JP2003527073A - エーリキア・カニス(Ehrlichiacanis)の相同28−キロドルトンイムノドミナントタンパク質遺伝子及びその使用 - Google Patents

エーリキア・カニス(Ehrlichiacanis)の相同28−キロドルトンイムノドミナントタンパク質遺伝子及びその使用

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、エーリキア・カニス(Ehrlichia canis)の多型性多重遺伝子属由来の相同免疫反応性28−kDaタンパク質遺伝子、ECa28−1及びECa28SA3のクローニング、シークエンシング及び発現について示している。また、別の28−kDaタンパク質遺伝子であるECaSA2の全配列も提供する。さらに、エーリキア・カニスの5個すべての相同28−kDaタンパク質遺伝子がコードされた多重遺伝子座についても開示している。組換え体エーリキア・カニス28−kDaタンパク質はE.カニス感染イヌの回復期相抗血清と反応する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の背景 発明の分野 本発明は一般的には分子生物学の分野に関するものである。より具体的には、
本発明は分子クローニングと、エーリキア・カニス(Ehrlichia canis)の相同
28−kDaタンパク質遺伝子及びエーリキア・カニスの28−kDa相同タン
パク質をコードする多重遺伝子座の特徴づけ、及びそれらの使用法に関している
【0002】 関連技術の説明 イヌの熱帯性汎血球減少症としても知られているイヌ・エーリキア症は193
5年にアフリカで、そして1963年に米国でそれぞれ最初に報告されたイヌの
ダニ媒介リッケチア病である(Donatrien及びLestoquard、1934;Ewing、1963)
。この病気はベトナム戦争中に米国の軍用犬で起きた流行病後により良く知られ
るようになった(Walkerら、1970)。
【0003】 イヌ・エーリキア症の病因体はエーリキア・カニスで、これは単核食細胞に対
する向性を示し(Nyindoら、1971)、褐色のイヌ・ダニであるリピセファルス・
サンギネウス(Rhipicephalus sanguineus)によって媒介される(Grovesら、19
75)小さなグラム陰性の細胞内寄生バクテリアである。イヌ・エーリキア症の伝
播は急性、潜在性、及び慢性の3つの相で起きる。急性相は熱、食欲不振、鬱状
態、リンパ節障害、及び軽度の血小板減少症によって特徴付けられる(Troy及び
Forrester、1990)。イヌは通常急性相から回復するが、数ヶ月あるいは数年間
も疾病の臨床的兆候を示さずにこの微生物の持続的に感染された保菌体となる(
Harrusら、1998)。場合によっては、血小板減少症、高血糖、食欲不振、体重減
少、そして出血、特に鼻出血、さらにそれに続く死によって特徴付けられるよう
な慢性相が発生する(Troy及びForrester、1990)。
【0004】 16S rRNA遺伝子に基づく分子分類学的解析によれば、E.カニス(E.
canis)とヒト単球性エーリキア症(HME)の病因体であるE.チャフェエン
シス(E. chaffeensis)とが非常に関連性が高いことを明らかになった(Anders
onら、1991;Andersonら、1992;Dawsonら、1991;Chenら、1994)。E.カニス
とE.チャフェエンシスとの間で64、47、40、30、29及び23−kD
a抗原のかなりの交差反応性が報告されている(Chenら、1994;Chenら、1997;
Rikihisaら、1994;Rikihisaら、1992)。免疫ブロットによるヒト及びイヌの回
復期相血清を用いての免疫反応性抗原の解析は30−kDaタンパク質を含む多
数のイムノドミナントタンパク質の確認につながった(Chenら、1997)。さらに
、E.カニスの30−kDaタンパク質は免疫反応の初期において抗原的にE.
チャフェエンシスの30−kDaタンパク質とは異なっていることが認識される
主なイムノドミナント抗原として述べられている(Rikihisaら、1992;Rikihisa
ら、1994)。分子量が20から30−kDaの範囲のE.カニスのその他のイム
ノドミナントタンパク質も同定されている(Brouquiら、1992;Nyindoら、1991
;Chenら、1994;Chenら、1997)。
【0005】 最近、23から28−kDaタンパク質をコードする多重複遺伝子族(omp
−l)のクローニング及びシークエンシングがE.チャフェエンシスに関して報
告されている(Ohashiら、1998)。カウドリア・ルミナンチウム(Cowdria rumi
nantium)map−1遺伝子と相同性の28−kDaイムノドミナント外膜タン
パク質遺伝子(p28)がクローン化された。組換え体p28で免疫化されたマ
ウスをその相同株で意図的に感染させようとしたが、刺激を与えてから5日目に
実施された末梢血液のPCR解析によれば、感染していなかった(Ohashiら、19
98)。E.チャフェエンシスomp−l遺伝子族及びC.ルミナンチウムmap
−1遺伝子と相同性のタンデムに配列された2つの類似した、しかし、まったく
同一ではないE.カニスの28−kDa遺伝子の分子クローニングについても報
告されている(Reddyら、1998)。
【0006】 先行技術はエーリキア・カニスの新しい相同28−kDa免疫反応性タンパク
質遺伝子及びそれら相同28−kDaタンパク質遺伝子を含んでいる単一の多重
遺伝子座のクローニング及び特徴づけが行われていない欠点がある。さらに、先
行技術には、エーリキア・カニスのこのような免疫反応性遺伝子の組換え体タン
パク質がないことも先行技術の欠陥である。本発明はこの技術分野におけるこの
長年のニーズと願望を達成するものである。
【0007】 発明の要約 本発明はエーリキア・カニスの(Eca28−1、ECa28SA3、及びE
Ca28SA2と命名された)相同成熟28−kDa免疫反応性タンパク質遺伝
子の分子クローニング、配列決定、特徴づけ、そして発現と、エーリキア・カニ
スの5つの28−kDaタンパク質遺伝子(ECa28SA1、ECa28SA
2、ECa28SA3、Eca28−1、ECa28−2)を含む単一の座(5
.592−kb)の確認について述べるものである。E.チャフェエンシスとE
.カニスとの28−kDaタンパク質遺伝子間の比較を行ったところ、ECa2
8−1はE.チャフェエンシスomp−1多重遺伝子族とアミノ酸がほとんど相
同であり、E.カニス単離体の間で高度に保持されていることが明らかになった
。5つの28−kDaタンパク質は成熟したタンパク質をもたらすシグナルペプ
チドを保有していることが予想され、51〜72%の範囲のアミノ酸相同性を有
していた。遺伝子間領域を解析したところ、各遺伝子に対してプロモータ遺伝子
と考えられる領域が明らかになり、このことはこれらの遺伝子が独立に、そして
それぞれ個別的に発現される可能性を示唆している。遺伝子間非コード領域はサ
イズが299〜355bpで、48〜71%の相同性を示した。
【0008】 本発明の1つの実施の形態で、エーリキア・カニスの30−kDa免疫反応性
タンパク質をコードするDNA配列が提供される。好ましくは、このタンパク質
は配列番号2、配列番号4、及び配列番号6で構成されるグループから選択され
るアミノ酸配列、並びに、遺伝子は配列番号1、配列番号3、及び配列番号5で
構成されるグループから選択される核酸配列を有しており、多型性多重遺伝子族
の一員である。一般的に、このタンパク質は翻訳後プロセスが終了した後に切断
されるN末端シグナル配列を有しており、その結果成熟した28−kDaタンパ
ク質をつくりだす。さらに好ましくは、28−kDaタンパク質をコードするこ
れらのDNAは、5.592kbのサイズを有し、エーリキア・カニスの5つの
相同28−kDaタンパク質のすべてをコードする単一の多重遺伝子座に含まれ
ている。
【0009】 本発明の別の実施の形態で、エーリキア・カニスの28−kDa免疫反応性タ
ンパク質をコードし、そのベクターが細胞に導入されるとその遺伝子を発現する
ことができる遺伝子で構成される発現ベクターが提供される。
【0010】 本発明のさらに別の実施の形態で、配列番号2、配列番号4及び配列番号6で
構成されるグループから選択されるアミノ酸配列を含む組換え体タンパク質が提
供される。好ましくは、このアミノ酸は配列番号1、配列番号3及び配列番号5
で構成されるグループから選択される核酸配列によってコードされる。好ましく
はこの組換え体タンパク質は表面露出され、親水性かつ抗原性の4つの可変領域
で構成される。この組換え体タンパク質は抗原として有用である可能性がある。
【0011】 本発明のさらに別の実施の形態で、それぞれ操作できるように1つのプロモー
タに結合された配列番号2、配列番号4及び配列番号6によって構成されたグル
ープから選択されるアミノ酸配列をコードする配列で構成された発現領域で構成
されるベクターを得るステップと、そのベクターを細胞内にトランスフェクトす
るステップと、そしてその細胞を上記発現領域を発現させるのに有効な条件下で
培養するステップで構成される上記組換え体タンパク質をつくりだす方法が提供
される。
【0012】 本発明はいくつかの実施の形態で、エーリキア・カニスにさらされた、あるい
はそれに感染されたことが疑われる個体を識別するステップと、エーリキア・カ
ニス感染を抑制するのに有効な量でエーリキア・カニスの29−kDa抗原を構
成する組成物を投与するステップで構成される個体のエーリキア・カニス感染を
抑制する方法として述べることも可能である。この抑制はその個体の体液あるい
は細胞免疫応答の刺激、あるいは上記28−kDa抗原の正常な機能を抑制した
り、あるいはその個体の体内でなんらかの作用物質と相互作用させるためにその
抗原と競合したりするなどのいずれの手段を通じてでも行うことができる。
【0013】 本発明の他の、そしてさらなる側面、特徴、及び利点は開示目的のために提供
される本発明の現段階での好ましい実施の形態についての以下の説明を参照する
ことで明らかになるであろう。
【0014】 発明の詳細な説明 本発明はエーリキア・カニス(Ehrlichia canis)の30キロ・ドルトン(k
Da)タンパク質をコードする相同遺伝子のクローニング、配列決定及び発現に
ついて述べるものである。7つのE.カニス単離体とE.チャフェエンシスom
p−1多重遺伝子族との間の比較分子解析も行われた。2つの新しい28−kD
aタンパク質遺伝子、ECa28−1とECa28SA3とが同定された。EC
a28−1は推定分子量が30.5−kDaである278アミノ酸のタンパク質
(配列番号2)をコードした、834bpオープン・リーディング・フレームを
有している。N末端シグナル配列が確認されており、このことはそのタンパク質
が27.7−kDaの成熟したタンパク質に翻訳後修飾されることを意味してい
る。ECa28SA3は280アミノ酸タンパク質(配列番号6)をコードする
840bpオープン・リーディング・フレームを有している。
【0015】 E.カニスの28−kDaタンパク質遺伝子を増幅するためにPCRを用いて
、ECa28SA2のこれまで配列が未決定であった部分の配列がつきとめられ
た。ECa28SA2の配列解析は、283アミノ酸タンパク質(配列番号4)
をコードする849bpオープン・リーディング・フレームを明らかにした。2
つの前分離遺伝子座に結合する28−kDaタンパク質遺伝子遺伝子間非コード
領域に対して固有のプライマーを用いてPCR増幅を行ったところ、5つの28
−kDaタンパク質遺伝子を含む単一の遺伝子座(5.592−kb)が示され
た。これら5つの28−kDaタンパク質は成熟したタンパク質をもたらすシグ
ナルペプチドを有していることが予想され、51〜72%の範囲のアミノ酸相同
性を有していた。遺伝子間領域の解析を行ったところ、各遺伝子に対してプロモ
ータと想定される領域が明らかにされたが、このことはこれらの遺伝子が独立的
に異なって発現されている可能性があることを示唆している。遺伝子間非コード
領域(28NC1−4)はサイズが299から355bpの範囲で、48〜71
%の相同性を示した。
【0016】 本発明はエーリキア・カニスの2つの新しい相同28−kDaタンパク質遺伝
子、ECa28−1とECa28SA3と、これまで部分的にしか配列決定され
ていなかったECa28SA2の完全な配列に関するものである。さらに、エー
リキア・カニスの2つの相同28−kDa外膜タンパク質のすべてをコードして
いる多重遺伝子座も開示されている。
【0017】 本発明の1つの実施の形態で、エーリキア・カニスの30−kDa免疫反応性
タンパク質をコードするDNA配列が提供される。好ましくは、このタンパク質
は配列番号2、配列番号4及び配列番号6で構成されるグループから選択される
アミノ酸配列を有しており、その遺伝子は配列番号1、配列番号3及び配列番号
5で構成されるグループから選択される核酸配列を有しており、多型性多重遺伝
子族に属している。より好ましくは、このタンパク質は翻訳後プロセスで切断さ
れて成熟した28−kDaタンパク質をもたらすN末端シグナル配列を有してい
る。さらに好ましくは、28−kDaタンパク質をコードするDNAはサイズが
5.592kbでエーリキア・カニスの5つの相同性28−kDaタンパク質の
すべてをコードする単一の多重遺伝子座に含まれている。
【0018】 本発明の別の実施の形態で、エーリキア・カニスの28−kDa免疫反応性タ
ンパク質をコードする遺伝子を含み、細胞内に導入された時にその遺伝子を発現
することができる発現ベクターが提供される。
【0019】 本発明のさらに別の実施の形態で、配列番号2、配列番号4及び配列番号6で
構成されるグループから選択されるアミノ酸配列を含む組換え体タンパク質が提
供される。好ましくは、上記アミノ酸配列は配列番号1、配列番号3及び配列番
号5で構成されるグループから選択される核酸配列によってコードされる。好ま
しくは、この組換え体タンパク質は表面露出され、親水性で抗原性の4つの可変
領域で構成されている。さらに好ましくは、この組換え体タンパク質は抗原であ
る。
【0020】 本発明のさらに別の実施の形態で、1つのプロモータに作用するように結合さ
れた配列番号2、配列番号4及び配列番号6で構成されるグループから選択され
るアミノ酸配列をコードする配列を含む発現領域を有するベクターを得るステッ
プと、そのベクターを細胞にトランスフェクトするステップと、そしてその発現
領域を発現するのに有効な条件下でその細胞を培養するステップで構成される上
記組換え体タンパク質を製造する方法が提供される。
【0021】 この発明は、いくつかの実施の形態では、エーリキア・カニスにさらされた、
あるいはそれに感染されていると疑われる患者を識別するステップと、エーリキ
ア・カニスの28−kDa抗原を含む組成物をエーリキア・カニス感染を抑制す
るのに有効な量だけ投与するステップを含む患者のエーリキア・カニス感染を抑
制する方法が提供される。抑制は、このような、すなわち、患者の体液又は細胞
免疫応答の刺激、又は、上記28−kDa抗原の正常な機能を阻害、あるいは、
その患者の体内で何らかの薬剤による相互作用に関してその抗原と競合するなど
の何らかの手段を通じて行われる。
【0022】 本発明によれば、通常の分子生物学、微生物学、及び遺伝子組換え体DNA技
術を先行技術の範囲内で用いることができる。こうした技術は種々の文献に十分
に述べられている。例えば、Manitias, Fritsch & Sambrook. "Molecular Cloni
ng: A Laboratory Manual (1982); "DNA Cloning: A Practical Approach."
