JP2008532734A5 - - Google Patents
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天然ガスのような燃料の選択は、いくつかの汚染の問題を解決できるが、それらをすべて排除できない。窒素酸化物(NOX)は、燃焼により不変的に形成されそしてしばしば選択的非触媒反応物(SNCR)または選択的触媒反応物(SCR)により処理される。No.6オイルのような他の燃料を燃やすことは、NOXを生じ、そしてボイラーマンに、他の問題(高温度スラグ/汚れおよび関連する共融腐食、コールドエンド腐食/汚れ並びに炭素粒状物および酸ミストによる不透明さの問題を含む)を生じさせる。燃焼ゾーンでは、油中の硫黄(例えば1−5%)は、自己接触化して三酸化硫黄(SO 3 )になり、それは、バックエンド表面(温度が典型的に約150℃より低い)で硫酸に凝縮しそして腐食および酸の煙条の生成を促進する。さらに、SO3は、SCR触媒による酸化から生ずる。
SO3コントロールでは、アルカリ物質例えば水酸化マグネシウムの注入が有用であるが、それは典型的に、物質の性質、装置のデザインおよび注入プロセスの不適切さにより、壁および床に沿って固体の蓄積をもたらす。固体の蓄積は、燃焼器またはプロセスの機能不全を導く。固体の蓄積は、また、反応物の非能率な使用を導く。燃焼ガス中に注入されるまたは燃料中のSO3コントロール反応物を使用しても、SO3は残り、そしてコールドエンドに達する排気は、その酸性のpHおよび過剰のSO3の存在のために、問題を生じさせる。低いpHは、フライアッシュの処分およびコールドエンドの腐食に悪影響を及ぼす。
SO3蒸気は、煙道ガス中の水蒸気と結合したとき、気体状の硫酸に容易に転換する。ガスおよび表面の温度がシステムを通してSO3を冷却するので、蒸気は、硫酸の細かいエアロゾルミストを形成する。酸エアロゾルは、酸のミクロン以下の粒子を含み、それは、ガスクリーニング装置での分離や捕捉を逃れ、そして煙突から排出される。煙突を出る比較的低いSO3濃度のものですら、顕著な光の散乱を生じそして可視の煙条を生じさらに高い不透明さの読みをもたらす。一般的な法則として、SO3の百万容量部当たり1部ごとに、1−3%の不透明さを生じさせる。そのため、僅か10−20ppmのSO3という排出ガスの濃度でも不透明さおよび酸の煙条の問題を生じさせる。さらに、酸の露点より低いすべての金属面上の酸の付着または形成は、ユニット例えば空気加熱器、ダクト加工物および煙突のライナー内に腐食を生ずる。
SCRユニットの存在は、SO2をSO3に酸化させることによりSO3の問題をさらに悪化させる。SO3レベルがSCR触媒を通って2倍(またはそれ以上)になることは、異常ではない。典型的なSCR NOX還元システムでは、NOXを含む排気は、好適な触媒を通過し、その触媒は、アンモニア(NH3)、尿素[(NH2)CO(NH2)]などを含む反応物によってNOXを窒素(N2)および水(H2O)に還元する。これらの反応物の存在下NOXを還元するのに有効な触媒は、また、SO3へのSO2の酸化を促進する。或る場合では、SO2は、また他の装置によりSO3に酸化できる。NOXを還元する明らかな要求が存在するが、SCRまたは他の酸化ユニットにより生じたSO3の付加物もコントロールされねばならない。
SCRユニットは、大きくかつ高価である。有効であるためには、それらは、比較的低い温度操作されねばならず、そしてしばしば、燃焼器と空気加熱器(移入する燃焼大気を加熱するために排気の残存する熱容量を使用する)との間のすべての利用できる空間を満たさねばならない。典型的な低温度の操作およびSCRユニット後の顕著なSO3濃度の存在のために、腐食、酸の煙条、不透明さおよび関連する問題を避けるために、排気を加熱することが、ときには必要になる。この方法で加熱することは、非能率のさらなる源であり、そしてもしそれを避ける道が存在するならば、有益である。
1つの側面では、本発明は、燃焼器の燃焼ゾーン中の硫黄含有炭素質燃料の燃焼からのNOXおよびSO3の排出を減少させる方法であって、硫黄含有炭素質燃料を全般にわたり過剰の酸素により燃焼してNOX、SO2およびSO3を含む燃焼ガスを形成し、窒素含有NOXコントロール剤を燃焼ガス中にNOXの還元用の選択的接触還元触媒の上流の点で導入し、そして触媒の次にしかも移入する燃焼空気を加熱するための空気加熱器と接触する前に、排気中にナノサイズの粒子を形成しそして触媒中のSO2の酸化により生ずるSO3を還元するのに有効である量および小滴サイズおよび濃度で水酸化マグネシウムを導入することからなる。
