JP2008531760A - 充填剤および水溶性界面活性添加剤を含有する固体顔料調製物 - Google Patents
充填剤および水溶性界面活性添加剤を含有する固体顔料調製物 Download PDFInfo
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Abstract
本質的成分としてA)少なくとも1つの顔料5〜80質量%、(B)固有色を有しない、少なくとも1つの充填剤1〜90質量%、この場合、成分(A)と(B)との総和は、60〜95質量%であり、および(C)少なくとも1つの水溶性の界面活性添加剤5〜40質量%を含有する固体顔料調製物、ならびに高分子量の有機材料および無機材料ならびにプラスチックを着色するための顔料調製物の製造および使用。
Description
本発明は、本質的成分として
(A)少なくとも1つの顔料5〜80質量%、
(B)固有色を有しない、少なくとも1つの充填剤1〜90質量%、
この場合、成分(A)と(B)との総和は、60〜95質量%であり、および
(C)少なくとも1つの水溶性の界面活性添加剤5〜40質量%を含有する固体顔料調製物に関する。
(A)少なくとも1つの顔料5〜80質量%、
(B)固有色を有しない、少なくとも1つの充填剤1〜90質量%、
この場合、成分(A)と(B)との総和は、60〜95質量%であり、および
(C)少なくとも1つの水溶性の界面活性添加剤5〜40質量%を含有する固体顔料調製物に関する。
更に、本発明は、前記顔料調製物の製造ならびに高分子量有機材料および高分子量無機材料ならびにプラスチックを着色するための前記顔料調製物の使用に関する。
液状系、例えば塗料、ラッカー、分散液および印刷用インキに顔料を添加するために、通常、水、有機溶剤またはその混合物を含有する顔料調製物が使用される。陰イオン性、非イオン性または両性分散剤と共に、前記の顔料調製物には、一般に他の助剤、例えば乾燥抑制剤、凍結安定性を上昇させるための薬剤、濃稠化剤および皮張り防止剤が添加されなければならない。
色特性および分散可能性の点で液状調製物と比較可能であるが、しかし、記載された添加剤を必要とせず、簡単に取り扱うことができる新規の顔料調製物が必要とされた。しかし、液状調製物を簡単に乾燥することにより、比較可能な使用特性を有する固体の顔料調製物を得ることはできない。
プラスチックの着色は、最大の色の濃さおよび色の効果を達成するために、プラスチック中での顔料の完全な分散を必要とする。通常使用される粉末顔料の場合には、このような分散に対して相応するノウハウおよび剪断エネルギーの高い投入量が必要とされ、このことは、高価である。プラスチック加工業者が前記のノウハウならびに必要とされる費用のかかる高価な分散装置を使用しない場合には、着色されたプラスチックは、しばしば所謂顔料の斑点、即ち十分に分散されなかった顔料凝集塊を有し、回転塗布するのが困難でありおよび/または高い圧力濾過器値を有する。従って、多くのプラスチック加工業者は、所謂マスターバッチを使用する。これは、通常、室温で固体の溶融可能なプラスチックマトリックス中の濃縮された固体の顔料調製物であり、このプラスチックマトリックス中で粉末顔料は、完全に分散された状態で存在し、ひいては微細に分布された状態で存在し、即ち粉末顔料の分散に必要とされるエネルギーは、既にマスターバッチの製造に注ぎ込まれた。
ポリエーテルをベースとする非イオン性界面活性添加剤および/またはこのポリエーテルの酸性エステル、エチレン系不飽和カルボン酸のポリマーおよび/またはポリウレタンをベースとするアニオン性の水溶性界面活性添加剤を含有する顔料調製物は、WO−A−03/64540、03/66743、04/00903、04/46251および04/50770ならびに古典的なドイツ特許出願102005005846.9の記載から公知である。しかしながら、これらの刊行物中に記載された顔料調製物は、充填剤を含有していない。
本発明は、全体で好ましい使用特性、殊に高い色の濃さ、特に多種多様な使用媒体中での簡単な分散可能性、なかんずく液状使用媒体中での攪拌混入可能性("攪拌混入"挙動"Stir-in"-Verhalten)および良好な分散可能性を示す固体の顔料調製物を提供するという課題に基づくものであった。
それによれば、本質的成分として
(A)少なくとも1つの顔料5〜80質量%、
(B)固有色を有しない、少なくとも1つの充填剤1〜90質量%、
この場合、成分(A)と(B)との総和は、60〜95質量%であり、および
(C)少なくとも1つの水溶性の界面活性添加剤5〜40質量%を含有する固体顔料調製物が見出された。
(A)少なくとも1つの顔料5〜80質量%、
(B)固有色を有しない、少なくとも1つの充填剤1〜90質量%、
この場合、成分(A)と(B)との総和は、60〜95質量%であり、および
(C)少なくとも1つの水溶性の界面活性添加剤5〜40質量%を含有する固体顔料調製物が見出された。
更に、顔料(A)を最初に添加剤(C)の少なくとも一部分を含有する水性懸濁液中で湿式微粉砕に掛け、充填剤(B)を顔料(A)の湿式微粉砕の前または後で懸濁液に添加し、次にこの懸濁液を、場合によっては残留量の添加剤(C)の添加後に乾燥することを特徴とする、顔料調製物の製造法が見出された。
更に、顔料調製物を攪拌混入または振盪によって高分子量の有機材料および無機材料中に搬入することを特徴とする、高分子量の有機材料および無機材料の着色方法が見出された。
最後に、前記の顔料調製物を押出、ロール塗布、混練または微粉砕によってプラスチック中に混入することを特徴とする、プラスチックの着色方法が見出された。
本発明による顔料調製物は、本質的成分として顔料(A)、充填剤(B)および水溶性の界面活性添加剤(C)を含有する。
成分(A)として、本発明による顔料調製物中には、有機顔料または無機顔料が含有されていてよい。勿論、顔料調製物は、種々の有機顔料または種々の無機顔料混合物、または有機顔料と無機顔料との混合物を含有することができる。
顔料は、微粒状の形で存在する。それに応じて、顔料は、通常、0.1〜5μmの平均粒径を有する。
有機顔料は、通常、有機多色顔料および黒色顔料である。無機顔料は、同様に有色顔料(多色顔料、黒色顔料および白色顔料)ならびに光沢顔料であることができる。
適当な有機有色顔料のための例として、次のものが挙げられる。
モノアゾ顔料:
C.I.ピグメントブラウン25;
C.I.ピグメントオレンジ5、13、36、38、64および67;
C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、8、9、12、17、22、23、31、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、51:1、52:1、52:2、53、53:1、53:3、57:1、58:2、58:4、63、112、146、148、170、175、184、185、187、191:1、208、210、245、247および251;
C.I.ピグメントイエロー1、3、62、65、73、74、07、120、151、154、168、181、183および191;
C.I.ピグメントバイオレット32;
ジアゾ顔料:
C.I.ピグメントオレンジ16、34、44および72;
C.I.ピグメントイエロー12、13、14、16、17、81、83、106、113、126、127、155、174、176、180および188;
ジアゾ縮合顔料:
C.I.ピグメントイエロー93、95および128;
C.I.ピグメントレッド144、166、214、220、221、242および262;
C.I.ピグメントブラウン23および41;
アンタントロン顔料:
C.I.ピグメントレッド168;
アントラキノン顔料:
C.I.ピグメントイエロー147、177および199;
C.I.ピグメントバイオレット31;
アントラピリミジン顔料:
C.I.ピグメントイエロー108;
キナクリドン顔料:
C.I.ピグメントオレンジ48および49;
C.I.ピグメントレッド122、202、206および209;
C.I.ピグメントバイオレット19;
キノフタロン顔料:
C.I.ピグメントイエロー138;
ジケトピロロピロール顔料:
C.I.ピグメントオレンジ71、73および81;
C.I.ピグメントレッド254、255、264、270および272;
ジオキサジン顔料:
C.I.ピグメントバイオレット23および37;
C.I.ピグメントブルー80;
フラバントロン顔料:
C.I.ピグメントイエロー24;
インダントロン顔料:
C.I.ピグメントブルー60および64;
イソインドリン顔料:
C.I.ピグメントオレンジ61および69;
C.I.ピグメントレッド260;
C.I.ピグメントイエロー139および185;
イソインドリノン顔料:
C.I.ピグメントイエロー109、110および173;
イソビオラントロン顔料:
C.I.ピグメントバイオレット31;
金属錯体顔料:
C.I.ピグメントレッド257;
