JP2008525809A - 複数層の放射線防護壁および放射線防護室 - Google Patents

複数層の放射線防護壁および放射線防護室 Download PDF

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Abstract

本発明は、加速器の反応場所のガンマ放射線および/または粒子放射線に対してシールドするための複数層の放射線防護壁に関する。前記放射線防護壁は少なくとも1つの第1および1つの第2の層配列から成るサンドイッチ状の構造を有する。第1の層配列は少なくとも1つの一次シールド層を含み、第2の層配列は少なくとも1つの二次シールド層を含む。第1および第2の層配列のうちの少なくとも一方が複数の部分区画へとさらに分割され、選択的な廃棄物処分を可能にする。この方式で、費用効果が高められ、環境汚染が削減される。

Description

本発明は、ガンマ放射線および/または粒子放射線に対してシールドするため、特に高エネルギー加速器施設の反応場所の放射線に対してシールドするための複数層(multi−layered)の放射線防護壁、およびこの放射線防護壁を備えた放射線防護室に関する。
粒子ビームのための高エネルギー加速器は全世界にわたってますます使用されつつある。その際に、強度およびエネルギーは恒久的に増大させられる。例えば、現在テラエレクトロンボルト(TeV)の範囲まで上るエネルギーを備えた陽子加速器が計画され、数ギガエレクトロンボルト(GeV)に上るエネルギーと1016陽子/秒に上る強度を備えた陽子加速器が、例えば核破砕源(spallation sources)のために計画されている。
後者の加速器は基礎研究のための中性子源として計画されているのみでなく、追加の中性子流によって臨界前の系が臨界状態へと至らされることが可能なエネルギー生産のための核施設としてもやはり検討されている。さらに、これらの施設は、その過程で長寿命の放射性物質が短寿命の放射性物質へと変えられる、いわゆる焼却のために使用されることが可能である。
高エネルギー加速器を稼動させるときの1つの問題点はターゲット領域(粒子ビームのターゲット、ここで堆積する)における高エネルギーの二次放射線の生成、および高エネルギーのビームまたは一次ビームの導入経路上でのターゲットへの輸送中にビームの損失が起こる場合である。
核反応で発生する荷電粒子は多くの場合、加速器の構造の中で止められるが、発生した中性子およびガンマ放射線は、数メートルの厚さを備えたシールドを通しても透過に関して高い能力を有する。さらに、極めて高いエネルギー、とりわけパイ中間子が作り出され、これらがミュー中間子(myons)へと減衰する。後者もやはり極めて高いカバー範囲を有し、したがって特別のビーム消滅装置(beam annihilator)で止められるべきである。
重イオン加速器のケースでは、状況はなお一層困難であり、なぜならば陽子加速器と同様に、二次放射線に関して既に低い強度の同程度の生成速度が生じるからである。これまで、そのような加速器施設における放射線の生成はビーム損失の場所における殆どの極めて大規模なシールドの導入の原因となった。核技術におけるように、しばしば鉄またはコンクリートがシールド用材料として使用された。そのようなコンクリート・シールドは硬く成形された壁と天井から成るが、単一部分から組み立てられる単一シールド・モジュールがシールド全体を形成することもやはりあり得る。
特別なシールドの要求条件のために、マグネタイト、リモナイト、またはバライトのような適切な添加物を備えた重い様々なコンクリート、3.6g/cmに上る密度を備えたコンクリートが2.3g/cm範囲の密度を備えた通常のコンクリートに加えて使用されることもあり得る(DIN25413参照)。しかし実際では、コストおよび達成されるシールド結果を最適化する意味で通常のコンクリートが主に使用される。
放射線を生成する過程は放射線の種類、エネルギー、強度および損失の率によって決まる。さらに、シールドの厚さは国の法律に従って満たされるべき制限値によって決まる。これらの制限値は年間線量限度値として規定されるかまたはμSv/hの線量率(dose rate)で参照される。
最近、バルク材料を備えたシールド用配列の使用が提案された。例えば、石膏または鉄鉱石がバルク材料として提案された。現在まで自然に見出される材料がこれらの施設の周囲に土壌として山積みされたが、シールドの中に直接組入れられていない。他方で、自然の材料がシールド用配列に使用されると、この材料は比較的供給源に近接するので放射化(activation)の問題が生じる。
同一出願人による特許出願DE10312271−A1(Bruchleら)およびDE102004046691.2(Fehrenbacher、Radon)から、石膏および鉄鉱石はそれぞれ高エネルギー加速器のシールドのための代替材料として知られている。この材料はよく適合したシールド用材料であることもまた実証された。出願DE102004046691.2では、特に鉄鉱石をバルク材料としてはめ込まれる放射線防護壁の部屋に組み入れる可能性が検討されている。
シールド用物質としてバルク材料を有するそのようなシールドを使用することはいくつかの増強を巻き込むが、以前の開発および加速器施設のためのシールドの構築の提案は大部分が特にシールド特性を考慮して計画されていた。
重要であり、発明人の発見のせいで十分に考慮されなかった、本発明で取り組まれるさらなる効果は放射線防護材料の放射化、特に二次放射線による放射活性の発生であり、これはシールド内での核反応の原因となる。これらの望ましくない副作用において、放射性核種の発生は特に核破砕源内でシールド層内の陽子および中性子によって引き起こされる。核子およびクラスタの蒸発によって複数の放射性核種が作り出されることが見込まれる。この問題は、使用されるシールド用材料のターゲット核が重くなるほど作り出される放射性核種の変動が大きくなるという事実によってさらに悪化している。
施設使用終了後に自然利用に再循環されるはずの自然の材料がシールド目的のために使用される場合、作り出される放射活性のレベルは国の法律の指定に従うために或る一定の制限より下でなければならない。したがって、例えばドイツの放射線防護法に従って無条件放出に関する核種特有の認定値をBq/gで下回らなければならない。いくつかの放射性核種のケースでは、総和則適用後の総排出量(exhaustion)は1未満でなければならない。総排出量は以下で定義される。
Figure 2008525809
ここでFは質量および放射性核種当たりの実際の活性であり、ここで1は放射性核種(i)全体にわたって合計されなければならない。
ドイツの法律によると、無条件の放出(堆積させてもよい)の傍らに限定放出に関するさらなる制限値がなお存在するが、活性が望ましいと見込まれる可能な限り低い法規制値を考慮していない。
しかしながら、発明人らによる算定は、高エネルギー加速器施設を数十年にわたって極めて高い強度で運転すると使用されたシールドは施設を閉鎖した後に浄化されることができないほど極度に放射化され、再建時に、場合によっては限定放出でさえなく、放出されることが可能になるまで何年または何十年も保管されなければならないことを示した。これは、まさに施設の使用終了後に可能な限り速やかに自然利用に再循環されるという理由で使用される自然の充填材料(土、砂、水など)にもやはり当てはまる。しかしその排出量が法規制より上であれば、材料は中期的に保管されなければならず、または放射性廃棄物として膨大な費用で処分されなければならないのでこの目的が満たされることは不可能である。
特許出願DE10327466−A1から、放射線防護建物のためのサンドイッチ工法による建造物が知られている。しかしながら、この建造物は医学的陽子治療のための部屋に由来しており、基本的にさらに低いエネルギーであるのでその要求条件は比較され得るものではない。
要約すると、特に、高エネルギー加速器施設のための多層の放射線防護配列または壁は数年または数十年にわたる高いビーム・エネルギーと強度での運転およびその後の廃棄を考慮に入れると材料の放射活性化およびその不活化特性に関してさらに改善されなければならない。特に、この態様は自然のシールド用材料が使用される場合に特に重要であり、一方でこの材料は施設が運転された後に放射活性化され、他方でそのような材料の一層多い量の取り扱いに殆ど経験が無い。
DE10312271−A1 DE102004046691.2 DE10327466−A1 FLUKA(A.Fasso,A.Ferrari,J.Ranft,P.R.Sala:New developments in FLUKA,modelling hadronic and EM interactions Proc.3rd Workshop on Simulating Accelerator Radiation Environments,KEK,Tsukuba(Japan)7〜9 May 1997.Ed.H.Hirayama,KEK proceedings 97−5(1997),p.32〜43)
したがって、特に、高エネルギーおよび/または核反応から出る高エネルギーのガンマ放射線および/または粒子放射線に対してシールドするための放射線防護室用の複数層の放射線防護壁を供給することが本発明の目的であり、これは長期間運転後の使用済み材料の将来の廃棄、および高いビーム・エネルギーと強度に関して扱い易い放射活性化を提供し、材料の部分は少なくとも部分的に再使用可能となる。
取り壊しの時に放射化物として廃棄されるべき可能な限り少ない材料が発生し、可能な限り多くの材料が制限値より下にあって再使用されることが可能であるような、高エネルギー加速器施設用の放射線防護壁を供給することが本発明のさらなる目的である。
特に、高い費用効果と少ない労働量で生産、組立て、解体、および廃棄されることが可能となるような放射線防護壁および放射線防護室を供給することが本発明の目的である。
知られているシールドの不都合を回避するかまたは少なくとも低減させるような放射線防護壁および放射線防護室を供給することが本発明のさらなる目的である。
請求項1および19の内容によって本目的は意外に単純な方式で既に解決されている。本発明の好都合のさらなる発展は従属請求項から導き出される。
本発明によると、1GeVを超える、特に10GeVを超える、またはさらに高い範囲の一次放射線によって作り出される高エネルギーまたは核反応から特に由来する高エネルギーのガンマ放射線および/または粒子放射線に対するシールドのために複数層の放射線防護壁が供給される。高エネルギー粒子加速器施設の反応場所の放射線はこれによりシールドされるかまたは減衰させられることが好ましい。殆どの用途で、シールドされるべき放射線はターゲットと一次放射線の反応によって作り出される二次放射線であるが、それは一次ビーム自体の残りまたは一部であることもやはりあり得る。
この放射線防護壁は少なくとも第1と第2の層配列を備えたサンドイッチ状の構造を有し、第1の層配列は少なくとも一次シールド層を含み、第2の層配列は、特に、異なる材料で構成されて機能的に異なる少なくとも二次シールド層を含む。
高エネルギー放射線を効率的にシールドすることを可能にするために、一次シールド層は核破砕層(spallation layer)として構築されることが好ましく、二次シールド層は緩和層として構築されることが好ましい。
本発明によると、第1または第2の層配列、好ましくは両方が複数層であるかまたは複数の隣接して既に組立て時に所定の分離可能な部分区画へと分割され、それにより、単純で独立した解体、および部分区画の独立して選択された再使用または廃棄が可能となる。いくつかの隣接する別々の緩和層および/または核破砕層へと分割することによって、かつ/または緩和層および/または核破砕層を(層によって規定される平面を横切る)横方向に分離することによって部分区画への分割が実施されることが可能となる。
これは、放射線防護壁および少なくとも部分的にそのような放射線防護壁から作られるいわゆる「洞窟」と呼ばれる放射線防護室それぞれを計画し終えると予測として高い被曝線量を伴う部分区画と予測として低い被曝線量を伴う部分区画の間の差別化を行うことが可能であり、解体時に多量被曝した部分区画と少量被曝した部分区画を別々に廃棄することおよび/またはこれらを再使用することを可能にするためにこれらの部分区画が分割可能または分離可能に組み立てられることが可能であるという多大な利点を提供する。そうすることにより、廃棄の費用が大幅に削減されることが可能となる。
言い換えると、本発明によれば運転によって高度に(高いレベルで)放射化される部分区画は、シールド特性を有して低度に(低いレベルで)放射化される、すなわち活性レベルが低い部分区画から分離されることが可能である。使用終了から間もなく、自然の材料を含んで低く放射化されているに過ぎないこれらの層は無条件使用のため、または少なくとも廃棄のための準備ができており、再度の自然使用のための準備ができている。本発明がいずれかの国の制限値規則に従うように限定されないことは明らかである。
閉鎖後、高度に放射化した部分区画は中期的に保管されるか、または匹敵する核施設でさらに使用されるかどちらかである。
第1および/または第2の層配列はそれらの部分に別々に複数層で構築される。言い換えると、第1の層配列は2層、3層またはそれを上回る複数の核破砕層を含み、かつ/または第2の層配列は2層、3層またはそれを上回る複数の緩和層を含むことで横方向の分離可能性に加えて層の法線に沿った分離可能性を達成する。これにより、二次元(方位角および半径方向の極座標)の展開の概念に関すると、解体を計画する工程は予期される被曝線量に対して調節されることが可能であり、それにより、二次元モジュール式または差別化された解体が可能となる。
