JP2008525644A - 高強度四相鋼合金 - Google Patents

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Abstract

高強度、高靭性、および高耐腐食性を兼ね備えた特性を示す炭素鋼合金は、そのミクロ組織が、マルテンサイト−オーステナイト領域と組み合わさったフェライト領域を含み、そのフェライト領域内に分散された炭化物析出物を有するが、異なる相の間の界面のいずれにも炭化物析出物を有しない炭素鋼合金である。このミクロ組織は、したがって、(1)マルテンサイトラスであって、保持された(2)オーステナイトの薄膜によって分離されたマルテンサイトラス、および(3)フェライト領域であって、(4)炭化物析出物を含むフェライト領域の4つの明確に区別される相からなる。一部の実施形態において、このミクロ組織は、さらに炭化物フリーなフェライト領域を含む。

Description

(発明の背景)
(1.発明の分野)
本発明は、鋼合金の分野で、特に、高強度、高靭性、高耐腐食性、および高延性のある鋼合金の分野に関し、また、特定の物理的特性および化学的特性を鋼に提供するミクロ組織を形成するための鋼合金の処理技術とに関する。
(2.従来技術の説明)
ミクロ組織が、マルテンサイト相およびオーステナイト相の複合である高強度・高靭性鋼合金は、以下の特許文献1〜8(米国特許および国際特許出願公開):
特許文献1(1977年8月24日に出願された出願であり、1979年10月9日に発行された米国特許(Gareth ThomasおよびBangaru V.N.Rao))、
特許文献2(上記の1977年8月24日に出願された出願の一部継続出願として、1978年9月14日に出願された出願であり、1979年10月9日に発行された米国特許(Gareth ThomasおよびBangaru V.N.Rao))、
特許文献3(1984年8月6日に出願された出願の一部継続出願として、1984年11月29日に出願された出願であり、1986年10月28日に発行された米国特許(Gareth Thomas、Jae−Hwan Ahn、およびNack−Joon Kim))、
特許文献4(1985年10月11日に出願された出願であり、1987年6月9日に発行された米国特許(Gareth Thomas、Nack J.Kim、およびRamamoorthy Ramesh))、
特許文献5(2000年3月28日に出願された出願であり、2001年8月14日に発行された米国特許(Gareth Thomas))、
特許文献6(2001年12月14日に出願された出願であり、2004年3月23日に発行された米国特許(Grzegorz J.Kusinski、David Pollack、およびGareth Thomas))、
特許文献7(2001年12月14日に出願された出願であり、2004年6月8日に発行された米国特許(Grzegorz J.Kusinski、David Pollack、およびGareth Thomas))、
特許文献8(2004年6月3日に公開された国際特許公開(MMFX Technologies Corporation;発明者:Grzegorz J.Kusinski、およびGareth Thomas))
に開示されており、これらの特許文献のそれぞれは、その全体が参考として本明細書に援用される。
ミクロ組織は、特定の鋼合金の特性を確立するのに重要な役割を果たし、合金の強度および靭性は、合金元素の選択および量に依存するのみならず、ミクロ組織に存在する結晶相とその配置にも依存する。ある環境で使用することを意図された合金は、高強度・高靭性を要求される一方で、別の環境で使用することを意図された合金は、延性も要求される。しばしば、特性の最適な組み合わせは、互いに相反する特性を含む。なぜなら、一方の特性に寄与するある種の合金元素、ミクロ組織の特徴、あるいはこれらの双方が、他方の特性を損ね得るからである。
上記に列挙された文献に開示された合金は、マルテンサイトのラスがオーステナイトの薄膜(thin film)と交互に入れ替わることからなるミクロ組織を有する炭素鋼合金である。一部の場合において、マルテンサイトは、自己焼き戻しによって形成される炭化物析出物とともに分散される。マルテンサイトのラスが、オーステナイトの薄膜によって分離される配置は、「転位ラス」、または単に「ラス」組織と称され、まず、合金をオーステナイト範囲に加熱し、次いで、合金をマルテンサイト開始温度M(マルテンサイト相が初めて形成し始める温度)未満に冷却することによって形成される。この最終冷却によって、合金は、オーステナイトがマルテンサイト−オーステナイトラス組織に変態する温度範囲にされ、製品の所望の形状を得るため、また、ラス組織をラスと薄膜の交互の配置として精製(refine)するために、鋳造、熱処理、圧延、および鍛造のような標準的な冶金学的処理を伴う。このラス組織は、双晶型マルテンサイト組織より好ましい。なぜなら、ラスと薄膜の交互の組織は、より靭性が高いからである。上記特許文献は、また、この組織のマルテンサイト領域にある過度の炭素が、冷却プロセス中に、析出し、セメンタイト(炭化鉄、FeC)を形成することも開示している。この析出は、「自己焼き戻し」として公知である。特許文献5は、マルテンサイト開始温度Mが350℃以上となるように合金元素の選択を限定すると、自己焼き戻しを避け得ることを開示している。ある種の合金において、自己焼き戻しによって生成された炭化物は、鋼の靭性を高めるが、その一方で、他の合金においては、炭化物は、靭性を制約する。
