JP2001089964A - フックアンドループファスナー用不織布ループ材料の製造方法 - Google Patents

フックアンドループファスナー用不織布ループ材料の製造方法

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JP2001089964A
JP2001089964A JP22263099A JP22263099A JP2001089964A JP 2001089964 A JP2001089964 A JP 2001089964A JP 22263099 A JP22263099 A JP 22263099A JP 22263099 A JP22263099 A JP 22263099A JP 2001089964 A JP2001089964 A JP 2001089964A
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C Peruhamu Matthew
シー. ペルハム マシュー
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フックアンドループファスナーの不織布製ルー
プ材料のループ形態を安定化させて、相手方のフック材
料との係合率を向上させるとともに、多方向の係合を可
能にする不織布製ループ材料の製造方法を提供する。 【解決手段】ランダムに配された非弾性熱可塑性繊維製
の不織布からなるフックアンドループファスナー用ルー
プ材料の製造方法に関し、前記不織布(4)は表裏面を有
しており、前記不織布(4) をx方向に伸長し、次いでy
方向に伸長することで、大部分がx−y平面内に繊維の
下領域が広がったループ繊維(26,27,28)がつくり出され
る。また、前記不織布(4) の「z」方向に流体を通す場
合には、ループ繊維(26,27,28)の「z」方向の形態をも
安定化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フックアンドルー
プファスナー用の不織布ループ材料の製造方法に関す
る。更に詳しくは、本発明は、ループの配向性が最も少
なく、多様な寸法及び形状のフック部品と係合可能な不
織布ループ材料を低廉な製造コストで製造する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術とその課題】フックアンドループファスナ
ーは、衣服や使い捨て吸収体等の2つ以上の表面を係脱
可能に接合させることが望まれる場合に適用される。こ
れらのファスナーは、ボタン、スナップ又はジッパーの
代わりに使用される。
【0003】一般的に、フックアンドループファスナー
は雄部材及び雌部材を有している。雌部材は表面に多数
の立ち上がるループを含み、雄部材は機械的に雌部材と
係合して係脱可能な接合をつくり出すフックを含んでい
る。
【0004】従来、フックアンドループファスナー用の
不織布ループ材料は多数のループを有する不織布から形
成される。不織布は裏打ち材料に取り付けられ、そこか
らループが延びている。
【0005】雄部材は複数の弾性を有する立ち上がった
フック状素子を含んでいる。雄部材及び雌部材を対面さ
せて互いに押圧して係着具を閉じるとき、雄部材のフッ
クは雌部材のループと絡まって、個々のフック及びルー
プ間に複数の機械的な結合を形成する。これらの結合が
作り出されると、両部材は通常の状態では普通離脱しな
い。これは、全てのフックを一気に離脱させようとして
も両部品を分離させることが極めて困難なためである。
しかしながら、両部品に徐々に剥離力を加えていくと、
離脱は容易になされる。剥離力の下では、フックは弾性
材料より構成されるため、容易に開いてループが開放さ
れる。
【0006】このタイプの係着具の製造には比較的コス
トがかかる。
【0007】従来のフックアンドループ部品は、裏打ち
部材から外側に延びる多数の織成ループをもつ織物を作
ることにより形成されるのが一般的である。ループは、
ループを形成するための補足的な糸を含む基布を織成す
ること、またはループを基布に編み込むことにより設け
られるかも知れない。他のフックアンドループ部品で
は、ループはプリーツ又は波形加工により形成されても
よい。そのような係着具の雄部材は、その後ループを切
断することにより形成されるのが一般的である。切断さ
れたループは雄部材のフックとして働く。
【0008】これらの工程では比較的生産速度が遅いこ
とから一般的に高価なフックアンドループ係着材が製造
されることになる。そのような係着具のフックアンドル