これらの利点は、(複数の)緩和層および/または(複数の)核破砕層がバルク材料の層から作られれば特別の効果を有し、なぜならばこのケースでは別々の解体が特に単純に為されることができるからである。
バルク材料の層の境界を定めるために、この放射線防護壁は固体の静力学付与(statics−giving)コンクリート基層を有する。さらに、例えばコンクリートから作られた(薄い)分割用壁が核破砕層と緩和層の間に設けられることで別々の廃棄を確実にする。バルク材料層の正面方向、横方向に隣り合う区画は分割用素子によって互いから分離される。言い換えると、分割用層および分割用素子は二次元的に部分分割される放射線防護壁をその方向に形成するために、充填されるべき互いに隣り合う箱または領域を形成し、これらの中に核破砕材料および緩和材料それぞれが充填される。
本発明の特に好ましい実施形態によると、少なくとも1つの横方向位置、特に中央領域で、放射線防護壁はビーム下流(downbeam)に以下の順序で少なくとも以下の層構造をもたらす。
・第1の固体(コンクリート)の基層、
・核破砕層、
・第1の分割用壁、
・第1の緩和層、
・第2の分割用壁、
・第2の緩和層、
・第2の固体(コンクリート)の基層。
いくつかまたは全部の緩和層または区画は30より低い原子番号を備えた元素を主に(50%超)含み、またはそのような元素群で構成される構成されることが好ましい。これらの元素は軽核部分および核子を緩和するために特に適している。特に中性子の緩和に関すると、石膏または水と結合した材料から作られた緩和層が特に適していることが実証された。しかし流体区画または層は、例えば水から作られることもやはり想像可能である。さらに、単純な土、砂、フリント、長石、石灰長石、カリウム長石、または同様の自然の原材料が(複数の)緩和層として使用されることが可能であることが明らかになった。
しかし緩和層の下流部に置かれる(複数の)核破砕層は20または25を超える原子番号を備えた元素を主に(50%超)含み、またはそのような元素群で構成される。鉄を含む材料または原鉱、特に鉄鉱石またはバライトは核破砕材料としてのそれらの価値を特に実証された。この材料は低コストで入手されることが可能であり、廃棄されること、または場合によっては再利用されることが好ましいと見込まれる。
この(複数の)緩和層は3.5g/cm以下の密度を有し、この(複数の)核破砕層は3.0g/cm以上の密度を有することが好ましい。
特に、本発明による放射線防護壁は放射線防護室のビーム下流部に配置された壁によって形成され、この中へ粒子加速器からの一次高エネルギー・ビームが反応場所またはターゲット上に方向付けられる。
したがって、放射線防護室は少なくとも以下の構成要素、すなわち
・上述の分割構造を備えてビーム下流部に置かれた第1の放射線防護壁、
・高エネルギー・ビームのための入り口領域を備えてビーム上流部に置かれた第2の放射線防護壁、
・床および天井と同様に横方向の放射線防護壁、
を有し、ここで放射線防護壁、床、および天井は一体になって反応場所の周囲で実質的に閉じた放射線防護ケージを形成する。
それにより、第1の放射線防護壁は高エネルギー・ビームの前方方向付近の所定の立体角で反応場所から脱け出す放射線を減衰させるための中央領域、および中央領域の周囲の周辺領域を供給し、解体中に中央領域からの部分区画と周辺領域からの部分区画が互いに別々に解体される、または取り壊されることが可能となるように、および再使用または廃棄されることが可能となるように複数の別々の部分区画から構築される。
横方向の放射線防護壁はこれらとは異なる層構造を有することが見込まれる。
いわゆる「ビーム・ダンプ」と呼ばれる付加的なビーム消滅装置が一次高エネルギー・ビームの前方方向または反応場所のビーム下流(downbeam)に置かれる場合、特に高いビーム・エネルギーでこれは有利になると見込まれる。ビーム消滅装置はビーム下流部を放射線防護室の外側の第1の放射線防護壁につなぐことが好ましく、または少なくとも部分的に放射線防護壁の中に一体化される。
以下では、実施形態によって、および図面を参照して本発明がさらに詳しく述べられ、ここでは同一および類似した素子は同じ参照を部分的に与えられ、異なる実施形態の特徴が互いに組み合わされることもあり得る。
FAIR(Facility for Antiproton and Ion Research)プロジェクトの背景で本出願人のところで現在計画されている核衝突用の照射室が本発明による放射線防護壁の一例として使用される。
図1は、床(図示せず)および天井と一体になってターゲット50周囲の反応洞窟として特に閉鎖されたケージを形成する、ビーム下流部(前部)に配置された第1の放射線防護壁110、ビーム上流部(後部)に配置された第2の放射線防護壁210、および2つの横方向の放射線防護壁310、410から構築される放射線防護室1を示している。この部屋1は迷路状の入り口領域60を有する。
高エネルギーの一次ビーム70はビーム入り口領域70を通って部屋1に入り、ターゲット50に当たる。この例では30GeVのエネルギーを備えた1012陽子/秒である一次ビーム70は全方向に発射されるが、それでもやはり前方方向に最大を有する二次放射線90を発生させる。特に、この二次放射線90が効率的にシールドされるべきである。
各々の放射線防護壁110、210、310、410が内側の固体基層または支持コンクリート層140、240、340、440および外側の固体基層または支持コンクリート層150、250、350、450を有する。前部および横方向の外側コンクリート層150、350、および450はそれらの部分で層152、154;352、354;452、454にそれぞれ2層化される。
さらに、各々の放射線防護壁110、210、310、410が鉄、鉄粒、または鉄鉱石のような核破砕材料から作られた内側の層構造120、220、320、420を有する。前部の核破砕層配列120はその部分で核破砕層122、124に2層化される。横方向の核破砕層配列320、420は各々1つの核破砕層322、422を有するに過ぎない。
各々の核破砕層配列120、220、320、420に隣接して外側に土から作られた緩和層配列130、230、330、430がある。前部の緩和層配列120はその部分で緩和層132、134、136に3層化される。各々の横方向緩和層配列330、430は2つの緩和層332、334および432、434をそれぞれ有する。
コンクリート層140、152は、核破砕層用に鉄鉱石のバルク材料および緩和層用に土のバルクで充填されるための内側および外側の基礎壁として働く。この土は本研究施設の場所で普通であるような組成を有する。静的要求条件を満たすために中間層および張力アンカー(図1に示されない)が導入される。
核破砕層は緩和層の材料の原子番号より大きい原子番号を備えた材料で構成される。核破砕層では、主に核破砕反応は高エネルギーの中性子によって引き起こされ、これはとりわけ蒸発中性子の生成につながる。蒸発中性子は二次放射線の中性子より低いエネルギーを有し、さらなる放射性核種の発生が低い確率で起こる。層の厚さが十分に大きければ、二次放射線の中性子のより大型の部分は蒸発核の中性子へと変換される。層のこの厚さが一次ビーム(イオン、エネルギー、強度の種類)に合わせられ、ターゲットで作り出される二次放射線が強く散乱されて減衰させられるような方式でターゲット(元素、厚さ)に合わせられれば、ビーム下流部に続く層は低く放射化されるのみであり、作り出される放射能のレベルは低い。
特に、前部の放射線防護壁110およびその層はそれぞれ一方で横方向に、すなわち層のそれぞれの平面に対して直角に、他方で層配列120、130をさらなる分割層122、124および132、134、136へとそれぞれ分割することによって部分区画にさらに分割される。この分割は、この例では内側から外方向に以下のようにして作られる。
・内側のコンクリート層140が中央部分区画21および2つの周辺部分区画20を有する。
・第1の核破砕層122が中央部分区画15および2つの周辺部分区画13を有する。
・第2の核破砕層124が中央部分区画16および2つの周辺部分区画14を有する。
・第1の緩和層132が中央部分区画10および2つの周辺部分区画7を有する。
・第2の緩和層134が中央部分区画11および2つの周辺部分区画8を有する。
・第3の緩和層136が中央部分区画12および2つの周辺部分区画9を有する。
・外側のコンクリート層152、154がワンピースに作られる。
横方向の放射線防護壁310および410もやはり以下のようにして部分区画へとさらに分割される。
・内側コンクリート層340が第1の部分区画22および第2の部分区画23を有する。
・核破砕層322のみが第1の部分区画17および第2の部分区画18を有する。
・第1の緩和層332が第1の部分区画2および第2の部分区画4を有する。
・第2の緩和層334が1つの区画3のみを有する。
・内側コンクリート層440が1つの区画441のみを有する。
・核破砕層422が1つの区画443のみを有する。
・第1の緩和層432が第1の部分区画6および第2の部分区画433を有する。
・第2の緩和層434が1つの区画5のみを有する。
さらに、後部の放射線防護壁210に関すると以下が当てはまる。
・内側後部コンクリート層240がワンピースに作られる(区画24)。
・核破砕層222が1つの区画19のみを有する。
・緩和層232が1つの区画1のみを有する。
・外側コンクリート層250がワンピースに作られる。
分割用壁(図1に示されない)が核破砕層と緩和層の間に設けられる。さらに、前部側で隣り合う部分区画、例えば区画13と15がそれらの前部側で分割用素子によって分離される。
図2は核破砕層の部分区画15、16および緩和層の10、11、12、ならびに外側の支持コンクリート層152、154および内側の支持コンクリート層140の部分区画21の詳細な拡大図を示している。核破砕層および緩和層の部分区画は分割用壁92および分割用素子92によって、ならびに隣接する支持コンクリート層によって区切られる。これから閉鎖フレームまたは箱が結果として生じ、バルクの、または押し込まれた核破砕または緩和材料がそれぞれの区画を形成するようにそれぞれさせられる。
特に、前部の放射線防護壁は本発明による区画化分割によって二次放射線90の異方性に合わせられる。
ターゲットへと配向させられる内側、すなわち中央の層区画21、15、16は最も高いシールド特性を有するべきであり、したがって最も高度な放射化を有する。他の区画はそれらの周辺位置またはそれらの一層外側の位置に起因してより低度に放射化される。したがって、残りの部分区画の殆どは施設使用直後に、または短い待機時間の後に無条件で放出される準備が整っている。都合の良いことに、一方では必要な層厚および不可避的に増加した活性を伴う材料を必要な限り少なくして組み入れることが可能であり、他方では、部屋1の外側または施設の外側で或る一定の値より低い線量率を達成するために自然の材料を必要な限り多く組み入れることが可能である。
したがって、本願明細書に述べられる発明は2つの値、すなわち
1.放射線防護壁110、210、310、410のいくつかの部分区画1〜24の内側の放射能の分布、および
2.施設の外側で下回らなければならない線量率、
を最適化する。
特に、本発明による前部の放射線防護壁110に関すると以下が当てはまる。
・核破砕層122、124が緩和層132、134、136から分離され、
・いくつかの核破砕層122、124が互いから分離され、
・いくつかの緩和層が互いから分離され、
・核破砕層122、124および緩和層132、134、136の各々が部分区画13〜16および7〜12へとそれぞれ横方向にさらに分割される。
様々な層は固体の層(コンクリート基層)またはバルク材料層(核破砕層、緩和層)または流体の層(緩和層)としてさえ供給されることが見込まれる。さらに正確に述べると、緩和層はシールド用材料としてバルク材料、例えば石膏、土、砂などの自然材料を含み、内側および外側の基層140、152、154は部屋を静的に構造化するために役立つ鉄筋コンクリート層である。
図3は30GeVのエネルギーと1012陽子/秒の強度を備えた陽子ビーム70による動作に関する算定線量プロファイルを示している。線量率は単位μSv/hで与えられる。
放射室は次の2つの点で最適化された。
1.施設の外側で低い放射線レベルが達成される。
2.放射線防護壁の内側の局所的放射化が自然のシールド用材料の土に合わせられる。
図3で、自然のシールド用材料、この例では鉄鉱石を核破砕材料として、土を緩和材料として使用すると作り出された放射線が効率的に減衰させられることが見受けられ得る。ターゲット50の近辺では線量率は極めて高く(1Sv/h以上)、放射線防護室1の外側(前方方向まっすぐを除く)では0.1μSv/hと1μSv/hの間にある。したがって、国の法規制値の仕様は満たされていると見込まれる。
計算は放射線輸送プログラムFLUKA(A.Fasso,A.Ferrari,J.Ranft,P.R.Sala:New developments in FLUKA,modelling hadronic and EM interactions Proc.3rd Workshop on Simulating Accelerator Radiation Environments,KEK,Tsukuba(Japan)7〜9 May 1997.Ed.H.Hirayama,KEK proceedings 97−5(1997),p.32〜43)を使用して為された。