ラス組織は、クラック伝播に対する耐性と、鋼から工学構成要素(engineering component)を成功裏に製造可能にする十分な成形性とに必要とされる品質である靭性および延性を兼ね備える高強度鋼を形成する。マルテンサイト相を制御して、双晶型組織よりもラス組織を得ることは、強度および靭性に必要なレベルを得るための最も効率的な手段の一つであり、その一方で、保持されたオーステナイトの薄膜は、鋼の延性と成形性とに寄与する。双晶型組織のないラスミクロ組織を得ることは、合金組成(次いで、この組成がMの値に影響を与える)の注意深い選択によって、および制御された冷却プロトコルによって達成される。
鋼の強度と靭性とに影響を与える別の要因は、溶存ガスの存在である。特に、水素ガスは、脆化と、延性および荷重に耐える能力の劣化との原因となることが公知である。クラックおよび突発的な脆性破損は、鋼(特に、ラインパイプ鋼および構造用鋼)の降伏強度未満の応力で生じることが公知である。水素は、鋼の粒界に沿って拡散しやすく、鋼中の炭素と結合し、メタンガスを形成しやすい。このガスは、粒界の小さなボイドに集まり、そこに、クラックを開始する圧力を作り上げる。プロセス中に鋼から水素を除去する方法の一つは、真空脱ガスであり、これは、典型的には、約1torr〜約150torrの範囲の圧力で溶融状態の鋼になされる。ミニミルで製造される鋼、電気アーク炉を含む作業、取鍋精錬所を含む作業といったある種の適用において、溶融鋼の真空脱ガスは、経済的でないので、真空は限定的に使用されるか、あるいは全く使用されないかのいずれかである。これらの適用において、水素は、ベーキング熱処理によって除去される。典型的な処理条件は、温度が300℃〜700℃で、加熱時間が12時間のように数時間である。この処理は、溶存水素を除去するが、残念ながら、また、炭化物析出の原因ともなる。炭化物析出は、炭素が過飽和である相から炭素が放出された結果であるために、析出は、異なる相の間の界面、または粒の間の界面で発生する。これらの場所での析出物は、鋼の延性を低下させ、腐食が容易に発生しやすいサイトを提供する。
米国特許第4,170,497号明細書 米国特許第4,170,499号明細書 米国特許第4,619,714号明細書 米国特許第4,671,827号明細書 米国特許第6,273,968号明細書 米国特許第6,709,534号明細書 米国特許第6,746,548号明細書 国際公開第2004/046400号パンフレット
多くの場合、炭化物の析出を避けることは、非常に困難である。なぜなら、特に、多相鋼の形成は、加熱または冷却による相変態を必然的に伴うから、また、特定の相における炭素の飽和レベルは、次の相における炭素の飽和レベルと異なるからである。したがって、延性が低いことと、腐食しやすいこととが、しばしば、容易に制御できない問題となっている。
(発明の要旨)
強度、延性、耐腐食性を有し、炭化物析出物による破壊の危険性を低減した炭素鋼および合金鋼が、フェライト領域とマルテンサイト−オーステナイトラス領域(オーステナイトの薄膜と交互になるマルテンサイトのラスからなる領域)との組み合わせを、炭化物析出の核形成サイトをそのフェライト領域内に有するように形成することを含むプロセスによって製造されることが、この度、発見された。核形成サイトは、フェライト領域の内部に炭化物析出を導くので、これによって、相界または粒界での析出を抑制できる。このプロセスは、実質的にマルテンサイトフリーなオーステナイト相を形成すること、あるいは、別々の相としてのマルテンサイトフリーなオーステナイト相とフェライト相とを組み合わせて形成することから始まる。このプロセスは、次いで、オーステナイト相の冷却に進み、オーステナイトの一部分をフェライトに変換する一方で、この新たに形成されたフェライトのバルクの中に炭化物が析出することを可能にする。この新たに形成されたフェライト相は、この相界以外のサイトに小さな炭化物析出物を含み、この相は、「下部ベイナイト」と称される。この結果得られた組み合わされた相(オーステナイト、下部ベイナイト、および一部の場合において、フェライト)は、次いで、マルテンサイト開始温度未満の温度に冷却され、オーステナイト相をマルテンサイトとオーステナイトとのラス組織に変態する。最終結果は、それゆえ、ラス組織および下部ベイナイトの組み合わせ、あるいはラス組織、下部ベイナイト、および(炭化物フリーな)フェライトの組み合わせからなるミクロ組織であり、これは、連続冷却か、あるいは熱処理と組み合わせた冷却かのいずれかによって達成され得る。下部ベイナイトを形成する間に形成された炭化物析出物は、引き続く冷却プロセスおよび任意のさらなる熱プロセスの間に、ミクロ組織において相界および粒界に望ましからぬ析出が生じることを妨げる。本発明は、このプロセスと、このプロセスによって製造される多相合金との双方に関する。同様の効果は、窒化物、炭窒化物、および他の析出物を、フェライト領域のバルク内に形成させることから生じる。ここで、これらの析出物は、核形成サイトとして機能し、相界および粒界に、これらの種のさらなる量の析出を防止する。