ープ部品は、また通常比較的高価な同一の材料から作ら
れる。係着具を開くときにループ部材からフックが離脱
できるように雄部材に使用される材料には弾性が必要と
なるため、この材料は高価なものとなる。
【0009】これに加えて、これらの工程により作られ
る係着部材は繊維の下の領域が狭いループを作り易く、
その結果、フックの侵入が困難となる。更に、ループは
配向性を有し易く、これによりフックのループ内への侵
入が更に困難となる。即ち、常法を以て製造されるルー
プは一方向を向いて配され易いため、異なる方向を向い
ているフックはループと係合しにくくなる。
【0010】係着具用のこれに代わるタイプの雌部材を
製造することが試みられてきている。
【0011】その一つに、係着材料が不織布の供給に先
立って流れ方向にループ用裏打ち材料を伸長させること
により形成される、フックアンドループファスナー用の
不織布雌部材の製造方法がある。次いで、不織布は伸長
された裏打ち部材に供給される。伸長された裏打ち部材
は弛緩状態におかれ、不織布にひだがよって、ループの
方向が変わって相手方の雄係着部品のフックと絡まるこ
とができる補足領域を形成することができる。ここで説
明された雌部材は、従来のループ部品に比べて製造コス
トが各段に安いとは思われない。また、ループの下の領
域が寸法的に増加してフックの侵入を容易にすることも
ない。
【0012】ループを基材に結合させたフックアンドル
ープファスナー用のループを作る他の試みとしては、ル
ープの基部を形成するために、移動している基材上に置
かれた部材の開口を通して液体材料を押し出し、基材面
と平行な方向にその液体材料を伸ばし、ループを形成す
るために、伸びた前記材料を切断して先端を形成し、隣
接する一定量に伸ばされた材料の先端同士を溶着するこ
とにより、多数のループが製造される。そのような方法
ではループの製造コストが低くなったり、ループの下の
領域が増加してフックによる引っ掛けが容易になるとは
思われない。
【0013】使い捨ておむつの分野で一般的に用いられ
ている更に他の試みとしては、フックアンドループファ
スナー用の従来の雌部材は、相対的に多様なトリコット
編みの材料を用いている。しかしながら、コストがかか
りまたその製造工程及び特徴に基づく様々な問題点があ
る。通常、ループ部材はナッピング又はブラッシング加
工により、又はニードルパンチ加工により作られ、ルー
プ部品の繊維を切断しないようにするために繊細な力の
制御が必要となる。特に、比較的小さいフックと適合さ
せるためにループ繊維が細い場合、より繊細さが要求さ
れる。その上、編成材料はその製造工程に基づき元来が
配向性をもち易く、従って、そのようなトリコット編み
のループ部材と係合可能なフック部材の寸法又は形状は
限定される。
【0014】従って、本発明の目的は、関連する技術に
おける限界及び不都合による問題を実質的に取り除く、
フックアンドループファスナー用不織布ループ材料の製
造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段及び作用効果】上述の目的
に従い、具体化され広く説明されているように、本発明
は、ランダムに配された非弾性熱可塑性繊維の不織布を
形成する手順より構成された、フックアンドループファ
スナー用ループ材料を製造する方法である。不織布は同
不織布を「x」方向に伸長することによりまとめられ
る。次いで不織布は「y」方向に伸長され、それにより
ループ繊維がつくり出され、その大部分は「x−y」平
面内にある。次いで液体が「z」方向に不織布に通され
る。不織布は「z」方向に安定化される。
【0016】もう一つの態様において、本発明は、ラン
ダムに配された非弾性熱可塑性繊維より構成された不織
布を備えたフックアンドループファスナー用ループ材料
の製造方法を含む。不織布は、同不織布を流れ方向に伸
長することによりまとめられ、それによりループ繊維が
つくり出され、その大部分は「x−y」平面内にある。
次いで不織布は流れと交差する方向に伸長され、布の繊
維パターンにおける孔の寸法が大きくなる。メルトブロ
ーされた重合体繊維が高速度の熱風処理を用いて不織布
の裏側に塗布される。この処理によりループが突出する
ようになり、「z」方向に安定化される。
【0017】更に他の態様では、本発明は、ランダムに
配された非弾性熱可塑性繊維により構成されてなる不織
布を備えたフックアンドループファスナー用ループ材料
の製造方法を含む。不織布は、同布を流れ方向に伸長す
ることによりまとめられ、それによりループ繊維がつく
