JP2008534301A - 焼嵌め工具ホルダ - Google Patents

Abstract

本発明は機械切削工具の剛性支持に関する。本発明は、切削工具、特に肩付きエンドミル、及びそのため工作機械主軸に保持されている間に剛性支持を提供する工具ホルダを提供する。本発明は工作機械主軸に着脱自在に接続される工具ホルダを含み、該ホルダは外側当接面で終端し第１の直径を有する円筒穴を含み、第１の直径よりわずかに大きい第２の直径を有する略円筒状シャンクを含む切削工具を堅固に支持するように構成される。工具は工具のシャンクと切歯との間に配置された第１の直径より実質的に大きい第３の直径を有する肩部を含み、工具ホルダが円筒状シャンクより実質的に高温であるときに、工具は工具ホルダの円筒穴内に組み付けられ、切削工具に軸方向力を加えて工具肩部を工具ホルダの外側当接面に押し付ける手段が設けられる。

Description

本発明は機械切削工具の剛性支持に関する。さらに詳しくは、本発明は、切削工具、特に肩付きエンドミル、及びそのため工作機械主軸に保持されている間に剛性支持を提供する工具ホルダを提供する。

旋盤、フライス盤、ボール盤、穿孔機等のような工作機械に保持された切削工具の剛性支持は、良質の機械加工を実行しようとする場合には、絶対不可欠である。工具が充分に支持されなければ、粗末な表面仕上げ、不適切な精度、不必要なノイズ、低い金属除去率を生じ、工具寿命の短縮をもたらす。

工作機械主軸は通常テーパ状の穴内で終端するので、テーパ状のシャンクを有する大径エンドミルまたは他の切削工具は、主軸内に直接挿設することができる。しかし、小型および中型カッタは、堅固に同軸的にかつ着脱自在に主軸端に組み付けられた工具ホルダ内または締付けチャック内に挿設される。剛性支持を提供するために、工具は順に工具ホルダによって確実に、同軸的に、しかも摩耗したときに工具を研磨し或いは交換することができるように着脱自在に、把持されなければならない。

工具の確実な把持に関して、魅力的な実行方法は、工具を焼嵌めによってそのホルダに挿設することである。これは、工具を凍結させるか、あるいは工具ホルダを加熱するかのいずれか一方、または両方によって達成される。これにより工具は容易にそのホルダ内に滑入し、両方の部品が室温に達したときに、工具は確実に把持される。この方法は、同心性の確保において有利であり、かつチャック爪のような移動部を必要とすることなく、工具ホルダノーズをコンパクトに設計することができるので、有利である。焼嵌めによって保持される工具は公知であり、幾つかの米国特許、中でも特に、Ｃｏｏｋの第５，３１１，６５４号、第５，９７９，９１２号、および第６，２３４，７２９号、ＤｅＬｕｃｉａの第６，２６０，８５８号、Ｍｉｚｏｇｕｃｈｉの第６，３１５，５０６号、Ｖｏｓｓらの第６，５１１，０７７号、ならびにＶｏｓｓの第６，５９５，５２８号に見ることができる。

工具ホルダのノーズと当接するように設計された肩部が切削工具に設けられた場合、工具の剛性をさらに改善することができる。そのような肩部は、工具切削径より小さい工具シャンク径を使用することによって、または切歯に隣接するシャンク端部に切削工具径より大きい肩を設けることによって作製することができる。

剛性の改善を達成するには、前記肩部が工具ホルダのノーズと確実に接触し、かつこの接触状態を維持しなければならないことは明らかである。しかし、切削工具が焼嵌めによって保持される場合、そのような接触は確保されないことが経験によって明らかになっている。米国特許第６，２３４，７２９号の序論でＣｏｏｋによって提示されたこれについての説明が正しいか否かに関係なく、工具肩部とそのホルダとの間の所望の軸方向当接が事実上理想的ではないことはほとんど間違いない。この問題に対処しようとして、Ｖｏｓｓらは米国特許第６，５１１，０７７号で、工具肩部に当接面を提供するための面取りリングを加えることを提案している。しかし、該リングは薄すぎるので充分な当接面を提供できず、かつその短い長さおよびテーパ座は、精密直交配置の助けとならない。