C.I.ピグメントイエロー117、129、150、153および177;
C.I.ピグメントグリーン8;
ペリノン顔料;
C.I.ピグメントオレンジ43;
C.I.ピグメントレッド194;
ペリレン顔料;
C.I.ピグメントブラック31および32;
C.I.ピグメントレッド123、149、178、190および224;
C.I.ピグメントバイオレット29;
フタロシアニン顔料:
C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6および16;
C.I.ピグメントグリーン7および36;
ピラントロン顔料:
C.I.ピグメントオレンジ51;
C.I.ピグメントレッド216;
ピラゾロキナゾロン顔料:
C.I.ピグメントオレンジ67:
C.I.ピグメントレッド251;
チオインジゴ顔料:
C.I.ピグメントレッド88および181;
C.I.ピグメントバイオレット38;
トリアリールカルボニウム顔料:
C.I.ピグメントブルー1、61および62;
C.I.ピグメントグリーン1;
C.I.ピグメントレッド81、81:1および169;
C.I.ピグメントバイオレット1、2、3および27;
C.I.ピグメントブラック1(アニリン黒);
C.I.ピグメントイエロー101(Aldazingelb アルダジン黄)
C.I.ピグメントブラウン22。
C.I.ピグメントブラウン25;
C.I.ピグメントオレンジ5、13、36、38、64および67;
C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、8、9、12、17、22、23、31、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、51:1、52:1、52:2、53、53:1、53:3、57:1、58:2、58:4、63、112、146、148、170、175、184、185、187、191:1、208、210、245、247および251;
C.I.ピグメントイエロー1、3、62、65、73、74、07、120、151、154、168、181、183および191;
C.I.ピグメントバイオレット32;
ジアゾ顔料:
C.I.ピグメントオレンジ16、34、44および72;
C.I.ピグメントイエロー12、13、14、16、17、81、83、106、113、126、127、155、174、176、180および188;
ジアゾ縮合顔料:
C.I.ピグメントイエロー93、95および128;
C.I.ピグメントレッド144、166、214、220、221、242および262;
C.I.ピグメントブラウン23および41;
アンタントロン顔料:
C.I.ピグメントレッド168;
アントラキノン顔料:
C.I.ピグメントイエロー147、177および199;
C.I.ピグメントバイオレット31;
アントラピリミジン顔料:
C.I.ピグメントイエロー108;
キナクリドン顔料:
C.I.ピグメントオレンジ48および49;
C.I.ピグメントレッド122、202、206および209;
C.I.ピグメントバイオレット19;
キノフタロン顔料:
C.I.ピグメントイエロー138;
ジケトピロロピロール顔料:
C.I.ピグメントオレンジ71、73および81;
C.I.ピグメントレッド254、255、264、270および272;
ジオキサジン顔料:
C.I.ピグメントバイオレット23および37;
C.I.ピグメントブルー80;
フラバントロン顔料:
C.I.ピグメントイエロー24;
インダントロン顔料:
C.I.ピグメントブルー60および64;
イソインドリン顔料:
C.I.ピグメントオレンジ61および69;
C.I.ピグメントレッド260;
C.I.ピグメントイエロー139および185;
イソインドリノン顔料:
C.I.ピグメントイエロー109、110および173;
イソビオラントロン顔料:
C.I.ピグメントバイオレット31;
金属錯体顔料:
C.I.ピグメントレッド257;
C.I.ピグメントイエロー117、129、150、153および177;
C.I.ピグメントグリーン8;
ペリノン顔料;
C.I.ピグメントオレンジ43;
C.I.ピグメントレッド194;
ペリレン顔料;
C.I.ピグメントブラック31および32;
C.I.ピグメントレッド123、149、178、190および224;
C.I.ピグメントバイオレット29;
フタロシアニン顔料:
C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6および16;
C.I.ピグメントグリーン7および36;
ピラントロン顔料:
C.I.ピグメントオレンジ51;
C.I.ピグメントレッド216;
ピラゾロキナゾロン顔料:
C.I.ピグメントオレンジ67:
C.I.ピグメントレッド251;
チオインジゴ顔料:
C.I.ピグメントレッド88および181;
C.I.ピグメントバイオレット38;
トリアリールカルボニウム顔料:
C.I.ピグメントブルー1、61および62;
C.I.ピグメントグリーン1;
C.I.ピグメントレッド81、81:1および169;
C.I.ピグメントバイオレット1、2、3および27;
C.I.ピグメントブラック1(アニリン黒);
C.I.ピグメントイエロー101(Aldazingelb アルダジン黄)
C.I.ピグメントブラウン22。
適当な無機有色顔料は、例えば次の通りである:
白色顔料:二酸化チタン(C.I.ピグメントホワイト6)、亜鉛白、顔料酸化亜鉛;硫化亜鉛、リトポン;
黒色顔料:酸化亜鉛黒(C.I.ピグメントブラック11)、鉄−マンガン−黒、スピネル黒(C.I.ピグメントブラック27);カーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7);
多色顔料:酸化クロム、酸化クロム水和物緑;クロム緑(C.I.ピグメントグリーン48);コバルト緑(C.I.ピグメントグリーン50);ウルトラマリン緑;
コバルトブルー(C.I.ピグメントブルー28および36;C.I.ピグメントブルー72);
ウルトラマリンブルー;マンガンブルー;
ウルトラマリンバイオレット;コバルトバイオレットおよびマンガンバイオレット;
酸化鉄赤(C.I.ピグメントレッド101);カドミウムスルホセレン化物(C.I.ピグメントレッド108);硫化セリウム(C.I.ピグメントレッド265);
モリブデン赤(C.I.ピグメントレッド104);ウルトラマリンレッド;
酸化鉄ブラウン(C.I.ピグメントブラウン6および7)、混合ブラウン、スピネル相およびコランダム相(C.I.ピグメントブラウン29、31、33、34、35、37、39および40)、クロムチタン黄(C.I.ピグメントブラウン24)、クロムオレンジ;
硫化セリウム(C.I.ピグメントオレンジ75);
酸化鉄黄(C.I.ピグメントイエロー42);ニッケルチタン黄(C.I.ピグメントイエロー53;C.I.ピグメントイエロー157、158、159、160、161、162、163、164および189);クロムチタン黄;スピネル相(C.I.ピグメントイエロー119);硫化カドミウムおよびカドミウム硫化亜鉛(C.I.ピグメントイエロー37および35);クロム黄(C.I.ピグメントイエロー34);バナジン酸ビスマス(C.I.ピグメントイエロー184)。
白色顔料:二酸化チタン(C.I.ピグメントホワイト6)、亜鉛白、顔料酸化亜鉛;硫化亜鉛、リトポン;
黒色顔料:酸化亜鉛黒(C.I.ピグメントブラック11)、鉄−マンガン−黒、スピネル黒(C.I.ピグメントブラック27);カーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7);
多色顔料:酸化クロム、酸化クロム水和物緑;クロム緑(C.I.ピグメントグリーン48);コバルト緑(C.I.ピグメントグリーン50);ウルトラマリン緑;
コバルトブルー(C.I.ピグメントブルー28および36;C.I.ピグメントブルー72);
ウルトラマリンブルー;マンガンブルー;
ウルトラマリンバイオレット;コバルトバイオレットおよびマンガンバイオレット;
酸化鉄赤(C.I.ピグメントレッド101);カドミウムスルホセレン化物(C.I.ピグメントレッド108);硫化セリウム(C.I.ピグメントレッド265);
モリブデン赤(C.I.ピグメントレッド104);ウルトラマリンレッド;
酸化鉄ブラウン(C.I.ピグメントブラウン6および7)、混合ブラウン、スピネル相およびコランダム相(C.I.ピグメントブラウン29、31、33、34、35、37、39および40)、クロムチタン黄(C.I.ピグメントブラウン24)、クロムオレンジ;
硫化セリウム(C.I.ピグメントオレンジ75);