り出され、その大部分は「x−y」平面内にある。不織
布は次いで流れと交差する方向に伸長されると共に、不
織布の裏面にメルトブローが施されて、ループ状繊維が
突出させられ且つ「z」方向に安定化される。
【0018】上述の全体的な説明と以下の具体的な説明
の双方は典型的な説明のためのものであり、請求さてい
る発明を更に説明することを目的としていることを理解
されたい。
【0019】
【発明の実施形態】以下、本発明の典型的な実施の形態
を添付図面を参照しながら具体的に説明する。添付図面
は本発明の更なる理解のために含まれており、本明細書
の一部を構成する。図は本発明のいくつかの実施例を示
すものであり、明細書と共に本発明の原理を説明するも
のである。
【0020】これらの図面において、図1〜3は本発明
を実施するための装置の概略図である。図4は未処理の
不織布の繊維の平面図である。図5は本発明の方法によ
り製造された不織布の繊維の斜視図である。図6は本発
明の方法により製造された繊維の「x−y」平面におけ
る詳細な説明図である。図7は本発明の方法により製造
された繊維の「x−z」平面における詳細な説明図であ
る。図8はメルトブロー処理を概略的に示す。図9は本
発明の方法により製造された繊維の「x−y」平面にお
ける詳細な説明図である。本明細書に用いられている
「不織」という語は、不織布を形成するランダムに配さ
れた繊維又はフィラメントの集合体を意味し、それらの
繊維のいくらかは繊維間溶着、繊維間交絡又は点接合に
よるような熱接合により結合されている。「孔寸法」と
いう語は、布の平面に対し一般的に垂直な方向を向いた
流路の物理的な寸法量を意味する。
【0021】以下に、好ましい不織布について特に言及
し説明される本発明は、メルトブロー法により製造され
る不織布である。しかしながら、本発明に係る製造方法
及びそれにより製造される製品は、他の不織布、特にス
パンボンド法により製造される不織布、水流交絡法によ
る不織布、ニードルパンチ法により得られる不織布、或
いはそれらを積層した組み合わせを含むことは強調され
るべきことである。
【0022】メルトブロー法は、図8の概略図において
描かれている装置を一般的に利用する公知の処理工程で
ある。同処理は、熱可塑性樹脂を押出機10に導入し、
そこで重合体を加熱、溶融及びダイ11を通して押出し
て複数の並列したフィラメント12を形成し、一方で列
状フィラメントの各面にスロット13から噴出する複数
層の熱風を集めてフィラメント12に接触させ、引っ張
り力を通してフィラメント12をミクロンサイズに薄く
することにより実行される。複数の並列したフィラメン
ト12は回転スクリーン15のような回収部上に回収さ
れ、後の処理のために引き取りローラ上に引き取ること
ができる不織布17に形成される。回収部15は真空ス
クリーンを含んでいてもよく、真空部は真空ポンプ19
によりライン18を通って引っ張られる。
【0023】熱風(一次噴射エア)はライン14を通っ
てダイの対向する面から導入される。繊維に前段で吹き
付けられた一次エアの流れに吸い込まれる周辺の二次エ
アは、ダイ11から吐出されるフィラメントを冷却する
働きがある。
【0024】上述の方法により製造される不織布は図4
に示されている。図5における理想的な代表例又はモデ
ルでは、ループ繊維26、27及び28は各繊維の交点
29において緩い網の目として連結又は接合された状態
で示されている。接合とはメルトブロー処理時の溶着接
合や、繊維交絡、又は加熱ポイントカレンダー技術によ
ることを強調する。図4に示す不織布構造に流れ方向の
張力がかけられると、中間のループ繊維28は流れ方向
(MD)に容易に並ぶため孔寸法が小さくなる。一方で
流れに交差する方向(CD)のループ繊維27はつなが
っているセルの圧縮に抗しながら図5にあるように屈曲
したり曲げられることがある。その結果、本発明によれ
ば、前段階の不織布が幅方向に固まることにより、流れ
に交差する方向の繊維の曲がりの程度によって決まる不
織布の層を貫通する孔スペースが残される。
【0025】図1〜図3に示すように、本発明は:送り
出しロール1、オーブン2、巻き取りロール3、不織布
4、流れ交差方向のストレッチャー(幅出し機)5、及
びメルトブローダイ6を含む。
【0026】送り出しロール1、オーブン2、巻き取り
ロール3、流れ交差方向のストレッチャー5及びメルト
ブローダイ6は、全て不織布処理の分野において用いら
れる一般的な設備であり、当業者により容易に選択され
ることができるものである。
【0027】本発明に係るフックアンドループファスナ
