JP2017515103A - エーリキア属の種を同定するための組成物及び方法 - Google Patents

エーリキア属の種を同定するための組成物及び方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、エーリキア属抗原と結合する抗体を検出する、及び/または、特定のエーリキア属の種を他のものと区別するのに有用な方法、キット、組成物、及び装置を提供する。特に、本発明は、単離されたペプチドの集団を用いてエーリキア属の種を同定するのに有用な方法及びキットを提供する。【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本願は、2014年4月4日出願の米国特許仮出願第61/975,581号の利益を主張するものであり、この出願は、その全体が参照により本明細書中に組み込まれる。
電子出願されるテキストファイルの説明
電子出願されたテキストファイルの内容は、その全体が参照により本明細書中に組み込まれる:配列表のコンピューターで読み取り可能な形式のコピー(ファイル名:ABAX_043_01WO_SeqList_ST25.txt、記録日:2015年4月1日、ファイルサイズ86キロバイト)。
発明の分野
本発明は、広義には、細菌感染を検出し、細菌種を同定するための組成物及び方法に関する。特に、本発明は、細菌抗原(例えば、エーリキア属の種由来の抗原)に対する抗体を検出するためのペプチド組成物、方法、及びキットに関する。
発明の背景
エーリキア属細菌は、哺乳類宿主中の循環リンパ球に感染する偏性細胞内病原体である。エーリキア属伝染の最も自然な流行は、種々の媒介ダニを介してである。エーリキア・カニス(Ehrlichia canis)(E.カニス)及びエーリキア・シャフェンシス(Ehrlichia chaffeensis)(E.シャフェンシス)は、イヌ科動物及びヒトに感染するエーリキア属の同じ亜属群のメンバーであり、イヌ科動物の単球エーリキア症(CME)及びヒト単球エーリキア症(HME)をそれぞれ引き起こす。エーリキア・エウィンギ(Ehrlichia ewingii)(E.エウィンギ)として知られるエーリキア属の別の種は、顆粒球に対する指向性を有し、顆粒球エーリキア症を引き起こす。イヌ科動物の疾患は、発熱、癲癇、協調運動不能、けん怠感、出血症状、リンパ節膨張、体重減少、及び汎血球減少症によって特徴付けられる。ヒトにおいて、該疾患は、発熱、頭痛、筋肉痛、及び白血球減少によって特徴付けられる。
間接免疫蛍光測定法(IFA)及び酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)は、一般に、これらの疾患の診断に使用されている。これらのアッセイは、対象の血液、血漿、または血清由来の抗エーリキア抗体の、感染細胞、細胞溶解物、または部分的に精製された全エーリキアタンパク質への結合を測定あるいは検出する。しかしながら、抗エーリキア抗体またはその断片を検出するための現在公知のアッセイは、これらの試験で用いられるエーリキア抗原の純粋でない性質に直接関係する感度及び特異性の問題のために有用性が著しく制限される。
エーリキア属の異なる種に属する細菌によって引き起こされる疾患は現れる症状が異なり、別々の管理ルーチンを必要とする(Thomas, R.Jら.; Expert Rev Anti Infect Ther. 2009 August; 7(6): 709−722(非特許文献1))。そのため、特定の感染を引き起こすエーリキア属の種を同定することが重要である。現在公知のイムノアッセイは、種特異的ではない多くの全エーリキア抗原または抗原の混合物を使用する。エーリキア属の種の同定に有用であり得るPCR法は、ダニが回収された場合、及び/または、宿主由来の組織を感染後すぐに試験した場合にしか使用できない。さらに、感染部位から細菌の培養(エーリキア属の種の同定に有用であり得る別の方法)は、技術的に複雑なだけでなく、新たに感染した組織を必要とする。加えて、E.エウィンギ種の培養方法はまだ開発されていない。
従って、エーリキア抗原を検出し、単球エーリキア症及び顆粒球エーリキア症を血清診断するためのさらなるアッセイが、当該技術分野では依然として必要とされている。特に、エーリキア属の種を同定するアッセイ、特に、様々な状況、及び新たに感染した組織からの単離を要しない試料を含む種々の試料において使用することができるアッセイが、依然として必要とされている。本発明は、様々な種類のエーリキア属感染の診断、種同定、及び治療を容易にする方法、組成物、及びキットを提供する。
Thomas, R.Jら.; Expert Rev Anti Infect Ther. 2009 August; 7(6): 709−722
本発明は、部分的には、エーリキアペプチドまたはそれらの変異体の特定の混合物または集団が、特定のエーリキア属の種由来の抗原によって誘発された抗体に優先的な結合親和性を有するという発見に基づいている。発明者らは、これらのペプチド混合物または集団の特定の組み合わせが、抗体反応を誘発するエーリキア属の種の同定に使用できることを見出した。従って、本発明は、存在する場合に対象に感染しているエーリキア属の種を同定するための方法を提供する。
特定の実施形態において、対象に感染しているエーリキア属の種の同定方法は、
対象由来の試料を単離されたペプチドの第1集団に接触させる段階と;
抗体と第1集団における1つまたは複数のペプチドとを含む第1の複合体セットの形成を検出する段階と;
前記試料を単離されたペプチドの第2集団に接触させる段階と;
抗体と第2集団における1つまたは複数のペプチドとを含む第2の複合体セットの形成を検出する段階とを含み、ここで、第1及び第2の複合体セットの両方の形成は、対象がE.エウィンギに感染していることを示し、第2の複合体セットではなく第1の複合体セットの形成は、対象がE.カニス及び/またはE.シャフェンシスに感染していることを示す。いくつかの実施形態において、単離されたペプチドの第1集団は、少なくとも3つの異なるペプチドを含み、各々のペプチドは、
Figure 2017515103
の配列またはその断片を含み、ここで、Xは、A及びVからなる群から選択されるアミノ酸であり、Xは、E及びDからなる群から選択されるアミノ酸であり、Xは、T及びPからなる群から選択されるアミノ酸であり、X10は、T及びVからなる群から選択されるアミノ酸であり、X11は、G及びAからなる群から選択されるアミノ酸であり、X12は、L及びVからなる群から選択されるアミノ酸であり、X13は、Y及びFからなる群から選択されるアミノ酸であり、X18は、D及びNからなる群から選択されるアミノ酸であり、X20は、D及びNからなる群から選択されるアミノ酸であり、X22は、S及びVからなる群から選択されるアミノ酸であり、X23は、A、S、及びTからなる群から選択されるアミノ酸であり、X24は、A及びIからなる群から選択されるアミノ酸であり、X25は、T及びPからなる群から選択されるアミノ酸であり、X26は、S、N、及びKからなる群から選択されるアミノ酸であり、X39は、任意のアミノ酸であり、X44は、任意のアミノ酸であり、X49は、任意のアミノ酸であり、X56は、任意のアミノ酸であり、並びにX58は、任意のアミノ酸である。関連する実施形態において、単離されたペプチドの第2集団は、少なくとも3つの異なるペプチドを含み、各々のペプチドは、
Figure 2017515103
の配列またはその断片を含み、ここで、Xは、任意のアミノ酸であり、X12は、任意のアミノ酸であり、X17は、任意のアミノ酸であり、X24は、任意のアミノ酸であり、及びX26は、任意のアミノ酸である。
特定の他の実施形態において、本方法は、
対象由来の試料を本明細書に記載の単離されたペプチドの第1集団に接触させる段階と;
抗体と前記第1集団における1つまたは複数のペプチドとを含む第1の複合体セットの形成を検出する段階と;
前記試料を単離されたペプチドの第3集団に接触させる段階と;
抗体と第3集団における1つまたは複数のペプチドとを含む第3の複合体セットの形成を検出する段階とを含み、ここで、第1及び第3の抗体−ペプチド複合体セットの両方の形成は、対象がE.カニス及び/またはE.シャフェンシスに感染していることを示し、第3の抗体−ペプチド複合体セットではなく第1の抗体−ペプチド複合体セットの形成は、対象がE.エウィンギに感染していることを示す。特定の実施形態において、単離されたペプチドの第3集団は、少なくとも3つの異なるペプチドを含み、各々のペプチドは、
Figure 2017515103
の配列またはその断片を含み、ここで、Xは、A及びVからなる群から選択されるアミノ酸であり、Xは、E及びDからなる群から選択されるアミノ酸であり、Xは、T及びPからなる群から選択されるアミノ酸であり、X10は、T及びVからなる群から選択されるアミノ酸であり、X11は、G及びAからなる群から選択されるアミノ酸であり、X12は、L及びVからなる群から選択されるアミノ酸であり、X13は、Y及びFからなる群から選択されるアミノ酸であり、X18は、D及びNからなる群から選択されるアミノ酸であり、X20は、D及びNからなる群から選択されるアミノ酸であり、X22は、S及びVからなる群から選択されるアミノ酸であり、X23は、A、S、及びTからなる群から選択されるアミノ酸であり、X24は、A及びIからなる群から選択されるアミノ酸であり、X25は、T及びPからなる群から選択されるアミノ酸であり、X26は、S、N、及びKからなる群から選択されるアミノ酸であり、X39は、任意のアミノ酸であり、X41は、D及びNからなる群から選択されるアミノ酸であり、X44は、任意のアミノ酸であり、X48は、V及びAからなる群から選択されるアミノ酸であり、X49は、任意のアミノ酸であり、X56は、任意のアミノ酸であり、並びにX58は、任意のアミノ酸である。
特定の実施形態において、本方法は、
対象由来の試料を本明細書に記載の単離されたペプチドの第1集団に接触させる段階と;
抗体と第1集団における1つまたは複数のペプチドとを含む第1の複合体セットの形成を検出する段階と;
前記試料を本明細書に記載の単離されたペプチドの第2集団に接触させる段階と;
抗体と第2集団における1つまたは複数のペプチドとを含む第2の複合体セットの形成を検出する段階と;
前記試料を本明細書に記載の単離されたペプチドの第3集団に接触させる段階と;
抗体と第3集団における1つまたは複数のペプチドとを含む第3の複合体セットの形成を検出する段階とを含み、ここで、第3の複合体セットではなく第1及び第2の複合体セットの両方の形成は、対象がE.エウィンギに感染していることを示し、第2の複合体セットではなく第1及び第3の複合体セットの両方の形成は、対象がE.カニス及び/またはE.シャフェンシスに感染していることを示す。
本方法のいくつかの実施形態において、ペプチドの第1集団における1つまたは複数のペプチドは、配列番号1の断片を含む。配列番号1の断片は、配列番号1に由来する少なくとも20、25、30、35、または40個の連続したアミノ酸を含み得る。特定の実施形態において、配列番号1の断片は、配列番号1のアミノ酸33〜71を含む。特定の実施形態において、第1集団における各ペプチドは、配列番号1の配列を含む。
本方法の特定の他の実施形態において、ペプチドの第2集団における1つまたは複数のペプチドは、配列番号2の断片を含む。配列番号2の断片は、配列番号2に由来する少なくとも15、20、25、30、または35個の連続したアミノ酸を含み得る。いくつかの実施形態において、第2集団における各ペプチドは、配列番号2の配列を含む。
本方法の他の実施形態において、ペプチドの第3集団における1つまたは複数のペプチドは、配列番号3の断片を含む。配列番号3の断片は、配列番号3に由来する少なくとも20、25、30、35、または40個の連続したアミノ酸を含み得る。特定の実施形態において、配列番号3の断片は、配列番号3のアミノ酸33〜71を含む。特定の実施形態において、第3集団における各ペプチドは、配列番号3の配列を含む。
本方法のいくつかの実施形態において、感染種がE.カニスまたはE.シャフェンシスであるかどうか判断するために、試料を少なくとも1つのアッセイでさらに分析する。
特定の実施形態において、本明細書に記載の方法のいずれかにおける検出段階のうちの少なくとも1つは、(i)ELISAアッセイを実施すること;(ii)ラテラルフローアッセイを実行すること;(iii)凝集アッセイを実施すること;(iv)ウェスタンブロット、スロットブロット、もしくはドットブロットアッセイを実施すること;(v)波長シフトアッセイを実施すること;(vi)分析もしくは遠心ローターで前記試料を処理すること;または(vii)マイクロアレイアッセイを実行することを含み得る。いくつかの実施形態において、検出段階の1つまたは複数は、分析または遠心ローターで試料をスピンさせることを含む。他の実施形態において、検出段階の1つまたは複数は、試料を電気化学的センサー、光学的センサー、化学発光センサー、または光電式センサーで分析することを含む。特定の実施形態において、検出段階の1つまたは複数は、ELISAアッセイまたはラテラルフローアッセイを実施することを含む。
本方法の特定の実施形態は、検出結果を報告する段階をさらに含む。報告は、電子、書面、または口頭で行ってもよい。コンピューターなどの機械を介して行ってもよい。
別の態様において、本発明は、エーリキア抗原と結合する抗体を検出するための、及び/または、対象に感染しているエーリキア属の種を同定するためのキットを提供する。特定の実施形態において、キットは、本明細書に記載の本発明のペプチドの1つ、2つ、または3つの異なる集団を含む。特定の実施形態において、キットは、生物試料中のエーリキア属の種を同定するために該ペプチド集団を使用するための使用説明書をさらに含む。いくつかの実施形態において、キットは、1つまたは複数の標識試薬をさらに含む。
本発明の本方法またはキットの特定の実施形態において、単離されたペプチドの集団におけるペプチドを、固体支持体に付着させるかまたは固体支持体上に固定化する。
本発明のさらなる態様及び実施形態は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
エーリキア属の種の同定方法の実施形態の図である。略語「EAL」は、ペプチド集団EE13(配列番号2)を用いたELISAアッセイのELISAスコアを表し、「CAL」は、ペプチド集団EE12EW1(配列番号3)を用いたELISAアッセイのELISAスコアを表す。この実施形態において、全血試料は、本明細書に記載のペプチドの第1集団を含むペプチド集団ECHEW1(配列番号1)を用いて、ELISAアッセイ、ELISA ECHEW1で試験する。ELISA ECHEW1の結果が陽性である場合、試料は次いで、本明細書に記載のペプチドの第2集団を含むペプチド集団EE13を用いて、別のELISAアッセイ、ELISA EE13を受け、本明細書に記載のペプチドの第3集団を含むペプチド集団EE12EWを用いて、さらに別のELISAアッセイ、ELISA EE12EWを受ける。ELISA EE12EWの陰性結果と組み合わせたELISA EE13の陽性結果、またはCALよりも高いEALは、試料がE.エウィンギに感染していることを示す。ELISA EE13の陰性結果と組み合わせたELISA EE12EWの陽性結果、またはEALよりも高いCALは、試料がE.カニス及び/またはE.シャフェンシスに感染していることを示す。試料がE.カニス及び/またはE.シャフェンシスに感染していると同定される場合、試料は次いで、別のアッセイ、この例では、E.カニスまたはE.シャフェンシスのIFAアッセイを同時または非同時に受けて、試料がE.カニスまたはE.シャフェンシスに感染しているかどうかを判断する。 示されたエーリキア属の種に感染しているイヌから様々な回数で採取した血漿試料の抗エーリキア抗体スコアのグラフ図である。イヌは、種々のエーリキア属の種に実験的に感染させ、血漿試料を、グラフで示したように感染後の様々な日に採取した。3つのペプチド集団であるECHEW1、EE12EW、及びEE13の各々を用いて、試料にELISAアッセイを実施した。左上及び左下のパネルは、E.カニスに感染している2匹のイヌから別々に採取した試料の結果を示す。右上のパネルは、E.シャフェンシスに感染しているイヌから採取した試料の結果を示す。抗体スコアは、本明細書に記載の方法を用いて算出した。
