本発明は、特にシュガーレス又は無糖チューインガムに関する。無糖又はシュガーレスチューインガムに関する特有の問題は、ガムベースの含量が従来の甘味チューインガムの含量と異なるため、チューインガムの製造に関して、特にチューインガムの個々の小片を調製及び製造するプロセスに関して、よりいくらか困難なプロセスを導入することである。
この問題は特に、例えば、後のコーティングが望まれる場合、要するに、このようなコーティングが従来の中心部充填チューインガムにおいてなされなかった場合の、いわゆる中心部充填又は液体充填された無糖又はシュガーレスチューインガムを取扱う際に、解決が難しい。これは、コーティング前又はコーティング時の両方で、充填物又は液体の問題となる漏出が起こるおそれがあるということによるものである。
さらに、特有の問題は、封入特性を改良するためにコーティングが望まれるが、コーティングプロセスは本質的に封入を弱化させるか又は破壊させるきらいがあることである。
本発明の目的は、テクスチャー及び封入の両方に関する有益な特性を有する無糖又はシュガーレスチューインガムを提供することである。
さらなる問題は、コーティングされていないチューインガム小片を加工する工程、及びこの小片をコーティングする工程の両方が損失を増大させるため、中心部充填チューインガムを製造するプロセス全体が比較的大きい損失率をもたらすことである。
本発明のさらなる目的は、特にチューインガム小片を切断及び形成する前のプロセス工程において、冷却させないこと、又は冷却を少なくとも最低限にすることである。これは、冷却することにより、封入を形成するチューインガム物質の脆性が増大する傾向にあるためである。
[概要]
本発明は、シュガーレスチューインガム物質によって取り囲まれている少なくとも1つの内部充填物を含むチューインガム小片に関し、当該チューインガム小片は、粘着防止剤を備え、且つ当該チューインガム小片及び当該粘着防止剤を少なくとも部分的に封入するコーティングを備える。
本発明の一実施の形態によれば、一般的に水系のコーティングは内部充填物の封入を弱化又は破壊するきらいがあるため、粘着防止剤により、チューインガム小片の有益なコーティングが助長される。このことは、封入特性が、個々のチューインガム小片の製造時のエンドレスチューインガムのロープの押出後に付与されることを考えれば、特に重要である。
本発明の一実施の形態によれば、粘着防止剤は、本発明によるチューインガム小片を製造するプロセス中に提供され得ることに留意すべきである。このプロセスは、チューインガム小片が形成される充填チューインガムのロープの押出を伴う。粘着防止剤は通常、チューインガムのロープに付与され得る。したがって、このロープから形成されるチューインガム小片は、粘着防止剤を覆う外側コーティングによってコーティングされるまで、粘着防止剤で覆われ得る。
本発明の一実施の形態において、上記チューインガム小片は、少なくとも1つの実質的に平らな部分を含む。
本発明によれば、チューインガム小片が、平らな(平坦化)部分を含む場合、有益な実施の形態を得ることができる。詳細には、製造プロセスの選別及び梱包の段階中に利点が発生する。これらの段階において、小片が少なくとも1つの平らな部分を備える場合には、多くの小片の同時取扱いがより簡便になることが本発明から見出された。タブレットの平らな部分が存在することにより、個々のタブレットが相互に配向し、これにより、コーティング前の製造されたチューインガム小片の評価及び選別が容易となり、これにより、不必要なコーティング、又は無用のチューインガム小片又は漏出するチューインガム小片のコーティングプロセスに関する問題さえも回避することができる。
この配向は、確立され得る、例えば、或る特定のトラック内に、又は専用フィーダーを用いて小片を機械的に供給してもよい。
チューインガムタブレットの平らな部分(複数可)は、ピストンによる圧力を用いて平坦化された2つの対向する実質的に対称な側面として導入されてもよい。代替的に又は付加的に、チューインガムタブレットの平らな部分は、チューインガム物質の外観において、したがって、タブレットの周縁において平らなベルトから成っていてもよい。
本発明の一実施の形態において、上記チューインガム小片は、少なくとも2つの実質的に平行且つ実質的に平らな部分を含む。
本発明の一実施の形態において、上記チューインガム小片は、当該チューインガム小片の総表面積の少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、最も好ましくは少なくとも20%を構成する平らな領域を有する。
本発明の一実施の形態において、上記チューインガム物質は、ポリマー部分と、風味料、甘味料、軟化剤、充填剤、着色剤、蝋、脂肪、界面活性剤、酸化防止剤、活性成分、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される少なくとも2種類の成分とを含む。
本発明の一実施の形態において、上記ポリマー部分が、少なくとも1種類のポリマーを含む。
本発明の好ましい実施の形態において、ポリマー部分は、1、2、3又は4種類のポリマーを含むが、ポリマーの種類が多ければ多いほど稀になる。しかしながら、本発明の一実施の形態において、ポリマーの種類が多いほど、チューインガムタブレット中のチューインガム物質のテクスチャーを調節するのに応用することができる。
本発明の一実施の形態において、上記チューインガム物質は、上記ポリマー部分が大部分を構成するガムベースを含む。
通常、ガムベースは、実質的に水不溶性である成分を単に含んでいるに過ぎない。それゆえ、ガムベースは、チューインガム物質の水不溶性部分を構成する。
本発明の一実施の形態において、上記ガムベースは、チューインガム物質の20〜80重量%、好ましくは30〜60重量%を構成する。
本発明の一実施の形態において、上記ガムベースは、ガムベースの2〜100重量%、好ましくは2〜50重量%、最も好ましくは2〜15重量%の量でバブルガムベースを含む。
本発明の一実施の形態において、上記ガムベースは、高分子量(Mw)である約20000〜70000g/mol、好ましくは約35000〜65000g/mol、最も好ましくは約40000〜60000g/molのポリ酢酸ビニルを、チューインガム物質の0.1重量%〜20重量%の範囲、好ましくは0.2重量%〜5重量%の範囲の量で含む。
本発明の一実施の形態によれば、高分子量であるポリ酢酸ビニル(PVA)のほんのわずかなパーセンテージの存在が、チューインガム物質の伸長性に多大な影響を与える。したがって、PVAは、押出に適し、且つ少なくとも部分的に液体である内部充填物を取り囲むのに適するチューインガムのテクスチャーを得るために、本発明により適用され得る。
本発明の一実施の形態において、上記ガムベースは、ガムベースの0.001重量%〜5重量%、好ましくは0.002重量%〜2重量%の量で脂肪を含む。
本発明の一実施の形態において、上記ガムベースは、約300000〜400000g/molの分子量の高分子量エラストマーを、チューインガム物質の多くとも3重量%、好ましくは多くとも2重量%の量で含む。
ガムベース及びチューインガム物質の両方とも、高分子量エラストマーの適用量の調節に非常に影響を受けやすい。例えばガムベースの5〜7重量%の増大のような高分子量エラストマーのパーセンテージのほんのわずかな増大を受けて、チューインガムのテクスチャーは、比較的軟らかいテクスチャーから比較的硬いテクスチャーへとかなり急激に変化することがある。
本発明の一実施の形態において、上記チューインガム物質は、上記内部充填物を実質的に全方向から取り囲む壁を形成する。
本発明の一実施の形態において、上記壁は、約0.5〜10mm、好ましくは約1〜5mm、最も好ましくは1.5〜3mmの範囲の平均厚さを有する。
本発明の一実施の形態において、上記チューインガム物質は、少なくとも1種類の活性成分を含む。
一般的に、任意の望ましい活性成分がチューインガム物質中に含まれ得る。薬学的、美容的又は生物学的に活性な物質とも称される活性成分の例の列挙は、本発明の詳細な説明において示される。
本発明による1つの充填チューインガム小片中に2種類、3種類又はそれ以上の異なる活性成分を包含することが望まれ得る。
本発明の一実施の形態において、上記の少なくとも1種類の活性成分は、上記ガムベース中に含まれる。
本発明の一実施の形態によれば、例えば、これらの特定の活性成分のより遅い放出速度を得るために、いくつかの活性成分をチューインガム物質のガムベース部分に取り込むことが好まれ得る。
本発明の一実施の形態において、上記チューインガム物質は、少なくとも1種類の生分解性ポリマーを含む。
本発明の一実施の形態において、上記少なくとも1種類の生分解性ポリマーは、ポリエステルを含む。
本発明の一実施の形態において、上記ポリエステルは、1種類又は複数種類の環状エステルの開環重合から得られる。
本発明の一実施の形態において、上記ポリエステルは、少なくとも1種類のアルコール又はそれらの誘導体と、少なくとも1種類のカルボン酸又はそれらの誘導体との重合から得られる。
本発明の一実施の形態において、上記チューインガム物質は、少なくとも2種類の異なるポリエステルを含む。
少なくとも2種類の異なるポリエステルは、開環重合から得られた少なくとも1種類のポリエステル、アルコール及びカルボン酸、又はこれら成分の誘導体の重合によって得られた少なくとも1種類のポリエステルであってもよい。代替的には、少なくとも2種類の異なるポリエステルが、類似の重合反応によって得られたが異なる種類のモノマーに基づいたままであってもよい。
本発明の一実施の形態において、上記チューインガム小片は、0.5〜8g、好ましくは1〜5g、最も好ましくは1.5〜3gの範囲の重量を有する。
本発明の一実施の形態において、上記チューインガム小片は、ペレット、チャンク、棒、クッション、香錠、ボール、丸剤又は球状として成形される。
本発明の一実施の形態において、上記内部充填物は、上記チューインガム小片の2〜40重量%、好ましくは5〜20重量%、最も好ましくは8〜15重量%の範囲で構成される。
本発明の一実施の形態において、上記内部充填物は、せいぜい5℃の温度で少なくとも部分的に固体である。
これに対応して、充填物は、本発明の一実施の形態において、5℃を超える温度で、又は少なくとも15℃を超える温度で液体状態である。この利点は、消費者が、比較的低い周囲温度であっても液体充填物を含むチューインガムを楽しむことができることである。
本発明の一実施の形態において、上記内部充填物は、30℃までの温度において少なくとも部分的に固体である。
本発明の一実施の形態によれば、チューインガムが通常貯蔵される温度において、タブレットの充填物が少なくとも適度に固体状態である場合に、有益な製品を得ることができる。このため、誤って、チューインガム物質が或る種のホール又はひび割れを含む場合であっても、液体充填物材料の漏出を防ぐことができる。さらに、本発明のいくつかの実施の形態によっては、充填物は最初のうち適度に固体であり、その後、数秒又は数分のような少しの間口内に維持された際に溶融すれば、消費者は、液体充填物材料の漏出の防止を認識することができる。
一般的に、粘着防止剤の付与は、液体充填物を含むチューインガムのロープを取扱う際に重大な利点となる。この利点は、製造プロセス中に誤って漏出する液体充填物材料が、粘着性を急激に増大させるおそれがあるということに依拠する。この問題は、本発明による粘着防止剤の付与によってかなり低減されることが見出された。
本発明の一実施の形態において、上記内部充填物は、シロップ、ペースト、粉末、及びそれらの混合物から成る群から選択される成分を含む。
本発明の一実施の形態において、上記内部充填物は、40℃で測定した場合に0.6〜200000、好ましくは100〜100000mPa・sの範囲の粘度を有する。
本発明の一実施の形態において、上記内部充填物は、少なくとも1種類の甘味料と、少なくとも1種類の風味料とを含む。
チューインガム成分として本発明の詳細な説明において言及される全ての甘味料及び風味料が、事実上充填物材料にも適用され得ることに留意すべきである。
