JP2008530996A - エールリッヒア・エウィンギに対する抗体の検出のためのペプチド - Google Patents

エールリッヒア・エウィンギに対する抗体の検出のためのペプチド Download PDF

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Abstract

本発明は,エールリッヒア・エウィンギ,エールリッヒア・エウィンギ抗体,抗体断片,およびポリペプチドを検出および定量するための組成物および方法を提供する。

Description

発明の分野
本発明はエールリッヒア・エウィンギ(Ehrlichia ewingii)抗体および抗体の断片,E.エウィンギ,およびE.エウィンギのポリペプチドを検出および定量するための方法および組成物に関するものである。
発明の背景
顆粒球性エールリッヒア症は哺乳動物において発生し,マダニ由来の病原体であるE.エウィンギに顆粒球細胞が感染することにより生じる。しばしば報告されるヒトにおけるエールリッヒア症の症状は,貧血および血小板減少である。イヌにおける通常の臨床徴候は,発熱および歩行困難である。
間接免疫蛍光法(IFA)および酵素結合免疫測定法(ELISA)は,患者の血液または血清由来の抗体の,感染した細胞,細胞可溶化液または精製したエールリッヒアのタンパク質への結合を測定することにより,E.エウィンギを原因とした疾病の診断における補助としてしばしば使用される。E.エウィンギ特異的な試薬は組織培養において容易には増えず,それゆえ今まで,例えば間接免疫蛍光法(IFA)に利用できなかったため,通常,これらの試験は,E.エウィンギ以外のエールリッヒア種属(たとえばE.カニス(E.canis)またはE.チャフェンシス(E.Chaffeensis))を代用マーカーとして使用して行われる。抗原またはこれらの試験で使用される抗原の不純物を含んだ性質および非特異的な性質に直接関連した感受性および特異性の問題により,代用マーカーを用いた測定法は有用性において非常に制限される。たとえば精製された一部のタンパク質(すなわち全エールリッヒアタンパク質の断片)等の高度に精製された試薬が,より正確な測定を構築するためには必要とされる。本発明は,完全に精製されたエールリッヒアタンパク質,一部精製された全エールリッヒアタンパク質,感染した細胞,またはE.エウィンギ以外のエールリッヒア種属からの細胞可溶化液の代わりに用いられうる,E.エウィンギ由来の特異的な合成ペプチド配列を開示する。
発明の要約
本発明の実施態様のひとつは,配列番号3または配列番号4から本質的になる精製ポリペプチドを含む組成物を提供する。精製ポリペプチドは,配列番号1または配列番号2から本質的になることができる。精製ポリペプチドは,配列番号1,配列番号2,配列番号3,配列番号4またはそれらの組み合わせから本質的になることができる。精製ポリペプチドは多量体の形とすることができ,さらに担体を構成することができる。精製ポリペプチドは,指示薬,アミノ酸スペーサー,アミノ酸リンカー,シグナル配列,伝達停止配列,膜貫通ドメイン,タンパク質精製リガンド,またはそれらの組み合わせと結合させることができる。
本発明のもうひとつの実施態様は,配列番号1,配列番号2,配列番号3,配列番号4またはそれらの組み合わせを含む精製した融合ポリペプチドを提供する。ポリペプチドのうち少なくとも1つは多量体の形をとることができる。精製した融合ポリペプチドは,指示薬,アミノ酸スペーサー,アミノ酸リンカー,シグナル配列,伝達停止配列,膜貫通ドメイン,タンパク質精製リガンド,またはそれらの組み合わせと結合させることができる。
本発明のさらに他の実施態様は,本発明に係る精製したポリペプチドまたは精製した融合タンパク質をコードしているポリヌクレオチドを提供する。
本発明のさらに他の実施態様は,E.エウィンギまたはE.エウィンギポリペプチドに特異的に結合する抗体を検出する方法を提供する。当該方法は,ポリペプチド/抗体の複合体を形成することができる条件下で,配列番号1,配列番号2,配列番号3,配列番号4またはそれらの組み合わせを含む精製ポリペプチドを,E.エウィンギに特異的な抗体を含んでいると思われる試験試料と接触させること,およびポリペプチド/抗体の複合体を検出することを含むことができる。ポリペプチド/抗体の複合体が検出される時には,E.エウィンギの特異的な抗体は試験試料中に存在することを示し,ポリペプチド/抗体の複合体が検出されない時には,E.エウィンギの特異的な抗体は試験試料中に存在しないことを示す。前記抗体は抗体断片であってもよい。試験試料中の抗体の量を測定することができる。ポリペプチドは基板に付けることができる。ポリペプチドは指示薬に付けることができる。ポリペプチド/抗体の複合体は,抗動物種抗体で標識された抗体を用いて検出されうる。試験試料は,哺乳動物から得られた生物学的試料を含むことができる。哺乳動物は,ヒト,ネコ,ウマ,およびイヌからなる群から選択しうる。当該方法は,マイクロタイタープレート測定法,逆層クロマトグラフィー結合測定法,酵素結合免疫測定法,放射性免疫測定法,赤血球凝集測定法,ウエスタンブロット測定法,蛍光偏光免疫測定法,間接免疫蛍光法からなる測定法の群から選択される測定法を含むことができる。
本発明のさらに他の実施態様は,哺乳動物におけるE.エウィンギの感染を検出する方法を提供する。当該方法は,E.エウィンギに感染していると思われる哺乳動物からの生物学的試料を得ること,配列番号1,配列番号2,配列番号3,配列番号4またはそれらの組み合わせを含む精製ポリペプチドをポリペプチド/抗体の複合物を形成させることができる条件化で生物学的試料と接触させること,およびポリペプチド/抗体の複合体を検出することを含む。ポリペプチド/抗体の複合体が検出される時には,哺乳動物はE.エウィンギに感染していることを示し,ポリペプチド/抗体の複合体が検出されない時には,哺乳動物はE.エウィンギに感染していないことを示す。
本発明の他の実施態様は,E.エウィンギのポリペプチドのうち少なくとも1つのエピトープに特異的に結合する抗体であって,ここで前記ポリペプチドが配列番号1,配列番号2,配列番号3,または配列番号4である抗体を提供する。抗体はモノクローナル抗体,ポリクローナル抗体,または抗体断片であることができる。
本発明のさらに他の実施態様は,試料中のE.エウィンギのポリペプチドまたはE.エウィンギの検出方法を提供する。当該方法は,E.エウィンギのポリペプチドのうち少なくとも1つのエピトープに特異的に結合するものであって,前記ポリペプチドが配列番号1,配列番号2,配列番号3,または配列番号4を含んでいる1または複数の抗体を,ポリペプチド/抗体の複合物を形成させることができる条件化で試料と接触させること,およびポリペプチド/抗体の複合体を検出することを含む。ポリペプチド/抗体の複合体が検出される時には,E.エウィンギまたはE.エウィンギのポリペプチドが試料中に存在していることを示し,ポリペプチド/抗体の複合体が検出されない時には,E.エウィンギまたはE.エウィンギのポリペプチドが試料中に存在していないことを示す。試料は血清,全血,尿,または唾液であることができる。
したがって,本発明は,E.エウィンギ抗体および抗体断片,E.エウィンギおよびE.エウィンギのポリペプチドを高感度かつ特異的に検出するために使用されうる方法および組成物を提供する。
発明の詳細な説明
E.カニスのP30タンパク質の免疫優性部分は,ファージディスプレイ技術を用いて,以前に同定されている。2001年1月18日に出願された米国特許出願09/765,736を参照。同定された配列は,エールリッヒアカニスのいくつかの単離物の外膜タンパク質の配列と強い相同性を示した。いくつかの外膜タンパク質の相同領域の配列に対応する合成ペプチドは,合成され,診断検査においてE.カニスの抗体およおび抗体断片を検出するためにうまく使用されている。
E.エウィンギおよびE.カニスは,エールリッヒア群の同じ血清型に分類される関連した生物の異なる種である。E.エウィンギのポリペプチド配列は,免疫優性部分を同定するため,調べられた。E.エウィンギ膜タンパク質は,C−1,OK−2,OK−1,MO−3,およびMO−1を含む(Gusa et al.,Journal of Chlinical Microbiology, Vol.39, No.11, pp.3871−3876(2001))。本発明の免疫優性E.エウィンギペプチドは,E.カニス免疫優性ポリペプチドと比較することにより同定された。E.エウィンギ膜タンパク質のアミノ酸番号16から35に対応する下記の配列が同定され,合成ペプチドを合成するための基礎として使用された。
ペプチドI,タンパク質C−1,OK−2,OK−1,およびMO−3のアミノ酸番号16から35
AETKKTFGLEKNYDGAKIED(配列番号1)