他の側面では、本発明は、燃焼器の燃焼ゾーン中の硫黄含有炭素質燃料の燃焼からのSO3排出を縮小させる方法であって、硫黄含有炭素質燃料を全般にわたって過剰の酸素により燃焼してSO2およびSO3を含む燃焼ガスを形成し、得られる燃焼ガスをSO2からSO3への酸化を生じさせる条件下熱交換装置を通して移動させ、そして移入する燃焼空気を加熱するための空気加熱器と接触させる前に、排気中にナノサイズの粒子を形成しそしてSO2の酸化により生ずるSO3を還元するのに有効な量および小滴サイズおよび濃度で酸化マグネシウムを導入することからなる。
NOX還元に好適な触媒のなかには、製造者によりこの目的で広告されているものがある。有用なSCR触媒のなかで、本明細書で代表的な参考プロセスで記述されたものがある。NOXを還元するための選択的接触還元法は、周知であり、そして種々の触媒を利用する。例えば、ヨーロッパ特許210392は、触媒としてのアンモニアの添加による活性炭または活性コークスを使用する窒素酸化物の接触的除去を論じている。米国特許4138469および4393031は、所望の接触還元を達成するためにアンモニアの添加とともに白金族金属および/または他の金属例えばチタン、銅、モリブデン、バナジウム、タングステンまたはこれらの酸化物を使用するNOXの接触還元を開示している。或る場合では、1つの触媒部分は、酸化触媒であろう。NOX還元触媒は、アンモニア(NH3)、尿素[(NH2)CO(NH2)]などを含む反応物により、NOXを窒素(N2)および水(H2O)に還元するのに有効である。方法のこの点において、NOXおよびいくらかのSO2を含む排気を、これらの反応物の存在下NOXを還元するのに有効なNOX還元触媒上を通す。それは、また、SO3へのSO2の酸化を強く促進する。NOXがコントロールできそしてSCRユニットまたは他のSO2酸化源により生ずるSO3の付加物もコントロールできることが、本発明の利点である。
NOX還元剤を含む排気は、最も好ましくは、SCR触媒上を通り、一方排気の温度は、少なくとも100℃そして約600℃より低く、好ましくは少なくとも250℃である。この方法で、尿素の導入のために燃焼ガス中に存在するアンモニアおよび他の活性の気体状種は、窒素酸化物の接触還元を助ける。排気は、好ましくは、過剰例えば約1−約10%の酸素を含む。触媒の追加の層またはユニットは、NOXと反応してNOX還元およびアンモニアスリップコントロールをもたらすことによりアンモニアを還元するのに有効である。高い固体の負荷が懸念される場合、これは、典型的に、増大するピッチのサイズのために追加の触媒を要する。
最後の触媒部分の直後、排気が空気加熱器23に導かれ次にダクト34を出て煙突36に達する比較的短いダクト部分24が典型的に存在する。触媒32′′後の短いダクト部分24において、ノズル40または一連のこれらのノズルが、容器42からの水酸化マグネシウムスラリーを導入するために設けられる。本発明の重要な特徴は、もしスラリー中の水酸化マグネシウムの粒子サイズが注意深くコントロールされて8ミクロン以下好ましくは5ミクロン以下例えば3−4.5ミクロンの平均直径を有するならば、ダクト24中の排気で利用できる熱は、低いが、スラリーから水を蒸発させるには十分に高く、しかも実際に、硫酸アンモニウムおよび重硫酸アンモニウムの組成物を形成するSO3の傾向を低下させ、排気のpHを上昇させそして煙突から酸の煙条を生じさせるかまたは空気加熱器を腐食する排気の傾向を低下させるのに十分なように、SO3と反応するミクロサイズの粒子の活性化学物質を残す。
水酸化マグネシウム反応物は、好ましくは、通常地下の塩水プールまたは海水からのカルシウムおよび他の塩を含む塩水から製造される。ドロマイト石灰は、これらの塩水と混合されて塩化カルシウム溶液および水酸化マグネシウム(溶液から沈殿・濾過される)を形成する。水酸化マグネシウムのこの形は、安定剤とともにまたはそれなしに、水と混合されて、貯蔵および処理に好適な濃度例えば25−65重量%にされる。方法で使用するために、それは、計算流体力学法(CFD)により測定されて、0.1−10%、より狭く1−5%の範囲内の塩水プールまたは海水からのカルシウムおよび他の塩を含む塩水から製造される。ドロマイト石灰は、これらの塩水と混合されて塩化カルシウム溶液および水酸化マグネシウム(溶液から沈殿・濾過される)を形成する。水酸化マグネシウムのこの形は、安定剤とともにまたはそれなしに、水と混合されて、貯蔵および処理に好適な濃度例えば25−65重量%とする。方法で使用するために、それは、計算流体力学法(CFD)により測定されて、0.1−10%、より狭く1−5%の範囲内に希釈される。それが触媒と空気加熱器との間の狭い空間で排気と接触するとき、それは、ナノサイズの粒子例えば200ナノメートル以下そして好ましくは約100ナノメートル以下に減少される。50ナノメートルから約150ナノメートルとの中位粒子サイズは、本発明の方法では有用な範囲である。MgOの他の形も、必要または所望の場合、例えば「軽度の燃焼(light burn)」に使用できるか、または「アルカリ(caustic)」が、それが所望の粒子サイズの範囲で入手できる場合に使用できる。
