したがって、モバイル端末にはロックアウト機能を持たせることが知られている。一般に、モバイル端末は、使用者がモバイル端末にセキュリティーロックアウトコードを入力すれば、その使用者が使えるようになるメニューオプションを含む。コードを入力しセキュリティー機能をアクティブ化させた後は、使用者がモバイル端末によって提供されるサービスに接続するには、接続の前に、セキュリティーコードが入力されなければならない。例えば、モバイル端末の所有者が紛失したり、置き忘れたりしたとしても、それを見つけた人が、モバイル端末の所有者に支払いをさせながらモバイル端末により提供されるサービスを利用することは防止さることになろう。さらに、子供によって引き起こされる課金や、モバイル端末から情報の削除を、その子供の親は、ロックアウトコードを入力することにより、これを防止することもできる。特許文献1(Tani)には、模範的なロックアウト機能が提案されている。
本発明の一実施形態によれば、モバイル端末の動作の方法は、第1の動作モードにおけるモバイル通信の受信とモバイル通信の送信を行う工程と、第2の動作モードにおけるモバイル通信の送信を抑止しつつ、第1の動作モードにおいて利用が可能でない少なくとも1つの機能を有効にする工程とを含む。第2の動作モードにおいて、正当な許可コードが受信されることに応じて、第1の動作モードがアクティブ化される。他の実施形態では、第1の動作モードにおいて正当な許可コードが受信されることに応じて、第2の動作モードがアクティブ化される。例えば、第1の動作モードは通信動作モードであってもよい。また、第2の動作モードは、子供の娯楽/教育動作モードであってもよい。
他の実施形態では、モバイル端末を動作させる方法は、第2の動作モードにおいてモバイル通信を受信する工程と、第2の動作モードにおいてモバイル通信の受信に応じて、正当な許可コードの入力を使用者に促す工程とをさらに含む。
他の実施形態では、第1の動作モードでは利用できない少なくとも1つの機能を有効にする工程は、第1の動作モードでは利用できない複数のワンタッチ機能を有効にする工程を含む。複数あるワンタッチ機能の各機能は、第2の動作モードおけるモバイル端末上の対応するボタンが押下されることに応じて、アクティブ化されて機能してもよい。モバイル端末上の対応するボタンの機能は、子供の娯楽/教育モードにおいては、通信モードでは利用できない複数のワンタッチ機能を有効にするように変更されてもよい。複数のワンタッチ機能は、通信モードでは利用できない音楽機能、表示機能、音声再生機能、アルファベット機能及びカラオケ機能の少なくとも1つを含んでもよい。さらに、それぞれの異なった、音楽機能、表示機能、音声再生機能、アルファベット機能及びカラオケ機能は、対応するボタンが繰り返し押下されることに応じてアクティブ化されてもよい。
他の実施形態では、正当な許可コードを受信する工程は、キーパッド上の一連のボタンが押下されるか、及び、入力スクリーン上に示された一連のメニューから複数のメニュー項目が選択されるかの少なくと一方に応じて、キーパッド及び入力スクリーンの少なくとも一方から、正当な許可コードを受信する工程を含む。
その他の実施形態では、第2の動作モードにおけるモバイル端末に対しては、機能、情報及び設定の少なくとも1つの変更が抑止されてもよい。さらに、第2の動作モードで有効な、少なくとも1つの機能が、第1の動作モードを用いて、予め設定されてもよい。
本発明の一実施形態によれば、モバイル端末は、モバイル端末でモバイル通信を受信する受信機と、モバイル端末からモバイル通信を送信する送信機と、モード選択回路とを含む。モード選択回路は、モバイル通信を送受信する第1の動作モードと、第1の動作モードでは利用できない少なくとも1つの機能を有効にするとともに、モバイル通信の送信を抑止する、第2の動作モードとを提供する。さらに、モード選択回路は、第2の動作モードにおいて正当な許可コードが受信されることに応じて、第1の動作モードをアクティブ化する。他の実施形態では、モード選択回路は、さらに、第1の動作モードにおいて正当な許可コードが受信されることに応じて、第2の動作モードをアクティブ化する。