工具が焼嵌めで把持された後に、軸方向圧力を加えることで、当接面間に残る小さい間隙を除去することができないことに注目されたい。たとえ高い軸方向力が焼嵌めを克服することができると仮定しても、小さい間隙を除去することはできない。これは、金属がそのような外力下で軸方向に収縮し、２つの当接面を接触させるためでる。しかし、軸方向力が解放される瞬間、金属は跳ね返り、小さい間隙が再び現われる。

したがって、本発明の目的の１つは、先行技術の焼嵌め工具ホルダの不利点を回避し、２つの当接面の良好な相互接触を確実にする配置を提供することである。

本発明のさらなる目的は、工具および工具ホルダが周囲温度に近づく期間中に、一定の力を加えて２つの当接面を密接させることを確実にすることである。

本発明は、工作機械主軸に着脱自在に接続される工具ホルダであって、前記工具ホルダが、外側当接面で終端し第１の直径を有する円筒穴を含み、前記第１の直径よりわずかに大きい第２の直径を有する略円筒状シャンクを含む切削工具を堅固に支持するように構成され、前記工具が前記工具の前記シャンクと切歯との間に配置された前記第１の直径より実質的に大きい第３の直径を有する肩部を含み、前記工具ホルダが前記円筒状シャンクより実質的に高温であるときに、前記工具が前記工具ホルダの前記円筒穴内に組み付けられ、前記切削工具に軸方向力を加えて前記工具肩部を前記工具ホルダの前記外側当接面に押し付ける手段が設けられ、前記工具および前記ホルダがそれらの通常の作業温度に戻った後も前記工具ホルダと前記切削工具との間の肩接触が維持されるようにした、ホルダを提供することによって上記目的を達成する。

本発明の好適な実施形態では、前記シャンクに中央ねじ穴が設けられた切削工具と組み合わせる工具ホルダであって、前記軸方向力が前記シャンクの前記中央ねじ穴に挿設可能な着脱自在のドローボルトを用いて加えられるように構成された工具ホルダが提供されて尉る。

本発明のさらなる好適な実施形態では、前記工具シャンクの前記中央ねじ穴と係合可能な接続部が設けられた着脱自在の油圧シリンダを用いて、前記軸方向力を加えるように構成された工具ホルダが提供されている。

本発明のさらに別の実施形態では、工具ホルダは、前記第１の直径より実質的に大きい第３の直径を有する前記肩部が前記切削工具の一部を形成する複数の切歯の後方終端部によって提供される切削工具と組み合わせて使用される。

本発明を今、実施例として本発明の好適な実施形態を示す添付の図面を参照しながら、さらに説明する。構造細部は、その基本的理解に必要な程度にのみ示す。図面と併せて記載する実施例から、本発明のさらなる形態をいかに実現できるかが、当業者には明らかになるであろう。

図１には、工作機械主軸（図示せず）に着脱自在に接続するように配置された工具ホルダ１０が示されている。ホルダ１０は外側当接面１４で終端する第１の直径を有する円筒穴１２を含む。ホルダ１０は、例えばＡＮＳＩ規格Ｂ４．３−１９７８に規定される通常の焼嵌め公差に従って、第１の直径１２よりわずかに大きい第２の直径を有する円筒状シャンク１８を含むエンドミル工具１６を堅固に支持する。工具１６は、第１の直径穴１２よりわずかに大きい第３の直径を有する肩部２０を含む。肩部２０は工具１６のシャンク１８と切歯２２との間に配置される。

工具１６は、工具ホルダ１０が円筒状シャンク１８の温度より実質的に高い温度のときに、円筒穴１２内に挿設される。

２つの部品１０、１６が周囲温度に近づく間に、切削工具１６に軸方向力を加えて工具肩部２０を工具ホルダ１０の外側当接面１４に押し付けるプレス２４が示されている。部品１０、１６が同一温度に達するまでの期間中、プレス圧力が維持されるので、肩部接触が外側当接面１４と工具肩部２０との間で維持される。

残りの図を参照すると、類似の部品を識別するために類似の参照番号が使用されている。

今、図２を参照すると、エンドミル２６のシャンク３０に中央ねじ穴２８が設けられたエンドミル切削工具２６と組み合わせる工具ホルダ１０が示されている。ソケット頭付きの押さえねじ３２は穴２８と係合し、エンドミル２６および工具ホルダ１０の当接面が密接し続けるように、エンドミル２６を工具ホルダ１０内に引き込む。ねじ３２は、機械加工の開始後も取り外す必要は無い。

