JP2008523746A - フィードバックモデル利得を推定する補聴器 - Google Patents

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Abstract

【構成】音響入力信号を電気入力信号15に変換するための入力トランスデューサ10,電気入力信号をプロセッサ利得で増幅することによって電気出力信号を発生させるためのプロセッサ20,電気出力信号を音響出力信号に変換するための出力トランスデューサ30,フィードバック解除信号と電気入力信号との差から発生するエラー信号を使用することによりフィードバック解除信号を発生させるための適応フィードバック抑制フィルタ40,および適応フィードバック抑制フィルタ内の利得を確定することによってプロセッサ利得上限を発生させるモデル利得推定器60を有する補聴器100。

Description

この発明は補聴器の分野に関する。より詳細には,この発明は,信号経路利得を調整するための手段,特に,時間変動フィードバックモデル利得推定による手段を有する音響フィードバック抑制のための適応フィルタを備えた補聴器に関する。この発明は,信号経路利得を調整する方法および補聴器用の電子回路にも関する。この発明はさらに,適応フィードバック抑制フィルタ内のスペクトル利得を計測する手段を有する補聴器,適応フィードバック抑制フィルタ内のスペクトル利得を計測する方法,およびこのような補聴器用の電子回路に関する。
音声が通気口から漏洩し,またはイヤモールドと外耳道との間を密閉するとき,あらゆる補聴器具で音響フィードバックが生じる。ほとんどの場合,音響フィードバックは可聴ではない。しかし,補聴器の装用利得(in-situ gain)が十分に高いとき,または最適寸法より大きな通気口が使用されているとき,外耳道の内部で発生する補聴器の出力が,イヤモールド/シェルによって与えられる減衰を超えることがある。すると,補聴器の出力は不安定になり,それまで可聴でなかった音響フィードバックが,例えば共鳴(ringing),笛声雑音(whistling noise)またはハウリングの形態で可聴となる。多くの使用者および周囲の人々にとって,このような可聴の音響フィードバックは不快であり,障害となることもある。フィードバックは信号処理も歪ませ,使用者が利用可能な利得を制限する。
図4は,音響入力信号を電気入力信号に変換する入力トランスデューサまたはマイクロホン2,入力信号を増幅し電気出力信号を生成する信号プロセッサ3,および電気出力信号を音響出力信号に変換する出力トランスデューサまたはレシーバ4を備えた補聴器の簡単なブロック図を示す。補聴器の音響フィードバック経路は破線矢印により描かれており,減衰係数をβで示す。或る周波数範囲において,ループ利得,すなわちプロセッサ3のGで示される利得(マイクロホンおよびレシーバの変換効率を含む)と減衰βとの積が1に等しいかこれを超える場合,可聴の音響フィードバックが生じる。
このような望ましくないフィードバックを抑制するために,当技術分野では,補聴器内に適応フィルタを含ませてフィードバックを補償することが知られている。このようなシステムを図5に概略的に示す。信号プロセッサ3からの出力信号は適応フィルタ5に与えられる。適応フィルタは,内部フィルタ係数に従ってプロセッサ出力信号を処理し,フィードバック解除信号103を生成する。フィルタ係数は遅延能力を含み,この遅延能力により,フィルタはレシーバからマイクロホンへの音響遅延を模する(mimic)ことができる。フィードバック解除信号はマイクロホン入力信号から減じられてプロセッサ入力信号を生成する。適応フィルタは,プロセッサ出力信号もプロセッサ入力信号も連続的に監視し,プロセッサ入力信号とプロセッサ出力信号との間の相互相関を最小にする解除信号を連続的に生成するように内部フィルタ係数を適合させようとする。フィルタ制御ユニット6は適応フィルタを制御し,例えば適応フィルタリングの適応率または速度を制御する。これによって,適応フィルタはフィードバック経路を模する。すなわち,適応フィルタは,出力トランスデューサから入力トランスデューサまでの音響伝播経路を含む,補聴器の出力から入力までの伝達関数を推定する。
可聴のフィードバックは補聴器具システムが不安定であることの徴候である。Cook F.,Ludwigsen C.,Kaulberg T.の「フィードバックおよびディジタルフィードバック解除対策の理解」(Understanding feedback and digital feedback cancellation strategies),The Hearing Review,2002年2月,第9巻第2号,36,38〜41,48,49ページでは,安定性を回復する2つの可能な解決策が提案されている。一の解決策は,漏れ係数β(the leakage factor)を制御することにより,マイクロホンにフィードバックする信号を制御することである。他の解決策は,補聴器具の利得Gを低減することである。
利得を低減することでフィードバックを管理するのは,特に線形補聴器(linear hearing aids)において問題となる。ほとんどの線形補聴器は,聴力欠如の激しくなりがちな高周波で利得を大きくするように適合されている。あいにく,通常のフィードバック経路が提供する減衰も,高周波では低周波より少ない。従って,可聴のフィードバックのリスクは高めの周波数範囲において最も高くなる。フィードバックを制御する或る一般的な方法とは,音質制御または低域フィルタリングを使用することによって補聴器の高周波利得を低下させることである。ところが,高めの周波数領域での利得もこの手法では犠牲になってしまう。結果として,音声了解度は悪くなることがある。