詳細な説明
本明細書中で用いられる場合、以下の用語は以下の意味を有する:
「抗原」という用語は、本明細書中で用いられる場合、抗体によって認識され得る分子を指す。抗原は、例えば、ペプチドまたはその修飾形態であり得る。抗原は、1つまたは複数のエピトープを含み得る。
「エピトープ」という用語は、本明細書中で用いられる場合、抗体によって特異的に認識される抗原の一部である。エピトープは、例えば、ペプチド(例えば、本発明のペプチド)の一部を含み得るか、またはペプチドの一部から構成され得る。エピトープは、直線状エピトープ、連続エピトープ、または立体構造エピトープであり得る。特定の実施形態において、エピトープは、非連続領域を含み得る。
「OMP−1タンパク質」という用語は、限定はされないが、E.カニスP−30、E.カニスP30−1、E.シャフェンシスP28、E.シャフェンシスOMP−1C、E.シャフェンシスOMP−1D、E.シャフェンシスOMP−1E、及びE.シャフェンシスOMP−1Fを含む、エーリキア属の外膜タンパク質1パラログのうちのいずれかを指す。
「MSP4タンパク質」という用語は、限定はされないが、E.カニスMSP4、P30−5、及びP28−1を含む、エーリキア属の表面抗原MSP4ファミリーのいずれかのメンバーを指す。OMP及びMSPは、アレル変異体である。
「核酸」、「オリゴヌクレオチド」及び「ポリヌクレオチド」という用語は、本明細書中で交換可能に用いられ、DNA、RNA、cDNA(1本鎖であるかまたは2本鎖であるかによらない)、並びにそれらの化学修飾物を包含する。
本明細書中で用いられる一文字アミノ酸略語は、当該技術分野でのそれらの標準的な意味を有し、本明細書中で記載する全てのペプチド配列を、慣例に従って、N末端を左手に、そしてC末端を右手に記載する。
「スコア」という用語は、本明細書中で用いられる場合、アッセイ結果の相対値、レベル、強度、または程度を指す。当業者によって、またはアルゴリズムを用いて、時には、公知の被分析物、例えば、抗原または抗体とともに試料を用いて、場合によっては、公知の濃度または力価の公知の被分析物とともに試料を用いて、人工的に作成することができる。スコアは、当業者によって手動で割り当てられたかまたは式もしくはアルゴリズムで生成された数であってよい。スコアは、符号、例えば、「−」、「+」、または「++」であってもよい。スコアは、式またはアルゴリズムによる計算から生成することができ、または、アッセイ結果の目視検査、測定、もしくは推定によって割り当てることができる。公知の濃度または力価の公知の被分析物とともに試料を用いる場合、そのような試料は、希釈及び未希釈条件下で分析することができ、スコアの範囲またはスコアの標準曲線を生成することができ、これを用いて、好ましくは同じアッセイで、同じ被分析物について分析した未知の試料のスコアを割り当てるかまたは推定することができる。
更なる用語は、必要に応じて、以下の詳細な説明で定義する。
本発明は、部分的には、エーリキアペプチドまたはそれらの変異体の特定の混合物または集団が、特定のエーリキア属の種由来の抗原によって誘発された抗体に優先的な結合親和性を有するという発見に基づいている。発明者らは、これらのペプチド混合物または集団の特定の組み合わせが、抗体反応を誘発するエーリキア属の種の同定に使用できることを見つけた。従って、本発明は、存在する場合に対象に感染しているエーリキア属の種を同定するための方法を提供する。
特定の実施形態において、存在する場合に対象に感染しているエーリキア属の種を同定するための方法は、
対象由来の試料を単離されたペプチドの第1集団に接触させる段階と;
抗体と第1集団における1つまたは複数のペプチドとを含む第1の複合体セットの形成を検出する段階と;
前記試料を本明細書に記載の単離されたペプチドの第2集団に接触させる段階と;
抗体と第2集団における1つまたは複数のペプチドとを含む第2の複合体セットの形成を検出する段階とを含み、ここで、第1及び第2の複合体セットの両方の形成は、対象がE.エウィンギに感染していることを示し、第2の複合体セットではなく第1の複合体セットの形成は、対象がE.カニス及び/またはE.シャフェンシスに感染していることを示す。
他の実施形態において、存在する場合に対象に感染しているエーリキア属の種を同定するための方法は、
対象由来の試料を本明細書に記載の単離されたペプチドの第1集団に接触させる段階と;
抗体と第1集団における1つまたは複数のペプチドとを含む第1の複合体セットの形成を検出する段階と;
前記試料を本明細書に記載の単離されたペプチドの第3集団に接触させる段階と;
抗体と第3集団における1つまたは複数のペプチドとを含む第3の複合体セットの形成を検出する段階とを含み、ここで、第1及び第3の抗体−ペプチド複合体セットの両方の形成は、対象がE.カニス及び/またはE.シャフェンシスに感染していることを示し、第3の抗体−ペプチド複合体セットではなく第1の抗体−ペプチド複合体セットの形成は、対象がE.エウィンギに感染していることを示す。
さらに他の実施形態において、存在する場合に対象に感染しているエーリキア属の種を同定するための方法は、
対象由来の試料を本明細書に記載の単離されたペプチドの第1集団に接触させる段階と;
抗体と第1集団における1つまたは複数のペプチドとを含む第1の複合体セットの形成を検出する段階と;
前記試料を本明細書に記載の単離されたペプチドの第2集団に接触させる段階と;
抗体と第2集団における1つまたは複数のペプチドとを含む第2の複合体セットの形成を検出する段階と;
前記試料を本明細書に記載の単離されたペプチドの第3集団に接触させる段階と;
抗体と第3集団における1つまたは複数のペプチドとを含む第3の複合体セットの形成を検出する段階とを含み、ここで、第3の複合体セットではなく第1及び第2の複合体セットの両方の形成は、対象がE.エウィンギに感染していることを示し、第2の複合体セットではなく第1及び第3の複合体セットの両方の形成は、対象がE.カニス及び/またはE.シャフェンシスに感染していることを示す。
本発明の方法の特定の実施形態において、単離されたペプチドの第1集団は、E.カニス、E.シャフェンシス、及びE.エウィンギを含む複数のエーリキア属の種由来の抗原に対する抗体に特異的に結合することができる。特定の実施形態において、単離されたペプチドの第1集団は、少なくとも3つの異なるペプチドを含み、各々のペプチドは、
Figure 2017515103
の配列またはその断片を含み、ここで、Xは、A及びVからなる群から選択されるアミノ酸であり、Xは、E及びDからなる群から選択されるアミノ酸であり、Xは、T及びPからなる群から選択されるアミノ酸であり、X10は、T及びVからなる群から選択されるアミノ酸であり、X11は、G及びAからなる群から選択されるアミノ酸であり、X12は、L及びVからなる群から選択されるアミノ酸であり、X13は、Y及びFからなる群から選択されるアミノ酸であり、X18は、D及びNからなる群から選択されるアミノ酸であり、X20は、D及びNからなる群から選択されるアミノ酸であり、X22は、S及びVからなる群から選択されるアミノ酸であり、X23は、A、S、及びTからなる群から選択されるアミノ酸であり、X24は、A及びIからなる群から選択されるアミノ酸であり、X25は、T及びPからなる群から選択されるアミノ酸であり、X26は、S、N、及びKからなる群から選択されるアミノ酸であり、X39は、任意のアミノ酸であり、X44は、任意のアミノ酸であり、X49は、任意のアミノ酸であり、X56は、任意のアミノ酸であり、並びにX58は、任意のアミノ酸である。
特定の実施形態において、配列番号1におけるX39は、Kである。いくつかの実施形態において、配列番号1におけるX44は、KもしくはRであり、及び/または配列番号1におけるX49は、EもしくはDである。特定の実施形態において、配列番号1におけるX56は、KもしくはQであり、及び/または配列番号1におけるX58は、EもしくはTである。
特定の他の実施形態において、配列番号1の断片は、配列番号1に由来する少なくとも20、25、30、35、または40個の連続したアミノ酸を含む。特定の実施形態において、配列番号1の断片は、配列番号1のアミノ酸33〜71を含む。特定の実施形態において、第1集団における各ペプチドは、配列番号1の配列を含む。
いくつかの実施形態において、単離されたペプチドの第1集団は、
Figure 2017515103
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からなる群から選択される少なくとも1つの配列またはその断片を含む。
いくつかの実施形態において、単離されたペプチドの第1集団は、配列番号4〜51からなる群から選択される少なくとも2つまたは3つの異なる配列またはその断片を含む。
本方法の特定の実施形態において、単離されたペプチドの第2集団は、E.エウィンギ由来の抗原に対する抗体に特異的または優先的に結合することができる。いくつかの実施形態において、単離されたペプチドの第2集団は、E.カニスまたはE.シャフェンシス由来の抗原に対する抗体に結合しないかまたは最小限に結合する。特定の実施形態において、単離されたペプチドの第2集団は、少なくとも3つの異なるペプチドを含み、各々のペプチドは、
Figure 2017515103
の配列またはその断片を含み、ここで、Xは、任意のアミノ酸であり、X12は、任意のアミノ酸であり、X17は、任意のアミノ酸であり、X24は、任意のアミノ酸であり、及びX26は、任意のアミノ酸である。
単離されたペプチドの第2集団の特定の実施形態において、配列番号2におけるXは、Kである。いくつかの実施形態において、配列番号2におけるX12は、KもしくはRであり、及び/または配列番号2におけるX17は、EもしくはDである。特定の実施形態において、配列番号2におけるX24は、KもしくはQであり、及び/または配列番号2におけるX26は、EもしくはTである。
特定の他の実施形態において、配列番号2の断片は、配列番号2に由来する少なくとも15、20、25、30、または35個の連続したアミノ酸を含む。いくつかの実施形態において、第2集団における各ペプチドは、配列番号2の配列を含む。
特定の実施形態において、単離されたペプチドの第2集団は、
Figure 2017515103
からなる群から選択される少なくとも1つの配列またはその断片を含む。
いくつかの実施形態において、単離されたペプチドの第2集団は、配列番号52〜66からなる群から選択される少なくとも2つまたは3つの異なる配列またはその断片を含む。
本方法のさらに他の実施形態において、単離されたペプチドの第3集団は、E.カニス及びE.シャフェンシス由来の抗原に対する抗体に特異的または優先的に結合することができる。いくつかの実施形態において、単離されたペプチドの第3集団は、E.エウィンギ由来の抗原に対する抗体に結合しないかまたは最小限に結合する。いくつかの実施形態において、単離されたペプチドの第3集団は、少なくとも3つの異なるペプチドを含み、各々のペプチドは、
Figure 2017515103
の配列またはその断片を含み、ここで、Xは、A及びVからなる群から選択されるアミノ酸であり、Xは、E及びDからなる群から選択されるアミノ酸であり、Xは、T及びPからなる群から選択されるアミノ酸であり、X10は、T及びVからなる群から選択されるアミノ酸であり、X11は、G及びAからなる群から選択されるアミノ酸であり、X12は、L及びVからなる群から選択されるアミノ酸であり、X13は、Y及びFからなる群から選択されるアミノ酸であり、X18は、D及びNからなる群から選択されるアミノ酸であり、X20は、D及びNからなる群から選択されるアミノ酸であり、X22は、S及びVからなる群から選択されるアミノ酸であり、X23は、A、S、及びTからなる群から選択されるアミノ酸であり、X24は、A及びIからなる群から選択されるアミノ酸であり、X25は、T及びPからなる群から選択されるアミノ酸であり、X26は、S、N、及びKからなる群から選択されるアミノ酸であり、X39は、任意のアミノ酸であり、X41は、D及びNからなる群から選択されるアミノ酸であり、X44は、任意のアミノ酸であり、X48は、V及びAからなる群から選択されるアミノ酸であり、X49は、任意のアミノ酸であり、X56は、任意のアミノ酸であり、並びにX58は、任意のアミノ酸である。
単離されたペプチドの第3集団の特定の実施形態において、配列番号3におけるX39は、Kである。特定の実施形態において、配列番号3におけるX44は、KもしくはRであり、及び/または配列番号3におけるX49は、EもしくはDである。特定の実施形態において、配列番号3におけるX56は、KもしくはQであり、及び/または配列番号3におけるX58は、EもしくはTである。
特定の他の実施形態において、配列番号3の断片は、配列番号3に由来する少なくとも20、25、30、35、または40個の連続したアミノ酸を含む。特定の実施形態において、配列番号3の断片は、配列番号3のアミノ酸33〜71を含む。特定の実施形態において、第3集団における各ペプチドは、配列番号3の配列を含む。
特定の実施形態において、単離されたペプチドの第3集団は、
Figure 2017515103
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Figure 2017515103
Figure 2017515103
Figure 2017515103
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からなる群から選択される少なくとも1つの配列またはその断片を含む。
いくつかの実施形態において、単離されたペプチドの第3集団は、配列番号67〜120からなる群から選択される少なくとも2つまたは3つの異なる配列またはその断片を含む。
特定の実施形態において、本方法で用いる単離されたペプチドの集団は、本明細書に記載のペプチド配列の断片を含む。例えば、特定の実施形態において、単離されたペプチドの集団は、配列番号1〜120からなる群から選択される配列の断片を含む。断片は、例えば、少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、または44アミノ酸の長さであり得る。断片は、連続的であり得るか、または1つまたは複数の欠失(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上のアミノ酸残基の欠失)を含み得る。いくつかの実施形態において、断片は、配列番号1〜120からなる群から選択される配列のアミノ酸1〜26を含む。他の実施形態において、断片は、配列番号1、3、4〜51、及び67〜120からなる群から選択される配列のアミノ酸33〜71を含む。特定の実施形態において、断片は、配列番号1〜120からなる群から選択されるペプチド配列のエピトープを含む。