Volumes I and II (D. N. Glover ed. 1985); "Oligonucleotide Synthesis" (M
. J. Gait et. 1984); "Nucleic Acid Hybridization" [B. D. Hames & S.J. Hi
ggins eds. (1985)]: "Transcription and Translation" [B.D. Hames & S.J. H
iggins eds. (1984)]: "Animal Cell Culture" [R.I. Freshney, ed. (1986)];
"Immobilized Cells And Enzymes" [IRL Press. (1986)]: B. Perbal. "A Pract
ical Guide to Molecular Cloning" (1984)を参照。
【0023】 従って、ここで用いられている場合、以下の用語は以下に述べられるように定
義される。
【0024】 『レプリコン』という用語は(例えば、プラスミド、染色体、ウィルスなどの
)イン・ビボでDNA複製の自律単位として機能することができる、つまりそれ
自体の制御下で複製を行うことができる遺伝子要素である。
【0025】 『ベクター』とは、別のDNAセグメントが取り付いて、その取り付けられた
セグメントの複製を行うことができるようなプラスミド、ファージ、あるいはコ
スミドなどのレプリコンである。
【0026】 『DNA分子』とは一本鎖形状であれ、二本鎖らせん形状であれ、重合体形状
のデオキシリボヌクレオチド(アデニン、グアニン、チミン、又はシトシン)を
指している。この用語はその分子の一次及び二次構造だけを意味し、いかなる特
殊な三次耕造に限定するものではない。従って、この用語は、とりわけ、線形D
NA分子(例えば、制限フラグメントなど)、ウイルス、プラスミド、及びクロ
モソームに見出されるような二本鎖DNAを含んでいる。この構造について以下
に検討する場合、DNAの非転写ストランドに沿って5'−3'方向の配列だけ(
つまり、mRNAとの相同の配列を有するストランド)を示すという従来の方法
を用いる。
【0027】 DNA『コード配列』は適切な調節配列の制御下に置かれるとイン・ビボでポ
リペプチドに転写され、翻訳される二本鎖DNA配列である。このコード配列の
境界は5'(アミノ)末端での開始コドンと3'(カルボキシル)末端の翻訳停止
コドンによって決められる。コード配列は原核生物配列、真核細胞のmRNAか
らのcDNA、真核細胞の(例えば、哺乳動物の)DNAからのゲノムDNA配
列、そして、合成DNA配列などを含むことができる。ポリアデニル化信号及び
転写停止配列は通常コード配列から3'側に配置される。
【0028】 転写及び翻訳制御配列は宿主細胞内でのコード配列の発現をもたらすプロモー
タ、エンハンサ、ポリアデニル化信号、ターミネータなどのDNA調節配列であ
る。
【0029】 『プロモータ配列』とは細胞内のRNAポリメラーゼと結合して下流の(3'
方向の)コード配列の転写を開始することができるDNA規制領域である。本発
明の定義の目的上、プロモータ配列はその3'末端で転写開始サイトを境界とし
、上流に(5'方向に)延びて背景との対比で検出可能なレベルで転写を開始さ
せるのに必要な要素を最小限の塩基あるいは元素を含んでいる。プロモータ配列
の内部に転写開始サイトとRNAポリメラーゼの結合に関与するタンパク質結合
領域(コンセンサス領域)が見出される。真核細胞プロモータは、常にではない
が多くの場合、“TATA”ボックス及び“CAT”ボックスを含んでいる。原
核細胞プロモータは−10及び−35コンセンサス配列に加えてシャイン−ダル
ガノ配列を含んでいる。
【0030】 『発現制御配列』とは別のDNA配列の転写と翻訳を制御、調節するDNA配
列である。コード配列は、RNAポリメラーゼがコード配列をmRNA内に転写
して、それが次にそのコード配列でコードされるタンパク質に翻訳される場合に
、1つの細胞内で転写及び翻訳制御の『制御下』にある。
【0031】 『シグナル配列』はコード配列の近くに含めることができる。この配列はシグ
ナルペプチド、N末端をポリペプチドにコードし、それが宿主細胞に対してその
ポリペプチドを細胞表面の方向に向かわせるか、あるいはそのポリペプチドを培
地内に分泌させるように伝え、そしてこの信号ペプチドがそのタンパク質が細胞
を出て行く前に宿主細胞によってクリップ・オフされる。信号配列は原核生物及
び真核生物に本来存在している種々のタンパク質と結合して見出される場合があ
る。
【0032】 本発明によるプローブに関連してここで用いられている『オリゴヌクレオチド
』という用語は2つ以上、好ましくは3つより多いリボヌクレオチドで構成され
た分子と定義されている。その正確なサイズは多くの因子に依存するが、それら
の因子もそのオリゴヌクレオチドの最終的な機能と使用に依存している。
【0033】 ここで用いられている『プライマー』という用語は純粋な制限消化の場合のよ
うに自然に発生するか又は人工的につくりだされるかには関係なく、核酸ストラ
ンドに対して相補的なプライマー伸長生成物の合成が誘発されるような条件下で
、つまり、ヌクレオチドとDNAポリメラーゼなどの誘発剤の存在と適切な温度
及びpHの下で合成開始ポイントとして作用することができるオリゴヌクレオチ
ドを指している。プライマーは一本鎖であっても二本鎖であってもよく、誘発剤
の存在下で望ましい伸長生成物の合成を起こさせるのに十分な長さでなければな
らない。プライマーの正確な長さは温度、プライマーの発生原、及びその方法の
用い方などの多くの要因に依存している。例えば、診断的な応用目的のためには
、標的配列の複雑さに応じて、オリゴヌクレオチド・プライマーは通常15〜2
5、あるいはそれ以上のヌクレオチドを含んでいるが、より少数のオリゴヌクレ
チドを含んでいる場合もある。
【0034】 プライマーは本発明においては特定の標的DNA配列の異なったストランドに
対して『実質的に』相補的であるように選択される。このことは、それらのプラ
イマーがそれらの対応するストランドとハイブリダイズするのに十分な程度に相
補的でなければならないことを意味している。従って、プライマー配列はテンプ
レートの正確な配列を反映している必要はない。例えば、非相補性ヌクレオチド
・フラグメントをそのプライマーの5'末端に取り付けて、そのプライマーの残
りの部分をそのストランドに対して相補的にすることができる。あるいは、その
プライマーがその配列と十分な相補性を有しているか、あるいはそれとハイブリ
ダイズして、それによって伸長生成物合成のためのテンプレートを形成するので
あれば、非相補性塩基あるいはより長めの配列をそのプライマーに散在させるこ
とができる。
【0035】 DNAがその細胞に導入された場合に、細胞は外因性あるいは異質なDNAに
よって『形質転換』されたことになる。形質転換性DNAはその細胞のゲノムに
融合される(共有結合で結合される)場合とされない場合がある。原核生物、例
えばイースト菌及び哺乳動物の細胞においては、形質転換DNAはプラスミドな
どのエピソーム性要素上に保持される場合がある。真核細胞の場合、安定的に形
質転換される細胞とは形質転換DNAがクロモソームに融合されて、それがクロ
モソーム複製を通じて娘細胞に受け継がれる細胞である。この安定性はその真核
細胞がその形質転換DNAを含む一群の娘細胞で構成される細胞株あるいはクロ
ーンを確立する能力で示される。『クローン』は有糸分裂によって1つの細胞あ
るいは直系から誘導される細胞の群である。『細胞株』とは多くの世代にわたっ
てイン・ビトロで安定した成長を行うことができる一次細胞のクローンである。
【0036】 2つのDNA配列は、それらのヌクレオチドの少なくとも約75%(好ましく
は少なくとも約80%、そして最も好ましくは少なくとも約90%あるいは95
%)がDNA配列の定義された長さにおいて一致する場合に『実質的に相同』で
ある。実質的に相同な配列は配列データ・バンクで入手できる標準的なソフトウ
エアを用いることで、あるいは、例えばその特定のシステムに対して定義される
ような厳格な条件下でサザン・ハイブリダイゼーション実験でそれらの配列を比
較することによって確認することができる。適切なハイブリダイゼーション条件
を決めることは先行技術の範囲内である。上記Maniatis et al.;DNA Cloning, V
ols. I & II;Nucleic Acid Hybridization,参照。
【0037】 DNA構造の『異質』領域とは、自然ではそれより大きな分子と結合した状態
では見出されないより大きなDNA分子内のDNAの識別可能なセグメントであ
る。従って、その異質領域は哺乳動物の遺伝子をコードする場合、遺伝子は通常
供給原生物のゲノムにおいては哺乳動物ゲノムDNAを分岐しないDNAによっ
て分岐される。別の例で、コード配列はそのコード配列自体が自然では見出され
ない構成物(例えば、ゲノム性コード配列がイントロンを含んでいるcDNA、
あるいは天然の遺伝子とは異なったコドンを有する合成配列など)である。対立
遺伝子上の違いあるいは自然発生的な突然変異事象はここに定義されているよう
なDNAの異質領域を発生させない。
【0038】 これらの研究のために最も一般的に用いられるラベルは放射性元素、酵素、紫
外線に露出された場合に蛍光を発する化学物質などである。多数の蛍光物質が知
られており、ラベルとして用いることができる。これらには、例えば、フルオレ
セイン、ローダミン、オーレミン、テキサス・レッド、AMCAブルー、及びル
シフェル・イエローである。特殊な検出用物質はヤギの体内でつくられ、イソチ
オシアネートを通じてフルオレセインと結合される抗ウサギ抗体である。
【0039】 タンパク質は放射性元素あるいは酵素でもラベルすることができる。放射性ラ
ベルは現在利用可能ないずれの計数手順を用いてでも検出することができる。好
ましい同位元素は3H、14C、32P、35S、36Cl、51Cr、57Co、58Co、5 9 Fe、90Y、125I、131I、及び186Reから選択できる。
【0040】 酵素ラベルも同様に有益で、現在用いられている比色解析、分光光度測定、蛍
光分光度測定、電流測定、あるいはガス測定などの手法のいずれかを用いて検出
することができる。酵素はカルボジイミド、ジイソシアネート、グルタルアルデ
ヒドなどの架橋性分子との反応によって選択された粒子の結合される。これらの
手順で用いることができる多くの酵素が知られており、用いることができる。好
ましいのはペルキシダーゼ、β−グルクロニダーゼ、β−D−グルコシダーゼ、
β−D−ガラクトシダーゼ、ウレアーゼ、グルコース・オキシダーゼ+ペルキシ
ダーゼ、及びアルカリ性ホスファターゼである。その他のラベル用物質及び方法
の開示については、米国特許第3,654,090号、第3,850,752号
