JP2008525659A - 骨折の危険を減少させるための衣服、保護装置及び方法 - Google Patents

骨折の危険を減少させるための衣服、保護装置及び方法 Download PDF

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Abstract

ここに、皮膚表面近くに骨部例えば大転子を有する脆弱領域上への衝撃力により人または動物被験者の骨折の危険を減少させるための衣服、装置及び方法が開示される。脆弱領域の近位に皮膚表面近くの骨部が乏しい軟組織領域がある。衣服は、衝撃エネルギーが脆弱領域から軟組織領域へ転換されそこで安全に分散されるように脆弱領域及び軟組織領域の解剖学的特徴に従って成形される少なくとも一つの保護装置、及び脆弱領域から軟組織領域へ衝撃エネルギーを転換できるように少なくとも一つの保護装置を被験者に取り外し可能に取り付けるための取付け手段を含む。保護装置は脆弱領域を部分的にまたは全体的に囲むように形成され、脆弱領域上にエネルギーを伝達しない自由保護スペースを確立する厚みを有し、適切な弾性及び硬度を有する柔軟弾性の材料を含むので、転倒の際、衝撃力は部分的に装置を軟組織領域へ押し付けて、その圧搾中弾性材料が硬化するとき弾性材料は徐々にエネルギーを周りの軟組織へ移行させ、それによって、衝撃エネルギーの実質的部分が軟組織領域で吸収されへ転送される。衣服は、着用者にとって快適でありかつ安定形状を維持しさらに十分な衝撃エネルギーを脆弱領域を囲む軟組織領域へ伝達できるようにする軽量、柔軟でかさばらない保護装置を備える。

Description

本発明は、概ね、骨折防止用の装置、特に転倒による衝撃時の股関節部骨折を防止するための装置、及びこれに関連する方法に関する。
(股関節部骨折疫学)
先行技術書類米国特許第5,599,290号(US−5,599,290)によれば、近位大腿骨の骨折は高齢者の間で死亡及び罹病の大きな原因である。米国において年間で約250,000件の股関節部骨折が発生している。90歳まで生きると、女性のほぼ33パーセント及び男性の17パーセント以上が股関節部骨折を経験することになる。股関節部骨折前には機能的に独立していた患者のうち15−25パーセントが、その後1年以上長期看護環境にいる。別の25−35パーセントは移動のために他者へ依存する。股関節部骨折を生き延びた人の半分を越える人が正常機能を回復することはない。さらに、高齢患者の股関節部骨折に関連する平均死亡率は1年目でほぼ20パーセントである。
股関節部骨折の公衆衛生上の影響も非常に大きい。英国における調査は、いつでも急性整形科のベッドの約50パーセントが股関節部骨折患者で占められていることを示している。米国においては、股関節部骨折患者の平均入院期間は3週間であり、他の診断の場合より長い。米国における股関節骨折患者の急性及び慢性治療に関わる年間コストは70億ドルを上回ると推定される。世界の人口の平均年齢が上がることが予想されるので問題は悪化することしか考えられず、一部の人は次の世紀の半ばまでには股関節部骨折の総数はほぼ三倍に上昇する可能性を示唆している。
全ての股関節部骨折のうち90パーセント以上が転倒によって生じている。しかし、高齢者の転倒のほとんどは僅かな負傷しか生じず、1−3パーセントが股関節部骨折を生じる。高齢の転倒者の調査は、下記の要因が転倒時に股関節部骨折を患う危険を増大することを示している(重大性の順番で)。1)股関節または脚側面への衝撃(20倍以上骨折の危険を増す)、2)高く細い体型、3)高い初期位置エネルギーを伴う転倒(体格指数及び転倒高さに依存する)及び最後に4)近位大腿骨の骨密度の低さ。これらの結果は、転倒時の股関節部骨折の危険が近位大腿骨の密度及び強さではなく転倒の深刻さによって支配されることを示唆している。従って、股関節部骨折の発生率を下げるために、股関節部骨折防止戦略は転倒発生率を下げるか、転倒時に大腿骨を保護しなければならない。移動を制限することは医学的リスクを伴い、人間の自律性及び生活の質を損なうが、移動を制限することによって前者の戦略を達成できる。転倒の危険が最も高い高齢者集団における体操プログラムを通じてこれを達成できるかも知れないが、どのような調査も今日までこの種の試みの効果を立証していない。いずれにしても、多くの場合複数の要因(心臓、神経、筋骨)及び転倒の偶発原因を考えると、高齢者から転倒を完全に排除することを期待するのは非現実的に思われる。従って、股関節部骨折の発生を減少させるための最も信頼できる方法は、転倒の衝撃段階において大腿骨を保護することであるように思われる。このためには、基本的に大腿骨に加わる衝撃力を大腿骨の骨折閾値より低い値へ下げる必要がある。
股関節部骨折とは、体の中で最も強く、最も重く、かつ最も長く、全体長のほぼ4分の1を占める骨である大腿骨の近位端の骨折を意味する。大腿骨の近位端は、大腿骨頭、大腿骨頚及び大転子及び小転子から成る。大腿骨の骨頚は球形の大腿骨頭を大腿骨体へ連結する。大腿骨頚は、骨頚及び骨体からの大きな、やや長方形の側方突起であり殿筋部のいくつかの筋肉の付着部となる大転子によって、側方で制限される。大転子は皮膚及び脂肪組織(脂肪)の比較的薄い層のすぐ下に横向きにあり、大腿の側面で簡単に触診できる。大転子は股関節部の最も側方の点であるので、人が横たわるとき堅い表面と接触する部位であり、かつ人が横倒しに腰から転倒するときの衝撃力のほとんどが加わる部位である。従って、大転子への衝撃となる横転は股関節部骨折の高い危険を伴う。