本発明のこれらおよび他の特徴、目的、利点、および実施形態は、以下の説明から、より良く理解される。
(発明および好ましい実施形態の詳細な説明)
用語「炭化物析出物」は、炭素の化合物、主としてFeC(セメンタイト)、そして、一般的にM(ここで、「M」は金属元素を表わし、「x」および「y」の値は、その金属元素に依存する)のクラスタまたは相を意味する。これらの相またはクラスタは、オーステナイト相、マルテンサイト相、およびフェライト相の結晶格子とは無関係の別個の相である。炭化物析出物がバルクフェライト相の中に存在するとき、その析出物は、フェライトによって囲まれているが、その析出物は、フェライト格子の一部ではない。相界または他の境界で、「実質的に炭化物析出物がない」という旨の表現は、たとえ、炭化物析出物がこれらの境界に、ほんのわずか存在するとしても、そのような析出物の量は非常に少ないので、合金の腐食敏感度に著しい寄与がないこと、あるいは合金の延性に悪影響を与えないことを意味する。本明細書で使用される用語「炭化物フリー」は、炭化物析出物のないことを表わすが、必ずしも、炭素原子が存在しないことを表わさない。
フェライトのバルク全体にわたって分散された小さな炭化物析出物を有するが、相界には炭化物析出物を有さないフェライトからなる結晶相は、本明細書で、また「下部ベイナイト」とも称する。これらの下部ベイナイト相の中の炭化物析出物は、好ましくは、典型的な析出物の最長寸法が、約150nm以下であり、最も好ましくは、約50nm〜約150nmであるようなサイズである。用語「最長寸法」は、析出物の最長の線形寸法を意味する。例えば、ほぼ球状である析出物に対して、最長寸法はその直径であり、一方、長方形または細長い形状の析出物に対して、最長寸法は、その最も長い辺の長さか、あるいは形状によっては対角線である。下部ベイナイトは、「上部ベイナイト」と区別されるべきである。「上部ベイナイト」は、炭化物析出物のサイズが一般的に下部ベイナイトの炭化物析出物よりも大きく、析出物がフェライトのバルクの中に存在するよりもむしろ(あるいは、そのバルクの中の析出物に加えて)、粒界および相界に存在するフェライトを意味する。本明細書で使用される用語「相界」は、異なる相の領域の間の界面を意味し、マルテンサイトラスとオーステナイト薄膜との間の界面と、マルテンサイト−オーステナイト領域とフェライト領域との間の界面も、あるいはマルテンサイト−オーステナイト領域と下部ベイナイト領域との間の界面も含む。上部ベイナイトは、下部ベイナイトが形成される冷却速度より遅い冷却速度で、かつ、より高い温度で形成される。本発明は、上部ベイナイトを含むミクロ組織を避けることを追究する。
本発明の実行で使用される合金組成は、約330℃以上、好ましくは、約350℃以上のマルテンサイト開始温度Mを有する合金組成である。合金元素は、一般的にMに影響を与えるが、Mに最も強い影響を与える合金元素は炭素であり、合金の炭素含有量を最大0.35%に制限することで、所望の範囲にMを制限することが一般的に達成される。本発明の好ましい実施形態において、炭素含有量は、約0.03%〜約0.35%の範囲内であり、より好ましい実施形態において、その範囲は、約0.05%〜約0.33%であり、ここで、パーセントは、いずれも重量パーセントである。
上述のように、本発明は、炭素鋼および合金鋼の双方に適用可能である。当分野で使用される用語「炭素鋼」とは、典型的には、全合金元素の含有量が2%を超えない鋼のことを言う。一方、用語「合金鋼」とは、典型的には、合金元素の全含有量が、2%を超える鋼を言う。本発明の好ましい合金組成において、クロムは、少なくとも約1.0%の含有量で含まれ、好ましくは、約1.0%〜約11.0%の含有量で含まれる。マンガンも、また、本発明の範囲内の一部の合金に存在し得、マンガンが存在するときは、その含有量は、多くとも約2.5%である。また、本発明の範囲内の一部の合金に存在し得る他の合金元素は、珪素であり、珪素が存在するとき、好ましくは、約0.1%〜約3%に達する。本発明の様々な実施形態で含まれる他の合金元素の例は、ニッケル、コバルト、アルミニウム、および窒素であり、これらは単独であるか、組み合わせられるかのいずれかである。モリブデン、ニオブ、チタン、およびバナジウムのような微量合金元素も、また存在し得る。この段落において、全てのパーセントは、重量パーセントである。