線形補聴器でフィードバックを管理することに関する付加的な問題とは,これらの装置が同一の利得をあらゆる入力レベルで提供するので,フィードバックを抑えるために課される利得制約が,あらゆる入力レベルで有効になることである。これは,弱い音声も中間レベルの音声も,同程度に影響を受けることを意味する。あらゆる入力レベルで音声了解度が影響を受けることになる。フィードバック信号が狭周波数帯域のみで起こり得るとしても,フィードバックは,広い周波数範囲にわたって利得を低下させる必要がある。
より高性能の補聴器の場合,狭周波数範囲を選択して利得を低下可能にすることができる。一方で,「狭帯域の利得を低減」するフィードバック管理の手法の裏にある仮定とは,固定したフィードバック周波数が1つのみ存在するということである。実際にはこのような仮定はほとんど当てはまらず,通常は不安定さの生じる2つ以上の周波数が存在する。1つの周波数を抑制すると別の周波数でのフィードバックを作り出すことがあり,このことは例えばAgnew J.の「補聴器における音響フィードバックおよびその他の可聴のアーチファクト」(Acoustic feedback and other audible artefacts in hearing aids),Trends in Amplification,1996年,1(2)巻,45〜82ページに記載されている。
非線形補聴器または圧縮補聴器は,入力レベルが高いほど,少ない利得を提供することができる。フィードバック音の場合,圧縮特性が働き信号のレベルを制御するが,フィードバック音が圧縮器により除去されることはない。
一般に,フィードバック経路は静止しているのではなく,補聴器具装着者の状態により動的に変更する。それ故に,フィッターが病院でフィットを入念にテストし,安全な利得制限の設定を試みたとしても,通常の使用中にはフィードバックが生じることがある。
国際公開第94/009604号では,音響フィードバックをディジタル式に電子補償する補聴器が開示されている。この補聴器はディジタル補償回路を有し,このディジタル補償回路は,雑音を挿入するための雑音発生器,およびフィードバック信号に適合された調整可能なディジタルフィルタを有する。適合は相関回路により行われる。ディジタル補償回路はさらにディジタル回路を有し,このディジタル回路は,ループ利得が定数Kより少なくなるようにループ利得を監視してディジタル加算回路によって補聴器の増幅を規制する。これは,適応フィルタ内の係数を評価し,適応フィルタ内の異なる周波数での増幅を連続的に計算することにより行われる。
しかしながら,補聴器のループ利得をフィードバック抑制フィルタによって直接計測または監視することは不可能である。フィードバック抑制フィルタは,音響フィードバック利得の推定値のためにしか使用することができない。フィードバック抑制フィルタが入力信号内のフィードバック成分を100%除去する理想的な状況であれば,対応する許容プロセッサ利得は無限大となる。非理想的な状況では,或る量の残余フィードバックが常に存在することになる。この残余フィードバックは,実際の許容プロセッサ利得を決定するものである。例えば国際公開第02/025996号では,どのようにこの残余フィードバックを決定するか,そしてこれによってどのように許容プロセッサ利得を決定するかが提案されている。ところが,許容プロセッサ利得を決定するためのこのような方法はハードウェアが高価であり,フィードバック抑制フィルタの電流係数へのアクセスを有することも必要である。
この背景に基づき,適応システム,特に音響フィードバックを抑制するための適応フィルタを備えた補聴器と,先行技術の欠陥が改善された,規定された種類の方法を提供することがこの発明の目的であり,特に,適応システムと,ループ利得を監視せず,適応フィードバック抑制フィルタ内のフィルタ係数を評価せずにフィードバックハウリングを防止することを可能にする,規定された種類の方法とを提供することがこの発明の目的である。
この発明は,独立請求項で規定するような補聴器と補聴器の信号経路利得を調整する方法とを提供することにより,上記の問題およびその他の問題を克服する。
この発明と調和する方法,装置,システム,ならびにコンピュータプログラム製品および電子回路のような製造物は,適応フィードバック抑制フィルタ内の利得(以下,「モデル利得」(model gain)とも称する)を決定し,このモデル利得を使用してプロセッサまたは信号経路利得上限(an upper processor or signal path gain limit)を導き出す。
好ましくは,変動する様々な音響周囲環境に対処すると同時に所望する最大プロセッサ利得を補聴器内で可能にするために,モデル利得は連続的に決定され,時間変動プロセッサ利得に課す制約は,過度に限定的でなくても差し支えない。