今、図３に注目すると、再び図２に示めされたタイプのエンドミル２６を保持する工具ホルダ１０が示されている。軸方向力は、エンドミル２６のシャンク３０の中央ねじ穴２８内に挿設された着脱自在のドローボルト３４を用いて加えられる。ドローボルト３４は、締め付けられたときにその長さが弾性的に変形するので、所要な軸方向力を容易に維持する。ドローボルト３４は容易に締め付けられ、焼嵌めでエンドミル２６が把持された後、容易に取り外される。

図４に示すのは、エンドミル２６のシャンク３０の中央ねじ穴２８と係合可能な接続部３８が設けられた着脱自在の油圧シリンダ３６を用いて、軸方向力を加える工具ホルダ１０である。油圧シリンダ３６は、エンドミル２６に張力が加えられたときに、工具ホルダ１０を拘束する肩部３８を提供する。シリンダ３６は言うまでもなく、工具ホルダが使用される前に取り外される。

今、図５を参照すると、再び、エンドミル切削工具４０と組み合わせる工具ホルダ１０が描かれている。第３の直径を有する肩部４２はエンドミルシャンク４４の直径より実質的に大きい。したがって、切削工具４０の一部を形成する複数の切歯４２の後方終端部が、工具ホルダ１０の当接面１４と接触する肩部を提供する。

上記発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の要旨内の全ての実施形態を包含すると意図される。上述した実施例は本発明の有用な形態を例示するものであって、その範囲を限定するものとはみなすべきではなく、特許請求の範囲の要旨から逸脱することなく、本発明の追加的な変形および変更を容易に思いつくことができることは、当業者に理解されるであろう。

軸方向圧力がプレスによって提供される、本発明に係る工具ホルダの好適な実施形態の部分断面図である。 軸方向圧力がねじによって提供される、工具ホルダの好適な実施形態の部分断面図である。 軸方向圧力がドローボルトによって提供される、工具ホルダのさらなる好適な実施形態の部分断面図である。 軸方向圧力が油圧シリンダによって提供される、再び工具ホルダの好適な実施形態の部分断面図である。 エンドミルが工具ホルダとの接触を維持するために必要な肩部を提供する、工具ホルダの好適な実施形態の部分断面図である。

Claims (6)

1. 工作機械主軸に着脱自在に接続される工具ホルダであって、前記ホルダが外側当接面で終端し第１の直径を有する円筒穴を含み、前記第１の直径よりわずかに大きい第２の直径を有する略円筒状シャンクを有する切削工具を堅固に支持するように構成され、前記工具が前記工具の前記シャンクと切歯との間に配置され前記第１の直径より実質的に大きい第の３直径を有する肩部を含み、前記工具ホルダが前記円筒状シャンクより実質的に高温であるときに、前記工具が前記工具ホルダの前記円筒穴内に組み付けられ、前記切削工具に軸方向力を加えて前記工具肩部を前記工具ホルダの前記外側当接面に押し付ける手段が設けられ、前記工具および前記ホルダがそれらの通常の作業温度に戻った後も前記工具ホルダと前記切削工具との間の肩接触が維持される、工具ホルダ。
2. 前記シャンクに中央ねじ穴が設けられた切削工具と組み合わせる、請求項１に記載の工具ホルダ。
3. 前記軸方向力が、前記シャンクの前記中央ねじ穴内に挿設可能な着脱自在のドローボルトを用いて加えられる、請求項２に記載の工具ホルダ。
4. 前記シャンクの前記中央ねじ穴と係合可能な接続部または油圧シリンダと工具シャンクとの間の他のタイプの接続部が設けられた着脱自在なまたは内部の油圧シリンダを用いて、前記軸方向力を加える、請求項２に記載の工具ホルダ。
5. 前記第１の直径より実質的に大きい第３の直径を有する前記肩部が前記切削工具の一部を形成する複数の切歯の後方終端部によって提供される、切削工具と組み合わせる、請求項１に記載の工具ホルダ。
6. 添付の図面を参照して実質的に請求項１〜５の何れか一項に記載された、工作機械主軸に着脱自在に接続する工具ホルダ。

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