表1では、様々な部分区画1から24の放射化が30年のビーム時間および30GeVで1.00E+12陽子/秒の平均強度に関して算出されている。ターゲットは約1%の陽子反応率を生じる。それにより、極めて強い高エネルギー二次放射線が作り出される(中性子、陽子、パイ中間子、ミュー中間子(myons))。二次放射線は今度は他方でシールド層内に以下のように放射活性を作り出す。
これにより、区画1から12は土から成り、区画13から19は鉄鉱石から成り、区画20から24はコンクリートから成る。放射化は3つの異なる減衰期間、すなわち5年、1年、および1カ月について無条件放出のための総排出量の単位で与えられる。ここで1未満の値は無条件放出を意味する。
Figure 2008525809
土を含む殆どすべての区画が1カ月の減衰期間の後に既に無条件で放出されることが可能であることは明らかである。1カ月後に3.83の排出量を備えた区画10のみが明らかに放出値を上回る。5年待つとこの層を約1の値に至らせる。
場合によっては、区画15および/または16の鉄鉱石の層の厚さもやはり土の放射化の排出を1カ月の減衰期間の後に1より下の値に至らせるために増やされることが見込まれる。
部分的に、コンクリートおよび鉄鉱石の層区画は高度に放射化される。したがって、前方方向の鉄鉱石区画15および16は最も高い放射化を有し、1カ月の減衰期間の後に放出放射化の排出量値275(区画15)を有する。したがって、前に置かれるコンクリート層もやはり高度に放射化される(142の値を備えた区画21)。同様に5年の待ち時間は排出率を1より下に至らせるには不十分である。この材料は無条件で放出されることはできない、すなわち他の施設で再びシールド用材料として使用されるか、またはそれぞれの国の放射線防護法に従って廃棄されることが見込まれる。
図4は、土から成る、図1からの区画8に関して作り出される放射活性の分布を例示している。
最も重要な放射性核種が示されている。ドイツの放射線防護規則による放出値(無条件放出)の排出率が1012陽子/秒による30年運転および1カ月の減衰期間に関して具体的に示されている。
ここでは放射性核種Na−22(半減期2.6年)が最も高い相対的排出を有する。生じるさらなる放射性核種はH−3、Be−7、Mn−52、54、Sc−46、V−48、Cr−51、Fe−55、59、およびコバルトのアイソトープCo−56、58、60である。
図5は図1に示されたものによる放射線防護室を示しているが、コンクリート外被96を備えた鉄から作られた追加のビーム消滅装置(beam annihilator)95を備えている。ビーム消滅装置95は中央で緩和層132、134、136の中、さらに特定すると区画10、11、12の中に埋め込まれ、それにより、これらの区画のさらに減少した放射化を生じさせる。ビーム消滅装置からビーム上流、好ましくはビーム消滅装置95の入り口領域に位置する区画に入り口通路98が設けられる。
要約すると、多様な部分区画に生じる放射活性をシールド施設の建設中に考慮に入れることは以下の利点を伴う。
1.放射活性備品をシールド層内に集中させ、これらは層から容易に分離されることが可能であり、わずかに放射化されるのみである。
2.わずかに放射化した層と高度に放射化した層を分けることが放射線防護に関して最適であり、なぜならば廃棄されるべき(または再使用されるべき)材料の合計質量が減らされ、したがって廃棄が容易に為されるからである。
3.自然のシールド用材料(土、砂、沈泥、石膏など)を使用することが2倍の利点、すなわち、この材料が供給と輸送に関して準備されるのに最も容易であり、解体の段階で処分されることが容易である(わずかに放射化されるに過ぎないことおよび少なくとも法律で定められた排出制限より下であることを前提とする)という利点を有する。
4.施設に出入りする、輸送が必然的に遠方から為される輸送材料(鉄鉱石)が実際に必要とされる最小限に減らされ、大部分、自然のシールド用材料は建設される加速器施設の近辺または同じ場所に処分されることが可能である。したがって、輸送努力および使用されるエネルギーが削減される。
5.数年間施設を運転した後、施設を解体する決定が為されなければならないとき、運転職員の知識を使用して施設が可能な限り迅速に解体されるような方式で進行する。それにより、これは放射活性で負担をかけられた区画と無条件かつ/または条件付きで放出されることが可能である区画の間の明確な区別が存在する点で一層容易にされる。このために、解体手順中に放射能汚染除去および放射線に対して見込まれる直接被曝の危険の中で作業する解体段階と純粋に従来式の解体手順を伴う解体段階の間で一層良好に区別することが可能である。汚染の伝播および作業者の用意および放射線防護を回避するための努力は前述の解体段階に一層適合させられることが可能である。
6.シールド用質量の一層大きい部分が施設の長時間運転の直後に無条件放出されることが可能である。
7.強くかつわずかに放射化されるシールド用材料を配列するために本願明細書に提案される最適化は本願明細書に参照で組み込まれるDE102004046691.2に開示されたバルク材料のシールドによって補完されることが可能である。
しかしながら、本発明は高エネルギー加速器施設に使用されることが可能であるのみでなく、発電用の核反応炉または研究用反応炉((n,γ)反応で中性子を捕捉することによる活性化)のようなさらに低いエネルギーの中性子または熱中性子が放出される施設、または核破砕中性子源に転用されることもやはり可能である。全体として、本発明は放射活性の意味で物質および材料の活性化を引き起こす複数種の放射線に関して使用されることになる。
前述の複数の実施形態が具体的例示として理解されるべきであること、および本発明がこれらの実施形態に限定されず、本発明の範囲と精神から逸脱することなく多様に変えられることが可能であることは当業者にとって明らかである。
本発明の第1の実施形態による放射線防護室を通る概略の上部断面図である。 図1の区画Aを示す図である。 図1による放射線防護室における算定線量プロファイルを示す図である。 図1の区画8のアイソトープによる算定放射能分離(radioactivity split)を示す図である。 本発明の第2の実施形態による放射線防護室を通る概略の上部断面図である。
【書類名】明細書
【発明の名称】複数層の放射線防護壁および放射線防護室
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガンマ放射線および/または粒子放射線に対してシールドするため、特に高エネルギー加速器施設の反応場所の放射線に対してシールドするための複数層(multi−layered)の放射線防護壁、およびこの放射線防護壁を備えた放射線防護室に関する。
【背景技術】
【0002】
粒子ビームのための高エネルギー加速器は全世界にわたってますます使用されつつある。その際に、強度およびエネルギーは恒久的に増大させられる。例えば、現在テラエレクトロンボルト(TeV)の範囲まで上るエネルギーを備えた陽子加速器が計画され、数ギガエレクトロンボルト(GeV)に上るエネルギーと1016陽子/秒に上る強度を備えた陽子加速器が、例えば核破砕源(spallation sources)のために計画されている。
【0003】
後者の加速器は基礎研究のための中性子源として計画されているのみでなく、追加の中性子流によって臨界前の系が臨界状態へと至らされることが可能なエネルギー生産のための核施設としてもやはり検討されている。さらに、これらの施設は、その過程で長寿命の放射性物質が短寿命の放射性物質へと変えられる、いわゆる焼却のために使用されることが可能である。
【0004】
高エネルギー加速器を稼動させるときの1つの問題点はターゲット領域(粒子ビームのターゲット、ここで堆積する)における高エネルギーの二次放射線の生成、および高エネルギーのビームまたは一次ビームの導入経路上でのターゲットへの輸送中にビームの損失が起こる場合である。
【0005】
核反応で発生する荷電粒子は多くの場合、加速器の構造の中で止められるが、発生した中性子およびガンマ放射線は、数メートルの厚さを備えたシールドを通しても透過に関して高い能力を有する。さらに、極めて高いエネルギー、とりわけパイ中間子が作り出され、これらがミュー中間子(myons)へと減衰する。後者もやはり極めて高いカバー範囲を有し、したがって特別のビーム消滅装置(beam annihilator)で止められるべきである。
【0006】
重イオン加速器のケースでは、状況はなお一層困難であり、なぜならば陽子加速器と同様に、二次放射線に関して既に低い強度の同程度の生成速度が生じるからである。これまで、そのような加速器施設における放射線の生成はビーム損失の場所における殆どの極めて大規模なシールドの導入の原因となった。核技術におけるように、しばしば鉄またはコンクリートがシールド用材料として使用された。そのようなコンクリート・シールドは硬く成形された壁と天井から成るが、単一部分から組み立てられる単一シールド・モジュールがシールド全体を形成することもやはりあり得る。
【0007】
特別なシールドの要求条件のために、マグネタイト、リモナイト、またはバライトのような適切な添加物を備えた重い様々なコンクリート、3.6g/cmに上る密度を備えたコンクリートがの2.3g/cm範囲の密度を備えた通常のコンクリートに加えて使用されることもあり得る(DIN25413参照)。しかし実際では、コストおよび達成されるシールド結果を最適化する意味で通常のコンクリートが主に使用される。
【0008】
放射線を生成する過程は放射線の種類、エネルギー、強度および損失の率によって決まる。さらに、シールドの厚さは国の法律に従って満たされるべき制限値によって決まる。これらの制限値は年間線量限度値として規定されるかまたはμSv/hの線量率(dose rate)で参照される。
【0009】
最近、バルク材料を備えたシールド用配列の使用が提案された。例えば、石膏または鉄鉱石がバルク材料として提案された。現在まで自然に見出される材料がこれらの施設の周囲に土壌として山積みされたが、シールドの中に直接組入れられていない。他方で、自然の材料がシールド用配列に使用されると、この材料は比較的供給源に近接するので放射化の問題が生じる。
【0010】
許出願DE10312271−A1(Bruchleら)および本出願と同一の出願人によるDE102004052158(Fehrenbacher、Radon)から、石膏および鉄鉱石はそれぞれ高エネルギー加速器のシールドのための代替材料として知られている。この材料はよく適合したシールド用材料であることもまた実証された。出願DE102004052158では、特に鉄鉱石をバルク材料としてはめ込まれる放射線防護壁の部屋に組み入れる可能性が検討されている。
【0011】
シールド用物質としてバルク材料を有するそのようなシールドを使用することはいくつかの増強を巻き込むが、以前の開発および加速器施設のためのシールドの構築の提案は大部分が特にシールド特性を考慮して計画されていた。
【0012】
重要であり、発明人の発見のせいで十分に考慮されなかった、本発明で取り組まれるさらなる効果は放射線防護材料の放射化、特に二次放射線による放射活性の発生であり、これはシールド内での核反応の原因となる。これらの望ましくない副作用において、放射性核種の発生は特に核破砕源内でシールド層内の陽子および中性子によって引き起こされる。核子およびクラスタの蒸発によって複数の放射性核種が作り出されることが見込まれる。この問題は、使用されるシールド用材料のターゲット核が重くなるほど作り出される放射性核種の変動が大きくなるという事実によってさらに悪化している。
【0013】
施設使用終了後に自然利用に再循環されるはずの自然の材料がシールド目的のために使用される場合、作り出される放射活性のレベルは国の法律の指定に従うために或る一定の制限より下でなければならない。したがって、例えばドイツの放射線防護法に従って無条件放出に関する核種特有の認定値をBq/gで下回らなければならない。いくつかの放射性核種のケースでは、総和則適用後の総排出量(exhaustion)は1未満でなければならない。総排出量は以下で定義される。
【数1】
Figure 2008525809
ここでFは質量および放射性核種当たりの実際の活性であり、ここで1は放射性核種(i)全体にわたって合計されなければならない。
【0014】
ドイツの法律によると、無条件の放出(堆積させてもよい)の傍らに限定放出に関するさらなる制限値がなお存在するが、活性が望ましいと見込まれる可能な限り低い法規制値を考慮していない。
【0015】
しかしながら、発明人らによる算定は、高エネルギー加速器施設を数十年にわたって極めて高い強度で運転すると使用されたシールドは施設を閉鎖した後に浄化されることができないほど極度に放射化され、再建時に、場合によっては限定放出でさえなく、放出されることが可能になるまで何年または何十年も保管されなければならないことを示した。これは、まさに施設の使用終了後に可能な限り速やかに自然利用に再循環されるという理由で使用される自然の充填材料(土、砂、水など)にもやはり当てはまる。しかしその排出量が法規制より上であれば、材料は中期的に保管されなければならず、または放射性廃棄物として膨大な費用で処分されなければならないのでこの目的が満たされることは不可能である。
【0016】
