現在既知のこれらの工程に使用されるアダプタは、様々な自動車メーカーによって使用されるコネクタ形状に合わせて個別に製造しなければならない複雑な部品である。アダプタは製造及び使用にコストのかかる特注仕上げ部品であることが多く、そのためインフレータのコストを押し上げている。従って、エアバッグモジュールにイニシエータ及びコネクタソケットを確実に取り付けるための方法が必要とされる。さらに、上述のクリンピングに基づく方法に伴うコストを避けながら気密性密封をもたらす方法を提供すれば、技術上有益であろう。そのような方法が本出願において教示される。
本発明の装置及び方法は、技術の現状に応えて、特に現在入手可能なエアバッグ用インフレータ及びこれに関連するハードウェア及び方法によって十分に解決されていない技術上の問題及びニーズに応えて開発された。従って、エアバッグ用インフレータの経済的な生産及び組み立て、車両へのモジュールの簡単な電気接続及び組み立て後の信頼できる動作をもたらすエアバッグ膨張装置及び方法を提供することが、本発明の全体的目的である。
1つの実施態様によれば、本発明に従ったインフレータは、エアバッグモジュールの中に組み込まれる。エアバッグモジュールは、任意に、車の乗員をドア又はウィンドウなど車両の側面との衝突から保護するために起動するよう構成されている膨張式クッションを持つ膨張式クッションモジュールすなわちICモジュールとすることができる。その代わりに、エアバッグモジュールは、車の乗員をステアリングホイール、ダッシュボード及び/又はフロントガラスなど車両の前面との衝突から保護するために起動するよう構成されているステアリングホイール又はダッシュボードに配置されるものなど前部エアバッグモジュールとすることができる。
エアバッグモジュールは、また、膨張ガスがインフレータからクッションの中へ流れることができるようにクッションと流体連絡するように配置されるインフレータも有する。インフレータは電子制御ユニット(ECU)から延びている電線の終端に取り付けられるコネクタを通じてECUに結合される。インフレータとコネクタは膨張アセンブリの一部として結合される。ECUは、車両の加速を読み取る加速度計に結合され、衝突が検出されるとインフレータの散開を起動するための起動信号を送る。
本発明の一部の実施態様において、コネクタは手で握り易くするためのグリップを持つヘッドを有する。グリップはヘッドを取り囲み、ヘッドからスカートが延びている。スカートは遠位リングを有し、ここから偏向可能なタブが内側へ突き出る。遠位リングからは複数のリブも内側へ延びている。ヘッド、グリップ及びスカートは本体を構成する。延長部は電線に接続するために本体から延びている。
インフレータはハウジングを有し、起動アセンブリはイニシエータ及びレセプタクルを有する。レセプタクルは、カラー及びカラー内に配置されるリテイナを有する。カラーはハウジング内に配置される。リテイナは全体的に環状であり、弾性材で構成されている。リテイナは外径を有し、これに複数のスプラインが配列される。
インフレータハウジングは起動端及び収容端を有し、これらは例えば溶接又はこれに類するものによって相互に取り付けられる別個のピースである。収容端は、膨張ガスを生成するために点火するよう設計されるある量の生成剤を収容する。生成剤は、バーストディスク、ホイル、点火器キャップ又はその他の機械的シールによってイニシエータから密封される。起動通路は、イニシエータとシールとの間の通路となるので、イニシエータが点火すると、イニシエータからの熱風はシールを開放することができる。イニシエータは、イニシエータを密封及び/又は保護するためにボディ及びカバーによって全体的に包まれる。
イニシエータは多様な既知のもののうちどれでもよい。1つの例によれば、イニシエータは全体的に環状のヘッダアイレットを有する。センターピンはヘッダアイレット内の中心に配置され、センターピンとヘッダアイレットとの間に配置される環状シールによってヘッダアイレットから電気的に絶縁される。ヘッダアイレットは、ある量の着火剤を保持するよう設計される装入材ホルダに溶接される、又はその他の方法で取り付けられる。着火剤、装入材ホルダ及びヘッダアイレットの一部を被覆しかつ(又は)密封するためにカンを使用することができる。
ヘッダアイレットをセンターピンと電気的に結合するために環状シールに沿ってブリッジワイヤがある。センターピンとヘッダアイレットとの間に電圧を加えると、電流がブリッジワイヤを通って、急激な抵抗加熱及びブリッジワイヤの燃焼を生じる。ブリッジワイヤの燃焼は着火剤の燃焼を誘発する。
ヘッダアイレットは、コネクタの延長シャンクの一部を受け入れかつこれを取り囲むよう設計されるスカートを有する。ヘッダアイレットは、ボディと接するショルダも有する。ボディはヘッダアイレットのスカートを取り囲むスカートを有する。ボディ及びヘッダアイレットは、ガスがボディとヘッダアイレットとの間を通過できないように相互にプレス嵌めされる相対的サイズを持つことができる。ボディはカラーと接する外向きショルダを有する。ボディのスカートはカラー内部を通り、カラーとプレス嵌めするサイズを持つことができる。その代わりに、ボディの他の部分はハウジングの起動端にプレス嵌めするサイズを持つことができる。
ボディは、また、カバーが取り付けられる内向きショルダを有する。カバーは、内向きショルダとかみ合うようにフレア形に広がるリムを有する。リムと内向きショルダは超音波溶接によって相互に取り付けられる。リテイナはボディのスカートに超音波溶接される。従って、リテイナはイニシエータに固定される。
コネクタを簡単にインフレータに結合することができる。コネクタのスカートの遠位リングはリテイナとカラーとの間の環状空間の中へ挿入される。偏向可能タブは偏向してリテイナのスプラインを通り越してスライドする。一方、遠位リングのリブをリテイナのスプラインとかみ合わせるためには遠位リングを多少回転させなければならないかも知れない。この回転は、リテイナのスプライン及びコネクタのスプラインの面取りによって容易になる。
リブとスプラインがかみ合うと、偏向可能タブが内向きに延びている比較的偏向していないポジションへ戻るまでスカートをさらに挿入することができる。その際、偏向可能タブはスプラインの内面と接して、スカートがレセプタクルから引っ込むのを阻む。このように、コネクタはリテイナによって取り外し不能に保持される。スプラインとリブは引き続きかみ合って、コネクタとインフレータとの間の相対的回転を防止する。
起動アセンブリを多様な方法で製造できる。1つの例によれば、リテイナ、ボディ、カバー及びコネクタのスカートは全て高分子材料で構成されている。カラー及びインフレータハウジングはスチール又はアルミニウムなどの金属で構成されている。既知の火工イニシエータ製造方法に従ってイニシエータを製造できる。
カラーはボディのスカートに押し付けられる。その後ボディのスカートにリテイナが超音波溶接される。その後、ヘッダアイレットのスカートがボディのスカート内部を通るようにイニシエータサブアセンブリが挿入される。全体的にイニシエータを包むためにカバーがボディの内向きショルダに超音波溶接される。起動アセンブリ、例えばボディ、カバー、リテイナ、イニシエータとカラーが一緒に取り付けられる。起動アセンブリは、イニシエータ及びカバーが起動通路の中に延びるようにインフレータハウジングの起動端の中へ挿入される。起動端は、カラーを従って起動アセンブリ全体を保持するようにクリンピングされる。
代替方法によれば、ボディにイニシエータサブアセンブリを挿入し、ボディのスカートをカラーの中へ挿入する前にカバーをボディに取り付けることができる。組立工程の残りのステップは上述のものと同様である。
本発明の別の実施態様によれば、膨張アセンブリは、異なる構成の起動アセンブリと共に前の実施態様のコネクタを利用することができる。起動アセンブリは、インフレータハウジングにおける起動アセンブリの保持を容易にするためにカラーの代わりにワッシャを利用するレセプタクルを有する。ワッシャの内径に沿ってスプラインが配列される。
起動アセンブリはイニシエータ、ボディ及び全体的にイニシエータを包むためにボディに取り付けられるカバーを有する。ボディは、ワッシャと接する外向きショルダを有する。カバーはボディとスナップ嵌めされる。より明確に言うと、カバーはリップ付きのリムを有し、ボディもリップを有する。カバーのリムは、リップが相互にすべることができるようにボディに比べて拡大することができる。その後、リムがその元もサイズに戻ると、ボディとカバーのリップは互いに組み合う。
起動アセンブリは、また、リムに近接してカバーを取り巻くOリングを有する。ハウジングの起動端は、Oリングがカバーと起動端との間で圧縮されてシールを形成するように成形される。起動端は、ワッシャ及び起動アセンブリの残り部分を所定の場所に保持するためにワッシャ外部にクリンプリップを有する。
まずイニシエータの周りにボディ及びカバーをスナップ嵌めすることによって起動アセンブリを設置することができる。次に、起動端にOリングを配置し、ボディ、カバー及びイニシエータを挿入することができる。次に、ボディの外向きショルダに寄り掛かるようにワッシャを配置し、ワッシャを所定の場所に保持するために起動端をクリンピングすることができる。
別の代替実施態様によれば、膨張アセンブリは前の2つの実施態様のコネクタ及び修正された起動アセンブリ及びレセプタクルを持つインフレータを有する。レセプタクルはカラー及びカラー内部に嵌るように設計されるワッシャを有する。カラーの内径にスプラインが配列される。