この発明の一態様によると,補聴器は,音響入力信号を電気入力信号に変換するための入力トランスデューサ,電気入力信号をプロセッサ利得により増幅することによって電気出力信号を生成するプロセッサ,電気出力信号を音響出力信号に変換するための出力トランスデューサ,フィードバック解除信号と電気入力信号との差から発生するエラー信号(誤差信号)(an error signal)を使用することにより電気出力信号からフィードバック解除信号(a feedback cancellation signal)を生成するための適応フィードバック抑制フィルタ,および適応フィードバック抑制フィルタ内の利得を決定することによってプロセッサ利得上限を生成するモデル利得推定器を備えている。
この発明の一実施形態によると,適応フィードバック抑制フィルタ内の利得(モデル利得)の決定は,電気出力信号のレベルとフィードバック解除信号のレベルとを比較することにより実行される。これらの信号の各々のレベルは,例えば,選択された窓(window)の範囲内のノルムとして推定される。次に,導き出された,電気出力信号とフィードバック解除信号とのレベル差が,モデル利得のための推定値として使用される。したがって,プロセッサ内の利得上限(upper gain limit)は,補聴器内のループ利得を推定しようとすることではなく,単に音響フィードバック利得を推定することにより決定される。
一方で,適応フィードバック抑制フィルタの刻み幅および長さ(the step size and length)が既知である場合,その範囲内で適応フィードバック抑制フィルタが音響フィードバックに整合できる精度を推定することが可能であり,すなわち,音響フィードバックを補償すると,フィードバック解除信号に対して残余フィードバックが残ると推定することができる。したがって,ループ利得が大体どの程度低減されるかを推定することができる。この推定値から,音響フィードバック利得から導き出された利得限度に加算されると適当なプロセッサ利得上限となるオフセット,すなわち安全マージンを導き出すことができる。従って,この発明の一実施形態によると,プロセッサ利得上限は,適応フィードバック抑制フィルタの精度,フィードバック解除信号,および安全マージンにより決定することができる。
この発明の好ましい一実施形態によると,プロセッサのスペクトル信号経路利得は,それぞれの時間変動利得上限に従って調整される。これらのスペクトル利得上限は,適応フィードバック抑制フィルタ内のスペクトル音響フィードバック利得を計測することにより得られる。スペクトル利得は,補聴器内のそれぞれの信号の信号経路が2つ以上の周波数帯域に分割されるとき必要となる。例えば,電気入力信号は,プロセッサに入力される前に異なる周波数帯域に分割されるが,これは,プロセッサが電気入力信号の周波数帯域に応じて2つ以上のスペクトル利得を推定しなければならないことを意味する。その場合,モデル利得推定値を同数の周波数帯域に微分して各周波数帯域の利得上限を導き出すことも必要である。通常は,例えば,電気入力信号をそれぞれの周波数帯域に分割するFFT回路または入力信号フィルタバンクがプロセッサの前にくる。従って,同一のフィルタバンクまたはFFT回路を使用することによって信号経路内のプロセッサにより厳密に同一の帯域幅を備えたスペクトル音響フィードバック利得を算出することが可能であり,これによって,推定値のエラーを低減することが可能である。
この発明によると,利得上限は,フィルタ係数自体を使用することによってではなく,適応フィードバック抑制フィルタの入力(電気出力信号)と出力(フィードバック解除信号)とを比較することによって決定されるモデル利得から導き出される。従って,適応フィードバック抑制フィルタの選択された実施形態とは無関係に,利得上限を推定することが可能である。
電気入力信号を2つ以上の周波数帯域に分割する入力信号フィルタバンクがプロセッサの前にくる好ましい一実施形態によると,モデル利得推定器は,これらの周波数帯域においてスペクトルと等しいモデル利得推定を遂行する。その目的で,モデル利得推定器のそれらのそれぞれのフィルタバンクにフィードバック解除信号および電気出力信号が与えられる。各フィルタバンクの出力は,そこからレベル計測値の得られる信号ベクトルである。モデル利得推定器のフィルタ利得推定器ブロックにおいて,モデルの前後に得られるこれらのレベル計測値間の比率が決定され,各周波数帯域での利得推定値が得られる。次に,これらの推定値が,プロセッサ内のスペクトル利得上限として使用される。
好ましい一実施形態によると,レベル計測値は,或る時間窓にわたり,信号ベクトル内の各信号の絶対値の加重平均をいわゆるノルムとして算出することにより得られる。
別の好ましい一実施形態によると,レベル計測値は,或る時間にわたり,信号ベクトル内の各信号の絶対値の単純平均を算出することにより得られる。すなわち時間窓は矩形の窓である。
別の一実施形態によると,信号の絶対値の平均は,一次ローパスフィルタ(a first order low pass filter)により算出される。すなわち,時間窓は指数関数である。
さらに別の一実施形態によると,レベル計測値は,窓が矩形または指数関数のいずれかである或る時間窓にわたりエネルギー計測値を計算することにより,すなわち信号ベクトル内の各信号の二乗値の平均を算出することにより得られる。