いくつかの実施形態において、本方法で用いるペプチドの第1及び/または第3集団におけるペプチドの1つまたは複数は、71、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、400、500、600、700、800、900、1000、1200、1500、または2000アミノ酸未満の長さである。特定の実施形態において、ペプチドの第1及び/または第3集団における少なくとも3つのペプチドは、71、75、80、85、90、95,100、150、200、250、300、400、500、600、700、800、900、1000、1200、1500、または2000アミノ酸未満の長さである。特定の実施形態において、ペプチドの第1及び/または第3集団における各ペプチドは、71、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、400、500、600、700、800、900、1000、1200、1500、または2000アミノ酸未満の長さである。
いくつかの他の実施形態において、本方法で用いるペプチドの第2集団におけるペプチドの1つまたは複数は、39、40、45、50、55、60、65、70、80、90、100、150、200、250、300、400、500、600、700、800、900、1000、1200、1500、または2000アミノ酸未満の長さである。特定の実施形態において、ペプチドの第2集団における少なくとも3つのペプチドは、39、40、45、50、55、60、65、70、80、90、100、150、200、250、300、400、500、600、700、800、900、1000、1200、1500、または2000アミノ酸未満の長さである。特定の実施形態において、ペプチドの第2集団における各ペプチドは、39、40、45、50、55、60、65、70、80、90、100、150、200、250、300、400、500、600、700、800、900、1000、1200、1500、または2000アミノ酸未満の長さである。
特定の実施形態において、ペプチドの第1及び第3集団における各ペプチドは、71、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、400、500、600、700、800、900、1000、1200、1500、または2000アミノ酸未満の長さであり、ペプチドの第2集団における各ペプチドは、39、40、45、50、55、60、65、70、80、90、100、150、200、250、300、400、500、600、700、800、900、1000、1200、1500、または2000アミノ酸未満の長さである。
さらに他の実施形態において、単離されたペプチドの集団は、米国出願第14/052,296号及び/または米国特許出願公開第2011/0124125A1号に開示のペプチドを含み得、その内容は、その全体が参照により本明細書中に組み込まれる。
いくつかの実施形態において、本方法で用いる単離されたペプチドの集団のペプチドは、配列番号1〜120から選択される配列と少なくとも約80、85、90、95、98、または99%同一である配列を含み得る。%配列同一性は、当該技術分野で認められている意味を有し、2つのポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列間の同一性を測定するための方法は数多くある。例えば、Lesk版, Computational Molecular Biology, Oxford University Press, New York, (1988);Smith版, Biocomputing: Informatics And Genome Projects, Academic Press, New York, (1993);Griffin & Griffin編, Computer Analysis Of Sequence Data, Part I, Humana Press, New Jersey, (1994);von Heinje, Sequence Analysis In Molecular Biology, Academic Press, (1987);及びGribskov & Devereux編, Sequence Analysis Primer, M Stockton Press, New York, (1991)を参照されたい。ポリヌクレオチドまたはポリペプチドを整列させる方法は、GCGプログラムパッケージ(Devereuxら, Nuc. Acids Res. 12:387 (1984))、BLASTP、BLASTN、FASTA (Atschul et al.、J Molec. Biol. 215:403 (1990))、並びにSmith及びWatermanの局所的相同性アルゴリズム(Adv. App. Math., 2:482−489 (1981))を使用するBestfitプログラム(Wisconsin Sequence Analysis Package, Version 8 for Unix, Genetics Computer Group, University Research Park, 575 Science Drive, Madison, Wis. 53711)をはじめとするコンピュータープログラムで体系化されている。例えば、FASTAアルゴリズムを利用するコンピュータープログラムALIGNは、ギャップ開始ペナルティ(−12)及びギャップ伸長ペナルティ(−2)を用いるアフィンギャップ検索を用いて使用することができる。
配列アラインメントプログラムのいずれかを用いて、特定の配列が、例えば、基準配列と約95%同一であるかどうかを判断する場合、パラメータは、同一性のパーセンテージが基準ポリペプチドの全長にわたって算出されるように、かつ、同一性における、基準ポリペプチドにおけるアミノ酸の総数の5%までのギャップが許容されるように設定される。
ペプチド配列の変異体は、一つには、配列の既知特性に基づいて、当業者が容易に選択することができる。例えば、変異体ペプチドは、アミノ酸置換(例えば、天然に存在するアミノ酸、天然に存在しないアミノ酸、またはアミノ酸アナログによる保存的置換)及び/または欠失(例えば、小さな単一アミノ酸の欠失、または2、3、4、5、10、15、20、またはそれ以上の連続したアミノ酸を包含する欠失)を含み得る。従って、特定の実施形態において、天然ペプチド配列の変異体は、(i)1つもしくは複数(例えば、2、3、4、5、6、もしくはそれ以上)の保存的アミノ酸置換、(ii)1つもしくは複数(例えば、2、3、4、5、6、もしくはそれ以上)のアミノ酸の欠失、または(iii)それらの組み合わせにより、天然に存在する配列とは異なっている。欠失アミノ酸は、連続的であり得るか、または非連続的であり得る。保存的アミノ酸置換は、それらの側鎖及び化学的性質で関連するアミノ酸のファミリー内で起こるものである。これらとしては、例えば(1)酸性アミノ酸:アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩;(2)塩基性アミノ酸:リシン、アルギニン、ヒスチジン;(3)非極性アミノ酸:アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン;(4)非荷電極性アミノ酸:グリシン、アスパラギン、グルタミン、システイン、セリン、トレオニン、チロシン;(5)脂肪族アミノ酸:グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン(セリン及びトレオニンは、場合によって、別に脂肪族−ヒドロキシルとして分類される);(6)芳香族アミノ酸:フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン;(7)アミドアミノ酸:アスパラギン、グルタミン;並びに(9)硫黄含有アミノ酸:システイン及びメチオニンが挙げられる。例えば、Biochemistry, 第2版,Ed. by L. Stryer, W H Freeman and Co.: 1981を参照されたい。変異体ペプチドが好適であることを確認するための方法は、慣例的かつルーチンである。
ペプチド配列の変異体は、先に定義したペプチド配列に関する変化を包含する。例えば、既知エピトープを含む前述のペプチド配列は、一端もしくは両端で(例えば、約1〜3アミノ酸)延長もしくは短縮することができ、及び/または1、2、3、4、もしくはそれ以上のアミノ酸を保存的アミノ酸などにより置換することができる。さらに、タンパク質の領域が対象のエピトープを含むと確認されているならば、研究者は、対象の領域を、オリジナルのラフな領域のエンドポイントから(例えば、いずれかの方向に約5アミノ酸)「シフト」させて、活性を最適化することができる。
いくつかの実施形態において、本方法で用いる単離されたペプチドの集団におけるペプチドは、さらなるN末端ペプチド配列、さらなるC末端ペプチド配列、またはそれらの組み合わせをさらに含み得る。
特定の実施形態において、さらなるN末端ペプチド配列は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上のアミノ酸を含み得、天然または非天然配列のいずれかであり得る。他の実施形態において、さらなるC末端ペプチド配列は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上のアミノ酸を含み得、天然または非天然配列のいずれかであり得る。
さらなるN末端またはC末端ペプチド配列は、天然配列であり得る。本明細書中で用いられる場合、「天然」配列は、天然に存在するエーリキアOMP−1配列またはその変異体由来のペプチド配列である。特定の実施形態において、ペプチド配列は、天然に存在するエーリキアOMP−1配列の断片である。ペプチド配列は、例えば、OMP−1の保存領域または非保存領域由来であり得る。ペプチド配列は、例えば、免疫優性エピトープなどのエピトープまたは宿主(例えば、ヒト、イヌなど)免疫系により認識可能な任意の他のエピトープを含み得る。OMP−1タンパク質及びそれらのペプチドは、例えば、米国特許第6,544,517号、同第6,893,640号、同第6,923,963号、同第7,063,846号、及び同第7,407,770号、米国特許出願第2004/0265333号及び同第2009/0075368号、並びに欧州特許第1026949号に記載されており、それらの各々の内容は、その全体が参照により本明細書中に組み込まれる。
特定の実施形態において、さらなるN末端またはC末端ペプチド配列は、非天然配列である。本明細書中で用いられる場合、「非天然」配列は、エーリキアタンパク質由来であるかどうかにかかわらず、天然OMP−1ペプチド配列以外の任意のタンパク質配列である。
特定の実施形態において、さらなるN末端またはC末端ペプチド配列は、配列番号1〜120から選択される配列またはその断片を有する別のペプチドを含み得るかまたはから構成され得る。
いくつかの実施形態において、さらなるN末端またはC末端ペプチド配列は、1つまたは複数の結合アミノ酸(例えば、グリシン、セリン、またはシステイン残基)を介して、単離されたペプチドの集団におけるペプチドに連結し得る。
集団における単離されたペプチドは、化学合成及び/または精製によって単離され得る。いくつかの実施形態において、ペプチドは、生物学的に(すなわち、リボソームなどの細胞機構により)産生された後、単離される。本明細書中で用いられる場合、「単離された」ペプチドは、合成的または生物学的のいずれかで産生され、次いでペプチドを産生するために使用される化学物質及び/または細胞機構から、少なくとも部分的に精製されたペプチドである。特定の実施形態において、本発明の単離されたペプチドは、実質的に精製される。「実質的に精製された」という用語は、本明細書中で用いられる場合、細胞物質(タンパク質、脂質、炭水化物、核酸など)、培地、化学前駆体、ペプチドの合成で使用される化学物質、またはそれらの組み合わせを実質的に含まないペプチドなどの分子を指す。実質的に精製されたペプチドは、約40%未満、30%、25%、20%、15%、10%、5%、2%、1%以下の、ペプチドの合成で用いられる細胞物質、培地、他のポリペプチド、化学前駆体、及び/または化学物質を有する。従って、実質的に純粋なペプチドなどの分子は、乾燥重量で少なくとも約60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%が対象の分子であり得る。単離されたペプチドまたはペプチドの集団は、例えば、キットの一部として、水、緩衝液中に存在し得るか、または再構成のために準備されている乾燥形態であり得る。
特定の実施形態において、集団における1つまたは複数のペプチドは、リガンドにコンジュゲートする。例えば、特定の実施形態において、ペプチドは、ビオチニル化される。他の実施形態において、ペプチドは、ストレプトアビジン、アビジン、またはニュートラビジンにコンジュゲートする。他の実施形態において、ペプチドは、担体タンパク質(例えば、血清アルブミン、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、または免疫グロブリンFcドメイン)にコンジュゲートする。さらに他の実施形態において、ペプチドは、デンドリマーにコンジュゲートされ、及び/または、複数の抗原性ペプチド系(MAPS)の一部である。ペプチドは、コロイド状金、量子ドット、または他のナノ粒子、及び/またはラテックス粒子にもコンジュゲートすることができる。さらに別の実施形態において、ペプチドは、酵素、蛍光または化学発光マーカーにコンジュゲートすることができる。
特定の実施形態において、単離されたペプチドの集団におけるペプチドは修飾される。本発明のペプチドは、熱及び/または界面活性剤(例えば、SDS)での変性によるなど、種々の技術により修飾することができる。あるいは、本発明のペプチドを、1つまたは複数のさらなる部分との結合により修飾することができる。結合は、共有結合または非共有結合であり得、例えば、リシンまたはシステインなどの末端アミノ酸リンカー、化学カップリング剤、またはペプチド結合によるものであり得る。さらなる部分は、例えば、リガンド、リガンド受容体、融合パートナー、検出可能な標識、酵素、またはペプチドを固定化する基体であり得る。
加えて、単離されたペプチドの集団におけるペプチドは、種々の既知の化学基または分子のいずれかを含むように修飾することができる。そのような修飾としては、グリコシル化、アセチル化、アシル化、ADP−リボシル化、アミド化、ポリエチレングリコールに対する共有結合(例えば、ペグ化)、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の共有結合、ホスファチジルイノシトールの共有結合、架橋、環化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有架橋結合の形成、シスチンの形成、ピログルタミン酸塩の形成、ホルミル化、ガンマカルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、タンパク質分解処理、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、ユビキチン化、脂肪酸での修飾、アルギニル化などのトランスファーRNAにより媒介されたアミノ酸のタンパク質への付加などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。アミノ酸(非天然アミノ酸を含む)の類似体及び置換結合を有するペプチドも含まれる。