、及び第4,016,043号を参照されたい。
【0041】 ここで用いられる場合、『宿主』とは原核細胞だけでなく、イースト菌、植物
、及び動物細胞などの真核細胞もその意味に含んでいる。本発明によるエーリキ
ア・カニスの28−kDa免疫反応性タンパク質をコードする組換え体DNA分
子あるいは遺伝子を用いて、当業者に一般的に知られている技術を用いて宿主を
形質転換させることができる。特に好ましいのは原核細胞を形質転換させる目的
での本発明によるエーリキア・カニスの28−kDa免疫反応性タンパク質をコ
ードする遺伝子に関するコード配列を含むベクターの使用である。
【0042】 原核細胞宿主は大腸菌(E. coli)、S.チミフィムリウム(S. tymphimurium
)、セラチア・マルセッセンス(Serratia marcescens)、及びバシラス・サブ
チリス(Bacillus subtilis)などである。真核性宿主はピキア・パストリス(P
ichia postoris)、哺乳動物細胞、及び昆虫細胞などである。
【0043】 一般的に、挿入されたDNAフラグメントの効率的な転写を容易に行わせるプ
ロモータ配列を含む発現ベクターは宿主との関連で用いられる。発現ベクターは
通常複製の開始点、プロモータ、ターミネータ、そして形質転換された細胞にお
ける表現型選択を行うことができる特異的な遺伝子を含んでいる。形質転換され
た宿主は最適な細胞成長を行わせるためにその技術分野で知られている手段によ
って発酵、培養させることができる。
【0044】 本発明は、そのDNAのストランドが高度の厳重な条件の下で配列番号1又は
配列番号3又は配列番号5の少なくとも15の連続したヌクレオチドの配列を含
んでいるプローブにハイブリダイズするストランドでエーリキア・カニスの28
−kDa免疫反応性タンパク質をコードする実質的に純粋なDNAを含んでいる
。この発明によるDNAでコードされるタンパク質は配列番号2又は配列番号4
又は配列番号6でリストされているアミノ酸と少なくとも80%(好ましくは8
5%、より好ましくは90%、そして最も好ましくは95%)の配列同一性を有
している。より好ましくは、そのDNAは配列番号1又は配列番号3又は配列番
号5のヌクレオチドのコード配列、あるいはそれらの配列の変性した変異体を含
んでいる。
【0045】 本発明によるDNAがハイブリダイズするプローブは好ましくは配列番号1又
は配列番号3又は配列番号5、あるいはそれらの相補体の少なくとも20の連続
したヌクレオチド、より好ましくは40のヌクレオチド、さらに好ましくは50
のヌクレオチド、そして最も好ましくは100あるいはそれ以上(最大100%
)のヌクレオチドの配列で構成されている。こうしたプローブは、(a)その細
胞から得られるmRNAをラベルされたハイブリダイゼーション・プローブと接
触させるステップと、そして(b)そのmRNAとプローブとのハイブリダイゼ
ーションを検出するステップによってヒトの細胞内でのエーリキア・カニスの上
記28−kDa免疫反応性タンパク質の発現を検出する上で有効である。
【0046】 本発明はまた、配列番号1又は配列番号3又は配列番号5にリストされている
ヌクレオチドからの領域の少なくとも15(好ましくは20、より好ましくは3
0、さらに好ましくは50、そして最も好ましくはほぼすべての)の連続したヌ
クレオチドの配列を含んでいる。
【0047】 『高度の厳しい』とは高温、及び低塩分濃度、例えば、約0.1xSSC、あ
るいは機能的にそれとほぼ同様に塩分濃度で65℃の温度下などの洗浄条件など
によって特徴付けられるDNAハイブリダイゼーション及び洗浄条件を意味して
いる。例えば、高度に厳しい条件とは約50%ホルムアミドの存在下で42℃の
温度でのハイブリダイゼーション、1%SDSを含む約2xSSCによる約65
℃の温度下での第1回目の洗浄、そしてその後での約0.1xSSCを用いての
約65℃の温度下での二回目の洗浄などのステップを含んでいる。
【0048】 『実質的に純粋なDNA』とは、そのDNAが自然に発生する環境において、
その環境の一部あるいはすべての分子の分離(部分的あるいは全体的精製)によ
って、あるいは権利請求されるDNAから分岐する配列の変性によってその環境
の一部ではなくなっているDNAを意味している。従って、この用語は、例えば
、ベクター、自律的に複製するプラスミドやウイルス、あるいは原核または真核
細胞のゲノムDNAに組み込まれる、あるいは別個の分子(例えば、cDNAや
ポリメラーゼ鎖反応(PCR)や制限エンドヌクレアーゼ消化によってつくりだ
されるゲノムやcDNAフラグメントなど)他の配列には依存しない独立の分子
として存在する組換え体DNAを含む。それは又、追加的なポリペプチド配列を
コードするハイブリッド遺伝子、例えば融合タンパク質の一部である組換え体を
含んでいる。さらに、エーリキア・カニスの28−kDa免疫反応性タンパク質
をコードする遺伝子の別のスプライス変種をコードする配列番号1又は配列番号
3又は配列番号5に示されるヌクレオチドの一部を含む組換え体DNAもこれに
含まれる。
【0049】 このDNAは配列番号1又は配列番号3又は配列番号5にリストされているヌ
クレオチドのコード配列に対して少なくとも70%、好ましくは少なくとも75
%(例えば、少なくとも80%)、そして最も好ましくは少なくとも90%の配
列同一性を有している。2つの配列間の同一性は一致している、あるいは同一の
位置の数の直接の関数である。それら2つの配列の両方におけるサブユニット位
置が同じ単量体サブユニットで占められている場合、例えば、与えられた位置が
2つのDNA分子のそれぞれでアデニンで占められている場合、それらはその位
置で一致している。例えば、長さが10ヌクレオチドの配列内の7つの位置が第
2の10−ヌクレオチド配列の対応する位置と同じであれば、その場合2つの配
列は70%の配列同一性を有している。比較配列の長さは通常は少なくとも50
ヌクレオチド、好ましくは60ヌクレオチド、より好ましくは、少なくとも75
ヌクレオチド、そして最も好ましくは100ヌクレオチドである。配列同一性は
通常は配列解析ソフトウエア(例えば、ウイスコンシン大学バイオテクノロジー
センター(1710 University Avenue, Madison, WI 53705)、遺伝コンピューター
グループの配列解析ソフトウエアパッケージ)を用いて測定される。
【0050】 本発明はエーリキア・カニスの28−kD免疫反応性タンパク質をコードする
遺伝子がコードされたDNA配列を含むベクターで構成されており、そのベクタ
ーは、操作可能な接合体の、a)複製の開始点、b)プロモータ、そしてc)前
記タンパク質をコードするDNA配列を含み宿主内で複製を行うことができる。
好ましくは、本発明によるこのベクターは配列番号1又は配列番号3又は配列番
号5に示されているDNA配列の一部である。
【0051】 『ベクター』は複製可能な核酸構成物、例えばプラスミド又はウイルス核酸と
して定義することができる。ベクターはエーリキア・カニスの28−kDa免疫
反応性タンパク質をコードする核酸を増幅し及び/又は発現させるために用いる
ことができる。発現ベクターはポリペプチドをコードする核酸配列が細胞内で有
効にそのポリペプチドを発現させることができる適切な制御配列に操作可能に結
合された複製可能な構成物である。こうした制御配列に対する必要性は選択され
た細胞と採用される形質転換方法に応じて変わる。一般的には、制御配列は転写
プロモータ及び/又はエンハンサ、適切なmRNAリポソーム結合サイト、そし
て転写と翻訳の停止を制御する配列を含んでいる。適切な転写及び翻訳制御信号
を含む発現ベクターを構成するために当業者に公知の方法を用いることができる
。例えば、Sambrook et al., 1989, Molecular Cloning: A Laboratory Manual
(2nd Ed.), Cold Spring Harbor Press, N.Yに記載されている技術参照。遺伝子
とその転写制御配列は、その転写制御配列がその遺伝子の転写を有効に制御する
場合に、『操作できるように結合された』状態にあると定義される。本発明によ
るベクターはプラスミド・ベクター及びウイルスベクターなどを含んでいる。本
発明による好ましいウイルスベクターとはレトロウイルス、アデノウイルス、ア
デノ随伴ウイルス、SV40ウイルス、あるいはヘルペス・ウイルスを含んでい
る。
【0052】 『実質的に純粋なタンパク質』という表現は自然の状態ではそれに付随する他
の構成要素の少なくとも一部から分離されているタンパク質を意味している。通
常、このタンパク質は、そのタンパク質がイン・ビボで通常結合しているタンパ
ク質及びその他の自然発生的有機分子の重量で少なくとも60%を含んでいなけ
れば、実質的に純粋な状態にあると言える。好ましくは、その調製物の純度は重
量で少なくとも75%、より好ましくは少なくとも90%、そして最も好ましく
は少なくとも99%である。エーリキア・カニスのほぼ純粋な28−kDa免疫
反応性タンパク質は、例えば、自然の供給原からの抽出、エーリキア・カニスの
28−kDa免疫反応性タンパク質をコードする組換え体核酸の発現、あるいは
そのタンパク質の化学的合成によって得ることができる。純度はエーリキア・カ
ニスの28−kDa免疫反応性タンパク質に対して特異性を示す抗体を用いた免
疫親和性クロマトグラフィなどのカラム・クロマトグラフィ、ポリアクリルアミ
ド・ゲル電気泳動、あるいはHPLC解析などのいずれかの適切な方法によって
測定することができる。タンパク質は、自然の状態ではそれに付随している汚染
物質の少なくとも一部から分離されている場合にほぼそれらの自然な状態で関連
している成分をほぼ含んでいない状態にある。従って、化学的に合成されるか自
然な状態でそれが発生してくる細胞とは異なった細胞システム内でつくられるタ
ンパク質は、定義上、その自然な状態で結合している成分を基本的に含んでいな
い。従って、実質的に純粋なタンパク質は大腸菌内で合成された真核性タンパク
質、他の原核細胞、あるいは自然な状態では発生しない他の生物を含んでいる。
【0053】 実質的に全長のタンパク質に加えて、本発明はまたエーリキア・カニスの上記
28−kDa免疫反応性タンパク質(配列版番号2又は配列番号4又は配列番号
6)のフラグメント(例えば、抗原性フラグメント)を含んでいる。ここで用い
られている『フラグメント』という用語は、ポリペプチドに対して用いられる場
合と同様、長さが、通常少なくとも10残基、より一般的には少なくとも20残
基、そして好ましくは少なくとも30(例えば50)残基であるが、元のままの
完全な配列よりは短い。エーリキア・カニスの28−kDa免疫反応性タンパク
質のフラグメントは当業者に知られている方法、例えば、エーリキア・カニスの
自然発生的な、あるいは組換え体28−kDa免疫反応性タンパク質の酵素消化