本発明の一実施の形態において、上記内部充填物は、マンニトール、キシリトール、水添デンプン加水分解物、マルチトール、イソマルトール、エリスリトール、ラクチトール、グリセロール、スクロース、デキストロース、マルトース、デキストリン、トレハロース、D−タガトース、転化糖、フルクトース、レブロース、ガラクトース、コーンシロップ、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムの塩、アリテーム、ネオテーム、トゥインスイート、サッカリン及びその塩、シクラミン酸及びその塩、イソマルト、ジヒドロカルコン、グリチルリチン、ジヒドロカルコン、タウマチン、モネリン、タリン、ステビオシド、及びそれらの混合物から成る群から選択される少なくとも1種類の甘味料を含む。
一般的に、充填物は、本発明の一実施の形態により、或る種のシロップ及び風味料を含む数種類の成分の混合物から成る材料として記載され得る。
本発明の一実施の形態において、上記内部充填物は、精油、果実風味料、ペパーミント、スペアミント、冬緑樹、シナモン、レモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツ、グレープ、イチゴ、パイナップル、サクランボ、リンゴ、及びそれらの混合物から成る群から選択される少なくとも1種類の風味料を含む。
本発明の一実施の形態において、上記内部充填物は、活性成分を含む。
一般的に、任意の所望の活性成分は、充填物中に含まれ得る。薬学的、美容的又は生物学的に活性な物質とも称される活性成分の例の列挙は、本発明の詳細な説明において示される。
本発明の一実施の形態において、上記内部充填物は、上記チューインガム小片の少なくともおよそ中心に位置する。
本発明によるチューインガムタブレットが、製造方法のために、又はチューインガムタブレットの形状のために、チューインガムタブレットの実際の中心からずれた充填物を含み得ることは、本発明の範囲内である。
本発明の一実施の形態において、上記内部充填物は、上記チューインガム小片中の少なくとも2つの部分に分離されたコンパートメントに位置する。
これらのコンパートメントは、上記で例示された充填物材料で充填され、且つチューインガム物質によって分離される部分又は空間として本明細書中で定義される。チューインガム物質はそれゆえ、本発明の一実施の形態によるチューインガムタブレット中の充填コンパートメント間の一種の壁材料として機能する。
本発明のいくつかの実施の形態によっては、チューインガムタブレット中に複数、例えば3、4、6、7つの充填コンパートメントを包含することが好まれ得る。これにより、このチューインガムタブレットを咀嚼する際に、良好で且つ際立った味及びテクスチャー感覚を体験することができる。
チューインガムタブレット中の2つ又は3つの充填コンパートメントのような別個の充填コンパートメントを得る方法は、例えば、共押出又は三重押出を伴い得る。
本発明の一実施の形態において、上記粘着防止剤は、上記チューインガム小片の外側で且つ上記コーティングの内側に配置される。
粘着防止剤は、本発明の充填チューインガムタブレットの製造手順中に機械にくっつくのを防止するのに役立つ。粘着防止剤のさらなる効果は、チューインガムタブレットの相互の粘着を妨げ得ることである。
本発明により適用されるシュガーレス又は無糖チューインガム物質は、従来の糖含有チューインガムと比べて相対的に著しい粘着性を有する。また、粘着防止剤のおかげで、上記の利点を得ることができる。要するに、シュガーレスチューインガムを用いて製造を行う場合に、糖含有チューインガムよりも粘着防止剤がさらに重要となることを見出した。
さらに、本発明のチューインガムタブレットに少なくとも部分的に液体充填物を実際に充填することを考慮すれば、本発明のチューインガムタブレットを比較的小さいサイズで製造する場合に、粘着防止剤は重要な機能を有することになる。本発明の充填チューインガムタブレットのサイズが小さくなると、漏出がより頻繁に起こる可能性があるため、粘着防止剤は、機械へのチューインガム物質の粘着を防止し得る手段としての重要な機能を得ることになる。
粘着防止剤を付与する重要な利点は、比較的高い製造温度を維持しながら、粘着による問題を解決することができることである。粘着防止剤を用いない場合、チューインガムの粘着性を防止する手段は温度の降下が考えられるが、これは、チューインガム物質における漏出の問題及び十分な伸張性を得るという問題を含む他の問題を頻繁に引き起こしてしまう。このため、粘着防止剤は、これらの問題を防止する間接的な手段である。
粘着防止剤の位置は、タブレット表面と、タブレット上に塗工されるコーティング材料の層との間であると説明することができる。つまり、タブレット表面に最初に粘着防止剤を付与し、その後コーティングを塗工した。コーティングは、とりわけ、粘着防止剤を覆うことにより、消費者が新たなチューインガム小片、すなわち、本発明の充填チューインガム小片を食べる際に心地よい最初の食感(sensation)をもたらすように機能している。
本発明の一実施の形態において、上記粘着防止剤は、水酸化カルシウム、タルク、D−マンニトール、二酸化ケイ素、スクロースエステル、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、及び他の金属ステアリン酸塩、ポリオキシエチレンモノステアレート、ケイ酸塩、ポリエチレングリコール、二酸化ケイ酸塩、ヒュームドシリカ、ステアリン酸、炭酸カルシウム、及びそれらの混合物から成る群から選択される。
何種類かの金属ステアリン酸塩、例えばステアリン酸マグネシウムのようないくつかの化合物は、粘着防止剤として有用であり得るが、タルク等の他の代替物と比べて比較的高価であることから好ましくないこともある。
例えば植物油及び動物脂肪等の油性又は脂肪質の潤滑剤は、本発明による粘着防止剤として好適ではないことにも留意すべきである。この考えは、このような潤滑剤が、チューインガム物質の少なくとも難溶解効果(slightly dissolving effect)を有し、これにより、チューインガム小片の表面をコーティングに適さないものとする可能性があることが見出されたことに基づく。
本発明の一実施の形態において、上記コーティングは、ハードコーティング、ソフトコーティング及び皮膜コーティングから成る群から選択される。
本発明の一実施の形態において、上記コーティングは、コーティングされたチューインガム小片完成品の約1〜約85重量%を構成する。
好適なコーティングの種類としては、チューインガム、医薬品及び菓子類のコーティングにおいて今日使用されているものを含む任意の組成物のハードコーティング、皮膜コーティング及びソフトコーティングが挙げられる。活性成分はチューインガム小片のコーティング中に組み込んでもよい。
本発明の一実施の形態において、上記コーティングは、1〜100回のコーティングサイクルで連続塗工される懸濁液の層から形成される。
コーティングは連続プロセスとして実施されてもよい、すなわち、事実上1回のコーティングサイクルのみであってもよい。代替的には、コーティングは、バッチ式で実施されてもよく、チューインガム小片の各バッチは、コーティング溶液を塗工する反復サイクルを受ける。
本発明の一実施の形態において、上記コーティングは、ポリオール、高度甘味料、風味料、及び活性成分から成る群から選択される成分を含む。
本発明によれば、これらの成分のそれぞれは、チューインガムのための成分として以下の詳細な説明において挙げられるものから選択され得る。
本発明の一実施の形態において、上記コーティングは、シュガーレス又は無糖である。
本発明の一実施の形態において、上記コーティングは、ソルビトール、マルチトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチトール、イソマルト、及びそれらの混合物から成る群から選択される少なくとも1種類のポリオール成分を含むハードコーティングである。
本発明の一実施の形態において、上記コーティングは、蝋、セルロース誘導体、化工デンプン、デキストリン、ゼラチン、セラック、アラビアガム、ゼイン、植物ガム、合成ポリマー、及びそれらの混合物から成る群から選択される少なくとも1種類の成分を含む皮膜コーティングである。
本発明の一実施の形態において、チューインガム小片は、実質的に冷却されていないチューインガム材料に基づき形成される。
本発明の好ましい実施の形態によれば、冷却されていないという用語は好ましくは、チューインガム小片の形成及び切断前に、能動的な冷却を行わないか又はこれを最小限に抑えることを示している。
本発明による菓子製品は、ハードコーティング、皮膜コーティング、ソフトコーティング等の当該技術分野内のほとんど全てのコーティング法に好適である。
本発明のさらなる有益な実施の形態において、複数層のコーティングを適用してもよく、これらの層は、異なる種類の層物質を含んでいても、又は異なる種類の層物質から成っていてもよい。
本発明の有益な実施の形態において、チョコレートをコーティングとして適用してもよく、ポリマー系である製品モジュール又は中心充填物は、従来のチューインガム調合物を一般的に溶解する傾向にあるこのようなかなり攻撃的な可塑化成分に対して頑強であることが分かった。
本発明による好ましい1つの外側コーティングの種類はハードコーティングであり、この用語は、糖コーティング及び無糖(又はシュガーレス)コーティング、並びにそれらの組み合わせを含む用語として従来の意味で用いられる。ハードコーティングの目的は、消費者によって認識される甘くバリバリとした層を得ること、及び様々な理由から菓子製品の中心部を保護することである。保護糖コーティングを有するチューインガム小片を提供する一般的なプロセスにおいて、チューインガム小片は、好適なコーティング設備において、スクロース又はデキストロース等の結晶化可能な糖の水溶液で連続的に処理される。この水溶液は、達成されるコーティング段階に応じて、他の機能成分、例えば充填剤、着色剤等を含有していてもよい。本発明の内容において、糖コーティングは、風味化合物、薬学的に活性な化合物及び/又はポリマー分解物質を含むさらなる機能化合物又は活性化合物を含有していてもよい。
しかしながら、本発明による菓子製品の製造において、コーティング中の齲蝕誘発性糖化合物を、齲蝕誘発作用を有しない他のもの、好ましくは結晶化可能な甘味化合物により置き換えることが極めて好ましい。当該技術分野では、このようなコーティングは一般的に、シュガーレス又は無糖コーティングと称される。本発明による好ましい非齲蝕誘発性ハードコーティング物質としては、それぞれD−グルコース、マルトース、フルクトース又はレブロース、キシロース、エリトロース、ラクトース、イソマルツロース及びD−ガラクトースの水素付加により工業的方法で得られるポリオール、例えばソルビトール、マルチトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチトール、イソマルト及びタガトースが挙げられる。
以下で詳細に説明されるような一般的なハードコーティングプロセスでは、結晶化可能な糖及び/又はポリオールを含有するシロップを菓子製品の中心部に塗工し、シロップに含まれる水を、温かい乾燥空気を吹き付けることによって蒸発させる。このサイクルは、要求される膨潤を達成するために、数回、一般的には10〜80回繰り返さなければならない。「膨潤」という用語は、開始時と比較してコーティング作業の終了時に考えられるような、且つコーティング製品の最終重量に関する、製品の重量の増大を指す。本発明によれば、コーティング層は、最終菓子製品の約1〜75重量%、例えば約10〜60重量%、例えば約15〜50重量%を構成する。
さらなる有用な実施の形態では、本発明の菓子製品要素の外側コーティングは、皮膜コーティングプロセスに付され、このため、1種類又は複数種類の皮膜形成高分子作用物質及び任意に1種類又は複数種類の補助化合物、例えば可塑剤、顔料及び不透明剤を含む要素である。皮膜コーティングは、上記形態のいずれかの菓子製品の中心部に塗工される薄いポリマーベースのコーティングである。このようなコーティングの厚さは、通常20〜100μmである。一般に皮膜コーティングは、菓子製品の中心部を、好適な水性又は有機溶媒ビヒクルに溶解させたコーティング材料の噴霧小滴を含む噴霧ゾーンに通過させ、その後、菓子製品の中心部に付着している材料を、次のコーティング部が与えられる前に乾燥することにより得られる。このサイクルはコーティングが完了するまで繰り返される。