相同遺伝子から下記の配列も同定された。
ペプチドII,タンパク質MO−1のアミノ酸番号16から35
AETKRTFGLDKNYDGAQITD(配列番号2)
本発明の他の実施態様は下記のポリペプチドを提供する。
ペプチドIII
AETKXTFGLXKNYDGAXIXD(配列番号3)
ここで,Xは任意のアミノ酸を表す。本発明の1つの実施態様において,配列番号3の位置5におけるXはKまたはRとすることができる。本発明の他の実施態様において,配列番号3の位置10におけるXはEまたはDとすることができる。本発明のさらに他の実施態様において,位置17におけるXはKまたはQとすることができる。本発明のさらに他の実施態様において,位置19におけるXはEまたはTとすることができる。
本発明の他の実施態様は下記のポリペプチドを提供する。
ペプチドIV
XAETKXTFGLXKNYDGAXIXD(配列番号4)
ここでXは任意のアミノ酸を表す。本発明の実施態様において,配列番号4の位置1におけるXはCである。本発明の1つの実施態様において,配列番号4の位置6におけるXはKまたはRとすることができる。本発明の他の実施態様において,配列番号4の位置11におけるXはEまたはDとすることができる。本発明のさらに他の実施態様において,配列番号4の位置18におけるXはKまたはQとすることができる。本発明のさらに他の実施態様において,配列番号4の位置20におけるXはEまたはTとすることができる。
E.エウィンギポリペプチド
ポリペプチドとは,アミド結合により共有結合している3またはそれ以上のアミノ酸のポリマーである。精製したポリペプチドとは,細胞物質,他の型のポリペプチド,化学的前駆物質,ポリペプチドの合成において使用された化学物質,またはそれらの組み合わせを実質的に含まないポリペプチド調製物である。細胞物質,培養液,化学的前駆物質,ポリペプチドの合成において使用された化学物質を実質的に含まないポリペプチド調製物は,他のポリペプチド,培養液,化学的前駆物質,および/または,合成において使用された化学物質の約30%,20%,10%,5%,1%,またはそれ未満を有する。したがって,精製したポリペプチドは約70%,80%,90%,95%,99%,またはそれ以上に純粋である。
本発明にかかる精製ポリペプチドは,全長のポリペプチドまたはポリペプチド断片のいずれであってもよい。たとえば,本発明にかかるポリペプチド断片は,本発明にかかるポリペプチドの約5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,または19アミノ酸を含むことができる。本発明にかかるポリペプチドの例として,配列番号1,2,3,および4に示したものが挙げられる。変異ポリペプチドは,配列番号1から4に示されたポリペプチド配列と少なくとも約80,または約90,96,98,または99%同一であり,これも本発明にかかるポリペプチドである。変異ポリペプチドは,1または複数の保存的アミノ酸変異または他の少数の修飾を有し,生物活性を保持している,すなわち生物学的な機能は等価である。生物活性の等価なものは,対応する野生型ポリペプチドに比較した場合,実質的に等価な機能を有する。
配列相同性のパーセントは,当該技術分野において認識されている意味を有し,2つのポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列間の相同性を測定する多数の方法がある。例えば,Lesk,Ed.,Computational Molecular Biology,Oxford University Press, New York,(1988);Smith,Ed.,Biocomputing:Infomatics And Genome Projects,Academic Press,New York,(1993);Griffin&Griffin,Eds.,Computer Analysis of Sequence Data,PartI,Humana Press,New Jersey,(1994);von Heinje,Sequence Analysis In Molecular Biology,Academic Press,(1987);およびGribskov&Devereux,Eds.,Sequence Analysis Primer,MStockton Press,New York,(1991)を参照。ポリヌクレオチドまたはポリペプチドを配列比較する方法は,GCG program package(Devereux et al.,Nuc.Acids Res.12:387(1984)),BLASTP,BLASTN,FASTA(Atschul et al.,J.Molec.Biol.215:403(1990)),およびSmithおよびWatermanの局所的な相同性アルゴリズム(Adv. App. Math., 2:482−489(1981))を用いたBestfit program(Wisconsin Sequence Analysis Package,Version 8 for Unix,Genetics Computer Group,University Research Park,575 Science Drive, Madison, WI 53711)を含むコンピュータープログラムにおいて体系化されている。例えば,FASTAアルゴリズムを採用しているコンピュータープログラムALIGNが,−12の開始ギャップのペナルティおよび−2の伸張ギャップのペナルティでのアファインギャップサーチとともに使用されうる。
特定の配列が参照配列と例えば約95%の相同性を有するかどうか決定するために任意の配列比較プログラムを使用するとき,参照ポリヌクレオチドの全長にわたって相同のパーセントが計算され,同一性におけるギャップが参照ポリヌクレオチドの全ヌクレオチド数の5%まで許容されるように,パラメーターが設定される。
変異体は一般に,本発明のポリペプチド配列の1つを修飾し,修飾したポリペプチドの性質を評価して生物学的に等価であるか決定することにより,同定されうる。変異体は,例えば免疫組織化学法,酵素結合免疫測定法(ELISA),ラジオイムノアッセイ(RIA),免疫酵素アッセイ,またはウエスタンブロットアッセイ等のアッセイにおいて本発明にかかるポリペプチドと実質的に同じように反応し,例えばもとのポリペプチドの90から110%の活性を有するならば,変異体は生物学的に等価である。1つの実施態様において,アッセイは拮抗実験であって,生物学的に等価なポリペプチドは,対応する反応性の抗原または抗体への本発明にかかるポリペプチドの結合を,約80,95,99,または100%減少させることができる。対応する野生型ポリペプチドに特異的に結合する抗体は,変異ポリペプチドにも特異的に結合する。本発明にかかる変異ポリペプチドは,約1,2,3,4,5,または6の保存的アミノ酸置換を含むことができる。
保存的置換は,アミノ酸が,ペプチド化学の当業者がポリペプチドの二次構造および疎水性親水性指標の性質が実質的に変化しないだろうと予測するような,同様の性質を有する他のアミノ酸に置換されたものである。一般に,以下のアミノ酸のグループは保存的変化を示す。(1)Ala,Pro,Gly,Glu,Asp,Gln,Asn,Ser,Thr,(2)Cys,Ser,Tyr,Thr,(3)Val,Ile,Leu,Met,Ala,Phe,(4)Lys,Arg,His,および(5)Phe,Tyr,Trp,His。
本発明にかかるポリペプチドは,翻訳と同時または翻訳後にタンパク質輸送を指示するシグナル(またはリーダー)配列をさらに含むことができる。ポリペプチドは,合成,精製,または同定を容易にするため,例えばpoly-Hisを,または固定担体へのポリペプチドの結合を強化するためにリンカーまたは他の配列を含むこともできる。例えば,ポリペプチドは免疫グロブリンのFc領域または牛血清アルブミンとコンジュゲートさせることができる。
ポリペプチドは,このポリペプチドが天然において通常結合していないアミノ酸配列と共有結合または非共有結合させることができる。さらに,ポリペプチドはアミノ酸以外の化合物または分子に,共有結合または非共有結合させることができる。例えば,ポリペプチドは,指示薬,アミノ酸スペーサー,アミノ酸リンカー,シグナル配列,伝達停止配列,膜貫通ドメイン,タンパク質精製リガンド,またはそれらの組み合わせと結合させることができる。本発明の実施態様のひとつにおいて,タンパク質精製リガンドは,例えば本発明にかかるポリペプチドのアミノ末端またはC末端における1または複数のCアミノ酸残基であってもよい。アミノ酸スペーサーは,天然において通常では本発明にかかるポリペプチドと結合していないアミノ酸配列である。アミノ酸スペーサーは約1,5,10,20,100,または1000のアミノ酸を含むことができる。