酸化鉄黄(C.I.ピグメントイエロー42);ニッケルチタン黄(C.I.ピグメントイエロー53;C.I.ピグメントイエロー157、158、159、160、161、162、163、164および189);クロムチタン黄;スピネル相(C.I.ピグメントイエロー119);硫化カドミウムおよびカドミウム硫化亜鉛(C.I.ピグメントイエロー37および35);クロム黄(C.I.ピグメントイエロー34);バナジン酸ビスマス(C.I.ピグメントイエロー184)。
光沢顔料は、単相または多相に形成された小板状顔料であり、この小板状顔料の色の遊びは、干渉現象、反射現象および吸収現象の相互作用によって創造されたものである。例として、アルミニウム小板および1回または数回、殊に金属酸化物で被覆されたアルミニウム小板、酸化鉄小板および雲母小板が挙げられる。
キナクリドン顔料、なかんずくC.I.ピグメントバイオレット19、ジオキサジン顔料、なかんずくC.I.ピグメントバイオレット23およびカーボンブラック顔料を含有する本発明による顔料調製物は、特に重要である。
本発明による顔料調製物は、成分(B)として固有色を有しない少なくとも1つの充填剤を含有する。
この無色または白色の充填剤(B)は、一般に1.7以下の屈折率を有する。例えば、白亜の屈折率は、1.55であり、重晶石の屈折率は、1.64であり、カオリンの屈折率は、1.56であり、タルクの屈折率は、1.57であり、雲母の屈折率は、1.58であり、珪酸塩の屈折率は、1.55である。
充填剤(B)は、顔料(A)と同様に使用媒体中で不溶性であり、殊に次の化学的種類に由来し、この場合には、天然に起源を有する生成物ならびに合成に起源を有する生成物が例示的に記載される:
酸化物および水酸化物:
天然:酸化アルミニウムおよび酸化マグネシウム;
合成:水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウム;
二酸化珪素および珪酸塩:
天然:石英、クリストバライト(Christobalit)、珪藻土、タルク、カオリン、珪土、雲母、珪灰石および長石;
合成:熱分解法珪酸、沈降珪酸、アルミノケイ酸塩および焼成アルミノケイ酸塩;
炭酸塩:
天然:炭酸カルシウムおよび炭酸マグネシウム、例えば方解石、白亜、ドロマイトおよびマグネサイト;
合成:沈降炭酸カルシウム;
硫酸塩:
天然:硫酸バリウムおよび硫酸カルシウム、例えば重晶石および石膏;
合成:沈降硫酸バリウム。
酸化物および水酸化物:
天然:酸化アルミニウムおよび酸化マグネシウム;
合成:水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウム;
二酸化珪素および珪酸塩:
天然:石英、クリストバライト(Christobalit)、珪藻土、タルク、カオリン、珪土、雲母、珪灰石および長石;
合成:熱分解法珪酸、沈降珪酸、アルミノケイ酸塩および焼成アルミノケイ酸塩;
炭酸塩:
天然:炭酸カルシウムおよび炭酸マグネシウム、例えば方解石、白亜、ドロマイトおよびマグネサイト;
合成:沈降炭酸カルシウム;
硫酸塩:
天然:硫酸バリウムおよび硫酸カルシウム、例えば重晶石および石膏;
合成:沈降硫酸バリウム。
充填剤(B)は、多種多様の粒子形を有することができる。例えば、球体、立方体、小板または繊維であることができる。天然をベースとする充填剤は、通常、約1〜300μmの範囲内の粒径を有する。即ち、天然の白亜をベースとする市販製品は、例えば一般に1〜160μmのd50値を有し、一般に合成の際に殊に沈殿法によって製造された充填剤の場合にのみ粒径は、1μm未満である。
本発明による顔料調製物に好ましい充填剤(B)は、炭酸塩および硫酸塩であり、この場合には、天然の白亜および沈降白亜ならびに硫酸バリウムが特に好ましい。この製品は、例えばOmyacarb(登録商標)およびOmyalite(登録商標)(Omya社)およびBlanc fixe(Sachtleben社)の名称で入手可能である。
本発明による顔料調製物は、成分(C)として少なくとも1つの水溶性界面活性添加剤を含有する。
この場合には、殊に非イオン性および/またはアニオン性の水溶性界面活性添加剤が適している。
特に適当な非イオン性添加剤(C)は、ポリエーテルをベースとする(添加剤(C1))。
この場合には、混合されていないポリアルキレンオキシド、好ましくはC2〜C4−アルキレンオキシドおよびフェニル置換されたC2〜C4−アルキレンオキシド、殊にポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドおよびポリ(フェニルエチレンオキシド)と共に、なかんずくブロックコポリマー、殊にポリプロピレンオキシドブロックおよびポリエチレンオキシドブロックまたはポリ(フェニルエチレンオキシド)ブロックおよびポリエチレンオキシドブロックを有するポリマー、ならびに前記アルキレンオキシドのランダムコポリマーが適している。
前記のポリアルキレンオキシドは、アルキレンオキシドを開始剤分子、例えば飽和または不飽和の脂肪族アルコールおよび芳香族アルコール、飽和または不飽和の脂肪族アミンおよび芳香族アミン、飽和または不飽和の脂肪族カルボン酸およびカルボン酸アミドに重付加することによって製造されてよい。通常、開始剤分子1モル当たりアルキレンオキシド1〜300モル、有利に3〜150モルが使用される。
この場合、適当な脂肪族アルコールは、一般に6〜26個のC原子、有利に8〜18個のC原子を含有し、非分枝鎖状、分枝鎖状または環状に形成されていてよい。例として、オクタノール、ノナノール、デカノール、イソデカノール、ウンデカノール、ドデカノール、2−ブチルオクタノール、トリデカノール、イソトリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール(セチルアルコール)、2−ヘキシルデカノール、ヘプタデカノール、オクタデカノール(ステアリルアルコール)、2−ヘプチルウンデカノール、2−オクチルデカノール、2−ノニルトリデカノール、2−デシルテトラデカノール、オレイルアルコールおよび9−オクタデセノールならびに前記アルコール、例えばC8/C10アルコール、C13/C15アルコールおよびC16/C18アルコールの混合物、ならびにシクロペンタノールおよびシクロヘキサノールが挙げられる。特に重要なのは、脂肪分解および還元によって天然の原料から取得される飽和および不飽和の脂肪アルコール、およびオキソ合成による合成脂肪アルコールである。前記アルコールへのアルキレンオキシド付加物は、通常、200〜5000の平均分子量Mnを有する。
上記の芳香族アルコールのための例としては、置換されていないフェノールならびにα−ナフトールおよびβ−ナフトールと共に、殊にC1〜C12アルキル、特にC4〜C12アルキルまたはC1〜C4アルキルによって置換されている、アルキル置換生成物、例えばヘキシルフェノール、ヘプチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、イソノニルフェノール、ウンデシルフェニール、ドデシルフェノール、ジブチルフェノールおよびトリブチルフェノール、およびジノニルフェノール、ならびにビスフェノールAおよびそのスチレンとの反応生成物、なかんずく2個のOH基に対してオルト位で全部で4個のフェニル−1−エチル基によって置換されたビスフェノールAが挙げられる。
適当な脂肪族アミンは、上記の脂肪族アルコールに対応する。この場合には、特に14〜20個のC原子を有する飽和および不飽和の脂肪アミンも特に重要である。芳香族アミンとしては、例えばアニリンおよびその誘導体が挙げられる。
脂肪族カルボン酸としては、殊に有利に14〜20個のC原子を含有する飽和および不飽和の脂肪酸、および水素化、部分水素化および非水素化の樹脂酸ならびに多価カルボン酸、例えばジカルボン酸、例えばマレイン酸が適している。
適当なカルボン酸アミドは、前記カルボン酸に由来する。
1価アミンおよびアルコールへのアルキレンオキシド付加物と共に、少なくとも1つの二官能価アミンおよびアルコールへのアルキレンオキシド付加物は、特に重要である。
少なくとも二官能価アミンとしては、殊に式H2N−(R1−NR2)n−H(R1:C2〜C6アルキレン;R2:水素またはC1〜C6アルキル;n:1〜5)に相当する2価〜5価のアミンが好ましい。詳細には、例示的に次のものが記載される:エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、プロピレンジアミン−1,3、ジプロピレントリアミン、3−アミノ−1−エチレンアミノプロパン、ヘキサメチレンジアミン、ジヘキサメチレントリアミン、1,6−ビス−(3−アミノプロピルアミノ)ヘキサンおよびN−メチルジプロピルトリアミン、この場合ヘキサメチレンジアミンおよびジエチレントリアミンは、特に好ましく、エチレンジアミンは、殊に好ましい。
特に、前記アミンは、最初に酸化プロピレンと反応され、引続き酸化エチレンと反応される。酸化エチレンに対するブロックコポリマーの含量は、通常、約10〜90質量%である。
多価アミンをベースとするブロックコポリマーは、一般に1000〜40000、特に1500〜30000の平均分子量Mnを有する。