他の実施形態では、モード選択回路は、第2の動作モードにおいてモバイル通信を受信する。他の実施例では、モード選択回路は、さらに、第2の動作モードにおいてモバイル通信が受信されることに応じて、許可コードを入力するように使用者に促してもよい。
他の実施形態では、第1の動作モードが通信モードを備え、第2の動作モードが子供の娯楽/教育モードを備える。モード選択回路は、通信動作モードでは利用できない子供の娯楽/教育モードにおける複数のワンタッチ機能を有効にしてもよい。複数あるワンタッチ機能のそれぞれの機能は、モバイル端末上の対応するボタンが押下されることに応じてアクティブ化されてもよい。モード選択回路は、通信モードでは利用できない複数のワンタッチ機能を有効にするために、子供の娯楽/教育モードにおけるモバイル端末の対応するボタンの機能を変更してもよい。例として、複数のワンタッチ機能は、通信モードでは利用できない音楽機能、表示機能、音声再生機能、アルファベット機能及びカラオケ機能の少なくとも1つを含んでもよい。モード選択回路は、さらに、それぞれの異なった、音楽機能、表示機能、音声再生機能、アルファベット機能及びカラオケ機能の少なくとも1つが、対応した対応するボタンが繰り返し押下されることに応じて、アクティブ化されてもよい。
他の実施形態では、モバイル端末は、モード選択回路と接続された複数のボタンを含むキーパッドと、モード選択回路と接続された入力スクリーンとを含む。モード選択回路は、キーパッド上の一連のボタンが押下されるか、及び、入力スクリーン上に示された一連のメニューから複数個のメニュー項目が選択されるかの少なくとも一方に応じて、モバイル端末のキーパッド及び入力スクリーンの少なくとも一方から、許可コードを受信してもよい。
他の実施形態では、モード選択回路は、さらに、第2の動作モードにおけるモバイル端末用の機能、情報、及び設定の少なくとも1つの変更を抑止する。さらに、モード選択回路は、第2の動作モードにおいて有効である少なくとも1つの機能のうち、使用者により選択された機能及び予め設定された機能の少なくとも一方の機能を、第1の動作モードにおいて有効にしてもよい。
また、本発明の一実施形態によれば、モバイル端末の動作のためのコンピュータで読み取り可能なコンピュータプログラムも提供される。
以下では、本発明の実施形態を示す添付の図面を参照し、本発明についてより詳細に説明する。しかしながら、本発明は、多くの異なった実施形態で実施されてもよく、本明細書に開示された実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、この開示が十分かつ完璧であり、本発明の範囲を当業者に十分に伝えるために提供されたものである。本明細書においては、同一の番号は同一の要素を示す。本明細書に用いる「及び/又は」は、1つ以上の関連する列挙項目の、いかなる、又は、すべての組み合わせをも含んでおり、それを「/」で略書する。
本明細書における用語は、個別の実施形態を説明するためだけに用いられており、本発明に限定を与えることを意図したものではない。本明細書で用いられる用語は、文脈からして明らかに単数を意味していない限り、複数をも含むことを意図している。さらに、用語の「備える」、及び/又は、「備えている」は、本明細書で用いるときには、言及した特徴、範囲、工程、操作、要素、及び/又は、コンポーネントの存在を規定するものであり、1つ以上の他の動作、範囲、工程、操作、要素、コンポーネント、及び/又は、それらのグループの存在、又は、追加を排除するものではない、と理解されるであろう。
当業者には正しく認識されるであろうが、本発明は、方法、モバイル端末、コンピュータプログラムとしての実施形態として示される。したがって、本明細書においては一般的に「回路」という表現によるものも、本発明では、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態、又は、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせの実施形態という形をとってもよい。
本発明の操作を実行するためのコンピュータプログラムは、Java(登録商標)、スモールトーク、C++のようなオブジェクト指向プログラミング言語、C言語のような従来の手続き型プログラミング言語、又は、アセンブリ言語及び/又はマイクロコードのような低級なコードで記述してもよい。プログラムコードは、単独型のソフトウェアパッケージとして、又は他のソフトウェアパッケージの一部として用いる等、完全に1つのプロセッサで実行してもよいし、複数のプロセッサにまたがって実行してもよい。