、エーリキア・カニスの28−kDa免疫反応性タンパク質の定義されたフラグ
メントをコードする発現ベクターを用いた組換え体DNA技術、あるいは化学合
成によって発生させることができる。候補のフラグメントのエーリキア・カニス
の28−kDa免疫反応性タンパク質の特徴を示す能力(例えば、エーリキア・
カニスの28−kDa免疫反応性タンパク質に対して特異性を発揮する抗体への
結合)はここで述べられているような方法で評価することができる。エーリキア
・カニスの精製された28−kDa免疫反応性タンパク質は又はエーリキア・カ
ニスの28−kDa免疫反応性タンパク質のフラグメントは当業者に公知の標準
的な手順を用いて新しい抗体を発生させたり、あるいは既存の抗体を(例えば、
診断アッセイにおけるポジティブ・コントロールとして)テストするために用い
ることができる。本発明にはエーリキア・カニスの28−kDa免疫反応性タン
パク質、あるいはエーリキア・カニスの28−kDa免疫反応性タンパク質のフ
ラグメントを、例えばウサギにおける免疫原として用いることによって発生され
るポリクローナル抗血清も含まれている。この技術分野の当業者に知られている
モノクローナル及びポリクローナル抗体に対する標準手順が用いられる。この手
順で発生されるモノクローナル抗体は組換え体エーリキア・カニスcDNAクロ
ーンを識別し、それらを知られているcDNAクローンから区別することができ
る能力を有しているかどうかに関してスクリーニングすることができる。
【0054】 本発明にはさらに、配列番号1又は配列番号3又は配列番号5の部分によって
少なくとも部分的にコードされるエーリキア・カニスの28−kDa免疫反応性
タンパク質のフラグメント、例えば、別のmRNAスプライシングやタンパク質
処理の生成物、あるいはその配列の一部が欠失されているフラグメントも含まれ
る。そのフラグメント、あるいは元のままのエーリキア・カニスの28−kDa
免疫反応性タンパク質は、例えば、ラベル、リガンド、あるいは抗原性を増幅さ
せる手段として機能する別のポリペプチドに共有結合で結合されている場合もあ
る。
【0055】 『薬学的に受け入れ可能な』という表現はヒトに投与された場合にアレルギー
性あるいは同様の不都合な反応を起こさない分子構成体及び組成物を指している
。タンパク質を活性成分として含んでいる水性組成物の調製はこの技術分野では
良く知られている。通常、そうした組成物は液体溶液あるいは懸濁液のいずれか
の注射剤、あるいは注射する前に液体に溶解あるいは懸濁させるのに適した個体
形状でも調製することができる。この調製物は乳剤化させることもできる。
【0056】 タンパク質は中性あるいは塩形状で組成物に処方することもできる。薬学的に
受け入れ可能な塩は、(タンパク質の遊離アミノ基で形成される)酸添加塩そし
て例えば塩酸やリン酸などの有機酸、あるいは酢酸、オキサル酸、酒石酸、マン
デル酸などの無機酸で形成される酸添加塩である。遊離カルボキシル基で形成さ
れる塩は、例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、あるい
は水酸化鉄などの無機塩、そして、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ヒ
スチジン、プロカインなどの有機塩基からも誘導することができる。
【0057】 製剤化されたら、溶液は用量処方に合致した方法で、そして治療的に有効な量
で投与される。この製剤は注射用溶剤など種々の用量形態で簡単に投与すること
ができる。
【0058】 例えば、水溶液で非経口投与する場合は、その溶液は必要があれば適切に緩衝
剤を加えるべきであり、その液体希釈物は先ず十分な食塩あるいはグルコースな
どで等張化される。これらの特殊な水溶液は静脈内、筋肉内、皮下、及び複膜内
投与に特に適している。この関連で用いることができる滅菌水性媒体は本開示を
参照すれば当業者には容易に分かるであろう。例えば、1回分の用量を1mLの
等張NaCl溶液に溶解することもできるし、1000mLの皮下注射用流体に
加えても、あるいは提案されている輸液サイトに注射してもよい(例えば、"Rem
ington's Pharmaceutical Sciences" 15th Edition, pages 1035-1038 及び1570
−1580参照)。用量の一定の変更は措置される個体の状態に応じて必然的に変わ
るであろう。投与に責任を有する人はいずれにせよその患者個人に対して適切な
用量を選択することになろう。
【0059】 良く知られているように、与えられたポリペプチドはそれぞれ免疫原性が違っ
ている可能性がある。従って、免疫原(例えば、本発明のポリペプチド)を担体
と組み合わせる必要性もしばしば生じる。例として示す、そして好ましい担体は
キーホール・リンペット・ヘモシアニン(KLH)及びヒト血清アルブミンであ
る。他の担体にはIL2、IL4、IL8、その他のようなアジュバント及びリ
ンフォカインが含まれる。
【0060】 ポリペプチドを担体タンパク質に結合される手段はこの技術分野で良く知られ
ており、グルタルアルデヒド、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシサク
シンイミド・エステル、カルボ−ジイミド、及びビス−ビアゾ化ベンジジンが含
まれる。ペプチドがこの技術分野で良く知られている遺伝子工学技術でタンパク
質に結合できることも知られている。
【0061】 この技術分野で良く知られているように、特定の免疫原に対する免疫原性はア
ジュバントとして知られている免疫応答の非固有スティミュレータを用いること
で増強させることができる。例示的かつ好ましいアジュバントは完全なBCG、
デトックス、(RIBI、Immunochem Research Inc.)ISCOMS及び水
酸化アルミニウムアジュバント(Superphos、Biosector)などである。
【0062】 ここで用いられているように、『相補的』という用語は第1の核酸配列とハイ
ブリダイズして厳しい条件下で二重ストランド分子を形成する核酸のストランド
を定義するために用いられる。厳しい条件とは高度の相同性を有する2つの核酸
配列間のハイブリダイゼーションを可能とするが、ランダムな配列のハイブリダ
イゼーションは行わせないようにする条件である。例えば、低温度及び/又は高
イオン力でのハイブリダイゼーションは低い厳しさと称され、高温及び/又は低
イオン力でのハイブリダイゼーションは高い厳しさと称される。望ましい厳しさ
の温度とイオン力は特定のプローブ長、配列の長さ及び塩基含量、そしてハイブ
リダイゼーション混合物におけるホルムアミドの存在に対応することが知られて
いる。
【0063】 ここで用いられる場合、『加工された』あるいは『組換え体』細胞とはエーリ
キア・チャフェエンシス抗原をコードする遺伝子など組換え体遺伝子が導入され
た細胞を意味する。従って、加工された細胞は組換えで導入された遺伝子を含ま
ない天然に発生する細胞から区別することができる。加工された細胞は従って人
間の手によって導入された1つ又は複数の遺伝子を有する細胞である。遺伝子組
換え的に導入された遺伝子はcDNA遺伝子、ゲノム遺伝子のいずれの形状であ
り、その特定の導入された遺伝子と自然では結合していないプロモータに隣接し
て位置する遺伝子を含んでいる。さらに、組換え体遺伝子は宿主ゲノム内に融合
されてもよいし、ベクターに含まれていてもよいし、あるいは宿主細胞内にトラ
ンスフェクトされたバクテリアゲノムに含まれていてもよい。
【0064】 以下の実施例は本発明の種々の実施の形態を示すためのものであって、いかな
る意味でも本発明を限定することは意図していない。
【0065】 実施例1 エーリキア及び精製 エーリキア・カニス(フロリダ株及び単離体デーモン、DJ、ジェイク、及びフ
ァジー)はEdward Breitshwerdt博士(College of Veterinary Medicine, Nort
h Carolina State University, Raleigh, NC)から提供された。エーリキア・カ
ニス(ルイジアナ株)はRichard E. Corstvet博士(School of Veterninary,
Louisiana State University, Baton Rouge, LA)により提供され、エーリキア
・カニス(オクラホマ株)はJacqueline Dawson博士(Centers for Disease
Control and Prevention,Atlanta,GA)により提供された。エーリキアの
増殖は10%仔ウシ血清及び2mM L−グルタミンで補強されたDMEMを用
いて37℃の温度下で、DH82細胞内で行われた。DH82細胞内での細胞内
成長は一般的な細胞染色方法を用いてエーリキア・カニス・モルラエの存在によ
ってモニターされた。100%の細胞がエーリキアで感染された時に細胞を取出
して、17,000xgで20分間遠心分離にかけることでペレット化した。細
胞ペレットをBraun−Sonic2000音波処理器により氷上で40Wで30秒間、
2度破壊した。エーリキアを公知の方法(Weissら、1975)で精製した。溶
解物を42%−36%−30%レノグラフィンの不連続勾配にかけて、80,0
00xgで1時間遠心分離にかけた。エーリキアを含んでいる重く明るいバンド
を回収して、スクロース−リン酸−グルタメート緩衝液(SPG、218mMサ
クロース、3.8mM KH2PO4、7.2mM K2HPO4、4.9mM グ
ルタメート、pH7.0)で洗浄して、遠心分離でペレット化した。
【0066】 実施例2 核酸調製 エーリキア・カニスのゲノムDNAを公知の方法(McBride et al、1996)
と同様に、1%硫酸ドデシル(SDS、w/v)と100mg/mlのプロテイ
ンナーゼKで補強した10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)600μl内で
レノグラフィン精製されたエーリキアを再懸濁させて調製した。この混合物を5
6℃の温度下で1時間インキュベーションして、フェノール/クロロホルム/イ
ソアミル・アルコール(24:24:1)の混合物で2度抽出した。DNAを無
水エタノール沈殿反応でペレット化して、70%エタノールで1度洗浄し、乾燥
してから、10mMトリス塩酸(pH7.5)内に再懸濁させた。プラスミドD
NAは高純度プラスミド分離キット(Boehringer Mannheim,Indianapolis,IN
)を用いて精製し、PCR生成物はQIAquick PCR精製キット(Qiagen,Sant
a Clarita,CA)を用いて精製した。
【0067】 実施例3 エーリキア・カニス28−kDAタンパク質遺伝子のPCR増幅 PCR増幅のために選択されたE.カニスECa28−1遺伝子の領域はE.