時間変動フィードバックモデル利得推定値によって一または複数のスペクトル信号経路利得を調整すると,補聴器の安定を増すことになる。適応フィードバック抑制フィルタ(モデルとも称す)が,音響フィードバック信号に一致するか少なくともこれに近いフィードバック解除信号を生成する場合,モデルは正しく収束するので電気入力信号のフィードバック成分は低減することになり,これによって,全ての周波数帯域において安定マージンが増す。結果として,プロセッサ利得を大きくすることが可能となる。同時に,モデル利得推定値はより正確なものになる。このことは,利得上限をより非限定的にすることができ,モデルの正確さに応じて利得上限を或る量増加させることが可能であるということを意味する。一方で,上限に近い利得は不快な可聴の影響をもたらすことがあるので,安定を得るのに要するよりも若干低い上の方の利得を選択することが望ましい。
好ましい一実施形態によると,モデル利得推定器は,モデルの正確さを計測するモデル評価ブロックを備えている。モデルが誤調整される(misadjusted)と推定されたモデル利得が信頼できないことになるので,モデルの正確さを計測することが必要である。モデルが誤調整された場合には,関連の予防措置を講じることができる。モデル評価ブロックは,フィルタ利得推定器にそれぞれの制御パラメータを送り込むことにより予防措置を講じる。これによって制御パラメータはフィルタ利得推定器を制御することができ,例えば利得推定を或る期間停止させ,または,例えば補聴器をフィッティングする際に計測することのできたそれらの初期値へ向かって利得制限をリーク(漏洩)させる(leak)(近づける)ことができる。
この発明の一実施形態によると,モデルの正確さは,フィードバック補償していない電気入力信号のノルムと,フィードバック制御された電気入力信号のノルムとを比較することにより計測される。フィードバック制御された電気入力信号は,電気入力信号からフィードバック解除信号が減じられたものである。フィードバック補償していない電気入力信号のノルムが,フィードバック制御された電気入力信号のノルムより小さい場合(即ち減算により実際には入力信号のノルムが増加する場合),モデルは最も誤調整されがちであり,この結果として,利得推定ブロックは停止されるか阻止され,あるいはその他の予防措置が講じられる。2003年8月21日付けの同時係属特許出願である国際出願PCT/EP03/09301号には,電気入力信号のノルムとフィードバック制御された電気入力信号のノルムとを比較するモデル評価装置が開示されている。
この発明はさらに,時間変動フィードバックモデル利得推定値によって一または複数のスペクトル信号経路利得を調整する方法を提供する。
この発明はさらに,適応フィードバック抑制フィルタ内の一または複数のスペクトル利得を計測する方法を提供する。
さらなる一態様において,この発明は,請求項28に記載のコンピュータプログラムを提供する。
さらに別の一態様において,この発明は,請求項29に記載の補聴器用の電子回路を提供する。
この発明のさらなる態様および変更態様は,従属請求項により規定される。
この発明とさらなる特性,およびその利点は,図面を参照すれば,この発明の具体的な実施形態の以下の詳細な説明から,より容易に明らかとなろう。
図1は,この発明による補聴器の第一実施形態のブロック図を示す。
補聴器100の信号経路には,例えば音声信号をアナログ電気信号に変換することによって音響入力信号を電気入力信号15に変化させる入力トランスデューサまたはマイクロホン10,アナログ電気信号をサンプリングしこれをディジタル電気信号にディジタル化するA/Dコンバータ(図示略),および入力信号を複数の周波数帯域に分割する入力信号フィルタバンク(図1において図示略)が含まれている。信号経路にはさらに,増幅された電気出力信号35を生成(発生)するプロセッサ20,および電気出力信号を音響出力信号に変換する出力トランスデューサ(スピーカ,レシーバ)30が含まれる。プロセッサ20の増幅特性は例えば,この技術分野で良く知られているような,低い信号レベルにおいてより多くの利得を提供する圧縮特性を示す非線形とすることがでる。
図2は,この発明による補聴器の第二実施形態のブロック図を示す。補聴器200は,図1に示す補聴器とほぼ同じであるが,信号経路内に出力ブロック32をさらに備えている。プロセッサ20によって生成される電気出力信号35は,出力ブロック32に与えられ,続いて出力ブロックから出力トランスデューサ30に与えられる。出力ブロック32は,電気出力信号,そしてまた音響出力信号に遅延を与え,適応フィードバック抑制フィルタが補聴器の入力信号,出力信号およびフィードバック信号を区別し,音響フィードバック信号FBAを推定するのを簡単化する。
出力トランスデューサ30(図1)用または出力ブロック32(図2)用の遅延されていない電気出力信号35は,適応フィードバック抑制フィルタ(モデル)40およびモデル利得推定器60にも供給される。適応フィードバック抑制フィルタ(モデル)は,出力信号をモニタし,また,適応ディジタルフィルタを調整する適応アルゴリズムを含むので,音響フィードバック経路がシミュレートされ,これによって出力信号の減衰および遅延バージョンを生成する。フィルタ出力FBCは音響フィードバック信号FBAの推定値を構成する。フィルタ出力FBCは,加算回路50の反転入力端に送るというやり方で,フィードバック解除信号45として使用することができる。加算回路50は,電気入力信号15と反転フィードバック解除信号45との和として,フィードバック制御された電気入力信号25を生成する。その後,フィードバック制御された電気入力信号25は,入力信号としてプロセッサ20に送られる。