本明細書の内容において、好適な皮膜コーティングポリマーとしては、食用セルロース誘導体、例えばセルロースエーテル(例えばメチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC))が挙げられる。他の有用な皮膜コーティング剤は、アクリルポリマー及びコポリマー、例えばメチルアクリレートアミノエステルコポリマー、又はセルロース誘導体とアクリルポリマーとの混合物である。機能性ポリマーとも称される皮膜コーティングポリマーの特有の群は、その皮膜形成特性のほかに、菓子製品調合物の活性成分に関して放出性能を改質するポリマーである。このような放出改質ポリマーとしては、メチルアクリレートエステルコポリマー、エチルセルロース(EC)、及び酸性の胃環境に耐え、さらに十二指腸中で容易に溶解するよう設計された腸溶性ポリマーが挙げられる。腸溶性ポリマー群のポリマーとしては、セルロースアセテートフタレート(CAP)、ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)、セラック、メタクリル酸コポリマー、セルロースアセテートトリメリテート(CAT)及びHPMCが挙げられる。本発明による外側皮膜コーティングは上記の皮膜コーティングポリマーの任意の組み合わせを含み得ることが理解されるであろう。
本発明の菓子製品の任意選択的な外側コーティングのための皮膜形成ポリマー(複数可)及び可塑剤(複数可)の選択は、水分及び気体の皮膜を通る溶解(dissolution)及び拡散に関してコーティングの実現し得る最良のバリア特性を達成することを十分に考慮した上でなされる。
菓子製品要素の皮膜コーティングは、1種類又は複数種類の着色剤又は不透明剤も含有し得る。所望の色調を提供するのに加えて、このような着色剤又は不透明剤は、特に水分及び気体に対するバリアを形成することにより、菓子製品を咀嚼前反応から保護するのに寄与し得る。好適な着色剤/不透明剤としては、有機染料及びそれらのレーキ、無機着色剤、例えば酸化チタン、及び天然着色剤、例えばβ−カロテンが挙げられる。
さらに、皮膜コーティングは、1種類又は数種類の補助物質、例えば風味料及び蝋、又は糖類化合物、例えばポリデキストロース、デキストリン、例えばマルトデキストリン、ラクトース、化工デンプン、タンパク質、例えばゼラチン又はゼイン、植物性ガム及びそれらの任意の組み合わせを含有し得る。
菓子製品の外側コーティングが1種類又は複数種類の薬学的な又は美容用の成分、例えば本明細書中で前述されたものを含有し得るということも、本発明の一態様である。
したがって、さらなる実施の形態では、本発明の上記のハードコーティング又は皮膜コーティング菓子製品要素は、外側コーティングが、結合剤、水分吸収成分、皮膜形成剤、分散剤、非粘着成分、増量剤、風味料、着色剤、薬学的な又は美容用の活性成分、脂質成分、蝋成分、糖及び酸から選択される少なくとも1つの添加剤成分を含む要素である。菓子製品の咀嚼まで外側コーティング中のこれらの添加剤成分のいずれかの作用を遅らせることが望ましい場合、このような成分は、本発明によれば、任意の従来の封入剤、例えばタンパク質、例えばゼラチン及びダイズタンパク質、セルロース誘導体、例えば上記のもののいずれか、デンプン誘導体、食用合成ポリマー及び脂質物質を用いて封入することができ、脂質物質は適宜リポソーム封入の形態をとる。
他の実施の形態では、本発明による菓子製品要素に、ソフトコーティングとして当該技術分野で一般的に記載される形態の外側コーティングを付与する。このようなソフトコーティングは従来の方法を用いて塗工され、糖又は上記の非齲蝕誘発性糖のいずれか、シュガーレス甘味化合物、及びデンプン加水分解物の混合物から成ることが有益であり得る。
適用されるバリア層が、環境からの湿気をタブレット中に移行させることに対する完全な若しくは少なくとも部分的なバリアとしても作用するという事実から、製造プロセスの最終部分で適合するときまで、上記コーティングを後回しにしてもよいことに留意すべきである。
本発明は、チューインガム小片を製造する方法であって、
内部充填物を含むシュガーレス又は無糖チューインガム物質のロープを、押出機からタブレット形成機構へと連続押出する工程であって、当該タブレット形成機構が、上記ロープからチューインガム小片を連続的に形成及び切断する、連続押出する工程と、
上記押出後で、且つ上記形成及び切断と少なくとも同時に又はその前に、粘着防止剤を上記ロープに連続供給する工程と、
コーターを用いて、シュガーレス又は無糖コーティングを上記チューインガム小片に付与する工程と
を含む、チューインガム小片を製造する方法に関する。
本発明によれば、タブレット形成機構は、切断、型抜き、パンチング又はスタンピングのための手段を備え得る。
本発明は、添付の特許請求の範囲の請求項1〜44のいずれか1項に記載のチューインガム小片を製造する方法に関する。
本発明の一実施の形態において、上記方法は、上記押出後で、且つ上記形成及び切断前に、少なくとも1つのロープサイジング装置を用いて、上記チューインガム物質のロープをロープサイジングする工程をさらに含む。
本発明の一実施の形態において、ロープサイジング機構は、充填チューインガムのロープの直径を小さくするために、押出後に用いられる。
本発明の一実施の形態において、上記粘着防止剤は、上記方法の際に2ヶ所以上の位置で付与される。
本発明の一実施の形態において、上記粘着防止剤は、上記ロープサイジングの前又はそれと同時に付与される。
本発明の一実施の形態において、上記粘着防止剤は、上記押出機から出た進路上で付与される。
本発明の一実施の形態において、上記粘着防止剤は、チューインガム物質のロープの表面上に付与される。
本発明の一実施の形態において、上記粘着防止剤は、上記チューインガム物質のロープと接触する上記ロープサイジング装置又はタブレット形成機構の一部に付与される。
本発明の一実施の形態において、上記粘着防止剤は、噴霧、散粉又は塗布によって、コンディショニング機構により付与される。
本発明の一実施の形態において、上記押出、並びに上記形成及び切断が、実質的に冷却することなく実施される。
本発明の一実施の形態において、上記押出機、上記ロープサイジング装置及び上記タブレット形成機構は、少なくとも30℃、好ましくは少なくとも35℃、最も好ましくは40℃の温度で作動する。
作動温度は、本発明の一実施の形態において、120℃未満、好ましくは80℃未満であり得る。
本発明の一実施の形態において、上記チューインガム小片は、コーティング又は貯蔵前に高くとも30℃、好ましくは高くとも25℃に冷却される。
本発明の一実施の形態において、上記チューインガム物質のロープは、5〜50mmの範囲、好ましくは8〜25mmの範囲、最も好ましくは10〜20mmの範囲の直径を有する。
本発明の一実施の形態において、上記チューインガム物質は、上記内部充填物を囲む壁を形成する。
本発明の一実施の形態において、上記壁は、0.5〜10mm、好ましくは1〜5mm、最も好ましくは1.5〜3mmの範囲の厚さを有する。
本明細書において、壁の厚さとは、ロープサイジングされた充填チューインガム物質のロープの最終的な壁の厚さ、及び最終充填チューインガム小片の壁の厚さであることを意味している。
ここで、添付の図面を参照して本発明を説明する。
[詳細な説明]
本発明による充填チューインガムを取り扱う場合、多くの態様を考えることができる。ここで、以下に、本発明による充填チューインガム小片を製造する際の関連する成分及びプロセスの詳細な説明を示す。
本発明によるチューインガム小片は、内部充填物を封入するシュガーレス又は無糖チューインガム物質を含む。さらに、コーティングされていない充填チューインガム小片を製造するプロセス中に、粘着防止剤をチューインガム物質の外表面に付与する。その後、チューインガム小片に外側保護コーティングを付与する。また、この外側保護コーティングは、本発明による充填チューインガム小片を咀嚼する際に、快い味及び最初の食感を与えることができる。
一般的に、本発明によるチューインガム物質の組成は通常、水溶性バルク部分と、水不溶性の咀嚼可能なガムベース部分と、風味料とを含む。水溶性部分は、咀嚼期間に亘って、風味料部分と共に放散する。ガムベース部分は、咀嚼の間中、口内に保持される。チューインガムという用語は、一般的な意味のチューインタイプのガム及びバブルタイプのガムの両方を示す。
水不溶性ガムベース部分に加えて、本発明により適用されるチューインガム物質は通常、1種類又は複数種類の風味料と、水溶性バルク部分とを含む。チューインガム物質は、バルク甘味料、高度甘味料、風味料、軟化剤、乳化剤、着色剤、酸味料、充填剤、酸化防止剤、及び所望の特質を付与する他の成分を含み得る。
水不溶性ガムベース部分について初めに記載する。水不溶性ガムベース部分は、最終チューインガム物質の咀嚼部分を形成し、最終製品に咀嚼特性を付与する。ガムベースは通常、風味料及び甘味料の放出プロフィールを定義するため、ガム製品における重要な役割を担っている。
ガムの水不溶性部分は通常、エラストマー、ビニルポリマー、エラストマー可塑剤、蝋、軟化剤、充填剤、並びに着色剤及び酸化防止剤等の他の任意選択的な成分の任意の組み合わせを含有し得る。ガムベース部分は、チューインガム物質の約5〜95重量%を構成することができ、より一般的にはチューインガム物質の約10〜50重量%を構成する。
ガムベース調合物の組成は、調製される特定の製品、並びに最終製品の所望の咀嚼特性及び他の感覚特性に応じて実質的に変えることができる。しかし、上記ガムベース成分の一般的な範囲(重量%)は、5〜50重量%のエラストマー系化合物、5〜55重量%のエラストマー可塑剤、0〜40重量%の蝋、5〜35重量%の軟化剤、0〜50重量%の充填剤、並びに0〜5重量%の酸化防止剤及び着色剤等の種々雑多な成分である。
エラストマーは、ガムに弾性、凝集性を付与するが、これはこの成分の化学構造、並びに他の成分と共に混ぜ合わし得る方法によって変わる。本発明のガムベース及びガムに用いるのに適したエラストマーとしては、天然型又は合成型が挙げられ得る。
エラストマーは当該技術分野で既知の任意の水不溶性ポリマーであり、これらとしては、米国食品医薬品局連邦規則集第21編第172,615条"Masticatory Substances of Natural Vegetable Origin"及び"Masticatory Substances, Synthetic"に列挙されたチューインガム及びバブルガムのために利用されるガムポリマーが挙げられる。
有用な天然エラストマーとしては、天然ゴム、例えばスモークド又はリキッド・ラテックス及びグアユールゴム;天然ガム、例えばジェルトンゴム、レッシカスピ(lechi caspi)、ペリロ(perillo)、ソルバ(sorva)、マサランドバ・バラタ、マサランドバ・チョコレート、ニスペロ、ロシジンハ(rosidinha)、チクル、グッタペルカ、グッタカタイユ、ニガーグッタ、ツヌ(tunu)、チルテ、チクイブル、グッタハンカンが挙げられる。
有用な合成エラストマーとしては、高分子量エラストマー、例えばブタジエン−スチレンコポリマー、ポリイソブタジエン及びイソブチレン−イソプレンコポリマー;低分子量エラストマー、例えばポリブテン、ポリブタジエン及びポリイソブチレン;ビニル重合エラストマー、例えばポリ酢酸ビニル、ポリエチレン;ビニル共重合エラストマー、例えば酢酸ビニル/ラウリン酸ビニル、酢酸ビニル/ステアリン酸ビニル、エチレン/酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、又はそれらの混合物が挙げられる。一般的に、いくつかの好ましい低分子量エラストマーは、40000〜60000g/mol(Mw)の範囲の分子量を有する一方で、いくつかの好ましい高分子量エラストマーは、250000〜450000g/mol(Mw)の範囲に及ぶ。
ブタジエン−スチレン型エラストマー(いわゆるSBR)は、通常約20:80から60:40までのスチレン:ブタジエンモノマーのコポリマーである。これらのモノマーの比率は、ムーニー粘度により評価した場合のSBRの弾性に影響を及ぼす。スチレン:ブタジエン比が減少すると、ムーニー粘度は低減する。
SBRの構造は、通常、フェニルエチレン(スチレン)と共重合される直鎖1,3−ブタジエンから成り、これらのエラストマーの非線状分子性を提供する。SBRの平均分子量は、600000g/mol未満である。
イソブチレン−イソプレン型エラストマー(いわゆるブチルゴム)は、0.2〜4.0の範囲のモルパーセントレベルのイソプレンを有する。SBRと同様に、イソプレン:イソブチレン比が減少すると、ムーニー粘度により測定される弾性も低減する。