前述の修飾は、当業者に周知であり、科学文献で非常に詳細に記載されている。いくつかの特に一般的な修飾である、グリコシル化、脂質結合、硫酸化、グルタミン酸残基のガンマ−カルボキシル化、ヒドロキシル化及びADP−リボシル化は、例えば、Proteins−Structure and Molecular Properties, 第2版, T. E. Creighton, W.H. Freeman and Company, New York (1993)などの多くの基本的なテキストで記載されている。Wold, F., Posttranslational Covalent Modification of Proteins, B. C. Johnson版, Academic Press, New York 1−12 (1983);Seifterら (1990) Meth. Enzymol. 182:626−646及びRattanら (1992) Ann. N.Y. Acad. Sci. 663:48−62など、このテーマに関して多くの詳細な総説が入手可能である。
特定の実施形態において、ペプチドの集団における1つまたは複数または全てのペプチドは、固体または半固体支持体などの基体に付着しているか、または基体上に固定化されている。付着は、共有結合または非共有結合であり得、共有または非共有結合を可能にする、ペプチドと結合した部分、例えば、担体、支持体、または表面に付着している成分に対して高親和性を有する部分により促進することができる。例えば、ペプチドは、ビオチンなどのリガンドと結合することができ、表面と結合する成分は、アビジンなどの対応するリガンド受容体であり得る。いくつかの実施形態において、ペプチドは、ペプチドの基体への付着を容易にする融合パートナー、例えば、ウシ血清アルブミン(BSA)と結合することができる。他の実施形態において、本発明のペプチドは、局在表面プラズモン共鳴スペクトロ分光法(LSPR)表面などの金属ナノ層を介して基体に付着しているかまたは基体上に固定化されている。一実施形態において、金属ナノ層は、カドミウム、亜鉛、水銀、または、金、銀、銅、及び白金などの貴金属からなる。ペプチドまたはペプチドの集団は、イムノアッセイ中に抗体を含む試料の添加前もしくは添加後のいずれかに、基体に付着させることができるか、または基体上に固定化することができる。
特定の実施形態において、基体は、ビーズ、例えば、コロイド粒子(例えば、金、銀、白金、銅、カドミウム、金属複合体、他の軟質金属、コア・シェル構造粒子、または中空金ナノスフェアから作製されたコロイド状ナノ粒子)または他の種類の粒子(例えば、磁気ビーズ、またはシリカ、ラテックス、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、もしくはPVDFを含む粒子もしくはナノ粒子)である。そのような粒子は、標識(例えば、比色用、化学発光、または蛍光標識)を含み得、イムノアッセイ中にペプチドの位置を可視化するために有用であり得る。特定の実施形態において、本発明のペプチドの末端システインは、ペプチドを金、銀、白金、銅、カドミウム、金属複合体、他の軟質金属、または金属ナノシェル(例えば、中空金スフェア、金被覆シリカナノシェル、及びシリカ被覆金シェル)から作製されたナノ粒子に直接結合させるために使用される。
特定の実施形態において、基体は、ドットブロットまたはラテラルフローイムノアッセイ装置中の流路である。例えば、ペプチドを、PVDF膜(例えば、Immobilon(商標)膜)、ニトロセルロース膜、ポリエチレン膜、ナイロン膜、または類似の種類の膜などの多孔質膜に付着させるか、または多孔質膜上に固定化することができる。
特定の実施形態において、基体は、分析または遠心ローター中の流路である。他の実施形態において、基体は、管もしくはウェル、例えば、ELISAアッセイでの使用に好適なプレート(例えば、マイクロタイタープレート)中のウェルである。そのような基体は、ガラス、セルロース系材料、ポリエチレン、ポリプロピレン、もしくはポリエステルなどの熱可塑性ポリマー、粒子状物質から構成される焼結構造(例えば、ガラスまたは種々の熱可塑性ポリマー)、またはニトロセルロース、ナイロン、ポリスルホンなどから構成されるキャスト膜フィルムを含み得る。基体は、通常、多孔性ポリエチレンとして知られるポリエチレンの焼結微粒子、例えば、Chromex Corporation(ニューメキシコ州アルバカーキ)製の0.2〜15マイクロメートルの多孔性ポリエチレンであり得る。これらの基体材料は全て、フィルム、シート、もしくはプレートなどの好適な形状で使用することができ、または、それらを紙、ガラス、プラスチックフィルム、もしくは織物などの適切な不活性担体にコーティングもしくは接着もしくは積層することができる。ペプチドを固相上に固定化するための好適な方法としては、イオン性、疎水性、共有結合性相互作用などが挙げられる。
一実施形態において、本発明の方法は、感染した対象の免疫系によりその生体液または組織中で産生され、かつペプチドの集団におけるより多くのペプチドのうちの1つ、場合によっては、1つまたは複数の好適なさらなる抗原性ポリペプチドまたはペプチドに対して特異的に結合することができる、1つまたは複数のエーリキア抗原(例えば、E.シャフェンシス、E.ムリス、E.エウィンギ、またはE.カニスなどの病原性エーリキア属の抗原)に対する天然に存在する抗体の存在を検出することを含む。
例えば、一態様において、本発明は、試料を少なくとも3つの異なるペプチドを含むペプチドの集団に接触させる段階であって、各ペプチドが、配列番号1の配列を含む前記段階と;抗体と集団における1つまたは複数のペプチドとを含む複合体の形成を検出する段階であって、複合体の形成が、E.シャフェンシス、E.ムリス、E.エウィンギ、及び/またはE.カニス由来の抗原に対する抗体の存在を示す前記段階とを含む、対象由来の試料中にE.シャフェンシス、E.ムリス、E.エウィンギ、及び/またはE.カニス由来の抗原に対する抗体の存在を検出する方法を提供する。いくつかの実施形態において、ペプチドの集団は、配列番号4〜51からなる群から選択される少なくとも2つまたは3つの異なる配列を含む。
他の実施形態において、本発明は、試料を少なくとも3つの異なるペプチドを含むペプチドの集団に接触させる段階であって、各ペプチドが、配列番号2の配列を含む段階と;抗体と集団における1つまたは複数のペプチドとを含む複合体の形成を検出する段階であって、複合体の形成が、E.エウィンギ由来の抗原に対する抗体の存在を示す前記段階とを含む、対象由来の試料中のE.エウィンギ由来の抗原に対する抗体の存在を検出する方法を提供する。いくつかの実施形態において、ペプチドの集団は、配列番号52〜66からなる群から選択される少なくとも2つまたは3つの異なる配列を含む。
特定の実施形態において、本発明は、試料を少なくとも3つの異なるペプチドを含むペプチドの集団に接触させる段階であって、各ペプチドが、配列番号3の配列を含む前記段階と;抗体と集団における1つまたは複数のペプチドとを含む複合体の形成を検出する段階であって、複合体の形成が、E.シャフェンシス及び/またはE.カニス由来の抗原に対する抗体の存在を示す前記段階とを含む、対象由来の試料中のE.シャフェンシス及び/またはE.カニス由来の抗原に対する抗体の存在を検出する方法を提供する。いくつかの実施形態において、ペプチドの集団は、配列番号67〜120からなる群から選択される少なくとも2つまたは3つの異なる配列を含む。
本発明の方法における1つまたは複数のペプチドを含む抗体-ペプチド複合体の形成を検出するために使用することができる多くの異なるアッセイが存在する。例えば、検出段階は、ELISAアッセイを実施すること、免疫蛍光アッセイを実施すること、ラテラルフローイムノアッセイを実施すること、凝集アッセイを実施すること、波長シフトアッセイを実施すること、ウェスタンブロット、スロットブロット、もしくはドットブロットを実施すること、分析もしくは遠心ローター中の試料を分析すること、または試料を電気化学的、光学的、もしくは光電式センサーで分析することを含み得る。これらの異なるアッセイは、本明細書に記載され、及び/または当業者に周知である。
好適なイムノアッセイ法は、典型的には:(例えば、患者から)抗体を含む可能性がある体液または組織の試料を受け取るかまたは入手する段階;特異的ペプチド−抗体複合体の形成に(例えば、ペプチドの抗体に対する特異的結合のために)有効な条件下で、分析すべき試料をペプチドの集団と接触(例えば、インキュベートまたは反応)させる段階;及び接触(反応)させた試料を抗体−ペプチド反応の存在について分析する段階(例えば、抗体−ペプチド複合体の量を測定すること)を含む。多量の抗体−ペプチド複合体の存在は、対象が感染性エーリキア属の種にさらされ、エーリキア属の種に感染したことを示す。エーリキア抗原に対する抗体に対して「特異的に結合する」(例えば、「特異的である」かまたは「優先的に」結合する)ペプチド(その修飾された形態を含む)は、抗体と相互作用するか、または抗体の検出を可能にするために十分な量及び時間で抗体と物理的結合を形成するかもしくは物理的に結合する。「特異的に」または「優先的に」という用語により、ペプチドが、そのような抗体について、試料中の他の抗体よりも高い親和性(例えば、より高度の選択性)を有することを意味する。例えば、ペプチドは、その抗体について、試料中の他の抗体についてよりも少なくとも約1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、またはそれ以上高い親和性を有する可能性がある。そのような親和性または特異性の程度は、例えば、競合的結合研究をはじめとする種々のルーチンの手順によって判断することができる。ELISAアッセイでは、陽性反応は、健常対照群の平均値よりも2または3標準偏差高い値として定義される。いくつかの実施形態において、単球及び/または顆粒球エーリキア症の明確な血清学的診断を提供するためには、2段階アッセイが必要である。
「抗体を含む試料」または「試料中の抗体を検出する」などの言い回しは、抗体が含まれないかまたは検出されない試料または定量(例えば、検出未遂)を除外することを意味しない。一般的な意味で、本発明は、感染性エーリキア属での感染に反応して産生される抗体が試料中に存在するかどうかを、それが検出されるかどうかにかかわらず判断するためのアッセイを含む。
ペプチド及び抗体が特異的に反応するようにするためのペプチド及び抗体の反応条件は、当業者に周知である。例えば、Current Protocols in Immunology (Coliganら., editors, John Wiley & Sons, Inc)を参照されたい。
いくつかの実施形態において、本方法は、抗体を含む可能性がある体液または組織の試料を対象から受け取るかまたは入手する段階を含む。抗体は、例えば、IgG、IgE、IgD、IgM、またはIgA型のものであり得る。一般的に、IgM及び/またはIgA抗体は、例えば、感染の初期段階での検出に関して検出される。前述のさらなるペプチドのいくつかが本方法で用いられる場合、IgG抗体を検出することができる(例えば、鞭毛タンパク質の検出のためのペプチド)。試料は、好ましくは、入手が容易であり、静脈血試料またはさらには指穿刺から得られる全血、血漿、または血清であってよい。他の身体部位由来の組織または脳脊髄液(CSF)、唾液、胃液、粘液、尿などの他の体液が、抗体を含むことが知られており、試料源として用いることができる。試料は、組織抽出物または細胞溶解物であってもよい。
ペプチドの集団及び試料抗体を好適な培地中で反応させたら、アッセイを実施して、抗体−ペプチド反応の有無を判断する。当業者には明らかなように、多くの種類の好適なアッセイは、増強の有無にかかわらず実施される免疫沈降及び凝集アッセイである。
特異的抗体の検出用抗原を用いたイムノアッセイのプロトコルは、当該技術分野で周知である。例えば、従来のサンドイッチアッセイを用いることができるか、または従来の競合アッセイ形式を用いることができる。いくつかの好適な種類のアッセイの考察については、Current Protocols in Immunology(上記)を参照されたい。特定の実施形態において、本発明のペプチドは、抗体を含む試料の添加前または添加後のいずれかに、共有または非共有結合により、固体または半固体の表面または担体上に固定化される。
特異的結合アッセイ、特に、イムノアッセイを実施する装置は公知であり、本発明の方法での使用のために容易に適応させることができる。固相アッセイは、一般的に、沈殿、遠心分離、ろ過、クロマトグラフィー、または磁気などの分離工程を必要とする不均一アッセイ法よりも実施するのがより容易である。なぜなら、試薬の分離がより速く、より簡単であるからである。固相アッセイ装置としては、マイクロタイタープレート、フロースルーアッセイ装置(例えば、ラテラルフローイムノアッセイ装置)、ディップスティック、及びイムノキャピラリーまたはイムノクロマトグラフィーイムノアッセイ装置が挙げられる。
本発明のいくつかの実施形態において、ペプチドの集団に付着した固体または半固体表面または担体は、マイクロタイターウェル中の底もしくは壁、フィルター表面もしくは膜(例えば、ニトロセルロース膜もしくはPVDF(ポリフッ化ビニリデン)膜、例えば、Immobilon(商標)膜)、中空繊維、ビーズ状クロマトグラフィー媒体(例えば、アガロースまたはポリアクリルアミドゲル)、磁気ビーズ、繊維状セルロースマトリックス、HPLCマトリックス、FPLCマトリックス、ペプチドが結合した分子が液相中に溶解または分散された場合にフィルターにより保持され得るようなサイズの分子を有する物質、ミセルを形成できるかもしくはミセルの形成に関与してミセルを連行することなく液相を変更もしくは交換することができる物質、水溶性ポリマー、または任意の他の好適な担体、支持体もしくは表面である。
本発明のいくつかの実施形態において、ペプチドの集団は、検出を可能にする好適な標識を備えている。単独または他の組成物もしくは化合物と共同して、検出可能なシグナルを提供できる従来の標識を用いることができる。好適な標識としては、酵素(例えば、HRP、β−ガラクトシダーゼ、アルカリホスファターゼなど)、蛍光標識、放射性標識、着色ラテックス粒子、及び金属コンジュゲート標識(例えば、金属ナノ層、金属ナノ粒子または金属ナノシェルコンジュゲート標識)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。好適な金属ナノ粒子または金属ナノシェル標識としては、金粒子、銀粒子、銅粒子、白金粒子、カドミウム粒子、複合粒子、中空金スフェア、金被覆シリカナノシェル、及びシリカ被覆金シェルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。検出可能な層に好適な金属ナノ層としては、カドミウム、亜鉛、水銀、及び、金、銀、銅、及び白金などの貴金属からなるナノ層が挙げられる。