必要に応じて,ポリペプチドは融合タンパク質とすることができ,それは,例えばアミノ酸リンカー,アミノ酸スペーサー,シグナル配列,TMR伝達停止配列,膜貫通ドメイン,ならびにグルタチオン−S−トランスフェラーゼ,ヒスチジンタグ,およびブドウ球菌タンパク質Aまたはそれらの組み合わせ等のタンパク質精製に有用なリガンド等の他のアミノ酸配列を含むこともできる。本発明にかかる複数のポリペプチドは,融合タンパク質で存在することができる。本発明にかかるポリペプチド断片は,本発明にかかる融合タンパク質の状態で存在することができる。本発明にかかる融合タンパク質は,1または複数の配列番号1,配列番号2,配列番号3,配列番号4,それらの断片,またはそれらの組み合わせを含むことができる。
本発明にかかるポリペプチドは多量体の形となりうる。すなわち,ポリペプチドは,配列番号1−4またはそれらの組み合わせの1または複数のコピーを含むことができる。多量体のポリペプチドは複数抗原タンパク質(MAP)となりうる。例えば,Tam, J. Immunol. Methods, 196:17−32(1996)参照。
本発明にかかるポリペプチドは,E.エウィンギに対して反応する抗体により認識される抗原を含むことができる。抗原は1または複数のエピトープ(つまり抗原決定基)を含むことができる。エピトープは,直線状エピトープ,配列のエピトープ,または立体構造のエピトープでありうる。本発明にかかるポリペプチド内におけるエピトープは,いくつかの方法で同定されうる。例えば,米国特許4,554,101;ames & Wolf, CABIOS 4:181−186(1988)参照。例えば,本発明にかかるポリペプチドは単離され,スクリーニングされうる。合わせると完全なポリペプチド配列となるような一連の短いペプチドは,タンパク質切断により製造することができる。例えば20アミノ酸長のポリペプチド断片から始めることにより,各断片はELISA法において認識されるエピトープの存在についてテストすることができる。例えば,ELISA法においては,20アミノ酸長のポリペプチド断片等のE.エウィンギポリペプチドを,プラスチック多穴プレートの壁等の固定担体に付着させる。抗体の集団は標識され,固定担体に加えられ,非特異的な吸収を阻害する条件下で非標識の抗原に結合させ,そして結合していない抗体および他のタンパク質を洗浄することができる。抗体の結合は,例えば無色の基質が有色の反応物に変化する反応によって検出される。同定した20アミノ酸長から次第に小さくした重複した断片をテストして,目的とするエピトープをマッピングすることができる。
本発明にかかるポリペプチドは,組み換えで作成することができる。本発明にかかるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは,組換え発現ベクターに導入されることができ,それは当該技術分野においてよく知られた方法を用いて,適した発現ホスト細胞システムにおいて発現されうる。バクテリア,酵母,植物,哺乳動物,昆虫などさまざまな発現システムが当該技術分野において利用することができ,これらの発現システムの任意のものが使用されうる。ポリペプチドをコードしているポリヌクレオチドは,任意に無細胞性翻訳システムにおいて翻訳されうる。ポリペプチドは化学的に合成されることもでき,またはE.エウィンギ細胞から得ることもできる。
本発明にかかるポリペプチドの基本的かつ新しい性質は,ポリペプチドが抗エールリッヒア・エウィンギ抗体に特異的に結合し,全部の,精製した,または精製していないエールリッヒアタンパク質よりも高感度かつ強い特異性をもって結合することである。
本発明にかかる免疫原性ポリペプチドは,配列番号1−4に示したアミノ酸配列を含むことができる。免疫原性ポリペプチドは,配列番号1−4を有するポリペプチドのエピトープを認識する抗体または他の免疫反応(例えば免疫系のT細胞反応)を誘発することができる。本発明にかかる免疫原性ポリペプチドは,配列番号1−4に示したアミノ酸配列を有するポリペプチドの断片であってもよい。本発明にかかる免疫原性ポリペプチド断片は,約5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,または20アミノ酸の長さであることができる。
E.エウィンギのポリヌクレオチド
本発明にかかるポリヌクレオチドは,完全な菌のゲノムより少なく,一本鎖または二本鎖の核酸であることができる。ポリヌクレオチドは,RNA,DNA,cDNA,ゲノムDNA,化学的に合成したRNAまたはDNA,またはそれらの組み合わせであることができる。ポリヌクレオチドは,例えばタンパク質,脂質,他のポリヌクレオチド等の他の成分を含まないほどに精製することができる。例えば,ポリヌクレオチドは50,75,90,95,96,97,98,99,または100%精製することができる。本発明にかかるポリヌクレオチドは,前記ポリペプチドをコードしている。本発明の1つの実施態様において,ポリヌクレオチドは,配列番号1−4に示したポリペプチドまたはそれらの組み合わせをコードしている。本発明にかかるポリヌクレオチドは,例えばリンカー,シグナル配列,TMR伝達停止配列,膜貫通ドメイン,またはグルタチオン−S−トランスフェラーゼ,ヒスチジンタグ,およびブドウ球菌タンパク質A等のタンパク質精製に有用なリガンドといった他のヌクレオチド配列を含むことができる。
本発明にかかるポリヌクレオチドは単離されうる。単離されたポリヌクレオチドは,天然に付随する5’および3’のフランキングゲノム配列の一方または両方と直接には近接していない,天然に生じるヌクレオチドである。単離されたポリヌクレオチドは,例えば,任意の長さの組み換えDNA分子であることができるが,ただし,天然に存在するゲノムにおいて,組換えDNAに直接近接して生来発見される核酸配列が取り除かれるかまたは欠失している。単離されたポリヌクレオチドは,非天然に生じる核酸分子も含む。数百から百万の他の核酸分子中に存在している核酸分子,例えばcDNAまたはゲノムライブラリー,若しくはゲノムDNAの制限切断を含むゲルのスライスは,単離したポリヌクレオチドであるとは考えられない。
本発明にかかるポリヌクレオチドは,免疫原性ポリペプチドをコードする断片をも含むことができる。本発明にかかるポリヌクレオチドは,全長ポリペプチド,ポリペプチド断片,および変異体または融合ポリペプチドをコードすることができる。
本発明にかかるポリペプチドをコードしている縮重したヌクレオチド配列,ならびに本発明にかかるポリヌクレオチド配列およびそれらの相補鎖と少なくとも約80%,または90,96,98,または99%同一である相同の核酸配列も,本発明にかかるポリペプチドである。配列相同性のパーセントは,前記ポリペプチドの節に記載されるように,計算することができる。縮重核酸配列は,本発明にかかるポリペプチドまたはそれらの断片をコードするが,遺伝コードの縮重により野生型ポリヌクレオチド配列とは核酸配列が異なるポリヌクレオチドである。相補DNA(cDNA)分子,種のホモログ,および生物学的に機能するE.エウィンギポリペプチドをコードするE.エウィンギポリヌクレオチドの変異体も,E.エウィンギポリヌクレオチドである。本発明にかかるポリヌクレオチドは,例えば血液,血清,唾液,または感染した患者の組織等の生物試料中に存在する核酸配列から単離することができる。ポリヌクレオチドは,例えば自動合成機を用いて,研究室において合成することもできる。PCR等の増幅法を使用して,ポリペプチドをコードしているゲノムDNAまたはcDNAからポリヌクレオチドを増幅することができる。
本発明にかかるポリヌクレオチドは,天然に生じるポリペプチドのコード配列を含むことができ,または天然には生じない変化させた配列をコードすることができる。必要に応じて,ポリヌクレオチドは発現調節因子,例えば複製開始点,プロモーター,エンハンサー,または宿主細胞において本発明にかかるポリヌクレオチドを発現させる他の調節因子を含んでいる発現ベクターにクローン化されうる。発現ベクターは,例えば,pBR322,pUC,若しくはColEl等のプラスミド,またはアデノウイルス2型ベクター若しくは5型ベクター等のアデノウイルスベクターであることができる。任意に,シンドビスウイルス,サルウイルス40,アルファウイルスベクター,ポックスウイルス,およびサイトメガロウイルスに限らず,マウス肉腫ウイルス,マウス乳癌ウイルス,モロニーマウス白血病ウイルス,およびラウス肉腫ウイルス等のレトロウイルスベクターも含めて,他のベクターも使用されうる。MCおよびMC1,バクテリオファージ,ファージミド,酵母人工染色体,バクテリア人工染色体,ウイルス粒子,ウイルス様粒子,コスミド(λファージをcos部位に挿入したプラスミド)およびレプリコン(細胞において自らの調節のもと,複製することができる遺伝因子)等のミニ染色体も使用されうる。