本発明の中間ミクロ組織と最終ミクロ組織との双方は、最低2つのタイプの空間的および結晶学的に区別される領域からなる。一部の実施形態において、中間組織の2つの領域は、下部ベイナイト(フェライトのバルクにわたって分散された小さな炭化物析出物を有するフェライト)領域およびオーステナイト領域であり、最終組織において、2つの領域は、下部ベイナイト領域およびマルテンサイト−オーステナイトラス領域である。またある種の別の実施形態において、初期組織は、まずベイナイト形成の前に形成され、初期組織は、(炭化物フリーな)フェライト粒および(マルテンサイトフリーと炭化物フリーの双方である)オーステナイト粒を含む。この初期組織は、次いで冷却され、まず、(フェライト、下部ベイナイト、およびオーステナイトからなる)中間組織を、次いで、最終組織を得る。最終組織において、炭化物フリーなフェライト粒および下部ベイナイト領域は保持される一方で、残りのマルテンサイトフリーで、炭化物フリーなオーステナイト粒は、マルテンサイトおよび保持されたオーステナイト(ラスと薄膜が交互の)組織ならびに、下部ベイナイトの粒に変態される。
これらの組織のそれぞれにおいて、粒、領域、および異なる相は、連続的な塊を形成する。個々の粒サイズは、クリティカルなものではなく、大きく変動し得る。最適な結果を得るために、粒サイズは、一般的に、約2マイクロメートル〜約100マイクロメートルの範囲に収まる直径(または、他の特徴的線形寸法)を有し、あるいは好ましくは、約5マイクロメートル〜約30マイクロメートルの範囲に収まる直径を有する。オーステナイト粒が、マルテンサイト−オーステナイトラス組織に変えられた最終組織において、マルテンサイトラスは、一般に、幅が約0.01マイクロメートル〜約0.3マイクロメートルであり、好ましくは、約0.05マイクロメートル〜約0.2マイクロメートルであり、マルテンサイトラスを分離するオーステナイト薄膜は、一般的に、マルテンサイトラスよりも幅が狭い。下部ベイナイト粒は、また、オーステナイト相またはマルテンサイト−オーステナイト相に比べ、その含有量が非常に大きく変動し得るが、その相対的な量は、本発明においてクリティカルなものではない。しかしながら、ほとんどの場合において、最適な結果は、オーステナイト粒、またはマルテンサイト−オーステナイト粒が、ミクロ組織の約5%〜約95%を構成し、好ましくは、約15%〜約60%を構成し、最も好ましくは、約20%〜約40%を構成する場合に得られる。この段落におけるパーセントは、重量パーセントではなく、むしろ、体積パーセントである。
本発明は、上述のミクロ組織を得るために使用される特定の冶金学的プロセスのステップに関わらず、このミクロ組織を有する合金にまで及ぶが、ある種のプロセス手順が好まれる。ある種のミクロ組織において、この手順は、所望の組成の合金を形成するのに必要とされる適切な成分を組み合わせることによって始まり、次いで、全ての元素と成分とが固溶体内である均一で実質的にマルテンサイトフリーなオーステナイト組織を得るために、十分な期間にわたって十分な温度で、その組成を均質化(「ソーキング」)する。この温度は、オーステナイト再結晶化温度より高い温度であり、合金組成によって変動し得る。しかしながら、一般的に、適切な温度は、当業者には、容易に理解される。ほとんどの場合において、最適な結果は、850℃〜1200℃の範囲内の温度で、好ましくは、900℃〜1100℃の範囲内の温度でソーキングをすることによって得られる。圧延、鍛造、あるいはこれらの双方が、オプションとして、この合金に、この温度で実施される。
一度オーステナイト相が形成されると、この合金組成物は、中間領域内の温度で、それでもなおマルテンサイト開始温度より高い温度に、オーステナイトの一部を下部ベイナイトに変態させ、その残りをオーステナイトのまま残す速度で冷却される。この2つの相のそれぞれの相対的な量は、その組成物が冷却される温度と、合金元素のレベルとの双方によって変動する。上述のように、この2相の相対的な量は、本発明に対してクリティカルなものではなく、変動し得、ある種の範囲が好まれる。
マルテンサイト領域まで冷却する前に、オーステナイトを下部ベイナイトへ変態することは、冷却速度によって制御される。すなわち、オーステナイトが下げられる温度と、温度低下が継続する時間の長さと、その組成物が温度対時間をプロットする冷却経路に沿って、任意の所与の温度で留まることのできる時間の長さとによって制御される。合金が比較的高い温度で保たれる時間の長さは、延長されるとき、フェライト領域は、まず、炭化物を有さずに形成し、次いで、高レベルの炭化物を有して形成する傾向があり、その結果、炭化物からなるフェライト相および上部ベイナイトが得られる。これらのフェライト相は、相の界面に炭化物を有するパーライトと称されている。パーライトと上部ベイナイトとの双方は、好ましくは、避けられるべきであり、したがって、オーステナイトの部分の変態は、オーステナイトがシンプルフェライトまたは下部ベイナイト(フェライトのバルク内に分散された小さな炭化物を有するフェライト)のいずれかに変態されるように、十分急速に冷却することによって達成される。これらの変態のいずれかに続く冷却は、次いで、再び、パーライトおよび上部ベイナイトの形成を避けるために、十分速い速度で実行される。