ブチルゴムの構造は、通常、分岐鎖2−メチルプロペン(イソブチレン)と共重合される分岐鎖2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)から成り、SBRと同様に、この型の構造は、事実上、非線状である。SBRの平均分子量は、150000g/mol〜1000000g/molの範囲である。
ポリイソブチレン(いわゆるPIB)型エラストマーは2−メチルプロペンのポリマーであり、また、SBR及びブチルと同様に、事実上、非線状である。低分子量エラストマーは、ガムベースに軟らかい咀嚼特性を付与し、さらに他のエラストマーと同様に弾性品質を付与する。平均分子量は約30000〜120000g/molの範囲であり、貫入度は約4ミリメートル〜20ミリメートルの範囲であり得る。貫入度が高いほど、PIBは軟らかくなる。SBR及びブチルと同様に、高分子量PIBエラストマーは、ガムに弾性を付与し、それらの平均分子量は、120000〜1000000g/molの範囲であり得る。
ポリブテンは、約5000g/mol〜約30000g/molの平均分子量範囲である。
ビニルポリマー及びコポリマー型エラストマーは、粘着抵抗性を付与し、ビニルポリマーを有するこれらのベースから成るガムの咀嚼特性を変え、最終ガムの感覚認知に有益な親水性を与える。
ビニルコポリマー型に関しては、ラウリン酸ビニル/酢酸ビニル(VL/VA)、ステアリン酸ビニル/酢酸ビニル(VS/VA)又はエチレン/酢酸ビニル(EVA)コポリマー中にそれぞれ存在するラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル又はエチレンの量は通常、コポリマーの約10〜約60重量%の範囲である。これらのポリマーの平均分子量は、約2000g/mol〜約100000g/molの範囲であり得る。
ポリビニルアルコール及びポリ酢酸ビニルのようなビニルポリマーは、約7000g/mol〜約65000g/molの平均分子量を有する。酢酸ビニル(PVA)のポリマーは、事実上、分岐鎖である。酢酸ビニルモノマーをラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル及びエチレン等と共重合させると、分岐度は増大する。分岐度が大きくなるほど、n−アルカン及びイソ−アルカン型の蝋と配合又は混ぜ合わした場合の適合性は大きくなる。本発明の充填チューインガム小片に関するガムベース及びチューインガム物質の所望の粘稠度は、ガムベースにおいて高分子量PVAと低分子量PVAとを組み合わせることによって得ることができる。この場合、低分子量PVAは7000〜17000g/mol(Mw)に及ぶのに対し、高分子量PVAは40000〜60000g/mol(Mw)に及ぶ。代替的には、20000〜35000g/molのような中分子量を有する1種類のPVAポリマーのみを、ガムベース中に適用してもよい。
例えば、当該産業において、ガムベースにおいて高分子量の合成エラストマーと、低分子量エラストマーとを組み合わせることは一般的である。合成エラストマーの好ましい組み合わせとしては、ポリイソブチレンとスチレン−ブタジエン、ポリイソブチレンとポリイソプレン、ポリイソブチレンとイソブチレン−イソプレンコポリマー(ブチルゴム)、及びポリイソブチレンとスチレン−ブタジエンコポリマーとイソブチレンイソプレンコポリマーとの組み合わせ、並びにポリ酢酸ビニル及び酢酸ビニル−ラウリン酸ビニルコポリマーのそれぞれと混合する上記の全ての個々の合成ポリマー、並びにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
エラストマー可塑剤はガムベースの硬度を変える。軟化点の変化に伴うエラストマー分子間の鎖の破壊(可塑化)におけるこれらの特異性は、ベースに使用される際の最終的なガムの硬度及び適合性を変える。これは、より多くのエラストマー鎖を蝋のアルカン鎖に曝したいときに重要となることがある。
PVAのようなビニルポリマーは、エラストマー可塑化作用を少なくともいくらか伴うことができ、本発明において使用されるのに好適なさらなるエラストマー可塑剤としては、多くの場合エステルガムと称される天然ロジンエステルが挙げられる。当該技術分野において既知のこのようなエラストマー可塑剤は、ロジン及び変性ロジン(例えば、水添ロジン、二量化ロジン及び重合ロジン)のメチルエステル、グリセロールエステル及びペンタエリスリトールエステルである。例えば、ウッドロジン及びガムロジンのグリセロールエステル、部分水添ウッドロジン及びガムロジンのグリセロールエステル、重合ウッドロジン及びガムロジンのグリセロールエステル、部分二量化ウッドロジン及びガムロジンのグリセロールエステル、トール油ロジンのグリセロールエステル、ウッドロジン及びガムロジンのペンタエリスリトールエステル、部分水添及び完全水添ウッドロジン及びガムロジンのペンタエリスリトールエステル、ウッドロジン及びガムロジンのメチルエステル、並びに部分水添及び完全水添ウッドロジン及びガムロジンのメチルエステルである。
有用な合成エラストマー可塑剤としては、α−ピネン、β−ピネン及び/又はd−リモネンから由来のテルペン樹脂が挙げられる。
使用されるエラストマー可塑剤は、1種類又は2種類以上の組み合わせであってもよい。通常、1種類の可塑剤に対する別種の可塑剤の比率は、各軟化点、風味料の放出に対する影響、及びそれらの比率がガムにもたらす各粘着度に応じて決まる。上記のロジンエステル型のボール&リング法による軟化点は、約45℃〜約120℃の範囲であり得る。テルペン樹脂の軟化点は、約60℃〜約130℃の範囲であり得る。
本発明による充填チューインガム小片において適用されるチューインガム物質は、生分解性ポリマーであってもよい。生分解性ポリマーを適用する場合、これは、ガムベースの10〜100重量%の量を構成していてもよい。
本明細書の文脈において、生分解性ポリマーという用語は、チューインガムを投棄後、物理的、化学的及び/又は生物学的に分解されることができ、これにより投棄されたチューインガムの廃棄物が、投棄された場所からより容易に除去され得るか、又は最終的に、チューインガムの残留物と認識不可能な塊又は粒子にまで崩壊される、チューインガムベースポリマーを示す。このような分解性ポリマーの分解又は崩壊は、温度、光、湿度等の物理的な要因によって、pHの変化又はポリマーを分解可能な酵素の作用により起こる加水分解等の化学的な要因によって引き起こされるか又は誘発され得る。
本発明による好適ないくつかの生分解性ポリマーとしては、環状エステル又はカーボネートの開環重合によって得られるポリマー、及び多官能性アルコール又はそれらの誘導体と、多官能性カルボン酸又はそれらの誘導体との重合によって得られるポリエステルが挙げられ得る。
1種類又は複数種類の環状エステルの開環重合によって得られるポリエステルに関して、それらのモノマーとしては、一般的に、グリコリド、ラクチド、ラクトン及び/又はカーボネートが挙げられ得る。重合プロセスは、金属触媒(この金属触媒の非限定的な例はオクタン酸第一スズである)等の少なくとも1種類の適切な触媒の存在下で行うことができ、この重合プロセスは、ポリオール、ポリアミン、又は複数のヒドロキシル基若しくは他の反応性基を含む他の分子、及びそれらの混合物等の開始剤によって開始することができる。
このタイプのポリエステルポリマーの例としては、ポリ(L−ラクチド)、ポリ(D−ラクチド)、ポリ(D,L−ラクチド)、ポリ(メソラクチド)、ポリ(グリコリド)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリ(L−ラクチド−コ−D,L−ラクチド)、ポリ(L−ラクチド−コ−メソ−ラクチド)、ポリ(L−ラクチド−コ−グリコリド)、ポリ(L−ラクチド−コ−トリメチレンカーボネート)、ポリ(L−ラクチド−コ−ε−カプロラクトン)、ポリ(D,L−ラクチド−コ−メソ−ラクチド)、ポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)、ポリ(D,L−ラクチド−コ−トリメチレンカーボネート)、ポリ(D,L−ラクチド−コ−ε−カプロラクトン)、ポリ(メソ−ラクチド−コ−グリコリド)、ポリ(メソ−ラクチド−コ−トリメチレンカーボネート)、ポリ(メソ−ラクチド−コ−ε−カプロラクトン)、ポリ(グリコリド−コトリメチレンカーボネート)、ポリ(グリコリド−コ−ε−カプロラクトン)が挙げられるが、これらに限定されない。
このタイプのポリエステルポリマーにおいて適用され得るモノマーのさらなる具体例としては、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−ブチロラクトン及びβ−プロピオラクトン等のラクトンモノマー(環状に沿って任意の非カルボニル炭素原子において1つ又は複数のアルキル置換基又はアリール置換基で置換されたε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−ブチロラクトン又はβ−プロピオラクトンも含む)が挙げられる。さらに、具体的なモノマーの例としては、トリメチレンカーボネート、5−アルキル−1,3−ジオキサン−2−オン、5,5−ジアルキル−1,3−ジオキサン−2−オン、又は5−アルキル−5−アルキルオキシカルボニル−1,3−ジオキサン−2−オン、エチレンカーボネート、3−エチル−3−ヒドロキシメチル、プロピレンカーボネート、トリメチロールプロパンモノカーボネート、4,6−ジメチル−1,3−プロピレンカーボネート、2,2−ジメチルトリメチレンカーボネート、及び1,3−ジオキセパン−2−オン等のカーボネートモノマーが挙げられる。
アルコール又はそれらの誘導体、及びカルボン酸又はそれらの誘導体から調製されるポリエステルに関して、このタイプのポリマーは一般的に、本発明の範囲内で、二官能性、三官能性若しくは多官能性のアルコール又はそれらのエステルと、二官能性、三官能性若しくは多官能性の脂肪族若しくは芳香族カルボン酸又はそれらのエステルとを逐次重合することによって調製され得る。同様に、ヒドロキシ酸、又は多官能性カルボン酸の無水物及びハロゲン化物をモノマーとして使用してもよい。重合は、直接的なポリエステル化又はエステル交換を伴ってもよく、また触媒されてもよい。分岐鎖モノマーの使用はポリエステルポリマーの結晶性を抑制する。鎖上の異なるモノマー単位の混合も結晶性を抑制する。重合を停止させるのに、生分解性ポリマーの分子量を調整するのに、またエンドキャップするのに用いられる、ヒドロキシル基及びカルボキシル基を含まない単官能性化合物によって、ポリマー鎖は終端され得る。また、長鎖脂肪族カルボン酸又は芳香族モノカルボン酸が、ポリマー中に含まれ得るため、分岐度は調整される。反対に、多官能性モノマーは、ポリマー中の分岐開始点を形成するポリマーの一部であってもよい。
好ましい多官能性カルボン酸又はそれらの誘導体の例は、飽和又は不飽和脂肪族又は芳香族カルボン酸であり、2〜100個の炭素原子、より好ましくは4〜18個の炭素原子を含有する。多官能性カルボン酸として又はこれらの誘導体として用いることができるカルボン酸の適用可能な具体例としては、脂肪族多官能性カルボン酸(例えば、シュウ酸、マロン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、グルタル酸、グルタミン酸、アジピン酸、グルカル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等)、及び環状脂肪族多官能性カルボン酸(例えば、シクロプロパンジカルボン酸、シクロブタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等)、及び芳香族多官能性カルボン酸(例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、及びナフタレン1,4−、2,3−、2,6−ジカルボン酸等)が挙げられる。例示目的であって限定するものではないが、カルボン酸誘導体のいくつかの例としては、3−ヒドロキシプロピオン酸及び6−ヒドロキシカプロン酸等のヒドロキシ酸、並びに酸の無水物、ハロゲン化物又はエステルが挙げられる。酸のエステルは例えば既に記載された酸に対応するジメチルエステル又はジエチルエステルであり、これはジメチル又はジエチルオキサレート、マロネート、スクシネート、フマレート、マレエート、グルタレート、アジペート、ピメレート、スベレート、アゼレート、セバケート、ドデカンジオエート、テレフタレート、イソフタレート、フタレート等のエステルを意味する。概して、高い沸点のアルコールは低い沸点のアルコールよりも除去するのが困難であるという理由から、メチルエステルがエチルエステルよりも好ましいことがある。