チャフェエンシス p28とカウドリア・ルミナンチウムmap−1遺伝子のJo
rtun−Heinアルゴリズム整合から作成されたコンセンサス配列において(90%
以上で)観察される相同性に基づいて選ばれた。フォワードプライマー793(
5−GCAGGAGCTGTTGGTTACTC−3’)(配列番号16)及び
リバースプライマー1330(5’−CCTTCCTCCAAGTTCTATG
CC−3’)(配列番号17)はカウドリア・ルミナンチウムmap−1のヌク
レオチド313−332及び823−843とE.チャフェエンシス P28の
ヌクレオチド307−326及び834−814に対応していた。エーリキア・
カニス(ノース・カロライナ単離体、ジェイク)DNAは95℃で2分間、95
℃で30秒間、62℃で1分間、72℃で2分間を30サイクル、その後で72
℃でさらに10分間で伸長し、そして4℃で保存という熱循環特性を用いてプラ
イマー793と1330で増幅させた。PCR生成物を1%アガロース・ゲルで
解析した。増幅されたPCR生成物をプライマー793及び1330を用いて直
接配列決定した。
【0068】 ECa28SA2遺伝子に特異的な46fと名付けたプライマー(5’−AT
ATACTTCCTACCTAATCGTCTCA−3’、配列番号18)とプ
ライマー1330(配列番号17)を用いて標的とされた領域を増幅させた。増
幅された生成物をゲル精製し、TAクローニング・ベクター(Invitrogen,Sant
a Clarita,CA)内にクローンした。このクローンを以下のプライマー:つまり
、そのベクターから逆方向のM13、46f、ECa28SA2(5’−AGT
GCAGAGTCTTCGGTTTC−3’、配列番号19)、ECa5.3(
5’−GTTACTTGCGGAGGACAT−3’、配列番号20)を用いて
双方向に配列決定した。DNAを95℃で2分間、並びに、72℃伸長10分間
に続き、95℃で30秒間、45℃で1分間、72℃で1分間を30サイクル、
そして4℃で保存という熱サイクルで増幅させた。
【0069】 実施例4 ECa28−1遺伝子の未知の5’及び3’領域のシークエンシング ECa28−1の全長配列はユニバーサル・ゲノム・ウォルカ・キット(CLON
TECH,Palo Alto,CA)を用いて、メーカーから提供された手順に従って決定さ
れた。ゲノム・E.カニス(ジェイク単離体)DNAを平滑末端DNAをつくり
だす5つの制限酵素(DraI,EcoRV.Pvull,ScaI,StuI)を用いて完全に消化さ
せた。キットで提供されたアダプタ(AP1)をE.カニスDNAの各末端につ
ないだ。ECa28−I配列の知られている部分に対して相補的なPCRと上記
アダプタAP1に対して特異性を示すプライマーを用いるPCRでECa28−
1遺伝子の未知のDNA配列を見つけるためにゲノム・ライブラリーをテンプレ
ートとして用いた。ゲノム・ウォーキングのために用いられたECa28−1に
特異性を示すプライマーはプライマー793(配列番号16)及び1330(配
列番号17)を用いてのECa28−1のPCR増幅から誘導した公知のDNA
配列からデザインされた。プライマー394(5’−GCATTTCCACAG
GATCATAGGTAA−3’;ヌクレオチド687−710,配列番号21
)及び394C(5’−TTACCTATGATCCTGT GGAAATGC
−3;ヌクレオチド710−687、配列番号22)を提供されたプライマーA
P1と組み合わせて用いて、PCRによりECa28−1遺伝子の未知の5’及
び3’領域を増幅させた。プライマー394C及びAP1(2000−bp)を
用いて増幅させたECa28−1遺伝子の5’領域に対応するPCR生成物をプ
ライマー793C(5’−GAGTAACCAACAGCTCCTGC−3’、
配列番号23)を用いて単一方向に配列決定した。プライマー394及びAP1
(580−bp)を用いて増幅されたECa28−1遺伝子の3’領域に対応す
るPCR生成物は同じプライマーを用いて二方向的に配列決定した。オープンリ
ーディングフレームに隣接した5’及び3’領域上の非コード領域を配列決定し
、ECa28−1遺伝子全体を増幅するために、これらの領域に対して相補的な
プライマーEC28OM−F(5’−TCTACTTTGCACTTCC AC
TATTGT−3’、配列番号24)とEC28OM−R(5’−ATTCTT
TTGCCACTATTTTTCTTT−3’、配列番号25)を消化させた。
【0070】 実施例5 E.カニス単離体の配列決定 DNAをABIプリズム377DNAシークエンサー(Perkin−Elmer Appli
ed Biosystems、Foster City、CA)で配列決定した。7つのE.カニス単離体
(4つはノース・カロライナから、あとはそれぞれオクラホマ、フロリダ、及び
ルイジアナから)のECa28−1遺伝子全体をプライマーEC28OM−F(
配列番号24)及びEC28OM−R(配列番号25)を用いて、95℃で5分
間、並びに、95℃で30秒間、62℃で1分間、そして72℃で2分間を30
サイクル、そして72℃伸長で10分間という熱サイクルで増幅された。得られ
たPCR生成物を同じプライマーを用いて二方向に配列決定した。
【0071】 実施例6 E.カニス ECa28−1のクローニング及び発現 E.カニス ECa28−1遺伝子全体をプライマーEC28OM−F及び
EC28OM−RでPCR増幅させて、pCR2.1−TOPO TAクローニ
ング・ベクター内にクローンして、制限酵素切断サイトの望ましいセットを得た
(Invitrogen,Carlsbad,CA)。挿入物をBstX 1を用いてpCR2.1−
TOPOから切除して、後日の研究に備えてpcDNA3.1/EC28と命名
されたpcDNA3.1真核発現ベクター(Invitrogen,Carlsbad、CA)に結合
させた。pcDNA3.1/EC28プラスミドを増幅させて、その遺伝子をK
pnI−XbaI二重消化で切除して、pThioHis原核発現ベクター(In
vitrogen, Carlsbad, CA)に方向性をもって結合させた。このクローン(pTh
ioHis/EC28)は大腸菌(BL21)内で遺伝子組換え体チオレドキシ
ン融合タンパク質をつくりだした。この組換え体融合タンパク質を遠心分離で不
溶相内で粗に精製した。コントロールのチオレドキシン融合タンパク質はニッケ
ルNTAスピンカラム(Qiagen,Santa Clarita,CA)を用いて自然の状態下で
可溶性細胞溶解物から精製した。
【0072】 実施例7 ウエスタン免疫ブロット解析 組換え体E.カニス ECa28−1融合タンパク質を4〜15%トリス−HC
l勾配ゲル(Bio-Rad, Hercules, CA)上でSDS−ポリアクリルアミド・ゲル
電気泳動(SDS−PAGE)にかけて、セミドライトランファーセル(Bio-Ra
d, Hercules, CA)を用いて純粋なニトロセルロース(Schleicher & Schuell, K
eene, NH)に転移させた。その膜を1:5000に希釈したエールリヒア・カニ
スを感染させたイヌからの回復期血清で1時間インキュベーションし、次に、抗
イヌIgG(H&L)アルカリホスファターゼ結合親和性精製二次抗体を1:1
000で用いて1時間インキュベーションした(Kirkegaard & Perry laborator
ies, Gaithersburg, MD)。結合した抗体を5−ブロモ−4−クロロ−3−イン
ドリル・リン酸/ニトロブルー・テトラゾリウム(BCIP/NBT)基質(Ki
rgegaard & Perry Laboratories, Gaitherburg, MD)を用いて視覚化した。
【0073】 実施例8 サザン・ブロット解析 ECa28−1に相同の複数の遺伝子がE.カニス・ゲノム内に存在している
かどうかを判定するために、ゲノム・サザン・ブロット解析を標準的な手順(Sa
mbrook et al., 1989)を用いて行った。ECa28−1遺伝子内では切断を行
わない酵素BanII、EcoRV、HaeII、Kpnl及びSpeIと、ヌ
クレオチド34、43及び656でECa28−1を消化するAseIのそれぞ
れでE.カニス・ゲノムDNAを完全に消化した。プライマーEC28OM−F
及びEC28OM−Rとディゴキシゲニン(DIG)ラベル・デオキシヌクレオ
チド・トリホスフェート(dNTP)(Boehringer Mannheim, Indianapolis, I
N)を用いたPCR増幅でプローブを作成して、AseIで消化した。消化され
たプローブ(566−bp)をアガロース・ゲル電気泳動で分離し、ゲル精製し
、そしてハイブリダイゼーションのために用いた。完全に消化したゲノムE.カ
ニスDNAを電気泳動させ、ナイロン膜(Boehringer Mannheim, Indianapolis,
IN)に移して、メーカーのプロトコール(Boehringer Mannheim, Indianapolis
, IN)に従ってDIGイージーHyb緩衝液内でECa28−I遺伝子DIGラ
ベル・プローブを用いて16時間40℃の温度でハイブリダイズさせた。結合し
たプローブを抗DIGアルカリ性ホスファターゼ結合抗体及び発光性基質(Boeh
ringer Mannheim, Indianapolis, IN)で検出し、BioMax科学用画像形成
フィルム(Eastman Kodak, Rochester, NY)に露出させた。
【0074】 実施例9 配列解析及び比較 E.チャフェエンシスp28及びC.ルミナチウムmap−1DNA配列を国
立バイオテクノロジー情報センター (NCBI) (World Wide Web site at URL: htt
p//www.ncbi.nlm.nih.gov/Entrez)から入手した。ヌクレオチド及び推定アミノ
酸配列、及びタンパク質と系統発生的解析をLASERGENEソフトウエア(
DNASTAR, Inc., Madison, WI)を用いて行った。PSORTプログラム(World W
ide Web site at URL: PRIVATE HREF=http://www.imcb.osaka-u.ac.jp/nakai/fo
rm.htm, MACROBUTTON HtmlResAncher htt://www.imcb.osaka-u.ac-jp//nakai /f
orm.htm)を用いてシグナル配列認識を行うためにMcGeoch及びvon H
eijneの方法で翻訳後処理の解析を行った(McGeoch, 1985; von Heijne, 1
986)。
【0075】 本研究で述べられているE.カニスECa28−1遺伝子の核酸及びアミノ酸
配列に関するGenbank登録番号はジェイク、AF082744:ルイジアナ、A
F082745;オクラホマ、AF082746;デーモン、AF082747
;DJ、AF082748;ファジー、AF082749;フロリダ、AF08
2750である。
【0076】 E.カニスの7つの異なった株からのECa28−Iの配列解析をその遺伝子
全体を増幅するように設計されたプライマーを用いて行った。解析の結果、この
遺伝子はノース・カロライナ(4)、ルイジアナ、フロリダ、及びオクラホマか
らの単離体の間で保存されていることが明らかになった。
【0077】 実施例10 ECa28−1のPCR増幅、クローニング、配列決定及び発現 E.チャフェエンシス P28及びカウドリア・ルミナンチウムmap−1か
らの核酸配列をJotun−Heinアルゴリズムを用いて配列比較を行ったと
ころ、高度の相同性(>90%)領域を有するコンセンサス配列が得られた。こ
れらの相同性領域(C.ルミナンチウムmap−1のヌクレオチド313−33
2及び823−843;E.チャフェエンシスp28の307−326及び81
4−834)をPCR増幅のプライマー・アニーリング・サイトとして標的とし
た。E.カニスECa28−1及びE.チャフェエンシスp28遺伝子のPCR
増幅をプライマー793及び1330を用いて行ったところ、518−bp P
CR生成物が得られた。E.カニスPCR生成物の核酸配列は、その生成物をプ
ライマー793及び1330で直接配列決定することによって得た。配列を解析
したところ、170アミノ酸のタンパク質をコードするオープン・リーディング
・フレームが明らかになり、E.カニスのPCR増幅によって得られた518−
bp配列とE.チャフェエンシスp28遺伝子のDNA配列の配列比較で、70
%以上の同一性が明らかになり、これらの遺伝子が相同であることが示された。
