArg、および
Xaa36はTyr、Trp、もしくはPheであり、
前記のPPFポリペプチドは天然のPPFポリペプチド、PYY(2−36)、ValhPYY(3−36)、Lys25hPYY(3−36)、Lys25Ile28hPYY(3−36)、Lys25Ile31hPYY(3−36)、Lys25Leu31hPYY(3−36)、Lys25Phe36hPYY(3−36)、Ile28hPYY(3−36)、Ile31hPYY(3−36)、Leu31hPYY(3−36)、Phe36hPYY(3−36)、Leu31Phe36hPYY(3−36)、もしくはPro13Ala14hPYYではないという条件である。
当業者が認識するように、式VIのポリペプチドは遊離酸の形であっても良く、あるいはC末端がアミド化されてもよい。
一部の実施形態では、PPFポリペプチドは原則的に天然のヒトNPY(配列番号4)のアミノ酸残基18−16からなるC末端断片に結合した、原則的に天然のヒトPYY(配列番号2)の最初の17アミノ酸残基からなるN末端断片を含んでもよい。当該の断片は、PYY断片のN末端の一つ以上のアミノ酸残基が除去されていても、もしくは欠失してもよく、各PYYおよびNPY断片に1、2、3、4、5、6、7、8、9、あるいは10のアミノ酸置換が行われてもよい。一部の実施形態では、原則的にPPFポリペプチドの最初の17アミノ酸残基からなるN末端断片は天然PYYの最初の17アミノ酸残基に対して、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも94%、もしくは少なくとも97%の配列相同性を示す。一部の実施形態では、原則的にアミノ酸残基18−36からなるPPFポリペプチドのC末端断片は天然NPYのアミノ酸残基18−36に対して、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも94%、もしくは少なくとも97%の配列相同性を示す。一部の実施形態では、PYYのN末端断片中のアミノ酸(例えば、位置5および8のプロリン、位置6、10および15のグルタミン酸、もしくは位置11のアスパラギン酸)、および/またはNPYのC末端断片のアミノ酸(例えば、位置20および27のチロシン、位置24のロイシン、位置29のアスパラギン、位置32のスレオニン、位置33のアルギニン、位置34のグルタミン)は置換されない。一部の実施形態では、PPFポリペプチドは、SEQ ID No.266、267、274、282、320および436から480までのアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、PPFポリペプチドはさらにN末端キャップを含む。これらのPPFポリペプチドの例は、配列番号282、320、437、441、444、445−447、452、454−459、461−464、466、468−470および472−480を含む。
その他のPPFポリペプチドは式(VII)(配列番号482)
Xaa Xaa Pro Xaa Pro Xaa His Pro Xaa Xaa10
Xaa11 Xaa12 Xaa13 Xaa14 Xaa15 Xaa16 Xaa17 Ala Xaa19 Tyr
Xaa21 Xaa22 Xaa23 Leu Xaa25 Xaa26 Xaa27 Xaa28 Xaa29 Xaa30
Xaa31 Thr Arg Gln Arg Tyr
のペプチドを含み、
式中、
XaaはTyrもしくは欠けており、
XaaはIle、Pro、もしくは欠けており、
XaaはLys、BH−改変Lys、Ala、Ser、もしくはArg、
XaaはGlu、Gln、Ala、Asn、Asp、もしくはVal、
XaaはGlyもしくはAla、
Xaa10はGlu、Ala、Asp、Asn、Gln、Gly、Pro、もしくはAib、
Xaa11はGlu、Ala、Asp、Asn、Gln、Gly、Pro、もしくはAib、
Xaa12はAlaもしくはPro、
Xaa13はSerもしくはPro、
Xaa14はPro、Ala、もしくはSer、
Xaa15はGlu、Ala、Asp、Asn、Gln、Gly、Pro、もしくはAib、
Xaa16はGluもしくはAsp、
Xaa17はLeuもしくはIle、
Xaa19はArg、Lys、BH−改変Lys、Gln、もしくはN(Me)Ala、
Xaa21はTyr、Ala、Phe、Lys、もしくはBH−改変Lys、
Xaa22はAla、もしくはSer、
Xaa23はSer、Ala、もしくはAsp、
Xaa25はArg、Lys、もしくはBH−改変Lys、
Xaa26はHis、Ala、もしくはArg、
Xaa27はTyr、もしくはPhe、
Xaa28はLeu、もしくはIle、
Xaa29はAsn、もしくはGln、
Xaa30はLeu、もしくはMet、および
Xaa31はVal、Ile、もしくはLeuである。
当業者が認識するように、式VIIのポリペプチドは遊離酸の形であっても良く、あるいはC末端がアミド化されてもよい。
一部の実施形態では、PPFポリペプチドは原則的に天然のヒトNPY(配列番号4)のアミノ酸残基18−16からなるC末端断片に結合した、原則的に天然のヒトPYY(配列番号2)の最初の17アミノ酸残基からなるN末端断片を含んでもよい。当該の断片は、PYY断片のN末端の一つ以上のアミノ酸残基が除去されていても、もしくは欠失してもよく、各PYYおよびNPY断片に1、2、3、4、5、6、7、8、9、あるいは10のアミノ酸置換が行われてもよい。一部の実施形態では、原則的にPPFポリペプチドの最初の17アミノ酸残基からなるN末端断片は天然PYYの最初の17アミノ酸残基に対して、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも94%、もしくは少なくとも97%の配列相同性を示す。一部の実施形態では、原則的にアミノ酸残基18−36からなるPPFポリペプチドのC末端断片は天然NPYのアミノ酸残基18−36に対して、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも94%、もしくは少なくとも97%の配列相同性を示す。一部の実施形態では、PYYのN末端断片中のアミノ酸(例えば、位置3、5および8のプロリン、もしくはヒスチジン7)、および/またはNPYのC末端断片のアミノ酸(例えば、位置18のアラニン、位置20と36のチロシン、位置24のロイシン、位置32のスレオニン、位置33のアルギニン、位置34のグルタミン、もしくは位置35のアルギニン)は置換されない。一部の実施形態では、PPFポリペプチドはSEQ ID No.266、437、438、439、442、462、469、470、471および472のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、PPFポリペプチドはさらにN末端キャップを含む。これらのPPFポリペプチドの例は、SEQ ID No.437、462、469、470および472を含む。
本発明のPPFポリペプチドの例は配列表に提供され、後述の実施例の項でさらに論じられる。
B.代謝状態もしくは代謝障害の治療もしくは予防におけるPPFポリペプチドの利用
内因性のNPY(Schwartz et al.,Nature 404:661−71(2000)に概説されている)とPYY(Morley et al.,Brain Res.341:200−3(1985))は、その受容体を介して摂食行動を増進すると一般的に受け入れられている。肥満治療のための方法は常にY受容体に拮抗しようとしてきた一方、拒食症治療のための要求はこのリガンドファミリーの作動薬に向けられてきた。しかし、共有された係属中の米国特許出願第20020141985号に述べられ主張されるように、驚くべきことに特許文献と科学文献で報告された中で示唆されたように栄養素利用性を増強するのではなく(例として、PYY受容体作動薬の体重増加への利用を開示する、米国特許第5,912,227号および米国特許第6,315,203号を参照。)、PYYアナログポリペプチドの末梢投与が栄養素利用性を減少させる強力な効果を有することが発見された(Batterham et al.,Nature 418:650−4,2002、国際公開第03/026591号、および国際公開第03/057235号も参照)。食物摂取阻害、胃内容排出の減速、胃酸分泌阻害、および膵酵素分泌阻害の作用スペクトルは、例えば1型、2型糖尿病、および妊娠性糖尿病、肥満、ならびにその他のインスリン耐性症候群(症候群X)の徴候といった、代謝疾患において臨床的な利益を発揮する上で、また栄養素利用性減少のためのその他の任意の利用に有用である。
前記のように、本発明の別の態様では肥満の治療もしくは予防の方法が提供される。当該の方法は、それを必要とする対象への治療的または予防的に有効な量のPPFポリペプチドの投与を含む。一部の実施形態では、対象は肥満もしくは過体重の対象である。「肥満」とは一般的に体重指数が30以上と定義されるが、本開示の目的のため減量を必要とする、もしくは減量を望む体重指数が30未満の者を含む任意の対象が「肥満」の範囲に含まれる。インスリン耐性、グルコース不耐性、もしくは任意の種類の糖尿病(例えば、1型、2型、および妊娠性糖尿病)である対象は、この方法から利益を得られる。
本発明の別の態様では、食物摂取の減少、栄養素利用性の減少、減量をもたらす、体組成に影響を及ぼす、また体のエネルギー内容を変化させる、もしくはエネルギー消費を増加させる、糖尿病を治療する、および脂質プロファイルを改善させる(LDLコレステロールの減少および/またはトリグリセリド濃度の減少および/またはHDLコレステロール濃度の変化を含む)方法を提供する。当該の方法は、有効量の本発明のPPFポリペプチドの対象への投与を含む。一部の実施形態では、本発明の方法はそれを必要とする対象における栄養素利用性の減少により緩和され得る状態もしくは障害の治療もしくは予防に用いられ、治療的または予防的に有効な量の本発明のPPFポリペプチドの前記の対象への投与を含む。前記の状態と障害は、高血圧、異常脂質血症、心臓血管疾患、摂食障害、インスリン耐性、肥満、および任意の種類の糖尿病を含むがそれに限定されない。
理論による限定を意図せずに、本発明のPPFポリペプチドの末梢投与の効果は、食物摂取の減少、胃内容排出の減速、栄養素利用性の減少、および減量において、一つ以上の固有の受容体クラス、あるいはPPファミリーのそれと類似の受容体クラスとの相互作用によって判定される。より具体的には、受容体もしくはPYY選択的(またはY7)受容体に類似した受容体が関与しているようである。
本発明に有用なさらなるアッセイは、PPF化合物の体組成に対する作用を測定できるアッセイを含む。例となるアッセイは、代謝疾患のための食餌誘導型肥満(DIO)マウスモデルを利用するものである。治療期間の前に、オスのC57BL/6Jマウスに4週齢から始めて高脂肪食(#D12331、脂肪からのカロリー58%;Research Diets,Inc.)を6週間与えてもよい。調査中、マウスは高脂肪食を食べ続けてもよい。水は研究を通じて無制限に提供してもよい。DIOグループと代謝パラメーターを比較する目的で、同様の年齢の非肥満マウスの一群に低脂肪食(#D12329、脂肪からのカロリー11%)を与えてもよい。
DIOマウスは、溶媒(50%ジメチルスルホキシド(DMSO)水溶液)n=20あるいは本発明の化合物n=12を送達するために皮下(SC)肩甲骨内浸透圧ポンプを埋め込まれてもよい。後者の群のポンプは、例えば、本発明の化合物1000μg/kg/日といった任意の量を7日間送達するために設定されてもよい。
体重と食餌摂取を研究期間を通じて一定間隔で測定してもよい。呼吸商(RQ、CO生成÷O消費として定義される)と代謝速度は動物全身間接熱量測定計(Oxymax,Columbus Instruments,Columbus,OH)を用いて測定してもよい。マウスは、イソフルレンの過剰投与で安楽死させ、脂肪過多症の指標(両側の副睾丸脂肪体重量)を測定してもよい。さらに、副睾丸重量の測定前に、各マウスの体組成(除脂肪量、脂肪量)を二重エネルギーX線吸収(DEXA)装置(Lunar Piximus,GE Imaging System)で、メーカーの取扱書の指示に従って解析してもよい。一部の実施形態では、本発明のPPFポリペプチドは本明細書で述べられたアッセイ(食物摂取アッセイ、胃内容排出アッセイ、膵臓分泌物アッセイ、体重減少アッセイ、または体組成アッセイを含む。)の一つで効力を有し、同じアッセイでPP、NPY、PYY、もしくはPYY(3−36)より高い効力を有するポリペプチドである。
食物摂取の減少、体重減少、もしくは肥満の治療の結果としてのそれを必要とする対象における高血圧の緩和に加えて、本発明の化合物は実施例4に述べられたような高血圧の治療に用いられてもよい。
本発明の化合物は、膵島または膵臓細胞におけるグルコース応答性の増強、誘導、強化、および回復にも有用である可能性がある。それらの作用は、上述、および米国特許出願第20040228846号に述べられたような、糖尿病に関連した状態の治療もしくは予防に有用である可能性がある。前述の活性測定のためのアッセイは当業者に知られている。例えば、公開された米国特許出願第20040228846号(全体を参照して本明細書に組み入れられる)には、膵島の単離と培養、また胎児の膵島成熟測定のためのアッセイが述べられいる。米国特許出願第20040228846号の実施例中の膵臓ポリペプチド(PP)、神経ペプチドY(NPY)、神経ペプチドK(NPK)、PYY、セクレチン、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)、およびボンベシンなどの腸由来のホルモンペプチドはSigmaから購入した。XI型コラゲナーゼはSigmaから入手した。RPMI1640培地およびウシ胎児血清はGibcoから入手した。抗インスリン抗体を含む放射線イムノアッセイキット([ 125I]−RIA kit)はLinco,St Louisから購入した。
分娩後のラットの膵島はP−02齢のラットから得た。成獣ラットの膵島は、6−8週齢のラットから得た。ラット胎児の膵島は以下のように得た。妊娠したメスのラットを妊娠21日目に屠殺した。胎児を子宮から取り出した。各胎児から10−14の膵臓を解剖しハンクス緩衝液で2回洗浄した。膵臓をプールして6mLの1mg/mLコラゲナーゼ(Type XI、Sigma)に懸濁し、絶えず振盪しながら37℃で8−10分間インキュベートした。10倍量の氷冷したハンクス緩衝液を加えることで消化を止め、次にハンクス緩衝液で3回洗浄した。膵島をフィコール勾配で精製し、10%ウシ胎児血清(FBS)/RPMI培地中で1μM IBMX添加有りと無しで培養した。5日間の終わりに20の膵島を手作業で選び、各試験管に入れ静的インスリン放出をアッセイした。一般的には、膵島をKRP緩衝液で一次洗浄し、次に3mMの(低)グルコースを含む1mLのKRP緩衝液で37℃で絶えず振盪しながら30分間インキュベートした。上澄を回収した後、膵島を17mMの(高)グルコースで37℃で1時間インキュベートした。低グルコースまたは高グルコース刺激で放出されたインスリンを[ 125I]−RIA kitを用いて放射線イムノアッセイ(RIA)によりアッセイした。21の胎児膵島を200ng/mLのPYY、PP、CCK、NPK、NPY、セクレチン、GLP−1もしくはボンベシンの存在下で5日間培養した。
またインビボアッセイの例は、標準齧歯類試料Purina5008を与えた全てのfa/faオスで自発的に糖尿病を発現する近交系ラット(>F30世代)モデル、Zucker糖尿病肥満(ZDF)ラットのオスを用いて提供される。ZDF fa−faオスで約7週齢で高血糖症が発症し始め、グルコース濃度(食餌あり)は10から11週齢で一般的は500mg/DLに達する。インスリン濃度(食餌あり)は、糖尿病発症中は高い。しかし、19週齢までにインスリンは痩せたコントロール同腹子のレベルまで落ちる。肥満ラットの血漿のトリグリセリド濃度とコレステロール濃度は通常痩せたラットより高い。アッセイでは、各群6匹の7週齢のZDFラットの3群はALZAポンプを用いて1)溶媒コントロール、2)と3)それぞれ100pmol/kg/hrおよび500pmol/kg/hrの二つの異なる用量のPYYの14日間輸液処理を受けた。輸液前と輸液後7日目と14日目の4回、1)血漿グルコース濃度、2)血漿インスリン濃度、3)血漿トリグリセリド(TG)濃度の測定、同時に経口的ブドウ糖負荷試験(OGTT)を行った。適宜、これらのアッセイは所望の活性をテストするために本発明の化合物とともに用いてもよい。
PPFポリペプチドとして意図されるその他の使用は、アルツハイマー病の治療、予防もしくは発症遅延のための中枢神経系のアルミニウム(Al)濃度減少のための方法である(米国特許第6,734,166号、全体を参照して本明細書に組み入れる)。Alについての作用測定のためのアッセイは当業者に知られており、2倍体とTsマウスを用いるアッセイを米国特許第6,734,166号で見つけることができる。これらのマウスはNalgene(登録商標)ブランドの代謝ケージまたはポリプロピレンケージ中で個別に飼育され、実験前に3日の慣らし飼育を行った。マウスは、食べ物が供給されなかった安楽死前の16時間を除いて、実験中は自由に餌(LabDiet(登録商標)NIH Rat and Moust/Auto6F5K52,St.Louis,Mo)と水を利用することができた。マウスは、各活性化合物もしくは食塩水を毎日皮下注射された。マウスは、ある実験では13日間の終わりに屠殺され、別の実験では3日目で屠殺され、試料が採取された。マウスの脳試料は、清潔なテフロン(登録商標)ライナー中で重量を量り、低微量元素グレードの硝酸中で、マイクロウェーブ消化により解析のために調製された。次に、誘導結合プラズマ質量分析法(Nuttall et al.,Annals of Clinical and Laboratory Science 25,3,264−271(1995))を用いて試料のAl含量の解析を行った。解析中の全ての組織の取扱いは、背景汚染を最小限にするために高性能粒子捕捉エアフィルターシステムを用いてクリーンルーム環境で行った。
本発明の化合物は広範囲の生物活性を示し、その一部は分泌抑制作用と腸運動抑制作用に関連する。化合物は、上皮細胞との直接作用によって、あるいは、恐らく、ホルモンもしくは腸分泌を刺激する神経伝達物質の分泌を抑制することによって消化管分泌を抑制する可能性がある。抗分泌作用は、胃分泌および/または膵臓分泌の阻害を含み、胃炎、膵炎、バレット食道、および逆流性食道炎などの疾患と障害の治療もしくは予防に有用である可能性がある。
本発明の化合物は、過剰腸電解質と水の分泌に関連した任意の数の胃腸障害(例としてHarrison’s Principles of Internal Medicine,McGraw−Hill Inco,New York,12th Ed.を参照)、また例えば、感染性下痢、炎症性下痢、短腸症候群、または回腸人工肛門造設術などの外科手術処置後に一般的に生じる下痢といった、吸収低下の治療に有用である。感染性下痢の例は、急性ウイルス性下痢、急性細菌性下痢(例えば、サルモネラ、カンピロバクター、およびクロストリジウム、もしくは原虫感染による)、もしくは、旅行者下痢(例えば、ノーウォークウイルスまたはレトロウイルス)を限定なしに含む。炎症性下痢の例は、吸収不良症候群、熱帯性スプルー、慢性膵炎、クローン病、下痢、および、過敏性腸症候群を限定なしに含む。また、本発明のペプチドは、例えば手術後もしくはコレラによる胃腸障害に伴う緊急もしくは命に関わる状況の治療に利用可能であることが見いだされている。
本発明の化合物は、単に腸の損傷に関連した症状(例えば、下痢)を治療するのとは対照的に、腸の損傷の治療と予防にも有用である可能性がある。前記の腸に対する損傷は、潰瘍性大腸炎、炎症性大腸炎、腸萎縮、腸粘膜喪失、および/または腸粘膜機能の喪失である、もしくはその結果である可能性がある(国際公開第03/105763号参照、全体を参照して本明細書に組み入れる)。慢性的結腸炎症の単純で再現性があるラットモデルが、以前にMorris GP,et al.,“Hapten− induced model of chronic inflammation and ulceration in the rat colon.”Gastroenterology.1989;96:795−803で述べられている。比較的長期間の炎症と潰瘍を示し、厳密に管理された方法で結腸炎症の病態生理学研究を行うための、またヒトの炎症性大腸炎に適応可能である可能性がある新しい治療を評価するための機会が得られる。