さらに、通常好ましい多官能性アルコールの例は、例えばポリグリコール及びポリグリセロールのように、2〜100個の炭素原子を含む。多官能性アルコールとして又はそれらの誘導体として用いることができるアルコールの適用可能な具体例としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロへキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール等のポリオールが挙げられる。例示目的であって限定するものではないが、アルコール誘導体のいくつかの例としては、トリアセチン、グリセロールパルミテート、グリセロールセバケート、グリセロールアジペート、トリプロピオニン等が挙げられる。
このポリエステルタイプの調製は通常、酸触媒又はエステル交換触媒を伴い、これらの非限定的な例は、マンガン、亜鉛、カルシウム、コバルト又はマグネシウムの酢酸塩、及び酸化アンチモン(III)、酸化ゲルマニウム又はハロゲン化ゲルマニウム、及びテトラアルコキシゲルマニウム、チタンアルコキシド、亜鉛塩又はアルミニウム塩等の金属触媒である。
連鎖停止剤の例としては、モノヒドロキシアルコール又はモノカルボン酸が挙げられる。具体例としては、メタノール、エタノール、ブタノール、ヘキサノール、オクタノール等;並びに、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ステアリン酸アルコール等;並びに、酢酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、セロチン酸、ドデシレン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸、安息香酸、ナフトエ酸及び置換ナフトエ酸、1−メチル−2−ナフトエ酸及び2−イソプロピル−1−ナフトエ酸等のモノカルボン酸が挙げられる。
本発明のいくつかの実施形態において、ガムベースは蝋を含んでおり、他の実施形態では、例えば、或る特定の生分解性ポリマーを適用する場合に、蝋を用いないこともある。
しかしながら、石油蝋は、ガムベースから製造されるガム完成品の硬化を助け、並びに保存寿命及びテクスチャーを改良する。蝋結晶サイズは、風味料の放出に影響を及ぼす。イソアルカンを多く含む蝋は、n−アルカンを多く含む蝋、特に炭素数30未満のn−アルカンを多く含む蝋よりも小さい結晶サイズを有する。大きい結晶サイズを有する蝋に対し、小さい結晶サイズの蝋からの風味料の流出はより多くの障害を有するため、結晶サイズが小さいほど、風味料の放出が遅くなる。イソ−アルカン蝋を用いて製造されるガムベースと比較して、n−アルカン蝋を用いて製造されるガムベースの適合性は小さい。
石油蝋(精製パラフィン及びマイクロクリスタリンワックス)及びパラフィン蝋は、主に直鎖n−アルカン及び分岐鎖イソ−アルカンから成る。n−アルカンとイソ−アルカンとの比率は変化する。
n−アルカン蝋は通常、C−18を超える炭素鎖長を有するが、その長さは優勢的にはC−30以下である。分岐鎖構造及び環構造は、優勢的にn−アルカンである蝋の鎖の末端近くに位置する。n−アルカン蝋の粘度は、10mm2/s(100℃)未満であり、総合数平均分子量は600g/mol未満である。
イソ−アルカン蝋は通常、優勢的にC−30を超える炭素長を有する。分岐鎖及び環構造は、優勢的にイソ−アルカンである蝋の炭素鎖上に無作為に位置する。イソ−アルカン蝋の粘度は、10mm2/sより大きく(100℃)、総合数平均分子量は600g/molより大きい。
合成蝋は、石油蝋製造の変則的な手段によって製造されるため、石油蝋とみなされない。合成蝋としては、分岐鎖アルカンを含有し、且つモノマー(例えばプロピレン及びポリエチレンが挙げられるが、これに限定されない)と共重合される蝋、並びにフィッシャー・トロプシュ型蝋が挙げられ得る。ポリエチレン蝋は、エチレンモノマーに結合している種々の長さのアルカン単位を含有する合成蝋である。
天然蝋としては、米糠蝋、蜜蝋、カルナウバ蝋又はカンデリラ蝋が挙げられ得る。蝋は単独で又は任意の組み合わせで用いることができる。
軟化剤は有益に、チューインガム物質のさらなる水溶性部分だけでなくガムベース部分にも添加され得る。ガムベースに関して、軟化剤の選択は、このベースの軟度に影響を及ぼす。軟化剤は、テクスチャーを改質し、ベースの疎水性及び親水性成分を混和させ、さらにガムベースの合成エラストマーを可塑化し得る。軟化剤の群に属する乳化剤は、水結合特性をガムベースに付与し、これがガムベースに快い平滑表面を与えて、その接着特性を低減させる。
ガムベース中に用いるのに好適な軟化剤としては、非硬化、部分硬化及び完全硬化植物油、並びに獣脂、ココアバター及び脱脂ココア粉末のトリグリセリド、並びにこれらに加えて、乳化剤が挙げられる。
トリグリセリドの群としては、綿実油、パーム油、パーム核油、ココナツ油、紅花油、菜種油、ヒマワリ油、獣脂、ダイズ油、ココアバター及び中鎖トリグリセリド等が挙げられる。
カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸及びパルミチン酸脂肪酸のトリグリセリドは、ステアリン酸脂肪酸を主に含有するトリグリセリドよりも合成エラストマーを可塑化する傾向がある。
乳化剤の群に属するのは、モノグリセリド、ジグリセリド、アセチル化モノ−及びジグリセリド、蒸留モノ−及びジグリセリド、グリセロールモノステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、Na−、K−、Mg−及びCa−ステアレート、グリセロールトリアセテート、脂肪酸モノグリセリド(例えばステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸及びリノール酸)、モノ−及びジグリセリドの乳酸エステル及び酢酸エステル、食用脂肪酸の糖エステル(スクロースポリエステルとも称される)、例えば国際公開特許第00/25598号に開示されたもの、レシチン及びヒドロキシル化レシチンであり、これらのほとんどは、それらの製造プロセスにより2重量%未満のトリグリセリド量を含有し得る。
軟化剤(乳化剤を含む)は、単独で、又は2種類以上を組み合わせて用いられ得る。一般的に、軟化剤は、ガムの咀嚼性及び食感を最適化するためにチューインガム物質に添加される。
可塑剤として当該技術分野で既知の軟化剤は、チューインガム物質の約0.1〜15重量%を構成し得る。さらに、本発明で考えられる軟化剤の例としては、グリセリン及びレシチンが挙げられる。また、例えばソルビトール、水添デンプン加水分解物又はコーンシロップを含有するいくつかの水性甘味料を、チューインガム物質中の軟化剤及び結合剤として使用してもよい。
ガムベース中に使用される充填剤は、ガムベースのテクスチャーを改質し、処理を補助する。粒子サイズは、ガムベースの凝集性、密度及び処理特性、並びにその調合に影響を及ぼす。粒子サイズが小さいほど、最終ガムベースは高密度で且つより凝集性になる。また、それらの粒子サイズ分布に基づいて充填剤を選択することにより、初期塊の調合が変わるため、ガムベース処理中の初期塊の調合特性が変わり、最終的にこれらのガムベースから製造されるガムの最終咀嚼特性を変えることができる。充填剤は、ガムベースの約5〜60重量%、好ましくはガムベースの約5〜50重量%を構成し得る。
ガムベース中に用いるのに好適な充填剤としては、炭酸マグネシウム及び炭酸カルシウム、磨砕石灰石及びケイ酸塩型、例えばケイ酸マグネシウム及びケイ酸アルミニウム、カオリン及びクレイ、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、タルク、並びに酸化チタン、リン酸モノ−、ジ−及びトリカルシウム、硫酸ナトリウム、セルロースポリマー(例えばエチルセルロースポリマー、メチルセルロースポリマー及びウッドセルロースポリマー)、或いはそれらの混合物が挙げられる。
本発明のガムベース及びガム中に、タルク充填剤を用いてもよい。このタルク充填剤は、酸風味料と接触するか若しくは酸風味料を使用してもよく、又は炭酸カルシウム型充填剤と反応させることによって人工甘味料の分解を防止するのに必要とされる酸性環境を提供することができる。炭酸カルシウム及びタルク充填剤に関する平均粒子サイズは、通常約0.1μm〜約15μmの範囲である。
充填剤は、果実植物繊維、穀粒、コメ、セルロース、及びそれらの組み合わせ等の天然有機繊維も含み得る。
酸化防止剤は、ガムベース及び最終チューインガム物質、又はそれらの各成分(脂肪及びフレーバーオイル)の保存寿命及び貯蔵を延ばす。
ガムベース中に使用されるのに好適な酸化防止剤としては、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、β−カロチン、トコフェロール、ビタミンC等の酸味料、プロピルガレート、他の合成及び天然型酸化防止剤、又はそれらの混合物が挙げられる。
風味料(Flavorants)及び着色剤は、特性を付与するか、又は望ましくない特性を除去するか若しくはかき消す。風味料及び着色剤は、ガムベース中で且つ/又は最終チューインガム物質の混合に適用され得る。
水溶性部分及び水不溶性部分の最終的な混合の一環としてチューインガム物質中に添加され得る成分のさらなる例をここで以下に示す。成分は、甘味料、風味料、界面活性剤、活性成分、添加剤、着色剤、及び例えば甘味料、風味料又は活性成分を封入する材料に分けられる。
好適なバルク甘味料としては、糖甘味成分及び無糖甘味成分の両方が挙げられる。バルク甘味料は一般的に、チューインガムの約5〜約95重量%、より一般的には、ガムの約20〜約80重量%、例えば30〜60重量%を構成する。
有用な糖甘味料は、チューインガムの分野で一般的に既知である糖類含有成分、例えばスクロース、デキストロース、マルトース、デキストリン、トレハロース、D−タガトース、乾燥転化糖、フルクトース、レブロース、ガラクトース及び固形コーンシロップ等を単独で、又は組み合わせて含むが、これらに限定されない。
ソルビトールは、無糖甘味料として用いられ得る。他の有用な無糖甘味料としては、他の糖アルコール、例えばマンニトール、キシリトール、水添デンプン加水分解物、マルチトール、イソマルトール、エリスリトール、ラクチトール等が単独で又は組み合わせで挙げられるが、これらに限定されない。
高度人工甘味料は、単独でも又は上記の甘味料と組み合わせても用いられ得る。好ましい高度甘味料としては、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムの塩、アリテーム、サッカリン及びその塩、シクラミン酸及びその塩、グリチルリチン、ジヒドロカルコン、タウマチン、モネリン、トゥインスイート、ステビオシド、及びネオテーム等が単独で又は組み合わせで挙げられるが、これらに限定されない。より長く持続する甘味認知及び風味認知をもたらすためには、人工甘味料の少なくとも一部分を封入するか、又はそうでなければその放出を制御するのが望ましい。湿式造粒、蝋造粒、噴霧乾燥、噴霧冷却、流動床コーティング、コアセルベーション(coascervation)、酵母細胞中への封入、並びに繊維押出のような技法を用いて、所望の放出特性を達成し得る。甘味料の封入は、別のチューインガム成分、例えば樹脂性化合物を用いても提供され得る。
高度甘味料の添加は、ガムベースが混合された状態で行っても、又は最終チューインガム物質を混合している間に行ってもよい。
人工甘味料の使用量は幅広い値をとり、これは甘味料の効力、放出速度、製品の所望の甘味、使用される風味料の量及び種類、並びに経費の検討のような要素によって決まるであろう。したがって、人工甘味料の活性量は、約0.02重量%から約30重量%まで、好ましくは0.02重量%から約8重量%まで変化し得る。通常、高度甘味料は、チューインガム物質の0.05〜1重量%の範囲の少量で適用され得る。封入のために用いられる担体が含まれる場合、封入甘味料の使用量はそれに比例して多くなる。糖及び/又は無糖の甘味料の組み合わせが、本発明に従って処理されるチューインガム調合物中に用いられ得る。さらに軟化剤も、糖水溶液又はアルジトール水溶液のような付加的甘味を提供し得る。