特許出願DE10327466−A1から、放射線防護建物のためのサンドイッチ工法による建造物が知られている。しかしながら、この建造物は医学的陽子治療のための部屋に由来しており、基本的にさらに低いエネルギーであるのでその要求条件は比較され得るものではない。
【0017】
要約すると、特に、高エネルギー加速器施設のための多層の放射線防護配列または壁は数年または数十年にわたる高いビーム・エネルギーと強度での運転およびその後の廃棄を考慮に入れると材料の放射活性化およびその不活化特性に関してさらに改善されなければならない。特に、この態様は自然のシールド用材料が使用される場合に特に重要であり、一方でこの材料は施設が運転された後に放射活性化され、他方でそのような材料の一層多い量の取り扱いに殆ど経験が無い。
【0018】
【特許文献】DE10312271−A1
【特許文献】DE102004052158
【特許文献】DE10327466−A1
【非特許文献】FLUKA(A.Fasso,A.Ferrari,J.Ranft,P.R.Sala:New developments in FLUKA,modelling hadronic and EM interactions Proc.3rd Workshop on Simulating Accelerator Radiation Environments,KEK,Tsukuba(Japan)7〜9 May 1997.Ed.H.Hirayama,KEK proceedings 97−5(1997),p.32〜43)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
したがって、特に、高エネルギーおよび/または核反応から出る高エネルギーのガンマ放射線および/または粒子放射線に対してシールドするための放射線防護室用の複数層の放射線防護壁を供給することが本発明の目的であり、これは長期間運転後の使用済み材料の将来の廃棄、および高いビーム・エネルギーと強度に関して扱い易い放射活性化を提供し、材料の部分は少なくとも部分的に再使用可能となる。
【0020】
取り壊しの時に放射化物として廃棄されるべき可能な限り少ない材料が発生し、可能な限り多くの材料が制限値より下にあって再使用されることが可能であるような、高エネルギー加速器施設用の放射線防護壁を供給することが本発明のさらなる目的である。
【0021】
特に、高い費用効果と少ない労働量で生産、組立て、解体、および廃棄されることが可能となるような放射線防護壁および放射線防護室を供給することが本発明の目的である。
【0022】
知られているシールドの不都合を回避するかまたは少なくとも低減させるような放射線防護壁および放射線防護室を供給することが本発明のさらなる目的である。
【課題を解決するための手段】
【0023】
請求項1および19の内容によって本目的は意外に単純な方式で既に解決されている。本発明の好都合のさらなる発展は従属請求項から導き出される。
【0024】
本発明によると、1GeVを超える、特に10GeVを超える、またはさらに高い範囲の一次放射線によって作り出される高エネルギーまたは核反応から特に由来する高エネルギーのガンマ放射線および/または粒子放射線に対するシールドのために複数層の放射線防護壁が供給される。高エネルギー粒子加速器施設の反応場所の放射線はこれによりシールドされるかまたは減衰させられることが好ましい。殆どの用途で、シールドされるべき放射線はターゲットと一次放射線の反応によって作り出される二次放射線であるが、それは一次ビーム自体の残りまたは一部であることもやはりあり得る。
【0025】
この放射線防護壁は少なくとも第1と第2の層配列を備えたサンドイッチ状の構造を有し、第1の層配列は少なくとも一次シールド層を含み、第2の層配列は、特に、異なる材料で構成されて機能的に異なる少なくとも二次シールド層を含む。
【0026】
高エネルギー放射線を効率的にシールドすることを可能にするために、一次シールド層は核破砕層(spallation layer)として構築されることが好ましく、二次シールド層は緩和層として構築されることが好ましい。
【0027】
本発明によると、第1または第2の層配列、好ましくは両方が複数層であるかまたは複数の隣接して既に組立て時に所定の分離可能な部分区画へと分割され、それにより、単純で独立した解体、および部分区画の独立して選択された再使用または廃棄が可能となる。いくつかの隣接する別々の緩和層および/または核破砕層へと分割することによって、かつ/または緩和層および/または核破砕層を(層によって規定される平面を横切る)横方向に分離することによって部分区画への分割が実施されることが可能となる。
【0028】
これは、放射線防護壁および少なくとも部分的にそのような放射線防護壁から作られるいわゆる「洞窟」と呼ばれる放射線防護室それぞれを計画し終えると予測として高い被曝線量を伴う部分区画と予測として低い被曝線量を伴う部分区画の間の差別化を行うことが可能であり、解体時に多量被曝した部分区画と少量被曝した部分区画を別々に廃棄することおよび/またはこれらを再使用することを可能にするためにこれらの部分区画が分割可能または分離可能に組み立てられることが可能であるという多大な利点を提供する。そうすることにより、廃棄の費用が大幅に削減されることが可能となる。
【0029】
言い換えると、本発明によれば運転によって極度に放射化される部分区画はシールド特性を有して少なく放射化される、すなわち活性レベルが低い部分区画から分離されることが可能である。使用終了から間もなく、自然の材料を含んで低く放射化されているに過ぎないこれらの層は無条件使用のため、または少なくとも廃棄のための準備ができており、再度の自然使用のための準備ができている。本発明がいずれかの国の制限値規則に従うように限定されないことは明らかである。
【0030】
閉鎖後、高度に放射化した部分区画は中期的に保管されるか、または匹敵する核施設でさらに使用されるかどちらかである。
【0031】
第1および/または第2の層配列はそれらの部分に別々に複数層で構築される。言い換えると、第1の層配列は2層、3層またはそれを上回る複数の核破砕層を含み、かつ/または第2の層配列は2層、3層またはそれを上回る複数の緩和層を含むことで横方向の分離可能性に加えて層の法線に沿った分離可能性を達成する。これにより、二次元(方位角および半径方向の極座標)の展開の概念に関すると、解体を計画する工程は予期される被曝線量に対して調節されることが可能であり、それにより、二次元モジュール式または差別化された解体が可能となる。
【0032】
これらの利点は、(複数の)緩和層および/または(複数の)核破砕層がバルク材料の層から作られれば特別の効果を有し、なぜならばこのケースでは別々の解体が特に単純に為されることができるからである。
【0033】
バルク材料の層の境界を定めるために、この放射線防護壁は固体の静力学付与(statics−giving)コンクリート基層を有する。さらに、例えばコンクリートから作られた(薄い)分割用壁が核破砕層と緩和層の間に設けられることで別々の廃棄を確実にする。バルク材料層の正面方向、横方向に隣り合う区画は分割用素子によって互いから分離される。言い換えると、分割用層および分割用素子は二次元的に部分分割される放射線防護壁をその方向に形成するために、充填されるべき互いに隣り合う箱または領域を形成し、これらの中に核破砕材料および緩和材料それぞれが充填される。
【0034】
本発明の特に好ましい実施形態によると、少なくとも1つの横方向位置、特に中央領域で、放射線防護壁はビーム下流(downbeam)に以下の順序で少なくとも以下の層構造をもたらす。
・第1の固体(コンクリート)の基層、
・核破砕層、
・第1の分割用壁、
・第1の緩和層、
・第2の分割用壁、
・第2の緩和層、
・第2の固体(コンクリート)の基層。
【0035】
いくつかまたは全部の緩和層または区画は30より低い原子番号を備えた元素を主に(50%超)含み、またはそのような元素群で構成される構成されることが好ましい。これらの元素は軽核部分および核子を緩和するために特に適している。特に中性子の緩和に関すると、石膏または水と結合した材料から作られた緩和層が特に適していることが実証された。しかし流体区画または層は、例えば水から作られることもやはり想像可能である。さらに、単純な土、砂、フリント、長石、石灰長石、カリウム長石、または同様の自然の原材料が(複数の)緩和層として使用されることが可能であることが明らかになった。
【0036】
しかし緩和層の下流部に置かれる(複数の)核破砕層は20または25を超える原子番号を備えた元素を主に(50%超)含み、またはそのような元素群で構成される。鉄を含む材料または原鉱、特に鉄鉱石またはバライトは核破砕材料としてのそれらの価値を特に実証された。この材料は低コストで入手されることが可能であり、廃棄されること、または場合によっては再利用されることが好ましいと見込まれる。
【0037】
この(複数の)緩和層は3.5g/cm以下の密度を有し、この(複数の)核破砕層は3.0g/cm以上の密度を有することが好ましい。
【0038】
特に、本発明による放射線防護壁は放射線防護室のビーム下流部に配置された壁によって形成され、この中へ粒子加速器からの一次高エネルギー・ビームが反応場所またはターゲット上に方向付けられる。
【0039】
したがって、放射線防護室は少なくとも以下の構成要素、すなわち
・上述の分割構造を備えてビーム下流部に置かれた第1の放射線防護壁、
・高エネルギー・ビームのための入り口領域を備えてビーム上流部に置かれた第2の放射線防護壁、
・床および天井と同様に横方向の放射線防護壁、
を有し、ここで放射線防護壁、床、および天井は一体になって反応場所の周囲で実質的に閉じた放射線防護ケージを形成する。
【0040】
それにより、第1の放射線防護壁は高エネルギー・ビームの前方方向付近の所定の立体角で反応場所から脱け出す放射線を減衰させるための中央領域、および中央領域の周囲の周辺領域を供給し、解体中に中央領域からの部分区画と周辺領域からの部分区画が互いに別々に解体される、または取り壊されることが可能となるように、および再使用または廃棄されることが可能となるように複数の別々の部分区画から構築される。
【0041】
横方向の放射線防護壁はこれらとは異なる層構造を有することが見込まれる。
いわゆる「ビーム・ダンプ」と呼ばれる付加的なビーム消滅装置が一次高エネルギー・ビームの前方方向または反応場所のビーム下流(downbeam)に置かれる場合、特に高いビーム・エネルギーでこれは有利になると見込まれる。ビーム消滅装置はビーム下流部を放射線防護室の外側の第1の放射線防護壁につなぐことが好ましく、または少なくとも部分的に放射線防護壁の中に一体化される。
【0042】
以下では、実施形態によって、および図面を参照して本発明がさらに詳しく述べられ、ここでは同一および類似した素子は同じ参照を部分的に与えられ、異なる実施形態の特徴が互いに組み合わされることもあり得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
FAIR(Facility for Antiproton and Ion Research)プロジェクトの背景で本出願人のところで現在計画されている核衝突用の照射室が本発明による放射線防護壁の一例として使用される。
【0044】
図1は、床(図示せず)および天井と一体になってターゲット50周囲の反応洞窟として特に閉鎖されたケージを形成する、ビーム下流部(前部)に配置された第1の放射線防護壁110、ビーム上流部(後部)に配置された第2の放射線防護壁210、および2つの横方向の放射線防護壁310、410から構築される放射線防護室1を示している。この部屋1は迷路状の入り口領域60を有する。
【0045】
高エネルギーの一次ビーム70はビーム入り口領域70を通って部屋1に入り、ターゲット50に当たる。この例では30GeVのエネルギーを備えた1012陽子/秒である一次ビーム70は全方向に発射されるが、それでもやはり前方方向に最大を有する二次放射線90を発生させる。特に、この二次放射線90が効率的にシールドされるべきである。
【0046】
各々の放射線防護壁110、210、310、410が内側の固体基層または支持コンクリート層140、240、340、440および外側の固体基層または支持コンクリート層150、250、350、450を有する。前部および横方向の外側コンクリート層150、350、および450はそれらの部分で層152、154;352、354;452、454にそれぞれ2層化される。
【0047】
さらに、各々の放射線防護壁110、210、310、410が鉄、鉄粒、または鉄鉱石のような核破砕材料から作られた内側の層構造120、220、320、420を有する。前部の核破砕層配列120はその部分で核破砕層122、124に2層化される。横方向の核破砕層配列320、420は各々1つの核破砕層322、422を有するに過ぎない。
【0048】
各々の核破砕層配列120、220、320、420に隣接して外側に土から作られた緩和層配列130、230、330、430がある。前部の緩和層配列120はその部分で緩和層132、134、136に3層化される。各々の横方向緩和層配列330、430は2つの緩和層332、334および432、434をそれぞれ有する。
【0049】
コンクリート層140、152は、核破砕層用に鉄鉱石のバルク材料および緩和層用に土のバルクで充填されるための内側および外側の基礎壁として働く。この土は本研究施設の場所で普通であるような組成を有する。静的要求条件を満たすために中間層および張力アンカー(図1に示されない)が導入される。
【0050】