前述の活性のアッセイは、国際公開第03/105763号に述べられているように、250−300gの範囲の11週齢のオスHSDラットを12:12時間明暗周期下で飼育し、標準齧歯類試料(Teklad LM 485,Madison,WI)と水の自由摂取を含む。動物は実験前に24時間絶食させた。ラットを3%のイソフルランで麻酔し、37℃に設定したアンカ上に置いた。直腸から経管栄養針を結腸に7cm挿入した。Mazelin,et al.,“Protective role of vagal afferents in experimentally−induced colitis in rats.”Juton Nerv Syst.1998;73:38 45で述べられたように、50%エタノール(v/v)に溶解したハプテン・トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)を経管栄養針を介して、結腸内腔に30mg/kgの用量で合計容量0、0.4−0.6mLを送達した。コントロール群は食塩水(0.9%のNaCl)を結腸内に投与された。
結腸炎誘導4日後に、結腸を麻酔し断頭術で安楽死させたラットから摘出した。切除した結腸と脾臓の重量を測定し、損傷の肉眼的形態評価のために結腸を写真撮影した。炎症は充血の領域と腸壁の厚さで定義された。
本発明の化合物は、膵臓腫瘍の治療もしくは予防(例えば、膵臓腫瘍の増殖阻害)に用いられてもよい。本発明の方法は腫瘍細胞の増殖低減を含む。本発明に従って治療され得る良性膵臓腫瘍細胞の種類は、漿液性嚢胞腺腫、小嚢胞腫瘍、固形嚢胞腫瘍(solid cystic tumor)などである。方法は、膵臓の管、腺房もしくは膵島から生じる癌腫といった悪性膵臓腫瘍細胞の増殖低減にも効果的である。米国特許第5,574,010号(全体を参照して本明細書に組み入れる)は、抗増殖作用試験のための例となるアッセイを提供する。例えば、米国特許第5,574,010号の特許は、PANC−1およびMiaPaCa−2は、American Type Culture Collection,ATCC(Rockville,Md.)などの供給源から市販されている二つのヒト膵臓腺癌の癌細胞系であることを提供する。二つの腫瘍細胞は、10%ウシ胎児血清、29.2mg/Lのグルタミン、25μgのゲンタマイシン、5mLのペニシリン、ストレプトマイシン、およびファンギゾン溶液(JRH Biosciences,Lenexa,Kans.)を添加したRPMI−1640培地中で37℃でNAPCOのウォータージャケット付きの5%COインキュベーター中で培養した。全ての細胞系は、週に1、2回、癌細胞が単層コンフルエントに達したら0.25%のトリプシン(Clonetics,San Diego,Calif.)で剥離した。細胞を500gで7分間、4℃に冷やした遠心機でペレットにし、トリプシンを含まない強化されたRPMI−1640培地に再懸濁した。生細胞を血球計算板上でトリパンブルー染色を用いて数えた。
各種細胞を10,000、20,000、40,000、および80,000細胞を96穴マイクロカルチャープレート(Costar,Cambridge,Mass.)にウェル当たり全容積200μLの培地に添加した。細胞をPYYもしくはテストペプチドの添加前に24時間接着させた。ペプチド添加前に新鮮な培地に交換した。PYYもしくはテスト化合物との膵臓癌細胞のインビトロ・インキュベーションは、6時間と36時間の長さで続けた。PYYは細胞にウェル当たり250pmol、25pmol、2.5pmolの用量で添加した(N=14)。テスト化合物は、細胞培養にウェル当たり400pmol、40pmol、および4pmolの用量で添加した。コントロールウェルには体積と接着した腫瘍細胞への生理的なかく乱を模倣するために2μLの0.9%食塩水を添加した。各96穴プレートは、実験の間各プレート内で比較できるように18のコントロールウェルを含んだ。96穴プレートはPANC−1およびMiaPaCa−2の両方の細胞で様々な濃度のPYYとテスト化合物を用いて6回繰り返した。
インキュベーション期間の最後に、3−(4,5−ジメチルチアゾリル−2−イル)−2,5−臭化ジフェニルテトラゾリウム、MTT臭化テトラゾリウム(Sigma,St.Louis,Mo.)を新鮮な培地に0.5mg/mLで添加した。培地を交換し、腫瘍細胞を4時間MTT臭化テトラゾリウムと37℃でインキュベートした。インキュベーションの終わりに培地を吸引した。ホルマザン結晶の沈殿を200μLのジメチル・スルホキシド(Sigma,St.Louis,Mo.)に溶解した。溶解したホルマザンの定量は、ELISAリーダー(Molecular Devices,Menlo Park,Calif.)で500nmの波長の吸収を読みとることで行った。MTTアッセイは、ミトコンドリアNADHに依存するデヒドロゲナーゼ活性を測定し、インビトロの腫瘍細胞の化学療法反応を定量するための最も感度がよく信頼できる方法である。(Alley,M.C.,Scudiero,D.A.,Monk,A.,Hursey,M.L.,Dzerwinski,M.J.,Fine,D.L.,Abbott,B.J.,Mayo,J.G.,Shoemaker,R.H.and Boyd,M.R.,Feasibility of drug screening with panels of human tumor cell lines using a microculture tetrazolium assay Cancer Res.,48:589−601,1988;Carmichael,J.,DeGraff,W.G.,Gazdar,A.F.,Minna,J.D.and Mitchell,J.B.,Evaluation of a tetrazolium−based semiautomated colorimetric assay:Assessment of chemosensitivity testing.Cancer Res.,47:936−942,1987;McHale,A.P.,McHale,L.,Use of a tetrazolium based colorimetric assay in assessing photoradiation therapy in vitro.Cancer Lett.,41:315−321,1988;and Saxton,R.E.,Huang,M.Z.,Plante D.,Fetterman,H.F.,Lufkin,R.B.,Soudant,J.,Castro,D.J.,Laser and daunomycin chemophototherapy of human carcinoma cells.J.Clin.Laser Med.and Surg.,10(5):331−336,1992.)。500nmでの吸収読み取りの解析は、同じテスト条件のウェルをグループ化し、コントロールと様々な濃度のペプチド処理の間に生じた差を一元配置ANOVAで検証することで解析した。
例となるインビボアッセイも提供する。ペプチドYYおよびテスト化合物によるインビボ増殖阻害をヒト膵管腺癌Mia Paca−2で検討した。70,000から100,000のヒトMia Paca−2細胞を48匹のオスの無胸腺マウスに同所移植した。1週間後、動物をPYYかテスト化合物のいずれかで、ミニ浸透圧ポンプにおり200pmol/kg/hrで4週間処理した。組みにした培養は食塩水を与えた。屠殺時に双方の腫瘍の寸法と重量を測定した。コントロールマウスは組織切片により証明されたように、膵臓中のヒトの癌は顕著に増殖した。9週間目、コントロールマウスの90%がかなりの転移性疾患を有していた。腫瘍体積は試験処理したマウスで60.5%まで、PYY処理したマウスは27%まで減少した。
PPFポリペプチドは、単独あるいは医薬的に許容可能な担体または賦形剤との組合せで、単回投与または複数回投与で投与してもよい。これらの医薬化合物は、Remington’s Pharmaceutical Sciences by E.W.Martinに開示されているような従来技術に従って、医薬的に許容可能な担体または希釈剤、またその他のアジュバントや賦形剤と共に製剤されてもよい。参照して本明細書に組み入れられるWang,Y.J.and Hanson,M.A.“Parenteral Formulations of Proteins and Peptides:Stability and Stabilizers,”Journal of Parenteral Science and Technology,Technical Report No.10,Supp.42:2S(1988も参照)。
PPFポリペプチドは、用量単位の形で供給されてもよい。例えば、体組成に影響するPPFポリペプチドの治療的な有効量は患者の年齢と体重、患者の健康状態、使用されるその他の治療との組合せ、例えば全体的な減量および/または除脂肪体重の維持もしくは増加といった最終的な達成目標、またその他の要因など多くの要因により異なる。しかし、一般的な用量は、一日当たりの医薬化合物約0.05μg約0.1μg、約1μg、約5μg、約10μg、約50μg、約75μg、もしくは約100μgの下限から、約50μg、約100μg、約500μg、約1mg、約5mg、約10mg、約15mg、約50mg、約100mg、もしくは約150mgの上限までである。また、1回分当たり化合物0.1μgから1mgまでといった、もしくは、1回分当たり約0.001μg/kgから約500μg/kgまでといったその他の用量範囲が意図される。一部の実施形態では、本発明のPPFポリペプチドは1日当たり約0.5μgから約5mgの単回もしくは分割投与、または制御された連続的放出、または1回分当たり約0.01μg/kgから約500μg/kgまでの用量、または1回分当たり約0.05μg/kgから約250μg/kgまでの用量で末梢的に投与される。一部の実施形態では、PPFポリペプチドは約50μg/kg未満の投与量で投与される。これらの範囲における投薬量は各アナログまたは誘導体の効力で異なり、またもちろん当業者により容易に決定され得る。
1日当たりの用量は、個別の単位用量で送達されるか、24時間の間に連続的に供給されるか、もしくは、24時間の任意の分割で投与されてもよい。1日当たりの投与回数は、1日1回からそれ以上の回数と言うこともあり得るが、約4回までであってもよい。連続送達は持続注入の形であり得る。その他の意図される例となる用量と注入速度は、個別の用量当たり0.05nmol/kgから約20nmol/kg、または持続注入で約0.01/pmol/kg/minから約10/pmol/kg/minなどである。これらの用量と注入は、例えば、経口、舌下、経鼻、経肛門、膣内もしくは経皮送達により、または特定の部位への外科的埋め込みにより、静脈内投与(i.v.)、皮内投与、筋肉内投与、乳腺内投与、腹腔内投与、髄腔内投与、球後投与、肺内投与(例えば、末端放出)、皮下投与(s.c.)などの、任意の既知の従来の末梢方法もしくは将来開発される末梢方法により送達されてもよい。i.v.で与えられる医薬組成物の例となる送達当たりの総用量は、1日当たり約1μgから約8mgであってもよい一方、s.c.で与えられる医薬組成物の例となる送達当たりの総用量は、1日当たり約6μgから約16mgであってもよい。
ある一般的な態様では、本発明の方法は、その他の体重調節化合物もしくは体脂肪調節化合物とPPFポリペプチドとの組合せでの使用を含んでもよい。本発明の方法は、本発明のPYY、PYY作動薬、もしくはPPFポリペプチドは別々にあるいは例えば栄養素利用性の減少、食物摂取、体重、体重増加もしくは体組成を変化させるための長期作用または短期作用を示す一つ以上の他の化合物および組成物とともに投与されてもよい。前記の化合物は、アミリン、アミリン作動薬もしくはアミリンアナログ作動薬、サケのカルシトニン、コレシストキニン(CCK)もしくはCCK作動薬、レプチン(OBタンパク質)またはレプチン作動薬、エキセンディンもしくはエキセンディンアナログ作動薬、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)、GLP−1作動薬またはGLP−1アナログ作動薬、CCK、CCK作動薬、カルシトニン、カルシトニン作動薬、小分子カンナビノイドCB1受容体拮抗剤、リモナバン、11β−ヒドロキシステロイド・デヒドロゲナーゼ−1阻害剤、シブトラミン、フェンテルミン、および、食欲制御といったその他の肥満治療のために市販されている薬剤からなるその他の化合物および組成物を含むがそれに限定されない。これらの化合物は組合せで、同時に、または連続的に投与されてもよい。適切なアミリン作動薬は、例えば、[25,28,29Pro−]ヒトアミリン(「プラムリンチド」としても知られ、米国特許第5,686,511号および第5,998,367号に述べられている)、サケのカルシトニン等を含む。一部の実施形態では、使用されるCCKはCCKオクトペプチド(CCK−8)である。レプチンは、例えば(Pelleymounter et al.,Science 269:540−3(1995);Halaas et al.,Science 269:543−6(1995);Campfield et al.,Science 269:546−9(1995))で考察されている。適切なエキセンディンはエキセンディン−3およびエキセンディン−4、およびエキセンディン作動薬化合物であり、例えば、PCT公開、国際公開第99/07404号、第99/25727号および第99/25728号に述べられている。
C.ポリペプチドの生成と精製
本明細書で述べられたPPFポリペプチドは、当業者に知られた標準的な組み換え技術もしくは、例えば自動または半自動ペプチド合成機、あるいはその両方を用いるなど、化学ペプチド合成技術を用いて調製してもよい。
本発明のPPFポリペプチドは、溶液中で、もしくは固体支持体上で従来技術に従って合成することができる。様々な自動合成装置が市販されており、既知のプロトコルに従って使用できる。例えば、Stewart and Young,Solid Phase Peptide Synthesis,2d.ed.,Pierce Chemical Co.(1984);Tam et al.,J.Am.Chem.Soc.105:6442(1983);Merrifield,Science 232:341−7(1986);and Barany and Merrifield,The Peptides,Gross and Meienhofer,eds.,Academic Press,New York,1−284(1979)を参照。固相ペプチド合成は、自動ペプチド合成機(例えばModel 430A,Applied Biosystems Inc.,Foster City,California)で、NMP/HOBt(オプション1)システムとキャッピングにtBocまたはFmocケミストリーを用いて行ってもよい(Applied Biosystems User’s Manual for the ABI 430A Peptide Synthesizer,Version 1.3B July 1,1988,section 6,pp.49−70,Applied Biosystems,Inc.,Foster City,California)を参照)。またペプチドはAdvanced ChemTech Synthesizer(Model MPS 350,Louisville,Kentucky)を用いて組み立てられてもよい。ペプチドは、例えばWaters Delta Prep 3000システムおよびC4,C8、またはC18調製カラム(10μ,2.2×25cm;Vydac,Hesperia,California)をもちいてRP−HPLC(準備および解析)により精製してもよい。活性タンパク質は容易に合成され、次に反応性のペプチドを特定するよう設計されたスクリーニングアッセイでスクリーニングされる。
本発明のPPFポリペプチドは、あるいは当業者によく知られた組み換え技術により生成することもできる。例として、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2d ed.,Cold Spring Harbor(1989)を参照。組み換え技術により生成されるこれらのPYYアナログポリペプチドはポリヌクレオチドから発現されてもよい。当業者は、前記のPYYアナログポリペプチドをコードしたDNAとRNAを含むポリヌクレオチドは、コドン使用頻度の縮重を考慮した上で野生型PYYcDNAから得られることを理解するだろう。これらのポリヌクレオチド配列は、微生物宿主内でのmRNAの転写と翻訳を容易にするコドンを組み込んでもよい。前述の配列作成は、当業者によく知られている方法にしたがって容易に構築される。例として、国際公開第83/04053号を参照。上記のポリヌクレオチドは、任意でN末端メチオニル残基をコードしてもよい。本発明において有用な非ペプチド化合物も、当業者に知られた方法で調製可能である。例えば、リン酸含有アミノ酸およびペプチド含有の前記のアミノ酸は、当業者に知られた方法を用いて調製可能である。例えば、Bartlett and Landen,Bioorg.Chem.14:356−77(1986)を参照。
PPFポリペプチドをコードする配列を含み、発現するために、様々な発現ベクター/宿主系が利用可能である。これらは組み換えバクテリオファージ、プラスミド、もしくはコスミドDNA発現ベクターで形質転換した細菌、酵母発現ベクターで形質転換した酵母、ウィルス発現ベクターを感染させた昆虫細胞システム(例えばバキュロウイルス)、ウィルス発現ベクターで形質転換した(例えば、カリフラワー・モザイクウイルス、CaMV;タバコモザイクウイルス、TMV)、もしくは細菌発現ベクター(例えば、TiまたはpBR322プラスミド)で形質転換した植物細胞システム、あるいは動物細胞システムを含むがそれに限定されない。組み換えタンパク質生成に有用な哺乳類細胞は、ベロ細胞、Hela細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞系、COS細胞(COS−7など)、WI38、BHK、HepG2、3T3、RIN、MDCK、A549、PC12、K562、および293細胞を含むがそれに限定されない。タンパク質の組み換え体発現のための例となるプロトコルは、本明細書に後述される。
前記の様に、本発明で提供されるポリヌクレオチド配列は、新規の有用なウイルスおよびプラスミドDNAベクター、新規の有用な形質転換および形質導入された原核宿主細胞および真核宿主細胞(細菌、酵母、培養中で増殖させた哺乳類細胞を含む)、および本発明のPPFポリペプチドの発現が可能な新規で有用な前記宿主細胞の培養増殖方法の作成に有用である。本明細書のPPFポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列は、例えば、PP、PYY、もしくはNPYの生産不足が緩和される、もしくはその濃度上昇が必要である場合の遺伝子治療に有用であるかもしれない。
本発明は、本発明のPPFポリペプチドの組み換えDNAの作成方法も提供する。提供される方法は、前記のPPFポリペプチドをコードする核酸を含む宿主細胞からPPFポリペプチドを作成する方法であり、(a)前記のPPFポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む前記の宿主細胞を、当該のDNA分子の発現が可能な条件下での培養と、(b)前記のPPFポリペプチドの獲得とを含む。
宿主細胞は、細菌、哺乳類細胞(例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、サル細胞、ハムスター幼獣腎臓細胞、癌細胞、その他の細胞など)を含む原核細胞または真核細胞、酵母細胞、および昆虫細胞である。
組み換えタンパク質発現のための哺乳類宿主系は当業者によく知られている。宿主細胞系は、タンパク質発現を行う、あるいは、タンパク質の活性をもたらすのに有用な特定の翻訳後改変を作成する特定の能力で選択されてもよい。ポリペプチドの前記の改変は、アセチル化、カルボキシル化、グリコシル化、リン酸化、脂質化、およびアシル化を含むがそれに限定されない。タンパク質の「プレプロ」体(前前駆体)を開裂させる翻訳後のプロセシングは、正しい挿入、折りたたみ、および/または機能に重要である可能性もある。例えば、CHO、HeLa、MDCK、293、WI38などといった異なる宿主細胞は、そのような翻訳後改変活性のための特定の細胞装置および特徴的な機構を有し、導入した外来タンパク質の正しい改変とプロセシングを確保するために選択してもよい。