プライマー394と793Cを用いてアダプターPCRを行って、遺伝子全体の
配列の5'及び3'セグメントについての判定を行った。プライマー394は4つ
のPCR生成物(3−kb、2−kb、1−kb及び0.8kb)をつくりだし
、0.8−bp生成物はプライマー394とAP1を用いて二方向に配列決定し
た。推定された配列は518−bp生成物の3'末端と重複しており、さらに停
止コドンの方向にオープン・リーディング・フレーム12−bpが延びている。
ECa28−1遺伝子の3'末端の非コード配列の追加的な625−bpの配列
決定も行われた。提供されたプライマーAP1でECa28−1遺伝子の5'末
端を増幅するためにプライマー394Cを用いた。これらのプライマーで増幅を
行った結果、3つのPCR生成物(3.3、3−kb、及び2−kb)が得られ
た。2−kbフラグメントをプライマー793Cを用いて単一方向で配列決定を
行った。この配列はECa28−1遺伝子の開始コドンと推定されるものを含ん
でおり、278アミノ酸のタンパク質をコードする834−bpオープン・リー
ディング・フレームで終わっていた。ECa28−1遺伝子の5'非コード領域
内の読み取り可能な配列の追加的な144−bpが発生された。プライマーEC
28OM−F及びEC28OM−RはECa28−1遺伝子に隣接した相補的非
コード領域から消化された。
【0078】 これらのプライマーで増幅されたPCR生成物は同じプライマーを用いて直接
配列決定された。E.カニスECa28−1遺伝子に対する完全なDNA配列(
配列番号1)を図1に示す。これらのプライマーで増幅させたECa28−1
PCRフラグメントはそのオープン・リーディング・フレーム全体と5'非コー
ドプライマー領域からの17の追加的アミノ酸を含んでいた。この遺伝子をpT
hioHis発現ベクターに順方向にサブクローンし、大腸菌(BL21)はこ
の構成物で形質転換された。発現されたECa28−1−チオレドキシン融合タ
ンパク質は不溶性であった。発現されたタンパク質はチオレドキシンと結合した
114個の追加的アミノ酸、エンテロキナーゼ認識サイトに関する5個のアミノ
酸、そしてN末端の多重クローニング・サイト及び5'非コード・プライマー・
サイトからの32個のアミノ酸を有していた。E.カニスに感染したイヌからの
回復期抗血清は発現された組換え体融合タンパク質は認識したが、コントロール
のチオレドキシンとは反応しなかった(図2)。
【0079】 実施例11 配列相同性 ECa28−1(834−bp)とE.チャフェエンシスomp−1ファミリ
ーのシグナル配列を含む遺伝子の核酸配列(ECa28−1、omp−1A、B
、C、D、E、及びF)をクラスタル法を用いて配列比較し、これらの遺伝子間
の相同性について調べた(配列比較については図示せず)。核酸相同性はECa
28−1とE.チャフェエンシスp28及びomp−IFとの間で均等に保持さ
れていた(68.9%)。E.チャフェエンシスomp−1ファミリーの他の外
膜タンパク質遺伝子と推定されるもの、omp−1D(68.2%)、omp−
1E(66.7%)、omp−1C(64.1%)、カウドリア・ルミナンチウ
ムmap−1(61.8%)、E.カニス28−kDaタンパク質1遺伝子(6
0%)及び28−kDaタンパク質2遺伝子(部分)(59.5%)もECa2
8−1に対して相同であった。E.チャフェエンシスomp−1BはECa28
−1と最低の核酸相同性(45.1%)を有していた。
【0080】 ECa28−1(配列番号2)とE.チャフェエンシスP28の予想されたア
ミノ酸配列の配列比較を行ったところ、4つの可変領域(VR)でアミノ酸置換
が行われていることが明らかになった。このアミノ酸配列における置換あるいは
欠失とECa28−1とE.チャフェエンシスOMP−1ファミリー可変領域の
位置を確認した(図3参照)。シグナルペプチドを含むアミノ酸の比較を行った
ところ、ECa28−1はE.チャフェエンシスOMP−1ファミリーのOMP
−1Fと最も相同性が高いこと(68%)、次ぎがE.チャフェエンシスP28
(65.5%)、OMP−1E(65.1%)、OMP−1D(62.9%)、
OMP−1C(62.9%)、カウドリア・ルミナンチウムMAP−1(59.
4%)、E.カニス28-kDaタンパク質1(55.6%)、そして28−k
Daタンパク質2(部分)(53.6%)、OMP−1B(43.2%)となっ
ていた。アミノ酸配列に基づく発生系統的関係は、ECa28−1とC.ルミナ
ンチウムMAP−1、E.チャフェエンシスOMP−1タンパク質類、そしてE
.カニス28−kDaタンパク質1と2(部分)がそれぞれ関係していることを
示している(図4)。
【0081】 実施例12 予想表面確率及び免疫反応性 疎水性及び親水性特性を用いたE.カニス ECa28−1を解析して、EC
a28−1上の表面露出領域を予測した(図6)。3〜9個のアミノ酸で構成さ
れる8つの主な表面露出領域がECa28−1上で確認され、それらはE.チャ
フェエンシス P28上の表面露出領域の特徴に類似していた(図6)。ECa
28−1上の大き目の表面露出領域のうちの5つはそのタンパク質のN末端領域
に位置していた。表面露出親水性領域はECa28−1の4つの可変領域のすべ
てに見出された。ロスバード−テイラー・アルゴリズム(Rothbard and Taylor,
1988)を用いてECa28−1内の10個のT細胞モチーフが予想され、この
ECa28−1の高い抗原性がジェイムソン−ウォルフ抗原性アルゴリズムで予
想された(図6)(Jameson and Wolf, 1988)。ECa28−1とE.チャフェ
エンシスP28との間で抗原性とT細胞モチーフにおける類似性が認められた。
【0082】 実施例13 ECa28−1遺伝子の相同性ゲノム・コピーの検出 ECa28−1遺伝子に制限エンドヌクレアーゼ・サイトを有していない制限
酵素 BanII、EcoRV、HaeII、KpnI、SpeI、及びヌクレオ
チド34、43、及び656に内部的制限エンドヌクレアーゼを有するAseI
でそれぞれ個別的に完全に消化されたE.カニスDNAのゲノム・サザン・ブロ
ット解析は少なくとも3つの相同性ECa28−1遺伝子コピーが存在している
ことを明らかにした(図5)。ECa28−1は内部的AseI内部制限サイト
を有しているが、このハイブリダイゼーション実験で用いられたDIGラベル・
プローブはその遺伝子のAseI消化で作成された単一のDNAフラグメント内
の遺伝子の領域を標的とした。AseIによる消化はECa28−1 DNAプ
ローブとハイブリダイズした3つのバンド(約566−bp、850−bp、及
び3−kb)をつくりだしたが、このことはそのゲノム内にECa28−1に対
して相同の複数の遺伝子が存在していることを示唆している。EcoRV及びS
peIによる消化は上記ECa28−1遺伝子プローブとハイブリダイズした2
つのバンドをつくりだした。
【0083】 実施例14 28−kDaタンパク質遺伝子座の確認 ECa28SA3内の領域に対応するEcaSA3−2と命名された特殊なプ
ライマー(5'−CTAGGATTAGGTTATAGTATAAGTT−3'、
配列番号26)とECa28−1を有する領域にアニールするプライマー793
C(配列番号23)を用いて、遺伝子SA3とECa28−1間の遺伝子間領域
を増幅させた。同じプライマーで800−bp生成物の配列決定が行われた。D
NAは95℃で2分間、並びに、72℃伸長を10分間に続き、95℃で30秒
間、50℃で1分間、72℃で1分間を30サイクル、そして4℃で保持すると
いう熱サイクルで増幅させた。
【0084】 実施例15 28−kDaタンパク質遺伝子のPCR増幅と多重遺伝子座の同定 ECa28SA2から下流に存在している可能性のある未知の遺伝子を個別的
に増幅させるために、ECa28SA2に対して特異的なプライマー46fとE
Ca28−1遺伝子の3'末端に保守領域を標的とするプライマー1330を用
いて増幅を行った。2つのオープン・リーディング・フレームを含む2−kb
PCR生成物はこれらのプライマーで増幅させた。最初のオープン・リーディン
グ・フレームは遺伝子の知られている領域、ECa28SA2と、その遺伝子の
未だ配列決定されていない3'部分を含んでいた。ECa28SA2から下流方
向に、追加的な、同じではないが相同性の28−kDaタンパク質遺伝子が見つ
かって、ECa28SA3と命名された。これら2つの知られている座はECa
28SA3の3'末端に特異性を示すプライマーSA3−2による増幅で結合さ
れ、ECa28−1の5'末端でアニーリングするリバースプライマー793C
と組み合わせて用いられた。ECa28SA3の3'末端、ECa28SA3と
ECa28−1(28NC3)の間の遺伝子間領域、及びECa28−1の5'
末端を含んでいる800−bp PCR生成物を増幅させたところ、これまで別
個であった座が結合した(図8)。ECa28SA3の849−bpオープン・
リーディング・フレームは283アミノ酸タンパク質をコードし、そしてECa
28SA3は280アミノ酸タンパク質をコードする840−bpのオープン・
リーディング・フレームを有している。ECa28SA3とECa28−1間の
遺伝子間非コード領域は長さが345−bpであった(図7及び8)。
【0085】 実施例16 核酸及びアミノ酸相同性 5つのE.カニス 28−kDaタンパク質遺伝子すべての核酸及びアミノ酸
配列をクラスタル法を用いて配列比較し、これらの遺伝子間の相同性を調べた。
E.カニス 28−kDaタンパク質遺伝子のメンバー間で58〜75%の範囲
の核酸相同性と67〜72%の範囲のアミノ酸相同性が観察された(図9)。
【0086】 実施例17 転写プロモータ領域 28−kDaタンパク質遺伝子間の遺伝子間領域を、コンセンサス大腸菌プロ
モータ領域及びE.チャフェエンシスから得たプロモータと比較することによっ
てプロモータ配列が存在しているかどうか調べた(Yu et al., 1997: Mclure, 1
985)。
【0087】 RBS、−10及びー35領域を含むプロモータ配列と推定される配列をEC
a28SA2、ECa28SA3、ECa28−1、及びECa28−2に対応
する4つの遺伝子間配列で確認した(図10)。ECa28SA1の上流非コー
ド領域は知られておらず、解析されなかった。
【0088】 実施例18 N末端シグナル配列 アミノ酸配列解析を行ったところ、E.カニス ECa28−1全体の推定分
子量が30.5−kDaでECa28SA3全体の推定分子量が30.7−kD
aであることが明らかになった。両方のタンパク質とも、23個のアミノ酸で構
成されるN末端シグナルペプチドと予想される配列(MNCKKILITTAL
MSLMYYAPSIS、配列番号27)を有しており、これはE.チャフェエ
ンシス P28に対して予想されたもの(MNYKKILITSALISLIS
SLPGV SFS、配列番号28)及びOMP−1タンパク質ファミリー(Yu
et al., 1998: Ohashi et al., 1998b)と類似している。シグナルペプチダー
ゼ(SIS;Ser−X−Ser)(Oliver, 1985)に対する好ましい切断サイ
トがECa28−1の21、22及び23に見出される。E.チャフェエンシス
P28(SFS)に対して予想される切断サイトと同じアミノ酸位置25に追
加的な切断サイトと想定される箇所(MNCKKILITTALISLMIYS
IPSISSFS、配列番号29)も存在しており、これは予想分子量27.7
−kDaの成熟したECa28−1をもたらすであろう。これまで報告されてい
るECa28SA2の部分的配列のシグナル切断サイトがアミノ酸30に存在す
ると予想される。しかしながら、シグナル配列解析はECa28SA1が切断不
能なシグナル配列を有していることを示した。
【0089】 要約 E.カニス、E.チャフェエンシス、及びC.ルミナンチウムを含む複数のリ
ッケチア作用体から同様の分子量を有するタンパク質が確認されている(Reddy
et al., 1998; Jongejan et al., 1993; Ohashi et al., 1998)。6つの相同性
p28遺伝子を有するE.チャフェエンシスの単一の座と、それぞれ一定の相同
性を示す28−kDaタンパク質遺伝子を含むE.カニスの2つの座はこれまで
にも報告されている。
【0090】 本発明はE.チャフェエンシスのomp−1多重遺伝子族及びC.ルミナンチ