核破砕層は緩和層の材料の原子番号より大きい原子番号を備えた材料で構成される。核破砕層では、主に核破砕反応は高エネルギーの中性子によって引き起こされ、これはとりわけ蒸発中性子の生成につながる。蒸発中性子は二次放射線の中性子より低いエネルギーを有し、さらなる放射性核種の発生が低い確率で起こる。層の厚さが十分に大きければ、二次放射線の中性子のより大型の部分は蒸発核の中性子へと変換される。層のこの厚さが一次ビーム(イオン、エネルギー、強度の種類)に合わせられ、ターゲットで作り出される二次放射線が強く散乱されて減衰させられるような方式でターゲット(元素、厚さ)に合わせられれば、ビーム下流部に続く層は低く放射化されるのみであり、作り出される放射能のレベルは低い。
【0051】
特に、前部の放射線防護壁110およびその層はそれぞれ一方で横方向に、すなわち層のそれぞれの平面に対して直角に、他方で層配列120、130をさらなる分割層122、124および132、134、136へとそれぞれ分割することによって部分区画にさらに分割される。この分割は、この例では内側から外方向に以下のようにして作られる。
・内側のコンクリート層140が中央部分区画21および2つの周辺部分区画20を有する。
・第1の核破砕層122が中央部分区画15および2つの周辺部分区画13を有する。
・第2の核破砕層124が中央部分区画16および2つの周辺部分区画14を有する。
・第1の緩和層132が中央部分区画10および2つの周辺部分区画7を有する。
・第2の緩和層134が中央部分区画11および2つの周辺部分区画8を有する。
・第3の緩和層136が中央部分区画12および2つの周辺部分区画9を有する。
・外側のコンクリート層152、154がワンピースに作られる。
【0052】
横方向の放射線防護壁310および410もやはり以下のようにして部分区画へとさらに分割される。
・内側コンクリート層340が第1の部分区画22および第2の部分区画23を有する。
・核破砕層322のみが第1の部分区画17および第2の部分区画18を有する。
・第1の緩和層332が第1の部分区画2および第2の部分区画4を有する。
・第2の緩和層334が1つの区画3のみを有する。
・内側コンクリート層440が1つの区画441のみを有する。
・核破砕層422が1つの区画443のみを有する。
・第1の緩和層432が第1の部分区画6および第2の部分区画433を有する。
・第2の緩和層434が1つの区画5のみを有する。
【0053】
さらに、後部の放射線防護壁210に関すると以下が当てはまる。
・内側後部コンクリート層240がワンピースに作られる(区画24)。
・核破砕層222が1つの区画19のみを有する。
・緩和層232が1つの区画1のみを有する。
・外側コンクリート層250がワンピースに作られる。
【0054】
分割用壁(図1に示されない)が核破砕層と緩和層の間に設けられる。さらに、前部側で隣り合う部分区画、例えば区画13と15がそれらの前部側で分割用素子によって分離される。
【0055】
図2は核破砕層の部分区画15、16および緩和層の10、11、12、ならびに外側の支持コンクリート層152、154および内側の支持コンクリート層140の部分区画21の詳細な拡大図を示している。核破砕層および緩和層の部分区画は分割用壁92および分割用素子92によって、ならびに隣接する支持コンクリート層によって区切られる。これから閉鎖フレームまたは箱が結果として生じ、バルクの、または押し込まれた核破砕または緩和材料がそれぞれの区画を形成するようにそれぞれさせられる。
【0056】
特に、前部の放射線防護壁は本発明による区画化分割によって二次放射線90の異方性に合わせられる。
【0057】
ターゲットへと配向させられる内側、すなわち中央の層区画21、15、16は最も高いシールド特性を有するべきであり、したがって最も高い放射化を有する。他の区画はそれらの周辺位置またはそれらの一層外側の位置に起因してより少なく放射化される。したがって、残りの部分区画の殆どは施設使用直後に、または短い待機時間の後に無条件で放出される準備が整っている。都合の良いことに、一方では必要な層厚および不可避的に増加した活性を伴う材料を必要な限り少なくして組み入れることが可能であり、他方では、部屋1の外側または施設の外側で或る一定の値より低い線量率を達成するために自然の材料を必要な限り多く組み入れることが可能である。
【0058】
したがって、本願明細書に述べられる発明は2つの値、すなわち
1.放射線防護壁110、210、310、410のいくつかの部分区画1〜24の内側の放射能の分布、および
2.施設の外側で下回らなければならない線量率、
を最適化する。
【0059】
特に、本発明による前部の放射線防護壁110に関すると以下が当てはまる。
・核破砕層122、124が緩和層132、134、136から分離され、
・いくつかの核破砕層122、124が互いから分離され、
・いくつかの緩和層が互いから分離され、
・核破砕層122、124および緩和層132、134、136の各々が部分区画13〜16および7〜12へとそれぞれ横方向にさらに分割される。
【0060】
様々な層は固体の層(コンクリート基層)またはバルク材料層(核破砕層、緩和層)または流体の層(緩和層)としてさえ供給されることが見込まれる。さらに正確に述べると、緩和層はシールド用材料としてバルク材料、例えば石膏、土、砂などの自然材料を含み、内側および外側の基層140、152、154は部屋を静的に構造化するために役立つ鉄筋コンクリート層である。
【0061】
図3は30GeVのエネルギーと1012陽子/秒の強度を備えた陽子ビーム70による動作に関する算定線量プロファイルを示している。線量率は単位μSv/hで与えられる。
【0062】
放射室は次の2つの点で最適化された。
1.施設の外側で低い放射線レベルが達成される。
2.放射線防護壁の内側の局所的放射化が自然のシールド用材料の土に合わせられる。
【0063】
図3で、自然のシールド用材料、この例では鉄鉱石を核破砕材料として、土を緩和材料として使用すると作り出された放射線が効率的に減衰させられることが見受けられ得る。ターゲット50の近辺では線量率は極めて高く(1Sv/h以上)、放射線防護室1の外側(前方方向まっすぐを除く)では0.1μSv/hと1μSv/hの間にある。したがって、国の法規制値の仕様は満たされていると見込まれる。
【0064】
計算は放射線輸送プログラムFLUKA(A.Fasso,A.Ferrari,J.Ranft,P.R.Sala:New developments in FLUKA,modelling hadronic and EM interactions Proc.3rd Workshop on Simulating Accelerator Radiation Environments,KEK,Tsukuba(Japan)7〜9 May 1997.Ed.H.Hirayama,KEK proceedings 97−5(1997),p.32〜43)を使用して為された。
【0065】
表1では、様々な部分区画1から24の放射化が30年のビーム時間および30GeVで1.00E+12陽子/秒の平均強度に関して算出されている。ターゲットは約1%の陽子反応率を生じる。それにより、極めて強い高エネルギー二次放射線が作り出される(中性子、陽子、パイ中間子、ミュー中間子(myons))。二次放射線は今度は他方でシールド層内に以下のように放射活性を作り出す。
【0066】
これにより、区画1から12は土から成り、区画13から19は鉄鉱石から成り、区画20から24はコンクリートから成る。放射化は3つの異なる減衰期間、すなわち5年、1年、および1カ月について無条件放出のための総排出量の単位で与えられる。ここで1未満の値は無条件放出を意味する。
【0067】
【表1】
Figure 2008525809
【0068】
土を含む殆どすべての区画が1カ月の減衰期間の後に既に無条件で放出されることが可能であることは明らかである。1カ月後に3.83の排出量を備えた区画10のみが明らかに放出値を上回る。5年待つとこの層を約1の値に至らせる。
【0069】
場合によっては、区画15および/または16の鉄鉱石の層の厚さもやはり土の放射化の排出を1カ月の減衰期間の後に1より下の値に至らせるために増やされることが見込まれる。
【0070】
部分的に、コンクリートおよび鉄鉱石の層区画は高度に放射化される。したがって、前方方向の鉄鉱石区画15および16は最も高い放射化を有し、1カ月の減衰期間の後に放出放射化の排出量値275(区画15)を有する。したがって、前に置かれるコンクリート層もやはり高度に放射化される(142の値を備えた区画21)。同様に5年の待ち時間は排出率を1より下に至らせるには不十分である。この材料は無条件で放出されることはできない、すなわち他の施設で再びシールド用材料として使用されるか、またはそれぞれの国の放射線防護法に従って廃棄されることが見込まれる。
【0071】
図4は、土から成る、図1からの区画8に関して作り出される放射活性の分布を例示している。
【0072】
最も重要な放射性核種が示されている。ドイツの放射線防護規則による放出値(無条件放出)の排出率が1012陽子/秒による30年運転および1カ月の減衰期間に関して具体的に示されている。
【0073】
ここでは放射性核種Na−22(半減期2.6年)が最も高い相対的排出を有する。生じるさらなる放射性核種はH−3、Be−7、Mn−52、54、Sc−46、V−48、Cr−51、Fe−55、59、およびコバルトのアイソトープCo−56、58、60である。
【0074】
図5は図1に示されたものによる放射線防護室を示しているが、コンクリート外被96を備えた鉄から作られた追加のビーム消滅装置(beam annihilator)95を備えている。ビーム消滅装置95は中央で緩和層132、134、136の中、さらに特定すると区画10、11、12の中に埋め込まれ、それにより、これらの区画のさらに減少した放射化を生じさせる。ビーム消滅装置からビーム上流、好ましくはビーム消滅装置95の入り口領域に位置する区画に入り口通路98が設けられる。
【0075】
要約すると、多様な部分区画に生じる放射活性をシールド施設の建設中に考慮に入れることは以下の利点を伴う。
1.放射活性備品をシールド層内に集中させ、これらは層から容易に分離されることが可能であり、わずかに放射化されるのみである。
2.わずかに放射化した層と高度に放射化した層を分けることが放射線防護に関して最適であり、なぜならば廃棄されるべき(または再使用されるべき)材料の合計質量が減らされ、したがって廃棄が容易に為されるからである。
3.自然のシールド用材料(土、砂、沈泥、石膏など)を使用することが2倍の利点、すなわち、この材料が供給と輸送に関して準備されるのに最も容易であり、解体の段階で処分されることが容易である(わずかに放射化されるに過ぎないことおよび少なくとも法律で定められた排出制限より下であることを前提とする)という利点を有する。
4.施設に出入りする、輸送が必然的に遠方から為される輸送材料(鉄鉱石)が実際に必要とされる最小限に減らされ、大部分、自然のシールド用材料は建設される加速器施設の近辺または同じ場所に処分されることが可能である。したがって、輸送努力および使用されるエネルギーが削減される。
5.数年間施設を運転した後、施設を解体する決定が為されなければならないとき、運転職員の知識を使用して施設が可能な限り迅速に解体されるような方式で進行する。それにより、これは放射活性で負担をかけられた区画と無条件かつ/または条件付きで放出されることが可能である区画の間の明確な区別が存在する点で一層容易にされる。このために、解体手順中に放射能汚染除去および放射線に対して見込まれる直接被曝の危険の中で作業する解体段階と純粋に従来式の解体手順を伴う解体段階の間で一層良好に区別することが可能である。汚染の伝播および作業者の用意および放射線防護を回避するための努力は前述の解体段階に一層適合させられることが可能である。
6.シールド用質量の一層大きい部分が施設の長時間運転の直後に無条件放出されることが可能である。
7.強くかつわずかに放射化されるシールド用材料を配列するために本願明細書に提案される最適化は本願明細書に参照で組み込まれるDE102004052158に開示されたバルク材料のシールドによって補完されることが可能である。
【0076】
しかしながら、本発明は高エネルギー加速器施設に使用されることが可能であるのみでなく、発電用の核反応炉または研究用反応炉((n,γ)反応で中性子を捕捉することによる活性化)のようなさらに低いエネルギーの中性子または熱中性子が放出される施設、または核破砕中性子源に転用されることもやはり可能である。全体として、本発明は放射活性の意味で物質および材料の活性化を引き起こす複数種の放射線に関して使用されることになる。
【0077】
前述の複数の実施形態が具体的例示として理解されるべきであること、および本発明がこれらの実施形態に限定されず、本発明の範囲と精神から逸脱することなく多様に変えられることが可能であることは当業者にとって明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の第1の実施形態による放射線防護室を通る概略の上部断面図である。
【図2】図1の区画Aを示す図である。
【図3】図1による放射線防護室における算定線量プロファイルを示す図である。
【図4】図1の区画8のアイソトープによる算定放射能分離(radioactivity split)を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施形態による放射線防護室を通る概略の上部断面図である。