起動アセンブリは、イニシエータ、ボディ及び前に説明したのと同様に全体的にイニシエータを包むためにボディに超音波溶接されるよう設計されるカバーを有する。ボディはワッシャと接する外向きショルダ及びカバーのリムが取り付けられる内向きショルダを有する。ボディは、またカラー内部にプレス嵌めされるサイズのプレス嵌め部分を有する。ワッシャはボディとカラーとの間に効果的に挟まれて、ボディが適切にカラー内に配置されているようにする。カバーを保持するためにカラーにクリンプリップが形成される。クリンプリップはワッシャ及びカラーの内部形状と協働して、起動アセンブリ全体を保持する。
全体的にイニシエータを包むようにまずボディとカバーを相互に取り付けることによって、起動アセンブリを組み立てることができる。ボディの周りにワッシャを配置することができる。次にカラーの中にワッシャ、ボディ、カバー及びイニシエータを設置して、ワッシャ、ボディ、カバー及びイニシエータを所定の場所に保持するためにカラーをクリンピングすることができる。その後、インフレータハウジングの起動端にカラーを設置させることができる。
本発明の別の実施態様によれば、膨張アセンブリは、修正された起動アセンブリを有するインフレータと一緒に同じコネクタを利用することができる。起動アセンブリはカラー及びワッシャを有するレセプタクルを有する。ワッシャはカラー内に配置される。起動アセンブリは、イニシエータ及び全体的にイニシエータを包むために超音波溶接されるボディとカバーも有する。
ボディは、ワッシャ及びイニシエータの周りに挿入成形される。ワッシャはボディから突き出して、カラー内部と接して、ボディがカラー内部で適切なポジションを保つようにする。まずワッシャの周りにボディを挿入成形することによって、起動アセンブリを組み立てることができる。次に、イニシエータがボディ及びワッシャの中へ挿入され、イニシエータの残り部分を覆うためにカバーが挿入されて、ボディに超音波溶接される。その後、イニシエータ、ボディ、カバー及びワッシャはカラーの中へ挿入され、カバーのリムと接するようにクリンプリップがカラーに形成され、それによってイニシエータ、ボディ、カバー及びワッシャをカラー内部に保持する。その後、カラーはインフレータハウジングの起動端に設置される。
本発明の別の代替実施態様によれば、膨張アセンブリは以前の実施態様と同一のコネクタ及び修正された起動アセンブリを持つインフレータを有する。起動アセンブリは型打ちカラー付きのレセプタクルを有する。型打ちカラーの内径に複数のスプラインが形成される。
起動アセンブリは、イニシエータ及び全体的にイニシエータを包むために超音波溶接されるボディとカバーを有する。ボディは、ボディがカラーの内側に配置されるスカート及び全体的にカラーを取り巻く残り部分を持つようにカラーの周りに挿入成形される。このようにして、カラーはスカートとボディの残り部分との間に効果的に挟まれる。ボディはインフレータハウジングの起動端にプレス嵌めされるサイズのプレス嵌め部分を有する。
起動アセンブリは、カラーの周りにボディを挿入成形し、その後イニシエータをボディの中へ挿入することによって組み立てられる。カバーは、イニシエータに配置されて、ボディに超音波溶接される。その後、カラー、ボディ、イニシエータ及びカバーはインフレータハウジングの起動端の中へ挿入される。起動端は、カラーを、従ってボディ、イニシエータ及びカバーを保持するためにクリンピングされる。
本発明の別の実施態様によれば、膨張アセンブリは修正された起動アセンブリを有するインフレータと一緒に使用される同じコネクタを有する。より正確に言うと、起動アセンブリは、その内径にスプラインが配列されるカラーを有する。起動アセンブリは、また、ボディとカバーによって全体的に包まれるイニシエータを有する。カバーは、以前の実施態様に関連して説明したようにカバーとスナップ嵌めされる。
ボディはカラー内部に接する外向きショルダを有する。カラーは外向きショルダを受ける全体的に円錐の内面を有する。全体的に円錐の内面から環状リッジが延びて、外向きショルダの中へ圧入する。環状リッジによる外向きショルダの変形は、イニシエータ及びインフレータの残り部分から水分を締め出すシールを形成する。カラーはボディ、カバー及びイニシエータを保持するためにクリンピングされる。
ボディをカラーの中へ挿入した後イニシエータをボディの中へ挿入することによって、起動アセンブリを組み立てることができる。その後、イニシエータにカバーを配置して、ボディとスナップ嵌めすることができる。その後、ボディ、カバー及びイニシエータを保持するためにカラーをクリンピングし、それによってボディの中へ環状リッジを圧入することができる。その後カラーはインフレータハウジングの起動端に設置される。
本発明の別の実施態様によれば、膨張アセンブリは、ドライバ側前部衝撃用エアバッグなどエアバッグ用のインフレータと一緒に使用される同じコネクタを有する。インフレータは起動アセンブリを受けるようにソケットが構成されている起動端を持つハウジングを有する。起動アセンブリは、ワッシャ、イニシエータ、ボディ及びカバーを有する。ワッシャの内径には、コネクタのリブとかみ合うようにスプラインが形成される。
ボディとカバーは、前述のとおり全体的にイニシエータを包むようにスナップ嵌めされる。ボディはワッシャと接する外向きショルダを有する。ワッシャはインフレータハウジングの起動端に溶接される。イニシエータ及びインフレータの残り部分を密封するためにOリングがカバーのリムによって配置される。
まずボディとカバーをイニシエータの周りにスナップ嵌めすることによって起動アセンブリを組み立てることができる。ソケット内部又はカバーの周りにOリングを配置することができる。その後、カバー、ボディ及びイニシエータがソケットの中へ挿入される。ソケットを覆うためにワッシャが配置され、ハウジングに溶接されて、ボディ、カバー、イニシエータ及びOリングを保持する。
本発明の別の実施態様によれば、膨張アセンブリは、異なるハウジング及び起動アセンブリを有するドライバ側インフレータと一緒に使用される同じコネクタを有する。より明確に言うと、ハウジングは起動端を有し、起動アセンブリは起動端に溶接されるカラーを有する。ハウジングの起動端の内径にはコネクタのリブとかみ合うようにスプラインが配列される。
起動アセンブリは、イニシエータ及び全体的にイニシエータを包むためにイニシエータの周りに超音波溶接されるカバーとボディを有する。ボディは、ハウジングの起動端と接する外向きショルダを有する。外向きショルダはOリングを受ける環状凹部を有する。
まずイニシエータの周りにボディとカバーを超音波溶接することによって起動アセンブリを組み立てることができる。Oリングは外部ショルダの環状凹部の中へ挿入され、イニシエータ、カバー及びボディはカラーの中へ挿入される。その後、カラーはハウジングの着火端に溶接される。
本発明の別の実施態様によれば、膨張アセンブリは、異なるハウジング及び起動アセンブリを有するドライバ側インフレータと一緒に使用される第一の実施態様のコネクタを有する。より明確に言うと、ハウジングの起動端にはソケットが形成される。レセプタクルはリテイナを有し、これにコネクタのリブとかみ合うためのスプラインが配列される。
起動アセンブリは、イニシエータ及び全体的にイニシエータを包むためにイニシエータの周りに超音波溶接されるカバーとボディを有する。ボディは、ソケットと接する外向きショルダ及びソケットを通り抜けて延びているスカートを有する。リテイナはスカートに超音波溶接される。
まずイニシエータの周りにボディとカバーを超音波溶接することによって起動アセンブリを組み立てることができる。イニシエータ、カバー及びボディはソケットの中へ挿入され係合される。リテイナは、その後、リテイナ、イニシエータ、カバー及びボディがソケットに結合されているようにスカートに超音波溶接される。
本発明の別の実施態様によれば、膨張アセンブリは、異なるハウジング及び起動アセンブリを有するドライバ側インフレータと一緒に使用される第一の実施態様のコネクタを有する。より明確に言うと、ハウジングの起動端にはソケットが形成される。レセプタクルはリテイナを有し、これにコネクタのリブとかみ合うためにスプラインが配列される。
起動アセンブリは、イニシエータ及び全体的にイニシエータを包むためにイニシエータの周りに超音波溶接されるカバーとボディを有する。ボディは外向きショルダを有し、これに環状凹部が形成される。Oリングが環状凹部内部に配置される。外向きショルダ及びOリングはソケットと接して、ソケットを通ってインフレータの中へ又はこれからガスが流れるのを防止する。
まずイニシエータの周りにボディとカバーを超音波溶接することによって起動アセンブリを組み立てることができる。Oリングは環状凹部の中へ挿入される。イニシエータ、カバー、ボディ及びOリングはソケットの中へ挿入されて係合される。その後、リテイナ、イニシエータ、カバー及びボディがソケットと結合しているようにリテイナはスカートに超音波溶接される。
希望する場合には、各インフレータを適切なコネクタにしか接続できないようにするために異なるインフレータ用のレセプタクルは異なる数のスプラインを持つことができる。複数のイニシエータを有する適応インフレータの場合、コネクタを異なる2つのイニシエータに結合するために、インフレータに2つのレセプタクルを配備することができる。各コネクタが適切なレセプタクルに結合されるようにするために、この2つのレセプタクルは異なる数のスプラインを持つことができる。