ウムmap−1遺伝子の対して相同性のE.カニスの成熟した28−kDaタン
パク質をコードする遺伝子のクローニング、発現、及び特徴づけについて示して
いる。2つの新しい28−kDaタンパク質遺伝子、ECa28−1及びECa
28SA3が確認された。これまでに部分的に配列決定されている(Reddy et a
l., 1998)別のE.カニス 28−kDaタンパク質遺伝子、ECa28SA2
は本発明において完全に配列決定された。5つのE.カニス 28−kDaタン
パク質遺伝子のすべてを含んでいるE.カニスの1つの遺伝子座の識別と特徴づ
けについても開示されている。
【0091】 E.カニス 28−kDaタンパク質はE.チャフェエンシス OMP−1フ
ァミリー及びC.ルミナンチウムのMAP−1タンパク質と相同である。もっと
も相同性の高いE.カニス 28−kDaタンパク質(ECa28SA3、EC
a28−1、及びECa28−2)はその座内に直列的に配置されている。これ
らのタンパク質の相同性は67.5%から72.3%であった。これら28−k
Daタンパク質間の相違性は27.3%から38.6%の範囲であった。E.カ
ニス 28−kDaタンパク質、ECa28SA1とECa28SA2は相同性
が最も低く、相同性は50.9%から59.4%、ディバージェンスは53.3
から69.9%の範囲であった。これらの遺伝子間の違いは主に4つの高可変性
領域内に存在し、このことはこれらの領域が表面露出され、免疫システムによる
選択的圧力を受けていることを示唆している。7つのE.カニス単離体の間でE
Ca28−1が保存されていることが報告されており(McBride et al., 1999)
、このことはE.カニスが北米ではクローン化している可能性を示唆している。
逆に、E.チャフェエンシス単離体間のp28のかなりの違いも報告されている
(Yu et al., 1998)。
【0092】 E.カニス 28−kDaタンパク質のすべては30−kDaタンパク質から
成熟した28−kDaタンパク質となるよう翻訳後処理されると思われる。最近
、シグナル配列がE.チャフェエンシス P28上で確認され(Yu et al.,1998
)、N末端アミノ酸の配列決定によってこのタンパク質が翻訳後処理されてシグ
ナル配列の切断につながり、成熟したタンパク質をつくりだすことが確認された
(Ohashi t al., 1998)。OMP−1FとOMP−1Eのリーダー配列もリーダ
ーシグナルペプチドとして提案されている(Ohashi t al., 1998)。E.チャフ
ェエンシス OMP−1F、OMP−1E及びP28上で確認された信号配列は
E.カニス 28−kDaタンパク質のリーダー配列と相同である。p28遺伝
子に対するプロモータ配列は実験的には確認されていないが、大腸菌及びその他
のエーリキア科のRBS、−10及び−35プロモータ領域のコンセンサス配列
との比較によって確認された(Yu et al., 1997; Mclure, 1985)。こうしたプロ
モータ配列は各遺伝子が転写、翻訳されることを可能とし、このことはこれらの
遺伝子が宿主内で個別的に発現されるか可能性を示唆している。イヌにおける感
染の持続はp28遺伝子が差別的に発現されて、イン・ビボでの抗原性の違いを
もたらし、それによってその生物が免疫反応をまぬがれることができるようにし
ている可能性がある。
【0093】 E.カニスの28−kDa遺伝子はE.チャフェエンシスomp−1遺伝子フ
ァミリー及びC.ルミナンチウムmap−1遺伝子との核酸及びアミノ酸配列相
同性を示すことが認められた。これまでの研究でE.チャフェエンシスに対する
回復期抗血清と反応するE.カニスの30−kDaタンパク質が確認されている
が、抗原的に別のものと考えられた(Rikihisa et al.、1994)。E.カニス
の28−kDaタンパク質の4つの可変領域のアミノ酸置換基の比較に基づく知
見はこの可能性を支持している。これらの知見は、E.カニスとE.チャフェエ
ンシス P28との間の抗原的相違に関与するアミノ酸がこれら可変領域に存在
しており、免疫システムが容易にアクセスできることを示唆している。これら免
疫反応性タンパク質がC.ルミナンチウム、E.チャフェエンシス、及びE.カ
ニスの28−kDaタンパク質の可変領域内にあることも報告されている(Redd
y et al., 1998)。E.カニス及びE.チャフェエンシス P28の解析は、こ
れら可変領域のすべてが予想された表面露出アミノ酸を有していることを明らか
にした。イヌにおける研究はE.カニスとE.チャフェエンシスとの間の交差防
御が存在しないことを明らかにした(Dawson and Ewing, 1992)。この観察結果
はP28の可変領域とこれらエーリキア種の他の免疫学的に重要な抗原における
抗原性の違いに関連している可能性がある。他の研究によれば、E.チャフェエ
ンシスに感染された患者からの回復期のヒト抗血清がE.チャフェエンシスの2
9/28−kDaタンパク質を認識し、さらにE.カニスの相同性タンパク質と
反応することを明らかにした(Chen et al., 1997)。E.カニス 28−kD
aタンパク質とE.チャフェエンシス P28上の相同で交差反応性のエピトー
プは免疫システムによって認識されるようである。E.カニス 28−kDaタ
ンパク質は重要な免疫保護抗原である可能性がある。
【0094】 いくつかの報告は、E.カニスの30−kDa抗原が強力な免疫性を示すこと
を実証している(Rikihisa et al., 1994; Rikihisa et al., 1992)。ヒト及び
イヌからの回復期抗血清内の抗体は、E.チャフェエンシス及びE.カニスから
のこのサイズ範囲のタンパク質と一貫した反応性を示し、このことはそれらが重
要な免疫防御抗原である可能性を示唆している(Rikihisa et al., 1994; Chen
et al., 1994; Chen et al., 1997)。さらに、30、24、及び21−kDa
タンパク質に対する抗体はE.カニスに対する免疫応答の初期に発生し(Rikihi
sa et al., 1994; Rikihisa et al., 1992)、このことはこれらのタンパク質が
疾病の急性段階で免疫応答において重要な役割を果たしている可能性を示唆して
いる。最近、外膜タンパク質をコードし、分子量が28−kDaの一群の相同性
遺伝子がE.チャフェエンシスにおいて確認されており、組換え体E.チャフェ
エンシス P28で免疫化されたマウスは類似の刺激に対して免疫性を発生する
ようであることが観察された(Ohashi et al., 1998)。E.チャフェエンシス
のP28がその外膜に存在していることが示され、免疫電子顕微鏡調査で、その
生物の表面上でのP28の位置がつきとめられたので、このことはそれがアドヘ
シンとして機能している可能性を示唆している(Ohashi et al., 1998)。こう
した方法で確認されたE.カニスの28−kDaタンパク質は同じ位置を占めて
おり、同様の機能を果たしている可能性がある。
【0095】 E.カニスの異なった株からのECa28−1を比較したところ、その遺伝子
が完全に保持されていると考えられることが明らかになった。E.チャフェエン
シスに関係する調査はECa28−1における違いの免疫学的及び分子的証拠を
明らかにした。E.チャフェエンシスに感染された患者は29/28−kDaタ
ンパク質に対して可変的な免疫活性を示し、そのことは抗原性の違いの存在を示
唆している(Chen et al., 1997)。最近、E.チャフェエンシスからのp28
遺伝子において抗原性の違いを示唆する分子的証拠が集められている(Yu et al
., 1998)。E.チャフェエンシス単離体の比較は、2つの単離体(サプルパ及
びセント・ビンセント)は100%同一であるが、他の3つ(アーカンサス、J
ax、91HE17)はアミノ酸レベルで最大13.4%異なっていることを明
らかにした。ECa28−1の保存は、米国で発見されるE.カニス株が遺伝子
的に同じであり、従って、E.カニスの28−kDaタンパク質が米国でのイヌ
・エーリキア症に対する有力なワクチン候補であることを示唆している。米国外
でのE.カニスのさらなる解析がE.カニスの起源と進化に関する情報を提供し
てくれるかもしれない。28−kDaタンパク質の保存はそれがイヌ・エーリキ
ア症の信頼できる血清診断の重要な候補となる可能性を提供している。
【0096】 複数の相同性遺伝子の役割については現在は分かっていないが、イヌにおける
エールリヒア・カニス感染の持続性が相同性28−kDaタンパク質遺伝子の可
変性発現による抗原性の違いに関係しており、それによってエールリヒア・カニ
スが免疫監視をくぐり抜けることができるようにしていることも考えられる。A
.マルギナーレ(A.marginale)におけるmsp−3遺伝子の変差はMSP−3
タンパク質の違いに部分的に関与しており、しつこい感染をもたらしている(Al
leman et al., 1997)。急性及び慢性状態で感染されたイヌにおけるE.カニス
による28−kDaタンパク質遺伝子発現を調べる研究はその感染の持続におけ
る28−kDaタンパク質遺伝子の役割にさらに深い洞察をもたらすであろう。
【0097】 以下の文献が本明細書に引用されている。 Alleman A.R. , et al., (1997) Infect Immun 65: 156-163 Anderson B. E., et al., (1991) J Clin Microbiol 29: 2838-2842 Anderson B. E., et al., (1992) Int J Byst Bacteriol 42: 299-302 Brouqui P., et al., (1992) J Clin Microbiol 30: 1062-1066 Chen S. M., et al., (1997) Clin Diag lab Immunol 4: 731- 735 Chen S. M., et al., (1994) Am J Trop Med Hyg 50: 52 _ 58 Dawson J. E., et al., (1992) Am J Vet Res 53: 1322-1327 Dawson J. E., et al., (1991) J Infect Dis 163: 564-567 Donatien, et al., (1935) Bull Soc Pathol Exot 28: 418-9 Ewing, (1963) J Am Vet Med Assoc 143: 503-6 Groves M. G., et al., (1975) Am J Vet Res 36: 937-940 Harrus S, et al., (1998) J Clin Microbiol 36: 73-76 Jameson B. A., et al., (1988) CABIOS 4: 181-186 Jongejan F., et al., (1993) Rev Elev Med Vet Pays Trop 46: 145-152 McBride J. W., et al., (1996) J Vet Diag Invest 8: 441-447 McBride, et al., (1999) Clin Diagn Lab Immunol: (In press) McClure, (1985) Ann Rev Biochem 54: 171-204 McGeoch D. J. (1985) Virus Res 3: 271-286 Myindo M., et al., (1991) Am J Vet Res 52: 1225-1230 Myindo, et al., (1971) Am J Vet Res 32: 1651-58 Ohashi, et al., (1998) Infect Immun 66: 132-9 Ohashi, et al., (1998) J Clin Microb 36: 2671-80 Reddy, et al., (1998) Biochem Biophys Res Comm 247: 636-43 Rikihisa, et al., (1994) J Clin Microbiol 32: 2107-12 Rothbard J. B., et al., (1988) The EMBO J7: 93-100 Sambrook J., et al., (1989) In Molecular Cloning: A Laboratory Manual.