この発明の一実施形態によると,モデル利得推定器60が設けられ,このモデル利得推定器に,電気出力信号35およびフィードバック解除信号45が送られる。これらの信号に基づいて,モデル利得推定器60はモデル内の利得を決定し,次にこれが使用されて利得上限55が導き出され,これがプロセッサ20に送られる。
一実施形態によると,適応フィードバック抑制フィルタ40は,或る長さおよび刻み幅(a certain length and step size)を備えた適応ディジタルフィルタである。好ましくは,初期フィルタ係数は補聴器のメモリ(図示せず)に保存されており,補聴器のスイッチがオンされるたびに適応フィードバック抑制フィルタ内にロードされる。適応ディジタルフィルタは,これらのフィルタ係数を用いて初期フィルタ出力FBCを生成することができ,この初期フィルタ出力は,デフォルトのフィードバック解除信号45として使用することができる。適応ディジタルフィルタが音響フィードバック信号FBAを整合できる範囲の精度に応じて,いわゆる安全マージンまたはフィードバックマージンとしてのオフセットが,音響フィードバック利得の推定値としてモデル利得に導入される。このフィードバックマージンは,可聴のフィードバックが生じるレベル以下の利得を表す。例えば,6dBのフィードバックマージンがセレクトされれば,これは,プロセッサ利得上限が可聴フィードバックが生じる6dB以下に設定されることを意味する。補聴器のスイッチが入った後,適応フィードバック抑制フィルタはその適応モデル化を開始し,フィルタ係数を評価することにより音響フィードバックを整合させ,適合されたフィードバック解除信号を発生させる。
次に,図6に示すフローチャートを参照して,適応フィードバック抑制フィルタの機能をさらに説明する。まず,工程610においてフィードバック解除信号45が発生し,エラー信号としてのフィードバック解除信号を使用してフィードバック制御された電気入力信号25を低減することにより,補聴器の音響フィードバックが低減される。適応フィードバック抑制フィルタ40は,その適応モデル化の一部として,そのフィルタ係数を調整するときに,フィードバック解除信号を評価するための或る利得を生じる。工程620において,この利得がモデル利得推定値として決定され,次に,工程630において,モデル利得推定値を補聴器内の音響フィードバックのレベルの計測値と見なすことにより,プロセッサの上限または信号経路利得が生成される。
モデル利得推定値は,適応フィードバック抑制フィルタ内の利得を連続的に推定することにより決定される。モデル利得推定は,電気出力信号35である適応フィードバック抑制フィルタへの入力信号と,フィードバック解除信号45である適応フィードバック抑制フィルタの出力とを比較することにより行われる。この比較はモデル利得推定器60により行われる。モデル利得と,必要ならばこれに加えてフィードバックマージンが使用されてプロセッサ利得上限が導き出される。適応フィードバック抑制フィルタ40は,その適応モデル化の一部として,例えば入力された電気出力信号35に対する適切な遅延の選択および適用を行うこともできる。
マイクロホンに達するフィードバック信号は一般には出力信号の減衰したバージョンであるので,適応フィードバック抑制フィルタ内のモデル利得は,対数表示すると一般にマイナス(negative)である。FBAと等しいこの利得の数値は,フィードバック補償のない状態におけるプロセッサ内の最大許容利得を効率的に表す。
この推定された利得制限から差し引き(a deduction)を行わなければならない。1以下程度のループ利得でも信号の歪みが可聴されるので,最大許容プロセッサ利得がマージンにより確実に安定制限以下に留まるように差し引きを行わなければならない。この安全マージンまたはフィードバックマージンはテストに応じて設定されることになる。或るテスト・セットアップにおいて,任意の可聴信号歪(audible signal distortion)を回避するには,6dBのマージン設定が適切であることがわかった。したがって,本例において,フィードバック補償していない最大許容利得はFBA−6dBとなる。
適応フィードバック抑制フィルタが,フィードバック伝達関数の完璧なシミュレーションを行う場合,全てのフィードバックはキャンセルされて,フィードバックが許容プロセッサ利得に制約を課すことはなくなり,そのモデルは電流フィードバック経路伝達関数に関する情報を提供する。しかし実際的事例において,適応フィードバック抑制フィルタが行うフィードバック伝達関数のシミュレーションは完璧ではない。つまり,マイクロホンに達してピックアップされ,プロセッサによって増幅される残余フィードバック
FBR=FBA−FBC
が存在し,不安定さを回避するための,すなわち1を超えるループ利得を回避するためのプロセッサ利得の上限が存在する。特に,適応フィードバック抑制フィルタの刻み幅および長さは,フィードバック解除信号が音響フィードバックと整合できる範囲内の精度の効果を有する。
最大許容プロセッサ利得は,モデルによって提供されるフィードバック伝達関数に関する電流情報に基いて残余フィードバックのレベルを評定することにより,推定される。
