JP2008526304A - エラストマー性係合要素を有する締結システム及びそれを用いて形成された吸収性物品 - Google Patents

Abstract

雄部品及び雌部品を含む、改善された機械的締結システムが示されている。雌部品は、雄部品と取り外し可能な状態で係合することができ、雌部品は、エラストマー性繊維の層から成る繊維性ウエブを含む。改善された機械的締結システムを使用した使い棄て吸収性物品が、示されている。
【選択図】図６Ａ

Description

取り外し可能で、再締結可能な機械的締結システムは、今日の社会では広くいきわたっている。例えば、フック・ループ型締結用具という意味での機械的締結用具は、オムツ、訓練用パンツ、失禁用製品及び女性用ケアー製品などの使い棄て吸収性物品のような着用可能な衣類において有効である。機械的締結用具は、物品を人の身体又は衣類に締結することを可能とし、使用後に衣類から簡単に取り外すことを可能とし、点検後にオムツが清浄であることが分かった時などには多数回にわたって衣類を再締結可能とするなどの種々異なる機能的有益性を、このような製品に提供することができる。

しかしながら、従来の技術の締結システムは、様々な点で欠点を持っていた。例えば、着用者に使い棄て吸収性物品を固定するために使用される機械的締結システムは、着用者が動く間に応力を受けることとなる。例えば、幼児にオムツ及び訓練用パンツを固定するフック・ループ型システムは、幼児が、這う、走る、跳ぶ及び他の動きをする時に、応力を生じる力を受ける。これらの応力を生じる力は、フック部品をループ部品から離れる方向に引っ張り、該フック部品をループ部品から外れさせる可能性がある。従来のフック部品は比較的剛性で伸長可能ではなく、かつ、従来のループ繊維は、比較的伸長可能ではないので、フックとループ部品の間の接合には、ほとんど「あそび」が存在しない。その結果、前述した応力は、フックとループ部品は互いが係合解除される結果となることがあり、衣類が着用者から緩くなる原因となる。更に、このような応力は、非常に細い場合があるループ繊維を破断する原因となり、介護人により点検された後、着用者に訓練用パンツ又はオムツを再締結しようとする時などに、フック部品を正確に再係合させることが不可能となる。これらの性能的問題点に打ち勝つ機械的締結システムは、従来の技術には欠けている。更に、これらの締結問題を避ける使い棄て吸収性物品が必要とされる。

米国特許第４，７０４，１１６号公報 米国特許第４，６４０，７２６号公報 米国特許第５，７６６，３８９号公報 米国特許第４，９４０，４６４号公報 米国特許第５，２２４，４０５号公報 米国特許第５，１０４，１１６号公報 米国特許第５，０４６，２７２号公報 米国特許第４，６６３，２２０号公報 米国特許第５，２２６，９９２号公報 欧州特許出願番号ＥＰ０２１７０３２ 米国特許第４，９８４，３９９号公報 米国特許第５，３３９，４９９号公報 米国特許出願公開番号２００４／０１１０４４２ 米国特許第５，４７０，６３９号公報 米国特許第５，９９７，９８９号公報 米国特許第５，１０８，８２０号公報 米国特許第４，７９５，６６８号公報 米国特許第５，５４０，９９２号公報 米国特許第５，３３６，５５２号公報 米国特許第５，４２５，９８７号公報 米国特許第５，３８２，４００号公報 米国特許第６，２２５，２４３号公報 米国特許第５，８５８，５１５号公報

上記に概略を示した問題点に対して、新しい機械的締結システムが発明された。新しい機械的締結システムは、特定的には、使い棄て吸収性物品で使用するのに良好に適している。

一態様においては、本発明は、雄部品及び雌部品を含む機械的締結システムに関する。雄部品は、複数の雄係合要素を含み、雌部品は、雄係合要素と取り外し可能な状態で直接係合するようにされた複数の雌係合要素を含み、雌係合用要素は、エラストマー性繊維を含み、エラストマー性繊維は互いに合わさって繊維性ウエブを定める。

別の態様においては、本発明は、身体側ライナー及び衣類側外カバー、及びライナーと外カバーの間に挟まれた吸収性組立体から成るシャーシを含む使い棄て吸収性物品に関する。使い棄て吸収性物品は、雄部品及び雌部品を含む機械的締結システムを含む。雄部品は、複数の雄係合要素を含み、雌部品は、雄係合要素と取り外し可能な状態で直接係合するようにされた複数の雌係合要素を含み、エラストマー性繊維を含み、該エラストマー性繊維は、互いが合わさって繊維性ウエブを定める。

本発明のある態様のエラストマー性ループ材料は、特定的実施形態において、締結システムの性能に利益をもたらす。例えば、機械的締結システムが、上記したように、使用時に応力を受ける場合は、締結システムの雄部品と雌部品間の接合において、エラストマー性繊維はある程度の量の「あそび」（すなわち、自由な動き）を付与するように伸び、限られた量の応力の下では、締結を維持するという締結システムの能力を高める。更に、特定の実施形態においては、ループ繊維が滑るか、又は雄締結要素が「外れる」ようなある程度の量を雄締結要素が回転するまで、エラストマー性ループ繊維は、雄締結要素と係合したままである。エラストマー性ループ材料は、雄締結部品が限られた平面的及び回転運動をする間、雄係合部品と係合したままであり（エラストマー性ループ繊維が、伸びて、システムに「あそび」を付与する力による）、システムの１又はそれ以上の締結部品に、大きい量の剥離力及び上向きの除去角度が付与された時だけ係合解除する（介護人が、点検又は物品の除去のために締結器具を意図的に取り外そうと努力する時など）ので、この特性は、使い棄て吸収性物品において有益となる。

本発明の上記した特性及び他の特性、更にこれらを得る方法は、一層明らかとなるであろうし、更に本発明自体は、添付された図面と組み合わせて述べられた本発明の実施形態についての以下の説明を参照することにより、更に理解されるであろう。

対応する参照番号は、図面を通して対応する部分を示す。

（定義）
本発明の内容において、各々の用語又は語句は、次のような意味を含む。

「接着された」は、２つの要素が、接合される、接着剤接合される、結合される、取り付けられる、又は同様のことを意味する。２つの要素が互いに直接接着されているか、又は各々が中間要素に直接接着されている時のように、互いに間接的に接着されている時に、２つの要素は、互いに接着されているとみなされる。

「含む」は、包括的又は制限なしであり、付加的な、述べられていない要素又は方法段階を排除するものではない。

「結合する」は、２つの要素を結合する、粘着する、接着する、取り付ける、又は同様のものを意味する。互いが直接取り付けられている時、又は各々が直接中間要素に取り付けられている時のように、互いが間接的に取り付けられている時に、２つの要素は、結合しているとみなされる。

「使い棄て」は、制限された使用の後、洗濯、又は再使用のために貯蔵されるのではなく、廃棄されることを意図した物品を意味する。

「配置された」、「に配置される」という用語及びこれらの変形は、１つの要素を他の要素と一体にすることができるか、又は１つの要素が他の要素に接着されているか、又は他の要素とともに配置され、或いは、他の要素の近くに配置される別個の構造とすることができるという意味である。

「弾性の」、「弾性化された」「弾性」及び「エラストマー性」は、変形を起こさせる力を取り除いた後、最初のサイズ及び形状を回復しようとする、材料又は複合体の特性を意味する。

「エラストマー性」は、弛緩した状態の長さの少なくとも２５パーセントだけ伸ばされ、付与された力を取り除いた時に、その伸びの少なくとも１０パーセントが回復することができる材料又は複合体を意味する。エラストマー性材料又は複合体は、弛緩した状態の長さの少なくとも１００パーセント、より好ましくは少なくとも３００パーセントまで伸ばされ、付与された力を取り除いた時に、その伸びの少なくとも５０パーセントが回復できることが、一般的には好ましい。

「伸長可能な」は、少なくとも１つの方向に延伸可能な又は伸びることができるが、十分に弾性とするほどには、十分に回復することができない材料又は複合体を意味する。

「布」は、すべての織成、編み及び不織繊維性ウエブを意味するものとして使用される。

「可撓性」は、しなやかで、着用者の身体全体の形状及び形態に順応しやすい材料を意味する。

「力」は、自由に動く物体を加速させ、動かない物体を変形させるような、１つの物体が別のものに与える物理的影響を含む。

「図形」は、吸収性物品上に見られるあらゆる図案、パターン、又は同様のものを意味する。

「親水性」は、繊維と接触した状態で、水性液体により湿潤される繊維又は繊維の表面を示すものである。材料の湿潤の程度は、接触角度、及び含まれる液体及び材料の表面張力によって示される。特定の繊維材料又は繊維材料の混合物の湿潤性を測定するために適当な装置及び技術は、Ｃａｈｎ ＳＦＡ−２２２表面張力分析システム、又は実質的に同等のシステムにより提供される。このシステムで計測した場合、９０度より小さい接触角度を有する繊維は、「湿潤性」すなわち親水性を示し、９０度より大きい接触角度を有する繊維は、「非湿潤性」すなわち疎水性を示す。

「一体の」は、接着した又は共に置かれた、又は互いが近くに置かれた別個の構造ではなく、単一の一体要素の様々な部分を意味するものとして使用される。

「内側」及び「外側」は、吸収性物品の中央と比較した位置で、特定的には横方向及び／又は縦方向において、吸収性物品の縦方向中央及び横方向中央に近いか又は離れているかを意味する。