大転子を蓋う軟組織の量が僅かであるのに対して、大転子に隣接する後殿筋(殿部)及び前大腿部には実質的量の軟組織が存在する。これらの部位に衝撃があると、この軟組織は大量のエネルギーを吸収して下にある骨構造へ加わる衝撃力を低下させることができる。殿部軟組織は大殿筋、中殿筋及び小殿筋並びに殿部を覆う多量の脂肪層を含む。最も重要な前大腿軟組織は四頭筋であり、3つの広筋及び大腿直筋を含む。
実験的に、尻餅をシミュレートする形態で高齢者の死体の大腿骨へ負荷を与えると、大腿骨を骨折させるために必要な平均的力は2040Nである[Lotz JC及びHayes WC,J Bone Joint Surg[Am],72−A,689−700,1990]。骨折するまで骨によって吸収される対応する平均的エネルギーは25Jである。直立しているとき、体の位置エネルギーは優にこの量の20倍を超える。これまでの調査では、平均的な横向きの尻餅から受ける衝撃によって大腿骨へ加わる力は約6kNであることを示しており、平均骨折力の3倍を超える(Robinovitch,SN,Hayes,WC,McMahon,TA,J Biomech Eng,113,366−374,1991)。従って、転倒中の股関節部骨折を避けるには、下記のうち一つまたはそれ以上が必要である。1)股関節部側面への直接的衝撃が避けられなければならない、2)衝撃部位が股関節部の外部へ広がらなければならない、または3)下降中の大腿筋の収縮、広げた手による転倒の遮断または床及び衝撃部位を覆う軟組織の両方の変形など代替メカニズムによって大量のエネルギーが吸収されなければならない。
骨に加わる力が骨折を開始するのに必要な力を上回るとき、股関節部骨折と同様に脛骨、橈骨及び尺骨など他の骨の骨折が生じる。この種の状況は、衝撃エネルギーが高くかつ接触が骨折する骨構造の直接上にある小さい領域に生じるときに生じることが多い。このような状況において、衝撃エネルギーを吸収するあるいは広い面積へ分散することはできず、高い局部応力が下にある骨に加わる。
(先行技術の保護装置)
股関節部骨折を防止する目的でいくつかの保護服がこれまでに開発された。これらの装置の全てが、尻餅中大腿骨へ加わる衝撃を減少させることによって骨折発生率を減少させようとしている。
米国特許第5,599,290号及び米国特許第5,545,128号において一つの装置が提案されている。この解決法は、脆弱領域及び軟組織領域の解剖学的特徴に従って形成される少なくとも一つの保護装置に配置される剪断抵抗厚を有する(shear−thickening)材料の使用に基づいている。この装置は、衝撃エネルギーの実質的部分を脆弱領域から衝撃エネルギーを安全に分散できる軟組織領域へ転換するために、材料の剪断抵抗行動、及び急激な衝撃を受けて堅くなる固有の能力を利用する。さらに、先行技術書類は、脆弱領域から軟組織領域へ衝撃エネルギーを転換することができるように被験者へ保護装置を取り外し可能に取り付けるための取付け手段を開示している。
先行技術テクノロジーが上記問題を克服する解決法をもたらすとしても、この種の保護装置に伴う問題が存在する。この問題は、主に、装置を重くする剪断抵抗材料によるものであり、かつ着用及び洗濯に対して耐久性があり、かつ力転嫁特性に一貫性がある安定形状を維持できるカプセルへ剪断抵抗材料を封入することを条件とすることにある。さらに、流体特性故に例えば洗濯中または洗濯後に剪断抵抗材料がカプセルから漏出する危険がある。
先行技術テクノロジーは、また、例えば湾曲またはドーム型の、剛性材料から成るまたはこれを組み込む転嫁原理に基づく保護装置またはシェルを含む衣服を開示している。ただし、この種の剛性装置は着用者の許容性に悪影響を及ぼすと見られており、例えば横向きで寝ているときなど堅い非柔軟性の装置より柔軟保護装置の方が着用者にとって快適である。
さらに、単に股関節部全体を覆う例えば円形または楕円形にカットされた例えば8−18mm厚のポリマーフォーム材から成るソフトクッションまたはパッドタイプの製品がある。大転子及びその周りのエリアへ直接配置されるこの種のエネルギー吸収及び/または分散材料または構造(Ferberに対する米国特許第4,807,301号、Galtonに対する米国特許第4,737,994号、Kolbに対する米国特許第4,761,834号、Kolskyに対する米国特許第5,034,998号、Wortbergに対する米国特許第4,573,216号)は、大転子及び近位大腿骨幹を覆うので、股関節部への衝撃中この領域へ実質的荷重を伝える、と言う大きな欠点を有する。前述の通り、大腿骨のこれらの領域特に大転子は股関節部の全ての骨成分の中で最も側方へ伸びており、これを覆う僅かな軟組織でしか保護されていない。従って、保護対象の全エリア内で最も低いコンプライアンス領域であり、従って保護服への衝撃時に衝撃力の大半が大腿骨へ伝達される。
米国特許第6,195,809号は、全体的に楕円形の第一ベース部と、これに重ねられる隆起部を開示している。隆起部は逆U字形を有する開放環状で設けられる。この種の製品は、力の減衰に関する限りプレート型の一般フォームパッドに比べて改良品である。しかし、それでも、大転子はベース部材料を介して送られる力から衝撃を受ける。