好適な検出方法には、例えば、比色アッセイ(例えば、HRPまたはβ−ガラクトシダーゼ活性の検出のため)、光学顕微鏡検査法を用いた目視検査、免疫蛍光顕微鏡検査法(共焦点顕微鏡法を含む)によるか、またはフローサイトメトリー(FACS)、オートラジオグラフィー(例えば、放射活性物質で標識した作用物質の検出のため)、電子顕微鏡法、免疫染色、細胞内分画などにより、直接的もしくは間接的に標識された作用物質を検出することが含まれる。一実施形態において、放射性元素(例えば、放射性アミノ酸)をペプチド鎖中に直接組み入れ;別の実施形態において、蛍光標識を、ビオチン/アビジン相互作用、フルオレセインコンジュゲート抗体との結合などによりペプチドと結合させる。一実施形態において、抗体の検出可能な特異的結合パートナーを混合物に添加する。例えば、結合パートナーは、第1の抗体と結合する検出可能な二次抗体または他の結合剤(例えば、タンパク質A、タンパク質G、タンパク質L、キメラタンパク質A/G、A/G/L、A/L、G/Lまたはそれらの組み合わせ)であり得る。この二次抗体または他の結合剤は、例えば、放射性、酵素、蛍光、発光、化学的発光、金属ナノ粒子もしくは金属ナノシェル(例えば、コロイド状金)、または他の検出可能な標識、例えば、アビジン/ビオチン、アビジン/ストレプトアビジンもしくはアビジン/ポリストレプトアビジン系で標識することができる。別の実施形態において、結合パートナーは、直接的または間接的に(例えば、ビオチン/アビジンまたはビオチン/ストレプトアビジン相互作用により)酵素、例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼまたはアルカリホスファターゼまたは他のシグナリング部分にコンジュゲートさせることができる本発明のペプチドである。そのような実施形態において、検出可能なシグナルは、発色性、蛍光発生、または化学発光基質などの検出可能なシグナルを産生する酵素の基質を添加することにより産生される。
結合したペプチドを検出するための「検出系」は、本明細書中で用いられる場合、ペプチドに特異的な抗体などの検出可能な結合パートナーを含み得る。一実施形態において、結合パートナーは、直接的に標識される。別の実施形態において、結合パートナーは、好適な基質の存在下で検出可能なシグナルを産生できる酵素などのシグナル生成試薬と結合される。ペプチドを固定化するための表面は、場合によって検出系を伴っていてもよい。
本発明のいくつかの実施形態において、検出手順は、変色について抗体−ペプチド複合体を目視検査するか、または物理化学的変化について抗体−ペプチド複合体を検査することを含む。物理化学的変化は、酸化反応または他の化学反応とともに起こり得る。それらは、分光光度計等を用いて目で検出することができる。
特に有用なアッセイ形式は、ラテラルフローイムノアッセイ形式である。ヒトもしくは動物(例えば、イヌ、マウス、シカなど)免疫グロブリンに対する抗体、またはブドウ球菌A、G、もしくはLタンパク質に対する抗体を、乾燥し、ガラス繊維パッド(試料アプリケーションパッドまたは結合体パッド)上に配置されたシグナルジェネレーターまたはレポーター(例えば、コロイド状金)で標識することができる。診断ペプチドをニトロセルロースまたはPVDF(ポリフッ化ビニリデン)膜(例えば、Immobilon(商標)膜)などの膜上に固定化する。試料(血液、血清など)の溶液を試料アプリケーションパッド上に加える(または結合体パッド中に流す)場合、これは標識されたレポーターを溶解し、これは次に試料中の全抗体と結合する。結果として得られる複合体は次いで、次の膜(診断ペプチドを含むPVDFまたはニトロセルロース)中に毛管作用により輸送される。診断ペプチドに対する抗体が存在するならば、それらは膜上の縞状の診断ペプチドと結合し、それによりシグナル(例えば、見ることができるかまたは可視化することができるバンド)を生成する。標識された抗体または第2の標識された抗体に対して特異的なさらなる抗体を用いて、対照シグナルを産生することができる。
ラテラルフローイムノアッセイの別の形式は、リガンド(例えば、ビオチン)にコンジュゲートされ、標識されたリガンド受容体(例えば、ストレプトアビジン−コロイド状金)と複合体形成した単離されたペプチドの集団を含む。標識されたペプチド複合体を試料アプリケーションパッドまたはコンジュゲートパッド上に配置することができる。抗ヒトIgG/IgMまたは抗動物(例えば、イヌ、マウス、シカ)IgG/IgM抗体または他の本発明のペプチドをPVDFのニトロセルロースなどの膜上で、試験部位(例えば、試験ライン)において固定化する。試料を試料アプリケーションパッドに添加する場合、試料中の抗体は、標識されたペプチド複合体と反応するので、本発明のペプチドと結合する抗体が、間接的に標識されるようになる。試料中の抗体は、次いで毛管作用により次の膜(診断ペプチドを含むPVDFまたはニトロセルロース)中へ輸送され、固定化された抗ヒトIgG/IgMまたは抗動物IgG/IgM抗体(またはタンパク質A、タンパク質G、タンパク質A/G融合タンパク質、タンパク質L、もしくはそれらの組み合わせ)または固定化された本発明のペプチドと結合する。試料抗体のいずれかと標識された本発明のペプチドとが結合するならば、ペプチドと結合した標識は、試験部位で見ることができるか、または可視化することができる。(試験部位で固定化された捕捉剤として、かつ試料中の抗体と反応するための可溶性の標識された複合体として本発明のペプチドが用いられる)この種類のラテラルフロー装置の別の実施形態において、検出シグナルである、検出可能な標識(例えば、金属ナノ粒子またはナノシェル、HRP、ALP、フルオロフォア、着色ラテックス粒子)にコンジュゲートしたタンパク質A、タンパク質G、及び/またはタンパク質A/G融合タンパク質を増幅することが、それらが固定化された本発明のペプチドにより捕捉されたエーリキア抗原に対する任意の抗体のFc領域と結合する試験部位に適用され得る。このアッセイに好適な対照としては、例えば、試料アプリケーションパッドまたはコンジュゲートパッドに位置するニワトリIgY−コロイド状金コンジュゲート、及び試験部位の近くに位置する対照部位で固定化された抗ニワトリIgY抗体を挙げることができる。他の好適な対照としては、ニワトリ抗タンパク質A、マウスIgG、またはタンパク質A/G/Lに結合することが可能な任意の他のタンパク質を挙げることができる。本発明かつ本明細書に記載の方法で実施されるラテラルフローイムノアッセイの少なくともいくつかにおいて、ニワトリ抗タンパク質Aは、対照ラインとして用いられた。
血液製剤または他の生理液もしくは生体液をスクリーニングするための別のアッセイは、酵素結合免疫吸着測定法、すなわち、ELISAである。ELISAで典型的には、単離されたペプチドまたは混合物またはペプチドの集団は、直接にまたは捕捉マトリックス(例えば、抗体)によって、マイクロタイターウェルの表面に、直接吸着されるかまたは担体タンパク質にコンジュゲートした後に吸着される。表面上の残存する非特異的タンパク質結合部位を次いで、ウシ血清アルブミン(BSA)、熱失活した正常ヤギ血清(NGS)、またはBLOTTO(防腐剤、塩、及び消泡剤も含む脱脂粉乳の緩衝液)などの適切な作用物質でブロックする。ウェルを次いで特異的抗エーリキア(例えば、抗E.シャフェンシス、抗E.エウィンギ、または抗E.カニス)抗体を含むと推測される生物試料とともにインキュベートする。そのような生物試料は、血清、血漿、または他の種類の試料であり得る。試料をそのままで適用することができ、または、より多くの場合、通常、少量(0.1〜10.0重量%)のタンパク質、例えば、BSA、NGS、またはBLOTTOを含む緩衝液中に希釈できる。特異的結合が起こるために十分な時間インキュベートした後、ウェルを洗浄して非結合タンパク質を除去し、次いで最適濃度の適切な抗免疫グロブリン抗体(例えば、ヒト対象については、イヌ、マウス、ウシなどの別の動物由来の抗ヒト免疫グロブリン(αHuIg))とともに、または標準的な手順により酵素もしくは他の標識にコンジュゲートしかつブロッキング緩衝液中に溶解させた本発明の別のペプチドとともにインキュベートする。標識は、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)、β−ガラクトシダーゼ、アルカリホスファターゼ(ALP)、グルコースオキシダーゼなどをはじめとする種々の酵素から選択することができる。特定の実施形態において、タンパク質Aまたはタンパク質G−HRPは、本発明の方法で用いる。特異的結合が再度起こるために十分な時間をおき、次いでウェルを再度洗浄して非結合コンジュゲートを除去し、酵素に好適な基質を添加する。発色させ、ウェルの内容物の光学密度を目視または機器によって測定する(適切な波長で測定する)。カットオフOD値は、エーリキア症が固有でない地域からの個体から集めた少なくとも50の血清試料の平均OD+3標準偏差(SD)として、または他のそのような通常の定義により定義することができる。非常に特異的なアッセイの場合、OD+2SDをカットオフ値として用いることができる。
別の実施形態において、本方法は、凝集アッセイを含む。例えば、特定の実施形態において、金属ナノ粒子または金属ナノシェル(例えば、コロイド状金など)またはラテックスビーズを、単離されたペプチドの集団にコンジュゲートさせる。その後、生体液は、ビーズ/ペプチドコンジュゲートとともにインキュベートされ、それにより反応混合物を形成する。反応混合物を次いで分析して、抗体の存在を究明する。特定の実施形態において、凝集アッセイは、(1)競合アッセイの場合は、本発明の組成物のペプチドに特異的な抗体、または(2)サンドイッチアッセイの場合は、試料抗体(例えば、抗ヒトIgGまたはIgM抗体、抗イヌIgGまたはIgM抗体、抗ネコIgGまたはIgM抗体など)を検出することができる抗体にコンジュゲートした金属ナノ粒子または金属ナノシェル(例えば、コロイド状金など)またはラテックスビーズなどの粒子の第2集団の使用を含む。好適な凝集法は、凝集の程度を評価する手段として遠心分離を含み得る。
さらに他の実施形態において、単離されたペプチドの集団をニトロセルロース紙上にエレクトロブロットまたはドットブロットする。その後、生体液(例えば、血清または血漿)などの試料をブロットされた抗原とともにインキュベートし、生体液中の抗体を抗原(複数可)と結合させる。結合した抗体は、次いで、例えば、標準的な免疫酵素法によるか、または二次抗体もしくはタンパク質A、タンパク質G、タンパク質A/G融合タンパク質、タンパク質L、もしくはそれらの組み合わせなどの他の抗体結合剤にカップリングした金属ナノ粒子またはナノシェルを用いて可視化することにより検出できる。
さらに他の実施形態において、本発明のペプチドまたは組成物をニトロセルロース紙上にエレクトロブロットまたはドットブロットする。その後、生体液(例えば、血清または血漿)などの試料をブロットされた抗原とともにインキュベートし、生体液中の抗体を抗原(複数可)と結合させる。結合した抗体は、次いで、例えば、標準的な免疫酵素法によるか、または二次抗体もしくはタンパク質A、タンパク質G、タンパク質A/G融合タンパク質、タンパク質L、もしくはそれらの組み合わせなどの他の抗体結合剤にカップリングした金属ナノ粒子またはナノシェルを用いて可視化することにより検出できる。
さらに他の実施形態において、タンパク質マイクロアレイ(またはタンパク質チップ)を本方法で用いる。例えば、特定の実施形態において、マイクロアレイまたはチップは、上述のようなペプチドの集団を含む捕捉タンパク質のアレイにコンジュゲートされるガラススライド、ニトロセルロース膜、ビーズ、またはマイクロタイタープレートなどの支持体表面を含む。場合によって蛍光色素で標識された試料をアレイに添加する。試料中の抗体間の特異的結合、存在する場合には、固定化されたタンパク質は、レーザスキャナによって読み取られる蛍光シグナルを発する。その後、本発明のペプチドと結合した標識されていない抗体は、量子ドット標識されたタンパク質A、A/Gなどで標識することもできる。単離されたペプチドのマイクロアレイは、遠心分析器中で、マイクロチップチップ形式で使用することもできる。タンパク質マイクロアレイは、高スループットで、迅速で、自動で、経済的で、かつ高感度であり、少量の試料及び試薬しか消費しない。
本明細書に記載の方法のいずれかのために、単離されたペプチドの集団を利用するよう任意の数の従来のタンパク質アッセイ形式、特にイムノアッセイ形式が設計され得ることは、当業者には理解されるはずである。本発明は、従って、特定のアッセイ形式の選択により限定されず、当業者に公知の全ての好適なアッセイ形式を包含すると考えられる。
本明細書に記載されるかまたはそうでなければ当業者に公知である好適なアッセイ形式のいずれかを用いて、抗体と単離されたペプチドの集団における1つまたは複数のペプチドとを含む複合体の形成を検出することができる。複合体の「セット」とは、単離されたペプチドの1つの集団と試料中の任意の抗体との間で形成された複合体を指す。検出結果が別の複合体セットではなくある複合体セットの形成として示される場合、これは、2つの異なる単離されたペプチドの集団で得ることができる結果のある範囲を含む。「第2の複合体セットではなく第1の複合体セットの形成」とは、例えば、単離されたペプチドの第1集団で得られた明らかな陽性結果と、単離されたペプチドの第2集団による明らかな陰性結果とを含み得る。また、単離されたペプチドの第1集団で得られた非常に高スコアの結果と、単離されたペプチドの第2集団で得られた非常に低スコアの結果とを含み得る。単離されたペプチドの第2集団よりも第1集団で得られた任意の比較的高スコアの結果もさらに含み得る。
本明細書に記載のアッセイ形式のいずれかについて、スコアは、各試料のアッセイ結果に割り当てることができる。そのようなスコアとは、アッセイ結果の相対値、レベル、強度、または程度を指す。これは、当業者によって、またはアルゴリズムを用いて、時には、公知の被分析物、例えば、抗原または抗体とともに試料を用いて、場合によっては、公知の濃度または力価の公知の被分析物(「標準物質」または「キャリブレータ」と呼ばれる)とともに試料を用いて、人工的に作成することができる。スコアは、当業者によって手動で割り当てられたかまたは式もしくはコンピューターアルゴリズムで生成された数、例えば、陰性対照についての0から陽性対照についての任意の正の数(例えば、1、2、3、4、5、10、20、30、40、50、60、80、100、120、150、200、300、400、500、1000など)であってよい。スコアは、符号、例えば、陰性対照については「−」、陽性対照については「+」、「++」、「+++」などによって表すこともできる。スコアは、式による計算またはコンピューターアルゴリズムによる自動処理によって判断することができ、または、アッセイ結果の目視検査、測定、もしくは推定によって判断することができる。公知の濃度または力価の公知の被分析物(標準物質またはキャリブレータ)とともに試料を用いる場合、そのような標準物質/キャリブレータは、希釈及び未希釈条件下で分析することができ、スコアの範囲またはスコアの標準曲線を生成することができ、これを用いて、好ましくは同じアッセイでかつ同じアッセイの実行で、同じ被分析物について分析した未知の試料のスコアを判断することができる。
特定の実施形態において、本方法は、免疫化学分析と3つのペプチドの集団の組み合わせを用いて、試料が以下のエーリキア属の種:E.カニス、E.シャフェンシス、及びE.エウィンギの1つ、2つ、または3つ全てに感染しているかどうかを同定する。