単数で使用される場合の「層」は、単一要素又は複数の要素という２つの意味を持つことができる。

層又は多層積層体を示す場合に使用される時の「液体不透過性」は、通常の使用条件の下で、尿などの液体が、液体接触した点で、層又は積層体の平面にほぼ垂直な方向に、層又は積層体を通過しないことを意味する。液体、又は尿が、液体不透過性層又は積層体の平面に、平行に拡がるか又は移動することができるものの場合には、これは、ここで用いられる「液体不透過性」の意味の範囲内とはみなされない。

「縦方向の」及び「横方向の」は、図２及び３に示される縦方向軸及び横方向軸によって示されているような、通常の意味を持つ。縦方向軸は物品の平面にあり、物品が着用された時、立っている着用者の身体を左右半分に二分する垂直平面にほぼ平行である。横方向軸は、縦方向軸にほぼ垂直な、物品の平面にある。示された物品は、縦方向の方が横方向より長い。

「部材」は、単数で使用される場合には、単一の要素又は複数の要素の２つの意味を持つことができる。

「不織」及び「不織ウエブ」は、布織り又は編み工程の介助なしに形成される材料及び材料のウエブを意味する。

「作動的に結合した」は、弾性部材が別の要素に取り付けられる場合には、該弾性部材が、該別の要素に取り付けられ又は接合され、或いは延伸又は同様のものにより、熱処理又は化学処理された時、弾性部材が要素に弾性特性を与えることを意味し、非弾性部材が別の要素に取り付けられる場合には、該部材及び該要素が、意図するか又は述べられた結合の機能を形成することが可能となるような又はそのようにさせる、あらゆる適当な方法で取り付けられることを意味する。結合、取り付け、接合又は同様のものは、部材が直接要素に結合される場合のように直接的であるか、或いは第一部材と第一要素の間に配置された別の部材による間接的なものであるかのいずれかとすることができる。

「外カバー図形」は、衣類の外側表面を点検した時に直接見ることができる図形を意味し、再締結可能な衣類に関しては、締結システムが使用中の状態のように係合されている状態で衣類の外側表面を点検した時に直接見ることができる図形を意味する。

「永久的に接着した」は、吸収性衣類を通常に使用する条件の下で、要素が接着された状態にある傾向を持ち、かつ、接着したままであるように、吸収性衣類の２つの要素が、結合され、粘着され、接合され、取り付けられ、又は同様の状態となるものを意味する。

「再締結可能な」は、２つの要素が、取り付け可能、分離可能、及びその後の再取り付けが可能であるような特性を意味する。

「取り外し可能な状態で取り付けられた」、「取り外し可能な状態で係合された」及びこれらの変形は、１つ又は両方の要素に付与される分離力がない場合には接合したままであり、かつ、これら要素は、実質的な永久変形又は破壊することなく分離することが可能であるように、２つの要素が接合されるか又は接合可能であることを意味する。必要とされる分離力は、典型的には、吸収性衣類を着用する間に遭遇する力を超えるものである。

「破壊」は、材料の破断又は引き裂きを意味し、引張テストにおいては、この用語は、一度に又は段階を追ってのいずれかで材料が完全に２つの部分に分離するか、或いは幾つかの材料においては、孔が大きくなることを意味する。

「延伸接着した」は、弾性部材が、弛緩した状態の長さの少なくとも約２５パーセントが延伸された状態で、別の部材に接着されている弾性部材を意味する。望ましくは、「延伸接着した」という用語は、他の部材と接着した時に、弾性部材が、その弛緩した状態の長さの少なくとも約１００パーセント、より望ましくは少なくとも約３００−６００パーセントだけ延びるような状況を意味する。

「延伸接着した積層体」は、１つがギャザー寄せ可能な層で、もう一方が弾性層である少なくとも２つの層を有する複合体材料を意味する。これらの層は、弾性層が延びた状態の時に互いが結合され、層が弛緩した時にギャザー寄せ可能な層がギャザー寄せされる。

「表面」は、あらゆる層、フィルム、織成物、不織物、積層体、複合体、又は同様のものを含み、空気、気体、及び／又は液体に透過性又は不透過性である。

「引張」は、本体を伸長させようとする単一軸方向の力、又は延びに抵抗しようとする本体内の平衡力を含む。

「熱可塑性」は、熱に曝された時に柔軟になり、室温に冷却された時に、実質的に非柔軟な状態に戻る材料を示す。

これらの用語は、本発明の残りの部分において、付加的言語で定められることがある。

本発明は、新しい締結システムを使用する、使い棄て吸収性物品などの使い棄て物品についての一態様に関する。本発明の範囲内の使い棄て物品の例は、オムツ、訓練用パンツ、失禁用衣類、女性用ケアーパッド、使い棄ての比較的に非吸収性である衣類、及び同様のものを含む。説明の目的のために、本発明の使い棄て物品の態様は、子供用訓練用パンツの内容で説明され、代表的実施形態が図１−５に示される。

図１は、本発明による訓練用パンツ２０の一実施形態を、部分的に締結した状態で示したものである。訓練用パンツ２０は、吸収性本体３２及び締結システム８０を含む。吸収性本体３２は、前腰部領域２２、後腰部領域２４、前及び後腰部領域に相互接合する股部領域２６、着用者に接触するように形成された内側表面２８、着用者の衣類と接触するように形成された内側表面と、反対側の外側表面３０を定める。図２及び３を更に参照すると、吸収性本体３２は、１対の横方向両側の側縁３６、及び１対の縦方向両側の腰部縁を定め、前腰部縁３８及び後腰部縁３９を有する。前腰部領域２２は、前腰部縁３８と連続しており、後腰部領域２４は、後腰部縁３９と連続している。

示された吸収性本体３２は、長方形複合体構造３３、１対の横方向両側の前側部パネル３４、及び１対の横方向両側の後側部パネル１３４を定める。複合体構造３３及び側部パネル３４及び１３４は、図１に示されるように、一体に形成されるか、又は２つ又はそれ以上の分離した要素から成るものとすることができる。示された複合体構造３３は、外カバー４０、該外カバーに重なる関係で接合される身体側ライナー４２（図３）、外カバーと身体側ライナーの間に位置する吸収性本体４４（図３）、及び１対の収容フラップ４６（図３）を含む。示された複合体構造３３は、前及び後腰部縁３８及び３９の部分を形成する両側のライナー端部縁４５、及び吸収性本体３２の側縁３６（図２及び３）の部分を形成する両側のライナー側縁４７を含む。参照のために、矢印４８及び４９は、それぞれが、図２及び３で示された訓練用パンツ２０の縦方向軸及び横方向軸の方向を示す。

図１に部分的に示されているような締結された状態における訓練用パンツ２０では、前及び後腰部領域２２及び２４は、互いに結合されて、腰部開口５０及び一対の脚部開口５２を有する三次元パンツ形態を定める。前腰部領域２２は、着用中、着用者の前部に位置決めされる訓練用パンツ２０の部分を含み、後腰部領域２４は、着用中、着用者の後部に位置決めされる訓練用パンツの部分を含む。訓練用パンツ２０の股部領域２６は、着用中、着用者の脚部の間に位置決めされ、着用者の下胴部を覆う訓練用パンツの部分を含む。前及び後側部パネル３４及び１３４は、着用中、着用者の臀部に位置決めされる訓練用パンツ２０の部分を含む。吸収性本体３２の前腰部領域２２は、横方向両側の前側部パネル３４、及び側部パネルの間に位置決めされ、側部パネルと相互接合する前中央パネル３５（図２及び３）を含む。吸収性本体３２の後腰部領域２４は、横方向両側の後側部パネル１３４、及び側部パネルの間に位置決めされ、側部パネルと相互接合する後中央パネル１３５（図２及び３）を含む。吸収性本体３２の腰部縁３８及び３９は、着用中、着用者の腰部を囲むように形成され、腰部周辺の寸法を定める腰部開口５０を形成する。股部領域２６の横方向両側における側縁３６の部分は、全体的に脚部開口５２を定める。腰部領域２２及び２４は結合して、パンツ２０の腰部開口５０の周囲を囲む腰バンド７５（図１及び４）を定める。腰部領域２２及び２４は結合して、パンツ２０を囲む臀部部分７７（図１及び４）を定め、これは腰バンド７５と脚部開口５２の間に位置する。

吸収性本体３２は、着用者から排出されたあらゆる身体排出物を含むように、及び／又は吸収するように形成される。例えば、吸収性本体３２は、必須ではないが、１対の収容フラップ４６を含むことが望ましく、これは身体排出物の横方向流出にバリアを形成する。フラップ弾性部材５３（図３）は、当業者によく知られているあらゆる適当な方法で、各々の収容フラップ４６に作動的に結合される。弾性化した収容フラップ４６は、訓練用パンツ２０の少なくとも股部領域２６において、直立形態を呈する、取り付けられていない縁部を定め、着用者の身体に対してシールを形成する。収容フラップ４６は、吸収性本体３２の横方向両側の側縁に沿って置かれ、吸収性本体の全体の長さに沿って縦方向に延びることができるか、又は吸収性本体の長さに沿って、部分的にだけ延びることができる。収容フラップ４６のための適当な構成及び配列は、概略的に当業者によく知られており、１９８７年１１月３日付けのＥｎｌｏｅの米国特許第４，７０４，１１６号に記載されており、この特許は引用によりここに組み入れられる。