低カロリーのガムが所望される場合、低カロリーの増量剤が用いられ得る。低カロリーの増量剤の例としては、ポリデキストロース、ラフチロース、ラフチリン、フルクトオリゴ糖(NutraFlora(登録商標))、パラチノースオリゴ糖、グアーガム加水分解物(例えばSun Fiber(登録商標))又は不消化性デキストリン(例えばFibersol(登録商標))が挙げられる。しかしながら、他の低カロリー増量剤を用いてもよい。
本発明によるチューインガムは、芳香剤(aroma agents)、並びに天然風味料及び合成風味料を含む風味料を、例えば味プロフィールに影響を及ぼし得る酸及び他の物質を含む、天然植物成分、精油、エッセンス、抽出物、粉末の形態で含み得る。本発明のいくつかの実施形態によっては、風味料は、以下の本明細書の文脈中の他の場所で定義される封入物質で封入され得る。
液体風味料及び粉末風味料の例としては、ココナツ、コーヒー、チョコレート、ココア、バニラ、グレープフルーツ、オレンジ、ライム、メントール、甘草、カラメルアロマ、ハニーアロマ、落花生、クルミ、カシューナッツ、ヘーゼルナッツ、アーモンド、パイナップル、イチゴ、ラズベリー、トロピカルフルーツ、サクランボ、シナモン、ペパーミント、冬緑樹、スペアミント、ユーカリ及びミント、果実エッセンス、例えばリンゴ、ナシ、モモ、イチゴ、アンズ、ラズベリー、サクランボ、パイナップル及びプラムエッセンスが挙げられる。精油としては、ペパーミント、スペアミント、メントール、ユーカリ、クローブ油、ベイ油、アニス、タイム、セダーリーフ油、ナツメグ、並びに上記の果実の油が挙げられる。
チューインガムの風味料は、好ましくは粉末、スライス又は小片又はその組み合わせの形態で凍結乾燥される天然風味料であり得る。粒子サイズは、粒子の最長直径として算定した場合、3mm未満か、2mm未満又はさらに好ましくは1mm未満であり得る。天然風味料は、粒子サイズが約3μm〜2mm、例えば4μm〜1mmである形態であり得る。好ましい天然風味料としては、果実から、例えばイチゴ、ブラックベリー及びラズベリーからの種子が挙げられる。
種々の合成風味料、例えば果実風味料混合物も、本発明によるチューインガムの中心に用いることができる。上記のように、芳香剤は、従来用いられるものより少ない量で用いられ得る。芳香剤及び/又は風味料は、用いられる芳香剤及び/又は風味料の所望の強度に応じて、最終製品の0.01〜約30重量%の量で用いられ得る。好ましくは、芳香剤及び/又は風味料の含量は、総チューインガム物質組成物の0.2〜3重量%の範囲である。
本発明の一実施形態では、風味料は、味プロフィールに影響を及ぼし得る酸及び他の物質を含む天然植物成分、精油、エッセンス、抽出物、粉末の形態の天然風味料及び合成風味料を含む。
本発明によるチューインガム中に含まれ得るさらなるチューインガム成分としては、特に薬学的に又は生物学的に活性な成分が存在する場合、界面活性剤及び/又は可溶化剤が挙げられる。本発明によるチューインガム組成物中の可溶化剤として用いられるべき界面活性剤の種類の例として、H.P. Fiedler, Lexikon der Hilfstoffe fuer Pharmacie, Kosmetik und Angrenzende Gebiete, pages 63-64 (1981)並びにそれぞれの国の認可された食品乳化剤の一覧が参照される。陰イオン性、陽イオン性、両性又は非イオン性の可溶化剤が用いられ得る。好適な可溶化剤としては、レシチン、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸塩、食用脂肪酸のモノ及びジグリセリドのモノ及びジアセチル酒石酸エステル、食用脂肪酸のモノ及びジグリセリドのクエン酸エステル、脂肪酸のサッカロースエステル、脂肪酸のポリグリセロールエステル、エステル交換ヒマシ油酸のポリグリセロールエステル(E476)、ナトリウムステアロイルラチレート(stearoyllatylate)、ラウリル硫酸ナトリウム及び脂肪酸のソルビタンエステル、並びにポリオキシエチル化硬化ヒマシ油(例えばCREMOPHORの商品名で販売されている製品)、酸化エチレン及び酸化プロピレンのブロックコポリマー(例えばPLURONIC及びPOLOXAMERの商品名で販売されている製品)、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸のソルビタンエステル及びポリオキシエチレンステアリン酸エステルが挙げられる。
特に好適な可溶化剤は、ポリオキシエチレンステアレート、例えばポリオキシエチレン(8)ステアレート及びポリオキシエチレン(40)ステアレート、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(TWEEN、例えばTWEEN20(モノラウレート)、TWEEN80(モノオレエート)、TWEEN40(モノパルミテート)、TWEEN60(モノステアレート)又はTWEEN65(トリステアレート)の商品名で販売されている)、食用脂肪酸のモノ及びジグリセリドのモノ及びジアセチル酒石酸エステル、食用脂肪酸のモノ及びジグリセリドのクエン酸エステル、ナトリウムステアロイルラチレート、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチル化硬化ヒマシ油、酸化エチレン及び酸化プロピレンのブロックコポリマー、並びにポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテルである。可溶化剤は、単一化合物、又はいくつかの化合物の組み合わせであり得る。また、活性成分の存在下で、チューインガムは、好ましくは当該技術分野で既知の担体を含み得る。
軟化剤として用いられる乳化剤としては、獣脂、硬化獣脂、硬化植物油及び部分硬化植物油、ココアバター、グリセロールモノステアレート、グリセロールトリアセテート、レシチン、モノ−、ジ−及びトリグリセリド、アセチル化モノグリセリド、脂肪酸(例えばステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸及びリノール酸)並びにそれらの組み合わせが挙げられる。
本発明の一実施形態によれば、充填チューインガム小片は、薬学的、美容的又は生物学的な活性物質又は活性成分を含み得る。このような活性物質の例は、例えば国際公開特許第00/25598号(この記載内容は参照により本明細書中で援用される)に示される総合的なリストに見られる。本発明によれば、この活性成分は、チューインガム小片の内部充填物中、コーティング中、又はチューインガム物質中、場合によりガムベース部分中に添加されてもよい。活性成分の好ましい位置は、所望の放出速度により確定される。本発明のいくつかの実施形態によっては、活性成分は好ましくは、チューインガム部分中及び充填物中の両方に添加される。
本発明と関連して用いられるべき活性剤は、チューインガムから放出されることが望まれる任意の物質であり得る。風味料に関して得られる作用に対応する放出速度の加速が望まれる場合、主要物質は、制限された水溶性、通常10g/100mlより低い水溶性を有するもの、例えば完全に水不溶性である物質である。例としては、医薬品、栄養補助食品、経口組成物、禁煙剤、高度甘味料、pH調節剤等である。
活性成分のさらなる例としては、パラセタモール、ベンゾカイン、シンナリジン、メントール、カルボン、カフェイン、二酢酸クロルヘキシジン、塩酸シクリジン、1,8−シネオール、ナンドロロン、ミコナゾール、ミスタチン、アスパルテーム、フッ化ナトリウム、ニコチン、サッカリン、塩化セチルピリジニウム、他の第四アンモニウム化合物、ビタミンE、ビタミンA、ビタミンD、グリベンクラミド又はその誘導体、プロゲステロン、アセチルサリチル酸、ジメンヒドリナート、シクリジン、メトロニダゾール、炭酸水素ナトリウム、イチョウからの活性成分、プロポリスからの活性成分、朝鮮人参からの活性成分、メタドン、ペパーミントのオイル、サリチルアミド、ヒドロコルチゾン又はアステミゾールが挙げられる。
栄養補助食品の形態の活性剤の例は、例えばビタミンB2(リボフラビン);B12;葉酸;ナイアシン;ビオチン;難溶性グリセロホスフェート;アミノ酸;ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE及びビタミンK;塩の形態の無機物;カルシウム、リン、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、ヨウ素、マンガン、クロム、セレン、モリブデン、カリウム、ナトリウム又はコバルトを含有する複合体及び化合物である。
さらに、例えば種々の国々の当局により承認された栄養物の一覧、例えば米国連邦規則集第21編第182.5013条、第182.5997条及び第182.8013条〜第182.8997条(US code of Federal Regulations, Title 21, Section 182.5013, 182.5997 and 182.8013-182.8997)が参照される。
口腔及び歯のケア又はトリートメント用の化合物の形態の活性剤の例は、例えば結合過酸化水素及び咀嚼中に尿素を放出することが可能な化合物である。
防腐剤の形態の活性剤の例は、例えば、グアニジン及びビグアニジン(例えば、二酢酸クロルヘキシジン)の塩及び化合物、並びに水溶性が制限される以下の種類の物質:第四アンモニウム化合物(例えば、セラミン、クロロキシレノール、クリスタルバイオレッド、クロルアミン)、アルデヒド(例えば、パラホルムアルデヒド)、デクアリン(dequaline)化合物、ポリノキシリン、フェノール(例えば、チモール、パラクロロフェノール、クレゾール)、ヘキサクロロフェン、サリチル酸アニリド化合物、トリクロサン、ハロゲン(ヨウ素、ヨードホレス、クロロアミン、ジクロロシアヌル酸塩)、アルコール(3,4ジクロロベンジルアルコール、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、フェニルエタノール)、さらにMartindale, The Extra Pharmacopoeia, 28th edition, page 547-578を参照のこと;アルミニウム塩(例えば、硫酸アルミニウムカリウムAIK(SO4)2、12H2O)等の水溶性が制限される金属塩、複合体及び化合物であり、さらに、ホウ素、バリウム、ストロンチウム、鉄、カルシウム、亜鉛(酢酸亜鉛、塩化亜鉛、グルコン酸亜鉛)、銅(塩化銅、硫酸銅)、鉛、銀、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、モリブデン、バナジウムの塩、複合体及び化合物が挙げられ、口及び歯のケア用の他の組成物としては、例えば、フッ素を含有する塩、複合体及び化合物(例えば、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化アミノ、フッ化スズ)、リン酸塩、炭酸塩及びセレンが挙げられ得る。
さらに、広範な試験済化合物について言及しているJ. Dent. Res. Vol. 28 No. 2, page 160-171, 1949を参照のこと。
口腔におけるpH調節剤の形態の活性剤の例としては、例えば、アジピン酸、コハク酸、フマル酸若しくはそれらの塩、又はクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、酢酸、乳酸、リン酸及びグルタル酸の塩等の許容可能な酸、並びにナトリウム、カリウム、アンモニウム、マグネシウム若しくはカルシウム、特にマグネシウム及びカルシウムの炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、硫酸塩又は酸化物等の許容可能な塩基が挙げられる。
禁煙剤の形態の活性剤の例としては、例えば、ニコチン、タバコ粉末又は銀塩(例えば、酢酸銀、炭酸銀及び硝酸銀)が挙げられる。
さらに、活性剤の例は任意の種類の医薬品である。