本方法のいくつかの実施形態において、特定の種(例えば、E.エウィンギ)または種の特定の組み合わせ(例えば、E.カニス及びE.シャフェンシス、またはE.カニス、E.シャフェンシス、及びE.エウィンギ)に対して公知の力価の抗体を有する標準試料を試験する。特定の実施形態において、標準試料は、一連の標準物質/キャリブレータに希釈される。キャリブレータは、精製された抗体を用いて調製してもよい。また、キャリブレータは、種々のレベルの抗体力価を有する抗血清/抗体試料を選択し、プールし、及び/または希釈することによって調製してもよい。当業者は、好適なキャリブレータをどのように生成するか知っているはずである。スコア及び標準曲線は、一連の標準物質/キャリブレータについて生成することができる。いくつかの実施形態において、カットオフは、特定のエーリキア属の種に対する抗体を含むものは陽性として分類される試料について生成される(例えば、E.エウィンギに対する抗体のカットオフ、E.カニス及びE.シャフェンシスに対する抗体のカットオフ、及びE.カニス、E.シャフェンシス、及びE.エウィンギに対する抗体の別のカットオフ)。試料は、低、中、または高試料として分類することができる。低試料は、通常、検出限界よりも少し高く、非常に高い試料は、所与の集団に最も反応を示す。ELISAのキャリブレータは、低試料から非常に高い試料までの範囲を表すために調製されることが多い。
特定の実施形態において、未知の試料を標準物質と同じアッセイで試験する。いくつかの実施形態において、未知の試料のスコアは、各標準物質のスコアまたは標準曲線に対して生成され、例えば、未知の試料のスコアは、E.エウィンギに対して公知の力価の抗体を有する標準物質に対して生成することができ;別の未知の試料のスコアは、E.カニス及びE.シャフェンシスの両方に対して公知の力価の抗体を有する標準物質に対して生成することができる。
スコアは、同じ被分析物または異なる被分析物について分析した試料間で比較することができる。
同じ被分析物について分析した試料のスコアを比較する場合、スコアは、全ての試料を標準物質/キャリブレータと同じ条件下で同じ実験で分析する場合には、標準物質/キャリブレータから生成されたスコアの同じ範囲またはスコアの同じ標準曲線から判断し、かつそれと比較することができる。試料を同じ標準物質/キャリブレータと共に異なる実験で分析する場合には、スコアは、標準物質/キャリブレータからのスコアの異なる範囲またはスコアの異なる標準曲線からも判断することができる。その後、同じ標準物質/キャリブレータに関して、分析した試料の相対スコアを判断し、互いに比較することができる。
異なる被分析物、例えば、異なるエーリキア属の種に対する抗体について分析した試料のスコアを比較する場合、各種または種組み合わせ(E.カニス及びE.シャフェンシスなど)は、それ自体のキャリブレータを有する。キャリブレータ及びアッセイの各セットの検出限界は、検出している抗体に対して陰性であることが知られている試料の平均値に2〜3の標準偏差を加えることで通常割り当てられたカットオフを生成することで判断される。エーリキア属の種の全てを検出する単離されたペプチドの集団についてのキャリブレータは、異なるエーリキア属の種に対する抗体の混合物を、適当な割合、例えば、抗カニス、抗シャフェンシス、及び抗エウィンギの各々を少なくとも5%で含有するため、各種は十分に存在し、アッセイは分析した種のいずれも逃さない。E.カニス及びE.シャフェンシスの両方を検出するペプチドの集団についてのキャリブレータは、抗カニス及び抗シャフェンシス試料の混合物を、適当な割合、例えば、各種を少なくとも5%で含有する。E.エウィンギのみを検出するペプチドの集団についてのキャリブレータは、抗エウィンギ試料のみを含有する。E.カニス/E.シャフェンシスを検出するペプチドの集団、及びE.エウィンギを検出するペプチドの集団についてのキャリブレータは、それぞれの標準曲線の線形部分に限定されるスコアの同じ範囲に割り当てられる。
いくつかの実施形態において、スコアは、抗体と本明細書に記載のペプチドの集団におけるペプチドとを含む複合体の形成を検出することから生成される。特定の実施形態において、スコアは、存在する場合には、試料中の抗体と、本明細書に記載のペプチドの第1、第2、または第3集団におけるペプチドとを含む複合体の形成を検出することから生成され、それぞれ、第1スコア、第2スコア、または第3スコアが得られる。
いくつかの実施形態において、第2スコアは、手動またはコンピューターを用いて、第3スコアと比較する。特定の実施形態において、第2スコアが第3スコアよりも高い場合、試料は、E.エウィンギに感染していると同定または分類される。他の実施形態において、第3スコアが第2スコアよりも高い場合、試料は、E.カニス及び/またはE.シャフェンシスに感染していると同定または分類される。
さらに他の実施形態において、本方法は、感染種がE.カニスまたはE.シャフェンシスであるかどうかを判断する工程をさらに含む。例えば、そのような一実施形態において、アッセイを実施して、E.シャフェンシスではなくE.カニスに対する抗体を検出し、E.カニスのスコアを生成する。別のアッセイを実施し、E.カニスではなくE.シャフェンシスに対する抗体を検出し、E.シャフェンシスのスコアを生成することができる。アッセイ結果、場合によってはスコアを互いに比較して、感染種がE.カニスまたはE.シャフェンシスであるかどうかを判断する。いくつかの実施形態において、E.カニスのスコアがE.シャフェンシスのスコアよりも高い場合、試料は、E.シャフェンシスではなくE.カニスに感染していると分類される。他の実施形態において、E.シャフェンシスのスコアがE.カニスのスコアよりも高い場合、試料は、E.カニスではなくE.シャフェンシスに感染していると分類される。いくつかの実施形態において、2つのスコアが同一である場合、試料は、E.シャフェンシス及びE.カニスの両方に感染しているかまたは不明と分類される。
特定の実施形態において、本方法で用いる試料は、野生動物(例えば、シカまたは齧歯類、例えば、マウス、シマリス、リスなど)由来である。他の実施形態において、試料は、実験動物(例えば、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、サル、霊長類など)由来である。他の実施形態において、試料は、家畜または野生動物(例えば、イヌ、ネコ、ウマ)由来である。さらに他の実施形態において、試料は、ヒト由来である。他の実施形態において、試料は、イヌ科動物またはネコ科動物対象由来である。いくつかの実施形態において、試料は、体液である。特定の実施形態において、試料は、血液、血清、血漿、脳脊髄液、粘液、尿、または唾液試料である。特定の実施形態において、試料は、全血試料である。他の実施形態において、試料は、組織(例えば、組織ホモジネート)、組織抽出物、または細胞溶解物である。
前記考察の多くは、病原性エーリキア属に対する抗体の検出に関する。しかしながら、考察は、インビトロまたはインビボのいずれかでの予備刺激されたT細胞の検出にも適用されると理解されるべきである。
IgGが産生されるので、細胞媒介性免疫応答(例えば、Tヘルパー応答)が生じると予想される。従って、予備刺激されたT細胞と本明細書に記載のペプチドの集団との間の免疫学的反応性を測定することが可能であると予想される。インビトロでは、これは、対象から単離されたT細胞をペプチドの集団とともにインキュベートし、免疫反応性を、例えば、その後のT細胞増殖を測定すること、または、T細胞からのサイトカイン、例えば、IFN−γの放出を測定することによって行うことができる。これらの方法は、当該技術分野で周知である。
本発明の方法をインビボで実施する場合、種々の従来のアッセイのいずれかを用いることができる。例えば、アッセイを皮膚試験の形態で、例えば、対象に本明細書に記載のペプチドの集団を皮内注射することにより、実施することができる。注射位置での陽性の皮膚反応は、該ペプチドの集団が特異的であるエーリキア属の種に対象がさらされ、これに感染していることを示す。対象に感染しているエーリキア属の種は、本明細書に記載のペプチドの集団によって本発明の方法を用いて同定することができる。これまたは他のインビボ試験は、対象におけるT細胞応答の検出に依存する。
本方法の特定の実施形態は、検出結果を報告する段階をさらに含む。報告は、電子、書面、または口頭で行ってもよい。コンピューターなどの機械を介して行ってもよい。
さらに別の態様において、本発明は、キットを提供する。いくつかの実施形態において、キットは、本明細書に記載の単離されたペプチドのうちの少なくとも1つの集団を含む。特定の実施形態において、キットは、ペプチドのうちの少なくとも2つまたは3つの異なる集団を含む。いくつかの実施形態において、キットは、本明細書に記載のペプチドの第1、第2、及び/または第3集団を含む。特定の実施形態において、キットは、使用説明書をさらに含む。
いくつかの実施形態において、キットは、エーリキア抗原と結合する抗体を検出し、及び/または、存在する場合に対象に感染しているエーリキア属の種を同定するためのキットである。
特定の実施形態において、キットは、
本明細書に記載の単離されたペプチドの第1集団と;
本明細書に記載の単離されたペプチドの第2集団と;
本明細書に記載の単離されたペプチドの第3集団と;
存在する場合に生物試料中のエーリキア属の種を同定するためにペプチドの第1、第2、及び第3集団を使用するための使用説明書と
を含む。
キットの特定の実施形態において、単離されたペプチドの第1集団は、E.カニス、E.シャフェンシス、及びE.エウィンギを含む複数のエーリキア属の種由来の抗原に対する抗体と特異的に結合することができる。他の実施形態において、単離されたペプチドの第1集団は、少なくとも3つの異なるペプチドを含み、各々のペプチドは、本明細書に記載の配列番号1の配列またはその断片を含む。キットに使用することができる配列番号1を有するペプチド配列の具体例は、上述しており、例えば、種々のアミノ酸を有することができる位置に特定のアミノ酸を有するものである。いくつかの具体例は、配列番号4〜51である。キットに使用することができる配列番号1の断片についても上述している。
キットの他の特定の実施形態において、単離されたペプチドの第2集団は、E.エウィンギ由来の抗原に対する抗体に特異的または優先的に結合することができるが、E.カニスまたはE.シャフェンシス由来の抗原に対する抗体には結合しないかまたは優先的に結合しない。他の実施形態において、単離されたペプチドの第2集団は、少なくとも3つの異なるペプチドを含み、各々のペプチドは、本明細書に記載の配列番号2の配列またはその断片を含む。キットに使用することができる配列番号2を有するペプチド配列の具体例は、上述しており、例えば、種々のアミノ酸を有することができる位置に特定のアミノ酸を有するものである。いくつかの具体例は、配列番号52〜66である。キットに使用することができる配列番号2の断片についても上述している。
キットのさらに他の実施形態において、単離されたペプチドの第3集団は、E.カニス及びE.シャフェンシス由来の抗原に対する抗体に特異的または優先的に結合することができるが、E.エウィンギ由来の抗原に対する抗体には結合しないかまたは優先的に結合しない。他の実施形態において、単離されたペプチドの第3集団は、少なくとも2つまたは3つの異なるペプチドを含み、各々のペプチドは、本明細書に記載の配列番号3の配列またはその断片を含む。キットに使用することができる配列番号3を有するペプチド配列の具体例は、上述しており、例えば、種々のアミノ酸を有することができる位置に特定のアミノ酸を有するものである。いくつかの具体例は、配列番号67〜120である。キットに使用することができる配列番号3の断片についても上述している。
キットの特定の実施形態において、ペプチド集団は、固体支持体に付着しているか、または固体支持体上に固定化されている。いくつかの実施形態において、ペプチド集団は、金属ナノ層(例えば、カドミウム、亜鉛、水銀、金、銀、銅、または白金ナノ層)を介して固体支持体に付着しているか、または固体支持体上に固定化されている。特定の実施形態において、固体支持体は、ビーズ(例えば、コロイド状粒子または金属ナノ粒子またはナノシェル)、ラテラルフローイムノアッセイ装置中の流路、分析もしくは遠心ローター中の流路、または管もしくはウェル(例えば、プレート中)、またはセンサー(例えば、電気化学的、光学的、もしくは光電式センサー)である。
特定の種類のアッセイ用の試薬は、本発明のキットで提供することもできる。従って、キットは、(例えば、凝集アッセイまたはラテラルフローアッセイに好適な)ビーズの集団、またはプレート(例えば、ELISAアッセイに好適なプレート)を含み得る。他の実施形態において、キットは、ラテラルフローイムノアッセイ装置、分析もしくは遠心ローター、ウェスタンブロット、ドットブロット、スロットブロット、または電気化学的、光学的、もしくは光電式センサーなどの装置を含む。ビーズの集団、プレート、及び装置は、イムノアッセイを実施するために有用である。例えば、それらは、試料由来の抗体及び本発明のペプチドを含む抗体−ペプチド複合体の形成を検出するために有用である可能性がある。特定の実施形態において、本発明のペプチド、異なるペプチドの混合物(すなわち、ペプチドの集団)、または本発明のペプチド組成物は、ビーズ、プレート、または装置に付着させるかまたは固定化させる。
加えて、キットは、種々の希釈剤及び緩衝液、標識されたコンジュゲートまたは特異的に結合した抗原もしくは抗体の検出用の他の作用物質(例えば、標識試薬)、並びに他のシグナル生成試薬、例えば、酵素基質、コファクター、及びクロモゲンを含み得る。いくつかの実施形態において、キットは、標識試薬として、検出可能な標識(例えば、金属ナノ粒子、金属ナノシェル、金属ナノ層、フルオロフォア、量子ドット、着色ラテックス粒子、または酵素)にコンジュゲートした抗ヒト、抗イヌ科動物、または抗ネコ科動物IgG/IgM抗体を含む。他の実施形態において、キットは、標識試薬として、検出可能な標識(例えば、金属ナノ粒子、金属ナノシェル、金属ナノ層、フルオロフォア、着色ラテックス粒子、または酵素)にコンジュゲートしたタンパク質A、タンパク質G、タンパク質A/G融合タンパク質、タンパク質L、またはそれらの組み合わせを含む。例示のタンパク質A/G融合タンパク質は、タンパク質A由来の4つのFc結合ドメインをタンパク質G由来の2つのFc結合ドメインと組み合わせる。例えば、Sikkema, J.W.D., Amer. Biotech. Lab, 7:42, 1989及びEliassonら, J. Biol. Chem. 263, 4323−4327, 1988を参照されたい。それら両方は、それら全体が参照により本明細書中に組み込まれる。
キットの他の構成要素を当業者は容易に決定することができる。そのような構成要素は、コーティング試薬、本明細書に記載のペプチドの集団に特異的なポリクローナルもしくはモノクローナル捕捉抗体、標準としてのこれらの抗原の精製もしくは半精製抽出物、モノクローナル抗体ディテクター抗体、検出可能な標識にコンジュゲートした抗マウス、抗イヌ、抗ネコ、抗ニワトリ、または抗ヒト抗体、比色用インジケータチャート、使い捨て手袋、除染指示書、アプリケ−タースティックまたは容器、試料準備カップなどを含み得る。一実施形態において、キットは、緩衝液またはペプチド−抗体複合体を形成させる反応培地を構成するために適切な他の試薬を含む。
特定の実施形態において、キットは、エーリキア抗原に対する抗体を検出し、及び/または、存在する場合に対象に感染しているエーリキア属の種を同定するために、本明細書に記載の単離されたペプチドの第1、第2、及び/または第3集団をどのように使用するかを示す使用説明書を含む。特定の実施形態において、キットは、1つまたは複数のエーリキア抗原に対する抗体を検出し、及び/または、エーリキア属の種を同定するために、ビーズの集団、プレート、または装置(例えば、ペプチドまたは本発明のペプチドの集団を含む)をどのように使用するかを示す使用説明書を含む。特定の実施形態において、使用説明書は、本明細書に記載の方法による、存在する場合に対象に感染しているエーリキア属の種を同定するための指図を含む。特定の実施形態において、使用説明書は、生物試料をペプチドの第1、第2、及び第3集団に別々に接触させるための指図を含む。特定の実施形態において、使用説明書は、生物試料をペプチドの第1、第2、及び第3集団に順次接触させるための指図を含む。