身体排出物の収容及び／又は吸収を更に促進するために、当業者に知られているように、訓練用パンツ２０は、必須ではないが、前腰部弾性部材５４、後腰部弾性部材５６、及び脚部弾性部材５８を含むことが望ましい（図３）。腰部弾性部材５４及び５６は、両側の腰部縁３８及び３９に沿って、外カバー４０及び／又は身体側ライナー４２に作動的に結合することができ、腰部弾性部材が、完全に組立てられたパンツにおいて、腰バンド７５に置かれるように、腰部縁の部分又は全体にわたって延びることができる。

脚部弾性部材５８は、望ましくは、外カバー４０及び／又は両側の側縁３６に沿った身体側ライナー４２に作動的に結合され、訓練用パンツ２０の股部領域２６に位置決めされる。脚部弾性部材５８は、複合体構造３３の各々の側縁４７に沿って、縦方向に配列される。各々の脚部弾性部材５８は、前末端点６３及び後末端点６５を有し、これらの点は、脚部弾性部材により形成された弾性ギャザー寄せの縦方向端部を表わす。前末端点６３は、前側部パネル３４の縦方向に最も内側の部分に近接して位置することができ、後末端点６５は、後側部パネル１３４の縦方向に最も内側の部分に近接して位置することができる。

フラップ弾性部材５３、腰部弾性部材５４及び５６、及び脚部弾性部材５８は、適当な弾性材料のいずれかで形成される。当業者によく知られているように、適当な弾性材料は、天然ゴムのシート、ストランド又はリボン、合成ゴム、又は熱可塑性エラストマー性ポリマーを含む。弾性材料は、延伸して基材に粘着するか、ギャザー寄せした基材に粘着するか、又は基材に粘着した後に、例えば熱の付与により弾性圧縮力が基材に与えられて、弾性化又は収縮することができる。１つの特定の実施形態においては、例えば、脚部弾性部材５８は、米国カンザス州ウイチタのＩｎｖｉｓｔａより入手可能なＬＹＣＲＡという商標名で販売される、ドライスピニング法で撚り合わされた複数のマルチフィラメントスパンデックスエラストマー性糸を含む。

特定の実施形態においては、腰部弾性部材５４及び５６は、収縮材料で形成される。例えば、腰部弾性部材５４及び５６は、米国特許第４，６４０，７２６号に記載されているような、熱源により活性化された時に収縮するようになるエラストマー性材料で形成することができる。

外カバー４０は、実質的には液体不透過性である材料を含むことが望ましく、弾性又は非弾性とすることができる。外カバー４０は、液体不透過性材料の単一層とすることができるが、少なくとも１つの層が液体不透過性である多層積層体構造を含むことが望ましい。例えば、外カバー４０は、積層体接着、超音波接着、熱接着、又は同様のものにより互いに適当に結合される液体透過性外カバー層及び液体不透過性内側層を含むことができる。ビーズ、スプレー、平行渦巻き、又は同様のもののように、連続的に又は断続的に付与される、適当な積層体接着剤は、米国ウイスコンシン州ウオーワトサのＦｉｎｄｌｅｙ Ａｄｈｅｓｉｖｅｓ，Ｉｎｃ．、又は米国ニュージャージー州ブリッジウオーターのＮａｔｉｏｎａｌ Ｓｔａｒｃｈ ａｎｄ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏｍｐａｎｙより得ることができる。液体透過性外側層は、あらゆる適当な材料とすることができ、更に全体的に布のような手触りを与えるものが望ましい。このような材料の一例は、２０ｇｓｍ（グラム／平方メートル）のスパンボンドポリプロピレン不織ウエブである。外側層は、本発明により与えられたようなエラストマー性材料で形成され、カバー４０の外側表面全体を覆う、一体で、機能的なループ材料を構成する。外側層は、液体透過性である必要はないが、着用者に比較的布のような手触りを与えることが望ましい。

外カバー４０の内側層は、液体及び蒸気の両方に不透過性とすることができるか、又は液体不透過性で、かつ蒸気透過性とすることができる。内側層は、薄い可塑性フィルムから製造されることが望ましいが、他の可撓性液体不透過性材料も使用することができる。内側層、又は単一層の場合の液体不透過性外カバー４０は、ベッドシート及び布などの物品、並びに着用者及び介護人などが排出物で湿潤することを防止する。液体不透過性内側層、又は単一層の液体不透過性外カバー４０として使用するための適当な液体不透過性フィルムは、米国バージニア州ニューポートニューズのＨｕｎｔｓｍａｎ Ｐａｃｋａｇｉｎｇより商業的に入手可能な、０．０２ミリメートルのポリエチレンフィルムである。外カバー４０が単一層の材料の場合は、一層布のような外観を与えるために、エンボス加工及び／又はつや消し仕上げが成される。先に述べたように、液体不透過性材料は、使い棄て吸収性物品の内部から蒸気を逃がすことができるが、液体が外カバー４０を通過することは妨げる。適当な「通気性」材料は、マイクロポーラスポリマーフィルム又は望ましい程度の液体不透過性を与えるために被覆され又は処理された不織布で形成される。適当なマイクロポーラスフィルムは、日本の東京の三井東圧化学株式会社から商業的に入手可能なＰＭＰ−１フィルム材料、又は米国ミネソタ州ミネアポリスの３Ｍ Ｃｏｍｐａｎｙから商業的に入手可能なＸＫＯ−８０４４ポリオレフィンフィルムである。

図１及び２に示されるように、訓練用パンツ２０、そして特定的には外カバー４０は、１つ又はそれ以上の外観関連部品を含むことが望ましい。外観関連部品の例は、これらに制限されるものではないが、図形、物品の形状が使用者にとって一層明確になるか又は見えるようにするために、脚部及び腰部開口を目立たせるか又は強調すること、男の子用のジッパー付開口、女の子用のひだ飾りを模倣した弾性脚部バンド、弾性腰部バンドなどの機能的部品を模倣するために製品の領域を目立たせるか又は強調すること、製品の大きさの外観を変化させるために製品面積を目立たせること、製品の湿潤指標、温度指標、及び同様のものを記録すること、製品に後ラベル、又は前ラベルを記録すること、及び製品の望ましい位置に書かれた指示を記録することを含む。

示された訓練用パンツ２０は、小さい女の子が使用するために設計されたものであり、位置合わせされた外カバー図形６０を含む。この設計においては、位置合わせされた図形６０は、主に絵の画像６１、模擬腰部ひだ飾り６２、及び模擬脚部ひだ飾り６４を含む。主に絵の画像６１は、虹、太陽、雲、動物、ワゴン、及び風船を含む。あらゆる適当な設計を、小さい女の子が使用することを目的とした訓練用パンツに利用することができ、美的に及び／又は機能的に、女の子及び介護人を喜ばせるものである。外観関連部品は、選択された位置で訓練用パンツ２０に位置決めされることが望ましく、これは引用によりここに組み入れられる１９９８年６月１６日付けのＢｒａｎｄｏｎ他の米国特許第５，７６６，３８９号に記載された方法を使用して実行することができる。主な絵の画像６１は、訓練用パンツ２０の縦方向中央線に沿って、前腰部領域２２に位置決めされることが望ましい。

液体透過性身体側ライナー４２が、外カバー４０及び吸収性組立体４４に重なるように示されており、これは外カバー４０と同じ寸法を有するものとすることができるが、必須ではない。身体側ライナー４２は、しなやかで、柔らかい感触を持ち、更に子供の肌に刺激がないことが望ましい。更に、身体側ライナー４２は、吸収性組立体４４よりあまり親水性ではないものとし、着用者に比較的乾燥した表面を提供し、更にその厚さを通して液体を透過しやすくする。代替的には、身体側ライナー４２は、より親水性とすることができるか、又は本質的に吸収性組立体４４と同じ湿分親和性を有するものとして、着用者に、湿潤したという感覚を増加させるために、比較的湿潤した表面を提供することができる。親水性／疎水性特性は、身体側ライナー４２及び吸収性組立体４４の長さ、幅及び深さにわたって種々異ならせることができ、望まれる湿潤感覚又は漏れ性能を達成することができる。

身体側ライナー４２は、合成繊維（例えば、ポリエステル又はポリプロピレン繊維）、天然繊維（例えば、木質又は綿繊維）、天然繊維と合成繊維の組み合わせ、多孔性発泡体、網状発泡体、孔あき可塑性フィルム、又は同様のものなどのウエブ材料から広く選択して製造することができる。様々な織成及び不織布を、身体側ライナー４２に使用することができる。例えば、身体側ライナーは、ポリオレフィン繊維のメルトブローン又はスパンボンドウエブで形成することができる。身体側ライナーは、天然繊維及び／又は合成繊維から成るボンデッドカーデッドウエブとすることができる。身体側ライナーは、本発明により形成されたようなエラストマー性材料で形成することができ、身体側ライナー４２の表面全体を覆う一体で機能的なループ材料を構成することができる。身体側ライナーは、実質的に疎水性材料で形成することができ、疎水性材料は、任意ではあるが、望ましい程度の湿潤性及び親水性を与えるために表面活性剤で処理されるか又は加工される。例えば、材料は、約０．４５重量パーセントの米国ノースカロライナ州マウントホリーのＨｏｄｇｓｏｎ Ｔｅｘｔｉｌｅ ＣｈｅｍｉｃａｌｓからのＡｈｃｏｖｅｌ Ｎ−６２とペンシルベニア州アンブラーのＨｅｎｋｅｌ ＣｏｒｐｏｒａｔｉｏｎからのＧｌｕｃｏｐａｎ２２０ＵＰを活性比３：１で混合した表面活性剤で表面処理することができる。表面活性剤は、スプレー、印刷、ブラシ被膜又は同様のものなどの、あらゆる従来の手段により付与することができる。表面活性剤は、身体側ライナー４２全体に付与するか、又は縦方向中央線に沿った中間部分などの、身体側ライナーの特定の部分に選択的に付与することができる。