上述のように、本発明の一部の実施形態において、最終組織は、下部ベイナイトおよびマルテンサイト−オーステナイトラス組織の領域に加え、シンプルフェライト粒の領域を含む。この最終組織の形成における初期の段階は、オーステナイト相がシンプルフェライト相と共存する段階である。この段階は、次の2つの方法のいずれかによって達成され得る。すなわち、ソーキングして、完全オーステナイト化を形成し、引き続き、冷却して、オーステナイトの一部をシンプルフェライトに変態するか、あるいは合金成分の制御された加熱によって、オーステナイト−フェライトの組み合わせを直接形成するかによって達成され得る。いずれの場合も、この初期の段階が一度形成されると、次いで冷却され、シンプルフェライトの領域には本質的な変化が一切ないまま、オーステナイトの一部分を下部ベイナイトに変態する。これは、次いで、引き続き、シンプルフェライトまたは下部ベイナイト領域とのいずれにも、実質的にさらなる変態がないようにして、オーステナイトをラス組織に単に変換するのに十分速い速度で、さらに冷却される。これは、オーステナイトの一部分が下部ベイナイトに変態される時間−温度領域を通って、次いで、残留オーステナイトがラス組織に変態される領域に向かうことによって達成される。シンプル(炭化物フリー)フェライト領域の初期形成を含まないプロトコルに従うとき、この結果は、下部ベイナイト領域と、マルテンサイト−オーステナイトラス組織の領域とを含み、シンプルフェライト領域を有さず、様々な領域の間のいずれの境界においても炭化物析出物を有さない最終ミクロ組織となる。シンプルフェライト領域の初期形成を含むプロトコルに従うとき、この結果は、シンプルフェライト領域と、下部ベイナイト領域と、マルテンサイト−オーステナイトラス組織の領域とを含み、ここでもまた、様々な領域の間のいずれの境界にも炭化物析出物を有さない最終ミクロ組織となる。
用語「隣接(contiguous)」は、境界を共有する複数の領域を記述するために、本明細書で使用される。多くの場合、共有境界は、平面であるか、あるいは少なくとも長細い比較的平坦な輪郭を有する。以前の段落に記載された圧延工程および鍛造工程は、平面的であるか、あるいは少なくとも長細い比較的平坦な境界を形成する傾向がある。これらの場合における「隣接」領域は、したがって、長細く、実質的に平面的である。
炭化物析出物を含むフェライト相を形成し、パーライトおよび上部ベイナイト(相界に比較的大きな炭化物析出物を有するフェライト)の形成を避けるために必要とされる適切な冷却速度は、各合金に対する動的変態温度−時間図から明らかである。図の縦軸は、温度を表わし、横軸は、時間を表わし、そして、図の曲線は、各相が、単独で、あるいは1つ以上の他の相との組み合わせでのいずれかで存在する領域を示す。これらの図は、当分野で周知であり、刊行物から容易に利用できる。典型的なこのような図は、上記で参照したThomasの米国特許第6,273,968号明細書に示される。さらなる2つの図が、図1および図2に示される。
図1および図2は、本発明を説明するために選択される2つの合金に対する、動的変態温度−時間図である。異なる相が形成される温度および時間の領域は、これらの図では、曲線によって示される。この曲線は、各相が初めて形成し始めることを示す領域の境界である。双方の図において、マルテンサイト開始温度Mは、水平な線10によって示され、この線より上から、この線より下に冷却すると、その結果、オーステナイトがマルテンサイトに変態する。双方の図において、全ての曲線の(凸側の)外側で、かつM線の上の領域は、完全オーステナイト相を示す。図に示される相のそれぞれに対する境界線の位置は、合金組成によって変動する。一部の場合において、単一元素に小さな変動があると、領域の一つは、左または右に、あるいは上または下に、かなりの距離を移動する。ある種の変動は、1つ以上の領域が完全に消える原因となる。したがって、例えば、クロム含有量の2%の変動、またはマンガン含有量の同様の変動は、ここの2つの図の間の差と同様な差を生じる原因となり得る。簡便のために、各図は、4つの領域I、II、III、IVに分割され、斜線11、12、13によって分離される。曲線によって区分される相領域は、下部ベイナイト領域14、シンプル(炭化物フリー)フェライト領域15、上部ベイナイト領域16、およびパーライト領域17である。
図1と図2との双方の合金において、プロセスの初期段階は、完全オーステナイト化であり、完全オーステナイト化に引き続く冷却経路が、ローマ数字Iによって指定される図の領域内で維持される場合、冷却プロトコルは、マルテンサイト−オーステナイトラス組織(オーステナイトの薄膜と交互であるマルテンサイトのラス)のみを生成する。さらに、双方の場合において、冷却プロトコルが、ローマ数字IIによって指定される領域内に留まる場合、すなわち、第一の逆斜線11と第二の逆斜線12との間に留まる場合、合金は、下部ベイナイト領域14を通過し、そこで、オーステナイト相の一部分が下部ベイナイト相(すなわち、フェライトのバルク全体に分散された小さな炭化物を含むフェライト相)に変態し、残留オーステナイトと共存する。冷却が続き、Mを通過すると、この下部ベイナイト相は、そのまま残る一方で、残留オーステナイトがマルテンサイト−オーステナイトラス組織に変態される。この結果は、本発明による四相ミクロ組織である。