少なくとも二官能価アルコールとしては、2価〜5価のアルコールが好ましい。例えば、C2〜C6アルキレングリコールおよび相応するジアルキレングリコールおよびポリアルキレングリコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール−1,2およびプロピレングリコール−1,3、ブチレングリコール−1,2およびブチレングリコール−1,4、ヘキシレングリコール−1,6、ジプロピレングリコールおよびポリエチレングリコール、グリセリンおよびペンタエリトリットが挙げられ、この場合エチレングリコールおよびポリエチレングリコールは、特に好ましく、プロピレングリコールおよびジプロピレングリコールは、殊に好ましい。
少なくとも二官能価アルコールへの特に好ましいアルキレンオキシド付加物は、1個の中心ポリプロピレンオキシドブロックを有し、即ちプロピレングリコールまたはポリプロピレングリコールから出発し、これらプロピレングリコールは、最初に他の酸化プロピレンと反応され、次に酸化エチレンと反応される。酸化エチレンに対するブロックコポリマーの含量は、通常、約10〜90質量%である。
多価アミンをベースとするブロックコポリマーは、一般に1000〜20000、特に1000〜15000の平均分子量Mnを有する。
この種のアルキレンオキシドブロックコポリマーは、公知であり、市場で、例えばTetronic(登録商標)、Pluronic(登録商標)およびPluriol(登録商標)(BASF社)ならびにAlias(登録商標)(Uniquema社)の名称で入手可能である。
成分(C)として特に好適な水溶性のアニオン性界面活性剤のための例としては、エチレン系不飽和カルボン酸のポリマーをベースとする添加剤(C2)、ポリウレタンをベースとする添加剤(C3)および上記ポリエーテルの酸性の燐酸エステル、ホスホン酸エステル、硫酸エステルおよび/またはスルホン酸エステルをベースとする添加剤(C4)が挙げられる。
勿論、多数の添加剤の混合物(C)、即ち種々の非イオン性添加剤の混合物ならびに種々のアニオン性添加剤の混合物、ならびに非イオン性添加剤とアニオン性添加剤の混合物が使用されてもよい。
不飽和カルボン酸のポリマーをベースとするアニオン性の水溶性界面活性添加剤としては、殊に酸官能基を含有しないビニルモノマーを付加的に重合導入して含有していてよい、エチレン系不飽和モノカルボン酸および/またはエチレン系不飽和ジカルボン酸のホモポリマーおよびコポリマー、前記のホモポリマーおよびコポリマーのアルコキシル化生成物、および前記のホモポリマーおよびコポリマーの塩、およびそのアルコキシル化生成物の群からの添加剤が適当である。
カルボキシル基含有モノマーおよびビニルモノマーのための例としては、次のものが挙げられる:
アクリル酸、メタクリル酸およびクロトン酸;
マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノエステル、マレイン酸モノアミド、アミノオキシド基含有誘導体に酸化されていてよい、マレイン酸とジアミンとの反応生成物、フマル酸、この場合には、マレイン酸、無水マレイン酸およびマレイン酸モノアミドが好ましく;
ビニル芳香族化合物、例えばスチレン、メチルスチレンおよびビニルトルエン;エチレン、プロピレン、イソブテン、ジイソブテンおよびブタジエン;ビニルエーテル、例えばポリエチレングリコールモノビニルエーテル;
直鎖状または分枝鎖状のモノカルボン酸のビニルエステル、例えば酢酸ビニルおよびプロピオン酸ビニル;エチレン系不飽和モノカルボン酸のアルキルエステルおよびアリールエステル、殊にアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、例えばメチル−(メタ)アクリレート、エチル−(メタ)アクリレート、プロピル−(メタ)アクリレート、イソプロピル−(メタ)アクリレート、ブチル−(メタ)アクリレート、ペンチル−(メタ)アクリレート、ヘキシル−(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−(メタ)アクリレート、ノニル−(メタ)アクリレート、ラウリル−(メタ)アクリレートおよびヒドロキシエチル−(メタ)アクリレートならびにフェニル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレートおよびベンジル(メタ)アクリレート;エチレン系不飽和ジカルボン酸のジアルキルエステル、例えばジメチルマレエート、ジエチルマレエート、ジプロピルマレエート、ジイソプロピルマレエート、ジブチルマレエート、ジペンチルマレエート、ジヘキシルマレエート、ジ−2−エチルヘキシルマレエート、ジノニルマレエート、ジラウリルマレエートおよびジ−2−ヒドロキシエチルマレエートならびにジメチルフマレート、ジエチルフマレート、ジプロピルフマレート、ジイソプロピルフマレート、ジブチルフマレート、ジペンチルフマレート、ジヘキシルフマレート、ジ−2−エチルヘキシルフマレート、ジノニルフマレート、ジラウリルフマレートおよびジ−2−ヒドロキシエチルフマレート;ビニルピロリドン;アクリルニトリルおよびメタクリルニトリル、この場合スチレン、イソブテン、ジイソブテン、アクリル酸エステルおよびポリエチレングリコールモノビニルエーテルは、好ましい。
アクリル酸、メタクリル酸およびクロトン酸;
マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノエステル、マレイン酸モノアミド、アミノオキシド基含有誘導体に酸化されていてよい、マレイン酸とジアミンとの反応生成物、フマル酸、この場合には、マレイン酸、無水マレイン酸およびマレイン酸モノアミドが好ましく;
ビニル芳香族化合物、例えばスチレン、メチルスチレンおよびビニルトルエン;エチレン、プロピレン、イソブテン、ジイソブテンおよびブタジエン;ビニルエーテル、例えばポリエチレングリコールモノビニルエーテル;
直鎖状または分枝鎖状のモノカルボン酸のビニルエステル、例えば酢酸ビニルおよびプロピオン酸ビニル;エチレン系不飽和モノカルボン酸のアルキルエステルおよびアリールエステル、殊にアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、例えばメチル−(メタ)アクリレート、エチル−(メタ)アクリレート、プロピル−(メタ)アクリレート、イソプロピル−(メタ)アクリレート、ブチル−(メタ)アクリレート、ペンチル−(メタ)アクリレート、ヘキシル−(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−(メタ)アクリレート、ノニル−(メタ)アクリレート、ラウリル−(メタ)アクリレートおよびヒドロキシエチル−(メタ)アクリレートならびにフェニル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレートおよびベンジル(メタ)アクリレート;エチレン系不飽和ジカルボン酸のジアルキルエステル、例えばジメチルマレエート、ジエチルマレエート、ジプロピルマレエート、ジイソプロピルマレエート、ジブチルマレエート、ジペンチルマレエート、ジヘキシルマレエート、ジ−2−エチルヘキシルマレエート、ジノニルマレエート、ジラウリルマレエートおよびジ−2−ヒドロキシエチルマレエートならびにジメチルフマレート、ジエチルフマレート、ジプロピルフマレート、ジイソプロピルフマレート、ジブチルフマレート、ジペンチルフマレート、ジヘキシルフマレート、ジ−2−エチルヘキシルフマレート、ジノニルフマレート、ジラウリルフマレートおよびジ−2−ヒドロキシエチルフマレート;ビニルピロリドン;アクリルニトリルおよびメタクリルニトリル、この場合スチレン、イソブテン、ジイソブテン、アクリル酸エステルおよびポリエチレングリコールモノビニルエーテルは、好ましい。
前記モノマーの好ましいホモポリマーのための例としては、殊にポリアクリル酸を挙げることができる。
記載されたモノマーのコポリマーは、2つ以上の、殊に3個の異なるモノマーから形成されていてよい。ランダムコポリマー、交互のコポリマー、ブロックコポリマーおよびグラフトコポリマーであってよい。好ましいコポリマーとしては、それぞれ付加的なモノマー成分としてアクリル酸エステルおよび/またはマレイン酸エステルを含有していてよい、スチレン/アクリル酸コポリマー、アクリル酸/マレイン酸コポリマー、アクリル酸/メタクリル酸コポリマー、ブタジエン/アクリル酸コポリマー、イソブテン/マレイン酸コポリマー、ジイソブテン/マレイン酸コポリマーおよびスチレン/マレイン酸コポリマーが挙げられる。
特に、アルコキシル化されていないホモポリマーおよびコポリマーのカルボキシル基は、少なくとも部分的に塩の形で存在し、水溶性を保証する。例えば、アルカリ金属塩、例えばナトリウム塩およびカリウム塩、およびアンモニウム塩が適している。