適当な液体透過性身体側ライナー４２は、約２７ｇｓｍの基本重量を有する不織二成分ウエブである。不織二成分ウエブは、スパンボンド二成分ウエブ、又はボンデッドカーデッド二成分ウエブとすることができる。適当な二成分ステープル繊維は、日本の大阪のチッソから入手可能なポリエチレン／ポリプロピレン二成分繊維を含む。この特定の二成分繊維においては、ポリプロピレンは繊維の芯を形成し、ポリエチレンは繊維の鞘を形成する。複突部、横方向並列配置、端部突合せ、又は同様のものなどの他の繊維配向も可能である。

吸収性組立体４４（図３）は、外カバー４０と身体側ライナー４２との間に位置決めされ、この部品は、接着剤、超音波接着、熱接着、又は同様のものなどのあらゆる適当な手段によって互いが結合される。吸収性組立体４４は、一般的には圧縮可能で、心地よく、子供の肌に刺激のないあらゆる構造とすることができ、液体及びある種の身体排出物を吸収して、保持することが可能である。吸収性組立体４４は、広く種々異なる大きさ及び形状、及び当技術分野で共通して使用される、広く種々異なる液体吸収体から製造することができる。例えば、吸収性組立体４４は、適当なものとして、超吸収性材料として一般的に知られている、高吸収性材料の粒子と混合されたセルロースフラフのウエブなどの親水性繊維のマトリックスを含むことができる。特定の実施形態においては、吸収性組立体４４は、木質パルプフラフなどのセルロース系フラフ、及び超吸収性ヒドロゲル形成粒子のマトリックスを含む。木質パルプフラフは、合成繊維、ポリマー性繊維、メルトブローン繊維又は短く切り取られたホモフィラメント又は二成分合成繊維及び天然繊維と互換することができる。超吸収性粒子は、実質的に均一に親水性繊維と混合されるか、又は非均一に混合される。フラフ及び超吸収性粒子は、身体排出物を良好に収容して吸収するように、吸収性組立体４４を望ましい領域に選択して配置することができる。超吸収性粒子の濃度は、吸収性組立体４４の厚さによって変化させる。代替的には、吸収性組立体４４は、繊維性ウエブの積層体及び超吸収性材料、又は局所的領域に超吸収性材料を維持する他の適当な手段を含むことができる。

適当な超吸収性材料は、天然、合成、及び変成天然ポリマー及び材料から選択される。超吸収性材料は、シリカゲルなどの無機材料、又は架橋結合ポリマー、例えば中和されたポリアクリル酸ナトリウムなどの有機化合物とすることができる。適当な超吸収性材料は、米国ミシガン州ミッドランドに所在するＤｏｗ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏｍｐａｎｙ、ドイツ連邦共和国クレーフェルドＤ−４７８０５のＳｔｏｃｋｈａｕｓｅｎ ＧｍｂＨ ＆Ｃｏ．ＫＧなどの様々な商業的供給元から入手可能である。典型的には、超吸収性材料は、水の中において、その重量の少なくとも約１５倍を吸収することが可能であり、望ましくは水において、その重量の約２５倍より多く吸収することが可能である。

一実施形態においては、吸収性組立体４４は、ほぼ長方形の形状であり、木質パルプフラフと超吸収性材料の混合物を含む。１つの好ましいパルプの型は、米国アラバマ州チルダーズバーグのＵ．Ｓ．Ａｌｌｉａｎｃｅより入手可能な、商標ＣＲ１６５４と特定され、これは、漂白されて、主に軟材繊維と約１６パーセントの硬材繊維を含む、高吸収性硫酸塩木質パルプである。一般的に、超吸収性材料は、超吸収性組立体の総重量に基づいて約５から約９０重量パーセントの量で、超吸収性組立体４４に存在する。吸収性組立体４４は、適当なものとしては、約０．１０から約０．３５グラム／立方センチメートルの範囲内の密度を有する。吸収性組立体４４は、適当なティッシュラップにより包まれるか又は囲まれ、或いは包まれないか又は囲まれないことがあり、これは吸収性組立体の一体性及び／又は形状を維持することを助けることができる。

吸収性本体３２は、主として液体を最初に受け取り、一時的に貯蔵し、及び／又は吸収性組立体４４と互いに向き合う表面に沿って液体を移動させ、これにより吸収性組立体の吸収能力を最大にするように設計されている他の材料を組み込むことができる。１つの適当な材料は、サージ層（図示されず）と呼ばれるもので、約５０から約１２０グラム／平方メートルの基本重量を有する材料を含み、ポリエステルの芯／ポリエチレンの鞘を含む３デニール型のＴ−２５６二成分繊維６０パーセントと、６デニール型のＴ−２９５ポリエステル繊維４０パーセントとを均一に混合した通気式ボンデッドカーデッドウエブを含み、これら両方の繊維は、米国ノースカロライナ州ソールズベリーのＫｏｓａ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎより商業的に入手可能である。

前述したように、図示した訓練用パンツ２０は、吸収性本体３２の各々の側部に配置される前及び後側部パネル３４及び１３４を有する。これらの横方向両側の前側部パネル３４及び横方向両側の後側部パネル１３４は、各々の前及び後腰部領域２２及び２４において、取り付け線６６に沿って、吸収性本体３２の複合構造３３に永久的に接着される。より特定的には、図２及び３に最もよく示されているように、前側部パネル３４は、前腰部領域２２において、複合構造３３の線状側縁４７に永久的に接着され、かつ側縁を越えて横方向に延びることができ、後側部パネル１３４は、後腰部領域２４において、複合構造の線状側縁に永久的に接着され、かつ側縁を越えて横方向に延びることができる。側部パネル３４及び１３４は、接着剤、熱又は超音波接着などの当業者に知られている取り付け手段を使用して取り付けることができる。代替的には、側部パネル３４及び１３４は、複合構造３３の部品の一部として形成される。例えば、側部パネルは、外カバー、身体側ライナー、及び／又は吸収性本体の他の構成部品における、全体的に広い部分を含むものとすることができる。

側部パネル３４及び１３４は、必須ではないが、着用者がパンツの締結用具を開くことなく、製品を引っ張り上げることができるような、十分に伸長可能性を備えた弾性特性を有することが好ましい。側部パネル３４及び１３４は又、着用中に、通常見ることができる延長部において十分な収縮張力を呈するようにして、締結用具を調節しなくとも着用中に良好な嵌合を確保できるものとすることが好ましい。上記したように、外カバー４０が弾性材料を含む場合には、側部パネル３４及び１３４は、あまり伸長可能性を必要とされない。代わるものとしては、パンツは、パンツの幅全体にわたって全体が延伸する材料を有することができ、単一材料部品として外カバー４０及び側部パネル３４及び１３４を含むことができる。側部パネル３４及び１３４の必要とされる延びは、製品の望ましい嵌合範囲、及び他の部品、例えば外カバー４０の延びとの相互作用によって求められる。

図示された側部パネル３４及び１３４各々は、取り付け線６６から間隔を持つ末端縁６８、訓練用パンツ２０の縦方向中央側に位置する脚部端部縁７０、及び訓練用パンツの縦方向端部側に位置する腰部端部縁７２を定める。脚部端部縁７０及び腰部端部縁７２は、複合構造３３の側縁４７から末端縁６８に向かって延びる。側部パネル３４及び１３４の脚部端部縁７０は、吸収性本体３２の側縁３６の部分を形成する。後腰部領域２４においては、脚部端部縁７０は、必須ではないが、横方向軸４９に対して湾曲及び／又は角度を持つことが望ましく、パンツの前部と比較すると、パンツの後部に向かって覆う範囲が大きくなるように形成する。腰部端部縁７２は、横方向軸４９と平行であることが望ましい。前側部パネル３４の腰部端部縁７２は、吸収性本体３２の前腰部縁３８の部分を形成し、後側部パネル１３４の腰部端部縁７２は、吸収性本体の後腰部縁３９の部分を形成する。

改善された嵌合性及び外観に対する特定の実施形態においては、側部パネル３４及び１３４は、縦方向軸４８と平行に計測した平均長さ寸法が、同じく縦方向軸４８と平行に計測した吸収性物品全体の長さ寸法の約１５パーセント又はこれより大きい、特定的には約２０パーセント又はこれより大きいことが望ましい。例えば、全体の長さ寸法が約５４センチメートルを有する訓練用パンツにおいては、側部パネル３４及び１３４は、約１５センチメートルなどの、約１０センチメートル又はこれより大きい平均長さ寸法を有することが望ましい。側部パネル３４及び１３４の各々が、腰部開口５０から１つの脚部開口５２に延びる場合、後側部パネル１３４は、図２及び３に最もよく示されているように、取り付け線６６から末端縁６８に向かって、連続して長さ寸法が減少する。