本発明は、本発明の実施形態に従った方法、装置(モバイル端末)、及び、コンピュータプログラムのフローチャート、及び/又は、ブロック図を参照しつつ、以下に記述される。フローチャート、及び/又は、ブロック図のおのおののブロック、及び、フローチャート、及び/又は、ブロック図のブロックの組み合わせは、コンピュータプログラムの命令によって実行することができると理解できるであろう。これらのコンピュータプログラムの命令は、一般用途のコンピュータや特定用途のコンピュータのプロセッサ、又は、マシーン生産のための、他のプログラム可能なデータ処理装置に対して、提供されてもよい。この命令は、コンピュータのプロセッサ、又はプログラム可能なデータ処理装置を介して実行され、フローチャート、及び/又は、ブロック図のブロックの中で仕様を決定される機能を実行するための手段を作り出す命令のようなものである。
また、コンピュータプログラムの命令は、コンピュータ、又はプログラム可能なデータ処理装置の上で実行される一連の操作工程を作るため、コンピュータ処理工程を作るコンピュータ、又はプログラム可能なデータ処理装置にロードされてもよい。この命令は、コンピュータ、又はプログラム可能なデータ処理装置の上で実行し、フローチャート、及び/又は、ブロック図のブロックの中で仕様を決定される機能又は行為を実行するための工程を提供する命令のようなものである。
本発明の実施形態は、図1のモバイル端末100のブロック図を参照して、以下に詳細に説明される。図1は、無線通信信号175の送信、及び/又は、受信を行うモバイル端末100を示す図である。モバイル端末100は、ネットワーク送受信機125,アンテナ165、メモリ130、スピーカ115、及び、プロセッサ140と接続されたユーザインタフェース135を含んでよい。モバイル端末100によって与えられる特別な機能に応じて、ユーザインタフェース135は、キーボード/キーパッド105、表示装置110、マイクロフォン120、ジョイスティック170、ダイヤル175、方向キー180、及び/又は、指示装置185(マウス、トラックボール、タッチパッド等)を含んでもよい。しかしながら、実際には、ユーザインタフェース135として、さらに何かが加わるか、及び/又は、より少ない数の要素が用いられてもよい。
ネットワーク送受信機125は、一般に、送信機150及び受信機145を備える。送信機150は、アンテナ165を介して、基地局送受信機26へ出力無線周波数信号を送信する。受信機145は、アンテナ165を介して、基地局送受信機26からの入力無線周波数信号を受信する。図1には単一のアンテナ165が示されているが、受信される信号のタイプに基づいて、複数のアンテナ、及び/又は、異なったタイプのアンテナが利用されてもよいと理解されるべきである。モバイル端末100と基地局送受信機26との間で伝送される無線周波数信号は、トラフィック信号と制御信号(例えば、着呼としてはページング信号/メッセージ)の両方を含んでもよい。これらは、他のパーティ又は宛先との通信の確立と保守に用いられ、アップリンク通信、及び/又は、ダウンリンク通信を提供するのに用いてもよい。しかしながら、本発明は、そのような双方向通信システムに限定されるものではない。
モバイル端末100の従来の種々の動作における役割に関して、モバイル端末100の上述したコンポーネントは、多くの従来のモバイル端末に含まれてもよく、また、それらの機能は当業者に一般的に知られている。またさらに、ここで用いられている「モバイル端末」という用語は、マルチラインディスプレイを持つ、又は持たないセルラ無線電話機、セルラ無線電話を、データ処理、ファクシミリ、及びデータ通信可能な装置と組み合わせたパーソナル通信システム(PCS)端末、無線電話、ポケベル、インターネット/イントラネット接続、ウェブブラウザ、システム手帳、カレンダ及び/又はグローバル測位システム(GPS)受信機を含むことのできる携帯情報端末(PDA)、さらには、無線電話送受信機を含む従来のラップトップ及び/又はパームトップ受信機、及び/又は、その他の装置を含んでもよいと理解すべきである。