この種の先行技術のソフトパッド装置は、大転子部を含めて股関節部の大きな面積を覆い、非通気性であり、従って着用すると暑い傾向があるので、例えば複数の小さい穴を装置表面に配設することによって、通気性を増して、温度を下げる試みがされている。その他の市販のソフトパッド装置はパッド中央に小さい円形穴(直径約2−2.5cm)を有し、製造者の説明によれば、装置が大転子を中心としてその周りへ正確に配置されているか否かを着用者または介護者が指でチェックできるようになっている。
前述のとおり、この種のソフトパッド装置は、大きくエネルギーを吸収するが、直接大転子を覆うのでエネルギーの実質的部分を直接大転子へ伝達する欠点を有する。従って、ある程度効率を良くするには装置を比較的厚くなければならないので、着用時にかさばって暑く、この場合も着用者の許容度を低下させることになる。
本発明は、着用者にとって快適でより暑くなくかつ安定した形状を維持し、かつ脆弱領域を取り囲む軟組織領域へ衝撃エネルギーの実質的部分を転嫁し、吸収し、転送することができる軽量で柔軟な保護装置を含む、骨折の危険を減少するための衣服、装置及び方法を提供することによって、上記の問題に対する解決することを課題とする。
本発明によれば、請求項1または2に記載の衣服を提供することによって上記の不利点及び欠点が克服される。
請求項14に記載の保護装置も、上記の不利点及び欠点に対する解決法を与え、本発明の目的を果たす。本発明によれば、請求項18に記載の方法も、本発明の目的を果たす。
本発明による解決法は、基本的にエネルギーの安全な分散を得るために脆弱領域に向う衝撃エネルギーをその周囲軟組織領域へ転嫁し、吸収し、転送する可能性を利用する。本発明による装置はそれ自体が主にエネルギー吸収性の柔軟(soft)保護材料で形成されるが、新規装置の形状及び寸法は、この装置を、エネルギーを脆弱領域から移動させて周囲軟組織へ連送するのに適するものにする。この効果を得るために、保護装置は、ユーザーにとって快適な柔軟保護装置を得るために、緩衝性の弾性材料から製造される。装置は、部分的または全体的に脆弱領域を囲むがこれを覆わずそれによって軟組織領域だけを覆う形状及び寸法で提供される。装置は十分な厚みと共に比ショアA硬度を有するので、装置に囲まれる脆弱領域に保護スペースまたは保護自由高さ(以後これは「保護スペース」と呼ぶ)が付与される。
選択された厚みに対して十分な弾性/硬度を持つ弾性材料を提供することによって、装置は転倒時に衝撃力によって部分的に圧縮され、それによって衝撃エネルギーの実質的部分を吸収する。装置の材料は脆弱領域を直接覆わず、その代わりに保護スペースが脆弱領域に設けられるので、エネルギーが脆弱領域へ直接伝達される前に装置が実質的に圧縮されなければならない。弾性物質が圧縮してより剛性になると、下にある軟組織領域へのエネルギーの移行が増すが、それでも脆弱領域へエネルギーが直接移行することはない。保護スペースが「底を突く」(または)軟組織の中まで沈むほど転倒がひどい場合のみ、衝撃エネルギーの一部が直接脆弱領域へ伝達されるが、このような場合、衝撃エネルギーはかなり低いレベルまで減少する。
言い換えると、衝撃力はまず保護スペースがあるために周りの保護装置へ方向転換または、または転嫁されて、弾性作用に対して保護装置を圧縮し始め、それによって脆弱領域/大転子へ向う衝撃力を減衰して、残りの衝撃エネルギーが徐々に保護スペースを囲む保護装置の部分によって被覆される軟組織領域へ転送される。このようにして、転倒時のエネルギーのほとんどまたは全てを安全に軟組織領域へ転換しまたは吸収または分散することができる。
本発明による装置は、着脱可能に着用者に取り付けることができる。内部保護スペースを脆弱領域と概ね一致するように取付けることができる。これによって、軟組織を覆う保護装置が受ける衝撃エネルギーの全てまたは実質的部分が脆弱領域ではなく軟組織に分散される。
本発明は脆弱領域を取り囲み、かつ装置の中央部において脆弱領域より高い位置または高さまで伸張する材料を含む装置を提供する場合に、材料の剛性/硬度と厚みの適切な組合せが使用されるとき、衝撃エネルギーの実質的部分または全てが軟組織領域へ転送される。従って、脆弱領域で作用する衝撃エネルギーまたは衝撃力は全くないかまたは大幅に減少するだろう。
十分に高い弾性を付与することによって、本発明の実施形態において、セルラー、フォームまたはスペーサファブリック材料による軽量形態でありかつ着用者の許容性と適合する十分に厚みの少ない装置を提供可能であり、かかる装置は持ちかつ歩く、立つ、横になる及び座るなど日常の着用者の活動時に体形に適合するので心地よく使用できる。
本発明の望ましい実施形態によれば、装置は、脆弱領域から衝撃エネルギーを受けて転換するために脆弱領域/大転子ではなく軟組織領域を覆うように構成されてよく、衝撃エネルギーの実質的部分または全部を吸収し軟組織領域へ転送する。取付け手段は、装置が軟組織を覆うが脆弱領域/大転子を覆わないように装置を取り付けるための手段を含んでよい。
装置が設置されるショートパンツの形態の取付け手段を提供することができる。通常、装置が大転子を保護するには、ショートパンツは2つの保護装置を含む。他の実施形態によれば、取付け手段は一つまたはそれ以上の保護装置を含み保護装置を所定の位置に保持するベルトを含む。
他の実施形態によれば、保護装置を着用者の皮膚に付着させるための接着手段または例えばフック/ループ等の装置を例えばショートパンツに取り付けられるようにする他の取付け手段の形態の取付け手段を提供することができる。