側部パネル３４及び１３４の各々は、１つ又はそれ以上の、個々の、異なる材料片を含むことができる。特定の実施形態においては、例えば、各々の側部パネル３４及び１３４は、シームで結合される第一及び第二側部パネル部分を含むことができるか、又は単一材料片を含み、それ自体を折り畳むことができる（図示されず）。側部パネル３４及び１３４は、必須ではないが、訓練用パンツ２０の横方向軸４９にほぼ平行な方向において、延伸可能な弾性材料を含むことが望ましい。適当な弾性材料、並びに弾性側部パネルを訓練用パンツに組み込む１つの方法は、１９９０年７月１０日付けのＶａｎ Ｇｏｍｐｅｌ他の米国特許第４，９４０，４６４号、１９９３年７月６日付けのＰｏｈｊｏｌａの米国特許第５，２２４，４０５号、１９９２年４月１４日付けのＰｏｈｊｏｌａの米国特許第５，１０４，１１６号、及び１９９１年９月１０日付けのＶｏｇｔ他の米国特許第５，０４６，２７２号に記載されており、これらすべての特許は引用によりここに組み入れられる。特定の実施形態においては、弾性材料は、延伸熱接合積層体、ネック付与状態で接着した積層体、可逆的にネック付与した積層体、又は延伸接着した積層体材料を含む。このような材料の形成方法は、当業者によく知られており、１９８７年５月５日付けのＷｉｓｎｅｓｋｉ他の米国特許第４，６６３，２２０号、１９９３年７月１３日付けのＭｏｒｍａｎの米国特許第５，２２６，９９２号、及び１９８７年４月８日付けのＴａｙｌｏｒ他の欧州特許出願番号ＥＰ０２１７０３２に記載されており、これらの特許のすべては引用によりここに組み入れられる。代替的には、側部パネル材料は、外カバー４０又は身体側ライナー４２に適当なものとして上記されたもの、機械的に予め歪まされた材料、又は伸長可能ではあるが非弾性の材料などの、他の織成又は不織材料を含むことができる。特定の実施形態においては、１つ又はそれ以上の側部パネル３４及び１３４は、収縮性材料で形成することができる。例えば、側部パネル３４及び１３４は、米国特許第４，６４０，７２６号に記載されているように、熱源により活性化された時、収縮するようになるエラストマー性材料で形成することができる。

図示された訓練用パンツ２０は、着用者の腰部周囲に訓練用パンツを再締結可能な状態で固定するための締結システム８０を含む。示された締結システム８０は、相手側の第二締結部品８４及び８５と再締結可能な状態で接合するようになる第一締結部品８２及び８３を含む。図６に代表的に示される一実施形態においては、第一締結部品８２及び８３の各々の１つの表面は、その表面から突き出す複数の係合要素１８２を含む。第一締結部品８２及び８３の係合要素は、第二締結部品８４及び８５の係合要素１８４と繰り返して係合及び係合解除するのに適している。

代替的に雄部品と呼ばれる第一締結部品８２及び８３、すなわちフック又はフック型部品は、代替的には雌部品と呼ばれる第二締結部品８４及び８５、すなわちループ又はループ型部品と正確に係合することができる、あらゆる形態を有することができる。特定の実施形態における雄部品は、基材又は裏あて構造８６（図６）を有する材料を含み、裏あて構造８６の少なくとも１つの表面から上方向に複数のフック部材１８２が延びる。フック材料８２は、該フック材料が変形して、布又は他の要素に引っかかるようになった結果、締結部品が意図せずに係合解除されることを最小にするために、弾性材料を含むことが有益である。ここで用いられる「弾性」という用語は、所定の形状を有する相互係合材料、及び相手側の相補的係合する相互係合材料に対して係合及び係合解除された後に、該所定の形状に戻るような、相互係合材料を意味する。適当なフック材料は、ナイロン、ポリプロピレン又は別の適当な材料を成型又は押し出ししたものとすることができる。締結部品８２−８５のための適当な片側配置のフック材料は、オランダ国アムステルダムのＶｅｌｃｒｏ Ｉｎｄｕｓｔｒｉｅｓ Ｂ．Ｖ．又はその支社などの商業的供給元から入手可能であり、更に単一方向フックパターンを備えて、約０．９ミリメートル（３５ミル）の厚さを有するＶｅｌｃｒｏ ＨＴＨ−８２９、及び単一フックパターンを備えて、約０．５ミリメートル（２０ミル）の厚さを有するＨＴＨ−８５１として特定され、更に米国ミネソタ州セントポールのＭｉｎｎｅｓｏｔａ Ｍｉｎｉｎｇ＆Ｍａｎｕｆａｃｔｕｒｉｎｇ Ｃｏ．のＣＳ−６００として特定される特定の材料を含む。本発明の締結システムと組み合わせて使用するのに適当なフック材料の付加的例は、Ｐｒｏｖｏｓｔ他の米国特許第４，９８４，３９９号及びＫｅｎｎｅｄｙ他の米国特許第５，３３９，４９９号に記載されている。

本発明により考慮される代替的実施形態においては、締結用具８２−８５は、パンツの前又は後領域２２及び２４にわたってどの部分にも位置させることができる。締結用具８２−８５は、前又は後領域２２及び２４において、パンツ上のあらゆる材料と一体とすることができる。締結用具は、パンツの外カバー全体と一体とするか（例えば、一片の外カバー製品）又はパンツのライナー全体と一体とすることができる。締結用具は、パネル３４及び／又は１３４と一体とすることができる。代替的には、締結用具８２−８５のいずれも、下側にある層に付着することができ、このような下側にある層は、エラストマー性で、単に延伸可能であるか又は伸長可能ではないものとすることができる。

図３を特に参照すると、第一締結部品８２及び８３は、必須ではないが、後腰部領域２４において、訓練用パンツ２０の内側表面２８上に配置されることが望ましい。第一締結部品８２及び８３は、後側部パネル１３４の末端縁６８に沿って、腰部端部縁７２に当接するか又は近接するように位置決めされることが望ましい。ある実施形態においては、例えば、第一締結部品８２及び８３は、末端縁６８、腰部端部縁７２、及び脚部端部縁７０の約２センチメートル内側に、より特定的には約１センチメートル内側に配置される。

図２を特に参照すると、第二締結部品８４及び８５は、必須ではないが、前腰部領域２２において、訓練用パンツ２０の外側表面３０上に配置されることが望ましい。第二締結部品８４及び８５は、第一締結部品８２及び８３を受け取る大きさであり、前側部パネル３４の末端縁６８に沿って、腰部端部縁７２に当接するか又は近接するように位置決めされることが望ましい。ある実施形態においては、例えば、第二締結部品８４及び８５は、末端縁６８、腰部端部縁７２、及び脚部端部縁７０の約２センチメートル内側に、より特定的には約１センチメートル内側に配置される。第一締結部品８２及び８３が内側表面２８上に配置されるループ型締結用具を含み、かつ第二締結部品８４及び８５が外側表面３０上に配置されるフック型締結用具を含む場合に、第一締結部品は、剛性で外向きのフックの遮蔽を促進するために、第二締結部品より大きいサイズとすることができる。ループ型締結部品は、側部パネルと一体とするか、又は接着剤接着、音波接着又は熱接着などの当業者に知られている手段のいずれかによって、側部パネル３４及び１３４に接着することができる。ループ型締結部品は伸長可能であり、ループ型締結部品の伸長及び収縮特性を維持するような方法で、本体３２のあらゆる層上に重なる関係で接着される。

締結部品は、長方形が望ましいが、代替的には四角、円、楕円、湾曲又は他の長方形ではない形状とすることができる。特定の実施形態においては、締結部品８２−８５の各々は、訓練用パンツ２０の縦方向軸４８とほぼ平行に整列する長さ寸法、及び訓練用パンツの横方向軸４９とほぼ平行に整列する幅寸法を定める。例えば、約９から約１５キログラム（２０−３３ポンド）の子供に対しては、締結部品の長さ寸法は、約８センチメートルなどの約５から約１３センチメートルが望ましく、幅寸法は、約１センチメートルなどの約０．５から約３センチメートルが望ましい。特定の実施形態では、締結部品は、長さ対幅の比が、約２から約２５などの約２又はこれより大きい、特定的には約５から約８などの約５又はこれより大きいものとすることができる。大人用製品などの他の実施形態に対しては、１又はそれ以上の締結部品が、複数の比較的小さい締結要素を含むことが望ましい。この場合には、締結部品又は個々の締結要素は、例えば約２又はこれより小さい、更に約１又はこれより小さいといった小さい長さ対幅の比を有することができる。

締結部品８２−８５が取り外し可能な状態で係合されているとき、股部領域２６において吸収性本体３２の側縁３６は、吸収性本体の脚部開口５２、腰部縁３８及び３９を定め、側部パネルの腰部端部縁７２は腰部開口５０を定め、更に腰部領域２２及び２４は、結合して腰バンド７５及び臀部部分７７を定める。脚部開口５２の形成を改善するために、幾つかの実施形態においては、前側部パネル３４が、後側部パネル１３４から縦方向に間隔を持つことが望ましい（図２及び３参照）。例えば、前側部パネル３４は、吸収性物品の長さ全体の寸法の約２０パーセント又はこれより大きい距離だけ、特定的には約２０から約６０パーセント、更により特定的には約３５から約５０パーセントに等しい距離だけ、後側部パネル１３４から縦方向に離すことができる。