そのようなキットは、臨床検査室が病原性エーリキア属による感染を診断し、及び/または、対象に感染しているエーリキア属の種を同定する便利で効率的な方法を提供する。
別の態様において、本発明は、存在する場合に対象に感染しているエーリキア属の種を同定するのに有用な組成物を提供する。いくつかの実施形態において、組成物は、本明細書に記載の単離されたペプチドの少なくとも1つの集団を含む。特定の実施形態において、本発明は、ペプチドの第1、第2、及び第3集団をそれぞれ含む、組成物の組み合わせを提供する。
別の態様において、本発明は、存在する場合に対象に感染しているエーリキア属の種を同定するのに有用な装置を提供する。いくつかの実施形態において、装置は、前述の単離されたペプチドの少なくとも1つの集団を含む。特定の実施形態において、装置は、ペプチドの第1、第2、及び第3集団を含む。
特定の実施形態において、装置は、イムノアッセイを実施するのに有用である。例えば、特定の実施形態において、装置は、ラテラルフローイムノアッセイ装置である。いくつかの実施形態において、装置は、ペプチドまたはペプチドの集団が付着する複数のビーズから構成されるスライドである。他の実施形態において、装置は、分析または遠心ローターである。他の実施形態において、装置は、ドットブロット、スロットブロット、またはウェスタンブロットである。他の実施形態において、装置は、管またはウェルであり、例えば、ELISAアッセイに好適なプレートの状態である。さらに他の実施形態において、装置は、電気化学的センサー、光学的センサー、光電式センサー、X線フィルム、化学発光イメージャー、または光子検出機器である。
本発明の方法、キット、組成物、及び装置は、多くの利点をもたらす。例えば、これらにより、簡単で、安価、迅速であり、感度がよく、かつ正確な、エーリキア属に対する抗体の検出かつ存在する場合には対象に感染しているエーリキア属の種の同定が可能になる。これらは、同様の症状を有する他の状態との血清学的交差反応も回避する。これにより、細菌及び種の正確な診断が可能になるため、特定のエーリキア属の種に対して必要となり得る適時かつ適切な治療が容易になる。
以下の実施例は、本発明の種々の態様を例証する。実施例は、当然のことながら、単にあくまで本発明の特定の実施形態のみの例示にすぎず、本発明の範囲に制限を構成するものではない。
実施例1−エーリキア属によるイヌの実験的感染及びELISAによる種特異的抗エーリキア抗体の検出
この実施例は、特定のエーリキア属の種に特異的な抗体が生成され、本明細書に記載のペプチドの集団に反応することが分かったことを示す。
病理変化及び抗体産生の経過を研究する目的で、多数のイヌをE.カニス、E.シャフェンシスまたはE.エウィンギに実験的に感染させた(エーリキア属の種ごとに4匹のイヌ)。動物には、それぞれ、E.カニス及びE.シャフェンシスの培養、及びE.エウィンギ(E.エウィンギは、培養することができなかったため、IFAを行うためのスライドは、この種については現在入手できない)の血液安定化物を用いて感染させた。血漿試料を種々の時点で感染イヌから採取し、「イヌ血漿試料」を生成した。感染動物の全てはPCRによって細菌DNAの存在を示したが、研究に許された期間中、E.シャフェンシスに感染したイヌのうちの1匹とE.カニスに感染したイヌのうちの2匹のみが、SNAP 4DX Plus(商標)(IDEXXラボラトリーズ社によって作製、E.カニス、E.エウィンギ及びE.シャフェンシスに対する抗体を検出する)との反応性によって判断された抗細菌抗体の存在を示した。SNAP 4DX Plus(商標)に陽性であると分かった感染研究からの全てのイヌ血漿試料も、以下に記載のペプチドの第1集団(ECHEW1)を用いて、以下に記載の本方法に従って実施されたELISAアッセイで陽性であった。
ペプチドの3つの異なる集団は、標準的な合成手順を用いて合成した。ペプチドの第1集団(ECHEW1)における各ペプチドは、配列番号1の配列を含有していた。これは、以下のエーリキア抗原:カニス/シャフェンシス由来のmsp4、p30、またはp30−1、及びエウィンギ由来の28kDによって誘発された抗体に結合する2つの異なる配列を包含するキメラペプチドを含む。ペプチドのECHEW1集団は、複数のエーリキア属の種(E.カニス、E.シャフェンシス、及びE.エウィンギ)によって誘発された抗体に特異的に結合する。ペプチドの第2集団(EE13)における各ペプチドは、配列番号2の配列を含有していた。ペプチドのEE13集団は、E.カニス及びE.シャフェンシスに対するいくらかの低い交差反応を伴って、E.エウィンギによって主に誘発された抗体に特異的に結合する。ペプチドの第3集団(EE12EW1)における各ペプチドは、配列番号3の配列を含有していた。ペプチドのEE12EW1集団は、E.エウィンギに対するいくらかの低い交差反応を伴って、E.カニス及びE.シャフェンシスによって主に誘発された抗体に特異的に結合する。
ELISA方法
1.被覆抗原
1.1. 96ウェルプレート(Thermo Scientific Nunc(商標)MaxiSorp「マイクロプレート」)中の所望の数のウェルを、1〜20μg/mLのアバクシス社のエーリキア抗原集団ECHEW1、EE12EW1、またはEE13(各々は、BSAにコンジュゲートさせ、0.1M炭酸/重炭酸ナトリウム緩衝液(pH9〜9.4)に希釈した)で被膜した。0.1mLの抗原を各ウェルに添加し、プレートをマイクロプレートシェーカー上で、250〜300rpmで室温にておよそ1時間インキュベートすることで被覆を行った。
1.2. 被覆溶液を除去した後、紙タオル上でプレートを軽くたたき、もしあれば懸滴を除去した。0.3mLの脱イオン水を各ウェルに添加し、プレートを250〜300rpmで5分間振動させた。液体を上述のように除去した。
1.3. 1.2と同様に、洗浄工程を2回繰り返した。
2.プレートのブロッキング
2.1. 被覆したプレートウェルを、100mLの脱イオン水中に30gの無脂肪乳からなるブロッキング溶液で処理することでブロックした。各ウェルに0.3mlのブロッキング溶液を充填し、プレートをシェーカー上に250〜300rpmでおよそ1時間載置した。
2.2. ブロッキング溶液を除去し、紙タオル上でプレートを軽くたたき、懸滴を除去した。
3.試料/キャリブレータインキュベーション
3.1. 抗エーリキア抗体キャリブレータを、公知の種に対して高力価の血漿試料のプールを作製することで、イヌ科動物の血漿から生成した。SNAP 4DX Plus(商標)及びSNAP 3DX(商標)(IDEXXによって作製、E.エウィンギではなくE.カニス、E.エウィンギ及びE.シャフェンシスに対する抗体を検出する)鑑別試験及びIFAによって種を判断した。その後、プールに任意のスコアを割り当て、陰性イヌ科動物血漿希釈液中で種々のレベルに希釈した。スコアは、希釈と線形的にスケーリングした:例えば、スコア40の試料は、得られたスコアが20のものの2倍に希釈した。5つのエーリキアキャリブレータのセットを、エーリキアELISA用の各プレート上で実行した。1つのセットは、E.カニス、E.シャフェンシス及びE.エウィンギに陽性である血漿試料から構成され、ECHEW1被膜プレートと一緒に使用した。1つのセットは、カニス及びシャフェンシスそれぞれのIFAにおいて近い力価を示す試料を用いた、抗E.カニス/E.シャフェンシス陽性試料から構成され、ECHEW1被膜プレート及びEE12EW1被膜プレートと一緒に使用した。別のセットは、抗E.エウィンギ陽性試料から構成され、EE13被膜プレートと一緒に使用した。各イヌ血漿試料またはキャリブレータは、ブロッキング溶液中で250倍に希釈した。希釈したキャリブレータとイヌ血漿試料の各々の0.1mLのアリコートをウェルに添加し、プレートをシェーカー上に250〜300rpmで1時間載置した。キャリブレータ及びイヌ血漿試料の両方を2回実行し、報告した結果は、2回の読み取りの平均である。
3.2. 試料溶液を除去し、50mMのTrizma塩基(シグマアルドリッチT1503)及び0.05%のCHAPS洗剤(pH8.0)(シグマアルドリッチC3023)を含む洗浄緩衝液でプレートを洗浄した。0.3mLの洗浄緩衝液を添加し、プレートを250〜300rpmで5分間振動することで洗浄工程を行った。プレートを反転させることで洗浄溶液を除去した後、紙タオル上で軽くたたき、もしあれば懸滴を除去した。
3.3. 上記の洗浄工程を2回繰り返した。
4.コンジュゲートインキュベーション
4.1. タンパク質A−HRPコンジュゲート(Bio−Rad 170−6522)をブロッキング溶液(上の2.1に記載)中に8000倍に希釈し、0.1mLの希釈コンジュゲートを各ウェルに添加した。次いで、プレートを250〜300rpmで室温にておよそ1時間振動させながらインキュベートした。
4.2. コンジュゲートを除去し、プレートを紙タオル上で軽くたたき、懸滴を除去した。3.2及び3.3で上述したように、プレートを3回洗浄した。最後に、プレートをウェル当たり0.3mLの希釈水で洗浄した。
4.3.0.1mLの基質TMB溶液(Millipore ES022)を添加することによって、結合したコンジュゲートを分析した。基質を室温で10分間反応させ、OD650nmの読み取りをプレートリーダー(Spectramax340PC.)で行った。
感染イヌ由来の血漿試料をいくつかの時点で採取し、ECHEW1、EE13、及びEE12EW1をそれぞれ用いて、上述のようなエーリキアELISA方法で分析した。結果を図2に示す。これらの結果は、抗体とECHEW1及びEE12EW1の反応性がE.カニス及びE.シャフェンシスに応答して産生されたことを示す。E.カニスに応答して産生された抗体は、E.エウィンギ特異的ペプチド集団EE13と反応した。E.シャフェンシスに感染したイヌ由来の感染42日後の試料と、EE13との非常にわずかな交差反応が確認された。
実施例2−ペプチド集団を用いた、さらに公知の抗エーリキア陽性または陰性試料由来の種特異的抗体の存在の検出
この実施例は、抗エーリキア抗体の存在の検出と、存在する場合には、ELISAにおいてペプチドのECHEW1、EE13、及びEE12EW1集団を用いて基準方法によって抗エーリキア陽性または陰性であると同定されたさらなる試料由来の種特異的抗体とを示す。ELISA結果が基準方法の結果と一致することを示す。
3つの集団、ECHEW1、EE13、及びEE12EW1における各ペプチドは、チオエーテル化学を用いて、担体タンパク質ウシ血清アルブミン(BSA)に別々に結合させた。得られたBSA−ペプチドコンジュゲートは、96ウェルELISAプレート中で捕捉用物質として使用し、3つの別々のELISAアッセイ(プレート当たり1つのペプチド集団)を作製した。その後、プレートをブロックして、望ましくない非特異的結合を防止した。
全部で224個の抗エーリキア陽性試料(IFA及びSNAP 4DX Plus(商標)/SNAP 3Dx(商標)によって判断したE.カニス、E.シャフェンシス、またはE.エウィンギに陽性のイヌ血漿試料)と264個の抗エーリキア陰性試料(同じ基準方法によって判断したE.カニス、E.シャフェンシス、及びE.エウィンギに陰性の244個のイヌ血漿試料と20個のイヌ全血試料)を、3つのELISAプレートの各々において、固定化されたペプチド集団と共にインキュベートした。1時間のインキュベーション後、マイクロウェルを洗浄することで未反応物を除去した。特異的に捕捉されたイヌIgGまたはIgMを、HRP標識タンパク質Aとの反応によって検出した。市販のTMB基質を用いてHRPを分析した。各ウェルの光学密度をプレートリーダーで650nmにて読み取った。IFA及びSNAP試験から「試料状態」によって分類した結果の概要を以下の表1に示す。
(表1)公知のエーリキア陽性または陰性試料のELISA結果
Figure 2017515103
試料状態は、IFA及びSNAP試験の結果から判断した。
ECHEW1のELISA結果は、スコア≧3の場合には「陽性」、スコア<3の場合には「陰性」として分類した。
224個の抗エーリキア陽性試料(IFA及びSNAP試験によって判断)のうち、209個は、ペプチド集団ECHEW1を用いて我々のELISAアッセイによって陽性と同定された。従って、ELISA ECHEW1の感度率は、93.3%であった。264個の抗エーリキア陰性試料のうち、259個は、我々のELISAアッセイによって陰性と同定された。従って、ELISA ECHEW1の特異性(%)は、98.1%であった。さらに、IFA及びSNAP試験によって抗E.カニス特異的または抗E.シャフェンシス特異的として分類された108個の試料のうち、99個(「EE12EW1>EE13によるECHEW1陽性」)は、我々のELISA検出プロセスによって正確に同定された。IFA及びSNAP試験によって抗E.エウィンギ特異的として分類された92個の試料のうち、80個の(「EE13>EE12EW1によるECHEW1陽性」)は、我々のELISA検出プロセスによって同定された。したがって、我々のELISA方法は、基準方法と良好に一致する。
加えて、IFAまたはSNAPアッセイによって種の情報を判断できなかった25個の抗エーリキア陽性試料のうち、我々のELISAは、それらを相当に高い信頼度でE.カニス/E.シャフェンシス特異的(EE12EW1スコアがEE13スコアよりも高い場合)またはE.エウィンギ特異的(EE13スコアがEE12EW1スコアよりも高い場合)のいずれかであると同定した。
いくつかの実施形態において、ラテラルフローイムノアッセイは、上述の方法において、ELISAアッセイの代わりに使用することができる。したがって、本明細書に記載のペプチドの集団を用いる他のアッセイ形式は、エーリキア属の種を同定するための本発明の方法に使用することができる。
実施例3−標準曲線の生成及び3つの未知の試料の同定
この実施例は、単離されたペプチドの3つの集団、ECHEW1、EE13、及びEE12EW1の標準曲線をどのように生成することができるかのみならず、3つの未知の試料を本発明の方法に従ってどのように分類したかを詳細に示す。
ELISAアッセイは、実施例1に記載の方法に従って実施した。特に、実施例1に記載された公知のイヌ科動物血漿試料から生成された5つのエーリキアキャリブレータのセットを、エーリキアELISA用の各プレート上で実行した。1つのセットは、E.カニス/E.シャフェンシス陽性試料から構成され、ECHEW1被膜プレート及びEE12EW1被膜プレートと一緒に使用した。別のセットは、抗E.エウィンギ陽性試料から構成され、EE13被膜プレートと一緒に使用した。
3つの未知のイヌ科動物血漿試料の各々をブロッキング溶液中で250、500、及び1000倍に希釈した。次いで、希釈したキャリブレータと未知の試料の各々の0.1mLのアリコートをウェルに添加し、プレートをシェーカー上に250〜300rpmで1時間載置した。
キャリブレータ及び未知の試料の両方を2回実行し、報告した結果は、2回の読み取りの平均である。
データ分析