他の代替実施態様によれば、不適切な組み立てを防ぐために膨張アセンブリを「キーコード」化するために、スプライ及び/又はリブに加えて他の機構を有するコネクタ及びレセプタクルを使用することができる。例えば、コネクタは円形、三角、四角、五画又は六角形を持つことができる。インフレータレセプタクルは、コネクタの形状を受ける対応する形状を持つことができる。この種の形状は、また、組み立て後の回転を許容せずに複数の方位でコネクタをレセプタクルの中へ挿入できるようにできる。
本発明の代替実施態様において、イニシエータとコネクタソケットが超音波溶接によって連結されて溶接部に実質的に気密性密封をもたらす、エアバッグクッション用の別のインフレータが配備される。このインフレータは収容端及び起動端を持つインフレータハウジングを有する。起動端は、イニシエータを受けるために起動端を完全に貫通するイニシエータ用開口を有する。インフレータハウジングの起動端の表面に接してインフレータ用開口付近にジョイントシールが配置される。ジョイントシールは少なくとも実質的に完全にインフレータ用開口を取り囲むように構成されている。組み立てられると、インフレータは、さらにイニシエータ用開口をすなわちジョイントシールを貫通するイニシエータを有する。
インフレータハウジングの起動端の内面からイニシエータ用開口を通じてイニシエータを圧することによってイニシエータを組み立てることができる。これによってインフレータハウジングの起動端に形成されるレセプタクル内にイニシエータの一部が配置される。レセプタクルは、下からレセプタクル内部に配置されるインフレータアダプタソケットを受けるように構成されている。その後、アダプタソケットはエアバッグ用イニシエータに取り付けられる。ソケットはイニシエータ用開口から延びているイニシエータの部分に取り付けられることが多い。この取付けは、一般に、超音波溶接を用いて行われる。この溶接が行われる場合、ジョイントシールは、インフレータ用開口においてイニシエータとアダプタソケットとの間にぴったり捕らえられて、気密性密封を生じる。
本発明のインフレータの一部の実施態様において、イニシエータはソケットとイニシエータを溶接するのに役立つ溶接リッジを有するように構成されている。この溶接リッジは、インフレータの組み立て中にアダプタソケットに接触するように、イニシエータ用開口を通ってアダプタソケットに向かって延びることができる。この溶接リッジは、少なくとも部分的に、イニシエータをソケットに接着する溶接部を形成するのに役立つ。ソケットの上面は溶接リッジと協働して、インフレータアセンブリの超音波溶接ステップ中のインフレータの組み立て中に溶接部を形成する。
本発明のインフレータは、インフレータの中身をインフレータ外部の環境から分離するために配置されるジョイントシールを有する。場合によって、ジョイントシールは環状シールである。本発明のエアバッグ用インフレータの組み立て中、インフレータハウジングの起動端の内面に接して又はインフレータハウジングの起動端の外面に接してジョイントシールを配置することができる。いずれの配置にしても、アダプタソケットがイニシエータに固定されるとき、シールは所定のポジションにぴったりと保持される。インフレータ用開口を気密に密封するようにこれを行うことができる。
本発明によるさらに他のインフレータは、複数のイニシエータを含めることによって多段インフレータとして構成されている。従って、インフレータハウジングの起動端は複数のイニシエータ用開口、ジョイントシール、イニシエータ及びアダプタソケットを有する。場合によっては、イニシエータ及びアダプタソケットの数は等しい。他の場合、複数のイニシエータを受けるための複数の開口を有する単一のアダプタソケットが用意される。特定の実施態様は2つのアダプタソケットが形成される二段インフレータを提供する。
以前に論じたインフレータと同様、超音波溶接を用いてソケットとイニシエータを接合することができる。従って、これ以前に論じた超音波溶接によって組み立てられるインフレータと同様、イニシエータ及びソケットの両方は、組み立て中に接している表面を有する。この相互作用表面は、イニシエータ及びソケットのいずれか又はその両方の材料が溶接工程中に可塑性になって溶接部を形成してイニシエータとソケットを一緒に保持する溶接部を形成する。特定の形態においては、イニシエータは、溶接部の形成を容易にするためにインフレータの組み立て中にアダプタソケットに接触するためにイニシエータの表面から延びている溶接リッジを有する。
本発明によって提供される起動アセンブリはエアバッグだけに応用されるものではない。爆発物、発火信号、視覚効果などの多様な火工装置と一緒に本発明のシステム及び方法を使用することができる。
本発明のシステム及び方法により、ソケット部品の機械仕上げなど時間及び労働集約的作業を減らすことによって、インフレータを比較的安価に製造し組み立てることができる。追加のシーリング部品を設置することなくインフレータを確実に密封することができる。本発明のこの特徴及びその他の特徴は、以下の説明及び特許請求の範囲から十分に明確になるか、以下に示される通りに本発明を実施することによって確認されるだろう。
本発明の上記及びその他の特徴及び利点を得るための方法が容易に理解されるために、添付図面に示される特定の実施態様を参照することによって上に簡単に示される本発明についてさらに詳しく説明が与えられる。これらの図面は本発明の典型的な実施態様を示しているだけであって、本発明の範囲を限定するものとは見なされるべきではないことを了解した上で、本発明は、添付図面を用いてさらに特定的にかつ詳細に説明される。
本発明の現在望ましい実施態様は図面を参照することによって最もよく理解できる。図面においては、全体を通じて同様の部品は同様の番号で示される。本出願において一般的に説明され図面に示される本発明のコンポーネントを多様な形態で配列し設計することができることが容易に理解できるだろう。従って、図1〜7に示される本発明の装置、システム及び方法の実施態様の以下の詳細な説明は本発明の範囲を限定するためのものではなく、単に本発明の現在望ましい実施態様を代表するものである。
本発明は、インフレータのコスト効率、電気接続性及び信頼性を強化するために多様な原理を利用している。本発明を使用することによって、挿入成形及び機械仕上げなど労働集約的な工程をインフレータ製造工程から減少又は排除することができる。インフレータ内部におけるコネクタの自由回転に伴うリスクをインフレータ及びコネクタに与えることなく多様な方位で電気コネクタをインフレータに簡単に接続することができる。本発明によってこのような結果がどのように得られるかを下にさらに詳しく説明する。
本出願において、「接続」、「結合」及び「連絡」と言う言葉は、機械的、電気的、磁気的、電磁的及び熱的相互作用を含めて、2つ又はそれ以上の実体の間の任意の形態の相互作用を意味する。「取り付け」と言う言葉は、取り付けられる物体間の相対的並進又は回転を制約する機械的結合の形態を意味する。「旋回可能に取り付け」及び「スライド可能に取り付け」と言う言葉は、他の相対的動きを制約しながらそれぞれ相対的回転又は相対的並進を許容する機械的結合の形態を意味する。
「直接取り付け」と言う言葉は、取り付けられるアイテムが直接接触しているか、単一のファスナ、接着剤又はその他の取り付けメカニズムによってのみ分離される取付けの形態を意味する。「接する」と言う言葉は、アイテムが相互に物理的に直接接触するが、取り付けられない場合があることを意味する。「一体的に構成されている」と言う言葉は、ボディが複数のピースを組み立てる必要なく単体としてすなわち単一のピースとして製造されることを意味する。単一の工作物から構成されている場合複数の部品を相互に一体的に構成することができる。
本出願において論じられるとき、超音波溶接は、本発明のエアバッグ用インフレータの部分と部分を取り付けるために可能ないくつかの方法の1つである。本発明の一部の実施態様においては他の振動溶接の形態を使用することもできる。本出願において、「振動溶接」とは、溶接される境界面に沿って振動が誘発されて摩擦加熱を生じる工程を意味する。従って、超音波溶接は振動溶接の1つのタイプである。さらに、インフレータのコンポーネントを相互に取り付けるために、代わりに電磁溶接すなわち電磁放射を加えることによる溶接を使用することができる。RF溶接としても知られる高周波溶接は電磁溶接の1つのタイプである。
図1は、エアバッグ用インフレータ10が配備されている、本発明の第一の実施態様の側面断面図である。図に示される通り、インフレータ10はドライバ側前部衝撃用エアバッグ又はこれに類するものに適するタイプのものである。従って、本発明の各種膨張アセンブリの用途は特定のインフレータ又はエアバッグのタイプに限定されない。膨張アセンブリ16を提供するためにコネクタ12と一緒にインフレータ10を使用することができる。本出願の図面において、軸に示されるとき、13は垂直軸又は垂直方向を示し、14は横軸又は横方向を示し、15は横断軸又は横断方向を示す。
インフレータ10は、溶接部30で接合される収容端22及び起動端24を有するハウジング20を有する。ハウジング20は、起動アセンブリ34及びエアバッグクッションを膨張させるための膨張ガスを生成するために使用されるある量の膨張ガス生成剤(図には示されていない)を取り囲むように構成されている。起動アセンブリ34は、一般的に言ってイニシエータ40、イニシエータボディ42及びイニシエータカバー44を有する。