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【0098】 本明細書に述べられているすべての特許あるいは刊行物は本発明が関係する分
野での当業者のレベルを示している。これらの特許及び刊行物は、個々の刊行物
が参照によって個別的に組み込まれることを示唆されるのと同じ程度に、参照に
よって本明細書に組み込まれる。
【0099】 当業者であれば、本発明がここに述べられている目的を実行し、課題と利点、
およびそれらと本質的に付随する課題と利点を達成するのによく適合しているこ
とが容易に理解できるであろう。これらの実施例は、ここに述べられている方法
、手順、措置、分子、及び具体的な化合物と共に現段階で好ましい実施の形態を
示すものであり、具体例であって、本発明の範囲の限定を意図するものではない
。権利請求の範囲に定義されているような本発明の精神の範囲内に含まれる変更
やその他の使用法は当業者には想起されるであろう。
【0100】 上に述べた本発明の特徴、利点、及び目的、及び以下に明らかにされるであろ
うその他の特徴、利点及び目的を達成し、より詳細に理解することができるよう
に、上に要約的に説明した本発明のより具体的な説明を添付図面に示すそのいく
つかの実施の形態を参照して以下に行う。これらの図面は明細書の一部を構成す
るものである。しかしながら、添付図面は本発明の好ましい実施の形態を示すも
のであって、従ってその範囲を限定するものとはみなされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は隣接する5'及び3'非コード配列を含むECa28−1の核酸配列(配
列番号1)と推定アミノ酸配列(配列番号2)を示している。ATG開始コドン
及びTAA末端が示されており、23アミノ酸リーダーシグナル配列に下線が付
されている。
【図2】 図2は発現された50−kDa組換え体ECa28−1−チオレドキシン融合
タンパク質(レーン1、矢印)と16−kDaチオレドキシンコントロール(レ
ーン2、矢印)のSDS−PAGEと、対応する回復期E.カニス・イヌ抗血清
によって認識された組換え体ECa−1−チオレドキシン融合タンパク質の対応
する免疫ブロット(レーン3)を示している。チオレドキシンコントロールはE
.カニス抗血清では検出されなかった(図示せず)。
【図3】 図3はECa28−1タンパク質(配列番号2)、及びECa28SA2(部
分配列、配列番号7)とECa28SA1(配列番号8)、E.チャフェエンシ
スP28(配列番号9)、E.チャフェエンシスOMP−1族(配列番号10−
14)、及びC.ルミナンチウムMAP−1(配列番号15)アミノ酸配列の配
置構造を示している。ECa28−1アミノ酸配列はコンセンサス配列として示
されている。図示されていないアミノ酸はECa28−1と同じで、点で示され
ている。一致していないアミノ酸は対応する1文字省略形で示されている。それ
らアミノ酸配列の最大配置構造のために導入されているギャップはダッシュで示
されている。可変領域には下線を付して表示してある(VR1、VR2、VR3
及びVR4)。矢印はそのシグナルペプチドに対して予想されるシグナルペプチ
ダーゼ切断部位を示している。
【図4】 図4はE.カニスECa28−1とECa28SA2(部分配列)及びECa
28SA1、E.チャフェエンシスopm−1複遺伝子系の6つのメンバー、及
び推定アミノ酸配列C.ルマンニンチウムmap−1との系統発生的関連性を不
均衡ツリー構造を用いて示してある。各ブランチ対の長さはそれらの対のアミノ
酸配列間の距離を示している。スケールは配列間の距離を示している。
【図5】 図5は6つの個別制限酵素で完全に消化されECa28−1 DIGラベル・
プローブとハイブリダイズさせたE.カニス・ゲノムDNAのサザン・ブロット
解析(レーン2−7)と、DIGラベル分子量マークー(レーン1及び8)を示
している。
【図6】 図6はECa28−1(ジェイク株)及びE.チャフェエンシスP28(アー
カンサス株)の予想されるタンパク質特性の比較を示している。表面確率はヘキ
サペプチドを用いて表面残基を予想するものである。表面残基とは水到達可能表
面積が2.0nm以上のいずれかの残基である。2以上の値を有するヘキサペ
プチドは表面領域と考えられる。抗原指数とは可能性のある抗原性決定因子を予
測するものである。ゼロよりおおきな値を有する領域は可能性のある抗原性決定
因子である。T細胞モチーフは残基1−グリシン又は極性、残基2−疎水性、残
基3−疎水性、残基4−疎水性又はプロリン、そして残基5−極性又はグリシン
を有する5つのアミノ酸のモチーフを用いて可能性のあるT細胞抗原性決定因子
を位置決定する。スケールはアミノ酸の位置を示している。
【図7】 図7はE.カニス28−kDaタンパク質遺伝子ECa28SA2(ヌクレオ
チド1−849:配列番号3;アミノ酸配列:配列番号4)と遺伝子間非コード
配列(NC2、ヌクレオチド 850−1194:配列番号31)を含むECa
28SA3(ヌクレオチド 1195−2031:配列番号5;アミノ酸配列:
配列番号6)の核酸配列と推定されるアミノ酸配列を示している。ATG開始コ
ドン及び停止コドンは太字で示してある。
【図8】 図8はゲノムの方向及び遺伝子間非コード領域(28NCl−4)を示す5つ
のE.カニス28−kDaタンパク質遺伝子座(5.592−Kb)を図式的に
示している。遺伝子座1及び2(影部)に示されている28−kDaタンパク質
遺伝子はすでに報告されている(Mcbrideら、1999;Reddyら、1998;Ohashiら、
1998)。ECaSA2及び(ECa28SA3−非影部)と名付けられた新しい
28−kDaタンパク質遺伝子の完全な配列がつきとめられた。ECaSA2、
ECa28SA3及びECa28−1間の非コード遺伝子間領域(28NC2−
3)は前に結合していなかった遺伝子座1と2を結合することで形成された。
【図9】 図9はアミノ酸配列に基づく5つのE.カニス28−kDaタンパク質遺伝子
メンバーの系統発生的関連性を非均衡ツリー構造で示している。各ブランチ対の
長さはアミノ酸対間の距離を示している。スケールは配列間の距離を示している
【図10】 図10はE.カニス28−kDaタンパク質遺伝子非コード核酸配列(配列番
号30〜33)の配置構造を示している。図示されていない、点で示す核酸は非
コード領域1(28NCl)と同じである。違いは対応する1文字省略形で示し
てある。それらアミノ酸配列の最大配置高層のために導入されたギャップはダッ
シュ(−)で示してある。推定転写性プロモータ領域(−10及び−35)とリ
ボソーム結合サイト(RBS)を線で示している。
【配列表】
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年11月2日(2000.11.2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 33/00 C07K 16/12 4H045 C07K 14/195 C12N 1/15 16/12 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12P 21/02 C 1/21 C12N 15/00 ZNAA 5/10 5/00 A C12P 21/02 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C U,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD ,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN, IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,L K,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK ,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO, RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,T M,TR,TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA ,ZW (72)発明者 ユー,シュ−リィ アメリカ合衆国 77551 テキサス,ガル ベストン,セントラル シティ ブルーバ ード 6424,ナンバー 828 (72)発明者 マクブライド,ジェリィ,ダブリュ. アメリカ合衆国 77554 テキサス,ガル ベストン,ジャマイカ ビーチ 9457 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA31 BA50 CA04 DA02 DA05 DA11 EA02 EA03 EA04 FA02 GA01 GA11 HA01 HA03 4B064 AG31 CA01 CA19 CC24 DA01 DA13 4B065 AA01X AA01Y AA57X AA90X AB01 AB02 BA01 BA08 CA24 CA25 CA44 CA46 4C084 AA02 AA06 AA07 AA13 AA14 BA01 BA08 BA22 BA23 CA04 CA51 CA53 NA01 NA13 NA14 ZB322 ZB352 4C085 AA02 BA15 BB11 CC07 CC21 DD01 DD21 DD62 DD90 EE01 GG01 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 CA11 DA75 DA86 EA20 EA50

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エーリキア・カニス(Ehrlichia canis)の30−キロドル
    トンタンパク質をコードするDNA配列であって、前記タンパク質が抗エーリキ
    ア・カニス(Ehrlichia canis)血清に対して免疫反応性であるDNA配列。
  2. 【請求項2】 タンパク質が配列番号2、配列番号4、及び配列番号6で構
    成されるグループから選択されるアミノ酸配列を有している請求項1記載のDN
    A配列。
  3. 【請求項3】 タンパク質がN末端シグナル配列を有している請求項2記載
    のDNA配列。
  4. 【請求項4】 タンパク質が28キロドルトンタンパク質に翻訳後修飾され
    るものである請求項3記載のDNA配列。
  5. 【請求項5】 DNAが配列番号1、配列番号3及び配列番号5で構成され
    るグループから選択される配列を有している請求項1記載のDNA配列。
  6. 【請求項6】 DNAがエーリキア・カニス(Ehrlichia canis)の単一の
    遺伝子座に含まれている請求項1記載のDNA配列。
  7. 【請求項7】 遺伝子座が5.592kbの長さの多重遺伝子座である請求
    項6記載のDNA配列。
  8. 【請求項8】 遺伝子座がエーリキア・カニス(Ehrlichia canis)の相同
    28−キロドルトンタンパク質をコードする請求項7記載のDNA配列。
  9. 【請求項9】 エーリキア・カニス(Ehrlichia canis)の相同28−キロ
    ドルトンタンパク質がECa28SA1、ECa28SA2、ECa28SA3
    、ECa28−1及びECa28−2で構成されるグループから選択される請求
    項8記載のDNA配列。
  10. 【請求項10】 請求項1記載のDNA配列を含むベクター。
  11. 【請求項11】 ベクターが、細胞に導入された場合に、配列番号1、配列
    番号3及び配列番号5で構成されるグループから選択される配列によりコードさ
    れるペプチド又はポリペプチドを発現することができる発現ベクターである請求
    項10記載のベクター。
  12. 【請求項12】 配列番号2、配列番号4及び配列番号6で構成されるグル
    ープから選択されるアミノ酸配列を含む組換え体タンパク質。
  13. 【請求項13】 アミノ酸配列が配列番号1、配列番号3及び配列番号5で
    構成されるグループから選択される配列を含む核酸セグメントによりコードされ
    る請求項12記載の組換え体タンパク質。
  14. 【請求項14】 配列番号1、配列番号3及び配列番号5で構成されるグル
    ープから選択される核酸セグメントを含む宿主細胞。
  15. 【請求項15】 請求項12記載の組換え体タンパク質の製造方法であって
    、作用するようにプロモータに結合された配列番号2、配列番号4及び配列番号
    6で構成されるグループから選択されるアミノ酸配列をコードする配列を含む発
    現領域を含むベクターを得るステップと、 前記ベクターを細胞にトランスフェクションさせるステップと、 前記発現領域を発現させるために有効な条件下で前記細胞を培養するステップ
    とを含む製造方法。
  16. 【請求項16】 配列番号2、配列番号4及び配列番号6で構成されるグル
    ープから選択されるアミノ酸配列と免疫反応を示す抗体。
  17. 【請求項17】 個体におけるエーリキア・カニス(Ehrlichia canis)感
    染を抑制する方法において、 エーリキア・カニス(Ehrlichia canis)にさらされ、あるいは感染された疑
    いのある個体を識別するステップと、 エーリキア・カニス(Ehrlichia canis)の28−kDa抗原を含む組成物を
    エーリキア・カニス(Ehrlichia canis)感染を抑制するのに有効な量だけ投与
    するステップ を含む方法。
  18. 【請求項18】 28−kDa抗原が配列番号2、配列番号4、及び配列番
    号6で構成されるグループから選択されるアミノ酸配列を含む組換え体タンパク
    質であることを特徴とする請求項17記載の方法。
  19. 【請求項19】 組換え体タンパク質が配列番号1、配列番号3及び配列番
    号5で構成されるグループから選択される配列で構成される遺伝子でコードされ
    ることを特徴とする請求項18記載の方法。
  20. 【請求項20】 組換え体タンパク質が薬学的に受け入れ可能な担体に分散
    されていることを特徴とする請求項18記載の方法。
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