【書類名】明細書
【発明の名称】複数層の放射線防護壁および放射線防護室
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガンマ放射線および/または粒子放射線に対してシールドするため、特に高エネルギー加速器施設の反応場所の放射線に対してシールドするための複数層(multi−layered)の放射線防護壁、およびこの放射線防護壁を備えた放射線防護室に関する。
【背景技術】
【0002】
粒子ビームのための高エネルギー加速器は全世界にわたってますます使用されつつある。その際に、強度およびエネルギーは恒久的に増大させられる。例えば、現在テラエレクトロンボルト(TeV)の範囲まで上るエネルギーを備えた陽子加速器が計画され、数ギガエレクトロンボルト(GeV)に上るエネルギーと1016陽子/秒に上る強度を備えた陽子加速器が、例えば核破砕源(spallation sources)のために計画されている。
【0003】
後者の加速器は基礎研究のための中性子源として計画されているのみでなく、追加の中性子流によって臨界前の系が臨界状態へと至らされることが可能なエネルギー生産のための核施設としてもやはり検討されている。さらに、これらの施設は、その過程で長寿命の放射性物質が短寿命の放射性物質へと変えられる、いわゆる焼却のために使用されることが可能である。
【0004】
高エネルギー加速器を稼動させるときの1つの問題点はターゲット領域(粒子ビームのターゲット、ここで堆積する)における高エネルギーの二次放射線の生成、および高エネルギーのビームまたは一次ビームの導入経路上でのターゲットへの輸送中にビームの損失が起こる場合である。
【0005】
核反応で発生する荷電粒子は多くの場合、加速器の構造の中で止められるが、発生した中性子およびガンマ放射線は、数メートルの厚さを備えたシールドを通しても透過に関して高い能力を有する。さらに、極めて高いエネルギー、とりわけパイ中間子が作り出され、これらがミュー中間子(myons)へと減衰する。後者もやはり極めて高いカバー範囲を有し、したがって特別のビーム消滅装置(beam annihilator)で止められるべきである。
【0006】
重イオン加速器のケースでは、状況はなお一層困難であり、なぜならば陽子加速器と同様に、二次放射線に関して既に低い強度の同程度の生成速度が生じるからである。これまで、そのような加速器施設における放射線の生成はビーム損失の場所における殆どの極めて大規模なシールドの導入の原因となった。核技術におけるように、しばしば鉄またはコンクリートがシールド用材料として使用された。そのようなコンクリート・シールドは硬く成形された壁と天井から成るが、単一部分から組み立てられる単一シールド・モジュールがシールド全体を形成することもやはりあり得る。
【0007】
特別なシールドの要求条件のために、マグネタイト、リモナイト、またはバライトのような適切な添加物を備えた重い様々なコンクリート、3.6g/cmに上る密度を備えたコンクリートがの2.3g/cm範囲の密度を備えた通常のコンクリートに加えて使用されることもあり得る(DIN25413参照)。しかし実際では、コストおよび達成されるシールド結果を最適化する意味で通常のコンクリートが主に使用される。
【0008】
放射線を生成する過程は放射線の種類、エネルギー、強度および損失の率によって決まる。さらに、シールドの厚さは国の法律に従って満たされるべき制限値によって決まる。これらの制限値は年間線量限度値として規定されるかまたはμSv/hの線量率(dose rate)で参照される。
【0009】
最近、バルク材料を備えたシールド用配列の使用が提案された。例えば、石膏または鉄鉱石がバルク材料として提案された。現在まで自然に見出される材料がこれらの施設の周囲に土壌として山積みされたが、シールドの中に直接組入れられていない。他方で、自然の材料がシールド用配列に使用されると、この材料は比較的供給源に近接するので放射化の問題が生じる。
【0010】
特許出願DE10327466−A1(Forster)および特許出願DE10312271−A1(Bruchleら)から、石膏は放射線防護構造の部品および高エネルギー加速器のシールドのそれぞれのための代替材料として知られている。この材料はよく適合したシールド用材料であることもまた実証された
【0011】
シールド用物質としてバルク材料を有するそのようなシールドを使用することはいくつかの増強を巻き込むが、以前の開発および加速器施設のためのシールドの構築の提案は大部分が特にシールド特性を考慮して計画されていた。
【0012】
重要であり、発明人の発見のせいで十分に考慮されなかった、本発明で取り組まれるさらなる効果は放射線防護材料の放射化、特に二次放射線による放射活性の発生であり、これはシールド内での核反応の原因となる。これらの望ましくない副作用において、放射性核種の発生は特に核破砕源内でシールド層内の陽子および中性子によって引き起こされる。核子およびクラスタの蒸発によって複数の放射性核種が作り出されることが見込まれる。この問題は、使用されるシールド用材料のターゲット核が重くなるほど作り出される放射性核種の変動が大きくなるという事実によってさらに悪化している。
【0013】
施設使用終了後に自然利用に再循環されるはずの自然の材料がシールド目的のために使用される場合、作り出される放射活性のレベルは国の法律の指定に従うために或る一定の制限より下でなければならない。したがって、例えばドイツの放射線防護法に従って無条件放出に関する核種特有の認定値をBq/gで下回らなければならない。いくつかの放射性核種のケースでは、総和則適用後の総排出量(exhaustion)は1未満でなければならない。総排出量は以下で定義される。
【数1】
Figure 2008525809
ここでFは質量および放射性核種当たりの実際の活性であり、ここで1は放射性核種(i)全体にわたって合計されなければならない。
【0014】
ドイツの法律によると、無条件の放出(堆積させてもよい)の傍らに限定放出に関するさらなる制限値がなお存在するが、活性が望ましいと見込まれる可能な限り低い法規制値を考慮していない。
【0015】
しかしながら、発明人らによる算定は、高エネルギー加速器施設を数十年にわたって極めて高い強度で運転すると使用されたシールドは施設を閉鎖した後に浄化されることができないほど極度に放射化され、再建時に、場合によっては限定放出でさえなく、放出されることが可能になるまで何年または何十年も保管されなければならないことを示した。これは、まさに施設の使用終了後に可能な限り速やかに自然利用に再循環されるという理由で使用される自然の充填材料(土、砂、水など)にもやはり当てはまる。しかしその排出量が法規制より上であれば、材料は中期的に保管されなければならず、または放射性廃棄物として膨大な費用で処分されなければならないのでこの目的が満たされることは不可能である。
【0016】
特許出願DE10327466−A1から、放射線防護建物のためのサンドイッチ工法による建造物が知られている。しかしながら、この建造物は医学的陽子治療のための部屋に由来しており、基本的にさらに低いエネルギーであるのでその要求条件は比較され得るものではない。
【0017】
要約すると、特に、高エネルギー加速器施設のための多層の放射線防護配列または壁は数年または数十年にわたる高いビーム・エネルギーと強度での運転およびその後の廃棄を考慮に入れると材料の放射活性化およびその不活化特性に関してさらに改善されなければならない。特に、この態様は自然のシールド用材料が使用される場合に特に重要であり、一方でこの材料は施設が運転された後に放射活性化され、他方でそのような材料の一層多い量の取り扱いに殆ど経験が無い。
【0018】
【特許文献】DE10312271−A
【特許文献】DE10327466−A1
【非特許文献】FLUKA(A.Fasso,A.Ferrari,J.Ranft,P.R.Sala:New developments in FLUKA,modelling hadronic and EM interactions Proc.3rd Workshop on Simulating Accelerator Radiation Environments,KEK,Tsukuba(Japan)7〜9 May 1997.Ed.H.Hirayama,KEK proceedings 97−5(1997),p.32〜43)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
したがって、特に、高エネルギーおよび/または核反応から出る高エネルギーのガンマ放射線および/または粒子放射線に対してシールドするための放射線防護室用の複数層の放射線防護壁を供給することが本発明の目的であり、これは長期間運転後の使用済み材料の将来の廃棄、および高いビーム・エネルギーと強度に関して扱い易い放射活性化を提供し、材料の部分は少なくとも部分的に再使用可能となる。
【0020】
取り壊しの時に放射化物として廃棄されるべき可能な限り少ない材料が発生し、可能な限り多くの材料が制限値より下にあって再使用されることが可能であるような、高エネルギー加速器施設用の放射線防護壁を供給することが本発明のさらなる目的である。
【0021】
特に、高い費用効果と少ない労働量で生産、組立て、解体、および廃棄されることが可能となるような放射線防護壁および放射線防護室を供給することが本発明の目的である。
【0022】
知られているシールドの不都合を回避するかまたは少なくとも低減させるような放射線防護壁および放射線防護室を供給することが本発明のさらなる目的である。
【課題を解決するための手段】
【0023】
請求項1および19の内容によって本目的は意外に単純な方式で既に解決されている。本発明の好都合のさらなる発展は従属請求項から導き出される。
【0024】
本発明によると、1GeVを超える、特に10GeVを超える、またはさらに高い範囲の一次放射線によって作り出される高エネルギーまたは核反応から特に由来する高エネルギーのガンマ放射線および/または粒子放射線に対するシールドのために複数層の放射線防護壁が供給される。高エネルギー粒子加速器施設の反応場所の放射線はこれによりシールドされるかまたは減衰させられることが好ましい。殆どの用途で、シールドされるべき放射線はターゲットと一次放射線の反応によって作り出される二次放射線であるが、それは一次ビーム自体の残りまたは一部であることもやはりあり得る。
【0025】
この放射線防護壁は少なくとも第1と第2の層配列を備えたサンドイッチ状の構造を有し、第1の層配列は少なくとも一次シールド層を含み、第2の層配列は、特に、異なる材料で構成されて機能的に異なる少なくとも二次シールド層を含む。
【0026】
高エネルギー放射線を効率的にシールドすることを可能にするために、一次シールド層は核破砕層(spallation layer)として構築されることが好ましく、二次シールド層は緩和層として構築されることが好ましい。
【0027】
本発明によると、第1または第2の層配列、好ましくは両方が複数層であるかまたは複数の隣接して既に組立て時に所定の分離可能な部分区画へと分割され、それにより、単純で独立した解体、および部分区画の独立して選択された再使用または廃棄が可能となる。いくつかの隣接する別々の緩和層および/または核破砕層へと分割することによって、かつ/または緩和層および/または核破砕層を(層によって規定される平面を横切る)横方向に分離することによって部分区画への分割が実施されることが可能となる。
【0028】
これは、放射線防護壁および少なくとも部分的にそのような放射線防護壁から作られるいわゆる「洞窟」と呼ばれる放射線防護室それぞれを計画し終えると予測として高い被曝線量を伴う部分区画と予測として低い被曝線量を伴う部分区画の間の差別化を行うことが可能であり、解体時に多量被曝した部分区画と少量被曝した部分区画を別々に廃棄することおよび/またはこれらを再使用することを可能にするためにこれらの部分区画が分割可能または分離可能に組み立てられることが可能であるという多大な利点を提供する。そうすることにより、廃棄の費用が大幅に削減されることが可能となる。
【0029】
言い換えると、本発明によれば運転によって極度に放射化される部分区画はシールド特性を有して少なく放射化される、すなわち活性レベルが低い部分区画から分離されることが可能である。使用終了から間もなく、自然の材料を含んで低く放射化されているに過ぎないこれらの層は無条件使用のため、または少なくとも廃棄のための準備ができており、再度の自然使用のための準備ができている。本発明がいずれかの国の制限値規則に従うように限定されないことは明らかである。
【0030】
閉鎖後、高度に放射化した部分区画は中期的に保管されるか、または匹敵する核施設でさらに使用されるかどちらかである。
【0031】
第1および/または第2の層配列はそれらの部分に別々に複数層で構築される。言い換えると、第1の層配列は2層、3層またはそれを上回る複数の核破砕層を含み、かつ/または第2の層配列は2層、3層またはそれを上回る複数の緩和層を含むことで横方向の分離可能性に加えて層の法線に沿った分離可能性を達成する。これにより、二次元(方位角および半径方向の極座標)の展開の概念に関すると、解体を計画する工程は予期される被曝線量に対して調節されることが可能であり、それにより、二次元モジュール式または差別化された解体が可能となる。
【0032】