ー用のループ材料の製造方法において、不織布は第1方
向に伸長され、その伸長範囲は約30〜80%である。
同不織布は次いで第2方向に伸長され、その伸長範囲は
約70〜150%である。不織布が第1及び第2方向に
伸長された後、ループ繊維26、27又は28が不織布
に存在するようになる。
【0028】図6及び図7において、第1方向x及び第
2方向yは、x−y平面におけるいかなる2つの略直交
する方法であってもよい。ある実施例では、第1方向x
は流れ方向であり、第2方向yは流れに交差する方向で
ある。第2実施例では、第1方向xは流れに交差する方
向であり、第2方向yは流れ方向である。不織布処理技
術における当業者は、本発明のループ状繊維26、27
及び28を現出するのに実現可能な多くの伸長方向が理
解できるであろう。例えば、第1方向xは流れ方向に略
平行であり、第2方向yは流れ方向に略直交する方向で
あることができる。他の例では、第1方向xは不織布に
対して斜めの方向であってもよく、また第2方向yは反
対方向に斜めである。
【0029】不織布が第1及び第2方向x,yに伸長さ
れた後、不織布4は安定化されてループ繊維26、27
及び28の構造が維持される。不織布4は、メルトブロ
ーや押出層を裏打ち材に添設したり、製造目的である衣
服や物品の表面に不織布を直接固定すること等の、当業
者にとって公知である多くの方法で安定化できる。例え
ば、不織布4はおむつ等の吸収体の表面に直接固定でき
る。そのような場合、係着片を吸収体の背面に固定す
る。本発明の方法により、背面ではなくループ面のみが
フックと絡み合うことが可能な部分的な捕捉領域を形成
できる。
【0030】一つの実施例では、布の安定化の前に、高
速エアを不織布の裏を通して噴射し、高速エアは1平方
インチ当たり(psi)約50〜120ポンドの速度で
ある。これによりループ繊維26、27及び28が
「z」方向に突出させられる。メルトブローの適用前に
不織布4の裏側に接着剤を塗布することも好適である。
【0031】本発明のフックアンドループファスナー用
ループ材料のより好適な方法において、図1に示すよう
に、不織布4は送り出しロール1から巻き取りロール3
に移される。不織布4はランダムに配された非弾性熱可
塑性繊維を備えている。
【0032】不織布4は多様な材料から作ることがで
き、その選択は当業者にとって自明であるだろう。例え
ば、不織布4はポリエステル又はポリプロピレンから作
ることができる。また、不織布4自体をスパンボンド等
の多様な態様で製作することができる。そのような処理
加工は当業者には公知である。
【0033】好適な実施例では、不織布はポリプロピレ
ン又はポリエステル繊維から構成され、約20〜40グ
ラム/平方メートルの重量である。更に好適には、ポリ
プロピレン又はポリエステル繊維の不織布は25〜35
グラム/平方メートルの重量である。不織布4が送り出
しロール1から巻き取りロール3に移されるとき、不織
布4はオーブン2を通過する。ポリプロピレン製不織布
の場合、オーブンの温度は摂氏約135〜145度が好
ましい。ポリエステル製不織布の場合、オーブンは摂氏
約220〜230度が好ましい。オーブン2により不織
布4の伸長性能を増大させる。流れに交差する方向と同
様に流れ方向に熱が加えられることも重要である。流れ
方向における不織布4の伸長は、送り出しロール1が1
00〜300フィート/分の速度で不織布4を送り出す
と共に、巻き取りロール3が140〜600フィート/
分の速度で不織布4を引き取ることで達成され、送り出
しロール1は巻き取りロール3より遅い速度で回転し、
選択された速度差により伸長の量が決まる。延伸率即ち
最終長さ/当初の長さは、約1.4〜2.0であること
が好ましい。この手順を更に詳細に理解するために、米
国特許第5,244,482号を引用し、同特許は引例
として組み込まれる。流れ方向における布の伸長によ
り、図5に示すように「x−y」平面におけるループ繊
維26、27及び28がつくり出される。
【0034】図2に示すように、不織布4は流れ方向に
伸長された後、流れに交差する方向に伸長される。この
手順において、不織布4は送り出しロール1から巻き取
りロール3に移され、その間にピン幅出し機5を通過す
る。上述のように、不織布が流れに交差する方向に伸長
される際に加熱されてもよい。これはピン幅出し機5を
オーブン2の中に配することにより達成される。
【0035】流れに交差する方向の伸長は、当初の流れ
に交差する方向の寸法の約100〜200%であること
が好ましい。流れに交差する方向の伸長が150%であ