通常、アルコキシル化されていないポリマーの添加剤(C2)は、900〜250000の平均分子量Mwを有する。勿論、個々のポリマーに特に好適である分子量範囲は、該ポリマーの組成に依存する。次に、種々のポリマーのために例示的に分子量が記載される:ポリアクリル酸:900〜250000のMw;スチレン/アクリル酸コポリマー:1000〜50000のMw;アクリル酸/メタクリル酸コポリマー:1000〜250000のMw;アクリル酸/マレイン酸コポリマー:2000〜70000Mw。
前記のホモポリマーおよびコポリマー自体と共に、これらのアルコキシル化生成物も添加剤(C2)として特に重要である。
これは、本発明によれば、なかんずく部分的ないし(これが可能である限り)完全にポリエーテルアルコールでエステル化されたポリマーである。一般に、前記ポリマーのエステル化度は、30〜80モル%である。
エステル化に適しているのは、殊にポリエーテルアルコール自体、特にポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコール、ならびにこれらの片側で末端基閉鎖された誘導体、なかんずく相応するモノエーテル、例えばモノアリールエーテル、例えばモノフェニルエーテル、および殊にモノ−C1〜C26−アルキルエーテル、例えば脂肪アルコールでエーテル化されたエチレングリコールおよびプロピレングリコール、およびポリエーテルアミン、この場合このポリエーテルアミンは、相応するポリエーテルアルコールの末端OH基を変換するかまたは特に第1脂肪族アミンにアルキレンオキシドをポリ付加することによって製造可能である。この場合、好ましいのは、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールモノエーテルおよびポリエーテルアミンである。使用されるポリエーテルアルコールおよびその誘導体の平均分子量Mnは、通常、200〜10000である。
極性基と非極性基との割合を制御することにより、添加剤(C2)の界面活性の性質は、意図的に調節されることができる。
この種のアニオン性界面活性添加剤(C2)は、同様に公知であり、市場で、例えばSokalan(登録商標)(BASF社)、Joncryl(登録商標)(Johnson Polymer社)、Alcosperse(登録商標)(Alco社)、Geropon(登録商標)(Rhodia社)、Good-Rite(登録商標)(Goodrich社)、Neoresin(登録商標)(Avecia社)、Orotan(登録商標)およびMorez(登録商標)(Rohm & Haas)、Disperbyk(登録商標)(Byk社)ならびにTegospers(登録商標)(Goldschmidt社)の名称で入手可能である。
更に、本発明による顔料調製物は、アニオン性の界面活性添加剤としてポリウレタンをベースとする添加剤(C3)を含有することができる。
この場合、本発明によれば、ポリウレタンの概念は、多価イソシアネート(C3a)とイソシアネート反応性ヒドロキシ基含有有機化合物(C3b)との純粋な反応生成物であるだけでなく、例えば第1アミノ基または第2アミノ基を有するカルボン酸の他のイソシアネート反応性化合物の添加によって付加的に官能化されているような反応生成物でもある。
この添加剤は、別の界面活性添加剤と比較して僅かなイオン伝導性および中性のpH値を示す。
添加剤(C3)を製造するための多価イソシアネート(C3a)として、殊にジイソシアネートが適しているが、しかし、3または4個のイソシアネート基を有する化合物が使用されてもよい。芳香族イソシアネートならびに脂肪族イソシアネートが使用されてよい。
好ましいジイソシアネートおよびトリイソシアネートのための例としては、次のものが記載される:2,4−トルイレンジイソシアネート(2,4−TDI)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’−MDI)、パラ−キシリレンジイソシアネート、1.4−ジイソシアナトベンゼン、テトラメチルキシリレン(TMXDI)、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4′−MDI)およびトリイソシアナトトルエンならびにイソホロンジイソシアネート(IPDI)、2−ブチル−2−エチルペンタメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2−ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)プロパン、トリメチルヘキサンジイソシアネート、2−イソシアナトプロピルシクロヘキシルイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートおよび2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4′−メチレンビス(シクロヘキシル)ジイソシアネート、シス−シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、トランス−シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネートおよび4−メチルシクロヘキサン−1,3−ジイソシアネート(H−TDI)。
勿論、イソシアネート(C3a)の混合物が使用されてもよい。この場合には、例示的に次のものが記載される:2,4−トルイレンジイソシアネートとトリイソシアナトトルエンの構造異性体の混合物、例えば2,4−トルイレンジイソシアネート80モル%と2,6−トルイレンジイソシアネートとの混合物;シス−シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネートとトランス−シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネートとの混合物;2,4−トルイレンジイソシアネートまたは2,6−トルイレンジイソシアネートと脂肪族ジイソシアネート、例えばヘキサメチレンジイソシアネートおよびイソホロンジイソシアネートとの混合物。
イソシアネート反応性有機化合物(C3b)として、好ましくは1分子当たり少なくとも2個のイソシアネート反応性ヒドロキシ基を有する化合物が適当である。また、しかし、化合物(C3b)として適しているのは、1分子当たりイソシアネート反応性ヒドロキシ基だけを有する化合物である。この一官能価化合物は、1分子当たり少なくとも2個のイソシアネート反応性ヒドロキシ基を含有する化合物を反応の際にポリイソシアネート(C3a)で部分的または全部置換していてもよい。
以下、少なくとも2個のイソシアネート反応性ヒドロキシ基を有する特に好ましいイソシアネート反応性化合物(C3b)のための例が記載される。
この場合には、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ラクトンをベースとするポリエステルジオール、12個までのC原子を有するジオールおよびトリオール、ジヒドロキシカルボン酸、ジヒドロキシスルホン酸、ジヒドロキシホスホン酸、ポリカーボネートジオール、ポリヒドロキシオレフィンおよび1分子当たり平均で少なくとも2個のヒドロキシ基を有するポリシロキサンが重要である。
適当なポリエーテルジオール(C3b)は、例えばC2〜C4アルキレンオキシド、例えば酸化エチレン、酸化プロピレンおよび酸化ブチレンのホモポリマーおよびコポリマー、テトラヒドロフラン、適当な触媒、例えば三フッ化ホウ素の存在下で得ることができるスチレンオキシドおよび/またはエピクロロヒドリンである。更に、適当なポリエーテルジオールは、前記化合物を少なくとも2個の酸性水素原子を有する開始剤、例えば水、エチレングリコール、チオグリコール、メルカプトエタノール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,12−ドデカンジオール、エチレンジアミン、アニリンまたは1,2−ジ−(4−ヒドロキシフェニル)プロパンの存在下で(共重合)重合させることによって得ることができる。
特に好適なポリエーテルジオール(C3b)の例は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールおよびポリテトラヒドロフランならびにそのコポリマーである。
ポリエーテルジオールの分子量Mnは、有利に250〜5000、特に有利に500〜2500である。
イソシアネート反応性化合物(C3b)として適当なポリエステルジオール(ヒドロキシポリエステル)は、一般に公知である。
好ましいポリエステルジオール(C3b)は、ジオールとジカルボン酸またはその反応性誘導体、例えば無水物またはジメチルエステルとの反応生成物である。
ジカルボン酸としては、付加的に置換基、例えばハロゲンを有することができる、飽和および不飽和の脂肪族および芳香族のジカルボン酸が適している。好ましい脂肪族ジカルボン酸は、3〜22個、なかんずく4〜12個のC原子を含有する飽和の非分枝鎖状α,ω−ジカルボン酸である。