これらの利点は、(複数の)緩和層および/または(複数の)核破砕層がバルク材料の層から作られれば特別の効果を有し、なぜならばこのケースでは別々の解体が特に単純に為されることができるからである。
【0033】
バルク材料の層の境界を定めるために、この放射線防護壁は固体の静力学付与(statics−giving)コンクリート基層を有する。さらに、例えばコンクリートから作られた(薄い)分割用壁が核破砕層と緩和層の間に設けられることで別々の廃棄を確実にする。バルク材料層の正面方向、横方向に隣り合う区画は分割用素子によって互いから分離される。言い換えると、分割用層および分割用素子は二次元的に部分分割される放射線防護壁を、とりわけ核破砕材料および緩和材料が互いに分離されるように形成するために、充填されるべき互いに隣り合う箱または領域を形成し、これらの中に核破砕材料および緩和材料それぞれが充填される。
【0034】
本発明の特に好ましい実施形態によると、少なくとも1つの横方向位置、特に中央領域で、放射線防護壁はビーム下流(downbeam)に以下の順序で少なくとも以下の層構造をもたらす。
・第1の固体(コンクリート)の基層、
・核破砕層、
・第1の分割用壁、
・第1の緩和層、
・第2の分割用壁、
・第2の緩和層、
・第2の固体(コンクリート)の基層。
【0035】
いくつかまたは全部の緩和層または区画は30より低い原子番号を備えた元素を主に(50%超)含み、またはそのような元素群で構成される構成されることが好ましい。これらの元素は軽核部分および核子を緩和するために特に適している。特に中性子の緩和に関すると、石膏または水と結合した材料から作られた緩和層が特に適していることが実証された。しかし流体区画または層は、例えば水から作られることもやはり想像可能である。さらに、単純な土、砂、フリント、長石、石灰長石、カリウム長石、または同様の自然の原材料が(複数の)緩和層として使用されることが可能であることが明らかになった。
【0036】
しかし緩和層の下流部に置かれる(複数の)核破砕層は20または25を超える原子番号を備えた元素を主に(50%超)含み、またはそのような元素群で構成される。例えば、鉄を含む材料は核破砕材料としてのその価値を特に実証された。この材料は低コストで入手されることが可能であり、廃棄されること、または場合によっては再利用されることが好ましいと見込まれる。
【0037】
この(複数の)緩和層は3.5g/cm以下の密度を有し、この(複数の)核破砕層は3.0g/cm以上の密度を有することが好ましい。
【0038】
特に、本発明による放射線防護壁は放射線防護室のビーム下流部に配置された壁によって形成され、この中へ粒子加速器からの一次高エネルギー・ビームが反応場所またはターゲット上に方向付けられる。
【0039】
したがって、放射線防護室は少なくとも以下の構成要素、すなわち
・上述の分割構造を備えてビーム下流部に置かれた第1の放射線防護壁、
・高エネルギー・ビームのための入り口領域を備えてビーム上流部に置かれた第2の放射線防護壁、
・床および天井と同様に横方向の放射線防護壁、
を有し、ここで放射線防護壁、床、および天井は一体になって反応場所の周囲で実質的に閉じた放射線防護ケージを形成する。
【0040】
それにより、第1の放射線防護壁は高エネルギー・ビームの前方方向付近の所定の立体角で反応場所から脱け出す放射線を減衰させるための中央領域、および中央領域の周囲の周辺領域を供給し、解体中に中央領域からの部分区画と周辺領域からの部分区画が互いに別々に解体される、または取り壊されることが可能となるように、および再使用または廃棄されることが可能となるように複数の別々の部分区画から構築される。
【0041】
横方向の放射線防護壁はこれらとは異なる層構造を有することが見込まれる。
いわゆる「ビーム・ダンプ」と呼ばれる付加的なビーム消滅装置が一次高エネルギー・ビームの前方方向または反応場所のビーム下流(downbeam)に置かれる場合、特に高いビーム・エネルギーでこれは有利になると見込まれる。ビーム消滅装置はビーム下流部を放射線防護室の外側の第1の放射線防護壁につなぐことが好ましく、または少なくとも部分的に放射線防護壁の中に一体化される。
【0042】
以下では、実施形態によって、および図面を参照して本発明がさらに詳しく述べられ、ここでは同一および類似した素子は同じ参照を部分的に与えられ、異なる実施形態の特徴が互いに組み合わされることもあり得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
FAIR(Facility for Antiproton and Ion Research)プロジェクトの背景で本出願人のところで現在計画されている核衝突用の照射室が本発明による放射線防護壁の一例として使用される。
【0044】
図1は、床(図示せず)および天井と一体になってターゲット50周囲の反応洞窟として特に閉鎖されたケージを形成する、ビーム下流部(前部)に配置された第1の放射線防護壁110、ビーム上流部(後部)に配置された第2の放射線防護壁210、および2つの横方向の放射線防護壁310、410から構築される放射線防護室1を示している。この部屋1は迷路状の入り口領域60を有する。
【0045】
高エネルギーの一次ビーム70はビーム入り口領域70を通って部屋1に入り、ターゲット50に当たる。この例では30GeVのエネルギーを備えた1012陽子/秒である一次ビーム70は全方向に発射されるが、それでもやはり前方方向に最大を有する二次放射線90を発生させる。特に、この二次放射線90が効率的にシールドされるべきである。
【0046】
各々の放射線防護壁110、210、310、410が内側の固体基層または支持コンクリート層140、240、340、440および外側の固体基層または支持コンクリート層150、250、350、450を有する。前部および横方向の外側コンクリート層150、350、および450はそれらの部分で層152、154;352、354;452、454にそれぞれ2層化される。
【0047】
さらに、各々の放射線防護壁110、210、310、410が鉄、鉄粒、または鉄鉱石のような核破砕材料から作られた内側の層構造120、220、320、420を有する。前部の核破砕層配列120はその部分で核破砕層122、124に2層化される。横方向の核破砕層配列320、420は各々1つの核破砕層322、422を有するに過ぎない。
【0048】
各々の核破砕層配列120、220、320、420に隣接して外側に土から作られた緩和層配列130、230、330、430がある。前部の緩和層配列120はその部分で緩和層132、134、136に3層化される。各々の横方向緩和層配列330、430は2つの緩和層332、334および432、434をそれぞれ有する。
【0049】
コンクリート層140、152は、核破砕層用に鉄鉱石のバルク材料および緩和層用に土のバルクで充填されるための内側および外側の基礎壁として働く。この土は本研究施設の場所で普通であるような組成を有する。静的要求条件を満たすために中間層および張力アンカー(図1に示されない)が導入される。
【0050】
核破砕層は緩和層の材料の原子番号より大きい原子番号を備えた材料で構成される。核破砕層では、主に核破砕反応は高エネルギーの中性子によって引き起こされ、これはとりわけ蒸発中性子の生成につながる。蒸発中性子は二次放射線の中性子より低いエネルギーを有し、さらなる放射性核種の発生が低い確率で起こる。層の厚さが十分に大きければ、二次放射線の中性子のより大型の部分は蒸発核の中性子へと変換される。層のこの厚さが一次ビーム(イオン、エネルギー、強度の種類)に合わせられ、ターゲットで作り出される二次放射線が強く散乱されて減衰させられるような方式でターゲット(元素、厚さ)に合わせられれば、ビーム下流部に続く層は低く放射化されるのみであり、作り出される放射能のレベルは低い。
【0051】
特に、前部の放射線防護壁110およびその層はそれぞれ一方で横方向に、すなわち層のそれぞれの平面に対して直角に、他方で層配列120、130をさらなる分割層122、124および132、134、136へとそれぞれ分割することによって部分区画にさらに分割される。この分割は、この例では内側から外方向に以下のようにして作られる。
・内側のコンクリート層140が中央部分区画21および2つの周辺部分区画20を有する。
・第1の核破砕層122が中央部分区画15および2つの周辺部分区画13を有する。
・第2の核破砕層124が中央部分区画16および2つの周辺部分区画14を有する。
・第1の緩和層132が中央部分区画10および2つの周辺部分区画7を有する。
・第2の緩和層134が中央部分区画11および2つの周辺部分区画8を有する。
・第3の緩和層136が中央部分区画12および2つの周辺部分区画9を有する。
・外側のコンクリート層152、154がワンピースに作られる。
【0052】
横方向の放射線防護壁310および410もやはり以下のようにして部分区画へとさらに分割される。
・内側コンクリート層340が第1の部分区画22および第2の部分区画23を有する。
・核破砕層322のみが第1の部分区画17および第2の部分区画18を有する。
・第1の緩和層332が第1の部分区画2および第2の部分区画4を有する。
・第2の緩和層334が1つの区画3のみを有する。
・内側コンクリート層440が1つの区画441のみを有する。
・核破砕層422が1つの区画443のみを有する。
・第1の緩和層432が第1の部分区画6および第2の部分区画433を有する。
・第2の緩和層434が1つの区画5のみを有する。
【0053】
さらに、後部の放射線防護壁210に関すると以下が当てはまる。
・内側後部コンクリート層240がワンピースに作られる(区画24)。
・核破砕層222が1つの区画19のみを有する。
・緩和層232が1つの区画1のみを有する。
・外側コンクリート層250がワンピースに作られる。
【0054】
分割用壁(図1に示されない)が核破砕層と緩和層の間に設けられる。さらに、前部側で隣り合う部分区画、例えば区画13と15がそれらの前部側で分割用素子によって分離される。
【0055】
図2は核破砕層の部分区画15、16および緩和層の10、11、12、ならびに外側の支持コンクリート層152、154および内側の支持コンクリート層140の部分区画21の詳細な拡大図を示している。核破砕層および緩和層の部分区画は分割用壁92および分割用素子92によって、ならびに隣接する支持コンクリート層によって区切られる
【0056】
特に、前部の放射線防護壁は本発明による区画化分割によって二次放射線90の異方性に合わせられる。
【0057】
ターゲットへと配向させられる内側、すなわち中央の層区画21、15、16は最も高いシールド特性を有するべきであり、したがって最も高い放射化を有する。他の区画はそれらの周辺位置またはそれらの一層外側の位置に起因してより少なく放射化される。したがって、残りの部分区画の殆どは施設使用直後に、または短い待機時間の後に無条件で放出される準備が整っている。都合の良いことに、一方では必要な層厚および不可避的に増加した活性を伴う材料を必要な限り少なくして組み入れることが可能であり、他方では、部屋1の外側または施設の外側で或る一定の値より低い線量率を達成するために自然の材料を必要な限り多く組み入れることが可能である。
【0058】
したがって、本願明細書に述べられる発明は2つの値、すなわち
1.放射線防護壁110、210、310、410のいくつかの部分区画1〜24の内側の放射能の分布、および
2.施設の外側で下回らなければならない線量率、
を最適化する。
【0059】
特に、本発明による前部の放射線防護壁110に関すると以下が当てはまる。
・核破砕層122、124が緩和層132、134、136から分離され、
・いくつかの核破砕層122、124が互いから分離され、
・いくつかの緩和層が互いから分離され、
・核破砕層122、124および緩和層132、134、136の各々が部分区画13〜16および7〜12へとそれぞれ横方向にさらに分割される。
【0060】
様々な層は固体の層(コンクリート基層)またはバルク材料層(核破砕層、緩和層)または流体の層(緩和層)としてさえ供給されることが見込まれる。さらに正確に述べると、緩和層はシールド用材料としてバルク材料、例えば石膏、土、砂などの自然材料を含み、内側および外側の基層140、152、154は部屋を静的に構造化するために役立つ鉄筋コンクリート層である。
【0061】
図3は30GeVのエネルギーと1012陽子/秒の強度を備えた陽子ビーム70による動作に関する算定線量プロファイルを示している。線量率は単位μSv/hで与えられる。
【0062】
放射室は次の2つの点で最適化された。
1.施設の外側で低い放射線レベルが達成される。
2.放射線防護壁の内側の局所的放射化が自然のシールド用材料の土に合わせられる。
【0063】
図3で、自然のシールド用材料、この例では鉄鉱石を核破砕材料として、土を緩和材料として使用すると作り出された放射線が効率的に減衰させられることが見受けられ得る。ターゲット50の近辺では線量率は極めて高く(1Sv/h以上)、放射線防護室1の外側(前方方向まっすぐを除く)では0.1μSv/hと1μSv/hの間にある。したがって、国の法規制値の仕様は満たされていると見込まれる。
【0064】