医薬品の形態の活性剤の例としては、カフェイン、サリチル酸、サリチル酸アミド及び関連物質(アセチルサリチル酸、サリチル酸コリン、サリチル酸マグネシウム、サリチル酸ナトリウム)、パラセタモール、ペンタゾシンの塩(塩酸ペンタゾシン及び乳酸ペンタゾシン)、塩酸ブプレノルフィン、塩酸コデイン及びリン酸コデイン、モルフィン及びモルフィン塩(塩酸塩、硫酸塩、酒石酸塩)、塩酸メタドン、ケトベミドン及びケトベミドン塩(塩酸塩)、β阻害薬(プロプラノロール)、カルシウム拮抗薬、塩酸ベラパミル、ニフェジンピン(nifedinpine)並びにPharm. Int., Nov. 85, pages 267-271, Barney H. Hunter及びRobert L. Talbertで言及されている好適な物質及びその塩、ニトログリセリン、四硝酸エリトリチル、ストリキニーネ及びその塩、リドカイン、塩酸テトラカイン、塩酸エトルフィン、アトロピン、インスリン、酵素(例えば、パパイン、トリプシン、アミログルコシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、ストレプトキナーゼ、ストレプトドルナーゼ、デキストラナーゼ、αアミラーゼ)、ポリペプチド(オキシトシン、ゴナドレリン(LH.RH)、酢酸デスモプレシン(DDAVP)、塩酸イソクスプリン、エルゴタミン化合物、クロロキン(リン酸塩、硫酸塩)、イソソルビド、デモキシトシン、ヘパリンが挙げられる。
他の活性成分としては、β−ルペオール、レチゲン、クエン酸シルデナフィル及びこれらの誘導体が挙げられる。
歯用製品としては、カルバミ(Carbami)、CPPカゼインホスホペプチド、クロルヘキシジン、二酢酸クロルヘキシジン、塩化クロルヘキシジン、二グルコン酸クロルヘキシジン、ヘキセテジン(hexetedine)、塩化ストロンチウム、塩化カリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、フッ素含有成分、フッ化物、フッ化ナトリウム、フッ化アルミニウム、フッ化アンモニウム、フッ化カルシウム、フッ化スズ、他のフッ素含有成分フルオロケイ酸アンモニウム、フルオロケイ酸カリウム、フルオロケイ酸ナトリウム、モノフルオロリン酸アンモニウム、モノフルオロリン酸カルシウム、モノフルオロリン酸カリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、オクタデセンチルフッ化アンモニウム、ステアリルトリヒドロキシエチルプロピレンジアミンジヒドロフッ化物が挙げられ、ビタミンとしてはA、B1、B2、B6、B12、葉酸、ナイアシン、パントテン酸(pantothensyre)、ビオチン、C、D、E、Kが挙げられる。
ミネラルとしては、カルシウム、リン、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅(cupper)、鉛(lod)、マンガン、クロム、セレン及びモリブデンが挙げられる。他の活性成分としては、Q10@、すなわち酵素が挙げられる。天然の薬剤としては、イチョウ葉、ジンジャー及び魚油が挙げられる。本発明はまた、セロトニン拮抗薬:スマトリプタン、ゾルミトリプタン、ナラトリプタン、リザトリプタン、エレトリプタン等の偏頭痛薬;シクリジン、シンナリジン、ジメンヒドラミン、ジフェンヒドリナト(difenhydrinat)等の嘔吐薬;セトリジン、ロラチジン等の花粉症薬;ブプレノルフィン、トラマドール等の鎮痛薬;ミコナゾール、アンホテリシンB、トリアンシノロナセトン等の口腔疾患薬;及び薬剤であるシサプリド、ドンペリドン、メトクロプラミドの使用に関する。
活性成分は、下記の化合物又はそれらの誘導体:アセトアミノフェン、アセチルサリチル酸ブプレノルフィンブロムへキシンセルコキシブコデイン、ジフェンヒドラミン、ジクロフェナク、エトリコキシブ、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ルミラコキシブ、モルフィン、ナプロキセン、オキシコドン、パレコキシブ、ピロキシカム、プソイドエフェドリン、ロフェコキシブ、テノキシカム、トラマドール、バルデコキシブ、炭酸カルシウム、マガルドレート、ジスルフィラム、ブプロピオン、ニコチン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、クロトリマゾール、エリスロマイシン、テトラサイクリン、グラニセトロン、オンダンセトロン、プロメタジン、トロピセトロン、ブロムフェニラミン、セテリジン、レコ−セテリジン、クロルシクリジン、クロルフェニラミン、クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン、ドキシラミン、フェノフェナジン、グアイフェネシン、ロラチジン、デス−ロラチジン、フェニルトロキサミン、プロメタジン、ピリダミン、テルフェナジン、トロキセルチン、メチルドパ、メチルフェニデート、塩化ベンズアルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジウム、クロルヘキシジン、エカベトナトリウム、ハロペリドール、アロプリノール、コルチニン、テオフィリン、プロパノロール、プレドニゾロン、プレドニゾン、フッ化物、尿素、ミコナゾール、アクトット(Actot)、グリベンクラミド、グリピジド、メトホルミン、ミグリトール、レパグリニド、ロジグリタゾン、アポモルフィン、シアリス、シルデナフィル、バルデナフィル、ジフェノキシレート、シメチコン、シメチジン、ファモチジン、ラニチジン、ラチニジン、セトリジン、ロラタジン、アスピリン、ベンゾカイン、デクストロメトルファン、エフェドリン、フェニルプロパノールアミン、プソイドエフェドリン、シサプリド、ドンペリドン、メトクロプラミド、アシクロビル、ジオクチルスルホスクシネート、フェノールフタレイン、アルモトリプタン、エレトリプタン、エルゴタミン、ミゲア、ナラトリプタン、リザトリプタン、スマトリプタン、ゾルミトリプタン、アルミニウム塩、カルシウム塩、鉄塩、銀塩、亜鉛塩、アンホテリシンB、クロルヘキシジン、ミコナゾール、トリアンシノロンアセトニド、メラトニン、フェノバルビトール、カフェイン、ベンゾジアゼピン系薬剤(Benzodiazepiner)、ヒドロキシジン、メプロバメート、フェノチアジン、ブクリジン、ブロメタジン、シンナリジン、シクリジン、ジフェンヒドラミン、ジメンヒドリナート、ブフロメジル、アンフェタミン、カフェイン、エフェドリン、オルリスタット、フェニルエフェドリン、フェニルプロパノールアミン、プソイドフェドリン、シブトラミン、ケトコナゾール、ニトログリセリン、ニスタチン、プロゲステロン、テストステロン、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ピロカルピン、アルミニウムアミノアセテート、シメチジン、エソメプラゾール、ファモチジン、ランソプラゾール、酸化マグネシウム、ニザチド及び/又はラチニジンを含み得るが、これらに限定されない。
本発明の一実施形態において、風味料は、それ自体が望ましくない味を有する活性成分、又は調合物の味を変えてしまう活性成分を含むチューインガム中で味のマスキング (taste masking)として使用することができる。
チューインガム物質は必要に応じて、結合剤、酸味料、充填剤、着色剤、防腐剤及び酸化防止剤等の一般的な添加剤、例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、プロピルガレート及びトコフェロールを含有し得る。
着色剤及び白色染料としては、例えばFD&Cタイプの染料及びレーキ、果実及び植物の抽出物、二酸化チタン、並びにそれらの組み合わせが挙げられ得る。
例えば甘味料及び風味料のための上記の封入法に使用される材料としては、例えば、ゼラチン、コムギタンパク質、ダイズタンパク質、カゼインナトリウム、カゼイン、アラビアガム、化工デンプン、加水分解デンプン(マルトデキストリン)、アルギン酸塩、ペクチン、カラギーナン(carregeenan)、キサンタンガム、ローカストビーンガム(Locus bean gum)、キトサン、蜜蝋、カンデリラ蝋、カルナウバ蝋、硬化植物油、ゼイン及び/又はスクロースが挙げられ得る。
チューインガム物質の製造は通常、ガムベースの調製によって始まる。ガムベースは、或る量のエラストマー、エラストマー可塑剤及び充填剤、並びに場合によりビニルポリマーを、約1.2:1〜約2:1を有する前方対後方の速度の比率を有する、加熱した(10℃〜120℃)例えばシグマブレードミキサーに添加することによって調製され得る。より高い比率は通常、このエラストマーのより厳密な混合を必要とするガムベースに用いられる。
初期塊を含む成分の初期量は、適切な粘稠度を達成するために、混合ケトルの作業容量により、またエラストマーを破壊し且つ鎖の分岐を増大させることが望ましい配合度により確定される。或る特定の粒子サイズ分布を有する充填剤の開始又は選択時の充填剤の量が多ければ、配合度は大きくなり、それゆえ、より多くのエラストマー系鎖の架橋が破壊され、これにより、より多くのエラストマーの分岐が起こり、それゆえガムベースの粘度が低くなるため、最終ガムベース及びこのようなガムベースから製造されるガムはやわらかくなる。配合時間がより長いほど、またより低い分子量又はより低い軟化点のガムベース成分を用いるほど、最終ガムベースの粘度及び硬度は小さくなる。
配合は通常開始され、成分が一まとまりになれば有効になる。15分から90分までのいずれかを配合時間の長さとすることができる。
好ましくは、配合時間は、20分〜約60分である。添加されるエラストマー可塑剤 の量は、存在するエラストマー及び充填剤の量によって決まる。過剰のエラストマー可塑剤が添加されると、初期塊は、過度に可塑化されて均質にならない。
初期成分を均質にひとかたまりにし、且つ所望の時間、配合した後、完全に均質な溶融塊が得られるまで、残りのガムベース成分を連続して添加する。通常、全ての残りのエラストマー、エラストマー可塑剤、ビニルポリマー及び充填剤を、初期配合時間後60分以内に添加する。充填剤及びエラストマー可塑剤は通常、別個に秤量され、この時間内に分割して添加される。任意選択的な蝋及び軟化剤は通常、エラストマー及びエラストマー可塑剤の後60分の間に添加される。このため、塊は投棄前に均質になり得る。
一般的なガムベース処理時間は、調合物に応じて約1〜約3時間、好ましくは約1時間半〜2時間半で変動する。投棄された際の最終的な塊温度は、70℃〜130℃、好ましくは100℃〜120℃であり得る。生分解性ポリマーに基づきガムベース及びチューインガム物質を製造する際に、混合時間が短い場合もあるため、温度は大幅に低くなることを留意されたい。生分解性ポリマーを混合する際に適用される温度は通常、40〜80℃の範囲内であり得る。この温度では、製造プロセス中の温度分解は起こらない。
完全に溶融された塊は、混合ケトルから、コーティングされたか又は裏打ちされたパンに取り出され、任意の所望の形状に押出又は注型され、冷却及び凝固される。当業者は、上記の手順の多くの変形形態が随行すると理解するであろう。したがって、全てのいわゆるガムベース成分、及びまたさらなるチューインガム成分を含むチューインガムは、単一工程において押出されてもよい。さらに、チューインガム物質の製造は、任意の大幅な貯蔵時間を設けずに、充填チューインガムのロープを形成する押出機において、すぐに続けてもよい。この充填チューインガムのロープから、本発明の充填チューインガム小片を得る。
チューインガムのロープは、当該技術分野で中心部充填チューインガムに適すると知られている任意の材料で充填され得る。一般的に、充填物は、標準的な貯蔵温度及び使用温度において、液体、ペースト又は粉末の粘稠度を有し得る。本発明により適用される内部充填物の一般的な成分は、バルク甘味料、高度甘味料、風味料、活性成分、及びそれらの組み合わせから選択され得る。このような成分の具体例は上記に示した。このような上記に挙げた成分群は、充填物中、並びにチューインガム物質中で利用可能である。充填チューインガム小片が咀嚼される際に、即時型放出が充填物中に適用される成分により得ることができることは、本発明による利点である。この即時型放出は有益には、チューインガム物質中に混合された成分により得られるより遅い放出と組み合わせてもよい。
液状又はペースト状の充填物を含む充填チューインガム用の充填材料において頻繁に適用されるいくつかのバルク成分としては、ソルビトール、グリセリン、マルチトールシロップ、水添デンプン加水分解物及びレシチンが挙げられる。同様に、粉末充填物は、多くの例のなかでも、粉末甘味料及び粉末風味料、例えば、凍結乾燥された果実粉末、又はハーブ、植物、甘草、塩化アンモニウム及びキャンディを含む。