特に好適なジカルボン酸のための例は、次の通りである:コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、コルク酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、テトラクロロフタル酸無水物、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物、テレフタル酸、テレフタル酸ジメチルエステルおよびイソフタル酸ジメチルエステル。
ジオールとしては、殊に飽和および不飽和の脂肪族および脂環式のジオールが適している。特に好ましい脂肪族α,ω−ジオールは、分枝化されておらず、2〜12個、殊に2〜8個、なかんずく2〜4個のC原子を有する。好ましい脂環式ジオールは、シクロヘキサンに由来する。
特に好適なジオールのための例は、次の通りである:エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチルプロパン−1,3−ジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、シス−ブト−2−エン−1,4−ジオールおよびトランス−ブト−2−エン−1,4−ジオール、2−ブチン−1,4−ジオールおよびシス−1,4−ジ(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンおよびトランス−1,4−ジ(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン。
ポリエステルジオールの分子量Mnは、有利に300〜5000である。
イソシアネート反応性化合物(C3b)として適した、ラクトンをベースとするポリエステルジオールは、殊に4〜22個、有利に4〜8個のC原子を有する脂肪族の飽和非分枝鎖状o−ヒドロキシカルボン酸をベースとする。また、アルキレン鎖中の1個以上の−CH2−基が−CH(C1〜C4−アルキル)−によって置換されているような分枝鎖状ω−ヒドロキシカルボン酸も適している。
好ましいω−ヒドロキシカルボン酸のための例は、γ−ヒドロキシ酪酸および5−ヒドロキシ吉草酸である。
勿論、上記のジオールは、イソシアネート反応性化合物(C3b)としても適しており、この場合も上記の記載と同様に同じことが言える。
同様に、イソシアネート反応性化合物(C3b)として、殊に3〜12個、なかんずく3〜8個のC原子を有するトリオールが適当である。特に好適なトリオールのための例は、トリメチロールプロパンである。
イソシアネート反応性化合物(C3b)として適当であるジヒドロキシカルボン酸として、殊に特に4〜14個のC原子を含有する脂肪族の飽和ジヒドロキシカルボン酸は、特に好適である。特に好適なのは、式
〔式中、A1およびA2は、同一かまたは異なるC1〜C4アルキレン基を表わし、Rは、水素またはC1〜C4アルキルを表わす〕で示されるジヒドロキシカルボン酸である。
このジヒドロキシカルボン酸のための特に好ましい例は、ジメチロールプロピオン酸(DMPA)である。
更に、イソシアネート反応性化合物(C3b)として相応するジヒドロキシスルホン酸およびジヒドロキシホスホン酸、例えば2,3−ジヒドロキシプロパンホスホン酸が適当である。
ジヒドロキシカルボン酸の概念は、1個以上のカルボキシル官能基(または無水物官能基またはエステル官能基)を含有する化合物も含む。このような化合物は、ジヒドロキシ化合物をテトラカルボン酸二水和物、例えばピロメリット酸二水和物またはシクロペンタンテトラカルボン酸二水和物とモル比2:1〜1.05:1で反応させることによってポリ付加反応で得ることができ、特に500〜10000の平均分子量Mnを有する。
適当なポリカルボン酸ジオール(C3b)のための例としては、ホスゲンと過剰量のジオール、殊に2〜12個、殊に2〜8個、なかんずく2〜4個のC原子を有する非分枝鎖状の飽和脂肪族α,ω−ジオールとの反応生成物を挙げることができる。
イソシアネート反応性化合物(C3b)として適当なポリヒドロキシオレフィンは、なかんずくα,ω−ジヒドロキシオレフィンであり、この場合には、α,ω−ジヒドロキシブタジエンが好ましい。
更に、イソシアネート反応性化合物(C3b)として適当なポリシロキサンは、1分子当たり平均で少なくとも2個のヒドロキシ基を含有する。特に適当なポリシロキサンは、平均で5〜200個のSi原子(数平均)を有し、なかんずくC1〜C12アルキル基、殊にメチル基で置換されている。
1個のイソシアネート反応性ヒドロキシ基だけを有するイソシアネート反応性化合物(C3b)のための例として、殊に脂肪族、脂環式、芳香脂肪族または芳香族のモノヒドロキシカルボン酸およびモノヒドロキシスルホン酸が挙げられる。
ポリウレタンをベースとする添加剤(C3)は、化合物(C3a)と(C3b)とを反応させることによって製造され、この場合(C3a)と(C3b)とのモル比は、一般に2:1〜1:1、特に1.2:1〜1:1.2である。
この場合、前記のイソシアネート反応性化合物(C3b)と共に、イソシアネート反応性基を有する他の化合物、例えばジオール、チオアルコール、例えばチオエタノール、アミノアルコール、例えばエタノールアミンおよびN−メチルエタノールアミン、またはジアミン、例えばエチレンジアミンを添加し、それによって、ウレタン基と共になおイソシアヌレート基、アロファネート基、尿素基、ビウレット基、ウレトジオン基またはカルボジイミド基を有するポリウレタンを製造することが可能である。更に、このようなイソシアネート反応性化合物のための例は、少なくとも2個の第1アミノ基および/または第2アミノ基を有する、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族または芳香族のカルボン酸およびスルホン酸である。
また、勿論、相応して1個のイソシアネート反応性基だけを有する化合物、例えばモノアルコール、第1モノアミンおよび第2モノアミン、モノアミノカルボン酸およびモノアミノスルホン酸、およびメルカプタンが添加されてもよい。通常の使用量は、(C3a)に対して10モル%までである。
特に、反応生成物(C3)のカルボキシル基は、少なくとも部分的に塩の形で存在し、水溶性を保証する。例えば、アルカリ金属塩、例えばナトリウム塩およびカリウム塩、およびアンモニウム塩が適している。
通常、添加剤(C3)は、500〜250000の平均分子量Mwを有する。
極性基と非極性基との割合を制御することにより、添加剤(C3)の界面活性の性質は、意図的に調節されることができる。
この種のアニオン性界面活性添加剤(C3)は、公知であり、市場で、例えばBorchi(登録商標)GEN SN95(Borchers社)の名称で得ることができる。
ポリエーテル(C4)の酸性の燐酸エステル、ホスホン酸エステル、硫酸エステルおよび/またはスルホン酸エステルをベースとする水溶性のアニオン性界面活性添加剤は、殊に上記のポリエーテルと燐酸、五酸化燐およびホスホン酸または硫酸およびスルホン酸との反応生成物をベースとする。この場合、ポリエーテルは、相応する燐酸モノエステルまたは燐酸ジエステルおよびホスホン酸エステルまたは硫酸モノエステルおよびスルホン酸エステルに変換される。この酸エステルは、好ましくは水溶性塩の形で、殊にアルカリ金属塩、なかんずくナトリウム塩、およびアンモニウム塩として存在するが、しかし、この酸エステルは、遊離酸の形で使用されてもよい。
好ましい燐酸塩およびホスホン酸塩は、なかんずくアルコキシル化、殊にエトキシル化脂肪アルコールおよびオキソアルコール、アルキルフェノール、脂肪アミン、脂肪酸および樹脂酸に由来し、好ましい硫酸塩およびスルホン酸塩は、殊にアルコキシル化、なかんずくエトキシル化脂肪アルコール、アルキルフェノールおよびアミン、また多価アミン、例えばヘキサメチレンジアミンをベースとする。
この種の陰イオン性界面活性添加剤は、公知であり、市場で、例えばNekal(登録商標)(BASF社)、Tamol(登録商標)(BASF社)、Crodafos(登録商標)(Croda社)、Rhodafac(登録商標)(Rhodia社)、Maphos(登録商標)(BASF社)、Texapon(登録商標)(Cognis社)、Empicol(登録商標)(Albright & Wilson社)、Matexil(登録商標)(ICI社)、Soprophor(登録商標)(Rhodia社)およびLutensit(登録商標)(BASF社)の名称で入手可能である。
本発明による顔料調製物は、成分(A)5〜80質量%、成分(B)1〜90質量%、この場合成分(A)と(B)との総和は、60〜95質量%であり、および成分(C)5〜40質量%を含有する。
特に、この顔料調製物は、成分(A)5〜60質量%、成分(B)10〜85質量%、この場合成分(A)と(B)との総和は、70〜90質量%であり、および成分(C)10〜30質量%を含有する。