あるいは、本発明のPPFポリペプチドの作成に酵母システムが採用されてもよい。PPFポリペプチドcDNAのコード領域をPCRで増幅する。DNAをコードしている酵母のプレプロ−αリーダー配列を酵母ゲノムDNAから増幅する。PCR反応では、α接合因子遺伝子のヌクレオチド1−20を含むあるプライマーと、この遺伝子のヌクレオチド255−235に相補的な別のプライマーを用いる(Kurjan and Herskowitz,Cell,30:933−43(1982))。プレプロ−αリーダーをコードする配列とPPFポリペプチドをコードする配列断片は、酵母のアルコールデヒドロゲナーゼ(ADH2)プロモーターを含むプラスミドに、プロモーターがプレプロ−α因子を成熟したPPFポリペプチドに融合した融合タンパク質の発現を指示するようにライゲーションされる。Rose and Broach,Meth.Enz.185:234−79,Goeddel ed.,Academic Press,Inc.,San Diego,California(1990)に教示されたように、ベクターはさらにクローニング部位の下流にADH2転写ターミネーター、酵母「2ミクロン」複製オリジン、酵母のleu−2d遺伝子、酵母REP1およびREP2遺伝子、E.coliのβラクタマーゼ遺伝子、およびE.coliの複製オリジンを含む。βラクタマーゼ遺伝子とleu−2d遺伝子は、それぞれ細菌と酵母の選択を提供する。leu−2d遺伝子は、酵母内での高発現レベルを誘導するためにプラスミドのコピー数の増加も可能にする。REP1およびREP2遺伝子は、プラスミドのコピー数の調節に関するタンパク質をコードする。
前のパラグラフで述べられたDNAのコンストラクトは、例えばリチウム酢酸処理(Steams et al.,Meth.Enz.185:280−97(1990))などの既知の方法を用いて酵母細胞に形質転換される。ADH2プロモーターは培地中のグルコースの枯渇で誘導される(Price et al.,Gene 55:287(1987))。プレプロ−α配列は、融合タンパク質の細胞からの分泌に作用する。同時に、酵母のKEX2タンパク質はプレプロ配列を成熟したPYYアナログポリペプチドから開裂させる(Bitter et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:5330−4(1984))。
本発明のPPFポリペプチドは、例えばPichia Expression System(Invitrogen,San Diego,California)などの市販の発現システムを用いて、メーカーの取扱書に従って組み換え体として酵母で発現されてもよい。このシステムも、直接分泌するためにプレプロ−α配列に依存しているが、挿入の転写はアルコールオキシダーゼ(AOX1)プロモーターによりメタノールによる誘導によって行われる。分泌されたPPFポリペプチドは酵母の増殖培地から、例えばPPFポリペプチドを細菌や哺乳類細胞の上澄から生成する際に用いた方法によって精製される。
あるいは、PYYアナログポリペプチドをコードするcDNAは、バキュロウイルス発現ベクターpVL1393(PharMingen,San Diego,California)にクローニングしてもよい。このPPFポリペプチドを含むベクターは、次にメーカー(PharMingen)の取扱書の指示に従ってsF9無タンパク質培地中でSpodoptera frugiperda細胞に感染させ、組み換えタンパク質を産生するために用いられる。タンパク質を培地からヘパリン−セファロースカラム(Pharmacia,Piscataway,New Jersey)を、続いて分子サイズカラム(Amicon,Beverly,Massachusetts)を用いて精製、濃縮し、PBSに再懸濁する。SDS−PAGE解析は単一バンドを示し、タンパク質のサイズを確認し、またN末端配列をProton 2090 Peptide Sequencerでエドマン法を行う。
例えば、予測される成熟PYYアナログポリペプチドをコードするDNA配列を所望のプロモーターと、任意でリーダー配列(例としてBetter et al.,Science 240:1041−3(1988)を参照)を含むプラスミドにクローニングする。このコンストラクトの配列は自動配列決定装置で確認してもよい。プラスミドは次に、細菌のCaClインキュベーションと熱ショック処理を用いる標準的な方法でE.coliのMC1061株に形質転換する(Sambrook et al.,上記参照)。形質転換した細菌をカルベニシリンを添加したLB培地で培養し、発現されたタンパク質の産生は適切な培地での増殖で誘導される。リーダー配列が存在している場合には、成熟したPYYアナログポリペプチドの分泌と分泌の際の開裂に影響する。分泌された組み換えタンパク質は、本明細書の下に述べる方法によって細菌の培地から精製される。
あるいは、本発明のPPFポリペプチドは昆虫システム中で発現してもよい。タンパク質発現のための昆虫システムは当業者によく知られている。前記のシステムの一つでは、Autographa californica核多核体病ウィルス(AcNPV)がSpodoptera frugiperda細胞またはTrichoplusiaの幼虫外来遺伝子発現のためのベクターとして用いられる。PPFポリペプチドをコードする配列は、ポリヘドリン遺伝子などのウイルスの非必須領域にクローニングされ、ポリヘドリンプロモーターの制御下に置かれる。PYYアナログポリペプチドの挿入の成功は、ポリヘドリン遺伝子が不活性であり、コートタンパクの被覆を欠いた組み換えウイルスを産生させる。組み換えウイルスは、次にPYYアナログポリペプチドを発現するS.frugiperda細胞またはTrichoplusiaの幼虫の感染に用いられる(Smith et al.,J.Virol.46:584(1983);Engelhard et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:3224−7(1994))。
別の例では、PPFポリペプチドをコードするDNA配列はPCRで増幅して、例えばpGEX−3X(Pharmacia,Piscataway,New Jersey)などの適切なベクターにクローニングしてもよい。pGEXベクターは、ベクターにコードされているグルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)と、ベクターのクローニング部位に挿入されたDNA断片にコードされたタンパク質を含む融合タンパク質を産生するよう設計されている。PCR用のプライマーは、例えば、適切な開裂部位を含んで作成してもよい。組み換え融合タンパク質は、次に融合タンパク質のGST部分から開裂されてもよい。pGEX−3X/PYYアナログポリペプチドのコンストラクトをE.coli XL−1 Blue細胞(Stratagene,La Jolla,California)に形質転換し、個別の形質転換体を単離し、波長600nmの吸光度0.4までLB培地(カルベニシリン添加)中で37℃で培養し、その後、イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(Sigma Chemical Co.,St.Louis,Missouri)存在下でさらに4時間培養する。個別の形質転換体由来のプラスミドDNAを精製し、希望のPPFポリペプチドをコードする遺伝子挿入が適切な方向で存在していることを確認するために自動配列決定装置を用いて部分的に配列決定する。
不溶の封入体としてバクテリア内に産生されると意図される融合タンパクは以下のように精製してもよい。細胞を遠心によって回収し、0.15M NaCl,10mM Tris,pH8,1mM EDTA中で洗浄し、0.1mg/mLリゾチーム(Sigma Chemical Co.)で室温で15分間処理する。溶菌液を超音波で清澄にし、細胞残渣を12,000xgで10分間の遠心によってペレットにする。融合タンパク質を含むペレットを50mM Tris,pH8,10mM EDTAに再懸濁し、50%グリセロールに重層し、6,000xgで30分間遠心する。ペレットをMG++とCa++を含まない標準的なリン酸緩衝生理食塩水(PBS)に再懸濁する。融合タンパク質を、再懸濁したペレットを変性SDSポリアクリルアミドゲル分画(Sambrook et al.,前記参照)することによりさらに精製する。ゲルを0.4M KClに浸しタンパク質を可視化し、切り出してSDSを含まない泳動緩衝液中で電気的に溶出する。GST/PYYアナログポリペプチド融合タンパク質が細菌中で可溶性のタンパク質として産生される場合には、GST Purification Module(Pharmacia Biotech)を用いて精製してもよい。
融合タンパク質は、成熟なPYYアナログポリペプチドからGSTを開裂させるために消化に供することもできる。消化反応液(20−40μgの融合タンパク質、0.5mL PBS中に20−30単位のヒトスロンビン(4000 U/mg,Sigma))を16−48時間室温でインキュベートし、反応産物を分画するために変性SDS−PAGEゲルにローディングする。ゲルを0.4M KClに浸し、タンパク質のバンドを可視化させる。PYYアナログポリペプチドの意図された分子量と一致したタンパク質バンドの同一性を、自動配列決定装置(Applied Biosystems Model 473A,Foster City,California)を用いて部分的アミノ酸配列解析で確認する。
本発明のPYYポリペプチドの組み換え体発現のある方法では、HEK293細胞をPYYアナログポリペプチドcDNAを含むpCMVベクター(5’CMVプロモーター、3’HGHポリ配列)とpSVneo(ネオマイシン耐性遺伝子含有)を含むプラスミドと共にリン酸カルシウム法により共形質転換してもよい。一部の実施形態では、ベクターは形質移入前にScaIで線状化しなければならない。同様に、neo遺伝子を組み込んだ同様のpCMVベクターを用いた別のコンストラクトを使用してもよい。安定な細胞系は、0.5mg/mLのG418(ネオマイシン様の抗生物質)を含む培地中で10−14日間、限界希釈法によって単一の細胞クローンから選択する。細胞系は、PYYアナログポリペプチド発現についてELISAまたはウェスタンブロットによってスクリーニングし、高発現細胞系を大規模増殖に展開する。
一部の実施形態では、形質転換した細胞は長期の高収量のタンパク質産生と安定発現が望ましい場合がある。前記の細胞は、望ましい発現カセットと共に選択マーカーを含むベクターで一旦形質転換し、選択培地に転換する前に細胞を強化した培地中で1−2日間で増殖させた。選択マーカーは選択に抵抗性を与えるよう設計し、導入された配列の発現に成功した細胞の増殖と回収が可能になる。安定な形質転換細胞の耐性集団は、細胞に適した組織培養技術を用いて増殖させることができる。
組み換えタンパク質産生のために形質転換された細胞回収のために、数多くの選択システムが用いられてもよい。前記の選択システムは、それぞれ、tk−細胞、hgprt−細胞、またはaprt−細胞中のHSVチミジンキナーゼ遺伝子、ヒポキサンチン・グアニン・ホスホリボシルトランスフェラーゼ遺伝子、およびアデニン・ホスホリボシルトランスフェラーゼ遺伝子を含むがそれに限定されない。また、メトトレキサート耐性を与えるdrfr、ミコフェノール酸耐性を与えるgpt、アミノグリコシドまたはG418耐性とクロルスルフロンにも耐性を与えるneo、ハイグロマイシン耐性を与えるhygroといった代謝拮抗物質耐性も選択の基盤として利用可能である。有用である可能性がある更なる選択遺伝子は、細胞をトリプトファンに変えてインドールが利用できるようにするtrpB、もしくは、ヒスチジンの代わりにヒスチノールを利用できるようにするhisDなどがある。形質転換体の選別に視覚的指標を与えるマーカーには、アントシアニン、β−グルクロニダーゼとその基質であるGUS、およびルシフェラーゼとその基質であるルシフェリンがある。
本発明のPPFポリペプチドの多くは、自動ペプチド合成装置と組み換え技術の両方の組合せを用いて作成されてもよい。例えば本発明のPPFポリペプチドは、除去、置換およびPEG化による挿入などの改変の組合せを含んでもよい。前記のPPFポリペプチドは段階的に作成されてもよい。最初の段階では、除去、置換、挿入およびその任意の組合せの改変を含むPPFポリペプチド中間体は、上述のような組み換え技術により作成されてもよい。次に、後述のような任意の精製過程の後、望みのPPFポリペプチドを得るためにPPFポリペプチド中間体を適切なPEG化試薬(例えば、NeKtar Therapeutics,San Carlos,Californiaの製品)で化学改変によりPEG化する。当業者は、上述の過程が、除去、置換、挿入、誘導体化、およびその他の当業者に知られた改変方法から選択され、本発明で意図された改変の組合せを含むPPFポリペプチドに一般的に適用することを理解するであろう。
本発明によって作成したPPFポリペプチドは精製するのが望ましい可能性がある。ペプチドの精製技術は当業者によく知られている。これらの技術は、細胞の粗画分のポリペプチドと非ポリペプチドへの分画を伴う。その他のタンパク質から分離したポリペプチドを得たら、部分精製または完全な精製(あるいは均質になるよう精製)を達成するため、興味があるポリペプチドをさらにクロマトグラフィーや電気泳動技術を用いて精製してもよい。純粋なペプチドの調製に特に適している分析的な方法は、イオン交換クロマトグラフィー、排除クロマトグラフィー、ポリアクリルアミドゲル電気泳動、および等電点電気泳動である。ペプチド精製のために特に効果的な方法は、逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を行い、次に、液体クロマトグラフィー質量分析(LC/MS)とマトリクス支援レーザー脱離イオン化質量分析法(MALDI)によって精製産物の解析を行う方法である。さらに純度の確認がアミノ酸解析によって得られる。
本発明のある態様は精製に関し、また特定の実施形態ではコードされたタンパク質またはペプチドの十分な精製に関する。本明細書において「精製されたペプチド」の語は、他の成分から分離可能な組成物を意味するよう意図されており、当該のペプチドは天然に得られる状態に比較して任意の程度まで精製される。精製されたペプチドは従って、自然に生じる可能性がある環境を含まないペプチドも意味する。
一般的に「精製された」とは、生物活性の発現が実質的に残っている他の様々な成分を除去するため、分画に供されたペプチド組成物を表す。「実質的に精製された」という語を用いた場合、この意味は、組成物中のペプチドが例えば約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくはそれ以上であるといったように、ペプチドが組成物の主成分をなす組成物を示す。
ペプチド精製に用いるのに適した様々な技術が当業者によく知られている。これらは、例えば、硫酸アンモニウム沈殿、PEG沈殿、抗体沈殿など、熱変性とその後の遠心、例えばイオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過、逆相クロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィーといったクロマトグラフィー工程、等電点電気泳動、電気泳動、および、前記とその他の技術の組合せを含む。一般的に当業者に知られているように、様々な精製工程を行う順は変更してもよく、特定の工程は省略してもよく、依然として、実質的に精製されたタンパク質もしくはペプチドの調製に適切な方法をもたらすと考えられている。
ペプチドが常に最も精製された状態で提供される一般的な必要条件はない。実際、実質的にあまり精製されていない産物が特定の実施形態で使用されることを意図している。部分精製は、より少ない精製段階の組合せを用いて、もしくは異なる種類の同じ一般的な精製方法を利用することで達成される可能性がある。例えば、HPLC装置を用いて行った陽イオン交換カラムクロマトグラフィーは、低圧クロマトグラフィーシステムを利用する同じ技術に比べて一般的により大きな精製倍率の精製結果をもたらす。低い精製度を示す方法はタンパク質産物の全回収、または発現したタンパク質の活性の維持において有利である可能性がある。
前記のPPFポリペプチドを、工程の中で得られたその他の成分から任意に、精製、単離してもよい。ポリペプチド精製の方法は、米国特許第5,849,883号中に見いだすことができる。これらの文書は、本発明のPPFポリペプチドの単離精製に有用である可能性がある具体的な例となる、G−CSF組成物の単離と精製の方法を述べている。これらの特許の開示を鑑みると、当業者が、所定の供給源からPPFポリペプチドを精製するために利用可能な数多くの精製技術にはっきりと気づくのは明らかである。
また、陽イオン交換とイムノアフィニティークロマトグラフィーの組合せが精製された本発明のPPFポリペプチド組成物に利用されることを意図している。
D.医薬組成物
本発明は、治療的もしくは予防的に有効量の一つ以上の本発明のPPFポリペプチド、またはその医薬的に許容可能な塩と共に医薬的に許容可能なPPFポリペプチドの送達に有用な希釈剤、保存料、可溶化剤、乳化剤、アジュバント、および/または担体を含む医薬組成物にも関する。前記の組成物は、様々な緩衝剤(酢酸、クエン酸、グルタミン酸、酒石酸、リン酸、TRIS)、pH、イオン強度などを含む希釈剤、例えば界面活性剤や可溶化剤(例えば、ソルビタンモノオレエート、レシチン、Pluronic、Tween−20とTween−80、ポリソルベート−20とポリソルベート−80、プロピレングリコール、エタノール、PEG−40、ドデシル硫酸ナトリウム)の添加を、抗酸化剤(例えば、monothioglyercol、アスコルビン酸、アセチルシステイン、亜硫酸塩(亜硫酸水素塩とメタ重亜硫酸塩))、保存料(例えば、フェノール、メタクレゾール、ベンジルアルコール、パラベン(メチル、プロピル、ブチル)、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、チメロサール、酢酸フェニル塩(酢酸塩、ホウ酸塩、硝酸塩)および、等張化剤/充てん剤(グリセリン、塩化ナトリウム、マンニトール、スクロース、トレハロース、グルコース)、例えばポリ乳酸、ポリグリコール酸などのポリマー化合物の粒子状製剤への材料の取り込み、もしくはリポソームへの結合を含んでもよい。前記の組成物は、本発明のPPFポリペプチドの物理状態、安定性、インビボでの放出速度、インビボクリアランスに影響する。例として、Remington’s Pharmaceutical Sciences 1435−712,18th ed.,Mack Publishing Co.,Easton,Pennsylvania(1990)を参照。
一般的に本発明のPPFポリペプチドは、PP、PYY、またはNPYがその薬理学的特徴の観点で有用であるのと同様に有用である。例となる使用は、代謝状態と代謝障害の治療もしくは予防のための末梢への前記のPPFポリペプチドの投与である。具体的には、本発明の化合物は栄養素利用性を低下させ、食物摂取を減少させ、および減量に作用する薬剤としての活性を有する。
本発明のPPFポリペプチドは、注射投与、経口投与、経鼻投与、肺投与、局所投与、もしくは当業者が認めるその他の投与のための製剤を含む、末梢投与のために製剤されてもよい。さらに具体的には、本発明による医薬組成物の投与は、標的組織がその経路を利用可能である限りは、任意の一般的な経路を介してもよい。一部の実施形態では、医薬組成物は対象に、例えば、経口送達、舌下送達、経鼻送達、経肛門送達、膣内送達、もしくは経皮送達による、静脈内、皮内、筋肉内、乳房内、腹腔内、髄腔内、球後、肺内(例えば、末端放出)といった任意の従来の末端への投与方法で導入してもよい。治療は、単回投与もしくは長期間にわたる複数投与からなる可能性がある。本発明の組成物の制御された連続的放出も意図されている。