本発明の望ましい実施形態によれば、10−20mmの間の厚み、望ましくは12−17mm間の厚みを持つ股関節部保護装置を提供することができる。これは同程度の高さを持つ保護スペースを作る。材料の厚みはゴム特性−デュロメーター硬度に関するASTM2240−97標準テストによる測定で5から45までの間のショアA硬度を持つ弾性材料に関連する。
さらに、本発明による股関節部保護装置は通常40g未満望ましくは30g未満の重量を有する。
適切な材料は、例えばポリウレタン、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリエテン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ゴムまたはシリコンを主原料とする弾性材料である。さらに、弾性材料は編み、織り、セル、フォームまたは発泡形態であることが望ましい。
水を吸収しない独立気泡フォームまたは耐水性があり、乾き易いスペーサファブリック形態から装置を製造することが望ましい。これによって、装置はカプセル封入することなく非常に衛生的にかつ丈夫に作られる。
このような実施形態は、着用者に対して十分な保護並びに快適さを与えるだろう。開放保護スペースが脆弱領域を覆うことによって、この種の実施形態はほとんどの従来の装置より着用していて暑くない。快適さを強化するために、装置の皮膚側すなわち内側に肌に優しい層例えばスペーサファブリック、両面ファブリックまたはその他の織布または不織布の層を設けることも可能である。両面ファブリックまたはスペーサファブリックを使用することは、空気層を作って、装置と皮膚との間の空気循環を継続的に確立することを可能にする。このことは、装置が非通気性材料から作られる場合に特に重要である。これによって、不快な熱及び湿気の増大を防止することができ、それによってユーザーの快適さを増すことができる。特定の高技術材料、例えばCoolmax糸及び熱調整材料例えばOutlastを組み込むことによってこの効果を増すことができる。
保護スペースは、皮膚から保護装置外側への空気通路を形成し、水分及び水蒸気が体から逃れられるようにして、着用者がそれほど暑く感じないようにすることが望ましい。
衣服及び装置は何度も再使用及び洗浄できる材料で製造されることが望ましい。衣服から取り外し可能にするかまたは衣服に固定されるように装置を製造することができ、従って衣服と一緒に装置を洗浄するか別個に清浄することができる。選択的に、例えば急性治療用の使い捨て装置を提供することが可能である。
本発明の概念に関する上記説明から理解されるように、保護装置に様々な形態を付与できる。ただし、脆弱領域を覆うための位置に保護装置が比較的大きい開口または穴を含む保護スペースを有することが重要な特徴であり、かつ同様に、保護スペースが脆弱領域/大転子上方にある程度の高さを有することが重要である。
装置に選択される硬度、形状、寸法及び厚みは、意図される用途、体の保護対象となる脆弱領域の位置、脆弱領域の特性及び強さ及び転倒の予想される衝撃エネルギー及び力のレベルに依存するだろう。着用者側に向けられる装置の側面は、体に適合するようにフラットであるかまたは湾曲し、かつ必要な保護スペースを有していてよい。
装置が大転子及び大腿骨を保護するためのものである場合、大転子及び/または大腿骨を覆う保護スペースの水平幅は40から70mmの間である。この保護スペースの垂直長さは可変であり、幅とほぼ同寸法とすることができるが、大腿骨を保護するために保護装置の下縁に向かって相対的にもっと長い距離にわたって伸長する、例えば馬蹄形の製品を提供することも可能である。
本発明によれば、馬蹄形は馬蹄のアームが大腿骨に沿った位置に配置される。例えば保護スペースを部分的または完全に覆う薄い材料を使用することによってまたは1本またはそれ以上の連結細片または他の連結手段を使用することによって、馬蹄のアームをその位置にしっかりと維持することができる。カバーは一体的部品でも良いし、別個の構成要素例えば馬蹄または装置を含む衣服に取り付けられるファブリック層など別の構成要素であっても良い。いずれにしても、この種のカバーまたは連結細片はできる限り薄くなければならず、かついずれの場合にも装置の保護効果を減少させないために保護スペースの高さに比べて非常に薄くなければならない。例えば、厚みは0−2mmであってよい。
例えば成形による製造によってカバーが一体的に作られる場合、1−2mmの厚みが使用され、この種の装置において、全体的厚みは11−18mmであれば、脆弱領域の上に9−17mmの自由保護スペースが残される。身体は、通常、人によって異なる湾曲を持つので、保護スペースの高さの測定は、人ではなく平らな表面を基準にして行われる。
アームの位置及び距離を固定するための他の方法として、例えば装置のアーム間のエリアに衣服の一つまたはそれ以上のシーム(seam)またはその他の連結部材を設けることによって、装置を含む衣服に分離手段を構成することができる。
保護装置の外形は楕円形、長方形または丸またはこれらの組合せとすることができる。選択的に、保護装置が馬蹄の2本のアームで構成される製品に匹敵する2本の平行アームからのみ成り、2本のアーム間に連結ブランチを持たない形態で、衣服を提供することができる。衣服が大腿骨/大転子を保護するためのものである場合、この種の2本の別個のアームは大腿骨に沿って実質的垂直に配列されるだろう。この種のアームは、上述のようなカバーまたは連結細片によって相互に連結されるか、または衣服の収容ポケットの形態によって固定され得る。
転倒による骨折を未然に防ぐために大転子及び大腿骨を保護する装置が使用される。