本発明による顔料調製物は、好ましくは同様に本発明による製造方法により、顔料(A)を最初に充填剤(B)と一緒に添加剤(C)の少なくとも一部分を含有する水性懸濁液中で湿式微粉砕に掛け、次にこの懸濁液を場合によっては残留量の添加剤(C)の添加後に乾燥させることにより、得ることができる。
顔料(A)は、本発明による方法の場合に乾燥粉末としてかまたはプレスケーキの形で使用されることができる。
使用される顔料(A)は、特に仕上げ加工された製品であり、即ちこの顔料の一次粒径は、既に使用に望ましい値に調節されている。この顔料完成品は、殊に有機顔料の場合に推奨される。それというのも、顔料合成の際に生じる粗製製品は、一般に直接には使用に適さないからである。無機顔料の場合、例えば酸化物顔料およびバナジン酸ビスマス顔料の場合、一次粒径の調節は、顔料合成の際にも行なうことができ、したがって生じる顔料懸濁液は、直接に本発明による方法の場合には、使用することができる。
仕上げ加工された顔料(A)は、乾燥の際に常法で再び再凝集されるかまたは濾過装置上で常法で再び再凝集されるので、この顔料は、水性懸濁液中で湿式微粉、例えば攪拌型ボールミル中で微粉砕に掛けられる。
湿式微粉砕の場合には、完成した顔料調製物中に含有された添加剤(C)の少なくとも一部分が存在し、特に全体量の添加剤(C)は、湿式微粉砕前に添加される。
充填剤(B)は、湿式微粉砕の前または後に添加されることができる。この充填剤が既に望ましい粒径分布を有する場合には、この充填剤は、特に顔料(A)の湿式微粉砕後に初めて顔料懸濁液中に分散される。これは、殊に顔料の微粉砕の際に不所望にも一緒に微粉砕されるであろう、僅かな硬度を有する充填剤、例えば白亜にも当てはまる。反対に、粗大粒子すぎる充填剤のなお必要とされる微粉砕は、有利に顔料の微粉砕と組み合わせることができる。
選択される乾燥の種類−噴霧造粒および渦動床乾燥、噴霧乾燥、櫂形乾燥機中での乾燥、蒸発濃縮および引続く微粉砕ーに依存して、本発明による顔料調製物の粒径は、意図的に制御されることができる。
噴霧造粒および渦動床造粒の場合には、50〜5000μm、殊に100〜1000μmの平均粒径を有する粗大粒子状顆粒を得ることができる。噴霧乾燥によって、通常は、20μm未満の平均粒径を有する顆粒を得ることができる。微粒状の調製物は、櫂形乾燥機中での乾燥の際に得ることができ、蒸発濃縮の場合には、引続く微粉砕で得ることができる。しかし、特に本発明による顔料調製物は、顆粒の形で存在する。
噴霧造粒は、特に一物質流ノズルを備えた噴霧塔中で実施される。この場合、懸濁液は、よりいっそう大きな液滴の形で噴霧され、この場合水は、蒸発する。添加剤は、乾燥温度で溶融し、こうして特に平滑な表面を有する十分に球状の顆粒を形成する(一般に15m2/g以下、殊に10m2/g以下のBET値)。
噴霧塔中のガス入口温度は、一般に180〜300℃、有利に150〜300℃である。ガス出口温度は、一般に150℃、特に70〜130℃である。
得られた顔料顆粒の残留湿分は、有利に2質量%未満である。
本発明による顔料調製物は、液相を有する使用媒体中への使用の際に液状の顔料調製物と比較可能な優れた色特性、殊に色の濃さおよび輝き、色調および被覆能、なかんずく攪拌挙動(Stir-in-Verhalten)を示し、即ちこの本発明による顔料調製物は、極めて僅かなエネルギー投入量で簡単な攪拌混入または振盪によって使用媒体中に分布させることができる。これは、本発明による顔料調製物の好ましい実施態様である粗大粒子状の顔料顆粒にも当てはまる。
その上、本発明による顔料調製物は、液状の顔料調製物と比較して次の利点を有する:この本発明による顔料調製物は、よりいっそう高い顔料含量を有する。液状調製物は、貯蔵の際に粘度変化の傾向を有し、保存剤および凍結安定性および/または乾燥安定性を上昇させるための薬剤が添加されなければならないが、本発明による顔料調製物は、極めて良好な貯蔵安定性を示す。この本発明による顔料調製物は、包装、貯蔵および輸送に関連して経済的で生態学的に好ましい。本発明による顔料調製物は、溶剤を含んでいないので、この本発明による顔料調製物は、使用時によりいっそう高い融通性を有する。
顆粒形の本発明による顔料調製物は、顕著な摩滅強度、僅かな圧縮傾向または団塊化傾向、均一な粒径分布、良好な堆積能、流動能および計量供給能ならびに取り扱いおよび適用の際のダスト自由度を示す。
本発明による顔料調製物は、上記の好ましい性質を、攪拌挙動を有する既に記載された顔料調製物と分け合い、この場合この既に記載された顔料調製物は、顔料および界面活性添加剤を含有するが、しかし充填剤を含有しない。本発明による顔料調製物は、前記の顔料調製物と比較して付加的に、本発明による顔料調製物を設計された使用媒体に対して特に良好に適合させうることを示す。それというのも、顔料と添加剤との組合せは、制限されることはないからである。即ち、充填剤の使用のために、例えば疎水性顔料、例えばカーボンブラックは、陰イオン性界面活性剤と組み合わせることができ、こうして好ましくは、水性の使用媒体、例えば水性ラッカー中に使用されてもよい。更に、本発明による顔料調製物は、特に簡単に色に陰影を付けるために使用されてよい。それというのも、本発明による顔料調製物は、充填剤による希釈効果のために特に簡単に計量供給することができるからである。最後に、本発明による顔料調製物は、充填剤を極めて均一に分布された形で含有し、それによって通常の顔料/充填剤混合物を明らかに凌駕している。
本発明による顔料調製物は、全ての種類の高分子量の有機材料および無機材料の着色のために卓越して好適である。この場合、液状の使用媒体は、純粋に水性であることができ、水と有機溶剤、例えばアルコールとの混合物は、有機溶剤、例えばアルコール、グリコールエーテル、ケトン、例えばメチルエチルケトン、アミド、例えばN−メチルピロリドンおよびジメチルホルムアミド、エステル、例えば酢酸エチルエステルおよび酢酸ブチルエステル、およびメトキシプロピルアセテート、芳香族炭化水素または脂肪族炭化水素、例えばキシレン、鉱油およびベンジンを含有するかまたはベースとする。
所望の場合には、前記調製物は、最初にそれぞれの使用媒体と相容性の溶剤中に攪拌混入することができ、このことは、再び極めて僅かなエネルギー投入量で可能であり、さらにこの使用媒体中に搬入することができる。即ち、顔料調製物のスラリーは、グリコール中またはそれ以外にラッカー工業で常用の溶剤中、例えばメトキシプロピルアセテート中で使用されることができ、水性系に合わせた顔料調製物は、炭化水素をベースとする系またはニトロセルロースをベースとする系と相容性にすることができる。
本発明による顔料調製物で着色することができる材料のための例としては、次のものが挙げられる:ラッカー、例えば建築用ラッカー、工業用ラッカー、乗り物用ラッカー、放射線硬化可能なラッカー;建築のエクステリアならびにインテリア用の塗料、木材用塗料、漆喰用塗料、水性ペンキ、分散液塗料;印刷用インク、例えばオフセット印刷用インク、フレキソ印刷用インク、トルエン凹版印刷用インク、捺染用インク、放射線硬化可能な印刷用インク;インク、インクジェット印刷用インク;色フィルター;建築材料(通常、建築材料および顔料顆粒の乾式混合後に初めて水が添加される)、例えば珪酸塩漆喰系、セメント、コンクリート、モルタル;アスファルト、シール材料;セルロース含有材料、例えば紙、ボール紙、厚紙、木材および木材材料、この場合この木材材料は、ラッカー塗布されていてもよいし、別の方法で被覆されていてもよく;接着剤;例えば、製薬工業で使用されるような被膜形成性ポリマーの保護コロイド;化粧品;洗剤。
本発明による顔料調製物は、顕著にプラスチックの着色にも適している。この場合、例示的には、次のプラスチック種およびプラスチック型が挙げられる:
変性された天然物質:
熱硬化性樹脂、例えばカゼインプラスチック;熱可塑性樹脂、例えば硝酸セルロース、酢酸セルロース、セルロース混合エステルおよびセルロースエーテル;
合成プラスチック:
重縮合物:熱硬化性樹脂、例えばフェノール樹脂、尿素樹脂、チオ尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アリル樹脂、シリコーン、ポリイミドおよびポリベンズイミダゾール;熱可塑性樹脂、例えばポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホンおよびポリビニルアセタール;
ポリマー:熱可塑性樹脂、例えばポリオレフィン、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテンおよびポリ−4−メチル−1−ペンテン、イオノマー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリルニトリル、ポリスチレン、ポリアセタール、フルオロプラスチック、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテートおよびポリ−p−キシリレンならびにコポリマー、例えばエチレン/ビニルアセテート−コポリマー、スチレン/アクリルニトリル−コポリマー、アクリルニトリル/ブタジエン/スチレン−コポリマー、ポリエチレングリコールテレフタレートおよびポリブチレングリコールテレフタレート;