製剤は、例えば、固形、液体、半固形、または液体といった様々な形からなる場合もある。製剤は、液体であっても、あるいは、再構成のための凍結乾燥された固定であってもよい。本明細書において「固形」の語は、例えば、粉末、および凍結乾燥製剤を含むこの用語の全ての通常の使用を含んで意味する。本発明の水溶性組成物は、医薬的に許容可能な担体もしくは水媒体に溶解もしくは分散した有効量のPPFポリペプチドを含む。「医薬的に、もしくは、医薬的に許容可能な」という語句は、動物もしくはヒトに投与した際に、有害反応、アレルギー反応、もしくはその他の悪影響を生じない分子の実体と組成物を意味する。本明細書において、「医薬的に許容可能な担体」は、任意かつ全ての溶媒、分散媒、被覆、抗細菌剤と抗真菌剤、等張剤、および、吸収遅延剤などを含む。医薬的な活性物質への前記の媒体や薬剤の使用は、当業者によく知られている。任意の従来の媒体もしくは薬剤が活性成分と両立しない場合を除き、治療組成物へのその使用は意図されている。補足的な活性成分を組成物に組み込んでもよい。ある例では、PPFポリペプチドとその他の食物摂取減少、血漿グルコース低下、もしくは、血漿脂質変換剤、例えばアミリン、もしくはアミリンアナログ作動薬、CCKもしくはCCK作動薬、またはレプチン(OBタンパク質)もしくはレプチン作動薬、またはエキセンディンもしくはエキセンディンアナログ作動薬、小分子カンナビノイドCB1受容体拮抗剤、リモナバン、β−ヒドロキシステロイド・デヒドロゲナーゼ−1阻害剤、シブトラミン、フェンテルミンやその他の肥満の治療のための市販薬剤などを単一組成物として、あるいは共に投与する溶液として提供すると便利である。別の例では、前記のPPFポリペプチドと別に追加の薬剤を投与するとより有利である可能性もある。
本発明のPPFポリペプチドは、投与のために、界面活性剤(例えば、ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(Tween20)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(Tween80)、レシチン、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体(Pluronics)、ヒドロキシプロピルセルロース)、もしくは錯体形成剤(例えば、ヒドロキシプロピル−b−シクロデキストリン、サルフォブチエーテル−b−シクロデキストリン(Captisol)、ポリビニルピロリドン)と適切に混合された遊離の塩、もしくは医薬的に許容可能な塩の水溶液として投与するために調製されてもよい。医薬的に許容可能な塩は、酸付加塩(タンパク質の遊離のアミノ基と形成される)と有機酸と共に形成される、例えば、塩酸、リン酸、もしくは酢酸、シュウ酸、酒石酸、マンデル酸といった有機酸などの酸付加塩を含む。遊離のカルボキシル基と形成された塩も、例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、もしくは水酸化第二鉄などの無機塩基、および、例えばイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ヒスチジン、プロカインなどの前記の有機塩から派生する。前記の産物は、当業者によく知られた方法によって容易に調製される。分散もまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、およびその混合物中とオイル中に調製することもできる。
一般的な医薬的意味において、保存料とは、微生物の増殖を予防もしくは阻害し、微生物によって起こる製剤の腐敗を防ぐ目的で製剤に添加される可能性がある物質である。保存料の量は多くないにも関わらず、ペプチドの全体的な安定性に影響する可能性がある。一般的に保存と使用のための通常の条件下では、これらの製剤は微生物の増殖を防ぐ保存料を含む。医薬組成物で使用する保存料は0.005から1.0%(w/v)の範囲である可能性があるが、一部の実施形態では、各保存単独もしくはその組み合わせでの範囲は、ベンジルアルコール(0.1−0.6%)、もしくはm−クレゾール(0.1−0.6%)、もしくはフェノール(0.1−0.8%)、もしくはメチル(0.05−0.25%)とエチルの組合せ、もしくはエチルパラベン、プロピルパラベンもしくはブチルパラベン(0.005−0.03%)である。パラベンは、パラ−ヒドロキシ安息香酸の低級アルキルエーテルである。
界面活性剤は、疎水性の破壊と塩橋の分離の両方によって、タンパク質の変性を引き起こす可能性がある。比較的低濃度の界面活性剤は、界面活性剤部分とタンパク質の反応部位の間の強力な相互作用のため、強力な変性作用を発揮する可能性がある。しかし、この相互作用の賢明な利用は、タンパク質を界面変性もしくは表面変性対して安定化することができる。さらにペプチドを安定化し得る界面活性剤は、任意で全製剤の約0.001から0.3%(w/v)の範囲で存在する可能性があり、ポリソルベート80(つまり、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート)、CHAPS(登録商標)(即ち、3−[(3−クロルアミドプロピル)ジメチルアンモニオ] 1−プロパンサルフォネート)、Brij(登録商標)(例えば、ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテルであるBrij35)、ポロキサマー、または別の非イオン性活性剤を含む。
本発明のペプチド製剤の安定性は、液状の場合、製剤のpHを約3.0から約7.0の範囲に維持することによって強化される。一部の実施形態では、PPFポリペプチドは、例えば、pHが約3.0から約8.0、約3.5から約7.4、約3.5から約6.0、約3.5から約5.0、約3.7から約4.7、約3.7から約4.3、約3.8から約4.2の緩衝液などの水性の担体に懸濁される。一部の実施形態では、非経口製剤は等張もしくは実質的に等張である。一部の実施形態では、非経口の製品の溶媒は水である。非経口投与に適切な質の水は、蒸留、もしくは逆浸透により調製できる。水は医薬製剤の使用のための注射のための水性媒体として使用してもよい。有用な緩衝液は、酢酸ナトリウム/酢酸、乳酸ナトリウム/乳酸、アスコルビン酸、クエン酸ナトリウム/クエン酸、炭酸ナトリウム/炭酸、コハク酸ナトリウム/コハク酸、ヒスチジン、安息香酸ナトリウム/安息香酸、および、リン酸ナトリウム、およびトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを含む。持続性型、または緩慢な放出製剤である「持続性薬剤」が、治療的有効量の製剤が経皮的注射または送達後数時間、数日にも渡って血流に送達されるように使用される可能性がある。
一部の実施形態では、本発明の医薬組成物は、例えば、注射や輸液といった非経口投与に適切であるように製剤される。一部の実施形態では、液体製剤は非経口投与を目的としている。適切な投与経路は、筋肉内、静脈内、皮下、皮内、粘膜、関節内、髄腔内、気管支等を含む。これらの経路は、液体、半固体もしくは固体のPPFポリペプチドの投与を含む、経口、経鼻、舌下、肺、および口腔内投与を含むがそれに限定されない。一部の経路を介した投与は、望ましい生物作用を得るために非経口送達と比較して生物利用率が減少するために、実質的により多くのPPFポリペプチドが必要である。さらに、非経口の制御放出送達は、ポリマーマイクロカプセル、マトリックス、溶液、インプラント、および装置を作り、それを非経口的にまたは外科的な方法で投与することで達成される可能性がある。制御放出製剤の例は、参照して本明細書に組み込む、米国特許第6,368,630号、第6,379,704号、および第5,766,627号に述べられている。これらの投薬形態は、ペプチドの一部がポリマーマトリックスまたは装置に補足されるために、生物利用率が低い可能性がある。例として、米国特許第6,379,704号、第6,379,703号、および第6,296,842号を参照。一部の実施形態では、注入使用に適切な医薬組成物は、滅菌素溶液、滅菌分散剤、および、滅菌注射用溶液または滅菌注射用分散の即時調製のための滅菌粉末を含む。一部の実施形態では、製剤は滅菌すべきであり、また液体は容易に注入可能な範囲で流動性であるべきである。また、本発明のPPFポリペプチドは製造、貯蔵の条件下で安定であることが望ましく、細菌や菌類といった微生物の汚染に対して保存されなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、ソルビトール、グリセロール、プロピレングリコール、および液体のポリエチレングリコールなど)、ジメチルアセタミド、cremorphor EL、それらの適切な混合液、並びにオイル(例えば、ダイズ、ゴマ、トウゴマ、綿実油、エチルオレイン酸、イソプロピルミリスチン酸、グリコフロール、コーン)を含む、溶媒もしくは分散剤媒体であってもよい。適した流動性は、例えばレシチンなどの被覆の利用によって、分散の場合に必要とされる粒子サイズの維持によって、界面活性剤の使用によって維持されてもよい。微生物作用の防止は、例えば、メタクレゾール、ベンジルアルコール、パラベン(メチル、プロピル、ブチル)、クロロブタノール、フェノール、フェニル水銀塩(酢酸、硼酸、硝酸)、ソルビン酸、チメロサール、などの様々な抗生物質と抗真菌剤によってもたらされる可能性がある。一部の実施形態では、等張化剤(例えば、糖類と塩化ナトリウム)が含まれてもよい。注射用組成物の長期にわたる吸収は、吸収遅延させる薬剤(例えば、一ステアリン酸アルミニウムやゼラチン)の組成物での使用によりもたらされる可能性がある。
一部の実施形態では、例えば経口製剤では滅菌が不要な場合もある。しかし、もし滅菌が望まれる、もしくは必要であるなら、本発明のペプチド医薬製剤の開発のために、任意の適切な滅菌方法が使用可能である。一般的に、滅菌方法は、濾過、蒸気(湿式加熱)、乾式加熱、ガス(例えば、エチレンオキサイド、ホルムアルデヒド、二酸化塩素、プロピレンオキサイド、β−プロピオラクトン、オゾン、クロロピクリン、過酢酸臭化メチルなど)、放射線源への曝露、および無菌操作等が含まれる。濾過は、本発明の液体製剤の望ましい滅菌方法である。滅菌濾過は連続して連結することもできる、0.45μmおよび0.22μm(1または2)を通じた濾過が伴う。濾過後、溶液は適切なバイアルや容器に満たされる。注射用の滅菌溶液は、上に列挙した様々な他の成分と共に、適切な溶媒中に必要量の活性化合物を組み込むことによって調製されてもよい。一般的に、分散液は、塩基分散溶媒および上に列記した他の必要な成分を含有する滅菌賦形剤に様々な活性成分を組み込むことによって調製する。注射用滅菌溶液の調整用の滅菌粉末の場合、例となる調整方法は、粉末の活性成分と予め滅菌濾過した溶液からの追加の望ましい成分を得る、吸引乾燥および凍結乾燥技術である
一般的に、PPF化合物は、患者への投与のために安定で安全な医薬組成物に製剤することができる。本発明の方法で使用が意図される医薬製剤は、約0.01から約20%(w/v)、もしくは約0.05から約10%のPPF化合物からなる。PPF化合物は、等張化調整剤として炭水化物もしくは多価アルコールを含み、また、m−クレゾール、ベンジルアルコール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、およびフェノールからなる群から選択された約0.005から5.0%(w/v)の保存料を任意で含む、pHが約3.0から約7.0の最終組成物を可能にする酢酸緩衝液、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、もしくはグルタミン酸緩衝液(例えば、最終的な製剤濃度は約1−5mMから約60mM)であってもよい。前記の保存料は、製剤されたペプチドが複数使用製品に含まれている場合に、一般的に含まれる。
本発明の製剤には、任意で安定剤が含まれてもよい。しかし、含まれる場合には、本発明の実施において有用な安定剤は炭水化物または多価アルコールである。本発明の実施において有用な適した安定剤は、約1.0から10%(w/v)の炭水化物または多価アルコールである。多価アルコールと炭水化物は、骨格において同じ特徴、つまりタンパク質の安定化に役割を果たす−CHOH−CHOH−を共有している。多価アルコールは、例えば、ソルビトール、マンニトール、グリセロール、およびポリエチレングリコール(PEG)等の化合物を含む。これらの化合物は直鎖分子である。一方、例えばマンノース、リボース、スクロース、フルクトース、トレハロース、マルトース、イノシトール、およびラクトースといった炭水化物は、ケトン基もしくはアルデヒド基を含む場合がある環状分子である。これら2つのクラスの化合物は、温度の上昇や凍結解凍または凍結乾燥過程による変性に対してタンパク質を安定化させる作用があることが示されている。適した炭水化物は、ガラクトース、アラビノース、ラクトース、もしくは(もしこれが望ましい性質であれば)、糖尿病患者に有害な影響を有さない、即ち、血中のグルコースを許容できないほどの高濃度にしない代謝されない炭水化物である、その他の炭水化物を含む。
一部の実施形態では、安定剤が含まれている場合には、PPF化合物は例えばソルビトール、マンニトール、イノシトール、グリセロール、キシリトールおよびポリプロピレン/エチレングリコール共重合体、また分子量が200、400、1450、3350、4000、6000、および8000の様々なポリエチレングリコール(PEG)等といった多価アルコールで安定化される。凍結乾燥された本発明の製剤の別の有用な特徴は、安定性を維持するのに役立つ同じ製剤成分と共に本明細書に述べられた凍結乾燥製剤の等張性の維持である。一部の実施形態では、マンニトールがこの目的に用いられる多価アルコールである。
完全に不活性な容器が無いため、もしくは、特に液体が水性である場合には、容器中の液体に一部の方法が作用しないため、容器も注射製剤の一部として考慮される場合がある。従って、注射特有の容器の選択は、容器の組成、また溶液、ならびに対象となるであろう治療に関する考慮に基づかなければならない。必要であれば、例えば、Wheaton タイプ I ホウケイ酸ガラス#33(Wheaton TypeI−33)(Wheaton Glass Co.)、またはそれと同等のホウケイ酸ガラスを用いることによって、ペプチドのバイアルガラス表面への吸着を最小化することもできる。類似のホウケイ酸ガラスバイアルと製造に許容可能なカートリッジのその他の供給会社は、Kimbel Glass Co.、West Co.、Bunder Glas GMBHおよびForma Vitrumである。PPFポリペプチドの生物学的、化学的特性は、5%マンニトールおよび0.02%Tween80存在化で最終濃度0.1mg/mLと10mg/mLのPPFポリペプチドをWheaton TypeI−33ホウケイ酸血清バイアル中で製剤、凍結乾燥することによって安定化させる。複数用量バイアルに注射器の針が導入できるよう、また針を引き抜いた後直ぐ再密封を提供させるため、各バイアルの開口部はアルミニウムのバンドで固定されたゴム栓で密閉されてもよい。West 4416/50,4416/50(テフロン(登録商標)仕上げ)、および4406/40、Abbott 5139、もしくは相当する任意の栓などのガラスバイアルの栓が、注射のための医薬的な閉鎖として用いられてもよい。これらの栓はペプチドと同様、製剤のその他の成分にも適合する。発明者は、例えば栓は少なくとも100回の注射に耐えられるといった、患者に用いるパターンで使用し試験した場合、これらの栓が完全性試験に合格することも見いだした。一部の実施形態では、ペプチドはその後の再構成のために、バイアル、注射器、またはカートリッジ中で凍結乾燥されてもよい。本発明の液体製剤は、一つか二つのチャンバーがあるカートリッジまたは一つか二つのチャンバーがある注射器にに満たされてもよい。
一部の実施形態では、液体製剤のための製造方法は、配合、滅菌濾過、および充てん工程を伴う。一部の実施形態では、配合方法は、特定の順序(保存料の後に、安定剤/等張化剤、緩衝液、そしてペプチド)での原料の溶解、または同時溶解を伴う。
アメリカ薬局方(USP)は、複数用量容器に入った製剤には、抗微生物剤を静菌的あるいは静真菌的濃度で製剤に加えなければならないと記載している。抗生物剤は、注射針と注射器で、もしくは、例えばペン型注射器のような送達のためのその他の侵襲的な方法で内容物の一部を抜き取る際に不注意に製剤に導入された微生物の増殖を防ぐために、使用時に十分な濃度で存在しなければならない。抗微生物剤は、製剤のその他全ての成分との適合性を確保するために評価し、また、特定の薬剤がある製剤で有効で別の製剤で効果がないことを確認するため、その活性を全体の製剤の中で評価する必要がある。特定の抗生剤がある製剤で有効だが別の製剤で有効でないというのは一般的なことではない。
本発明の特定の実施形態で、本発明の医薬製剤は例えば、約0.01%と約98%(w/v)の間、もしくは約1%と約98%の間、もしくは約80%と約90%の間、もしくは約0.01%と約50%の間、もしくは約10%と約25%の間といった一連の濃度のPPF化合物を含んでもよい。望ましい溶液濃度を得るために注射に十分な量の水を用いてもよい。本明細書で述べられた医薬製剤は凍結乾燥してもよい。典型的な製剤は、浸透圧調節剤として9.3%スクロースを含む10mM酢酸ナトリウム緩衝液、pH4.2中、1mg/mLのPPF化合物である可能性がある。
必要なら、塩化ナトリウムなどの等張化剤およびその他の既知の賦形剤が存在してもよい。前記の賦形剤が存在する場合、PPFポリペプチドの全体の等張性を維持するのが望ましい可能性がある。賦形剤は、現在述べられる製剤に様々な濃度で含まれる場合がある。例えば、賦形剤は約0.02%から約20%w/w、約0.02%と約0.5%の間、約0.02%から約10%、約1%から約20%の範囲の濃度で含まれてもよい。加えて、本製剤自体と同様の賦形剤は固体(粉末を含む)、液体、半固体、もしくはゲルの形で含まれてもよい。
製剤中にその他の原料が存在する可能性もある。前記の追加原料は、例えば湿潤剤、乳化剤、オイル、抗酸化剤、充てん剤、等張化調節剤、キレート剤、金属イオン、油性媒体、タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン、ゼラチンまたはタンパク質)、および両性イオン(例えば、ベタイン、タウリン、アルギニン、グリシン、リジン、およびヒスチジンなどのアミノ酸)を含む可能性もある。さらに、ポリマー溶液、もしくはポリマーとの混合液は、ペプチドの制御放出の機会を提供する。前述の追加原料は、もちろん、本発明の製剤の全体的な安定性に悪影響を及ぼしてはならない。
一般的に、本発明のPPFポリペプチドの治療的、もしくは予防的な有効量は、受容者の年齢、体重、および疾患の状態または重篤度、または代謝状態と代謝障害によって決定される。例として、Remington’s Pharmaceutical Sciences 697−773を参照。また、Wang and Hanson,Parenteral Formulations of Proteins and Peptides:Stability and Stabilizers,Journal of Parenteral Science and Technology,Technical Report No.10,Supp.42:2S(1988)も参照。一般的に、約0.001μg/体重kg/日から約1000μg/体重kg/日の間の用量が用いられるが、当業者が理解するように、それ以上もしくはそれ以下で使用してもよい。投薬は一日に1回、2回、3回、4回、もしくはそれ以上、または、製剤に応じて週に1回、月に1回、もしくは四半期に1回、といったより少ない頻度であってもよく、また本明細書に述べられたように、その他の組成物との組合せでもよい。本発明はここに引用された用量に限定されないことに留意しなければならない。
適切な用量は、関連した用量反応データと合わせて、代謝状態もしくは代謝障害のレベル測定のために確立されたアッセイの使用を通じて確認してもよい。最終的な投与計画は、例えば、薬剤の特異的活性、患者の障害および反応性の重篤度、患者の年齢、状態、体重、性別、および食事療法、感染症の重篤度、投与の時間、およびその他の臨床要因といった、薬剤の作用を加減する要因を考慮して主治医により決定される。研究が行われるにつれ、個別の疾患と状態に対する適切な用量レベルと治療期間に関する更なる情報が明らかになるだろう。
一部の実施形態では、有効な用量は一般的に約0.5μgから約5mg/日、約10μgから約2mg/日、約100μgから約1mg/日、もしくは約5μgから約500μg/日の範囲であり、単独または、2回、3回、4回もしくはそれ以上に分割された用量で投与される。従って、典型的な用量は1日に与えられる薬剤の総量と1日に投与される投与回数から導き出すことができる。典型的な用量は、約0.125μg/用量(5μgを1日に4回投与)から約5mg/用量(5mgを1日1回投与)の範囲である可能性がある。別の用量では、約0.01から約250μg/kg/用量の間である可能性がある。投与される正確な用量は、当業者により決定することができ、また、特定の化合物の効力と個人の年齢、体重および状態に依存する。投与は、栄養素利用性、食物摂取、体重、血糖、もしくは血漿脂質の低下の抑制が望まれる時にはいつでも、例えば、症状の最初の徴候の時点、または肥満、糖尿病、もしくはインスリン耐性症候群と診断された直後に開始しなくてはならない。投与は任意の経路、例えば注射、皮下、筋肉内、経口、経鼻、経皮などによる可能性がある。例えば経口投与のような特定の経路のための用量は、生物利用率の低下を考慮して、例えば約5−100倍増加される。