ることが更に好ましい。不織布4が流れに交差する方向
に伸長される間に、高速エアが不織布4の裏側を通して
吹きつけられ(図3参照)、ループ繊維26、27又は
28を図6に示すようにz方向に上方へ押し上げる。次
いで不織布4の裏側にメルトブローをスプレーすること
により、ループは「z」方向に安定化される。
【0036】もう一つの実施例では、不織布4が流れに
交差する方向に伸長された状態にあると共に、布の裏側
に大きな孔の支持スクリーンを置く。孔支持スクリーン
は1/4”〜1/2”の硬質線材布であることが好まし
い。硬質線材布が布4に対して置かれると共に布4はメ
ルトブローを通過し、そこで高速エアがループを「z」
方向に押し出し且つメルトブローが不織布の裏側にスプ
レーされて、ループが安定化される。
【0037】本発明の方法の更に他の実施例では、高速
エアを不織布4を通して吹きつけること、および不織布
4の裏側にメルトブローをスプレーすることでループを
「z」方向に安定させることという手順は、一つの手順
で行われる。すなわち、不織布4が流れ方向及び流れに
交差する方向の両方に伸長された後に、メルトブローさ
れた重合体繊維が高速熱風処理を用いて不織布4の裏側
にスプレーされるような一手順で、ループ繊維は「z」
方向に押され、安定化される。
【0038】本発明の方法の更に他の実施例では、不織
布4を流れ方向に交差する方向に伸長しループ繊維を
「z」方向に突出させる手順が組み合わされる。本実施
例では、不織布4が流れ方向に延伸された後、幅出し機
5を通過することにより流れに交差する方向に延伸され
ると共に、メルトブローされた重合体繊維が高速熱風処
理を用いて不織布4の裏側にスプレーされる。
【0039】本発明の更に他の実施例では、不織布は伸
長される際に斜めにされる。「y」方向が流れ方向だと
すると、布を流れ方向に伸長する際に、不織布の片側を
他方側より速いペースで引っ張ることにより布を斜めに
することができる。更に好適な実施例では、不織布は不
織布が流れ方向に伸長される際に供給過多にされる。織
物は10〜80度の間で斜めにされることが好適であ
る。
【0040】製造がより廉価になると共に、上述の方法
で製造されたループは先行技術により製造されたものが
伴う他の問題点も克服する。本発明のループには配向性
がない。更に、本発明の繊維製ループの下の領域は、図
9に示すように従来の方法により形成される面積よりも
全体的に長く且つ広いため、ループ繊維がより多くのフ
ックを捕捉できる。更に、ループ布にかける伸長張力を
調節することによりループの寸法を最適にできる。張力
は流れ方向又は流れに交差する方向のいずれかにおいて
調節可能である。フックの寸法が小さい場合、フックが
より多くのループを捕捉できるように、小さなループが
好ましい。よって、小さなループが好ましい場合、ルー
プ布に対する伸長張力を低くすべきである。
【0041】本発明の方法により製造されるループ材料
は、約50〜150グラム/平行センチの剥離力且つ約
200〜400グラム/平方センチの剪断力を有するこ
とが期待される。そのような剥離及び剪断力は、より高
価な従来の方法を用いて製造されるフックアンドループ
織物においてのみ一般的に見られるものである。
【0042】本発明の精神及び範囲から逸脱することな
く本発明の方法において多様な変更及び変形が可能であ
ることは、当業者にとって明らかなことであろう。よっ
て本発明は、添付のクレーム及びそれに均等なものの範
囲内であれば、本発明の変更及び変形をカバーすること
が意図されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一工程を実施するための装置の概略図
である。
【図2】本発明の他の一工程を実施するための装置の概
略図である。
【図3】本発明の更に他の一工程を実施するための装置
の概略図である。
【図4】未処理の不織布の繊維の平面図である。
【図5】本発明の方法により製造される不織布の繊維の
斜視図である。
【図6】本発明の方法により製造された繊維のx−y平
面における詳細な説明図である。
【図7】本発明の方法により製造された繊維のx−z平
面における詳細な説明図である。
【図8】メルトブロー工程を概略的に示す斜視図であ
る。
【図9】本発明の方法により製造された繊維のx−y平
面におけるより詳細な説明図である。
【符号の説明】
1 送り出しローラ 2 オーブン 3 巻き取りローラ 4 不織布 5 幅出機 6 メルトブローダイ 10 押出機 11 ダイ 12 フィラメント 13 スロット 14 ライン 15 回転スクリーン 17 不織布 18 ライン 19 真空ポンプ 26,27,28 ループ繊維 29 交点