図に示される通り、インフレータ10は一般的に起動アセンブリ34を収容するハウジング20を有する。起動アセンブリ34は、コネクタ12を受けるように設計されるレセプタクル46を有する。レセプタクル46はコネクタ12をインフレータ10に保持するワッシャ50を有する。ワッシャ50の内径52にはスプライン54が配列される。
ハウジング20は、一般的に言って起動アセンブリ34が配置される起動端24を有する。さらに、ハウジング20は、当業者に既知の多くの物質の中から選択できるある量の生成剤(図には示されていない)を収容する収容端22を有する。収容端22は接合部30で起動端24に接触する。接合部は、溶接部、機械的なファスナ配列又は収容端22を起動端24に取り付けるその他のメカニズムを含むことができる。起動アセンブリ34を受けてこれを保持するために起動端24にソケット60が形成される。生成剤はソケット60と直接接触するか、又はバーストディスク又はこれに類するものによってソケット60から分離される。
ワッシャ50に加えて、起動アセンブリ34はイニシエータ40、ボディ42、カバー44及びOリング48を有する。図に示される通り、カバー44はボディ42にスナップ嵌めされる。ボディ42は外向きショルダ56及びリップ58を有する。カバー44はボディ42のリップ58とスナップ嵌めするために拡張可能なリップ64を持つリム62を有する。Oリング48は、ボディ42を取り巻く領域又はボディ42とソケット60との間の領域を通じてインフレータ内部へ又はインフレータ内部からガスが流れるのを防止する。
図に示される通り、ワッシャ50はどのようなタイプのクリンプリップによっても保持されておらず、溶接66によってハウジングの起動部24の外壁と同一平面に固定される。溶接66としては、ワッシャの円周の周りに延びている従来の熱溶接、プロジェクション溶接又はレーザー溶接がある。ソケット60は、Oリングを従って起動アセンブリ34の残り部分を保持するリップ68を持つことができる。リップ68は、クリンピングされるか、又はソケット60の残り部分を成形するために使用されるのと同じ作業によって成形される。
コネクタ12は、イニシエータ40のヘッダアイレット72のスカート70の中へコネクタ12のシャンク18を挿入することによってレセプタクル46に配置される。これが行われると、偏向可能タブ26は偏向してスプライン54を通り越してスライドする。スプライン54はコネクタ12のリブ28と容易に整合されて、リブとかみ合って、偏向可能タブ26がスプラインに接触せずに動けるようにする。偏向可能タブ26はその後小さい偏向状態に戻って、コネクタがレセプタクル46から外れるのを阻止する。スプライン54とコネクタの垂直リブ28とのかみ合いは組み立て後の相対的回転を防止する。
まずスタンピング加工又はこれに類するものによってハウジング20を形成することによってインフレータ10を製造することができる。1つの例によれば、ソケット60は、対応する形状を有するダイを通じて起動端24の中へスタンピングされる。リップ68は、スタンピング工程の一部として成形されるか、又は希望する場合には別個に所定の形状に成形される。起動端24及び収容端22が成形された後、起動端24及び収容端22のうち一方に生成剤を挿入し、慣性溶接、締結又はこれに類するものによって接合部30において両方の端24、22を相互に取り付けることができる。
ボディ42とカバー44をイニシエータ40の周りに一緒にはめ込むことができる。その後、Oリング48がソケット60の中へ挿入されるか、カバーの周りに配置され、図に示される通りOリング48がリップ68とカバー44との間で圧縮されるようにカバー44、ボディ42及びイニシエータ40がソケット60の中へ挿入される。その後、ワッシャ50が起動端24に配置され、溶接66によってこれに取り付けられる。
図2Aを参照すると、本発明の別の代替実施態様による膨張アセンブリ116を提供するために、コネクタ12と一緒に異なる形態のインフレータ10を使用することができる。インフレータ10も、ドライバ側前部衝撃用エアバッグ又はこれに類するもの用に使用できるタイプのものである。インフレータ10は前の実施態様のハウジング20に幾分似ているハウジング120を有する。ハイジング120は起動アセンブリ134を収容する。起動アセンブリ134はコネクタ112を受けるように設計されるレセプタクル146を有する。
レセプタクル146はカラー136を有し、ハウジング120の起動端124にカラーを直接固定することができる。カラー136は内径138を有し、ハウジング120の起動端124も内径152を有する。複数のスプライン154が起動端124の内径152の周りに配列される。
レセプタクル146は、さらにイニシエータ140、ボディ142及び全体的にイニシエータ140を包むためにボディ142に取り付けられるカバー144を有する。ボディ142はハウジング120の起動端124に接する外向きショルダ156を有する。外向きショルダ156に環状凹部178が形成される。ボディ142はカバー144に隣接して内向きショルダ158も有する。カバー144は、超音波溶接164を通じて内向きショルダ158に取り付けられるリム162を有する。以前の実施態様と異なり、内向きショルダ158は実質的に管状である。リム162は内向きショルダ158を受けるために対応の形状を持つ。超音波溶接部164は内向きショルダ158の外径に配置される。
Oリング148は、外向きショルダ156の環状凹部178に配置される。カラー136はカラーの周縁の周りに形成される溶接部166を通じてハウジング120の起動端124に取り付けられる。溶接部166は起動アセンブリ134とインフレータ内部の残り部分との間に気密性密封をもたらさない可能性がある。従って、環状凹部178にOリング148を配置することによってコネクタ112と起動端124の内径152との間のギャップを通じてインフレータ110の内部へ又はこれからガスが移動しないようにする。カラー136はカバー144を従ってボディ142及びイニシエータ140を保持するリップ168を有する。
前の実施態様と同様にコネクタ112をレセプタクル146に設置することができる。より正確に言うと、シャンク118はイニシエータ140のヘッダアイレット172のスカート170の中へ挿入され、その間、偏向可能タブ126は偏向して起動端124のスプライン154を通り越してスライドする。スプライン154はコネクタ112のリブ128とかみ合って、偏向可能タブ126がスプライン154に接触することなくスライドして小さい偏向状態に戻れるようにする。偏向可能タブ126は、コネクタ112がレセプタクル146から引っ張り出されるのを防ぎ、一方で、スプライン154とリブ128のかみ合いはコネクタ112とインフレータ110との組み立て後の相対的な回転を防止する。
イニシエータ110を多様に組み立てることができる。1つの方法によれば、鋳造、スタンピング又はこれに類するものによって起動端124及び収納端122を成形することができる。希望する場合には、1つの工程によって起動端124の全体的形状を成形することができ、別個の作業を用いてスプレイン154を起動端124に形成することができる。また、スタンピング又はこれに類するものによってカラー136を形成することもできる。スタンピング作業の一部として又は別個のクリンピング作業でリップ164を形成することができる。
イニシエータ140をボディ142の中へ挿入し、カバー144をボディ142に配置して、上位術の通りボディに超音波溶接することができる。Oリング148が環状凹部178の中へ挿入される。イニシエータ140、ボディ142、カバー144及びOリング148は、カバー144のリム162がカラー136のリップ164と接するまでカラー136の中へ挿入される。その後、カラー136、ボディ142、カバー144、イニシエータ140及びOリング148は起動端124に対して相対的に配置され、カラー136は溶接部166を通じて起動端124の内面に取り付けられる。ハウジング120の2つの端124、122は生成剤(図には示されていない)を取り囲むために接合部130において相互に取り付けられる。
図2Bは、インフレータ110のハウジング120の起動端124に引かれた線2B−2Bに沿って見た図2Aのインフレータ120の小サイズである。図2Bには、インフレータハウジング120の起動端124の一部が示されており、ハウジング120は内径152を有する穴151を有する。ハウジング120の起動端124のこの図は、穴151の形態及びこれに通されるコネクタ112との関係を示している。この関係は図2Aにおいては明らかではない。より明確に言うと、図2Bにおいて、穴151はコネクタ112のリブ128と相互作用するスプライン154を含むものとして示されている。図2Aに関して上で述べたように、コネクタ112が穴151に通されるとき、スプライン154がリブ128とかみ合うようにコネクタは適切に整合されなければならない。この方位において、スプライン154に押し付けられると偏向可能タブ126は偏向する。タブ126がスプラン126を通り過ぎてしまうと、タブは小さい偏向状態に跳ね返って、コネクタを所定の場所に固定する。
図2Bは、コネクタ112のリブ128に対応する対称形の1対のスプライン154を含むものとしてハウジング120の起動端124を示している。しかし、これより少ない(単一のスプライン154及びリブ128)又は多い数を含めて様々な数のスプライン154及びリブ128を含むように形態を変えることができることが、当業者であれば判るだろう。動作中、スプライン154と一緒に対応するリブ128を有することによって、ハウジング120の中へ適切に挿入されると、コネクタ112の望ましくない回転が防止される。