発現調節配列に操作可能に連結されているポリヌクレオチドを準備し,それらを宿主細胞で発現させる方法は,当該技術分野においてよく知られている。例えば,米国特許4,366,246参照。本発明にかかるポリヌクレオチドは,1または複数の発現調節因子の付近にまたは密接して位置する時,操作可能に連結されており,ポリヌクレオチドの転写および/または翻訳を指示する。
本発明にかかるポリヌクレオチドは,例えばプローブやプライマー,例えばPCRプライマーとして,生物試料等の試料中にE.エウィンギポリヌクレオチドが存在するかを検出するために使用されうる。このようなプローブやプライマーが有するE.エウィンギポリヌクレオチド配列に特異的にハイブリッド形成する能力は,前記試料中に相補配列が存在するかを検出するために用いられることができる。本発明にかかるポリヌクレオチドプローブおよびプライマーは,唾液,痰,血液,尿,糞便,脳脊髄液,羊水,傷からの浸出液,または組織を含めた生物試料等の試料中で相補配列とハイブリッド形成できる。試料由来のポリヌクレオチドは,例えば,ゲル電気泳動や他のサイズ分離技術に供されることができ,またサイズ分離なしで固定化されることができる。ポリヌクレオチドプローブまたはプライマーは,標識できる。適した標識,およびプローブやプライマーを標識する方法は,当該技術分野においてよく知られており,例えば,ニックトランスレーションやキナーゼにより取り込まれた放射性の標識や,ビオチン標識,蛍光標識,化学発光標識,生物発光標識,金属キレート標識,および酵素標識を含む。試料由来のポリヌクレオチドは,最適なストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件下で,プローブまたはプライマーと接触する。
応用次第で,標的配列に対するプローブやプライマーの選択性の様々な程度を得るため,多様なハイブリダイゼーション条件が用いられうる。高選択性が要求される応用のためには,低塩濃度および/または高温条件等,例えば約50℃から約70℃の温度で約0.02Mから約0.15Mの塩濃度により提供されるような,比較的高いストリンジェンシーの条件が使用されうる。低選択性が要求される応用のためには,低いストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件が用いられうる。例えば約20℃から約55℃にわたる温度で約0.14Mから約0.9Mの塩濃度である。プローブまたはプライマーと試料由来の相補的なポリヌクレオチドを含んでいるハイブリダイズした複合体の存在は,試料中にE.エウィンギまたはE.エウィンギポリヌクレオチド配列が存在することを示す。
抗体
本発明にかかる抗体は,本発明にかかるE.エウィンギポリペプチドに特異的かつ安定に結合する抗体分子,またはその断片である。本発明にかかる抗体は,ポリクローナル抗体,モノクローナル抗体,一本鎖抗体(scFV),または抗体の断片であることができる。抗体の断片は,無処置の抗体の抗原結合部位または可変領域を含む,無処置の抗体の一部であって,この一部は無処置の抗体のFc領域の定常重鎖ドメインを含まない。抗体断片の例としては,Fab,Fab’,Fab’−SH,F(ab’),およびF断片が挙げられる。
本発明にかかる抗体は,任意の抗体クラスのもの,例えばIgG,IgM,IgA,IgD,およびIgEであることができる。抗体またはそれらの断片は,本発明にかかるポリペプチドのエピトープに結合する。抗体は,適した実験動物においてインビボで,または組換えDNA技術を用いてインビトロで作製されうる。抗体を製造し特徴付けるための方法は,当該技術分野においてよく知られている。例えば,Dean, Methods Mol. Biol. 80:23−37(1998),Dean, Metods Mol. Biol. 32:361−79(1994),Baileg, Methods Mol. Biol. 32:381−88(1994),Gullick, Methods Mol. Biol.32:389−99(1994),Drenckhahn et al. Methods Cell. Biol. 37:7−56(1993),Morrison, Ann. Rev. Immunnol. 10:239−65(1992),Wright et al. Crit. Rev. Immunol. 12:125−68(1992)参照。例えば,ポリクローナル抗体は,本発明にかかるポリペプチドをヒトや他の霊長類,マウス,ラット,ウサギ,モルモット,ヤギ,ブタ,イヌ,ウシ,ヒツジ,ロバ,またはウマ等の動物に投与することにより作製される。免疫された動物から血清が集められ,抗体は,例えば硫酸アンモニウムを用いた沈降に続いてアフィニティクロマトグラフィー等のクロマトグラフィーによって血漿から精製される。ポリクローナル抗体を作製,加工するための技術は,当該技術分野において知られている。
"特異的に結合"または"特異的な"とは,第1の抗原,例えばポリペプチドが,本発明にかかる抗体を認識し,他の非特異的な分子よりも強いアフィニティをもって結合することを意味する。非特異的な分子は,第1の抗原と共通のエピトープを持たない抗原である。例えば,これが非特異的な抗原よりもさらに効率的に結合する抗原(例えばポリペプチド)に対して生じさせた抗体は,その抗原に特異的に結合すると記述することができる。好ましい実施態様において,抗体またはその抗原結合部分は,10l/molまたはそれ以上の結合親和性Kをもって結合する時,配列番号1−4をからなるポリペプチドに特異的に結合する。特異的な結合は,当該技術分野においてよく知られた方法論を用いて,例えば,酵素結合免疫測定法(ELISA),ラジオイムノアッセイ(RIA),またはウエスタンブロットアッセイを使ってテストすることができる。
さらに,本発明にかかるポリペプチド上にあるエピトープに対して向けれたモノクローナル抗体も容易に作製されうる。例えば,本発明にかかるポリペプチドで免疫されたマウス等の哺乳動物由来の通常のB細胞は,例えばハイブリドーマを作製するためのHAT感受性マウスミエローマ細胞と融合されうる。E.エウィンギ特異的な抗体を作製するハイブリドーマは,RIAまたはELISAを用いて同定することができ,半流動性の寒天でのクローニング,または限界希釈法により単離することができる。E.エウィンギ特異的な抗体を産生するクローンは,さらに1ラウンドのスクリーニングにより単離される。モノクローナル抗体は,標準的な技術,例えば本発明にかかるポリペプチドのマイクロタイタープレートへの結合や,ELISAアッセイによるモノクローナル抗体の結合の測定により,特異性についてスクリーニングされうる。モノクローナル抗体を作製し,加工する技術は,当該技術分野において知られている。例えば,Kohler & Milstein, Nature, 256:495(1975)参照。モノクローナル抗体の特定のアイソタイプは,最初の融合からの選択により直接的に,またはクラススイッチ変異体を単離するための同胞選択技術を用いることにより,異なるアイソタイプのモノクローナル抗体を分泌する親のハイブリドーマから二次的に製造しうる。Steplewski et al., P.N.A.S. U.S.A. 82:8653 1985, Spria et al., J. Immunolog. Meth. 74:307, 1984参照。本発明にかかるモノクローナル抗体は組換えモノクローナル抗体であってもよい。例えば,米国特許4,474,893,米国特許4,816,567参照。本発明にかかる抗体は,化学的に作成することもできる。例えば,米国特許4,676,980参照。
本発明にかかる抗体は,キメラ(例えば米国特許5,482,856参照),ヒト化(例えばJones et al., Nature 321:522(1986),Reichmann et al., Nature 332:323(1988),Presta, Curr. Op. Struct. Biol. 2:593(1992)参照),またはヒト抗体であってもよい。ヒト抗体は,例えば直接の不死化,ファージディスプレイ,トランスジェニックマウス,またはトリメラの方法論(例えばReisener et al., Trends Biotechnol. 16:242−246(1998)参照)により作製されうる。