部分的にまたは全体的に軟組織領域によって囲まれた他の隆起した骨構造を保護するためにも本発明による装置を使用することができる。
あらゆる年齢及び寸法の人がこの装置を使用することができ、また様々なユーザー群及び寸法のために他の寸法、形状及び厚みの装置を提供することができる。
本発明による製品は人間に使用するために開発されているが、動物に使用することも可能である。
実験室環境における実験は、本発明による製品が、先行技術のどのような股関節部プロテクタよりも脆弱領域上への衝撃力の大幅に優れた減衰をもたらすことを証明した。先行技術の製品は20−40%の減衰をもたらすのに対して、本発明による製品は50から80%あるいは90%までの減衰をもたらすことができることが証明された。
この非常に高い性能は、保護スペースとその周囲のエネルギー吸収弾性材料の組合せが、装置が圧縮されるときの装置の形状によるエネルギー転送/転換効果が結びつくことによると、考えられる。
この装置を製造するために他の製造テクノロジーを使用することができる。このように、成形、シートまたはブロック材料のカッティング、圧延、熱成形、溶接及びこれらのテクノロジーの様々な組合せによって製品を製造することができる。さらに、例えば溶接、接着または積層によって複数の層または部品を組み立てることによって製品を製造することができ、これらの層または部品は異なる特性または同じ特性を持ってよい。
さらに、剛性の構成要素例えば弾性材料を覆うドーム形外側シェルを含む装置を提供することも可能である。
使用される弾性材料に応じて、例えば防水膜に装置を封入することが有利かもしれない。これによって洗えない材料すなわち水を吸収するかまたは複数回洗濯すると劣化する材料を装置に使用することが可能になる。
例えば印刷、レーザー彫刻またはエンボスにより情報またはパターンを装置の表面に付与できる。
装置を取付け手段のポケットに入れて使用することが意図される場合、保護装置をポケットの中へ挿入するとき摩擦を減少または制御するか、または洗浄中または着用中ポケット内で回転、屈曲または移動しないようにするカバーを保護装置に設けることができる。これによって、保護装置は常に正確に位置決めされることが保証される。
例えば装置の縁に沿ってテキスタイルトリムを形成することによって、装置を固定させる手段として例えばテキスタイル布帛で作られるカバー材料を使用することもできる。これは、ポケットを作る必要なく衣服例えばショートパンツに装置を直接縫い付けるまたは溶接できるようにする。
装置が衣服のポケットに収納または入れて着用される場合、装置の形状に対して相対的にポケットの形状及び特性を最適化することによって装置が衣服内の所定の場所にしっかりと維持されるようにポケットの形状及び寸法を形成することができる。例えばポケットをタイトフィット、非弾性、非対称形にすることによって、装置が回転、屈曲または誤った取付けができないように案内シームまたはその他の連結手段を装置に設けることができる。
本発明の特徴及び利点は、添付図面と一緒に以下の詳細な説明を参照することによってより良く理解されるだろう。
図1は、馬蹄形の保護装置4を含む衣服1の斜視図を示している。保護装置は被験者3の股関節部2に取り付けられている。馬蹄形の保護装置4は、2本のアーム5、6及び2本のアームを相互連結するブランチ7を含む。保護装置4は、保護装置4によって被覆される軟組織領域9によって囲まれた、大転子8及び大腿骨18の形態の脆弱領域を部分的に囲む。
図1から、保護スペース11が大転子8及び大腿骨18を覆いかつこれに近接するエリアに設けられることが理解される。
図5に略図的に示されるように転倒に伴う衝撃力10が加わる時に、衝撃エネルギーは部分的に保護装置4の弾性材料に吸収され、かつ保護装置4によって部分的に軟組織領域9上への衝撃力12に転換されて、大転子及び大腿骨上への衝撃力をゼロまたは大幅に低い値まで減じる。
他の実施形態によれば、アーム5、6間のスペースを被覆する薄い材料の層によって保護装置4を被覆することができる。他の実施形態において、同レベルの保護を達成するために保護スペース11の高さ(図の平面に対して直交する)を同様に維持して、保護装置の全厚に薄い厚さの層を追加できる。この種の実施形態は例えば熱成形によってセルラーポリオレフィンから製造可能である。
図2による実施形態は、図1に関して説明したような保護装置4を含む。
図2は、図1に対応するが、ショートパンツ17の形の取り付け手段を示している。ショートパンツは、大転子8に対して正確な位置に保護装置を維持するために保護装置の形状に対応する形状を有するポケット16を含む。保護装置4をポケット内に取り付けるときに保護装置4を案内して、該配置を回避し、かつ着用中及び洗浄中保護装置を正確な位置に維持するために、アーム5、6の間に連結部材、例えばシーム(seam)19が設置される。
図3による実施形態は、図1及び2に関して説明された実施形態とは僅かに異なる保護装置4’を含む。
保護装置4’は、環状形状を有する。馬蹄形装置のアーム間の「オープンスペース」の代わりに、この保護装置の実施形態は、環状リム部内に中央部を有し、設けられかつその中に保護スペースが形成される。環状部はその円周全体に沿って同じ厚みを持つか、一部のエリア、例えば大腿骨を覆う予定のエリアにおいて異なる厚みを持ってよい。
図3は、また、保護装置4’用の異なる取付け手段を示している。取付け手段はベルト15を含む。適切な任意の手段、例えばフック/ループ閉鎖部材(図示されていない)によってベルトを開閉することができる。