図1のモバイル端末100の中には、また、プロセッサ140で実行されてよいモード選択回路160が示されている。しかしながら、モード選択回路160は、本明細書に説明されているように、モバイル端末100が備える種々の他のコンポーネントと動作の上で接続された別の回路であってもよいと理解されるべきである。モード選択回路160は、モバイル端末100に対して第1及び第2の動作モードを提供する。より具体的には、モード選択回路160は、モバイル通信の送受信を行う第1の動作モードと、モバイル通信の送信を抑止しつつ、第1の動作モードでは利用できない少なくとも1つの機能を有効にする第2の動作モードを提供する。モード選択回路160は、第2の動作モードにおいて正当な許可コードが受信されることに応じて、第1の動作モードをアクティブ化する。
例えば、第1の動作モードは、無線通信を送信及び受信するための従来の無線通信、及び/又は、電話モードであってよい。一方、第2の動作モードは、モバイル端末100の送信機150の機能を停止した状態で、第1の動作モードでは利用できない子供向けの機能を提供するための、子供の娯楽/教育モードであってよい。ここで、子供達は、呼を出力する能力を持たずに、及び/又は、サービスプロバイダからの費用/料金を請求されることなく、第2の動作モードの子供向けの機能を、楽しむことができる。しかしながら、受信機145は、第2の動作モードにおいて動作が有効なので、モバイル端末の所有者/使用者は、子供が第2の動作モードでモバイル端末100を用いているときでも、呼の入力に対する知らせを受けることもある。モード選択回路160は、第2の動作モードで動作している受信機145が着呼を受信すると、それに応じて、第1の動作モードに戻り着呼に応答するために、所有者に許可コードの入力を促してもよい。さらに、モード選択回路は、第2の動作モードにおけるモバイル端末100用の機能、情報、及び/又は、設定の変更を抑止してもよい。このように、モバイル端末100が第2のモードで動作しているときは、接続リスト、電話番号、その他メモリ130に記憶されている情報の、変更、及び/又は、消去を子供達が行うことを抑止することができる。
第1の動作モードでは利用できなく、第2の動作モードにおいてモード選択回路160により有効にされる機能は、キーパッド105上の対応するボタンが押下されること、方向キーが操作されること、及び/又は、その他のモバイル端末100の入力装置が操作されること、に応じてアクティブ化される複数のワンタッチ機能を含んでもよい。ここに、モード選択回路160は、第2のモードにおけるワンタッチ機能を有効にするために、第1のモードにおけるモバイル端末100の対応するボタンによって与えられる機能を変更してもよい。例えば、子供の娯楽/教育モードにおいて有効なワンタッチ機能は、音楽機能、表示機能、音声再生機能、アルファベット機能、及び/又は、カラオケ機能のような通信モードでは利用できない子供向けの機能を含んでもよい。さらに、異なった機能は、それぞれのボタンが繰り返し押下されることに応じてアクティブ化されてもよい。例えば、第2の動作モードにおいて、キー「1」を1回押下することによって、ポピュラーな子供の歌を、モバイル端末100のスピーカ115を通して再生する音楽機能がアクティブ化されてもよい。一方、「1」のキーを2回押下することによって、他の異なった子供の歌の再生がアクティブ化されてもよい。上述した子供向けの機能のような、第2の動作モードにおいて有効な機能は、第1の動作モードで動作しているモバイル端末100の所有者によって、予め設定(即ち、初期設定、及び/又は、選択)されてもよい。このように、両親は、子供の娯楽/教育モードがアクティブ化される前に、子供の娯楽/教育モードで有効となるように、特定の音楽機能、表示機能、アルファベット機能、及び/又は、その他の子供向けの機能を、モバイル端末100上の特定のボタンに割り当てることができる。