ペプチドの各集団の標準曲線は、x軸にスコア(全ての種のECHEW1スコア、カニス及び/またはシャフェンシスのEE12EW1スコア、及びエウィンギのEE13スコア)及びy軸に光学密度(OD)で、ELISAキャリブレータをそれぞれ用いて調製した。未知の試料のエーリキアスコアを、この標準曲線から補間した。未知の試料のECHEW1スコア、EE12EW1スコア、またはEE13スコアは、較正曲線の範囲内にある希釈からODを用いて判断した。
結果
キャリブレータのELISA結果(OD650nm読み取り)を表2に示す:
(表2)標準曲線(割り当てたスコア及びキャリブレータのOD読み取り)
Figure 2017515103
標準曲線は、以下のように算出した:
ECHEW1:OD=0.0088(ECHEW1スコア)+0.0027
EE12EW1:OD=0.0055(EE12EW1スコア)+0.005
EE13:OD=0.0069(EE13スコア)+0.0029
未知の試料のELISA結果を表3に示す:
(表3)未知の試料のELISA OD読み取り
Figure 2017515103
未知の試料のスコアは、以下の式によって算出した:
(スコア)=(OD−B)/A
ここで、Bは標準曲線の切片であり、Aは勾配である。
各スコアについて、使用したOD及び定数は、当該ペプチド集団に由来する。
未知の試料ごとに算出したスコは、以下の通りである:
1.)未知1
(ECHEW1スコア)=(0.42−0.0027)/0.0088=47
(EE12EW1スコア)=(0.03−0.005)/0.0055=5
(EE13スコア)=(0.34−0.0029)/0.0069=49
ECHEW1スコアを使用して、試料がE.カニス、E.シャフェンシス、及びE.エウィンギ由来のいずれかの種の感染に陽性または陰性であるかどうかを判断した。次いで、EE13スコアをEE12EW1スコアと比較して、感染した種を判断した。この場合、未知1について、ECHEW1スコアは陽性であり、EE13スコア>>EE12EW1スコアであるため、試料は、E.エウィンギに対して陽性である。
2.)未知2
(ECHEW1スコア)=(0.48−0.0027)/0.0088=54
(EE12EW1スコア)=(0.31−0.005)/0.0055=55
(EE13スコア)=(0.01−0.0029)/0.0069=1
EE12EW1スコア>>EE13スコアであるため、試料は、E.カニス/E.シャフェンシスに対して陽性である。
3.)未知3
(ECHEW1スコア)=(0.003−0.0027)/0.0088=0
(EE12EW1スコア)=(0.012−0.005)/0.0055=1
(EE13スコア)=(0.002−0.0029)/0.0069=0
3つ全てのスコアは非常に低いため、試料は、3つ全てのエーリキア属の種に対して陰性である。
カットオフ
ELISA試験法のカットオフは、294個の試料、128個の陰性及び166個の陽性の分析に基づいて算出した。これらの試料は、SNAP 4Dx Plus、及びE.カニス及びE.シャフェンシスIFA力価を使用して分類した。この研究で用いた試料は、両方の方法が一致した、すなわち、SNAP及びIFAの両方とも陽性または両方とも陰性であったもののいずれかである。この場合、IFA力価のうちのどちらか高いほうが、使用した値であった。これら294個の試料の各々は、実施例1に記載の手順に従って、ELISAアッセイを用いて試験し、抗体レベルスコアを、試料ごとの各アッセイ結果に割り当てた。このELISAアッセイを行った試料の陽性及び陰性状態は、ECHEW1スコアのみに基づいて判断したため、ここの計算全ては、これらの試料のECHEW1スコアに関するものであった。
カットオフは、陰性平均を上回る3標準偏差で設定した。この試料セットについては、
陰性試料の平均は、0.37
陰性試料の標準偏差は、0.82
平均+3×{標準偏差}は、2.84である。
この実施例において、全てのスコアは、最も近い整数に四捨五入したため、ECHEW1スコア>=3である試料はいずれも陽性と見なした。ELISAスコアが3で、特異性が99.2%、感度が95.8%であると見なした。
参照により組み込まれた文書内のいずれかの定義が本明細書において提供される定義と矛盾する程度まで、本明細書において提供される定義が支配する。本発明の好ましい実施形態を参照して本発明を記載したが、当業者には明らかであるような、種々の変化及び修飾を、本発明の精神から逸脱することなくなすことができると理解されるべきである。従って、本発明は、以下の特許請求の範囲によってのみ限定される。
本明細書に引用される各々及び全ての特許、特許出願、及び刊行物の、特許請求の範囲、図、及び/または図面の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。

Claims (31)

  1. 対象由来の試料を少なくとも3つの異なるペプチドを含む単離されたペプチドの第1集団に接触させる段階であって、各々のペプチドが、
    Figure 2017515103
    の配列またはその断片を含み、ここで、Xは、A及びVからなる群から選択されるアミノ酸であり、Xは、E及びDからなる群から選択されるアミノ酸であり、Xは、T及びPからなる群から選択されるアミノ酸であり、X10は、T及びVからなる群から選択されるアミノ酸であり、X11は、G及びAからなる群から選択されるアミノ酸であり、X12は、L及びVからなる群から選択されるアミノ酸であり、X13は、Y及びFからなる群から選択されるアミノ酸であり、X18は、D及びNからなる群から選択されるアミノ酸であり、X20は、D及びNからなる群から選択されるアミノ酸であり、X22は、S及びVからなる群から選択されるアミノ酸であり、X23は、A、S、及びTからなる群から選択されるアミノ酸であり、X24は、A及びIからなる群から選択されるアミノ酸であり、X25は、T及びPからなる群から選択されるアミノ酸であり、X26は、S、N、及びKからなる群から選択されるアミノ酸であり、X39は、任意のアミノ酸であり、X44は、任意のアミノ酸であり、X49は、任意のアミノ酸であり、X56は、任意のアミノ酸であり、並びにX58は、任意のアミノ酸である、前記段階と;
    抗体と前記第1集団における1つまたは複数のペプチドとを含む第1の複合体セットの形成を検出する段階と;
    前記試料を少なくとも3つの異なるペプチドを含む単離されたペプチドの第2集団に接触させる段階であって、各々のペプチドが、
    Figure 2017515103
    の配列またはその断片を含み、ここで、Xは、任意のアミノ酸であり、X12は、任意のアミノ酸であり、X17は、任意のアミノ酸であり、X24は、任意のアミノ酸であり、及びX26は、任意のアミノ酸である、前記段階と;
    抗体と前記第2集団における1つまたは複数のペプチドとを含む第2の複合体セットの形成を検出する段階であって、前記第1及び第2の複合体セットの両方の形成が、前記対象がエーリキア・エウィンギ(Ehrlichia ewingii)(E.エウィンギ)に感染していることを示し、前記第2の複合体セットではなく前記第1の複合体セットの形成が、前記対象がエーリキア・カニス(Ehrlichia canis)(E.カニス)及び/またはエーリキア・シャフェンシス(Ehrlichia chaffeensis)(E.シャフェンシス)に感染していることを示す、前記段階と
    を含む、存在する場合に対象に感染しているエーリキア属の種を同定するための方法。
  2. 対象由来の試料を請求項1に記載の単離されたペプチドの第1集団に接触させる段階と;
    抗体と前記第1集団における1つまたは複数のペプチドとを含む第1の複合体セットの形成を検出する段階と;
    前記試料を少なくとも3つの異なるペプチドを含む単離されたペプチドの第3集団に接触させる段階であって、各々のペプチドが、
    Figure 2017515103
    の配列またはその断片を含み、ここで、Xは、A及びVからなる群から選択されるアミノ酸であり、Xは、E及びDからなる群から選択されるアミノ酸であり、Xは、T及びPからなる群から選択されるアミノ酸であり、X10は、T及びVからなる群から選択されるアミノ酸であり、X11は、G及びAからなる群から選択されるアミノ酸であり、X12は、L及びVからなる群から選択されるアミノ酸であり、X13は、Y及びFからなる群から選択されるアミノ酸であり、X18は、D及びNからなる群から選択されるアミノ酸であり、X20は、D及びNからなる群から選択されるアミノ酸であり、X22は、S及びVからなる群から選択されるアミノ酸であり、X23は、A、S、及びTからなる群から選択されるアミノ酸であり、X24は、A及びIからなる群から選択されるアミノ酸であり、X25は、T及びPからなる群から選択されるアミノ酸であり、X26は、S、N、及びKからなる群から選択されるアミノ酸であり、X39は、任意のアミノ酸であり、X41は、D及びNからなる群から選択されるアミノ酸であり、X44は、任意のアミノ酸であり、X48は、V及びAからなる群から選択されるアミノ酸であり、X49は、任意のアミノ酸であり、X56は、任意のアミノ酸であり、並びにX58は、任意のアミノ酸である、前記段階と;
    抗体と前記第3集団における1つまたは複数のペプチドとを含む第3の複合体セットの形成を検出する段階であって、前記第1及び第3の抗体−ペプチド複合体セットの両方の形成が、前記対象がE.カニス及び/またはE.シャフェンシスに感染していることを示し、前記第3の抗体−ペプチド複合体セットではなく前記第1の抗体−ペプチド複合体セットの形成が、前記対象がE.エウィンギに感染していることを示す、前記段階と
    を含む、存在する場合に対象に感染しているエーリキア属の種を同定するための方法。
  3. 配列番号1におけるX39が、Kである、請求項1または2に記載の方法。
  4. 配列番号1におけるX44が、KまたはRであり、配列番号1におけるX49が、EまたはDである、請求項1または2に記載の方法。
  5. 配列番号1におけるX56が、KまたはQであり、配列番号1におけるX58が、EまたはTである、請求項1または2に記載の方法。
  6. 配列番号1の前記断片が、配列番号1に由来する少なくとも20、25、30、35、または40個の連続したアミノ酸を含む、請求項1または2に記載の方法。
  7. 配列番号1の前記断片が、配列番号1のアミノ酸33〜71を含む、請求項1または2に記載の方法。
  8. 前記第1集団における各ペプチドが、配列番号1の配列を含む、請求項1または2に記載の方法。
  9. 配列番号2におけるXが、Kである、請求項1に記載の方法。
  10. 配列番号2におけるX12が、KまたはRであり、配列番号2におけるX17が、EまたはDである、請求項1に記載の方法。
  11. 配列番号2におけるX24が、KまたはQであり、配列番号2におけるX26が、EまたはTである、請求項1に記載の方法。
  12. 配列番号2の前記断片が、配列番号2に由来する少なくとも15、20、25、30、または35個の連続したアミノ酸を含む、請求項1に記載の方法。
  13. 前記第2集団における各ペプチドが、配列番号2の配列を含む、請求項1に記載の方法。
  14. 配列番号3におけるX39が、Kである、請求項2に記載の方法。
  15. 配列番号3におけるX44が、KまたはRであり、配列番号3におけるX49が、EまたはDである、請求項2に記載の方法。
  16. 配列番号3におけるX56が、KまたはQであり、配列番号3におけるX58が、EまたはTである、請求項2に記載の方法。
  17. 配列番号3の前記断片が、配列番号3に由来する少なくとも20、25、30、35、または40個の連続したアミノ酸を含む、請求項2に記載の方法。
  18. 配列番号3の前記断片が、配列番号3のアミノ酸33〜71を含む、請求項2に記載の方法。
  19. 前記第3集団における各ペプチドが、配列番号3の配列を含む、請求項2に記載の方法。
  20. 対象由来の試料を請求項1に記載の単離されたペプチドの第1集団に接触させる段階と;
    抗体と前記第1集団における1つまたは複数のペプチドとを含む第1の複合体セットの形成を検出する段階と;
    前記試料を請求項1に記載の単離されたペプチドの第2集団に接触させる段階と;
    抗体と前記第2集団における1つまたは複数のペプチドとを含む第2の複合体セットの形成を検出する段階と;
    前記試料を請求項2に記載の単離されたペプチドの第3集団に接触させる段階と;
    抗体と前記第3集団における1つまたは複数のペプチドとを含む第3の複合体セットの形成を検出する段階であって、前記第3の複合体セットではなく前記第1及び第2の複合体セットの両方の形成が、前記対象がE.エウィンギに感染していることを示し、前記第2の複合体セットではなく前記第1及び第3の複合体セットの両方の形成が、前記対象がE.カニス及び/またはE.シャフェンシスに感染していることを示す、前記段階と
    を含む、存在する場合に対象に感染しているエーリキア属の種を同定するための方法。
  21. 前記感染種がE.カニスまたはE.シャフェンシスであるかどうか判断するために、前記試料が少なくとも1つのアッセイでさらに分析される、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  22. 前記少なくとも1つのアッセイが、間接免疫蛍光測定法(IFA)、ドットブロットアッセイ、ラテラルフローアッセイ、ELISA、またはウェスタンブロットである、請求項21に記載の方法。
  23. 前記検出段階のうちの少なくとも1つが、(i)ELISAアッセイを実施すること;(ii)ラテラルフローアッセイを実行すること;(iii)凝集アッセイを実施すること;(iv)ウェスタンブロット、スロットブロット、もしくはドットブロットアッセイを実施すること;(v)波長シフトアッセイを実施すること;(vi)分析もしくは遠心ローターで前記試料を処理すること;または(vii)マイクロアレイアッセイを実行することを含む、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  24. 前記試料が、ヒト、イヌ科動物、またはネコ科動物対象由来である、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  25. 前記試料が、血液、血清、血漿、脳脊髄液、組織抽出物、尿、または唾液試料である、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  26. 前記試料が、全血試料である、請求項25に記載の方法。
  27. 検出結果を報告する段階をさらに含む、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  28. 請求項1に記載の単離されたペプチドの第1集団と;
    請求項1に記載の単離されたペプチドの第2集団と;
    請求項2に記載の単離されたペプチドの第3集団と;
    存在する場合に生物試料中のエーリキア属の種を同定するために前記ペプチドの第1、第2、及び第3集団を使用するための使用説明書と
    を含む、キット。
  29. 前記使用説明書が、生物試料を前記ペプチドの第1、第2、及び第3集団に順次接触させるための指図を含む、請求項28に記載のキット。
  30. 1つまたは複数の標識試薬をさらに含む、請求項28に記載のキット。
  31. 前記ペプチドの第1、第2、及び/または第3集団が固体支持体に固定化される、請求項28に記載のキット。
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