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フックアンドループファスナー用のルー
    プ材料の製造方法であって、 ランダムに配された非弾性熱可塑性繊維製の表裏面を有
    する不織布を形成すること、 同不織布をx方向に伸長することにより不織布を絞り込
    むこと、 不織布をy方向に伸長することにより、大部分がx−y
    平面にあるループ繊維をつくり出すこと、 不織布にz方向に流体を通過させること、及び 伸長した不織布をz方向に安定化させること、の手順を
    含んでなることを特徴とするフックアンドループファス
    ナー用不織布ループ材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記流体を通過させる手順が、高速エア
    を不織布の裏面を通して噴射し、ループ状繊維をz方向
    に押すことから構成されてなる請求項1記載の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記伸長された不織布を安定化させる手
    順が、高速熱風処理を用いて不織布の裏面にメルトブロ
    ーされた重合体繊維を塗布することから構成されてなる
    請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記伸長された不織布を安定化させる手
    順が、前記不織布を第2方向yに伸長しながら、高速熱
    風処理を用いて不織布の裏面にメルトブローされた重合
    体繊維を塗布することから構成されてなる請求項1記載
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記流体を通過させる手順が、高速エア
    を不織布の裏面を通して噴射し、ループ状繊維をz方向
    に押すことから構成され、また前記伸長された不織布を
    安定化させる手順は不織布を直接不織布の取付物品の表
    面に固定することから構成されてなる請求項1記載の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 前記第1方向xが流れ方向である請求項
    1記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記第2方向yが流れに交差する方向で
    ある請求項1記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記不織布は同不織布の裏面にメルトブ
    ローをスプレーすることにより前記z方向に安定化され
    る請求項1記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記不織布はスパンボンドされてなる請
    求項1記載の製造方法。
  10. 【請求項10】前記スパンボンドされる不織布はポリプ
    ロピレンである請求項9記載の製造方法。
  11. 【請求項11】前記スパンボンドされる不織布はポリエ
    ステルである請求項9記載の製造方法。
  12. 【請求項12】メルトブローの塗布前に不織布の裏面に
    接着剤を塗布してなる請求項1記載の製造方法。
  13. 【請求項13】前記個々のループ状繊維を固まらせるた
    めに、前記不織布を前記x−y平面において斜めに伸長
    し、それによりフック当たりのループの係合率を増加さ
    せてなる請求項1記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8052666B2 (en) 2004-12-30 2011-11-08 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Fastening system having elastomeric engaging elements and disposable absorbent article made therewith
JP2017512602A (ja) * 2014-04-08 2017-05-25 アプリックスAplix フックおよびループ係止嵩を有するラミネートを提供するための方法、ならびに得られるラミネート

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