フィルタは,例えば信号の有限時間窓(a finite time window)を処理するので,信号全体は考慮していない。例示的なあるテスト・セットアップにおいて,1ミリ秒(ms)の時間窓に基づくレベル推定値は,フィードバック信号のエネルギーの80%を含むことがわかった。このような時間窓に基づくフィードバック補償では,補償によりフィードバック解除信号の25%の大きさの残余フィードバックが残ると予想できる。
この例示的なテスト・セットアップによると,FBR=FBA−FBCであり,フィルタ出力信号は音響フィードバック信号のレベルの80%のレベルを有し,FBC=0.8FBAであるので,残余フィードバックは,
FBR=FBA−0.8FBA=0.2FBA
である。
FBA=FBR+FBCであるので,残余フィードバックは
FBR=0.2(FBR+FBC)となり,したがって
FBR=0.25×FBC
となる。
次に,この例において,適応フィードバック抑制フィルタは,12dBと等しい係数
FBC/FBR=4
によって,制限(the limit)(上限)を最大許容利得に引き上げる。したがって,最大許容プロセッサまたは信号経路利得は−20log(FBC)−6dB+12dB=−20log(FBC)+6dBとなる。
フィルタはディジタルであり,設定は増分であるので,特に,刻み幅,すなわち適応フィルタの有限分解能(the finite resolution)が許容されなければならない。増分の設定を明らかにし,結果として生じる潜在的エラーを評定することは,当業者の能力の範囲内にあると見なされる。
従って,この発明の一実施形態によると,プロセッサ利得上限は,適応フィードバック抑制フィルタの精度,フィードバック解除信号,および安全マージンにより決定することができる。その場合,当業者ならばフィードバック解除信号およびフィルタ精度から残余フィードバックFBRを評価するであろう。その後,残余フィードバックおよび安全マージンのレベルが使用されてプロセッサ利得上限が導き出される。
図3は,モデル利得推定器60の一実施形態を詳細に示しており,次にこれを説明する。フィードバック制御された電気入力信号25を複数の周波数帯域に分割する入力信号フィルタバンクがプロセッサの前にくると仮定する。この入力信号フィルタバンク(図1および図2には示さず)は,この発明の一実施形態では,電気入力信号をそれぞれの周波数帯域に分割するFFT回路または既知のフィルタバンクである。電気入力信号15をそれぞれの周波数帯域に分割する入力信号フィルタバンク270として同一のFFT回路またはフィルタバンクを使用することができ,この電気入力信号はその後モデル利得推定器60に与えられる。したがって,プロセッサおよびモデル利得推定器への入力信号は,同一のフィルタバンクまたはFFT回路を使用することによりそれぞれの周波数帯域に分割されるので,推定値のエラーをさらに低減することができる。
出力信号フィルタバンク210および補償信号フィルタバンク220はそれぞれ,電気出力信号35およびフィードバック解除信号45の信号ベクトル215,225を,それぞれの周波数帯域において生成する。信号ベクトル215,225は各々モデル利得推定器すなわち,出力レベル計測回路230および補償レベル計測回路240にそれぞれ送られて,レベル計測値235,245のそれぞれのベクトルを発生させる。レベル計測値は,所定の時間窓にわたる信号ベクトル215,225のノルムを計算することにより生成されるが,これを以下でより詳細に説明する。レベル計測値235,245はフィルタ利得推定器ブロック250に送られて,これらのレベル計測値間の比率のベクトルが算出される。その場合,比率のベクトルは各周波数帯域における利得推定値を表すと仮定する。モデル利得推定器はこれらの推定値を使用して,利得上限55,255を導き出し,これらの利得上限が,利得推定ブロック250によりプロセッサ20に送られる(図1参照)。
モデル利得推定器60はさらに,モデルの正確さを計測するモデル評価ブロック260を有する。モデル評価ブロック260は,入力信号フィルタバンク270から電気入力信号275のベクトルを受け,かつ補償信号フィルタバンク220からフィードバック解除信号のベクトルを受けて,制御パラメータ265を生成し,フィルタ利得推定器ブロック250を制御する。制御パラメータ265を生成するために,モデル評価ブロック260はフィードバック補償していない電気入力信号のノルムを生成し,これと,フィードバック制御された電気入力信号のノルムとを比較する。フィードバック制御された電気入力信号のノルムがフィードバック補償していない電気入力信号のノルムを超える場合,モデルはもっとも誤調整されがちであり,制御パラメータ265は他のアクションをとることを示すものになる。また,制御パラメータ265は,各周波数帯域用の制御パラメータのベクトルとすることもできる。その他のアクションとは,或る量の時間の間,利得推定を引き止める(stall)かあるいは停止させ(freeze),または,モデル利得推定器から導き出される利得制限を1組の初期値へ向かってリークさせる(leak)こととすることができる。適当な初期値は,例えば,補聴器のフィッティングの際に計測することができる。
次に,図7を参照して,モデル利得推定器の機能をさらに説明する。まず,工程710において,フィードバック解除信号45および電気出力信号35の信号ベクトル215,225が,好ましくは,プロセッサの信号経路内で使用するのと同じフィルタバンクを使用することにより,生成される。工程720では,これらの信号ベクトルからレベル計測値が生成される。