接合された時、締結部品８２−８５は、再締結可能なシーム８８（図１）を形成し、該シームは、必須ではないが、腰部開口５０と脚部開口５２の間の距離全体に、実質的に延びることが望ましい。より特定的には、再締結可能なシーム８８は、腰部開口５０と各々の脚部開口５２との間の距離の約８０から１００パーセント、特定的には約９０から約９８パーセントを覆うことができ、この距離は、縦方向軸４８と平行に計測したものである。実質的には腰部及び脚部開口５０及び５２の間の距離全体に、シーム８８が延びるように形成するために、締結部品８２−８５は、側部パネル３４及び１３４の腰部端部縁７０と脚部端部縁７２との間の距離の約８０から１００パーセント、より特定的には約９０から約９８パーセントを覆うように形成することができる。他の実施形態においては、締結部品は、腰部開口５０と脚部開口５２の間における小さい部分、例えば約２０から約７０パーセントを覆うが、腰部開口と脚部開口の間の大きい割合の部分にわたるように離れた間隔で配置される、複数の小さめの締結要素を含むものとすることができる。

締結部品８２−８５は、製造中に付与される別個の部品としてではなく、パンツの一体部分として組み込むことができるとも考えられている。締結部品８２及び８３が、前部領域２２においてパンツと一体の単一部品である場合には、例えば締結部品の大きさ及び形状は、その領域の大きさ及び形状と直接等しいものとする。締結部品８２−８５が側部パネル３４及び／又は１３４と一体部分である場合には、別の例として、締結部品は、側部パネル３４及び／又は１３４と同じ大きさ及び形状とする。

着用者の側部に位置される再締結可能なシーム８８に対しては、第一締結部品８２及び８３との間の横方向距離が、実質的に、第二締結部品８４及び８５との間の横方向距離に等しいことが、特に望ましい。１組の締結用具の間の横方向距離は、締結用具の縦方向中央線の間の横方向軸４９に平行に測定した距離であり、弛緩された状態、又は非延伸状態で側部パネル３４及び１３４を計測したものである。代替的実施形態においては、訓練用パンツ２０は、前腰部領域２２に配置される単一の第二締結部品だけを含み、再締結可能な状態で第一締結部品８２及び８３と接合される（図示されず）。

図４及び５に示された更なる代替的実施形態においては、締結部品の１つ又は両方が、腰部領域の一体部分を含むものとすることができる。例えば、前及び後側部パネル３４及び１３４が、締結部品として機能することができ、反対側の腰部領域に配置された相補的締結部品と、取り外し可能な状態で係合可能な材料を含むことができる。図４及び５に示されているように、側部パネル１３４は、本発明によるエラストマー性ループ材料で完全に形成される。代替的には、これらの側部パネルは、フック材料が係合する外側縁だけエラストマー性ループ材料で形成されて、側部パネルの残りの部分は、幾つかの他の、好ましくは伸長可能な材料で形成されて、当接する縁に沿って結合される。

本発明の特定の実施形態においては、第一締結部品８２及び８３の各々は、フック型又はマッシュルーム型締結用具を含み、第二締結部品８４及び８５各々は、エラストマー性不織ループ材料で形成された相補的締結用具を含む。別の実施形態においては、第一締結部品８２及び８３の各々は、エラストマー性ループ材料で形成された締結用具を含み、第二締結部品８４及び８５の各々は、相補的フック型締結用具を含む。図示された実施形態は、都合のよいものとして、前腰部領域２２に重なる後腰部領域２４を示しているが、訓練用パンツ２０は、前腰部領域が後腰部領域に重なるように形成することもできる。

図６を参照すると、第二締結部品８４などのループ型締結用具は、エラストマー繊維１８７を含むことが好ましい。特定の実施形態においては、ループ型締結用具は、実質的に連続するエラストマー性繊維の不織ウエブを含む。ループ型締結用具８４は、エラストマー性繊維の形状で複数の係合要素１８４を含み、フック型締結用具８２の複数の係合要素１８２と直接係合するようになる。特定の実施形態においては、エラストマー性ループ材料は、エラストマー性繊維１８７の形状の複数の係合要素１８４を含み、弾性基材（図示されず）に取り付けられて、適当な延長部の範囲にわたって収縮張力を付与するエラストマー性複合体を形成する。本発明の特定の実施形態においては、図６Ａに代表となるものとして示しているように、個々のフック型係合要素１８２各々は、２つ又はそれ以上のループ型係合要素１８４と係合する。ある実施形態においては、本発明のループ型係合要素１８２を構成するエラストマー性天然繊維は、フック型締結部品１８４によって引っ張られた時に（予め締結された、再締結可能な衣類を締結している間、又は着用中など）延伸され、しかもこのような延伸は、幾つかのループ型係合要素を単一のフック型係合要素１８２に係合することを可能にすると考えられる。このような「多ループ構成」は、締結システム内に、一層確実で、頑丈な接合を形成することができ、しかも個々のループ繊維は、応力をかけられた時に、破断することが少ないと考えられる。

本発明のある態様のエラストマー性ループ材料８４は、エラストマー性繊維１８７を含み、これは、引用によりここに組み入れられるＲｈｉｍ他の米国特許出願公開番号２００４／０１１０４４２の教示にしたがって形成することができる。代替的には、エラストマー性繊維は、引用によりここに組み入れられるＧｅｓｓｎｅｒ他の米国特許第５，４７０，６３９号及び第５，９９７，９８９号の教示にしたがって形成される。エラストマー性ループに使用するのに適当なエラストマー性繊維１８７は、例えば、メルトブロー法又はスパンボンド法などの、周知の不織形成法によって形成することができる。特定の実施形態におけるエラストマー性ループは、網目形状の、実質的には連続する繊維又はフィラメントを有する材料のいずれかとすることができ、該ループは、力を付与した時に、材料の破損、すなわち破断又は引き裂きを生じることなく、１つの方向に延伸することができる。

エラストマー性ループ繊維１８７は、ポリマー性材料を含むことができる。１つの特定な実施形態においては、例えば、エラストマー性ループ繊維は、米国カンザス州ウイチタのＩｎｖｉｓｔａより入手可能なＬＹＣＲＡという商標名で販売されている、複数のドライスピニング法により得られた、撚り合わされたマルチフィラメントスパンデックスエラストマー性糸を含む。別の例においては、エラストマー性ループ繊維は、連続する繊維に紡糸されるか又は形成される材料を含む。特定の実施形態においては、ループ繊維は、延伸されることが可能で、高い回復率を持たなければならない。エラストマー性ループ繊維の少なくとも一部を含むことができる適当なエラストマー性材料は、ポリウレタンエラストマー、コポリエーテルエステル、ポリエーテルブロックポリアミドコポリマー、エチレンビニルアセテート（ＥＶＡ）エラストマー、合成ブロックコポリマー、オレフィン系エラストマー又はプラストマー、並びにポリマー技術で知られている他のエラストマーなどの溶融押し出し可能な熱可塑性エラストマーを含む。特に適当なエラストマーは、ＫＲＡＴＯＮ（登録商標）ポリマーから入手可能なものなどの合成ブロックコポリマーを含む。ＫＲＡＴＯＮ（登録商標）は、テキサス州ヒューストンに所在するＫｒａｔｏｎ Ｐｏｌｙｍｅｒｓの商標に登録されている。

特定の実施形態においては、本発明のエラストマー性ループ繊維１８７は、二成分繊維を含む。「二成分繊維」という用語は、別個の押し出し機から押し出された少なくとも２つのポリマー供給源から形成されるが、共に紡糸されて１つの繊維を形成する繊維を意味する。二成分繊維は、複合繊維又は多成分繊維を意味することがある。ポリマーは、二成分繊維の断面にわたって、実質的に別個の領域に一定に位置決めされるように配列され、二成分繊維の長さに沿って連続して延びる。このような二成分繊維の形態は、例えば、１つのポリマーが別のポリマーに囲まれているような鞘／芯配列とすることができるか、或いは並置配列、パイ配列、又は「海中の島」配列とすることができる。二成分繊維は、Ｋａｎｅｋｏ他の米国特許第５，１０８，８２０号、Ｋｒｕｅｇｅｒ他の米国特許第４，７９５，６６８号、Ｍａｒｃｈｅｒ他の米国特許第５，５４０，９９２号、Ｓｔｒａｃｋ他の米国特許第５，３３６，５５２号及びＳｈａｗｖｅｒの米国特許第５，４２５，９８７号に教示されており、各々の特許はその全体が引用によりここに組み入れられる。二成分繊維は、Ｐｉｋｅ他の米国特許第５，３８２，４００号及びＡｕｓｔｉｎの米国特許第６，２２５，２４３号に教示されており、各々の特許はその全体が引用によりここに組み入れられる。２つの成分繊維に対して、ポリマーは、７５／２５、５０／５０、２５／７５又は他の望ましい割合のいずれかで存在するものとすることができる。更に、処理補助剤などのポリマー添加剤を各々の領域に含ませることができる。