E.エウィンギ抗原(例えばE.エウィンギポリペプチド)に特異的に結合する抗体は,ヒトなどのE.エウィンギに感染した動物由来の,例えば血清,血液,尿,または唾液等の試料中のE.エウィンギまたはE.エウィンギ抗原の存在を検出するために特に有用である。E.エウィンギまたはE.エウィンギ抗原の免疫測定法は,例えば,E.エウィンギエピトープに対して作られたモノクローナル抗体,1つのE.エウィンギポリペプチドの複数のエピトープに対して作られたモノクローナル抗体の組み合わせ,異なるE.エウィンギポリペプチドの複数のエピトープに対して作られたモノクローナル抗体,同じE.エウィンギ抗原に対して作られたポリクローナル抗体,異なるE.エウィンギ抗原に対して作られたポリクローナル抗体,またはモノクローナル抗体およびポリクローナル抗体の組み合わせを使用することができる。免疫測定法の手順は,例えば標識した抗体を用いて,例えば競合,直接反応,またはサンドイッチ型アッセイに基づくことができる。本発明にかかる抗体は,例えば蛍光,化学発光,放射活性,酵素,コロイド金属,放射性同位体,および生物発光の標識などの,当該技術分野において知られている任意の型の標識で標識されうる。
本発明にかかる抗体またはその断片は,担体に結合させて,E.エウィンギまたはE.エウィンギ抗原の存在を検出するために使用されうる。担体としては,例えばガラス,ポリスチレン,ポリプロピレン,ポリエチレン,デキストラン,ナイロン,アミラーゼ,天然のおよび修飾したセルロース,ポリアクリルアミド,アガロース,マグネタイト(magletite)が挙げられる。
本発明にかかる抗体は,さらにE.エウィンギ生物体,またはE.エウィンギ抗原を免疫アフィニティーカラムにより単離するために使用されうる。抗体は,抗体が免疫選択活性を保持するように,例えば吸収または共有結合により固体担体に固定されることができる。任意に,抗体の抗原結合部位が接近可能なままとなるように,スペーサーグループを含めることができる。固定化抗体は,例えば,唾液,血清,痰,血液,尿,糞便,脳脊髄液,羊水,傷からの浸出液,または組織を含む生物試料等の試料から,E.エウィンギ生物体,またはE.エウィンギ抗原を結合するために使用しうる。結合したE.エウィンギ生物体,またはE.エウィンギ抗原は,例えばpHの変化によりカラムのマトリクスから回収される。
本発明にかかる抗体は,免疫局在性の研究において,多様な細胞現象または生理的条件の間での本発明にかかるポリペプチドの存在および寄与を分析するために,使用されうる。抗体は,受動免疫に関与する分子を同定するため,および非タンパク抗原の生合成に関与する分子を同定するためにも使用されうる。これらの分子の同定は,ワクチン開発において有用となりうる。例えばモノクローナル抗体および一本鎖抗体などの本発明にかかる抗体は,E.エウィンギにより引き起こされる病気の回復の経過をモニターするために使用されうる。動物からの試料中のE.エウィンギ抗原に対するE.エウィンギ抗体の増加または減少を測定することにより,病気の回復を目的とした特定の治療計画が有効か否かを決定することができる。抗体は,例えばRIA,ELISA,またはウエスタンブロットアッセイ等の直接結合のアッセイを用いて,検出および/または定量化されうる。
検出法
本発明にかかる方法は,生物試料,環境試料,または実験室試料等の検査試料中のE.エウィンギ特異的な抗体または抗体の断片を検出するために使用されうる。生物試料は,例えばウマ,ネコ,イヌ,またはヒト等の哺乳類からの血清,血液,細胞,血漿,または組織を含むことができる。検査試料は,本発明にかかるポリペプチドと混合する前に,無処置で,沈殿させて,分画させて,分離させて,希釈して,濃縮して,または精製することができる。
前記方法は,本発明にかかるポリペプチドを,ポリペプチド/抗体の複合体,すなわち免疫複合体を形成できる条件下で検査試料と接触させることを含む。すなわち,本発明にかかるポリペプチドは,試料中にあるE.エウィンギに特異的な抗体に特異的に結合する。当業者は,抗体/ポリペプチド複合体の結合を検出するために使用されるアッセイおよび条件について精通している。試料中のポリペプチドと抗E.エウィンギ抗体との複合体の形成が検出される。
本発明にかかる抗体は,E.エウィンギの感染が疑われるヒトまたは動物から検査試料を得ることにより,E.エウィンギ感染の診断法に用いられうる。検査試料は,抗体−抗原複合体(つまり免疫複合体)を形成できる条件下で本発明にかかる抗体と接触させる。抗体−抗原複合体の量は,当該技術分野において知られている方法論により決定されうる。対照の試料中で形成されるよりも高レベルであることは,E.エウィンギの感染を示している。あるいは,本発明にかかるポリペプチドを,検査試料と接触させてもよい。陽性体の試料中のE.エウィンギ抗体は,適した条件化で抗原−抗体複合体を形成する。抗体−抗原複合体の量は,当該技術分野において知られた方法により決定されうる。
本発明の1つの実施態様において,抗体に結合した酵素複合体等の指示薬が検出可能な反応を触媒する場合,ポリペプチド/抗体の複合体が検出される。任意に,シグナルを発生させる化合物を含む指示薬を,ポリペプチド/抗体/指示薬の複合体を形成できる条件下において,ポリペプチド/抗体の複合体に適用することができる。ポリペプチド/抗体/指示薬の複合体が検出される。任意に,ポリペプチドまたは抗体は,ポリペプチド/抗体の複合体が形成される前に指示薬で標識することができる。前記方法は,任意に正のまたは負の対照を含むことができる。
本発明の1つの実施態様において,本発明にかかる抗体は,固相または基板に付着させる。本発明にかかるポリペプチドを含んでいるタンパク質を潜在的に含む検査試料は,基板に加えられる。本発明にかかるポリペプチドに特異的に結合する抗体が加えられる。前記抗体は,固相で使用したものと同じ抗体であってもよく,または異なる源若しくは種からの抗体であってもよく,さらに酵素複合体等の指示薬と結合させることができる。洗浄の工程は,それぞれの添加の前に行うことができる。発色団または酵素の基質が加えられ,発色させることができる。呈色反応を止め,例えば分光光度計を用いて色を定量することができる。
本発明の他の実施態様において,本発明にかかる抗体は,固相または基板に付着させる。本発明にかかるポリペプチドを含んでいるタンパク質を潜在的に含む検査試料は,基板に加えられる。本発明にかかるポリペプチドに特異的に結合する二次抗種抗体が加えられる。これらの二次抗体は,固相の抗体とは異なる種由来である。二次抗体に特異的に結合し,固相の抗体に特異的に結合しない三次抗体が加えられる。三次抗体は,酵素コンジュゲート等の指示薬を含むことができる。洗浄の工程は,それぞれの添加の前に行うことができる。発色団または酵素の基質が加えられ,発色させることができる。呈色反応を止め,例えば分光光度計を用いて色を定量することができる。
本発明にかかるアッセイは,競合,直接反応,またはサンドイッチ型アッセイに基づくものを含むが,これに限定されず,酵素結合免疫測定法(ELISA),ウエスタンブロット,IFA,ラジオイムノアッセイ(RIA),赤血球凝集(HA),蛍光偏光免疫測定法(FPIA),およびマイクロタイタープレートアッセイ(マイクロタイタープレートの1または複数のウェルにおいて行われる任意のアッセイ)を含むが,これに限定されない。本発明にかかるアッセイの1つは,逆相クロマトグラフィー結合測定法,例えばSNAP(登録商標)アッセイを含む。米国特許5,726,010参照。
アッセイは固相もしくは基板を用いることができ,また免疫沈降もしくは固相を利用しない他の方法により行うことができる。固相または基板が用いられる場合には,本発明にかかるポリペプチドは直接または間接に,マイクロタイターウェル,磁性ビーズ,非磁性ビーズ,カラム,マトリックス,膜,合成もしくは天然の繊維からなる繊維性のマット(例えばガラス,またはセルロースを基にした材料,またはポリエチレン,ポリプロピレン,ポリエステル等の熱可塑性のプラスチックポリマー),微粒子材料(例えばガラス,または多様な熱可塑性のポリマー)の焼結構造,またはニトロセルロース,ナイロン,ポリスルホン等(一般に天然に合成される)から構成されるキャスト膜フィルム等のような,固相または基板に付着させる。好ましい基板は,一般に多孔性ポリエチレンとして知られているポリエチレンの焼結した微粒子であり,例えばChromex Corporation(Albuquerque, NM)の10-15マイクロンの多孔性ポリエチレンがある。これらの基板材料のすべては,フィルム,シート,またはプレート等の適した形態で使用することができ,または紙,ガラス,プラスチックフィルム,または布等の適当な不活性担体にコーティングされ,接着され,ラミネート加工されうる。固定担体上にペプチドを固定化するために適した方法は,イオン相互作用,疎水性相互作用,共有結合性相互作用等を含む。
アッセイ形式の1種において,1または複数のポリペプチドは固定担体または基板上にコーティングされうる。抗E.エウィンギ抗体またはその断片を含んでいると思われる検査試料は,検査試料中の抗体と固定担体のポリペプチドとの,またはE.エウィンギに特異的な抗体とコンジュゲートさせた指示薬の化合物と固定担体のポリペプチドとの抗原/抗体複合体が形成されるのに十分な条件下で,E.エウィンギに特異的な抗体または抗体断片とコンジュゲートさせたシグナルを発生させる化合物を含む指示薬とともに一定時間インキュベートされる。E.エウィンギ抗体とコンジュゲートさせた指示薬の固定担体への結合の減少は,定量的に測定することができる。確認済みのE.エウィンギ陰性の検査試料から生じるシグナルに比べて,シグナルの測定可能な減少は,検査試料中に抗E.エウィンギ抗体があることを示す。この種のアッセイは,検査試料中の抗E.エウィンギ抗体の量を定量することができる。