一部の実施例では、医薬製剤が非経口投与される場合には、組成物は0.1μg/kgから100mg/体重kg/日の範囲のPPFポリペプチドの用量が送達されるよう製剤される。一部の実施例では、用量の範囲は1μg/kgから約50mg/体重kg/日の範囲である。典型的な1日の量は、下限の2、5、10、20、40、60、もしくは80から上限の80、100、150、200、もしくは250までの範囲である可能性がある。非経口投与は、最初のボーラス投与の後、薬剤の治療的血中濃度を維持するための継続的な輸液で行ってもよい。一般の当業者は、十分な医療処置と個別の患者の臨床状態に従って決定されたように、有効な用量と投与計画を容易に最適化するだろう。
投薬頻度は、薬剤と投与経路の薬物動態パラメーターに依存する。最適な医薬製剤は、当業者により投与経路と求められる用量によって決定されるだろう。例として、Remington’s Pharmaceutical Sciences,上記参照,pages 1435−1712を参照。前述の製剤は、投与される薬剤の物理状態、安定性、インビボでの放出速度とインビボでのクリアランス速度に影響する可能性がある。適切な用量は投与経路によって、体重、体表面積、もしくは臓器サイズによって計算してもよい。更なる適切な治療用量を決定するのに必要な計算の改良は、特に用量の情報と本明細書で開示されたアッセイ、また動物もしくはヒトでの臨床試験の薬物動態学的データを踏まえて、過度の実験なしに一般の当業者により日常的に行われる。
本発明の医薬組成物と治療方法はヒトの医学と獣医学の領域で有用であることが高く評価されるだろう。即ち、治療される対象は哺乳類である可能性がある。一部の実施形態では、哺乳類はヒトもしくはその他の動物である。獣医学的な目的には、対象は例えばウシ、ヒツジ、ブタ、ウマおよびヤギなどの家畜、イヌやネコといったペット、外来動物や動物園の動物、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、およびハムスターなどの実験動物、およびニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、ガチョウなどの家禽を含む。
さらに、本発明は、本発明のPPFポリペプチド、前記の本発明のPPFポリペプチドの医薬的応用のための調製に適切なコンポーネント、および前記のPPFポリペプチド使用のための取扱説明書と医薬的応用のためのコンポーネントからなるキットを意図している。
本発明の理解を助けるため、以下の実施例を記載する。本発明に関連する実験は、当然ながら、本明細書に述べられ、また以下に記載されるように、当業者が本発明の範囲に含まれると見なす範囲である現在知られている、もしくは将来明らかになる、本発明と前記の本発明の変形を具体的に限定するように解釈すべきではない。
本発明は、より完全に本発明を例証するために提供した下記の限定されない実施例を参照してより詳細に述べられているが、本発明の範囲を限定するものとしては解釈されない。実施例は、本発明のPPFポリペプチドの調製、およびこれら本発明のPPFポリペプチドのインビトロおよび/またはインビボでの試験を説明する。当業者は、これらの実施例で述べられた技術が本発明の実践における最良の態様を構成し、また発明者により述べられた技術が本発明の実践において十分機能することを意味することを理解するだろう。また一方、開示され今なお同様の結果を本発明の精神と範囲を逸脱しない範囲で得ている特定の方法においては、本開示に照らして多くの変更が行われ得ることを当業者は理解しなければならない点は高く評価されなければならない。
実施例1 PPFポリペプチドの調製
本発明のペプチドは、Rink amide resin(Novabiochem)を用いるSymphony peptide synthesizer(Protein Technologies,Inc.)で0.050−0.100 mmolで0.43−0.49 mmol/gのローディングで作成してもよい。Fmocアミノ酸残基(5.0等量、0.250−0.500mmol)を0.10Mの濃度で1−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解する。その他の試薬((O−ベンゾトリアゾール−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウム−ヘキサフルオロ−リン酸(HBTU)、1−水酸化ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIEA))は、0.55 Mジメチルホルムアミド溶液として調製する。Fmocで保護されたアミノ酸は、次にHBTU(2.0等量、0.100−0.200mmol)、1−水酸化ヒドロキシベンゾトリアゾール(1.8等量、0.090−0.18mmol),N,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.4等量、0.120−0.240mmol)を用いてレジン結合アミノ酸と2時間カップリングする。最後のアミノ酸のカップリング後、ペプチドをピペリジン20%(v/v)のジメチルホルムアミド(DMF)溶液で1時間脱保護する。ポリペプチド配列が完成したら、ペプチドを樹脂から切断するようSymphony peptide synthesizerを設定する。ペプチドの樹脂からのトリフルオロ酢酸(TFA)切断は93%TFA、3%フェノール、3%水、および1%トリイソプロピルシランを用いて1時間行う。切断されたペプチドはタート−ブチルメチルエーテルを用いて沈殿させ、遠心でペレットにし、凍結乾燥する。ペレットを水(10−15mL)に再溶解、濾過し、逆相HPLCでC18カラムと0.1%TFAを含むアセトニトリル/水勾配を用いて精製する。結果として得られたペプチドを逆相HPLCにより均質になるよう精製し、純度をLC/MSで確認する。
本発明のペプチドの脂肪酸とアシル官能基(例えば、オクタン酸、ステアリン酸、イソカプロイル、およびイソブチルオキシカルボニル改変)によるNキャップ形成の一般的な方法は以下の通り。Rinkアミド樹脂(0.1mmol)上のペプチドをNMP(5mL)に懸濁する。別のバイアルに、HBTU(0.3mmol)とHOBt(0.3mmol)をDMF(5mL)に溶解した後、DIEA(0.6 mmol)を添加する。溶液を樹脂に加え、この懸濁液を2時間振盪する。溶媒を濾過してNMP(5mL x 4回)およびCHCl(20mL)で十分に洗浄し、蒸発させて1時間のTFA切断に供する。目的とするペプチドの収量は、切断と精製後で約40mgである。N−カルバメート誘導体(イソブチルオキシ、イソプロピルオキシ、n−ブチルオキシ、エトキシ)は、対応する塩化カルボニルとRinkアミド樹脂上のペプチドをDIEA、DMAPおよび乾燥CHClを用いてカップリングすることにより得られた。
リジンのイプシロンアミノ基への脂肪酸組み込みの一般的な方法は以下の通り。改変は精製したペプチドのリジンの遊離イプシロンアミノ基に対して、脂肪酸と活性化試薬(HBTU/HOBt)の存在下でDMF溶液中で行った。結果として得られた誘導体を逆相HPLCで精製し、純度をLC/MSで確認する。
PEG改変は、リジンの遊離イプシロンアミノ基、もしくは精製したペプチドの末端アミノ基に対して、市販の活性PEGエステルを用いて溶液中で行ってもよい。結果として得られたPEG化誘導体を均質になるよう逆相HPLCで精製し、純度をLC/MSとMALDI−MSで確認する。
分子内ジスルフィド結合形成は、酸化剤としてヨウ素/酢酸を用いて遊離のシステインに対して行ってもよい。
本発明のPPFポリペプチドは、インビトロで当業者に一般的に知られた結合アッセイ方法を用いたY受容体結合アッセイなど、もしくは、インビボで当業者に一般的に知られた方法を用いた食物摂取、体重および体組成アッセイなど、様々な生物学的アッセイでテストしてもよい。典型的なアッセイは後述されたアッセイを含む。
/G関連受容体によるシグナル伝達アッセイ:理論により制限される意図なしに、ヘテロ三量体Gタンパク質を介するGタンパク質関連受容体(GPCR)シグナル伝達は、αサブユニットの構成に基づくシグナル伝達クラスに分類することができる。G、GおよびG/Gタンパク質は、異なる生理的エンドポイントに至るシグナル伝達経路の活性化を通じて細胞内シグナル伝達を媒介する。GとG/Gに関連する受容体の活性化がアデニル酸シクラーゼの刺激もしくは阻害をそれぞれ導く一方、Gに関連した受容体の活性化はホスホリパーゼC(PLC)の刺激を引き起こし、細胞内のカルシウム濃度を上昇させる。G/G関連の受容体活性化で引き起こされるcAMP減少の測定は技術的に困難かもしれないが、一方、G関連の細胞内のカルシウム濃度の上昇の測定は比較的容易である。従って、G/Gのシグナル伝達の方向をPCLを通じて変えるために広宿主域Gαサブユニットを共形質移入した細胞を用いて、また当業者に知られたレポーター遺伝子をもしくはカルシウム感受性蛍光色素分子を利用して、G/G関連の受容体活性を評価するアッセイが開発された。これらのアッセイは、Y受容体に作動薬または拮抗薬として作用するPPFポリペプチドの能力を評価するために利用することができる。例として、Stables,et al.,(1997)Anal.Biochem.252(1):115−26を参照。
NPYのY受容体結合アッセイ:神経ペプチドY1受容体を内因的に発現するSK−N−MC細胞のコンフルエント培養から細胞膜を調製する。膜を60pMの[125I]−ヒトペプチドYY(2200Ci/mmol、PerkinElmer Life Sciences)および無標識PPFポリペプチドで、96穴のポリスチレンプレート中に室温で60分間インキュベートする。次に、ウェルの内容物をPerkin Elmerのプレート回収装置を用いて96穴のグラスファイバープレート上に回収する。乾燥させたグラスファイバープレートをシンチレーション溶媒と合わせ、Perkin Elmerのシンチレーション・カウンターで測定する。
NPYのY2受容体結合アッセイ:神経ペプチドY2受容体を内因的に発現するSK−N−BE細胞のコンフルエント培養から細胞膜を調製する。膜を30pMの[125I]−ヒトペプチドYY(2200Ci/mmol、PerkinElmer Life Sciences)および無標識PPFポリペプチドと共に、96穴のポリスチレンプレート中に室温で60分間インキュベートする。次に、ウェルの内容物をPerkin Elmerのプレート回収装置を用いて96穴のグラスファイバープレート上に回収する。乾燥させたグラスファイバープレートをシンチレーション溶媒と合わせ、Perkin Elmerのシンチレーション・カウンターで測定する。
NPYのY4受容体結合アッセイ:CHO−K1細胞を神経ペプチドY4遺伝子をコードするcDNAで一過性に形質移入し、48時間後、細胞膜をコンフルエント細胞培養から調製する。膜を18pMの[125I]−ヒト膵臓ポリペプチド(2200Ci/mmol、PerkinElmer Life Sciences)および無標識PPFポリペプチドで、96穴のポリスチレンプレート中に室温で60分間インキュベートする。次に、ウェルの内容物をPerkin Elmerのプレート回収装置を用いて96穴のグラスファイバープレート上に回収する。乾燥させたグラスファイバープレートをシンチレーション溶媒と合わせ、Perkin Elmerのシンチレーション・カウンターで測定する。
NPYのY5受容体結合アッセイ:CHO−K1細胞を神経ペプチドY5遺伝子をコードするcDNAで一過性に形質移入し、48時間後、細胞膜をコンフルエント細胞培養から調製する。膜を44pMの[125I]−ヒトペプチドYY(2200Ci/mmol、PerkinElmer Life Sciences)および無標識PPFポリペプチドと共に、96穴のポリスチレンプレート中に室温で60分間インキュベートする。次に、ウェルの内容物をPerkin Elmerのプレート回収装置を用いて96穴のグラスファイバープレート上に回収する。乾燥させたグラスファイバープレートをシンチレーション溶媒と合わせ、Perkin Elmerのシンチレーション・カウンターで測定する。
表2は本発明の特定のPPFポリペプチドと上述のような様々なY受容体結合アッセイにおけるそれらのポリペプチドの活性を示す。
(表2)
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実施例2 食物摂取アッセイにおいてPPFポリペプチドは食物摂取を抑制する
メスのNIH/Swissマウス(8−24週齢)を0600時に照明を点けて12:12時間明暗周期で集団飼育する。注釈がない限り、水と標準的マウスペレット固形飼料食は自由に摂取させる。実験の1日前、1500時頃に動物の絶食を開始する。実験の朝、動物を実験群に分ける。典型的な研究では、3匹/ケージで、n=4ケージである。
0分、全動物に溶媒、もしくは約10nmol/kgから100nmol/kgの範囲の量の化合物を腹腔内投与し、直ちに予め秤量した(10−15g)標準固形飼料を与える。30分、60分、120分時に餌を除いて秤量し、食餌消費量を測定する(Morley,Flood et al.,Am.J.Physiol.267:R178−R184,1994)。30分、60分、120分、180分、および/または240分のタイムポイント時に残っていた餌の重量を、例えば0分時に供給した餌の重量から差し引くことにより、食餌摂取を計算する。ANOVAで有意な処理効果が確認された(p<0.05)。有意差があった場合、ダネット検定を用いてテスト平均をコントロールと比較する(Prism v.2.01,GraphPad Software Inc.,San Diego,California)。
図1−4は、前述の食物摂取アッセイにおいて累積食餌摂取の減少に対する本発明のいくつかのPPFポリペプチドの効力を示す。さらに、図40は、NIH/SwissマウスとHSDラットモデルにおける食餌摂取の減少において、PPFポリペプチドの化合物4883の急性投与がPYY(3−36)より一層効果的であることが明らかになったことを示す。
実施例3 PPFポリペプチドは高脂肪食(食餌性肥満、もしくはDIO)のC57BL/6マウスおよび高脂肪食HSDラットにおいて体重増加を減少させる
オスのC57BL/6マウス(研究開始時点で4週齢)に高脂肪固形飼料(HF、食餌カロリーの58%kCaが脂肪)もしくは低脂肪固形飼料(LF、食餌カロリーの11%kCalが脂肪)を与える。固形飼料を開始して4週間後、所定の用量のPPFポリペプチドを継続的に2週間皮下送達する浸透圧ポンプ(Alzet # 2002)を各マウスに埋め込む。体重および食餌摂取を毎週測定する(Surwit et al.,Metabolism-Clinical and Experimental,44:645−51,1995)。試験化合物の効果は、処理群あたり少なくとも14匹のマウスの体重変化%の平均±標準偏差で表す(つまり、開始体重からの変化%)(p<0.05 ANOVA、ダネット検定、Prism v.2.01,GraphPad Software Inc.,San Diego,California)。
ラット:処理前夜、高脂肪食(脂肪から45%kCal)を摂取しているオスのSprague−Dawley(登録商標)ラット(平均体重=415)を同等の24時間食餌摂取に基づき二つの処理群に割り当てた。試験当夜、各動物に溶媒(10%DMSO)もしくは化合物(1mg/kg)を消灯(1800時)直前に単回腹腔内注射し、DietProの自動給餌ケージに個別に置いた。各ケージはコンピュータに接続された秤上に乗ったフードホッパーと、水のボトルを備えている。その後24時間、毎時間食餌摂取(g)を記録する。動物は6夜連続注射を受けた。体重を毎晩記録した。
図5−6は、前述のDIOマウスアッセイにおいて、体重増加の減少に対する本発明のいくつかのPPFポリペプチドの効力を示す。図7は、高脂肪食ラットにおいて1日1回数晩の注射が体重増加の顕著な減少を引き起こす(P<0.05)ことを表す。例えば、図8は、食餌摂取アッセイとDIOマウスアッセイの両方で、本発明のPPFポリペプチドがPYY(3−36)よりもより強い効力を示すことを表す。例えば、図42は、本発明の別のPPFポリペプチドの摂食パターンに対する効果を示し、PPFポリペプチド化合物4883が3夜目と5夜目に食餌摂取を減少させ、7日にわたって体重を有意に減少させ、また、6日間、餌の総消費量を減少させることを表す。
実施例4 PPFポリペプチドは血圧を低下させる
オスのHarlan Sprague Dawley(HSD)ラットを22.8±0.8°Cで12:12時間明暗周期で飼育し、遠隔測定による循環系に対するPPFポリペプチドの効果の研究に用いた。実験は明周期中に行った。遠隔測定は埋め込まれた無線送信機を介して、意識がある状態の無麻酔状態での無拘束ラットの動脈圧、心拍、動脈dP/dtを含む血行動態のリアルタイムの読み取りを可能にする。本実施例では、ラットに溶媒、10 nmol/kg PYY、10 nmol/kg PYY(3−36)もしくは10 nmol/kgのいくつかのPPFポリペプチドのいずれかを遠隔静脈投与により注入した。遠隔静脈投与は、留置静脈注入口(Access Technologies(Skokie,IL)により達成される。注入口は、肩甲骨の間の皮膚直下の筋肉の下に固定する。カテーテルを頸静脈に留置する。データは注入後60分間まで回収した。
図9A−Bに示すように、化合物4676の平均動脈圧(MAP)上昇に対する効果はPPY(3−36)の効果と同様だった。図9C−Dは、化合物4247の平均動脈圧(MAP)上昇に対する効果と心拍数の減少がPYY(3−36)の効果と同様であり、この効果は化合物4560で鈍ることを示す。
図46は、PPFポリペプチド化合物4753もPPY(3−36)と比較して心拍数を減少させる一方、MAPに対する効果はPPY(3−36)と同程度であることを示す。図47は、PPFポリペプチド化合物4883の心拍とMAPに対する効果がPPY(3−36)と同程度であることを示す。
実施例5 PYYおよびPYY作動薬の分泌抑制作用
胃酸分泌
オスのHarlan Sprague Dawley(HSD)ラットを22.8±0.8°Cで12:12時間明暗周期で飼育した。実験は明周期中に行った。動物にはラット固形飼料(Teklad LM485,Madison,WI)を与え、実験前に約20時間絶食させた。実験の開始までは自由に水を摂取させた。
ラット(11−16週齢、体重291−365g)にDavid Osborne,Department of Biology,UCLAによる特注の胃フィステルを外科的に取り付けた。一晩絶食させたラットを秤量し、胃フィステルの蓋を開けて柔軟なTygonチューブ(3/8x1/16)を胃内に延びたPE205チューブの断片に取り付けた。生理食塩水を細いPE205チューブを通じて注入し、流出物をTygonチューブから回収した。フィステルと空の胃を通じた適切な液流を確保するため、室温の生理食塩水〜5mLで、流れが容易になり、流出物がきれいになるまで胃を数回洗い流した。胃酸分泌は、10分間隔で5mlの生理食塩水(pH7.0)を、次に3mLの空気を注入して流出物を回収することで測定した。pHメーター(Beckman model number PHI34 Fullerton,CA)を用いて、3mLの各胃吸引物を0.01Nの水酸化ナトリウムで7.0まで滴定した。回収した総量で補正した各滴定に必要だった塩基の量を各資料の酸のモル計算に用いた。
ベースライン試料を回収した後、回収した体積を記録し、動物に125μg/kgのペンタガストリン(Sigma,lot#40K0616 )を皮下注射し、10分後、胃液のサンプリングをさらに2時間続けた。ペンタガストリン注射40分後、胃酸分泌の典型的な安定した水平状態が観察された時に、ラットに動物当たり1、3、10、100μg用量のPYY(3−36)、もしくは生理食塩水の皮下注射を行った(体重290gのラットの場合、それぞれ3.45、10.34、34.5、344.8μg/kg)(それぞれ、n=3、2、4、4、6)。