次に図3を参照すると、本発明の別の代替実施態様による膨張アセンブリ216を提供するためにコネクタ212と一緒に異なる形態のインフレータ210を使用することができる。コネクタ212はヘッド284が形成される本体232を有し、スカート280がヘッド284から延びている。シャンク282がヘッド284から及びスカート280内部から延びている。スカート280は遠位リング286を有し、これから1対の突起又は偏向可能タブ278が内向きにシャンク282に向かって延びている。
前の2つの実施態様と同様、インフレータ210もドライバ側前部衝撃用エアバッグ又はこれに類するものに使用できるタイプのものである。インフレータ210は前の実施態様のハウジング120に幾分似ているハウジング220を有する。ハウジング220は起動アセンブリ234を収容する。起動アセンブリ234はコネクタ212を受けるように設計されるレセプタクル246を有する。
ハウジング220は、一般的に言って起動アセンブリ234が配置される起動端224を有する。さらに、ハウジング220は収容端222を有する。収容端222は接合部230において起動端224に接触する。起動アセンブリ234を受けてこれを保持するために起動端224にソケット260が形成される。
レセプタクル246は図1〜図2Bの実施態様のリテイナと同様のリテイナ288を有する。リテイナ288は内径252及び外径253を有する。リテイナ288は、外径253の周りに配列される複数のスプライン254を有する。スプライン254は前述のとおり回転ロックを可能にするためにリブ228の間隔に合致するように間隔を置かれる。
レセプタクル246は、さらにイニシエータ240、ボディ242及びイニシエータ240を全体的に包むためにボディ242に取り付けられるカバー244を有する。前の実施態様の場合と同様、イニシエータ240はヘッダアイレット272、センターピン274、スカート270及びショルダ276を有する。ボディ242はハウジング220の起動端224に接する外向きショルダ256を有する。ボディ242は、またカバー244に隣接する内向きショルダ258を有する。カバー244は超音波溶接部264を通じて内向きショルダ258に取り付けられるリム262を有する。ボディ242は、超音波溶接部155を通じてリテイナ288が取り付けられるスカート292を有する。スカート292はソケット260のプレス嵌め部分290によって保持される。
比較的単純にコネクタ212をレセプタクル246に設置することができる。より正確に言うと、シャンク282はイニシエータ240のヘッダアイレット272のスカートの中へ挿入され、一方偏向可能タブ226は偏向して、リテイナ288のスプライン254を通り越してスライドする。スプライン254はコネクタ212のリブ228とかみ合って、偏向可能タブ226がスプライン254に接触せずにスライドして、小さい偏向状態に戻れるようにする。偏向可能タブ226はコネクタ212がレセプタクル246から引っ張り出されるのを防止し、一方、スプライン254がリブ228とかみ合うことによって、コネクタ212とインフレータ210の組み立て後の相対的回転を防止する。
インフレータ210を多様に組み立てることができる。1つの方法によれば、起動端224及び収容端222は、鋳造、スタンピング又はこれに類するものによって形成される。イニシエータ240をボディ242の中へ挿入し、上述の通りカバー244を配置してボディ242に超音波溶接することができる。イニシエータ240、ボディ242及びカバー244はソケット260のプレス嵌め部分290に対して相対的に所定のポジションに押しやられる。その後、ボディ242、カバー244及びイニシエータ240は起動端224に対して相対的に配置され、リテイナ288は超音波溶接部155を通じてボディ242のスカート292に取り付けられる。ハウジング220の2つの端224、222は生成剤(図には示されていない)を取り囲むために接合部230において相互に取り付けられる。
図4を参照すると、本発明の別の代替実施態様による膨張アセンブリ316を提供するために図3のコネクタ212と同様のコネクタ312と一緒に異なる形態のインフレータ310を使用することができる。この場合にも、コネクタ312は、ヘッド384が形成される主体332を有し、スカート380がヘッド384から延びている。シャンク382はヘッド384から及びスカート380内部から延びている。スカート380は遠位リング386を有し、ここから、1対の突起又は偏向可能タブ326は内向きにシャンク382に向かって延びている。
前の3つの実施態様の場合と同様、インフレータ310もドライバ側前部衝撃用エアバッグ又はこれに類するものに使用できるタイプのものである。インフレータ310は前の実施態様のハウジング220に幾分似ているハウジング320を有する。ハウジング320は起動アセンブリ334を収容する。起動アセンブリ334はコネクタ326を受けるように設計されるレセプタクル346を有する。
ハウジング320は、一般的に言って起動アセンブリ334が配置される起動端324を有する。それに加えて、ハウジング320は図1〜図3の収容端と同様の収容端322を有する。収容端322は接合部330において起動端324と接触する。起動アセンブリ334を受けてこれを保持するために、ソケット360が起動端324に形成される。ソケット360は、図3に示される前の実施態様のソケット260と同様の形状でよいが、多少大きい。
レセプタクル346は図1〜図3の実施態様のリテイナと同様のリテイナ388を有する。この場合にも、リテイナ388は内径352及び外径353を有する。リテイナ388は外径353の周りに配列される複数のスプライン354を有する。スプライン354は、上述の通り、回転ロックを可能にするためにリブ328の間隔に対応するように間隔を置かれる。
レセプタクル346は、さらに、イニシエータ340、ボディ342及び全体的にイニシエータ340を包むためにボディ342に取り付けられるカバー344を有する。前の実施態様の場合と同様、イニシエータ340はヘッダアイレット372、センターピン374、スカート370及びショルダ376を有する。ボディ342はリテイナ388が取り付けられるスカート392を有する。スカート392はソケット360のプレス嵌め部分390によって保持される。ボディ342はハウジング320のソケット360と接する外向きショルダ356を有する。外向きショルダ356に環状凹部378が形成される。ボディ342はカバー344に隣接する内向きショルダ358も有する。カバー344は図3に示されるものと同様とすることができる。従って、カバー344は超音波溶接364を通じて内向きショルダ358に取り付けられるリム360を有する。
Oリング348は外向きショルダ356の環状凹部378に配置される。ソケット360のプレス嵌め部分390内のスカート392のプレス嵌めは、起動アセンブリ334とソケット360との間の気密性密封をもたらさない可能性がある。従って、環状凹部378にOリング348を配置することによってガスがスカート392とプレス嵌め部分390との間でインフレータ内部へ及びこれからガスが出入りするのを防ぐ。
図1〜図3の実施態様と同様にコネクタ312をレセプタクル346に設置することができる。より正確に言うと、シャンクがイニシエータ340のヘッダアイレットのスカートの中へ挿入されるとき、偏向可能タブ326は偏向してリテイナ388のスプライン354を通り越してスライドする。スプライン354はコネクタ312のリブ328とかみ合って、偏向可能タブ326がスプライン354に接触せずにスライドして小さい偏向状態に戻れるようにする。偏向可能タブ326はコネクタ312がレセプタクルから引っ張り出されるのを防止し、一方、スプライン354とリブ328のかみ合いはコネクタ312とインフレータ310の組み立て後の相対的回転を防止する。
多様にインフレータ310を組み立てることができる。1つの方法によれば、起動端324及び収容端322は、鋳造、スタンピング又はこれに類するものによって成形される。イニシエータ340をボディ342の中へ挿入し、上述の通りカバー344を配置してボディ342に超音波溶接することができる。Oリング348はボディ342の外向きショルダ356の環状凹部378に配置される。イニシエータ340、ボディ342、カバー344及びOリング348はソケット360のプレス嵌め部分390に対して相対的な所定のポジションへ押しやられる。ボディ342、カバー344及びイニシエータ340は起動端324に対して相対的に配置され、リテイナ388は超音波溶接部366を通じてボディ342のスカート392に取り付けられる。ハウジング320の2つの端324、322は生成剤(図には示されていない)を取り囲むために接合部330において相互に取り付けられる。
「適応インフレータ」は、衝突の深刻度に応じて可変的な体積のガスを生成するインフレータである。一部の適応インフレータは個別に作動可能でなければならない複数のイニシエータを有する。従って、別個のコネクタが使用され、正確な散開を保証するためにイニシエータに適切に接続されなければならない。