いずれの合金においても、初期完全オーステナイト状態からの冷却が、より遅い速度で実行された場合、冷却経路は、ローマ数字IIIで指定される領域に入る。図1の合金において、十分に遅い冷却速度は、シンプルフェライト領域15に入る冷却経路に従う。ここで、オーステナイトの一部が、シンプル(炭化物フリー)フェライト粒に変換され、このシンプルフェライト粒は、残留オーステナイトと共存する。図1における様々な領域の位置に起因して、シンプルフェライト領域15を通る冷却によって、シンプルフェライト粒が一度形成されると、その合金は、さらなる冷却によって、上部ベイナイト領域16を通過し、そこで、大きな炭化物析出物が相間境界で形成する。この特定の合金において、この析出物が避けられ得るのは、シンプルフェライト領域15と上部ベイナイト領域16との双方を避けるのに十分速い冷却速度によってのみである。Mを通る最終冷却は、残留オーステナイトをマルテンサイト−オーステナイトラス組織に変態する。
図2の合金において、シンプルフェライト相15の位置および上部ベイナイト相16の位置は、互いに相対的にシフトされる。この合金においては、図1の合金とは異なり、シンプルフェライト領域15の「ノーズ」すなわち最も左の端は、上部ベイナイト領域16の「ノーズ」より左にあり、したがって、マルテンサイト開始温度未満の温度へのさらなる冷却によって、また上部ベイナイトが形成することなく、シンプルフェライト粒が形成可能である冷却経路が、考案され得る。双方の図の合金において、合金が中間温度で十分長く保持され、その結果、冷却経路がパーライト領域17を横切るものにされる場合、パーライトが形成される。冷却曲線が、パーライト領域17およびベイナイト領域16から遠ければ遠くに留まるほど、炭化物析出物は、フェライト相のバルク内以外の領域で(すなわち、図の領域14で生じるフェライト相以外の領域で)、炭化物析出物が形成する可能性は低くなる。再び、これらの図における曲線の位置は、単に例示的なものであることが、強調される。合金組成がさらに変動すると、これらの曲線の位置は、さらに変動し得る。いずれにせよ、シンプルフェライト領域15が、上部ベイナイト領域16よりも時間的に早く到達され得る場合のみ、シンプルフェライト領域および下部ベイナイト領域を有するが、上部ベイナイトを有さないミクロ組織が形成され得る。これは、図2の合金には当てはまるが、図1の合金には当てはまらない。
個々の冷却プロトコルが、続く図面に示される。図3および図4は、図1の合金に実行されるプロトコルを示し、一方、図5および図6は、図2の合金に実行されるプロトコルを示す。各場合において、合金の変態温度−時間図が、各図の上部に再現され、冷却経路に沿った異なる点でのミクロ組織が、下部に示される。
図3(図1の合金に適用する)において、冷却プロトコルは、2つのステップで示され、図中の点21aの座標によって示される完全オーステナイト(γ)段階21から始まり、図中の点22aの座標によって示される中間段階22に続き、最終的に、図中の点23aの座標によって示される最終段階23に至る。完全オーステナイト段階21から中間段階22への冷却速度は、破線24によって示され、中間段階22から最終段階23への冷却速度は、破線25によって示される。中間段階22は、下部ベイナイトの領域(フェライトのバルク内に炭化物析出物33を有するフェライト32)と隣接するオーステナイト(γ)31とからなる。最終段階23において、オーステナイト領域は、保持されたオーステナイトの薄膜35と交互になるマルテンサイトラス34からなるマルテンサイト−オーステナイトラス組織に変態される。
図4の冷却プロトコルは、図3の冷却プロトコルとは異なり、本発明の範囲外である。これらのプロトコルの間の違いは、図4のプロトコルの最終段階26であり、図中で、その対応する点26aには、上部ベイナイト領域16を通る破線27によって示されるルートを通って到達される。上述のように、上部ベイナイトは、粒界および相界に炭化物析出物36を含む。これらの相間析出物は、合金の腐食および延性の特性に対し、悪影響をもたらす。