他の種のアッセイ形式において,本発明にかかる1または複数のポリペプチドは,担体または基板上にコーティングされる。本発明にかかるポリペプチドは,指示薬とコンジュゲートされており,検査試料に加えられる。この混合物は担体または基板に適用される。もしもE.エウィンギ抗体が検査試料中に存在するならば,それらは指示薬とコンジュゲートさせたポリペプチドおよび担体上に固定されたポリペプチドに結合する。次に,ポリペプチド/抗体/指示薬複合体が検出されうる。この種のアッセイは,検査試料中の抗E.エウィンギ抗体の量を定量することができる。
他の種のアッセイにおいて,本発明にかかる1または複数のポリペプチドは,担体または基板上にコーティングされる。検査試料は,担体または基板に適用され,インキュベートされる。試料からの結合していない化合物は,洗浄液による固定担体の洗浄により,洗い流される。もしもE.エウィンギ抗体が検査試料中に存在するならば,それらは固定担体上にコーティングされたポリペプチドに結合する。このポリペプチド/抗体複合体は,指示薬とコンジュゲートさせた種特異的二次抗体を用いて検出されうる。次に,ポリペプチド/抗体/抗種抗体指示薬の複合体が検出されうる。この種のアッセイは,検査試料中の抗E.エウィンギ抗体の量を定量することができる。
ポリペプチド/抗体の複合体またはポリペプチド/抗体/指示薬の複合体の形成は,放射測定,比色定量,蛍光定量,サイズ分離,または沈殿法により検出されうる。任意に,ポリペプチド/抗体複合体の検出は,シグナルを生成する化合物を含んでいる指示薬とコンジュゲートさせた二次抗体の添加により行われる。ポリペプチド/抗体複合体と結合した,シグナルを生成する化合物(標識)を含んでいる指示薬は,前述の方法を用いて検出することができ,これは,発色剤,酵素コンジュゲートなどの触媒,フルオレセインやローダミンなどの蛍光化合物,ジオキセタンやアクリジニウム,フェナントリジニウム,ルテニウム,ルミノールなどの化学発光化合物,放射活性元素,補助因子,阻害剤,磁性粒子等と同様に直接可視化する標識を含む。酵素コンジュゲートの例には,アルカリホスファターゼ,ホースラディッシュペルオキシダーゼ,ベータ−ガラクトシダーゼ等が含まれる。特定の標識の選択は決定的なものではないが,それ自体で,または1若しくは複数の追加の基質と組み合わせて,シグナルを生成することができる。
複合体の形成は,検査試料中に抗E.エウィンギ抗体が存在することを示す。それゆえ,本発明にかかる方法は,患者のE.エウィンギ感染を診断するために使用されうる。
本発明にかかる方法は,検査試料中の抗E.エウィンギ抗体の量または数量も示すことができる。酵素コンジュゲートなどの多くの指示薬を用いると,抗体の存在量は生成されるシグナルに比例する。検査試料の種類によって,適した緩衝液で希釈することができ,濃縮することができ,またはいかなる操作もなしで固定担体に接触させることができる。例えば,抗体の存在および/または量を決定するために,通常好ましくは,あらかじめ希釈された血清もしくは血漿試料,または尿などの濃縮試料を試験する。
本発明はさらに,検査試料中の抗E.エウィンギ抗体若しくは抗体断片,E.エウィンギ,またはE.エウィンギポリペプチドを検出するためのアッセイキット(例えば製品)を含む。キットは,本発明にかかる1または複数のポリペプチド,および検査試料中の抗E.エウィンギ抗体または抗体断片へのポリペプチドの結合を決定するための手段を含む。キットまたは製品は,本発明にかかる1もしくは複数の抗体または抗体断片,および検査試料中のE.エウィンギまたはE.エウィンギポリペプチドへの抗体または抗体断片の結合を決定するための手段を含むこともできる。キットは,本発明にかかる1若しくは複数のポリペプチドまたは抗体を含む装置,および1若しくは複数のポリペプチドまたは抗体を,例えば哺乳動物におけるE.エウィンギ感染の同定のために使用するための説明書を含むことができる。前記キットは,1若しくは複数のポリペプチドまたはキットの抗体が,E.エウィンギ感染の同定のために使用されうることを示すラベルを含むパッケージング材料も含むことができる。当業者に知られている,緩衝液,対照などの他の構成要素は,そのような検査キットに含まれうる。本発明にかかるポリペプチド,抗体,アッセイ,およびキットは,例えば,患者のE.エウィンギ感染の個々の症例の診断,ならびにE.エウィンギの発生の疫学的な調査において有用である。
本発明にかかるポリペプチドおよびアッセイは,他の生物とともにE.エウィンギの存在を検出するため,他のポリペプチドやアッセイと組み合わせることができる。例えば,本発明にかかるポリペプチドおよびアッセイは,フィラリア,および/またはボレリア・ブルグドルフェリ,および/またはアナプラズマ・ファゴサイトフィラ,および/またはエールリッヒアカニスを検出する試薬と組み合わせることができる。
E.エウィンギにより引き起こされる病気の処置,緩和,または予防の方法
本発明にかかるポリペプチド,ポリヌクレオチド,および抗体は,E.エウィンギにより引き起こされる病気の処置,緩和,または予防のために使用されうる。例えば,本発明にかかるモノクローナル抗体またはそれらの断片などの抗体は,ヒト等の動物に投与されうる。本発明の1つの実施態様において,抗体またはそれらの断片は,薬学的に許容しうる担体を含む医薬組成物中で動物に投与される。医薬組成物は,治療上有効量の抗体またはその断片を含む。治療上有効量とは,E.エウィンギ感染の症状を緩和する,または対象中のE.エウィンギ生物体の量が減少するのに効果的な量である。
本発明にかかるポリペプチドまたはポリヌクレオチドは,免疫原性の組成物中に存在してもよく,宿主における免疫反応を誘発するために使用されうる。免疫原性の組成物は,動物における免疫反応を誘導することができる。本発明にかかる免疫原性のポリペプチドまたはポリヌクレオチド組成物は,1つの結果としてE.エウィンギ感染の影響を緩和または予防する免疫反応が生じるように,動物の免疫系を感作するのに特に有用である。動物モデルにおける免疫反応の誘発は,例えば,至適投与量や投与経路等を決定するために有用となりうる。免疫反応の誘発は,E.エウィンギにより引き起こされる病気または感染を処置,予防,または緩和するためにも使用されうる。免疫反応は,体液性免疫反応若しくは細胞性免疫反応,またはそれらの組み合わせを含む。免疫反応は,例えばデフェンシンの産生を促進することにより,全身の宿主反応の促進を含むこともできる。
動物によるE.エウィンギに対する抗体価の生成は,感染からの防御および感染の排除において重要となりうる。ポリペプチドまたはポリヌクレオチドのデリバリー後の抗体価の検出および/または定量化は,抗体価の誘発に特に効果的なエピトープを同定するために使用されうる。E.エウィンギに対する強い抗体応答を担うエピトープは,種々の長さのE.エウィンギポリペプチドに対する抗体を誘発することにより同定されうる。次に,特定のポリペプチドエピトープにより誘発された抗体は,例えば,ELISAアッセイを用いてテストして,どのポリペプチドが強い応答の生成に最も効果的なエピトープを含んでいるかを決定することができる。次に,これらのエピトープまたはエピトープをコードするポリヌクレオチドを含むポリペプチドまたは融合タンパク質を構築し,使用して,強い抗体反応を誘発することができる。
本発明にかかるポリペプチド,ポリヌクレオチド,または抗体は,インビボで抗体を誘発するため,マウス,ウサギ,モルモット,マカク,ヒヒ,チンパンジー,ヒト,ウシ,ヒツジ,ブタ,ウマ,イヌ,ネコ等の哺乳動物,またはニワトリ,アヒル等の動物に投与されうる。ポリヌクレオチドの注入には,構成および修飾の単純性という実践上の利点がある。さらに,ポリヌクレオチドの注入は,結果的に宿主においてポリペプチドの合成をもたらす。したがって,ポリペプチドは,自然の翻訳後修飾,構造,およびコンフォメーションで宿主の免疫系に提示される。ポリヌクレオチドは,"裸のDNA"として対象にデリバリーしてもよい。
ポリヌクレオチド,ポリペプチド,または抗体の投与は,当該技術分野において知られる任意の手段により,例えば,筋肉内,静脈内,肺内,皮膚内,腹腔内,または皮下注射,エアロゾル,鼻腔内,注入ポンプ,座剤,粘膜,局所,および経口,例えば,生物学的弾道銃("遺伝子銃")を用いる注入により行うことができる。ポリヌクレオチド,ポリペプチド,または抗体は,経口投与用にタンパク質担体を伴うことができる。免疫応答を誘発するために,投与方法の組み合わせを用いることもできる。抗体は,約0.5mgから約200mgの1日投与量で投与することができる。本発明の1つの実施態様においては,抗体は,約20から約100mgの1日投与量で投与される。