エラストマー性ループ繊維が、弾性化された鞘／芯二成分繊維により高度に伸長可能かつ収縮可能であることが望まれる特定の実施形態においては、第一成分エラストマーの第二成分熱可塑性ポリマーに対する割合は、特に鞘／芯形態においては、比較的高くする必要がある。例えば、このような材料においては、少なくとも７０ないし９８（重量）パーセントの芯エラストマー成分を有することが望ましい。代替的には、このような材料においては、少なくとも７０ないし９０（重量）パーセントの芯エラストマー成分を有することが望ましい。その流動特性を変化させることなく、極めて小さい量の第二成分を均一に分布することにより、望ましい特性を有する二成分繊維を達成することが可能である。

二成分繊維の第一成分、すなわちエラストマー性成分は、連続する繊維に紡糸又は形成される材料である。特定の実施形態においては、エラストマー性繊維は、延伸させることが可能で、高い回復率を有しなければならない。二成分繊維におけるエラストマー性成分に使用することができる適当なエラストマー性材料としては、ポリウレタンエラストマー、コポリエーテルエステル、ポリエーテルブロックポリアミドコポリマー、エチレンビニルアセテート（ＥＶＡ）エラストマー、スチレン系ブロックコポリマー、オレフィン系エラストマー又はプラストマー、並びにポリマー技術において当業者に知られている他のエラストマーなどの溶融押し出し可能な熱可塑性エラストマーがある。特に適当なエラストマーとしては、ＫＲＡＴＯＮ（登録商標）ポリマーから入手可能なようなスチレン系ブロックコポリマーがある。ＫＲＡＴＯＮ（登録商標）は、テキサス州ヒューストンに所在するＫｒａｔｏｎ Ｐｏｌｙｍｅｒｓの登録商標である。

二成分繊維の第二の成分は、エラストマー性成分と同様に、連続する繊維に紡糸又は形成することができる材料である。第一成分（エラストマー）は、典型的には、高速スパンボンド法で紡糸されるのに十分には高度な溶融強度を持たないので、第二成分は、紡糸ライン（繊維）を破断することなく第一成分を補強するために、十分に高い溶融強度を持つことが望ましい。特定の実施形態においては、第二成分は、ポリエチレン又はポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエステル、ポリエーテル、又はポリアミドから形成される。更に第二成分に使用することができる他の適当なポリオレフィン系材料は、プロピレン及びエチレンを含むランダムコポリマーなどのランダムコポリマー、又はこれらに制限されるものではないが、ポリプロピレン／ポリブチレン混合物及びコポリマーを含む混合物などの材料を含む。第二成分は、溶融押し出し可能な熱可塑性材料から形成することができ、延伸した時に、永久的変形を形成する、すなわち永久的固定を示す。このような材料は、これらに制限されるものではないが、ポリアミドを含む。

多くの場合においてエラストマー性ポリマーは、付着性又は粘着性があるが、本発明のある実施形態においては、エラストマー性ループ繊維は、付着性又は粘着性がないことが望ましいので、本発明のエラストマー性ループ繊維は、鞘／芯二成分繊維とすることができ、芯は第一エラストマー性成分を含み、鞘は第二成分、実質的には非エラストマー性成分を含む。望ましくは、鞘材料は、粘性又は粘着性のある手触りを示さないような材料が選択され、鞘材料に近接して又は鞘材料内に含まれるエラストマー性材料を十分に覆うように、薄い一定した層に押し出される。このような第二成分でゴム製又は粘着性のある材料を覆うことにより、粘着性エラストマー性成分は、弾性を付与するが、「粘着」感覚を隠して使用することができる。利用される特定の第二成分によって、鞘／芯二成分材料の鞘成分は、波形表面を示すことも、示さないこともある。例えば、鞘にポリプロピレン又はポリプロピレンと１０％のポリブチレンコポリマーとの混合物を使用した場合には、波形表面形態を形成し、鞘にポリエチレンを使用した場合には、比較的滑らかな表面を形成することができる。

本発明の他の実施形態においては、ループ型成分は、締結システムの頑丈性を促進するために、ある程度の摩擦抵抗を示すことが望ましい。例えば、エラストマー性繊維で形成されたある繊維性ウエブは、ウエブにより示される摩擦抵抗の量を増加する表面特性を定める。以下の実施例は、様々なループ型成分及びその摩擦特性の一覧である。ある実施形態においては、ループ型成分において、摩擦抵抗が大きくなると、締結、着る、着用、及び／又は使い棄て吸収性物品を再締結する時の一部である締結システムの接合を、より確実なものとすると考えられる。

特定の実施形態においては、エラストマー性ループ繊維は、よじれ、カール又は捲縮を含む。「よじれ」及び「カール」という用語は、繊維の構造的形態を意味し、非線状形態を含むように、それ自体が折り返されるなどにより、押し出された繊維の部分が曲げられたものである。「捲縮」という用語は、繊維内の繰り返されたカールを意味し、らせん形状、コイル又は繊維長さに沿ったカールを含む。

エラストマー性材料は、例えば、メルトブローンウエブ、ボンデッドカーデッドウエブ、ポリマー性フィルム、又は他の適当な材料の少なくとも１つの層と結合した、少なくとも１層のエラストマー性ループ材料層を有する多層材料とすることができる。図７に示されているように、エラストマー性ループ部品８４は、ベース基材９２に取り付けることができ、ベース基材９２は、エラストマー性で、単に延伸可能であり、すなわち伸長可能ではない。弾性ループ繊維は、非弾性ベース基材に取り付けることができ、更に繊維の延伸可能性及び締結システムに導入された「あそび」を形成することにより、使用中に、締結システムにある程度の耐衝撃性を付与することができると考えられる。しかしながら、ある種の好ましい実施形態においては、ループ繊維及びループ繊維が取り付けられる基材構造の両方は、延伸可能又はエラストマー性である。エラストマー性ループ材料は、２つ又はそれ以上の異なる繊維の混合物、又は繊維と粒状物の混合物で形成された複合体材料とすることができる。

エラストマー性ループ材料が繊維の不織ウエブの場合には、繊維は、繊維間接着により理想的に結合されて、延伸力に耐性がある一体性のあるウエブ構造を形成する。繊維間接着は、個々の繊維間の交絡により形成される。繊維交絡は、例えば、水圧交絡又はニードルパンチングなどの方法により形成される。代替的には及び／又は付加的に、望ましい接着を増加するために、接着剤を使用することができる。

特定の実施形態においては、本発明によるエラストマー性ループ材料を含む不織ウエブは、少なくとも約０．３オンス／平方ヤード、より特定的には少なくとも約０．４オンス／平方ヤード、更により特定的には少なくとも約０．５オンス／平方ヤードの基本重量を有する。特定の実施形態においては、本発明によるエラストマー性ループ材料を含む不職ウエブは、最大で約３．０オンス／平方ヤード、より特定的には最大で約２．０オンス／平方ヤード、更により特定的には最大で約１．５オンス／平方ヤードの基本重量を有する。

訓練用パンツ又は同様の衣類が最初に形成されて、機械により折り畳まれる時は、エラストマー性ループ材料及び／又はその下側にある様々な実施形態の支持材料は、フック材料の上に位置決めされ、次にそこに押されて、機械的締結システムにおける従来の機械的締結システムより一層頑丈で、意図的な係合解除がしにくい最初の構成が形成されると考えられる。

上記したように、特定の実施形態においては、比較的高い摩擦抵抗を示すループ型部品は、使い棄て吸収性物品で使用される締結システムにおいて、ある程度の利点を与える。本発明のある態様に関してこの特性を定量化するために、幾つかのループ型材料が、摩擦抵抗を検討された。特に、様々なループ型材料と２つの特定の表面間の運動摩擦係数が測定された。締結システムが締結された時、雄係合要素と雌係合要素との間に存在する表面間摩擦力を推測するために、ループ型材料は、１つの例においてプレキシガラス（登録商標）型皿に対して、別の例においてフック部品の滑らかな後側（滑らかな側は、そこから突出す係合要素は何もない）に対して擦り付けられた。フック部品の後側は、ループ型部品が係合要素によって束縛されることなく、フック部品の触れている表面に沿って自由に滑ることができるようにして使用された。

運動摩擦係数は、以下に述べるようなテスト手順を使用して求められた。その結果が、以下の表に示されている。各々の材料サンプルは、６７ｍｍｘ１５２ミリメートルに計測され、比較的小さいサイズのサンプルが受け入れられるように、テスト手順で参照された手順ＡＳＴＭＤ１８９４−００の修正した形態でテストされた。

実施例１及び２はどちらも、前に参照したＲｈｉｍ他の米国特許出願公開番号２００４／０１１０４４２の教示にしたがって形成された、二成分スパンボンド不織材料であった。実施例１は、熱可塑性ウレタンエラストマー性部品を含み、実施例２は、スチレン系ブロックコポリマーエラストマー性部品を含んでいた。実施例１及び２各々の材料は、およそ０．８オンス／平方ヤードの基本重量を有していた。

実施例３は、前に参照した米国特許第６，２２５，２４３号の教示にしたがって形成された、熱可塑性ウレタンベースの二成分スパンボンド不織材料であった。実施例３の材料は、およそ０．７５オンス／平方ヤードの基本重量を有していた。

Ｈｕｇｇｉｅｓ（登録商標）オムツの前部締結用パッチは、実質的に非エラストマー性の係合要素を有する従来のループ材料を含み、これが比較の目的のために実施例に含まれている。パッチは、２００４年にＫｉｍｂｅｒｌｙ−Ｃｌａｒｋ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎより商業的に入手可能なオムツＨｕｇｇｉｅｓ（登録商標）より得る。パッチ材料は、Ｓｔｏｋｅｓ他の米国特許第５，８５８，５１５号の教示にしたがって形成することができる。