製造プロセス中にチューインガム物質ロープの表面上に粘着防止剤を付与する場合、充填チューインガム小片を押出及び形成することが実際に可能であることが見出された。このため、厚さが薄い壁を押出すのに適したテクスチャーを有するチューインガム物質が、適用され得ることが見出された。これは、比較的柔軟なチューインガムテクスチャーの粘着による問題を粘着防止剤の適用によって解決する(counteracted)ことができるためである。この結果、機械及び相互に粘着する個々のチューインガム小片への粘着は両方とも、本発明によって防止することができる。
好適な粘着防止剤の例としては、水酸化カルシウム、タルク、D−マンニトール、二酸化ケイ素、スクロースエステル、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛(zink)、ステアリン酸マグネシウム、及び他の金属ステアリン酸塩、ポリオキシエチレンモノステアレート、ケイ酸塩、ポリエチレングリコール、二酸化ケイ酸塩、ヒュームドシリカ、ステアリン酸、炭酸カルシウム等、及びそれらの混合物が挙げられる。
本発明によれば、充填チューインガム小片に、粘着防止剤を覆う外側コーティングを設け、快い味を提供し、充填チューインガム小片を保護する。
充填チューインガム小片に本発明による外側コーティングを設ける1つの利点は、有益な保護効果が得られることである。これにより、チューインガム物質は乾燥から保護され、それゆえ、結果として漏出を伴うチューインガム物質のひび割れを防ぐ。本発明によって適用されるチューインガム物質がシュガーレス又は無糖であるため、この保護効果は特に重要である。全般的に、コーティングは、本発明のチューインガム小片に貯蔵性の増大を付与する。
様々なコーティング材料が適用することができ、このコーティングの種類は、ハードコーティング、ソフトコーティング、皮膜コーティング若しくは当該技術分野で既知である任意の種類のコーティング、又はこのようなコーティングの組み合わせから選択され得る。コーティングは通常、コーティングされた充填チューインガム小片の10〜50重量%を構成し得る。
ハードコーティングとしては、糖コーティング及び無糖(又はシュガーレス)コーティング及びそれらの組み合わせが挙げられる。充填チューインガム小片の消費者による最初の食感として甘くバリバリとした層が所望される場合、ハードコーティングを適用することが有益である。また、ハードコーティングは、本発明により通常望まれる最も良好な保護効果を有する。チューインガム小片に保護糖コーティングを設ける一般的なプロセスでは、ガム中心部は、達成されるコーティング段階に応じて、他の機能的成分、例えば充填剤、着色剤、活性成分等を含有し得る結晶化可能な糖、例えばスクロース又はデキストロースの水溶液を用いて好適なコーティング設備中で逐次処理される。
本発明において、シュガーレス又は無糖コーティングが好ましく、コーティング剤は、例えばポリオール(例えばソルビトール、マルチトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチトール及びイソマルトを含む)、又は例えば単糖、二糖(例えばトレハロースを含む)であり得る。
代替的には、例えば、ポリオール又は例えばソルビトール、マルチトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチトール、イソマルト及びトレハロースを含む単糖、二糖のシロップを含む、無糖ソフトコーティングを適用してもよい。
さらに、皮膜形成剤、例えばセルロース誘導体、化工デンプン、デキストリン、ゼラチン、ゼイン、セラック、アラビアガム、植物ガム、合成ポリマー等、又はそれらの組み合わせを含む、皮膜コーティングを適用してもよい。
本発明によるコーティングは通常、少なくとも甘味料ポリオール、高度甘味料及び風味料を含み得る。
本発明の一実施形態によれば、コーティングは、グルコース、スクロース、デキストロース等の糖を含む。
一般的に、本発明の或る特定の実施形態では、コーティング材料中に少なくとも1種類の添加剤成分を含むことが好まれ得る。このような添加剤成分の例としては、結合剤、吸湿成分、皮膜形成剤、分散剤、粘着防止成分、増量剤、風味料、着色剤、薬学的又は美容的に活性な物質等の活性成分、脂質成分、蝋成分、及び酸が挙げられる。
本発明によるコーティングされた充填チューインガム小片は、このチューインガム小片を任意の従来のコーティングプロセスを用いてコーティング可能にする、任意の形態、形状又は寸法を有し得る。
最終チューインガム小片の外観は、例えば、ペレット、クッション状ペレット、タブレット、チャンク、香錠、丸剤、ボール及び球状であってもよく、通常、充填チューインガムの重量は、例えば、0.5〜15g、好ましくは約1〜5gの範囲内であり得る。
図1A〜図1Cを見ると、これらの図は、本発明の一実施形態による充填チューインガム小片を調製するのに用いられ得る連続プロセスの要素の概略図を示している。
図示されるチューインガム製造プロセスは、ロープサイジング装置11へと送り出す(feeding)ロープ押出機10を備える。ロープサイジング装置11は再度、タブレット形成機構12へ送り出し、また、冷却機構13へ適宜送り出す。さらに、この機構は、粘着防止剤のためのコンディショニング機構14を備える。中間機構15は、先の製造プロセス及びコーター16を備える次のコーティングプロセスに接続している。最終的に、製造プロセスは、貯蔵又は梱包機構17で終わりとなる。
チューインガム物質と内部充填物材料とを含む最初の供給材料Iを、Iの矢印で示されるように押出機内に導入する。粘着防止剤4を、製造プロセスの間にコンディショニング機構14を用いて、押出された充填チューインガムのロープ3に付与する。押出されたロープ3がロープサイジング装置11又はタブレット形成機構12を進む間に、粘着防止剤4を付与してもよく、又は、別の機構の前後で粘着防止剤4を付与してもよい。例えば、図1A及び図1Bは、タブレット形成機構12の前か又はその内部で添加される粘着防止剤のための異なる付与位置を示す。タブレット形成機構12において、個々のチューインガム小片5を形成する。粘着防止剤が付与された以外はチューインガム小片5はコーティングされていない。コーティング材料IIをコーター16内に導入し、またチューインガム小片5をコーティングして、コーティングされた最終チューインガム小片7を形成する。このコーティングされた最終チューインガム小片7は、梱包プロセスに移されるまで貯蔵されるか、又は直ちに梱包される。
初めに、例えばZブレードミキサーにおいて、未加工のものであるか又は事前調製されたチューインガムペレットの再混合物として、チューインガム物質を混合する。代替的には、混合は連続プロセスにおいて直接行うことができる、すなわち、チューインガム物質を押出機内で混合することができる。混合の間に温度を上げて、チューインガム物質の凝集塊を得る。
チューインガム物質をバッチプロセスにおいて別個のミキサー内で混合させる場合、所望のテクスチャーが得られたときにこれを押出機10に移す。チューインガム物質を代替的に連続プロセスにおいて製造する場合、図示される押出機10により既知の方法でこの混合を行ってもよい。
チューインガムのロープ3の押出は、30〜90℃の範囲の温度で行うことができ、例えば押出機10を35〜50℃の温度まで加熱してもよく、また、押出機10は、内部充填物材料を注入しながらチューインガム物質のロープを押出す。内部充填物として導入される材料は好ましくは、液体又はペーストであってもよく、且つ/又は粉末、バリバリとした粒子、又は他の不溶性物質を含んでいてもよい。充填物は通常、少なくとも甘味料と、風味料とを含み得るため、20℃のような標準的な貯蔵温度に冷却されると、充填材料の粘稠度は、流体状、ペースト状、並びに固体状となり得る。
本発明の一実施形態において、押出機10によって押出される前に混合又は再混合させるため、押出機内に供給されるチューインガム物質を、少なくとも約15分間、待機又は留めておいた。
押出された充填チューインガムのロープ3の様々な例の断面を図2A〜図2Dに示した。チューインガム物質1は、内部充填物材料2を封入又は取り囲む。この内部充填物材料2は、ロープ中の中心に又は中心から離れた所に様々な形状で見ることができる。内部充填物2は、例えば、おおよそ円形又は楕円形として見ることができ、また、図2Dに図示されるように、チューインガムのロープ3内部における充填物材料2の複数のストリングとして押出されてもよい。
押出後直ちに又は間もなく、コンディショニング機構14によってロープに粘着防止剤4を付与する。粘着防止剤4、例えばタルクを、ロープ表面上に例えば散布又は散粉させてもよい。必要であれば、粘着防止剤4を、ロープサイジング機構11前に、又はロープサイジング機構11において直接再付与してもよい。ここで、ロープサイジングホイールは、或る特定の所望のサイズの小片を形成するために、所望の直径までロープ3の直径を連続的に小さくすることができる。粘着防止剤を付与して粘着性を防止した場合、チューインガムのロープ3は、比較的小さい直径及び内部充填物を囲む比較的小さい壁の厚さ(例えば、2mmの壁の厚さとしてもよい)までサイズを小さくできることが分かった。
ロープサイジングした後、充填チューインガムのロープ3は、タブレット形成機構12へ送られ、個々のチューインガム小片5がロープから切り出されて形成される。例えば、様々な形状の型抜き具を用いることにより、様々な種類のタブレット形態を製造することができる。ここでの多数の例のいくつかを図3A〜図3Hに示す。図3A〜図3Hにおいて、小片は、コーティングされていない形態で図示されており、それゆえ、タブレット形成機構12により生じるチューインガム小片の中央付近のベルトのようなマークが認識できる。図3A〜図3Hに示される小片は、長手方向に例えば10〜50mmの長さを有していてもよく。小片3A〜小片3Hはそれぞれ別々に考えられる。
最終的に、コーティングされた最終タブレット5を、適宜冷却手段13によって、能動的に例えば冷却トンネルを用いて冷却して、又は受動的に製造領域の環境温度の結果、冷却させる。
心地よい甘み又は風味付けされた表面を有するタブレットを調製するために、チューインガム小片をコーティングし、コーティングされた最終チューインガム小片7を形成する。このコーティングされた最終チューインガム小片7も図4A及び図4Bに図示する。図4A及び図4Bは、本発明の充填チューインガムタブレットが、内部充填物2を囲み、粘着防止剤4を備え、且つコーティング6でコーティングされるチューインガム物質1を含むことを示している。製造中に、コーティングされていないタブレット上に付与される粘着防止剤4は、タルク等の粘着防止剤4上を直接咀嚼しているときに極めて望ましくない口触りをもたらすため、コーティングされていないタブレットをコーティング層6で覆うことが重要である。このコーティング層は、快い最初の味をもたらし、快い最初の食感をもたらすように作用する。コーティング層は、硬くバリバリとしたコーティングであることが多いが、他のタイプのコーティングを適用することもできる。ソフトコーティング又は皮膜コーティングが望まれることもあり、代替的には、コーティングは、甘い物、タフィー等の或る種のキャンディ、甘草、又はチョコレートを含んでいていもよい。
押出、ロープサイジング及び小片形成のプロセスは、本発明の一実施形態において、30〜100℃の範囲、好ましくは35〜75℃の範囲、一般的に約45〜55℃の温度で実行され得る。高温によってチューインガム物質が、改良された成形性、粘着性及び伸張性を得るということが実験により示された。実験の際、充填されたタブレット又は小片を押出、切断及び形成するプロセス中に温度を下げ過ぎた結果、チューインガム物質の伸長及び柔軟性に関する問題が大幅に増すことが分かった。個々のチューインガム調合物の最適な成形温度未満の温度の減少がたとえわずかであっても漏出の問題が生じる。
したがって、チューインガムのロープを押出し、且つこれを成形してタブレットを形成するために、伸張性及び成形性が重要である。同様に、粘着特性は、小片形成機構において切り離され且つ成形された、チューインガムのロープの各小片の末端において迅速で効果的な閉鎖を容易にするために必須であった。しかしながら、粘着性は、小片を閉鎖するために必要であるが、チューインガム物質が機械にくっついてしまうため、大きな問題ももたらす。この問題は、押出機における、ロープサイジング機構、及びタブレット形成機構の両方で経験される。問題が粘着防止剤の付与によって解決され得ることが、実験により示された。