図5は、側面断面図で示される本発明のさらに別のインフレータ410を示している。インフレータ410は、ガス生成剤(図には示されていない)として使用されるある量の物質を収納するためのチェンバ421を形成する収容端422及び起動端424を有するインフレータハウジング420を有する。起動端424は、さらに、エアバッグモジュールを作動するために使用されるエレクトロニクスにエアバッグモジュールを連結するために車両からインフレータコネクタ(図には示されていない)を受けこれを保持するために使用されるイニシエータ用アダプタソケット460を受けるのに適するアダプタレセプタクル446を有する。レセプタクル446は起動端424を貫通する穴447を有する。インフレータ410はさらにエアバッグクッションを膨張させるために使用するための膨張ガスの生成を開始するために使用されるイニシエータ440を有する。
インフレータアセンブリ410の組み立てにおいて、アダプタソケット460はレセプタクル446内に配置される。アダプタソケット460はレセプタクル446内に遊び嵌めを持つことが一般的に望ましい。さらに、レセプタクル446は現在使用されているソケット460より大きいサイズを持つことができ、レセプタクル446においてソケット460がしっかり嵌るようにするためにサイジングリング(図には示されていない)が使用される。金属、エラストマー、プラスチック、又は当業者には既知のその他の多くの適切材料を用いてサイジングリングを製造することができる。ソケット460の周りにしっかりと嵌り、レセプタクル446内にぴったり嵌るようにその直径を増すようにこの種のリングを製造することができる。
インフレータ410は起動アセンブリ434を有する。起動アセンブリ434は、チェンバ441を取り囲むカバー444を有する中空体構造であるイニシエータ440を有する。イニシエータ440は、さらに、ジョイントシール502に接触するように構成されている境界面443を有するショルダ456を持つボディ442を有する。ジョイントシール502は、一般的に言ってレセプタクル446の穴447を囲むのに適するエラストマー構造である。これによって、イニシエータ境界面スカート500及びプロング474がイニシエータ440から穴447を通って下向きにアダプタソケット460の中まで延びることができる。
アダプタソケット460は、インフレータ410のレセプタクル446内に嵌るように構成されている全体的に管状構造である。ソケット460はインフレータコネクタ(図には示されていない)を受けるのに適するスリーブ部467及びヘッド部463を有する。スリーブ部467は、インフレータコネクタ用のソケットチェンバ461を取り囲む。スリーブ部は、チェンバ461内部でインフレータコネクタを固定するのに役立てるため又は相容れないコネクタが使用されないようにするためにアダプタリッジ465を有することもできる。コネクタを保持するために使用できるようにするため又は適切なコネクタをコード指定するために可変的な形状、深さ、形態などの使用を可能にするために、リッジ465の形状、深さ及び形態を広範に変動させることができる。
インフレータ410の組み立て中、イニシエータ440はレセプタクル446の穴447に部分的に通される。境界面スカート500及びプロング474は穴447を通って延び、ジョイントシール502を通じて配置される。インフレータ410のチェンバ421の内部かレセプタクル446内でチェンバ421の外部にジョイントシール502を配置することができる。いずれの形態においても、ジョイントシール502はイニシエータ440かソケットとレセプタクルとの間にしっかりと保持される。ソケット460は、イニシエータ境界面500を有する溶接スリーブ498などアダプタソケット460の上面がイニシエータ440の接触又は溶接リッジ496などイニシエータ440の表面と接触するようにレセプタクル446の中を上向きに通される。これらのコンポーネントの相互関係が図5に示される接合部の拡大図に示されている。
これらの接触面は、その後、イニシエータ440をソケット460にしっかりと保持する溶接部494を作るために超音波溶接など振動溶接法を用いて溶接される。これによって、シール502がレセプタクル446にしっかりと捕らえられて、本発明の一部の形態において、気密性密封を生じる。
次に図6を参照すると、本発明による別の膨張アセンブリ510の側面断面図が示されている。本発明の膨張アセンブリ510のこの実施態様において、インフレータ510は複数の起動アセンブリ、ここではアセンブリ534a及び534bを有する。インフレータ510のこの実施態様は、インフレータハウジング520を有する。図6においては、ハウジング520の起動端524しか示されていない。起動端524は、さらに、複数のイニシエータ用アダプタソケット560a、560bを受けるのに適するアダプタレセプタクル546を有する。上述の通り、エアバッグモジュールを作動するために使用されるエレクトロニクスにエアバッグモジュールを連結するために車両からインフレータコネクタ(図には示されていない)を受けてこれを保持するためにこれらのアダプタソケット560a、560bが使用される。
レセプタクル546は、インフレータハウジング520の起動端524を完全に貫通する1対の穴547a、547bを有する。図5の場合と同様、膨張アセンブリは側面断面図で示されている。図に示される通り、レセプタクル546は多様な形状を持つことができ、ここでは、穴547a、547bが配置される楕円又は円形形態である。レセプタクル546の円形又はその他のもっと大きい形態において、特定のエアバッグ用インフレータ用に望ましい場合には合計で2つより多くなるようにさらなる起動アセンブリ534a、534bを追加することが可能であろう。しかし、図6に示される通り、インフレータ510は、エアバッグクッションを膨張させる際に使用するための膨張ガスの生成を開始するために使用される1対のイニシエータ540a、540bを有する。
インフレータアセンブリ510の組み立て中、レセプタクル546内に1対のアダプタソケット560a、560bが配置される。本発明のこの実施態様において、アダプタソケット560a、560bはレセプタクル546内にゆったりと配置され、レセプタクル546内にぴったりと嵌るサイズではない。その代わりに、主にイニシエータ540a、540bをソケット560a、560bに取り付けるために作られる溶接部594aによってソケット560a、560bは所定の場所に保持される。その代わりに、一緒にしてレセプタクル546を満たしてレセプタクル546内に確実に嵌るようにソケット560a、560bのサイズ及び形状を定めることができる。さらに別の代替実施態様において、レセプタクル546内にしっかりと嵌りソケット560a、560bを受けるサイズ及び構成のソケットアダプタの中へソケット560a、560bを配置することができる。この種のアダプタ又は複合嵌めは、車両に設置されたとき通常の日常的な使用の一部として生じるアセンブリ510に対する振動又は衝撃からアセンブリ510及びインフレータ510の組み立て中に作られる溶接部594a、594bに与えられる損傷の可能性を小さくすることができる。
インフレータ510は、このように1対の起動アセンブリ534a、534bを有することができる。以前の実施態様において説明したように、起動アセンブリ534a、354bはチェンバ541a、541bを取り囲むカバー544a、544bを有する全体的に中空体の構造であるイニシエータ540a、540bを有する。イニシエータ540a、540bは、さらにジョイントシール602a、602bに接触するように構成されている境界面543a、543bを有するショルダ556a、556bを持つボディ542a、542bを有する。上述の図5の場合と同様、ジョイントシール602a、602bは、レセプタクル546の穴547a、547bを囲むのに適する全体的にエラストマー構造である。これによって、イニシエータ境界面スカート600a、600b及びプロング574a、574bはイニシエータ540a、540bから下向きに穴547a、547bを通ってアダプタソケット560a、560bの中へ延びることができる。図6及び7のジョイントシール602a、602bは平らなリングである。当業者であれば、Oリング又はその他の適切なシールを利用するように例示される設計を適応させることができるだろう。上記のほかに、図6に示される実施態様において、密封をもたらすのに適する材料の単一のフラットシートをシール602a、602bの代わりに配備することができる。このようなシートは、穴547a、547bに対応し従って同様に機能するように配置される穴を有する。
図6のアダプタソケット560a、560bは、インフレータ510のレセプタクル546内に嵌るように構成されている全体的に管状構造である点について図5において開示されるものと同様である。しかし、上に簡単に述べたとおり、図6のソケット560a、560bはレセプタクル546を満たすようには示されていない。ソケット560a、560bはインフレータコネクタ(図に示されていない)を受けるのに適するスリーブ部567a、567b及びヘッド部563a、563bを有する。スリーブ部567a、567bはインフレータコネクタ用のソケットチェンバ561a、561bを取り囲む。スリーブ部は、チェンバ561a、561b内でインフレータコネクタを固定するのに役立てるため又は相容れないコネクタの使用を防止するためにアダプタリッジ565a、565bを有することもできる。コネクタを保持するために利用できるようにするため又は適切なコネクタをコード指定するために可変的な形状、深さ、形態などの使用を可能にするためにリッジ565a、565bの形状、深さ及び形態を広範に変動させることができる。