Ｈｕｇｇｉｅｓ（登録商標）Ｐｕｌｌ−Ｕｐｓ（登録商標）訓練用パンツ側部パネルの材料は、実質的に非エラストマー性の係合要素を含み、比較の目的のために実施例に含まれる。Ｈｕｇｇｉｅｓ（登録商標）Ｐｕｌｌ−Ｕｐｓ（登録商標）訓練用パンツからの側部パネル材料は、２００４年にＫｉｍｂｅｒｌｙ−Ｃｌａｒｋ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎより商業的に入手可能である。

表 運動摩擦係数（グラム）

本発明による様々なループ型締結部品（実施例１−３）は、従来のループ型締結部品又は取り付け表面（実施例４−５）より高い運動摩擦係数を示すことが、このデータに代表的に示されている。

特定の実施形態においては、本発明の雌ループ型部品は、以下に示した摩擦係数テスト法により、プレキシガラス（登録商標）型皿に擦り付けた時、少なくとも約０．４グラム、より特定的には少なくとも約０．５グラム、より特定的には少なくとも約０．６グラム、更により特定的には少なくとも約０．６５グラム、より特定的には少なくとも約０．７グラムの運動摩擦係数を示す。特定の実施形態においては、本発明の雌ループ型部品は、以下に示した摩擦係数テスト法により、フック材料の滑らかな裏側に擦り付けた時、少なくとも約０．６グラム、より特定的には少なくとも約０．６５グラム、より特定的には少なくとも約０．７グラム、更により特定的には少なくとも約０．７５グラム、更により特定的には少なくとも約０．８グラム、より特定的には少なくとも約１．０グラム、更により特定的には少なくとも約１．１グラムの運動摩擦係数を示す。

摩擦係数テスト手順
ループ型締結部品の運動摩擦係数は、引用によりここに組み入れられるＡＳＴＭ法Ｄ１８９４−００を使用してテストされる。ＡＳＴＭ手順は、長さが２５０ｍｍ、幅が１３０ｍｍの大きさのサンプルを必要とする。この大きさの、単一で連続的なループ型部品は、従来の吸収性物品には存在していない。そこで、実際の吸収性物品のループ型部品の摩擦係数を計測するために、大きさを減少したサンプルに対応するように、ＡＳＴＭ手順を修正する必要がある。このような修正は、当業者が容易に達成することができる。

ループ型部品をプレキシガラス（登録商標）型皿、又は１片のフック材料の滑らかな裏側のいずれかに対して擦り付けることにより、ループ型部品の摩擦係数がテストされた。プレキシガラス（登録商標）型皿は、ＰＭＭＡ（ポリメチル−メタクリル酸塩）のシートとするべきである。このようなプレキシガラス（登録商標）型皿は、米国ニュージャージー州ロカウエイのＣＹＲＯ Ｉｎｄｕｓｔｒｉｅｓより入手可能である。フック部品は、米国ニューハンプシャー州マンチェスターに所在するＶｅｌｃｒｏ ＵＳＡより入手可能な滑らかな裏側表面を有する８５シリーズの突出するヤシの木形状の機械締結部品である。適当なテスト装置は、米国ユタ州に所在するＩｎｓｔｒｕｍｅｎｔｏｒｓ Ｓｕｐｐｌｙ，Ｉｎｃ．より入手可能な、正確に調整された滑り／剥離テスターモジュールＳＰ−１０１Ａである。

本発明の範囲から外れることなく、上記した本発明の例示的実施形態に、様々な変更を加えることができるものであるから、上述の説明に含まれ、添付図面に示されたすべての事柄は、説明のためのものであり、制限する意味ではないものと解釈されることを意図している。

本発明の要素又はこれらの好ましい態様を説明する場合に、「１つ」、「それ」及び「該」という単語は、１つ又はそれ以上の要素があることを意味するものである。「含む」、「含まれる」及び「有する」という用語は、包括的であり、示した要素以外に付加的要素がある可能性があることを意味するものである。

子供用訓練用パンツの形状で、本発明の１つの態様による吸収性物品を、締結システムが訓練用パンツの１つの側部において係合され、訓練用パンツの他方の側において取り外された状態でを示す斜視図である。 図１の訓練用パンツの着用者とは反対側を、締結しない状態で、拡げて、平坦な状態に置いた形態で示した平面図である。 図２と類似しているが、訓練用パンツを着用した時に、着用者に面する側の訓練用パンツの表面を、下側にある特性が見えるように部分的に切り取られた状態で示す平面図である。 図１と類似した、本発明の代替的実施形態の側部斜視図である。 図３と類似した位置における、図４の実施形態の平面図である。 本発明の一態様による締結システムの一実施形態の側面図である。 本発明による締結システムの一実施形態の側面図である。 本発明の一態様による裏側層に付着するエラストマー性ループ材料の一実施形態の側面図である。

符号の説明

２０ 訓練用パンツ
３２ 吸収性本体
３３ 複合体構造
３４ 前側部パネル
３６ 側縁
３８ 前腰部縁
３９ 後腰部縁
４４ 吸収性組立体
５０ 腰部開口
５２ 脚部開口
５３ 弾性部材
８０ 締結システム
８２ 第一締結部品
８４ 第二締結部品
１３４ 後側部パネル

Claims (16)

1. 複数の雄係合要素を有する雄部品と、
   前記雄係合要素と取り外し可能な状態で直接係合するようにされた複数の雌係合要素を有する雌部品と、
   から成り、
   前記雌係合要素は、エラストマー性繊維からなり、該エラストマー性繊維は互いに合わさって繊維性ウエブを定めるようになったことを特徴とする機械的締結システム。
2. 身体側ライナーと衣類側外カバーとからなるシャーシと、
   前記ライナーと前記外カバーとの間に挟まれた吸収性組立体と、
   機械的締結システムと、
   を含み、前記機械的締結システムは、
   複数の雄係郷要素を有する雄部品と、
   前記雄係合要素と取り外し可能な状態で直接係合するようにされた複数の雌係合要素を有する雌部品とからなり
   前記雌係合要素は、エラストマー性繊維からなり、該エラストマー性繊維は互いに合わさって繊維性ウエブを定めるようになったことを特徴とする使い棄て吸収性物品。
3. 前記繊維性ウエブは、織成材料であることを特徴とする請求項１又は請求項２のいずれか１項に記載の機械的締結システム又は使い棄て吸収性物品。
4. 前記繊維性ウエブは、不織材料であることを特徴とする請求項１又は請求項２のいずれか１項に記載の機械的締結システム又は使い棄て吸収性物品。
5. 前記繊維性ウエブは、スパンボンドウエブであることを特徴とする請求項４に記載の機械的締結システム又は使い棄て吸収性物品。
6. 前記繊維は、二成分繊維であることを特徴とする請求項４又は請求項５のいずれか１項に記載の機械的締結システム又は使い棄て吸収性物品。
7. 前記繊維は、エラストマー性芯と実質的には非エラストマー性鞘を有することを特徴とする請求項６に記載の機械的締結システム又は使い棄て吸収性物品。
8. 前記繊維性ウエブは、摩擦係数テスト法により、プレキシガラス（登録商標）材料に対して擦り付けた時、少なくとも約０．５グラム、好ましくは少なくとも０．６５グラムの摩擦係数を有することを特徴とする請求項１から請求項７までのいずれか１項に記載の機械的締結システム又は使い棄て吸収性物品。
9. 前記繊維性ウエブは、摩擦係数テスト法により、滑らかなフック材料の裏側に対して擦り付けた時、少なくとも約０．６５グラム、好ましくは少なくとも約０．７グラムの摩擦係数を有することを特徴とする請求項１から請求項８までのいずれか１項に記載の機械的締結システム又は使い棄て吸収性物品。
10. 前記繊維性ウエブは、非エラストマー性ベース層に取り付けられることを特徴とする請求項１から請求項９までのいずれか１項に記載の機械的締結システム又は使い棄て吸収性物品。
11. 前記繊維性ウエブは、実質的に、網状ポリウレタン発泡体材料がないことを特徴とする請求項１から請求項１０までのいずれか１項に記載の機械的締結システム又は使い棄て吸収性物品。
12. 前記繊維性ウエブは、実質的に、発泡体材料がないことを特徴とする請求項１から請求項１１までのいずれか１項に記載の機械的締結システム又は使い棄て吸収性物品。
13. 前記繊維性ウエブは、前記外カバーと一体であることを特徴とする請求項１から請求項１２までのいずれか１項に記載の使い棄て吸収性物品。
14. 前記繊維性ウエブは、前記ライナーと一体であることを特徴とする請求項１から請求項１２までのいずれか１項に記載の使い棄て吸収性物品。
15. 前記使い棄て吸収性物品は、前記吸収性シャーシの両側横方向側部から延びる第一及び第二側部パネルを含み、第一繊維性ウエブは、前記第一側部パネル上に配置され、第二繊維性ウエブは前記第二側部パネル上に配置されることを特徴とする請求項１から請求項１２までのいずれか１項に記載の使い棄て吸収性物品。
16. 前記第一及び第二繊維性ウエブは、前記第一及び第二側部パネルにそれぞれ接着されることを特徴とする請求項１５に記載の使い棄て吸収性物品。

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