同様に、図5および図6は、2つの異なる冷却プロトコルを示すが、図2の合金に適用される。図5の冷却プロトコルは、完全オーステナイト領域から始まり、ミクロ組織が完全オーステナイト41のまま保持される図中の点41aに到達するまで、その領域に留まる。シンプルフェライト領域15と上部ベイナイト領域16との相対的な位置のために、図1の合金よりも時間的に早い点で、また上部ベイナイト16が形成する最も早い点よりも時間的に早い点で、シンプルフェライト領域15を通る冷却経路が選択され得る。図の点42aで、オーステナイトの一部が、シンプルフェライトに変態され、その結果、オーステナイト(γ)粒44とシンプルフェライト(α)粒43との双方を含む中間ミクロ組織42が得られる。この合金の変態温度−時間図の相領域の相対的な位置によって、この中間段階からマルテンサイト開始温度10未満の温度への冷却は、上部ベイナイト領域16を通らないように十分速い速度で実行され得る。この冷却は、破線44によって示される経路に従い、この破線44は、最初に下部ベイナイト領域14を通り、オーステナイトの一部分を下部ベイナイト46に変換し、次いで、マルテンサイト開始温度を横切って、マルテンサイト−オーステナイトラス組織47を形成する。これらの変態の間、炭化物フリーなフェライトの領域43は、不変のまま留まるが、最終組織45は、マルテンサイト−オーステナイトラス領域47および下部ベイナイト領域46に加え、シンプルフェライト領域43を含む。
図6の冷却プロトコルは、図5の冷却プロトコルとは異なり、本発明の範囲外である。この違いは、図6のプロトコルにおいて、中間段階42への変態に続く冷却が、マルテンサイト開始温度10を横切って、最終ミクロ組織52、52aを形成する前に、上部ベイナイト領域16を通る経路51に従うことである。上部ベイナイト領域16において、炭化物析出物53は、相界に形成する。図4の最終ミクロ組織と同様に、これらの相間析出物は、合金の腐食および延性の特性に対し、悪影響をもたらす。
以下の実施例は、説明の目的のためにのみ提供される。
(実施例1)
9%のクロム、1%のマンガン、および0.08%の炭素を含む鋼合金を、オーステナイト相から、約5℃/秒より速い速度で冷却すると、その結果、炭化物析出物を含まないマルテンサイト−オーステナイトラスのミクロ組織が得られる。より遅い冷却速度、すなわち、約1℃/秒〜約0.15℃/秒の範囲内の冷却速度が使用される場合、その結果得られる鋼は、オーステナイト薄膜と交互になるマルテンサイトラスの領域と、下部ベイナイト領域(フェライト内に小さな炭化物析出物を有するフェライト粒)とを含むが、相の界面に炭化物析出物は存在しないミクロ組織を有する。それゆえ、この鋼は、本発明の範囲内である。冷却速度が、さらに約0.1℃/秒未満に遅くされる場合、その結果得られるミクロ組織は、相界に炭化物析出物を有する細かいパーライト(トルースタイト)からなる。少量のこれらの析出物は、許容され得るが、本発明の好ましい実施形態において、これらの析出物の存在は、ごく微量である。
本実施例に従って、上部ベイナイト領域にも、パーライト領域にも入ることなく、ミクロ組織が発達した合金は、一般的に、以下の機械的特性:降伏強度90〜120ksi、引張強度150〜180ksi、伸び7〜20%を有する。
(実施例2)
4%のクロム、0.5%のマンガン、および0.08%の炭素を含む鋼合金を、オーステナイト相から、約100℃/秒より速い速度で冷却すると、その結果、炭化物析出物を含まないマルテンサイト−オーステナイトラスのミクロ組織が得られる。より遅い冷却速度、すなわち100℃/秒未満であるが、5℃/秒を超える冷却速度が使用される場合、その結果得られる鋼は、オーステナイト薄膜と交互になるマルテンサイトラスの領域と、下部ベイナイト領域(フェライト内に小さな炭化物析出物を有するフェライト粒)とを含むが、相の界面に炭化物析出物は存在しないミクロ組織を有する。それゆえ、この鋼は、本発明の範囲内である。冷却速度がさらに、5℃/秒〜0.2℃/秒の範囲に下げられる場合、その結果得られるミクロ組織は、相界に炭化物析出物を有する上部ベイナイトを含む。それゆえ、このミクロ組織は、本発明の範囲外である。これは、遅い冷却を使用し、次いで、速い冷却速度を使用することによって、避けられ得る。細かいパーライト(トルースタイト)は、0.33℃/秒未満の冷却速度で形成される。ここでも、また、少量の細かいパーライトは、許容され得るが、本発明の好ましい実施において、ごく微量のパーライトのみが、せいぜい存在するのみである。
同様の結果が、他の鋼合金組成を用いても得られ得る。例えば、4%のクロム、0.6%のマンガン、および0.25%の炭素を含む合金で、上述のように、上部ベイナイトの形成を避けるようにして作製された合金は、降伏強度190〜220ksi、引張強度250〜300ksi、および伸び7〜20%を有する。
上述は、主として、説明の目的のために提供される。合金組成およびプロセス手順・条件の様々なパラメータのさらなる改変および変更がなされ得るが、これらも依然として、本発明の基本的で新規なコンセプトを具現化する。これらは、当業者に容易に想到され、そして本発明の範囲内に含まれる。本明細書に付随する請求項において、用語「含む(comprising)」は、「含む(including)」を意味する非限定的な意味で用いられ、追加の元素が、必ずしも排除されないことを意味する。
図1は、本発明の範囲内にある鋼合金に対する概略動的変態温度−時間図である。 図2は、図1の鋼合金とは異なるが、依然として本発明の範囲内にある第二の鋼合金に対する概略動的変態温度−時間図である。 図3は、図1の合金に対する本発明の範囲内にある冷却プロトコルと、その結果得られるミクロ組織の段階との表示である。 図4は、図1の合金に対する本発明の範囲外にある別の冷却プロトコルと、それに対応するミクロ組織の段階との表示である。 図5は、図2の合金に対する本発明の範囲内にある冷却プロトコルと、その結果得られるミクロ組織の段階との表示である。 図6は、同様に図2の合金を示すが、本発明の範囲外にある冷却プロトコルと、それに対応するミクロ組織の段階とを示す。