モード選択回路160は、希望する情報を得るべく、使用者を促すとともに使用者からの入力を受け取る表示装置110(入力と出力が可能なタッチスクリーンでもよい)やキーボード/キーパッド105のような種々の使用者入力/出力装置、を含む、及び/又は、それらと動作上結合しているものでよい。例えば、モード選択回路160は、第1の動作モードをアクティブ化するために、第2の動作モードにおけるモバイル端末100のキーボード/キーパッド105、及び/又は、表示/入力スクリーン110から、正当な許可コードを受信するように設定してもよい。より詳細には、モード選択回路160は、キーパッド105上のボタンを順番に押下すること、及び/又は、入力スクリーン110上の表示された一連のメニューからメニュー項目を順次に選択することに応じて、許可コードを受信してもよい。許可コードは使用者によって定義されてもよい。さらに、許可コードとしては、子供によってアクティブ化される可能性が非常に低い、使用者の複数の行為が要求されてもよい。例えば、許可コードには、子供には真似のできない一連の複雑な系列の押しボタン操作、及び/又は、メニュー選択が要求されてもよい。このように、モード選択回路160は、いったんモバイル端末100が第2の動作モードにおいて動作すれば、第1の動作モードに入ることを抑止するように設定されてもよい。さらに、モード選択回路160は、第1の動作モードにおいて正当な許可コードが受信されることに応じて、第2の動作モードをアクティブ化してもよい。第1の動作モードがアクティブ化されるためにモード選択回路160により要求される正当な許可コードは、第2の動作モードがアクティブ化されるために要求される正当な許可コードと同じ、及び/又は、異なったものであってもよい。
このように、モード選択回路160は、異なったサービスを求める使用者を対象としたモバイル端末100に対して、第1及び第2の動作モードを提供することができる。例えば、本発明のいくつかの実施形態に従った第1及び第2の動作モードでは、両親又は他の使用者に対して、第1動作のモードにおける無線通信の送受信を行う従来の機能を与え、子供又はその他の使用者に対しては、料金が請求される危険性なしに、及び/又は、モバイル端末100の中に記憶されたデータを消失することなしに、第2の動作モードにおける付加的な娯楽の機能を与えることができる。ローミングモードにおける発呼、長距離呼の発呼、及び/又は、追加のエアアクセス回数が適用される特定の地域コードへの発呼、インターネット接続、マルチメディアメッセージング接続、電子メール接続等の送信機150に関わるモバイル端末100のいくつかの機能は、第2の動作モードでは利用できなくてもよい。他の実施形態によれば、例えば、緊急呼(E911)のような、例外があり得る。さらに、呼の履歴、接続リスト、呼び出し音及び設定等のメモリ130に関わるモバイル端末100の種々の機能もまた、第2のモードでは利用できなくともよい。このように、第2の動作モードにおいては、子供に対する娯楽のような追加的な機能を提供しつつも、認可されない料金、及び/又は、モバイル端末の中に記憶されたデータの消失を抑止することができる。
図2と図3は、本発明の実施形態に係るモバイル端末により、より具体的にはモバイル端末100のモード選択回路160により実行される動作の一例を示すフローチャートである。以下では、本発明の実施形態に係るモバイル端末において、複数の動作モードを提供することに関連する動作を、図2のフローチャートを参照して説明する。図2に示すように、ブロック205において、動作が開始され、モバイル端末は、第1の動作モードでモバイル通信の送受信を行う。例えば、第1の動作モードは、無線ネットワーク上で呼を送受信するための従来の無線通信モードであってもよい。もし望むならば、第2の動作モードがアクティブ化されてよい(ブロック210)。いくつかの実施形態では、第1の動作モードにおいて正当な許可コードが受信されることに応じて、第2の動作モードがアクティブ化されてもよい。第2の動作モードにおいては、第1の動作モードでは利用できない少なくとも1つの機能が有効にされ、モバイル端末からのモバイル通信の送信が抑止される(ブロック215)。さらに、第2の動作モードにおいては、モバイル端末に対して、機能、情報、及び/又は、設定の変更が抑止されるように設定されてもよい。例えば、第2の動作モードは、第1の動作モードでは利用できない複数の子供向けの機能が有効にされる子供の娯楽/教育モードであってもよい。もし、第2の動作モードのときに、正当な許可コードが受信される(ブロック220)と、第1の動作モードがアクティブ化される(ブロック225)。このように、モバイル端末はモバイル通信の送受信のモードに復帰する。その代わり、もし正当でない許可コードが受信される(ブロック220)と、モバイル端末は第2の動作モードにとどまる(ブロック215)。このように、モバイル端末からのモバイル通信の送信は、正当な許可コードが入力されるまで抑止される。