インフレータ510の組み立て中、イニシエータ540a、540bは部分的にレセプタクル546の穴547a、547bに通される。境界面スカート600a、600b及びプロング574a、574bは穴547a、547bを通って延び、ジョイントシール602a、602bを通じて配置される。インフレータ510のチェンバ521の内部かレセプタクル546内のチェンバ521の外部にジョイントシール602a、602bを配置することができる。いずれの形態においても、ジョイントシール602a、602bはイニシエータ540a、540bかソケット560a、560bとレセプタクル546との間にぴったりと保持される。各ソケット560a、560bは、イニシエータ境界面600a、600bを持つ溶接スリーブ598a、598bなどアダプタソケット560a、560bの上面がイニシエータ540a、540bの接触又は溶接リッジ596a、596bなどイニシエータ540a、540bの表面と接触するように、上向きにレセプタクル546の中へ通される。
その後、これらの接触面は、イニシエータ540a、540bをソケット560a、560bにぴったりと保持する溶接部594a、594bを作るために超音波溶接など溶接法を用いて溶接される。これによって、シール602a、602bはレセプタクル546にぴったりと捕捉されて、本発明の一部の形態においては気密性密封をもたらす。
図7は、図6と同様の、本発明のさらに別の代替実施態様による膨張アセンブリ610の側面断面図を示している。インフレータ610は図6のインフレータ510と同様であり、複数の起動アセンブリ634a、634bを受けるのに適する。図6のインフレータ510の場合と同様、図7のインフレータ610はこの種の起動アセンブリ634a、634bを2つだけ含むものとして示されているが、もっと多くのアセンブリを含むように容易に適応させることができる。しかし、このインフレータ610において、イニシエータ640a、640bは単一のソケット704に溶接される。このソケット704は、エアバッグモジュールを作動するために使用されるエレクトロニクスにエアバッグモジュールを連結するために車両からインフレータコネクタ(図には示されていない)を受けてこれを保持するために使用される第一及び第二のソケット部分、660a、660bを有する。
上述の通り、レセプタクル646は、インフレータハウジング620の起動端624を通ってチェンバ621の中まで貫通する複数の穴647a、647bを有する。図6の場合と同様、膨張アセンブリ610は側面断面図で示されている。図に示される通り、レセプタクル646は多様な形状を持つことができ、ここでは、穴647a、647bが配置される楕円形又は円形の形態である。レセプタクル646の円形又はその他のもっと大きい形態において、特定のエアバッグ用インフレータのために望ましい場合には、合計で2つを超えるようにさらなる起動アセンブリ634a、634bを追加することが可能である。しかし、図7に示される通り、インフレータ610はエアバッグクッションを膨張させる際に使用するための膨張ガスの生成を開始するために使用される1対のイニシエータ640a、640bを有する。
上述の通り、インフレータアセンブリ610の組み立て中、アダプタソケット704はレセプタクル646内に配置される。本発明のこの実施態様においては、アダプタソケット704は、イニシエータの部分640a、640bを受けるのに適する第一及び第二のソケット部660a、660bを有する。ソケット704はレセプタクル646内に遊び嵌め又はプレス嵌めされるサイズを持つか、接着剤、ファスナ又はその他の同様の手段によってレセプタクル646内に保持されるか、イニシエータ640a、640bとソケット704との間に形成される溶接部694a、694bによってレセプタクル646内に保持される。遊び嵌めは、一般にレセプタクル646の内部スペースより僅かだけ小さいサイズを持つソケット704を用意し、ソケット704がレセプタクル646内に嵌められる。その代わりに、ソケット704をレセプタクル646の中へ挿入するためにある程度の力が使用されるのに十分な同程度のサイズをソケット704とレセプタクル646が持ち、場合によってレセプタクル646がソケット704を受け入れてこれを保持するために少なくとも僅かに変形しなければならないという、プレス嵌めを使用することができる。
レセプタクル646内に少なくともある程度ぴったり嵌るこの種のソケット704を使用することによって、車両に設置されたときにその通常の日常の使用の一部として生じる振動又は衝撃によって生じるアセンブリ610及びインフレータ610の構成中に作られる溶接部694a、694bに対する損傷の可能性を減少することができる。
インフレータ610は、このように、1対の起動アセンブリ634a、634bを有する。前の実施態様において説明した通り、イニシエータ640a、640bは、チェンバ641a、641bを取り囲むカバー644a、644bを有する全体的に中空体の構造である。イニシエータ640a、640bは、さらにジョイントシール702a、702bと接触するように構成されている境界面643a、643bを有するショルダ656a、656bを持つボディ642a、642bを有する。上に説明した発明の実施態様の場合と同様、ジョイントシール702a、702bは、レセプタクル646の穴647a、647bを取り囲むのに適する全体的にエラストマー構造である。これによって、イニシエータ境界面スカート700a、700b及びプロング674a、674bはイニシエータ640a、640bから穴647a、647bを通じて下向きに第一及び第二のソケット部660a、660bの中まで延びることができる。
図5、6及び7のジョイントシール702a、702bは平らなリングとして示されている。当業者であれば、Oリング又はその他の適切なシールを利用するために図に示される設計を適応させることができるだろう。図6に示される実施態様の場合と同様、密封を生じるのに適する材料の単一のフラットシートを図7のシール702a、702bの代わりに配備することができる。この種のシートは、穴647a、647bに対応し従って同様に機能するように配置される穴を有する。
図7の第一及び第二のソケット部660a、660bは図5において開示されるものと同様であり、インフレータコネクタ(図には示されていない)を受けるのに適する共有スリーブ部667を有する全体的に管状構造である。ソケット704はさらにヘッド部663を有する。スリーブ667はインフレータコネクタ用のソケットチェンバ661a、661bを取り囲む。スリーブ部667は、また、チェンバ661a、661b内にインフレータコネクタを固定するのに役立てるため又は相容れないコネクタの使用の防止するためにアダプタリッジ665a、665bを有することもできる。コネクタを保持するために使用できるようにするため又は適切なコネクタをコード指定するために可変的な形状、深さ、形状などの使用を可能にするためにリッジ665a、665bの形状、深さ及び形態を広範に変動させることができる。
インフレータの610の組み立て中、イニシエータ640a、640bは部分的にレセプタクル646の穴647a、647bに通される。境界面スカート700a、700b及びプロング674a、674bは穴647a、647bを通って延び、ジョイントシール702a、702bを通じて配置される。インフレータ610のチェンバ621の内部かレセプタクル646内のチェンバ621の外部にジョイントシール702a、702bを配置することができる。いずれの形態においても、ジョイントシール702a、702bはイニシエータ640a、640bかソケット660a、660bとレセプタクル646との間にぴったりと保持される。各ソケット660a、660bは、イニシエータ境界面700a、700bを持つ溶接スリーブ698a、698bなどアダプタソケット660a、660bの上面がイニシエータ640a、640bの接触又は溶接リッジ696a、696bなどイニシエータ640a、640bの表面と接触するように、上向きにレセプタクル646の中へ通される。
その後、これらの接触面は、イニシエータ640a、640bをソケット704にぴったりと保持する溶接部694a、694bを作るために超音波溶接など溶接法を用いて溶接される。これによって、シール702a、702bはレセプタクル646にぴったりと捕捉されて、本発明の一部の形態においては気密性密封を生じる。
図8は、本発明の代替実施態様によるさらに別の膨張アセンブリの側面断面図を示している。この膨張アセンブリ710において、起動アセンブリ734はレセプタクル746内部において所定の場所に溶接される。図8に示される膨張アセンブリ710は単一の起動アセンブリ734しか含まないが、当業者であれば、複数の起動アセンブリが単一の膨張アセンブリ510、610に組み込まれる図6及び7に示される膨張アセンブリ510、610と同様のものになるようにこれを適応させることができるだろう。図6及び7のインフレータ510及び610はこの種の起動アセンブリ534a、534b、634a、634bを2つしか含まないが、もっと多くのアセンブリを含むように容易に適応させることができる。