Claims (16)

  1. 高強度、高靭性、および高耐腐食性を有する炭素鋼を製造するプロセスであって、
    (a)合金組成物を十分高い温度に加熱して、実質的にマルテンサイトフリーなオーステナイト相からなる開始ミクロ組織を形成する工程であって、該合金組成物は、少なくとも約330℃のマルテンサイト開始温度を有し、鉄および合金元素からなり、該合金元素は、約0.03%〜約0.35%の炭素と、約1.0%〜約11.0%のクロムと、最大約2.0%のマンガンとを含む、工程、
    (b)該開始ミクロ組織をオーステナイト、フェライト、および炭化物の中間ミクロ組織に変換させる条件下で、該開始ミクロ組織を冷却する工程であって、該中間ミクロ組織は、オーステナイトおよびフェライトの連続相を含み、該フェライト相の中に分散された炭化物析出物を有し、相界に炭化物析出物を実質的に有さない、工程、ならびに
    (c)該中間ミクロ組織をマルテンサイト、オーステナイト、フェライト、および炭化物の最終ミクロ組織に変換させる条件下で、該中間ミクロ組織を冷却する工程であって、該最終ミクロ組織は、オーステナイトの薄膜と交互になるマルテンサイトのラスからなるマルテンサイト−オーステナイト領域と、該マルテンサイト−オーステナイト領域と隣接するフェライト領域と、該フェライト領域に分散された炭化物析出物とを含み、該マルテンサイトラスと該オーステナイト薄膜との間の界面にも、該フェライト領域と該マルテンサイト−オーステナイト領域との間の界面にも、実質的に炭化物析出物を有さない、工程、
    を包含する、プロセス。
  2. 前記炭化物析出物は、約150nm以下の最長寸法を有する、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記炭化物析出物は、約50nm〜約150nmの最長寸法を有する、請求項1に記載のプロセス。
  4. 前記開始ミクロ組織は、実質的に炭化物析出物のないフェライト相をさらに含み、前記中間ミクロ組織および前記最終ミクロ組織は、それぞれ、実質的に炭化物フリーなフェライトの領域をさらに含む、請求項1に記載のプロセス。
  5. 前記開始ミクロ組織は、オーステナイトからなる、請求項1に記載のプロセス。
  6. 前記合金組成物は、少なくとも約350℃のマルテンサイト開始温度を有する、請求項1に記載のプロセス。
  7. 前記開始ミクロ組織には、炭化物がない、請求項1に記載のプロセス。
  8. 前記合金元素は、約0.1%〜約3%の珪素をさらに含む、請求項1に記載のプロセス。
  9. 鉄および合金元素からなる合金炭素鋼であって、該合金元素は、約0.03%〜約0.35%の炭素と、約1.0%〜約11.0%のクロムと、最大約2.5%のマンガンとを含み、該合金炭素鋼は、オーステナイトの薄膜と交互になるマルテンサイトのラスからなるマルテンサイト−オーステナイト領域と、該マルテンサイト−オーステナイト領域と隣接するフェライト領域と、該フェライト領域の中に分散された炭化物析出物とを含み、該マルテンサイトラスと該オーステナイト薄膜との間の界面にも、該フェライト領域と該マルテンサイト−オーステナイト領域との間の界面にも、実質的に炭化物析出物を有さない、ミクロ組織を有する、合金炭素鋼。
  10. 前記ミクロ組織は、炭化物析出物が実質的にないフェライト領域をさらに含む、請求項9に記載の合金炭素鋼。
  11. 前記マルテンサイト−オーステナイト領域には、炭化物析出物が実質的にない、請求項9に記載の合金炭素鋼。
  12. 前記ミクロ組織は、オーステナイトの薄膜と交互になるマルテンサイトのラスからなるマルテンサイト−オーステナイト領域と、該マルテンサイト−オーステナイト領域と隣接するフェライト領域と、該フェライト領域の中に分散された炭化物析出物とからなり、該マルテンサイトラスと該オーステナイト薄膜との間の界面にも、該フェライト領域と該マルテンサイト−オーステナイト領域との間の界面にも、実質的に炭化物析出物を有さない、請求項9に記載の合金炭素鋼。
  13. 前記合金元素は、約0.1%〜約3%の珪素をさらに含む、請求項9に記載の炭素合金鋼。
  14. 前記ミクロ組織は、直径10マイクロメートル以下の粒を備え、各粒は、マルテンサイト−オーステナイト領域と、該マルテンサイト−オーステナイト領域と連続するフェライト領域とを備える、請求項9に記載の炭素合金鋼。
  15. 前記炭化物析出物は、約150nm以下の最長寸法を有する、請求項9に記載の炭素合金鋼。
  16. 前記炭化物析出物は、約50nm〜約150nmの最長寸法を有する、請求項9に記載の炭素合金鋼。
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