図4は、人の皮膚20付近に大転子8を有する人3を示し、軟組織の薄い層21のみが大転子8を覆っている。衝撃力10(略図的に示されている)は大転子8の領域に向けられている。多数の矢印12は、衝撃エネルギー及び力が大転子及び大転子の周りに広がる近接エリアに向うことを示している。従って、衝撃力は大転子上に作用し、これを覆いかつ取り囲む軟組織9による衝撃エネルギーの吸収はごく僅かである。この場合に骨折の危険は高い。
図5に示されるように、大転子8の領域に向う衝撃力10(略図的に示されている)は、エネルギーを移動させない保護スペースがあるために、保護装置4によって軟組織領域9へ転換されまたは誘導される。これによって、衝撃エネルギー12は、圧縮されて(図6に示されるように)部分的に軟組織の中へ沈み込みそれによってより剛性になり、下の軟組織9へ残りのエネルギーを転送する保護装置4の弾性材料によって軟組織領域へ部分的に吸収されかつ部分的に転送されまたは転換されかつ、分散される。深刻な転倒において、結局大転子領域は転倒が生じた表面に接触するかも知れないが、これは実質的遅れた後に力のレベルが大幅に減少して生じる。
図6から、垂直断面で示されたように衝撃力10が加わる前及び加わるときに保護装置4がどのように作用するかが判る。従って、図6は図1−2による実施形態の使用状況を示している。
本発明による保護装置を用いて実験室試験が行われた。、図7は、従来のいわゆるソフトパッドに見られるような中実シート形態の全く同じ材料と比較して、発泡ポリプロピレンから製造された保護装置について、保護なしで転倒した時の大転子上への衝撃力のパーセントで表される大転子上で達成される衝撃力の減衰を示している。
同一の外径及び2mmの増分で9から19mmまで様々な厚みを持つ保護装置についてテストが行われた。股関節部全体を覆う中実シートの減衰を本発明による馬蹄形の減衰と直接比較するために、棒グラフにそれぞれA列及びB列で示されるカットアウトなし(中実プレート)及びカットアウト付き(馬蹄形においてカットアウトは保護スペースを形成する)でテストが行われた。
図6から、11−19mmの厚みを有するB装置は衝撃力の75−90%の減衰率を示すのに対してA装置は35−45%の減衰率を示すので、B装置はA装置に比べてかなり高い減衰率を有することが明らかである。
より具体的には、図6から19mmの厚みのシートは47%の減衰率を示すのに対して、本発明による11mmの馬蹄形装置は約77%の減衰率を示す。
これらの結果は、従来のソフトパッドに比べて本発明による馬蹄形パッドが優れていることを証明している。しかし、これらのテスト結果は単なる示唆として見なされるべきであり、減衰レベルの結果はテスト形態、例えば軟組織の硬さ及びエネルギーレベルに大きく依存する。
テスト対象の材料は、ゴム特性−デュロメーターに関するASTM2240−97標準テストに従った測定で41.5のショアA硬度を有する。これは一部の着用者が柔軟順応材と見ないように、本発明による保護装置として許容できる弾性/柔軟性の上域にある。
本発明によれば、柔軟材料望ましくはゴム特性−デュロメーターに関するASTM2240−97標準テストに従った測定で5から45のショアA硬度の弾性/硬度を有するフォーム材を使用することが望ましい。同様のテストがショアA硬度9の材料について実施され、その結果は図6の場合と同じ傾向が当てはまることを示した。
図8は、下に示される表1−2に関する2つの異なる曲線を示している。表1−2は、本発明に従って発泡ポリオレフィンから製造された馬蹄形保護装置に様々な寸法を用いた場合の、保護なしで転倒した場合の大転子上への衝撃力のパーセントで表される衝撃力の減衰を示している。
Figure 2008525659
Figure 2008525659
表1−2において:P.S.は保護スペースである。
L*Wは馬蹄形装置の全長と全幅であり、
厚みはテスト対象の装置の全厚であり、それぞれ10mm及び15mmである。
表1において、馬蹄形装置の外寸法は、それぞれ10mm及び15mmの厚みのパッドについて長さ方向及び幅方向の両方において2cmの増分で変化している。テスト間隔において、寸法が大きくなるとそれだけ減衰率が高くなることが理解される。また、減衰レベルにとって厚みが大きな影響を持つことが理解される。
表2において、馬蹄形のアーム間の距離に等しい保護スペースの幅は10mmの増分で30から70mmへ補正されている。保護装置が正確に位置決めされる最適距離は約50mm−60mmであることが理解される。
図8のA5及びA6はそれぞれ10mm及び15mmの保護装置の厚みを示し、従って保護スペースの高さを示している。
この場合10mmの厚みを有する保護装置が40%を超える減衰率を示すこと、及び15mmの厚みを有する保護装置が55%から80%までの間の減衰率を示すことが理解される。
図9は、本発明による保護装置の可能な様々な形状を略図的に示している。全ての実施形態において、保護スペースは保護装置の中央部に形成される。この中央部を部分的または全面的に取り囲む一つまたはそれ以上の周辺部は、保護スペース領域に位置決めされる脆弱領域に近位の軟組織領域を覆うように配置される。