一実施形態によると,或る時間枠(a certain time frame)における各信号の絶対値の単純平均がレベル計測値と扱われ,この時間窓は矩形である。計算上低コスト(a computational low-cost)の一実施形態において,この平均は一次ローパスフィルタによって算出される。すなわち時間窓は指数関数である。
別の一実施形態によると,ダイレクト・エネルギー計算(direct energy computation)がレベル計測値の生成に用いられる。レベル計測値はエネルギー計測値を計算することにより得られ,この計算は,或る時間窓にわたる信号ベクトル215,225における各信号の二乗値の平均を算出することにより達成され,時間窓はここでも,矩形であるか,または一次ローパスフィルタによりモデル化されているかのいずれかとすることができる。
工程730において,モデル利得推定値は,上記電気出力信号およびフィードバック解除信号のレベル計測値235,245間の比率を決定することによって生成される。比率は各周波数帯域で決定されるので,それぞれの周波数帯域における利得推定値のベクトルが得られる。次に,これらの推定値が使用されて,信号経路内のスペクトルプロセッサ利得上限が導き出される。
一実施形態によると,次の一般的公式によりノルム信号が算出される。
Figure 2008523746
ここで,xkは,ノルムを算出すべき信号のk番目のサンプル(k=1,...L)であり,Fkは窓関数またはフィルタ関数を表し,自然数pはノルムの指数である。この式の具体的な一実施形態によると,p=1であり,フィルタ関数Fkは以下の再帰的式により定義される。
N(k)=λ|xk|+(1−λ)N(k−1)
ここで,λは,0<λ≦1の定数である。
ここで,さらなる実施形態によると,この発明はコンピュータプログラムまたは電子回路としても実施できると認識すべきである。その場合,コンピュータプログラムは,ディジタル信号プロセッサまたはその他の任意の適切なプログラム可能な補聴器システム上で実行されると,この明細書で説明する実施形態の任意の1つによる補聴器装置の信号経路利得を調整する方法を遂行する,コンピュータプログラムコードを有する。電子回路は特定の集積回路の応用例として実現することができ,その場合,これを,この明細書で説明する実施形態の任意の1つによる補聴器を使用する補聴器システムで実施することができる。
この発明の第1実施形態による補聴器のブロック図である。 この発明の第2実施形態による補聴器のブロック図である。 この発明の一実施形態によるモデル利得推定器のブロック図である。 補聴器の音響フィードバック経路を示すブロック図である。 先行技術の補聴器を示すブロック図である。 この発明の一実施形態による方法を示すフローチャートである。 この発明の別の一実施形態による方法を示すフローチャートである。

Claims (29)

  1. 音響入力信号を電気入力信号(15)に変換する入力トランスデューサ(10),
    上記電気入力信号をプロセッサ利得にしたがって増幅することによって電気出力信号(35)を生成するプロセッサ(20),
    上記電気出力信号を音響出力信号に変換する出力トランスデューサ(30),
    フィードバック解除信号(45)を生成する適応フィードバック抑制フィルタ(40),
    適応フィードバック抑制フィルタのモデル利得推定値を決定し,上記プロセッサ利得の上限を生成するモデル利得推定器(60),
    を備えた補聴器。
  2. 上記出力トランスデューサに与えられる電気出力信号を遅延させる出力ブロック(32)をさらに備えた,請求項1に記載の補聴器。
  3. 電気入力信号を周波数帯域に分割する入力信号フィルタバンク(270)をさらに備え,上記モデル利得推定器が,上記周波数帯域の各々のための上記モデル利得推定値を決定し,上記周波数帯域(複数)において上記プロセッサ利得のスペクトル利得上限(複数)(255)を生成する,請求項1または2に記載の補聴器。
  4. 上記電気出力信号のスペクトル信号ベクトル(215)を生成する出力信号フィルタバンク(210),および上記フィードバック解除信号のスペクトル信号ベクトル(225)を生成する圧縮信号フィルタバンク(220)をさらに備え,上記モデル利得推定器が上記信号ベクトルのレベル計測値を生成する,請求項1〜3のいずれか一項に記載の補聴器。
  5. 上記モデル利得推定器が,上記電気出力信号および上記フィードバック解除信号の上記レベル計測値間の比率を決定することにより上記モデル利得推定値を生成するフィルタ利得推定器(250)を含む,請求項4に記載の補聴器。
  6. 上記モデル利得推定器が,所定の時間窓にわたって信号ベクトル(215,225)のノルムを計算することによって,上記電気出力信号および上記フィードバック解除信号の上記レベル計測値(235,245)をそれぞれ生成する出力レベル計測値ブロック(230)および補償器レベル計測値ブロック(240)を含む,請求項4または5に記載の補聴器。
  7. 上記ノルムが信号の絶対値であり,上記時間窓が矩形である,請求項6に記載の補聴器。
  8. 上記ノルムが信号の絶対値であり,上記時間窓が一次ローパスフィルタによりモデル化されている,請求項6に記載の補聴器。
  9. 上記ノルムが信号の二乗値であり,上記時間窓が矩形である,請求項6に記載の補聴器。