医療用途で用いるための薬学的に許容しうる担体および希釈剤は当該技術分野においてよく知られており,例えば,Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.(A.R.Gennaroed.(1985))に記載されている。担体はそれ自体で宿主に対して有害な抗体の産生を誘導してはならない。そのような担体としては,限定されないが,大きなゆっくり代謝される高分子,例えばタンパク質,多糖類,例えば,ラテックス官能化SEPHAROSE(登録商標),アガロース,セルロース,セルロースビーズ等,ポリ乳酸,ポリグリコール酸,多量体アミノ酸,例えばポリグルタミン酸,ポリリジン等,アミノ酸コポリマー,ペプトイド,リピトイド,および不活性な無毒性のウイルス粒子または細菌細胞が挙げられる。リポソーム,ハイドロゲル,シクロデキストリン,生物分解性ナノカプセル,および生物接着性材料もまた,本発明の組成物のための担体として用いることができる。
本発明の組成物においては,薬学的に許容しうる塩,例えば,塩酸塩,臭化水素酸塩,リン酸塩,または硫酸塩などの無機塩,ならびに酢酸塩,プロピオン酸塩,マロン酸塩,または安息香酸塩などの有機酸の塩を用いることもできる。特に有用なタンパク質基質は,血清アルブミン,キーホールリンペットヘモシアニン,イムノグロブリン分子,チログロブリン,オバルブミン,破傷風トキソイド,および当業者に知られる他のタンパク質である。本発明の組成物はまた,液体または賦形剤,例えば,水,食塩水,リン酸緩衝化食塩水,リンゲル溶液,ハンクス溶液,グルコース,グリセロール,デキストロース,マロデキストリン,エタノール等を単独でまたは組み合わせて,ならびに湿潤剤,乳化剤,等張調節剤,界面活性剤,またはpH緩衝剤などの物質を含むことができる。追加の活性な薬剤,例えば殺菌剤を用いてもよい。
所望の場合には,リンパ球への免疫原の提示を促進する共刺激分子,例えばB7−1またはB7−2,またはサイトカイン,例えばMIP1α,GM−CSF,IL−2,およびIL−12を本発明の組成物に含めてもよい。任意に,アジュバントを組成物に含めてもよい。アジュバントとは,特異的免疫応答を非特異的に増加させるために用いることができる物質である。一般に,アジュバントおよび本発明のポリペプチドを免疫系に提示する前に混合するか,または別々に提示するが動物の同じ部位で提示する。アジュバントとしては,例えば,油性アジュバント(例えば,フロイント完全および不完全アジュバント),無機塩(例えば,Alk(SO;AlNa(SO,AlNH(SO),シリカ,Alum,Al(OH),およびCa(PO),ポリヌクレオチド(例えば,PolyicおよびポリAU酸),およびある種の天然物(例えば,Mycobacterium tuberculosisからのワックスD,ならびにCorynebacterium parvum,Bordetella pertussisおよびBrucella属のメンバーに見いだされる物質)が挙げられる。使用することができるアジュバントとしては,限定されないが,MF59−0,水酸化アルミニウム,N−アセチル−ムラミル−L−トレオニル−D−イソグルタミン(thr−MDP),N−アセチル−ノル−ムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン(CGP11637),nor−MDPと称される),N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル−L−アラニン−2−(1’−2’−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ヒドロキシホスホリルオキシ)−エチルアミン(CGP19835A,MTP−PEと称される),およびRIBI(細菌から抽出した3つの成分,すなわちモノホスホリルリピドA,トレハロースジミコレートおよび細胞壁骨格(MPL+TDM+CWS)を2%スクアレン/TWEEN(登録商標)80のエマルジョン中に含む)が挙げられる。
本発明の組成物は,摂取可能な錠剤,口腔内錠剤,トローチ,カプセル,エリキシル,懸濁液,シロップ,ウエハー,摂取可能な処方物,口腔洗浄液,歯磨剤に製剤することができる。そのような組成物および製剤中の本発明の1またはそれ以上のポリペプチド,ポリヌクレオチド,または抗体のパーセンテージは,単位重量の0.1%から60%まで様々でありうる。
ポリペプチド,ポリヌクレオチド,または抗体を投与することにより,動物において免疫応答を引き出すことができ,これは少なくとも1週間,1ヶ月,3ヶ月,6ヶ月,1年またはそれ以上持続する。任意に,最初の投与の1ヶ月,3ヶ月,6ヶ月,1年またはそれ以上の後に,ポリペプチド,ポリヌクレオチド,または抗体を1回またはそれ以上ブースター投与することにより,免疫応答を維持することができる。所望の場合には,共刺激分子またはアジュバントを,組成物の前に,後に,または一緒に投与することができる。
ポリペプチド,ポリヌクレオチド,抗体,またはそれらの組み合わせを含む本発明の組成物は,用いられる特定の組成物と適合した方法で,ELISA等により判定して免疫応答を引き起こすのに有効な量で投与する。例えば,ポリヌクレオチドは,哺乳動物,例えばヒヒ,チンパンジー,イヌ,またはヒトの筋肉内に,1ng/kg,10ng/kg,100ng/kg,1000ng/kg,0.001mg/kg,0.1mg/kg,または0.5mg/kgの投与量で注入することができる。ポリペプチドまたは抗体は,哺乳動物の筋肉内に,0.01,0.05,0.5,0.75,1.0,1.5,2.0,2.5,5または10mg/kgの投与量で注入することができる。
ポリペプチド,ポリヌクレオチド,または抗体,またはそれらの組み合わせは,E.エウィンギに感染していない動物に投与してもよく,E.エウィンギに感染した動物に投与してもよい。組成物中のポリヌクレオチド,ポリペプチド,または抗体の特定の用量は,多くの因子,例えば,限定されないが,組成物を投与する哺乳動物の種,年齢,性別,同時に行う治療,一般的健康状態,および組成物の投与モードによって異なる。本発明の組成物の有効量は,日常的な実験のみを用いて容易に決定することができる。
本明細書に例示的に記載されている発明は,本明細書に特定的に開示されていない任意の要素または限定なしでも適切に実施することができる。すなわち,例えば,本明細書における各例において,"・・・を含む","・・・から本質的になる"および"・・・からなる"との用語は,他の2つのいずれかと置き換えることができる。本明細書において用いられる用語および表現は,説明の用語として用いるものであり,限定ではない。そのような用語および表現の使用においては,示されかつ記載されている特徴またはその一部の等価物を排除することを意図するものではなく,特許請求の範囲に記載される本発明の範囲中で種々の変更が可能であることが理解される。すなわち,好ましい態様および任意の特徴により本発明を特定的に開示してきたが,当業者には本明細書に記載される概念の変更および変種が可能であり,そのような変更および変種も特許請求の範囲に定義される本発明の範囲内であると考えられることが理解されるべきである。
さらに,発明の特徴および観点がマーカッシュグループまたは他の代替グループの用語で記載されている場合,当業者は,本発明が,マーカッシュグループまたは他のグループの個々のメンバーまたはサブグループに関してもまた記載されていることを認識するであろう。
以下の記述は例示の目的のみのために提供され,上で広く説明した本発明の範囲を限定することを意図するものではない。本明細書の開示において引用されるすべての参考文献は,本明細書の一部としてここに引用する。
実施例1:抗動物種コンジュゲートを指示薬として用いた測定結果
3つのE.エウィンギ抗体陽性イヌ試料および3つのE.エウィンギ抗体陰性イヌ試料は,Sinclair Research(Columbia,MO)から入手した。陽性および陰性試料を,IDEXX Laboratory Services Reference LaboratoryのE.カニスIFAを用いて,E.カニス全細胞溶解物を抗原の起源として用いてエールリッヒア抗体について試験した。E.カニス抗体についての種特異的血清学的測定法においてその血液がE.カニスIFAに対して反応性でありE.カニス抗体に対して非反応性である動物は,E.カニス以外のエールリッヒア感染を有すると疑われた。次に,試料を,許諾を得たIDEXX SNAP(登録商標)3Dx(登録商標)試験を用いてE.カニスに対する抗体について調べ,E.カニス抗体については陰性であることがわかった。測定結果を表1に示す。