図8の膨張アセンブリ710は、レセプタクル746が膨張アセンブリ710のハウジング720の中に設置される別個のコンポーネントである点で、本出願において前に教示されたものと異なる。レセプタクル746はインフレータハウジング720の起動端724にある穴747の中に配置される。膨張アセンブリ710の一部の実施態様において、図8の穴747はレセプタクル746全体を収納しなければならないのに対して、他の実施態様において穴はレセプタクルに作られることが多く、イニシエータの一部を収納する必要しかないので、穴747はこれまでに説明した実施態様において用意されるものより大きい可能性がある。従って、図8の膨張アセンブリ710において、穴747はレセプタクル747を収納するサイズである。
プレス嵌めが得られるようにレセプタクル746と穴747のサイズを定めること又は当業者に既知の多様な機械的技法を用いてレセプタクル746が所定の場所に嵌る又は定まるようにレセプタクル746を構成することを含めて多様な技法によって、レセプタクル746を穴747内の所定の場所に保持することができる。さらに別の実施態様において、伝統的な技法又は本出願において教示される超音波溶接などその他の溶接法を用いてレセプタクル746を所定の場所に溶接することができる。
レセプタクル746は起動アセンブリ734用のアダプタとして役立ち、インフレータ710内の所定の場所に起動アセンブリを保持するよう作用する。起動アセンブリ734は、車内にあるエアバッグモジュールを作用するために使用されるエレクトロニクスにエアバッグモジュールを連結するために車両からインフレータコネクタ(図には示されていない)を受けてこれを保持するために使用されるソケット804を有する。レセプタクル746は、インフレータハウジング720の起動端724の穴747より小さいサイズの穴749を有する。起動アセンブリ734が設置される前、この穴749はインフレータ710のチェンバ721を外部に向けて開放する。
上述のレセプタクル746を上述の通りハウジング720の起動端724に取り付けて、レセプタクル746を通じてイニシエータ740をソケット804に結合することによって、図8の膨張アセンブリ710を組み立てることができる。一部の実施態様において、レセプタクル746を膨張アセンブリハウジング720に取り付ける前に、イニシエータ740をソケット804に取り付けることが望ましいかも知れない。その代わりに、まずレセプタクル746を膨張アセンブリハウジング720に取り付けて、その後イニシエータ740をソケット804に取り付けることができる。
本発明の方法によれば、膨張アセンブリ710の組み立て中、アダプタソケット804はレセプタクル746内に配置される。本発明の起動アセンブリのこの実施態様において、アダプタソケット804はレセプタクル746の外向き部分内に嵌るサイズである。場合によって、アダプタソケット804がレセプタクル746内に遊び嵌め又はプレス嵌めするようなサイズであることが望ましい。他の場合には、ソケット804は接着剤、ファスナ又はその他の同様の手段によってレセプタクル746内に保持される。しかし、一部の実施態様において、ソケット804をレセプタクル746内に単純に配置して、イニシエータ740とソケット804との間に形成される溶接部794だけでイニシエータ740に取り付けることによってソケットを所定の場所に保持することができる。
遊び嵌めの場合、一般にソケット804はレセプタクル746の内部空間より僅かだけ小さいサイズを持ち、ソケット804はレセプタクル746内に嵌るサイズである。その代わりに、ソケット804をレセプタクル746の中へ挿入するためにある程度の力を必要とするようにソケット804とレセプタクル746が同程度のサイズであり、おそらくソケット804を受け入れてこれを保持するためにレセプタクル746が少なくとも僅かに変形しなければならないプラス嵌めを使用することができる。
レセプタクル746内部に少なくとも多少ぴったりと嵌るソケット704を使用することによって、アセンブリ710及び溶接部794に対する損傷の可能性を減らすことができる。この種の損傷は、車両に設置されたときイニシエータの通常の日常の使用の一部として生じる振動又は衝撃の結果として生じる可能性がある。
インフレータ710は、このように、イニシエータ740を有する起動アセンブリ734を有する。以前の実施態様において説明したとおり、イニシエータ740は、膨張アセンブリを起動するために使用される材料を収容するのに適するチェンバ741を取り囲むカバー744を有する全体的に中空体である。イニシエータ740は、さらに下部ショルダ及び上部ショルダ756a、756bを有するボディ742を有する。ショルダ756a、756bはレセプタクル746の壁と接して、ここでは2つのショルダ756a、756bの間に形成されるチャネルとして示されるシール溝743を包む。本発明によれば、チャネル743は、インフレータ装置710の内部チェンバ721を外部環境から密封するために使用されるOリングの形を持つものとして図8において示されるジョイントシール802を収納するために使用される。上述の本発明の実施態様の場合と同様、ジョイントシール802は、一般的に言ってレセプタクル746とイニシエータ740との間のスペースを埋めることによってレセプタクル746とイニシエータ740との間にシールを形成するのに適するエラストマー構造である。これによってインフレータ装置710からガスが漏れるのを防止する。
ショルダ756aはイニシエータ境界面800も有する。イニシエータ740がレセプタクル746の中へ挿入されてソケット804に超音波溶接されると、イニシエータ740のイニシエータ境界面800はソケット804の接触又は溶接境界面との間に溶接部794を形成する。上で簡単に論じたとおり、ソケット804をアセンブリ734に取り付けるためにこの溶接部794を使用することができる。
本発明の代替実施態様において、イニシエータ740とソケット804との間の接合部を確実に密封するために追加のジョイントシールを使用することができる。イニシエータ740とレセプタクル746との間のどのポイントにも上記のジョイントシール(図には示されていない)を配置することができる。ソケット804とレセプタクル746との間にこの種のシールを配置することもできる。当業者であれば、平らなリング、Oリング、ガスケット又はその他の適切なシールを利用するために図に示される設計を適応させることができるだろう。
図8に示されるソケット804はこれ以前の図に開示されるソケットと同様のものであり、インフレータコネクタ774を受けるのに適するスリーブ部767を有する実質的に管状の構造である。ソケット804はさらにヘッド部763を有する。スリーブ部767は車両から膨張装置710へ延びるインフレータコネクタ(図には示されていない)を受けるのに適するソケットチェンバ761を取り囲む。図8に示される通り、スリーブ部767は、チェンバ661内にインフレータコネクタを固定するのに役立てるため及び相容れないコネクタの使用を防止するために、アダプタリッジ765を有することもできる。コネクタをしっかりと保持するため又は適切なコネクタをコード指定して不適切なコネクタの使用を防止するために使用できる可変的特徴として形状、深さ及び形態などの特性を使用できるようにするために、リッジ765の形状、深さ及び形態を広範に変動させることができる。
インフレータ装置710の組み立て中、イニシエータ740は部分的にレセプタクル746の穴749に通される。イニシエータ740の境界面800及びプロング774は穴747を通って延び、ジョイントシール802を通り抜ける。上述の通りまた当業者には既知の通り、インフレータ710のチェンバ721の内部かレセプタクル746内のチェンバ721の外部にジョイントシール802を配置することができる。いずれの形態においても、ジョイントシール802はイニシエータ740かソケット804とレセプタクル746との間にぴったりと保持される。各ソケット804は、境界面798などアダプタソケット804の上面が接触又は溶接リッジ796などイニシエータ740の表面と接触するように、上向きにレセプタクル746の中へ通される。その後、イニシエータ740とソケット804を一緒に保持して起動アセンブリ734を膨張アセンブリ710に連結するために、イニシエータ740とソケット804との間に超音波溶接部を作るために本出願において教示される技法を用いることができる。これによってジョイントシール802は所定の場所にぴったりと引き付けられて、膨張装置710の内部チェンバ721と外部との間の気密性密封を生じる。
本発明によって提供される起動アセンブリはエアバッグへの応用に限定されない。爆発物、発火信号、視覚効果などの多様な火工装置に本発明のシステム及び方法を使用することができる。技術上入手可能な知識を使用することによってこの種の用途に上述の各種実施態様を適応させることができる。
本発明を使用することによって、部品の数及び/又は労働集約的な製造ステップの数が減少するので、より単純にかつより安価にインフレータを製造することができる。さらに、エアバッグシステムの信頼性及び無欠性に悪影響を及ぼすことなく本発明によるエアバッグモジュールの電気接続を簡単に迅速に組み立てることができる。
本出願に広義に説明されかつ特許請求の範囲において請求される構造、方法又はその他の基本的特徴から逸脱することなく他の特定の形態で本発明を実施することができる。説明される実施態様はあらゆる点で限定的なものではなく単なる例として見なされるものとする。従って、本発明の範囲は、以上の説明によってではなく特許請求の範囲によって指定される。特許請求の範囲の意味するところ及び等価性の範囲内にある全ての変形が特許請求の範囲に含まれるものとする。