適用された力減衰試験システムが図10に示され、このシステムは、衝撃振り子(塊20、アーム21及びピボット22)及び解剖学的表面構造及び骨盤コンプライアンスの点で典型的な女性の骨盤に合うように設計された代用骨盤23を含む。代用骨盤は、軟組織をシミュレートするためにフォーム25によって取り囲まれる代用大腿骨24を含む。ロードセル26は大腿骨24上への力を測定するための信号を発生し、骨盤のばね27は骨盤コンプライアンスの効果をシミュレートする。代用骨盤は、ヒップパッドとその下の骨格及び軟組織構造との結合反応に基づくパッド性能の評価を可能にした。
骨盤コンプライアンスは、シミュレートされた尻餅をついた女性について測定された値(Robinovitch,S.N.,Hayes,W.C.,McMahon,T.A.,J.Biomech Eng,113:366−174,1991)の13%以内である有効剛性65kN/mをユニット全体に与えるネオプレンばねによってシミュレートされた。全ての実験において、振り子のヘッドは大転子の側面に衝突する向きに定められた。外部に加わる力全体が振り子上の力プレート28によって測定され、他方、軟組織を介して股関節部に送られる力が大腿骨上に取り付けられたロードセルによって測定された。振り子の衝撃速度は、尻餅をついたボランティアについて測定された平均股関節部衝撃速度と同様の4.4m/sであった。振り子の質量は26kgであり、股関節部への衝撃中の身体の平均有効質量に合致する(Robinovitch,S.N.,Hayes,W.C.,McMahon,T.A.,J.Biomech Eng,113:366−174,1991)。従って、衝撃時の振り子の運動エネルギーは250ジュールであった。
馬蹄形の保護装置4が誤配置され、それにより大転子及び大腿骨が馬蹄形装置に囲まれた保護スペース内の中央に完全に位置決めされていない状態で実験室実験が行われた。この実験は、30−50mmの上、下、側面またはこれらの組合せの該配置にも関わらず、馬蹄形装置は従来の柔軟かつ硬質のプロテクタに比べて十分な減衰率を示した。従って、本発明による保護装置は、多少配置を誤っても、先行技術のシート及び剛性シェルに比べて優位の減衰率を示す。
被験者の股関節部に着用された、本発明による保護服の斜視図である。 取付け手段がショートパンツの形を取る、本発明による保護服の斜視図である。 取付け手段が股関節部に装置を取り付けるためのベルトの形を取る、本発明による保護服の斜視図である。 本発明による保護装置なしの大転子領域における転倒時の衝撃力を示す略図である。 本発明による保護装置を使用する場合の大転子領域における衝撃力を示す、図4に対応する略図である。 衝撃力が加わる前及びその時点の保護装置を示す部分断面図である。 股関節部骨折を防止するために本発明による保護装置を使用する場合の力の減衰レベルを示すグラフである。 股関節部骨折を防止するために使用される本発明による保護装置に関する様々なパラメータを変化させた2つの減衰曲線を示す。 本発明による保護装置の様々な形状を示す略図を示す。 本発明による保護装置の力減衰能力をテストする際に使用される衝撃振り子及びロードセルの側面図である。

Claims (18)

  1. 皮膚表面近くで骨部の不足した軟組織領域が近位に存在する、皮膚表面近くに骨部を有する脆弱領域上への衝撃力に起因する人または動物被験者の骨折の危険を減少させるための衣服であって、
    衝撃エネルギーが少なくとも部分的に脆弱領域から軟組織領域へ転換され、軟組織領域において安全に分散されるように、脆弱領域及び軟組織領域の解剖学的特徴に従って形成された少なくとも一つの保護装置と、
    脆弱領域から軟組織領域へ衝撃エネルギーを転換することができるように被験者へ少なくとも一つの前記保護装置を取り外し可能に取り付けるための取付け手段と、を含み、
    前記保護装置は、ゴム特性−デュロメーター硬度に関するASTM 2240−97標準テストによる測定で5から45の間のショアA硬度を有する緩衝性弾性材料を含み、かつ脆弱領域を覆うのではなく部分的にまたは全体的に囲むように形成され、脆弱領域の上に開放保護スペースを形成する厚みを有し、
    前記保護スペースは、衝撃エネルギーが少なくとも部分的に前記弾性材料に吸収されるとき前記弾性材料と結合して脆弱領域上への衝撃エネルギーが軟組織領域へ少なくとも部分的に転換されるようにする適切な高さを有し、それによって衝撃エネルギーの実質的部分が軟組織領域へ転換されかつ分散される、衣服。
  2. 大転子上への衝撃力に起因する人または動物被験者の骨折の危険を減少させるために人または動物被験者の股関節部に設置される衣服であって、
    大転子は大腿骨の終端にあり、股関節部は大転子及び大腿骨の近位にあって皮膚表面近くで骨部が不足した軟組織領域を有する、
    衝撃エネルギーが少なくとも部分的に大転子から軟組織領域へ転換され、軟組織領域においてエネルギーが安全に分散されるように、大転子及び軟組織領域の解剖学的特徴に従って成形される少なくとも一つの保護装置と、
    大転子から軟組織領域へ衝撃エネルギーを転換することができるように被験者へ少なくとも一つの前記保護装置を取り外し可能に取り付けるための取付け手段と、を含み、
    前記保護装置は、ゴム特性−デュロメーター硬度に関するASTM 2240−97標準テストによる測定で5から45の間のショアA硬度を有する緩衝性弾性材料を含み、かつ大転子を覆うことなくこれを部分的にまたは全体的に囲むように形成され、かつ大転子の上に開放保護スペースを形成する厚みを有し、