以下では、本発明の実施形態に係るモバイル端末の、複数の動作モードを提供するためにさらに加えるべき動作を、図3のフローチャートを参照して説明する。さらに具体的には、図3は、モバイル端末において通信動作モードと子供の娯楽/教育動作モードを提供する特定の実施形態を図示したものである。図3に示すように、ブロック300から動作が開始され、モバイル端末は通信動作モードでモバイル通信の送受信を行う。通信動作モードは、無線通信の送受信を行うモバイル端末の従来の動作モードであってもよい。もし望むならば、使用者は、子供の娯楽のために、子供の娯楽/教育動作モードをアクティブ化してもよい(ブロック305)。子供の娯楽/教育モードは、通信モードでは利用できない子供向けのさらにいくつかの機能を有効にしてもよい。いくつかの実施形態において、使用者は通信動作モードを用いて、このような子供向けの機能を、選択、及び/又は、予め設定してもよい。例えば、両親は、モバイル端末のメモリの中に記憶された利用可能な歌/音楽のリストから選択して、選択したものをモバイル端末上の特定のボタンに割り当てることもできる。
さらに、図3を参照すると、使用者は、ブロック310で子供の娯楽/教育動作モードを有効にする許可コードの入力を促される。そして、許可コードが検証される(ブロック315)。もし、許可コードが正当でないときには、動作はブロック300の通信動作モードに復帰する。しかし、入力した許可コードが正当であれば(ブロック315)、例えば、図1のモード選択回路160によって、子供の娯楽/教育動作モードがアクティブ化される。このように、通信モードでは利用できない複数のワンタッチ機能が有効となり、モバイル通信の送信は抑止される(ブロック320)。複数のワンタッチ機能の各機能は、モバイル端末上のそれぞれのボタンを押下することによりアクティブ化されてもよい。ボタンには、キーボード/キーパッド105上のボタン、ジョイスティック170、方向キー180、及び/又は、ユーザインタフェース135に含まれるその他の装置が含まれる。ここに、モバイル端末の対応するボタンに対応した機能は、複数のワンタッチ機能を提供するために変更されてもよい。ワンタッチ機能は、例えば、通信動作モードでは利用できない音楽機能、表示機能、音声再生機能、アルファベット機能、及び/又は、カラオケ機能を含んでもよい。さらに、対応するボタンが繰り返し押下されることにより、それぞれ異なった音楽機能、表示機能、音声再生機能、アルファベット機能、及び/又は、カラオケ機能がアクティブ化されてもよい。また、機能、情報、設定、及び/又は、モバイル端末のメモリ130に記憶されたその他のデータは、子供の娯楽/教育モードの間は変更されないようにしてもよい。
また、着信するモバイル通信が、子供の娯楽/教育モードにおいてモバイル端末で受信されてもよい。着呼が子供の娯楽/教育モードのときに受信されると(ブロック325)、使用者は、通信モードをアクティブ化してその呼に応答するため、許可コードの入力を促される(ブロック335)。子供の娯楽/教育モードのときに通信モードがアクティブ化される許可コードは、通信モードのときに子供の娯楽/教育モードがアクティブ化される許可コードと、同じであっても異なっていてもよい。許可コードは、キーパッド105上の一連のボタンを押下することにより、モバイル端末のキーパッド105から受信されてもよいし、及び/又は、入力スクリーン110に表示された一連のメニューから複数のメニュー項目を選択することにより、入力スクリーン110から受信されてもよい。正当な許可コードが入力されると(ブロック345)、動作は通信モード(ブロック350)に復帰し、送信と受信の両方の機能が有効となり、入力された呼に応答することが可能になる。しかし、正当でない許可コードが入力されると、動作は子供の娯楽/教育モード(ブロック320)に戻り、呼に対する応答は抑止される。同様に、子供がモバイル端末を用いての遊びをやめる(ブロック330)と、許可コードが使用者によって入力される(ブロック340)。例えば、「終了する場合*64を押して下さい。」のような子供の娯楽/教育モードを終了する指示は、モバイル端末の入力スクリーン110上に小さいフォントで示されてもよい。表示された文字列が使用者によって入力されると、使用者は許可コードの入力を促される。もし、コードが正当でなければ(ブロック345)、動作は子供の娯楽/教育モード(ブロック320)に戻る。