図10に示すように、胃酸排出量はペンタガストリン刺激での分泌に対する%で表し、ペンタガストリン注射後20、30、40分のタイムポイントの平均として計算した。タイムポイントへの反応として、胃酸分泌は9.3±5.8μmol/10分の基本速度からペンタガストリン注射後40分の62.8±3.8μmol/10分へと6.8倍増加した(総平均:P<0.01)。ペンタガストリン投与40分後にPYY(3−36)を注射したところ、胃酸産生が顕著に阻害された。PYY(3−36)を10μg(34.5μg/kg)と100μg(344.8μg/kg)の用量で投与した場合、酸の分泌はそれぞれ74.7±7.2%および84.7±9.7%まで減少した(t検定:P<0.05、およびP<0.01、PYY(3−36)注射後20分後)(図11−17のt=60分を参照)。ペンタガストリン刺激胃酸分泌のPYY(3−36)による阻害の用量反応性を図11に示す。PYY(3−36)の制酸作用のED50は、11.31μg/kg±0.054log単位だった。
胃内容排出
胃内容排出に対するPYY(3−36)の効果を測定するため、意識がある絶食させていないオスのHarlan Sprague Dawleyラットを任意で三つの全面処理群に分けた。1)「APx」と示した動物は、最後野に吸引傷を作った。2)「Sham」と示した動物は、外科手術の作用に対するコントロールであり、頭蓋部分を外科的に切開する疑似手術を行ったが、脳には傷は作らなかった。。3)切開を行わなかったコントロール動物は、「コントロール」と示し、手術は行わなかった。3つの各全面処理群のいずれかで、動物を投与群に分け、生理食塩水のみ、もしくは、生理食塩水に溶解したPYY(3−36)の3、30、90、300μg/kgのボーラス投与のいずれかを投与した。実験は手術の少なくとも2週間後(体重426±8g)に行い、3週間後(体重544±9g)に再度実験を行った。全てのラットは22.7℃で12:12時間の明暗周期(実験は明周期中に行った)で飼育し、水と餌は自由摂取させた(diet LM−485 Teklad,Madison,Wisconsin,USA)。
生理食塩水に溶解したPYY(3−36)を、水1mL中の5μCi D−[3−H]−グルコース(lot #3165036 Dupont,Wilmington,DE,USA)の強制経口投与5分前に0.1mLの皮下ボーラスとして投与した。経口流動食を与えた後、動物に溶媒もしくは異なる用量のPYYを皮下投与した。
15群の処理群があった。
(1)コントロール生理食塩水 n=4
(2)コントロール3μg/kg n=3
(3)コントロール30μg/kg n=4
(4)コントロール90μg/kg n=5
(5)コントロール300μg/kg n=5
(6)Sham生理食塩水 n=5
(7)Sham 3μg/kg n=2
(8)Sham 30μg/kg n=4
(9)Sham 90μg/kg n=3
(10)Sham 300μg/kg n=5
(11)APx生理食塩水 n=5
(12)APx 3μg/kg n=3
(13)APx 30μg/kg n=3
(14)APx 90μg/kg n=3
(15)APx 300μg/kg n=5
測定のため、強制経口投与後−15、0、5、15、30、60、および90分に麻酔のラット尾部より血液を採取し、血漿グルコース由来のトリチウムを測定するために血漿を分離した(b−カウンターで10μl当たりのCMPを測定した)。血漿中のトリチウムの出現は、胃内容排出を反映することが過去に示されている。血漿中へのトリチウムの統合された出現は、トリチウム強制経口投与前の濃度以上の増加量として台形法を用いて計算した(30分間の曲線下面積(AUC))。
未手術のコントロールラットでは、PYY(3−36)は用量に依存して標識の出現を阻害した(PYY(3−36)、30μg/kg、90μg/kg、300μg/kgに対して、それぞれ10.5±1.5、7.26±1.52および3.20±1.21cpm/μL分、P<0.0001 ANOVA、図12および13を参照)。疑似手術を行ったラット(sham)では、30μg/kg(n=4)と90μg/kgのPYY(3−36)注射(n=3)も、生理食塩水を注射したコントロール(n=5)と比較して標識出現を用量依存的に遅らせた(それぞれ11.89±3.23、9.88±2.45、18.94±3.23cpm/μL/分、P<0.05 ANOVA、図14および15を参照)。疑似手術を行った動物でのPYYの最大作用は、無傷の未手術のコントロールラットよりも少なく、ED50も未手術のコントロール動物より低かった(43.77から10.20μg/kg PYY[3−36]に減少)。APxラットでは、胃内容排出は疑似手術または未手術コントロールラットよりも遅くなったが(9.38±3.25cpm/μL/分、P<0.05、0.05、図16および17参照)、PYY(3−36)の投与では変化しなかった。回帰分析で用量依存性が無いことが確認された。
結果は、正常のSprague DawleyラットではPYY(3−36)が胃内容排出の速度を強力に調節していることを示した。PYY(3−36)の注射後に、胃内容排出の用量依存性の阻害が観察された(30、90および300mg/kg)。吸引傷を与えた動物は、未手術コントロールラットと疑似手術コントロールラットと比較して胃内容排出が遅延する傾向があった(データは示さず)。PYY(3−36)投与は、吸引傷を与えた動物の胃内容排出速度に対する付加的作用はなかった。
図45は、PPFポリペプチド化合物4883の投与がPYY(3−36)よりさらに強力に胃内容排出を阻害することを示す。
胆嚢内容排出
正常な消化の過程において、胃内容排出速度と胆嚢内容排出速度は協調している可能性がある。循環しているPYYが食後の胆嚢内容排出の頭相を抑制するが、食事で刺激された最大排出は抑制しないと報告されている。また、PYYの胆嚢内容排出に対する作用は、コレシストキニン依存性経路ではなく迷走神経依存性経路に仲介されると仮定された(Hoentjen,F,et al.,Scand.J.Gastroenterol.2001 36(10):1086−91)。胆嚢内容排出に対するPYY [3−36]の効果を測定するため、8週齢のオスのNIH/Swissマウスを22.8±0.8°Cで12:12時間明暗周期で飼育し、齧歯類の標準飼料(Teklad LM7012,Madison,WI)と水を自由摂取させた。実験前にマウスを3時間絶食させた。t=0に、PYY(3−36)、CCK−8、もしくは生理食塩水を意識があるマウスに皮下注射した。30分後、マウスを頸椎脱臼により安楽死させ、正中線開腹を行い、胆嚢を摘出し手秤量した。
処理群
A群:生理食塩水100ml、皮下投与、t=0、n=14。
B群:PYY(3−36)1μg/kg、皮下投与、t=0、n=6。
C群:PYY(3−36)10μg/kg、皮下投与、t=0、n=10。
D群:PYY(3−36)100μg/kg、皮下投与、t=0、n=8。
E群:CCK−8 1μg/kg、皮下投与、t=0、n=3。
F群:CCK−8 10μg/kg、皮下投与、t=0、n=3。
G群:PYY(3−36)10μg/kg+CCK−8 1μg/kg、皮下投与、t=0、n=4。
H群:PYY(3−36)10μg/kg+CCK−8 10μg/kg、皮下投与、t=0、n=4。
図18および19に結果を示す。PYY(3−36)は用量依存的に基礎胆嚢内容排出をED50=9.94μg/kg±0.24log単位で阻害した。最高用量(D群)は生理食塩水を注射したコントロール(A群)に対して胆嚢重量を168%増加させた(P<0.005)。PYY(3−36)はCCK−8で刺激した胆嚢内容排出は阻害しなかった。データは、PYY(3−36)がCCK−8刺激非依存性の経路を介して胆嚢内容排出を阻害することを示す。外因的なCCKに反応した胆嚢内容排出はPYY(3−36)の影響を受けなかった。同様の結果が、意識があるイヌにおいてPYY(1−36)で得られ、400ng/kgのボーラス+800pmol/kg/hの輸液はCCK−8で刺激された胆嚢収縮を阻害しなかった。
胆嚢内容排出に対するPYY(3−36)の作用が迷走神経−コリン作用性経路を介しているのはあり得ることである。この考えは、最近ラットにおいてオートラジオグラフにより特異的なペプチドYY(PYY)結合部位が最後野、孤束の核、および背側運動核領域(背側迷走神経複合体(DVC)とまとめて呼ばれる)に特定された、という知見により支持されている。これらの延髄脳幹領域は、運動性や分泌などの消化管機能の迷走神経反射の制御に役割を果たしている。PYY(3−36)は迷走神経−コリン作用性機構を介する胃内容排出といったその他の消化機能を阻害する。
実施例6 PYYおよびPYY作動薬の胃保護効果
オスのHarlan Sprague Dawleyラットを22.8±0.8°Cで12:12時間明暗周期で飼育し、齧歯類の標準飼料(Teklad LM 485,Madison,WI)と水を自由摂取させた。200−220gのラットを実験前に約20時間絶食させた。
t=−30にて、PYY(3−36)もしくは生理食塩水を皮下投与した。t=0にて、1mLの無水エタノール(エチルアルコール−200アルコール度数の無水アルコール、アメリカ薬局方規格)もしくは生理食塩水を強制経口投与した。t=30にて、ラットを5%イソフルオランで麻酔した。正中線開腹切開を行った。胃を露出し、幽門と下部食道括約筋で結紮した。胃を切除し、小弯にそって切開し、粘膜を露出するために反転させた。粘膜を生理食塩水で穏和に洗浄し、損傷(潰瘍、拡張血管、粘膜内層の剥離)を、治療について先入観のない観察者が評価を行った。粘膜の損傷は、0(損傷なし)と5(胃の100%が充血と潰瘍で覆われている)の間で点数化した。
処理群
Group A:生理食塩水100mをt=−30に皮下投与、1ml HOをt=0に強制経口投与、n=4。
Group B:生理食塩水100μlをt=−30に皮下投与、1mlの無水エタノールをt=0,に強制経口投与、n=6。
Group C:PYY(3−36)1μg/kgをt=−30に投与、1mlの無水エタノールをt=0に強制経口投与、n=5。
Group D:PYY(3−36)10μg/kgをt=−30に投与、1mlの無水エタノールをt=0に強制経口投与、n=4。
Group E:PYY(3−36)100μg/kgをt=−30に投与、1mlの無水エタノールをt=0に強制経口投与、n=5。
Group F:PYY(3−36)300μg/kgをt=−30に投与、1mlの無水エタノールをt=0に強制経口投与、n=5。
10、100および300μg/kgのPYY(3−36)注射後、PYY(3−36)は損傷スコアを用量依存的にそれぞれ27.4±6.4、29.3±11.6および53.7± 7.9%に低下させた(n=4、5、5、p<0.05 ANOVA)(図20)。PYY(3−36)は、ラットにおいて胃保護効果を示した。内在的に循環するPYY(3−36)は、胃酸分泌および胃粘膜保護に生理的役割を果たしている可能性がある。
実施例7−10 食物摂取、体重増加、代謝速度、体組成に対するPPFポリペプチドの効果
齧歯類において、PYY(3−36)投与後の体重減少は、食物消費の減少もしくはその他のエネルギーバランスに影響する過程(エネルギー消費、組織レベルの燃料分配、および/または腸の栄養摂取など)に起因する可能性がある。食餌誘導性肥満(DIO)マウスにおける代謝速度、脂肪燃焼および/または糞便エネルギー損失に対するPYY(3−36)の持続的皮下注入(1 mg/kg/日、7日まで)の効果を検討した。
動物の世話と飼育条件
実施例7−10は、代謝疾患のための食餌誘導性肥満(DIO)マウスモデルを使用した。処理期間の前に、オスC57BL/6Jマウスに高脂肪食(#D12331、カロリーの58%が脂質、Research Diets,Inc.)を4週齢から始めて6週間与えた。研究中、注釈がない限り、処理期間中マウスは粉末状のこの高脂肪食を続けた。動物を12:12時間明暗周期下で21−23℃で飼育し、処理の前後、餌を自由摂取させた。一部の実施形態では標準固形飼料を与えた。標準的固形試料食8週齢のオスNIH/Swiss(非肥満)マウス(HarlanTeklad,Indianapolis,IN,USA)を胆嚢内容排出実験に使用した。言及された場合、DIO群の代謝パラメーターと比較するために、同年齢の非肥満マウスの一群に低脂肪食(#D12329、カロリーの11%が脂質)を与えた。
ペプチドの出所
一部の実施形態では、ヒトPYY(3−36)(純度>98%)のトリフルオロ酢酸塩を標準的方法(Peptisyntha,Torrance,CA)で合成し、同一性を質量分析で確認した。
体組成解析の実験計画、血液および組織採取
代謝パラメーターの研究(研究A)、腸による栄養摂取(研究BおよびC)、食餌摂取と体組成(研究BおよびC)は、実験前に単独で1週間飼育したマウスを用いた。実験を通して、食餌摂取と体重を毎日監視した。処理期間中、溶媒(50%ジメチルスルホキシド水溶液)とPYY(3−36)(1 mg/kg/日)を、イソフルランの麻酔下で肩甲骨の間に取り付けたAlzet(登録商標)浸透圧ポンプ(研究それぞれ3、7、および28日目、Durect Corp.,Cupertino,CA;Models 1003D,2001,&2004)を用いて持続皮下注射により投与した。各研究の最後に、動物を2−4時間の絶食後に過剰量のイソフルランで屠殺した。心臓穿刺で血液をヘパリンナトリウムで洗い流した注射器に採取し、血漿を直ちに凍結した。一部の実施形態では(研究BおよびC)、体組成を二重エネルギーX線吸収法(DEXA、PixiMus,GE Lunar)で測定した。両側の副睾丸脂肪体および肩甲骨褐色脂肪組織(BAT)を解剖し、秤量した。切除した肝臓試料をRNALater中に置き(Ambion,Austin,TX)、−20℃で保存した。
間接熱量測定法(研究A)。 DIOマウスを、処理後代謝速度とRQ(Oxymax、ソフトウェア・バージョン2.52、Columbus Instruments,Columbus,OH)の測定前に、4日間間接熱量計ケージに順化した。処理前2日の動物内のCV%ベースラインは明期と暗期のエネルギー消費はそれぞれ平均4.6±0.8%と4.0±0.8%であり、順化が十分であることを示している。浸透圧ポンプの埋め込み後(溶媒コントロール、n=13;PYY(3−36)1 mg/kg/日、n=12)、熱量測定を継続的に7日以上行った。熱発生量は、機器のソフトウェア(Lusk,G.,(1928)The Elements of the Science of Nutrition,4th Ed.,W.B.Saunders Company,Philadelphiaに基づく)で計算し、各処理日に測定した体重と比較して報告する。
糞便エネルギー解析(研究BおよびC)。 処理前の4日間、マウスを代謝ケージ(Diuresis Cages;Nalge Nunc Int’l Corp.,Rochester,NY;研究B)、もしくはワイヤーメッシュの床で一段高くした標準的ケージ(研究C)に順化させ、また粉末化した高脂肪固形飼料に順化させた。研究Bでは、糞便エネルギー含量を断熱式ボンベ熱量計(Covance Labs;Madison,WI)で測定した。十分な材料を採取するため、各マウスにつきプーリング戦略を利用した。個々の2日間のベースライン期間、初期処理期間(1、2、3日目)、そして後期処理期間(4、5、6日目)にプールした試料を比較した。研究Cでは、糞便エネルギー含量を最後の24時間にわたって吸収紙を敷いたケージの床から採取した試料で測定した。
DIOマウスにおける体重に対するPYY(3−36)の長期作用。 溶媒(n=18)もしくはPYY(3−36)(n=24。このモデルにおける過去の研究での体重変化に対する推定ED50=300μg/kg/日(Pittner,et al.,(2004)Int.J.Obes.Relat.Metab.Disord.28:963−71)をDIOマウスにAlzet皮下浸透圧ポンプで皮下投与した。28日目、ポンプを交換し、コントロールは溶媒の投与を継続し、PYY(3−36)群の半数(n=12)はペプチドの投与を継続した。最初の処理期間にPYY(3−36)の投与を受けた残りの半数のPYY(3−36)群(n=12)は、ペプチドの投与打ち切りの影響を試験するために、溶媒を入れた新しいポンプを受けた。マウスにはペレット状の高脂肪食を与え、体重と食餌摂取を毎週記録した。
マウスにおける胆嚢内容排出。 食後状態(3時間の絶食)の非肥満マウスに、生理食塩水(n=14)または1、10、もしくは100μg/kgのPYY(3−36)(それぞれ、n=6、11、8)を皮下注射した。注射後30分に動物を頸椎脱臼により屠殺し、胆嚢内よ肺述速度の測定のために胆嚢を切除して秤量した。
生化学的アッセイ。 標準的比色分析を用いて、血漿βヒドロキシ酪酸塩(Cat.#2440,STANBIO Laboratory,Boerne,TX)、グリセロール(Cat.#TR0100,Sigma,St.Louis,MO)、および非エステル化脂肪酸(NEFA C,Cat.#994−75409,Wako Chemicals,Richmond,VA)を測定した。血漿中のPYYの総免疫活性は、マウスもしくはラットPYY(3−36)に対して<0.1%の交差反応性を示すヒトPYY RIYを用いてLinco Diagnostic Services(St.Louis,MO)で測定し、平均した結果1mg/kg/日のPYY(3−36)で処理したマウスで39.3ng/ml(〜10nM)だった。生体外脂肪分解(1時間のグリセロール放出)をHeffernan(Heffernan,et al.,(2000)Am.J.Physiol.Endocrinol.Metab.279:E501−7)の方法を用いて、非肥満のメスマウス腹膜後脂肪組織標品で測定した。脂肪組織を、生理的血漿濃度の上限値から薬理的血漿濃度までの範囲(0.05、0.5、および10nM)のPYY(3−36)とインキュベートした。数値を、無処理の脂肪組織の基礎速度と比較した。
時間、処理、時間x処理の作用の相互関係を判定するために、二元配置分散分析(ANOVA)を用いて、コントロールと処理を行った動物の間の時間に伴う統計的比較(実施例7および8)を行った(Prism v.4.01,GraphPad Software,San Diego,CA)。コントロールと処理群間の差は、t検定により解析した。差は、p<0.05で統計的に有意であると見なされた。一部の実施形態では、時間に伴って測定した処理群のパラメーターの平均間の差は反復測定分散分析を用いて解析し、タイムポイント内のポストホックテストは、単純な作用についてプールした標準誤差を用いて検定した(SPSS version 13.0,Chicago,IL)。二つの群の比較はスチューデントのt検定を用いて行い、用量反応性データは、一元配置ANOVAとTukey比較法を用いて評価した。データは、平均±標準誤差として、p<0.05と統計的に有意と見なして示している。
遺伝子発現解析。 遺伝子発現解析のためのRNAは、組織の一部からメーカーの取扱書(RiboPure kit #1924;Ambion)に従って単離した。mRNAの存在量を測定するために、ワンステップ定量リアルタイムRT−PCR解析を用いた(ABI 7900HT;Applied Biosystems,Inc.,Foster City,CA)。50μLの反応条件は、2.5μLのAssay−on−Demand(登録商標)プライマー/プローブミックス、1X Master Mix、1X Multiscribe/RNAse阻害剤ミックス、および50ngのRNAがだった。RT−PCRの条件は、48°Cで30分、95°Cで10分、次に40サイクル(95°Cで15秒/60°Cで1分)だった。各遺伝子については、市販のプライマー/プローブセット(ABI)を用いて同時に18S RNAの存在量をアッセイすることで、ローディングの変動に対してサイクル数を補正した。肝臓型カルニチンパルミチン酸転移酵素1(L−CPT1もしくはCPT1a、Mm00550438m1)、アセチルCoAカルボキシラーゼ1(ACC1、Mm01304257m1)、ACC2(Mm01204677m1)、ミトコンドリア・ヒドロキシメチルグルタリルCoA合成酵素(HMGCS2、Mm00550050m1)、マロニル CoA脱炭酸酵素(MCDもしくはMLYCD、Mm01245664m1)、および脱共役タンパク質1(UCP1、Mm00494069m1)の遺伝子に対応するmRNAの相対存在量は、ABI Assay−on−Demand(登録商標)プライマー/プローブセットを用いて測定した。これらの遺伝子発現解析の結果を下の表3に示す。mRNAの存在量は、所定の処理時間内の倍差vs溶媒−処理コントロール値として表現されている。*P<0.05vs溶媒。
(表3)
Figure 2008534435