  10. 上記ノルムが信号の二乗値であり,上記時間窓が一次ローパスフィルタによりモデル化されている,請求項6に記載の補聴器。
  11. 上記モデル利得推定器が,起こり得るモデルの誤調整を示す制御パラメータ(265)を提供するモデル評価ブロック(260)を含む,請求項1から10のいずれか一項に記載の補聴器。
  12. 上記モデル評価ブロック(260)は,フィードバック補償していない上記電気入力信号のノルムと上記フィードバック制御された電気入力信号のノルムとを比較し,起こり得るモデルの誤調整を決定するのに適している,請求項11に記載の補聴器。
  13. 上記制御パラメータがモデルの誤調整を示す場合に,上記モデル利得推定器が上記モデル利得推定を停止させるか,または,上記プロセッサ利得の上記上限を生成するのを引き止める,請求項11または12に記載の補聴器。
  14. 上記制御パラメータがモデルの誤調整を示す場合に,上記モデル利得推定器から決定された利得制限が,1組の初期値へ向けてリークする,請求項11または12に記載の補聴器。
  15. 音響入力信号を電気入力信号(15)に変換する入力トランスデューサ(10),上記電気入力信号を上記信号経路利得で増幅することによって電気出力信号を発生させるプロセッサ(20),および上記電気出力信号を音響出力信号に変換する出力トランスデューサ(30)を備えた補聴器(100)の信号経路利得を調整する方法であって,
    フィードバック解除信号(45)を生成し(710),
    上記フィードバック解除信号を評価することによりモデル利得推定値を決定し(720),
    上記信号経路利得の上限を生成する(730),
    方法。
  16. 上記モデル利得が,上記フィードバック解除信号を発生させる適応フィードバック抑制フィルタ(40)内の利得を連続的に推定することにより決定される,請求項15に記載の方法。
  17. 電気入力信号を周波数帯域に分割し,
    上記周波数帯域の各々のための上記モデル利得推定値を決定し,
    上記周波数帯域(複数)において上記信号経路利得のスペクトル利得上限(複数)(255)を生成する,請求項15または16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 上記電気出力信号および上記フィードバック解除信号のスペクトル信号ベクトル(215,225)を生成し(710),
    上記信号ベクトルのレベル計測値を生成する(720),
    請求項15〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 上記モデル利得推定値が,上記電気出力信号および上記フィードバック解除信号の上記レベル計測値間の比率を決定する(730)ことにより生成される,請求項18に記載の方法。
  20. 上記レベル計測値(235,245)が,スペクトル信号ベクトル(215,225)に対する絶対値算出の平均を適用することによって生成される,請求項18または19に記載の方法。
  21. 上記レベル計測値(235,245)が,上記スペクトル信号ベクトルの一次ローパスフィルタリングによって算出される,請求項18または19に記載の方法。
  22. 上記レベル計測値(235,245)が,スペクトル信号ベクトル(215,225)に対する直接エネルギー計算を適用することによって生成される,請求項18または19に記載の方法。
  23. 起こり得るモデルの誤調整を示す制御パラメータ(265)を提供するステップをさらに有する,請求項15〜22のいずれか一項に記載の方法。
  24. フィードバック補償していない上記電気入力信号のノルムと,上記フィードバック制御された電気入力信号のノルムとを比較し,起こり得るモデルの誤調整を決定する,請求項15〜23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 上記制御パラメータがモードの誤調整を示す場合に,上記モデル利得推定値の生成を停止させ,および/または,上記信号経路利得の上記上限の生成を引き止める,請求項23または24に記載の方法。
  26. 上記制御パラメータがモデルの誤調整を示す場合に,上記モデル利得推定器から導き出された利得制限が,1組の初期値へ向けてリークする,請求項23または24に記載の方法。
  27. 上記信号経路の利得上限が,フィードバック解除信号の数値,モデル利得推定値の精度,および安全マージンによって決定される,請求項14〜25のいずれか一項に記載の方法。
  28. 請求項15〜27のいずれか一項に記載の方法を実行するためのプログラムコードを有する,コンピュータプログラム。
  29. 補聴器(100)用の電子回路(400)であって,
    上記補聴器の入力トランスデューサ(10)により送られた電気入力信号をプロセッサ利得で増幅することによって電気出力信号(35)を発生させるプロセッサ回路(20),
    上記電気入力信号が上記プロセッサ回路に提供される前に,上記電気入力信号から減じるべきフィードバック解除信号(45)を発生させる適応フィードバック抑制フィルタ回路(40),および
    適応フィードバック抑制フィルタのモデル利得推定値を決定し,上記プロセッサ利得の上限を生成するモデル利得推定回路(60),
    を備えた電子回路。
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