他の代替できる形では、好適な化学物質が、上記で詳述された水酸化マグネシウム/酸化マグネシウムの代わりに使用できる。一般に、それらは、細かい小滴な形で噴霧でき、利用できるダクト加工物内で活性粉末に乾燥できそして排気中のSO2および/またはSO3と反応できなければならない。好適な代替できる化学物質のなかで、カルシウム、カリウム、ナトリウムおよび/または他のアルカリおよびアルカリ土類金属の酸化物または水酸化物がある。
これらの目的を最も良く達成するために、本発明は、好ましくは、CFDを利用して、流速を見積もりそして反応物の導入速度、1つ以上の反応物の導入位置、反応物の濃度、反応物の小滴サイズおよび反応物の運動量を選択する。CFDは、周知の科学であって、空間の制限があまりに極端であるこの場合のような場合には利益が得られるが、必ずしも利用されていない。SCRユニットの次の短い(例えば、しばしば25フィート(約762.5cm)以下そして或る場合には10−20フィート(約305−約610cm))ダクト24を汚すことなくそして有効に化学反応物を添加できるように、適切な形の水酸化マグネシウムについて補正された濃度、速度および導入速度を得ることは、最も重要なことである。本発明へのCFDの実施は、米国特許出願10/754072に記載されたように達成できる。粒状物除去の装置(図示せず)が使用されて、排気が煙突を通る前に粒状物を除く。
他の側面では、本発明は、燃焼器の燃焼ゾーン中の硫黄含有炭素質燃料の燃焼からのSO3の排出を減少させる方法を提供するものであり、その場合、SCR触媒以外の装置または下流の条件は、SO3へのSO2の酸化を生じさせる。この場合、硫黄含有炭素質燃料は、全般にわたって過剰の酸素により燃焼されて、SO2を含む燃焼ガスを形成しそしてSO3へのSO2の酸化を生じさせる条件下で熱交換装置を経て移動し、そして移入燃焼空気を加熱するための空気加熱器との接触前に、排気中にナノサイズの粒子を形成するのに有効な量および小滴サイズおよび濃度で水酸化マグネシウムを導入し、そしてSO2の酸化により生ずるSO3を減少させる。この場合、図1の概略が同様に適用できるが、触媒32は随意である。
本発明の他の代替できる形では、燃焼触媒および/または排気処理化学物質が、燃料、燃焼ゾーンまたはこれら以外の例えば米国特許出願10/754072に記述されるようなものに添加される。1つの例示の形では、好適な反応物例えば水酸化マグネシウムは、容器50からライン52およびノズル54を経て導入される。上記の米国特許出願10/754072の記述全体を、本明細書に参考として引用される。
Claims (7)
- 硫黄含有炭素質燃料を全般にわたって過剰の酸素により燃焼してNOX、SO2およびSO3を含む燃焼ガスを形成し、 NOXの還元用の選択的接触還元触媒の上流の点で、窒素含有NOXコントロール剤を燃焼ガス中に導入し、そして 触媒の次にしかも移入燃焼空気を加熱するための空気加熱器と接触する前に、排気中にナノサイズの粒子を形成ししかもSO2の酸化により生ずるSO3を還元するのに有効である量および小滴サイズおよび濃度で水酸化マグネシウムを導入する ことからなることを特徴とする燃焼器の燃焼ゾーン中の硫黄含有炭素質燃料の燃焼によるNOXおよびSO3の排出を減少させる方法。
- 燃焼触媒および/または排気処理剤が、燃焼器の燃焼ゾーン中に導入される請求項1の方法。
- 導入される各種反応物について、計算流体力学法が使用されて、反応物を導入する先の気体の流速を測定し、そして反応物の導入速度、反応物の1つ以上の導入位置、反応物の濃度、反応物の小滴のサイズおよび/または反応物の運動量を選択する請求項1又は2の方法。
- 水酸化マグネシウムが、計算流体力学法により測定されて、0.1%から20%の範囲内に希釈される請求項1の方法。
- 水酸化マグネシウムが、計算流体力学法により測定されて、1%から10%の範囲内に希釈される請求項4の方法。
- 触媒と空気加熱器との間の空間にある排気が、水酸化マグネシウムのスラリーと接触し、そして該水酸化マグネシウムを200ナノメートルより小さいナノサイズの粒子に縮小する請求項4又は5の方法。
- 硫黄含有炭素質燃料を全般にわたって過剰の酸素により燃焼してSO2およびSO3を含む燃焼ガスを形成し、 SO3へのSO2の酸化を生じさせる条件下、熱交換装置を通して得られた燃焼ガスを移動させ、そして 移入燃焼空気を加熱するための空気加熱器と接触させる前に、排気中にナノサイズの粒子を形成ししかもSO2の酸化により生ずるSO3を還元するのに有効な量および小滴サイズおよび濃度で水酸化マグネシウムを導入することからなることを特徴とする燃焼器の燃焼ゾーン中の硫黄含有炭素質燃料の燃焼からのSO3排出を減少させる方法。
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