ポリ付加物:熱硬化性樹脂、例えばエポキシ樹脂および架橋されたポリウレタン;熱可塑性樹脂、例えば直鎖状ポリウレタンおよび塩素化ポリエーテル。
変性された天然物質:
熱硬化性樹脂、例えばカゼインプラスチック;熱可塑性樹脂、例えば硝酸セルロース、酢酸セルロース、セルロース混合エステルおよびセルロースエーテル;
合成プラスチック:
重縮合物:熱硬化性樹脂、例えばフェノール樹脂、尿素樹脂、チオ尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アリル樹脂、シリコーン、ポリイミドおよびポリベンズイミダゾール;熱可塑性樹脂、例えばポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホンおよびポリビニルアセタール;
ポリマー:熱可塑性樹脂、例えばポリオレフィン、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテンおよびポリ−4−メチル−1−ペンテン、イオノマー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリルニトリル、ポリスチレン、ポリアセタール、フルオロプラスチック、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテートおよびポリ−p−キシリレンならびにコポリマー、例えばエチレン/ビニルアセテート−コポリマー、スチレン/アクリルニトリル−コポリマー、アクリルニトリル/ブタジエン/スチレン−コポリマー、ポリエチレングリコールテレフタレートおよびポリブチレングリコールテレフタレート;
ポリ付加物:熱硬化性樹脂、例えばエポキシ樹脂および架橋されたポリウレタン;熱可塑性樹脂、例えば直鎖状ポリウレタンおよび塩素化ポリエーテル。
プラスチックは、好ましくは僅かなエネルギー投与量の下で、例えば共通の押出(特に一軸押出機または二軸押出機)、ロール塗布、混練または微粉砕によって本発明による顔料調製物と一緒に着色されることができる。この場合、このプラスチックは、塑性物質または溶融液として存在することができ、プラスチック成形体、シートおよび繊維に加工されることができる。
本発明による顔料調製物は、プラスチックの着色の場合も全体的に好ましい使用特性、なかんずく良好な色特性、殊に色の濃さおよび輝き、ならびに本発明による顔料調製物で着色されたプラスチックの良好なレオロジー特性、殊に低い印刷フィルター値(高いフィルター可使時間)および良好な回転塗布可能性を示す。
実施例
本発明による顔料調製物の製造および試験
顔料調製物を、水150g(7未満のpH値の際に25質量%の苛性ソーダ液を添加することによって7〜9のpH値に調節した)中の仕上げ加工された顔料(A)x g、充填剤(B)y gおよび添加剤(C)z gの懸濁液をボールミル中で1μm未満のd50値に微粉砕し、次に実験室用噴霧塔(Mini Spray Dryer B-191, Buechi;ガス入口温度170℃、ガス出口温度70℃)中で噴霧乾燥することにより、製造した。
本発明による顔料調製物の製造および試験
顔料調製物を、水150g(7未満のpH値の際に25質量%の苛性ソーダ液を添加することによって7〜9のpH値に調節した)中の仕上げ加工された顔料(A)x g、充填剤(B)y gおよび添加剤(C)z gの懸濁液をボールミル中で1μm未満のd50値に微粉砕し、次に実験室用噴霧塔(Mini Spray Dryer B-191, Buechi;ガス入口温度170℃、ガス出口温度70℃)中で噴霧乾燥することにより、製造した。
この顔料調製物の色の濃さを、比色法で白色輝度(Weissaufhellung)(色等量Faerbeaequivalente FAEのデータ、DIN 55986)の点で水性分散液塗料中で測定した。そのために、16.4質量%の白色顔料(TiO2、Kronos 2043)を含有するスチレン/アクリレートをベースとする、それぞれ顔料調製物1.25gと水性試験用結合剤50gとの混合物(試験用結合剤00-1067、BASF社)を、高速攪拌機を備えた150mlのプラスチック製ビーカー中で1500rpmで3分間均一化した。次に、得られた塗料を100μmの螺旋状ナイフで黒色/白色の試験用厚紙上に塗布し、30分間乾燥させた。
同じ顔料含量(充填剤顔料は、計算の際に考慮しないままだった)を有する市販の水性顔料調製物を用いて製造された、それぞれ類似の分散液塗料を、FAE値100(標準)に対応配置した。FAE値100未満は、よりいっそう高い色の濃さを意味し、FAE値100超は、よりいっそう低い色の濃さに相当する。
次の表には、製造された顔料調製物の組成が記載されている。この場合、添加剤(C)の含量は、ポリマーを溶液で使用した場合に溶解されたポリマー自体に関連するものである。充填剤として(B)を使用し、添加剤として(C)を使用した。
(B1):白亜(Omyacarb(登録商標)5-GU; Omya社)、
(B2):硫酸バリウム(Blanc fixe; Sachtteben社)、
(B3):タルク(Finntalc; Mondo社)、
(C1):40質量%の酸化エチレン含量および12000の平均分子量Mnを有するエチレンジアミン/酸化プロピレン/酸化エチレンをベースとするブロックコポリマー、
(C2):イソブテン50モル%、マレイン酸47モル%およびC18オレフィン3モル%からなるコポリマーの水溶液(固体含量:25%;pH値:8;Mw:10000)。
(B1):白亜(Omyacarb(登録商標)5-GU; Omya社)、
(B2):硫酸バリウム(Blanc fixe; Sachtteben社)、
(B3):タルク(Finntalc; Mondo社)、
(C1):40質量%の酸化エチレン含量および12000の平均分子量Mnを有するエチレンジアミン/酸化プロピレン/酸化エチレンをベースとするブロックコポリマー、
(C2):イソブテン50モル%、マレイン酸47モル%およびC18オレフィン3モル%からなるコポリマーの水溶液(固体含量:25%;pH値:8;Mw:10000)。
Claims (9)
- 本質的成分として
(A)少なくとも1つの顔料5〜80質量%、
(B)固有色を有しない、少なくとも1つの充填剤1〜90質量%、
この場合、成分(A)と(B)との総和は、60〜95質量%であり、および
(C)少なくとも1つの水溶性の界面活性添加剤5〜40質量%を含有する固体顔料調製物。 - 50〜5000μmの平均粒径および15m2/g以下のBET表面積を有する顆粒の形で存在する、請求項1記載の顔料調製物。
- 成分(B)として1.7以下の屈折率を有する充填剤を含有する、請求項1または2記載の顔料調製物。
- 成分(B)として使用媒体中で不溶性のカーボネートおよび/または硫酸塩を含有する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の顔料調製物。
- 成分(C)としてポリエーテルをベースとする非イオン性添加剤(C1)、エチレン系不飽和カルボン酸のポリマーをベースとする陰イオン性添加剤(C2)、ポリウレタンをベースとする陰イオン性添加剤(C3)およびポリエーテルの酸性の燐酸エステル、ホスホン酸エステル、硫酸エステルおよび/またはスルホン酸エステルをベースとする陰イオン性添加剤(C4)の群から選択された少なくとも1つの水溶性の界面活性添加剤を含有する、請求項1から4までのいずれか1項に記載の顔料調製物。
- 請求項1から5までのいずれか1項に記載の顔料調製物の製造法において、
顔料(A)を最初に添加剤(C)の少なくとも一部分を含有する水性懸濁液中で湿式微粉砕に掛け、充填剤(B)を顔料(A)の湿式微粉砕の前または後で懸濁液に添加し、次にこの懸濁液を、場合によっては残留量の添加剤(C)の添加後に乾燥することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の顔料調製物の製造法。 - 高分子量の有機材料および無機材料の着色方法において、請求項1から5までのいずれか1項に記載の顔料調製物を攪拌混入または振盪によって前記材料中に搬入することを特徴とする、高分子量の有機材料および無機材料の着色方法。
- 液相として水、有機溶剤または水と有機溶剤との混合物を含有するラッカー、塗料、印刷用インク、インクおよび被覆系を着色する、請求項7記載の方法。
- プラスチックの着色方法において、請求項1から5までのいずれか1項に記載の顔料調製物を押出、ロール塗布、混練または微粉砕によってプラスチック中に混入することを特徴とする、プラスチックの着色方法。
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