E.エウィンギ−抗体マイクロタイター−プレート系免疫測定法の結果は,配列番号1に示される合成ペプチドを用いて得られた。合成ペプチドをマイクロタイターウエルに固定化し,試験試料の希釈物をマイクロタイターウエルに加え,洗浄して未結合抗体を除去した。固定化したペプチドに結合した抗体は,抗動物種(この場合にはイヌ)抗体−ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRPO)コンジュゲートと反応させ,洗浄し,HRPO基質を加えることにより検出した。マイクロタイタープレートリーダーを用いて個々のマイクロタイターウエルの光学密度を測定した。結果を表Iに示す。
実施例2:E.エウィンギ合成ペプチド(配列番号1)コンジュゲートを指示薬として用いた測定結果
3つのE.エウィンギ抗体陽性イヌ試料および3つのE.エウィンギ抗体陰性イヌ試料は,Sinclair Researchから入手した。陽性および陰性試料は,IFAスライド用の抗原の起源としてE.カニス全細胞溶解物を用いて,IDEXX Laboratory Services Reference Laboratoryにより決定したE.カニスIFAタイターとともに提供された。
次に,IFA試料を,許諾されたIDEXX SNAP(登録商標)3Dx(登録商標)試験を用いてE.カニスに対する抗体について調べ,E.カニスに対する抗体について陰性であることがわかった。
E.エウィンギ−抗体マイクロタイター−プレート系免疫測定法の結果は,配列番号1に示される合成ペプチドを用いて得られた。合成ペプチドをマイクロタイターウエルに固定化し,指示薬(この場合にはホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRPO))とコンジュゲートした。コーティングしたマイクロタイターウエルに試験試料および免疫測定法ペプチド/指示薬を加え,インキュベートし,洗浄した。固定化したペプチドおよびペプチド/指示薬に結合した抗体をマイクロタイターウエルに固定化した。HRPO基質試薬を加えることによりこの複合体を検出した。マイクロタイタープレートリーダーを用いて個々のマイクロタイターウエルの光学密度を判定した。結果を表IIに示す。
Figure 2008530996

Claims (34)

  1. 配列番号3から本質的になる精製ポリペプチド。
  2. 精製ポリヌクレオチドが,配列番号1,配列番号2または配列番号4から本質的になる,請求項1記載の精製ポリペプチド。
  3. 精製ポリヌクレオチドが,配列番号1,配列番号2,配列番号3,配列番号4またはそれらの組み合わせから本質的になる,請求項1記載の精製ポリペプチド。
  4. 精製ポリヌクレオチドが多量体の形である,請求項1記載の精製ポリペプチド。
  5. さらに担体を含む,請求項1記載の精製ポリペプチド。
  6. 精製ポリヌクレオチドが,指示薬,アミノ酸スペーサー,アミノ酸リンカー,シグナル配列,伝達停止配列,膜貫通ドメイン,タンパク質精製リガンド,またはそれらの組み合わせに結合されている,請求項1記載の精製ポリペプチド。
  7. 精製ポリヌクレオチドが配列番号4である,請求項1記載の精製ポリペプチド。
  8. 配列番号1,配列番号2,配列番号3,配列番号4またはそれらの組み合わせのポリペプチドを含む精製融合ポリペプチド。
  9. ポリペプチドの少なくとも1つが多量体の形である,請求項8記載の精製融合タンパク質。
  10. 精製融合ポリペプチドが,指示薬,アミノ酸スペーサー,アミノ酸リンカー,シグナル配列,伝達停止配列,膜貫通ドメイン,タンパク質精製リガンドまたはそれらの組み合わせを含む,請求項8記載の精製融合タンパク質。
  11. 請求項3記載の精製ポリペプチドをコードする精製ポリヌクレオチド。
  12. 請求項8記載の精製融合ポリペプチドをコードする精製ポリヌクレオチド。
  13. E.エウィンギまたはE.エウィンギポリペプチドに特異的に結合する抗体を検出する方法であって,
    (a)配列番号1,配列番号2,配列番号3,配列番号4またはそれらの組み合わせから本質的になる精製ポリペプチドを,ポリペプチド/抗体複合体の形成を可能とする条件下で,E.エウィンギに特異的な抗体を含むと疑われる試験試料と接触させ;そして
    (b)ポリペプチド/抗体複合体を検出する;
    ことを含み,ここで,ポリペプチド/抗体複合体が検出されることは,試験試料中にE.エウィンギに特異的な抗体が存在することを示し,およびポリペプチド/抗体複合体が存在しないことは,E.エウィンギに特異的な抗体が試験試料中に存在しないことを示す,
    ことを特徴とする方法。
  14. さらに,(b)を実施する前に,(a)の複合体を指示薬と接触させることを含む,請求項13記載の方法。
  15. 抗体が抗体の断片である,請求項14記載の方法。
  16. 試験試料中の抗体の量が測定される,請求項13記載の方法。
  17. ポリペプチドが基板に結合されている,請求項13記載の方法。
  18. ポリペプチドが指示薬に結合されている,請求項13記載の方法。
  19. 指示薬がホースラディッシュペルオキシダーゼを含む,請求項18記載の方法。
  20. ポリペプチドが多量体の形である,請求項13記載の方法。
  21. ポリペプチドが,配列番号1,配列番号2,配列番号3,配列番号4またはそれらの組み合わせを含む融合タンパク質である,請求項13記載の方法。
  22. ポリペプチドの少なくとも1つが多量体の形である,請求項21記載の方法。
  23. 試験試料が,哺乳動物から得られた生物学的試料を含む,請求項13記載の方法。
  24. 哺乳動物が,ヒト,ネコ,ウマ,およびイヌからなる群より選択される,請求項23記載の方法。
  25. 該方法が,マイクロタイタープレート測定法,逆層クロマトグラフィー結合測定法,酵素結合免疫測定法,放射性免疫測定法,赤血球凝集測定法,ウエスタンブロット測定法,蛍光偏光免疫測定法,および間接免疫蛍光法からなる測定法の群より選択される測定法を含む,請求項13記載の方法。
  26. ポリペプチド/抗体複合体が,標識された抗動物種抗体を用いて検出される,請求項13記載の方法。
  27. 哺乳動物においてE.エウィンギ感染を検出する方法であって,
    (a)E.エウィンギ感染を有すると疑われる哺乳動物から生物学的試料を取得し;
    (b)c配列番号1,配列番号2,配列番号3,配列番号4またはそれらの組み合わせを含む精製ポリペプチドを,ポリペプチド/抗体複合体が形成しうる条件下で,生物学的試料と接触させ;
    (c)ポリペプチド/抗体複合体を検出する;
    ことを含み,ここで,ポリペプチド/抗体複合体が検出されることは,哺乳動物がE.エウィンギ感染を有することを示し,およびポリペプチド/抗体複合体が存在しないことは,哺乳動物がE.エウィンギ感染を有しないことを示す,ことを特徴とする方法。
  28. さらに,(c)を実施する前に,(b)のポリペプチド/抗体複合体を,測定可能なシグナルを生成する指示薬と接触させることを含む,請求項27記載の方法。
  29. 哺乳動物が,ヒト,ネコ,ウマ,およびイヌからなる群より選択される,請求項27記載の方法。
  30. E.エウィンギポリペプチドの少なくとも1つのエピトープに特異的に結合する抗体であって,前記ポリペプチドは配列番号1,配列番号2,配列番号3または配列番号4であることを特徴とする抗体。
  31. 抗体が,モノクローナル抗体,ポリクローナル抗体または抗体断片である,請求項30記載の抗体。
  32. 試料中のE.エウィンギポリペプチドまたはE.エウィンギを検出する方法であって,
    (b)E.エウィンギポリペプチドの少なくとも1つのエピトープに特異的に結合する1またはそれ以上の抗体を,ポリペプチド/抗体複合体が形成しうる条件下で試料と接触させ,ここで,前記ポリペプチドは,配列番号1,配列番号2,配列番号3,または配列番号4を含み,
    (c)ポリペプチド/抗体複合体を検出する;
    ことを含み,ここで,ポリペプチド/抗体複合体が検出されることは,E.エウィンギまたはE.エウィンギポリペプチドが試料中に存在することを示し,およびポリペプチド/抗体複合体が存在しないことは,E.エウィンギまたはE.エウィンギポリペプチドが試料中に存在しないことを示す,
    ことを特徴とする方法。
  33. 1またはそれ以上の抗体が,モノクローナル抗体,ポリクローナル抗体,または抗体断片である,請求項32記載の方法。
  34. 試料が血清,全血,尿,または唾液である,請求項32記載の方法。
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