    前記保護スペースは、衝撃エネルギーが少なくとも部分的に前記弾性材料に吸収されるとき前記弾性材料と結合して大転子上への衝撃エネルギーが軟組織領域へ少なくとも部分的に逸らされるようにする適切な高さを有し、それによって衝撃エネルギーの実質的部分が軟組織領域へ転換されて分散される、衣服。
  3. 前記保護装置は水を吸収しない独立気泡フォームまたは耐水性で乾き易いスペーサファブリック形態で作られる、請求項1または2に記載の衣服。
  4. 前記保護装置の厚みが同様の高さの保護スペースを作る10−20mmの間であり、望ましくは12−17mmの間である、請求項1から3のいずれか一項に記載の衣服。
  5. 少なくとも一つの保護装置は、2本のアームを含みかつ2本の前記アーム間の露出内部エリアに前記保護スペースを形成する馬蹄形であり、前記衣服が被験者に着けられるとき前記内部エリアが脆弱領域または大転子及び大腿骨と概ね一致し、かつ
    取付け手段は、2本の前記アームと共に脆弱領域または大転子の両側の近位で被験者に前記保護装置を取り外し可能に取り付ける、請求項1から5のいずれか一項に記載の衣服。
  6. 前記保護スペースが皮膚から前記保護装置の外側への空気通路を形成して、水分及び蒸気が体から逃げられるようにして、着用者が暑さを感じないようにする、請求項1から5のいずれか一項に記載の衣服。
  7. 前記弾性材料がゴム特性−デュロメーター硬度に関するASTM2240−97標準テストによる測定で9から30の間のショアA硬度を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の衣服。
  8. 少なくとも一つの前記保護装置が40g未満、望ましくは30g未満の重量を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の衣服。
  9. 前記弾性材料がポリウレタン、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ゴムまたはシリコンから成るグループから選択されている、請求項1から8のいずれか一項に記載の衣服。
  10. 前記弾性材料が編み、織り、フォーム、セルまたは発泡形態である、請求項1から9のいずれか一項に記載の衣服。
  11. 前記取付け手段が、前記保護スペース内部に伸長する連結シーム(seam)を使用することによって、前記保護装置を適切な位置に維持するのに適した形態のポケットを備えたショートパンツまたはベルトを含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の衣服。
  12. 前記取付け手段が少なくとも一つの前記保護装置に結合されるベルトを含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の衣服。
  13. 前記取付け手段が、少なくとも一つの前記保護装置を被験者の体に付着させるための接着手段または少なくとも一つの保護装置を衣服に付着させるためのフック/ループ閉鎖手段を含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の衣服。
  14. 転倒時の衝撃エネルギーが少なくとも部分的に脆弱領域から軟組織領域へ転換され、軟組織領域においてエネルギーが安全に分散されるように脆弱領域及び軟組織領域の解剖学的特徴に従って形成される保護装置であって、
    脆弱領域から軟組織領域へ衝撃エネルギーを転換することができるように被験者に少なくとも一つの前記保護装置を取り外し可能に取り付けるための取付け手段を含み、
    前記保護装置は、ゴム特性−デュロメーター硬度に関するASTM 2240−97標準テストによる測定で5から45の間のショアA硬度を有する緩衝性弾性材料を含み、かつ脆弱領域を部分的にまたは全体的に取り囲むように形成され、かつ脆弱領域の上方に保護スペースを形成する厚みを有し、
    前記保護スペースは、衝撃エネルギーが少なくとも部分的に前記弾性材料に吸収されるときに前記弾性材料と結合して大転子上への衝撃エネルギーが軟組織領域へ少なくとも部分的に逸らされるようにする適切な高さを有し、それによって衝撃エネルギーの実質的の部分が軟組織領域へ転換されて分散される、保護装置。
  15. 該保護装置が2本のアームを含む馬蹄形に構成されている、請求項14に記載の保護装置。
  16. 前記弾性材料は、ゴム特性−デュロメーター硬度に関するASTM 2240−97標準テストによる測定で9から30の間のショアA硬度を有する、請求項14−15のいずれか一項に記載の保護装置。
  17. 被験者の体または衣服に付着させるための接着手段を更に含む、請求項14−16のいずれか一項に記載の保護装置。
  18. 皮膚表面に近い骨部、望ましくは大転子を有する脆弱領域上への衝撃力に起因する人または動物被験者の骨折の危険を減少させるための方法であり、脆弱領域の近位に皮膚表面近くの骨部が不足している軟組織領域がある、方法において、
    保護スペースが概ね脆弱領域と一致するように請求項1から17のいずれか一項に記載の衣服または保護装置を設置し、衝撃エネルギーの実質的部分が圧縮され剛化された材料によって軟組織領域に吸収されて転送される程度まで衝撃力が前記保護装置を軟組織に対して圧縮するように取り付けることを含み、それによって衝撃エネルギーを安全に分散して、骨折の危険を減少させる、方法。
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