実施例7
単独飼育したDIOマウスに、溶媒(50%ジメチルスルホキシド(DMSO)水溶液)n=13もしくは合成ヒトPYY(3−36)n=12のいずれかを送達するために皮下(SC)肩甲骨間浸透圧ポンプを埋め込んだ。後者の群のポンプは、1000μg/kg/日のPYY(3−36)を7日間送達するよう設定した。
体重と食餌摂取を一定間隔で研究期間、測定した。呼吸商(RQ、CO精製、O消費と定義される)と代謝速度を動物全身間接熱量測定法(Oxymax,Columbus Instruments,Columbus,OH)を用いて測定した。
マウスをイソフルラン過剰投与で安楽死させ、脂肪過多症の指標(両側の副睾丸脂肪体重量)を測定した。
実施例8
本実験は、基本的に実施例7に述べられた群あたりn=9(溶媒とPYY(3−36))の研究を反復した。しかし、副睾丸重量の測定前に、各マウスの体組成(除脂肪組織量、脂肪量)を二重エネルギーX線吸収(DEXA)測定装置を用いてメーカー(Lunar Piximus,GE Imaging System)の取扱い説明書に従って解析した。
図21Aおよび21Bは、溶媒もしくはPYY(3−36)(1000μg/kg/日)を7日間継続投与したDIOマウスの体重変化を、ベースラインに対するパーセントとして示す。図21Aは、実施例7の結果を示し、図21Bは実施例8の結果を示し、有意性はコントロールに対して*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001と示す。
図22Aおよび23Bは、溶媒もしくはPYY(3−36)(1000μg/kg/日)を7日間継続投与したDIOマウスの食餌摂取の変化を、ベースラインに対するパーセントとして示す。図22Aは、実施例7の結果を示し、図22Bは実施例8の結果を示し、有意性はコントロールに対して*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001と示す。図22Aでは3日目(‡はp = 0.06を示す)に食餌摂取が減少し、図22Bでは5日目(‡はp = 0.1を示す)に食餌摂取が減少する傾向が現れる。
実施例7では、マウスの呼吸商(RQ)を測定し比較した。PYY(3−36)を投与したDIOマウスのRQは、数回の暗周期の間減少し、研究期間を通じて明周期の間やや低くなった。ほぼ0.70のRQ値は、動物のエネルギー需要を満たすために脂質異化に依存していることを示す。従って、PYY(3−36)を投与した動物における比較的低いRQは、コントロールのマウスに対してエネルギーに対する脂質利用の増加と一致している(コントロールに対して*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001)。効果は、動物が食後状態である明周期の間に(暗周期に対して食餌摂取が減少する)特に持続的である(図23Aおよび23Bを参照)。これらの結果は、PYY(3−36)がカロリー需要を満たすために脂肪燃焼を促進する特性を有し、タンパク質に対して脂質の選択的損失を引き起こす可能性を示す。
さらに、DIOマウスにおいてPYY(3−36)投与で観察された溶媒投与コントロールに対するRQの減少は、エネルギーのための組織レベル、細胞レベルでの脂肪利用の向上を示す(脂肪酸β酸化の増加)。代謝速度とRQの大部分は、肝臓や骨格筋といった非脂肪組織における代謝に影響される。その結果、PYY、PYY(3−36)およびその作動薬は、除脂肪体重を維持したままでの非脂肪組織における脂肪酸β酸化の向上が望ましい状況において治療的に有用である可能性がある。前記の状態の例は、非アルコール性脂肪性肝炎およびリポジストロフィを含むがそれに限定されない。さらに具体的な例は、プロテアーゼ阻害剤を服用しているエイズ患者の治療である可能性がある。これらの患者は中枢、体幹周囲のサイズが増加する一方、同時に手足の脂肪が減少するリポジストロフィ(異常な脂肪分配)に罹る可能性がある。治療目標は中枢の脂肪減少と末端筋肉量の増加である。
例えば、図24A、24B、25A,25Bは、PYY(3−36)とその作動薬が除脂肪組織の減少を越えて脂肪の減少を選択的に誘導する特性を有する証拠を示す。実施例7および実施例8のマウスの副睾丸脂肪組織を秤量した。図24A、24Bと実施例7および実施例8にそれぞれ示すように、溶媒を投与したマウスに対するPYY(3−36)を投与したマウスでの副睾丸脂肪組織重量の減少は、PYY(3−36)を投与したDIOマウスにおける脂肪組織減少を示す(コントロールに対して**p<0.01,***p<0.001)。加えて、PYY(3−36)を投与したマウスにおける脂肪組織減少は、実施例8のマウスのDEXAで測定されたやや低い動物全身脂肪量で支持されている(図25A、コントロールに対して**p<0.01)。DEXAの結果から特に興味深いのは、PYY(3−36)を投与したマウスにおいて顕著な体重減少(図21B)と脂肪減少(図24Bおよび図25A)にもかかわらず、除体脂肪体重が維持されて溶媒を投与されたマウスの除体脂肪体重とあまり違わないことである(図25B)。
実施例9
この実験では、PYY(3−36)の用量効果を検討し、過去の実験よりも長期間であった。DIOマウスに溶媒(生理食塩水)もしくはPYY(3−36)のいずれかを送達するためにSC肩甲骨間浸透圧ポンプを埋め込んだ。後者の群のポンプは、1000μg/kg/日までの範囲のPYY(3−36)を28日間送達するよう設定した。体重と食餌摂取を一定間隔で研究期間にわたって測定した。
マウスはケージ当たり2匹で飼育した。本実験における体重と食餌摂取のためのサンプルサイズは、高脂肪コントロール、低脂肪の比較群、および高脂肪食PYY(3−36)群でそれぞれn=20、n=14、およびn=12だった。体組成測定のためのサンプルサイズは、高脂肪コントロール、低脂肪の比較群、および高脂肪食PYY(3−36)群でそれぞれn=18、n=14、およびn=12だった。
図26は、体重変化を低脂肪固定試料を与えた溶媒投与マウス、高脂肪固定試料を与えた溶媒投与DIOマウス、高脂肪固定試料を与えたPYY(3−36)投与DIOマウスの開始時の体重に対するパーセントとして示す。PYY(3−36)の投与量が増加するにつれ、体重における増加効果を示している(コントロールに対して*p<0.05)。
図27は、研究の4週間の間のマウスの毎週の食餌摂取を示す。低脂肪食を与えたマウス群と高脂肪食を与えたPYY(3−36)(1000μg/kg/日)DIOマウスは、高脂肪食を与えたDIOマウスコントロールよりも、4週間の研究の間一貫して顕著に少ない餌を消費した。
図28Aおよび28Bは、低脂肪食を与えたマウスと高脂肪食を与えたPYY(3−36)(1000μg/kg/日)DIOマウスは脂肪量が少なかったのに対して(溶媒を投与した高脂肪食DIOマウスコントロールに対して*p<0.01;***p<0.001)、低脂肪食を与えたマウスは顕著にタンパク質量が少なく、一方PYY(3−36)(1000μg/kg/日)を投与したDIOマウスは高脂肪食を与えたコントロールよりも著しくタンパク質量が少ないということはなかったということを示している。全死体体組成を標準的な方法を用いて近似分析によって測定した(Covance Laboratories,Madison,WI)。
実施例10
実施例7および8で行ったものと同様の別の研究において、単独飼育したDIOマウスに、溶媒(50%ジメチルスルホキシド(DMSO)水溶液)n=10もしくは合成のヒトPYY(3−36)n=10のいずれかを送達するためにSC肩甲骨間浸透圧ポンプを埋め込んだ。後者の群のポンプは、1000μg/kg/日のPYY(3−36)を3日間送達するよう設定した。
図29Aおよび29Bは、溶媒もしくはPYY(3−36)(1000μg/kg/日)を3日間継続的に投与したDIOマウスのベースラインに対するパーセントとして体重と食餌摂取の変化をそれぞれ示す。図29Aおよび29Bは、PYY(3−36)を投与したDIOマウスにおいて、処理期間の過程を通じて体重と食餌摂取において顕著な減少を示している(コントロールに対して*p<0.05,**p<0.01,***p<0.001)。
図30は、副睾丸脂肪組織の重量が低いことで示されたように、PYY(3−36)を投与したDIOマウスはコントロールに対して脂肪が顕著に少ないことを示している(コントロールに対して**p<0.01)。図31Aは、DEXAによって測定された比較的低めの動物全身脂肪量によって示され実施例8で述べられたように、PYY(3−36)を投与したDIOマウスはコントロールに対して脂肪が顕著に少ないことを示す(コントロールに対して**p<0.01)。一方、PYY(3−36)を投与したDIOマウスは、コントロールに対して顕著に体重が減少し、食餌摂取が減少し、また脂肪が少なく、図31Bは、PYY(3−36)を投与したマウスの除脂肪重量はコントロールと有意に違わなかったを示す。
図32Aおよび32Bは、DIOマウスにおける溶媒もしくはPYY(3−36)の投与の明周期(上のパネル)および暗周期(下のパネル)の間の代謝速度に対する影響を示す。記号:黒丸:溶媒処理コントロール、白いダイヤモンドPYY(3−36)処理(1mg/kg/日、継続的皮下注射)。0日目は、ベースライン(処理前)の平均値を示す(明周期と暗周期で、それぞれ25.2±0.3kcal/kg/hrおよび30.8±0.3kcal/kg/hr)。
図33は、非肥満マウスにおけるPYY(3−36)腹腔内注射の胆嚢内容排出に対する急性作用を示す。減少した基礎胆嚢内容排出速度を反映して重量が高くなる、注射後30分に測定した胆嚢重量を示す。食塩水処理コントロールに対する有意差***p<0.001。
図34Aおよび34Bは、DIOマウスの体重と食餌摂取に対する長期にわたるPYY(3−36)投与と投薬中止の効果をそれぞれ示す。DIOマウスをPYY(3−36)(300μg/kg/日)または溶媒で56日まで処理した。28日目にPYY(3−36)を一部の動物で投薬中止し、溶媒に交換した。記号:黒丸:溶媒処理コントロール、白いダイヤモンドPYY(3−36)処理、黒いダイヤモンド:0−28日をPYY(3−36)処理し、次に28−56日を溶媒処理。開始時(処理前)の平均体重は24.7±1.6gだった。PYY(3−36)処理マウスで全てのタイムポイントで体重が有意に異なった(溶媒コントロールに対してp£0.001)。PYY(3−36)の投薬中止マウスの体重は、35日目以降コントロールと違わなかった。
全体的に、食餌誘導性肥満(DIO)マウスにけるにおけるPYY(3−36)(1mg/kg/日、7日まで)の継続的皮下注射は、代謝速度、脂肪燃焼、および/または糞便エネルギー減少を向上させることが観察された。PYY(3−36)は一過的に食餌摂取を減少させ(例えば、処理前ベースラインに対して、2日目で25−43%低下)、体重を減少させた(例えば、処理前ベースラインに対して、2日目で9−10%減少)。体重に対する効果は56日の研究を通じて持続し、永続的だった。処置28日後のPYY(3−36)の投薬中止は一時的な食餌摂取の増加を伴い、コントロールレベルまで体重が復帰した。質量特異的代謝速度(kcal/kg/hr)はコントロールと違いはなかった。明周期のRQはPYY(3−36)により研究を通じて減少した(コントロール0.750±0.009に対して、平均0.730±0.006、p<0.001)。暗周期の呼吸商(RQ)は、PYY(3−36)処理マウスで一過性に減少した(例えば、2日目コントロールが0.786±0.004に対して0.747±0.008、p<0.001)。PYY(3−36)処理マウスにおける副睾丸脂肪体重量は約50%減少した。生体外での脂肪体の脂肪分解は、PYY(3−36)で刺激されず、また脂質代謝に関連する肝臓の遺伝子の発現にも変化はなかった。PYY(3−36)は非肥満マウスにおいて基礎胆嚢内容排出を減少させたが、糞便エネルギー密度(kcal/100g)はエネルギーバランスに影響するのに十分なほどには変化しなかった。
一部の実施例において、オスのDIO傾向の近交系ラットをCharles Rivers Laboratoriesから入手した。これらのラットは、比較的高脂肪高エネルギーの餌で肥満になる傾向があるCrl:CD(登録商標)(SD)BRラットの系統から作成された。これらの動物は容易に体重と体脂肪が増加し、高トリグリセリド、高レプチン、高インスリン状態を引き起こす。22℃、12:12時間明暗周期でシューボックス・ケージ内で個別に飼育した。ラットを中程度の高脂肪食(カロリーの32%が脂肪、Research Diets D1226B)で薬剤処理前6週間、自由摂取させた。肥満化期間の終了時、体重は〜500gだった。皮下浸透圧ポンプにより試験化合物の慢性投与を行った。週に1回、間接熱量測定を行った。血漿分析は、14日目に一晩の絶食後に分析を行った。食餌摂取、体重、体重増加、体組成、代謝速度、RQ、EE、胃酸分泌、胃内容排出、胆嚢内容排出の分析、および統計学的比較を上述のように行った。
図35は、DIO傾向の近交系ラットにおけるPYY(3−36)の投与で観察された14日目の用量依存性の累積食餌摂取の減少、および体重変化の割合の例を表す。これらのデータに基づき、PYY(3−36)と、肥満の治療、食欲制御または体組成の変更のために市販されている、例えばアミリン、アミリン作動薬、アミリンアナログ作動薬、サケのカルシトニン、コレシストキニン(CCK)またはCCK作動薬、レプチン(OBタンパク質)またはレプチン作動薬、エキセンディンもしくはエキセンディンアナログ作動薬、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)、GLP−1作動薬またはGLP−1アナログ作動薬、CCK、CCK作動薬、カルシトニン、カルシトニン作動薬、小分子カンナビノイドCB1受容体拮抗剤、リモナバン、11β−ヒドロキシステロイド・デヒドロゲナーゼ−1阻害剤、フェンテルミン、シブトラミンなどを含むがそれに限定されない他の薬剤の組合せの影響を探る実験には500μg/kg/日のPYY(3−36)投与が選択された。一部の実施形態では500μg/kg/日の用量のPYY(3−36)を100μg/kg/日の用量のアミリンと組み合わせた。一部の実施形態では200μg/kg/日の用量のPYY(3−36)を100μg/kg/日の用量のアミリンと組み合わせた。
例えば図36は、DIO傾向ラットにおける体重と空腹時の血漿パラメーターに対する200μg/kg/日のPYY(3−36)投与と100μg/kg/日のアミリンの共投与の有無の典型的な効果を表す。PYY(3−36)の共投与は、体重減少に相加的効果があることが見いだされた。PYY(3−36)単独投与のグルコース低下作用も観察された。さらに、アミリンとPYY(3−36)の共投与は、HDLコレステロール濃度を下げずに、相加的にトリグリセリド濃度を減少させた。これらのDIO傾向ラットにおいて、PYY(3−36)とアミリンの共投与での体重減少に対する相加的効果に付随して、エネルギー消費(EE)の顕著な減少なしに呼吸商(RQ)の低下が起こった(図37参照)。
PYY(3−36)とアミリンの共投与による体重減少における相加的効果に付随して、溶媒と比較して、タンパク質量の付随減少を伴わずに顕著な脂肪組織量の減少も起こった(図38参照)。従って、PYY(3−36)とアミリンの組合せは除脂肪組織を減らさない体脂肪減少を通じた体組成の変化に効果的であると思われる。
いくつかのPPFポリペプチドのヒトの血漿中での安定性を試験し、PYY(3−36)の血漿安定性と比較した。インビトロ分解を評価するため、各PPFポリペプチドもしくはPYY(3−36)をヒト血漿中で37℃で3時間インキュベートし、指定のタイムポイントで小分注を取り除き、ペプチド濃度を分析した。ペプチド濃度は標準曲線との比較から決定し、分解速度は時間に伴う濃度変化の傾きを計算することで決定した。PPFポリペプチドとPYY(3−36)の間の分解速度の比較を図39に示す。この例において、PPFポリペプチド化合物4883はPYY(3−36)と比較してより一層の血漿安定性を有する。図54は、計算された分解速度を、いくつかのその他のPPFポリペプチドとPYY(3−36)とで比較する。このアッセイにおいて、化合物4676、4247および4753がPYY(3−36)と比較してより一層の血漿安定性を有する一方で、化合物4757はPYY(3−36)よりも安定性が低いことが観察された。
マウスとDIOラットモデルにおいて、慢性的なPPFポリペプチド化合物4883の投与は、体重減少においてPYY(3−36)と比較して効果がさらに高いことが見いだされた(図41参照)。
一部の実施形態において、PPFポリペプチドはHDLコレステロール、グルコースもしくはHbA1C濃度などのその他の血漿分析物を変化させずに選択的に血漿トリグリセリドを低下させることができる。一部の実施形態において、PPFポリペプチドはHDLコレステロール、グルコースもしくはHbA1C濃度などのその他の血漿分析物を変化させずに血漿トリグリセリドとアミラーゼ濃度を低下させることができる。一部の実施形態において、血漿トリグリセリド濃度の低下は、コレステロール濃度の低下よりも大きい。一部の実施形態において、血漿トリグリセリド濃度が低下し、LDLコレステロール濃度が、より少ない程度で低下する。図43は、28日にわたるDIOラットにおけるPPFポリペプチド化合物4883の慢性投与が除脂肪体重を変化させずに脂肪組織量を減らすことによって体組成を変化させることを示し、図44はPPFポリペプチド化合物4883投与によるトリグリセリド濃度の選択的な低下を表す。
一部の実施形態において、PPFポリペプチドとアミリンなどのその他の薬剤は同じ皮下ポンプを通して投与される。一部の実施形態において、PPFポリペプチドとアミリンなどのその他の薬剤が別の皮下ポンプを通して投与される。図48は、DIO傾向のラットにおける500μg/kg/日のPYY(3−36)もしくはPPFポリペプチドと100μg/kg/日のアミリンの共投与の有無の体重に対する典型的な効果の例を示す。500μg/kg/日のPYY(3−36)と100μg/kg/日のアミリンの共投与は、体重減少において相加的効果を有することが見いだされた。図48および49は、PPFポリペプチド化合物4883および4917がPYY(3−36)よりも体重減少においてさらに強力であることを示す。図48および49はまた、500μg/kg/日のPPFポリペプチド化合物4883もしくは化合物4917と100μg/kg/日のアミリンの共投与が、体重減少に対してPYY(3−36)とアミリンの相加的効果よりも、同様に一層高い相加的効果を有することを示す。PPFポリペプチド化合物4883とアミリンの共投与で観察された体重減少に対する相加的効果は、DIO傾向ラットにおいて呼吸商(RQ)とエネルギー消費(EE)の減少を同時に引き起こした(図53参照)。
アミリンとPPFポリペプチド化合物4883もしくは化合物4917との共投与で観察されたDIO傾向ラットでの体重減少における相加的効果は、顕著な除脂肪組織の減少を伴わずに、顕著な脂肪組織量の減少を同時に引き起こした(図50および51参照)。PPFポリペプチド化合物4883とアミリンの共投与は、体重減少において相乗効果を有すると思われる(図51)。全体として、これらのデータは、アミリンとPPFポリペプチドの共投与は除脂肪組織を減らさない体脂肪減少を通じた体組成を換える効果的な方法であること示す。
図52は、PPFポリペプチド化合物4917は、アミリン共投与がある場合とない場合で、DIOラットの絶食時インスリン濃度の低下においてPYY(3−36)よりも一層効果的であることを示す。
他のペプチドも想定されるものの、表4に特定のPPFポリペプチドを示す。以下の略語が使われる可能性がある。hK=ホモリジン、hR=ホモアルギニン、hS=ホモセリン、hP=ホモプロリン、G(oct)=オクチルグリシン、Aib=2−アミノイソ酪酸、Cit=シトルリン、Dap=ジアミノプロピオン酸、Sar=サルコシン。
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Figure 2008534435
本発明をいくつかの実施例と実施形態に関して述べてきたが、変形および変更が可能であることは当業者により理解される。従って、添付の特許請求の範囲は、特許請求項の範囲として本発明の範囲に入る当該の相当する全ての変形の範囲に及ぶことを意図している。