計算は放射線輸送プログラムFLUKA(A.Fasso,A.Ferrari,J.Ranft,P.R.Sala:New developments in FLUKA,modelling hadronic and EM interactions Proc.3rd Workshop on Simulating Accelerator Radiation Environments,KEK,Tsukuba(Japan)7〜9 May 1997.Ed.H.Hirayama,KEK proceedings 97−5(1997),p.32〜43)を使用して為された。
【0065】
表1では、様々な部分区画1から24の放射化が30年のビーム時間および30GeVで1.00E+12陽子/秒の平均強度に関して算出されている。ターゲットは約1%の陽子反応率を生じる。それにより、極めて強い高エネルギー二次放射線が作り出される(中性子、陽子、パイ中間子、ミュー中間子(myons))。二次放射線は今度は他方でシールド層内に以下のように放射活性を作り出す。
【0066】
これにより、区画1から12は土から成り、区画13から19は鉄鉱石から成り、区画20から24はコンクリートから成る。放射化は3つの異なる減衰期間、すなわち5年、1年、および1カ月について無条件放出のための総排出量の単位で与えられる。ここで1未満の値は無条件放出を意味する。
【0067】
【表1】
Figure 2008525809
【0068】
土を含む殆どすべての区画が1カ月の減衰期間の後に既に無条件で放出されることが可能であることは明らかである。1カ月後に3.83の排出量を備えた区画10のみが明らかに放出値を上回る。5年待つとこの層を約1の値に至らせる。
【0069】
場合によっては、区画15および/または16の鉄鉱石の層の厚さもやはり土の放射化の排出を1カ月の減衰期間の後に1より下の値に至らせるために増やされることが見込まれる。
【0070】
部分的に、コンクリートおよび鉄鉱石の層区画は高度に放射化される。したがって、前方方向の鉄鉱石区画15および16は最も高い放射化を有し、1カ月の減衰期間の後に放出放射化の排出量値275(区画15)を有する。したがって、前に置かれるコンクリート層もやはり高度に放射化される(142の値を備えた区画21)。同様に5年の待ち時間は排出率を1より下に至らせるには不十分である。この材料は無条件で放出されることはできない、すなわち他の施設で再びシールド用材料として使用されるか、またはそれぞれの国の放射線防護法に従って廃棄されることが見込まれる。
【0071】
図4は、土から成る、図1からの区画8に関して作り出される放射活性の分布を例示している。
【0072】
最も重要な放射性核種が示されている。ドイツの放射線防護規則による放出値(無条件放出)の排出率が1012陽子/秒による30年運転および1カ月の減衰期間に関して具体的に示されている。
【0073】
ここでは放射性核種Na−22(半減期2.6年)が最も高い相対的排出を有する。生じるさらなる放射性核種はH−3、Be−7、Mn−52、54、Sc−46、V−48、Cr−51、Fe−55、59、およびコバルトのアイソトープCo−56、58、60である。
【0074】
図5は図1に示されたものによる放射線防護室を示しているが、コンクリート外被96を備えた鉄から作られた追加のビーム消滅装置(beam annihilator)95を備えている。ビーム消滅装置95は中央で緩和層132、134、136の中、さらに特定すると区画10、11、12の中に埋め込まれ、それにより、これらの区画のさらに減少した放射化を生じさせる。ビーム消滅装置からビーム上流、好ましくはビーム消滅装置95の入り口領域に位置する区画に入り口通路98が設けられる。
【0075】
要約すると、多様な部分区画に生じる放射活性をシールド施設の建設中に考慮に入れることは以下の利点を伴う。
1.放射活性備品をシールド層内に集中させ、これらは層から容易に分離されることが可能であり、わずかに放射化されるのみである。
2.わずかに放射化した層と高度に放射化した層を分けることが放射線防護に関して最適であり、なぜならば廃棄されるべき(または再使用されるべき)材料の合計質量が減らされ、したがって廃棄が容易に為されるからである。
3.自然のシールド用材料(土、砂、沈泥、石膏など)を使用することが2倍の利点、すなわち、この材料が供給と輸送に関して準備されるのに最も容易であり、解体の段階で処分されることが容易である(わずかに放射化されるに過ぎないことおよび少なくとも法律で定められた排出制限より下であることを前提とする)という利点を有する。
4.施設に出入りする、輸送が必然的に遠方から為される輸送材料(鉄鉱石)が実際に必要とされる最小限に減らされ、大部分、自然のシールド用材料は建設される加速器施設の近辺または同じ場所に処分されることが可能である。したがって、輸送努力および使用されるエネルギーが削減される。
5.数年間施設を運転した後、施設を解体する決定が為されなければならないとき、運転職員の知識を使用して施設が可能な限り迅速に解体されるような方式で進行する。それにより、これは放射活性で負担をかけられた区画と無条件かつ/または条件付きで放出されることが可能である区画の間の明確な区別が存在する点で一層容易にされる。このために、解体手順中に放射能汚染除去および放射線に対して見込まれる直接被曝の危険の中で作業する解体段階と純粋に従来式の解体手順を伴う解体段階の間で一層良好に区別することが可能である。汚染の伝播および作業者の用意および放射線防護を回避するための努力は前述の解体段階に一層適合させられることが可能である。
6.シールド用質量の一層大きい部分が施設の長時間運転の直後に無条件放出されることが可能である
【0076】
しかしながら、本発明は高エネルギー加速器施設に使用されることが可能であるのみでなく、発電用の核反応炉または研究用反応炉((n,γ)反応で中性子を捕捉することによる活性化)のようなさらに低いエネルギーの中性子または熱中性子が放出される施設、または核破砕中性子源に転用されることもやはり可能である。全体として、本発明は放射活性の意味で物質および材料の活性化を引き起こす複数種の放射線に関して使用されることになる。
【0077】
前述の複数の実施形態が具体的例示として理解されるべきであること、および本発明がこれらの実施形態に限定されず、本発明の範囲と精神から逸脱することなく多様に変えられることが可能であることは当業者にとって明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の第1の実施形態による放射線防護室を通る概略の上部断面図である。
【図2】図1の区画Aを示す図である。
【図3】図1による放射線防護室における算定線量プロファイルを示す図である。
【図4】図1の区画8のアイソトープによる算定放射能分離(radioactivity split)を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施形態による放射線防護室を通る概略の上部断面図である。

Claims (21)

  1. ガンマ放射線および/または粒子放射線に対してシールドするため、特に加速器施設の反応場所の放射線に対してシールドするための複数層の放射線防護壁(110)であって、
    少なくとも1つの第1の層配列および1つの第2の層配列(120、130)を有するサンドイッチ状の構造を有し、前記第1の層配列(120)が少なくとも1つの一次シールド層(122、124)を含み、前記第2の層配列が少なくとも1つの二次シールド層(132、134、136)を含み、
    前記第1の層配列および前記第2の層配列(120、130)のうちの少なくとも一方が複数の部分区画(7〜12;13〜16)へと分割される、複数層の放射線防護壁(110)。
  2. 前記二次シールド層(132、134、136)が横方向で複数部分の緩和層として構築される、請求項1に記載の放射線防護壁(110)。
  3. 前記緩和層(132、134、136)が別々の部分区画へと分割されたバルク材料の層として構築される、請求項2に記載の放射線防護壁(110)。
  4. 前記一次シールド層(122、124)が横方向で複数部分の核破砕層として構築される、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の放射線防護壁(110)。
  5. 前記核破砕層(122、124)が別々の部分区画へと分割されたバルク材料の層として構築される、請求項4に記載の放射線防護壁(110)。
  6. 前記第2の層配列(130)が多層化され、互いから分離可能であるいくつかの緩和層(132、134、136)を含む、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の放射線防護壁(110)。
  7. 前記第1の層配列が多層化され、互いから分離可能であるいくつかの緩和層(122、124)を含む、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の放射線防護壁(110)。
  8. 両側の各々で少なくとも1つの固体の基層(140、152、154)によって制限され、残りの層のうちの少なくともいくつかが前記基層(140、152、156)の間にバルク材料の層として挿入されて前記基層によって静的に保持されるような方式でこれが為される、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の放射線防護壁(110)。
  9. 少なくとも以下の層構造、すなわち
    第1の固体の基層(140)、
    核破砕層(122)、
    第1の分割用壁(92)、
    第1の緩和層(132)、
    第2の分割用壁(92)、
    第2の緩和層(134)、
    第2の固体の基層(152)、
    を有する、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の放射線防護壁(110)。
  10. 隣り合う部分区画が分割用壁(92)または分割用素子(94)によって互いから分離される、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の放射線防護壁(110)。
  11. 上部から見て、運転位置にあるときに二次元モジュール式に分割された構造を有する、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の放射線防護壁(110)。
  12. 個々のモジュールが、分割用壁(92)と分割用素子(94)から作られてそれぞれの内部空間の周りのすべての側面で閉鎖された箱として構築され、それにより、シールド用材料がそれぞれの箱の中に充填されることが可能になる、請求項11に記載の放射線防護壁(110)。
  13. 前記緩和層(132、134、136)が30未満の原子番号を備えた元素を主に含む、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の放射線防護壁(110)。
  14. 前記核破砕層(122、124)が20より大きい原子番号を備えた元素を主に含む、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の放射線防護壁(110)。
  15. 前記緩和層(132、134、136)が3.5g/cm以下の密度を有する、請求項1乃至14のいずれか1項に記載の放射線防護壁(110)。
  16. 前記核破砕層(122、124)が3g/cm以上の密度を有する、請求項1乃至15のいずれか1項に記載の放射線防護壁(110)。
  17. 前記緩和層(132、134、136)が地面の掘削物、砂、フリント、長石、石灰長石、カリウム長石、および/または石膏を含む、請求項1乃至16のいずれか1項に記載の放射線防護壁(110)。
  18. 前記核破砕層(122、124)が原鉱、特に鉄鉱石、またはバライトを含む、請求項1乃至17のいずれか1項に記載の放射線防護壁(110)。
  19. 粒子加速器の反応場所のための放射線防護室(1)であって、その粒子加速器から出る一次高エネルギー・ビーム(70)が前記放射線防護室(1)の中に向けられることが見込まれ、前記放射線防護室が少なくとも
    ビーム下流に配置された、特に請求項1乃至18のいずれか1項に記載の第1の放射線防護壁(110)と、
    ビーム上流に配置された、前記高エネルギー・ビームのための入り口領域を備えた第2の放射線防護壁(210)と、
    横方向の放射線防護壁(310、410)ならびに地面および天井を含み、
    前記反応場所の周りで前記放射線防護壁、前記地面、および前記天井が一緒になって本質的に閉じられた放射線防護ケージを形成し、
    前記第1の放射線防護壁(110)が前記高エネルギー・ビームの前方方向付近の所定の立体角で前記反応場所から出る放射線を減衰させるための中央領域(10〜12、15、16、21)、および前記中央領域の周りの周辺領域(7〜9、13、14、20)を有し、
    前記第1の放射線防護壁(110)が、解体中に前記中央領域からの部分区画と前記周辺領域からの部分区画が互いから別々に解体されることが可能になるような方式で別々の部分区画(7〜12、13〜16、20、21)で作り上げられる、放射線防護室(1)。
  20. 前記第1の放射線防護壁(110)および前記横方向の放射線防護壁(310、410)が異なる構造を有する、請求項19に記載の放射線防護室(1)。
  21. ビーム消滅装置(95)が前方方向に配置される、請求項1乃至20のいずれか1項に記載の放射線防護室(1)。
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