このように、モバイル端末は、正当な許可コードが入力される(ブロック345)まで子供の娯楽/教育モードにとどまる。許可コードは、子供には再現することが極めて難しい使用者の複数の行為が要求されるように設定、及び/又は、選択されてもよい。さらに、子供のような頻繁にモバイル端末を利用する使用者が、試行錯誤の結果、正しい許可コードを知るのをより困難にするために、許可コードを入力する回数が限定されてもよい。これにより、正当でない者が子供の娯楽/教育モードを終了すること、そして、呼を送信すること、及び/又は、モバイル端末のメモリ130の中に記憶されたデータを変更することを抑止することができる。このように、モバイル端末の送信機150に関わる機能で、インターネット接続サービス、長距離呼、ローミング呼や特定の地域コードへの呼、電子メール、テキストメッセージ等の機能は、子供の娯楽/教育モードでは利用できなくてよい。上述したように、いくつかの実施形態では、緊急呼の発呼(プレースメント)のような例外は許されてよい。
図2及び図3のフローチャートは、本発明の実施形態に係るモバイル端末における複数の動作モードを提供するための、システム、装置及びコンピュータプログラムで実現可能な構成、機能、及び、動作を示すものである。この点に関し、フローチャート又はブロック図の中の各ブロックは、モジュール、セグメント、又は、コードの部分を表現するものであり、明細書に記された論理的行為を実行するための1つ以上の実行可能な命令を備える。いくつかの代替の実施形態では、ブロックに示された行為は、図に示された順序とは異なった順序で行われてもよい。例えば、2つの続けて描かれたブロックは、実際には、本質的に同時に実行されてもよい。また、関わる機能によっては、それらのブロックは図示とは逆の順序で実行されてもよい。
図4A乃至Cは、本発明の実施形態に係るモバイル端末において、第2の動作モードで有効な子供向け機能の一例を示す図である。図4Aは、図1のモバイル端末100のようなモバイル端末の子供の娯楽/教育モードにおいて有効なアルファベット機能を図示している。図4Aを参照すると、両親、又は、モバイル端末の他の使用者が、モバイル端末の子供の娯楽/教育モードをアクティブ化すると、ワンタッチアルファベット機能が動作可能になる。より具体的には、キーパッド105上のキー「1」の機能がアルファベット機能を与えるように変更される。ここで、子供がキー「1」を押下すると、モバイル端末の表示装置110には「A」の大文字、及び/又は、小文字が示される。いくつかの実施形態では、キー「1」を押下することに応じて、合成音声及び/又は記録音声で、モバイル端末のスピーカ115を通して「A」が発音されてもよい。子供がキー「1」を2回押下すると、表示装置110に「B」の大文字及び/又は小文字が表示され、音声でスピーカ115を通して「B」が発音されてもよい。同様に、子供がキー「1」を3回押下すると、表示装置110に「C」の大文字及び/又は小文字が示され、音声でスピーカ115を通して「C」が発音されてもよい。残りのアルファベットの文字は、キー「1」を対応した回数だけ繰り返し押下することによりアクティブ化されてもよい。特定のアルファベット文字は、一定の時間内に何回か連続してキー「1」が押下されることによりアクティブ化されてもよい。或いは、それらのアルファベット文字は、キー「1」が押下されるごとに順序に従ってアクティブ化されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、子供は、キー「1」を素早く26回押下することにより、文字「Z」を直接アクティブ化しうる。或いは、子供は、文字「Z」をアクティブ化するために、アルファベットの各文字の順序に従ってアクティブ化することが要求されるであろう。上述したように、両親は、子供の娯楽/教育モードがアクティブ化される前に、通信モードの間に、そのような所望の方法を、選択する、及び/又は、予め設定することも可能である。