図1は食物摂取アッセイにおける本発明の特定のPPFポリペプチドの活性を示す。 図2は食物摂取アッセイにおける本発明の追加のPPFポリペプチドの活性を示す。 図3は食物摂取アッセイにおける本発明のさらに追加のPPFポリペプチドの活性を示す。 図4は食物摂取アッセイにおける本発明のさらに追加のPPFポリペプチドの活性を示す。 図5は食餌誘導性肥満(DIO)マウスモデルにおける本発明の特定のPPFポリペプチドの活性を示す。 図6はDIOマウスモデルにおける本発明の追加のPPFポリペプチドの活性を示す。 図7はラットの体重増加を表す。 図8はDIOマウスモデルでの食物摂取アッセイにおける、PYY(3−36)と比べた本発明のPPFポリペプチドの活性を示す。 図9A−9Dは心拍数と血圧における、PYYとPYY(3−36)と比べた本発明のPPFポリペプチドの影響を示す。 図9A−9Dは心拍数と血圧における、PYYとPYY(3−36)と比べた本発明のPPFポリペプチドの影響を示す。 図9A−9Dは心拍数と血圧における、PYYとPYY(3−36)と比べた本発明のPPFポリペプチドの影響を示す。 図9A−9Dは心拍数と血圧における、PYYとPYY(3−36)と比べた本発明のPPFポリペプチドの影響を示す。 図10は胃酸分泌における本発明のPPFポリペプチドの活性を示す。 図11は胃酸分泌における本発明のPPFポリペプチドの活性を示す。 図12−17は胃内容排出における本発明のPPFポリペプチドの活性を示す。 図13は胃内容排出における本発明のPPFポリペプチドの活性を示す。 図14は胃内容排出における本発明のPPFポリペプチドの活性を示す。 図15は胃内容排出における本発明のPPFポリペプチドの活性を示す。 図16は胃内容排出における本発明のPPFポリペプチドの活性を示す。 図17は胃内容排出における本発明のPPFポリペプチドの活性を示す。 図18は胆嚢内容排出における本発明のPPFポリペプチドの活性を示す。 図19は胆嚢内容排出における本発明のPPFポリペプチドの活性を示す。 図20は胃粘膜保護機構における本発明のPPFポリペプチドの活性を示す。 図21Aおよび図21BはDIOマウスにおける体重に対するPYY(3−36)投与の典型的な影響を表す。 図22Aおよび図22Bはそれぞれ図21Aおよび図21Bのマウスにおける食物摂取に対するPYY(3−36)投与の典型的な影響を表す。 図23Aおよび図23Bは図21Aのマウスにおける明暗周期を通した呼吸商(RQ)に対するPYY(3−36)投与の典型的な影響を表す。 図24Aおよび図24Bはそれぞれ図21Aおよび図21Bのマウスにおける副睾丸脂肪体重量に対するPYY(3−36)投与の典型的な影響を表す。 図25Aおよび図25Bは図21Bのマウスにおける脂肪組織と除脂肪組織の質量に対するPYY(3−36)投与の典型的な影響を表す。 図26は高脂肪食飼育と低脂肪食飼育のコントロールマウスに対してDIOマウスにおける体重に対する異なる用量のPYY(3−36)投与の典型的な影響を表す。 図27は図26のマウスにおける週1回の食物摂取に対するPYY(3−36)投与の典型的な影響を表す。 図28Aおよび図28Bは図26のマウスにおける脂肪組織と除脂肪組織の質量に対するPYY(3−36)投与の典型的な影響を表す。 図29Aおよび図29BはDIOマウスにおける体重と食物摂取に対するPYY(3−36)投与の典型的な影響を表す。 図30は図29Aおよび図29Bのマウスにおける副睾丸脂肪体重量に対するPYY(3−36)投与の典型的な影響を表す。 図31Aおよび図31Bは図29Aおよび図29Bのマウスにおける脂肪組織と除脂肪組織の質量に対するPYY(3−36)投与の典型的な影響を表す。 図32Aおよび図32BはDIOマウスにおける明暗周期を通した代謝速度に対するPYY(3−36)投与の典型的な影響を表す。 図33は非肥満マウスにおける胆嚢重量に対する様々なPYY(3−36)濃度の典型的な影響を表す。 図34Aおよび図32BはDIOマウスにおける長期に渡るPYY(3−36)投与と断薬の典型的な影響を表す。 図35はDIO傾向のラットにおける食物摂取と体重のPYY(3−36)用量反応性の減少を表す。 図36はDIO傾向のラットにおける空腹時血漿変数に対するPYY(3−36)のアミリン同時投与ありとなしの典型的な影響を表す。 図37はDIO傾向のラットにおける呼吸商(RQ)とエネルギー消費(EE)に対するPYY(3−36)のアミリン同時投与ありとなしの典型的な影響を表す。 図38はDIO傾向のラットにおける体組成に対するPYY(3−36)のアミリン同時投与ありとなしの典型的な影響を表す。 図39は典型的なPPFポリペプチドの計算された分解率をPYY(3−36)のものと比較する。 図40はPPFポリペプチドの急性投与のマウスおよびラットモデルの食物摂取アッセイにおける典型的な影響をPYY(3−36)との比較で表す。 図41はPPFポリペプチドの慢性投与の齧歯類DIOモデルにおける体重に対する典型的な影響をPYY(3−36)との比較で表す。 図42は典型的なPPFポリペプチド投与のラットモデルにおける給餌パターンに対する影響を表す。 図43は典型的なPPFポリペプチド投与のDIOラットにおける体組成に対する影響をPYY(3−36)との比較で表す。 図44は典型的なPPFポリペプチド投与のDIOラットにおけるトリグリセリド濃度に対する影響をPYY(3−36)との比較で表す。 図45は典型的なPPFポリペプチド投与のラットにおける胃内容排出に対する影響をPYY(3−36)との比較で表す。 図46は典型的なPPFポリペプチド投与のラットにおける心拍数と平均動脈圧(MAP)に対する影響を表す。 図47は典型的なPPFポリペプチド投与のラットにおける心拍数と平均動脈圧(MAP)に対する影響を表す。 図48は典型的なPPFポリペプチドのDIO傾向のラットにおける体重に対するアミリン同時投与ありとなしの影響をPYY(3−36)との比較で表す。 図49は二つの典型的なPPFポリペプチドのDIO傾向のラットにおける体重に対するアミリン同時投与ありとなしの影響を表す。 図50は典型的なPPFポリペプチドのDIO傾向のラットにおける体組成に対するアミリン同時投与ありとなしの影響を表す。 図51は典型的なPPFポリペプチドのDIO傾向のラットにおける体組成に対するアミリン同時投与ありとなしの影響を表す。 図52はPYY(3−36)もしくは典型的なPPFポリペプチドのラットにおける絶食時インスリン濃度に対するアミリン同時投与ありとなしの影響を表す。 図53は典型的なPPFポリペプチドのラットにおけるRQとEEに対するアミリン同時投与ありとなしの影響を表す。 図54はいくつかのPPFポリペプチドの計算された分解率をPYY(3−36)と比較する。

Claims (53)

  1. 式(VI)
    Xaa Xaa Xaa Xaa Pro Glu Xaa Pro Xaa Glu
    Asp Xaa12 Xaa13 Xaa14 Glu Xaa16 Xaa17 Xaa18 Xaa19 Tyr
    Xaa21 Xaa22 Xaa23 Leu Xaa25 Xaa26 Tyr Xaa28 Asn Xaa30
    Xaa31 Thr Arg Gln Xaa35 Xaa36
    のアミノ酸配列を含むPPFポリペプチドであり、
    式中、
    XaaはTyr、もしくは欠けており、
    XaaはIle、Pro、もしくは欠けており、
    XaaはIle、BH−改変Lys、Lys、Val、もしくはPro、
    XaaはLys、BH−改変Lys、Ala、Ser、もしくはArg、
    XaaはAla、Gly、もしくはHis、
    XaaはGlyもしくはAla、
    Xaa12はAlaもしくはPro、
    Xaa13はSerもしくはPro、
    Xaa14はPro、Ala、もしくはSer、
    Xaa16はGluもしくはAsp、
    Xaa17はLeuもしくはIle、
    Xaa18はAsnもしくはAla、
    Xaa19はArg、Lys、BH−改変Lys、Gln、もしくはN(Me)Ala、
    Xaa21はTyr、Ala、Phe、Lys、もしくはBH−改変Lys、
    Xaa22はAlaもしくはSer、
    Xaa23はSer、Ala、もしくはAsp、
    Xaa25はArg、Lys、もしくはBH−改変Lys、
    Xaa26はHis、Ala、もしくはArg、
    Xaa28はLeuもしくはIle、
    Xaa30はLeuもしくはMet、
    Xaa31はVal、Ile、もしくはLeu、
    Xaa35はLys、BH−改変Lys、もしくはArg、および
    Xaa36はTyr、Trp、もしくはPheであり、
    前記のPPFポリペプチドは天然のPPFポリペプチド、PYY(2−36)、ValhPYY(3−36)、Lys25hPYY(3−36)、Lys25Ile28hPYY(3−36)、Lys25Ile31hPYY(3−36)、Lys25Leu31hPYY(3−36)、Lys25Phe36hPYY(3−36)、Ile28hPYY(3−36)、Ile31hPYY(3−36)、Leu31hPYY(3−36)、Phe36hPYY(3−36)、Leu31Phe36hPYY(3−36)、もしくはPro13Ala14hPYYではないという条件である、PPFポリペプチド。
  2. 式(VII)
    Xaa Xaa Pro Xaa Pro Xaa His Pro Xaa Xaa10
    Xaa11 Xaa12 Xaa13 Xaa14 Xaa15 Xaa16 Xaa17 Ala Xaa19 Tyr
    Xaa21 Xaa22 Xaa23 Leu Xaa25 Xaa26 Xaa27 Xaa28 Xaa29 Xaa30
    Xaa31 Thr Arg Gln Arg Tyr
    のアミノ酸配列を含むPPFポリペプチドであり、
    式中、
    XaaはTyrもしくは欠けており、
    XaaはIle、Pro、もしくは欠けており、
    XaaはLys、BH−改変Lys、Ala、Ser、もしくはArg、
    XaaはGlu、Gln、Ala、Asn、Asp、もしくはVal、
    XaaはGlyもしくはAla、
    Xaa10はGlu、Ala、Asp、Asn、Gln、Gly、Pro、もしくはAib、
    Xaa11はGlu、Ala、Asp、Asn、Gln、Gly、Pro、もしくはAib、
    Xaa12はAlaもしくはPro、
    Xaa13はSerもしくはPro、
    Xaa14はPro、Ala、もしくはSer、
    Xaa15はGlu、Ala、Asp、Asn、Gln、Gly、Pro、もしくはAib、
    Xaa16はGluもしくはAsp、
    Xaa17はLeuもしくはIle、
    Xaa19はArg、Lys、BH−改変Lys、Gln、もしくはN(Me)Ala、
    Xaa21はTyr、Ala、Phe、Lys、もしくはBH−改変Lys、
    Xaa22はAla、もしくはSer、
    Xaa23はSer、Ala、もしくはAsp、
    Xaa25はArg、Lys、もしくはBH−改変Lys、
    Xaa26はHis、Ala、もしくはArg、
    Xaa27はTyr、もしくはPhe、
    Xaa28はLeu、もしくはIle、
    Xaa29はAsn、もしくはGln、
    Xaa30はLeu、もしくはMet、および
    Xaa31はVal、Ile、もしくはLeuである、PPFポリペプチド。
  3. 基本的に天然のヒトPYY(配列番号2)の最初の17アミノ酸残基からなるN末端断片、および
    基本的に天然のヒトNPY(配列番号4)のアミノ酸残基18−36からなるC末端断片を含むPPFポリペプチドであって、ここで前記N末端断片と前記C末端断片とが共有結合されており、前記PYY断片のN末端で二つ以下のアミノ酸残基が除去もしくは欠失されていてもよく、そして前記N末端断片およびC末端断片の各々において9つ以下のアミノ酸が置換されてもよい、PPFポリペプチド。
  4. 長さが約34から約36アミノ酸のPPFポリペプチドであり、
    基本的に天然のPYYの最初の17アミノ酸に対して少なくとも50%の配列同一性を示す17アミノ酸からなるN末端断片、および
    基本的に天然のNPYのアミノ酸18−36に対して少なくとも50%の同一性を示す19アミノ酸からなるC末端断片を含み、ここで、前記N末端断片と前記C末端断片とが共有結合されており、前記PYY断片の前記N末端の一つまたは二つのアミノ酸残基が除去もしくは欠失されていてもよい、PPFポリペプチド。
  5. 前記ポリペプチドが配列番号266、267、274、282、320、436、437、438、439、440、441、442、443、444、445、446、447、448、449、450、451、452、453、454、455、456、457、458、459、460、461、462、463、464、465、466、467、468、469、470、471、472、473、474、475、476、477、478、479および480からなる群から選択されたアミノ酸配列を含む、請求項1に記載のPPFポリペプチド。
  6. 前記PPFポリペプチドが一つ以上の挿入をさらに含む、請求項1に記載のPPFポリペプチド。
  7. 前記PPFポリペプチドがさらにN末端キャップを含む、請求項1に記載のPPFポリペプチド。
  8. 前記ポリペプチドが配列番号282、320、437、441、444、445から447、452、454から459、461から464、466、468から470および472から480からなる群から選択されたアミノ酸配列を含む、請求項7に記載のPPFポリペプチド。
  9. 前記ポリペプチドが一つ以上の水溶性ポリマーと結合している、請求項1に記載のPPFポリペプチド。
  10. 前記ポリマーが、ポリエチレングリコールおよび脂肪酸分子からなる群の少なくとも1つから選択され、前記ポリマーが前記ポリペプチドの前記N末端もしくは前記C末端、または前記ポリペプチドの配列中のリジンアミノ酸残基もしくはセリンアミノ酸残基の側鎖に結合されている、請求項9に記載のPPFポリペプチド。
  11. 前記ポリペプチドが配列番号266、437、438、439、442、462、469、470、471および472からなる群から選択されたアミノ酸配列を含む、請求項2に記載のPPFポリペプチド。
  12. 前記PPFポリペプチドがさらに1つ以上の挿入を含む、請求項2に記載のPPFポリペプチド。
  13. 前記PPFポリペプチドがさらにN末端キャップを含む、含む請求項2に記載のPPFポリペプチド。
  14. 前記ポリペプチドが配列番号437、462、469、470および472からなる群から選択されたアミノ酸配列を含む、請求項13に記載のPPFポリペプチド。
  15. 前記ポリペプチドが一つ以上の水溶性ポリマーに結合している、請求項2に記載のPPFポリペプチド。
  16. 前記ポリマーが、ポリエチレングリコールおよび脂肪酸分子からなる群の少なくとも1つから選択され、前記ポリマーが前記ポリペプチドの前記N末端もしくは前記C末端、または前記ポリペプチドの配列中のリジンアミノ酸残基もしくはセリンアミノ酸残基の側鎖に結合されている、請求項15に記載のPPFポリペプチド。
  17. 配列番号266を含むPPFポリペプチド。
  18. 配列番号267を含むPPFポリペプチド。
  19. 配列番号274を含むPPFポリペプチド。
  20. 配列番号282を含むPPFポリペプチド。
  21. 配列番号320を含むPPFポリペプチド。
  22. 配列番号436を含むPPFポリペプチド。
  23. 配列番号437を含むPPFポリペプチド。
  24. 配列番号438を含むPPFポリペプチド。
  25. 配列番号439を含むPPFポリペプチド。
  26. 配列番号440を含むPPFポリペプチド。
  27. 配列番号441を含むPPFポリペプチド。
  28. 配列番号442を含むPPFポリペプチド。
  29. 配列番号474を含むPPFポリペプチド。
  30. 対象の体組成を変化させる方法であり、前記対象にPPFポリペプチドを投与する工程を含み、前記PPFポリペプチドが除脂肪組織に対する脂肪の比率を変化させ、それによって体組成を変化させる、方法。
  31. 前記PPFポリペプチドが配列番号266、267、274、282、320、436、437、438、439、440、441、442、443、444、445、446、447、448、449、450、451、452、453、454、455、456、457、458、459、460、461、462、463、464、465、466、467、468、469、470、471、472、473、474、475、476、477、478、479および480からなる群から選択されたアミノ酸配列を含む、請求項30に記載の方法。
  32. 体脂肪が減少し、除脂肪体重が維持もしくは増加する、請求項30に記載の方法。
  33. 体脂肪と除脂肪体重がそれぞれ体脂肪のパーセントと除脂肪体重のパーセントとして測定される、請求項32に記載の方法。
  34. 体組成が、水中秤量、空気置換プレチスモグラフ、X線、MRI、DEXAスキャン、CTスキャン、および断熱式ボンベ熱量法からなる群から選択された方法により測定される、請求項30に記載の方法。
  35. 体重が減少する、請求項30に記載の方法。
  36. 体重が維持もしくは増加する、請求項30に記載の方法。
  37. 前記PPFポリペプチドが末梢投与される、請求項30に記載の方法。
  38. 前記PPFポリペプチドがPYY、PYY作動薬、もしくはPYYアナログ作動薬である、請求項30に記載の方法。
  39. さらに、アミリン、アミリン作動薬もしくはアミリンアナログ作動薬、サケのカルシトニン、コレシストキニン(CCK)もしくはCCK作動薬、レプチン(OBタンパク質)またはレプチン作動薬、エキセンディンもしくはエキセンディンアナログ作動薬、GLP−1、GLP−1作動薬またはGLP−1アナログ作動薬、CCKまたはCCK作動薬、カルシトニン、カルシトニン作動薬、小分子カンナビノイドCB1受容体拮抗剤、リモナバン、11β−ヒドロキシステロイド・デヒドロゲナーゼ−1阻害剤、シブトラミン、およびフェンテルミンからなる群から選択された少なくとも1つの薬剤を前記対象に投与する工程を含む、請求項30に記載の方法。
  40. 前記対象が過体重もしくは肥満である請求項30に記載の方法。
  41. さらに食事療法を含む、請求項30に記載の方法。
  42. 前記対象が哺乳類である、請求項30に記載の方法。
  43. 前記哺乳類がヒトである、請求項42に記載の方法。
  44. 前記哺乳類が、霊長類、ラット、マウス、ネコ、イヌ、ブタ、ウシ、オスの仔ウシ、ウマ、ヒツジ、およびヤギからなる群から選択される、請求項42に記載の方法。
  45. 対象の血漿トリグリセリド濃度を選択的に低下させる方法で、血漿トリグリセリド濃度を低下させるために効果的な量のPPFポリペプチドを前記対象に投与する工程を含み、コレステロール濃度がより少ない程度で低下する、方法。
  46. トリグリセリド濃度を低下させ、コレステロール濃度を低下させない、請求項45に記載の方法。
  47. トリグリセリド濃度を低下させ、LDLコレステロール濃度を低下させない、請求項45に記載の方法。
  48. トリグリセリド濃度を低下させ、LDLコレステロール濃度をより少ない程度で低下させる、請求項45に記載の方法。
  49. アミラーゼ濃度もまた低下させる、請求項45に記載の方法。
  50. 対象における体脂肪を減少させるかもしくは体脂肪を増加させると同時に除脂肪体重を維持させるかもしくは増加させるための方法であり、体脂肪を減少させるかもしくは体脂肪を増加させると同時に除脂肪体重を維持させるかもしくは増加させるのに効果的なPPFポリペプチドの量の、前記対象への投与を含む、方法。
  51. 対象における中枢体脂肪を減少させる方法であって、中枢体脂肪を減させそして除脂肪体重を保存するかまたは増加させるために効果的な量のPPFポリペプチドを前記対象に投与する工程を含む、方法。
  52. 脂肪酸β酸化を増加させると同時に対象の除脂肪体重を保存するかもしくは増加させる方法であって、脂肪酸β酸化を増加させると同時に除脂肪体重を保存するかもしくは増加させるために効果的な量のPPFポリペプチドを前記対象に投与する工程を含む、方法。
  53. 対象の非アルコール性脂肪性肝炎もしくはリポジストロフィを治療する方法であり、非アルコール性脂肪性肝炎もしくはリポジストロフィを治療するために効果的な量のPPFポリペプチドを前記対象に投与する工程を含む、方法。
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