図4Bは、子供の娯楽/教育動作モードにおいて有効とされる音楽機能を示す。音楽機能は、音楽機能をキーパッド上の異なったキーに割り当てることにより、図4Aのアルファベット機能と同時に有効にされてもよい。より具体的には、図4Bに示すように、キーパッド105上のキー「2」の機能が、子供の娯楽/教育モードにおける音楽機能を与えるように変更される。音楽機能は、キー「2」を押下すると聞けるように、特定の音符、又は全ての曲をアクティブ化してもよい。例えば、子供がキー「2」を押下すると、最初の曲がモバイル端末のスピーカ115を通して再生される。いくつかの実施形態では、キー「2」が押下されることに応じて、最初の曲に対応した歌詞、及び/又は、音符がモバイル端末100の表示装置110に表示されてもよい。このようにしてカラオケ機能が提供される。子供がキー「2」を2回押下すると、最初の曲とは異なった2番目の曲がスピーカ115を通して放送され、2番目の曲に対応した歌詞/音符が表示装置110に表示されてもよい。同様に、子供がキー「2」を3回押下すると、最初と2番目の曲とは異なった3番目の曲がスピーカ115を通して放送され、対応した歌詞/音符が表示機110に表示されてもよい。子供の娯楽/教育モードで利用できる特定の曲は、メモリ130の中に記憶された曲のリストから選択され、通信動作モードを用いて、キーパッド105上の特定のキーに割り当てられてもよい。或いは、子供の娯楽/教育モードにおけるピアノ機能を有効にするために、キーパッド105上の各キーが異なった音符に割り当てられてもよい。
上述した子供向けの機能に加えて、図4Cは、子供の娯楽/教育動作モードにおいて有効にされる「見て言う(see−and−say)」機能を図示したものである。この機能は、図4Aのアルファベット機能及び図4Bの音楽機能と同時に一緒に用いてもよい。図4Cに示すように、モバイル端末のキーパッド105の機能が「見て言う」機能を与えるべく変更されている。ここで、子供がキー「3」を押下すると、モバイル端末の表示装置110には自動車の絵が表示される。キー「3」が押下されることに応じて、合成音声及び/又は録音音声がモバイル端末のスピーカ115を通して「自動車」と言うであろう。子供がキー「3」を2回押下すると、表示装置110には飛行機の絵が表示されて、音声がモバイル端末のスピーカ115を通して「飛行機」と言うであろう。同様に、子供がキー「3」を3回押下すると、表示装置110には汽車の絵が表示されて、音声がモバイル端末のスピーカ115を通して「汽車」と言うであろう。その他の乗り物、動物、及び/又は、その他の物も、キー「3」が繰り返し押下されることによって得られてもよい。
図4Aから図4Cを参照して個別の子供向けの機能を上述したが、子供の娯楽/教育モードには、通信モードでは利用できない別の機能を加えてもよい。例えば、音声録音の機能も子供の娯楽/教育モードで有効であってもよい。この機能では、子供が単語、及び/又は、句をモバイル端末のマイクロフォン120に向かって話すと、単語/句は録音されて、キーパッド105の対応したキーが押下されることに応じて、スピーカ115を通して反復される。さらに、上述したワンタッチ機能は、1つのキーを繰り返し押下することによってアクティブ化されるが、両親/使用者は、通信動作モードを用いて、複数のワンタッチ機能を希望するように設定することができる、と理解されるべきである。例えば、両親は、異なった表示機能をアクティブ化するために、同じキーを繰り返し押下するのではなく、キーパッド上のそれぞれ異なったキーを予め設定してもよい。
図面及び明細書において、本発明の典型的な実施形態の図示により開示し、そして、特定の用語が用いられてきたが、それらは一般的、かつ記述的な意味のみで用いられているのであって、本発明の範囲を限定する目的ではない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲において明示されている。